
総合評価
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powered by ブクログ劉邦が項羽を倒して楚漢戦争は終わり劉邦が漢を作る。 周りを信用せず自分の考えだけで周りの意見を聞かず行動する項羽と周りの意見を聞き受け入れる劉邦。対極とも言える2人の差がこの戦争の決定的な分かれ目だったと考える。自信過剰のワンマンプレーでは、人は付いてこないという事でしょうか。 あと、この時代に生まれた言葉が今になっても使われているのもすごいと思う。左遷、四面楚歌、背水の陣など
0投稿日: 2010.02.05
powered by ブクログ楚漢の天下争いは勝負がつかない。圧倒的な項羽軍の前に、穀倉のある山にのぼってこれと対峙する劉邦軍。やがて和議成って故郷に帰る項羽軍を劉邦は追撃し垓下に囲む。ある夜、包囲軍の中から楚の国の歌が湧き上がるのを聞いた項羽は、楚人はことごとく漢に降伏したかと嘆き、天が我を滅ぼしたことを知る。あらゆる人物の典型を描出しながら、絢爛たる史記の世界を甦らせた歴史大作。
0投稿日: 2010.01.01
powered by ブクログ本のオススメ度評価で上・中巻は5点なのに、この下巻だけ4.5点なのは理解できる。ここまで描いてきた壮大な物語のエンディングにしては、ちょっと物足りない感じがするからだ。項羽の死でこの物語は終わる。勝利した劉邦軍のその後は、一切描写がない。読者としては司馬さんによる「まとめ」を期待してしまうので、それにあたる部分がないのは少し残念ではある。しかし司馬さんとしては安易な「劉邦=勝者、項羽=敗者」というラベルを貼りたくなかったのではないだろうか。この巻では虞姫の登場によって、鬼神ではなく人間としての項羽が強く印象に残った。四面楚歌の状況で、虞姫が舞う場面はとても切ない。残りの騎馬で漢軍に挑みかかり、わずか2騎を失うだけという項羽軍の圧倒的な強さを天に知らしめながら、最後は自刎する項羽。その死体にハイエナのように群がる漢軍。「敗者」項羽の、神々しいまでの強さ、誇り高さが強調されている。見事なラストに心から感動した。
0投稿日: 2009.08.08
powered by ブクログ私の古代中国感の原点となる作品。歴史でならった秦の始皇帝が、等身大の人間に…というか、自分と大して変わらない卑小な感情もあた人間に見える。なおかつ、普通の人とは大きく異なった感性であったから、偉大な事業を成し遂げたのも実感できる。 そして劉邦や項羽のような英雄達、張良や陳平などの軍師たち、武勇の将軍も、口舌の徒も、いろいろな人達の雑多なエネルギーが渦巻く、大陸の風を感じられた傑作である。 この巻で項羽は劉邦に敗れ死ぬのだが、有名な四字熟語「四面楚歌」のもととなったシーンを読んで以来、この熟語には哀愁を帯びた響きを聴くようになった。
0投稿日: 2009.07.11
powered by ブクログP.384 (あれは楚歌ではないか) 項羽は、跳ね起きた。武装をして城楼に登ってみると、地に満ちたかがり火が、そのまま満点の星に連なっている。歌は、この城内の者が歌っているのではなく、すべて城外の野から湧き上がっているのである。楚の国は言語が中原と異なっているだけでなく、音律も違っている。その音律は悲しく、ときにむせぶようであり、ときに怨(えん)ずるようで、それを聴けば誰の耳にも楚歌であることがわかる。 しかも四面のことごとく楚歌であった。 ――漢軍は既に楚を占領したのか、外の敵に楚の人間のなんと多いことか。 と思ったとき、楚人の大王としての項羽は自分の命運が尽きたことを知った。楚人に擁せられてこその楚王であり、楚人が去れば王としての項羽は、もはやこの世に存在しない。 形勢利あらずと悟った項羽は、別れの宴席を設けた。項羽には虞美人という愛妾がおり、また騅という愛馬がいた。これらとの別れを惜しみ、項羽は自らの悲憤を詩に読んだ。 力拔山兮 氣蓋世 (力は山を抜き 気は世を蓋(おお)ふ) 時不利兮 騅不逝 (時に利あらずして 騅(すい)逝(ゆ)かず) 騅不逝兮 可奈何 (騅逝かざるを奈何(いかん)すべき) 虞兮虞兮 奈若何 (虞や虞や若(なんじ)を奈何せん) 訳: 私の力は(動かないものの代表である)山をも動かす程強大で、気迫は(広いものの代表である)この世の中をおおい尽くしてしまう程なのに 時勢は私に不利であり、(愛馬の)騅も進もうとしない。 騅が進もうとしないのを、もはやどうする事もできない。 (それよりも)虞よ、虞美人よ。そなたの事を一体どうすれば良いのか。 *「兮」という間接詞が、言葉が切れるごとに入っている。兮は詩の気分に軽みをつける間投詞ではなく、むしろ作り手の項羽が、兮(けい)!と発音するごとに激情が一気にせき止められ、次いでつぎの句の感情に向かっていっそうに発揚する効果を持っている。 追い詰められた項羽は旧知の呂馬童を敵軍の中に見つけ、 「漢王はわたしに莫大な賞金をかけ、万戸侯を約束しているというではないか。貴様は旧知の仲だ。ひとつ、手柄をやろう」と言い、みずからの首を切り自殺した。この項羽の死によって約5年続いた楚漢戦争(B.C.206年-B.C.202年)は終結し、そして劉邦は天下を統一し前後約400年続く漢王朝の基を開くことになる。 ちなみに、ヒナゲシという花は、「虞美人草」と呼ばれる。 項羽が劉邦に敗れて垓下に追い詰められた時に、死を覚悟した項羽が詠った垓下の歌に合わせて舞った後、自刃した。彼女を葬った墓に翌夏赤くこの花が咲いたという伝説から、こう呼ばれるようになったそうだ。 読み応えのある大作でした。中国という国が少し好きになった。 三国志とか他の時代のも読んでみようかなと思う。 紀元前からこんなに成熟した文明を持ってたなんてすごい。日本人なんてまだ稲作もしてないんじゃないの? それでもやっぱり、いかに食料を調達するかということがすごく重要であったという点が古代らしいなと思った。 最近地理について勉強し直している分、地の利というものがいかに大切で、それをどう利用するかでだいぶ変わるのだということを改めて感じておもしろかった。
0投稿日: 2009.06.21
powered by ブクログお待ちかねの最終巻です。 広武山の戦いから何かが変わりました。 項羽と劉邦を分けたもの、それは食糧の有無です。 飢えた楚軍(項羽軍)を、和議を破って追跡した劉邦が 勝ちを収めました。 限りなく情け無く、けれどその器の中に賢者も愚者も、 猛将も只の歩卒もしまい込めた劉邦。 勇猛なることこの上なく、子供っぽいとすら思える 純粋さを持ち、自分が一番頼りになると考える項羽。 どちらも強烈なキャラクターで、最後まで面白かったです。 「義」は「命がけのかっこよさ」というくだりに思わず手を打ちました。
0投稿日: 2009.04.07
powered by ブクログ実は司馬遼太郎の本がかなり好きで 中学高校時代は良く読んだものです。 最近になって読む機会があり さらっと読んでみたのですが 示唆に富んでいる本だなと 今回は思いました。 今まではあぁ面白いなぁとか わくわくするなぁとかしか思っていなかったと思うのですが 最近読んだ感想は人物像や人望についてなど やっぱり受け手によって本は変わりますね。 ちなみに、項羽は武力等において非常に優れた 人材だったけれど人望はなく 劉邦は武力はなく、心意気のようなものも欠けていたように 描かれているが、人望はあります。 歴史上の最後の勝利したのは劉邦というのは そういったほかの人がつい助けたくなる人の 人望の有意義さを示しているのではと 感じました。 数年経っただけの同じ人間の意見でさえ 変わるのだから違う人格だったら 言うまでもないだろうと思います。 今、ふと漢文の「いわんや」「且つ」とか思い出しました笑
0投稿日: 2008.11.30
powered by ブクログ読破。あまり親しみない中国の考え方に最初は戸惑ったけど、読んでくうちにグングン引き込まれた! 劉邦のようなリーダーになりたい。
0投稿日: 2008.10.17
powered by ブクログ組織・社会の中で生きる僕らにとって、 「リーダーの資質とは何か」 「プライドとは何か」 などを多面的に考えさせられる歴史大作。 百敗しても周囲から賢者・猛者を引き立て、しぶとく生き続けた漢の劉邦。 百勝しながらも常に孤独の中でおのれを頼るしかなかった楚の項羽。 あちらこちらへと散らばった物語は、その終末で鬼神・項羽の死に様へと大きく舵を切る。 漢に追い詰められた「四面楚歌」の状況。 項羽は家臣を皆呼び寄せ、最後の宴を開く。 連れ立った家臣との、愛する虞美人との別れの宴。 「酔うほどには飲むな。別れるために飲むのだ」 …。 この物語の下地には、今から二千年以上も前に広大な中国大陸を あまねく駆け巡り、民俗・伝承・伝説を記録=『史記』としてまとめ上げた 司馬遷の歴史観が横たわっている。 その司馬遷をはじめとする膨大な記録を読み解き、 情景が僕らの目にありありと浮かぶように再構築した司馬遼太郎。 歴史の醍醐味。奥深さ。人のあり方が凝縮されている。 大傑作。
0投稿日: 2008.05.11
powered by ブクログ急に項羽が追いつめられていく。 劉邦が勝てたのが不思議なくらいな話だった。 歴史とは不思議だ。 2008年04月16日読了。
0投稿日: 2008.05.10
powered by ブクログ戦に決着が着く。 この戦により四面楚歌という言葉は生まれた。 上中下と長いけど、読み易いと思う。
0投稿日: 2007.10.27
powered by ブクログ上・中・下巻 時代は秦の始皇帝没後より始まり、反乱軍の中から力をつけてきた項羽と劉邦を中心に描かれている。勢力を拡大させていく二人。そして、二人の違いが際立ってくる。その時、その時により必要な人物は異なる。それがすごく印象に残った。 漢を建国するまでの物語。
0投稿日: 2007.07.31
powered by ブクログ中国でかっこいいのは劉備と曹操だけじゃないぜ、という話。教科書で読んだ「項王最期」があなたの目の前に。
0投稿日: 2007.03.17
powered by ブクログ三国志の始祖てか、始皇帝を倒し<始皇帝は病死らしいけどw>漢王朝を開いた劉備の先祖劉邦と項羽<虞貴の旦那w>のお話です。上中下巻下巻のみイメージがあったので〜
0投稿日: 2007.03.06
powered by ブクログ人間の人生を突き動かす波みたいなものがあるとして、その盛り、波が突き上げられたように高い時期のみを語られるのは切ない。なお、高い高い波を語りながら、この波がいかに過ぎ いかに静まり、いかにただのしぶきと消えるのかを併せて記すのはもっと切ない。そういう意味で漢軍は、切ない人間の集まりである。どいつもこいつも戦いでは物凄く頑張ったのにいまいちろくな最期を迎えていない。そのろくでもない最期を、簡潔にちょろっと示すんだからこの小説を書いた人は本当に酷い人だ。と思いました。
0投稿日: 2006.12.17
powered by ブクログ全三巻。司馬遼太郎は物語を書かず、人物紹介の連続なのでつまらない。しかし漢楚戦乱を見事に書き上げたのはこの小説ぐらいなので、やはり人物紹介は避けて通れないのかも知れません。一度は目を通しておきたい作品ではあります。
0投稿日: 2006.12.13
powered by ブクログ韓信が可愛すぎます。劉邦のヘタレさも面白い。これだけの情報量があるのに普通に読ませることが出来る司馬さんはすごいです
0投稿日: 2006.10.25
powered by ブクログ感想書く必要もないですね。やっぱり歴史小説はいいです。過去の人は偉大である。中国が好きになる。義と侠を重んじる精神はすばらしい。
0投稿日: 2006.07.24
powered by ブクログ切ないです。教科書で読んでいてもともと項羽びいきなのもあるかもしれないけど、劉邦には全然惹かれないなあ・・・二人が主人公だけど、司馬先生も項羽が好きで書いてるんだろうなあ。上中下巻。 ※私が持っているのとは違う本ですが、見つからなかったのでこれで。
0投稿日: 2006.07.17
powered by ブクログ文庫で上中下3巻。題名は2人の英雄だが主人公は項羽。孤高の天才・項羽が、器の大きさで人材を集めることのできる劉邦の前に敗れる様を描くが、劉邦は「こんなタイプはイヤだな」という印象。これを読むと、司馬先生の書く「三国志」を読みたかったなと思う。
0投稿日: 2006.06.08
powered by ブクログ漢の高祖こと劉邦とライバル項羽の話。有名な虞美人は項羽の愛した女性です。劉邦の軍師や将たちが魅力的なのです。 上中下巻。下巻なのはなぜか表紙画像がこれしかなかったので。
0投稿日: 2006.02.05
powered by ブクログ古代中国史は、大好きです。その中でも、やはり項羽と劉邦の覇権争いはドラマチックで素敵なエピソードも多く、惹かれます。
0投稿日: 2006.01.29
powered by ブクログ上中下ともに良い。 歴史ものでは一番好き。 「幻想水滸伝」というゲームの原作だという話はほんとうなのかな。水滸伝なのに?
0投稿日: 2006.01.09
powered by ブクログ上巻は本のイメージ写真が見当たらなかったので、下巻だけ(笑)ちゃんと両方読みましたよw私が「読みたい!」と言っていたら、おじが大学の合格祝いに買ってくれました。面白くて遅読の私にしては珍しく2日で読み終わりました。今も本棚に入っています。
0投稿日: 2006.01.02
powered by ブクログ司馬先生、劉邦のことあまり好きじゃないんですね、という読後感。人の好き嫌いはいかんよ、と自分のことを棚にあげていいたくなる作品。だが、受験には役に立つ。
0投稿日: 2005.09.22
powered by ブクログ高校時代に読んだ本。自分の生き方に影響を与えた一冊です。 始皇帝を前に、項羽と劉邦がそれぞれ述べた言葉。この言葉がその後の両者の運命を物語っていると感じました。 頭脳明晰のエリート項羽と、仁徳とカリスマ性のある劉邦。 その対照的な二人が戦乱の時代を駆け抜けていく。 やがて二人は天下を二分する戦いで対峙することとなる。 司馬遼太郎の中でもお気に入りの作品です。
0投稿日: 2005.07.09
powered by ブクログ最終巻。ゆえに最終決戦。フィクションのように綺麗には収まらないところが歴史たるゆえんで、だからこそ人間味が面白い。思惑や性格は多種多様で、丁寧に描かれ、それらが時に変化して伏線となり物語は深く、また分かりやすく進む。虞美人、四面楚歌など、有名な単語の登場で壮大さを感じながら一気に読み切った。満足。
0投稿日: 2005.05.25
