
総合評価
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powered by ブクログ猫が登場する物語を探していて辿り着いた。 物語に盛り上がりは全くないのだけれど、兎に角私の好きな世界観だった。 蘆野原出身の長筋である和野和弥と事の見立てをする美津濃泉水の関係性が、陰陽師の安倍晴明と博雅の関係性を思い出す。 しかし陰陽師ほど生々しい怪異が起こる訳ではなく、淡々と事を為していく様が爽やかだった。 猫好きな作者さんの目線も好ましかった。 全てをあるがままに受け止めていく、そして自分の宿業を粛々と成し遂げていく生き方も良い。 韻を踏む呪文も面白い。 こうしてどこかで誰かが知らない間に災厄を祓ってこの世が回っている事を想像すると、何だかとてもありがたいなと思う。 『書物の中にだけ存在する〈よみのくに〉への門。蘆野原は、あの世とこの世を繋ぐ境目にある土地。 そこに住む人たちは、神様と言葉を交わす。』 とある様に、「蘆野原」は古事記の『豊葦原の中つ国=高天原と黄泉国の間である地上』を意識して 付けられた名前なのだろ。
1投稿日: 2023.04.06
powered by ブクログ恩田陸さんの常野物語をちょっと思い出しました。 悪いものを祓う力を持った地域の出の主人公の妻がある日猫になってしまう。 そしてそこにある日子猫の多美も加わってのんびりとお話が進んでいく感じです。 悪いものを祓いながらものんびりしたお話です。
0投稿日: 2022.06.14
powered by ブクログ大正末から昭和の初めくらいの時代設定だろうか。最初は理解できなかったが、進むにつれてなんとなく色々と分かってくる(分からないこともある)。淡々と進むとこが良い感じだった。細かい設定はあるが、陰陽師的な主人公が穢れ的なものを祓う的なことをしたり、季節を楽しんだり、妻が猫になったり、猫の家族が増えたり。にゃーん
0投稿日: 2022.04.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
バンドワゴンや花咲シリーズと違っての異次元もの。日本の民俗学的世界を淡々と描く。猫に変身もそのまま請けいる。淡々という感じである。「猫ヲ探ス夢」が続編というか次の世代のはなしとなる。
0投稿日: 2021.09.05
powered by ブクログある日突然妻が猫になっていたΦωΦ 人に厄災をもたらすモノを祓う一族の話 妻が猫になってもああそうかと受け入れる和弥や周りの人達 曖昧模糊としたモノで多分そうかな?と推測するのも楽しい こういうのも好き(*´꒳`*) 静かでゆったりとして暖かい雰囲気の話でした
2投稿日: 2021.05.27
powered by ブクログある日、帰宅すると、妻が猫になっていた。。。 などという、不思議な物語です。 ある特殊な能力を持つ一族の生まれで、 災いを祓う事が出来る力を持つ、和弥が、 親友や、妻と共に、人に災いをもたらすモノを退治していく。 陰陽師のような感じかな? この物語りのなんともいえぬ、世界観が好きです。 シリーズ化して欲しい。。。 我が家でも、ある日帰宅すると、 「夫が猫になっていた」。。。 なんてことが起こったら、ちょっと嬉しいのだけどな。。。
0投稿日: 2018.08.31
powered by ブクログちょっと変わった陰陽師みたいな事を大学で教えながらおこなっている主人公と、その相棒。優しい奥さんも出てきて、ミミズクとオリーブみたいな話なのかと思いきや、奥さんは猫になっちゃうし、短い話でテンポよく進んでいきます。ただ盛り上がりには欠けますが。
0投稿日: 2018.04.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんかよくわからないけれど、好き。 本当にその一言に尽きる。 好きな理由がわからないんじゃなくて、 話の設定も、裏側も、何者なのかも、全てがわからない。 兎に角謎ばかりなのに、 主人公が猫になった妻をあっさりと受け入れたのと同じくらい、 淡々とした調子でわからないまま話が進んでいくのを 受け止めてました(笑) 多分、主人公の無頓着さ(いい意味で)やそこに起因する描写の数々が そうさせてるんだろうな…… とても好きなんだけど、 やっぱり作者の思い描く世界観をもっと知りたかったな っていう矛盾した思いから、☆は4つ。
1投稿日: 2018.03.02ある日、帰宅すると妻が猫になっていた。
ある日、帰宅すると妻が猫になっていた。大学で研究職にある和野和弥は、古き時代から続く蘆野原一族の長筋の生まれ。事(災厄)を為す(祓う)力を持つ。表舞台に出る事はなく、少しずつ変化していく時代の中にあって淡々と事を為し、暮らしている。事の見立てをする家系に生まれた幼馴染の和泉と、猫になった妻・優美子と、猫から人間になった娘・多美。やがて妻が猫になるのは事の前触れである事を知る。仄々とした日常は、サラサラと流れるような穏やかさで。心地よく、美しい世界観と文章でした。なぜ妻は猫になるのか。その不思議もまた良し。
0投稿日: 2017.06.30
powered by ブクログ物語の基礎となる世界観が理解できていないので、ふわっとした読み心地でした。ずっと、なんで?という感じです。
0投稿日: 2017.05.11
powered by ブクログイマイチ! 自分が想像していた物語とは違ってた。 陰陽師とかは好きなので、この本の世界観はすきだったけどもっと説明が欲しい部分が多かった。 表紙の猫が可愛すぎる✨
0投稿日: 2017.03.11
powered by ブクログ「すべての神様の十月」が面白かったので別の本も読んでみました。 ちょっと不思議なお話ですが、ストーリに大きな盛り上がりがあるわけでもなくどんでん返しやオチがあるわけでもない。 でも・・・すごくいい!! 読んでいてとても気持ちよ良くひきこまれます。 こんな良い作家さん久しぶりです。 とはいえまだ2冊目なのでもう少し読んでいくつもり。 非常に楽しみです。
0投稿日: 2016.09.18
powered by ブクログ時代的には、戦前の日本を彷彿とさせられるような舞台設定か? 若き研究者・和野和弥は、古より続く蘆野原(あしのはら)一族の長筋。人に災難をもたらす厄を祓うのが主な務め。長でなく、長筋というところにも、意味がある。 ある日、帰宅すると妻が猫になっていた。厄の前触れには、何故か妻が猫になって、主人公・和弥を援護する。和弥の郷の幼馴染・泉水とともに。そうしたある日、猫になった妻が、子猫を連れてくる。子猫の正体とは一体?
0投稿日: 2016.07.18
powered by ブクログある日突然妻が猫になっていた場面からはじまり、その猫に手助けされながら災厄を祓う物語。 猫や幻想的な雰囲気が好きな私にはぴったりの作品でした。
1投稿日: 2016.07.05
powered by ブクログ一言でいえば、悪霊的なものを祓う現代に生きる祈祷師のような一族の話でしょうか。 恩田陸氏の常野物語シリーズに似た印象です。 細かく描写せずに雰囲気で済ませるところ、不思議な韻を踏む呪文の美しさ、全てをあるがままに受け入れる物静かな大らかさなど、日本的なところが好みです。この呪文は恐らく小路氏のオリジナルでしょうが、言葉のキレに類い稀なセンスを感じます。
1投稿日: 2015.11.02
powered by ブクログ猫と妻と暮らすオッサン(?)のエッセイか何かだと思ったんですよね。 全然違いました。 不思議系・・・・イキナリ唐突に、主人公が帰宅したら妻が「猫」になっちゃってんの。喋れるわけじゃなくて、本当に、猫。 妖怪・・・とも違うんだけど・・この世とあの世の境・・・んー、遠野物語?不気味さのない恒川光太郎?みたいな。 個人的には好き系ですが、インパクトが弱いというか、あまり作りこまれてない感じです。本の背景、詳細設定がない・・・不気味さがない分、ちょっと平坦な感じがします。 でも(何度も繰り返しますが)個人的に好き系な分野なので、この方が描いたほかの本を見つけたら、きっとまた読むと思います。
2投稿日: 2015.10.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある日、若き研究者・和野和弥が帰宅が帰宅すると、妻が猫になっていた。じつは和弥は、古き時代から続く蘆野原一族の長筋の生まれで、人に災厄をもたらすモノを祓うことが出来る力を持つ。しかし妻はなぜ猫などに?そしてこれは、何かが起きる前触れなのか?同じ里の出で、事の見立てをする幼馴染の美津濃泉水らとともに、和弥は変わりゆく時代に起きる様々な禍に立ち向かっていく。 扉絵とタイトルがよくて購入しましたが、内容がいまいちでした。 もしかしてこれは何かの続編なんだろうか?という思いがあるのですがどうなんでしょう・・・というくらい 話がいきなり始まるのです。ほんと帰ってきたらいきなり妻が猫になっていて、その後知らない子もどこからともなく現れてそれも妻と同じように猫になってしまうし終わり間際に和弥さんと妻に子供ができるし・・・なとも突拍子もない話でした。 キャラクターは好きなんだけれどな。おすすめできるかといえばそうでもないかな~という感じです。
0投稿日: 2015.09.13
powered by ブクログなぜ? どういうこと? 結論は? ということは考えない物語。 心地よい… 追記 葦原の中つ国なのかな?
0投稿日: 2015.07.18
powered by ブクログ早坂家の三姉妹は話の内容はつかめましたが、こちらはさっぱり。何を伝えたいのか何のことを書いているのかワタシにはあまり解りません。物語を解する力がここのところ落ちてきていることは自覚していますが、この作品はまん中くらいからしんどかったです。 極楽に通じる道があってそこにある集団がすんでいてこの世との橋渡しをしていて…そこから先はなんなんだか…困ったものです。
0投稿日: 2015.05.20
powered by ブクログ小路幸也の猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷を読みました。 蘆野原という隠れ里はあの世に通じていると言われています。 蘆野原一族の長筋の生まれの和野和哉は厄災をもたらすモノを祓う力を持ち、見立ての力を持つ美津濃泉水とともに人々に禍を起こすモノに立ち向かっていきます。 和哉の妻優美子は和哉が厄災をもたらすモノと対峙するときに何故か猫になってしまい、猫の姿で和哉を助けることになるのでした。 穏やかな語り口で異能者の生活と禍との対峙が描かれています。 優美子は男性からみたちょっと古風な理想の女性像として描かれていて、ファンタジーとして楽しむことが出来ました。
0投稿日: 2015.03.29
powered by ブクログタイトルだけで手に取り、読み進めました。 初め、とっつきにくいのかと思われたが、 不思議と世界に引きずり込まれた。 一つ一つの意味が分からなくても、ああ・・・そうなんだと納得させられた。面白かったような・・・・何とも言えない不思議な感覚にとらわれた・・・。
0投稿日: 2014.12.20
powered by ブクログ恩田陸の常野物語を思い出した。なんだろうなんだろうと疑問に思いつつも、するすると物語に引き込まれ楽しめた。詳細な説明などはないがほんわかし良い本だった。
0投稿日: 2014.11.26
powered by ブクログあの世と浮き世の境にある村。その村人達が目立つ訳でもなく、かと言って他の日本人に認められない訳でもなく静かに妖(あやかし)を祓うお話。日本のどこかにあって欲しい村。いや、あるね。きっと。こういう柳田国男とか水木しげるとか民話のような話はやはり日本人にはしっくり来ます。いや、しかし、最近猫の表紙の本ばかり読んでる(笑)
3投稿日: 2014.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何とも不思議な内容の本でした。 この本と出合ったのも偶然。たまたまブクログの新刊案内を見ていたら、猫の表紙が目にとまり、タイトルに惹かれて…その時には購入しなかったものの、後日他の本とまとめて手に入れて。 あらずじを見て購入を決意したんですが、実際に読んでみると、そのあらすじから受けた印象と文章の乖離がはなはだしく、最初の感想は「なんだこれ?」というようなものでした。 このお話は、とにかく…whyとか、whatとか、howとか、そういうものにほとんど答えが与えられません。 読者は、必ずwhat is it?と感じるはずですが、作者はその問いのほとんどに it is it としか提示しません。とにかくそれが最初から最後まで続きます。 代表的なものが、読み始めからすぐに妻が猫になり「なぜそうなったのか」を究明するでもなく「そういうものか」で話が進んでいくことでしょうか。 あらすじでは主人公が「人に災厄をもたらすモノを、祓うことが出来る」「様々な禍に立ち向かっていく」なんて書いてあります。確かにその通りなんですが…その文章からアクションやバトル的な、あるいは「陰陽師」のような活躍を想像すると、全然そんな内容ではありません。 主人公ができることがあれば、それは誰に頼まれておらずとも、できることをするだけ。できるからやる、というだけの世界。奇妙なことがあっても、そういうふうにあるからあるだけ、という世界。 災厄の意味等も一切説明されず、祓う方法も一切説明されず。ただ、そういうものだ、という。 読み始めてすぐに面食らいました。 でも、読み進めていくと惹きこまれます。 意味ありげな文章や名詞がたくさん出てきます。 「ラップ」ではなく、「和歌」的な韻をふむ言葉もたくさん出てきます。 が、それらの説明は全くありません。 面白いと感じられる人と、受けつけない人に分かれる作品ではないでしょうか。
2投稿日: 2014.09.13
powered by ブクログ和風ファンタジーって言うか 奇譚って言うか。 恩田陸さんの「常野物語」の、光の側面って感じ。 個人的には好きなムードのお話。
0投稿日: 2014.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あれ?梨木さん?と思ってしまった作風。 なるほど、小路さんもこんなん書きはるんやねぇ。好きな雰囲気の作品だけど、最初数ページは予想と違ったので違和感あったかなぁ。すぐに馴染んだけど。 こういう本を読むと、山登りに行った時に出会う廃村なんかが凄く気になるようになる。その土地土地の道祖神や氏神様や道々にたたずむお地蔵さんや祠が気になりだす。 そして日本ってやっぱり多神教がしっくりくる国なんだなぁと思う。
0投稿日: 2014.06.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
生きていく上で降ってくる災厄――事を防ぐために 脈々と受け継がれてきた技を使う長筋の者。 ひっそりと人知れず「事を為す」彼が、家に帰ると 妻は猫となって待っていた。 「事を為す」前には決まって猫となる妻。 小さなひとつひとつはすべては彼の郷、蘆野原へと繋がっていく。 唱える呪が韻を踏んでいるようで、言葉遊びのようで つい唱えたくなってしまう。
0投稿日: 2014.06.08
powered by ブクログ家に帰ったら迎えてくれるはずの奥さんの代わりに猫が1匹、奥さんの名前を呼ぶとにゃあと鳴く猫。 最初の1ページで奥さんが猫になったことに気づき、それを受け入れる主人公。 今までに読んだことのない展開に驚き、期待をして購入しました。 この不思議な感性の主人公は、あの世とこの世とを繋ぐ土地の長筋で、この世のあれこれをその能力で解消することを定めとしている大学教官。 奥さんが突然猫になってもそこまで驚かない出自の方でした。 土地、血筋、運命、新しい時代。 郷を捨てたものの、いつも地元を想っています。
0投稿日: 2014.05.24
powered by ブクログ嫌いじゃない。嫌いじゃないけどスッキリしない。蘆野原ってなに?「古童?」「屋鬼?」「仮祇奴?」 伝承や民話、歴史に出てくる言葉なのかな?読み進めれば分かるかと思ったけど最後まで分からなかった。 まあ、分からないのは郷の者ではないからかも知れないけど。
0投稿日: 2014.05.18
powered by ブクログ「猫になる妻」というとこだけで買ってしまった・・・。 なんとなく、「家守綺譚」を思い出した。 雰囲気というか、空気が似ているのか。 派手な事件が起きるわけではない。淡々とした日常の中でひっそりと小さな綻びを繕っていく。
0投稿日: 2014.04.20
powered by ブクログ妻が猫になってしまう男の話。 最近の小路さんとは少し違った世界。 故郷を離れても感じられるのは素敵なことですね。 数十年後にはまた開かれることがあるのかな。
0投稿日: 2014.04.20
powered by ブクログ家に帰ると妻が猫になっていた、っていう設定からしてじわじわ来る。しかも妻が猫になったことを認めるまでが、1ページとちょっと。淡々とあるがままに受け入れてる。 次々に現れる怪異を鎮めていく話なんですが、派手なところはなく、静かにあるがままに受け入れて為すべきこと為す。そんな静かな物語でした。くどくどと説明がないことを良しとするか物足りないと感じるか。私は良しと感じました。
2投稿日: 2014.04.08
