
災厄の町
エラリイ・クイーン、青田勝/早川書房
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総合評価
(1件)5.0
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架空の町ライツヴィル初登場作品。
エラリーは実は2つの顔を持っている。1つは読者に挑戦状を突きつける冴えたエラリー、もう1つは心優しい苦悩するエラリー。この作品は迷路に迷い込む後者のエラリーである。 真実は必ずしも人を幸せにしないと理解しながらも真実を追い求めてしまう。平和で退屈な日々のなかゴシップが娯楽となっていく怖さと人間関係の深さを求めながら逃げたくなる葛藤をも描いている。 結婚式直前に花嫁を残して失踪したジムが3年たってライツヴィルに戻って来た。田舎の善良な人々が善良であるが故に起こした事件である。エラリーはライツヴィルの古風な町並みが気に入って滞在するうちに事件に巻き込まれてしまう。最初は小説の題材にしようと興味津々だったが事件にどっぷりハマってから後悔する。 ミステリ作品をある程度読むと次々事件が起きることに飽きてしまうことがある。トリックも出尽くした感があり謎解きに興味を持てなくなってしまうのだ。 それでももう一度読みたいと思う作品はテーマがしっかりしている。特にこのライツヴィル物はミステリとしても楽しめるがそれ以上に心理描写が素晴らしい。
0投稿日: 2017.04.06
