
総合評価
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「屍者」をテーマにした作品集です。 なのでどの作品にも屍者が出てきます。 基本的に何らかの有名作品と混ざっており しかも作者間でかぶっている場合もあるので 被りが苦手な人は注意かな。 印象深かったのは殺したはずの女性が よみがえってくる「小ねずみと童貞と復活した女」かな。 なぜDTとつくかがまずショッキングだったりします。 あとどこかで読んだこともあるであろう日記形式が… あとは最後に出てくる今はなき天才作家の意向を 受け継いだ同じく才能ある作家さんとの対話。 その方は志半ばで亡くなったけど どれだけ悔しかったことだろうね。
1投稿日: 2022.01.17
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藤井太洋「従卒トム」★★★★ 高野史緒「小ねずみと童貞と復活した女」★★★★ 仁木稔「神の御名は黙して唱えよ」★★★ 北原尚彦「屍者狩り大佐」★★★ 津原泰水「エリス、聞えるか?」★★★ 山田正紀「石に漱ぎて滅びなば」★★ 坂永雄一「ジャングルの物語、その他の物語」★★ 宮部みゆき「海神の裔」★★★★
1投稿日: 2020.02.27
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目次 ・従卒トム 藤井太洋 ・小ねずみと童貞と復活した女 高野史緒 ・神の御名は黙(もだ)して唱えよ 二木稔 ・屍者狩り大佐 北原尚彦 ・エリス、聞えるか? 津原泰水 ・石に漱(すす)ぎて滅びなば 山田正紀 ・ジャングルの物語、その他の物語 坂永雄一 ・海神の裔(すえ) 宮部みゆき 『屍者の帝国』の世界観を、8人の作家がシェアード・ワールドする。 これがもう、おもしろいのなんのって。 元々の作品も、過去の文学作品から作品舞台や登場人物を借りてきて、想定外の活躍をさせたり、歴史上の人物と丁々発止とやりあったりするものだったけど、この本に収録されている作品も、あの作品やこの人物がこう来るのか!って感じで、ページを繰る手が止まらない止まらない。 「従卒トム」 アメリカ南部の綿花農家で働く奴隷のトムといったら、「アンクル・トムの小屋」は外せない。 ところが舞台はなぜか戊辰戦争前夜の日本。 屍者とトムと勝海舟。 泣ける。 「ジャングルの物語、その他の物語」 ジャングルの物語はもちろん、その他の物語の方も春に原画展を観てきたばかりなので、屍者ではないほうの絵が思い浮かぶ。 元ネタの作品を思い浮かべながら、自分ならどうアレンジするだろうなんて思いながら読み進めて最後、宮部みゆきは全然違うアプローチで作品世界を描く。 そう来るのか。 一枚も二枚も上手です。 参りました。素晴らしい。
0投稿日: 2019.07.14
powered by ブクログ20150928 予約だん?仁木稔だけでなく、誰にも安心して勧められる宮部みゆきと、奇想を剛腕でアタマに捻じ込んでくる高野史緒が同時に読めるのがすごいお得感。
0投稿日: 2018.12.22
powered by ブクログ夭折した伊藤計劃が始め円城塔が完成させた小説「屍者の帝国」。 これをネタにしたアンソロジー。 元作の影響とか空気感がいい感じで残っており、読み直したくなってきた。
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ26:錚々たる作者さん方の手による「屍者の帝国」シェアードワールドアンソロジー。皆さま得意技で見事に「屍者」ワールドを手掛けておられます。先日読んだ「伊藤計劃トリビュート」に続き、外れなしです、これも。 久しぶりに読んだ宮部みゆきさんの作品は、やはりさすがとしか言いようがない……! その他、北原尚彦さんといえば「ホームズ」ですが待ってました、という期待に違わぬ作品、高野史緒さんは初読なのですが、これは本格的に腰を据えて作品読んでみなければ、と決意しました。 津原泰水さんのも面白かったし、ほんと、良いアンソロジーでした。 映画館に行けないので、映画版は円盤待ちですが評価高いしめっちゃ楽しみ。
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ「屍者の帝国」の世界観を元に、プロ作家が短編を寄稿したアンソロジー。同人作品ではない公式の2次創作で、小説で…というのは、珍しく、興味深く読んだ。 屍者の帝国の世界設定が共通しており、あとは時も場所もバラバラ。中には著名な作品を更にミックスして…というもう内容が濃すぎて読み応えのありまくる1冊だった。 お気に入りは、藤井大洋「従卒トム」 屍者ならではの切なさが好きでした。
0投稿日: 2016.10.12
powered by ブクログ一つの世界観を、さまざまな作者がかくと、こういう風に変わるのか、という点がまず、興味深い本でした。 表現とかは多少、直接的な部分があるので、好き嫌いがあるかもしれませんが、伊藤計かくの雰囲気が好きな僕にはちょうどよい感じでした。 おおむね面白かったですが、多少あわない作品もありました。それはまあ、いろんな作者が書いた本の宿命かなと思えれば、よい本かなと思います。
0投稿日: 2016.10.02
powered by ブクログ金曜(还是受难日?),桑登場屍者狩猎的大佐。高木兼寛(海軍医総監,男爵,创设東京慈恵会医科大学,维生素(维他命)的)説:海軍的咖喱要小麦的粉,所以,扑灭脚気。2014年7月,読了屍者的帝国
0投稿日: 2016.07.17
powered by ブクログ図書館で。 屍者の帝国面白かったしこれも読んでみるか~と借りてみました。中々意欲的な作品ばかりで面白かったですが。多分編者の趣味で人選したんだろうな(笑) 藤井太洋 『徒卒トム』 プランテーションと奴隷制と屍者と。そうやって考えると工業化よりも早く屍者技術が普及したという過程は面白いかもしれない。 高野史緒 『小ねずみと童貞と復活した女』 ロシア文学は長くて小難しくてなんとなく近寄りがたかったのですがちょっと読んでみようかな、と思ったり。色々な作品のオマージュが面白い。そう言えばキャプテンフューチャーは脳だけの人居たなあなんて思いだしました。 仁木稔 『神の御名は黙して唱えよ』 絶対者との一体ってイスラム教だけかな?とちょっと疑問に思いました。南無阿弥陀仏だって阿弥陀様のご意向に縋って極楽浄土に連れてってもらおうって信仰だし。果たして絶対者と一体になった後に自我なんてものはあるのか?と思うとイスラム教だけではない気がする。 北原尚彦 『屍者狩り大佐』 インドでトラ狩り。こういうわかりやすいお話は読みやすいなあ。 津原泰水 『エリス、聞えるか?』 森鴎外である必要はあったんだろうか?と疑問が残りました。 山田正紀 『石に漱ぎて滅びなば』 漱石さんと諜報員と海軍カレー。 そう言えばポークシチューってあまり聞いたことないけどなんでだろう? 坂永雄一 『ジャングルの物語、その他の物語』 ジャングルブックかと思ったら熊のプーさんだった(笑) 宮部みゆき 『海神の裔』 なんかこのお話は屍者技術が出てこなくても成り立ったような気がしないでもない。宇宙人とかアンドロイドとかそう言うのでも良さそうな雰囲気。 特別インタビュー:円城塔 円城さんって芥川賞取られたんですね。今度読んでみよう。 概ね、面白かったです。今度それぞれの方の作品も読んでみたいな。
0投稿日: 2016.06.20
powered by ブクログ映画の公開に合わせて出版されたアンソロジー。伊藤計劃さんが書いたエピローグに円城氏が長編作品として仕上げた「屍者の帝国」。この作品をもとにしたシェアード・ワールドものである。屍者が登場するのはすべての作品で共通しているが、役割や生者との関わりが異なる。この作品集を読んで、改めて「屍者の帝国」を読みたくなった。円城氏のインタビューも屍者の帝国を読む上で役に立つだろう。面白かったのは、「小ねずみと童貞と復活した女」「屍者狩り大佐」「海神の裔」。 以下、個別作品の感想。 ◎従卒トム(藤井 太洋) 江戸城無血開城とアンクル・トムと屍者を絡めた物語。奴隷だったトムであるが、屍者になってしまっても元主人への忠誠が変わらないところは日本的で素晴らしい。江戸時代の武士が持つ主君への忠誠心ともリンクする。 ◎小ねずみと童貞と復活した女(高野 史緒) 読みはじめは、笑えるという意味の面白さであったのが、エンディングに向けて、物語自体の面白さを感じるようになった。驚きの結末が見事。 ◎神の御名は黙して唱えよ(仁木 稔) 宗教(特にイスラム教)と絡めた屍者の物語。あまりのめり込めなかった。 ◎屍者狩り大佐(北原 尚彦) 「屍者の帝国」のパスティースュであり、シャーロック・ホームズのパスティースュでもあり、その他の作品のパスティースュでもある。こんなことは関係なく単純に面白い。 ◎エリス、聞えるか?(津原 泰水) コミカルであるが、どこか哀しげな感じがする物語。いくつもの作品で、屍者は死んでいるのか生きているのか議論になるが、本作品を読むと、屍者は生きていてくれと思いたくなる。 ◎石に漱ぎて滅びなば(山田 正紀) 夏目漱石が登場する英国での屍者の物語。似たような舞台の「エリス、聞えるか?」が哀しい感じがするのに対し、こちらは冒険活劇といっていいと思う。登場するものが現実にあるものとリンクして、「なるほど、こうきたか」とくすりと笑わせる部分もあり、楽しく読めた。 ◎ジャングルの物語、その他の物語(坂永 雄一) 前半はゆったりとした展開でなかなか物語の中に入って行けなかった。それが最後はトントントンと展開し、スピード感があって楽しく読めた。物語の背景にある別の作品をよく知らないからなのか、あまり面白味を理解できなかった。作品末に挙げられている本を読めば楽しめるようになるのだろうか。 ◎海神の裔(宮部 みゆき) いい話だ。屍者が漁村でひっそりと活躍する話はほっこりしていい感じ。おばあさんの証言という形式なのもいい。 ◎『屍者の帝国』を完成させて 特別インタビュー(円城 塔/述) 『屍者の帝国』が書かれた背景を作者本人が語るインタビュー。円城氏の苦しみや『屍者の帝国』と伊藤計劃の関係を知ることができる。
1投稿日: 2016.04.19
powered by ブクログ伊藤計劃の「屍者の帝国」は完結しなくても、受け継がれる世界観は生き続ける。従卒トムは思いもつかない展開、いきなり楽しめました。屍者、ゾンビはこれから、ますます存在感を増していくのでしょう。
1投稿日: 2016.03.12
powered by ブクログ没後6年を経て伊藤計劃の名声はいや増しに高まっている。生きていれば駄作を書くかも知れないのに、もう絶対に駄作を書くことのない彼は不滅だ。 でも読者はもっと彼の作品を読みたい。『屍者の帝国』。プロローグだけが書かれた第4長編。1878年、ヴィクター・フランケンシュタインの先駆的研究から100年、屍者に疑似霊素を注入することでロボットのように使役できるように蘇生させる技術が一般化していた。わたし、医学生のジョン・H・ワトソン、すなわち後のシャーロック・ホームズの記録作家は女王陛下の諜報機関にスカウトされ、グレート・ゲーム(中央アジアでの大英帝国とロシア帝国の覇権争い)のプレイヤーとして乗り出すことになる。 舞台はアフガニスタンから日本へという程度の構想しかはっきりしていなかったこの作品を円城塔が書き継いで長編として完成させた。このゲーム「プロジェクト伊藤」に大森望が他のプレイヤーを招集したのが、オリジナル・アンソロジー『NOVA+』の第二弾「屍者たちの帝国」である。『屍者の帝国』の設定を共有して短編を書く使命が8人の作家に与えられたのだ。もう作品を書かない伊藤計劃に代わって物語を紡ぐために。 藤井大洋「従卒トム」。屍者による軍隊、屍兵を統率するという忌み嫌われる仕事は黒人の解放奴隷に任される。テネシーの農場で綿花栽培に従事していた奴隷のトムは7年後、薩長の要請で屍兵を率いて江戸城攻めに向かおうとしている。ある種の人情話である。 『屍者の帝国』と同じ月に『カラマーゾフの妹』を上梓した高野史緒は今度は『白痴』の続編を書くが、これがとんでもない大暴走。白痴に戻ってしまったムイシュキン公爵。ムイシュキンとは小ねずみの意味。そして白痴の治療とねずみといったら、ドラマ化までされてSFファンでなくとも知ってるあの話。パルフョン(童貞の意味)・ロゴージンに殺されたナスターシャ(復活の意味)は首だけ他の死体にすげ替えられて死者として復活する。そうそう、首だけ生きてるってのはあの教授。といった具合のネタが繰り出されて最後は地球を飛び出していく「小ねずみと童貞と復活した女」。 仁木稔「神の御名は目して唱えよ」は「我」をなくして神と一体化するというイスラム神秘思想がネタ。ヴォルガ・ウラル地方のイスラム神秘主義教団を舞台に、この思想と屍者をからませた作品。作品で思索するという点で伊藤計劃の道を正しく進む。 シャーロキアン北原尚彦は円城塔版『屍者の帝国』の一挿話をでっち上げる、シャーロック・ホームズの登場人物を連れてきて。タイトル「屍者狩り大佐」はのちにモリアーティの右腕となるモラン大佐のこと。そして「まだらの紐」の粗暴なロイロット博士、さらにウェルズの登場人物や中島敦のまで登場。話はワトソン一行がインドで屍者化された虎に人が襲われる事件に遭遇するというもの。インドの虎刈りだから、宮澤賢治、いやそこまでは言ってないか。 愛する者を生き返らせるのはオルフェウスの冥府下り、イザナギの黄泉の国行きの昔から人間の欲するところだが、『屍者の帝国』のアイディアのキモは屍者が個性をなくして道具になるところにある。森鴎外が主人公の津原泰水「エリス、聞こえるか?」は伊藤計劃に背いて愛する者の蘇生をテーマにするが、屍者たる作曲家の作品などという変なアイディアで単なる感傷的な作品に終わらない。 山田正紀「石に漱ぎて、滅びなば」はロンドンの夏目漱石を引っ張り出す。漱石、すなわち「石に漱ぐ」という言葉と、海軍カレーの誕生を結びつけるが、その論理の強引さと説得力のなさは「トンデモ」というほかない。彼も『神狩り』『弥勒戦争』で夭折していたら、伊藤計劃のような伝説になっていただろう。ま、その後、駄作も書いたが,傑作も書いたから、生き延びることは無条件で正しい。でも、たいがいにしてもらいたいこともある。 屍者技術が時代遅れとなった時点から語られる坂永雄一「ジャングルの物語、その他の物語」はこのアンソロジーの他の作品からは異彩を放っている。伊藤計劃の世界から軽々と遠ざかりつつも,その独創性から伊藤計劃の境位にまで迫っている、というべきか。 トリは宮部みゆき。舞台は第二次大戦後の日本。後者の管理を離れた「拡散屍者」についての調査報告書の体をなす老婆の証言、「海神の裔」。「3回生まれ変わっても」『虐殺器官』のようなものは書けない宮部が、宮部にしか書けないお話を書いている。この作品でトムさんが登場するは藤井と申し合わせたわけでないのに、面白い。 最後にオマケで円城塔のインタヴュー。次のセリフがキマってる。 「伊藤計劃の名前で商売している」と言われてもいいんですよ。死体を働かせる話なので、「そうだ」と言える。 そうか、伊藤計劃は今も働いているんだ。
1投稿日: 2016.03.02
powered by ブクログ屍者の帝国の世界観を元にした短編集。シェアードワールドというらしい。二次創作みたいなもの? なかなか良質な小編が多かったなぁ。宮部さんの語りはやはりうまい。山月記やくまのぷーさん、アルジャーノンに花束をなど他作品のネタを混ぜ混むのが流行りなのかお手前なのか?とりあえず好き勝手ぶちこんどけーみたいなノリもある。 特に好きだったのは「神の御名は黙して唱えよ」と「ジャングルの物語、その他の物語」かなぁ。宗教観や文体・展開など、伊藤先生へのリスペクトの現れ方が好み。 編集者や円城先生の裏話なんかも楽しく読めた。ノリ的には同人的な、商業性の薄い話だったんだね。そりゃ賛否あるだろうけど、そういう悪巧み的なノリは好きです。
1投稿日: 2016.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
屍者と人間社会というIFが様々な形で楽しめる 藤井太洋「従卒トム」や、宮部みゆき「海神の裔」のような、屍者に対する人間の心の在り様を描出した物語が特に良かった 高野史緒「小ねずみと童貞と復活した女」は、しっかりと読ませる文章でありながら、ストーリーが大胆に次から次へと展開され読んでいて一番ドキドキした 宗教と屍者をテーマにした、仁木稔「神の御名は黙して唱えよ」も面白い 坂永雄一「ジャングルの物語、その他の物語」は、「屍者の帝国」のシェアード・ワールド作品にまさかあのキャラクター達が登場するとは思わなかった
1投稿日: 2015.12.25
powered by ブクログ※暴力及び流血、性表現の含まれる作品です。 【印象】 復活する"存在しなかった19世紀末"コンピレーション。 ある意味での"祭典感"を味わいたい人にお薦めします。 最後の編が好みでした。 【類別】 小説。短編集。 オカルト的ファンタジー、人物/事物引用あるいは"多次創作"、"共有世界"、歴史改変、少しSFでスチームパンク要素。 史実虚構両方に取材し実在架空区別なく過去の人物組織その他を盛りこんでいます。 【構成等】 8編。 【表現】 地の文は一人称視点、三人称一元視点、三人称視点と様々。 表現も様々であり、一部、方言を用いたものもあります。 【備考】 本書は下記作者による作品との内容関連がある編を含んでいます。 ドストエフスキー、ダニエル・キイス、リドリー・スコット、中島敦、森鷗外、H・G・ウェルズ、他。
1投稿日: 2015.12.24
powered by ブクログ【収録作品】藤井太洋「従卒トム」南北戦争の屍兵遣い、幕末日本へ/高野史緒「小ねずみと童貞と復活した女」『白痴』リローデッド/仁木稔「神の御名は黙して唱えよ」屍者とイスラム神秘主義/北原尚彦「屍者狩り大佐」ジョン・ワトソン未公開事件/津原泰水「エリス、聞えるか?」森鷗外、屍者と出会う/山田正紀「石に漱ぎて滅びなば」夏目漱石、倫敦の夜/坂永雄一「ジャングルの物語、その他の物語」最終戦争の屍者たちの黄昏/宮部みゆき「海神の裔」終戦直後、思い出の屍者
1投稿日: 2015.11.20
powered by ブクログ「屍者の帝国」の世界観を共有したアンソロジー(シェアードワールドというらしい)。津原泰水、たぶん初読でちょっと苦手。坂永雄一、元ネタへの知識がないせいか入り辛い。この2篇がちょっとオイラには合わなくて、後は割と好きな部類。 藤井太洋、戊辰戦争と南北戦争をムリヤリつないでる感はあるけど、そこ含め単純に冒険活劇としてノリがいい。 高野史緒、「カラマーゾフ」を食わず嫌いで読んでないんだけど、他あちこちから拾ったネタをどんどん放り込むスタイルは好きだ。 仁木稔、伊藤計劃本線の匂いが一番する中央アジアもの。伊藤計劃アンソロジーでウィグルの話書いてたのこの人だっけ? 北原尚彦、屍者の帝国のキャラを使いつつ、ホームズノリもありつつ。 山田正紀、何か屍者の設定がこれだけ違う気がする。マジモンのゾンビやん。 宮部みゆき、さすが、上手い。設定自体が「そこへもっていくか」ってのもあるし、破綻させることなくきっちりまとめてるし。
1投稿日: 2015.11.04屍者のいる世界 × 8
故・伊藤計劃の『屍者の帝国』プロローグ設定を元に、屍者のいる世界を八人が描いたSFアンソロジー。 序文や円城塔インタビューでも触れられているように、死者(伊藤計劃)を動かすという、良い意味で悪ふざけの効いた企画で面白い趣向だと思います。 屍者技術のある19世紀末という共通の舞台であっても、各人全く違う切り口で歴史上・文学上の人物を生かしてくるのも楽しい。 中でも藤井太洋「従卒トム」、北原尚彦「屍者狩り大佐」、宮部みゆき「海神の裔」あたりがオススメ。 高野史緒の「小ねずみと童貞と復活した女」は読む人を選ぶだろうけど、これでもかとばかりに繰り出されるネタの数々とドストエフスキー作品の不条理さがハマれば面白いと思います。 必ずしも円城塔版の長編『屍者の帝国』を読む必要はないけれど、少なくとも伊藤計劃オリジナルのプロローグは読んでおくべき。
8投稿日: 2015.11.01
powered by ブクログお勧めはイスラム神秘主義に絡ませた話の「神の御名は黙して唱えよ」とワトソン・フライデーたちも活躍する「屍者狩り大佐」 伊藤氏ためのアンソロジーなのですが、内容も充実していて楽しかった(#^^#) もし伊藤氏が存命していたら(言っても詮無いことなんですが)、どんなテーマで作品を書いただろうか。
2投稿日: 2015.10.27
powered by ブクログ妙な言い方だけど、短編集なのに先が気になって一気読みした。どんな世界を見せてくれるのか、どんな有名作品からオマージュしているのか、屍者技術にどう切り込んでいくのか、シェアワールドの醍醐味を味わえた。 どの作品もすべて面白かった。 中でも、藤井さん、仁木さんが特に好きです。
1投稿日: 2015.10.20
powered by ブクログ円城塔のインタビューが読みたくて入手したのだけど、どれも割とおもしろく読みました。で、やっぱり宮部みゆきは巧いなあと、おもった。
1投稿日: 2015.10.18
powered by ブクログ『NOVA+』の第2巻。テーマは伊藤計劃・円城塔の『屍者の帝国』。 『屍者の帝国』と同じく、『屍者』がいる世界を描いているが、アプローチの方法が様々で読み応えがあった。久しぶりに高野史緒の短編を読めたのも嬉しいところ。その『小ねずみと童貞と復活した女』のぶっ飛びっぷりは収録作で群を抜いている。原作の『屍者の帝国』と同じように、著名な古典作品の登場人物や、実在の人物を登場させた作品が多かったが、ここまでてんこ盛りにしたのは『小ねずみ〜』だけだった。 収録作家の中で初めて読んだのは仁木稔と坂永雄一。仁木稔は文庫になったら読んでみようと思っていたので、名前は知っていたのだが、坂永雄一は全く知らなかった。経歴を見ると創元SF短編賞出身で、まだ余り作品を発表していないらしい。ちゃんと読んでみたいので早く何処かで1冊に纏まらないものだろうか……。 巻末には円城塔のインタビューも掲載。確か公開された時にHPで読んだ記憶があるが、改めて読むと興味深い。 内容とは関係ないが、そろそろ『NOVA』第1期も買っておいた方がいいのだろうか……。
1投稿日: 2015.10.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
屍者の帝国の世界観で、8人の作家陣が新作短編を競作する書き下ろしアンソロジー。 様々なジャンルで屍者の物語を紡がれている。 ほとんどの作品で感じられるのは、屍者を運用しているのが当たり前の世界となっていて、現代のロボットが日常に広がっていく感じとダブって面白い。 皆んなそうだろうが、中でもやっぱり北原尚彦の「屍者狩り大佐」がワトソンたち一行が出てくる物語でテンション上がる。 他にも宮部みゆきや山田正紀らベテラン陣も執筆していてどれも一読の価値あり。 最後に円城塔の「屍者の帝国」を完成させた時のインタビュー記事も載っていて、もちろん本当は違うのだろうが、「必要以上に思い入れることなく程よく肩を抜きながら」という感じが、よりこの作品における伊藤氏と円城氏二人の想いが表されているようで、なんかジーンとくる。 こういう感じのアンソロジー、他の作品でもやってくれないかなぁ。
1投稿日: 2015.10.17
powered by ブクログ円城搭のインタビューが興味深かったなぁ。宮部みゆきの意外なアプローチが面白かったし、従卒トムが好きな感じ。
1投稿日: 2015.10.17
