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コンスタンティノープルの陥落(新潮文庫)
コンスタンティノープルの陥落(新潮文庫)
塩野七生/新潮社
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総合評価

128件)
4.1
42
48
19
5
1
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    トルコに行く予定があるので、読んでみました。歴史を物語として読むことができてすごく楽しめました。戦いはどのように進んでいくのだろうとワクワクドキドキ。 イスタンブールの地名も登場するので楽しい! 行く前にもう一度読みたい! マホメッド2世と同い年!!

    7
    投稿日: 2025.10.16
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    何度も重複して買い増していた「コンスタンティーノープルの陥落」を、やっと読んだ。 複数の登場人物の立ち位置で陥落までを追っていく。 マホメット2世の冷徹なまでの作戦実行でコンスタンティーノープルは落ちるのだが、ジェノバとヴェネチアとの確執や、正教とカトリックの合同騒ぎでまとまらない中、ビザンチンはよく戦った。 トルコが大型大砲を使用したことが、今まで鎧を身に纏い、馬に跨り剣を振り翳していた騎士の無力さを浮き彫りにした。また、マホメットの領土拡大の行動が、ジェノバの東の拠点を壊滅させ、それがきっかけとして、ジェノバの船乗りが西に目を向け、大航海時代が始まる。この戦いが、中世と近世を分つキーになっていることが、よくわかる。

    45
    投稿日: 2025.08.29
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    東ローマ帝国の滅亡が西欧においていかなる意味をもたらしたか、が理解できる。同時に、戦争における白兵戦の重要性が薄れ、かわりに「大砲」という兵器がその後急速に普及するきっかけをもたらしたのがこのコンスタンティノープルにおける戦いであった

    5
    投稿日: 2025.06.15
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    2025年5月30日、グラビティの読書の星で紹介してる男性がいた。アンティークのデスクの上に置かれた本2冊の画像が投稿されてた。「ティファニーで朝食を」「コンスタンティノープルの陥落」の2冊。 「「私が作ったやつだから、好きなの持っていって」と、施設入所の際に頂いたお手製ステンドグラスの照明。「俺が会社に入った時に上司から受け継いだ机なんだ。もう何十年も使ってないから捨てるだけだよ」と、こちらも同様に頂いた約100年前のデスク。最近の家具もオシャレな物が多いですが、何とも言えない味を醸し出しています(^^) さぁ頑張って仕事しよ! #アラフォー #ケアマネ #インテリア #プレゼント #読書」

    0
    投稿日: 2025.05.30
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    ビザンチン帝国の首都、コンスタンティノープルがトルコ帝国によって滅ぼされた当時の記録をもとに書かれた ノンフィクション本。 たくさん人が出てきて、それが ビザンティン帝国の人か トルコ帝国の人かビザンティン帝国を助けたベネチア人か中立を保ったジェノバ人かを理解するのが難しい。途中からメモをしながら読んだ。 これからイスタンブール(この本で言うと コンスタンティノープル)に行くので歴史を知りたいと思い、読み始めた。 ラストの陥落時に聖ソフィア大聖堂(今のアヤソフィア)で祈りを捧げる人がいたり、トルコ支配後に聖ソフィア大聖堂がモスクに改修されたりということが書かれていて、570年以上も前に歴史の大舞台となった場所に これから行けると思うとワクワクして、読んで良かったなと思いました。

    9
    投稿日: 2025.05.12
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    著者作は初読。最近世界史に興味を持ち、「コンスタンティノープル攻めの山越えが面白い」と聞いて読み始めた。 序盤の「現場証人たち」という章でさまざまな人物が登場しやや混乱したが、次第に各々の思惑や事情が絡み合ってあの日あの時のコンスタンティノープルを目撃したことがわかってくる。著者の語り口は冷静でいて臨場感があり、当たり前なのだが「世界史上の一出来事」と捉えていた言葉の背景に、多くの人が関わってきたのだと想像できた。 オスマンのマホメット(メフメト)2世は父と違い、威厳と冷徹さと征服欲に満ちていたようだ。ビザンツ帝国1100年の歴史はガラタ側の山越え、金角湾喪失をきっかけに崩れた。 エピローグで「現場証人たち」が実在した人物だと知った。ラストの一文も良かった。また、イタリア史には疎いのだが今作で中世都市国家に興味を持てたので、『チェーザレ・ボルジア』など他の作品も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2024.12.03
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    さすがの塩野さんである。 日々を暮らす、様々な職、年齢、立場の人々が紡ぎ出して来た歴史を、こうした臨場感を持って世界史授業でも伝えたいのだよなぁ。

    2
    投稿日: 2024.10.18
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    トルコ、東ビザンツ帝国、ギリシア、ジェノバ、ヴェネツィア、色々な立場の人たちを証言者として物語が進行していく。 現代にも続くキリスト教国どうしの連帯感というのは、これを読んで多少頭では理解できた。日本人にはない感覚だろうな。 それにしても東ビザンツ帝国の皇帝は人間味があり素敵だった。気品、気さくさ、温かさ、反目する国からも、この皇帝だけは敬意を持って迎えられていたようだ。 領土拡張のための戦争が当たり前の時代。兵士はただの駒。死んで悲しいとかはなく、ただ兵力が減ったと思われるだけ。何千年も続いてる、これは人間の本能なんだろうな。

    1
    投稿日: 2024.08.19
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    読後すぐに思ったのは、家に帰ったらNetflixの「オスマン帝国」見ようという事です。 塩野七生さんの作品は資料の調査や地図・図面を掲載してくれているので分かり易さや理解度が抜群でとても面白いです。

    1
    投稿日: 2024.07.05
  • これぞ世界史上に残る名勝負

    日本では応仁の乱のほんの十数年前の出来事。トルコ帝国のマホメット2世は織田信長に似ている。大砲をメインにした戦法で、その後の西洋の戦法や築城法に革命を起こした。従来の慣習にとらわれず、合理的な思考で戦いと統治を拡大していく21歳の王。懐柔策は使わず、逆らう者には一切容赦をしない。地中海一堅固な三重城壁を持つ都市を世界最大の大砲で攻めるトルコ。更に70隻もの艦隊を山越えさせるという奇想天外な戦法。攻守双方が知恵と勇気を振り絞った後世に語り継がれる名勝負ということがわかる。

    0
    投稿日: 2024.05.21
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    【概略】  コンスタンティノープル、ビザンツ帝国の首都がその一千年の灯を消すこととなったのが1453年、オスマン帝国による侵攻である。当時のオスマン帝国のスルタン・マホメッド2世は、いかにしてコンスタンティノープルを陥落させたか。おおいなる歴史の転換点をオスマン帝国側・東ローマ帝国側の双方から物語として紡ぐ。 2024年05月02日 読了 【書評】  イスタンブール滞在中に読了しておきたくて旅のお供に連れてきた。本当は(旅程ではチャナッカレからイスタンブールへ移動する)5月1日までに読み終えて、本書内の雰囲気をイスタンブールを散策しながら味わいたかったのだけど、2つの誤算があったよ。一つは読み終えることができなかったこと、そしてもう一つはイスタンブールの中心部がメーデーによって各種交通機関が閉鎖され、散策どころではなかった・・・というよりもチャナッカレからイスタンブールへの高速バスのターミナルからホテルにチェックインするまでに6時間近くかかってしまったという。喜餅の(イスタンブールを好きという気持ちが)陥落するところだったという。  さてさて本書のお話。高校で世界史を専攻していたけれど、実はそんなに詳しくないのがこの辺りの出来事。人種・宗教 etc. が複雑に絡み合ってる「ように見える」から、無機質に必死に暗記したイメージなのだよね。やっぱりストーリーテリングとして読み進めると、楽しいし、なんというか勝手に人物像を思い描くことができるよね。  マホメット2世(メフメト2世)の雰囲気なんて、織田信長を重ねてしまったよ。若いながらに部下を統率、しかもその統率の仕方が圧力というか威厳というか・・・どちらかというと部下の背筋がシュッとしちゃうような。そして戦略についての思考の幅広さ、使えるアイデアは人種や背景など関係なく使い、人物を登用するあたりなど、もろに織田信長!なんて思いながら読み進めたね。  かたやビザンツ帝国、ローマ教会のカトリック、そしてギリシア正教という2つの大きな宗教の思惑、そしてビザンツ帝国の属国(という言い方が正しいのかわからないけれど)の諸事情が複雑に絡み合って、皇帝の思惑と上手に重ならないのがなんとも大国の終末状況だよね。歴史は繰り返されるというか。コンスタンティノープルを陥落したオスマン帝国もまたトルコ共和国になる過程において、まるで櫛の歯が欠けるように・・・ね。  気性はともかくとして、肩書きや人種、背景といったものとは別に、その人物が持つ特性やアイデアを色眼鏡で見ずに取り入れるというスタイルは本当に意識したいし、逆にこの現代こそそういったマインドは重要なのではないかなと思う。特定の人種におもねることなく、また逆に特定の人種にたいして鷹揚にかまえることなく。  幸いにしてトルコへまたお邪魔することができそうな雰囲気なのだよね。今度はメーデーはしっかり避けて、この歴史あふれるイスタンブールという街を(しっかりと予習したうえで)楽しみたいね。  楽しみが増えました。

    0
    投稿日: 2024.05.03
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    登場人物が次々紹介されて覚えられない…諦めて読み進めたけど、主要人物はすぐ覚えられるし、誰か思い出せない人が時々出てきても、それほど支障はありません。 宗教や民族や帝国や文明…知識もないし理解できなくて苦手意識があったけど、登場人物のそれぞれの立場の感情がわかって面白く読めた。

    0
    投稿日: 2023.09.24
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    「人は常に、自らの信仰か自らの祖国か、それとも自らの家族か自らの主君のためかに、死を甘んじて受ける覚悟がなければならない。ところが、今やわれわれは、これらすべてのために、死を覚悟しなければならない事態を迎えている、わたしも、民と運命をともにする覚悟だ」 2021/4/29読了 トルコの大軍の前に、絶望的なまでに孤立無援となったコンスタンティノープルを守る、皇帝コンスタンティヌス11世の悲壮な言葉。

    0
    投稿日: 2023.09.18
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    高校生の頃に初めて読みました。 歴史に疎い私でも読みやすかったです。 読み終わったあと、都市の終わりと時代の転換点を目撃したような気持ちになり、少し切なくなった。

    1
    投稿日: 2022.06.09
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    コンスタンティノープルの陥落と東ローマ帝国の滅亡を描いた歴史小説。 陥落までの短い期間を戦争映画のように描いた作品。 自分の好みではなかった。

    0
    投稿日: 2021.12.13
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    再即位したムラト2世VSメフメト2世、ハリル・パシャに対抗するザガノス・パシャ、コンスタンティノープル攻略戦の背後で権謀するハリル・パシャ、苦難の末に完成し火を吹くウルバンの巨砲、艦隊の山越えの責任者の苦悩、自ら死地に赴くコンスタンティノス11世、等々の熱い戦史小説と勝手に思い込んで購入。 本書籍はそうではなく、当時の人々の記録を淡々と記述した物語です。

    0
    投稿日: 2021.08.12
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    歴史の教科書なら、「1453年マホメッド二世、コンスタンティノープルを陥落させる」だけで終わりそうだけど、実はもちろん、それぞれの立場の人間が、いろんな思いや主義を持って、大騒ぎしていたんだなあ、って、しみじみ思った。面白かった。そして、またまた、この時代も、王様の愛人は美少年(^-^)

    1
    投稿日: 2021.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現イスタンブルであるコンスタンティノープルというビザンツ帝国の首都が、The magnificent(壮麗王)と呼ばれるスルタン、スレイマンによって、オスマン帝国の手中に落ちる様子を、ヴェネチアやジェノヴァ等含めそれぞれのリーダーのキャラクター等にも触れながらまとめられた歴史エッセイ。 塩野七生さんは、歴史的資料を集めて調べて、事実に基づきながらも生き生きと歴史を描いてくれる人だと思う。そして最もイタリアに詳しい方なので少しヨーロッパの目線が入ったトルコへの見方に触れられて個人的には新鮮で面白い。 ビザンツ皇帝とオスマン帝国皇帝の性格や戦略の違いなどが対照的に描かれていて、とても面白かった。本当にこうも違ったのだろうか? また、蛇だが、現トルコ共和国は認めたくないのだろうとは思うが、宮廷内での男色などにも触れられていて、日本も含めどこでも昔から同性愛や同性での肉体関係はあるのだと興味深かった。 やはりイスタンブルには歴史とロマンがある。 トルコ旅行に行く人は読むと旧市街観光を倍楽しめるのでは。

    0
    投稿日: 2021.07.02
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    (イタリアルネサンスの原本) 塩野七生氏の著作は「国家の経営」がテーマ イタリア・ローマの歴史を描きながら、その目は「日本の国家経営=政治」がより良くなるようにとの未来へ向けられている コロナ禍にあって日本の国家経営が厳しく問われている 単なる批判ではなく、より良くする英知を集めよ 歴史は人物の評価を一変させる力を持っている コンスタンティノープルの陥落は マホメット二世を英雄に変えた 最後の皇帝は高貴 人は己以外の者のために、死を受け入れる覚悟が必要 ベネチアのガバナンス 国政を担う「貴族」 政治の権利と国難に向かう義務

    2
    投稿日: 2021.05.09
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    Netflixでオスマン帝国を観て興味を持ち、文字でも読みたくてこちらを。世界史に疎い自分もこれは小説のようで楽々読み進められた。(国名や人名などの表記が若干異なるので少々戸惑ったがすぐ慣れた) 軍医、商人、側近、小姓、留学生、それぞれの視点からコンスタンティノープルが落ちていく様子を詳細に記録している。 歴史的な転換点となった出来事の中身もかなりドラマティック。単純に、オスマン帝国のマホメッド2世がビザンチン帝国の都・コンスタンティノープルを手にする物語と一言では言えないような、登場人物全員に敬意を払いたくなるような、そんな感じ。 本当に登場人物全員に感情移入してしまう。なかでもビザンチン帝国のコンスタンティヌス11世。建国から1,100年の歴史、歴代の偉人たちの想いを背負って(重すぎるよ!!!)、運命を受け入れる覚悟を決める場面が泣けてくる。人格者な彼についていく側近がいるのも分かる。カリスマ性があるし。散り方が潔く美しい。武士みたい。 それぞれの立場で役割を全うした全員に拍手。こうやって歴史は語り継がれるのね〜と分かった本。

    3
    投稿日: 2020.12.30
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    コンスタンティノープルが陥落するまでを、修道士や商人、医師など、複数の現場にいた人たちの物語を合わせたお話。 臨場感があるのと、と歴史の勉強になる。

    0
    投稿日: 2020.10.06
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    1000年続いたビザンツ帝国が滅びる時のことが書かれています。 歴史物が好きな方は面白いと思います。 コンスタンティノープルでのオスマン帝国とビザンツ帝国との決戦が描かれています。

    0
    投稿日: 2020.09.28
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    イスタンブール 旅行の前に、歴史を知ろうと思い手に取った小説。結果、一夏をどっぷり塩野七生小説に充てるほど、どハマりした。 時代背景をかなり緻密に調べた上のフィクション。 コンスタンティノープルがオスマン帝国に滅ぼされるまでの緊張した時代を描いたもの。 イスタンブール 旅行中、あぁ、この遺跡はあの時のか、、等感慨深い想いをした。

    0
    投稿日: 2020.08.14
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    コンスタンティノープル陥落というと、マホメッド2世の勝利物語というイメージでしたが、これを読んでから、コンスタンティヌス11世と当時のヴェネツィア共和国により興味を持ちました。陥落後の主人公たちの人生に、ある程度のページが割かれていて、より悲哀が増し、作品を美しく魅せています。 イスタンブール行きたくなりました。 金角湾に鎖をかけるシーン…もっと詳しく書いて欲しかった。よくトルコ軍入って来なかったよなぁ。(笑)

    2
    投稿日: 2020.04.13
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    人みなコンスタンティノープルへ 絶望的な状況の中でイタリア人達はコンスタンティノープルへ少数ながらも入る。 それは海洋国家というか島国の域を出ない日本人にはイマイチ分かりにくい感覚でしょう

    3
    投稿日: 2019.10.15
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    東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争

    0
    投稿日: 2019.09.08
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    東ローマ帝国の最後の戦いの物語。 現在のトルコのイスタンブールで、15世紀の当時の名前はコンスタンティノープル。 1000年続いた国の終焉であり、ローマ帝国の最後の残り火が本当に消えた瞬間なので、著者の感情もあってか寂しさがにじみ出ている。 複数人の現場にいた証人が残した記録を元にしているらしく、複数の視点から眺めた形式になっている。 導入部分は名前も覚えにくく正直読みづらいが、戦闘が始まる後半は生き生きと描かれており楽しく読めた。 ローマ人の物語を読んだ人におすすめです。

    0
    投稿日: 2019.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    元々持っていた本を何年かぶりに再読。少々オスマン帝国の知識を仕入れた後に読んだ。 千年以上続いたものの、徐々に衰微してきたビザンチン帝国の最後の抵抗の物語。最後には、数に任せた強引なまでのオスマン帝国の攻略に屈する。 陥落後も生き延びた人物たちの文献を元にして、臨場感のある当時の攻防の様子が生々しく伝わってくる。

    0
    投稿日: 2019.06.16
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    東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。 栄華をほこったビザンチン帝国も衰退の一途をたどり、 残すはコンスタンティノープル周辺のみとなり、 コンスタンティヌス11世を試練が見舞う。 飛躍著しいトルコではマホメッド2世が勇躍し、 トルコ帝国の版図を一気に広げていく。 世界史の大事件であるンスタンティノープルの陥落を、 第三者をも含む色々な人々の視線で描いているのが面白い。 ただし、キリスト教的立場での描き方が主流であるので、 トルコ側(イスラム)からの目線の描き方がもっと欲しかった。 ゆっくりと衰退してきたビザンチン帝国ではあったが、 その滅亡の影にある当時の諸国事情などを顧みながら読むとさらに面白い。

    0
    投稿日: 2019.05.16
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    20190317 ヨーロッパの源流であるローマ帝国の最後の直接的な系譜であるビザンツ帝国の滅亡という歴史の分水嶺を写実的に描く。 地政学的にトルコに圧迫されトルコ領内に浮かぶ小島のようになり、経済的にはジェノバとヴェネツィアに支配され弱体化したビザンツ帝国。帝国自体の兵力は5000とほぼないようなものでジェノバとヴェネツィアの僅かな援助では、地中海一といわれた強固な城塞をもってしても、トルコ軍を防ぎ切ることはできなかった。 ビザンツ帝国に相手にされなかったポーランド人ウルバンの大砲、海軍の陸上輸送による金角湾封鎖の突破、坑道の攻防といったテクノロジーの戦いでもあった。 コンスタンティノープル陥落は黒海と東地中海のトルコ支配に繋がりジェノバの凋落をもたらした。さらに、ビザンツ帝国旧領へのトルコの領土拡張につながった。

    0
    投稿日: 2019.03.17
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    当時のコンスタンティノープルを取り巻く環境、人々の雰囲気などがよく伝わる本でした。単純な時系列をたどった話や作者(又は歴史学者の)狭い認識のもとに構成された話とは違い、当時の多様な人々、文化、環境要素を読み取れる作りになっているので、その内容の生々しだを持って本を読み進めるに連れ当時の人々の感情をも味わった気持ちになりました。

    0
    投稿日: 2019.01.16
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    1983.9? 1991.4? 2011/6/25 放送大学「地中海世界の歴史」をTVで見て また読みたくなった。  → http://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/H23/kyouyou/B/ippan_jinbun/s_1114115.html 〜 地中海世界の歴史('09)−古代から近世− シラバス 内容と著者は → [more] 内容 新潮文庫 し−12−3 (「BOOK」データベースより) 東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。 独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、 15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた―。 地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、 豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 塩野 七生 1937年7月7日、東京生れ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。 ’68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。 初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。 この年からイタリアに住む。 ’82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。’83年、菊池寛賞。 ’93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。’99年、司馬遼太郎賞。 2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。 ’07年、文化功労者に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    0
    投稿日: 2018.11.11
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    現在に続く、イスラム教とキリスト教の争いの源流の一端を見た。オスマントルコによる祖国侵犯の過去は、今も欧州の国家バランスに少なからぬ影を落としているはず。

    0
    投稿日: 2018.11.04
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    再読 「やる夫の城塞都市物語」も合わせて再読 日本人にとってだけではあれ ローマ人の物語は三国志演義のように歴史的価値ある作品だと思うし 本作もその導入として意義ある一冊

    0
    投稿日: 2018.10.17
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    東ローマ(キリスト)対オスマン帝国(イスラム)という世界的には屈指のドラマがこのコンスタンティノープルの陥落なんではなかろうか。 私としてはよく知らず、聞いたこともない話だったけど、面白かった。この辺の歴史について知りたいと思える小説でした。

    0
    投稿日: 2018.09.08
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    『ロードス島攻防記』『レパントの海戦』(ともに新潮文庫)とつづく三部作の第一弾です。 ビザンチン帝国の首都コンスタンティノープルが、マホメッド二世率いるオスマン帝国に敗北するまでの経緯をえがいた歴史小説です。歴史の大きな潮流のなかで、東ローマ帝国が新興国トルコに敗北するという事件の意義を鳥瞰的にとらえる一方、ヴェネツィア共和国の貴族でビザンチン帝国にやってきた医師のニコロ・バルバロや海軍提督のガブリエレ・トレヴィザン、コンスタンティノープルの僧房で学ぶイタリア人のウベルティーノといった人物を登場させることで、彼らの眼を通してコンスタンティノープルの陥落へといたる戦いの様子の具体相を、いきいきとえがきだしています。

    0
    投稿日: 2018.09.03
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    気軽に読める分量で、書き方も展開のスピードも読みやすい。おもしろい。 地理や建物構造の説明がとてもいいし、キャラの数だけ目線があるので、ひとつの出来事も多角的に見れ、しかもいずれにも感情移入できる。で、最後に紹介される各キャラのその後が、その人の採点結果みたいで味わえる。そんなん運やんか...ってのも多いけど。 若干気になったのは、トルコがエスニックでやや野蛮、西欧側が文明、という読後の印象。 トルコの兵士は装備がペラペラだけどスルタンへの恐怖により人海戦術みたいに押し寄せ、一方ビザンツ皇帝や海洋国家はキリスト教をベースに議論や協調する、ってなると、大砲はトルコが使ったにしても、なーんかトルコは未開みたいな印象になった。どれほど正しいのかなぁと疑問に感じるものの、検証する知識はない。

    0
    投稿日: 2018.05.16
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    初めて塩野七生の本を読んだのは、「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」で、私は速攻ファンになった。今も繰り返して読みたい本の中には、その一冊は必ずはいっています。この本も同じくらい素敵だった。もっと早く読めばよかったと後悔しかない。学生の歴史の教科書に味気なく綴られ、テストの為にいたしかなく暗記した事柄が、こんなにも肉厚で血流のかようロマンティックでドラマチックな現実だったとは。あの頃の私に薦めてあげたい一冊です。海戦三部作なので、次の「ロードス島攻防記」も否応なしに期待が高まりますね。

    0
    投稿日: 2018.03.27
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    若きスルタン、マホメッド二世によるビザンツ帝国首都コンスタンティノープル征服のお話です。 コンスタンティノープルがイスタンブールとなってからも変わらないのが、西欧、東欧、アジアの通商交通の拠点であり、東ローマ世界における最重要都市であることです。 経済的要所に加えて、東方正教会の総本山でもあります。 この都市の征服を実直に進めるトルコを止める力は、既にギリシア世界にもカトリック世界にもなかったのです。 斯くして、コンスタンティノープルはコンスタンティノス11世と共に滅びることになります。 その時代に翻弄される人々が生き生きと描かれた一冊。

    2
    投稿日: 2017.09.22
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    永遠の都にも終わりがきます。 世界史の中で3つの大きな出来事を挙げよ と言われたら間違いなくこの出来事が入ると高校時代に習いました。 それだけ、ローマ帝国という存在、コンスタンティノープルという存在は地中海世界に対して大きな影響があったのだと思います。

    0
    投稿日: 2017.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ハラハラする展開、西欧諸国が少しでも違った動きをしていれば違った歴史になっていたのだなという、コンスタンティノープルの無念さも感じる。 ところで登場人物の名前が覚えられない。(覚えるほど印象に残らない人物が多い)地名も良くわからない。 歴史小説ということである程度知られていることが前提なのでしょうね、歴史小説は読み方が難しいと思った。

    1
    投稿日: 2017.05.04
  • 世界史の中の登場人物の気分で

    1453年 東ローマ帝国(ビザンツ帝国)滅亡 学校での世界史の学習の中では,この1行で終わってしまう。その1行をさまざまな立場・視点で,あたかもその時代にいるかのように感じながら読むことができる。 コンスタンティノープルという街は,単に東ローマ帝国の首都だったというだけでなく,ヴェネツィアやジェノヴァといった北イタリアの都市とも深いつながりがあり,このコンスタンティノープルの陥落自体にもこれら西欧の都市国家がからんでいたというのは知らなかった。これらの登場人物の一人称視点で読めるというのも,塩野七生さんのストーリーの特色だろう。 今まで,イスタンブール(コンスタンティノープル)という街自体,それほど興味は無かったのだが,これを読むと,東ローマ帝国からトルコに続く歴史の中心となった街だということに気づき,一度行ってみたいと思わされる。

    2
    投稿日: 2017.02.05
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    1000年続いた東ローマ帝国ホテルがトルコの侵攻により滅亡した日を描いた歴史小説。登場人物が多くて背景や描写が緻密。読むとイスタンブールに行きたくなる。

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    投稿日: 2016.12.11
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    悲しいねえ  オスマントルコの大群が時間をかけてコンスタンティノープルに襲いかかっているというのに、長期間に亘り持ち堪えているというのに、周辺国は見向いてくれないのだから。 古代ローマ時代は違ったよな、ガリアで反乱があっても、東方の属国で反乱があっても、挙国一致で防衛してたもんなあ  なぜだろう。国が違うだけじゃないだろう。  オスマントルコが強すぎたのか

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    投稿日: 2016.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今回も再読、初読みは「ボルジア」と同じ20年くらい前です。 東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた・・・。 (本著裏表紙あらすじより) 読了は2回目ですが主人公の一人、トルコ皇帝マホメッド二世の言葉「あの街をください」が非常に印象的で読み始める前から思い出していました。セリフの意味的に序盤で出てくる言葉なんですけど、この言葉は本当に印象的でした。 「ローマ人の物語」とは違いフィクションを多少織り交ぜているような、小説風な書き方をしている箇所が多く、改めて「ローマ人の物語」より読みやすく感じました。著者の作品は小説というよりも解説書に近いと常々思っていたんですが、初期の作品は小説的な部分も多かったんですよね。 そういう意味では著者作品の中で最初に読み始めるのには本作などは向いているかな、と思いました。

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    投稿日: 2016.10.16
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    「コンスタンティノープルの陥落」 塩野七生のだいぶ以前の著作で、昭和58年の刊行である。 「ローマ亡き後の地中海世界」にはコンスタンティノープルの陥落についてはこの著作に書いてあるので省略となっていたので読んでみた。 読んでみるとやはり「ローマ亡き後の地中海世界」とは書き方が少々違う。 「ローマ人の物語」のように大きな歴史をとらえるという感じではなく、コンスタンティノープルの陥落をビザンチン側とオスマントルコ側からそれぞれの人物を通して描いている。ヨーロッパ側の資料が多いせいかオスマントルコ側の記述がややあっさりしているように思う。 周りの陸地を囲まれ圧倒的に不利なビザンチン側の状況と強大な陸上兵力のトルコ側の戦いの様子がスリリングだ。海戦ではかなり有利なヴェネツィアの戦い方も、さすがに補給が断たれてはオスマントルコを押し戻すのは難しい。もう少し海上補給がうまくいけばオスマントルコも撤退したかも知れない。 また、当時の地中海世界の国際状況、ヴェネツィアとジェノバの海外覇権の争い、ヨーロッパとオスマントルコの外交関係が複雑で興味深い。現代とそれほど変わらないように感じる。 コンスタンティノープルで戦い、生き延びた人たちがその後どうなったのかを追っており、最後のエピソードが深い余韻を残し面白い。 そして、ビザンチン帝国がなくなったことでローマが終わったとヨーロッパでは考えられるようになり、いかにヨーロッパではローマの影響が大きかったのかよくわかる。

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    投稿日: 2016.07.18
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    現在イスタンブールと呼ばれているトルコ最大の都市は、かつてはコンスタンティノープルと呼ばれるビザンチン帝国の首都であった。 ビザンチン帝国は、ローマ帝国から派生したが、キリスト教を国教とし、ギリシア語を使うなどローマ帝国とは、非常に異なる文化として発展した。 また、非常に伝統主義かつ権威主義的でありであり様式化された儀式を重んじる特徴があった。 (英語の辞書で"Byzantine"と引くと"複雑で難解な"という意味の形容詞にもなっている) ローマが滅亡した後も約千年に渡り存続したが1453年トルコにより占領され、ビザンチン文明は、その幕を閉じた。 この物語は、コンスタンティノープル攻防を描いたドラマである。 作者は、様々な資料からこの事件に立ち会った人々の人物像を再構成し、この一つの文明の終焉のドラマを多様な人間の視点から活写している。 この攻防戦がどのような経緯で始まりそして終結したかが、まるでドキュメンタリーを見ているような感じで語られ、非常に分かりやすかった。 また、作者の想像で補っていると思われる部分のドラマも非常に良い感じで、物語としての面白さを増していると思う。 しかし、ローマもビザンチンも滅亡時の皇帝の名前が建国者と同じとは、なにか運命のようなものを感じさせる。

    0
    投稿日: 2015.01.22
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    イスタンブールへ向かう飛行機の中でこの本を読んでみた。面白い。世界史の授業では興味のもてなかったビザンツ帝国の最後。単に暗記することが求められた学生時代とは違って、旅をより楽しむために歴史を学ぶ。改めて世界史や地理を学び直したいと思う今日この頃。

    0
    投稿日: 2015.01.05
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    コンスタンティノープルを興したビザンチン帝国は、4Cに創立、5-6Cに全盛期を迎えたが、11Cには大幅にその支配圏を縮小、15Cにオスマントルコに攻められ陥落したという。 合戦が本格的になってからの記述はエキサイティング。 イスタンブールのメジャーな観光施設である、アヤ・ソフィアやトプカプ宮殿が歴史的にどれだけ意味をもったランドマークであるか、というのも感じることができた。あるいはまたイスタンブール(コンスタンティノープル)という地が、長らく反映してきた帝国の都であったということも理解した。しかしこの本を読んでかえって強く感じたのは、この「陥落」こそが、キリスト教とイスラム教との交戦の発端になっているということや、キリスト教とギリシア正教との「統一」をももたらしたということ。もっと言えば、陥落してもなお、東西の世界の「分け目」という役割を果たし続けているのだ、ということを感じることができたのである。トルコを旅する人には必読。

    1
    投稿日: 2014.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すーっごく面白い本だった。 最初の方はコンスタンティノープルの説明や登場人物の説明が多く、私は毎度のごとくそういうページを読むのが苦手なので、その章を越えるまでにすごく時間がかかってしまった。が、その章を越えると、ストーリーの流れに引き込まれて、一気に読んでしまった。 世界史の知識に乏しい私には、この本を読むのはすごく難しいと思われたのだが、本を読み進めるうちに、どんどん最初に書かれていたことが繋がっていった。やはり、ただ起こったことの羅列ではなく、ストーリーがある方が格段に歴史が頭に入ってくる、と思う。ということで、世界史がわからない人も楽しく読めます。 マホメッド2世は、駆け引き(交渉力?)や、言葉遣い、発想力に長けている人なのだろうか、とこの本を読んで思った。たとえば、他国の軍を騙してトルコの不正規軍にしたり、艦隊の陸越え、兵士の士気を上げるような言葉を選んだり。それだからこそ、十万もの軍を率いることができたのだろう。リーダーになるためには、ただバカ正直でいちゃダメなんだなあ。 解説の人が書いた、「現代の世界を理解するためには、この東の世界がつづった歴史をあらためてたどってみる必要がある。たとえば、ビザンチン帝国史である。ありはトルコがヨーロッパ世界に与えた衝撃である。その理解なくしては、今日の東欧やソ連、さらにはバルカン半島、中近東の文化や宗教や価値観を読み解くことが出来ない」という文章が、忘れられない。この人が書いているように、ビザンチンは日本人にとって、けっして親しいものではない。むしろ、日本史ばかりやっていた私のような者は特にだ。この本は、その東の世界のことを教えてくれる、きっかけのような本であった。 最後の終わり方が、もやもやっとさせる終わりではなく、どちらかと言うとすぱっという終わりで、読んでいてすっきりした。

    0
    投稿日: 2014.09.24
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    トルコに行く際に、歴史を知りたいなと思って買った本。1853年、ビザンツ帝国の首都・コンスタンティノープルの陥落を史実に基づいて描いたお話。旅行中、バス移動のなかでちょこちょこ読み進めていくのが楽しかった。 舞台は現在のイスタンブール。かつてのコンスタンティノープル、ヨーロッパとオリエントが混ざり合い独自の文化を築いた壮大な都。 キリスト教圏の都として栄えた街は、オスマン帝国の若いスルタンの野望によって奪い取られていく。西洋一の難攻不落と名高い城塞が陥落する日に向けてのカウントダウンが、コンスタンティヌス皇帝とマホメッド二世を中心とした様々な人々の視点から進んでいきます。 高校生のころ世界史の授業で勉強したはずだけど、単語しか覚えてなったから頭の整理にちょうどよかった! 古代ローマの母胎が崩壊していく様が悲しくも壮大。長い攻防の末、帝国に最期の瞬間が近づいてくるのが、なんとも切なかった。色んな時代の空気、色んな人々の感情、たくさんのものが混ざり合っているから、この街はこんなにも美しいのかもなあ。 イスタンブールには沈みゆく夕陽が似合う。

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    投稿日: 2014.09.09
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    【印象】 1453年。焦点、白熱、灰。 東ヨーロッパと西アジアの合する地で守る者と攻める者。 極めて対照的な諸々が交わり、その帰結。 【類別】 小説。史実は下敷き。 戦争、多少の群像劇の要素。 【構成等】 脚色が為されており、物語としての流れがあります。 従って歴史に全く疎い人でも楽しめるものでしょう。 【表現】 平易です。 一部、語の選び方と配列が効果的ではない印象を受けました。

    0
    投稿日: 2014.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ローマ帝国の最後、ビザンチン帝国の最後をつづった物語。国の最後、攻める側・守る側の双方から見た人々の想いと行動。ほんとうにその場にいるかのような詳細な記述と物語の進行には感服です。 ローマ人の物語を読んでいたので、感慨深く読めました。のこり2巻にも期待して読みたいと思います。

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    投稿日: 2014.07.19
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    コンスタンチープルからイスタンブールへ、 世界史的にも画期となった壮大な物語が、 比較的コンパクトに綴られた、たいへん読みやすい小説だ。 塩野七生の小説は外れがない。 読みはぐれていた、「海の都の物語」を読み始めた。 一生のうちに一度は、イスタンブールとベネチアに行ってみたい。

    0
    投稿日: 2014.05.10
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    都市が死ぬのって人が死ぬよりドラマだなぁ。国が滅びるときは、人格者が治めていようが、実力のある家臣がいようが、滅ぶときは滅ぶって感じ。

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    投稿日: 2014.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    相変わらず面白い本だった。この本の面白さは、時代や背景・状況描写はもちろんのこと、登場人物の多さなのではないだろうか。 ビザンチン帝国の皇帝とオスマン・トルコの皇帝を中心に、皇帝の腹心の部下やスルタンの部下や侍従たち。ヴェネツィアの海軍士官や商人、ジェノヴァの商人、さらには、カトリックの司教と正教会の司教などなどたくさんの背景を持った人物が登場したが故の面白さであると思った。 また、この本というか戦いでは、その守りたい場所に対する思い入れの強さがバラバラであっては、いくら強くても、心理的に負けていってしまうということを伝えているようにもかんじた。

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    投稿日: 2014.01.23
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    トルコ出張中に読了。現イスタンブールの街を舞台に、トルコ帝国が攻め、ビザンチン帝国が護る。コンスタンチノープル最後の日に向けての、男たちの物語(女性面白いぐらい出てきません)。 ガラタ塔から夕日をながめては、迫りくるトルコ人を眺めたジェノバ人たちの心理を思い、アヤソフィアでは最後のミサに流れた空気を思い、城壁を見ては、勇猛果敢に壁をよじのぼったトルコ兵たちの汗と血がしみてんのか・・・と見入ってみたり。車窓からイスタンブールの街並みを眺めては、トルコ兵の布陣を思い出し、数百年前の攻防戦の影を重ねてみる。ちょっとでも歴史を知っていると、過ごす時間が深まって楽しい。想像でしかないのだけれど、旅って何も知らないで行くと吸収することで精一杯で、想像力働かす余地もないことが多いから(それがまた楽しいときもあるけども、仕事で行く国については想像力のスイッチも入れていきたいところ。) イスタンブールを訪れる方は、事前に読んでみてはいかがでしょうか。物語調なので歴史書苦手な私でもするっと読めました。この本が興味の火付け役となってくれたので、このあともう少し堅い歴史本で、ビザンチン帝国が弱体化するまでの歴史や、トルコの歴史についての知識を入れよう。

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    投稿日: 2013.12.16
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    再読。西暦330年から1123年間も続いたコンスタンティノープルの陥落を、何人もの同時代者の資料を駆使して再構成された壮大かつ細密な歴史物語。それは、ある意味では東洋(マホメット2世)と西洋(ヴェネツィア、ジェノヴァ、法王庁他)との対決でもあり、同時に中世騎士の世界の終りでもあった。

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    投稿日: 2013.09.23
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    馴染みなく覚えずらい名前の登場人物が次々に出てきて、最初は混乱し読み終わったあとでも、誰が誰だか自信がない。 知人の好きな本ということで、手に取る。歴史的に見ると貴重な記録か何か知らんが、内容としてはトルコ辺りで昔戦争が有りました。と言うもの。文章的に面白いものでもない。世界歴史が好きな人には良いのかも。 イスタンブールにも行ったことがあるが、特に思いでもリンク出来なかったな。今度行く機械が有れば再読しても良いかも。

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    投稿日: 2013.08.13
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    当時の人達の心情を思うと切なくなります。 イスタンブールは15年以上前に訪れましたが、本書を読んでから行っていたら間違いなく別の視点でも街を見れたでしょう。 四面楚歌、祇園精舎の鐘の声 滅びの美学は古今東西に関わらず存在します。

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    投稿日: 2013.06.08
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    イスタンブールに旅したので再読。臨場感があります。いろいろな立場から描いていて、陥落したことが手に取るように分かりました。

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    投稿日: 2013.05.20
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    「滅びのエロス-地中海の美女、陥ちる」 1453年5月、キリスト教を戴き東のローマとして千年の繁栄を誇ったビザンチン帝国の首都・コンスタンティノープルはオスマントルコのスルタン・マホメット二世の猛攻により最期の時を迎えようとしていた。ビザンチン帝国、トルコ、ジェノヴァにベネチアと様々な立場で現場に居合わせた人々の記憶によりここに明らかになる帝国最後の日。 都市に性別があるとするならば、コンスタンティノープルはまちがいなく女だろう。本書の解説に「甘美でスリリングな歴史絵巻」とあった。ひとつの文明ひとつの都市の終焉は痛みを伴う悲劇ではないのか?なぜ「甘美」なのか?と思ったのだが、かの都市を一人の女性とみるならばそれは至極合点がいく。 栄華と美しさを誇り東西交易の富で西欧諸国を魅了しながらも、政治と宗教の合致というビザンツの精神を貫こうとするコンスタンティノープル。古風で身持ちの堅い美女が、トルコという血気盛んな男に薄物を一枚一枚剥がされるように征服されていく。 一方そこには生き長らえるためとはいえ、同じキリスト教でありながら根本で相容れない西ローマに迎合し吸収されてしまうよりは、東のキリスト教国の誇りを保ったままいっそのこと異教徒の国トルコにひと思いに斬られたいという悲壮な思いも感じるのだ。 冷徹で地中海世界征服の野望に燃えるスルタン・マホメット二世と、人心を集め優しく誇り高いビザンツ最後の皇帝・コンスタンティヌス11世のキャラクターの違いがあるいはそう思わせるのかもしれない。しかし古今東西、それは例えば日本で言うなら源平合戦で壇ノ浦に散った平家一門などにも感じるのだが、征服するものとされるものとの間には少なからず滅びのエロスが存在することを本書は伝えてくれる。

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    投稿日: 2013.05.03
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    塩野七生にハズレなし。1100年続いたコンスタンチノーブルの陥落の様子が手に取るようにわかる。巻末の森本哲郎の評も良い。

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    投稿日: 2013.04.11
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    2013年2月読了。トルコ側、ビザンチン側、他様々な視点から描かれていて、立体的に物語が進められている。資料に図が紹介してありイメージもしやすかった。ただ、私にはカタカナ名は覚えにくく、間隔を空けて読むと誰が何人かわからなくなる。。

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    投稿日: 2013.03.03
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    二度目。イスタンブールには2度行きましたが、最高のガイドブックかもしれん。 世界で最も魅力的な街の一つ、でした。 ローマ帝国の終焉。イスラムの世界。日本とも意外な処で繋がり。

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    投稿日: 2013.02.22
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    ずいぶん前に読んだものを再読。トルコ軍と東ローマ帝国の戦いが目前で行われているごとくの描写はすばらしい。文句なしに面白い。城壁の図面などの詳細な資料は、筆者の情熱があってこそのものだろう。 ただ、登場人物が軍船の大きさを「トン数」と表現していたのはどうかと思う。当時「トン」って単位はなかったし、普通に「排水量」とすべきだったのでは、と野暮な突っ込みを入れてみたりして。

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    投稿日: 2013.02.08
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    (1993.08.13読了)(1991.04.26購入) (「BOOK」データベースより) 東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた―。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。 ☆塩野七生さんの本(既読) 「ルネサンスの女たち」塩野七生著、中公文庫、1973.11.10 「愛の年代記」塩野七生著、新潮社、1975.03.30 「イタリアだより」塩野七生著、文芸春秋、1975.06.20 「神の代理人」塩野七生著、中公文庫、1975.11.10 「サロメの乳母の話」塩野七生著、中公文庫、1986.01.10 「海の都の物語(上)」塩野七生著、中公文庫、1989.08.10 「海の都の物語(下)」塩野七生著、中公文庫、1989.08.10 「男の肖像」塩野七生著、文春文庫、1992.06.10

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    投稿日: 2012.12.08
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    ビザンツ帝国の終焉。久し振りに読んだ塩野作品ですが、期待通りの読み応えでした。 商人や医師、皇帝の側近や従者といった様々な階層の視点で語られる攻防や当時の情勢に引き込まれます。

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    投稿日: 2012.09.19
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    古代ローマ時代から千年続いたビザンチン帝国の首都、コンスタンチノープルが、どういうふうに終わったか。終わらせたトルコのサルタンがその後どうオスマントルコ帝国をつくっていくか。それにベネチアやジェノバの海洋国家がどう関わったか。セルビアなどの周辺国は。いろんな立場の視点から想像が膨らむ。 今は新興国トルコの一千万人都市。歴史を紐解くと、東西、宗教、言語、民族、複雑な権謀術数が折り重なってできたのだなと思う。 そういう目でトルコやギリシャを見ると面白いかも

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    投稿日: 2012.09.04
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    千年以上続いたビザンチン帝国の陥落を克明に描き出している。イスタンブールには2度行ったが、今度行く時は歴史の重みを感じながら違った目で見ることができるだろう。また彼女の作品を読みたいと思った。

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    投稿日: 2012.08.02
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    東進講師の今井氏の6月の課題本。世界史の勉強を怠ってきた私にとっては背景が分からず進むのに苦労した。 横山光輝あたりが漫画にしていたら、さぞかし面白かったのだろうなあ。

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    投稿日: 2012.06.29
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     イスタンブールにこんな歴史があったんだ・・・と、まずは驚きました。1123年間におよぶ東ローマ帝国の最期を描いた物語。トルコはまだ未踏の地ですが、観光で訪れる前に読んでおいてよかった。

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    投稿日: 2012.06.11
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    イスタンブール観光に行く方は必読。ヨーロッパ、イスラム、アジアの多様な要素を持つトルコって面白いなと気付かされます。

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    投稿日: 2012.04.23
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    コンスタンティノープルの陥落は単にビザンチン帝国の終焉という意味だけでなく、それまでのキリスト教社会の終焉とルネッサンスの萌芽という意味を持っているのでないかと気付かされた。 結末がわかってしまっているため、読者に読ませる文章にするのは非常に難しかったのでないかと思う。しかし、それを立場の違う複数人の視点からコンスタンティノープルの陥落を描き出すということで、クリアしている。 面白いが刺激は少ないといった印象を読後に持った。

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    投稿日: 2012.03.31
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    世界史を習う誰もが知っているであろう歴史的出来事。この都市を千年守り続けてきたテオドシウスの城壁。新兵器ウルバンの巨砲。オスマン艦隊の山越え。両陣営とも実に魅力的に描かれている。

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    投稿日: 2012.02.09
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    ☆☆2011年11月のレビュー☆☆ 1453年に陥落したコンスタンティノープル。 その一大文明の終焉をその場に居合わせた人々の証言(記録)を元に、現代に甦らせた名作。 この時を機に、小アジアはキリスト教徒の手からイスラム教徒の手へと渡った。 ☆☆2017年4月のレビュー☆☆ このスケールのでかいストーリーを読んでいったい何を書けばいいのか。歴史物語を読んでいた思うのは、人々には「命より大事なものがあった」という事。ビザンチン帝国最後の皇帝、コンスタンティヌス11世は、「コンシタンティノープルを明け渡せば命の保障はする」と交渉を持ち掛けられていた。しかし、異教徒に降伏することを良しとせず、帝国とキリスト教徒運命を共にした。現代の日本人にはわかりにくいが、それほど「信仰」「誇り」というのは重要で時には命よりも重かったのだろう。 2012年7月のイスタンブールを訪れたので、ここに出てくる土地の感じがわかる、だからますます面白い!!ボスフォラズ海峡にそびえるルメール・ヒサリ。ジェノバ人の居留地ガラタ、金角湾。東西の交流地点であるこの街は魅力的だ。 「あの街をください」 というのは、当時21歳のマフメト2世が発した言葉。この恐れ知らずの若者は、1000年以上の歴史を持つ、双頭の鷲ビザンツ帝国を滅ぼした。筆者は述べる。 「一都市の陥落が、長い年月にわたって周辺の世界に影響を与え続けてきた一文明の終焉につながるとなると、人類の長い歴史のうえでも、幾例を数えることができるであろうか・・・」その日、その時、ピンポイントで歴史が変わる。歴史とはなんと悠大で面白いものだろう。

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    投稿日: 2011.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    15世紀、コンスタンティノーブル(現イスタンブール)におけるオスマントルクと東ローマ帝国の攻防戦を描く。 資料から想像した人物造詣が見事で、彼らの動きを追いながら展開される物語はスリリングで読み易い。 沈み行く帝国と、新興国トルコの対比が見事。 古代ローマに連なる東ローマ帝国の滅亡は、ヨーロッパ諸国に自らの母胎を奪われるような、大きな衝撃を与え、その後の宗教改革、軍事技術の促進に繋がった他、亡命ギリシャ人によりルネッサンスにすら影響を与えたというくだりは、初めて知る見方で興味深かった。 日本も、1853年のペリー来航の20年後に国体が一変したことを思えば、 当時のヨーロッパ人の狼狽が感じられる気がする。 イスタンブールに行く前にはぜひ一読をオススメします。金角湾の風景が、より深く味わえるかも。

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    投稿日: 2011.11.19
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    キリスト教世界vs.オスマン帝国の3部作の第1弾。コンスタンティノープルが最終的にオスマン朝の手に落ちるまでの経過を、ビザンティン帝国やヴェネツィア人などのキリスト教側からだけでなく、メフメト2世を中心とするイスラム側からも描いている。登場人物の全てにドラマがある中で、個人的にはメフメト2世の豪胆さに惹かれた。

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    投稿日: 2011.11.06
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    トルコ関連本2冊目。ローマ帝国最後の領土となったコンスタンティノープルを守るビザンツ帝国の軍勢7千と、東方より勢力を伸ばし遂に迫り来るオスマンの軍勢16万。 結果は知っての通り、なのだけれど、結果しか知らんかった。ビザンツには都市国家としてのベネチア、ジェノバ、フィレンツェが加担していたことや、スルタンであるマフメット2世が若干21歳だったこと、すらも初めて知った。 城壁を巡る攻防や、深く入り込んだ湾を争う展開は、歴史モノであると同時に軍記モノとして面白い。遠いルーツであるビザンツに対し、ローマ周辺の国がどのように援助するのか、という視点も面白かった。 小姓とスルタンの関係についての記述は、奥ゆかしいんだか直接的なんだかわからん書き方で、苦笑い込みで読んでしまった。

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    投稿日: 2011.11.06
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    コンスタンティノープル陥落に立ち会った人々の人物描写が主体。当時の様子を彷彿とさせた。 司馬遼太郎ぽかった。

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    投稿日: 2011.10.23
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    「Istanbul (Not Constantinople)」という曲で 「Why they changed it I can't say. People just liked it better that way.」と歌っています こういう人は本書を読みなさい 「文明の衝突」という前に まず宗教と政治の物語です 戦いを俯瞰できる快感は確かにあるので 地図を見ながら読むことをお勧めします

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    投稿日: 2011.09.05
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    前回のローマ帝国の首都をコンスタンティノブールに 遷都させた「コンスタンティヌス」からの興味を 引きずり、東ローマ帝国(=ビザンティン帝国)が滅亡したコンスタンティノブールの陥落が描かれた本書を 読破。 最近、西洋史への関心が高いのですよ。だって海外の 人って確実に歴史を意識した動きをしている。 現代史は歴史を見れば分かる感じ。 アメリカもローマ帝国を意識しているしね。紋章が 鷲だし。(スターウォーズなんてそのまんまだよね。) 印象に残ったのは最後の文章ですね。 「西欧の人々はビサンティン帝国の滅亡によって  はじめて古代ローマという母胎から切り離された  痛みを感じたのだった」

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    投稿日: 2011.08.26
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     塩野七生にこれを読んではまった。とても面白い。  こういう歴史って学校ではほとんど習わなかったので、新鮮です。なおかつ小説なので物語の世界に入りやすい。  戦いのクライマックス。オスマン軍の艦隊を金角湾に侵入させないため、大きな鎖を湾の入口に渡し、完全に封鎖した東ローマ軍を、とんでもない方法でオスマン軍は打ち破ります。義経の鵯越え、ハンニバルのアルプス越え、ナポレオンのアルプス越えに匹敵する奇策です。これによりコンスタンティノープルは陥落し、東ローマ帝国は消滅します。  歴史的事実なのでその奇策を書いてもいいのですが、これは最高の山場なので伏せておきます。

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    投稿日: 2011.07.12
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     15世紀後半の東ローマ帝国とオスマントルコ帝国の攻防を描いた本。日本人にはあまり馴染みのない時代、場所なのですが、読み出すとぐいぐい引き込まれてしまいます。東ローマ帝国皇帝、オスマントルコ皇帝、ヴェネチア、フィレンツェ、ローマの商人や医師、軍人や枢機卿、市井の人々などさまざまな国、立場、階層の人々が登場し、それぞれのストーリーが最後のクライマックスで終結。手に汗にぎる、ドキドキ感が味わえる一大歴史絵巻です。コンスタンティノープル(イスタンブール)や地中海地方の旅のおともにぜひ。

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    投稿日: 2011.06.21
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    この著書は東方正教会とイスラム教徒の攻防を時代小説としている。ヨーロッパ各国の内外情勢に加え、オスマン帝国との1ヶ月間におよぶ篭城戦をリアルに描いている。1453年、ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルがオスマン帝国の攻撃によって陥落するが、その歴史的な瞬間に居合わせた様々な登場人物を主人公に見立てて、敵味方関係なく多角的視点からビザンツ帝国の滅亡を描き、考察している。最大の見せ場は、コンスタンティノープル陥落時において、市民や兵士が金角湾の船着場からマルマラ海へ脱出するシーンである。一千年間続いた帝国の儚さに加え、その場の情景を頭に炊き付ける文章表現は見事であり、歴史的ロマンを感じる。

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    投稿日: 2011.06.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての塩野さん作品。 地中海周辺の中世史に興味を持ったのはこの作品に起因します。 塩野さんのいじわるさが随所に散りばめられ、もうなんというか もっと踏んでくださいって感じです。 若き専制君主が宰相に告げる「ひとこと」は、 当時、彼と同世代の僕に、 若者のナイーブさと傲慢さと苦悩と喜びと可能性と絶望とはこうなのだよ、と 頬を撫でられながら教わっているかのような妄想を掻き立てさせました。 興奮しました。

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    投稿日: 2011.06.02
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    ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルをめぐる、イタリア商業国家とオスマン帝国との攻防戦。そんな印象を受けます。首都周辺をおさえるのみとなったビザンツ帝国はまさに瀕死の重病人であり、ヴェネツィアやジェノヴァの支援によって辛うじて命を繋いでいるというイメージが合うと思います。その先は滅亡しかないのですが、この物語はそのような状況が淡々と描かれ、この事件に関わった様々な人々の目を通し、リアリティをもって迫ってきます。大砲の有効活用によってヨーロッパに戦術の変化をもたらしたオスマン帝国と、旧態依然のビザンツ帝国との対比は残酷的ですらあります。 読了日 2006年9月

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    投稿日: 2011.04.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イスタンブールに行ってみたい。トルコの軍事博物館に行ってみたい。ボスフォラス海峡から地中海を眺めてみたい。 コンスタンティノープルの陥落を読んだのは、もう遠い昔のことだけど、そんな想いは年々強くなってます。塩野さんの作品はすべて好きだけど、これがベスト1かな。

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    投稿日: 2011.03.21
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    うーん…この本はある程度知識をもってたほうがいいかも。 何気なく「あっこの本読んでみよう~^o^」みたいなかんじで手に取ると読むのに苦労します。私もそうでした。

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    投稿日: 2011.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    コンスタンティノープル――東ローマ帝国の首都として一千年余りも栄えた都。 しかし過去の栄光は徐々に翳り始め、帝国を象徴する都は黄昏の中に身を置いていた。 そして1452年、ついにその座をオスマン・トルコ帝国のもう一人の皇帝に明け渡すことになる。 その2ヶ月に及ぶ攻防の一部始終を描いた作品。 久しぶりの塩野七生はやっぱり面白かった。 日本人になじみの薄い場所&歴史を躍動的な物語に仕立て上げられる手腕のすばらしさは実際に現場を訪れた人間ならでは。 映画を見るように劇的に、そして映画に撮ったら美しいであろうシチュエーションを次々に用意し面白い歴史ショーを観させて頂いている気分だ。 それゆえに歴史学者からは「物語であって史実ではない」と指摘されるんだろうが、 「それはあなた方の仕事であってわたしの仕事ではないのよ」 と人の悪そうな笑みを浮かべている彼女の顔が目に浮かぶ。 あとこの作品の成功は物語という自由さから非常に女性好みな主人公を造詣したことにある気もする。 二十歳をわずかに超えたばかりのマホメット2世の冷血非道な美男ぶりを熱っぽく見つめる小姓の少年という若手主従と 滅び行く帝国の最後を担った愁いを帯びた紳士な皇帝と、それを支えるために粉骨砕身する第一の側近という親父主従。 「甘美でスリリングな歴史絵巻」ってあおり文句が書いてあるがまさしくそのとおり。 こういう設定嫌いな女子はおらんじゃろ(笑) しかし難を言えば、トルコ帝国サイドの人間を人であって人でないような、理解しがたいものとして描いているような気がする 人間味がないというか、超絶過ぎるというか。 解説を読んで「ロティの茶店」にも行きたくなりました。 金角湾を日永一日眺めてありし日の興亡に思いを馳せるなんて素敵だろうな。 水煙草吸いつつ、海を眺める相方の隣で時折本に目をやってあの日に思いを馳せる。 うん、すてきな休日。

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    投稿日: 2011.02.24
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    「ローマ人の物語」で有名な塩野七生のコンスタンティノープルの陥落を読みました。 舞台はローマ帝国が滅んで、その末裔のビザンチン帝国の末期、首都コンスタンティノープルを巡って様々な人々の思惑が入り乱れます。 それは海洋都市ヴェネチアと商業都市ジェノヴァの商人達の利権だったり、オスマン・トルコの若きスルタンと一線を退いたパシャ(藩主)の駆け引きだったりします。 本のタイトル通り、最後には1000年続いたキリスト教の首都コンスタンティノープルはオスマントルコの攻撃に屈指、イスタンブールと名を変えることになります。 本に書いてあった言葉ですが一つの都市の一国家の滅亡に繋がる例は珍しくないが、一歳の滅亡がその文化圏の消滅を意味する事は歴史上珍しいそうです。 その滅び行く様を、塩野先生独特の多くの資料に基づく書き方で綴られています。 話は少し変わりますが、2010年のローマ人の物語のタイトルは「キリスト教の勝利」でした。 主役はコンスタンティーノープルを作ったその人コンスタンティン1世です。 どのような思惑で作られた都市なのかが書かれています。 この本とあわせて呼んでみると面白いかもしれませんね。

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    投稿日: 2011.01.16
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    中1の頃トルコに行く前に飛行機で読んでました。 これ読んでからのイスタンブールの感動がやばかったです。 塩野さんの魅力はなんといっても史実をもとに 実際の人物の物語をあれこれつむいでいくところですよね^^ 歴史の勉強にもなるし、普通に面白いので是非おススメします! 東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルがいかに陥落されていくのかを見せてくれる本です。 読んでた原本を韓国の実家においてきたので(;^ω^) 学校で借りるか(中央図書館の2階にあるらしいです) アマゾンで購入してください☆ アマゾンでの購入の場合たったの500円! ワンコイン!安い^ω^!

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    投稿日: 2011.01.04
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    結構おもしろく読むことができました。 ヴェネツィアがもう一足早く援助に来ていたら… コンスタンティノープルの都は頑張った。

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    投稿日: 2010.08.25
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    オスマン・トルコ帝国スルタン、マホメット2世によるコンスタンティノープル攻撃。「先生、あの街をください」。コンスタンティヌス13世による防衛戦。ヴェネツィア共和国の援軍。ローマ教会とギリシア正教の対立。セルビアの騎兵の苦悩。ヨーロッパ各国の思惑。  2010年8月18日読了

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    投稿日: 2010.08.21
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     西欧VSトルコ帝国を描く3部作の1作目。  東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルは若きスルタンによって落とされ、それによって東ローマ帝国は滅びた。  と、歴史の教科書だと1行ですましてしまうが、塩野七生は丹念に人を描き壮大なロマン叙事詩に仕上げている。  コンスタンティノープルの陥落について書かれた本、医者、海将、僧、そしてスルタンの小姓、などそれぞれ立場も年齢も状況も違う者が書いたそれらを元にして、誰もが主人公といえるスタンスで描かれている。どの人物の生き生きとしているから、読んでて気持ちがいい。  そうだ。この作品の中に、悪人はいない。誰かを悪人にする、視点の歪みがない。過ぎ去った歴史を語る時、誰かを悪人とするなんて無意味でしかない。ただ、万象は過ぎ去る。それだけだ。  最後の皇帝、コンスタンティヌスが地味な存在だけど、すごく光っていた。  また、スルタンが渋い。  塩野七生、多分こういう歴史の中に特出して生まれる荒神、みたいな存在に心ひかれるのだろうな。スルタンの小姓だった少年の目を通してのスルタンなので、抑え気味の筆になっていると感じたけれど。  「あの街をください」  のくだりは、鳥肌ものでした。

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    投稿日: 2010.06.16
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    トルコに行く前に、学習をしようと思い、読みました。 すごく面白かった。 かつての大国ローマ帝国が滅びた瞬間は、本自体が東ローマ帝国よりに書かれていることもあり、少しさびしかった。 盛者必衰の理。改めて感じた。 にしてもオスマン帝国のメフメト2世は、壮大な野望を持っていたのだな。 すさまじかった。。。

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    投稿日: 2010.06.10
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    「ローマ人の物語」の萌芽が感じられるスタイル。 しかし、物語はドラマチックな戦記物。 私は「ロードス島」を先に読んでいたので、年代的に遡ったため、オスマントルコの変化がおもしろく感じられた。

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    投稿日: 2010.04.01
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    「あの街をください」 まさにこれに尽きるというか。すごい印象的な台詞だった。 語り手が多く登場し、それぞれの国の立場でコンスタンティノープルの滅亡に関わっていくのが印象深い。 反面、一人一人のエピソードが少し薄味な気も。

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    投稿日: 2010.01.13
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    ギリシャ・トルコ・イタリアと旅行するので、気分を盛り上げるために初めて手にした塩野七生の本。1100年にわたったビザンチン帝国の最後の土地である首都コンスタンティノープルが、1453年5月29日、トルコ軍の若きスルタンマホメッド二世によって陥落される。様々な資料から、複数の登場人物で多角的に描かれる。歴史小説と言うよりは、読みやすくまとめられた歴史書。各国の宗教的・政治的・商業的つながりなどがよく分かって面白かった。実際に現地を訪れたら、当時の様子が思い起こされて、泣きそうなほど感動した。イスタンブルに旅するひと必読。(2009.06)

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    投稿日: 2009.06.28
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    地中海三部作の一作目。 中世の終わりを象徴する出来事として有名なコンスタンティノープルの陥落=ビザンツ帝国の滅亡。 各国の視点から見た滅亡ドラマといった感じ。 オチはタイトルの通りでわかりきってるのだけど、コンスタンティヌス11世の悲壮な決意と、最期の潔さには常に訴えられるものがある。 (2009/4/20読了)

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    投稿日: 2009.04.20