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ブラザー・サン シスター・ムーン
ブラザー・サン シスター・ムーン
恩田陸/河出書房新社
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総合評価

102件)
3.2
5
31
37
16
3
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    蛇って泳ぐんだ。というエピソードから始まった出会い。大人になるも青春時代の思い出は残り続ける。主に三人の登場人物からの視点。関わる人達も多い。 肩の力を抜けて読める一作でした。

    0
    投稿日: 2025.10.21
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    2025.8.12 大学時代を思い出したくない綾音に共感。 はこちゃんの妻は綾音? 面従腹背ってすごく自分だ もつれて離れてまた重なる、、自分にも覚えがある会わなくなってもその関わりが無意味なものになるわけではないんだよね

    0
    投稿日: 2025.08.12
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    ご本人もおっしゃった通り珍しい自伝的な作品 するする読めたけれど、ここで終わり?!となってしまい少々消化不良…それが良さというか特徴なのだと思うけれど… 自分の大学時代を振り返って、対談に記載された「とらえどころがない」「取り止めのない」という表現がわかるなぁと思いました

    0
    投稿日: 2025.03.17
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    〈不思議だ。  こういうのって、決して特別なシーンじゃないんだね。  他愛のない、ほんのワンショット。夕暮れ時の、小さな川に架けられた石橋が、真っ赤な水面に黒い影を落としてる。〉  青春小説を愛おしくを感じるのはどんな時だろう、と考えてみる。たぶんひとによって答えは様々だとは思うのですが、個人的には、〈派手な事件〉や〈特別な事柄〉よりも、〈とりとめのない思考〉に対して感じることのほうが多いように思いました。本書は、学生時代のこと、社会のこと、小説のこと、映画のこと、音楽のこと、高校時代の同級生だった大学生三人のまなざしから、それらに関する〈とりとめのない思考〉が綴られていて、読み進めるうちに、どんどん愛おしさが増してくる、そんな作品でした。  もちろん本書はフィクションなので、作家自身の声と同一視してはいけない、と承知したうえで、作中に挟み込まれる〈小説を書く〉ことに対する問い掛けも印象的でした。

    0
    投稿日: 2025.02.22
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    同じ大学に進学した、高校の同級生のお話。 3人がそれぞれ自分の青春時代を回想したり語ったりする形式で三篇。 友達同士の話なので、共通する思い出が繰り返し出てくるのは仕方ない。だけど、なんかすごくクドく感じるのはなぜだろう。 誰もいなかった街とヘビの話、映画の話、とか。 誰もいなかった街とヘビの話に至っては、本編のあとにさらにご丁寧にそれだけ切り取った一篇までついてるっていう。 そのエピソード、おもろくないねん⋯何回話すねん⋯もう1万回聞いた⋯って気分。 薄い本なのに読み疲れました。

    0
    投稿日: 2025.01.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ザキザキトリオ。 文学、音楽、映画、 高校同級生の大学での話。 地元の友達との関係。 変わりたくないけど変わってしまうもの。 大学の頃はその狭間で悶々としてたのを思い出した。

    0
    投稿日: 2025.01.02
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    読みやすいのは助かりましたが、いまいち一貫性がない話でした。登場人物と似たところがある大学生であったならば刺さったかも。 文庫本で読みましたが、大学の先輩との特別対談が、謎の共感性羞恥というか、ちょっと見ていられませんでした…。

    1
    投稿日: 2024.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    特に何も起きないけど心地よかった。 社会人になった3人の登場人物が、大学時代をモノローグで思い出す。 3人の大学時代の絡みは大人になった今振り返ると、あったようななかったような曖昧なものだった。 自分に残る人との思い出はなんだろうか? と10年後の自分へ想いを馳せてみた。 どの関係のどんな場面が印象に残るとかわかんないので、考えるのをやめた。 今は、心をごまかさずに人と過ごそうと思う。

    0
    投稿日: 2024.08.07
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    旅行のお供に読了。特に目覚ましい展開があるわけでもなく、山もオチもなく、でもそれがいい。主人公がみんな静か。気だるげな大学時代の雰囲気がリアル。戸崎の章が好きだなあ。ジャズ研なんて入ってないけどなんで懐かしい感じするんだろ?

    16
    投稿日: 2024.06.27
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    高校時代に関わりのあった綾音・衛・箱崎一 の名字にザキがつくザキザキコンビ。 それぞれが昔を回顧する群像劇。高一で三人組でフィールドワークのようなことをし、田舎で昼間人がいないことが記憶に残っていたり、それぞれの大学時代の思い出が語られている。高校時代に出会い、関わりはあるが関わりがない人生の進行が描かれている。綾音は本、衛はベース、一は映画を意識の差はあれど大学で取り組んでいた。 一人が伸ばした興味の先に、他人の興味がぶつかっている、関わりが拡散から収束している美しさ・偶然の運命に心が動かされた。過去に同じ体験をした人たちがそれぞれの人生を歩んでいく風景が心にぐっと来た。 自分にこのように時間をかけた体験として思い出せるものがあるだろうかと考えた。ゲームをした思い出が大半で、何かを成し遂げた思い出は大学にはない。これから人生を振り返ったときに、あれをやったことが自分の今につながっていると感慨深く思えるように生きていかなければと感じさせてくれる物語だった。 評価4

    0
    投稿日: 2023.03.28
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    同じ高校から同じ大学に進んだ3人の男女それぞれの学生生活。 高校時代は仲良しトリオだったのに、いつの間にか疎遠になっている。決定的な何かが起きたわけでもなく、ただ何となく。というのが、いかにもありそうな話。 彼らの間に何かがあったという話ではなく、何もなかった。という物語でもある。 もう少し何とか出来たのではないか?こんな事もしたかったのに出来なかった。 振り返ってみると、学生時代というものは漫然と過ごしてしまいがちで、今思えば後悔ばかり。 「大学生というのはあまり停車駅のない長距離列車に乗っているようなもの」という例えが、じわじわと読み手の胸を抉る。 恩田作品にしては珍しく、自伝的な要素の強い、半分エッセイみたいな、お話でした。 ケータイのない時代。1980年代の大学生活の雰囲気が、まざまざと蘇ってくるのはさすが。

    0
    投稿日: 2023.01.31
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    恩田さんの自伝的小説。高校→大学にあがったときの友人たちの繋がりってふわっとしていたなあという記憶とともに読みました。

    0
    投稿日: 2022.12.27
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    淡々と心の情景を描く恩田陸らしい文体だなと思う。夜のピクニック程詳しくは描いておらずどこが抽象的で捉えどころがなく、どんなふうに話が進むのか不安にかられる。だがその不安が最後にはそのまま主人公たちが抱いていた将来への不安や焦燥感のようなものなのかな?とも思う

    0
    投稿日: 2022.07.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    高校の同級生3人の大学時代を描いた本。 恩田陸さんの自伝的小説だそうですが、残念ながら、私にはあまり面白さがわからなかった。

    9
    投稿日: 2022.05.05
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    自伝的とあり全部が恩田陸自身なのかと思ったらそうではなさそうだった。 で3人を中心に物語が進み最後に高校の出逢った頃に話が戻る展開に面白くそして1番最後の行でカチッと音がするような歯車が合う音が聞こえた。 恩田ワールドにハマると音が聞こえるような気がするのさ私だけだろうか。

    0
    投稿日: 2022.03.01
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    歩道橋シネマ読んでから、なんとなく読み返したくなって久しぶりに再読 谷内六郎がここにいた 第一部から第三部の大学生パートは、まだ読むには少し生々しくて 自分の大学時代を冷静に、客観的に見つめ直す度量がまだ無い またしばらく時間を置いてから読みたい 糾える縄の如しは何故か水沢めぐみの絵で脳内再生された

    0
    投稿日: 2022.02.13
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    大好きな先輩からもらった本。  ちょうど自分は大学2年生で、何をしようかとか自分は何がしたいのかを考えている時だった

    0
    投稿日: 2021.11.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恩田陸は無条件で好きなはずだけれど、これはどうにも好きになれなかった。解説でちゃんと自叙伝的って書いてあったはあったけど、アヤネが作者を投影しすぎてて、モテ妄想みたく思えてダメだった。個人的に、これだけじゃなくて、恩田陸は女の一人称の話に違和感を覚えてしまう。

    1
    投稿日: 2021.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恩田陸さんのであれば、とりあえず外れはないだろうと借りていた本。 自分と同年代の「女子大生」の枠の中に入りきれないヒロインの描写で、読み始めたが最後、引き込まれるようにして一気に読んでしまった。 とはいっても、地方とはいえ比較的東京に近いところの出身。東京の有名私大が舞台だから、やっぱり自分の大学時代と比べたら、いろいろとかけ離れてる。この前別の文庫を読んだ時も思ったけど、ジャズに関する知識が豊富(ご自身が実際そういうサークルにいたのだそう)で、そっち方面に疎い時分からするとちんぷんかんぷん・・。とはいえ、文明の利器で時折、検索しては流しながら読んだ。フレーズは覚えてないけど、臨場感は味わえた。 最後のモデルとなった先輩との対談もなかなか印象的だった。

    2
    投稿日: 2021.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    珍しく青春物語だな…と思ったら自伝的小説とあって納得。当時の世俗がちりばめられていて、とてもバブリーだった。作家、ミュージシャン、映画監督とどれも作り手なんだよなぁ。蛇のくだりあたりでは「ここからもしや恩田ワールドが始まるのでは???」と思ったけれどちがった。毒されすぎである。

    2
    投稿日: 2021.09.05
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    こんなに自伝的要素の強い恩田陸作品は初めてだったので、読み始めて純粋にびっくりした。(というか、そもそも恩田さんの一人称が珍しいので綾音の章はその一人称っぷりにびっくりした) しかし衛の章は完璧な三人称、一の章は主観ごっちゃの人称になっていて、なるほどな、と。キャラの物の見方がそのまま表れているのだろうな。 最後の章の語りをもっとも俯瞰的な人物にするところや、綾音と衛が似た者同士で付き合うところなど、『黒と茶の幻想』を思い出した。やはり衛の章が一番面白かった。

    5
    投稿日: 2021.03.07
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    あまりにも普通すぎる話なのでビックリした。 が、最後まで読んでみて納得。 当たり前のように過ぎた日々にだって幸せはある。そう思えた。 個人的には、箱崎がインタビュー中に学生時代の三人での日々を思い出している場面が素敵だと感じました。 2010/01/12

    0
    投稿日: 2021.01.10
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    3人の崎の話。一人一人の物語に、他の2人がたまにでてくる。 1人目は、恩田さん自身に近いように感じて、大学生活を聞くような気持ちでした。 2人目は、音楽び一生懸命な人で、メンバー全員レギュラーになれてよかったなと。 3人目では、映画監督で、インタビュアーへの心理や仕事に対する考え事は、面白かった。 どれも、人物に対しての分析が、鋭く凄かった!

    0
    投稿日: 2020.12.14
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    物語が進むにつれてふわふわと頼りなくおぼろげになって、そのまま終わってしまう。三人の思い出が重なり合う瞬間が、ハコちゃんのいう「とてもよかった心象風景を描いた短い映画」にかけられているのだろうか?ある意味不完全燃焼なのだけれど、前半の二作は初々しい学生時代の物語として楽しく読めた。

    0
    投稿日: 2020.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たぶん、5月連休明けか、中旬くらいに読んだんだと思う。 読んでいて、ふと、思った。 これって、もしかして、恩田陸版「なんとなく、クリスタル」?って(爆) といっても、「なんとなく、クリスタル」は、主人公(だったか?)の女性がパイドパイパーハウスに新譜を見に行こうか迷うシーンしか記憶にないwこともあり、内容ではなくて。 この「ブラザー・サン シスター・ムーン」に出てくる3人の日常の雰囲気が、なんとなーく、“なんとなく、クリスタル”だなーって。 ていうか、それこそ「なんとなく、クリスタル」なんて題名にした方が、この本の内容に合っている気がするのだ。 いや、別に、「なんとなく、クリスタル」にこだわっているわけではなく、「ブリリアントな午後」でも、「たまらなく、アーベイン(だっけ?)」でもいいんだけどさw 自分としては、これを書くにあたって、著者がモチーフにしたのかもしれない、その「ブラザー・サン シスター・ムーン」という映画を知らないこともあり、(話の後、著者と登場人物のモデルとなった当時のジャズのスタープレイヤーとの対談がついていることも含めて)なんとなーくクリスタルな話?、だなぁーって思った。 それはそれとして、ファンとしては、これって、著者はどういう意図で書いたんだろう?というのが気になるわけだ。 ま、意図というか、どんな風に書いたというか(たまたまネタがなかっただけwというのも含めて)。 3つの章+予告編ヴァージョンで構成されているこの話を、著者はどの順番で書いたのだろう?と、なんだかそこが妙に気になるのだ。 ファンとしてはw とはいうものの、著者はジャズをやってただけあって、インプロビゼーションでノリまくるのはいいんだけど、 ノリまくりすぎちゃって、元の演奏に戻り損ねることが多々ある(というか、常習?)からなーw (ビッグバンドにインプロビゼーションがあるかどうかは知らないw) 素直に考えれば、「予告編ヴァージョン」は予告編とあるのだから。この3人を主人公に物語を考えていて、次にポツンと話が飛んで2章目を書いたってことかなぁー、と思うんだけど…。 というのも、1章目がよくわからないんだよなー。 ぶっちゃけ、素人が自己陶酔が自己逃避だかで書いたみたいな、この話を一章に持ってきている(残している)ということは、「予告編」にある3人の物語を書くというのはもちろん頭にありつつ、まず一章を書いて。 次に、もっとも小説然としている2章を次に書き、3章でインプロビゼーションしまくっちゃって、例によって話が元に戻らなくなって。 しょうがないから、なんとか収拾をつけようと予告編の部分を、わざわざ「予告編ヴァージョン」とことわりを入れて書いたんじゃないかと勘繰ってしまうわけだw ただ、短編集なんか読むと、この「予告編」みたいに唐突に始まって唐突に終わる話は普通にあるから、まず短編として(ネタとして)「予告編」があったのかなーとも思う。 だって、1章は「予告編」の設定をちゃんと引き継いでいるし、また、2章に展開を巧く引き渡してもいる。 結局、3章のインプロビゼーション吹きまくりで話を収拾し損ねただけ、と考えれば、なんだ、結局いつもの著者のパターンじゃんwみたいな? ということは、1章は著者のたんなる照れにすぎないってこと?w 恩田陸の小説の魅力は、めくるめく謎、謎、謎…(ただし、それに見合う結末はないw)にあると思ってたけど、間違っても結末に期待してはいけない!を忘れなければ、これはこれで面白い。 というか、ノスタルジアの魔術師と言われる(らしい)恩田陸が、自ら“自伝的”と言う小説で、自分の大学時代を全否定するのが面白い(興味深い)。 (80年代半ばにおくった自分の大学生活を否定する著者の感覚。もしかしたら、それこそが恩田陸が今ウケる根本なのかも?なんて思ったりw) というかー、これって、そもそもフィクションなわけで。著者が“自伝的”と言うそれって、ノスタルジーに浸ることを良しとしないことにこだわりたい著者の、当時スターだった大学のジャズプレイヤーとの対談まで全部ひっくるめたフィクション(小説の一部)なんじゃないのかな?なんて思ったw

    0
    投稿日: 2020.06.09
  • エッセイ的な

    恩田さんの経験そのものではないにしても,多分にエッセイ的な要素が満載の,いつもとは違う作品。大学という特別な空間,そこで過ごす年代,いろんなエッセンスが入っています。

    0
    投稿日: 2020.04.26
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    なにか特別なことが起きるわけではない。しかし、読むことが全く苦じゃない。すらすら読める。読みやすく違和感のない文章を書くって意外と難しいことだと思う。面白かった。 あと恩田陸の小説で、実在する音楽や映画、小説が出てくるところが好き。ミステリー好きのキャラクターがいたりとか。

    0
    投稿日: 2020.04.16
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    これはなんだろう。これは本当に小説なんだろうか。 ある女子大生の日常が第一人称で語られる。そこに出てくるキーワードの数々。『女子大生ブーム』『消防署のほう…から来て消火器を売りつける』『イカ天』『エビ天』、日航機の墜落事故の記載があることで、これが1980年代後半のことだろうと思われる当時の時代を表す言葉たち。 文章が変だ。『本音を言えば、あんまり学生時代のことを話したくないのだ。そもそもあまりにも平穏で、大した話もない。』という割には、永遠に続くかのような極めて粘着質な文章。わざと句点を入れないで、読点で強引に繋げていく長々とした読みづらい表現。それを分かった上で、『私の何事も起きない学生時代の思い出をだらだら断片的に紹介されることに飽きられても仕方がない』と自虐的にまとめる恩田さん。 『小説家になりたい、なんて、口が裂けても言いたくないし、そう心の底では思っていることを認めたくなかった』という記載で思い当たる、やはりこれは恩田さん自身のこと。 『書くというのは業だ。書くというのは癖だ。あたしはいつも右の靴の外側の減り方が妙に早いのだけど、あれと同じだ。書く人は、ほっておいても、禁じても、一銭にならなくても、書くのである。』、小説家になることを意識し、小説家に実際になる人ってこういう感じなのかと、なんとも興味深い記述が続きます。読みづらいことこの上ないどうでも良いと思われた文章が突然親しみの湧くものに早変わりする瞬間。同じものを見ていても、読んでいても、人はそれに興味があるのか、ないのかが全てなのかもしれないと改めて感じました。 作品は、小説家を志す恩田さん自身をモデルにした第一部を含め三部構成です。第三者的に読むと断然面白いのは第二部。ジャズに全てをかける四年間を過ごした男子学生のことが描かれます。大学に入ってトリオを組む。能力のある友人と遅れを取る自分。必死の努力で後を追う姿。ベースとピアノということで異なりますが「蜜蜂と遠雷」を思い起こさせる部分もあり、短いですが読み応えがありました。この第二部だけで書き上げられた長編を読みたくなりました。 ただ、全体としては極めて淡々とした、小説というよりはエッセイのような作品でした。山もなければ谷もない、ごく普通の大学生活を送った三人のそれぞれの四年間。 感想を書いているこの時点ですでに印象が薄くなってしまっているなんとも希薄な印象の作品。恩田さんを読む一冊目がこれだと二冊目を手に取ることはないと思いますが、恩田さんをたくさん読んでいる身には、たまにはこんな恩田さんもいいかなって、そう感じました。

    21
    投稿日: 2020.03.05
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    2019.9.23 56 大学時代の友人と旅行後の電車で読了。 大学の話、地元から大学に進学するときの話、風景、音楽、小説、生活感。 ああ〜、そうそう!それそれ!その匂いわかる!みたいな感じになること多数。センチメンタルをばしばし誘発する。ブラザーサンシスタームーンも観たことあったから、それもわかって良かった。面白かった。

    0
    投稿日: 2019.09.23
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    久しぶりに恩田陸の小説を読んだ。 大学生活の回顧録みたいな感じで、綾音(小説)・衛(音楽)・一(映画)の視点から語られている。 最初に読んだ時はピンとこなかったけど、今回読んで何を言いたいのかわかった気がする。 三匹の蛇が落ちてきた様子、その後の蛇たちが行く末の描写が印象的。 特別対談では?だったけど、衛の音楽サークルの話(2部)が好きだった。

    0
    投稿日: 2019.08.04
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    高校時代の課外活動で偶々一緒になった楡崎綾音・戸崎衛・箱崎一の3人,それぞれの大学時代の物語。後に作家になった綾音・ジャズに打ち込んだ衛・映画監督になった一。特に何かが起こるわけではないが,読むと心地よい。読み手の記憶を呼び覚ましてくれるからか。というのも恩田陸さんは昭和39年生まれの早稲田出身で,おまけにハイソでアルト(サックス)を吹いていたというから,私と同じ空気を吸っていたからなのか。というわけで恩田陸さんの半自伝的小説でもある。文庫には,3人が高校時代に初めて会った課外活動の一日を描く「糾える縄のごとく」と,音楽長屋で一緒だった八木氏との特別対談も併載されている。

    0
    投稿日: 2019.02.11
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    同じ高校から同じ大学に進学した三人の物語。 ベースを弾くのが上手い男の子、 映画が好きな男の子、 本を読むのが好きな女の子。 第1部の綾音の物語を読んだ時、 「これって恩田さん自身の事?」 と疑惑が沸いたが、巻末の対談で 「私にしては珍しく自伝的な作品」 と述べている。 そういえば恩田陸の作品には高校生が出てくるものは多いが、大学生を主人公にした作品はあまり見かけない‥‥いや、なかったかもしれない。そういう意味では珍しいが、恩田陸カラーはしっかり堪能できる、さわやかな青春小説だ。

    0
    投稿日: 2018.11.15
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    再読4回目。 ああ、そうだった。大学4年間(わたしは5年)って、こんな時間だった。と、いう感じ。全編通してセピアだった。色彩あふれる学生時代なのに、何故かセピア。思い出して懐かしみたいけど、気恥ずかしくて思い出したくない、そんな学生時代のお話。

    0
    投稿日: 2018.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    早稲田の文化祭、どんな感じなのだろう。 同じ高校でも、そんなに会わないものなのだろうか。 携帯がラインが無いと、確かに気軽に約束はとりつけられないが。 3人で観に行った映画のタイトルが『禍福はあざなえる縄のごとし』 3人で川を覗き込んでいた時の彼のセリフが「糾える縄のごとく」 無知によりタイトルスルーして、何て映画だろう?何て言ったのだろう??と疑問に思っていた。。。 教養が欲しい。。。 『あいつと私』小説 『陽の当たる場所』映画 『青い花』は何なのだろう。。。 GW前とか 入学や入社、新たな時期から、少し経過した、でも 夏真っ盛りでも梅雨でもない今の時期に読み返したい作品だな、と。 楡崎綾音氏の彼氏への回想がラストだけ、というのが 次章の戸崎衛氏とのギャップだなぁ。と。 彼女は作家になることへの思いに一点集中。 戸崎氏は割と時系列順に、音楽を絡めての回想。 映画監督となった箱崎一氏が意外にも心情面が多く描かれている。 大学生の実態の無さ 長距離電車に乗っているよう もやもやとした不確かな感情を、こうも鮮やかに描ける作者には本当に、毎回脱帽する。。。 過ぎ去った身としては、青春真っ盛りの大学生に読んでもらって、もっと謳歌して欲しいとも思ってしまうが 大学を特に何もないまま卒業して今普通に日常をこなしている社会人だからこそ、分かる部分もあるのかなぁ、と。 対談は、類友じゃないけれど、活躍している人の友人は、活躍しているのだなぁ、と。 ジャズ、今でさえ敷居が高く感じるが、学生時代から好きな人もいるのだよなぁ、と。 同作家の作品で無人島に一つだけ持ち込めるとしたら辞書を持ち込んで、物語を書く、という女性が登場するのだが 生活をより豊かにするのはモノではなく、個人の感性、行動なのだろう、とフットワークの重くなった最近切に思う。。

    0
    投稿日: 2018.04.25
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    エッセイのような小説。高校時代に出会ったザキザキトリオの大学時代と、ふと思い出す高校時代や出会いのエピソード。すれ違っているようで交わりながら大人になった3人。それぞれの立場からの感情表現は興味深かったけれど、平坦で、あまり面白みはなかったかな。

    0
    投稿日: 2018.03.28
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    ★2.5ですかな。可もなく不可もなくといったところですが、今自分が書かなければいけないという作家の念が全く感じられなかった、正直申しまして。 極論すれば誰でも良いよね、これくらいの青春回顧的お話であればといったところでしょうか。

    1
    投稿日: 2017.06.18
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    平成29年3月 恩田さんが何かの賞を取り、特設会場があったため、手に取り読んだ。 が、が。 イマイチ、入り込めずに、意味すら分からずに終わった。 高校時代に仲がよかった3人のそれぞれの話。 ってだけの話。 なにが言いたかったのかな…。もっとしっかり読めば何かを感じれたのか…。すいません。 その中で、「私たちは別れるために出会ったのね。」っていうセリフ。 ちょうど、3月で異動の時期、そして、実は、3月30日に読み終わり、1年間一緒に仕事をしていた人とはもう会わなくなる時期でして、心にきちゃいました。

    1
    投稿日: 2017.03.30
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    とても女性的な話です。 主人公3人の思い出話で構成されている小説です。 よって、回想シーンばかりなのですが、1つ1つの回想シーンの関連がわからなくなり、話を追えなくなります。

    1
    投稿日: 2017.01.09
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    ザキザキザキトリオがそれぞれ大学で文学、音楽、映画に取り組む話。それぞれの話が最後に行くに連れ絡み合って伏線が明らかになっていく、のかと思えばそんなこともなくほとんど独立した短編集に近い構成だった。大学ならではの空気感の描写はよかったが、早稲田大学の話だと分かると「なんだかなぁ」と思ってしまった。

    0
    投稿日: 2016.11.22
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    日常というか、どんなに世代がかわっても変わらない普遍的なものっていうか… 特別なようで、特別じゃない。 そんな時代が、確かに私にもあったような気がしないでもない(笑) ふと自分の青春時代を重ねて思い出す。そんな懐かしくなる作品。

    0
    投稿日: 2016.06.09
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    学生時代のことを、少し小説化して書いてみた不思議なテイストの作品集。3つの短編にわけてあって、それぞれ独立した主人公がいるようで、微妙に絡み合っている。

    0
    投稿日: 2016.04.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「大学」という特別な空間の中で、男女3人の青春を描いたそれぞれの物語。 初めはエッセイかと思ったが、ちゃんと小説だった。 でも明らかに最初の物語は作者の大学時代を綴ったモノであろうと呼んでいたら、後書きでその通りであったことがわかる。 自分も大学を出ているが、確かに学生と呼ぶには小中高とは全く違う世界が広がっている場所だったと改めて思い出す。 物語の3人は同じ高校に通い、同じ大学に通い、ある二人は幼馴染であり、ある二人は付き合っていたり、それぞれ関わりがあるにもかかわらず、まるでそれぞれがパラレルワールドを歩んでいるかのように、別の世界別の時間の描かれ方が、大学という特別な空間をより浮き彫りにしているような気がする。 また、恐らく世代的にそんなに離れていないので、読んでいて懐かしさも後押ししてくれる。 この淡々とした空気感好きだなぁ。

    0
    投稿日: 2016.04.03
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    戸崎さんの章が良かったかなぁ。楡崎さんの章はずっと独白なのと1章目ってこともあってなかなか頭に入ってこなくて退屈に感じた。 人ごとに章を分けるのは黒と茶の幻想に似てるけど今回は何の事件も謎もないのであっさりとした感じ。自伝的小説なので当たり前か。

    0
    投稿日: 2015.11.29
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    恩田陸の自伝的小説。空気感が好きだ。けれど綾音のまどろっこしい文体は合わない。衛目線が一番好きだな。

    0
    投稿日: 2015.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。半自伝的小説。小説、音楽、映画という分野の男女3人すべてに恩田さんの痕跡がある。時代感もばっちり取り込み、あの時代の空気感を共有できるのは、同世代作家さんを読む醍醐味。これだけ綿密にキャラクターと背景を書き込みながら、愛憎もつれる恋愛劇みたいな陳腐なお話にしないのが恩田さんらいしい。専門の学問と無関係のクラブ活動で、多くのプロを排出する大学って、こんな雰囲気なんですね。大学ってフシギなところだ。

    0
    投稿日: 2015.04.27
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    〈メモ〉いつものような '読み応え' のある作品では無いが、自伝的小説ということで、違った視点で楽しめた。

    0
    投稿日: 2014.11.25
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    「自意識過剰なのにコンプレックスの塊で、やっとプライバシーを手に入れたのに人恋しく、何者かになりたくてたまらないのに、足を踏み出すのは恐ろしかった。」 「愛のために何もしなかった。だから、いけなかったんです。」 女性的「気まぐれで、感情的で、強烈な自尊心があるくせに非常に小心者で、とても嫉妬深い上に異常なほど猜疑心が強いのである。」 「未来は決して劇的なものでも新鮮なものでもなく、こんなふうにだらだらと変わりばえのしないものかもしれない。」 オズマバンドと先輩早瀬さんとがセッションする場面、頭の中で音楽が流れてきてにやにやした。

    0
    投稿日: 2014.09.27
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    冒頭─── 狭かった。学生時代は狭かった。 広いところに出たはずなのに、なんだかとても窮屈だった。 馬鹿だった。学生時代のあたしは本当に馬鹿だった。 おカネもなかったし、ついでに言うと色気もなかった。 二度とあんな時代には戻りたくはない。 周りの女友達も、もう学生なんてまっぴらだ、という子がほとんどだ。 けれど、男の子たちは違うらしい。 恩田陸の私的エッセイ風(一部のみ)連作短編集。 学生時代の回想をもとに三人の視点で書かれている。 第一部「あいつと私」は自分。 第二部「青い花」はジャズ研の戸崎。 第三部「陽の当たる場所」はシネマ研究会の箱崎。 男は学生時代を懐かしそうに振り返る。 「ああ、あの頃に戻りたいなあ」と。 私もそうだ。 一生の中であんな自由な時期はなかった。 未来は明るい希望で満ち溢れているように漠然と思っていた。 その希望は、卒業、就職活動が近づくにつれ、少しずつ薄まっていくことになるのだが------。 ことさら凄いエピソードやストーリーがあるわけではないのだが、何故か心に染み入る物語。 恩田陸はファンタジー路線の作品で有名だが、本屋大賞受賞作「夜のピクニック」のような、リアリティのある爽やかな作品のほうが私は好きだ。 こんな作品をもっと書いてもらいたいものだ。

    5
    投稿日: 2014.07.25
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    思い出を思い出す瞬間は人それぞれ。 泳ぐ蛇の描写は印象的。絡み合うがいずれ離れていく運命。人が望み欲するものと現実の狭間の物語。

    0
    投稿日: 2013.12.01
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    高校の同級生、楡崎綾音・戸崎衛・箱崎一のザキザキトリオが同じ大学へ進み、それぞれの学生生活のあれこれを綴る。第一部は、楡崎綾音が恩田さん自身がモデルらしいと気付いたので、興味深く読み進めたが、第二部、第三部とだんだんダレて来てしまった^^;。原因は…やっぱりオチがない、ヤマがないから?大学を卒業して昔の自分を振り返ると、共感できる部分があるかもという点のみで終わってしまった^^;

    1
    投稿日: 2013.09.01
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    恩田陸のブラザーサンシスタームーンを読みました。 中学時代の同級生、綾音、衛、一の三人は高校時代の自由研究で一緒になって不思議な体験をします。 同じ大学で青春時代を過ごした後、それぞれの道に進んでいきます。 長編小説の導入部のような感じなので、続編に期待といったところです。

    0
    投稿日: 2013.08.31
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    最初は恩田陸の自伝的回想かと思った。 モラトリアムの時期の、中途半端で退屈でふわふわしている感じは共感できる。 多くの人にとって、青春時代ってドラマのような劇的な事件もなく、 無駄に時間が過ぎてゆくんだろうなと思う。 意外な結末もなく、振り返っても特に思い出らしきものもない。 自分の青春とも重なって、それなりに面白く読めた。

    0
    投稿日: 2013.07.27
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    大学生活を送った経験がある人の多くは冒頭の文章に共感を覚えるはず。恩田陸という一人の人間が少しわかったような、わからなかったような。

    0
    投稿日: 2013.06.19
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    恩田陸の自伝的要素が入った連作。同級生三人の、高校から大学への数年間のお話を、それぞれの視点で描く。

    0
    投稿日: 2013.05.30
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    「分かれるために出会うということ。」 何にも残らないけれど、何となくそれでいい、この言葉で着地点が見つかった。

    0
    投稿日: 2013.03.26
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    何の事件も起こらない。 自伝的。 ああ、自分の知らない大学生生活だなあと思った。なんとなくうなずける部分もあるけど、何かが違う。 大学4年間に対する印象は同じだけど、行いは全然違うなあ。 似ているようなことはしている。 けれども、音楽に没頭し、小説をひたすら読むなんてことはしなかった。 中途半端な大学生だったなあと後悔。 もっと年をとったときに読むと、自分の大学生時代と一緒と思うのだろうか。 まだ振り返るには早すぎる。 そしてやっぱり早稲田に入りたかったなあ。 高校時代にこの話を読んでいたら、ちょっとは真面目に勉強してただろうに。

    0
    投稿日: 2013.03.17
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    この3人の関係が羨ましい、と感じた。大学に通おうとは高校の頃思わなかったが、これを読んでいると4年間大学で過ごしてみるのも良かったかもしれないと思った。まあ、ただ単に過ごしていたらつまらない生活になるだろうが。どこか気が合う人との出会いがあるって素敵なことだと思う。自分にはそういう人がいないので余計、純粋にいいなあと。箱崎君の話の最後の陽のあたる場所のセリフになんだか無性に納得して、泣きたくなった。

    0
    投稿日: 2013.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3人の登場人物がそれぞれ大学時代の出来事を中心に回想しているので、 いつもの恩田さんのノスタルジックなジュブナイル作品より ほろ苦度が高めかなと思いました。 また、ご自身の体験が強く反映されている(特に第1部)ようで、 ファン的にはなかなか興味深かったです。 巻末に1~3部に共通して出てくる高校時代の話が収録されていますが、 3人のこの先の話というか、3人が再会したり、なんらかの形で接点をもつような話も読みたかったなあ。 (2012年5月29日購入・読み始め、2012年6月9日読了)

    0
    投稿日: 2013.01.25
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    登場人物みんなが一線引いたところから冷静に学生時代を振り返って、特に大きな変化や波もなく、それほどいい思い出でもなく、でも最後にこれは青春なんだって気づくっていう流れ。淡々と進んでいく物語の手法は嫌いではないけど、『ネバーランド』や『蛇行する川のほとり』が好きな自分にとっては物足りなかった。

    0
    投稿日: 2012.12.16
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    学生時代、という期間を冷静で批評的な目で振り返りつつ、それでいて爽やかさを損なうことはない、地に足のついた青春小説。 …って感じです。小説、久しぶりに読んだ! ふるいイタリア映画に同名の作品がありますが、本作中にもモチーフとして登場してます。 作者(恩田陸さん)は早稲田大学のご出身ですが、本作には自らの学生時代の経験等も多く反映されているそう。確かに大学の描写に、ピンときたというか、すんなりと頭に浮かんできたところが多かったです。 そんな些細な共感もありつつ、どちらかというと主人公たちと同じ文化系大学生であったところの私は、登場人物たちに対して「それすごいわかる」とか「こんな人いるなぁ」とか思いながら、楽しくすらすら読めました。 なにかかるーく読みたいなぁってときにいいと思います◎

    0
    投稿日: 2012.11.08
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    3人それぞれの視点から語られ、時々思い出したかのように互いが登場する。本当に、繋がっていないようで繋がっている人たちなんだなぁ。大学で音楽系の部活に所属してたから、戸崎の話が一番リアルに共感できた。

    0
    投稿日: 2012.11.07
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    読んでるうちに「これは作者が体験した記憶なのか?」と予想したが、半分当たりで半分違った。正解はインタビューを読むべし。 こういう動きのない緊張度ゼロのストーリーは苦手かも、正直読んでて若干退屈。 でも、後半から恩田陸のジャズ好きが伝わってくるし、「恩田陸を知る」という為には良い一冊かもね。

    0
    投稿日: 2012.11.04
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    ねえ、覚えてる?空から蛇が落ちてきたあの日のことをー本と音楽と映画、それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。高校の同級生、楡崎綾音・戸崎衛・箱崎一のザキザキトリオが過ごした大学時代を描く青春小説。 高校時代の思い出を、大学生になった時にふと思い出した。3人の不思議な関係。それぞれが別々の道を歩きながらもお互いに影響を及ぼす。

    1
    投稿日: 2012.11.01
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    連作短編の真ん中が一番良かった。 なんだか希薄な関係の3人の話だったけど もうちょっと濃い関係の話だったらよかったのに。 青春小説っていうからそういうの期待しちゃったってのもあるけど。

    0
    投稿日: 2012.10.28
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    ドキドキハラハラする展開ではなく、地味で、淡々とした、でもちょっとだけキラキラした日常。 本と音楽と映画 楡崎綾音 戸崎衛 箱崎一 ザキザキトリオの物語。 これ、昔図書館で借りて読んでるっぽいかも? 楡崎綾音の話とか、ところどころこれ読んだことあるって… もう一度読み終わってみても、 やっぱり、印象に一番残るのは、彼女の話だった。 この話、恩田陸さん自身をもとにして書かれているとか、ないとか。 そういった目でみるとおもしろいかも。 またいつか読み直すときには、そういう視点から読んでみよう。 時間がない中2時間くらいで流し読みしたからか、話しが頭に入ってこなくて、 ゆっくり読まないとちゃんとしたところは理解しにくい物語だと思った。 1回読んで、全体を理解して、2度目はすぐに読まなきゃだめだ。 何かに一生懸命打ち込む。 バンド経験があるとか 映画のサークル入ってただとか そういう経験がある人にとっては、共感できてもっともっと楽しくなるだろう。 そして、ない人も、そういう経験ある人良いなー。してみたいなーってちょっとだけ羨ましくなると思う。

    0
    投稿日: 2012.10.15
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    恩田さんの自伝的小説?とも言える大学時代を描いている。高校の同級生だった3人の男女、の視点で、時折挟まれる現在をまじえながら語られる、青春のページ。 1つにまとまるわけではない、大学時代に密接に関わったわけではない、だが3人の中に共通して残っているものは・・・ こういう世界もあるだろう、とは思うが格別に面白いとは思わなかった。

    0
    投稿日: 2012.09.16
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    良くも悪くもいかにも恩田陸な作品、という気がした。 恩田陸さんの物語はとにかく広がっていくときがたまらなく面白くてわくわくするのだけど、そのかわり収束があまりうまくないときがあって、この本にいたっては、まったくこれっぽっちも収束しなかったかんじで残念。 とか言いつつ、新作が出れば絶対買っちゃうんだよね。

    0
    投稿日: 2012.09.14
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    語弊を恐れず言えば、「ゆるふわ」な小説。 その時その時に熱中していることはあれど、どこか乾燥している日常がゆるーくふわっと続く、This is 大学生活とも言うべき雰囲気だった。 主人公3人の絆もゆるーくふわっとしているようで、実は根元で固く繋がっているのがすごく印象的。 第一章のまとまりのない語り口には正直イラっとしたが、リアリティを求めたうえでの敢えてのあの語り口なのだろう。 どうやら恩田陸は大学生活にあまり良い思い出がないようだが、こういう「ゆるふわ」な大学生活も、思い返せばいいものだったりする気がする。男女差もあるのかな。

    0
    投稿日: 2012.09.10
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    自伝的な要素が多く、今まで読んできた恩田さんの作品とは少し違うように感じられた。ストーリーでなく心象風景がメイン。個人的にはかなり好きな部類に入ると思う。 高校の時にふと仲良くなり、同じ大学まで行った三人の話。一人称、三人称、その混合と、様々な語り口で、その三人の学生時代が語られる。淡々としていて、どこか懐かしくて、遠いような近いような、不思議な感覚。大学という、どこか浮遊感のある時間と空間をもつ場所が舞台だからか。 とりわけ劇的な出会いだとか、諍いだとか友情だとか、そういうドラマが三人の中で繰り広げられるわけでもなく、三人は時の流れの中で当たり前のように離れていく。そんな当たり前さが好き。

    0
    投稿日: 2012.08.21
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    「夜のピクニック」など良い小説もあるけど、これはどうなんだろう。 大学時代からの仲間、綾音・戸崎・箱崎。3人が交互に当時の思い出を語る。評価は読み手によって分かれるかなぁ。

    0
    投稿日: 2012.07.30
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    3人の主人公それぞれに共感できるところがあって、知り合いのような気持ちになりました(笑) 1人ずつの回想話なので、友情青春!!!ものではないです。切れそうで切れない細ーーーーい糸が張ってる繋がりくらいの感覚。でも何故かその空気感がスーッと入って心地いいです。 節々で登場する本、音楽や映画、ラストの対談まで細部に渡って恩田さんを楽しみ味わえました。

    0
    投稿日: 2012.07.22
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    同じ高校から同じ大学へと進んだ三人の学生時代の思い出。本と音楽と映画の日々。ああ、こういう大学生活送りたかったとの憧憬の思いと、己の学生時代を思い出す郷愁の思いが混じり合った何とも言えない読後感があります。 三人がべったりと一緒にいる訳でなく、つかず離れずの位置におり、お互いの思い出の端にちらりと写る影のような関係が面白いです。

    0
    投稿日: 2012.07.16
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     高校の同級生3人がそれぞれの大学時代を振り返る話。  この3人、接点はあるんだけど、話の上では接点がない。  存在しているけど、していないような、不思議なありようなのだ。  そして、3人に共通する高校時代の思い出。  たわいのないような思い出なんだけど、それぞれがそれを理由もないままに、大事にしている。  人間、生きて行く為に必要な「ささやかだけど大切なこと」があるんだよね。    うん。  これは、そーいうお話だったのだと思う。  

    0
    投稿日: 2012.07.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    青春群像劇・・・と思って購入するも主要人物3人の人生は絡み合うことなく。 作中にも最後に出てくる 「繋がっているけれど繋がっていない人たちの話」 こういうのもありなんだなあって思いました。

    0
    投稿日: 2012.07.06
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    自伝的小説 時代も場所も生活もかぶらないけど、学生時代を語るときの「今」のくすぐったい気持ちとか、苦しさとか、色がすごく共感できた

    0
    投稿日: 2012.07.05
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    著者の自伝的小説。大学生活をリアルに描写された流れるように読める文章だった。朱音と自分の生活がかぶりすぎたのと、所々でてくる人生、もしくはただの大学生活の心理というかそういったところの文章が自分の心にひどく突き刺さってしまった。普通の人は共感できないとおもわれる。ということもあって、自分にとってはいい小説だったと思う。

    0
    投稿日: 2012.07.04
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    ねえ、覚えてる? 空から蛇が落ちてきたあの日のことを― 本と音楽と映画、それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。 高校の同級生、楡崎綾音・戸崎衛・箱崎一のザキザキトリオが過ごした大学時代を描く、青春小説の新たなスタンダードナンバー! 本編に加え、三人の出会いを描いた単行本未収録作「糾える縄のごとく」、さらに文庫版特別対談「恩田陸、大学の先輩と語る」を収録。 第一部「あいつと私」小説家になった楡崎綾音 第二部「青い花」ジャズに浸った戸崎衛 第三部が「陽のあたる場所」映画監督になった箱崎一 高校時代に知り合った3人の大学時代の日々を綴った作品になっています。 同じ高校を卒業し、学部こそ違うものの同じ大学へ進学し、そして別々に大人になった3人の男女が、それぞれの学生時代を回想します。 大きなストーリーが展開する訳ではありませんが、一人一人の奥行きある描写で流石、恩田陸さんだと思う反面、個人的には淡々と続く心理描写に読んでいて少し違和感を感じました。 他の恩田陸さんの作品を知っているだけあり比べると、サラサラと流れ過ぎてしまい何も残らない印象を受け少し残念にも感じました。 出会いと別れ... 恩田陸さんの心理描写がかなり好きな方にはオススメかもしれません。

    0
    投稿日: 2012.06.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恩田陸さんの小説は好きだからよく読みます。わたしが恩田陸さんの小説に対して抱く印象は、文章が緻密で綺麗でどことなく儚さを感じさせる、素敵なんだけれども哀しみも入り雑じったという感じ。あとほとんどが青春時代を描いていて、少年少女の気持ちや心境の変化が繊細に描かれてるなーと思っています。 この小説も期待して読んだけれど、これはミステリー要素はないし、あのちょっと現実離れした空想のような世界観ではないし、自分には少し物足りなかったです。あと恩田陸は小説によって言葉の選び方が全然違って、当たり前かもしれないけれど、理瀬シリーズのような美しい文章が大好きだからこそ、微妙に感じてしまいました。 全部読み終えてから印象に残ったのはオズマバンドの話だけでした。あの話は個人的にすごくおもしろいと思いました。

    0
    投稿日: 2012.06.26
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    高校時代の友人三人が、一つの思い出をそれぞれの場面で思い出すというお話。 作者の人格を落とし込んだ三人のキャラクターが愛らしく、ついつい引き込まれてしまった。 章の移り変わりに際して書き手の視点が変わるのも、飽きさせない工夫か。 結論という結論ははっきり出るような類いではないので、だからなに?ってなってしまう人には物足りないのかも。 しかし、この読了後の独特の清々しさはぜひ味わってほしい。

    0
    投稿日: 2012.06.22
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    ほっこりしたい気分だったので恩田陸の青春モノ♪ 授業の一環で一緒になった3人組が大学に入り、 社会人になった今、それぞれが高校時代・大学時代を 振り返った形で書かれている。 自叙伝的なところもあるとのことなのですが… 個人的にはなんかまとまりに欠けるというか、 フィクションに求める非現実性に欠けるというか… ちょっと期待ハズレでした。

    0
    投稿日: 2012.06.20
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    かなり前に読了。一気読み。 恩田陸なら、こういうタイプが好き。 時代的に私も重なるところがあって、共感しきり。

    0
    投稿日: 2012.06.19
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    わたし、これ大好きだ!!  恩田陸って、ホラーとかファンタジーとかミステリとかのイメージが強くてずっと読まず嫌いだったんだけど、最近少しずつ読みはじめて、いろんなタイプの作品があるんだなと思って、そしてこれ。こういうタイプのをわたしはもっと読みたい!! 確かに事件とかは起きなくて、恩田さんの自伝的エッセイみたい感じなんだけど、それでいてちゃんと小説になってる感じがする。 たとえエッセイだと思って読んでも、わたしは語り口が好きだった。 ふたつめのジャズバンドの話は、読んでてすごくわくわくしたし。 そしてどの話も、ただの青春万歳みたいじゃないところがよかった。大人になってふり返る、冷静で、せつない感じが。 恩田さんと同じ年なので、時代の雰囲気とかがわかって懐かしさを覚えるっていうのもあると思うけれども。

    2
    投稿日: 2012.06.18
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    私の知らない大学生の世界。大したことないよと言っているような気もするし、それが良かったんだよと言っているような気もする。 本と音楽と映画 私もそれさえあれば幸せです。今でも

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    投稿日: 2012.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ブラザー・サン シスター・ムーン 、同名の映画、テレビで見たことある。聖サンフランシスコが主人公だ。大変感動した。 この映画が頭にあったわけではないが、自分の学生時代を懐かしく思い出すために買った。 モデルはまさしく著者である。音楽に、映画に、読書。同世代の若者はこの三つしかなかった。村上春樹の本を読んで懐かしく思うのと同じ感覚でこの本を楽しんだ。

    0
    投稿日: 2012.06.10
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    【あらすじ】 楡崎綾音・戸崎衛・箱崎一は、高校の同級生であった。高校時代は、ほどほどに仲良く、ほどほどに一緒の時を過ごしていた。卒業後は、同じ大学に進学することとなったも3人であったが、高校時代のように3人で会うという機会はなく、各々が小説・バンド・映画に熱中?した大学生活を送っていた。 そんな3人が大学を卒業して社会人となった今、それぞれの高校・大学生活を振り返っていく。 【感想】 著者の自伝的作品とも言える本作品。楡崎綾音がちょうど恩田陸にあたる。彩音は大学時代をこう振り返っている。「何もすることなく何もかも小さいサイズに会わせ、広がる機会を逸したまま時を過ごしてしまったような気がする」「何かを好き、何かに夢中になりきれない自分がいる」私にも思い当たる節がかなりあり、心が痛かった。 本作品では彩音の他、戸崎・箱崎それぞれの大学生活が描かれている。読んでるうちに「あっ、あるある〜」「自分に似てるわー」という瞬間が訪れるのではないでしょうか。 人生最大のモラトリアム期間と言われる大学時代。私自身の大学生活を振り返ってみても、「何かをしたわけじゃないけど、何もしなかったわけじゃない」という非常にまどろっこしい思いが浮かぶ。けれど、なんだかんだ大学で過ごして得たものが、今の生活に繋がっているのかな?とも思ったり、思わなかったり。 とにもかくも、今の自分と学生時代の自分を比べ、見つめ直すきっかけを与えてくれる作品であると思う。社会人3〜10年目くらいの人にオススメです。

    0
    投稿日: 2012.06.10
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    恩田陸の自伝的小説。 小説だけど著者自身を反映させてるのが読んでてわかって楽しい。けど,やっぱりキャラクターはキャラクターで,ちゃんと個性がある。 劇的ではないけれど確かに共有していた時間や思い出があること,それを感じさせるような作品の雰囲気が好み。さらっと読めるし。ただなんとも言えない感じが苦手な人は苦手かも。 単行本未収録の予告編と,著者とその大学時代の先輩との対談も収録。

    0
    投稿日: 2012.06.10
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    なんだろう…恩田陸の学生時代のことが分散してかかれていたみたい。 青春ものでもあるし,エッセイ的な感じもするし。 私はあまり好きじゃない。 あまりにも現実的すぎて。ま,人の好みだとはおもうけどもね。

    0
    投稿日: 2012.06.06
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    私たちの世代の人なら「ブラザー・サン シスター・ムーン」と言うと、もう40年も前になるけれど、フランコ・ゼフィレッリ監督になる同名の映画を思い浮かべると思う。 中世の修道士、聖フランチェスコの物語を題材に、彼が信仰に目覚めた若い日々を描くお話で、日本公開は1973年。 果たして作中、その映画のことも出てくるけど、登場人物はそれを名画座で見ている。 私は彼らよりちょっと年上なので、封切り時に高校生だったのだけど、映画好きだった私だが、この映画は観ていない。 好きな女の子を誘って観に行こうと思って果たせなかったからなのだけど、今思うと、何故あの青春映画とは言え宗教がかった作品をきっかけにしようと思ったのが良く分からず、多分、題名の響きが何となくそれらしかったからだったのか、いや、ゼフィレッリと言えば「ロミオとジュリエット」だからその線からだな。 今となってはどうでもいいけど、若い頃にやることって、振り返ってみると、まあそんなもんだというお話し。 つまらぬことをグダグダ書いたけど、恩田陸の手になるこの小説、最初のお話しは同じような感じで話が進む。 作者の自伝的要素も詰まった話のようだけど、その人その人にある青春のウダウダ感が面白いかどうかっていうのは、この話のように楽屋落ち的要素が入ると尚更に、かなり好みが分かれるという気がする。 表面的には作者も同じ思いなのかどうか、奥歯にモノが挟まったような、だけども書かずにはいられないっていう書き方にはちょっと引く。 2つ目、3つ目の話になるとだいぶその感は薄まるけれど、この作者にしては、思いつくままさらさらと、まあ意味深には書いてみたという印象。 少し世代はズレるけど、似たような時間を生きてきたことは確かなようで、箱崎くんの『あの時期にいっぱい映画を観たのは、それなりに僕の核になっている』と『仕事というのは、やりがいや自己実現のために存在しているわけでもないのである』には共感するので、★半分程度オマケで。

    0
    投稿日: 2012.06.02
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    うーーーーーーーーーーん!!!! たまにある、恩田陸の「コレジャナイ感」www タイトルがね、いいんですよ。 恩田陸のタイトルセンスは、ほんと素晴らしい。 ただ・・・んー、半自伝的な、青春小説。 タイトルからイメージするものとちょっと違う! 『夜のピクニック』、『ネバーランド』系?か?? でもまだ『ネバーランド』の方が好きかも。 特に大きな事件はなく、3人の男女がどういう人達か。それだけっぽい。 うん・・・事件性がある話の方が、好みです。 タイトルはかっこいいのになーほんとに・・・w

    0
    投稿日: 2012.05.30
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    恩田氏の小説は、いろいろなパターンがある。今回は自伝的な話だけれど、不思議な感じのお話。 自分と恩田氏では約10年のギャップがあるのだけれど、大学時代という中途半端な感覚は一緒のようだ。人それぞれだろうけれど、自分のように何に打ち込んだらいいのか分からない、でもそれを特に深く考えたりしない。同じ高校から同じ大学へ進んだ3人がそれぞれの学生生活をすごし社会にでていく、特におおきな出来事があるわけではないけれど、十分満たされるわけでもなく、4年間を過ごしていく。自分の学生時代がダブって見えてきた。この話もそうだけれど大学時代で思い出すことは同好会での出来事ばかり、授業やゼミのことはあまり思い出さない。 それでも恩田氏はきっと好きなことに打ち込んでいたんだろうな、とも思う・・ 小説としては、秘密めいた、「三叉路のことやその後」を読みたかった。続編があるのかな?

    0
    投稿日: 2012.05.28
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    たいして大きな出来事が起こるわけではない。 3人の、大学生活。 言葉に言い表せないもやっとした気持ちが生まれた。 自分の学生時代を思い出す。

    0
    投稿日: 2012.05.28
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    筆者の自伝的小説。 早稲田だったんだね 大学時代というものを振り返る、っていうのはやっぱり感慨深いよね。 自分はあらためて、なんっにもうちこむものとかなかったなあ。 うちこむものがないことに、普通はみんな焦りを感じたりして、何かにうちこんでるふりをしたりするんだけど、自分の場合は心からそういううちこむものみたいのを必要としてなかったな

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    投稿日: 2012.05.27
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    恩田陸の日記を盗み読みしてるような、なんだか気恥ずかしい感じ。これならむしろエッセイにしてくれたらいいのに。

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    投稿日: 2012.05.27
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    蛇、三叉路、そして一の謎の言葉…一体何を表しているのか⁉なんとも不思議な読後感。大学時代の回想がメインで、大学生のなんとも表現しがたいあの感じが今の私にジャストフィットで読んでいてどこか懐かしいような気分にも。 独白形式で複数人が語るっていう小説は、その人物毎に同じ出来事に対する考え方が違っているところが面白い。人に関しても、関係性は外から見ると同じに見えても互いに全然違ったりする…と。

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    投稿日: 2012.05.24
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    「誰でもない時代。引き伸ばされた猶予期間。」 青春小説と言ってしまうとちょっと違和感をもってしまうくらいに、淡々と語られる3人の大学時代。 ふわふわと断片として思い起こされる自分の大学時代。総じて淡々としているような気もするし、青春なんて客観的に見た瞬間に概してそういうものなんだろうなとも思う。 よく、学生時代にもどったらどう過ごす?っていう話になる。もっと有意義に時間を使っておけばという思いもないではないけど、きっとおんなじような過ごし方をするんだろうな。淡々と。

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    投稿日: 2012.05.20
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    音楽や活字、映画があれば幸せだった大学時代。 サークルで馬鹿をしたり午前中ゆっくりしたり、4年間で何を得たかなんてはっきり分からない。 ただあの日々は確かに今の自分の礎となっている… 終始これといった起伏はなく眈々としているのに、どこか懐かしい匂いがする物語。 私は田辺キャンパスに通ってた頃の、若くて少し怠惰で、目の前の事全てに必死やった自分を思い出した。 何年も後、疲れきった時とかに読み直したい一冊。

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    投稿日: 2012.05.20
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    久々にジュンク堂いったら文庫新刊があったので、つい購入・・・ 短いので一気に読んでしまった。 思いかけず恩田陸の大学時代を垣間見れて良かった。 映画か演劇かのサークルでもはいってたのかな、と思ったら音楽やってたんだ。 やっぱり恩田陸の人物の独白が一番しっくり頭に入ってくるなぁ こういう、特にどうってわけじゃないんだけど・・・、って物語がすごく好き。たまに読みたくなる類 なんだかんだで 大学生活楽しみたいな。と思った

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    投稿日: 2012.05.20
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    私の大学時代はもっと熱かった。でも放り投げられたような自由な感覚はすごくよく分かる。私はそこが好きでたまらなかったのだけど。こんな冷静で淡々とした感じじゃなく、終わらないお祭りのような毎日だった。逆に自分の大学時代のその感覚を思い出した。

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    投稿日: 2012.05.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自伝的中編。 ヘビのエピソードが出るたびにひやりとしてしまう。 月の裏側のように、気が付いたら日常からあちら側へ連れて行かれそうで。 引用文で深いため息。

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    投稿日: 2012.05.15
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    2部の戸崎くんのお話は引き込まれて、たのしく読んだが、ほかはあまりわたしにはピンとこなかった。 むしろ、オズマバンドのお話をもっと読みたいから、一冊それでもよかったのに、と思ったくらいです。 ピアノをすこしかじっているせいもあるのかもしれないけど。 わたしが読むには早かったのか? 何年後かにまた読めば、今度はちがって見えるのかも。しれない。

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    投稿日: 2012.05.14