
総合評価
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powered by ブクログキャロル・オフ氏は、カナダのウィニペグ生まれ、1981年にウェスタン・オンタリオ大学(英文学専攻)卒、CBCテレビの国際報道記者として活躍したジャーナリスト。旧ユーゴスラビアやアフリカの紛争、難民問題、グローバル資本主義の闇、児童労働などの国際的な社会問題を取り上げたノンフィクションを多数執筆。ジェミニ賞(カナダの優れた報道・ドキュメンタリー番組に贈られる賞)、B.C.ノンフィクション賞(カナダ最大級のノンフィクション文学賞)等受賞。 本書は、チョコレート産業の裏に潜む「苦い真実」を告発するノンフィクションで、原書は『BITTER CHOCOLATE:Investigating the Dark Side of the World Most Seductive Sweet(苦いチョコレート:世界で最も魅惑的な甘味の暗黒面を調査する』(2006年)。 私は、国際紛争などを含む、国際的な社会問題に関心があり、これまでも数多のノンフィクション物を読んできて、本書も題名は知っていた(因みに、英治出版にはこの種のテーマの良書が多数ある)が、今般新古書店でたまたま見つけ、手に取った。 主な内容は以下である。 ◆西アフリカのコートジボアールのカカオ農園では、多くの子供たちが過酷な労働をさせられているが、彼らはそのカカオが何になるのかも知らず、当然ながらチョコレートを食べたこともない。 ◆カカオの起源は、古代マヤ・アステカ文明に遡り、当時は神聖な飲み物とされていたが、その後、植民地支配と奴隷制度を通じて欧米に広がるとともに、富と権力の象徴となり、同時に搾取の対象となっていった。 ◆更に、資本主義のグローバル化が進展すると、カカオ産業は多国籍企業に支配されるようになり、現地の労働者に利益が落ちることはなく、他方、児童労働や人身売買、政府と企業の癒着、内戦の資金源化、告発者への圧力などの問題が発生している。 ◆フェアトレードは、認証コストが高く、小規模事業者には現実的な選択肢とはなりにくく、また、フェアトレード企業も大企業に吸収されるなど、制度は形骸化している。 ◆先進国のチョコレート消費者は無意識にこの問題に加担していることを知ることが必要である。 一通りページを繰って、チョコレートの搾取構造の実態と、それがなぜ長く続き、また覆い隠されてしまうのかが、非常によくわかった。そして、コーヒー、サトウキビ、たばこ等の、主に嗜好品といわれる国際産品というのは、大なり小なり似た構造を持っていることにも気付いた。 ただ、一つ疑問に思ったのは、チョコレート産業がそれほどの魅力あるビジネスなのかということだったが、読後に調べたところ、世界のチョコレート市場の規模は10兆円以上(うち、日本は1兆円弱)で、利益率が高く(板チョコ1枚の価格のうち、カカオ農家に渡るのは数%以下という)、かつ、ゴディバのような高級ブランドが作るブランド価値、ネスレのような多国籍企業によるグローバルな供給網に支えられた、巨大な利益を生む、安定したグローバルビジネスであることがわかった。 私は、現在の世界の究極的な問題の一つは、行き過ぎた資本主義だと考えている(そのほかの問題は、生命工学、人工知能等である)。物理的なフロンティアが消滅した現代(宇宙を新たなフロンティアと考えるのは早計)においては、資本主義は基本的にパイの奪い合いでしかない。この問題を解決するには、各人が過大な物欲・金銭欲を抑えるしかなく、この基本的な考え方において、私は、斎藤公平氏のいう「脱成長」に賛同している。 私は、バレンタインにチョコを贈ることや、自分へのご褒美に高級チョコを買うことを、否定するつもりはないが、せめて、そのときに、アフリカの子供たちを思い出すこと、そして、何か自分にできることはないのかを考えることが、第一歩になると思うのだ。 (2025年10月了)
5投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログ●2025年10月4日、きのう慶應病院の診察後に立ち寄った池袋ジュンク堂本店でカカオやチョコレートの本を見つけてチェックしたところから、図書館の蔵書の有無を調べてブクログに記載してた。ブクログで、キーワード「チョコレートの科学―苦くて甘い「神の恵み」 (ブルーバックス)」と入れて検索をかけたら出てきた本がたくさんあり、なかでも良さそうな本をチェックした。 あまり知りたくない現実。でも、カカオビジネスの実情を知っておく義務があるかと思ってチェックした。
1投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログコートジボワールで生きるために働く子どもたちと、先進国の子どもたちに愛されるチョコレート。120円のチョコレートは現地では米ひと袋、少年の日給3日分よりも高い。 「これは私たちの生きている世界の裂け目を示している。カカオの実を収穫する手と、チョコレートに伸ばす手の間の溝は、埋めようもなく深い。」 12歳以下の子どもたちが、1万人以上、毎日12時間以上、年に200ドル以下で働く。
0投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログ斎藤幸平『人新世の「資本論」』にて、資本主義による成長の代償を後進国がおっかぶるという主張があったが、チョコレート産業におけるそれを見た。 先進国の都合でカカオの生産地にされた挙げ句、市場価格の暴落により貧困にあえぐ人々。奴隷同然の扱いを受けタダ働きさせられる子供たち。 私達はそれらの人々を犠牲にして、100円のチョコレートを当たり前のように食べている。 そして、原料のカカオを作っている人々は、カカオがどうなるのか知らず、チョコレートを見たことすらない。 これは過去ではなく、現代の話である。 資本主義経済における世界の歪さを思い知った。 自分が何ができるかは分からないが、この現実を意識しながら生きていきたいと思う。
1投稿日: 2023.05.13
powered by ブクログフェアトレードといった言葉は知っていたし、児童労働の話も聞いたことはあったが、もっと昔の話だと思い、これほど最近まで取り沙汰されていたとは知らなかった。 政治や憲兵など、市民の暮らしを良くしようと行動べきする人達が目をつぶったり賄賂で動いたりと腐敗すると、ここまで状況が悪化するんだというのを実感した。なんでこんなに汚い人間が多いんだろう。 こうしたルポの本はあまり読んでこなかったけど、面白かったし色々な切り口の問題の本を読んでみたい。
1投稿日: 2023.04.16
powered by ブクログアブドゥライ・マッコ コートジボワール中部の都市ブアケ駐在のマリ総領事 内部告発で職を解任 マリ人児童労働に一躍買った人物 人身売買は夜行われる。複雑に絡み合った制度は、フェアトレードチョコですぐに解決できるものではない。 フェアトレードはあまりに単純化されすぎている
0投稿日: 2023.03.05
powered by ブクログ県:フェアトレード、チョコレート、児童労働のB.T本として ********* ★2023.01(1年・2年)
0投稿日: 2022.11.08
powered by ブクログ心苦しい罪悪感と、チョコレートの無い生活なんて嫌だという欲と、私なんかが解決できやしないという無力感。 そういった、ごったまぜな感情になった。 平和で満たされた生活をしていると、カカオをとりまく苦しい世界が今現実にあるなんて、信じられない。 それでも、目をつぶっていてはいけない、と思った。 私には何もできなくても。 知ること。 それが全ての始まりなんだろう。 今後、チョコレートを見るたびに、一瞬ひっかかるようになるかもしれない。 あるいは、都合よくすっかり忘れてしまうのかもしれない。 それでも、この本を読んでよかったと思う。 【memo】 人は、良い環境でも、与えられたものであると満足できない。 自分でつかみとった、という感覚が大切。
0投稿日: 2020.05.27
powered by ブクログ国立科学博物館 URLは http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2012/choco/ 『特別展「チョコレート展」』 : 開催 2012年11月3日(土・祝)から2013年2月24日(日) 2009/3/7 毎年バレンタインデーのチョコレート騒ぎの時に、フェアトレードについて考えます。 チョコレート、コーヒーなど、気楽に飲んだり食べたりしているものの裏側には、 思いもよらない真実があり、唖然とするばかり・・・。 せめて、ファトレードチョコレートを買おう! Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」 ⇒ URLは https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/s/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89 『フェアトレード』 : で検索 2009/3/7 読み終わる。 内容 : 巨大企業と腐敗した政府、農園経営者らが、児童労働の上に築いたカカオ産業を牛耳っている。 今この時も、子どもたちは狙われ、酷使されているのだ。 そこに乗り込んだ気鋭の女性ジャーナリストが目にしたものとは−。 著者 : キャロル・オフ ジャーナリスト。2005年ダフォー賞を受賞。 ほかアフリカ、アジア、ヨーロッパについてのCBCテレビ・ドキュメンタリーで数多くの賞を受賞。
0投稿日: 2019.01.12
powered by ブクログチョコレートの歴史を紐解けばマヤ・アステカの時代に遡り…そこから続く奴隷と児童労働の問題。市場において利益を追求する巨大多国籍企業と腐敗政治のはびこる開発途上国の組み合わせによるこの構図が続いているという告発のノンフィクションが本書。一次産品である原料のカカオを生産している農家はカカオの市場価格が上下しようが関係なく低価格で売らざるを得ない状況があり安価な労働力に頼るべく児童労働や人身売買が今も続いているという。チョコレートを嫌いになる必要もないが、街中にチョコレートが氾濫するこの季節、こんな本を投げかけて見るのもありだろう。
2投稿日: 2018.10.09真実は苦い
カカオ農園で働く子供はそれが何になるか知らない。 コートジボワールに行けば自転車が買えると隣国マリやブルキナファソから来た子供はだまされてカカオ農園で働かされるが給料をもらえることもなく搾取されている。穀物メジャーのカーギルやADMが買い付け、製菓メーカーがチョコレートを作る。児童労働を禁じる法律に対して製菓メーカーは調査をしぶり、見ないふりをする。 子供達を働かせる農家も儲かっている訳ではなく、カカオの集配人は私兵に賄賂をせびられ、カカオ公社は権力と結びつき輸出した代金は闇に消える。 チョコレートを食べる人が責任を感じる事はないが、真実は苦い。
0投稿日: 2017.10.14
powered by ブクログチョコレートが南米の暴虐な植民地支配からアフリカ奴隷貿易、時を経てアフリカでの栽培開始による一次産品モノカルチャー化と市場価格暴落による農村の破壊と飢餓、そして人身売買を伴う児童奴隷労働な実態を追った迫真のノンフィクション。 HERSHEYなどの多国籍食品メーカーによる第三世界の収奪と労働環境に対する冷淡さは心を冷め冷めとさせます。
0投稿日: 2016.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
[ 内容 ] カカオ農園で働く子供たちは、チョコレートを知らない。 児童労働、政府の腐敗、巨大企業の陰謀…チョコレートの魅惑的で危険な世界へ。 気鋭の女性ジャーナリストが徹底取材した、今なお続いている「哀しみの歴史」。 [ 目次 ] 序章 善と悪が交錯する場所 第1章 流血の歴史を経て 第2章 黄金の液体 第3章 チョコレート会社の法廷闘争 第4章 ハーシーの栄光と挫折 第5章 甘くない世界 第6章 使い捨て 第7章 汚れたチョコレート 第8章 チョコレートの兵隊 第9章 カカオ集団訴訟 第10章 知りすぎた男 第11章 盗まれた果実 第12章 ほろ苦い勝利 エピローグ 公正を求めて [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
0投稿日: 2014.11.01
powered by ブクログチョコレートの原料のカカオ豆。古くから歴史があり疲労回復の食物として重宝され通貨の代わりにもなっていた。コロンブスがカカオをスペインへ持ち帰り、イギリスがスペインからジャマイカを獲得してからカカオの生産拠点としてキャドバリー社はチョコレート会社として発展する。 20世紀初頭、カカオの生産にはすでに奴隷制度が関わっていることを、クエーカー企業でさえ目をつぶってきた事実。アメリカ資本主義の欺瞞がここに。 アメリカのハーシー社はもともとはキャラメルを製造していたが、創業者はキャドバリー社の製造を参考にし、アメリカでチョコレート産業が花開く。雇用を促進し、住居を確保し、孤児院までつくる優良企業に発展するが、従業員のストライキの憂き目にも合う。 主にコートジボワールでの子供奴隷による生産の話が中心だが、近隣のマリやブルキナファソからの出稼ぎ労働者をコートジボワールが排斥し、近年の内戦でさらに混乱するという現状も語られる。 この問題の根が深いのは、コートジボアールの児童労働だけれではなく近隣のさらに貧国から仕事を求めてカカオ産業を目指すこと、よって国は利権のために安い労働力を求め、弱者が搾取されることは止めようがなく、そして結局、西アフリカ全体の貧困の問題ということに立ち戻ってしまうということだ。 大麻もコーヒーもカカオも嗜好性の高いものほど外貨を稼げるがゆえに発展途上国にとってみれば金のなる木に見えることだろう。 大麻なら倫理的な問題もあるが、コーヒーよりもさらにポピュラーなカカオ、なんといってもチョコレートは子供から大人まで需要がある。 日本も貧しい時代は子供を働きに出すというのは珍しいことではなかっただろうが(富岡日記ではなく、あゝ野麦峠のイメージ)そこで今の時代に、個人がなにを選択するのかということを考えると途方に暮れる。 個人的にはチョコレートが好物というわけではないのだが、カカオの生産がコートジボワールの児童奴隷によるもので、その恩恵を世界が受け取っているのであればもはやチョコレートを口にすることに罪悪感を持たずにはいられない。 (なお、読後に調べたところ、日本のチョコレートメーカーのカカオの仕入れ先はガーナが中心である。ガーナについてはこの本には全くの情報がない)
0投稿日: 2014.07.09
powered by ブクログTシャツのような世界規模の搾取の話が書かれた経済の話。 そう踏んで手にとったが、心が痛くなる奴隷労働の話に辿り着いた。 ナイロビの丘がさもドキュメンタリーだったかと思わせる内容。 チョコだけの話ではないし、胡散臭い本で一面が書かれるような利益に関わる腐敗には太刀打ちできないのだろう。 もっと卑近な世界でも利権のために暗躍する人はいるし、結局群集として見ぬふり以外の選択肢は思いつかない。 切ない話だった。
0投稿日: 2013.12.26
powered by ブクログカカオ農園で働く子供たちは、チョコレートを知らない。 -- Bitter Chocolate ― http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2015
0投稿日: 2013.09.10
powered by ブクログチョコレートの歴史としての前半部分は非常に面白いが、おそらく作者の言いたいことではないのだろう。 巨大企業は必然的に生産者を搾取できる力を持つ。例外の無い法則がこのような夢のある業界でも成り立っているということだ。
0投稿日: 2013.06.19
powered by ブクログカカオ農園で働く子供はそれが何になるか知らない。 コートジボワールに行けば自転車が買えると隣国マリやブルキナファソから来た子供はだまされてカカオ農園で働かされるが給料をもらえることもなく搾取されている。穀物メジャーのカーギルやADMが買い付け、製菓メーカーがチョコレートを作る。児童労働を禁じる法律に対して製菓メーカーは調査をしぶり、見ないふりをする。 子供達を働かせる農家も儲かっている訳ではなく、カカオの集配人は私兵に賄賂をせびられ、カカオ公社は権力と結びつき輸出した代金は闇に消える。 チョコレートを食べる人が責任を感じる事はないが、真実は苦い。
0投稿日: 2013.02.20
powered by ブクログ成毛眞氏書評からのリファレンス。タイトルのとおり、古代マヤ文明において神々の食べ物とされたカカオ歴史、チョコレートの製品化とリーディングカンパニーの変遷。そして世界規模の格差を浮かび上がらせる現代のカカオ生産ビジネスが抱える暗部。 チャーリーとチョコレート工場(あの映画は1971年にも、チョコレート工場の秘密として映画化されている)にはちゃんとモデルがあって、それは自身の名前を冠する町ハーシーを建築し、孤児を引き取り育てたミルトン・ハーシーだった等のくだりは、当時のヨーロッパ企業とアメリカ経済の絡みかたまで俯瞰でき楽しい内容だった。 しかし、カカオ生産ビジネスが今なお抱える、児童強制労働にまつわる疑義は、ジャーナリズムの錯綜などに起因し問題が混迷を極めており、読んでいて出口のない迷路にいるような錯覚を覚えた。 本書によれば、カカオ生産世界一を誇るコートジボワールの農園で、マリから労働力として調達される児童は10年近くに及ぶ無償の労働と虐待を強いられているケースがあり、こうした児童は、自分たちが「奴隷」であるという認識すら持たされず、労働を終えて帰国して以降も社会に適合することができず、ギャングになるほかの人生は残っていないとされている。 カカオ生産に限った話ではないかもしれない、このような人権問題を可哀想だなどという気持ち一つで、助けてあげたいというアプローチを取ることは、真実と解決への道を曇らせてしまうのかもしれない。一方で、本質的な問題の一つは、マリの児童たちは家族によって送り出されており、それを輸送する人も、罪悪の意識は希薄だという。人格すら十分形成されていない児童から人生を奪ってしまっている行為の連鎖を、本質的に断ち切るのは、「自尊心」なのかもしれないと感じた。
0投稿日: 2013.01.18
powered by ブクログ普段何気なく食べているチョコレートがどうやって作られているか知っているか。 私はそのほとんどを知らなかった。 その影には、カカオ原産地の国々の貧困、政治の腐敗、そこからくる児童労働、児童奴隷、大企業の思惑、どっち付かずの消費者の倫理観が影を潜めており、複雑に絡み合っている。 特にチョコレートが児童労働、奴隷の犠牲の上に成り立っているとの指摘は自分のあらゆる食品についての姿勢を考え直すきっかけになった。 カカオ原産国の収入源の確保と向上、フェアトレードの仕組みの見直しなど、やるべきことは多い。 綿密な取材に基づいた衝撃のノンフィクション
0投稿日: 2012.08.08
powered by ブクログ流し読み カカオがもともとはアフリカのものではなく、アメリカ大陸から輸入させられたものであり、奴隷にちかい労働により、チョコレートの原料のカカオは生産されている。フェアトレードの制度も骨抜きなっている、この現状を変えることはできるのか、チョコを口にするたび思いを馳せるだろう
0投稿日: 2012.04.09
powered by ブクログ【必読】 チョコレートの歴史がわかります。 一般的な農作物とは違う、闇に包まれたチョコレート産業の実態。 歴史が苦手なので読み辛かったですが、必ず読むべき1冊だと思います。 過去の奴隷制の事、現在の児童労働、などなど。
0投稿日: 2012.02.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
チョコレート史のような感じ。それもそれほど昔でない、最近の歴史。 身近なものほど、その原料まで想いを馳せることができにくい代表例なんだろうな。 世界史好きとしては、読み物として興味深かった。 現在でも奴隷のように過酷な環境で働いている子どもたちがいるのだろう。日本にいると考えもしないことを考えさせられる一冊。
0投稿日: 2011.11.30
powered by ブクログ旅行の前に読んでいた前半のことをすっかり忘れてしまったのだけど。。。カカオの歴史の最初からして、アステカ文明の奴隷たちが出てくる。 そして現代のコートジボワール。 これ以上ないぐらい腐敗しきった国家と多国籍企業、国際的なマネーゲーム、貧困にあえぐカカオ農家たち、騙されて売られる子供たち、消されるジャーナリスト、暴力、民族浄化。 それでも私はチョコレートを食べるべきなのか?それともボイコットすべきなのか?
0投稿日: 2011.10.06
powered by ブクログガリガリガリガリとチョコレートを一気食いしてしまうピーナッツも、流石にこれを読んだ後は考えさせられました。
0投稿日: 2011.06.12
powered by ブクログ魅惑のお菓子チョコレートをめぐる古今の出来事を丁寧に追っていくルポルタージュ。 チョコレート以外に共通点のないバラバラな場所と出来事を手広く追いながらも散漫にはならない。 論点は終始一貫している。 常に付きまとう「材料の作り手」と「製品の受け手」の断絶。 不平等は悪の大企業と経済大国が強欲な独裁者を利用することによってのみ起こるものではない。 搾取の裏には、それを許し、動かし、もっと良い物をもっと沢山もっと安く欲しがり続ける消費者の存在が常にある。 くわしい感想⇒http://melancholidea.seesaa.net/article/184557541.html
0投稿日: 2011.02.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
チョコレートの甘さに隠された真実の姿を描き出した本。チョコレートの歴史から現在の状況に至るまでを書き出している。チョコレートは過酷な労働環境で作られ、冷酷な世界市場経済に左右されている実態がわかる本。 チョコレートを今までみたいに単純に楽しんでは食べれなくなるかもしれません。
0投稿日: 2010.12.17
powered by ブクログチョコレートのまさに真実が描かれている。 チョコレートの生産農家の人たちはチョコレートを食べた事がないというのは知っていただ衝撃だった。 チョコレートの歴史、チョコレートの原料のカカオをめぐる原料国と生産・消費国との現状。 そして生産現場での子供の奴隷、人身売買。 現状は昨今を示している。 カカオ農園で働く少年の言葉が胸にささる 「チョコレートを食べている人は僕のお肉を食べているのと同じだ」 この発言が物議を醸す。 ノンフィクションであり、専門書のようにも思える。 重い現実がそこにある。
0投稿日: 2010.11.03
powered by ブクログ多国籍企業と、国家間、そして国内の利権争い。 その底辺にいまもある奴隷。 なくなるまでにどれだけ時間がかかるのだろう。 補助金目当てのNGOとスクープ目当ての記者と、何がどこまで本当の情報であるか創作の話か。 すべてが正規の値段になったとき、自分たちの生活品の値段はとんでもない価格になる。 それを受け入れるボランティア精神者はいるのか。 弱肉強食といって終わるのか。
0投稿日: 2010.10.22
powered by ブクログアンフェアな取引で、莫大な富を築いた産業界、特にカカオ生産は今も昔も”奴隷労働”で購われていること、1つのチョコレートに存在する背景を知らない消費者たち。
0投稿日: 2010.05.08
powered by ブクログ原料のカカオ豆を栽培する子供たちと それを食べる先進国の子供たちとの間には どれだけ 深い溝があるのか・・ ショックを受けました。 働かないと生きていけない世界。 過酷な労働をしても 賃金が無い または人身売買のような状態で つれて来られて働かされていたり・・ さらに恐ろしいのは、その状況を作り出しているのは その豆を製造・加工・消費する 先進国の私達自身だということ・・ 自分が口にするものについて ここまで無知だったことを恥ずかしいと思いました。 「カカオ豆を収穫する手とチョコレートの包み紙を開ける手の間の溝が埋められるためには?」 という著者の言葉に、 今は何も答えられないほど、呆然としています。
0投稿日: 2010.02.08
powered by ブクログ2009/9/2図書館で借りる 2009/9/7返却 第一章.流血の歴史を経て 新大陸自然文化史/ホセ・デ・アコスタ 第二章.黄金の液体 新世界の歴史/ジローラモ・ベンチョーニ 第三章.チョコレート会社の法廷闘争 チョコレート工場の秘密/ロアルド・ダール 第四章.ハーシーの栄光と挫折 第五章.甘くない世界 アフリカ 自壊する大陸/ピーター・シュワブ 第六章.使い捨て ケビン・ベイルズ 第七章.汚れたチョコレート お菓子の国の危機/ジャン・ポトカー 第八章.チョコレートの兵隊 第九章.カカオ集団訴訟 ミルトン・S・ハーシー 第十章.知りすぎた男 ジャック・ユイルリー 第十一章.盗まれた果実 盗まれた果実/ピーター・ロビンス 第十二章.ほろ苦い勝利 ヒューバート・ハンブリー、ジョン・F・ケネディー、リチャード・ニクソン エピローグ.公正を求めて
0投稿日: 2009.08.26
powered by ブクログ甘いチョコレートの陰に潜む、苦い真実。過酷な児童労働、政府の腐敗といった暗部を探る。きな臭い話だから仕方ないと思うけれど、後半、若干食い込み足りない感じがした。
0投稿日: 2009.07.13
powered by ブクログ市場主義社会は搾取の連続で成り立っていく。 悲しいけれど、そうでなければお金をたくさん稼ぐことができない社会になってしまっている。 お金なんてたくさんはいらないはずなのに…
0投稿日: 2009.07.05
powered by ブクログカカオひとつでここまで大きな問題を孕んでいたとは想像もしなかった。 明治かロッテの箱型チョコの内面にカカオの解説が載っているのを目にしたことはあるが、児童労働(奴隷)やカカオ利権による政府高官らによる情報操作に拉致殺害、コートジボワールの移民問題なんて一切触れてなかったから非常に勉強になった。
0投稿日: 2009.02.27
powered by ブクログカカオを摘み取る子供の手と、チョコレートの包み紙を破る子供の手にここまでの違い、圧倒的な裂け目があるとは露ぞ知らなかった。マジで凹んだ。『チャーリーとチョコレート工場』観て安易に面白がってちゃ駄目だな…。
0投稿日: 2009.02.18
powered by ブクログなんて衝撃的な内容。何気なく食べていたチョコレートが、とてつもない犠牲を伴っているたなんて。無知なことが、罪と知らずに罪を犯していることもあるのだと、考えさせられた。
0投稿日: 2008.09.25
powered by ブクログチョコレートの歴史や、シオラレオネやガーナのカカオ栽培の労働問題について様子など、とにかくチョコに関することが詳しく書かれています。これを読まなきゃ真のチョコ好きとは言えない☆
0投稿日: 2008.09.19
powered by ブクログこの本では、カカオに焦点を絞って貧困の構造について語っている。 カカオだけでなく、何にせよ、利益の配分に問題があり、それが貧困を作り出している。 貧困層の人が得るはずの利益を搾取する人が居る限り、貧困は無くならない。 利益を得るべき人から横取りする仕組みが出来上がっており、 その仕組みを崩そうとしても、その仕組みで利益を得る人間がそうはさせない。 よって、貧乏な人はより貧乏に、金持ちはより金持ちになる。 これは解決できるのか…? どちらにせよ、裕福な人間が解決を試みない限り解決しないことは確かである。 貧困の原因は様々であり、解決が容易なものとそうでないものがあることが分かった。
0投稿日: 2008.08.27
powered by ブクログチョコレートの歴史は、始まりから今に至るまで、過酷な労働を強いられる人(子ども)がいて成り立っているのだった。辛い、辛い事実。 ものすごい取材力です。文章量も、たっぷり。
0投稿日: 2008.08.01
powered by ブクログ甘く豊かな至福の時間のために、どれだけの犠牲を強いているのか・・・ カカオというものが、こんなにも価値があるもので、そして、それを生産流通させるために、 どれだけ多くの子供たちが危険にさらされているのか・・・ 知らなかったです。 2〜3年前、ある機会に甥の赴任先のガーナの人達が来日することがあり、 その時「私たちの国で作ったカカオを使うチョコレート工場に行って見たい」との要望があった。 あせって某菓子メーカーに事情を話し工場見学をしたい旨を伝えたところ、 広報担当の女性の、少し戸惑ったような声を思いだしました。 諸般の事情で結局実現はしませんでしたが。。。 THE NIKKEI MAGAZINE 紹介本
0投稿日: 2008.02.05
powered by ブクログ世界中で愛されているお菓子、チョコレート。その原料となるカカオがどの様に生産されているかを筆者が決死の覚悟で潜入したレポ。 カカオは多くの児童労働という犠牲の上に生産され、その子達はチョコレートの存在、ましてや味も知らない。世の中はチョコレートの季節。いくら高級チョコが飛ぶように売れてもその恩恵は生産者、とりわけ子供に還元されることはないであろう。 ちょっと考えてみてはどうですか? 終盤はフェアトレードについて綴られています。先進国の中でも最低の食料自給率だけに、この問題は避けては通れないですね。
0投稿日: 2008.02.04
