
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
火を燃やすのは愉しかった。 なにも考えず幸福でいられるような社会で、ある少女と、本を燃やす際に抵抗した老女を通じて、自分の人生に疑問を持ち、抗っていく。 しあわせになるために必要なものは全部もっているのに、しあわせでない。 「ぼくらはいちどだって正しい理由でものを燃やしたことはなかった・・・」 物語の構造は、主人公と誰か、のシーンが多く単純でわかりやすいと思う。そこに何とも言えない文章の純度というか、抒情的な文体が重なって飽きずに読めた。登場人物のピュアさにも惹かれた。 仮定の話をつぎたしていって真実にたどりつく小説の醍醐味を感じた。 気に入った個所は 細部を語れ。いきいきとした細部を。すぐれた作家はいくたびも命に触れる。凡庸な作家はさらりと表面をなでるだけ。悪しき作家は蹂躙し、蠅がたかるにまかせるだけ。
0投稿日: 2022.02.28
powered by ブクログ完全に預言的な話で、名作SFの凄みを感じる。 人々から考える時間を奪い、虚無の存在にしてしまうものが、リビングの壁全体から流れてくる動画という設定。その上、その動画の映像が自分の名前を呼びかけてくるようにカスタマイズされているという世界。電車の中でこの本を読んでいたのだけど、ふと顔を上げた時に乗客のほぼ全員がスマホの画面を眺めていて(虚無!)、ゾッとしてしまった。 初めは本が禁止されているから、この世界観が成立しているのかと思って読んでいくと、実は、本を燃やすのはあくまで包囲網に過ぎず、考えること、面倒ごとを放棄するのを選んだのは大衆なのだ、という哀しい問題にたどり着く流れも、まさにいま現在の私たちを批判されているようにしか思えず打ち震えます。 膨大な知識と本の言葉に翻弄され、昇火士(単語の訳がいいですね)の親玉として君臨するベイティー隊長の最後は切なく、街から逃れたモンターグが合流する過去の知識人たちの信念にも深く感じいる。 詩的な情景描写が唐突に挟み込まれる部分が多く、最初は読みづらいけれど、後半の諸々はこの手法が世界を支えていて、まさに知性礼賛を体現した小説でした。 今、読み直されるべき名作と思います。
0投稿日: 2022.02.23
powered by ブクログ読みながら頭を殴られたような衝撃を受けました。 メディアに支配され自分の頭で考えることを忘れた人達。近年の読書離れやスマホ依存等、自分たちもそうなる可能性が充分あるなと。 文明が発達しても紙の本はずっとなくならないで欲しいです。
1投稿日: 2022.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「100分で名著」で紹介されて興味を持ったので手にとった。以下は番組で語られていた一部で自分用にメモ。 社会の加速化によって、ゆっくり考える必要のある歴史や哲学などの人文科学は役に立たないと言われていく。時間がかかる本は読まれなくなり、すぐに楽しめる娯楽が求められるようになる。雑誌からは活字が減りはやく読める漫画やグラビアなどが多くなり、市場が大きくなるとメディアは抗議の声を恐れてどんな立場の人も不快に思わないように配慮。あたりさわりのない同じような内容になり、本も単純化されダイジェスト化され低俗化していく。これは誰かにお仕着せされたものではなく、「引金をひいたのはテクノロジーと大衆搾取と少数派からのプレッシャーだ」 「表現」は人の先入観を揺さぶり思い込みをひっくり返す。ひっくり返される方にしてみればちょっと不愉快、不快な要素がらどうしてもはいってくる。それを不愉快とか傷ついたとか抗議の声を恐れて、表現者が自ら表現を手放していく。自ら考えなくなっていく。そうなっていってくれた方が権力側には都合がいい。そしてそれは知識人への憎悪になる これは現在進行形で進んでいる現実と感じる。他人事ではなく自分にも当てはまる。ゾッとしながら読んだしとても面白く読んだ。 あとベイティー隊長の声は大塚芳忠にやってほしい。
0投稿日: 2022.02.02
powered by ブクログ難しかった! だけどお話としてはすごく面白かった。 ただ本当に読むのが疲れた。SFでかつ海外小説となると、和訳との相性が…… 常識を疑え!!って強く頭を殴られたよう。 この物語をSFの世界で片付けてはいけない、 そんな時代の変化がすぐそこまで来ている気がする。 個人的には映画で観てみたい作品。 本を燃やす職業が「昇火士」と訳されているのが天才的だと思った。 本を丸暗記していてその人のことをその本の題名で呼んでいたり、自己紹介しているのが印象的だった。
0投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログ本を所有、読む、語る事が禁忌とされ、見つかれば燃やされてしまう。 所有することは出来ないが、それぞれの思想を受け継ぐ人々が居て、それを歩く図書館とし、後世に語り継いでいく。 本好きにはたまらないなあ。
0投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログ本を所有することが禁忌となった世界。 見つかれば家ごと焼き尽くされる。 本を焼く昇火士を生業とする主人公。 ラジオとテレビに没頭する妻と空虚な生活を送る彼に最初の示唆を与えたのは、近所に越してきた1人の少女だったーーー 本書が出版されたのは1953年だが、本を捨てラジオやテレビ等の受動的なメディアに依存する社会は、スマホ中心の生活を送る私たちを揶揄しているようでゾッとする。 スマホから得られる刹那的な情報は、口当たりのいい甘味飲料のようにほんの一瞬私たちを満たすが、成長の養分にはならない。 自分の頭で考えるには燃料が必要で、それは甘味飲料ではない。 本とは、過去の偉人がとことん追究した物事をさらに身を削る思いで言葉に起こしたものである。それ故簡単に理解することはできないが、著者の意図を咀嚼し自分の中に落とし込んでいく作業が「知」の獲得プロセスだろう。
0投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ本を所持することが禁止され、見つかれば焼き尽くされてしまう未来の世界。 本を燃やす昇火士(ファイアマン)という仕事をする主人公ガイ・モンダーク。 その仕事に愉しさを感じていたはずのモンダークだったが、ミステリアスな少女や老女との出会いによって、自らの仕事に疑問を持ち始めてゆく。 そして彼は本を手に…。 写真学科1年
0投稿日: 2022.01.06
powered by ブクログ他者を理解しようとするストレス、自分の考えを変えるストレスを楽しまなければならない そう言われた気がした 思考を止めることの心地良さに身を委ねられるのは幸せなことかもしれない けれど、心のどこかでそんな幸せに居心地の悪さを感じてしまうから、人はページを捲るんだろうな 自分はふるいで、他者や本は砂のようなもの 砂をサラサラとふるいにかけて果たして残るものがあるだろうか 我々はふるいの目をできるだけ細かくする努力をしなければならない 少し過激なことを言うと、この本の内容を読解できない読者のためにこの本は存在していると思う だから、今読解できなくても、歳を重ねてふと思い出したときに読み返してほしい ひとりの読者としてそう思う
3投稿日: 2022.01.01
powered by ブクログ2016.9.28読了。 ブラッドベリは幼少より、書物が失われることに敏感だったという。作中でグレンジャーが語るいくつかの言葉、それがブラッドベリの言葉だと感じた。 1953年に本書で描かれたディストピアは、現在までにどれほど実現しただろう? 幸いにして、まだ書物を手離すに至っていないが、それでも多くのものを失った。 得るものと引き換えに手放したものとは何か。そうして絶えず思いを馳せて記憶していよう。
1投稿日: 2022.01.01
powered by ブクログ本を焼く「昇火士」(他の方も仰っていますが神訳!)を描く未来SF 時代特有の感性で読むところがありやや難解 しかしそれが心の中に澱のようにとどまりいつまでも物語を忘れることがない 『火星年代記』と並ぶブラッドベリの名作品
0投稿日: 2021.12.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
名作と名高い本作。 詩人らしい表現の文章に戸惑う。現状、主人公がどうゆう状態か見失うこと多し。倒れてるの?起きてるの? 犬って言ってみたり蜂って言ってみたりどっちなん? 情報量が少ないのはそれは読者が想像しなさいってことなのかなぁ。読後いろんなことを噛み締められるのは好み。 このヒリついたデストピア感は相当好き。 なんやら現実がここまで行くのにあと一歩って思うとゾッとする。
0投稿日: 2021.12.19
powered by ブクログピア・サポーターズMさんのおすすめ本です。 「本は全て燃やされ、所持する人間は逮捕される...。そんな近未来の世界で本を燃やす「昇火士(ファイアマン)」の仕事を務める主人公、モンターグ。彼の人生は炎に彩られた、とても楽しいものだった。一人の少女と出会うまでは。 何故人々は本を燃やすのか?何故人々は本を捨ててしまったのか?本を通してこの世界を追求しようとするモンターグは何を見たのか。 現代社会にも通じる数々の風刺と、詩的な文章とで綴られた名作です。 この本を読み終わったら、ほんの少し考えてみてください。ファイアマンとは一体、誰のことなのでしょうか。 この作品をオマージュして作られた映画、マイケル・ムーア監督による「華氏911」も情報ライブラリーに所蔵されています。」 最新の所在はOPACを確認してください。 TEA-OPACへのリンクはこちら↓ https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00599262
0投稿日: 2021.12.13
powered by ブクログいつかの未来、その世界では書物が禁忌とされ、昇火士と呼ばれる人々が書物を持つ家を焼いて回っていた。 モンターグもなんの疑問も持たずにその仕事を楽しんでいたが、隣に引っ越してきた風変わりな少女・クラリスによって次第に色んなことに疑問を抱くようになる。 レイ・ブラッドベリは、犬連れの夫婦のうちの妻がラジオを聴きながら心ここに在らずで散歩しているのを見かけたことがきっかけでこの本を書いたという。 自分の頭で考えることができなくなっているのに、そのことに気付かずに過ごす人々。現代にも遠からずそんなところがある。 もっと見るべきものが、聞くべきものが、読むべきものがあっても、スマホから与えられるものに溺れる人々。道具はあくまで道具であって、それに操られてしまってはいけないな。 それにしても、相変わらず訳書は苦手だった。
0投稿日: 2021.11.26
powered by ブクログ図書館で借りた本。SFって読み慣れていないけど、すごくおもしろかった。こわいけど、分かる。自分の足で歩いて、ものを見て、息を吸わないと、と思う。
3投稿日: 2021.11.14
powered by ブクログ昇火士である主人公が、本の重要性と周囲の愚鈍さに気付き、最終的に自身が本の役割を果たそうとする過程が素晴らしかった!
0投稿日: 2021.10.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
焚書がテーマで読書好きとして読んでいて辛くなるシーンがいくつかあった。知を奪うことで支配する世界。知る自由を奪われるのは耐えられない。ただ、それに反発する勇気は私にあるだろうか?とも思う。 登場人物たちと現代人とを重ね合わせた。日々を忙しく過ごし、考える時間を失い視覚刺激の強い映像にのめり込む。時代を超えて共通している点は多く、危ういライン上にいるような気持ちになった。 引用の詩や旧約聖書の一文などを読むと、やはり必要だ、という思いを強くする。この物語の中でも、上層部の人間は知識を得ているのだろう。誰しも平等に謙虚に、学べる機会は失われてはならない。 「頭の中の図書館」という表現や、人を指してまるで本そのものが生きているように言うのも良かった。語り継がれる本という、書物の歴史の原点に戻ってしまったようではあるが、最後モンターグの心に希望が見えて私も救われた。
2投稿日: 2021.10.14
powered by ブクログ本を読むこと、所持することが 罪になった世界の話。 たくさんの読書家さん達に愛されるSFを やっと読みました。 なるほど、すごい本だ! 誤解と反論を恐れず簡単に書くと、 「目を開け、耳を傾けろ。学べ、考えろばか者共!」 という所でしょうか。 本に焦点を当てた話だけど、 フェーバー教授が言っていたように 書物は本質を蓄えるひとつの容器に過ぎない。 人間が時を超えて知を引き継いでいく、 強力だけどひとつの手段に過ぎない。 この作品でも1種記号として使われている所には 注意しないといけないんじゃないかな。 ただ本を読めって言ってるんじゃないんだぞ、と。 とはいえ、本という記号を クローズアップしているからこそ 読書家達の心に強く響いたんだろうとも思う。 恐ろしいのは、 強い刺激ともの凄いスピードに麻痺した、 自分で物を考えない“普通の人々”が、 自分のくらいを愛し、何の疑問も持たずに 幸せに過ごしていること。 “当たり前”による思考停止の怖さを感じた。 はたして自分は? 彼女らを笑えるのか? 自分は違うと言いきれるのか? 自分は割と刹那主義というか、享楽主義というか、 幸せ is No.1みたいな所があると自覚していて、 本を読むことで悩みが生じたり 苦しいことに目を見開かせるなら 辛いだけじゃないか、 幸せを阻害するものとしてしまい込んでしまおう という主張は結構痛かった。 でも、別の世界とか他者の痛みを知ることでしか、 知ったことを元に想像することでしか なしえない優しさみたいなものが あると信じているから、追い求めたい。 幸せな愚か者か、苦悩する賢者か、 って問題は、個人的にすごい深い。 モンターグだけじゃなく、 フェーバー教授や旅団の人達 (もしかしたらベイティーもなのかな?)みたいな、 世界に流されるだけじゃない人たちがいて、 細々と頑張っていて、 手を差し伸べてくれたことに救いを見た。 傷を負いながら、人類は続くんだなあ、と。 まだまだ考えるところは尽きないんだけど、 たった1冊、しかもそんなに長くない小説1作で、 こんなに色々考えてしまうんだから やっぱり名著だなあ。 (余談ですが、 帯にあった「NHK Eテレ 100分de名著」ってのに、 すごい壮大な皮肉?矛盾?みたいな気持ちを 感じてしまったりしました。 それこそ権威に振り回されてて、 時短を求めてる感じがして……) 幸いなことに今本は禁制品じゃないし、 スピードアップする娯楽に溢れた世の中だけど 考える力はまだギリギリ残されてそうだし、 本だけじゃなく色々取り入れて たくさん考えていきたい。 すぐ忘れてしまってもったいないので、 考えたことを書いておいたりすることも めげずに細々頑張って続けていきたいなあ、と 改めて思ったのでした。
2投稿日: 2021.10.03
powered by ブクログ細かいところは古びたところもあるが、本質は今に通じるものがある 過度な表現規制と大量消費されるエンタメ対象としての情報に囲まれて生きていくということの意味を考えさせられる マインドフルネスが流行る今こそ改めて読んで見る価値はあるのではないか
1投稿日: 2021.10.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
100分de名著を観て読んだ本。 先に概要や他の人の解釈を入れて読んだ経験があまりなかったけれど、その分中身を咀嚼して読めた気がする。 そんな読書もこれはこれであり。 この本の世界は、深く考えることを排除され表面的な面白さ、時間潰しを提供されてなんの疑問もなく「幸せに」生きている人々の生きる世界。 モンターグはこの世界に疑問を抱いていくわけだけれど、この世界、現代に似ているよね。 効率的に物事を進めることも大事なのだけれど、無駄な時間は考える余白を作る大事な時間。 本を読む時間も、つい考えが横にそれたり何度も戻って繰り返し読んだりするけれど、それもまた自分の血や肉になっているはず。
1投稿日: 2021.09.29
powered by ブクログ読み始めた時は文体が難しく読みにくかったが読み進めていくうちに慣れた。 内容はシンプルだったが難しい、色々と考えさせられる。 書かれたのが70年前だとはとても思えない作品。
1投稿日: 2021.09.27
powered by ブクログ読み始めた当初は、不思議な文体に面食らった。そのうち慣れて、物語の雰囲気を支える心地よい『調子』になっていった。 自ら考える余地などなく、一方的に与えられる情報。愉快で幸せなコンテンツ達。 実際は強制されているだけなのに、まるで自ら考えているかのようになれる! それは本当に幸せなのか、主人公は一人の少女と出会い、考えるようになった。 物語の展開としては非常にシンプル!すぐに読み終わった。
0投稿日: 2021.09.23
powered by ブクログ文庫本の裏表紙に書かれている本書の紹介は下記の通りだ。 【引用】 華氏451度-この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士(ファイアマン)のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく・・・本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場! 【引用終わり】 この紹介文から予想していた本書のイメージと実際に読んでみての感想は大きく異なっていた。 上記の紹介文を読んで、この物語は「1984」みたいな話だと勝手に思い込んでいたが、そこは予想とは大きく異なっていた。本が禁制品となっている時代の背景などは、確かに物語の中で語られているが、それが中心的なテーマではない。もちろん色々な読み方はあるが、紹介文で書かれているような「現代文明を鋭く風刺」したものとしては私は読まなかった。むしろ、特に後半はシンプルなアクション小説的な風合いを楽しんだ。人間にとっての本の大事さも描かれているので、物語は「焚書」である必要はあったのであるが、それも物語の最後の部分で描かれており、全編を通してのテーマではない。 それともうひとつ、これも、読む人によって異なるであろうが、私は物語の最初の2/3はかなり退屈しながら読んでいた。残りの1/3は逆にすごく面白く、一気に読んだ。この後半の部分がアクション小説風であると感じながら読んでいた部分である。感覚的には、前半2点、後半5点(以上)という感じであった。
12投稿日: 2021.09.17
powered by ブクログ情報刺激に依存してしまうのは、人間の根本に「不安」があるからではないか。安心したい。だからこそ今や未来を忘れたい。忘却に1番効果的なのは刺激を与え続けること。 テレビは一方通行だ。スクリーンに囲まれるミルドレッドはとても孤独に見える。人は他者との繋がりがなければ生きていけない。知らず知らずに社会との繋がりを断ち切ってしまうことが恐ろしいと思う。他者への関心の無さは自分自身への関心の無さ。 「人は何を話しているわけでもないのよ」と話すクラリスの言葉に少しぞっとした。
1投稿日: 2021.09.16
powered by ブクログ何のために本が書かれ、残されてきたのか。 本は単に本質的中身のいれもので、人間もまたある種の記憶装置に過ぎないかもしれなくて。 ただ、頭の中に記録された本によって、それぞれの著者の精神が宿り、ともにいてくれる―ときに片耳でつぶやいてくれるような―ようになるのだと、そう感じた。
0投稿日: 2021.09.12
powered by ブクログ難しい、考えさせられる話… こんな世界にいたら何が本当かわからず、きっと主人公の味方であろう最後に出てきた人たちも信じられなくなりそうだと思った
0投稿日: 2021.09.07
powered by ブクログおよそ60年前に書かれたことに驚く。著者は焚書による全体主義から着想を得たようだが、まさに現代を言い当てており、先見の明があったのだろう。 現代のネット社会を憂いた記事を読むよりも、現実を謙虚な姿勢で生きることの大切さを考えさせられる。そんな良書だ。
0投稿日: 2021.08.31
powered by ブクログ1950年代に書かれた作品なのに、人々の生活と思考がスマートフォンから提供されるようなエンタテインメントに支配されている状況を描き出していることに驚く。人間にとって大切なものは何なのか、改めて考えさせられた。 ミヒャエル・エンデ『モモ』よりももっとアメリカっぽいか。
0投稿日: 2021.08.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
書店で一九八四を購入しようとしたところ本書が隣に並んでおり、元々タイトルだけは知っていたが想像していたより随分薄く気軽に読めそうだったため、併せて購入。ひとまず本書から読むことにした。実際にレイ・ブラッドベリ作品に触れるのは初。 レイ・ブラッドベリをよく知らないまま読みはじめたが、途中詩人かと思い調べたところやはり詩人だった。寡聞にして火星年代記以外の作品名を知らないため、詩作品もいずれか読んでみたい。 翻訳小説ということで堅い文章を覚悟していたがそんなことはなく、文体は詩的で遊び心があり、これでもかというほど装飾されている。暗喩のオンパレードで地の文に虚実入り混じり、よく言えば幻想的、悪く言えば煙に巻かれるようで読みにくい。個人的には好きなタイプなのでよかった。 ただ訳者あとがきでも触れられている通り、文中にはダブルミーニングや言葉遊びなどネイティブ語者でなければ掴みにくいような言い回しが多用されている感がある。訳文は秀逸なのだろうが、原著の雰囲気をネイティブの立場で味わってみたかったという謎の悔しい気持ちに襲われた。 ストーリーラインに難しいところはなく、次はどうなる次はどうなるとどきどきしながら読み進めることができた。原著の初版は1953年であり当時の社会風刺がふんだんに盛り込まれているが、70年近く経った現代にも通ずるところがある。特に作中ベイティーが言及する情報の圧縮とスピードアップ(とその弊害)は現代社会そのものに感じる。読みながら、先だって話題になったファスト映画が頭をよぎった(論点は違うが)。 そもそも出版年的にテレビゲーム戦争もとい湾岸戦争でさえ半世紀近く先の出来事である。にも関わらず作中のテレビ壁にのめり込む人々などは昨今の情報化社会の波に飲まれた姿そのもので、レイ・ブラッドベリの炯眼とそれを描写しきる技量に驚かされた。 そのほか、星夜の少女との出会い、機械猟犬を包む炎の花、プロパガンダの掛け声で一斉に窓から顔を出す人々、モンターグが辿る廃路線、本である人…など、絵になる構図や美しい要素を描写するのが非常に上手い。一頁ずつ本を破るシーンやハイネの有名な一節の通り人を焼くモンターグの姿は辛く、文章に臨場感があった。そのあたりは読んでいて純粋に楽しい。 単純に小説としても面白いし、考えさせられる社会風刺込みで人におすすめできる一冊。
1投稿日: 2021.08.18
powered by ブクログ空想の世界なのに、自分の現実世界を省みてしまう。クラリスみたいに生きたいのに、ミリーの状態で生きてる。目で見えるものを信じきり、感じることを忘れてる。もっと本、人、自然から学びたいと思わせる本だった。呼んでよかった。
0投稿日: 2021.08.11
powered by ブクログ100分de名著で取り上げられており、面白そうに感じたため手にとってみました。 番組で一番おもしろいなと思ったのは、現在の状況と照らし合わせてみんな自分の都合の良いコンテンツ消費ばかりに熱中し、他人への興味をなくなっていくような状況が似ていると思ったところです。 「ぼくらは、しあわせになるために必要なものはぜんぶ持っているのにしあわせではない。なにかが足りないんです。」 →現代人に当てはまるような文言に感じています。 「書物は命の顔の毛穴をさらけ出す。気楽な連中は毛穴のなくつるんとした、無表情の、蝋で作った月のような顔しか見たがらない」 →これも現在に照らし合わせてすごくマッチする話に感じました 「情報の本質、それを消化するための時間、学んだことに基づいて行動を起こすための正当な理由」 ベイティーの知識人だけどそれを利用して論戦を張って社会に正しく、しかし知識は不要なのであるという方法が面白く感じました。
1投稿日: 2021.08.09
powered by ブクログ新訳ということであるが、最近ではあまり使用しない語彙があるため、またSFなのでイメージしづらい場面があるため、はじめの1/3ほどはストーリーが入ってこなかった。しかし、主人公モンターグと上司ベイティーとのやりとりが圧巻で、そこからはあっという間に読み終えた。考えさせられる作品であるので、わかりやすい訳本がまた出てくることを期待したい。
0投稿日: 2021.08.07
powered by ブクログ本がなくなるって恐ろしい でもそれをしてた過去もあったんだなって思ったし、権力が意図的に行って、国民は無知になっていくのが恐ろしいね ちょこちょこいろんな引用されていて、やっぱり文学って素敵だなって思った
0投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログ70年前のこの小説を読み終わったあと目に飛び込んできたNETFLIXの「退屈は犯罪です」というcm この本を読んだ人はわかってくれると思うが、このcm見ると、世の中はブラッドベリが描いたディストピアに近づいているんじゃないかと感じてしまう そして、少数派の意見にも耳を傾けようというポリコレ全盛の現代は、まさにベイティーがモンターグに言った、このディストピアではなぜ本が禁止されていったのか、という世の中そのものじゃないか!「これはお上のお仕着せじゃない。引き金を引いたのはテクノロジーと大衆搾取と少数派からのプレッシャーだ」 凄い小説だ。
1投稿日: 2021.08.03
powered by ブクログ近未来のデストピアを描いたSF小説の名著。 その世界では本を持つことは禁じられ、本を持っていることがわかれば家ごと燃やされる。 主人公はその本を焼くことを仕事にしている。 冒頭ではその仕事を楽しんでいたが、隣に越してきた不思議な少女との出会いをきっかけに自分の中に葛藤が生まれる。 その本の無くなった世界で、人々が行うことは出来合いのドラマを観る事、スピード狂になる事、ヤクをやる事など、思考や批判的精神はなくなり、皆目の前の快楽を満たす事しか考えなくなり、いつしか家族との時間すらも失われていく。。 SF小説と言いながら、現代社会は手軽に手に入る情報ばかりが閲覧され、時間のかかる本は避けられがちである。 はたしてこの本に出ている事すべてがSFと言えるのか心配。 本を読むこと、思考する事、そしてそれを人と分かち合う事。それの大切さを痛感させる本でした。
5投稿日: 2021.07.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
(2021-07-28 2h) NHK「100分で名著」で紹介されているのを知り、『金閣寺』読了後に手を付けた。 これは図書館で借りるだけでなく、手元に置いて折に触れて読み返したい名著。 タイトルを見ただけでは、焚書の話だとは思わなかった。もっとSF感のひしひし伝わるような宇宙が出てくる壮大なストーリーを予想していたので、図書館で予約本として受け取ったときに、その薄さに驚いた。文庫本で300足らずのページ数。 お恥ずかしい話、洋書って苦手です。なかなか食指が伸びなくて、買っても積んでしまうことがほとんど。短編である『変身』ですら読み終えられず。 というのも、洋書って和書とちがって訳しました~って感じの文体であると感じてしまうから。映画でも邦画と洋画って見るときのテンションが違うと思うんですが、そんな感じ。いまいち物語に乗り切れなかったり、読み解くのに精いっぱいで文脈つかみきれなかったりする。 でも、本作『華氏451度』は違いますね。伊藤典夫さんの訳がとってもこなれていて、一息で読めてしまいました。洋書を読んでこんな経験は初めてだったので、感動しました。あとがきにもある通り、訳者によって全然読みやすさって変わるものですね。そこについ感動してしまいました。 比喩表現も素敵だし、登場人物たちのセリフひとつひとつが輝いています。フレーズメモがいっぱいになってしまいました。もう冒頭から、この本、この著者(そして訳者)、只者じゃねぇ…と圧倒されました。 アメリカのミドルスクールの推薦図書でもあるそうなのですが、納得です。とても示唆的な文章が随所にちりばめられており、身の引き締まる思いがします。本が好きな人、そうではないそうでもない人、すべてのひとに。 この厚さだからこそ、さらにこの素晴らしく読みやすい訳だからこそ、すべてのひとの手に渡りやすい本だと感じました。だいすき! 加えて、有川浩さんの『図書館戦争』読んだことないので読んでみたい。テーマが同じ焚書なので、通じるところがありそう。
0投稿日: 2021.07.28
powered by ブクログテレビで紹介されていたのを、きっかけに読んでみた。月並みだが、これが50年以上も前に書かれたことにホントに驚いた。今の時代が見えているのか。自分の頭で考え、行動するより、何も考えずに世の中の流れに乗る方が楽だ。そんなことを思いながら読んでいると少しゾッとした。 でも、テレビで紹介されなかったら、この手の本は絶対に読んでいないし、苦手だ。およそのあらすじを理解していなかったら、最後まで読めなかったと思う。
0投稿日: 2021.07.25
powered by ブクログ本の大切さを痛感する作品。 本を読まずに、様々な事柄の細部を知らないと、誤った考えを抱く。 本を読むことで色んな人の考えを知ることができるし、歴史も知ることができる。そして、頭に入れれば永久保存できるし、自分の考えを織り交ぜてオリジナルな知見も見出せる。 後輩が紹介してくれて読んでみましたが、読者の大切さを知れてよかったです。
1投稿日: 2021.07.24
powered by ブクログ書かれている内容はフィクションでありながら、現代社会を予言している内容に思わずゾッとします。 電車の中で読んでいる時に、何気なしに顔を上げてみたらみんなスマホをいじっていて、本を読んでいたのは自分だったので「案外小説の中の世界は遠くないかも」とさえ感じました。そういった体験もあり、非常に思い出深い作品になりました。
1投稿日: 2021.07.21
powered by ブクログある人たちの利益の損失や感情を逆撫でしないよう、たくさんの本が焚書指定されている時代。焚書の実務を担当する昇火士(ファイアマン)として勤める主人公が新たな思想に目覚めるまで。 本というひとつの文化が失われつつある世界において、なぜ失われてしまうのか、失われたらどうなるのか、どうしたら取り戻せるか、をみせてくれるはなし。 レイ・ブラッドベリの文章に慣れていないせいか、最初のほうは書かれていることが比喩なのか事象なのか判断がつかず、白昼夢のような印象を受けた。 しかし、読み進めていくうちに比喩ではなく現実の現象なのだということがわかり、描かれている世界についての理解ができるようになっていく。 そうすると、起きている事象にたいする住民の無関心さなどについて、主人公と同じ感情になっていき、緊迫感を味わえたし、おもしろかった。
1投稿日: 2021.07.21
powered by ブクログ名著から関心をもち読了 最後は全部リセットして再生という形でした 主人公は罪を犯しても生き直しができていいですが ほかの脇役のことも気になるお話でした
0投稿日: 2021.07.15
powered by ブクログ有名SFや文学作品は少し読みにくくても後学のために勉強として読むもの、としているところがあったが、この作品はまるで自分の身に起きていることのように肌に迫る感覚があり、のめり込んでしまった。 まとめ、要約、解説動画、切り抜き動画…あらゆることがわかりやすく噛み砕かれ、わかりやすく短いことこそ史上とされ、外部脳に知識の全てを委託して自分で考えることのなくなった現代社会と、本作の世界観を重ねてしまった。
0投稿日: 2021.07.13
powered by ブクログ1984を読んだ後のせいもありますが、盛り上がりにかけていました。しかし、焚書の怖さ、言論封じの怖さがヒシヒシと感じました。
0投稿日: 2021.07.11
powered by ブクログテレビで紹介されていて面白そうだと思い、読んでみた。 意味あるセリフとかあったし、色々考えさせられた。 でも、テレビでの解説があったから、何となく筋がわかったけど、なかったら、SF苦手な私にとっては何のことか理解出来なかったと思う。
1投稿日: 2021.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本が大好きな自分にはつらいディストピア 主人公に気づきを与えてくれる人物がことごとく死んでいって悲しい ラストがあれじゃ結局誰も逃れようはなかったのかもだけど… 適度なストレスは健康のために必要なんだろうなって再確認した 感情を怖がってたら人生の価値を感じられなくなる
0投稿日: 2021.07.04
powered by ブクログ100分de名著で紹介されて、読んでみた。面白かった。恐ろしくなる程、今のメディアの状態を言い当てていた。私たちはものを考えないようになっている。考えることから自ら遠ざかっている。本を読もう。本を読んで世界を広げていこうと今更ながら思った。
3投稿日: 2021.07.01
powered by ブクログ反知性主義が跋扈する世界。そんな世界で生きる主人公モンターグの仕事は昇火士。本を持っている人を見つけては家ごと本を焼き払う。 家に帰れば妻がディスプレイ(=壁)に囲まれて番組を見たり"家族"と中身のない会話を続けたりしている...。 最初は自分の仕事の意味もわからずただ燃やすことを楽しむモンターグであったが次第に違和感を感じるようになり燃やすはずの本をこっそり持ち帰ってしまう。本は本当に価値のないものなのか?人間の思想を狂わす危険なものなのか? そして段々と世界と噛み合わなっていくモンターグ。自分が捕まり、家を燃やされるリスクを犯しながらも真実の扉を開かんと奮闘する。 なかなかのディストピア感溢れる作品で面白かった。知性を発現させようとする異分子は監視、排除。戦争状態でありながらもどこか市民は他人事。考えるということを放棄する世界はこういうものなのか...という恐ろしさが滲み出る。 ちなみに華氏451度は紙が引火する温度らしい。タイトルのセンスも好き。
3投稿日: 2021.07.01
powered by ブクログ好きなんだけど、後半グダグダ。 実は、現実の方がもっとヤバいことになっているかも。 この本では予想できなかったSNSは人類には過ぎたツール。
0投稿日: 2021.06.22
powered by ブクログ昔に観たトリュフォーの映画の内容は「本焼くディストピア作品よね」程度しか覚えてなくて、最近ちらほらと名前を見かけてたからAmazonバーゲンの波に乗っかって購入。 思った以上に抽象的な比喩表現が多いような気がして読解力の乏しいわたしは時折混乱。 でもやはり面白く読み進められた。これ、まさに今の現実と同じじゃん…とありふれた感想しか出てこないけどもし私がこの世界線にいたとしたらモンターグのように疑問を持つ事ができただろうか。 しかし最後があっけなくて「え、終わり?」って面食らったのでもう少し読み返してみたい。
0投稿日: 2021.06.21
powered by ブクログ華氏451度というのは紙が自然発火する温度のことだそうです。 人に考えさせない世界。本は禁止。見つかれば家ごと焼かれる。 そんな時代に生きるモンターグは昇火士。本を焼くことを職業としている。 彼は色んな人に出会いながら成長していきます。 最後はあっけない感じですが、未来を予測してさせるようなエンディングでした。
0投稿日: 2021.06.20
powered by ブクログ以前から気になりつつ、SFは敷居が高いなぁ、と様子見していたブラッドベリ。100分de名著の一回目を見たら続きが気になり購入、一気読みでした。 本が忌むべきものとして焼かれる世界を描いた近未来小説。 主人公は本を焼く仕事をする昇火士。毎日楽しく仕事していたら、隣に住む不思議な少女に問いかけられて、自分のしていること、果ては今の環境に疑問を持ち始める。 妻が病んでいたり、仕事先で出会った老婆に衝撃を受けたりしながら人生を模索するモンターグ。 隊長ベイティーとの会話は圧巻。ベイティーの立ち位置がなかなか分からないんだよなぁ。 そして衝撃のラスト。個人的にはポーンと投げられた感じがした。これ、どう受け止めたらいいんだろう。 何度でも再読したくなる名著。
0投稿日: 2021.06.19
powered by ブクログ2021年6月の100分de名著で取り上げられたので購入。 1953年に刊行された小説。 著者の慧眼にただ驚く。 現代社会の問題を70年前に鋭く予言していたのか。それとも既にその萌芽を感じていたのか。いずれにしても今読んで改めて考えさせられる点が多々あり。 自分に照らして反省する点も多い。 電車の中で、喫茶店で、路上でスマホをいじり続ける人々に違和感を覚えている方は是非一度読んで頂きたい小説です。 違和感を感じ無い方々にももちろん読んで欲しいですが…意味が理解出来ないかも。
0投稿日: 2021.06.19
powered by ブクログ【1回目】本の所持を認めず、見つかり次第「昇火士」による焚書が行われるようになった近未来のアメリカを描く。近未来を描いたディストピア小説である『1984年』と違うのは、ビッグブラザーのような集権的な管理者・権力者が見えないことだろうか。主人公のモンターグを追い詰めていたのは、そうしたわかりやすい敵ではなくて、確立されてしまった、高度大衆消費社会そのものであった。ところどころに挿入される特異なリズムを刻む文体が、緊張感を高めている。ここで鳴らされている警鐘は、時遅しとも取れるが、そうであってはならない。
0投稿日: 2021.06.18
powered by ブクログ知識を持つことの大切さを再実感。 詩的な部分もあり流れがとても綺麗な作品だった。 一番印象に残ったのは、うーん、色々ある。 研究者や教養による幸福を目指している自分に刺さったのは2つ。 『もしこの世に戦争がないなら、世界が平和なら、わたしも、いいね、大いに愉しみたまえ、というだろう』 『本から得たものをまともに利用してはいなかった。』 お金も地位も手段。これは忘れがちだけど忘れてはいけない。 困っている人のために何かするしたい。 想像以上に明快で読みやすい。 ただもう少し細部まで設定がきちっとしているとよかった。ディストピアといえば1984年だも思うがそれには負ける。 けど文学知識があるとより楽しめそう。
1投稿日: 2021.06.17
powered by ブクログ100分de名著に刺激されて、再読?再々読? 本を燃やす、焚書、という印象のみが肥大して残っていたが、今回読んでみたら、それよりも、人々が自ら本を読まなくなる、むしろ昇火士はいてもいなくても同じかも…というあたりに、今に通ずる恐ろしさを感じる。便利と引き換えに、多くの個人データを差出している現在。さらにまた感染症対策のために自らの行動記録などを差し出すことにも抵抗感が薄れ、むしろ進んで差出し、進んで縛られていくのだろうか。本を読む、読んで考えるという面倒くさい行為を厭い、考えないことに慣れていくのか。
2投稿日: 2021.06.17
powered by ブクログ海外SFに不慣れだったもので、新訳版と言えどもやはり文体が分かりにくいと感じました。ま、だからこそトライしがいがあったんですけど。中盤以降は文体自体に慣れてきたのか、登場人物の関係性や状況が把握できたからか、展開の盛り上がりもありサクサクと読めるように。 作者が1950年代に現代のワイヤレスイヤホンや、双方向メディアを予見していたのはすごいと思う。むしろ現代にこそ刺さるかも。しかしその訳が「巻き貝」(作中のワイヤレスイヤホン)というのは少し違和感。原作の「seashell」を訳すとそうなってしまうのは仕方ないか。所々「巻き貝」「火竜」というワードに少し引っかかってしまう。ちょっとダサ…って思っちゃうし、説明なしで「巻き貝」と出てくるから、本物の巻き貝を耳に当てたのかと思ってしまったり。 しかし本作のメッセージを邪魔するほどではないです。読んでいけば分かります。 教養を奪われた人にとって、クラリスはさぞ恐ろしく、そしてさぞ魅力的だっただろうなあ。 感受性と、(知識ではなく)教養を自分で育てることを、誰にも邪魔させてはならないなと思いました。読書に限らず、自由に体験する権利が守られない世界はしんどいな。
1投稿日: 2021.06.15
powered by ブクログ文体が独特なので最初は読みづらかったが、途中からはスリリングで楽しかった。 本が自分にとってどんな存在か改めて考えさせられる作品だった。
1投稿日: 2021.06.09
powered by ブクログ2年ほど前に、イギリス映画「マイブックショップ」をみて以来、絶対に「火星年代記」を読みたいと思っていたのだけど、100分で名著で取り上げられると知り、こちらを先に読んでみた。 すごい本だった。 今流行りのディストピアものであり、 焚書が物語の中心にある。 本が、焼かれてしまうのだ。 昇火士たちの手によって。 本を隠し持つものは、政府によって管理され、家ごと焼かれてしまう。その、昇火士のモンダーグが主役。 家は完全防火処理がされ、本や家具は燃えても家は残るようだ。 しかしその家の壁は、ほとんどがコーティングされ、映像が映し出されるようになっている。モンダーグの妻、ミルドレッドは、この壁の中で行われる家族ドラマに入り込んでいて、眠る事すら忘れている。 その様子は、今の自分を含め、若い世代のインターネット、SNSスマートフォンを肌身離さず持つ、私たちのこの時代のことを言っているようで寒気がする。。 そんな中、仕事帰りに家の前でクラリスという不思議な少女に出会う。本を焼くことを正当化して生きてきたモンダーグにとって、彼女の存在はおどろくべき美しいものに写った。 「私?歳は17で、頭がイカれてるの。」そう言って、クラリスは自然を愛で、壁ではなく、花や草の香と共にあるのだ。 家には廃人と化した妻がベットの中から壁に見入っている…妻も自分も二人が出会った日のことももう忘れているのだ。 クラリスの次には、昇火に出かけた家の老女が彼を揺るがせた。老女は、本と共に自らも燃やされることを選択し、自らマッチをする。。 そんなモンダーグだが、実は彼の周りにはいつも猟犬により監視される対象だったようだ。彼は実は、読みもしない本をつい、手にしてしまう盗癖があった。 モンダーグにとって、ろうそくの火のような優しい光だったクラリスが、ある日いなくなってしまう。 そして、彼の周りはどんどん変わってしまうのだ。 長いこと、彼の記憶にあった老人フェーバーに助けを見いだし、モンダーグはこの世界から逃げ出すのだ。 しかし、戦争が始まり、世界はまた…
2投稿日: 2021.06.08
powered by ブクログメアリ1世による弾圧←《男らしくふるまいましょう、リドリー主教……》のくだり ロウソク 受け継ぐ火⇔火炎放射器 破壊する火 社会のスピードに殺された 洞窟の比喩 フィルターバブル スピードが増していく社会 概略抄録ダイジェスト 悪魔は言葉で誘惑する(雄弁) ベイティーは悪魔的人物 テレビがダメになることを予見していた 啓蒙は暴力的でもある モンターグが最後に呟いているのは『ヨハネの黙示録』 エリートだけが生き残って再生…? 都会の中で啓蒙していこうとした人はみんな死んでしまう いかがなものか? 映画では戦争起こらない 啓蒙と民主主義はセット
0投稿日: 2021.06.07
powered by ブクログ自分の能力によるものだが、最初はかなり読みにくく、1ヶ月寝かせて100分de名著を読んでからやっと読み切れた。多分100分de名著がタイミング良く出なければ積んでしまっただろう。 たくさんテーマが詰め込まれており、自分には特に「スピード化している社会」「刹那的な虚飾を追い求め、立ち止まって考えることをしない」が気になった。現代でこそよく当てはまると思った。
0投稿日: 2021.06.06
powered by ブクログアニメ「PSYCHO-PASS」の関係でオススメされたので買ったはいいものの、積ん読状態だった。けれども、ちょうどEテレの「100分de名著」で取り上げられるのをきっかけに読んだ。 1953年の作品で、読んだ今は2021年。約50年、半世紀前の作品だけれど、まさに今書かれたのではないかと思うくらい、熱かった。 SF関連でよく本が神格化されているのを見るが、この作品ではそれを否定していた。本は確かに大事なものだけれど、新しい技術のものでも同様のものは得られなければならない、と書かれていたのが印象的だった。 ただ古いものだけを良きとするのではなく、温故知新として古きものも新しいものも大切にしていかなければ、過去も未来もただの灰となってしまうのではないかと思った。
0投稿日: 2021.06.04
powered by ブクログ本が燃やされる世界。文体は読みにくさはあるので飛ばし飛ばしだったが、印象的な描写。 無知であってはならない。
1投稿日: 2021.05.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
再読。妻が夢中になる壁はテレビのように思っていたけれど、不完全であれ双方向的な点でスマホに似ている。壁に依存し、自分で考えることなく、自分のことしか頭にないのに自分のことすら見ていない。だから鏡が必要だと最後にグレンジャーがいうのかもしれない。壁や、耳にした巻貝に言われた通りに、何の疑いもなくただ従う。一方的にがなり立てる宣伝に洗脳されて思考ができない。待つことができずせっかちで、センセーショナルな結末を飽きないうちに見ることを求め、目の前に差し迫った戦争には気づかないし報道もされないまま、街は灰燼に帰す。報道する側、権威の側がそうであるのはもちろん、何よりそれを享受する側が「愉しい」ことだけを求めた結果、そんな思考停止の享楽を求めているというのが実際。だから昇火士なんていうのはショーにすぎず、焚書しなくたって人は本を読まなくなるし、目の前の自分の楽しみだけを思考なしに追求している。現在の風刺。モンターグに焼き殺された教養あふれるベイティー隊長は、実は失われる知識に愛着していたのではないか?
0投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログディストピア小説をつづけて読んでいる。 どれも世界の設定が独特だ。便利な世界になっているというのが共通点ではある。 人は、事実を知ることによって自分には輝かしい情報収集能力を持っていると感じることができる。物事がどうこうではなくなぜ起こるかを知る。こういったことが述べられる。ブラッドベリは非常に優れた小説家なのだろう。
0投稿日: 2021.04.30
powered by ブクログ焚書をテーマにしたディストピア小説の古典。本書についてまず驚いたのはレビューの数が圧倒的に多いこと。このブクログでも、読書メーターでも、Amazonのレビューでも、多くの人が感想を書いていて、読書好きにとって避けられない作品なのだなぁと。実際読んでみて、「本」という当たり前にある(と思っている)ものに対する気持ちが変わっていくのを実感した。メディアやネット社会に踊らされる現在のわたしたちに警鐘を鳴らす意味合いも大きく、薄ら寒い不気味さを感じつつ考えさせられる事柄が多い。と同時に、シンプルな筋運びながら詩的で美しい文章に酔わされる不思議な雰囲気もある。すでに相当古い作品だが、これからも読みつがれるべき不朽の名作だろう。
3投稿日: 2021.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
電子書籍への移行などで、紙の書籍をあまり読まなくなってきた今に通ずるものを少し感じるような、そんな物語。 紙の本が無くなったらどうなるのか、というのをシュミレートしたかのように物語の最中に世界観に疑問を持つことが無い作品でした。 特に紙の本に触れた後の主人公が、自分の妻と作り物の家族(本の中の表現では親戚だったかもしれない)との中身のない会話を聞くシーンは、今まではそれが当たり前だったはずなのに、とても不気味で恐ろしく感じている様子がありありと感じられて、今なお名作SFとして名を馳せていることが分かるシーンでした。
0投稿日: 2021.04.26
powered by ブクログとても面白かったです。 実は、一回読んで第一部の比喩や、遠回し的な表現が掴めなくて挫折してしまったのだけど。 改めてチャレンジしたところ 一気に読んでしまいました。 本を持つことを禁止されている世界で暮らす主人公。 主人公の職業は、本を燃やす昇火士。 本を燃やすことを愉しいと思ってた主人公が、 ある日本と共に死を選んだ女性を見て疑問を持ち始める。 現代と似通ったところもあるし、 簡単に情報が手に入る現代だからこそ 突き刺さるなぁ〜と。 偶然なのか、わたしの携帯が壊れて 3日ほど携帯が使えなかったんですけど、 不便であると共になんだか充実した時間を過ごせたことに気付きました。この3日で華氏451度を読めたことに意味があるような気がします。 まだまだ、小説に出てくるような引用は さっぱりだったんですが知識は力なり。の言葉のように知識を身につけたいです。
0投稿日: 2021.04.04
powered by ブクログ初ブラッドベリだが、「SF界きっての抒情詩人」とは確かに。比喩が実に美しい。読書も、本の所持さえも禁止された世界を描くディストピアもの。とても面白かった。主人公の行動が危なっかしすぎて、突っ込みたくなったりもするが…。「昇火士」など訳も良い。今なお、あるいは今だからこそ読むべき本。
0投稿日: 2021.04.04
powered by ブクログ一気読み! 本を読むことも持つことも禁じられた世界で、本を燃やす役目を負わされている主人公が本の価値に目覚めていく話。特に、本を読むのが好き、という人にはぜひ、手に取ってほしい!そして、本なんか読まなくても生きていける、と言っている人や、まとめサイトで十分、と思っている人にも!! 第一部はなかなかストーリーが進まない上に詩的な(のかな?翻訳の問題?)言い回しが多くて読み進むのに苦労したけど、その先は息もつかせぬ展開。 謎の少女、味方と見せかけた敵(しかもボスなので御禁制品の本をたくさん読んでいる)、味方になってくれるおじいさん、森に潜むレジスタンス、と道具立ては割とベタなんだけれど、異様なのは主人公の妻。作品に深みを与えているのは、主人公とこの妻の関係だと私は感じた。「壁(と訳されているけれど、むしろスクリーンでは?)」に写る映像と垂れ流しの音声にのめり込んで、生身の旦那なんかいてもいなくても同じになっている、というあたり、スマホをいじりながら向かい合わせに、あるいは並んで座っているカップルみたいでゾッとする。妻の上に原爆が落ちるまで主人公が彼女の存在感を少しも実感できずにいるところも、災害に遭って急に絆に目覚める人たちのようで、ザワザワする。 そうした不気味な人物や関係をたっぷり描写しておいた上で、「何で本を読むのか?」という素朴な問いに、作者は、例えば次のように答える。 ーーわれわれは記憶しているのだ、と。長い目で見れば、それがけっきょくは勝利につながることになる。そしていつの日か、充分な量を記憶したら、史上最大のとてつもなく巨大な蒸気ショベルを作って史上最大の墓穴を掘り、そこに戦争を放り込んで埋めてしまうんだ。(p.273) 背景にはアメリカ社会に根深く蔓延る「反知性主義」への危機感があるのだと思われる。日本のそれ(アンチフェミとかアンチリベラルとか)とは違って、ただのヘイトクライムじゃなく宗教的な理念があるヤツだから、非常に厄介らしい。だからなのか、英米文学におけるディストピア文学では、必ずと言っていいくらい「本の禁止」が設定として盛り込まれる(『1984年』『すばらしき新世界』『侍女の物語』など)。そうした声に対する、結構直接的な問答がこの作品では章ごとに繰り返される。引用したのは、元大学教授でレジスタンスのリーダー的な人物の言葉で、主人公一行が原爆の爆風に晒された後のセリフ。性懲りも無く戦争が起こるのは、反知性主義的な側面が人間にあるからだ、という主張。 ヒトラーだって読書家の側面は持っていた。けれど、ヒトラーに対抗する知性もまた、読書によって培われなければならない。例えば、ヒトラーの演説における各種の引用が極めて恣意的で、論理が破綻しているということには、引用元の書物を読みこなせるだけの人で無ければ気づけない。 旧ソ連による四年間の抑留生活を送って生還した祖父の口癖は「頭の中にあるものは誰にも盗られない」だった。尋常小学校にしか通わせてもらえなかった祖父は、帰国後、独学で一級ボイラー技師の資格を取って会社を起こした。祖父の遺した書籍は膨大で、ボイラー関係だけでなく、戦争や日中関係などにまつわるものから仏教関係、古典全集と幅広い。決して知に誇る人ではなかった。けれど、本がどれほど価値を持つものかは生き方を見れば分かった。この作品に登場するレジスタンスの老人たちは、その祖父の姿に重なるものがある。 人生には過酷な瞬間や時期がある。その支えに、その先の希望に繋がるのは、本だ。 ーーほら、すごいぞ、遠くを見てみろ。おれの外の世界を、おれの顔より向こうにある世界を。……いつか世界をつかみとってやる。いまはやっと指が一本かかったところ。ここからはじめるんだ。(p.269) 主人公の熱い決意に、その思いを強くした。
2投稿日: 2021.03.30
powered by ブクログ「ずっと昔、本を手に持っていた時代でさえ、われわれは本から得たものをまともに利用してはいなかった。われわれは死者を侮辱することばかりに汲々としていた。われわれより先にこの世を去ったあわれな人たちの墓に唾を吐きかけるようなことばかりしていた」 この部分にこそブラットベリのメッセージが詰まっているように感じた。 どんな類の情報にも瞬時にアクセスできる現代にあって、いやというほど情報の量だけが僕たちを圧倒し、情報量が少なかった時代よりむしろそれを活用できていない。 ごくごく身近な例としてはウォークマンにツタヤで借りてきたCDをいちいち取り込ませてた中学生時代とスマホとサブスクサービスでどんな音楽も聴き放題な今。どっちが大切にアルバムを聴いていたかというと中学生時代だった気がする。 もう少し視野を広げて考えれば月並みすぎて申し訳ないけれど失って初めて気づくそのものの大切さということなんだろう。 ディストピア社会の描写としては1984の方が恐ろしいし、設定の奇抜さは素晴らしい新世界の方が優れていたように思うが何故か心に残る華氏451度。何を読んでも家を燃やされない幸福を噛み締めながら読書を続けていきましょう。
8投稿日: 2021.03.30
powered by ブクログ再読。 たしか2年くらい前読書会課題本、もうなくなったコアの上で。だったんだけど開催されず。 リベンジ。また課題本になってた、とある大学の読書会に参加する。そして、読んでる。得意な分野じゃない。 20210320 オンラインドキュメントでの読書会に参加。ギリギリ読み終える。誰が重要な人物かについて話し合う。女たちという表現の意味。本が重要じゃないけど知識は大事。モンターグは何故かんがえを変えることができたのかな。物語の鍵は感受性豊かな女性だなぁ。 クラリスの魅力が語られたけど、よみとばしてたな。ディストピアってそうなると怖いから無意義に避けてるかもな。 3部に分かれてる。明るく燃えてって違和感。なんの警笛を作者は伝えたかったのか。火を燃やすのは楽しいとなんも考えることをやめてたモンターグはなんでかわっていったのか。考えることをやめてるのは彼だけか。この世界の人たちだけか?もやもや。
0投稿日: 2021.03.16
powered by ブクログ紙で、文字で、記される情報より、映像で、音で、刺激的に与えられる情報を得ることに慣れきってしまった現代。享受した情報を自ら顧みて、再考する余白を持つことの重要性に立ち返るときだ。モンターグ、ベイティー、フェーバー、グレンジャー、登場人物の台詞に何度もハッとさせられた。
0投稿日: 2021.02.18
powered by ブクログディストピア小説の古典的名著といえば、まず名前が挙がるのがジョージ・オーウェルの『一九八四年』、オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』だが、それらの小説に勝るとも劣らないのが1953年に上梓された、SF作家レイ・ブラッドベリの描いた焚書をテーマとした本書『華氏451度』である。 この『華氏451度』とは紙が燃え上がる温度のことで、摂氏でいえば約232度の高温のことである。 本書で描かれるのは、本の所持が禁じられた未来社会。 主人公のモンターグは、本を発見したらそれを昇火器で昇火することを生業とする昇火士(ファイアマン)である。 本を焼却することになんの疑問を持っていなかったモンターグであったが、本を守ろうとして彼が一緒に焼却し、殺してしまった女性の姿を見て、本には命をかけるほどの価値があるということに気がつき、焚書社会に反抗していく姿が描かれていく。 ここに描かれている社会は、もちろん架空の社会であるが、深読みしてみると非常に現代社会と状況が似通っている部分が多い。 本書に出てくる多くの人が夢中になっているのは「ラウンジ壁(スクリーン)』と呼ばれるテレビに似たような機械で、これは自宅内に設置されており、見るものに対していろいろな情報や映像を提供し、さらには簡易な会話なども楽しめる。 人々は、本を読むことを禁じられ、常にこの「ラウンジ壁」を見ながら自ら考えることを放棄し、「ラウンジ壁」からの情報を鵜呑みにし、それに依存してしまっている状況にある。 この本を読んでいて、ふと思ってしまった。 この「ラウンジ壁」は、今の社会でいえばまさしくテレビであり、さらに言えばテレビよりもインタラクティブな機能をもっている「スクリーン」、つまりまさにスマートフォンのことになるのではないだろうか? 現代の人々は電車の中でも、食事中でも、いつでもどこでも手の中にある光る板を眺めている。恋人とのデート中でさえ、相手の顔を見ているよりもスマホを見ている時間の方が長いのではないだろうか。 約15年前、あのiPhoneが登場するまでは、人々のその手の中にあったのは新聞であり、文庫本であり、漫画雑誌であったのだが、その光景は今や一変してしまった。 「すべてのスマホが悪だ」などということを言うつもりは毛頭ないが、皆が多かれ少なかれ「スマホ中毒」状況にあるのは間違いないだろう。 この状況は、ある意味においては、本書で描かれている世界よりも「異常な世界」なのかもしれない。 話を戻すが、現代社会はもちろん焚書社会ではないし、本を読むことも所持することも当然自由なのであるが、ここに驚くべき調査結果がある。 若干古いデータで申し訳ないが、文化庁が平成30年に16歳以上の男女3590人に調査した 「1か月に大体何冊くらい本を読むか」という問いに対して 「読まない」と答えた割合が47.3%、 「1、2冊」と答えた割合が37.6% なのである。 つまり、約85%の人たちは「月に2冊以下」しか本を読んでいない状況である。 このような数字を見ると、今の私たちはあえて自ら「焚書社会」を作り上げ、そして「スマホ社会」に移行していると言っても過言ではないだろう。 本書に描かれた社会と現代社会が直面している状況はまさに紙一重といっても良いのかもしれない。 このレビューを読んでいる人は、誰もが毎月それなりの冊数の本を読んでいる奇特な人たち(笑)だろうが、もしこの本を読んだとしたらそれぞれ思うところがあると思うので、未読の方はぜひ手に取ってもらいたい。 本書は、焚書社会を通じて破滅へ突き進んでいく社会を描いたディストピア小説の傑作である。
40投稿日: 2021.02.09
powered by ブクログ本って別に、食べ物や飲み物みたいに無くても人類は生きていけるけど、本がない世界ってすごく寂しいだろうなぁと感じた。
0投稿日: 2021.02.06
powered by ブクログ自分で考え想像するという事を奪われた世界。 序盤に出てくる少女が魅力的に見えるのは、現代社会でも彼女のような存在が珍しくなっているからかもしれない。
0投稿日: 2021.01.20
powered by ブクログ本を持つ事が麻薬と同じ位犯罪である未来の話。 読書愛好家vs国家の闘い!読書離れしている今の時代を観ている感じでした。ディストピア小説の最高峰!
0投稿日: 2021.01.09
powered by ブクログ映画みて好きだなと思い、原作に興味持った。 今読み始めたけど、冒頭からまじで読みやすくて、面白くて早くも心鷲掴み。 映画観たのだいぶ前で、おばさんがリビングで燃やされる本とともに燃えるハウスの中でぐるぐる回ってるシーンが強烈なインパクトすぎて、それ以外のシーンを忘れてしまったのだった。 わくわくしながら今読んでる〜♪
4投稿日: 2020.12.30
powered by ブクログ今年はディストピア小説をさんざ読んできたので、本著を読まずには年を越せない気がしたので、締めくくりとして読んでみました。この状況下で厄落としの意味も込めつつ(笑 読了して感じたのは、ディストピア小説の中では最も希望を感じることができる作品だということです。中盤以降の疾走感はなかなかで、映像化されたらさぞかし美しいだろうなという光景も。最後に読んで良かった。。 さて本著、「本を焼く」という仕事、昇火士(英語だと消防士と同じファイアマン)に就いている主人公。ある晩に風変わりな少女と出会ったことで人生が変わって…というのがあらすじです。 本を焼くのは何故かと言うと、「色んな意見があって矛盾してると混乱するし、誰かを傷つけるような表現がある本は要らない」ということを皆が望んだからだ、というロジックだそうで。 ここらへんで、何となく「1984年」とは違うんだなぁという印象を受け、これって、本著の刊行が1953年だったというのも大きく影響しているのでは、という推論が浮かんできました。 反共マッカーシズムの中ではあったにせよ、ドイツや日本に勝利したアメリカの中のムードはそれなりに明るかったはずで、ある種民主主義的だし、政府そのものをそこまでおどろおどろしく描く必要もなかったのではないかと。 ※もちろん、上記が本著で語られた「タテマエ」であって、本著内の政体が民主主義的だと言うつもりは一切ないのですが。 細かいツッコミはあれど、読後感も素敵で、勇気が湧いてくるような一冊でした! 翻訳も、解説を読むに従来のものよりは格段に優れたもののようで、新訳で読めて大変有難いと感じました。 ということで、以下細かいツッコミです(笑 ・本文中に出てくる「カブト虫」って、VWビートルで良いんですよね? ・本はダメなのにヘロインはOKなのか…
11投稿日: 2020.12.28
powered by ブクログ本が禁制品となった近未来、書物を燃やす【昇火士】として働くモンターグは自由奔放な少女・クラリスと出会い、感化されていく―。初めてのブラッドベリ作品だが、詩的で美しい文章が印象的。第三部では犯罪小説さながらの大逃亡劇も展開されるが、緊迫感の中にも静謐さが漂う。作中の統制社会において人々は思考を停止し、公共放送に身を委ねるだけだが、ネット社会の現代も似たり寄ったりに感じる。SNSやEコマース、動画サイトに趣味嗜好を掌握され、AIのレコメンドをただ受け取るよりも、自分の足で書店に赴いて未知との遭遇を楽しみたい。
0投稿日: 2020.12.17
powered by ブクログ本が燃やされるなんて想像しただけで胸が痛くなるけれど、社会の風潮がそうなっていたら、そういうものだと受け入れてしまうかもしれない。他人の意見に流されるのではなく、自分の頭で判断するようにしなければならないと感じた。
0投稿日: 2020.12.14
powered by ブクログ本が燃え始める233℃ 書物の所有は国家によって禁じられた世界、 焚書する昇火士が主人公。 ある日風変わりな少女と出逢い変化が 作者によると独裁国家批判ではなく テレビの一方的な情報を浴びることにより 自分で思考しなくなる危険な世界を危惧し 作品化したらしいです。 それから約70年後、毎日目的もなくテレビ観る(泣)
2投稿日: 2020.12.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『密やかな結晶』を読んだことでちょっとテーマが似ているかなと思って手に取った。 焚書がテーマだけど、文化をどう守るか・伝えるかという話。ここら辺は大学における人文学のあり方とも繋がるのかもしれない。
0投稿日: 2020.11.17
powered by ブクログ書籍を所有すること自体が犯罪となっている設定の近未来SF作品。 書籍を焼く事がミッションである昇火士(ファイアマン)のモンターグは、ケロシンの焔で本を焼き尽くす事に喜びを感じていた。そんな彼の前に現れた不思議な少女クラリス。彼女との会話により彼の日常が変わっていく。 タイトルの華氏451度は、本の材料である紙が燃え始める温度(摂氏約233度)を意味する。本好きとしては、本を焼くいわゆる焚書の行為の話は読んでいて心が痛む。しかし何故、書籍が禁制品となってしまったのか、そちらが気になるところ。 そして本のない世界での人々の生活が描かれるのだが、なんかねえ、スマホにどっぷりと浸かった現代人を彷彿させて嫌な気分になってしまう。そんな描写を半世紀以上も前に描いたとはね。名作古典SFだけあります。火消しの消火士と同じ読みで正反対の事をするところも名訳。
2投稿日: 2020.11.07
powered by ブクログ文章そのもの自体は読みやすいんだけど、凄く詩的な部分があったり、比喩表現多用されたり、幻想的な情景が現実とシームレスに描写されたりするせいで、結果的に場面を理解するのが難しくなっていると思う。だから単にストーリーを追うのではなくて、文章を楽しむような読み方をすれば、もっと面白く読めるのかもしれない。 『火星年代記』と並ぶブラッドベリの代表作という認識だったけれど、案外話が二転三転するようなこともなく、なんとなくで終わってしまった印象。 ただし、胸を打つ文章はあったし、こめられたテーマも面白かったので、結構楽しめる小説ではあった。胸を打つ文章はあったし、扱っているテーマは面白かった。 訳語を上手く選定した、訳者の妙技も光る一冊。
1投稿日: 2020.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても印象的な本だった。私が本を読むのが好きだから、と言うことを抜きにしても、そう思える本だった。 本や書物は全て禁止され、所持しているのが見つかれば、それらは燃やされ、自分は捕まる。 人々の娯楽は、巻貝と呼ばれるイヤホンから流れる音、テレビ壁と呼ばれるものから出てくる音声と映像。 そして、テレビ壁から呼びかける出演者を家族と呼んで楽しむこと。 火を燃やすのは愉しかった。ものが火に食われ、黒ずんで、別のなにかに変わってゆくのを見るのは格別の快感だった。 とまで言っていた男が、ある少女と出会い、そしてある事件をきっかけに本に興味を持ち、自分はなぜ本を燃やしているんだろうと思い… 本とは何か、知識とは何か、と言う話の中にも"家族"とは何か、と言うことも考えさせられた。 同じ家に住んで夫婦関係ではあるが、主人公とその妻は、付き合っていない。お互い、二人がどこで出会ったかも覚えていないし、妻に至っては「どうでもいいじゃない」と言う。そんなの夫婦じゃないし、家族じゃないだろ。同じ家に住んでいるから家族、と言うのは違うなと思った。 そのシーンよりはかなり前の話になるが、主人公が少女とたんぽぽの花粉がどうこう言っているシーンがあるのだが、そこがそれを如実に表していると思う。 少なくとも主人公は、妻を大切に思っていたのだろうが……。 何故本を燃やすか、と言うと…本に書いてあることは全てバラバラであり、それが争いの元になるから、みたいなことなんだけど…そんなの当たり前じゃん、考えることなんてみんなバラバラなんだから、どうしたって争いは起きるだろって思う。 この本で一番厄介だなと思ったのは、主人公の上司。本を燃やす仕事をしているのに、とても博識。主人公との会話では、本や詩から引用して、主人公を追い詰めていく。そこがこの本で一番矛盾を感じたが、面白いと思った。 そのシーンからの展開は、手に汗握るものだった。 主人公の影武者が猟犬に追い詰められるところが、映し出される場面。そこで、自分の目で見て、自分で感じることがいかに大切なのか…と言うことを感じた。 そして、ラスト7行は…えも言われぬほど、素晴らしかった。 私は、この本は、そこを読むだけにあったのでは、と思うほどだった。
2投稿日: 2020.09.27
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中学生の頃から名前だけ知っていて、ようやく読んだ。 現代を予言しているという評があったけど、これってあれの事では?と思い浮かべる場面が確かにいくつかあった。 ミルドレッドがかじりついてるテレビ壁、映像が目まぐるしく展開し見ることをやめられない…依存とまでは言わないけど、何気なくSNSを開いて延々とスクロールし続けてるのと近いものがある。 川を越えたあたりの、いかに世界が匂いで満ちているか気づくあたりから、ようやくリラックスして読めるようになった。 面白くて一気読みした。 映画を一本観終えたような感じがする。
10投稿日: 2020.09.03
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名作、だが難しいと聞いており喰わず嫌いだった作品を手に取ってみた(新訳版とあったので)。確かに読みづらい(個人的にはその苦労を書いた後書きもひとつの作品として興味深かった)。先駆者が苦労と誤訳を重ねて書いてきた作品をここで評価するのも気がひけるが、非常に興味深く、味わい深い。考えること、知を持つことがいかに力になるか、政府の管理対象となるか・・・現代の風刺にも重なる。(壁の家族たちを見ていれば何も考えずに済む、難しいことを見ずに済む→スマホ的な)なんて書いたけど難しいので気楽にはオススメできない感。
0投稿日: 2020.06.29
powered by ブクログすごい本だ。 もしも、政府が国民から知識を奪い思考能力を奪い国のために争いへと駆り立てようとしようとするときには、真っ先に焼かれるような。 「本はなにもいってないぞ!人に教えられるようなことなんかひとつもない。信じられることなんかひとつもない。小説なんざ、しょせんこの世に存在しない人間の話だ、想像のなかだけの絵空事だ。ノンフィクションはもっとひどいぞ。どこぞの教授が別の教授をばか呼ばわりしたり、どこぞの哲学者が別の哲学者に向かってわめきちらしたり。どれもこれも、駆けずりまわって星の光を消し、太陽の輝きを失わせるものばかりだ。 お前は迷子になるだけだ。」 本の存在の許されない世界で、主人公のモンターグは昇火士として本を燃やし続ける。しかし、ある少女との出会い、通報を受けて駆け付けた一軒の家、そしてそこに住む老婆とのやりとりから、自分の行動に疑問を持ち始める。 政府の政策により、本は燃やされ、子どもは幼いうちからひったくられるように学校へ、家族で語らうためのポーチは取り壊され、国民にはひたすらに娯楽が提供され続ける。国民は従順に娯楽を消費し続け、子どもがいなくてせいせいすると喜び、本が燃えるのを見て楽しみ盛り上がる。憂鬱や悩みは排除されるべきものと忌み嫌われ、それを見ないようにするために更に娯楽を消費する。 読んでいてぞっとした。これが約70年も前に書かれたお話。このディストピアは確実に近づいているんじゃないか…売れなくなっていく書籍、つぶれていく本屋。こわい。 昇火士の隊長であるベイティーは、本に対してなにかを抱きだしたモンターグを諭すためにこう言う。 「いろいろなことに、なぜ、どうしてと疑問を持ってばかりいると、しまいにはひどく不幸なことになる。」 「哲学だの社会学だの、物事を関連付けて考えるような、つかみどころのないものは与えてはならない。そんなものを齧ったら、待っているのは憂鬱だ。」 「お前は迷子になるぞ。」 以前新聞記事で、「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を専門家の方が説いていた。「生半可な知識や意味付けを用いて、未解決な問題に拙速に帳尻を合わせない。中ぶらりんの状態を持ちこたえる力」だという。即事的に答えを求めない、自分の中で解答を保留し、その居心地の悪さと同居する、それに耐えうる力。最近の人はそれを我慢できない、待てない傾向にあるらしい。集中力が短くなっているというのもどこかで見かけた。(一説には金魚よりも短いとか?!)情報が短時間で飛び交い、短い言葉や動画に娯楽性を見出して、短時間にたくさんの刺激を受けることができるようになったからかな。それって、まさにこの物語の中の国民と同じだ。 「フィルムもスピードアップだ、モンターグ、速く。カチリ、映像、見ろ、目、いまだ、ひょい、ここだ、あそこだ、急げ、ゆっくり、上、下、中、外、なぜ、どうした、だれ、なに、どこ、ん?ああ!ズドン!ピシャ!ドサッ!ビン、ボン、バーン!要約、概要、短縮、抄録、省略だ。政治だって?新聞記事には短い見出しの下に文章がたった二つ!(略)」 今まさにこの物事への反射スピード、思考速度、結果を出す速さはこれに近づいていないか。いいね、黙れ、RT、消えろ、すき、ばか、!、? このスピード感、そしてこのスピードで物事を結論付けようとするこわさは深刻だ。世の中には正解がひとつに決まっていないことの方が圧倒的に多いだろうし、理想のゴールはあっても、いろいろな要因が絡み合ってして、解決できないことだって山ほどある。だから解決を急ぐとこは難しいし、一面的に正解を決めつけてかかることは誰かの不幸の上に成り立っていることが往々にしてある。しかし今、それを待てなくなってはいないか。自分も含めて。新聞記事は、こう続く。「(分かりたいという欲求の)言いなりにならないのが、知性。分からないという状況に耐え、悩むことは本来、価値がある知的な能力なので、恥じることではないのです。」 思考は人に疑問をもたせる。本を読めば読むほど、知りたいことは増え、知識は深まり、更に疑問は増えていく。知れば知るほど世の中には円満解決やゴールへの近道などないのだと思い知らされて苦しくなる。ときには迷子になりそうになる。考えることを止め、娯楽に押し流され、思考停止の言いなりになってしまえば、悩むこととは無縁なんだろう。ただ、一度本を読み、自分で考える苦しみと知る喜びを知ってしまえば、もう本を読まなかった頃へ、何も考えずにいた頃へは戻れない。モンターグが無意味に笑わなくなったように。クラリスがもう二度と学校へはいかないように。希望にや使命感に満ち溢れているわけではない。けれど、歩みを止めないのだと、祈りにも似た気持ちで歩き続けることを選んでしまう、どうしても。モンターグの出会った年寄りたちのように。 老人のひとり、グリンジャーが静かに語る、不死鳥の話。 「われわれも似たようなもので、おなじことを何度も何度もくりかえしているが、われわれにはひとつ、不死鳥が持ち得えなかった美点がある。われわれは、自分がいまどんな愚行を演じたか知っているという点だ。われわれは過去一千年のあいだにどんな愚行を重ねてきたか知っているのだから、それをつねに心に留めておけば、いつかは火葬用の積み薪をつくって、そのなかに飛びこむなどという行為を止めることができるはずだ。愚行を記録している人間をもう少し集めるとしよう。全世代、そろえたいな。」 本を読むことのありがたさと尊さを感じられる本のお話。それでも、本を読みます。
23投稿日: 2020.06.27
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詩や哲学書、果ては聖書までもを禁書として所持や読むことを禁止されたその社会には、それらを発見次第焼き払う昇火士という仕事があった。 昇火士のモンターグは隣人である少女・クラリスとの出会いを経て、ある時本を読む人たちが自分たちの考えている以上に正常であることに気がつく。 彼は禁書がどんなものなのか、頭ごなしに否定するのではなく見てみようと決意する。 この作品では度を越した快楽主義が社会全体を飲み込む恐ろしさが描かれている。 舞台は情報の統制された社会だ。 この社会では、本はいたずらに人々の心をかき乱すものとして焚書の憂き目に遭う。 本の代わりに頭を使う必要のない娯楽を与えられた人々は、なんの疑問もなく口を開けてそれを享受する。 歴史を改変されようが戦争が起ころうが知ったことではない。 そんなことには重大性を見出さない。空疎な娯楽に夢中で当事者意識がない。 そして戦火が自分たちを襲ったとき、ただ何が起こっているかわからないまま死んでいくのだ。 私は、描写されている大衆のように空疎な人間になるのはごめんだと思った。 同時に、たくさんの本を読まなければならないと強く感じた。 自分で思考するために。 メディアの向こう側からの情報を、おとぎ話のようにとらえるのではなく、当事者としてとらえるために。 そのためには口当たりの良い作品ばかり読んでいてはいけないと思う。 そういった作品はもちろん好きだが、あえて感傷的に、物事を見つめなおすきっかけをくれるような作品に出会って、そこで提起された問題をじっくり検討してみたい。清濁併せ呑む姿勢を持ちたいのだ。 飲み込んだ情報・知識は時間をかけてじっくりと消化され、やがては自分を形作ってくれるはずだから。
2投稿日: 2020.06.25
powered by ブクログテンポも良く、すごく読みやすかったです。 小説はあまり読まない身ですが、表現力などに触れると、こういう本も良いなぁと思うところがあります。
1投稿日: 2020.06.20
powered by ブクログいろんなところで何度も話題にされて、映画にもなって、映画の中でも引用されて、久しぶりに読み直して驚いた。SFだったはずの内容が、リアリズム小説に変貌していた。世の中の移り変わりもすごいが、作家の想像力がすごい。 ブログに書きました。読んでみてください。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202005120000/
3投稿日: 2020.05.16
powered by ブクログ13ページで挫けた。ワンセンテンスが長く文章の行方がわかりにくい。平仮名表記も多すぎると思う。 https://sessendo.blogspot.com/2020/04/451.html
0投稿日: 2020.04.19
powered by ブクログストーリーはシンプルだけど、メッセージ性が強い。というか、今の時代を言い当てていて怖いくらい。自分で見る、考えることの大切さを改めて考えさせられました。
0投稿日: 2020.04.07
powered by ブクログ焚書が跋扈するディストピア世界を中心とした小説。ストーリーは至ってシンプルで、本を火が焼くという情景と街を戦争が焼くというのを対比させ、焼け焦げた灰の中から知識によって本当の人間らしい思想の復活を描いている。本を読んで知識を持つことによって、自己を他者より優れた存在だと思うべきではないという部分が刺さった。作中ではラジオやテレビのような近代テクノロジーによるメディアを完全な悪と位置付けているが、その部分は現実のテクノロジーの力で変えうる未来ではないのかと思った。
3投稿日: 2020.03.31
powered by ブクログ「火を燃やすのは愉しかった。」で始まる主人公の心境描写と、ちょっと独特な状況描写に心を掴まれてずっと読みたいと思ってた本。 the dystopiaという感じ。誤った幸福論の下、容易に政治を進めるために均一化を図り、人を受動的に享受できる幸福感や安心感の虜にさせ、人間の悩みの元凶となり得る物を徹底的に排除しよう、そのためには焚書だ、という世界線。みんな自分の、目の前の幸せのことしか考えない、モノクロームな世界。 度々思うことだが、自分のことしか考えない人間になりたくないし、知らないものを自分の想像で勝手に決める人間になりたくないとまた強く思った。 知らなければ幸せなことはたくさんあるけど、知る権利を奪うのは違う。 考えてるつもりにさせるのは、現代の情報化社会も一緒だ。ネットやテレビの受動的な情報に満足させられがちだ。やっぱり現代と通じてる部分があるからこそ、未来にこのような世界が出来てしまうことは十分にあり得ると、胸に迫るものがあった。もしこういう世界になったら、自分は誤りに気付けるのか、気づいたとして行動できるのか、行動したとして何かを変えることができるのか、、、 これまでにも実際に焚書の歴史が多々あることを知らなかったので、後書きを通じて今回知ることができてよかった。以下に箇条書きで示す。 ・アンネの日記とその関連本が裂かれた in 日本 ・PTAによる悪書追放(特にマンガ) in 日本 ・ドイツ語とドイツ文化の純化の為に、2万点ほどの非ドイツ的な本を灰にした(忘れないために、ベーベル広場の地下に焼かれた2万冊の本を置けるスペースの本棚を設置している) ・図書館の焼き討ち ・ハリーポッターものの焚書 本を燃やすのを愉しんでいる主人公が、クラリスや本のために死んだ女性に心を揺さぶられて疑念を抱き始め、自分で考えて始め、反逆する。 彼の火への認識は反逆を通して変化する。火は奪うものであり、本を燃やすものだという認識から、与えるもの、温めてくれるものだという認識に変わる。 本の引用で口論しようとしてるベイティーに、「ぼくらは一度だって正しい理由でものを燃やしたことはなかった」と、自分の言葉を使って返す部分が好き。 戦争が始まってすぐに終わる部分で、これまでの生活を省みている、「お前は都市に何を与えたんだ? ー 灰だ。」「ほかの人間は、たがいに何を与えあっていた? ー なにも。」の部分も好き。 個人的には、フェーバーとともに反乱を企てる部分は、突拍子もなく進んでいる気がして若干違和感を感じた。諭してる部分も、多少の欺瞞が感じられた。 訳者の工夫によるものだが、消火士と昇火士という表現を用いているのが、現代とディストピアの対比がしやすくて面白い表現だと思った。 最初のヒメネスの記述も、ダブルミーニングの説明があって分かりやすい。ファン・ラモン・ヒメネスはスペインの詩人、ノーベル賞受賞者。 「もし連中がルルードペーパーをよこしたら、逆向きに書きなさい。」 「もし連中がルールを押し付けてきたら、反逆しなさい」 あとがきに書かれている華氏451の誕生背景も面白かった。特に、ブラッドベリがきっかけはラジオって話しているのが印象的。
0投稿日: 2020.03.12
powered by ブクログ本は忌むべき禁制品であり、焚書が正しい行いとされる世界の話。本を読むことがいかに豊かな世界をもたらしてくれるかを教えてくれる読書論でもあるかな。 ブラッドベリの著書はこれが初めてだったんだけど、文体がとても印象的だった。文章に目を通したとき、その映像を想像させるのではなく、見せつけられている感じ。一瞬一瞬がスローモーションのように流れ、主人公の思考を高速で追っていく感覚。
2投稿日: 2020.03.12
powered by ブクログ本は燃やされる。 人は考えることをやめる。 本を燃やす昇火士であるモンターグが燃やすことに疑問を感じ、本の魅力に憑かれ燃やすべきものではないと考え始め人生が大きく変わっていく。 スピード感がすごい。一気に読んでしまった。 近未来ディストピア小説だけど、これは近未来の話ではなくて現在の話だ。 本は燃やされないが以前より重要視されていない。 人々は自分の頭で物事を考えない。 ベイティー隊長が対照的な存在。 本は下らない、燃やすべきだと言っておきながら口から紡がれる言葉は本の引用ばかり。おそらく、考えて考えて考え苦しむことを知っているのでは。 ベイティーの「気安く詩を引用するなんざ愚の骨頂。通を気取った大ばか者のやることだ。」というセリフが印象的。やりがちなので。。 私の頭の中に本は入っているだろうか。 本がなくなったとき、伝道できるものがあるだろうか。
4投稿日: 2020.03.06
powered by ブクログこれは遠い未来の空想小説なんかではなく、現在進行形の物語である。小説の中で、焚書は必ずしも国家権力の濫用ではなく、人々がもはや書物を必要としなくなった結果であると描写されているが、現代人は既に深く考えることを止め、出版社や書店が次々に潰れていく。今や長々と語り合うことは野暮であり、世界最強国家の大統領ですら280文字で一方的に意見を発信するだけになってしまった。愚民化政策もここまで来たか。 華氏451の世界まであと一歩だ。
2投稿日: 2020.02.14
powered by ブクログ描かれる近未来では、いわゆる愚民政策としての焚書が行われているのだろう。その愚民政策の結果なのかは分からないが、3秒で終わった戦争は、今後の希望の始まりなのだろうか? 決して荒唐無稽なSFではなく、現実がこの世界に近づいているような気もする。
7投稿日: 2020.02.13
powered by ブクログ良い意味でブラッド・ベリらしくない いや、根底はブラッド・ベリなんだけども・・・ こういう話だったんだな華氏451度・・・・・・
0投稿日: 2020.01.19
