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あずかりやさん
あずかりやさん
大山淳子、藤原徹司(テッポー・デジャイン。)/ポプラ社
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総合評価

157件)
3.9
38
66
39
3
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    日常に混ざってくるファンタジー。 メインのあずかりやさん自体がとても魅力的だし、その語り部となる道具や物たちがほんとうに素敵。全てハッピーエンドというわけではないが、1章ごとに分けても一気に読んでもいいし、次が読みたい。 設定に抵抗がなければ周りにすすめてほっこりを共有したい。

    0
    投稿日: 2019.06.24
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    あっという間に読了。すごくハートウォーミングな物語でした。いろんなものを預かる…ありそうでなさそうでありそうな商売かも⁇と思いました。それにしても猫の話には弱いf^_^;猫目線のお話にはウルウルしちゃいました。 短編かと思いきや、話が微妙に交差しててとっても不思議なお話でもありました。続編ってあるのかな…あったら読んでみたいかも。

    0
    投稿日: 2019.06.13
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    あずかりやさんは、こんぺいとう町商店街(アンソロジー)で知りました。 店主の青年の佇まいがとても好きで、「あずかりやさん」だけをもっと読みたい、と以前単行本を図書館で借りて、すでに読んでいます。 今回、書店に立ち寄った際に3巻が発売されていたのを知り、それがまた素敵な和紙の特別表紙がついていました。 こちらと2巻はすでに図書館で借りて読んでいます。3巻もそのうち図書館に入るのではないだろうか、であれば買う必要はない。しかしこの表紙は、コレクター魂をくすぐります。本好きが作ったんだろうな。 しかも、こちらも2巻も持ってないのに3巻だけ買うのもなんだし、と書棚に行けば、1巻も2巻も素敵表紙がついたものが1冊ずつ残っていたのです。 何度も、手にとっては棚へ戻しまた手に取り……

    1
    投稿日: 2019.06.11
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    「1日100円でどんなものでも預かります」 特別収録も含めた7編の短編集。 店主の桐島くんではなく、すべての話が他のモノによって語られていて、付喪神たちに囲まれているような気分になる。

    1
    投稿日: 2019.06.05
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    「一日百円で、どんなものでも預かります。」店主は盲目がゆえに、人々は安心していろいろなものを預ける。 預けたものには、それぞれの物語がある。 預けられたものの視点から語られるのだけれど、これらは「付喪神」なのかしらん。  店主の桐島は、穏やかで落ち着いた言動をみせているが、その心の裡は、かなり葛藤があってもおかしくない。桐島を見習わなくては。

    0
    投稿日: 2019.05.18
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    心がじんわりと温かくなる話。 みんなが誠実でみんなが優しくてみんなが一生懸命。 久しぶりにとても有意義な時間を過ごせました。

    0
    投稿日: 2019.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本を読みながら、あずかりやさんが商店街に並んでいる様子や、風になびくのれん、太陽の光を浴びて輝くガラスケース、小上がりの様子、お客様のフカフカの座布団が想像できて、あずかりやさんの中の匂いまでがイメージできちゃうくらい、あずかりやさんの中に長年ある物たちの描写が丁寧です。 店主が毎日決まった時間にのれんを上げたり下げたり、好きな時にオルゴールを聴いたり、小上がりの自分の座布団で本を読んだり、ガラスケースを磨いたり‥そんな毎日の連続は、代わり映えのない毎日のように見えるかもしれないし、預かりものやお客さんと一定の距離を置いて仕事をする店主はある種の冷たさを感じるかもしれないけれど、丁寧に暮らし、仕事をすることで紡がれる安心感、そして暖かさを、私は感じることが出来ました。 どの話も好きですし、押し付けがましくない、店主のブレない優しさや考え方を見て振り返る場面も多く、読み返したいお話ばかりです。だけどそんな店主を惑わせる「店主の恋」や、短編ながら社長と店主が言葉を交わさずとも、そして見えずとも、お互いを信頼し寄り添う「エピローグ」が、私は大好きです。 書店員さんがみんなに読んでほしい!と思う気持ちがよくわかる本でした。他の作品も読んでみたいし、こんなに素敵な本たちに早くに出会える書店員さんになりたいと、思ったりしました。

    0
    投稿日: 2019.03.24
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    「一日百円で、どんなものでも預かります」。東京の下町にある商店街のはじでひっそりと営業する「あずかりやさん」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて「あるもの」を預けようとするのだが…。「猫弁」シリーズで大人気の著者が紡ぐ、ほっこり温かな人情物語。 書店員さんのオススメ本という帯を見て読んでみた。 目の見えない男性が一人で営む「あずかりやさん」。 お店ののれんやガラスケース、飼い猫が語り手となって、預けに来るお客さんと預け物にまつわる話を伝えてくれる。 ほっこりする優しい話もあれば、泣きたくなるほどドキッとする話も。 時が経って、小学生だったお客さんが大人になってからまた訪れたり…奥行きが深い、じっくり味わえるお話ばかりです。

    0
    投稿日: 2019.03.06
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    商店街の一角にある、1日百円で預かってくれる店。 目が悪い店主と、そのうち増えた同居人。 全てが店主の視点ではなく、それ以外の 視点から語られています。 連続短編集で、今度は一体『何』からだろう、と そこから楽しむ事ができます。 月日が経ってないようで、月日が経っている内部。 けれど店主の穏やかさが変わらないので そこに気が付いているのに、うっかり忘れて そのまま読んでしまいそうになります。

    0
    投稿日: 2019.02.25
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    「彼はなにごとをも受け入れる。それが彼の人生のすべてに見え、そんな人生、若い彼にとってさぞかし忍耐のいることではないかと思う。[...] しかし彼はこの仕事を腹の底から好いているのではなかろうか。待つ、という受動的な仕事に、彼なりの意味を見つけているのかもしれない。」(107 ページ) 見えないから、あずかる品への詮索はしない。 でも、見えないから、訪れる人が抱える想いには敏感だ。 静かな時を過ごし、 物や人の移り変わりには囚われない店とその店主。 あなたの品と、それに付属する秘めた想いを、 ただ静かに真心を込めてお預かりします。

    0
    投稿日: 2018.12.11
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    とても読みやすく、温かい本だった。 擬人法のお手本のような書き方だったので、少し子供っぽいかな…とも感じたけど、温かく、ホッコリする。 なんか「こんな優しい気持ちを忘れてたなぁ」「素直になれてないなぁ」「なんか落ち着いてないなぁ」と、何かわからないけど急いでいる気持ちを、そっと立ち止まらせてくれる内容なので、結果、子供っぽいと感じたのは気にならなかった。 そして、私も、「星の王子さま」を読み損ねたまま大人になったクチで、なんなら本も買ったのに未だに読めていないことに、変な共感をもった。

    0
    投稿日: 2018.12.08
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    連作短編集。 1編目が『明日町こんぺいとう商店街1』に収められていた。 それを読んで、こちらも読んでみようと手にした本。 1日100円で何でも預かる「あずかりやさとう」 お店を営むのは盲目の青年桐島くん。 桐島くんの元を訪れ、預け物をしていく人たちには、それぞれの事情があり… ちょっと切なくなったり… 心が温かくなったり… 続編も読んでみよう。

    4
    投稿日: 2018.12.03
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    わたしから信頼を取り除いたら、髪の毛一本残りません 透さんだから預けたいという気持ちがよくわかる。 付喪神が味方するのもよくわかる。

    0
    投稿日: 2018.11.25
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    一日百円で何でも預かってくれる。預けるだけなのになんだかどんどん良い方向に向かっていく。店主の誠実さが良いのだろうな。お店にある物・いる動物の目線からなのも良いところ。 胸が暖かくなる。

    1
    投稿日: 2018.11.24
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    なんでも1日100円で預かる「あずかりやさん」。 物語の主人公は盲目の店主のはずですが、ストーリーが来店客、猫、生き物ではなくてモノなど、全て第三者の目線で語られており、どの立場から見てもブレない店主の個性が光ります。 非常に穏やかで真っ直ぐな雰囲気なので、読んでいてとても癒されました。 また、途中で時間をグンと進ませて予想外の伏線を披露してみたり、リドルストーリーのような締め方をしたりと、人称以外にも様々なテクニックが織り交ぜられているところも、本書の楽しみ方の1つです。

    0
    投稿日: 2018.10.12
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    目の見えない店主が1日100円でなんでも預かってくれるという商売。 店主がいい人なのはもちろんなのですが、語り部が店内にあるモノだったり、ネコだったりするのが何とも可愛らしくてすごく世界観が好きでした。

    0
    投稿日: 2018.10.02
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    書店員さんの想いで 続々重版! の 謳い文句と 二重になったカバーが気になって 買ってしまった本 ココロが疲れている時 なんとなく元気が出ない時 読むといいかもです 気軽に読めて ふわっと あたたかくなる本でした (*´ω`*) でも ちょっと 気になったの 人が抱えきれないものを 店主が引き受けるんだけど じゃあ 店主の抱えきれないものは 誰が引き受けるの? んー ポーチドエッグちゃんが 引き受けてるのかな? それとも 心の中にずっと住んでるだろう石鹸さんかな? だれでも いい 店主を支えてくれる あったかい人が いたらいいな だって 私 店主さん 好きだもの 好きな人には 楽しく過ごしてほしい って 思うでしょ? ( *´艸`)

    1
    投稿日: 2018.09.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は表紙の感じでほのぼのほっこり人情系かなとおもったのですが少し違いました。 優しさを感じ、また切なさを感じる本でした。 ノスタルジックな雰囲気で秋のようといいますか。トロイメライで泣き、店主の恋で胸を締め付けられそうになったのですが、最後のひだりてさんのエピソードでほっこり出来たので読了は穏やかな気持ちになれました。 あとは序盤の語り口が物という事もあってか物を大切に扱おうと思いました。

    1
    投稿日: 2018.09.24
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    一日100円でなんでも預かります。 他視点で語られる不思議な店のお話。 派手な事件やらは起きないけれど、 心を落ち着かせてくれる。

    0
    投稿日: 2018.09.23
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    あずかりやさん    あずかりやさん   ミスター・クリスティ   トロイメライ   星と王子さま   店主の恋   エピローグ   ひだりてさん

    0
    投稿日: 2018.09.13
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    ほっこり、じんわり。こういう話、もうだめ。泣いちゃう。静かで優しくてあったかくて、素晴らしかった。きっと何度でも読みたくなる。こういう場所に出会えたなら、それだけで前を向いて生きていける気がする。良い話だった。

    2
    投稿日: 2018.09.11
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    間違えて続編から読んでしまったのだけど、それはそれであの話のこの人!!と嬉しい驚きがあり良かった。 どのお話もとても良かったけど「トロイメライ」が一番良かったな。 全話を通してだけど、物視点というのがまた良い。 その物それぞれがきちんと個性が出ており読んでいて、楽しい。

    0
    投稿日: 2018.08.15
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    元気がない時、心がザワついている時 読めば気持ちが落ち着きます。こみ上げてくる素直な気持ちを大事にしたいと思いました。

    0
    投稿日: 2018.08.15
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    これはいろいろな意味で面白い本です。 凝ったカバーがついてるとか、気に入って宣伝しまくった本屋さん(うさぎや)が2500冊も売り上げたとか……。 で、普通に面白い。 何かを100円であづかります、という、あずかりやさんにまつわる、短い話がたくさん入ってて、今風……。 10代に受けるかどうかはきいてみないとわかんないけど……。 2018/08/08 更新

    0
    投稿日: 2018.08.07
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    「あずかりやさん」 本屋さんがおすすめする本として店頭に並んでいたこの本。1日100円でどのようなものでもあずかるお店。この情報だけで本の中をのぞいて見たくなる人、ぜひ読んでほしいです。絶対後悔しないです。 この本からもらった沢山のあたたかさをこれからの人生でそっと大事にしていきたい。 そんなことを思うわたしは毎日に疲れきってしまっているのかもしれません… おすすめです。

    0
    投稿日: 2018.07.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「あずかりやさん」 「ミスター・クリスティ」 「トロイメライ」 「星と王子さま」 「店主の恋」 「エピローグ」 「トロイメライ」までは好き。 「星と王子さま」は思っていたのと違いました。 「店主の恋」は、えー!?とモヤモヤ。 語り手がのれんや自転車、猫だったりするのは面白いですね。

    0
    投稿日: 2018.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    手持ちとカバーが違うので、あれ?と思ってよく見たら、なるほど!オリジナルカバーon通常カバーの特別装丁になっていたみたいです。職場の先輩がジャケ買いしたら良かったよとのことで、マネして買ってみました。 「あずかりやさん」の店主を中心に短編がエピローグ含め6編+おまけ1編。自転車の話とオルゴールの話は目頭があつくなりました。さくっと読めて温かい気持ちになれる本です。

    0
    投稿日: 2018.07.21
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    連作短編集。1日100円でどんなものでも預かってくれる「あずかりやさん」を営む主人・客・あずかりものの物語を、心をもった店内のモノや猫の目線で描きます。ただただ優しいお話し。

    0
    投稿日: 2018.07.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は、一話完結のほっこりした話を集めた短編集といった感じだが、後の話になるにつれて過去の登場人物が少しずつ絡み出す。 これに気付く頃にはどっぷり嵌ってしまっている。。。 続きがきになる。 気になるからやめられない… ってな具合で一気に読破。 店主の姿、商店街の様子など情景が次々と浮かんでくる。まるで映像を見ているかの様な錯覚する作品。 そして浮かぶ情景は全て温かみがあって心がほぐされる様なものばかり。 それだけに石鹸さんの横断歩道での事件や社長が光を失う下りは、息がつまりそうな程、寂しくなる。浮かんでくる温かい情景にも無慈悲な終わりが来ている様で読んでいて泣きそうになった

    0
    投稿日: 2018.07.11
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    表紙はあんまりかわいくない(笑)けど、オリジナルカバーみたいなのがついててそれがかわいかったので手に取った。 その名のとおり、預かりを商いとしているお店のお話。 主は目が見えない。 まだ読み途中だけど、「ミスター・クリスティ」って話がすごくよかった。自転車を預かるおはなし。 これはまた、いつか読み返したいなぁと思える。 心があたたかくなった。 愛していても手放さなければいけない、みたいな。 ママチャリも内面がかわいかった。 自転車の気持ちなんて考えたことなかったなぁ。

    0
    投稿日: 2018.06.06
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    目の見えない、物静かな店主がひっそりと経営するあずかりやさん。童話のような導入部から引き込まれて、するする読めてしまった。 語り手はあずかりやさんの店先ののれん(店主は気付いていないが、「さとう」と書いてあるので屋号になってしまっている)に、あずけものの自転車、ガラスケース、そして猫。ものたちの目を通して語られる人間たちのエピソードが時に切なく、優しく胸に迫って来て、じんわり染みる。 「店主の恋」石鹸さんとの続きがとても気になるのだけど、気が向いた時に、またふと続編を読んでみたい。

    1
    投稿日: 2018.05.31
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    「一日百円で、何でもお預かりします。」盲目の店主が始めた東京の下町にひっそりも営業するあずかりやさん。その店の日常を描いた本です。 あずかりやさんに預けたものは預かり日数をすぎると店主のものになります。あずかりやさんに訪れる客はみな悩みを抱えていて、預けたものを取りに行くか、行かないかで悩みます。でも、あずかりやさんはみんなの帰る場所です。いつまでも変わらずに、待ってくれている場所です。だから、店主はあるかないかの可能性のために、いつまでも待っててくれます。 とても優しい店主に感動してしまいます。この本を読んだ後、きっと優しくて温かい気持ちになるでしょう。 蔵書なし 2018.05.09第1、2回ビブリオバトルチャンプ本 aoi

    0
    投稿日: 2018.05.16
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    こういうお話が好き。 あずかりやさん、とても不思議な感じ。 目の見えない主人公のかわりに、いろいろな視点で進む感じが好き。

    0
    投稿日: 2018.04.16
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    今年の東京は春が一気にやってきて、勢い余って初夏になったりまた初春に戻ったりと落ち着かない。桜も一気に咲いて一気に散ってしまったが、それでも春の訪れというのは毎年理由なしに嬉しいものだ。 春になって暖かくなってくると、毎年不思議と読書量が増えてくる。もともと「テレビを見ているよりも本を読んでいる方が良い」というタイプだ。それでも一年の中では、活字を読んで頭にすんなりと内容が入ってくる時期とそうではない時期とがある。今は、活字を読んで頭にすんなりと入ってくる時期であり季節だ。冬の間に寒さで縮こまっていた脳が、春になってのびをしているのかもしれない。 そんな時にはホッとできる物語を読むのが良い。バスの中でも電車の中でも眠る前の布団の中でも、思わずウトウトとしてしまうぐらい穏やかな内容の本が、春のうららかな季節には合うのかもしれない。 大山淳子さんが書かれた「あずかりやさん (ポプラ文庫)」も暖かくなってから読むのがオススメで、読み終わった時に心の中がホッと暖かくなる一冊だ。 物語の舞台は東京の下町にある商店街。その商店街の端っこで静かに営業しているのが、内容に関わらず一日100円で預かる「あずかりやさん」。物語の中心となっているお店だ。あずかりやさんのご主人は、目の見えない若い店主。日がな一日静かにお客を待ち、預けたい人が訪れると理由を聞かずに何でも一日100円で預かるのだ。 預かるものは印刷物であったり自転車であったりと様々だが、預ける人々にはそれぞれ事情があって、その事情一つ一つが物語を持っている。その一つ一つの物語それぞれ短編となっていて、そのた短編がいくつも続いて一つの物語となっている。 物語を語るのは、お店に掛かっている”のれん”であったり、お店の”ショーケース”や"ねこ”が語り部だったりするのも楽しい。また、物語の時間軸も一つではなく、複数の時間軸で流れていく。そして、店主が「見えない」ということが物語の深みを増しており、感動を深くさせてくれる理由の一つだ。 どの物語もちょっぴり切なくて、それでいて暖かい。そして、読み終わった時に心の中がほんわかと暖かくなる。そんな素敵な一冊だった。 ちなみに、私が購入したのは、栃木の「うさぎや」さんの特製ブックカバーがかけられたバージョンの一冊。うさぎやさんの書店員さんが感動して仕掛けたこの特製ブックカバー。物語の中身と同じく感動的だった。

    0
    投稿日: 2018.04.09
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    カバーにつられて手にとった。それぞれになかなかに重い事情をほんわかと優しく語り重さから自由にしてくれるようなそんな話でした。

    0
    投稿日: 2018.04.08
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    なんなんでしょう。 私は物語が好きですし その背景や人物像があいまいなものには いつも手厳しいレビューを書いたりしています。 この作品は 訳の分からない人が しょっちゅう出てきて 物語の舞台となる商店街や 主人公の背景も 朦朧として掴みどころがありません。 しかも語り部はみんな人間じゃなくて 主人公の心の中すら おぼろげで。 でも。なんなんでしょう。 読んでいる間も 読み終わってからも なんの詮索もしたいと思わないし 訳の分からないことへの不快感など 微塵も感じない。 どんなことにもとらわれない穏やかな気持ち。 私もまた 知らぬうちにあずかりやさんを 訪れていたのかもしれません。 また読みます。この安らかな気持ちは 時々思い出さなくてはいけないと思うから。

    3
    投稿日: 2018.03.11
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    預かり屋さんは目が見えていないけれども、 きっと目が見えてる人よりも大切なものが見えているのかも知れません。 「暖簾」や「ショウケース」、「社長!?」などなどの目線で描かれる世界も、懐かしさとともになんだかキラキラしていて素敵です。 もしかしたら家にあるあの机や椅子、鏡や靴箱は私達をこんな風に見ているのかも知れません。 そんなことを考えてみるのも面白いですね。

    0
    投稿日: 2018.02.28
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    人にはそれぞれ事情がある。そんな時に1日100円であずかり屋さんが預かってくれる。短編小説の視点は、何と店先の暖簾やショーケース、猫。こんな視点の描き方ははじめて。ほっこりしたい時に読むのがオススメ。

    0
    投稿日: 2018.01.03
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    1日100円でものを預かるだけのあずかりやさん。 他人様に預けるようなものってある?って思いながら読みました。(笑) 少しだけでも自分から距離を置くことで安らかになれることってあるのね。 静かな佇まいでただ待ってる桐島くんが素敵。 語り手がモノだったり猫だったりするのが面白かった。 あたたかい話(+衝撃)な物語だった。

    0
    投稿日: 2017.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    優しいほっこり系の小説。 作者の糸とは外れるかもしれませんが、ピュアすぎるエピソードや擬人的独白など、児童文学として楽しみました。

    0
    投稿日: 2017.11.21
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    商店街にある、1日100円でなんでも預かってくれる「あずかりやさん」 店主は必要なことだけ聞いて、それ以上は詮索しない。 近くにあったら行くかも。ここに行ったら心が軽くなるかもしれない。 語り部も暖簾だったり、自転車だったりで面白かった。 切ないけど、暖かくて優しい短編集。

    0
    投稿日: 2017.10.01
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    読みはじめは軽い内容を想像しました。確かに読みやすくスラスラいけるんだけど、その裏というか奥にあるものが深かったな、と。日常そこら辺に転がってるんだろうけど心にチクッとする何かに光が当たったお話でした。読んでよかったです。

    0
    投稿日: 2017.10.01
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    ジャケ買いしたんですが、それは本来の表紙の上から重ねてかけられたとある本屋さんがこの本をたくさんの人に読んで欲しいがために作ったオリジナルのブックカバーでした。 そんな思い入れも納得の、とても優しく穏やかな気持ちになれる作品でした。

    0
    投稿日: 2017.09.21
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    この本を一人でも多くの人に読んでほしい!という書店員さんの思いで広まった本とのこと。 ついつい手にとってみたら、なるほど、その気持ちはよくわかる。 温かくて、少し切なくて。もし我が家の近所にあずかりや・さとうがあったらわたしも利用しただろうな。「社長」に気に入ってもらえるかな。ガラスケースには?のれんには? 少し背伸びして、あののれんをくぐって、いらっしゃいませ、と彼に出迎えられたら、それだけで荷物が軽くなる木がする。

    0
    投稿日: 2017.09.02
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    1日100円で何でも預かってくれる『あずかりやさん』 ほっと心が温かくなるストーリー。 のれん、自転車、ショーケース目線で話が進んで行くのが読んでて楽しかったです。 猫目線のお話、個人的にかわいくて大好きです^^

    0
    投稿日: 2017.07.21
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    ほんのり暖かいんだけど。 やさしい嘘。 真心のこもった嘘。 目には見えないけど、 心で感じる嘘。 見えない方がいい嘘。

    1
    投稿日: 2017.04.29
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    客があずけたいものを一日百円であずかってくれる、「あずかりやさん」。店主はあずかりものの中身を見たり、事情を詮索したりはしない。もし自分の町にこんな店があったら、一体何をあずけるだろう。 のれん、空のガラスケース、店主の手で生まれた猫。語り手の店主への想いがやさしくて、読むとあたたかい気持ちになれる。

    0
    投稿日: 2017.03.20
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    短編集。 優しい物語は心にいい。 おだやかで優しい気持ちになれる。 何よりも、読み進んでいくうちに、どんどん心の中に優しさが降り積もっていくようだ。 誰かに優しくしたくなるし、自分自身にも優しくしてあげたくなる。 相沢さんではないけれど、「誰しも事情がある。でもそれはそのひとにしかわからないし、他人が踏み込んではいけない」。 あずかりやの店主はけっして客の心に土足で踏み込むようなことはしない。 余計なことは聞かずに、黙って客から差し出されたものをあずかるだけだ。 短篇それぞれの語り部が人でないところもいい。 のれんだったりガラスケースだったり白猫だったり。 店主を身近で日々見守っているものたちの目を通して伝わってくる店主の人となり。 身にまとうおだやかさが沁みてくるような、あたたかで優しい物語だった。

    1
    投稿日: 2017.03.13
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    アンソロジー「明日町こんぺいとう商店街」から独立した一冊。 目の見えない店主とお客さんが織りなす物語。 のれんやショーケース、猫などを擬人化し、話が進んでいくのが面白いと感じた。 店主の造形やいでたちが小出しなのも、美男子ということはわかるが、ぼんやりとしている。読み手も盲目の世界の中で一緒に店番をしている気分だ。 特に顕著なのはお客さんの描写。 赤いランドセルを背負った女の子。グレーのスーツで整えられたねずみ紳士。石鹸のいい匂いがする石鹸さん。それ以上の描写はなく、鈴の音や匂いという五感で人物を探る必要がある。 表紙の青空のような、春の温かさを感じた。

    0
    投稿日: 2017.03.04
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    目が見えないことが不便でもなく不自由も感じていないような店主が、目から入る情報がないにもかかわらず「あずかりやさん」を淡々と営業しているその日常の物語。 のれんやショーケース、猫などの視線で、おそらく店主は○○と思っているだろうと話が進む。 預けに来る人(客)も様々で、一人一人抱えてるものがあって、そこにそっと自然に寄り添ってしまう店主の才能がすごすぎる。 出会ってみたい。 店主の本心が店主の立場から書かれていないことがマイナス星一つ。 でも、だからこそ猫の社長のようにあれこれ想像して楽しめるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2016.12.29
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    あずかりやさんには、困っている人、悩んでいる人が集まってくる。 1日100円で預かってもらう。すると、不思議と事態が好転したり。 全体を覆う柔らかい空気が心地いい。 時にはこういう世界に浸りたい。

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    投稿日: 2016.11.12
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    大山さんらしい不思議なほっこりストーリ。安定の面白さと胸が熱くなる感動。それにしても大山作品には必ずといっていいほど猫が登場するなぁ。 あらすじ(裏表紙より) 「一日百円で、どんなものでも預かります」。東京の下町にある商店街のはじでひっそりと営業する「あずかりやさん」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて「あるもの」を預けようとするのだが…。「猫弁」シリーズで大人気の著者が紡ぐ、ほっこり温かな人情物語。

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    投稿日: 2016.06.05
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    1日100円でどんな物でも預かる、あずかりやさん。盲目の店主が主人公。物語を進めるのが暖簾やショーケースなのが面白かったな。 人生にちょっと行き詰まった人達が吸い寄せられ、肩の荷物を置かせてもらう。いろいろな思いが込められた預かり物が、物見えぬ店主の手に渡る事で、どこか体温が伝わるような温もりが生まれる様が良かったな。

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    投稿日: 2015.09.11
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    読みはじめて大山さんぽくないなぁと思っていたけど、読み進めていくうちに気にならなくなり最後の方は読み終わるのが少し寂しくなってしまった。 心が温かくなる作品。 私だったら何をあずけに行くか想像してとても楽しめた。 H27.9.3~9.11読了。

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    投稿日: 2015.09.03
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    こんぺいとう商店街にある、盲目な店主が1日百円で何でも預かるあずかり屋を舞台にした、連作短編集。明日町こんぺいとう商店街は2冊出てるアンソロジーで描かれている町。そこから出たのがあずかりやです。猫、自転車、ショーケース、暖簾等々の語るあずかりやの日々。大山さんらしい温かな作品です。

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    投稿日: 2015.06.28
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    ほっこり系の連作短編ミステリー。猫好きに読んで欲しい作品。エピローグはやばかったです。電車の中なのにぶわっときそうでした。

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    投稿日: 2015.06.17
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    「一日百円で、どんなものでも預かります」。東京の下町にある商店街のはじでひっそりと営業する「あずかりやさん」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて「あるもの」を預けようとするのだが…。「猫弁」シリーズで大人気の著者が紡ぐ、ほっこり温かな人情物語。

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    投稿日: 2015.06.16