
総合評価
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powered by ブクログ海外文庫のため前半はかなり読みづらかった。 読み進めていくうちに理解できるようになった。 後半には本を通じて生き方、考え方などを世界規模、人類規模で書かれていた。 ディストピア作品だが希望のある結末だったので良いと思う。 本を読まずに、スマホやネットで思考が停止している現代を風刺したような作品を1953年に書ける作者の想像力はすごい。
0投稿日: 2020.01.11
powered by ブクログ淡々とお話が進んでいって作品世界にのめり込む前に終わっちゃったという感じでした。短い... 本の所持が禁止された世界の話ですが、敢えてなんでしょうが説明が少なくて、深掘りすると面白いんだろうけど分からないという箇所が多かったです。 よく引き合いに出される1984年ですが、あちらは未来は悲観的に描き、こちらは未来を信じている本だと感じた。
4投稿日: 2019.12.22
powered by ブクログやっぱりブラッドベリは苦手だ。詩的な文章が特に。でも何故か彼の本を手にとってしまう。読書が禁止されメディアによって情報が支配される世界は、私たち本が好きな者からすれば実に恐ろしい未来の姿である。現在でも書籍や音楽、映像がどんどんデータ化され、手に触れる事のできない不確かなモノに変わりつつある。便利さと引き換えに何かを失ってはいないか、考えさせられる作品。
4投稿日: 2019.10.18
powered by ブクログ新訳とはいえ、原著が60年以上前なので空想上のハイテク機器の記述がどうしても分かりにくい。 とはいえ、今イーロン・マスクが計画中の真空のチューブを走る電車や、リアルタイムで動画を加工する技術や、大画面液晶テレビ、軍事用ドローンなどをすでに見てきたかのように記述していることや、人間が繰り返してきた、これからも繰り返すであろう愚行を透徹した目線で描いているのには脱帽する他はない。 ただ、序盤に出てくる「無垢なる少女」像の無邪気な描き方には時代を感じるが(現代だったら、少女にピュアネスを押し付けるステレオタイプとして批判されるのでは)、中盤からの脂汗をかくような心理的葛藤の連続には手に汗を握り、一気に読んでしまった。
0投稿日: 2019.10.09
powered by ブクログ先にあとがきを読んだのだが、新訳の意味がとうとうと語られており、とくに序文の訳の違いの説明はかなり説得力があった。お・これは翻訳に期待!と読みはじめたら、まさかの「おや?この訳文はかなり読みづらいのでは…」とまったく期待はずれで、最初に結構つまずいてしまった。ページ数も大分削減されたということが良いこととして書かれていたが、もしかしたらタイトにしすぎなのでは…?などと思ったり。えてして、翻訳への期待値は、こういった形であげるべきではないのである。そして、こういう名作は意外と古びた旧訳のほうが単語は錆びているが、文構造はがっしりしていて読みやすかったりすることもある(この本は比較していないので分かりませんが) と、最初につまずきまくったのだが、波に乗ったら信じられないくらい面白かった。おそらく、原作の力だろうなと思いましたね。どこへ連れて行かれるのか分からない恐怖感・不条理感と、主人公の行動の「オイオイ、それは駄目だろ…」感が非常に物語にドライブ感を与えており、乗れば一気読みでした。しかし、人の思考を鈍らせたかったら不燃性の情報を頭に詰め込めばいいんだ、というくだりはなんというか本当にその通りだと思いますね。SNS上のくだらない情報とかが1日100個くらい頭に入ってくると、なんだかそれ以外のことがどうでもよくなり、真剣にひとつのことや大きなことを考えられなくなる。そのことが非常に端的に表されていて震えた。本を読みながらこんなことは絶対に言いたくないのだが、やはり何百年という時の流れを耐えてなお読み継がれている本にはなにかしらの理由があるのだ、と思わずにはいられない読後感、私たちは本を信じているのだ、と簡単に言いたくなるような読後感がまあ読書人には受けているのであろう、私も軽率に心打たれました。
4投稿日: 2019.10.09
powered by ブクログ古典として名前だけは知っていたが、新訳とあったので初読。 ちょっと幻想的なSF?でした。地の文の訳がおそらく上手なんだと思われます。 これたぶん新約じゃなかったら読めなかったような気がします…
0投稿日: 2019.10.08
powered by ブクログこの作品に自分が挑むには読書レベルが全然足りていないと、読み進めながら大変悔しゅうございました……orz 訳者あとがきにあるように、焚書をベースにした設定やストーリー展開自体はとてもシンプルで、かつ、とても魅力的。が、大量に登場する文芸作品からの引用と、あたかも詩のような比喩表現の数々に惑わされまくりました。いや、後者に関しては、それこそがブラッドベリの魅力だと分かってはいるのですが; 引用文の大半にピンと来るくらい文芸に明るければ、もっとのめり込めるんだろうなぁ~。
0投稿日: 2019.09.15
powered by ブクログちょっと凄かった。世の中にある本を焼き尽くす仕事の主人公。戦争が始まろうとしていても人々は気にしない。スポーツやその場限りの観劇で発散。本があると知恵がつき暴動が起こるので世の中や人々は不幸になる。うーん、思わずそうかも…とゆらゆら〜。1953年の作品で新訳がとても読みやすい。少し言い過ぎも感じるけど今の時代にも通じる。ネット社会だけど紙の本は強い‼️と改めて感じた
0投稿日: 2019.08.22
powered by ブクログ◯あまりSF作品は読まないが、当該小説は訳が大変分かりやすく、元が日本文であるように滔々と読むことができる。 ◯なるほど、解説に抒情詩人とあるとおり、まさしく比喩表現が多いが、目を瞑れば、情感を含めて、切迫感のあるシーンを思い浮かべることができる。 ◯凡人が大家を評するようで、いささか僭越ではあるが、ひとえに、著者と訳者の絶妙なる表現力により、素晴らしい小説となっていると思う。
0投稿日: 2019.07.19
powered by ブクログマイケル・ムーア監督の映画『華氏911』のタイトルの元になった作品であり、かつてフランソワ・トリュフォーが映画化した作品であります。レイ・ブラッドベリの代表作として必ず数え上げられるディストピア小説です。タイトルの華氏451度とは紙が燃え出す温度で、摂氏でいえば220度程度のようですね。 書物が禁止されている未来において、焚書官(どうやら原書では”fire man”と記載されているようです。かつては火を消していた役職が未来においては皮肉なことに火をつけて回る役職になっているということですね)のガイ・モンターグが、ある少女との出会いから、自らの仕事に疑問を持っていくという物語です。 非常に読み応えのある物語ですね。特にラストの方の叙情性が素晴らしいです。
0投稿日: 2019.06.01
powered by ブクログ1953年の作品を新訳して2014年に発行された不朽の名作と言われる小説、今読んでも十分に面白いし示唆に富んでいますね♪ 紙が燃え始める温度 華氏451度(ほほ摂氏233度)がタイトルの名作、百害あって一利無しとされて書物が燃やし尽くされた時代が舞台で花形職がファイアマン、消防士 ではなくて昇火士と和訳されているのでイメージしやすい。その昇火士モンターグが主人公で、仕事に最大限の誇りを持っていた彼がとある少女との語らいに由り ふと感じ始めた違和感から劇的変化の道を歩むことになる。良い本に出逢えました(^^)
10投稿日: 2019.05.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本が禁止され、消防士ならぬ昇火士が出てくるような話を何でわざわざ新訳版でまで読んじゃうのかなぁ? 焚書反対です!
0投稿日: 2019.05.07
powered by ブクログブンガク かかった時間115分くらい これまた超有名な作品なので、焚書の話というのは知っていたが、初読。 正直、人生の一冊レベルの作品だと思う。訳者の訳もきっと良いのだろう、小説のもつ言葉の美しさや象徴性を駆使して、2019年のいままさに目の前に迫っているディストピアを1953年にここまで的確に描くとともに、人間にとっての時間、思考、つながり、の不可欠性を、登場人物の言葉でこれでもかと訴えている。 反知性主義、大衆主義になにもできなかった個人たちが、自らが「本」だと語り、それを後代に伝えるために生きる。ディストピアを、しかも今や現実になってしまったディストピアを描きつつ、戦争も災害も超えられるのは人間だけだという、人間の営みへの絶対的な信頼があるのもよい。 これはやばい。スタバで何度もうるうるきた。再読前提の作品。
6投稿日: 2019.05.03
powered by ブクログ本が禁止された世界の話。 「大衆そのものが本を読むのをやめてしまった」 と言う言葉は今の世界に通じる。 形は違えども、今の世の中も本は淘汰されるツールになりつつある。
0投稿日: 2019.03.17
powered by ブクログずいぶん前に観たトリュフォー監督による映画の印象をいだきつつ読む。概ね筋は同じだが根底のテーマは原作小説のほうが深いと思う。 特に印象的なのはフェーバー教授との会話を通じ、現代の映像メディアと比べて読書とは深い体験を記憶に残すと感じるシーン、今一つはグレンジャーとの会話の中で、読書が過去の過ちを読書により知ることで同じ過ちを犯さないと感じるシーン。特に前者は執筆した1953年当時では斬新だったと思う。 それにしてもファイヤマンが火消しから火付けに職業転換しているのはふるってますね。 名文も所々あったが残念なことにとても読みにくく細部において理解できないところもあった。訳者あとがきは読みやすいのできっと原作が難解なのだろう。 印象的な本だが、人には勧めにくい。
0投稿日: 2019.03.03
powered by ブクログおもしろかった! 最初の主人公と少女が出会うところからひきこまれました。詩的?な文章と緊張感のある展開で最後まで飽きずに読めました。
0投稿日: 2019.02.08
powered by ブクログ詳細は、こちらをご覧ください。 あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1655.html レイブラッドベリのSFだから、奇妙なのは承知の上で読み始めたけれど、どうにもならない虚しさに、気が滅入ってきた。 救いを求めて最後まで読み切る! 最初は、少女との出会い、といっても ほんの僅かだけ。 それが 主人公が当たり前だと思っていた人生を180℃変えてしまう。 訳知り顔の隊長の話、その後どうなるのかと思いきや 無残。 主人公は 真実を求め、導師のような人に会いに行く。 そして波乱の連続に追い立てられるように生きていく。 こんな未来が果たしてくるのか? 2018/1/10 借りて読み始める。1/31 読み終わる。
1投稿日: 2019.01.12
powered by ブクログ昔、観た映画の印象とはずいぶん違ってる。ブラッドベリは『火星年代記』しか読んでないので、読みが足りないんだろうけど、どうも登場人物にあまり感情移入できないし、設定も詰めが甘いような印象を持ってしまう。けど、そこがキモではなくてブラッドベリの言い回しというか表現というか、独特の味わいを楽しめた。テーマ、メッセージは鋭く色褪せない。ほかの作品も読んでみようと思う。
0投稿日: 2018.12.25
powered by ブクログ【由来】 ・読書猿であり、千夜千冊。 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】
0投稿日: 2018.10.28
powered by ブクログ本を全て燃やし尽くしたディストピア。本を所持していると通報され、昇火士が燃やしにやってくる。 1部、2部はあまり話しが入ってこなかった。訳が合わなかったのか、作家が合わなかったのか、ブラッドベリは初めて読んだからわからないけども、世界観はすごく好み。 こっそり本を持ち帰っていたモンターグが通報され、家を燃やされるところから始まる3部は、とても読みやすく緊迫感もあり楽しめた。読み慣れたのかな…。 しかし、上司のベイディはなんで本の内容を知っているのだろう…
0投稿日: 2018.10.14
powered by ブクログ本屋さんで見かけてずっと知っていて、それでも読んでいなくて、今回人に勧められて(映画の方を)手に取った。ブラッドベリだったというきとも入りやすかった。 やはり本は不思議なことに読むタイミングで出会うものだと思う。今までではなく、読んだのが今だということが、大きい。 内容もさることながら、全くと言ってよいほど共感できる言葉があちこちに。 − 優れた作家は幾たびも心に触れる - 普通の人間がさがしものの99パーセントを見出すのは本の中だ - かならず、という保証を求めてはいかん。ひとつものの、ひとりの人間、ひとつの機械、ひとつの図書館に救われることを期待してはならんのだ
0投稿日: 2018.10.06
powered by ブクログ記録を調べたら、違う装丁の本書を2年半ほど前に読んでいた。 自民党総裁選が終わったこの時期に、また読むべきだと思ったのはなぜなんだろう? 日本人が白痴化して、マスメディアや時の為政者に蹂躙されることを避けようとして、抵抗の証として本書をまた読んだのかもしれない。
4投稿日: 2018.10.04
powered by ブクログ※暴力描写の含まれる作品です。 【印象】 本の禁じられた世界。 「昇火士(ファイアマン)」による焚書。 刹那的な人々のなかで、疑問を持ち、目覚めた男がいた。 私たちは覚えていない。 【類別】 小説。 SFでしょうか。 【筋】 人類の叡智に係るレジスタンスについて。 感覚に訴える類の面白さが強調された物語ではなく、"知識"の性質の核にスポットライトを当てた仮の話です。本は本にあらず、人は人にあらず。 こういう、アレを容器として捉える観点が1953年には既にあったのだとわかります。現代のSF系作品に時折見られるそういうギミックというかガジェットのやつです。 【表現】 平易だったりそうでもなかったり。平易です。 三人称一元視点。
0投稿日: 2018.10.01
powered by ブクログ詩を朗読するシーンがあまりにも好きです。 トリュフォーの映画も観たけど、やっぱり原作の雰囲気が好きです。引き込まれて一気に読める。
0投稿日: 2018.09.30
powered by ブクログ友人に薦められた本。 本を読むことが禁じられた世界。庶民に自分で考えさせないため。時間つぶしは偽家族の壁テレビ。車でスピード運転。学校では生徒が殺し合う。 1955年頃?書かれた小説でテレビが普及し始めた頃か。翻って今は、スマホ全盛時代。考えないと読めない本はますます売れない。考えなくなってきている現代を先読みした内容に思える。
0投稿日: 2018.09.28
powered by ブクログ主たるテーマは「焚書」。本があればそれは「弾を込めた銃砲があるのと同じこと」とまで言われるほど本は危険なものとされており、持っていれば家ごと火だるまにされるディストピアがこの小説の舞台となる。 ディストピアといえばオーウェルが名高いが、彼の『1一九八四年』以上に、大衆がこうした白痴化に歓迎的なところが空恐ろしい。『一九八四年』ではスター・・・「Big Brother」という顕在化された独裁者による洗脳なり思想統制が顕著であった。 一方で、本作ではそうした明示的な悪人は示されない。快楽の殺人や自殺が世界で頻発しているのに、本が無い世界は当たり前のように世界に浸透しつつある。これに反旗を翻そうとする人はおろか、疑問を抱く人でさえも、世の中から爪弾きにされ消えてゆく。こうした構造は、書物に限ったことではないだろう。 作者が半世紀以上前に鳴らしたこの警鐘も、いくつかは現実のものとなっており、それでいて私にはそれが当たり前なものだと見えているのかもしれない。こうしたディストピア小説を読んで恐怖や危機感・嫌悪感を抱きつつも、自分が採っている行動は現代のブラッドベリからしたらディストピア生成に迎合している愚かな大衆のそれなのかもしれない。Big Brotherのような分かりやすい悪役を据えてくれるほど、現実はシンプルではいてくれない。
0投稿日: 2018.09.25
powered by ブクログ新訳を読むのをずっと先延ばしにしていたのだけど、ファイアマンに昇火士の字があてられているのにまずびっくり。センスが素晴らしい。 動物園の動物は幸せなのかなって考えてしまう人は面白く読める本。 動物園の動物は楽でいいよなーって思える人は理解できない本。 だとずっと思ってるのだけど、どうでしょう?
2投稿日: 2018.08.04
powered by ブクログ忘れたけど他の本で引用されていて気になった一冊。1953年に出版された原作の新訳。今まで訳本で読みづらいと感じたことはあまりなかったけど、この本は少しあった。けれどあとがきを見るとこれまでの訳本はもっとひどかったのかなと思う。それだけ原著が難しいのか。ただ"昇火士(fireman)"の訳は素人の自分が見てもなんだかしっくりきてて良いと思った。 内容については「本を禁止する」は現実にはあり得ないと思うけど、人々の感覚やしていることはほぼ現在に近いように感じた。移動中はスマホや音楽、家ではテレビ、本を読む人はどんどん減って、最近の遊びはすべて受動的に行えるからものごとを考える時間も減る。まさにこの辺りはすでに現実になっているし、考え方の違う人を減らして、人の個性を均すような教育もすでに始まっていると思う。クラリスやモンターグのような人が減ったらいけないと改めて思った。旧約も試しに読んでみたい。
0投稿日: 2018.07.16
powered by ブクログ本を読むことで得られる感覚、覚醒、異端になること、恐れぬこと、救われることを、皮肉とロマンチシズムとともに、本が失われた世界の中で、全力で肯定してくれる。 この本が書かれた時より、既にこの本が描いた年代の方が近い今、預言書としてここまで現在の空気を批評してくれるなんて。 ”ただ芝を刈るだけの人間と、庭師とのちがいは、ものにどうふれるかのちがいだ” ”いまは、なんでも見てみたい。見たものがおれのなかにはいるときには、そいつはまるでおれじゃないが、しばらくたって、はいったものがおれのなかでひとつにまとまると、それはおれになる。”
3投稿日: 2018.07.09
powered by ブクログブラッドベリは「私の墓石に落書きを書くのならば(この人は物語り書いた人)と書いて欲しい」と答えたインタビューを読んだ記憶がある。まさにこの本は物語りの本です。高校生以来の再読です。
1投稿日: 2018.04.30
powered by ブクログ書籍が禁じられた未来の話。書籍を燃やす職業の焚書官(恥ずかしながら、”焚書”を”ふんしょ”と読むことを知らなかった…)が、その仕事に疑問を持ち始め、書物の重要性を認識していくストーリー。 管理する側が、いかに人類に余計なことを考えさせなくさせようとするか、その方法などもなるほど、と考えさせられる。 ストーリーとは関係ないが、佐野眞一氏の解説に記載されていた、GHQによる日本国民の愚民化政策である3Sというモノも初めて知った。それはScreen、Sports、Sexの三つだという。そんな政策が実施されていたことにも軽い驚きを感じた。
0投稿日: 2018.04.11
powered by ブクログブラックな近未来物には一時的に非常にハマったのを覚えている。「1984」「未来世紀ブラジル」「時計仕掛けのオレンジ」等々。レイブラッドベリは萩尾望都氏が漫画化したことで名前を知ったがちゃんと読んだのは初めてである。 元々あった文化が公的に否定され、新しい文化(科学や工学)に取って代わられて結果人間が後退していくといった様は、おそらくかの時代の作家たちの本当に危惧していた未来像だったのだろう。そしてそれは当たらずとも遠からず、である。 詩的な表現が多彩で、さらに引用が多く浅薄な知識しかない自分には正直読みにくい部分も多かったが、「焚書」という恐ろしい検閲を題材にしたドラマには興奮せざるを得なかった。再読必須。
0投稿日: 2018.02.11
powered by ブクログ焚書の時代。 人は書物を持つことを禁じられ、法を犯して書物を持つ隠し持つ者は昇火士が襲いかかり、ケロシンの炎で書物を焼き尽くす。 昇火士のモンターグは今日も書物を焼き払ったが、書物と一緒に焼き払われることを選んだ女性を見た夜、自分もまた自宅の通気口の中に書物を隠し持っていることを告白する・・・ レイ・ブラッドベリのディストピア小説の傑作と言われていますが、僕はもっとストーリー性に富んだ話かと思っていました。面白いけれど、自分の趣味とは少し合わないかな。
0投稿日: 2017.12.31
powered by ブクログ「わたしは事実については話さんのだよ」「事実の意味をこそ話す。わたしはここにすわっている。だから自分は生きているとわかるのだ」
0投稿日: 2017.12.29
powered by ブクログ書物の紙が引火する温度が華氏451度です。 昇火士と呼ばれる焚書官によって書物は焼かれ、仮想空間や双方向ニュースが個人の思考を抑制する未来社会が描かれています。 主人公の昇火士モンターグは、徐々に書物に惹かれていきます。 読書を知らない焚書官の反応は、まるで初めて絵本と出会った子供のようです。 書物とは一体何なのか、読者も改めて考えさせられる一冊。
1投稿日: 2017.12.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大学院の授業の課題本として読まなければならず読んだ。 ユートピア、ディストピアという分類も知らなかったが、この本はディストピア(暗黒郷)小説に分類されるようだ。 確かに話の設定は暗黒世界だが、主人公は前向きだ。 話の内容はわかりやすく、所々に心に残るフレーズが織り込まれていて読みやすい。 最後まで読み切り、後味は悪くなかった。
0投稿日: 2017.11.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
焚書と言うと政府による弾圧、ディストピア的社会がテーマのように思えるが、その実としては一過性のエンターテイメントや現実離れした映像メディアに耽溺し、現実への対応力を失った、物事を考えなくなった人間の姿を描いている。終盤の戦争という足音が近付いているにも関わらず、モンターグの逃走劇に街のものたちが夢中になっている描写に顕著。 また一方で、モンターグが合流する逃亡学者たちの姿からは、文化とは伝え広げていくものだということも読み取れる。仮に街が失われても、文化は人から人へと伝え、受け継がれていく限り失われないという視点には救いを見出だせた。
0投稿日: 2017.11.06
powered by ブクログーーー むかし本を気に入った人びとは、数は少ないながら、ここ、そこ、どこにでもいた。みんなが違っていてもよかった。世の中は広々としていた。ところが、やがて世の中は、詮索する目、ぶつかりあう肘、ののしりあう口で込み合ってきた。映画や、ラジオ、雑誌、本は、練り子で作ったプディングみたいな大味なレベルにまで落ちた。わかるか? ひとつのもの、ひとりの人間、ひとつの機械、ひとつの図書館に救われることを期待してはならんのだ。 伯父がいうには、昔は家の正面にポーチがあったんですって。それでね、夜になるとみんなそこにすわって、しゃべりたいときはしゃべったり、揺り椅子をゆらゆらさせたり、しゃべりたくないときはしゃべらずに、いっときすごしたの。ただすわって、じっくり考えごとをすることもあったそうよ。 その考えがおかしいということで、つぎの日曜には信徒がひとりもいなくなっていたという御仁だ。 人生は挫折の集合体になったんだ、モンターグ。バン、ボコッ、ワーオ!なにもかもがこのとおりさ
0投稿日: 2017.10.29
powered by ブクログ第3部の終盤、グレンジャーが祖父の話をするシーン。その祖父から得た警句が印象的だった。訳者あとがきも、この作品を理解するのにいくつかの重要な情報を与えてくれている。
0投稿日: 2017.09.19
powered by ブクログディストピア小説をたくさん読みたくなって、衝動買い。表現がとても魅力的。 2025.4.11 再読↓ 読み返すたびに、現実世界がこの本に近づいていって恐ろしい。馴れ合いだけのSNS、倍速動画、AI生成のコンテンツ等等。読んでいると「うわ!これってまさに今のことでは...」となる部分が多すぎて、著者の慧眼に感心するやらこの先の未来が不安になるや ら。 人間が自分の頭で考える時間はどんどん少なくなっていって、近くで起こる戦争にも全く気づかず...という流れにゾッとする。 本なんて存在自体が悪になってしまう、そんな設定が読書好きとしてはとても辛い。ときどきブクログを開いて、まだ読書好きはこんなにいる!と安心感を得たりしながら読み進めた。
0投稿日: 2017.08.06
powered by ブクログ「表紙を見ただけで、書物の価値をきめなさるな」 レイブラッドベリの有名な作品。 数年間積読でしたがついに読了。 読んで良かったです。 文体がキレイで散文詩みたいです。 だけど熱いですよ。 修造的な熱さではないけれど じんわりとくる熱さです。 で、何に対してそんなに熱く語っているのか? それはずばり魂の自由についてです。 と、私もついつい熱く書いてしまいましたが(笑) この小説は熱くならざるを得ないですね。 なぜならこの小説は「本」を守る事に ついての物語だからです。 舞台は近未来(作品が書かれたのは1950年代)。 本を読む事そして所持することが禁止されている世界なんです。 今の時代の感覚でいうと麻薬みたいなイメージなんです、本が。 例えば隣人が本を読んでるところを見てしまった! となると、善良な市民としては警察?に通報する義務がある世界なんです。 そして本を持っている事がばれると 火炎放射器を持った『焚書官』といわれる人たちが現れて 本を焼き尽くしてしまうんです。 イメージ的には消防士みたいな感じですね。 ところがやる事は正反対。 どこそこの家に本が隠されているぞという通報を受けると 『焚書官』が『本」を焼いちゃうんですよ。 その本が自然発火する温度というのがタイトルの 「華氏451度」というわけです。 で、物語としては、 焚書官である主人公が自分のやっている事に 疑問を抱くんですね。 で、実際「本」というのはどんなものなのか? 好奇心を抑えられなくなる。 そして本来焼くべきはずの本を 隠して自分の家に持ち帰ってこっそりと読みはじめる。 そして衝撃を受けてしまうんです。 「本」というものの素晴らしさに。 そうなるともう主人公はそれまでの生き方は出来ません。 そして周りの世界も主人公を今までのように 社会の一員としては認めてはくれません。 はい、この瞬間から彼は世界の安定を脅かす 「社会の敵」となり追われる身分になります。 ということで主人公の逃避行が物語のメインの流れになりますね。 どうなるかはここでは書けませんが気になる方は本書をどうぞ! で、本が麻薬と同等! なんて突飛な設定だと思いますか? でも、そうでもないんですよね。 昔から時の為政者に邪魔になる思想というのは 弾圧されてきたわけですからね。 実際、反社会的な本を焼く『焚書』というのは 昔からあったようですしね。 この小説では本という解りやすい形で 表していますが 実質は物事を深く考えたり 時の政権に対してもの申したりという事が 押さえられているという事です。 まあ、押さえつけるだけでは 反発を生む訳ですから、時の政権は 「パンとサーカス」みたいな感じで 娯楽も与えたりしているわけですが。 これはどの為政者も行う事ではありますね。 個人的には考えさせられたのは 本とは何なのか?という事ですね。 やはり本とは何かを知ることにより、 魂の自由を得る その手段が「本」という事になるのかなと 思う訳です。 なので冒頭にこの本は 魂の自由についての本だと書いたわけです。 2016/11/07 13:16
0投稿日: 2017.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「きみの目のまえにいるのは臆病者だ。ずっと昔、わたしは事態が進行してゆくのを目にしていた。しかしなにもいわなかった。わたしは、誰もその”罪”に耳を傾けようともせん時代に、その気になれば声をあげることもできた無辜の民のひとりだったのに、口を閉ざして、みずから罪人になりさがった。……そしていまでは手遅れだ。」(137頁) 「書物は、われわれが忘れるのではないかと危惧する大量のものを蓄えておく容器のひとつのかたちにすぎん。書物には魔術的なところなど微塵もない。魔術は、書物が語る内容にのみ存在する。」(138頁)
0投稿日: 2017.07.02
powered by ブクログ本をしっかり読んだことがないながらに感覚的な声に突き動かされて行動する主人公よりも、本を読んで理解していながらに体制の維持のために本を焼いているベイティーのほうが、人物としては厚みがあるように感じた。彼が死にたがっていたというモンターグの予想は、おそらく(確かめようもないが)正しい。知識人の大衆社会への絶望。助言者のフェーバーはベイティーの考え方を理解してなお、本の価値を守ろうとしているが、ベイティーの課題に対して現実的な方策があるわけではない。 火星年代記みたいな詩的な短編を書く人が、こんなに社会派な長編を書くということが驚きだった。
0投稿日: 2017.06.13
powered by ブクログバーナード嬢曰くと言う漫画で紹介されていたため興味を持って図書館で借りる。 本が禁書となった世界の話らしく、アウターゾーンの「禁書」を彷彿とさせる。 借りてみたものの30ページまで読んでみたが、恐ろしく回りくどい詩的表現、比喩表現が多すぎて正直その時点で読むのを断念。 しかし図書館で借りた本なので期限があるし、よく見たら後にも予約者が沢山居たのでさっさと読む事を決意。 80ページ辺りでようやく事が動き出し面白くなり始める。 内容をかいつまんで説明すると価値の低いコンテンツの蔓延と人口増加による行き過ぎた弱者ビジネス(こういうの何主義って言うんですかね?)や個人主義による言論封鎖が原因でこのディストピアは完成したらしい。 よくみると現代に通じるものがそこらに感じられる。 価値の低いコンテンツは昨今のネットから書籍化した漫画や小説を思い出すし妻がつけている巻貝やリビングの親戚達はニコ生やYouTuberにそっくりだ。 正直これから先どういう風に物語が進むのか凄い気になる。 ここまで個が大事な世界ならなぜ主人公は結婚したんだろうか?この辺も読んでいけば徐々に解き明かされていくのだろうか? 最初の冗長な言い回しさえ乗り切る事が出来れば読める小説なのでは?と思う。
0投稿日: 2017.06.07
powered by ブクログ文章に詩的な表現を良く使っていると思います。第一部と第二部では、作者が考えたSFの装置や、狂気的人間と機械的人間との対比が、上手く作品に織り込まれていると思います。作品の始まりに、作品の核心に近い人物やモノを登場させる事は、他の文学作品でもよく用いられる手法だと思います。この作品では、クラリスがその人物だと思います。他作品では、例えば三島由紀夫さんの「金閣寺」の有為子が、クラリスの役に近いと感じました。夏目漱石さんの「それから」では、新聞に出てきた男性が女性を斬っている絵や、代助が読んでいた七刑人の話などがこの作品のその後の展開を隠喩で表していると思います。 第三部は、文学の王道の筋の進め方だと思いました。戦争が起こったという事実が、突発的に作品に挿入されていましたが、これはおそらく、最後の境遇の様になった主人公や、主人公を助けた?人達が属している組織が、戦争≒歴史の変革期の時代に必要とされていく事を表すために挿入したのだと思います。 主人公が象徴の意味での「森」の様なところに行き着きますが、そこに着く方法が、社会から逃れて川に流されて、という方法でした。個人的に、「森」に着く人は精神的な跳躍を恐れない人だと思います。また、合理的ではなく、ある意味非合理的な方法や手段で「森」に着くのだと思います。村上さんの「色彩を持たない~」での、灰田青年と緑川の会話にも「森」とそこへの着き方のヒントが書かれていると思います。
0投稿日: 2017.05.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
毎日愉しいことばかりで、思い煩うこともなく、反射だけで生きていられれば幸せ。……本当に? という話。 文字が消え、最後にモンターグが辿り着いた場所は口承の世界。街は消え、世界は二巡目を迎える。
0投稿日: 2017.04.17
powered by ブクログ本なんておぞましい。昇火。 科学技術の発達、マナーの向上、福利厚生の充実… 私達の世界は日に日に良くなっている、のだろうか。「昔は良かった」「古き良き時代」そんな言葉は何故生まれるのか。老害という言葉で片付ける事は簡単だ。しかし、便利さ、快適さの代わりに失ったものは少なくないのではないか。 物事の真理を、僕らは追求しなければならない。そしてそれが侵害される時は、権力に立ち向かわなければならない。
0投稿日: 2017.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2017/03/01-2017/03/03 星5 焚書をテーマにしたSF。 物語の流れが良かった。 特に最後の部分は表現と本と歴史についての希望的な思いに気づかされた。 読み易かった。読みながら節々で世界観について思いを至らせつつ、作者が批評しようとしているであろうことについて考えることができた。
0投稿日: 2017.03.03
powered by ブクログすごくアナログな「電脳」と「終末」のオハナシ、だと思う。 この物語で描かれた「おしまい」の後に、たくさんの作家によって、さまざまなSF世界が構築されてきたのだろうと思うと本当にワクワクする。 古典は読んでおくべきだなあと、つくづく思った。 ……思ったんだけど、物語自体はすっきりと頭に入ってこなかった。面白いと思って読んでいたし、もっと楽しめるはずなだけに残念だ。 いつかまた読みたい。
0投稿日: 2016.11.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
翻訳物は苦手だ。だから私の読書経験に海外作品は数少なく、好きな作家もほぼいない。 これを読んでも初めに感じたのはやっぱり苦手だなー、装飾語とか比喩が分かりにくいなー。だった。だからなかなか集中できず、やや後悔しながらの読書。 序盤はそんな感じだったものの、中盤以降はおそらく根底のテーマになるもの、問題提起されてるものが確定したからかグッと読みやすくなって、名作とか高評価なのも分かる気がした。 個人的に面白いとは言えない。けどこんなことになり得る今の社会がそら寒くなるリアリティを感じるSF。
0投稿日: 2016.11.15
powered by ブクログ良質のSFは世の流れゆく先を見据え、警鐘を鳴らす。娯楽に洗脳された妻のような存在よりも、書物に精通しているにもかかわらず、楽な方を選択した署長の存在の方がこわい。楽というのは、考えないということ。深く思考するということは、疲れるから。社会に対して葛藤や憤りを感じることは面倒だから。人間の本質を穿つ名作。
0投稿日: 2016.10.22
powered by ブクログ「世にも不幸なできごと」シリーズで引用されていたので。この本と、重松清が小学生にすすめていた「ウは宇宙船のウ」がレイ・ブラッドベリとの出会いである。
0投稿日: 2016.09.30
powered by ブクログ正直、なかなか文脈を理解することが難しかった。唯、本を読むことで個人の思想や考えの基礎が作られ、判断基準を各自が持ち行動につながっていることがわかる。 そのせいか軍事政権下になると文民統制による弾圧が起こり、その対象としてこの作品に出ている本を燃やしていく。それだけ影響力があるのだろう。 また、街を脱出することで現在のメディアのように作られた報道に気づくところは、現代に生きる私達を皮肉っているようにも見える。 これを読むと書物とは何か?そもそも社会とは何か?を問いているように思う。
0投稿日: 2016.07.29
powered by ブクログ近未来。「書物」が禁じられた社会。 「書物」を持っている人の家には、fireman(昇火士、とこの本では翻訳していました)が派遣されます。 そして、家財ごと紙の本は燃やされてしまいます。 なぜ書物が禁じられるのか? その方が、支配するほうは、楽だからですね。 # その社会では、みんなが日々楽しんでいるのは、テレビとラジオです。 そして、事実上政府によってコントロールされている、フラッシュ的なニュースです。 テレビのいちばんは、バラエティであり、ドラマであり、スポーツであり、です。 深く政府を批判するようなテレビは、政府によって、事実上、禁じられています。 そう、政府はスポーツを推奨しています。 スポーツは盛り上がって、チーム競技で、団体行動。スポーツを楽しんで、スポーツを鑑賞して盛り上がるのは、政府にとって都合が良いのです。 全てメディアは、刺激があって、流れるように早く、概要だけを伝えて、その代り洪水のように大量に注がれます。 じっくり腰を据えて考える、というのは、流行りません。 ...上に書いたのは、ブラッドベリの小説「華氏451度」の中の、社会の話です。 なんですけど...。 自分で書いてて、 「あ、なーんだ、今の日本と同じだな」 と、思ってしまいました。 テレビは、ほぼ完全に、政府の広報媒体になりましたね。 新聞は、僕たち消費者が見捨てましたね。 もっと刹那的で、もっとシロウト的で、もっと速報性のある、ネットに潰されましたね。 その結果として、顔が見えるジャーナリストが腰を据えた調査報道を行う力が、新聞社から衰退しました。 これは、結局は僕たち消費者が選択してしまったことですね。 ネットと多チャンネル化で、メディアからの情報提供量は爆発的に増えました。 ...なんだけど、それでもって、「落ち着いて考える」ことは増えたのでしょうか。 選挙の投票率は上がりましたでしょうか。 さて、それで、結果として、誰がトクをして、誰が笑っているか、ですね。 安倍政権は、間もなく5年目に入ろうとしていますね。 # レイ・ブラッドベリさん「華氏451度」。1953年発表。 ほどほどの薄さの文庫本。 新訳が出ていたので、読んでみました。 1953年というと、冷戦ですね。 そしてアメリカで、テレビがようやく出てきたころ。まだまだ大衆娯楽の王様はラジオであり、映画だったと思います。 # Fireman(昇火士)である主人公は、不思議な少女クラリスと触れ合ったりして、徐々に、「書物が悪である」という考え方に疑問を抱きます。 そんな気持ちを、テレビラジオ中毒の奥さんは、さっぱりわかってくれません。 徐々に主人公は、書物を大事にしてしまう、という地下運動に足を踏み入れます。 Fireman部隊の隊長、というのがいます。 この隊長が、古今の書物に詳しいのです。 そして、多様な引用をしながら、「書物何て悪だ、考えてどうする」みたいな、 悪魔的な思想を弁じます。 この、「隊長の主張」の部分は、物凄く邪悪な魅力に満ちています。 ●"1つの問題に2つの側面があるなんてことは、口が裂けても言うな。ひとつだけ教えておけばいい。もっといいのは、何も教えないことだ" ワイドショー、テレビ、ネットの大きな情報っていうのは、そういうことなのかもですね。 ●"記憶力コンテストでもあてがっておけ。ポップスの歌詞だの、州都の名前だの、アイオワのトウモロコシの収穫量だのを、どれだけ憶えているか、競わせておけばいんだ" 僕たちが、「幸せになるために」「立派な大人になるために」必要である、受験勉強っていうのは...。 ●"時間は足りない、仕事は重要だ、帰りの道ではいたるところに快楽が待っている。ボタンを押したり、スイッチを入れたり、そのほかにいったい何を学ぶ必要がある?" そうですね。 書物を読むより、情報をネットで流し見したり、ゲームをしているのですね。 ●"民衆により多くのスポーツを。団体精神を育み、面白さを追求しよう。そうすれば人間、ものを考える必要はなくなる" 頭をからっぽにして癒されるのに、確かにスポーツ観戦は素敵ですけれど。 うーん。 オリンピックとか、権力そのものが、税金を湯水のように使って、盛り上げますよねえ。 ●"物事がどう起こるかではなく、なぜ起こるかを知りたがるのは、厄介なことだ。なぜ、どうして、と疑問を持っていると、しまいにはひどく不幸なことになる。" いつの間にか、新聞と言う機能も衰退し。 「なにが起こったか」というニュースは、かつての100倍も1000倍も溢れています。 でも、「なぜ起こったか?」という考察は、あきれるほど浅いものが多くないですか?... # 主人公はどんどん、気持ちが追い込まれて行きます。 そして、隊長にすべて、ばれます。 犯罪者になってしまい、隊長を殺害、逃亡...逃げ切れるのか... と、言う、お話です。 文体はいかにもアメリカ小説らしい、ブツブツとした、でも味わい深い、小説らしい魅力に満ちた簡潔さ。 こういう流れの中に、村上春樹さんとか、エルロイさんとかが出現するのは、良く判りますね。 読み始めだけ、ちょっと、オフビートな感じにとまどいますが、 すぐになんとなく「ノリ」が判って、愉しめるようになりました。 # 悪夢のような未来、を描く物語を「ディストピアもの」と言うらしいです。 ディストピアもの、の中では、最後が希望にあふれていて、そういう意味では辛くなく読み終えることができました。 (「1984」はつらかった...) # ブラッドベリさんは、1950年代の、アメリカでの「赤狩り旋風」を意識して書いたそうです。 いともかんたんに、みんなが、「そうだよね、共産主義者は悪だよね」と洗脳されてしまった。考えもせずに。共産主義とは何か?など考えもせずに。 そうやって書かれたものが、まったく状況の違う60年後の国でも、すごくピンピンあてはまる。 怖いですねえ。 書物と言うのは、記録であり、すなわち歴史ですね。 そして、権力は必ず歴史物語を風化させたがります。 少なくとも、多様な歴史物語を好みません。 自分たちの都合の良い歴史物語以外を、好みません。 歴史というのは、「ぼくたちは、こんなに愚かなことを過去にしてきた」という大切な記録なんですけどね。 判りやすく言えば、戦争が起こると何が起こるか。 権力者以外は、他の人の都合で拘束され、道具にされ、殺すように命じられ、殺されるリスクに身をさらす。 こんなに簡単なことが分かるのは、過去の記録のおかげです。 それが無いと、分からないなります。 どうしてかというと、 戦争を起こす人は、決して、そうは言わないからですね。 # 書物を守る、地下組織の人が言います。 ”われわれは、自分たちが過去1000年のあいだにどんな愚行を重ねて来たか知っているのだから。 それを常に心にとめておけば、いつか新しい愚行をとめることができるはずだ"
2投稿日: 2016.07.28
powered by ブクログ映画も見たけど記憶がおぼろげになるなか 買い直し、読み直し。 すなわち、前の訳がどれほどのものだったか 覚えていない。 隊長は、なんであれほど引用できたのかね。 勿論読んだ感じもいいのだけど 映画の空気感も好きかな、と思った読み直し。
1投稿日: 2016.05.25
powered by ブクログ時計じかけのオレンジや未来世紀ブラジルのように有名なものしか知らないけれど、昔の人が描く未来というのは面白い。 科学技術がへんてこな方向に進化していて全然スマートじゃなかったり、政治が極端な絶対主義や管理社会になっていたり、人々が浅はかで考えなしで訳のわからない社会を喜んで受け入れていたり。その違和感が面白いんだと思う。 この作品もそう。あらゆる少数派を考慮した結果本の存在が抹殺された社会という設定にもかかわらず、一方で人々はスリル満点のデスゲームに興じ平気で命を落としていく。戦争がはじまるのにまるで危機感がない。 どうなってるんだ、昔の人はなんでこんな未来を想像してしまうんだ?と思うけれど、よくよく考えるとまさに今の社会は自然とそういう方向にすすんでいるんだと気づかされる。 いい歳こいて電車で漫画ばっかり読んでるおじさん。バブルランやらハロウィンやらのバカ騒ぎとツイッターでのアピール。大衆的で、享楽的で、自分の世界しか見ていないカラッポなリア充。 中東かどこかで戦争が起きようがそんなこと知らない。これは本に描かれた極端な未来に結構近い。 そういう意味では、単に面白いSFというだけだなく、この小説はメッセージ性が強く、まさに燃やさず記憶していくべきなんだろうと思った。
3投稿日: 2016.02.19
powered by ブクログ有名な作品であるが読んだことがなかったので、新訳版が出ていることもあり読んでみた。有名な作品だけどストーリーをまったく知らず、題名などからは想像できない物語だったことに驚いた。宇宙探検物かと勝手に思っていたので、まさか焚書の話だとは想像できなかった。そんな前提で読み進めたので、話自体が自分の想像の範囲から常に逸脱していたので、作品に没入するのに時間がかかった。結末もまったく想像できない世界に連れていかれた。まあ途中で何度も伏線で出ているので、やっぱりなという感想も少しは持つのだが、それでも大きなことが起こるので驚かされる。
0投稿日: 2016.02.13
powered by ブクログ読書からしばらく遠ざかっていた自分を引き戻してくれた本。買ってその日のうちに読み終えた。 こういう本に出会うこともあるから、衝動買いもたまにはいいのかもしれない。
0投稿日: 2016.02.11
powered by ブクログとても読みやすい新訳であった。 未来小説?みたいなものは色々あって、自分はそんなに読んだことは無いのだけれどその想像力と筆力は私の予想を優に越えている。
0投稿日: 2015.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
焚書を仕事にする男がある出来事をきっかけに仕事、取り巻く世界に疑問を抱く。 しかしその”世界”は、疑問をもつことが許されない”世界”だった。
0投稿日: 2015.12.18
powered by ブクログ本(すべての本というわけではなさそう)の所持が禁止され、破ると家ごと燃やされる世界。 しかし、作品中の人物に言わせると「禁止などしなくとも、誰も本など読まない」のである。 人々は放送されているメディアやエンターテイメントに常時接続し、「ものを考える」ことをしなくなっている。これは政府の思惑通りのようだ。 作者はこれをテレビどころかラジオの時代に書いたそうだが、現代はすでにこの作品の世界の一歩手前か、部分的にはもうなってしまっているのではないか。 スマホを捨てて道ばたで音楽を聞くのも辞めよう、とまではならないが、生き方を少し考えさせられた。
0投稿日: 2015.11.22
powered by ブクログ本がない世界。本を読んだり持っている事が罪になる世界。 本とは、現実に向き合うツール。痛みを忘れて、世の中から目を背けて生きてはいけないというメッセージを感じた。
0投稿日: 2015.09.27
powered by ブクログデナムの歯磨きのクレイジーさが気に入った。 ミリーが海の貝を耳にはめて四六時中海に漂うように、私もWWWの海に漂って過ごすことが多く、フェイバーの言う、われわれの社会に欠けているものというのを失いがちである。 映画が気になっていて、書物の話を映画で観るのは皮肉かなと思い本で読んだが、ものの本質というのは古い映画の中にも見出されるであろうから、そのうち映画も観てみたいと思う。
0投稿日: 2015.09.26
powered by ブクログ新訳。大昔の本だが現代人にも十分訴求すると思う。ただ、この本自体が美的・詩的に高度なので、政治的な意図はかすんでしまう。
0投稿日: 2015.09.11
powered by ブクログ学校がスポーツ選手、資本家、農家、製造業、販売業、サービス業、修理屋を世に送りだすことに熱心で、審査する人間や、批評する人間、発想豊かな創作者、賢者の育成をおこたるうち、“知識人”ということばは当然のようにののしり語となった。人はいつでも風変わりなものを怖れるな。(p.98) 書物はわれわれが忘れるのではないかと危惧する大量のものを蓄えておく容器のひとつのかたちにすぎん。書物には魔術的なところなど微塵もない。魔術は、書物は語る内容のみ存在する。書物がいかに世界の断片を継ぎあわせて一着の衣服に仕立て上げたか、そこにこそ魔術は存在する。(p.138) 無知を隠せば、だれにも攻撃されず、なにも学ばぬままだ。(p.176) ただ芝を刈るだけの人間と、庭師のちがいは、ものにどうふれるかのちがいだ、ともいっていた。芝を刈るだけの人間はそこにいないも同然だが、庭師は終生、そこに存在する、とね。(p.261) 「昔キリストより前の時代だが、不死鳥という愚かな鳥がいた。その鳥は数百年後とに薪を積み上げて、自分を火葬にしていたそうだ。きっと人類のじつのいとこだったにちがいない。ところがその鳥は、自分を焼くたびに灰のなかから飛びだしてくる。まったく同じ姿で、ふたたび生まれてくるんだ。われわれも似たようなもので、おなじことを何度もくりかえしているが、われわれにはひとつ、不死鳥が持ちえなかった美点がある。われわれは、自分をがいまどんな愚行を演じたか知っているという点だ。われわれは過去一千年のあいだにどんな愚行を重ねてきたか知っているのだから、それをつねに心に留めておけば、いつかは火葬用の積み薪をつくって、そのなかに飛び込むなどという行為を止めることができるはずだ。愚行を記憶している人間をもう少し集めるとしよう」(p.271-2)
0投稿日: 2015.08.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本を読むこと、持つことが禁止された社会で「昇火士(ファイアマン)」として本とその家を日常的に燃やす主人公が、ある少女と出会い何かに気づく。本の価値を否定し続けたベイティーは死にたがっていた。なぜ?ディストピアSF。
0投稿日: 2015.08.02
powered by ブクログめちゃめちゃ面白かった!! 訳が読みやすくなっていたのも大きいと思うけど、正しさと素敵さとマジョリティは暴力装置になりうるのだと ベイティーの悲しみがつらい 革命によってでしか世界は変わらないのかなあ
0投稿日: 2015.07.04
powered by ブクログちょっと難しかったなぁ。文学への素養のなさが原因か。 時は近未来、人々を火から守る「消防士」が、人々を火によって思想から守る「昇火士」として活躍するディストピアの話。 作中で平和が「平穏」、苦しいことがない状態として語られることが新しいような。アメリカの小説だけに秩序と正義への眼差しはどうなったのかと。まぁこの感想は非常にステレオタイプ的なものになってしまっているのは自覚するけれど。著者の言外の主張として根底にあり続けているタイプの小説かな。 本という媒体が燃やされるというのはあくまで象徴で、恐るべきは想像力と感受性の欠如。それは火による浄化がなくとも充分有りうべき状態。 自分は何を生み出しているのだろうか。 本という媒体について考えるときにまた読もう。
0投稿日: 2015.06.15
powered by ブクログ言わずと知れた名作。だけど初読。 実は名作SFって全然読んでないんだよね。 非常に詩的で、レトリックを駆使した文体が特徴なのかな。僕はそういうの好きなので、結構面白かった。 ストーリー自体はまあ有名な話だから意外性などはなかったけど、良くできた作りであることは確かで、最後のちょっと希望を感じさせる終わり方も好き。
0投稿日: 2015.05.27
powered by ブクログファイヤマンを昇火士と訳しているのが絶妙。 本を手放すということは歴史を捨てることでもあると思うから、過ちを繰り返す時代に未来はないんだろう。 テレビやラジオは待ってくれないけど、本は一旦閉じて考えられる、というフェーバーの言葉に納得した。
0投稿日: 2015.04.25
powered by ブクログ目には不思議なもの、びっくりするようなものを詰めこめ。十秒後には死んでしまうつもりで生きろ。世界を見ろ。世界は、工場でつくった夢、金を出して買う夢よりずっと幻想的だぞ。保証だの安全だのを欲しがるな。世のなかにそんな動物はいない。まあ、いるとしたらナマケモノのたぐいだが。年がら年中、日がな一日、樹の枝からさかさまにぶらさがって、寝るだけで一生を終えるやつだ。そんなものはクソ喰らえ。樹をゆすって、落っことしてやればいいんだ。
0投稿日: 2015.02.13
powered by ブクログ難しいことを考えないことが果たして幸福なのか。 娯楽以外の書物の焚書が行われる社会を舞台に、主人公が自分自身の思想を得ようとしていく物語。 市場の拡大による効率化、人口増加に伴い、 難解で理解するのに時間がかかり、多様化する人々の間で諍いを起こすような書物が読まれなくなった。 人々は小型ラジオ、テレビの娯楽を享受するばかりで、物事に対して疑問を持たなくなり、愚民化した。 もし書物を持つ者がいれば密告され、焚書官によって捜査・焚書されてしまう。 まさにその焚書官である主人公は、隣家の少女、本ごと焼却されることを選んだ老婆との出会いを通じて、自分の生活の「幸せ」について疑問を持ち始める… 『1984年』も似たような内容だが、政府による洗脳・監視が積極的に行われるわけではなく、堕落した国民自身が進んで刹那的な快楽を求め、密告し合うところが違うポイント。 テレビによる文化破壊をテーマにしているが、現在ではスマホでSNS、まとめサイトや動画サイトをみたりと娯楽は身近(その分発信も身近)。 ストック情報・フロー情報がどうのこうの言われる中で、書物の意義を問う作品。
4投稿日: 2015.02.02
powered by ブクログ本を持っているだけで処罰され、本という本は全て「ファイアマン」によって燃やされる未来という世界観。久しぶりにSF小説読んだ気がする。 レイ・ブラッドベリを読んだのは初めてでしたが、とても読みやすかった。 読書が完全になくなるとは思えないが、それが紙として生き残れるかどうかは分からないという時代にはなってきましたね。10年前には考えられなかったはずです。個人的には本は紙媒体で必ず生き残ると思うし、生き残ってほしいんだけど、問題は読書が文化資本として生き残れるかどうか。個人がメディアを評価することさえできる世の中になったからこそ、本を読むということが重要視されていいと思うけどな。
0投稿日: 2015.01.06
powered by ブクログ面白かった!! これを読んでからヨコトリ行くべきだったな。 本が燃やされると言うことは思想が燃やされるということなんだな。 最初の50ページくらいは、表現がポエティックで、理解が追いつかない部分があるが、なれると気にならない。 今まさに起こっている現象がこの世界に近づいているようで怖くなった。
0投稿日: 2015.01.05
powered by ブクログ「本を読む意味」を語る必要に迫られるようなことがあれば、この書籍からフェーバーのセリフを引用するだけで相手の口を塞ぐことができるに違いない。 序盤はクラリスをはじめとした描写のくどさに若干うんざりするかもしれないが、中盤から最後にかけてはそのくどい描写が存在した意味を感じられるし、かなりテンポ良く展開していくので、諦めずに読んで絶対に損はしないだろう。 ストーリーの締めは結構ふわっとしているが、もしも続編なんてものがあって、それが今度はモンターグ中心ではなく世界観についてもっと掘り下げて書かれていたらさらに面白かったかもしれない。
0投稿日: 2015.01.04
powered by ブクログヨコトリ2014のテーマだったから、 読んでみた。 予想以上にすごかった。重くて、怖い。 都市の人々のこと、笑えない。 わたしもどれだけのことを「忘却」してるんだろう。
0投稿日: 2015.01.02
powered by ブクログ初読み。こういうお話でしたか。第一部までは読みにくかった。絵が浮かばなくて。第二部に入ると、うまく想像できました。読みつがれるだけの作品ではありました。良かったです。
0投稿日: 2014.12.28
powered by ブクログ部隊は本が禁制品となっている世界、本を燃やす昇火士・モンターグは隣家に住む少女・クラリスが姿を消したことに気付く。猟犬が不審な動きをする中、仕事で向かった先の家で退去を拒否した住人が本の章句を唱えながら燃えてゆくのを見たのを引き金に、モンターグが積み重ねてきたなにかが崩壊しはじめる。 非常に幻想的な雰囲気の中で近未来とレトロな(一昔前の)世界が交錯する様が面白い。
0投稿日: 2014.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
近未来の本を読むことが禁止された世界を描いたSF小説です。 この本の世界では、本を所持していると昇火士(ファイアマン)によって焚書されてしまいます。 ですが、本を読んでいると、わざわざ焼かずとも、この世界の住民はそもそも本を手に取る習慣がないことに気づかされます。 そして、住民から失われているのは、本を読むことではなく、実は「物事を深く考えること」であることがわかります。 その背景にあるのは社会のスピード化でした。 ものが簡単に手に入り、人とのコミュニケーションすらもモニタ越しの疑似家族を通して行うようになった世界では、物事をじっくりと深く考える暇はなくなりました。 むしろ考えないことのほうが、住民にとっても(そして中央政府にとっても)そのほうが都合がよかったのです。 本書の中では、反抗勢力たちは、本を所持せず記憶して語り継ぐことで、摘発を逃れ、本当に人々が物事を深く考えることが必要になったときに備えています。 登場人物の一人が語っているように、本の価値は、本が存在することそのものではなく、そこに書かれている情報なのです。 その情報を、性急にではなく、じっくり本に対峙して自身のものとすることが、本を読むことの意義であるとされています。 この本が書かれたのは1953年です。 60年たった現代、私たちは同じような道を歩んでいるかもしれません。 SNSやLineで「かんたんに」コミュニケーションがとれて、情報が容易に手に入るようになった現代は、まさ本書の前日譚です。 現代を顧みながら、物事を深く考えることの必要性を考えさせる一冊です。
5投稿日: 2014.11.02
powered by ブクログ小説を読む人であれば出来るだけ早くに触れるべきだ。小学生のうちに頑張って。 私の評価が低いのは、レイ・ブラッドベリが悪いのではなく、その二番煎じによりオチが読めてしまったり、話のキモがすでにわかってしまったからである。 禁書の世界であれ程の引用が為されるというところが、この小説の醍醐味であり、本を購入して楽しむ向きにはたまらない仕掛けだと思う。私にはそういう趣味がないということだ。「冷たい方程式」しかり「華氏451度」しかり、そのネタを最初に披露する作者の見識と洞察力は凄みを感じる。 必読書であることは間違いない。
0投稿日: 2014.10.15
powered by ブクログ1950年代に書かれた未来像。横浜トリエンナーレ2014の関連本。 →http://bukupe.com/summary/12741
0投稿日: 2014.10.06
powered by ブクログ「ヨコハマトリエンナーレ2014」展示会タイトルの1冊。先日映画版を観ましたが、小説は昇火隊長との会話や昇火士モンターグの心の動きがもっと細やかに読み取れました。個々人が好きな文字情報(本)を読むことが禁止され、画一的な映像情報をあたかも個人に向けてお届けしているように細工をかけては満足するような日常でした。みなさんへの部分をあえて○○さんへと語りかけるような。その中にあって、物理的に本が扱えないなら記憶として本を守ろうとし街を離れて森でひっそり生活する人々の別世界が出来てたことが救いでした。
0投稿日: 2014.10.04
powered by ブクログ書物がなくなった世界を考えた。本の本質とは。本はその内容以上に象徴的な意味がある。本に書かれてきた歴史。松岡正剛の言う書物的なるもの。 受動的に情報に接するのではなくて、能動的に接するということ。抵抗力の強いものにあたること。自分で考えること。意見を持つこと。自立。自分の手の広げられる範囲のものを理解すること。把握できるものをしっかり捉えること。 平等にさせられる。生き生きとした細部。 心が吸収する。 翻訳物。SF物の面白さも感じられた。
0投稿日: 2014.10.02
powered by ブクログ短篇ではないレイ・ブラッドベリを読むのは初めて。ことが動き始めてからの展開は、それまでと打って変わってスピード感があって一気に読ませる。デジタル機器やヴァーチャルな人間関係に囲まれて、薄っぺらな充足感に満たされている今の世を予見したかのような小説。あるいは、1953年という時代にすでに、わかりやすいことが歓迎され、自ら学び考えることが敬遠されているとブラッドベリが感じていたのだろうか。「昇火士」という翻訳にも脱帽。
0投稿日: 2014.09.28
powered by ブクログ焚書が横行する社会で、主人公が本に何かを求めはじめた瞬間が鮮烈。 本が素晴らしいものとも言い切らず、本を知っているからといって特別なわけでもないと繰り返されるのもおもしろかった。
0投稿日: 2014.09.17
powered by ブクログSF古典。華氏451度は紙が燃える温度。 人々がホームドラマで飼いならされたある都市。 言論は封殺され、本は燃やされ、 ファイヤーマンは消火士ではなく、昇火士となっていた・・・。 本読みとしては、 たとえ燃やされようと、電子化されようと 本はきっとなくならない。
0投稿日: 2014.09.12
powered by ブクログ想像力の入り込む余地があるすぎる。 状況説明がないまま、不自然な物語がはじまるため逆に色々なシーンを想像出来て楽しかった。 抽象的でシンボリックな話でとても満足できました。 本を焼いてしまう世界。 本を失うことにより、そこに象徴される記憶や考えることまでなくなってしまう世界。 現代がどんどんこの小説に象徴される世界に近づいている気がして怖いです。
1投稿日: 2014.09.12
powered by ブクログ本は焼かれ、本を愛する人々が追われるディストピア。このディストピアはある意味人々が望んだユートピアでもあるというのが暗澹たる気持ちになる。映像が、音声が、情報の波が後から後からやってきて、人はとどまって思考することをしない、しなくていい世界。何も考えなくて済む、真面目な事や悲しい事は罪悪だ、そんな世界。右から左へ大量の情報をただ浴びるだけ。空虚。思考停止。これは私たちの事じゃないか……。 部屋の三方をスクリーンに囲まれ、夫である昇火士モンターグをそっちのけに画面の中だけの"家族"と空虚な会話を続ける妻ミルドレッド。パソコン、スマホの画面に首っ引きでお互いの会話もお粗末などこかの夫婦とどこが違う?可哀想だ。みんな可哀想だ。 そんな世界のおかしさに気が付いて偽のユートピアから逃げ出したモンターグは、これから先も苦労の連続であろうけれど、そうだ、一度気が付いてしまったら、そうするしかない。かすかな希望をつなげていかなくてはいけない、そんなラスト。 伊藤典夫氏による新訳(旧版は未読)。非常に詩的な表現と、短い文を重ねて畳み掛けるテンポの良いシーンがとても良かった。
1投稿日: 2014.09.04
powered by ブクログ1953年、レイ・ブラッドベリ著。本が禁制品となった未来で、本を燃やす昇火士が、自分の仕事に疑問を持ち始める。 まず詩的表現がすばらしかった。猟犬の描写、警察に追われて道路を渡るシーンなど、比喩や暗喩の書き方がうまい。それによって、著者の思想がよりいっそう効果的に、作品全体として迫ってくる気がする。 「焚書」というものが形を変えて現代社会で進行していることは、疑いようがないように思う。本小説が今読んでも錆びないのは、一見古臭い「本を燃やすことが致命的」という設定が、思想を伝える道具として成り立っているからだろう。 だが、とすると私は、現代の読書自体のあり方にも、ある種の焚書が行われている気がするのだ。つまり、各人がある思想の書かれた本を読み、現実の自分の生き方や思想と照らし合わせ、他人事とは思わずに真剣に悩む、ということが本を出版する側や本を読む側から損なわれてきている、と言いたいのだ。本小説を読んでインターネットやテレビが危ないと思うのは一般的な意見だと思うが、そういう人が本の内容という点において、隠れた焚書に遭っているのかもしれないと思うと(私自身もそうなのかもしれないが)薄ら寒い感じがする。
1投稿日: 2014.08.25
powered by ブクログ本の所持を取り締まるようになった世界、不当に本を所持した者が見つかった場合、その本はファイアーマンによって焼き払われる。人々がバーチャルにひたり物事を考えなくなった未来を描いた、近未来小説。 「ファイアーマン」が消防士ではなく、本を燃やす人という設定が面白かった。随分前に描かれたものだけれど、デジタルが生活の中に大きく入りこんでいる現代にしてみれば、どこか起こりうる風刺の利いた作品だった。図書館戦争にリンクしているかも。
6投稿日: 2014.08.24
powered by ブクログSF界の巨匠、初読。60年以上前に書かれた小説なのに全く色褪せていない。言葉選びがとても綺麗。読みやすかったのは新訳だったからかなあ。
0投稿日: 2014.08.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ディストピアSFの名作が新訳で登場。書物の所持を禁じられた世界。隠し持った書物はファイアマンと呼ばれる男たちによって焼き尽くされていった。姿の見えない権力者は知性を憎み、テレビジョンを通じて大衆の愚民化を徹底する。わずかに残った者たちが、知性を伝えるために反旗を翻す…。 ナチスドイツ(に先導されたドイツ学生連合会)が2万点の「非ドイツ的な」書物を焼いた事件をモチーフにしたのであろうこの作品は、権力が最も恐れるのは大衆が知性を持ち、自らの意志で判断する事である、と雄弁に語っている。それはオーウェルの「1984」をはじめ、多くの文学作品、映像作品で警鐘が鳴らされている。 しかし現実はより巧妙に、反知性主義が蔓延るように誘導されているように感じる。テレビ、インターネット、スマートフォン…デバイスは何であれ、それらは「自分でものを考える能力」をいともたやすく奪ってしまうのは明白だ。 しかし本を焼く職業である「ファイアマン」に「昇火士」という字を当てたのは素晴らしい。邪悪な火を美しいもののように昇華させる、権力者の邪な欲望を見事に表現している。
0投稿日: 2014.08.12
powered by ブクログ本が焼かれることが当たり前になってしまった世界の物語。新しい訳になって、以前のものよりも読みやすくなりましたね。 『家族』に囲まれて、現実をいることができなくなってしまった人々と本の内容を記憶して生きていくことを選んだ人々。それぞれの末路が切なくて、悲しくて、どこか滑稽である。まだ、まだブラッドベリは古くはない。
0投稿日: 2014.08.09
powered by ブクログ昔々に本も読みトリュフォーの映画も見た(筈)、だけど焚書のイメージが強く最後のシーンなどは全く記憶になかった。 人間の記憶なんて一つのイメージが出来て固定されるとあてにならないものです。 マッカーシズムが台頭してきた時に書かれた様なので、次はマッカーシズムの本を読んでみます。
0投稿日: 2014.08.07
powered by ブクログ焚書を扱ったこの本 華氏451度(=232.8℃)は、紙の発火点からきているらしい。 考えることをやめることを強制され、考える人は排除される社会。その社会のシステムに都合の悪い書物を焼いて(情報を消滅させて)しまう。 現在では、本を焼いただけではその本のもっている情報を完全に消滅させることはできない。大量の情報を故意に流すことにより、特定の情報を見つけられなくすることはできそう。ランキングやおすすめ、検索上位リストはそのための仕掛けになりうる。 現在の社会を見つめ直すことも必要そうだね。 Firemanを「昇火士」と訳すことしたと訳者あとがきにありますが、「焼防士」ではいけなかったのだろうか?
0投稿日: 2014.07.19
powered by ブクログ映画で見たことがあり、本屋さんで手にとった一冊である。 近未来を描いたSFである。本を読む自由がない、極めて束縛された世界だ。しかし、住民はそれに気づいておらず、目の前の快楽を貪っている。 決して非現実な社会ではない。有り得る世界だ。 そういう目で見れば、恐ろしい世界である。 主人公は、ある日突然目覚めるというストーリーだ。
0投稿日: 2014.07.13
powered by ブクログディストピア小説の評価にありがちな「現代社会の問題を指摘した予見性〜」というフレーズが嫌味抜きで最も当てはまると感じた作品。 本の閲覧、所有が禁じられた世界では、テレビを媒介に高速で情報が手に入り、それを鵜呑みにするしかなく、本を媒介とした自ら活字を追って頭で考える行為が不可能となっている。 ネットの情報を鵜呑みにし、自分で物事を考えない人々が、正にこの世界の住人に当てはまるのでは無いだろうか。 物語自体は和訳のスピード感もあるだろうが、やや性急な展開であったようにも感じられる。
0投稿日: 2014.07.12
powered by ブクログ名高い名作の新訳版。 改訳の事情は巻末の『訳者あとがき』に詳述されているが、確かに旧訳は何処かのんびりというか、長閑な印象があった。対する新訳はスピーディで緊張感があり、後半、主人公が逃走を始めてからのサスペンスが上手く盛り上げられている。『あとがき』にあるように、旧訳が『かったるい』とまでは感じなかったが……。 矢張り巻末に、作中で引用された文献のリストを掲載。但しこちらは必要最低限のようで、そこはちょっと残念。まぁ、それなりに有名なものが多いからなぁ……。 1作だけ、結局、引用元が解らないものがあるのが、最後に言いようのない余韻を残す、ブラッドベリの作風を象徴しているようだ。
0投稿日: 2014.07.09
