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御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)
御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)
島田荘司/新潮社
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総合評価

28件)
3.2
4
3
14
3
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    若き京大生時代の名探偵が語る、世界で出くわした「悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語」(うち冒頭の一篇は聞き手であるサトルの物語だ)。謎めくミステリー要素は御手洗潔が登場する割にとても控えめであるが、歴史や世界の大きさや深さを豊潤なストーリーで楽しむことが出来る。そして慈愛に満ちたその姿はいつもどこでも変わらないのだということに、私のような名探偵のファンはとても満足する。

    0
    投稿日: 2023.07.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ティーンズ向け島田荘司!と思って飛びついたけど、かなり重いテーマな4篇。 京大を目指して予備校に通う、ぼくは珈琲店「進々堂」で京大医学部の御手洗さんと出逢う。 最初は大学や勉強について相談していたけれど、世界放浪の旅から帰ったばかりの御手洗さんが語る話は興味深くて。 ぼくが地元の漁師街で体験した大人の女性との切ない思い出 御手洗が英国で出会った発達障害をもちながら、重量上げの競技に打ち込む青年とその父親の奮闘 御手洗がLAで出逢った韓国老人の戦中の過酷さと悲願花 御手洗がシルクロードの西域、カシュガルで出逢った老人の過去と桜 ぼくのコークハイの思い出以外は、とにかく重くて辛いお話ばかりなんだけど、最後は少し光がほんのり灯るように終わっていて、ホッとする。

    6
    投稿日: 2022.09.30
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    進々堂、に惹かれて読んだけど、イマイチよく分からないお話でした。御手洗さんの経験を語る感じなのかな…。シリーズもののようなので、順番から読めばまた面白い話だったのかもしれません。

    0
    投稿日: 2022.07.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    島田荘司さん2冊目。凄いぞこのシリーズ!京都大学にある進々堂、2月に行きたいと思っているが、何とドンピシャ本屋で進々堂の文字を発見し衝動的に購入。予備校生のサトルと京大生の御手洗の回想により話しが進む。全ての話がインパクトがあり、ノスタルジーを醸し出し、本当に素晴らしかった。アメリカンパブの美紗、学習障害の店員、IQが低い重量挙げの選手、朝鮮人姉弟、ウィクルの老人と美人ダンサー、全てが圧倒的に面白かった。御手洗のパーソナリティはとてもいいね。以前読んだ「占星術殺人事件」も御手洗さんだったのね。

    2
    投稿日: 2020.08.11
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    【あらすじ】 京都の喫茶店「進々堂」で若き御手洗潔が語る物語(ミステリー)。進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四つの物語。『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』改題。 【感想】

    0
    投稿日: 2018.01.09
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    石岡君と出会う前の御手洗の話。もっとエキセントリックな人物の印象だったが、久しぶりにシリーズを読んだためか、それともヤング御手洗のためか。

    0
    投稿日: 2017.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    御手洗潔シリーズ。島田さんってものすごい博識な人なんだなあ…と。胸を打たれる作品が多かった。ナレーションは京都が舞台だったので親近感あって読めた。

    0
    投稿日: 2017.05.29
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    御手洗シリーズbut探偵しないバージョン。学生時代の世界放浪の旅の思い出を披歴する。常の直截に過ぎるところが本作は好きになれなかった。会話部分が多く読み易くはある。

    0
    投稿日: 2017.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本は「追憶のカシュガル」を文庫化したもので、題名が変っただけ! 1度読んだ本を知らずに買ってしまいもう1度読む羽目になったという最悪な出来ごと。

    0
    投稿日: 2016.07.05
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    この作品が、「星籠の海前後」の御手洗潔を描いてるなら得心が入ったと思うんです。 でも、どう考えても占星術の前なんですよね〜。 その時代の御手洗潔が、こんな風に穏やかに語るっていうキャラ設定が既に違和感だったし、「御手洗潔=本格ミステリ」という方程式が成立してる偏屈なファンには、本作はどう贔屓目に見ても物足りないと言わざるをえません(汗)。ほんっと損な性分ですよ…。

    0
    投稿日: 2016.01.12
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    ミステリー作家のなかでは唯一読むと行っていい島田荘司。 でも、いつも謎解きの部分にはあまり興味が無く(笑)、その叙情性ある作風に惹かれて読んでいる。 わけだけど、この作品にはミステリー要素自体がなかった。 言ってみればこれは御手洗版紀行文だな。 4つのエピソードが綴られている。 その中で印象的なのは第3話。 作者らしいミラクル要素が込められた曼珠沙華のお話。 いつも、こういうお話をどうやって思いつくのかと思う。 いくつもの人生の波瀾万丈が描かれて、ミステリー要素がないだけに、いつもよりより淡々と胸に響くものがある。 個人的には舞台の京都の街角や進々堂はなじみの場所なので、懐かしく思い出しながら読んだ。 あと、語り手の受験生君は、もっと勉強した方がいいのではないかと思う(爆)

    0
    投稿日: 2016.01.05
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    医学生時代の御手洗潔が、世界を旅した経験を浪人生、サトルに語る、短編4つ。イジメ、差別、戦争、韓国、ウイグル族、イスラム。そんな社会ネタで攻めるのは島田荘司ならでは。ただ、御手洗潔の重厚なミステリーを期待していたので、どうしても肩透かしを食らった感は否めない。御手洗潔モノとして扱わなくてもいいんじゃ…と思ってしまい、消化不良で終わってしまった。けれど、おもしろくないわけではない。

    0
    投稿日: 2015.12.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『進々堂ブレンド1974』喉スプレーから想起される浪人生の初恋 『シェフィールドの奇跡』イギリスの知的障害差別を克服しようとした重量あげ金メダリスト 『戻り橋と悲願花』大戦下の日本で虐げられた朝鮮人姉弟の過酷な労働生活。希望と絶望、悲しみと恨みが鮮烈。物語をまとめる彼岸花の存在感もよい。 『追憶のカシュガル』侵略の時代を経たムスリムの街でパンを売る少年、路上に寝起きする老人の過去。浪人生が語る御手洗の昔語り、に登場する人々の告白、とマトリョーシカのような語りの連鎖。 総合的にみて差別や迫害の存在がテーマになっているかんじで物悲しい。探偵ではない御手洗を語り部に据えて、より自由に物語をしているような作品。

    0
    投稿日: 2015.11.24
  • 彼岸花って、桜って、

    大好きな作家さん、島田荘司氏の著書、御手洗潔シリーズなので手に取りました。 しかしいつもの推理物とは違い、勝手に勘違いしていたのでちょっとがっかり。 さらに戦争物は好きではないのですが、無理やり読まされた感が。 4篇とも御手洗潔とサトルの会話で話が進みます。 【戻り橋と悲願花】、【追憶のカシュガル】は御手洗潔が世界一周旅行中の出来事の話で、 それぞれ彼岸花と桜が主題なのですが、話に引き込まれました。 フィクションだけど、本当にありそうで、史実と絡めたリアル感があります。 彼岸花と桜の花への印象が変わりました。

    3
    投稿日: 2015.11.14
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    京都大学近くの老舗喫茶店「進々堂」で若き日の御手洗潔が、戦争や差別など、なくそうとしてもなくすことができない人類の悪事について語る異色の短篇連作。 今当たり前のことが事始めのときはミステリーである。殺人事件ばかりがミステリーではない。人はなぜ無意識に差別をするのか。人類の歴史は戦争史なのか。御手洗の言葉の中に答えがある。個人的には、ソメイヨシノの話に興味を持った。

    0
    投稿日: 2015.09.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    謎を解かない御手洗作品。 色々と考えさせられるが、ミステリーを期待していたので低めの評価に…。 御手洗の名を冠した(借りた)、島田荘司の、社会問題についての提言、といった作品だった。

    0
    投稿日: 2015.07.12
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    ミステリーテイストの薄い御手洗さんシリーズ。 人間の運命の数奇さが描かれている。主に戦争と民族の争いに対する、悲惨さや理不尽さが描写されている。

    0
    投稿日: 2015.06.02
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    そこそこ。進々堂というキーワードだけで読んでみたわりには、面白いと思えた。 語る人物がどういう立ち位置なのかとか、これ一冊だけでどういう話なのかはよく分からなかった。本編に強く依存したスピンオフなのかな。 外国の雰囲気の描写が、真に迫っているのかは分からないけれど、違和感がなくて読み心地が良かった。 こういう話をもっと読んだら、多分海外に行きたい気持ちは強くなるのだと思う。 150520

    0
    投稿日: 2015.05.23
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    若かりし頃の御手洗潔の短編。世界を旅した御手洗の思い出を予備校生サトル目線で描かれている。追憶のカシュガルがやはり一番印象深く心に響いた。

    0
    投稿日: 2015.05.09
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    ”御手洗潔と進々堂珈琲”島田荘司著 新潮文庫nex(2015/01発売) (イラスト:toi8 2011/04発売 新潮社”進々堂世界一周 追憶のカシュガル”改題) ・・・進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語。(公式サイトより) ・・・どの話もそれなりには読めましたが、”若き日の名探偵”で一冊丸々使っておいて、ミステリなしという構成ががびっくり(笑) 進々堂ブレンド1974・・・語り手のサトル君の思い出。 シェフィールドの奇跡・・・学習障害の重量挙げ選手の話。 戻り橋と悲願花・・・韓国人徴用工の話。 追憶のカシュガル・・・西域の老人が語る思い出。 あー、三話目と四話目で”御手洗(作者)ってそんな話を信じてるの?”というエピソードがあったのでマイナスに感じるところも多かったです。 御手洗(作者)の格が落ちたように感じるので熱心なファンの方は読まない方が良いかと。

    1
    投稿日: 2015.05.01
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    御手洗潔のシリーズ。若かりし頃の御手洗が京大そばの進々堂で世界放浪の際の思い出を語るという形。ミステリでもなく旅行記のような形式。歴史の出来事と、民族/国家の悲哀とを絡めて描いた作品。なかなか印象深く自分には面白かった。

    0
    投稿日: 2015.04.30
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    京都の喫茶店「進々堂」で若き御手洗潔が語る物語(ミステリー)。 進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語。『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』改題。

    0
    投稿日: 2015.04.20
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    若き御手洗の物語。ミステリではないが、あの口調とテンポは居心地の良さを感じる。もっともこんな学生が近くにいたらどう感じただろう。

    0
    投稿日: 2015.03.07
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    御手洗の語る旅先の思い出はどうにも素直に信じられなくて。でも、「追憶のカシュガル」だけは別だった。 人間の欲望の涯にある究極のものは、宗教と戦争ではないだろうか。 この物語だけは、息を止め思考をやめて、一気に読み通した。アキヤマへの追慕、老人への憐憫と敬意、アジアが背負った歴史への悲痛な嘆きと怒り。そんな純粋なものだけに満たされた濃密な時間だった。

    0
    投稿日: 2015.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    進々堂ブレンド1974 シェルフィールドの奇跡 戻り橋と悲願花 追憶のカシュガル の4篇。すべて「ぼく」に御手洗さんが語る形式。 ふたりが眼にしたくさぐさが御手洗に海外放浪の日々、出逢った人々を思い出させる。 もはやミステリでも何でもないが、御手洗の正義(弱者への「公平な」視点)(初期の奇矯さとは離れて)にぐっとくる。 これは作者の筆力。 そういう意味では「SIVAD SALIM」に近いのかも。 「数字錠」も思い出したりして。

    0
    投稿日: 2015.02.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    京都を舞台におこる日常の謎的なものを御手洗潔が安楽椅子探偵ばりに進々堂で推理する話かと思って購入したのでちょっと期待外れでした。何で若い頃の方が性格が丸いの御手洗。カレーパンセットは食べないの御手洗。タイトルで珈琲とあるのにミルクティ飲んでるのはなぜなの御手洗。

    0
    投稿日: 2015.02.15
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    何となく、色々と考えさせられる一冊でした。 差別だったり戦争だったり。。。 時間が経ったらもう一度読み返そうと思います。

    0
    投稿日: 2015.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    御手洗潔の口を通して語られる色々な「差別」の話。 サヨク臭を包んで 最後は必ず、ちょっとイイ話風にしている。 御手洗潔が見て聞いた話として書かれているが正直、不快である 知的障害(IQ50)で差別されるが見直され上手くいく話 戦時の皇民化教育を受けた朝鮮人が騙される形でで日本に来て 日本人に暴行される日本を恨んでいたが、日系人もアメリカで差別されてたから「少し考えが変わりました」とかいう話 ムスリム社会の老人なのに、なぜか疎まれている話 御手洗は何処でも優しい人ですが、こんな思想を語らせるために 書いて欲しくなった

    0
    投稿日: 2015.02.11