![悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII](https://ebookstore.sony.jp/photo/BT00003156/BT000031565400700701_XLARGE.jpg)
総合評価
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powered by ブクログアウグストゥスのあと ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロまで。 いわゆるユリウス・クラウディウス朝時代の皇帝について。 アウグストゥスは血のつながったゲルマニクスに継がせたかったんだろうけど若くして亡くなってしまって、本来中継ぎみたいなポジだったティベリウスがそのまま治世を継続することに。The武人て感じの不器用な人。不器用だけど、帝政ローマの治世を間違いなく盤石にした。 カリグラは小さい時から父ゲルマニクスについて前線基地にいて、兵士たちからすごく可愛がられてた。頑固一徹、緊縮財政を敷いたのティベリウスから、若くてたくさん楽しい施策をうってくれるカリグラに皇帝が変わって、最初こそ市民から熱い支持を受けたけど、実際放漫すぎる治世に帝国の財政がボロボロになっていって、暗殺されちゃうっていう。。。 からの、不恰好な見た目で研究者として一生を終えるかと思われていたクラウディウスが皇帝に。書物で歴史を学んできたから意外と良い政治をしたけど、女性に舐められまくって、というか面倒くさがって女性の好き勝手を放置したことがあだに。 代わってネロの治世、暴君って呼ばれた理由のポイントはローマで起こった火災を理由にしたキリスト教徒 の粛清とか、辺境を守っていたベテランの粛清などかなあ。ギリシア文化に傾倒して自身歌を歌って竪琴弾いて競技会に出たり、ちょっとアホだけど、皇帝じゃなかったら単純でバカだけど憎めないおデブさんみたいになったのかもしれない。 クラウディウス皇帝の妻、ネロの母の(小)アグリッピーナについて。 確かに問題はあるかもしれないけど、父親だったらこうも疎まれなのでは。家父長制的伝統のローマならではだなあ。
3投稿日: 2024.09.08
powered by ブクログ専門家や歴史好きの一部からは批判されているが、私はこのシリーズが好き。単純に面白いから。正確な歴史を知るというより、ローマ人に想いを巡らせる上で、とても役に立つと思っている。 「悪名高き皇帝たち」では、ローマ帝国第二代皇帝ティベリウスから第五代皇帝ネロまでの治世が描かれている。カエサルが道を開き、アウグストゥスが作り上げた帝政を、次代の皇帝たちがどのように治めていくのかがテーマになっている。 ローマ帝国の面白いところは、皇帝があくまで市民の中の第一人者であるところ。強大な権力が付与されるが、それには元老院と市民の支持が必要なのである。冠を被ったステレオタイプの王様とは全くの別物だ。どちらかというと大統領に近い。そして大統領と同じく、高度な統治能力が求められるわけだが、皇帝になる誰もがこの能力を持ち合わせているわけでもない。というのも、カリグラ、クラウディウス、ネロの3名は実力というよりは血統と都合により祭り上げられて皇帝になっているからだ。なので能力を測られもせず国のトップに立っている。その割にクラウディウスは優秀だったのがローマにとっては幸いだったかもしれない。カリグラみたいな皇帝が三連続してたら流石に帝国も崩壊していたかも。。いや、流石にその前に手は打たれただろう。何故ならネロ帝のヤバさを痛いほど感じた軍団や元老院は彼の殺害を画策したのだから。この時代のローマ人には、悪い状況を修正する気概と能力があったのだ。そして修正力は血統主義から能力主義への移行に生かされたようだ。 このシリーズの面白さは扱う時代に左右される。正直なところ、ハンニバル戦役を描く2や、カエサルを描く4、5の方が手に汗握って面白い。平和なローマとなると、どうしてもハラハラする展開が少なくなる。それでもそこそこ面白いヒューマンドラマが楽しめるので、これからもこのシリーズを読んでいきたいと思う。
2投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログ1.ティベリウス おっさん 外観は共和政で内実は帝政を引き継ぐことに不明瞭さを感じる。誇り高き人で自分に厳しく周りにも冷徹。情で動かず着実に帝政の安全保障を進める。名門の出であることから、元老院との二人三脚を目指したが、阿呆に着いていけずむしろ帝政を盤石のものに進める。 2.カリグラ 若者 ティベリウスのように厳しく国益を追求すると民衆の不満を買うことが分かっていたため、民衆が喜ぶ政策を財政無視で行う。すぐさま膨大な国家黒字が赤字に。遠征に失敗し、手っ取り早い金策として元老院など富裕層から搾取するも、元老院はもちろん、民衆にも飽きられていた。統治4年目に殺害される。政治も人心も何もわかっていなかった皇帝ではなかろうか。 3.クラウディウス おっさん 担がれた形で即位したが、歴史学者で知識のあるクラウディウスはストア派に影響を受け公益へ奉仕する。真面目人間。 4.ネロ 若者 皇帝としての正当性担保として血は有効であったが、それを知らないネロは自らその後ろ盾をなくし、大したことない実力で勝負を挑む。カリグラと同じように、自己管理能力が甘く、承認欲求タイプ。空回りし、皆に煙たがれ退位。同時に、帝政にアウグストゥスの血が絶えることとなった。 勝者と敗者を決めるのはその人自体の資質の優劣ではなく、持っている資質をいかに活用するか。
1投稿日: 2022.04.20
powered by ブクログ20210509 ティベリウスはパクス・ロマーナを守り、帝政をシステム化して多くの人材を発掘した賢帝。カリグラはティベリウスの不人気を見て人気取りに固執して自滅。クラウディウスは歴史を鑑にすることで期待以上の成果を成し遂げたが、畏敬の念を起こさせることができないという弱点により近親者に倒された。ネロは権威の源泉であった母と妻を殺し、ローマ火災後の対応で誰も求めない都市改造とキリスト教徒へ罪をなすりつけた上での残虐行為を行い支持をなくす。さらに、ギリシャ文化に傾倒して、自ら歌うという奇行も重なり、元老院と近衛兵の支持を失って自殺する ・誰にも優しく、アウグストゥスの血を受け継ぎ、ゲルマン討伐でも功績のあったゲルマニクスへのティベリウスの冷遇に見える扱いと、彼の若い死は帝室に暗い影を落とした ・ゲルマニクスの妻であった大アグリッピーナとの確執で家族は崩壊し、最期の10年間はローマを離れカプリ島に隠棲した。そこに情報伝達網を築き、的確な指示で帝国統治は正常に機能したし、側近セイヤヌスの粛清も隠遁の地からやり遂げた。しかし、民衆と元老院の支持は失った ・歴史家タキトゥスの評価はローマに住む市民を代弁するものです、数で言えば圧倒的多数を占める属州民も含めた帝国全体の福祉に基づいた評価ではない。ニュースに基づく史学ではなく、細かなファクトの積み重ねである考古学の成果をもとにしたモムゼンの評価こそが全体の福祉を考慮に入れている ・カリグラはカリスマであるゲルマニクスの子供であり、自身も軍団のマスコットであった。彼の人気取りへの執着は凄まじく、神になろうとさえした。☆若くして全てを手にしたため、際限ない虚栄と、長く続くであろう治世への人々の恐怖を生み出した ・クラウディウスのガリア人への元老院議員の割当に対する賛成演説はローマの敗者をも同化させるポリシーの核心を表現。 ・敬意を与えない立ち居振る舞いのために、解放奴隷たちと妻の放縦を許し、自分の息子を皇帝にしたい小アグリッピーナの野心によって殺されたのではないかといわれている
0投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログアウグストゥスの後を継いだ4人、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、そしてネロのお話。 これが「ある程度歳取ってて、地味だけど確実に成果を上げる人」と「若くて目新しいことを色々やるのだけど結果は無茶苦茶な人」が交互に皇帝になってるのが面白い。 そして後者は結局暗殺されたり自死に追い込まれたりしてるのが帝政のイメージとちと違うところ。 でもまあ、興味深いのはやっぱりネロ。 ローマ帝国のことを特に知らなくてもネロの名前は「暴君」の接頭辞で知ってる人が多いはず。 でも、後世にまで「暴君」として名が残っているのは、「キリスト教を(最初に)迫害したから」では?と示唆する内容、と言ってよかろう。 ネロより多くの血を流させた指導者はたくさんいたのだし。 それはタイトルの「悪名高き」という表現にも現れていると思う。悪名は高いけど、愚帝とか暴君とかは書いてないのよね。 (9)のタイトルが「賢帝の世紀」なのと対称的。 …ま、もちろん、塩野女史の解釈を受け入れるならば、ということなのだけど。
0投稿日: 2019.03.07
powered by ブクログローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。この巻では、悪名高い皇帝たち。ここまで、こんなダメ皇帝が続いてもびくともしないローマって?
0投稿日: 2018.10.23
powered by ブクログティベリウスからネロまで。 正直アウグストゥスの時代をややかったるく読んでしまったのでどうかな…と思ってたんですが、読んでみると案に相違して面白かった。 印象的なのはティベリウス、クラウディウスの堅実な代わりに華のない治世のあとのカリグラ、ネロの即位時の市民や元老院の熱狂。 特にネロの即位時はカリグラを彷彿とさせて、華々しいことばかりに終始しティベリウスの黒字財政を破綻させた、かつてのマスコットだった若き皇帝のことは思い? 出さな?? かったのか??? と首をひねってしまうのだけど、当時に生きるということはそういうことなのかもしれないなあ。
0投稿日: 2017.03.08悪名の高さは暗君に直結するのか?
この巻では、アウグストゥス亡き後のユリウス・クラウディウス朝の皇帝である、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの4帝を扱っています。 確かに批判されるべき部分はあるけれど、皇帝としての責務はきちっと全うしたのではないかと思う、ティベリウスとクラウディウスの地味な(?)努力は感心させられますし、暴君の代名詞にされてしまった感のある、カリグラとネロは、利発なところや愛すべきところもあって、決して知性のかけらもないモンスターではなかったとも感じました。 発掘技術の進展による考古学の大発見、それに伴う歴史学の新説の隆盛。そういったものが、歴史上の人物の評価を変えていくというのも、なんだか不思議であり、楽しくも感じます。そういう楽しみが詰まっている本だと思います。
3投稿日: 2016.11.16
powered by ブクログ(2016.06.26読了)(2009.07.05購入)(2002.12.10・刷) 本を読み始めると眠くなって、同じページを何度も読むことになるので、なかなかページが進まず苦戦してしまいました。1時間かかって、10頁とかいう感じでした。 半分過ぎたあたりから、1時間に30頁ぐらいのペースになり何とか読み切りました。 大き目の版で、ページも500頁もあると、ずいぶん読みごたえがあります。 この巻は、「悪名高き皇帝たち」ということで、アウグストゥスに続く四人の皇帝について記しています。 ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの四人です。アウグストゥスからの世襲の形で、皇帝になっています。 世襲とはいっても、都合よく実子というわけにはいかず、ティベリウスは、アウグストゥスの妻の連れ子です。アウグストゥスの娘ユリアと結婚させています。娘婿の形になっています。在位23年弱です。55歳で即位し、亡くなったときは77歳です。 カリグラは、アウグストゥスの曾孫です。在位4年弱です。24歳で即位し、28歳で殺害されました。 クラウディウスは、ティベリウスの弟であるドゥルーススの子供です。ティベリウスの甥ということになります。在位14年弱です。50歳で即位し、63歳で毒殺されたということです。 ネロは、カリグラの妹小アグリッピーナの子供です。小アグリッピーナは、クラウディウスの四人目の妻になり、連れ子のネロをクラウディウスの養子にしています。在位14年弱です。16歳で即位し、30歳で亡くなっています。国家の敵となり自死した。 【目次】 第一部 ティベリウス (在位、紀元一四年九月十七日-三七年三月十六日) カプリ島/皇帝即位/軍団蜂起/ゲルマニクス ほか 第二部 カリグラ―本名ガイウス・カエサル (在位、紀元三七年三月十八日-四一年一月二十四日) 若き新皇帝/生立ち/治世のスタート/大病 ほか 第三部 クラウディウス (在位、紀元四一年一月二十四日-五四年十月十三日) 予期せぬ皇位/歴史家皇帝/治世のスタート/信頼の回復 ほか 第四部 ネロ (在位、紀元五四年十月十三日-六八年六月九日) ティーンエイジャーの皇帝/強国パルティア/コルブロ起用/母への反抗 ほか (付記)なぜ、自らもローマ人であるタキツゥスやスヴェトニウスは、ローマ皇帝たちを悪く書いたのか 年表 参考文献 ●復元(13頁) 私(塩野七生)には、遺跡を見ても頭の中で復元する癖がある。建造物を復元すれば、そこに生きていた人間たちも〝復元〟してしまう。私の空想のなかでの彼らは、今でも生きて呼吸している。 ●皇帝(18頁) ローマの皇帝は天から降りてきたのではなく、人々の承認を受けてはじめて存在理由を獲得できる地位なのであった。 ・元老院の第一人者の称号 ・ローマ全軍最高指揮権 ・護民官特権 ・ローマ国家を守るために必要なすべての権力 ●九月(32頁) ある日の元老院会議で、七月がユリウス、八月がアウグストゥスと名づけられているのに倣って、九月をティベリウスとしようと提案した議員がいた。ティベリウスは自席から、矢のような一句を放ってそれをつぶした。 「『第一人者』が十人を越えたときはどうするのか」 ●近衛軍団(56頁) ローマ帝国は、帝国の本国であるイタリア半島に軍団を置いていなかった。近衛軍団の任務の主なるものは、本国の秩序維持であったのだ。 ●メンテナンス(63頁) 新規の工事は減りはしても、不断のメンテナンスを必要とする建物や水道や街道はすさまじい数と量であった。ローマのエンジニアは、「石は味方で水は敵」と言っている。 ●街道と法律(120頁) この二事(街道と法律)に共通しているのは、必要に応じて〝メンテナンス〟をほどこさないと機能の低下は避けられないという、人間世界の現実であった。法律面での〝メンテナンス〟とは、現状に即して改めることである。 ●三代目の皇帝(183頁) ティベリウスの後を継いで三代目の皇帝になる可能性をもつ者は三人いた。年齢順にすれば、四十五歳のクラウディウス、二十四歳のカリグラ、そして、ティベリウスには直孫にあたる十六歳のゲメルスである。 ●盤石にした(184頁) ローマ帝国は、タキトゥスのような共和制シンパがどう批判しようと、カエサルが企画し、アウグストゥスが構築し、ティベリウスが盤石にしたという事実では間違いない。 ●カリグラの「施政方針演説」(191頁) ・本国外追放者の帰国を許す ・情報提供要員制度を全廃する ・1%の売上税を廃止する ●ゲメルスの殺害(203頁) 全快した最高権力者(カリグラ)がまず最初にやったことは、養子にしていたゲメルスを殺させたことであった。 ●娯楽(205頁) カリグラによって解禁された娯楽は、剣闘士試合と戦車競走の二つに代表される。いずれも、庶民が熱狂する競技であった。 ●四度の結婚(210頁) カリグラは、二十一歳から二十七歳までの六年間に四人の女と結婚している。一人には死なれ、二人は離婚し、二十八歳で迎えることになる死をともにしたのは、四人目の妻のカエソニアだった。 ●財政破綻(216頁) カリグラが即位してから三年も過ぎないうちに、皇帝の私有財産はもちろんのこと、国家の財政の破綻までが明らかになった。 皇室一家の家具調度類や宝飾品から使用人の奴隷までを、競売に出すことにしたのである。(217頁) ●クラウディウスの政治(279頁) ・「国家反逆罪法」を理由にしての処罰は廃止する ・1%の売上税を復活する ●クラウディウスの秘書官システム(301頁) クラウディウス家の奴隷や解放奴隷の中の優秀な者たちで、官邸につめる秘書官組織が形成されたのであった。 ・「書簡係」-内閣の官房長官のようなもの ・「会計係」-大蔵省、財政全般を一手に引き受ける ・「文書係」-帝国各地から皇帝に送られてくる請願や陳情の受付係 ・「筆記係」-皇帝への請願や陳情への、皇帝からの回答の文書作成 ・「書庫係」-皇帝の許に集まってくる書類を整理し、参照できるようにしておく ・「お勉強係」-皇帝の名で出される布告の文面の作成 ●皇妃メッサリーナ(307頁) 夫に皇帝の地位がめぐってきた紀元四十一年、五十歳のクラウディウスはカリグラのように、それによって舞い上がるようなことはなかったが、十六歳であったメッサリーナは舞い上がってしまったのである。 ●欲望の満足(308頁) 皇妃メッサリーナの放縦は、虚栄欲と物欲と性欲という、実に女らしい欲望を満足させることに向かう。 虚栄心のほうは、夫の凱旋式の行列に参加することで発揮された。 物欲は、姦通罪と国家反逆罪を活用して、他人の資産を入手することで満たした。 ●二重結婚(328頁) 元元老院議員のシリウスとメッサリーナ(23歳)は結婚した。 メッサリーナは近衛軍団により殺害された。 ●四人目の妻(345頁) 六十歳のクラウディウスは、兄のゲルマにクスの娘(姪)である小アグリッピーナ、三十四歳を四人目の妻として迎えた。小アグリッピーナは、カリグラの妹で、未亡人だった。 ●母殺し((412頁) 二十歳になったネロは、邪魔になった母のアグリッピーナを殺させた。 ●ネロ祭(414頁) 紀元六十年に、最初のネロ祭が実施された。ギリシアの「オリンピア競技会」の移植である。 ●外交(448頁) 戦争は、武器を使ってやる外交であり、外交は、武器を使わないでやる戦争である。 ☆関連図書(既読) 「世界の歴史(2) ギリシアとローマ」村川堅太郎著、中公文庫、1974.11.10 「世界の歴史(5) ローマ帝国とキリスト教」弓削達著、河出文庫、1989.08.04 「ネロ」秀村欣二著、中公新書、1967.10.25 「ローマの歴史」I.モンタネッリ著、中公文庫、1979.01.10 「古代ローマ帝国の謎」阪本浩著、光文社文庫、1987.10.20 「ローマ散策」河島英昭著、岩波新書、2000.11.20 ☆塩野七生さんの本(既読) 「神の代理人」塩野七生著、中公文庫、1975.11.10 「黄金のローマ」塩野七生著、朝日文芸文庫、1995.01.01 「ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にして成らず」塩野七生著、新潮社、1992.07.07 「ローマ人の物語Ⅱ ハンニバル戦記」塩野七生著、新潮社、1993.08.07 「ローマ人の物語Ⅲ 勝者の混迷」塩野七生著、新潮社、1994.08.07 「ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサルルビコン以前」塩野七生著、新潮社、1995.09.30 「ローマ人の物語Ⅴ ユリウス・カエサルルビコン以後」塩野七生著、新潮社、1996.03.30 「ローマ人の物語Ⅵ パクス・ロマーナ」塩野七生著、新潮社、1997.07.07 「ローマ人への20の質問」塩野七生著、文春新書、2000.01.20 「ローマの街角から」塩野七生著、新潮社、2000.10.30 (2016年7月3日・記) (「BOOK」データベースより)amazon ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ―帝政を構築したアウグストゥスの後に続いた四人の皇帝は、人々の痛罵を浴び、タキトゥスら古代の史家からも手厳しく批判された。しかしながら帝政は揺るがず、むしろその機能を高めていったのはなぜか。四皇帝の陰ばかりでなく光も、罪のみならず功も、余すところなく描いて新視点を示した意欲作。ローマ史を彩る悪女・傑女も続々登場。
0投稿日: 2016.07.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この第七巻の副題が「悪名高き皇帝たち」となっている。 よく聞かれるのは暴君ネロなどであるが、実際にどのようなものであったのだろうか。 まずはティベリウスであるが、最終的にはローマ市民には不評であった皇帝であるが、市民に人気はないが、政治の中身はアウグストゥスの意思をひたすら受け継いでいくというものであった。 カプリに隠遁して文書のみでの支持というのが不評の原因であるが、現代でもマスメディアに顔を出しているほうが人気があり、票が集まるもの同様である。 つづいてのカリグラはアウグストゥスの血のつながりだけで皇位についたようなもので、金銭感覚がなく、外交に関しても経験不足であった。 今でいうところの二世政治家といったところか。 元老院は即位直後にすべての権限を授与したことが問題であろう。 抑止力がなくなってしまった。 結局、カリグラはもっとも身近な近衛軍団大隊長に暗殺されるが、この暗殺を実行した者がカリグラ憎しというよりは、著者のいうところの「不肖の息子を殺す父親の気持ち」で、と私も考える。 そして四代目の皇帝クラウディウスの登場であるが、無理やり担がされた感のある彼だが、歴史を学び続けてきた彼ならではの政治は、ローマ帝国を盤石なものにしたのではないだろうか。 庶民からは敬意を払われることはあまりなかったようだが、カエサル、アウグストゥスの考えたローマ帝国を作ったのは彼ではなかったか。 残念なことにメッサリーナ、アグリッピーナという欲望のかたまりのような女を妻に迎えたこと、政治以外の疎すぎたことが彼の人気がなかった要因であろうが、私個人的には好きな皇帝である。 そしてこの巻最後に登場するのが暴君で名の知れたネロ。 母・アグリッピーナの欲望のために16歳にして皇帝にさせられた、という感じの彼である。 いくら古代といえども16歳では遊びたい盛りであったろう。 それに軍事・政治経験もなし。 側近として優秀な人材がいたにしろ、あの広大なローマ帝国の皇帝をやるにはすべてにおいて幼すぎたのではないか? 結局は、母、妻を殺し、有名なキリスト教へ罪をかぶせての虐殺と悪いイメージばかりであるが、彼ならではの奇抜な発想は、今までの皇帝にはなく、現代のわれわれには好感のもてる部分も多かったように思う。 しかし、古代ローマでは皇帝は市民の「安全」と「食」を維持するものと考えられていたわけで、皇帝の座を他者に譲って・・・というわけにはいかなかったか。 しかしネロ=暴君というイメージは多少変わった。 若気の至りという感じさえある。 ここまで来るとローマ帝国のイメージもずいぶんと変わってきた。 寡頭政と君主制。 やはりどちらがいいのかは難しい問題であることは変わりはないが。
0投稿日: 2012.11.20
powered by ブクログティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ―帝政を構築したアウグストゥスの後に続いた四人の皇帝は、人々の痛罵を浴び、タキトゥスら古代の史家からも手厳しく批判された。しかしながら帝政は揺るがず、むしろその機能を高めていったのはなぜか。四皇帝の陰ばかりでなく光も、罪のみならず功も、余すところなく描いて新視点を示した意欲作。ローマ史を彩る悪女・傑女も続々登場。
0投稿日: 2012.09.10
powered by ブクログ悪名も高名も、ちょっとした勘違い、ちょっとした自己認識や時代認識の違いによってどちらにころぶか分からないものだとつくづく思う。殺されたり、自死せざるを得なかった皇帝たちも、どこかほほえましい部分もある。
0投稿日: 2012.02.01
powered by ブクログ・ティベリウス →カリグラ →クラウディウス →ネロ。 ・カリグラ、ネロとダメ皇帝が登場。でも暗愚な皇帝が続けて即位しない(間に歴史家皇帝クラウディウスが即位)ところが、ローマの幸運なところ。 ・個人的には、統治はキチンと行うものの、コミュ力不足(人間嫌いで後半はローマ外の別荘から指示だけ出してた)で民衆や元老院に嫌われていたティベリウスに感情移入。
1投稿日: 2011.04.11
powered by ブクログカリグラとネロは知っていた。タイトル通りイメージがとても悪かったが、見直した。まあとんでもない部分はあるのだけど、それはただ若かったんだなって感じがする。20代であれほどの権力を手にしたら仕方がないかなと。しかも、「悪行」が実に限られた部分にとどまっていて、案外しっかりしたこともやっていたのに驚いた。 他人の評判を全然気にしないティベリウス、歴史に学ぶ地味なクラウディウス。ちょっと考えるとなんの魅力もなさそうな老人たちだけど、むしろこの人たちに惹かれた。確かに少し変わり者かもしれないが、地味に一つ一つ課題を解決していく姿は、なかなかかっこいい。逆に、面倒なことは逃げまくり、皇帝に課題も責任もすべて押しつける元老院が惨めで、でも案外現代も同じような姿をさらしている集団は多いのかもしれない。 2007/4/6
1投稿日: 2010.08.29
powered by ブクログ意外(?)と面白かった。悪名と言われても、恥ずかしながらここで書かれている皇帝を私は知らなかった。。とは言うものの、皆個性的で、十分に楽しめる内容。
0投稿日: 2010.04.12
powered by ブクログヨーロッパの歴史ができる様子を眺めているように本書に引き込まれる 歴史の事実が著者により、現代の出来事、人物に感じられるように描く著者に脱帽 神君アウグストゥスの後に続いた、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの4皇帝時代の物語。 ネロを最後にカエサルから続くユリウス・クラウディス朝は終焉する。 後の歴史家タキトゥスによって悪評ばかりが目立つこれらの皇帝を暖かい目で再評価した作品、と感じた。 文中ではタキトゥスの悲観的な記載に対する苦言が散見される。 ティベリウスは立派で非常に共感できる部分が多い ネロが暴君ネロとして歴史上、有名な理由には納得がいかない 各皇帝とも個性的で、本人の意思とは裏腹に、それぞれの理由で元老院や人民の支持を失っており反面教師として学ぶに良い教材。
1投稿日: 2010.03.13
powered by ブクログ神君アウグストゥスの後に続いた、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの4皇帝時代の物語。ネロを最後にカエサルから続くユリウス・クラウディス朝は終焉する。 後の歴史家タキトゥスによって悪評ばかりが目立つこれらの皇帝を暖かい目で再評価した作品、と感じた。文中ではタキトゥスの悲観的な記載に対する苦言が散見される。 ティベリウスは立派で非常に共感できる部分が多いが、各皇帝とも個性的で、本人の意思とは裏腹に、それぞれの理由で元老院や人民の支持を失っており反面教師として学ぶに良い教材。
1投稿日: 2009.12.30
powered by ブクログ長い歴史の中のどうでもよさそうなエピソードすらきっちり深い読み物に仕上げてしまう塩野七生に脱帽。ヨーロッパが形成されていく様を自分で見ているような驚きがある。
0投稿日: 2009.08.27
powered by ブクログ第7巻は紀元14年、第2代皇帝ティベリウスの即位から、紀元68年第5代皇帝ネロの自死まで。 「追従かそれを言われた人を不快にするのは、そのようなばかげたことを言われてイイ気になる程度の人と値踏みされた事が不快なのである」 「人事権を手中にしているのは権力を手中にしているのと同じだが、その施行となると簡単ではない。当事者に加えて周辺も納得させねばならない」 「外交は平和裡の解決ではない、軍事力を使って脅した後こそがもっとも有力な外交であると歴史が証明している。人間とは、理で目を覚ます場合は少ないのに、武力を突きつけられれば目を覚ますものだからだ」 「多神教の神は、一神教の神がそれを信ずる人々の生き方まで定めるのとは違って、人々を保護する役割しか持たない」 「情報収集の重要性とは絶対的な速度にはなく、他の誰よりも早くそれを得て、得た情報を基にしての判断を他の誰よりも早く下し、そしてそれによる指令を他の誰よりも早く発することにある」 「カリブ島の干菓子の端の崖の上に立てられたヴィラを南の海上から眺めたことのある人ならば、ロードス島中部のリンドスの崖の上に建つ神殿を思い出すのではないか・・・リンドスのアクロポリスの遺跡を訪ねたときは、小石が散乱する細く曲がりくねった田舎道をロバの背にゆられながら、やっとの想いで着いたものだった」 「人間は、常にニュースを求める。大事に関心を持つ必要がなければ、小事に関心を持ってしまう」 「カリグラ・・・すべてを所有する人にとっての最大の恐怖は、現に所有しているものを失うことである」 「ユダヤ教・・・一神教の神は非寛容な神にならざるをえない。多神教の世界で、弱者の立場で守り抜こうとすれば、神から選ばれた民族であるという選民思想が、唯一の拠りどころになる」 「常に弱者の立場にあり続けた民族は、被害者意識から自由になることが難しい・・・強者に対しては過敏に反応しがちである」 「テロ行為とは、文明が未熟であるから起きるのではない。権力が一人に集中しており、その一人を殺せば政治が変わると思えるから起きるのである」 「歴史に関心を持つということは、懐古趣味などではまったくない。人間性に関心を持つか否か、がそれを決める」 「歴史に関心を持つことは、自分を含めた個々の人間の独創力に全面的な信を置かないことでもあるからだ」 「理を解してそれを了承する人は、常に少数派である。多数派には、脅しのほうが効果的な場合が多い」 「皇妃メッサリーナの放縦は、虚栄欲と物欲と性欲という、考えてみれば実に女らしい欲望を満足させることに向かう」 「多くの人の人生は、喜劇と悲劇の繰り返しで成り立っている」 「誠心誠意やっていれば分かってもらえるのか?人間とは心底では、心地良くだまされたいと望んでいる存在ではないか」 「人間は問題がなければ不満を感じないというわけではない。枝葉末節なことであろうと問題を探し出しては、それを不満の種にするのは人間性の現実である」 「勝気な女が逆上すると、言葉は洪水のごとくにほとばしり出る」 「ネロには、問題の解決を迫られた場合、極端な解決方法しか思いつかないという性癖があった。本質的にはナイーブであったゆえ・・・」 「マキャベリ・・・悪事を働かなければならない場合は一気にやるべし。他民族侵略という悪行は短期に済ませ、戦後処理を充分にしたほうが、征服者にとっても被征服者にとっても好都合。歴史は侵略の歴史でもあり、人間の悪業の歴史でもある」 「戦争は、武器を使ってやる外交であり、外交は、武器を使わないでやる戦争である」 「新しい運動は、もっとも身近な人々からの反発をまず浴びるものである。エルサレムのユダヤ教会の敵意が、イエスの処刑の真因であった」 「ユダヤ教の選民思想・・・他民族への布教には不熱心」 「キリスト教・・・キリスト教の神の前には人間はみな平等、その神を信じない人は真の宗教に目覚めないかわいそうな人だから、その状態から救い出してやることこそがキリスト者の使命と信じている」
0投稿日: 2008.10.14
powered by ブクログ高くて面白いのでもったいなくてちょっとずつ読んでる途中です。『悪名』高き皇帝はとても魅力的だ。でも、ユリウス・カエサルの足元にも及ばない。当時のローマ市民もそう思ったのかなあ。
0投稿日: 2005.08.11
