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あなたの人生の物語
あなたの人生の物語
テッド・チャン、浅倉久志/早川書房
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総合評価

293件)
4.0
95
85
64
11
3
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    ハードSFに分類される本で、いくつかの短編からなります。 私は、この本から、一文読むたびに、「この文章を理解できるか?イメージできるか?」と試されているような感覚になりました。 読み終わったとき、本を読んだ者にしか到達できない読書体験ができます。一方で、読む資格があるかも試されます。(私はいくつかの短編は理解できず断念・・) まずは、読みやすい「バビロンの塔」だけでも。

    2
    投稿日: 2020.05.16
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    2020/05/11 読み終わった。 「折りたたみ北京」→「三体」→「息吹」からの「あなたの人生の物語」。このジャンルに慣れてきたからか、今までのこの系譜のSFの中では、落ち着いた気持ちで読んだ。 その中でも「理解」、「地獄とは神の不在なり」、「顔の美醜について」あたりが好み。「理解」の、既存言語が思考に追いつかないから新しい言語を作るところとか、グッとくる。 書題にもなっている「あなたの人生の物語」は映画にもなっている。俺は映画を先に見たけど、ヘプタポッドBがなんであんな形なのか、ヘプタポッドの思考方法とかについては、原作の方が詳しく理解できたと思う。 今まで、「高い城の男」、「タイタンの妖女」を買っては挫折してきたけど、ハヤカワSF文庫を開拓する時がついに来たかも。

    1
    投稿日: 2020.05.12
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    ヒューゴー賞やネビュラ賞を受賞したからと言って、それが自分にとってあまり意味がないこともある、ということを感じた、海外SFの中短編集だ。 一言でいうと、「観念的」。そこには独特の思想も感じられ、それが自分には合わないというか理解の外というか。 表題作は映画にもなっているようなので、映画はどのような解釈をしているのか、興味がなくもない。 なんにしても、理解や同調が難しくても、全編読みきったことに少なからず満足している。

    1
    投稿日: 2020.05.05
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    まず初めに、読了に苦労しました。 読み出してから一度挫折して、他の本を読んだあと、再挑戦。 脳をフル回転させて読むことで、ようやく読み終わったというのが、正直なところ。 確かに、濃厚な世界がそこにはあり、 まさに、SF的純文学が広がっている。 次に読むときは、すべてを順番に完読するのではなく、デスクで正体して1話づつ読む事にしよう。

    1
    投稿日: 2020.04.29
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    スケールの大きな世界を展開する凝縮された短編が並ぶ。SFというジャンルにとらわれない物語を楽しむことができる。聖書を日常的に読んでいる方にはもっと深い感銘があるのかもしれない。

    1
    投稿日: 2020.03.15
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    科学とか数学とかの知識がなさすぎて、短編集なのに読むのが時間かかったけど全部面白かった。本格派SF好きはもちろん、SFって宇宙とかの話ばかりで苦手だなーと思ってる人にもオススメ! 特に数学に弱くて「ゼロで割る」なんかは何回読んでもなかなか頭に入ってこなかったので悔しい…きっとその辺に強い人からしたらもっと面白いと感じられるんだろうな。「理解」も一度読んだだけでは理解できず自分の理解力のなさに切なくなったり…宇宙からのエイリアン襲来とかより、人間を超越した存在の話が好きなので、「人類科学の進化」で超人類なんて言葉が出てきたときはテンション上がった。 映画「メッセージ」を見てから原作を読みたいと思って軽い気持ちで読み始めたけど本当に1人の人が書いたのか…?と思うくらいそれぞれの話の世界観から設定から特徴が違うし濃いし、一冊の長編小説を読んだ時よりものすごい満足感を味わえる

    2
    投稿日: 2020.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『バビロンの塔』  中世の中央アジア文明における塔の話。リアルな描写とファンタジーのバランスが絶妙。 『理解』  超知性を獲得した男の、「アルジャーノンに花束を」のSF色を強くしたもの。超知性はあらゆる統一性を理解するという設定で、納得できる形で超能力にまでつなげており、アクションスリラーとしても楽しめる。 『ゼロで割る』  無矛盾性を持つ数論を用いてそれ自体の矛盾性を証明してしまう妻と、自負している共感性を用いて自身の共感性の欠如を感じてしまう夫の対称性が印象的。 『あなたの人生の物語』  科学を含む文明の進化の仕方は我々人類が持つものが唯一ではないというのと、他言語を理解することはその言語体系が有する概念を体得することに等しいというエッセンスが軸。映画版である「メッセージ」では物理的な事柄や言語学的部分は排除され、より個人の視点から描かれている。 『七十二文字』  産業革命の時代におけるイギリスでの言辞という技術における、AI、バイオテクノロジーによる社会変革の可能性の物語。 『人類科学の進化』  「ネイチャー」に掲載された超人類に対する人類の科学のあり方に対するメタフィクション。 『地獄とは神の不在なり』  天使の降臨が自然災害のように起こる世界におけるそれぞれの心情の変化と信仰のあり方。 『顔の美醜についてードキュメンタリー』  美醜失認処置の是非に対するそれぞれの立場の人間の意見とその変化。

    5
    投稿日: 2020.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    間違いなくSFなのだけど、他のSFと一線を画しているのは歴史や宗教学、人類学的な要素も取り入れて書かれているから。 現在から飛躍した宇宙的なものというよりは、科学技術と人間の関係性を極限まで予測考察したような。 とにかくとても面白かった。 リアルなのは人類科学の進化と顔の美醜の話、引き込まれたのは表題作。過去と現在の話がクロスしてるのかと思ったら、現在と未来だったのね…

    1
    投稿日: 2020.03.03
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    かなり評価が分かれる本だと思う 読みやすい訳ではないし、登場人物も急に名前が出てくることが多く誰?てなることが多い ただ読後感の良さは唯一無二と思う

    1
    投稿日: 2020.02.20
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    表題作「あなたの人生の物語」最後の1ページ、自分の中からさぁっとヘプタポッドが去っていく感覚とともに悲しみでもあり喜びでもあるような、というよりは悲しみや喜びのいずれでもないような、それでいて涙がこみ上げてくる不思議な感情を味わった。SFは誰もみたことのない世界との出会いだと思うが、それを単に文章による描写を超えて、文章そのもので再現しているという点で真にSF小説だと感じた。

    1
    投稿日: 2020.02.17
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    2017年に公開された映画「メッセージ」。パッケージデザインの神秘なイメージや広告等により是非見たいと思っていたが、原作「あなたの人生の物語」を先に手にした。まずは率直に淡々とそして静かに進むエイリアンとのコミュニケーションの解析をどのように映画として描かれているのか大変興味を持った。 映画にするには相当な脚本力がないと難しいと思ってしまった。 他、文明の夜明けの時代の中、天にも登る塔を建設する「バビロンの塔」や機械式人形にAIを組み込む「七十二文字」など古い時代設定に近未来の科学が交差する中短編全8作品

    1
    投稿日: 2020.02.07
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    短編集。表題作である「あなたの人生の物語」は映画『メッセージ』の原作。地球外生命体との"言葉"の理解を巡った、哲学書であると感じた。

    1
    投稿日: 2020.02.01
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    難解な専門的用語や設定も、何故かとても読みやすく物語に落とし込まれていて、割ととんでもない設定が日常と地続きに読めてしまった。こりゃおもしろいね。 『息吹』を読む前に、息子の蔵書から拝借。

    1
    投稿日: 2020.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    正月に書店に立ち寄ったところテッド・チャンなる作家の『息吹』というハードカバーが置かれていて、「知性の極限を追求した世界最高水準の作品集」などと帯に書かれているのが目についた。読んだことのない未知のSF小説家で、ちょっとこの帯の文句は大仰じゃないか、まあしかし、宣伝文句だからなあ。と半ば疑いつつも、とりあえずこの作家の最初の短篇集、本書『あなたの人生の物語』の文庫版を購入した。 ハードカバーの方はつい先月12月4日に邦訳により出版されたのだが、実はこのテッド・チャンは非常に寡作であるそうで、1990年にスタートした作家人生の中で、公表されたのはやっと短篇集2冊分だけであり、長篇は書いていないようだ。しかし発表してきたその僅かな短編のうちの多くはSF小説ジャンルでいろいろ受賞しているのが凄い。 著者はアメリカ人だが中国系2世なのでこの姓になっているとのこと。本業は「テクニカル・ライター」らしい。 本書を読んでみてかなり感銘を受けた。確かに素晴らしく知的であり、現代科学に裏付けられて現前したさまざまな空想は、人間の認識や知的体系の土台を覆すかのような衝撃を持っているのだ。 最初の「バビロンの塔」はボルヘス的な寓話かと思わせる象徴性を持っている。 次の「理解」が痺れたのだが、要するに知能の極度の進化によって異能となった人物の認識世界の変容をつづったもので、確かにこの知的描写は素晴らしい。 「あなたの人生の物語」は、エイリアンの異文化に接しその極めて異質な認識世界によって生み出された言語を地球の言語学者や物理学者が解読していく話であり、漸次的・通時的で、原因-結果の継起を主眼とした地球人の思考とは異なって、未来を含めたすべての事象が共時態において認識されるというエイリアンの認識方法がじわじわと地球人言語学者である主人公の内部で広がってゆくのが面白い。 この作品には言語学の幾つかの学説が出てくるが、私もたまたま読んでいた数冊の言語学関係本のおかげですぐ理解できた。そういう経験のない読者がどのようにそうした箇所を受け止めることが出来るかはわからない。 「地獄とは神の不在なり」はまた一転、キリスト教的な信仰の世界における神についての議論が軸となる宗教的な物語だ。 天使の顕現という奇跡が日常的に頻繁に起きるという点ではSF的な仮想世界ではあるが、これをSF小説と呼んでいいかは疑問を感じた。しかしこの作品はSF界でネビュラ賞、ヒューゴー賞、ローカス賞、星雲賞など各賞を総なめにしている。私にはこの短編の感触はヘルマン・ヘッセ風の無骨な物語に感じられた。 最後の「顔の美醜について」がなかなか愉快な傑作短編で、他人の顔についての美的判断が出来なくなるという薬物の是非をめぐって割れる世論が面白かった。確かに他人の(特に異性の)顔についての審美的判断というのは、我々の人生においてあまりにも重要視されすぎているんだな、という見地に立つことができた。 他にも面白い作品があり、もの凄く寡作なぶん、どれも極めて密度の高い仕上がりとなっている。 素晴らしいのは科学に裏付けられた知の躍動により世界観が変わってしまうような衝撃をこの短篇集が持っていることだ。 私がこれまで哲学・思想分野の書物を追いかけて来たのも、このような「衝撃」を求めてのことだった。 ただし、本書はあくまでもSF小説なので、哲学書とはぜんぜん違う構造を持っている。 ともあれ、このような傑出した小説集を、SF界という、けっこうマニアックなごく一部の読書人だけが知っているというのはもったいない。知的興奮を求めるすべての読書人が、いちどは読んでみるといいと思う。 私はもちろん『息吹』の方も読もうと考えている。

    1
    投稿日: 2020.01.11
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    ◆バビロンの塔 ネビュラ賞を受賞したデビュー作だそうです。聖書でおなじみのバベルの塔が題材。大気圏を突き抜けて月や太陽よりも高い(長い?)塔の建設の話。とても牧歌的な雰囲気のお話です。メビウスの輪…ですね…。 ◆理解 「アルジャーノンに花束を」みたいなお話。話が終わりに近づく頃には主人公がものすごく頭がよくて、おまけにもう1人主人公よりも頭の良い人物が出てきて…ついていけません。 ◆ゼロで割る 1=2を証明してしまった数学の教授を妻にもつ夫の話。探究心もほどほどにという事でしょうか。 ◆あなたの人生の物語 女性の一人称で語っているというのもあるのだろうけど…著者って男性よねと思わず名前をしげしげと見てしまった。ネビュラ賞受賞の表題作。 「見るため」「観察するため」に地球にやってきたエイリアンの言語を解読するうちに人生先取りととでもいうのかな、不思議な(?)体験をする女性の話。 ◆七十二文字 「鋼の錬金術師」か「スチーム・ボーイ」の世界でしたね。私の頭の中は。 人類科学の進化 スギモト遺伝子療法で超人類を可能にしたテクノロジーの話。短編じゃなくショート。 ◆地獄とは神の不在なり 天使が降臨し、様々な災厄や祝福をもたらす話。 これを読んでいる最中に「あなたは神を信じますか?」な方達の訪問を受けた。悔い改めよということか。なぜ私が複雑な顔で応対していたかは彼女達にとって永遠の謎だろう。えー、ウチは敬けんな浄土真宗の信者なので…と言ってお引取り願った。 ◆顔の美醜について-ドキュメンタリー ある大学で、カリー(美醜失認処置)を必要条件にしようとし、投票までのさまざまな論争を記録した話。恩田陸さんの「Q&A」を思い出した。 カリーを受けることによってものすごい美形もそうじゃない顔も全て平均化して見えてしまう。みんな一緒な顔に見えてしまうなんてつまんな~いよね。 2006年4月12日

    1
    投稿日: 2019.12.29
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    映画化されたことを知らずにチョイス、このあなたの人生の物語は読み終わった後にキーポイントに気づいた。映画見てみたい。他の作品もよかった。

    2
    投稿日: 2019.12.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あまりにも有名なタイトルなのでようやく。とはいえ「バビロンの塔」がいまいちだったのでそれと表題作だけです。 先に映画「メッセージ」も観ていたので読みやすかった、というかあの映画がかなり行間を補完していて優秀だったのだな、とわかったので、小説を先に読むか順番はともかく、両方触れておいて損はない。 光の振る舞いも規定している量子宇宙論の世界では時間は未来から過去に流れているという説もあるらしい。現代脳科学では人間に自由意志があるのかどうか、かなり危ぶまれているらしい。未来が決定されているのなら、我々の「選択」にはどんな意味があるのか。我々の尊厳についてどう考えればいいのか。 それについての1つの回答だと思いました。

    2
    投稿日: 2019.11.02
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    SF短編集。 映画「メッセージ」のなかなか深い世界観がよかったので、原作も読んでみようと思って。 著者はアメリカ人だが、中国系移民の子息だという。 著者のデビュー作でもあるらしい冒頭の「バビロンの塔」は、映画「メッセージ」とも近い、時空を極めて行くと元いたところに繋がっているというテーマか。太極(大いなる極みはつまり無窮に通じる)や陰陽(陽は陰を生み、陰はまた陽を生む)といった中国的思想を反映しているのかも。 表題作で、映画の原作となった「あなたの人生の物語」は、映画と違って(映画はやっぱりアクション要素も必要だろうしね)、過去・現在・未来がただそこにあるものとして描かれている。独特の寂寥感が意外と心地よかった。 一方、「名辞」で泥人形を操る(「七十二文字」)、天使(神)の実在(「地獄とは神の不在なり」)、美醜失認処置(「顔の美醜について」)など、著者独特の世界設定による作品は終止違和感があった、というか気持ち悪かった。こちらは一神教的価値観に楔を打ち込んでいる・・・と思うのはカンタンすぎる解釈だろうか。 著者はまた、物理学やコンピュータ科学の学位を持っているという。SFも「空想科学小説」の枠を超えて、こうした専門知識なくしては描けなくなっているジャンルなんだろうな。

    4
    投稿日: 2019.10.21
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    長いこと積読していたが、映画公開前にと思い読む。寡作で知られる著者なので、これまで短篇を一度読んだきり。(たしか「息吹」だったかな?)表題作がやはり良かった。ヘプタポッドたちとのコンタクト部分と、娘への語りかけ部分。一見関係のない話が交互に展開していく上に時系列が前後しながら収束していく。混乱しがちだけど、これは主人公のルイーズがヘプタポッドの言語を習得したからなのかな?と感じた。あくまで異星人とのコンタクトは調味料で、この物語を引き立たせている。映画がとても楽しみ。そのほかは「七十二文字」が好み。

    2
    投稿日: 2019.10.18
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    イーガンと並ぶほどハード。科学に特化されているぶんまだ分かりやすい。女性的センチメンタリズムがとてもうまい。認識が現実に浸透してくるという共通作風は確かにそうだ。ある種のスチームパンクである「72文字」などはサスペンスやアクションすら内包しているのだから、十分に長編化できるのに、なぜあえての短編なのだろう。登場人物も訳ありで魅力的なのに。いくらでも長くできそうだし。商売っけが希薄なのだろうな。 とにかく自分のこの十年で最大の重要作品集になったのは間違いない。

    2
    投稿日: 2019.09.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作はヴィルヌーヴの「メッセージ」の原作.原題は「Story of your life」だが,映画では敢えてタイトルを変えたうえで(映画の英語タイトルもArrivalで小説のタイトルとは異なる)時系列もさらに分かりにくくしているようだ.小説では宇宙船がなぜ地球に現れたのかは全く書かれておらず,彼らは謂わば狂言回しの役割のまま.逆に映画の方では省かれている小説内の設定は,時間に関する(あるいはそれ以外についても)微分的感覚と積分的感覚と彼我の差である. 非常に寡作の作者らしく,20年で書かれた中短編の大部分をかき集めて編纂されて出版された本書だが,どの話も佳作揃いである.中でも一番驚いたのは「七十二文字」.呪文の書かれた紙を埋め込むことで物体を動かすという技術が発達している,おそらくビクトリア朝のイギリスが舞台で,設定だけを書くとスチームパンクっぽいのだが,ああいう落とし方をするとは.

    2
    投稿日: 2019.07.07
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    SF短編集。各方面で絶賛されていて、SFが苦手な自分でもさすがに楽しめるだろう、ってことで入手。結論。つくづく自分にはSFが合わないんだな、ってこと。一番好きだったのは、最後の美醜判定にまつわる物語。でも裏を返せば、これが一番SFぽくないから、っていう見方も成り立つ。収録作の中では一番長いし、タイトルにもなっているくらいだから、目玉は表題作なんだろうけど、二人称と一人称のパートを順繰りに進行させる、っていう趣向は気に入ったけど、ラストもそこまでのめり込めなかった。慣れればもう少し親和性も出てくるんだろうと思って、なるべく意識的にSFに触れるようにしているんだけど、さすがにそろそろ限界かも。

    2
    投稿日: 2019.07.02
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    難解でした。ミステリを読んでるといわゆる落ちというか結末を期待してしまう身体になっていて、これってどういう面白さなんだろうと考えてしまう。素直に世界観を楽しめばいいんですけどね。と思い直した最後の2篇は面白かった。

    2
    投稿日: 2019.06.09
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    本は、作者や編集者の意図がありなんと、短編集でも順番通りに読むが、今回は気になるものから読んだ。 面白かったけど、難解な内容で疲れてしまい、全作品は読み切れなかった。 読んだ順番どおりに書く。 ■あなたの人生の物語 映画も気になったが、まず原作から。 これは面白い!映画も後で見たけど、私は原作の方が好み。 人生の物語を全て知った上で、そして喜びや苦悩の極致を知った上で、それでもその道が歩めるか、、 ヘプタポッドの描く文字の描写を見ると、まず漢字が思いついた。漢字そのもののつくりには時制の概念は無いけど、見て一瞬でその概念が頭に飛び込んでくる漢字というものは、優れた発明だとつくづく思った。作者テッド・チャンの名前を見て納得。漢字を知らないと書けなかったのでは? しかし、映画の宇宙船はどう見ても柿の種にしか見えなかった、、 ■バビロンの塔 これも面白かったなぁ。空の天井まで行き着いてその底を触った時には常識が覆ってどうなることかと思った。 円筒印章、これが物語の最初から伏線になっている。平原に横倒しにしたら、、と。秀逸な作品だと思う。 ■理解 私には正直難しすぎた。ただ、最後の最後でタイトルの言葉が非情なる重みで主人公に響く。人間を緻密な機械のように捉える概念が怖い。ゲシュタルト崩壊、という言葉を初めて知った。 ■ゼロで割る 私は、かつては恋人だった二人の愛情が完全に冷えて壊れる様を見る(読む)のが非常に辛い。どうか、それ以上言わないでくれ、言うな、という男性の心の声に泣けた。「停電の夜に」を思い出す。もうこれは、心臓をえぐられる辛さ。最後の、感情移入こそが二人を引き裂く、というくだりも染みる。一番しんどいことは愛情が冷めること自体ではなく、それに気付いてしまった瞬間なのだろう。 数学に関係ないところで刺さってしまったが、タイトルのゼロで割る=不定の意味は余り捉えられず、これから考えたい。でもゼロで割る、って会社の仕事の表計算でよくエラーになるものだな、、身近な問題。 ■顔の美醜について 登場人物の発言で物語が進んでいくが、途中で正直誰が誰やらわからなくなった。核となる女性(ルックス良し)がひたすらに元恋人のことを想っているのが切ない。〝カリー”はお試しなら面白いが、脳損傷受けるとなると微妙。。 作品の中で語られてるように、人は見た目だけでなく、声や話し方、臭い、香りもその人の判断基準にしてると思うう。ほとんど生存本能で、自分にとって危険は無いか、好ましいかを咄嗟に判断してるのかと。作品中の保守派の意見にあたるのだろうけど、感度を鈍らせること自体にとても抵抗を感じる。 一旦これで図書館に返そう。あとはまた読みたくなったら借りたい。「七十二文字」が気になる。でも一旦箸休め。

    2
    投稿日: 2019.04.03
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    科学や物理用語が多数放り込まれるとワケわからなくなるますが、新しい世界はワクワクするのと、テッドチャンがスマートであることはわかった。

    2
    投稿日: 2019.03.19
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    SF以外では有りえぬ?短編少数で高く評価される稀有な作家。処女作はPKD『宇宙の眼』のような長編になりうるアイデアを緻密なデティールを構築してユーモラスに表現/表題作は、「英語を教えず相手の言語を解明せよ」とのミッションによって女流言語学者の人生観が変化するストーリー。俺も読んで「人生観が揺さぶられる」ような感覚を覚えた。映画化した監督も、短編に多くの意味を読み取ってそれを表現したかったのだろう/『地獄とは…』ヒューゴー賞になるのは宗教トラウマ故か。神は「真実の信仰ではない」という権利を持つ←「真の謝罪ではない」日本の心の中まで支配しようとする朝鮮人は神(になったつもり)か、というように様々な連想がはたらくのが名作たる所以。

    2
    投稿日: 2019.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『ゼロで割る』、面白かった。 『理解』もアクション的なわくわく、面白さ。 そして『あなたの人生の物語』である。 さいっこうに面白かった。 著者は頭良すぎ。 そしてこれをどうやって映画化したのか…ちょっと気になってきた。 言葉というものは自分の思考体系を体現している、言葉を使ってのみ思考ができるのだ、そんなことを考えていたが、じゃあその上の世界はどういったものなのだろうか?という発想。 SFというものをまともに読むのは記憶の限り初めてのようなものだったが、とても楽しかった。 緻密すぎる構成、展開、実際にあるかのような言語体系、その世界観、人生観を十分に楽しめた、とてもinterstingな経験ができた。 読了した。 ほんとうに面白かった、全体として思考実験的であった。 例えば最後の「顔の美醜について」も示唆に富んだ内容だ、今までルッキズムについて考えたことがないから自分の中でまだ発展させられないのが悔しい。

    2
    投稿日: 2019.03.05
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    《目次》 ・「バビロンの塔」 ・「理解」 ・「ゼロで割る」 ・「あなたの人生の物語」 ・「七十二文字」 ・「人類科学[ヒューマンサイエンス]の進化」 ・「地獄とは神の不在なり」 ・「顔の美醜について――ドキュメンタリー」 ・作品覚え書き

    2
    投稿日: 2019.02.21
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    『バビロンの塔』  これバベルの塔だよな……。聖書に昏いとこういう時に辛いな。西洋の文化に触れる上でキリスト教は避けては通れないと散々言われているのにどうしてちゃんと勉強しなかったのか。とりあえず『創世記』の「バベルの塔」を読み直してみた。  バベルの塔とは、創世記に出てくる巨大な塔。天に届く塔を造ろうとしたけど崩れちゃいました、という話で、 ・神と対等な立場に立とうという驕り(天に届くとか無理だぞ) ・科学信奉への警鐘(アスファルトとか使ってるけど無駄ですよ) ・自己中心性への警鐘(バビロンだけ特別になろうとするな) ・人類は複雑さを内包していることを示した(話していた言語(=民族)をバラバラにした神) ……と、ちょっと調べただけで色々な解釈があって面白い。  ただ、私としては折角頑張ってるのに可哀想じゃん、何様だよ(神様なのだが)と思ってしまう。神様なんていねえよ。と。  で、この小説では神様なんていないので、バベルの塔はどんどん高くなってゆく。神がいようが神がいなかろうが、だから何だって話。 『あなたの人生の物語』  異星人とコンタクト取ってる間に、自分の人生の未来が分かるようになっちゃった、しかも娘は悲しい死を迎えちゃう、という話。  未来が分かったとしても、未来に悲劇が待っているとしても、そこに至るまでのプロセスに幸せを感じることができるのかなと思う。以前恋愛小説で「一緒にいるだけでうれしいし、何があるかわかっていても、楽しいものは楽しいよ」(七月隆文『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』p.267)って台詞を読んで以来、そう思っている。  当たり前っちゃ当たり前なのだろう。好きな漫画や小説って何度でも読み返すし、極論死ぬって分かってるのに一所懸命生きてるわけだし。  「物理法則の一般的公式は因果律的であるのに対し、フェルマーの原理のような変分原理は合目的的、ほとんど目的論的なもの」(p.239)とするなら、良い人生は後者かなと思う。ゴール目指して走ってる感じ。 『七十二文字』  人口抑制という、まるで神々が行うかのようなテーマがある。以前マルサス『人口論』に挑戦した際は、難しかったのと、雲の上の話だなという印象があり結局挫折してしまった。  ここでは、貧困層の人口抑制について触れられる。人道主義的な主人公はこれに反対するし、なんとなく私も反対かなーと思ってしまう。子ども産む産まないなんてものに国家等がいちいち首を突っ込むことではない。  ただ、マクロな視点で考えたときに、人為的な人口抑制をすることによって結果的に社会全体の幸福の量が増えるのかもしれないし、何をもって人道とするかという考えに至った場合、人口抑制をしないことが非合理的、それどころか非人道的と捉えられるような考え方もあるのかもしれない。  新書レベルで人口論について学んでみようと思った。 『人類科学の進化』  科学がどんなに進歩しても……という話。これが皮肉なのかは分からないが、「進化」という言葉自体が単なる「変化」に一つの価値観を与えただけに過ぎない。否応なしに変化していく「科学」に、人はどう対峙すればいいのか。なんだか自然災害への備えみたいだな。 『地獄とは神の不在なり』  『ヨブ記』の解釈が物語に関わってるみたい。『ヨブ記』は、「美徳は必ずしも報われるわけではない」(p.502)ということが書かれているらしい。あとは、神の信仰を疑うなとか、信仰に対価を求めるな、とか。『ヨブ記』では最終的に不条理な目に遭った男がハッピーエンドを迎えるらしいけど、チャンが書いたこの作品は最終的な救済なし。  ハッピーエンドにしないのはある意味当たり前と言えば当たり前で、ハッピーエンドなら美徳は報われたってことになっちゃう。でもまあ信仰に対価がないなら信仰したくないなぁと思っちゃうし、自分が『旧約聖書』を編纂するなら(!!)信者に読んで信仰のモチベを上げてもらうことを考えてハッピーエンドにしちゃうかなと思う。  で、現代の現実がどうかというと、そもそも神なんてものはいないから神という概念を頼ることはできなくて、でも理不尽なことは起きてるから、それを納得して受け入れる術がない→神が不在のこの世の中は地獄だなってことなのだろうか。  物語自体は頓珍漢すぎて付いていけなかったんだけど、不条理に対峙する方法として宗教というものを据える場合、客観的にみたらこんなに滅茶苦茶な話になるんですよ、ということなのかなと思った。 『顔の美醜について』  面白かった。美しさの持つ功罪をここまで直截的に取り扱っている小説には初めて出会ったかも。  ある学生団体が、ルッキズム(容姿差別)を解消するために、顔の美醜が判断付かなくなる処置「カリー」(美醜失認処置)を行うという議案を大学で提出し、様々な議論や感情論、企業の陰謀が渦巻くという話。  顔の美醜が人生に影響を与えることを否定する人はそうそういないだろう。ここでは、病気や先天性の条件で顔に奇形があり冷遇されている人や、美形すぎてちやほやされて精神的に発達しないを取り上げ、こうした悲劇が起きないように「カリー」を行うべきだと学生団体が声を上げる。  反対意見も当然出されるが、全体を通じて、どちらかと言えば賛成派が善に見えるように描かれていると思う。  私もどちらかと言えば賛成だが、それは私が顔の美醜がプラスに働く側の人間ではないからかもしれない。「正直いってあんまりお面のよくない人たちが、自分を慰めるためにでっちあげたんじゃないかな」(p.452)と、正直すぎる意見(?)も持ち上がっている。  私だって、人とちょっとくらい性格が悪くても、顔が良ければ良いなと思ってしまうだろうし、性格がすごく良いのにモテない人とか見ると、この世界は間違ってるよなとも思う。こうした自己嫌悪や世界への嫌悪を抱かなくてよくなるのであれば、やっぱり「カリー」を行うべきなのかなと思う。こんな美人じゃ自分と釣り合わないな、なんてことを考える必要もなくなるだろうし。  また、話は変わるが、自分の意思決定までのプロセスに、どれだけ金稼ぎを目論む人間の手が加えられているのだろうかと恐ろしくなった。  この物語では、「カリー」に反対する団体に対し、化粧品業界が資金提供を行っており、それどころか、反対スピーチに音声操作を行い演説が良いものだと思い込ませる加工を行っている。  私はいい歳にもなって流行物を追いかけることに嫌悪感を抱いてしまう側の人間だが、それは、やっぱり自分の意思を何者かに委ねてしまったかのような気持ち悪さがあるからだ(もちろん、日々広告に囲まれている中でそうした他者の意思から自由になるなんてありえないんだけど、そこは気分と程度の問題ということで)。

    5
    投稿日: 2019.02.13
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    まず思ったのは、作品を読むのに頭を使うことを要求する作家であるということ。 好きな作品はバビロンの塔、七十二文字。バビロンの塔は大人の童話みたいな話。七十二文字は、言葉は言霊を思わせる作品だった。 作者の頭の良さについていかなければならず、読んでいて思わず肩に力が入るんだよね。その点が個人的な好みから言って☆ひとつ減。

    3
    投稿日: 2018.12.08
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     テッド・チャンが凄いとか、「あなたの人生の物語」が名作だとか、そういうSFファンのなんと多いことか。でもチコちゃんは知っています。……あ、違った。  そういう世評は知ってはいたけれど、なかなか読む気にならなかったのは、テッド・チャンを読むならまずこの長編をというその長編がそもそもないからである。長編を、しかも分厚いやつを書かないと一流SF作家とみなされない英米SF界において、短編だけでこれだけ鳴らしているのは凄いことなのではあるのだが。  で、結局、読む気になったのはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画『メッセージ』がよかったことと、そのせいで本屋に並ぶ短編集『あなたの人生の物語』が『メッセージ』のばかうけ型宇宙船の映画写真のカバーにことごとく変わってしまったからである。オリジナル・カバーの本書を見つけて、つい買ってしまったのだ。  ついに空の丸天井にたどり着いたバベルの塔で、さらにその丸天井を掘り進む「バビロンの塔」はオチが読めてしまったが、ブリューゲルの『バベルの塔』を見てきた記憶がまだ色褪せぬなか、小説の場面は頭のなかでブリューゲルのタッチに変換されていた。  アルジャーノンの異版のようにはじまり、最後は超能力者対決みたいになる「理解」。これは映画化したら面白そうだ。監督はクローネンバーグ。  1が他のすべての数と等しいと証明してしまった数学者と、他のすべての人に感情移入できるその夫という夫婦の破綻を描く「ゼロで割る」。理系と文系のわかりあえなさ?  「あなたの人生の物語」は必然的に映画『メッセージ』と対照しながら読むことになる。映画の原題は「到来 Arrival」であり、7本足の異星人ヘプタポッドは地球に到来はするがメッセージを送るわけではないので、ありがちなことだが、映画の邦題というのは業界のセンスの悪さを示している。話の大筋は踏襲してはいるが、映画はやはり映画的なスペクタクルを追及していることがわかる。原作では異星人との接触は双方向通信装置を介してだが、映画では実際の宇宙船に乗り込んでガラス越しにヘプタポッドと対峙する、などなど。しかし最大の違いは映画が異星人とのファースト・コンタクトに重きがおかれているのに、原作のほうはあくまで「あなたの人生の物語」なのである。語り手ルイーズの娘である「あなた」、25歳で事故死してしまう「あなた」の物語。異星人とのファースト・コンタクトは「あなたの人生の物語」にかかわる挿話でしかない。  そしてヘプタポッドがやってきた理由を映画では説明してしまうが原作ではわからないままである。それでいいのだ、挿話に過ぎないのだから。  「七十二文字」は無生物に名辞を書き込むことで動かすゴーレム的世界観と、生物の胚にホムンクルスがいるという前成説の世界観の融合。生命の謎に挑んでいく名辞師の物語。遺伝情報も一種の言語であると考えれば、現実世界のアナロジーのようでもある。  「人類科学の進化」は「ネイチャー」に掲載されたという、科学論文のパスティーシュ。  「地獄とは神の不在なり」では、神が物理的に実在する。というか、天使がときどき降臨する。天使が降臨するとその物理的ショックで死ぬ人が現れるとともに、奇跡によって、病気が治る人が現れる、という世界が描かれる。ときどき地面を透かして地獄が見えてきて、人々は地獄に堕ちた人の様子を観察することができるが、そこでは現世とあまりかわらない生活をしている。ただそこには神がいないだけである。これは徹底したリアリズムで信仰の馬鹿馬鹿しさを描いた物語かと思ったが、あとがきをみると理不尽さという信仰の本質を真面目にえぐろうという意図のようだ。  「顔の美醜について──ドキュメンタリー」は、顔の美醜を認知する脳領域を可逆的に機能不全にする技術が生み出された世界で、この処置を全学生が受けるべきという運動が起きた大学の話を、人々の証言で綴る。「人間は顔じゃない、中身だ」という題目を、ポリティカル・コレクトネスとして実現すべきか、それは行きすぎとみるのか。多様な意見が投げ出される。途中、宗教学者が内面こそ大事というヘブライズムと肉体の美を称揚するヘレニズムと指摘するあたりが面白かった。  でも、テッドちゃんは知っています。短編こそがSFの精華だと。

    11
    投稿日: 2018.12.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    同じ神でも解釈が人それぞれで、みんな自分勝手に信じている。これが面白いところであり厄介なところでもある。欲望に勝てない人間という存在はやっぱり愚かだなぁと思った。 天使降臨の話は、抗えない天変地異への不安に似たものを感じ恐ろしくなった。公正でもなく慈悲深くなく優しくもない神への愛、そこに興味はあるものの難しい。

    2
    投稿日: 2018.11.05
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    2018/07/11 あなたの人生の物語、うーん、なんだかいまいち入り込めない?冒頭のバベルの塔のあと、メッセージの原作となった短編へ。残50ページで疲れちゃって中断。 2018/07/13 図書館でさらに「あなたの人生の物語」 映画原作の短編読了。これをよくあんな映画にしようと思ったなー(笑)。少しメモ書いたが、再読してキーボードでさらにメモ書くかな。 2018/07/24 あなたの人生の物語。うーん、どうにも合わない……。メッセージ原作は映画観てたこともありわりと楽しめたけど、それ以外はむずかしいというか盛り上がらないというか。アマゾンレビューではけっこう評価高いが、ハードSFでも苦手な方面なんだなー。七十二文字まで読んで、これはDNAのことを言ってるのかとわかったけど、ここまでかなー。 2018/08/10 『あなたの人生の物語』読了。全体的にちょっとツボが違うと言うか、ノリきれなかった。映画原作と「地獄は天使の不在」はよかったけど、地獄は〜も最後は理解しきれなかった。天使が降臨することにより、身体的に恢復するものがいる一方、身体を損なうもの、もしくは死んでしまうものがいると言う設定はとてもおもしろいと思ったのだが。 エヴァ、渋谷駅の岡本太郎の壁画、天使または使徒がこの世に顕現するときの圧倒的な異化作用のイメージ、ここにぐっと惹かれる。作中でも光の束とか炎とか天国の光とか、それに類する描写があった。 最終的には無心なる絶対的な信仰がテーマ? これが自分のツボにハマるラストであったら、それだけで評価がぐっっっと上がったんだけれどな。 でも、なんだかんだ言いながら最後まで読んだし、映画原作については再読しながらメモを取りたいと思うわけで、理解できなかったけれども、何かしら惹きつけられるものは会ったということなのかも。

    1
    投稿日: 2018.10.15
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    図書館で借りました。とても評判の良いSF短編集であったが、自分はとても読みすすめづらかった。仕事が忙しかったせいもあってゆっくり読めなかったせいかも。

    1
    投稿日: 2018.10.13
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    テッド・チャンの短編集だ。どれも素晴らしい。特に宗教的な背景はないというけれど、キリスト教的世界観がとても感じられるなあ。

    1
    投稿日: 2018.10.11
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    古本屋で100円代で売っていたので購入。 現役最高のSF作家のひとりらしい。短編集。バビロンの塔や数式の話など様々な世界観が書かれる。ただどれも自分にはなかなか難解なものが多かった。

    2
    投稿日: 2018.08.23
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    映画よりはるかに分かりにくく、感情が抑えられより哲学的な内容になっている。私は映画の方が感情の動きがあって好きだが、映画の後にこれを読んで、こういった論理展開はスゴイなと思った。

    2
    投稿日: 2018.07.28
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    201807 海外SFはいつもなんとなく難しくて、若干の眠気と戦いながら読み、読み終わった後になって物語の世界に浸る感じになるんだけど、この本もそんな感じ。心に残る。

    2
    投稿日: 2018.07.19
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    映画「メッセージ」の原作。この小説からとてつもなく深遠なるビジュアルを構築した映画製作者達に賛辞を送りたい。主題は同じだが小説には政治は絡んでこないので主人公のパーソナルな側面に焦点を当てている。小説と映画、どちらも傑作。

    2
    投稿日: 2018.06.08
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    おもしろい!理系脳を持ち合わせていないので、理解が追いつかず、時間がかかるのは、私に問題あり!単なるSFじゃない「近い未来」のはなし

    5
    投稿日: 2018.04.23
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    「メッセージ」の原作である短編が読みたくて、初のテッド・チャン作品と対峙。 いやーー、何がっていうんじゃなくて、難しい本だった。この翻訳をした人は、相当苦労なさったのではないかと邪推。 SFがあまり得意でないのも合わさって、本当に読み進まなかった。 ボリュームは少ないけど、めちゃくちゃ時間がかかって読了。

    2
    投稿日: 2018.04.02
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    映画を観たかったのだけど、観損ねたので。短編集とは知らなかった。え、これを映画にしたの? どうやって? とさらに映画が気になる罠でした。たぶん、わりと、理解が追いついていないけど、どの短編も発想がすごくてぞくぞくしました。面白かったー。SFは読む気になれない、と思っていた過去の自分に、こんなに面白い世界があるんだぞ、と教えてあげたい。

    5
    投稿日: 2018.03.29
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    映画『メッセージ』の原作である表題作を含む短編集。 映画『メッセージ』の前半部、圧倒的な他者とコミュニケートすることの不安、緊張を不気味に静かな絵で描いたところに心惹かれたので、随分前に買ったまま積ん読していた文庫本を引っ張り出しました。 原作「あなたの人生の物語」はむしろ、言語、一文字で一文/一章/一ページ/一冊/全てを表す異星の言語のありかたと、言語を習得することで意識のあり方が変容することにフォーカスされている。言語がわたしを規定し、世界を規定する。 時間軸を行ったり来たりする不安定な一人称の文体、主人公である言語学者が「あなた」へ語りかける文体の不気味さ。映画はあの薄暗い光によって、この不気味さを再現していたのだなと思う。 実をいうと、映画を先に観てエイリアンの文字のイメージを得ていなかったら、『あなたの〜』の言語の解読部分が理解できたかわからない。 他の収録作は、天の天井を掘りすすめる職人が見たもの「バビロン塔」、自然現象としての天使の降臨を描く「地獄とは神の不在なり」、ものの真の名辞が力を持つ世界で人間の名辞を探求する「七十二文字」など。どれも面白いです。 面白いけど、ちゃんと理解できてる気がしない。著者の作品覚書はあるけど、読むとさらに分かんなくなる。

    2
    投稿日: 2018.03.20
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    表題作含む8編の短編からなる。どれも突拍子もないアイデアに驚かされる。非現実的な題材のオンパレードだが、遠未来でそこまで否定されるかは、これまでの革新的技術の進展からは断言はできない。著者のこだわりが全編を通じて感じられ、その解説調子には辟易させられ、何度も途中で読むのを止めようと思ったが、独特の雰囲気の中、結論を気にしながら付き合ってしまった。

    2
    投稿日: 2018.03.11
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    内容(「BOOK」データベースより) 地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれていく…ネビュラ賞を受賞した感動の表題作はじめ、天使の降臨とともにもたらされる災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、天まで届く塔を建設する驚天動地の物語―ネビュラ賞を受賞したデビュー作「バビロンの塔」ほか、本邦初訳を含む八篇を収録する傑作集。

    2
    投稿日: 2018.03.09
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    映画の原作と聞いていたので長編と思ったら、短編集でびっくりした。(映画は未見。)以前に一作だけ読んだことがあって、もっとロマンチックな作風と思いこんでいたのだけれど、とっても理屈っぽいことにも驚いた。一つのアイディアを突き詰めていったらどうなるのか、紙の上で実験しているのを眺めているような気がする。もちろん、それだけではないし、小説として楽しめるのだけれど。小説がSFというよりも、作者がSFだという感じ。それぞれ、発想も展開も面白いのだけれど、個人的には『顔の美醜について』が楽しかった。

    2
    投稿日: 2018.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画『ALIVAL』(邦題「メッセージ」)に感動したので読んで見た。  この原作から、よくあれだけの作品を紡ぎ出せたものだと驚いたのが正直なところ。着想、骨子は変わらないが、エンターテイメントとしての味付けが映画作品は凄いなと改めて思わされた。  一方、映画で描かれたあのカラクリ。文章ではどのように記され読者をケムに巻きながら進めるのだろうと興味津々で読んだ。娘とのシーンを思い浮かべる主人公ルイーズ。時系列もバラバラにいろんな情景が彼女の脳裏に去来する。たいていの場面は、こう始まり、こう結ばれる。  「あなたが〇歳のときのことが心に浮かぶ。   ・・・ あなたは ~ するでしょう。」  なるほど。日本語だと時制がはっきりしないが、原文の英語だったらどうなのだろう。 You will~という表現なのかもしれない。  本作品の骨子は、言語体系が異なれば考え方が変わるということ。思考は話す言葉によって形成され、さらには物の見方にも影響を及ぼすというものだ。映画では「サピア=ウォーフの仮説」を引き合いに出して語られる。本書では「フェルマーの原理」を用い、”原因が発生するまえに結果に関する知識が必要”という時制の逆転というか、時間認識に関する人としての知覚が徐々に変わっていくことを描いている。  が、それがぼんやり理解できたのも、映画を観ていたからだろう。(おそらく)理科系の著者はしっかり理解した上で、分かりやすく説明してくれていたのだろうけど(水面に通過する光線が屈曲して進むことなどの例を使って)、正直、よく分かるようで分かっていない。  主人公のルイーズは選択を迫られた時、『三世の書』を読んだ者としての態度、読んだことをけっして認めないまま未来へ向かっていく。これは自由意思の存在か。自由意志の存在は、未来は知りえないことを意味する。未来を変えようとする”メッセージ”が含まれていたのかどうなのか。難しかった。  こんな調子で、かなり思考を巡らせながら、文章を追う以外に、自分なりにシミュレーションもしながら読み進む感じなので、非常に時間がかかるが、知的刺激はガンガン受ける(理解できてないのだけど、何かが刺激される感覚)。これが著者の作品の人気の理由なんだろう。  図書館での貸出期限もあり、終章の「顔の美醜について――ドキュメンタリー」を読んで修了。  「顔の美醜について―」は、人間が顔の美醜だけで相手を判断しないようよう、美醜失認処置(カリーアグノシア:通称カリー)というテクノロジーが実現した世界のお話。 実に含蓄のある問いかけを含んでいて、近未来の架空の話だけどテーマが普遍的で面白いのだ。今(2018年1月)なら、「肌の色失認処置」のテクノロジーがあれば?なんて思っているお笑い芸人がいるかもしれない(笑)  ただ、星新一が描いたら、もっと手短にもっとユーモラスに仕立て上げたかもしれないな、と思う作品だった。

    2
    投稿日: 2018.01.19
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    映画の原作ということで読みました。映画と原作で相違点がいくつかありますが、よく映画化できたな!というのが素直な感想です。こちらは短編集になっていますが、その一編が映画の原作にあたります。ほかの短編はリアリティとフィクションが織り交ぜられていて、本当にありそうな話に感じました。

    2
    投稿日: 2017.12.27
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    短編集すべてがうまいなぁ…と感じさせる。表題作は、トリッキーな作りなので最初よく分からなかったが、2度目読むと、因果論から逃げられない自分、言語による世界の変容について心がざわつく。

    2
    投稿日: 2017.12.27
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    映画『メッセージ』にやられたので原作を。 という理由で手に取った。 表紙が映画の宇宙船になっているのは、 嫌だけどまーしょうがない。 テッド・チャンという名前は聞いたことはあったのだけど、 残念ながら手にすることがなかった。 が、何故手にしなかった今まで。 と自分を責めたくなるくらい、素晴らしい作家。 この一冊は短編集なんだけど、レベルが高い。 そしてテッド・チャンの知識の広さがすごい。 この人かなり頭いいな。 表題のストーリーは映画とかなり趣が違う。 ストーリーは(大体)同じなんだけど。 原作を先に読んでいたら映画に失望しただろうから、 映画を先に観て正解だった。 映画は、映画的(若しくはハリウッド的)要素が組み込まれていて、 原作を読んだ後ではその使い古されたエピソードに陳腐さを感じたはず。 小説はもっと主観的な感じなんだけど、このまま映画化するのは多分困難なので、 まあうまく作った方なんじゃないかなー。 監督GJ。 宇宙人・言語以外にも、神、数学、生命、美醜の感覚等々、 話のネタが広い。 神を素材をした話は2つ(考え方によっては3つ)あるけど、 宗教臭くない。 純粋に知識と興味と実験性、そして知性を感じるだけ。 全体的に実験性が強い印象を受ける。 仮定がストーリーを組み立てるための要素としてあるわけではなくて、 知的好奇心による思考実験の手段としてストーリーがある感じ。 ジャンルとしてはSFなんだろうけど、それじゃ収まらないな。 そしていちいちそれらが濃い。 個人的には 『あなたの人生の物語』が一番で、直後はなんどか繰り返し読んだ程。 『地獄とは神の不在なり』が二番。 いや、この話すごいです。 今まで知らなかったのが勿体無い。 ★5じゃなくて4なのは、とても感覚的なもの。 多分私の頭が悪いからなんだが、 理解するために戻る、を繰り返したので、 その分没入が削がれたので。

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    投稿日: 2017.12.22
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    SF。ファンタジー。中短編集。 全体的に難しいけど、ぎりぎり読めるくらいの専門的な内容。 「バビロンの塔」ファンタジー。不思議。 「理解」スリリングなSFサスペンス。なかなか。 「ゼロで割る」数学。ヒューマンドラマ。 「あなたの人生の物語」ファーストコンタクト。言語SF。特徴的な構成だが、構成の意味が分かると確かな感動があった。 「人類科学の進化」近未来ショート・ショート。 図書館への返却期限のため読めたのはこれだけ。 やはり表題作が素晴らしい。有名なのも納得。

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    投稿日: 2017.12.03
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    表紙が違うー 短編集。表題作目当てで読んだけれど、表題作が一番面白かった。映画とは違ったベクトルで楽しめた。 ほかの話は、楽しめたものと目が滑る(専門的すぎて……或いは私の理解力が追いつかなすぎて)と真っ二つに分かれた。 好きなのはバベルの塔と、理解と美醜の話と神の話かな(理解できたかどうかは別)。 時間が経って読み返すと、また違う感想が生まれそうな気がする。

    2
    投稿日: 2017.12.03
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    8つの短編が収まっています。 表面的にはファンタジーっぽいものもありますが、本質的にはサイエンスフィクションです。しかも、ある科学的アイデアを元に、一つの世界をイメージし、(その世界を背景に物語を描くのではなく)世界そのものを主題にするという意味では、非常に純粋なSFだといえそうです。 それにしても、バライエティに富んだ世界です。著者の発想力の凄さに脱帽します。 なんだか久しぶりに気持ち良いSFを読んだ気がしました。 [バビロンの塔] バビロンの塔が完成し、空に届いた。空に穴を開ける為、石工が呼ばれた。彼らは道具を乗せた荷車を引きながら4ヶ月間塔を登り続ける旅を始める。塔に住み着いた人々。途中から太陽の高さも越えてしまう。 そしてたどり着いた最上部で、彼らは天に穴を空け始めるが・・・・。 [理解] 植物人間だった主人公は、脳損傷の新薬効果によって異常に高度な知性を得、世界の統一的全体像を理解できるようになる。それを知った医師やCIAは、何とか彼を利用使用とするのだが・・・。 [ゼロで割る] 優秀な数学者である妻は、あるとき新たな発見をする。それは神学者が神の存在を否定する法則を発見したようなものだった。その発見以後、妻の世界は次第に崩壊して行き・・・。 [あなたの人生の物語] 異星人とのファーストコンタクトに携わる言語学者。彼女が理解し始めた異星人の文字は、物事の初めからその結果の全てを含む形で表現される同時認識的文だった。その世界に漬かるうちに彼女は・・・。 [七十二文字]無生物に埋め込まれる72文字の名辞。名辞によって無生物たちに様々な活動をさせる(例えば人形を歩かせる)ことが出来る世界。名辞を解析し、更に精緻な名辞を考える命名師たちは・・・。 [人類科学の進化] 新たなコミュニケーション方法を持つ超人類。彼らによって科学技術は大幅な進化を遂げたが・・・ [地獄とは神の不在なり] 天使の来訪が頻繁に起こる世界。天使は何人かの病める者を秘蹟によって治癒する一方、その出現時の異変によって、周囲の者の命を奪う。妻を天使の出現によって奪われた主人公は。。。。 [顔の美醜について―ドキュメンタリー] 顔の美醜の判定能力だけを麻痺させる”カリー”が部分的に使われ始めた世界。カリーを全学に広めようという学生の運動は、やがて世界の注目を浴びるが。。。。

    1
    投稿日: 2017.10.30
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    映画『メッセージ』の原作ではありますが、それは、この本のごく一部。と言うのは、この作品が短編集だから。 いやぁ、不思議な話ばかりですね。SFなので、未来的な話、不思議な話で良いのかもしれませんが、特に後半に収録されている「七十二文字」や「地獄とは神のふざいなり」などは、SFと言うよりはファンタジー。あまりに不思議すぎて、最初のうちは、中身は頭に入ってきませんでした。 映画『メッセージ』の原作は「あなたの人生の物語」。映画を先に見ていたので、なんどなく、あれがこのシーンに相当して・・・などと思いながら読んでいましたが、映画化に際して、脚色されていますね。全然違うとまでは言いませんが、短編の物語が一つの映画になったわけですから、水増しされていますよね(笑)

    2
    投稿日: 2017.10.11
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    映画をみたので借りてみました。 映画の話は、映画がわりと忠実に再現されていたのだなと 思った。 他の話はわりと難しいので飛ばし飛ばしで よんだが、理屈や頭を使うことが好きな人、あるいは 使いたい人はとことん考えられるのでよいのではと 思った。

    3
    投稿日: 2017.10.10
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    不幸な未来があると分かっていても、人はその人生を選択する勇気があるのだろうか。 ヘプタポッドの言語を解析したルイーズは、過去・現在・未来を同時に認識する同時的意識を持ち、それによって、将来産まれてくる娘ハンナの未来まで認識してしまう。 悲しい運命を受け入れるルイーズの強さと深い愛に心が打たれる。 小説版は映画とは異なり、ルイーズがハンナとの出来事を未来形で語るパートが断片的に織り込まれており、徐々にそれが何なのかが分かっていく構成で、本作のテーマがよりストレートに響いてくるこちらのほうが映画版より好みかも。もちろん映画も素晴らしいのだけれど。 近代SFの傑作と位置付けていい作品。

    2
    投稿日: 2017.09.19
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    「メッセージ」という映画の存在を知り、本書を手にとった。異星人とのふれあいがリアルに描かれていて、おもしろく感じたものの、(映画を見ていないので)文字がどのようなものか感じにくく、いまいち入り込めず。また、彼らが去っていくのも、「現実で起きそうな話だなぁ。」と思いつつも、エンターテイメントとしてはやや物足りない。 他の作品も、基本的に作者はすごく頭がいいんだろうなぁと感じながらも、私の理解力を超える点もままあり、楽しめたものの、格別な印象を残すまでには至らなかった。 そんな中でも、「バビロンの塔」と「顔の美醜について」は、とっつきやすくおもしろかった。

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    投稿日: 2017.09.17
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    とても理系なSFの短篇集でした。「メッセージ」の題で映画化された表題作が読みたくて選びましたが、文章だけでは想像が難しかったです。映画が気になりました。一番好きだったのは、天使が降臨して奇跡や災厄が起こる「地獄とは神の不在なり」です。天使も見てみたいし、天国や地獄も垣間見える世界ってわくわくします。こちらも映像で見たらすごいだろうな。面白かったです。

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    投稿日: 2017.09.16
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    読んだあとにこの小説って何が書いてあったんだろう? と反芻すると、読み終わった直後よりも、 正解ではないのかもしれないけれど 自分なりの答えが浮かび上がってきて うわぁ~と全身が締め付けられるような または何か見えない力強い「何か」に 抱きしめられるような感覚になるときがあります。 今回ご紹介するのはまさにそんな小説。 主人公は言語学者なんですね。 で、宇宙からやってきた コミュニケーションのとれない異星人と 意思疎通するために政府に雇われる。 最初は異形の異星人との意思疎通は 出来ないわけですが彼女のアイデアをもとに 少しずつ彼らの言語と文字(にあたるもの)を 理解できるようになり 彼らの文字を使って思考することもできるようになる。 すると彼女の意識は少しずつ変化していくんですね。 まぁ異星人の文字を使って思考できるようになるわけですから 考える道具が変わってくるというわけで 当然導き出される答えも変化してくる。 で、その新たな考え方によって 彼女はある重大な決意をするんですね。 決意をするというか、選択をするというか。 どんな決意かということを書くと ネタバレにしかならないので書きませんが その決意を読んで私の脳裏に浮かんだ言葉は 「会うは別れの始めなり」という言葉でしょうか。 別れそれも悲劇的な別れがやってくるとわかっていても それも我々小さな存在の力の及ばぬところで その悲劇はすでに決められている ちっぽけな出来事のひとつだったとしても それでも「選ぶ」ことを続けられるかどうか? そんなことをこの小説って何が書いてあったんだろう? と反芻したときに脳裏に浮かんできて 私はうわぁ~と涙してしまったわけです。 オススメです。 ちなみに「メッセージ」という映画の原作らしいです。 2017/09/01 12:51

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    投稿日: 2017.09.04
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    17/08/15 途中断念 表題作まで読んで一旦終了。 面白いとは思うけれど面白がるには自分の読解力がついていけてないというつらさ。SFは私にはハードルが高いのか。

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    投稿日: 2017.08.19
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    壮大な思考実験の積み重ねを見た気持ち。SFってこういう世界なんだな、と痛感した。 収録作品:「バビロンの塔」「理解」「ゼロで割る」「あなたの人生の物語」「七十二文字」「人類科学の進化」「地獄とは神の不在なり」「顔の美醜について――ドキュメンタリー」「作品覚え書き」

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    投稿日: 2017.08.19
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    表紙からして全力で宣伝をかけている通り、映画「メッセージ」の原作である表題作「あなたの人生の物語」をふくむSF短編集。この作品がこの1冊に占める割合はそんなに多くないので、まずこの分量を良く映画にしたな、と思うはずだ。 SF、というと我々が生活している実社会とは大きく離れた世界観や科学技術を取り入れるイメージが強いだろうが、収録作品の多くは実社会をベースにしており、また科学についても世界観に影響を与える前段階、「その技術の誕生により世界がどう変容するか」という描き方をしているように思う。つまるところ、我々が実際に生活する社会のif思考実験だ。 そして、多くの作品においてその題材は、「人間の認知」と「世界(科学技術をふくむ)」のやり取りをテーマとして描き出しているように思う。科学技術や世界観の変化によって、人の認知の枠組みは変容するのか。人がそれまでと異なる認知をし始めたとき、世界に対してどのような影響を及ぼすのか。そのような問いが現実感を伴って書かれているのを読むとき、我々は実際にそのような変容があったら自分はどうするのか、と思わずにはいられないだろう。 そうして考えていくうちに、きっと気が付くはずだ。フィクションレベルまで行かなくとも、現実の社会においてある程度この作品を読むことによって得た「認知」が、現実の社会における生き方にも影響を与えているということに。 それほどの力を持った作品であるので、多くの人に読んでもらいたいとは思う。が、いかんせん文が難しい。ある程度「学問」というもののイメージが付いていないと、作品の特性上学者が出てきて、彼らが話すことがどう論理的なのか判別しにくくなるだろう。自分で学問を始められる大学生辺りからチャレンジしてほしい。

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    投稿日: 2017.08.15
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    久しぶりに海外の翻訳SFを読んだ。映画「メッセージ」の原作短編が表題作ということで、手に取ったのだが、いやはや、21世紀のSFはこんなことになっていたのですか。 「バビロンの塔」はいわゆる〈バビロニアSF〉にカテゴライズされるとのことなのだが、私にはロード・ダンセイニの夢幻譚のようにも読めた。なにより、バビロンの塔の建設現場の描写がすばらしい。とてつもないものを作り上げる人間の誇りと、神の領域へ近づかんとすることへの畏怖がひしひしと伝わってくる。 「理解」 「ゼロで割る」 「あなたの人生の物語」 頭から尻尾の先まできっちりと作りこまれた精緻な機械の小箱のような物語。「ゼロで割る」はさすがにわかりにくかったけど、「あなたの人生の物語」はもう一度冒頭に立ち返って読んでみると、この物語の悲しみが伝わってくる。映画は見ていないのでなんとも言えないが、これを映画化しようなんて、どうして思ったんだ? 私がいちばん気に入ったのは「七十二文字」。20世紀初頭を思わせるロンドンを舞台にした錬金術+スチームパンクな世界観の生命を巡る物語。こっちの方を映画化して欲しいな。 「地獄とは神の不在なり」。天使の降臨が奇跡であると同時に災厄であるという世界観。キリスト教を知らなくても全く問題なし。 その他、ショートショート「人類化学の進化」とインタビュー形式でつづられる顔の美醜を巡る騒動を描いた「顔の美醜について」全8編。SF好きなら読んで損はない、というか、むしろ読んでおくべき一冊。読むと語りたくなる!

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    投稿日: 2017.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

     因果論ではなく、目的論。  めっちゃくちゃ面白かった。面白かったんです。  SFっぽい短編集。そろそろカテゴリにSFを追加したほうがいいような気がしてきたよ。SFってだけじゃなくて、ファンタジィっぽいのもあったり、でもやっぱりSFだろうなぁ。  雰囲気としては、森博嗣と伊坂幸太郎を足して二で割ったような? 専門的というか、小難しい話が出てきつつ読みやすくまとめられてる感じ。  表題作「あなたの人生の物語」、目的論を考えるのではなく、思考そのものが目的論に寄ったものっていうのがまず面白い。着地点が見えている。ヘプタポット側はそういう思考を取るから、文字がああなったんだよね。でもルイーズは、言語を習得する過程で、思考がそちらに引きずられた。表義文字がどんなものなのか、実際見てみたい。  他の話も面白かったんだけど、一番好きなのは「ゼロで割る」かな。数学が無意味なものになってしまう証明をしてしまった数学者の話。アインシュタインやゲーデルも気分的にはこんな感じだったのかもしれない。  「理解」も好きです。原文だとどんな単語使ってたのか気になる。  海外もので、有名だから、知ってるタイトルだからって理由以外で、ほかの作品も読もうと思った作者は初めてです。

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    投稿日: 2017.08.06
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    久しぶりにきちんとしたSFを読んだという印象が残った。作品によって印象度が異なるのだけど、やなり映画にもなった表題作は、不思議な叙情とめくるめくような揺れがあって心に残る。それ以外の作品も、今まで考えたことのないような角度から物事を捉えていて、一種の思考実験集のように感じられた。 ただ、物語として面白いかと言われれば、それほどグイグイ引っ張って行ってもらえる感じはしなかったのが正直なところだ。興味深く読んだけれど、同じ作者のたのさくひんをよみたいかといわれれば、正直な気持ちとしては、積極的に手に取りたいをは思わない。

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    投稿日: 2017.08.01
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    2017/07読了。映画「メッセージ」に感銘を受け、原作を、ということで。 最初の作品「バビロンの塔」は、星新一さんの穴の話に似ていた。その他は、難解で読むのに非常に苦心した。 『あなたの人生の物語』は、映画よりも淡々としいた。その他も超本格SFという感じでした。難しかったけど、圧倒されました。

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    投稿日: 2017.07.30
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    エイリアンのエクリチュールを体得することで人間のエクリチュールでは解決できない問題が解決する、という物語ならほかにもありそうだが、それを普遍的な母の子への思いに絡めた表題作がやっぱり凄い。バベルの塔、ゴーレム、天使の降臨を扱った短編は、題材はお馴染みでもこういうふうに昇華するか~とアイデアに感心する。美人を判別できなくする処置をめぐる話も寓意的でいい。テーマの据え方はよいが、物語自体はやや難しいこともあり娯楽性に乏しいかも。

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    投稿日: 2017.07.18
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    映画『メッセージ』がかなり面白かったので、気になり読んでみた。難解なSFだった。映画原作の『あなたの人生の物語』から読み始めたんだけど、むしろその他の短編も様々な示唆に富んでいてとても良かった。 とりあえず、作品毎の感想など。 『あなたの人生の物語』 映画のイメージが先行してしまって、純粋に小説作品として読めなかったのが残念。なんというか、このある意味難解な原作小説をあそこまでエンターテイメント性の高い映像作品に仕上げてしまった映画制作陣がすごいと思った。 『バビロンの塔』 バベルの塔ってなんかミステリアスで魅力的な存在で、子供の頃はいろいろと逸話的なものを読みあさっていたような気がする。もし本当にあったならどんな感じだったのかとかぼんやりとイメージはしていたけど、この作品にはその辺りの仕組みが綿密に描かれていて膝を叩いてしまった(笑)これなら存在できたかも!! 『理解』 スリリングな展開で面白かった。『アルジャーノンに花束を』を彷彿とさせる作品。 『ゼロで割る』 プログラマーがいちばん嫌な言葉かも(笑) 『七十二文字』 世代が有限というアイデアは面白いなぁ。あと名辞の解析ってまるで遺伝子解析だよなぁ。 『人類科学の進化』 イマイチよくわからず 『地獄とは神の不在なり』 神は理不尽だなぁ…なんか『沈黙』にも通じるものを感じた。 『顔の美醜について‐ドキュメンタリー−』 これは面白かった!いちばん好きかも。「美醜失認処置」なるほど、理解は出来る…受けたいとは思わないけど(笑)

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    投稿日: 2017.07.14
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    理詰めの思考法に喜びを感じる方向き。ハードSFのセンスオブワンダ-の真髄を感じる。上質である。個人的には難しくて辛い。

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    投稿日: 2017.07.09
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    テッド・チャンという人は、文系の私から見ると、ほとんどヘプタポッド並みに違う論理の世界で生きてるバリバリ理系人。かつて想像したこともないような論理で動いている、それでいながら、不思議なほどに接近可能な世界を構築して見せてくれる。 冒頭の話からして、いきなりバビロンの塔である。この世界では、人間は太陽を下に見ながら上に昇り続け、天井の世界の底に穴を掘ったりする。それでもいわゆる「荒唐無稽」なSFなどではなく、この世界の内部では完璧に筋が通っている構造になってるのだ。最後に示される円筒印章のモデルも効いてる。 他の作品で示されるのも、人間が名辞を操ることでゴーレムを動かし、精子の中に完全なホムンクルスの形が保存されていることで生殖がなされる世界であったり、天使が出現して気まぐれに人に災厄や恩恵をあたえたり、地獄が権現するような世界であったり。いわゆるSFらしいSFではないが、今ここにある世界の論理と全く異なる世界を構想し動かすという意味でまさにSF的想像力全開の小説群だ。 そして、やはりどれよりも印象に残ったのは表題作だった。因果的ではなく、合目的であるような世界という、想像もつかないような世界のモデルを、水面に入ったときの光の屈折率をたとえに、そして異星人の標記文字の構造を使って、接近できるように説明する見事さ。そして、われわれの世界観や倫理と根本的に対立するようなその世界観の中で、ひとの誕生と死の間に存在する人生を新たな目で提示する感覚。スリリングでエレガントで味わい深い小説だった。

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    投稿日: 2017.07.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1.バビロンの塔  ネビュラ賞 意外な結末。詳細に描かれる塔内での生活が面白い。 2.理解 人の知性が超越的に進化すると、どのように感じ考え表現するようになるかが描かれているのが興味深い。だが、こうなるならその理解力は欲しくはない。 3.ゼロで割る 数学は揺らぐことはないと思っていた自分には可能性を知ったのは目から鱗。 4.あなたの人生の物語 最後のルイーズの選択の部分は、自分だったらどうするだろう?ととても考えさせられた。毎日、終わりを見つめ、定まった結末を見つめ、自分なら生きていけるだろうか?毎日全てこれからの未来を知っていて、それをそのままに創り出すことを動機とする、未来を知る力は、私は欲しくない。 5.七十二文字 テッド・チャンの動く紙の動物と同様に、こちらも羨ましい、欲しい。「人間はその名辞の表現型であると同時に、その名辞の器でもある」「各世代それぞれが内容であり器であり、自己を維持し続ける反響の反響となるのだ」とはまさに、人間の遺伝子だと思った。 6.人類科学(ヒューマン・サイエンス)の進化 超人類と共存している人類に残された学究の可能性を説く論文風の話。 7.地獄とは神の不在なり 天使の降臨、地獄の顕在が実際にある世界。設定はすごく面白いが、天使の降臨がすごく理不尽で、かつ結末も理不尽。 8.顔の美醜について――ドキュメンタリー ドキュメンタリー風に賛否様々な意見が紹介される体裁で、ユーモア(皮肉かも)があり面白く読みやすい。

    5
    投稿日: 2017.06.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画がきっかけで鑑賞後に読了. 各作品に概ね共通して,言語と概念との対応付けと,宗教的なテーマに対する科学的な理論立てというのが著者にとってのメインテーマとして存在しているようである. 表題作自体は,私にとっては映画のほうが分かりやすかった.ただ,変分原理が云々という辺りは,映画では説明がなかったので,なるほどそういう背景だったのか,と納得できた. 一通り読んだが「理解」と「ゼロで割る」は今ひとつ理解が及ばなかった.あと「七十二文字」の「名辞」が何の単語の訳なのかが分からず(調べたところ"name"だった),イメージをつかむのに時間を要した.終わってみると「名辞」はDNAのことを指していたようにも見える.

    3
    投稿日: 2017.06.26
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    最後に不幸が訪れると分かっていたとしても、それまでの過程で十分すぎるほど幸福な時間を過ごせるとしたならば、その道を進むことを選ぶだろうか。 (幸福を時間で積分した時にプラスであれば選択する、みたいな功利主義論法を思い浮かべてしまった) 映画「メッセージ」の原作。映画の方が面白かった。短編集で、「あなたの人生の物語」以外は本当につまらなかった。

    2
    投稿日: 2017.06.26
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    SF短編集。 表題作は映画「メッセージ」の原作。 テッドチャンを初めて読んだが、凄いです。ある空想的な設定の元に、科学的・論理的に、ストーリーを細かに進めていく。発想と話の展開のおもしろさ。 ちょっと難しいが読み応えあました。 他の作品も読んでみたいが、邦訳の書籍は他には出てないのだろうか。 以下は読書メモ: バビロンの塔 塔を登って天空にたどり着き、穴を掘っていたら出水。 円筒印章のごとく天と地はつながっていた。 理解 ホルモンKにより理解力が異常に発達した男。 映画 ルーシーみたいにも思う。 ゼロで割る 数学者が、1=2でありどんな数も同じであることを証明してしまって苦悩する。 あなたの人生の物語 映画「メッセージ」の原作。 言語学者が宇宙人の言語を解明していく。 ヘプタポッド ルッキンググラス 目的論 表義文字 同時的認識様式 七十二文字 名辞という文字が力を持つ世界では、人類の世代交代が限界にきていた。 名辞を操る命名師の話。 人類科学の進化 ショートショート 人類と超人類 地獄とは神の不在なり 神が降臨する世の中。その際、祝福も災厄ももたらすことがある。 人が亡くなった時、天国と地獄のどちらに行ったかがわかり、地獄の様子を覗くことができる。 神への信仰とは何かを書くが、かなり難しい。 顔の美醜について ー ドキュメンタリー カリー 美醜失認処置 顔の美醜を判断できなくする処置に関する、いろいろな人のコメントや報道だけでドキュメンタリー的に展開する。

    6
    投稿日: 2017.06.18
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    名作とは思うが難解で記憶に残りにくい 表紙   6点岩郷 重力   朝倉 久志他訳 展開   7点2002年著作 文章   6点 内容 715点 合計 734点

    2
    投稿日: 2017.06.14
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    異星人との未知の対話と、心に浮かぶ我が子との既知なる日々。 ヘプタポッドが使う架空の言語を紐解くことで明かされる言語の大いなる役割に驚き、心に刺さって残った。 その美しいプロット。 尊い一瞬を生きれたなら命の宿命から少しだけ自由になれるのかも。

    2
    投稿日: 2017.06.08
  • 多様な表現と優れた発想の合体

    映画「メッセージ」公開ということで積ん読状態だったこの本を読んでみた。想像以上によかった。コミュニケーション、言語がテーマの話が多いが、数学、物理の小説化としても感心。「オロモルフ号の冒険」を思い出したり。表現作は映画を見た後読み返して更に感動が深まった。

    0
    投稿日: 2017.06.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。 SF短編集。表題作『あなたの人生の物語』が映画化され(『メッセージ』)、現在上映中のよう。 宇宙人と接触し、宇宙人の時間を超えた思考方法を手に入れてしまった地球人の話。 10年ほど前、この小説を最初に読んだとき、これは「悟り」の話だと思った。 しかしあらためて読んでみると、記憶していた以上に感情を揺さぶられる。この小説は「悟り」の物語であるけれど、その境地に立つための、凄惨で、慈愛に満ちた「覚悟」の物語でもあると思う。

    7
    投稿日: 2017.06.03
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    半端ねえ……。 すべての短編が、思考実験のような、それでいて物語性もある緊張感をはらんだものだった。 やはりなんつっても「あなたの人生の物語」が評判通りの傑作で、一度目にぐるっとひっくり返される感覚を味わって、二度目読んでようやくそれなりに理解。映画も見た。映画も好きだったけど、やっぱり原作のヘプタポッドの言語の描写と、それを習得することによって思考様式まで身につけていく過程の描写が好き。なんだか、ほんとうにありそうに思える。 >「ぜんぜんすごい」 >信じられない。わたしの仕事仲間が、「すごい」に「ぜんぜん」をつけるような人間だったとは。 なんてくすっと笑ってしまうようなところもあって。(←語尾まねっこ。)翻訳たいへんだっただろうな。でも大変読みやすい。 最初の「バビロンの塔」もおもしろかった。先日ブリューゲルのバベルを見たので、れんがを運び上げる過程など、現実感を持って迫ってきた。 「理解」は「あなたの~」とちょっと似ているところもあるかな。超人的な認識力を持つにいたったふたりの心理戦は鬼気迫るものがあって、なかなかの緊迫感なんだけど、絵面を想像すると超地味(笑)。映像化はぜったいできないであろうw あとは最後の「顔の美醜について」が、やはり徹底した思考実験のようなんだけど、おおぜいの人の言葉だけで描かれていて面白かった。 「七十二文字」や「地獄とは~」は、よくわからなかった(^_^;;  しかしここまで練りに練った完成度を求めたら寡作になるのもむべなるかなで……なんとも悩ましい作家ですね。

    3
    投稿日: 2017.05.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    息子と見ました。ばかうけ型宇宙船によって飛来するタコ型異星人とのファーストコンタクトもの。タコのコミュニケーション手段は墨。というあらすじですが、哲学的ですよ。楽しめます。

    2
    投稿日: 2017.05.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全体として、私の思っていたSFとは違っているように感じたけれど、それは私があまりSFを読んでいないからだろう。 『バビロンの塔』 たとえば、亀の上に象がいて…という世界観、そういう私たちの世界とは違う世界観を描いた作品。それは円筒形で、空あるいは宇宙という天井があって…。旧約聖書では神の怒りに触れてバビロンの塔は崩れるけれど、ここでは神という不確かな存在ではなく、世界の秩序がそうさせるようだ。それは新しい、世界の、あるいは科学の認識を思わせる。 『理解』 脳の機能が統一的全体像(ゲシュタルト)を把握できるまでに高度化していったら? そこでの戦いはもはや行動を起こす必要すらなくて。でも、最後は陳腐なゲーム展開のようで、残念な作品。 『ゼロで割る』 しばらく前に、光速を超える速度が観測されたかも、というニュースが流れたけれども、あの時に感じたものと似ているかもしれない。自明だったはずの土台が崩れ去った時、それは数学の話だけれども、同時に他のものにも波及してしまうかもしれないのだ。たとえば、夫婦関係とか。 『あなたの人生の物語』 外国語で話そうとする時、その外国語の構造でものを考えるように、ヘプタポッドの言葉を学んでいくうちに、ヘプタポッドの思考回路で世界を認識するようになる。それは新しい世界の獲得だ。ヘプタポッドがなぜやって来たのかは分からずじまいだし、でもヘプタポッドには見えているものがあって、その理解の一端が、ルイーズに娘の人生を理解させている。自由であることと自由でないことは等価なのだ。 『七十二文字』 人類に絶滅が迫った後に、研究開発された新たな名辞は、まるで私たちのようだ。それならばこれは私たち新たな人類が生まれる前夜の話。 『人類科学の進化』 ある一定年齢までに触れたことのない技術は、使いこなすことができない。そういう意味では、これは近未来の話ではなく、現在の科学技術の寓意であると思う。 『地獄とは神の不在なり』 ここでは実際に天使が降臨するわけだけれども、地上に起こるすべての事象は偶然の産物だ、ということを言っているように感じる。神のご加護だとか天使の光だとか奇跡だとか、そこに意味を見出すのはいつも人間であり、そういう意味でそこに意味は存在しない。真の信仰者となったニールは地獄へ行き、天国の光によってニールは「盲目」となった。そしてその事こそが真の信仰者の条件となるのだ。 『顔の美醜について――ドキュメンタリー』 自ら決めることの難しさよ。なんだかんだと理屈を並べてみても、結局は自分が得をする方を選びたいのだ。何が最善であるかよりも。

    3
    投稿日: 2017.05.28
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    「バビロンの塔」(The of Babylon, 1990)浅倉久志 訳 「理解」(Understand, 1991)公手成幸 訳 「ゼロで割る」(Division by Zero, 1991)浅倉久志 訳 「あなたの人生の物語」(Story of Your Life, 1998)公手成幸 訳 「七十二文字」(Seventy-Two Letters, 2000)嶋田洋一 訳 「人類科学の進化」(The Evolution of Human Science, 2000)古沢嘉通 訳 「地獄とは神の不在なり」(Hell Is the Absence of God, 2001)古沢嘉通 訳 「顔の美醜について ― ドキュメンタリー」(Liking What You See : A Documentary, 2002)浅倉久志 訳 「作品覚え書き」(Story Note)古沢嘉通 訳

    1
    投稿日: 2017.05.27
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    短編集ですが、どの話も確かな満足!しかも、どの話も世界観がしっかり確立されていて、引き込まれます。文章も説明的じゃないのに、適切な言葉と会話で見事に表現されていて、私はもう、この著者こそが人類を超越した知能の持ち主なのでは?と驚愕致しました。 今までの読書は何だったんだろう!?何度でも読み返したい一冊。

    2
    投稿日: 2017.05.24
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    メッセージの原作って短編なのね。 短編集だけど、まだまだ話を膨らます事が出来そうな話ばかり。不思議な読後感をもたらす不思議な話。映画になるだけ有って「あなたの人生の物語」が一番普遍的で判りやすい。 ファーストコンタクトものなんだけど言語学的アプローチが面白い。 他にも天使の降臨が日常である世界とか、ゴーレム的オートマトンが日常であるとか、突拍子もない設定の中の日常的風景描写が妙に緻密で面白い。 長編は書いてないのかな?読んでみたい。

    1
    投稿日: 2017.05.17
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    短篇集で一編ごとが読みやすい。しかし理解と判断は少し難しいように感じた。SFっぽくないと思うものもあったが、全体を通して少し不思議、そして何かしらの法則、ロジックを感じることができたように思う。個人的には、所々に伊藤計劃と似た雰囲気を感じることがあった。

    0
    投稿日: 2017.04.27
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    ブラウン大学で計算科学を学んだ作家の短編集。 全てSFだが、難解な本だと感じた。 独特の概念が描かれているが、まずそれがなかなか把握出来ない。 面白いなと思ったのは以下二作。 「あなたの人生の物語」 異星人と言語学者の交流を通じて、新しい世界の見方を獲得する話。 我々人類の言語、思考は逐次的であるが、異星人の言語、思考は目的論的で始めから未来がわかるというもの。正直、良くわかんないけど、未来が確定した世界で生きるというのはどういうことだろうか。 「顔の美醜について」 架空のドキュメンタリーで、人は容姿の美醜により人を差別し、判断する。 そこで他の差別を無くすのと同じように「美醜不認装置」という脳内デバイスにより、美醜により感情がわかないように調整し、人を美醜で判断しない世界を導入する社会に巻き起こる様々な意見を描いたもの。面白い着眼点だと思いましたが、しかし、顔の美醜は本能的な欲求とも関わるものであるから、他の差別と同列化するのは難しいかもね。

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    投稿日: 2017.04.11
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    「地獄とは神の不在なり」 これまで読んだ海外SF短編で最も面白かった。 天使の降臨が災厄と僥倖をもたらす世界という設定。 災厄と僥倖に振り回される人々を描いて、 神への信仰とは何かをうまく語っている。 その他の短編もリアルさとSF的な設定のバランスが絶妙でした。

    3
    投稿日: 2017.04.05
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    あまりに高尚な表現の数々。私の頭のキャパには入り切りませんでした。映画化されるという表題作はかろうじて理解できたものの、それでも???のオンパレードでした。映像になったらこんな私の頭でも理解できるでしょうか。

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    投稿日: 2017.02.04
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    表題作が、映画「メッセージ」の原作だ。 この緊密な構成の小説をどのように映像化するのだろうと期待しているのだが、予告編を見る限りは、冒険活劇的な展開になるようだ。 空間によって時間を克服されうるのか。 彼らの書く巨大な表義文字と同様のものを、地球人は都市として建造したのではなかったか。

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    投稿日: 2016.12.05
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    科学の世界に詳しい人には特に楽しめると思われる作品。一話一話に新しい世界を感じさせる。短編集だが一つ一つの作品が独自の世界観を形成していて、作者の想像力に驚嘆する。

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    投稿日: 2016.11.06
  • ちょっと骨太なスルメのような作品たち

    表題作ほか,短編全8編。 表題作「あなたの人生の物語」と「地獄とは神の不在なり」がよかった。 「あなたの人生の物語」は,異星人との交流を試みるうちに,あることに気づく言語学者の物語。 その超越した超越した構成には息が漏れた。ただ,物理学に登場する「変分原理」をかじっていないと その面白みがあまり伝わらないのでは? とも思ったけれど。 どの作品も,特徴的な世界観で,頭を使ってじっくりと楽しむちょっと骨太なもの。 読後にあれこれと考えたり,戻って読み直したりしながら,じわじわと面白みが増してくるスルメのような物語たちのようだ。 あと,『理解』はラノベ(笑)

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    投稿日: 2016.11.03
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    言語と思考をテーマにした、珠玉の短編集。 ここでは、もう一度読み返したい二編を。 【理解 "Understand"】 「もっと賢くなったらなぁ」「究極的に頭がよくなると、人は何を考えて行動するか」といった、 誰もが一度は空想する世界が、この短編の中で繰り広げられる。 『アルジャーノンに花束を』と同じく、医療による知能の拡張がモチーフだが、 『アルジャーノン~』で超知性である状態が、数ページだったのに対し、 この短編では後半にかけて、畳みかけるように能力を開花し、 読者自身が賢くなったようなカタルシスを覚える。 サスペンスな展開は、映画『Limitless』に雰囲気が近い。 【あなたの人生の物語 "Story of Your Life"】 表題作。 異なる言語形式を持つ、異星人とのコンタクトを通じて、 思考が変容していく、言語学者の物語。 2016年に『メッセージ(Arrival)』というタイトルで映画化。 日本では、2017年5月公開予定。 目には見えない言語と思考を、どのように映像化するか、楽しみ。

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    投稿日: 2016.10.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『理解』  脳障害で治療を受けていた患者が、投薬の影響で高い知能を授かり、高知能によって明確な目的を持って計画に向けて動き出した矢先に境遇を同じ人物との対峙を経て結末を迎える。 高知能、というのは知識が豊富というだけでなく、その優れた頭脳で無限に知識を吸収、実践し、体得していくことで人間から離れた高尚な存在となっていく過程がとても面白い。 『あなたの人生の物語』  エイリアン遭遇、意志の疎通、そして娘の人生を絡めた短編だが、読み終わった時、このタイトルはまさに然るべきだと納得させられる。 エイリアンとの交流によって得た相手の意志表明手段、また相手の文字、文体と、この一編の小説の構成が見事、鮮やかに一致している。 素晴らしい作品だった。

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    投稿日: 2016.09.29
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    # あなたの人生の物語 ## バビロンの塔 バビロンの塔は天に届き、天井に穴を空けてさらに上に出るとそこは地上であった。 SFというよりはファンタジーか。 ## 理解 瀕死の事故にあい、ホルモンKという新薬で治療を受けた男が、すべてを超越する能力を得る。自分の体を細胞単位で制御でき、他人の意識も操作できる。 ## ゼロで割る ゼロで割ることを許容する法則を見つけてしまった数学者が正気を保てなくなる。 ## あなたの人生の物語 宇宙人と遭遇し、時間経過に無関係のその言語を理解した科学者が、過去も未来も一様に見通せるようになり、生まれたばかりの娘にその人生の結末まで話して聞かせる。 ## 七十二文字 中世ぐらいが舞台か。名辞という文字列によって人形を動かすことができる。人間の発生は前成説によって理解されている。精子だけを加速して成長させることによって、人類はあと数世代しか繁殖できないことがわかってきた。精子に「これと同じ名辞が書き込まれた精子を製造する」という名辞を書き込むことによって、繁殖の計測を試みる。その名辞こそが人類という種そのものを記述する文字列ということになる。 ## 人類科学の進化 人類の能力を超越した超人類が科学を先導している今、人類にできることは超人類の理論を追いかけて理解することだけだが、それでも意味はある。 ## 地獄とは神の不在なり 天使の降臨が現実に起き、地獄が顕現してその中を覗き込むことができ、死者が天国へ登っていくところを見ることができる世界。 天使の降臨は雷のようなエネルギーの爆発として現れ、治癒を受けるものもいるが、死者も出る。 SFというよりはファンタジーか。 ## 顔の美醜についてードキュメンタリー 脳の操作によって顔の美醜を見分けられなくすることができる。その方法の賛否についてさまざまな立場の人物のコメントが並べられている。

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    投稿日: 2016.09.28
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    教授が学生に研究課題を与えるがごとく、拡げられる設定を短編でスッと終わらせて「大体枠組みはわかったね。あとは君たちで考えなさい」と言われている気がする。田辺イエロウ「終末のラフター 」を思い出したり。

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    投稿日: 2016.09.22
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    機械や科学が介入するバリバリのSFだけでなく、「少し不思議」の意味のSFも含まれた読みやすい短編集。外見の美醜に纏わる物語を広げた「顔の美醜について」は読み応えがあった。

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    投稿日: 2016.08.30
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    凄いものを読んだ。特に表題作。SFなのだが、精巧かつ重厚な建造物を造るかのような、論理的な裏付けがされている。宇宙人と如何にコミュニケーションをとるかという課題に対し、丁寧に言語学的仮説を積み重ねながら接近を図っていく様はスリリングとしか言いようがない。自分たちが持っている「価値観」の意味すら揺るがされる。これなどを読むと侵略ものの映画で描写される宇宙人像は、なんと薄っぺらいのだろうかと思う。

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    投稿日: 2016.07.27
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    タイトルにもなっているあなたの人生の物語。 短編集でどれも面白かったのですが、とりわけ現実に密接した壮大な不思議でした。最近インターステラーを見たせいかどうにも時間とは、未来とは、また確率とは、ということをすごく考えます。それに対して、その知覚の質から違うかもしれないという、とても面白い視点を築いてくれたお話でした。 わたしはどの極致へ向かうのだろう… どきどきします。

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    投稿日: 2016.06.14
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    どの作品も独創的で面白い。評価が高い本書であるが、その期待に十分応えてくれるだろう。訳文も読みやすく、すらすらと読めてしまった。個人的に面白かったのは、「バビロンの塔」「理解」「七十二文字」「顔の美醜について」だ。なんだほとんどじゃないか。ただ一方で神と関わる話が多く、私を含む日本人には本当に内容を理解するのは難しいかもしれない。 以下、個別の作品の感想。 ◎バビロンの塔 あのバビロンの塔の建設中に人間が世界の正体を知る。神話と哲学が混じった不思議な感覚が面白い。宇宙の形がどうなっているのかなど物理的な要素もあり、いくつものSF的要素が絡まって、楽しく読める。 ◎理解 「アルジャーノンに花束を」に似た話になるのかなと思いながら読み進めたが、進む方向が違っていた。神を薬で創り上げるような物語だった。面白い。 ◎ゼロで割る 1=2を証明してしまって苦悩する数学者を見守る学者の物語。“もしだったら”を想像したらこんなことが起こりそうというのがよく分かる。きっかけは面白いが、結末が少し物足りない。 ◎あなたの人生の物語 異星人とのファーストコンタクトものというには大雑把過ぎるかな。ファーストコンタクトの難しさは分かるが、それと“あなた”、つまり異星人と“あなた”の関係がよく分からなかった。想像を膨らませると、“あなた”の父親が誰なのかを考えてしまう。独創的な物語である。 ◎七十二文字 AIではなく生物学的に人工生物(オートマトン)を作り出そうとする。粘土ロボットに命を吹き込むというか、ゴーレムを作り出そうとする。現代の技術に近いものはDNA解析技術でクローン生物を作り出す試みであろうか。背景に人類が5世代のうちに滅んでしまうことがあるのだが、あまりうまく活用されていないのが残念なところか。 ◎人類科学(ヒューマン・サイエンス)の進化 シンギュラリティを迎えた時の科学がどうなるのかを警告(想像)している。楽観論かな。 ◎地獄とは神の不在なり キリスト教徒ではない人(私を含む)にとって、この物語を理解するのは難しいのではないだろうか。知識としてキリストを含む神を知ってはいても、それをベースにされた時点で、きっと知るべきことが欠けていると思う。自分にとっては難解でした。 ◎顔の美醜について――ドキュメンタリー この作品は、読者が美男美女かそうでないかで印象が変わるのではないだろうか。そう思うと普通に面白い。人間が本来持っている生理的な反応に対して人工的な操作をするのは、文字通り不自然だと思うな。あらゆる差別を撲滅するのは賛成だけど、論理ではない感覚的なところの差別を撲滅するのは教育だけでは難しい。だから科学の力を使おうという発想はアリなのだけど、それも不自然なのかもしれない。 ◎作品覚え書き 著者がどのような発想で収録されている作品を執筆したのか本人の解説が読める。こちらを先に読んでおいてもいいかもしれない。

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    投稿日: 2016.06.01
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    発表以来各誌で絶賛され続けている、中国系米国人作家の短編集。どこでレビューを読んでも褒めちぎられていて、手に取るにはちょっと気が引けるぐらい(^_^; 取り上げられているテーマは斬新です。いかにもSF的なアイディアを基に、でも描き出すのはそのアイディアの「SFらしさ」よりもむしろそこから派生する日常生活の変容、人間の心の変容。淡々として外連味のない筆致といい、ちょっとグレッグ・イーガンを彷彿とさせます。 が、鴨にとっての読了後の印象は、「えっ、これで終り?」とあっけにとられたのが正直なところ。 好みに合わなかった、と言ってしまえばそれまでなんですが・・・何と言うかこぅ、SF的なアイディアを基に世界設定をして、登場人物を配置して、登場人物の動きや心情を描写して、で、それで?というところで物語が終わってしまうんですよね。その発想は面白いけど、物語としてどうなの?と評価できる一歩手前でカーテンを閉められてしまう感じというか。 SFとしての構成要素は十分満たしていると思います。物語としての完成度を、鴨としてはもっと期待したいです。まだ知られ始めたばかりの作家ですし、これからの作品に期待大!ですね。

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    投稿日: 2016.03.07