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項羽と劉邦(上)(新潮文庫)
項羽と劉邦(上)(新潮文庫)
司馬遼太郎/新潮社
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総合評価

162件)
4.2
60
55
32
1
0
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    宦官 趙高 秦王朝の二世皇帝 胡亥 陳勝・呉広の乱 前209年 中国史上初の農民反乱 王侯将相いずくんぞ種あらんや (王や貴族も所詮同じ人間ではないではないか!) 定陶の戦い 前208年 秦の章邯 対 楚の項梁 鉅鹿の戦い 前207年 楚の項羽 対 秦の章邯

    0
    投稿日: 2025.11.05
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    今の時代にあわせた心情で2200年前を語ってもらえて、わかりやすいとしみじみ思う。詩人のような語り口はさすがです。

    0
    投稿日: 2025.10.21
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    中国最初の同一王朝である秦の崩壊後、天下を争った2人の英雄である項羽と劉邦の戦いを描いた物語である。 やはり日本国外を舞台にした作品であるだけに、司馬遼太郎作品にしては人物などの解像度が若干低いように感ぜられる部分はあるものの、十分面白く、またあとがきでも書かれている通り、史記等中国古典で描かれた歴史は近代までの日本人にとっては国内の歴史であるかのように思われるほど浸透していたものであり、日本の歴史を理解する上でも役立つ本であると言えるだろう。

    0
    投稿日: 2025.09.12
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    コテンラジオで「項羽と劉邦」をやっていて興味を持ち頁を開く。 キングダムのその後と言うこともあり蒙恬将軍等も出てきて熱い。 レビューは最終巻で。

    7
    投稿日: 2025.08.14
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    読みやすくて、とても面白い。 秦の始皇帝の亡き後、混乱の世を背景に項羽と劉邦の天下を制するまでの物語。 史上最大のあなうめ、新安事件で上巻が終わったので驚きで余韻が残りますが、協同部隊で共に戦った項羽と劉邦、今後の二人の関係が気になります。 項羽の叔父、項梁が二人を前面に押し出した人物のようで興味深かった。流転の繰り返し、礼が厚いところもあり印象に残ります。項羽25歳、劉邦41歳という年齢差も意外性がありました。 著者のペンネームの由来が「史記」の作者、司馬遷からと知り初読みには良かったです。

    28
    投稿日: 2025.07.31
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    第120回アワヒニビブリオバトル テーマ「音楽」で紹介された本です。ハイブリッド開催。 2024.11.5

    0
    投稿日: 2024.11.05
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    現実世界にもあてはまる人間観のかたまりだった 個人的には自信が溢れいさぎよい項羽が好きだったが、自分が強い故にひとりよがりになり他者を信用できない項羽と、自分が弱いことを知っているからこそ他者の意見に耳を傾け、与えること惜しみない劉邦の対決は、とても考えさせられた

    0
    投稿日: 2024.08.30
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    項羽と劉邦をちゃんと読むのは人生で初めて。 部分的には古文の授業で読んだことがあるけど。 ドラマチックな感じではなく、とにかく淡々と歴史を追っていく感じ。

    1
    投稿日: 2024.05.09
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    筆名のとおり司馬遼太郎に一番影響を与えたのが司馬遷だろう。 司馬遼太郎の長編作品の中で史記を題材にした稀有な作品。 史上初めて中国全土を統一した秦の始皇帝。しかし死後、中国はまた騒乱の世に戻ることに。その中から頭角を現す項羽と劉邦。2人を中心に描かれる作品。 昭和59年の文庫、その頃父の本棚から手に取って読んだことがある。忘れていたが本棚の奥から出てきたのは平成16年版。この頃に買って読み返したらしい。 人生3度目の読み返し。いままで以上に名作な予感。、

    0
    投稿日: 2024.05.06
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    中国史関連の文学作品他関連書籍を読み始めた最初の書籍となった。追い詰められた項羽の最期は鮮烈というか、こんなことだったのかという感じです。

    0
    投稿日: 2024.05.02
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    個人的には読み進めるほど、章邯と司馬欣に魅力を感じて持っていかれました笑 現代日本人の私たちでは感覚が掴みづらい当時の風習や世界観を端的にわかり易く説明しながら、キャラクターにしっかり血が通っているのが感じ取れる物語の展開の仕方が凄かった。 司馬遼太郎先生の作品を初めて読み終えたけど、頭が混乱しない物語運びが、ただシンプルに凄いと思った。

    1
    投稿日: 2024.03.01
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    登場人物全員、キャラがいいんだよなあ。。。 劉邦のダメっぷりもいい(笑) ちっぽけな自我を捨てられたら、少しは器が大きくなれるかなあ~

    2
    投稿日: 2024.02.21
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    やはり中華の歴史は読み応えがある。 登場人物の魅力的なことといったらない。 その土地土地の民族性などの説明もあり、すごく分かりやすいし読みやすい。 上巻は劉邦はあまり活躍せず、主に項羽がどのような人柄かがよく分かった。

    1
    投稿日: 2023.12.26
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    兵士と共に戦う項羽、戦下手だけど人の話をよく聞き褒美をしっかり出し人が集まる劉邦。この対比が面白かった。

    3
    投稿日: 2023.12.20
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    紀元前221年に春秋戦国時代の中国を統一し、秦王朝を打ち立てた始皇帝の末期から始まる本書。それまでの封建性に取って代わり、官僚制による各地を統治するという斬新な方法で全国を支配した。万里の長城を始めとする数々の大型土木工事を行ったが、これを実行する為に各地から労働力を徴用しつづけたことで民心は離反していた。始皇帝が死ぬと各地で武力勢力が蜂起する。宦官の趙高は胡亥(こがい)を担いで形ばかりの後継の皇帝とし自らがすべてを取り仕切る事に成功する。 統制が乱れた地方では同じ様に各地域の旧王族を担ぎ上げた自称王国が多数誕生する。その中の一つが、江南の楚であった。項梁がかつての楚の王を血を引く男、羊の糞を乾かして売り歩く男を探し出し、楚王に祭り上げる。項梁の甥である項羽と、劉邦は楚軍の将軍として秦の軍を打ち破っていく。一方、秦は趙高の代理施政によって完全に内部が腐敗し、外で展開する反乱を収める能力は失っていた。 ここで描かれている事はその4〜500年後の三国志で起きる事と酷似しており、歴史は繰り返すという言葉はすでに2000年前から同じである事を思い起こされる。役人の腐敗、人民からの搾取と虐殺、傀儡による政治の私物化、謀反などあらゆる悪事はその後の中国の歴代王朝でも何度と無く繰り返され、そして現代の中共に至っても同様だ。 更に驚くのは、ここから更に1500年ほど遡った殷王朝に関する記述。存在が確認されている王朝としては中国最古であるが、その遺跡には王の墓の周辺に首の無い骨が500柱程発掘されているという。それが何を意味するのかは不明であるが、おそらくは殉死者なのか奴隷なのかという事である。そのような野蛮な事が行われていた事に驚愕する。

    1
    投稿日: 2023.12.19
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    他の作品もそうだが、『項羽と劉邦』もビジネス教養書としてあまりに有名。 曰く、項羽はカリスマ性もあって有能だが部下の意見を容れず、劉邦は無能だが部下に慕われ、優秀な人材を多く集めたため天下を獲った。だから上司たるもの、自分の能力以上に部下への接し方が大切である…といった具合に語られるのをよくみる。 上巻読了時点の感想としては、そういう風に読むことも可能だろうが、司馬遼太郎の描きたかったこととはズレるのではないかな、といったところ。 まず項羽からして、カリスマと呼ぶには蛮勇の色が強すぎる。むしろ頑固で人間味の薄い戦闘狂といった具合でカッコよさはあまり感じない。 一方の劉邦も、人徳を集める人物という描写は多いが、その理由は龍に似た人相にかなりのところを負っていて、ダメさを帳消しにするほどの魅力的な人格の持ち主には見えない。 というわけで現状ではどちらも何を考えているのかよく分からず、感情移入しづらいものの、単純に古代中国の世界観を味わう読み物としても充分に面白く読めた。今後に期待。

    0
    投稿日: 2023.12.11
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    始皇帝が中国を統一したところから物語が始まる。始皇帝が全国に顔を見せるために巡回している間に死んでしまい、それに漬け込んだ宦官の趙官が胡亥を要して実質の皇帝になる。始皇帝から始まった建設事業によって多くの人たちが駆り出され不満が溜まっていきついに陳勝が反乱を起こすことで秦帝国の崩壊が始まる。これに続き呉中の項梁、項羽や沛の劉邦らが反乱軍を組織。鉅鹿城にて章秦軍を倒した項羽は20万もの秦軍を捕虜とするも新安で20万の兵を谷に生き埋めにしてしまう。 シンプルに戦国時代の中国を統一した始皇帝はすごいが封建制度から法治国家にするのは難しかったか。無駄な建設はしないに限る。キングダム読んだことあるから少しだけ理解しやすかったが、全体的に登場人が多くて難しいのと中国の地理が馴染みがないので揚子江より南が全くの異文化とかわかりにくかった。

    0
    投稿日: 2023.08.24
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    歴史には疎く、歴史書を読むことは少なかったのだが、先日中国の西安・成都に観光に行って興味が湧いたことをきっかけに、司馬遼太郎の項羽と劉邦を読むことにした。上・中・下の三巻からなり、それぞれ約500ページもある書で、まだ上が終わったばかりだが、非常に面白い。 項羽と劉邦だけではなく、周りの人物像もこと細かく記載されており、歴史的背景も非常によく分かりやすく記載されており、またクスッと笑える部分もある。たまに中だるみする箇所があったが、戦闘シーンなどはまるで映画を見ているように情景が頭に浮かび、最後の項羽と章邯が出会う場面では、章邯に感情移入しすぎて涙が流れた。 続いて中へ進もうと思う。

    0
    投稿日: 2023.08.19
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    秦の始皇帝が死に乱世に突入した中国。そこに現れる英雄2人。項羽と劉邦。 上巻ではまだ大きく羽ばたくまでには至らず。 劉邦は人たらしのようだが、まだ皇帝になるような要素は見せない。 項羽が闇落ちしていきそうな予感。 それにしても、この時代に生まれなくてよかったと何気に思ってしまった。

    3
    投稿日: 2023.04.27
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    父の本棚から持ってきた本。とりあえず上巻読了。 時代背景や、文化・社会的な背景を「本当に小説か?」と初心者が戸惑う程に描くことでむしろ個々の人物の人間的魅力が強烈に表れてきて引き込まれていく司馬遼太郎節が全開。 項羽と劉邦の二人の成長と軌跡が楽しみ。

    0
    投稿日: 2022.12.04
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    中学生の時に三国志を読み、大学生の時キングダムを読み、27にして項羽と劉邦を読む。 やっと中国の歴史が整理された。 これだけの史実が今に伝えられているということがすごいと思った。 食の大事さを実感。

    0
    投稿日: 2022.05.21
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    初めての皇帝として君臨した秦の始皇帝の存在を知った時はなんてすごい人だろうと思っていたけど、その秦が愚鈍な息子と奸臣のせいであっという間に滅んだと知り更にびっくりした。それを滅ぼしたのは誰で、どんな流れで滅亡まで進んだのかに興味が出て手に取ってみた本。史実と違う部分は多いのだろうがイメージをつかむにはフィクションもいいかなと思っている。

    0
    投稿日: 2022.05.05
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    【著者として 同じく司馬と 名乗れども  人の魅力と 歴史の必然】 『史記』と言えば司馬遷が有名だが、それを踏まえた上で読むと面白いかと思われる。史記は、個人にクローズアップし、生き生きとその人間の魅力が描かれているが、この著作は歴史現象として描かれている。 下準備もなく挑戦すると、地名なのか、人名なのか、国名なのか、分からなくなる人もいるだろう。 項羽と劉邦というタイトルの割には、二人に対してあまり好意的な感じがしない。むしろ自然発生的な現象として祭り上げられたという感じが強くある。これは司馬遼太郎の独特の英雄史観や歴史史観と思われる。 本当の主役はショウカであり、兵站の大切さを説いている所は、実に新しい考えであると思われた。 この小説はエンターテイメントとして読むのではなく、学術的歴史書として読むと面白さが増す。 面白さが分かるのは、大人になってからだと思われる。

    2
    投稿日: 2022.03.01
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    キングダムにハマり、中国の歴史に興味を持ち読み始めました。 どの視点で物語を見るかによって感じ方も大きく変わりますね。 司馬遼太郎さんの歴史小説は面白く、次に進みたくなりますね!

    1
    投稿日: 2021.11.28
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    ※2003.12.31購入@読書のすすめ  2004.1.7読書開始  2004.1.18読了  売却済み

    1
    投稿日: 2021.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    秦の始皇帝の死後、宦官の趙高の謀によって蒙恬や始皇帝の長子扶蘇、李斯が死に、始皇帝の末子胡亥が二代皇帝となった。初めて統一された中国は秦の法家思想に馴染まず、陳勝・呉広の乱を皮切りに各地で流民が反乱を起こす。多くの流民の食を確保し、楚の懐王を奉じて力をつけた項梁は、秦の章邯によって定陶で敗死するが、甥の項羽は章邯の先鋒を破り、章邯を降伏させる。しかし秦の降兵20万の反乱を危惧した項羽は、20万の兵をパニックに陥らせ穴に落として虐殺する。 クールな章邯が項羽に尊敬されていると告げられて泣く場面が印象的。劉邦は別働隊として関中に向かっていて、先に関中に入ってしまうのではないかと項羽がヤキモキしているが、これが鴻門の会のあの場面につながっていくのだろうか。 項羽はまだ20代だけれど劉邦は40超えてる。結構歳いってるんだな。

    2
    投稿日: 2021.08.12
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    2021/6/9読了。久々の司馬遼太郎。三国志(吉川英治)よりも面白かった。いや、歴史的な位置付けとして…。

    0
    投稿日: 2021.06.09
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    この書を読んで、人間とは、政治や宗教で生きているのではなく、食を繋げるために生きていること、歴史上の大動乱は飢餓が産み出していることに納得した。

    8
    投稿日: 2021.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p.292 この感心の仕方に一種の愛嬌があり、愛嬌がそのままひとびとに徳を感じさせる風を帯びていた キングダムの後の世界が"この世界"だと考えると 世界って 歴史って 何なんだろうって思ってしまいます。 (キングダム 全然読んでいません。すみません。秦の始皇帝の話ってことぐらいの知識しかありません。ごめんなさい)

    0
    投稿日: 2021.01.28
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    前半部分は割と変化が少ない為、割と辛抱しながら読んだ形ではあるが、終盤にかけては、物語の展開が遅くなり(=濃ゆくなってゆき)面白くなってきた。 秦の法家思想に乗っ取った国づくりは、非常に先進的であり魅力的であるが、趙高のような宦官が力を持ってしまうことを防げるような、牽制しあえる権力構造が必要であると改めて思った。始皇帝が優秀であり、かつキングダム の「政」には非常に思い入れがあるだけに、その秦が内から崩壊していく様は、虚しい。

    1
    投稿日: 2020.12.03
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    横山光輝氏の漫画版を読んでいたので物語視点では 違いのない感じだが、秦帝国、陳勝の乱についての 歴史的視点で深く改めてで楽しめました。

    2
    投稿日: 2020.11.16
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    再読。 たぶん、この時代のものはこの作品しか読んだことがない。 どうしても登場人物のイメージを三国志の誰々に当てはめてしまう。セリフが少ない分余計にそうなるのかも。 漫画「キングダム」も途中まで読んでいたがそれには引っ張られず。 どっちかというとキングダムの方に時間も空間も近いのにね。 前半は秦について結構なページ数を割かれている。そこで薄っすらキングダムがちらついたかな。 あの聡明な政がこんな末路になるとは…。 ささ、次巻へ。

    0
    投稿日: 2020.07.08
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    漫画『キングダム』のその後の話(もちろん、どちらもそういう想定で書かれたものではないですが)。 始皇帝=嬴政の晩年の話から始まり、嬴政が!蒙恬が!あんなことになっちゃうなんて!というのはショックでした。。 良くも悪くも色々なリーダーが出てきてとても勉強になります。中巻以降も楽しみです。

    1
    投稿日: 2020.01.10
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    おもしろい!項羽も項梁も劉邦も章邯もみんなみんな性格が違うし、色々なことが起こりすぎてドラマを見ているようだった!

    7
    投稿日: 2019.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【感想】 最近映画にもなった超人気漫画「KINGDOM」。 この本は、「KINGDOM」で秦が中華統一を遂げた後の時代の物語である。 登場人物が多く、またシーンごとに色んな場所に移り変わりするので、兎にも角にも固有名詞が多すぎる!! また、漢字の1つ1つも難しいため、中々読み方を覚えられない・・・笑 そんな感じで四苦八苦しながら読み進めていたが、固有名詞を除けば、非常に読み易く面白い物語だった。 自分にとって中国の歴史小説は本著「項羽と劉邦」が初チャレンジだが、中国の国民性や国の歴史の凄まじさは本当に背筋が凍る・・・ 同じアジアでも、島国民族である日本人と大陸民族である中国人は似て非なるもの、いや、根本的に全く違う人間だと思った。 秦の凋落は始皇帝の死亡が大きな理由だったのだろうけど、国や時代は違えど、こういったケースは現代の日本社会にも多い気がする。 ・トップのワンマン経営からの後継者問題。 ・システムがしっかり構築されていたとはいえ、がんじがらめすぎる法整備。 ・支配しているとはいえ、心のどこかで軽んじられていて、憎まれていた点。 ⇒(本著では、他民族に秦民が漢民族の血が薄いと軽侮されていた点が該当する。) こういった要素は、遅かれ早かれ組織が衰退してしまう重要な危険要因になり得るなと読んでいても思った。 この物語は項羽と劉邦という英雄が現れているけども、秦が凋落してしまうのは至極当たり前だったのだろう。 さて、上巻では主に始皇帝の末期から死後の中国史が書かれており、どのようにして反乱が勃発するに至ったかを明確に描かれている。 また、タイトルにもある項羽・劉邦の生い立ちから反乱に至るまでを書かれていたが、現時点では項羽に焦点が当てられて物語は進んでいる。 (劉邦に比べて)育ちが良いサラブレットのような項羽と、「雑草魂」さながらの劉邦。 2人が今後どのように決裂していくのかは非常に楽しみである。 【あらすじ】 紀元前3世紀末、秦の始皇帝は中国史上初の統一帝国を創出し戦国時代に終止符をうった。 しかし彼の死後、秦の統制力は弱まり、陳勝・呉広の一揆がおこると、天下は再び大乱の時代に入る。 これは、沛のごろつき上がりの劉邦が、楚の猛将・項羽と天下を争って、百敗しつつもついに楚を破り漢帝国を樹立するまでをとおし、天下を制する“人望"とは何かをきわめつくした物語である。 【引用】 p17 秦は早くから法律と刑罰と鞭による統制主義を採用し、法家の国とされた。 また真鍮や冶金が上手で、するどい兵器も他の六国(楚、斉、燕、韓、魏、趙)に比べてはるかに豊富だった。 秦がもつ統制主義と生産量と兵器の優越が、この国をして他の六国を凌がせ、秦王・政(セイ)にいたり、やがて六国を滅ぼして奇跡としか言いようのない大陸の統一を遂げさせた。 しかし、旧六国の遺民たちは秦を野蛮国と見、漢民族の血液が薄いと見て軽侮していた。 軽侮されてきた国の王が皇帝になったところで、劉邦や項羽ならずとも神聖視しなかった。 p30 ・始皇帝の最期と粛正 紀元前210年、始皇帝が巡幸中に死亡すると粛正の嵐が始まる。 始皇帝の身辺の世話をしていた宦官(かんがん、去勢を施された官吏)・趙高と宰相・李斯(りし)は、まず皇帝から後継指名を受けていた長男の扶蘇(ふそ)を自殺に追い込む。 そして次男の胡亥(こがい)を二世皇帝に据え、傀儡政権を樹立した。 p43 悪事というのは積み重ねられると、どこか空疎で滑稽な色をおびてくる。 が、悪事は仕上げられるという極みがない。 法にあかるい趙高は、不安要素である皇族や重臣ひとりひとりについて罪状をつくりあげ、法に照らして処断していった。 またその家族や使用人も同様の目に合わせたが、その数がおびただしいために社会不安の元となった。 その不安は官営土木事業に集められている農民や兵士要員の連中も動揺させ、「逃げるも行くも死刑」という考えが満ちてゆき、「法の元である秦そのものを亡ぼす」という反乱の火種となった。 p62 項羽は二十歳前になると、身の丈八尺(184cm)を越える大男となった。 それに力は鼎を持ち上げるほどに強く、頭脳の回転が速く、一種匂うような愛嬌もあった。 この項羽の肉体的な雄大さと人柄とは、叔父とともに縁を結んでゆく土地土地で、若者たちの人気を得るようになった。 p76 始皇帝の多くの失敗の一つは、自分の称号「皇帝」について、伝統のない新語を作ってしまったことであろう。 「秦といえば西戎(せいじゅう)、西方の野蛮人のたぐい」と人々は思っている。 始皇帝の生存中はその強烈な統御力と、彼が率いる固有の秦軍の強さでもって天下は恐れ伏しなびいていた。 いまひとつ、始皇帝の失敗は、すべての人民を自分の私物であると思い込み、盛んに労役に駆り立てたことであろう。 p89 劉邦の生まれは、この沛県(はいけん)の治下の豊(とよ)という邑である。 劉家は、ごくありきたりな農家といっていい。 「劉」という姓を持つだけで、家族たちは名前らしいものをもっていない。当の劉邦でさえ、「邦(パン)」というのは「にいちゃん」という方言で、劉邦とは「劉兄貴」ということであった。 劉邦の面白さは、いっぱしの存在になってからも名を変えず、あにいのまま押し通したことである。 p141 劉邦の人間は、ひとに慕われやすくできている。 そのくせ有徳人でもなく、またこの時期に長者の風があるわけでもない。 ただ人間の風韻が大きい上に、弟分の者が劉邦を仰ぐときにいたたまれぬほどに何かしてやりたくなる可愛げというものが劉邦に備わっているのであろう。 蕭何(しょうか)のような男が、自分の保身のためにそう思ったはずがない。 それだけではなく、蕭何は劉邦を売り出そうとし、農家にて田畑を耕すべき劉邦を最下級とはいえ、ともかく吏にさせた。 p160 「戦国の頃のほうが良かった」と思わぬ者はいない。 かつて戦国の頃、六国が割拠していたときはかえってその国々の内側では治安が良く、このような労役もなく、乱れもなかった。 法治主義と官僚機構の整備という点で世界史上最も先進的な国家をつくった秦は、その点で先進的でありすぎたのか、人民が国家や法の組織から肉離れしてしまい、厳格な法のもとでかえって治安が悪くなった。 p225 胡亥は秦帝国に背く者や、そういう勢力が出現するなど想像したこともなく、ましてそれが戦争の形態をとっている事実そのものを知らない。 「汝、朕をまどわすか」と叫び、趙高に処させた。 趙高は、次々に似たような使者がくることを恐れ、戦場からいかなる報告がきても、「流賊は鎮定されつつある」と伝令に言わしめよ、と命じた。 以後、戦場から多くの使者がきたが、宮門を入ると、すべて戦勝と鎮定の報告になった。 胡亥はついに陳勝という名を知ることなく、また項羽・劉邦といった名も知らず、秦を滅ぼすに至る反乱者の名を知ることなく短い生涯を終えることとなった。 p237 陳勝の幸運は、たまたま穀倉地帯で挙兵したことであった。 「陳ならば食える。」その情報が四方の流民に飛び、陳勝の徳望によるものではなく、食ということについての魅力が流民を吸引したといっていい。 膨張しすぎた流民団のために、陳勝はさらにあらたな穀倉地帯を求めるべきであった。 そのことを怠け、自らを高くして王を称してしまったことが、陳勝の失敗である。 食が英雄を成立させ、不幸にも食わせる能力を失う時には、英雄はただの人になる。 p342 ・項梁の最期 籠城し続けてた挙句、敵方の夜襲によって城内に入られ、敵味方の洪水の中でいつのまにか押し潰されるようにして死骸となった。 一軍の総帥でありながら、誰に討たれたかということさえわからなかった。 項羽と劉邦からみれば、彼はこの両人を前面に押し出すために懸命に生き、そして死んだとも言える。 p402 秦の章邯(しょうかん)は、おそるべき器才を持っていた。 のち、反乱軍が歴史の正統の位置を占めるために章邯の存在はほとんど注目されなくなったが、ともかくも彼の機動軍が、反乱の火の海の中を転々して敵を各個に撃破しつつ、しかも軍隊内部の統制がよく保たれていた。 彼の作戦の特徴は、盛んな機動性の発揮にある。 さらには攻撃すべき要所をよ選び、それを決定するとそこへ兵力の大集中を演じてみせる。 p442 秦軍総帥の章邯は、士心を得ていた。 「章邯将軍がいる限り、必ず勝つ」という信仰がもはやできていた。 章邯は特に演技をして彼らの心を獲ろうとしたのではなかった。 戦いを経るにつれ、元来太り気味だった章邯の体つきが、腱をより上げた鞭のようにしなやかになり、かつては丸かった容貌までが、?肉がそげおち、あごがとがって別人のように変わった。 前頭部は常に傾いていて、何かを絶えず考え込んでおり、すぐれた職人のように無駄口というものを一切たたかなかった。 章邯は職人肌の男だった。 自分の作品である戦争という勝負事に没頭しているだけで、後方の都に対し、政治感覚を働かせるという配慮は全くしなかった。 p456 趙高は軍事に暗くはあったが、しかしこの段階ともなれば、章邯の軍隊が敗れた以上、秦も終わりだということはわかっていた。 さらにはそれを破るほどに楚軍が強大になっているということは、次の帝国が楚人によっておこされるということも見通していた。 彼は今は生き残ることを考えている。ただ生きるだけでなく、次の楚帝国の貴族として残りたかった。 そのためには二世皇帝の胡亥を楚のために殺せばよかった。胡亥を誰よりも容易に殺せる位置に、趙高はいる。 (劉邦という男に密使を出さねば。) (それまでは、胡亥の首はわしの手飼いにして生かしておく。) と、肚の中で思いつつ、現実の胡亥に対しては、いずれ天下は平らかになりましょう、しかし前線の将軍(章邯)の失敗はすぐさまお叱りにならねば、と言った。 p483 秦兵というのは、歴史的にも非秦兵にとって強兵という印象が強く、捕虜になっても恐怖を感じざるを得ない。 その上、20余万人という人数はいかに丸腰でも楚軍よりも多く、捕虜として連れ歩くには荷が重すぎた。 「章邯以下3人だけは大切にしたい」 p483 ・新安事件 深夜、黥布(げいふ)軍が秘密の運動をした。 足音をしのばせて捕虜たちの宿営地の三方をかこみ、一方だけあけ、次いで包囲を縮めた。 この深夜の「敵襲」で、20余万の秦兵たちがパニックにおちいった。 彼らは一方に向かって駆け出し、互いに積み重なりつつ逃げ、やがて闇の中の断崖のむこうの空を踏み、そこから人雪崩をつくって谷の底に流れ落ちた。 最初に底に落ちた者は即死したが、つぎの段階きらは落ちた者の上に落ち、続いて落下してくる人間によって体をくだかれた。 ついには無数の人体によって窒息し、密度が高くなるにつれて人の体が押しつぶされて板のようになった。 たちまち20余万人という人間が、地上から消えた。 大虐殺(ジェノサイド)は世界史にいくつか例がある。 一つの人種が他の人種もしくは民族に対して抹殺的な計画的集団虐殺をやることだが、同人種内部で、それも20余万人という規模でおこなわれたのは、世界史的にも類を見ない。 また、項羽がやったように、被殺者にパニックをおこさせ、かれら自身の意志と足で走らせて死者を製造するという狡猾な方法もまた、世界史上この事件以外に例がない。 翌朝から項羽軍は総力をあげて断崖のふちに立ち、数日かかって秦兵の死骸に土をかぶせ、史上最大の穴埋めを完成した。

    18
    投稿日: 2019.06.06
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    ヤクザの大親分であるオッさんvs血気盛んで優秀な若手武将。能力的及び格好良さでは項羽に軍配が上がりそうだが、そうはいかないのが歴史の面白さでありこの本の醍醐味。

    2
    投稿日: 2019.04.09
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    紀元前2世紀の中国での話。春秋時代が終わり始皇帝が中華を統一する。新しい時代が始まり平和が訪れると思いきや、新しい政治や、凄まじい税金、労役に耐えきれず不満が各地であふれ始める。秦の新皇帝となった胡亥を盾に裏で工作をする趙高の暴政。元六国の兵士が打秦を目指し反乱する。馬鹿という言葉の由来もこの時代の趙高の暴政のエピソードである。 反乱するものの敵は秦只一つだが、その反乱の仕方や、手段はそれぞれ違い、残虐なやり方や、人望を集めるやり方などそこが面白かった。この話の主人公である項羽と劉邦。全く正反対の性格といってもいいこの2人の今後の展開がきになる。

    1
    投稿日: 2018.12.12
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    始皇帝が中国全土を初めて統一したという業績の裏に、彼一人が法を超越した独裁者であったが故に、その死後に人民の反乱を招いたことを再認識。陳勝呉広の乱は、遥か昔の教科書の記憶か? 項羽と劉邦の生い立ち・性質の違いや、彼らの参謀となる人物が、著者の筆致で生き生きと伝わってくる。

    1
    投稿日: 2018.10.17
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    いままで項羽と劉邦は最初から敵だと思っていたが、最初は仲間だったことに驚いた。秦の軍の黒いイメージがすごくかっこいいなと思った。食べるものがなくなれば、味方の兵はついてこなくなる、これは戦いの基本であり、それは昔からの教訓だと感じた。

    4
    投稿日: 2018.10.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物全てに物語がある。 特に気に入った人物は秦最後の名将、章邯将軍 その卓越した戦略眼と報われない忠義、呆気ない最後...。

    2
    投稿日: 2018.09.24
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    キングダムで中国について少し興味を持てたのでやっとこの本に手を出して見た。 ちらっとキングダムにも出てきた趙高がこれほどの悪いヤツだったとは!!! 今後の展開が楽しみ!

    2
    投稿日: 2018.07.22
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    骨太な歴史小説を読みたいと思って読んでみた。 秦の始皇帝が亡くなって、悪政に苦しむ中から、秦を倒そうとする勢力が立ち上がる。 その中に項羽と劉邦がいた。 かつての大将軍の家柄を持ち、戦での圧倒的な強さも持つ項羽と、 何もないが周りを引きつけるカリスマだけはある劉邦。 それぞれ違う境遇ながら、その対比がお互いを生き生きと見せる描き方になっている。 上巻では二人が本格的に立ち上がる所までを描いているが、二人以外の色々な人物像もとても面白い。 明らかにクズな人間や、不遇の人生を歩んだ人間。 悪政と反乱に恐れなければならない市民など。 酷い時代もあったんだなぁ、と不憫におもう。 文章の書き口が、淡々と事実描写を書いてるように見せて、人物の心の動きも感じることができる書き口であった。司馬遼太郎はすごい。 次巻も楽しみ。

    1
    投稿日: 2018.06.26
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    項羽による秦軍二十万の穴埋まで。戦国末期から楚漢戦争の時期まで(それ以後も?)大量虐殺が何度か起こっているはず。やはり食の問題と異民族問題か。この巻では項梁と劉邦が主に記述されている。やはり劉邦の魅力というのは文をつくしてもわかりにくくおもしろい。 登場人物から距離を取り続けているような文体は好みにあう。

    0
    投稿日: 2018.06.24
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    秦の始皇帝が亡くなるところから物語はスタート!劉邦より、項羽が中心に話が進んでいく。まだまだ俯瞰した時点での話なのでこれからどうなるのかが楽しみ。

    2
    投稿日: 2018.01.20
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    久しぶりの再読です。 上巻を読んだあたりで、違和感が。もっとダイナミックな話だったはずなのに、なんだか鳥瞰図が多く、妙に客観的な感じがします。しかし、振り返ってみれば上巻時点では主人公の劉邦はまだちらちら顔見せするくらいです。 中巻に入ったくらいから、いよいよ物語が地上に降りてきたようです。劉邦はもちろん軍師・張良、将軍・韓信、奇士・陳平など多彩な登場人物が生き生きと動き始めます。このあたりはやはり司馬遼の真骨頂というべきところです。 軍神とも言うべき項羽と、百戦百敗のくせに人を集めるのが得意で、常に頽勢を盛り返す劉邦。そういった人物像が鮮やかに描かれていきます。多少、解説がくどい感じもありますが。 劉邦寄りの視点で描かれ、劉邦が行った裏切りなどはサラリと流した感じはありますが、そのほうが物語としては面白いのです。 やっぱり、司馬遼です。

    0
    投稿日: 2017.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。 前漢の創始者・劉邦と、あと一歩で天下を逃した楚王・項羽の戦いを軸に、人々の様々な生き方や、他者(あるいは自分以外の世界)との関わり方を描き出す歴史小説。 本筋、脇道、どこを切り取っても読み応えがあって面白い小説だけれど、上巻で特に印象深いのは劉邦の素性が語られる段。武も智も財もない男、もっと言えば、字(あざな)も名前さえ持たないような男が、何故か人々の中心になり、押し上げられ、ついには皇帝になっていく姿が、説得力をもって描写され始める。何の能もないがゆえに、「自分が助けてやらねば」と人々に思わせてしまう男、それも、胸を締めつけられるほど切実に、そう思わせてしまうほどの可愛げを持った男として、劉邦は描かれる。 それは魅力とか人望といった言葉では足りないほどの凄まじいことだけれど、もちろん天下への道行は平らかではなく、苦難が続く展開に、何度読んでも、わくわくしながら先を読み進めてしまう。

    0
    投稿日: 2017.09.27
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    実は初の司馬遼太郎。 司馬遼太郎は虚構をいかにも史実のように描くと聞いたことがあったのですが、たしかにその言葉に納得できました。 書き方がドキュメンタリー風な上に、文体が力強い。 作品ごとに虚構の入れ方が違うそうですが、人物の造形などは司馬遼太郎が作ったものだろうと思います。 劉邦がなぜかくも男性にモテるのか? それは可愛げがあるからである、という解釈が面白い。 項羽の人柄にしても、気品と豪傑さと激しさを持ち合わせた魅力的な人物に仕立てていて、この項羽と劉邦がいかに戦うのか興味が持てました。 横山光輝の漫画を先に読み始めていたので、視点も描き方も違うと感じました。 どちらかとうと、わかりやすい横山光輝版のほうが好きなのですが、一癖ある司馬遼太郎の文が妙に色気があって、内容うんぬんよりも文章と人物造形が興味深くて読み続けられました。 「史記」の面白さ、想像力を刺激する文学性の高さを改めて感じます。

    2
    投稿日: 2017.09.19
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    海外旅行の帰りの飛行機で必ず読む愛読書。おかえり、日本。司馬遼太郎の語り口、ただのおっさんだけど憎めない劉邦と激しい青年のままの項羽。

    0
    投稿日: 2017.07.22
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    ◆◇◆全く違う2人のリーダーの話◆◇◆ 20代の頃、お世話になった方に「幕末の小説を読んだらいい、いろいろな見方が学べるから」と教えていただきま した。その時、手に取ったのが司馬遼太郎。彼の描く志士達はとても魅力的。夢中になって読み続けました。僕はそれから読書の楽しみを知ったので、その方と司馬遼太郎にはとても感謝しています。それから久しぶりに作者の作品を読みました。話がすぐに脱線して長くなってしまうところも相変わらずで懐かしく感じました。戦に勝ち続けた項羽が負け続けた劉邦に滅ぼされてしまうのはとても哀愁を感じます。ただ、それから彼が築いた漢はこれより前後あわせて400年も続いたことを考えると負けを知るという事がとても意味のあることに思えます。紀元前の豪傑たちがまるで生きているかのように中国の大地を疾走します。歴史小説、冒険活劇、ビジネス書としても素晴らしい作品。

    0
    投稿日: 2017.07.09
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    秦末の騒乱期の項羽と劉邦の戦いを項羽の死まで描いている。二人の人間像を深く掘り下げており、人徳とは何かを考えさせる。 また、二人を取り巻く重臣達にも多く触れている。私たちに馴染みのある話も多く、万人におすすめ。

    0
    投稿日: 2017.05.05
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    確か人生で3回目の司馬遼太郎の「項羽と劉邦」を読了。これは「関が原」、「空海の風景」と並んで最多。それぐらい読んでいる時期によって作品の捉え方が違い、異なる魅力を放ってくれるんだと思う。今回は、日々経営をしていてマネジメントについて考えさせられているのでその視点で読めておもしろかった。すなわち率先垂範型リーダーシップの権化のような項羽(とその部下も似たような率先垂範で卓抜とした能力を持つものが集まりがち)と、フォロワーシップ型というか自分では大したことはできず"人をして成果を出し得る"型リーダシップの典型である劉邦(とその部下たちも比較的人と人との能力の補完関係を重視する者が多い)との大激突の物語と読み解くと新しい視座が得られた。項羽は自分の能力と美意識に恃むところが強く、自らが百戦しては必ず勝つがその勝利は自分の周りに限定的であり、大局において領土は縮小し続けていった。つまりは事業全般を自分のマイクロマネジメントで統制し続けるため、規模がでない。また、美意識が強すぎるため人の選り好みが激しく、身内への過剰な愛情深さも相まって、献策などをする多種多様な人材を用いることが少なく、そういった人物達の生育環境を自らなくしてしまった。 他方、劉邦は筆者が"生まれたままの中国人"と表現しているように、欲のみが深く行儀も悪く、際立った能力も持ち得なかった。ただ、持ち前の立派な体格と性格的明るさ、気前の良さ、無能力であることを自覚しているが故に知恵者の献策を虚心坦懐で聞いては用いる度量の広さで、項羽との局地戦では負け続けるが、周りのものの活躍によりなぜか領土は拡大していく。それだけの人材が居心地よく活躍できる生育環境が蕭何ら側近の計らいもあって充実していたと言える。 これは現代の企業経営における人財の活用と権限委譲(と報酬)というテーマがまったくあてはまるように思える。 もう一つ、局所の戦術的勝利と大局の戦略的勝利との対比というか、戦いにおいてどちらがどう作用するのかがこの物語を通じてよく理解できるように思える。項羽は常に率先垂範で全戦全勝。ただ、それは目の前の自分の戦いだけのことであり、人を信じて任せることが不得意であった為、周辺の王に裏切られ、領土は削られ、ついには四面楚歌となる。劉邦は戦えばほぼ負け、逃げ続けるのだが、常に肢体を強敵項羽の前にさらし続ける勇気があり、結果としてそれが項羽を劉邦の前に張り付けさせることにつながり、背後の別働隊の大胆な戦略的展開を可能にした。また、韓信、彭越などの異才を大度と気前の良さでよく御して戦略的翼を極大に広げることができた。もっとも劉邦が積極的に大度であったというよりかは、張良、陳平らの謀臣の意見をよく受け入れたということであり、劉邦は究極的には「人の意見と人を受け入れる天才」ということなのかもしれない。 張良は劉邦の天下取り(逆に言うと滅亡)の急所に差し掛かった時に「陛下は広大な徳を持たれるが故に天下の半ばは陛下を慕い、本来ゆるされるはずのないかつての叛将もふだつきの悪党といわれた男も、陛下の元で安んじて働いております」と劉邦の唯一に近い良い点を褒めているが、即ち現代でもこの要素は十分に重要かと思える。いやあ、今回も読んで勉強になったなぁー。

    0
    投稿日: 2017.03.31
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    約10年ぶりに読んだ『項羽と劉邦』。10年前にどんな気持ちで読んだかはほとんど思い出せないが、改めて思ったことは、スケールがでかい!!  例えば、3万人の軍勢と聞いてどう感じるか?日本では大軍だが、中国史では「たったの」3万人と表現される。・・・という思いは上中下巻通して思ったこと。 上巻では「秦」の滅亡と、項羽、劉邦らの活動開始時期が主な内容。『平家物語』の冒頭でも悪人代表として取り上げられている趙高の悪人ぶりは半端ではない。始皇帝の死を隠し、自分の邪魔になりそうな嫡男や将軍、宰相を次々と始末。その悪さには恐れいる。悪のスケールもでかい。 人名が変換で出てこないのが厄介だ。もうこの辺にしておく。

    0
    投稿日: 2016.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

     項羽と劉邦の物語をキャラクターからキャラクターへと焦点をつないでいく形で描かれる小説です。出てくるキャラクターが非常に魅力的で,歴史の結果は知っているにもかかわらず,先が気になって仕方がありません。  初めて呼んだときに特に印象的だったのは,章邯。こんなに優秀な人だったのに・・・という思いを抱きます。

    0
    投稿日: 2016.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    沼沢に囲まれた田園地帯で古代的雰囲気(古代だけど)のなかで、ハングレの劉邦は仲間にかつぎ上げられて反乱を起こす。 前後して、年若の項羽も上海よりずっと南の方でやはり反乱を起こす。 大抵、中国の王朝は反乱が起きて倒壊するが、この史実が記念すべき処女革命。 項羽は超絶無比に強かったけど、冴えない劉邦に日を追って追い越されて四面楚歌。 江南の滸で果てる。 司馬先生の作品領域で唯一の中華史長編。 中華史でもその後の漢民族にとっての性格基礎や民俗、教育概念に影響を与えた劉邦の重要性は大きい。 現代中国人のほとんどは自らを漢族と呼ぶが、劉邦の建国した帝国を漢というくらいだから。 太古の中国農村に劉邦は生まれた。 日本の稲作田園風景、草深さと土臭さのルーツが古代の中国にはありそうだと読んでいて感じる。

    0
    投稿日: 2016.02.25
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    中国で初めて統一国家を実現した秦は、王ではなく法律で統治されたんですね。 今でこそ法治国家は当たり前ですけど、当時の人は王や貴族による支配感が根強く残っていたのでしょう。 秦が倒れる時に、出てくる人物の豪傑さ、狡猾さ、スケール感が半端なく魅力的です。 続巻が楽しみです。

    3
    投稿日: 2015.12.21
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    有能なリーダーと無能なリーダー、そんな対照的な二人の闘いの物語。 ずっと読みたかったものでついに念願を果たす時がきた。 さて、武人のエリートのような項羽が、ごろつきあがりのろくでなしである劉邦に苦しめられる。 楚漢戦争はこのはっきりとした構図がすごく面白いのですが、その構図は、上巻ではまだ両者が「秦を倒す」という目的を持った同じ陣営の中にいるため、まだ現れません。 ただ、項羽と劉邦、両者の違いを印象付ける描写はいろいろでてきます。 たとえば、同じ軍の中にいても項羽が率いる軍は華やかで強く、一方、劉邦の軍は地味で弱い。 でも劉邦の軍がいるからこそ、項羽の軍や項羽その人の威厳が保たれる、というシーンがありました。 イケメンとブサイク(あるいは美人とおブスちゃん)の友達どうしにも、同じ現象が起きますよね。 優れているほうの魅力が、劣っているほうがいるからこそ映えるという自然の摂理です。 項羽と劉邦は後に天下を争うライバルになるわけだけれど、この時点では、名コンビと言えるんじゃないかと思います。 上巻は言うまでもなく項羽の活躍が目立ちます。 かわいそうなことに、劉邦は彼の活躍の陰に隠れてしまっています。 ところが歴史の勝利者はというと、この劉邦なのだから、楚漢は本当に面白いですね。 項羽には申し訳ないけれど、項羽が勝っていたとしたら、この時代の話はそんなに面白くないんじゃないかと考えています。 ちなみに項羽と劉邦が強烈すぎて霞んでいる感は否めないですが、他にも面白い登場人物が出てきます。 劉邦はバカだってはっきりわかってるのにその援助をしてしまう蕭何さんとか、秦最後の名将軍・章邯さんとか、外道すぎて笑えてくる秦の奸物・趙高さんとか。

    2
    投稿日: 2015.09.13
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    紀元前の中国が舞台です。 万里の長城を作った秦の始皇帝。その始皇帝の晩年、そして死から始まります。 紀元前です。すごいですねえ。 司馬遼太郎さんと言えば、戦国時代と幕末が大看板なんですが、16世紀や19世紀の日本から、一気に紀元前の中国。 司馬遷という人が書いた「史記」という本が、紀元前90年あたりです。 その「史記」が大いに取り上げている、紀元前200年あたりの 「秦の始皇帝亡き後の、項羽と劉邦の争い」 を、司馬遼太郎さんが描きます。 もともと、「司馬遷に遼(はるか)に及ばず」という意味で「司馬遼太郎」というペンネームだそうです。 そんな司馬さんが、本家司馬遷に挑んだ、とも言えるこの小説。 時代背景を平易な言葉で楽しませて。 キャラクターの男臭い魅力が何人も炸裂。 ユーモアと皮肉の俯瞰な語り口。 一方で講談的な力強い物語。 「司馬遼節」が縦横無尽の傑作です。 今回は、恐らく25年以上ぶりくらいの再読。 前回読んだ時も、とにかく夢中に愉しんだことだけを覚えています。 紀元前。中国。秦の始皇帝。 日本人から見ると、腰抜けなスケールの王朝。 始皇帝の病死。側近の陰謀。帝国の腐敗。 もう、この入口からたまらないワクワク感でした。 秦という帝国の崩壊が描かれる、文庫版の上巻。 混沌とワイルドさの紀元前中国社会に、雨後の筍のように這い出てくる乱世の男たち。 百姓上りの犯罪ごろつきの劉邦。不思議な人間的寛容さと、人望を持っています。 地方の名家の血筋、項羽。頭抜けた武勇を誇る、超人的な武将。 このふたりの運命的な好対照。 このふたりの人となりを描きつつ。 項羽が事実上、秦帝国を崩壊させる痛快極まりない大戦闘。 7万の手勢で20万を超える大軍を打ち破る。 その描き方は、冗長でもなくあっさりと、しかしサスガの興奮ものです。 と、思ったら、その項羽が20万人の捕虜をイッキに虐殺するという…これまた開いた口がふさがらない衝撃で、中巻へ。 もう、とにかく、中国史がどうこうとか、そういう小理屈を超えています。エンターテイメント。たまりません。 そんな怒涛の中に、司馬遼太郎さんは執拗に 「今の日本人の常識とどこが違うのか」 という視点で語ってくれます。 わかりやすい。 実に読み易い。 加えて、「馬鹿」という言葉の語源の逸話が語られたり。 「関東」「関西」という言葉の語源がわかったり。 「へーなるほど」まで、全部乗せのゼイタクさ。 一方で、どれだけ近世までの日本が、中国の知性の影響下にあったのか。遙か山なみを望む想いですね。 こういう形で中国の歴史を素材にした本が読める。 僕たちの母国語で読める。 日本人で良かったなあ、と、足取りも軽く中巻へ。 電車に乗っていられる時間が愉しみでたまりません。

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    投稿日: 2015.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ――智は大切なものだ。 項羽は、范増をからかうようにいったことがある。 ――ただし智というのは事後処理に役立つだけで、勝敗そのものに役立つわけではない。と頭から信じているようであった。 項羽のこの気力に対する信仰は、彼を教えた項梁からひきついだものでないことは、項梁がむしろ智者の煩わしさを持っていたことでも察せられる。項羽はどうしようもなく項羽そのものであった。項羽の武人としてのすべては天性というほかない。しかもかれのおもしろさは自分の天性に対し、他とくらべてのひるみもうしろめたさも持たず、むしろ楚人一般が鬼神を信ずること甚だしいように、かれ自身、ごく自然に自分の天性の中に鬼神を見ているということであった。見る以上の自然さでそれを信じ、あるいは信じていることすら気づかないほどに項羽が項羽として天地の間に存在しているというぐあいで、范増の人間分類の方法では、こういう人間をどうあつかっていいのか、いっそ人間の範疇の外に置くか、ともかくも戸惑ってしまう。(まあ、小僧なのだ)范増はそのように自分に言いきかせて、項羽との接点を強いて仮設している。(わしがたすけてやらねば、どう仕様もあるまい)

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    投稿日: 2015.06.30
  • 三国志自体が創作小説

    孔明という人物が実在したのは確認されているが、事実は軍師ではなく裕福な家の出の薄学ものだったようである。 この手の本を読むときには、まず他国の文化・歴史の背景をよくよく理解してから読むことをお勧めしたい。 そもそも支那では歴史捏造をする学問すらある。偽史は伝統文化なのである。 つまり、支那が正しい歴史認識と銘打つものは、すべてが捏造された歴史と考えるのが正解だ。 捏造されたものだから「正しい」と言い張る必要があるのだ。 さらにもう一つ、支那社会が人間不信も社会ということがある。 だから偽史、すなわちニセの歴史が非常に流行った。 支那では有史以来、歴史を書くことを経国の大事としてきた国であり、経典の偽造や歴史の捏造文化は伝統なのである。 2000年前以上の支那初の経典とされる「尚書」についても、すでに漢の時代から 「今文尚書」と「古文尚書」の真偽をめぐる論争が延々と続いている。 この古文今文論争は清の時代に閻若璩(えんじゃくきょ)という有名な考書学者が、孔子の11世の孫が古文尚書を偽造したことを 理路整然と論証して偽作であることを証明した。 このように、歴史や経典の偽造、捏造を専門とに考証・研究する考証学や弁偽学が確立され、これが支那の経史研究の入門とされているほどだ。 「偽書通考」等でも、1104部もの偽書を非常に明快に証明してみせている。

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    投稿日: 2015.05.05
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    北方謙三の 三国志を読んだ勢いで 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』を読み始めた。 北方謙三的な 活劇 の部分は 抑制されていて、 その時代背景を掘り下げていく 方法は なかなか、なじめないものがあった。 物語は 躍動的であるはずなのだが、 どうも、訳知りの知識者が 語っているようで、 入り込めない。 劉邦が 何となく、かわいいが、イメージは 竜馬に 似ている感じがする。 無頼な所もあって、人を惹き付ける魅力がある。 項羽は たしかに 武闘派で 背も高く 闘いのチカラもあるが、どうも、活躍する場面が 戦闘の場のシーンはおさえられている。 それにしても、生き埋めや 20万人の虐殺など スケールは やはり大きいと言えそうだ。 この上巻の 中心人物は 宦官である趙高 だろうね。 理想をもち あやつり そして 自分の権力を 誇示し、中枢となる。 しかし、戦が よくわからないことが 致命的で、 情報は、集中し、集約するが、その価値は良くわからない。 それに操られる 始皇帝の息子 胡亥。 優秀なる 将軍 章邯は、陳勝の 手紙に心をゆさぶられる。 範増が 不思議な老人で 戦略家 というのが いいねぇ。この老人の活躍が 物語を支える。

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    投稿日: 2015.04.06
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     これは面白いですね。  人を率いるのがどういう人間か、組織の中でリーダーはどう振舞うべきか、リーダーでなければどういう役割があるのか。  戦略論として、弱者はどう戦うべきなのか、強者は。  いろんな示唆に富んでいます。  紀元前の昔に、何十万人もの人間を一人が率いていたというのは、にわかには信じがたいですが・・・。個人的には、周りの人間や組織を見ると、数百人でも治めるのは大変でしょうから。  それと、司馬遼太郎はものすごいですね。なんでそんな昔のこと、知っているの? 見てきたの?とまるで子供のような感想が出てきます。

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    投稿日: 2015.03.30
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    司馬さんが書くお話は、読者がひとり物語の中に入り込むのではなくて、淡々と語る司馬遼太郎という語り手の講釈に私たちが耳を傾けている…という感じを受ける。それがイマイチ苦手だったのだけど、なんでだろう。本作はわりとのめり込んで読んでしまう。 項羽のかっこよさが際立つ上巻だったけど、語り手・司馬遼太郎により、どこか脆さや崩壊の予感が匂わされている。ここから劉邦がかっこよくなってくるとのことなので、楽しみ!今のところ全然かっこよくないぞ劉邦〜

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    投稿日: 2015.01.30
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    今、CSでドラマを放送していてそれが面白く、司馬先生が項羽と劉邦の本を出していると知って、早速読んでみた。上巻だからまだそんなに物語は動いていないけれど、紀元前に国盗り合戦や国を統一して立憲君主制を取った中国って、すごい!続きが楽しみ。

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    投稿日: 2015.01.02
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    紀元前3世紀末の中国で起こった楚漢戦争が題材。ごろつき同然だった劉邦がいかにして猛将項羽を倒して前漢の初代皇帝になったのか。大勢の登場人物による争いに次ぐ争いが描かれるが、丁寧な記述のおかげで混乱することなく読み進められる。 上巻では、中国を統一した秦の始皇帝の圧政とその影響、そして始皇帝亡きあとに勃発する反乱の様子が克明に記されている。それにしても、20万人もの兵士を一夜にして穴埋して虐殺するなんて。戦いに負けることの恐ろしさ、非情さに身震いが止まらない。

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    投稿日: 2014.12.25
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    やっぱり、小説家ってすごいな、と思わされた。 項羽や劉邦がどんな弱みがあって、どんな人間的な魅力があったかが伝わってくる。 たとえそれが司馬遼太郎の個人的な解釈であったとしても、やはり興味は尽きない。 趙高の暗躍で秦が滅んだことも、これまでに学者の本で読んでいると思う。 でも、「小説」として読んだ今回の方がずっとそれぞれの姿が頭に残った。 そう、この作品は、まだ「小説」的に楽しめる。 小説か、論文か、エッセイか・・・?と戸惑ってしまう「空海の風景」とは様子が少し違う。

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    投稿日: 2014.10.21
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    自身無双を誇り、その軍も当たるところ敵なしだったにも関わらず、最後には滅びてしまった項羽。一方で、何度も敗走を繰り返しながらも、最後には天下を取った劉邦。 結局、強さだけでは駄目で、もっと別な力(魅力)が必要。

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    投稿日: 2014.10.13
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    大阪外国語大学卒業生、『言葉』の説明、それが人々にどのように浸透していったか、どのような思いで人々が口にしたかをとても丁寧に書いています。 秦の始皇帝からその裏にいた人物、秦を倒そうとした人、それに乗っかろうとした人まで描写も上手く、感情移入したり、好きになったりできる人物が1人はできます。 私は沛の村の人々が好きでした。 章邯のこと、それまで好きになれなかったのに、上巻最後の 「章邯の心をにわかな悲しみが襲い、しばらく少女のように泣いた。」 で一緒に泣きそうになりました。 司馬さんの人に対する愛情の表れでしょうか。 中巻で項羽と劉邦、その周りの人がどのように動くのか、楽しみです。

    0
    投稿日: 2014.06.02
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    「自分に仇なす者については、表面は笑顔でつきあっているが、相手の隙を見てひそかに復讐したりした。」 宦官は人間ではないと考えられた時代。その宦官が陰謀を巡らし、秦を乗っ取ろうとするところから話が始まる。 項羽、項梁、章邯、劉邦が活躍した。 劉邦、項羽ともに若い頃から周囲を魅了する力を持ち、それが時の流れとともに磨かれていく。当時の英雄は、流民の食欲を満たせるものであり、それができないとただの人に転落する。

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    投稿日: 2014.05.25
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    秦の始皇帝没後の混乱から話が始まり、項羽と劉邦という人物を中心に物語が動く。 中国史はほとんど知らないが、相変わらずの読みやすさ。

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    投稿日: 2014.03.22
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    秦の時代から漢の時代の間の中国の戦乱物語。 司馬遼太郎ものの典型で、史実から登場人物の言動を創作しているので それぞれの登場人物の言動にこれといった特色がなく、読み流して しまうと人物の印象がとても薄い。 また、地名と人名が中国の繁体字で書かれており、日本の漢字では 読めないものも多々ある中、これでもかと多種多様な人名、地名が 出てくるため、頭に入れずに読み流していくと、これは誰だっけ、 ここはどこだっけ、そもそも何て読むんだこれは、と字面を追うだ けのつらい読書となってしまうことは、過去に三国志を読んで経験済み。 で今回は名前をメモって、簡単な登場人物一覧を作成しつつ、中国地図 をプリントアウトして地名と位置を記入しながらの読書を行った。 その際、地図は地形がよくわかる地図をプリントすることで、戦略上 の行動理由がわかるようにした。関中がなぜ天嶮の要衝と呼ばれるか、 地形を見ればすぐわかるし、どこからどこへ移動して何kmくらいある のか、軍が移動するのに、さて、徒歩の時代にどれだけかかるのか、 など想像しながら読むことで、その頃の時間感覚などが想像され、 なかなか面白かった。 自身は際立った能力はないが部下の才を用いることに長けた劉邦と、自身 の軍事における才が際立ってなんでも自分でやれる項羽の対照的な組織 運用が、組織論でビジネス書などで話題に上がるらしいが、大会社内では 適用できる話ではないと思った。 大会社では課長や部長、部門長になってもその上にはさらに上がおり、 子会社にいたってはさらに本社があり、ピラミッド構造の大きさには 嫌気がさす程だが、そんな中、大多数の人がなりうるのは結局中間管理職 でしかなく、その中間管理職が項羽か、劉邦か、などと論じても意味がな いと思うからである。強いて言うなら、我々は皆劉邦と項羽の側近・策士 といった役割であることを認識すべきであろう。 背水の陣や、四面楚歌のエピソードも出ていた。何より驚いたのが、 検索すると関連する遺跡が中国に存在すること。紀元前の話だというのに。 中国の環境問題とか、反日もあるけれど、そういう遺跡は観光してみたいな。

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    投稿日: 2013.11.29
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    始皇帝の死後、秦打倒を旗印に多くの男達が天下の覇を争った。 この物語は、孤高の軍神項羽と、人間味溢れる親分劉邦の二人を中心に進む。 そして二人の英雄の決着が着いた場面で物語は終わる。 漢を起こした劉邦は、中国で「典型的な中国人」と言われているそうだ。 ということは中国人自身がこうありたいと願う理想像なのだろうか。 そうだとすると中国人に親しみを感じる。 作中の劉邦は魅力的な男だからだ。 何せぐうたらで女好きで、学もなければ軍才もない、ごろつきの親分だったそうだ。 ただ、劉邦がいるだけで場が盛り上がり、いなくなると途端に白けるとある。 戦では全く役に立たないが、ただ親分として必ず前線に立った。 戦略も方針もないが、人の話は腰を折らずに素直に最後まで聞き実践した。 常に自然体で、空気に溶け込んでいるというか大地と一体のような大きさを感じた。 様々な登場人物に、読者は自分を投影できると解説にあった。 確かに項羽にも劉邦にも、似ている処を感じ満更でもない気になってしまった。 しかし何と言っても、いつも劉邦のような心持になれれば人生素晴らしいだろうと思った。 作中の薀蓄が楽しかった。 例えば、呉服とは、この時代の呉の服飾様式が日本に伝わったものだそうだ。 この知的好奇心のくすぐりが司馬遼太郎作品の隠し味なのだろうか。

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    投稿日: 2013.11.15
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    秦の始皇帝の死後、陳勝・呉広の一揆から再び大乱の時代に入り 楚の項羽が秦の章邯将軍を降すまで。 猛将・項羽と、ごろつき上がりの劉邦の対比 一癖も二癖もある参謀たちの思惑など、おもしろい。 中巻へ。

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    投稿日: 2013.10.21
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    レビューというより方針。 自分はまだ歴史好きとは言えない。全く知識が足りないから。とはいっても、歴史の教科書のような本を読み続けるほどの好奇心も忍耐もない。 だから、小説で主要人物への興味と軽い知識、アウトラインを得てから史記などを読んでいこうと思う。

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    投稿日: 2013.10.15
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    生活が大きくがらっと変わるこの節目の時期に、また読み直してみた。 秦帝国はそれなりに魅力のあるものだと思うが、老いた始皇帝とともに、滅びるべくしてほろんでいく様子が、やはり滑稽でさびしい。 革命によって滅びる側も滅ぼす側も、その後の中国史の見本・典型となるのだけれど、それぞれ初々しく(?)慣れていない有様なのが、これまた滑稽かつさびしい。 しかし、出てくる人物がどれもみな魅力的で、こういう事跡を遺してくれた司馬遷ほか中国の史家・史書に感謝せねば。

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    投稿日: 2013.10.12
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    https://yasu-san.hatenadiary.org/entry/20100920/1284973587 嬉しいことに、上の息子が「読みたい」と言ってくれました。

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    投稿日: 2013.09.08
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    秦始皇帝の死去を契機に、陳勝・呉広の隆起により一気に乱世に突入する。日本とは違う中国独特の形式主義や立身出世が興味深い。 本書は参謀たちの立ち回りが面白い。項羽と范増、劉邦と蕭何、胡亥と趙高、章邯と欣。将に優るとも劣らない個性で、各々の謀略を展開していく。項羽は、武に長け魅力も兼ね備えた、いわゆる完璧なリーダー像。対して劉邦は、不思議なカリスマ性を持ちながらも、盗賊崩れで武にも智にも弱い。しかし人には寛大。普通に考えれば名実ともに項羽が天下を治めるべきであろう。しかし実際には劉邦が天下を治めた。終盤の、新安での秦兵二十万の阬(あなうめ)から変化の潮目を感じる。 蕭何が劉邦の中に見出し、漢の高祖にまでなった、項羽に無かったものは何だったのか。中下巻を楽しみである。

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    投稿日: 2013.08.11
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    上巻だからか、説明が多くて登場人物も多くて、結構頭を使ってなかなか進まなかったけれど、中巻にかけてとてもおもしろくなっていった。 秦とか漢とか、昔歴史で習ったな~というくらいの薄い知識だったけど、 秦がどのように滅んだのかとかが書いてあって、添付の地図をみながら読み進めた。 もともと項羽と劉邦は、教科書に一部乗っていたような気がして、読んでみようと思ったけど、人物描写が面白くて先が気になる。

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    投稿日: 2013.06.30
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    上巻読了。 秦始皇帝の死後、天下が再び混乱に陥り、その中で劉邦と項羽が頭角を現す。中巻以降、性格の異なる二人が、どのようなリーダーシップを発揮していくのか楽しみ。

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    投稿日: 2013.04.29
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    淡々と綴られているようで意外とゴリゴリ主観の入るつかさうま先生 の本です。やっぱりなんか中国史は色気があっていいですよね。 まあ一番色気があるのは峰不二子なんでくぁwせdrftgyふじこlp

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    投稿日: 2013.04.24
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    陳勝・呉広の乱から秦の滅亡、各地の反乱を描く。 叔父を扶けて実力を発揮していく項羽とは対照的に、劉邦は本当にどうしようもない感じがする。この本だけを見ると、項羽とその叔父が天下を治めそうな気すらする。

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    投稿日: 2013.04.09
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    偉人をくだらない人間として上から目線で書きたがる司馬遼太郎の本領発揮というべき書。今の支那を見ていると、兵の人数までもかなり誇張されているのだろうと感じるし、結局支那文明と言うものの、民度は低く、殺し合いの歴史があるだけで何も尊敬できるものがないと改めて感じさせられる。あとがきにある日本に稲作が伝わった頃という記載は完全に間違い。

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    投稿日: 2013.02.20
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    本宮ひろしさんのマンガ「赤龍王」のイメージが強すぎて、イマイチ入りこめませんでした。読んでから大分経つので、あらためて読み直してみたい小説です。

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    投稿日: 2013.01.05
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    氏の代表作である『坂の上の雲』は歴史考察の頁があまりに詳しすぎて、正直読むのが辛かったですが、こちらはちょうどいい感じで、薀蓄を蓄えられつつストーリーを楽しむことができました。 志が云々、などではなく、ただただ己が「食うため」に首領に集まるという、その動機が却って読んでいるほうも親しみが持てますな。

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    投稿日: 2012.11.01
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    始皇帝が築いた大帝国秦は、農民反乱をきっかけに沸き起こった反乱によってあっけなく崩壊した。秦の滅亡から項羽と劉邦の激戦を経て漢帝国の建設に至る歴史絵巻を、臨場感豊かに描き出す。 私は人生に必要なことの多くをこの作品に学んだと言ってよいほど、影響を受けた。中学生の時に出会って以来、何度となく読み返している。人の上に立つ人物の器とは何か、人生を何かの目的のために研ぎ澄ませてゆくこと、才能に恵まれた人の陥る罠。魅力的な登場人物にはこと欠かない。中でも特に気に入っている人物は韓信。自らに宿った巨大な才能を、この世で試すためだけにあったような生涯は、結局悲劇で終わるしかなかったが、鮮烈なイメージを残した。

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    投稿日: 2012.10.25
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    長らく積読状態だったが、読了。 以前に読んだときは、それほど物語に入り込めなかったが、 再度読もうと思ったきっかけは「キングダム」。 ・キングダム:秦(始皇帝)が中華を統一  (どこまで続くかはわかりませんが) ・項羽と劉邦:秦滅亡(始皇帝の死)から漢建国 という流れで、とっかかりやすかった。 「始皇帝」の描かれ方は全然違うのでおもしろいし、「蒙恬」、「李斯」 、「趙高」が登場し、どういう最後なのかが分かってしまう。 項羽と劉邦が終わったら、再度、三国志(漢滅亡)を読めば楽しめそう。これだから本を読むのはやめられない。

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    投稿日: 2012.10.04
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    人望を得るということに関して、何が大事なのか深く考えることのできる小説。愛嬌も、大事なもののひとつと感じました。また項羽と劉邦がどう決着をつけるのか、宿命の二人の対決にはらはらしながら読みました。

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    投稿日: 2012.08.25
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    登場人物がイキイキと描かれていて、本当に過去の中国にいるかのよう。 項羽や虞美人の描写があまりにも人間味溢れて哀愁を誘う。 司馬遼太郎の歴史作品をもっと読みたくなった。

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    投稿日: 2012.08.25
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    この作家の作品のなかで初めて読んだのがこれ。 内容的なおもしろさはもちろんですが、こういうスタンスの歴史の本もアリなんだな、って衝撃を受けた作品でもあります。

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    投稿日: 2012.07.21
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    ぼんやり中国史に興味を持った所(主にジョン・ウーとK○EIの陰謀で)、司馬遼がこんなのを書いていた事を発見し、さっそく購入して読みました。わかりやすい私だ。 中国と言う国は本当に大きくて、へんな話ですけど飢饉の規模も日本とは大違いだなあ……と思う次第。「自分の所に喰うために転がり込んできた集団にちゃんと飯を喰わせられるのがいい大将」と言う考え方が面白かったです。日本てやっぱりそのへん豊かなんですね。食い物と言う点では。気候もいいし。

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    投稿日: 2012.06.17
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    読み終わってしばらくして、ふと 「銀河英雄伝説」の元ネタって、もしかして?とか思いましたw 2大英雄 ─ 片や常勝の豪傑にして恐怖の専制君主、片や負け戦ばかりのクセに愛されるキャラクターで何だかんだと逃げ延びるサバイバルの天才。 2人は両極端でありながら、どちらも人を惹き付けてやまず、やり方や結果は違えども、“この将の為ならば命を賭してお仕えしよう” という気にさせる人たらしの天才♪ 無論、項羽は恐怖によって、劉邦はその情けない程の弱さと人懐こさによって。 これが、なんとなく銀河英雄伝説の2人の主人公とダブって見えてきました。自分は“ヤン・ウェンリー”派なのですが、そのセイだったのかどうか、この作品でもしっかりと “劉邦” を応援していたわけですw 英雄、相並び立たず。余りにも有名な史実ですが、自分はこの作品を読むまで勝敗の最終結果を知らなかったので (世界史は超苦手な科目でしたw) 、より純粋に楽しめたと思います。 日本に限らず、どこの国であろうとも、戦国時代というのは壮絶に激しく命を散らすのが常であり、異常な程の残虐行為も人種・地域を問わずどこででも起こっていた。人の命の重さが、安定した平和な時代とは雲泥の差で、とにかく軽い、軽すぎる… 戦国の世においては、それが当たり前になってしまうのだ、という描写を淡々と積み重ねていくところが、恐ろしくリアルです。 歴史物として、英雄譚として、まさに傑作だと思います♪

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    投稿日: 2012.06.08
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    以前、テレビの人形劇で感激したのを覚えてます。いつかちゃんと読もうと思っていて、なかなか読めなかったのですが、やっと読めました。すごくよかった!項羽と劉邦の性格・人となりなど、2000年以上も前のことでも、今と何らかわりなく伝わってきました。中国ならではの文明の有り様も、納得的です。

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    投稿日: 2012.05.16
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    カバーが擦り切れる程読みました。(何処かに置き忘れ買い直しました。) 劉邦・項羽を始め登場人物が皆、生き生きしています。 司馬遼作品MYtop3の一つです。

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    投稿日: 2012.02.23
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    高校生のころ、祖父の家にあった茶色くなるまで日焼けした本が、やけに気になり手に取ったのが「項羽と劉邦」でした。 とてつもなく弱いが、その分人の意見をよく聞いた劉邦が、 ありえないほど強いが、それゆえ人の意見をまるで聞かない項羽に 百回負けつつ、何度となくあきらめつつも、最終的には皇帝になるという、おとぎ話のような本当の話です。 もう10年近く、大げさでなく何百回も読んだ本です。 読むたび力がわいてきます。

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    投稿日: 2012.02.19
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    全三巻。 そもそも司馬遼太郎という筆名は「司馬遷に遼に及ばざる者」を由来としているが、その筆者が、司馬遷によって編纂された大歴史書「史記」に記される「項羽と劉邦」を題材に筆を尽くす様は、どこか挑戦的で熱い意気込みを感じられてしまう。 …単なる考えすぎだけど。 歴史小説の妙手は、歴史の描き方を心得ている。 誰かが為に歴史が回るのではない。例え英雄であったとしても、歴史という壮大な動力機械の歯車でしかない。本書ではそういう描かれ方をしている。 だから時に登場人物の扱われ方が簡素で(重要人物の死ですら、たった一行で済まされる!)、彼らに心を奪われることは少ないのかもしれない。 といいながら、人物描写に乏しいわけではない。むしろ人物を多角的に捉えるという点では豊富で、例えば趙高といったいわゆる悪役も、その立場をよく理解したうえで描写されており、そういった人物描写の積み重ねが、多彩で奇異に富んだ群像劇を形作っている。 また、歴史的背景や当時の生活、様式、文化などの解説も、相変わらず緻密で申し分ない。 特に、王の役割を食の安定的確保と捉えた解説は、その後の展開に一貫した根拠を与える素晴らしい洞察であり、筆者の卓越した歴史観を伺える。 こういった人物描写や解説の重なりが、歴史というドラマに壮大さや滑稽さをもたらし、──結論、 やっぱり歴史小説は、司馬遼太郎は面白い! さて、上巻は話の導入から、その波に呑まれてしまった。大陸は、やることが凄まじいねぇ… 前半部分はとりわけ趙高のえげつなさが光った。後半部分は項羽や劉邦を差し置いて、章邯の恰好良さに惹かれたが、その顛末をみると評価し直さざるを得ない… -中巻へ続く

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    投稿日: 2012.01.22
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    (1985.01.24読了)(1984.10.07購入) 内容紹介 amazon 紀元前3世紀末、秦の始皇帝は中国史上初の統一帝国を創出し戦国時代に終止符をうった。しかし彼の死後、秦の統制力は弱まり、陳勝・呉広の一揆がおこると、天下は再び大乱の時代に入る。――これは、沛のごろつき上がりの劉邦が、楚の猛将・項羽と天下を争って、百敗しつつもついに楚を破り漢帝国を樹立するまでをとおし、天下を制する“人望"とは何かをきわめつくした物語である。

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    投稿日: 2012.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これまで読んできた歴史小説などと違い、第三者の視点から物語を書いている。 なので、悪く言えば感情移入はしないが、とても冷静で勉強になる。 かといって事実を淡々と書いているわけでもなく、とても読みやすい。 この上巻では項羽の話がメインであったが、中巻以降の劉邦の活躍に期待をしたい。

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    投稿日: 2012.01.01
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    2011年最後の読書はこの本でした。 史記を読んだ後にこの本を読むと、 歴史の流れの中で、史記列伝のエピソードがどのような位置にある物語なのかがよくわかります。

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    投稿日: 2011.12.31
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    始皇帝が亡くなって、楚と漢が勃興するところが描かれている。項羽は立派な御曹司、劉邦は人気のある親父というところか。人の出入りが激しい。

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    投稿日: 2011.12.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    負けても負けても、謝り倒したり、逃げ延びては再起をはかり、 最後に一回だけ買った劉邦がすごいです。 ところで、劉邦の邦は兄の意味で、劉邦とは、劉さんちの兄ぃ程度の意味だそうです。

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    投稿日: 2011.12.19
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    自分で戦えば百戦百勝、英雄と言っていいやつ。自分では何もできず、気づいたら有能な人に助けられてどうにかこうにか逃げ回りつつ生きているやつ。この2人が争って、最後の最後、英雄は一敗して倒れ、人たらしが皇帝となり、また、狡兎死して走狗烹らる。 史実云々には詳しくないけど、三国志で言う、諸葛亮ひとりが(この場合は政治が)どれだけ優秀でも、それが逆に周りの成長を阻むのかなんなのか、勝利に終わらないというパターンに近いものを感じる。 項羽は呂布みたいな、単純・最強・粗暴butいいやつみたいな感じ。 こういう系の人ががんばる話、僕は非常に好きですが、「成功者」になるのはこれ系ではない模様。悲しいのう。

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    投稿日: 2011.12.01