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かわいそうだね?
かわいそうだね?
綿矢りさ/文藝春秋
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総合評価

354件)
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    凄く共感でき、感情移入しまくりで読み終えました。 普段表には出さない嫉妬という感情を的確に表現してあり、自分にも思い当たる節がありました。 女性は特に分かるんじゃないでしょうか 初めて綿矢りささんの本を読みましたが、他の作品も読んでみたいと思わせる1冊でした。

    1
    投稿日: 2021.07.09
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    表題作、「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」の二篇収録。 どちらも「女の嫉妬」がテーマです。 「かわいそうだね?」 百貨店に勤める主人公、樹理恵は、恋人の隆大に「求職中の元カノ、アキヨを家に居候させる」と告げられる。 かなりモヤモヤする。でも、樹理恵が必死にアメリカ育ちの異常な二人に心を寄せようと思考を巡らせるシーンや、感情的になるのを抑えるためにファミレスのポスターで適当なことを考えるシーンが臨場的で面白い。そして樹理恵の思想と同じように、読んでいる側も隆大やアキヨの印象が変わっていくのもよかった。 隆大の被害者ぶる態度にかなりイライラするけれど、樹理恵の気持ちがわかるがゆえに私が同じ立場でも同じ行動に出るだろうと思った。 「亜美ちゃんは美人」 主人公、さかきちゃんと亜美ちゃんは高校の入学式で出会った頃からの親友。だけど、さかきちゃんは誰よりも美しく、そして悪気のない純粋さを持つ亜美ちゃんのことが好きじゃない。 女子あるある盛りだくさん。さかきちゃんの気持ちは痛いほどわかる。大学のサークルの飲み会で、美人の隣にいる引き立て役みたいな位置のノリの良い子は無条件にいじっていい、みたいな風潮。そしてそれに苦しんでいることを気づけない当人の美人。 「自分自身に余裕が出ると嫉妬しなくなる」は真理だと思った。 そして、雨の中亜美ちゃんがやって来てからの後半の展開に自然と涙が出てしまった。 オタクの小池くんがすごくいい立ち位置だった。

    0
    投稿日: 2021.06.19
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    心が疲れているときに読むとなんだか不安になる。 女子の心の奥底をのぞいているみたいで、自分にもそんな一面があるのかなと少し怖くなるくらいに表現が上手いからかな。

    0
    投稿日: 2021.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この言葉は誰に向けられているのだろうか。はじめは主人公の樹理恵に向けて後輩ちゃんが放った言葉だと思った。しかし、樹理恵のなかにある「かわいそう」という感情に気づいていくごとに本当にかわいそうな人は一体誰であるのかを考え始めた。アキヨの図々しさが分かった瞬間、樹理恵が全てを曝け出す瞬間、やはり平和に終わる三角関係なんて存在しない。隆大がキモイという一言で終わらせてはいけない後味の悪さをもう少し上手に表現したい。

    0
    投稿日: 2021.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    二つとも、なんだか共感してしまう話。 かわいそうだねの主人公については勿論なんだけど、元カノさんにもなんとなく共感してしまう。年齢的にも、気づかないふりして、元カレを取り戻そうと行動する。その一つ一つが無意識といいつつ、きっと全て考えられての行動。荷物が始めは少なかったのに、少しづつ増やして侵食していくのもわざとなんだろうなぁ。だって長年付き合ってきたわけでしょ?多分新しく誰かと始めるのも億劫なんだと思う。 また主人公のように、付き合っているのに、相手が本当に自分を1番に考えているのか?と思う感じは何気によくある事なのではないか。ここまで二股っぽい状況でなくても、本当は別に好きな人がいるけど、なんとなく付き合っている、なんて事はまあまあありそう。 亜実ちゃんは美人の方は、始めの方は自分の美人の友達と重なった。美人はなんでわざわざそんな人を?的な相手を選ぶものなのかなぁ。現実的にどうなるかは分からないけど、ハッピーな感じの展開で良かった。 総じて、両方ともとても面白かった。

    0
    投稿日: 2021.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「かわいそうだね」は途中まではもうイライラしっぱなしだった。が、樹里恵が隆大の携帯を見てから、ガラッと変わる。 アキヨがムカつくのはもちろん、隆大も本当に嫌。何故、樹理恵は彼にこだわるのか。全然イイ男ではないし、何かにつけて「アメリカでは〜」とか言われると腹が立つわ。 アキヨは思っていた通りのクズで、それをキャラ変した樹理恵が大阪弁でまくし立てる当たりは本当にスカッとした。 「亜美ちゃんは美人」は「読んだふりしたけどぶっちゃけよく分からん小説の読み方」で気になっていた作品。 亜美ちゃんが性格悪いなら、良かったのにと思ってしまう程、亜美ちゃんは純粋だったのかもしれない。 亜美ちゃんには、幸せになってもらいたかったけだど、彼女にとってはこれが幸せだったのかな…

    0
    投稿日: 2021.04.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    綿谷りささんの作品を初めて読みました。 女の心情を表すのがとても上手な作家さんだと思いました。 「かわいそうだね?」 アキヨ!やり方が汚いぞ!と言ってやりたくなります。 最後に思いをぶちまけてくれた樹理恵に感謝です。 「亜美ちゃんは美人」 私はそういう立場になったことは無いけれど、何故か亜美ちゃんの気持ちも分かる。小池くんがいい味を出していると感じました。

    1
    投稿日: 2021.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作『かわいそうだね?』は第6回大江健三郎賞受賞作。 「かわいそう」という言葉や感情のもつある種の醜さが如実に表現されているように感じる。だが、(世間一般で)「かわいそう」というカテゴリーに分類される感情の中には、小学生の頃の樹理恵が抱いたような、純粋で共助的な感情も存在し得ると思う。もちろん、無意識の内にその感情が醜さを帯びることがあるのもまた事実であろう。 作中に度々出てくる「かわいそう」という名で呼ぶべき感情を解釈するときも、その感情に、醜さが、どの程度、どの意識レベルで入り込んでいるのかを吟味してみると大変面白かった。 併録作『亜美ちゃんは美人』は、綿矢先生の作品の中でも特に好きな作品の一つである。 誰にも見抜かれてこなかった亜美ちゃんの髄が、終盤、さかきちゃんに細く鋭く貫かれたのが心地良かった。確かに小池くんの言うように、亜美ちゃんのような美人は元来孤独であり、亜美ちゃんの稀有な精神が外見に起因してはいるが、それは亜美ちゃんの髄とは言えまい。また、高校時代の友人が言う、さかきちゃんは亜美ちゃんに対して冷ややかであったことも真実ではあるし重要なことであるが、的の中心だけを射抜く細さが足りない。喩えるなら、小池くんは細い針で心臓付近のいくつか刺し、高校時代の友人は大砲で丸ごと吹き飛ばしたという印象を受ける。唯一さかきちゃんだけが、細い針で正確に、心臓の一番の中心だけを鮮やかに貫いたのだ。 また、メタ的な視点で言えば、この物語において作者の綿矢りさ先生はどこに存在していらっしゃるのだろうか。先生ご自身、容姿と文学の才に恵まれ、(先生ご自身がこの呼称をどうお感じになられているかは別にして)「文壇のアイドル」として大衆人気を博した経験がおありだが、だからといって亜美ちゃんの視点に先生はいらっしゃらないと思う。かといって、さかきちゃんや神の視点にいらっしゃるようにも思えない。読書経験の浅い私が判断するのは僭越だが、作者の影を感じない、純度100%の秀作であると感じる。

    1
    投稿日: 2021.03.10
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    「ぶっちゃけ〜(中略)面白く読む方法」で紹介されていた「亜美ちゃんは美人」を読んでみたくて購入。 「かわいそうだね?」との二篇セット。 久々に人間の心情をリアルに感じた小説だった。 あるある〜って訳じゃないけどきっと今もどこかでこの本で読んだようなストーリーが誰かの人生に起きているんだろうなぁと、、、 想像力にゾクっとさせる内容でした。 「蹴りたい背中」読まないと!

    5
    投稿日: 2021.02.17
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    なんとなく、読み進めるのが億劫になる展開で、なかなか進まなかったが、最終的には「スカッ‼️」と、した 優しさと優柔不断さは隣り合わせ…その違いを見極めないと泥沼だなと…

    1
    投稿日: 2021.02.09
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    綿矢りさ 著 綿矢りさサンの作品は、本当に面白い(゚∀゚) 物語に登場する人物像が、あまりにもリアルだし、細かい心理描写も巧みで、それに関する一つ一つの物事に対する観察力と、その場面に応じて…彷彿してしまう出来事や感じた思い出にさえ、上手くリンクしており、人物像の観察力、描き方も、凄い! まるで、その人物の姿が見えるように…服装や食べ方の描写まで、その人となりをあらわしている その切り取り方抜群です(笑) 例え方が絶妙なんです! 「かわいそう」という表現の仕方は、  ある意味難しいと思う。 その意味合いにおいても、上手く表現されており、いちいち納得させられた。 小さな子どもが、こけたり、怪我したら 駆け寄って「かわいそうに…」って撫でたりするなんてことに、なんら違和感もない言葉のはずなのに…ひとたび、使う時と場合によっては、見下したような表現になってしまい、嫌われ、使いたがらない言葉になってしまう。 この感情を別の言い方、言葉にすることって、あるなぁ 確信をついているなぁと感じた。  しかしながら、「かわいそうだね」の作品で描かれている登場人物に対して 主人公の樹里恵の気持ちが、とても共感出来た。 文中の主人公は28歳くらいだが、 私は二十歳くらいの時に同じような経験をしている(^^;;ま、相手の(元カノ)女性は流石に同棲まではしていなかったが… その頃の彼氏は隆大のように 誰にでも優しくて頼りがいのある人に、自分にも見えた。 今なら、この作品を読んで、そうだ!そうそう!って頷きながら読んでしまうが、しっかりしている女性を気取っていても、あの頃の自分は特に(若気の至りか?)好きな人には、心の片隅でいい人に見られたいって気持ちが先行してしまい、これって、ちょっと違うんじゃない?おかしくない?って思っても許してしまうような許容範囲の広い女に見られたがってた気がする。 今なら、多分、そんなふうな見方をしないだろうとは思えるけど…^^; 懐かしい話だ。 アキヨのような女性は、たしかにいた! 一見弱々しそうに見えて、実は大胆な、狙い定めた男には、目を見張るほどの甘えた態度に出る(当時の自分にはあからさまに、いくら好きな人でも、甘え上手にはなれなかった)しかし…女性の方はグイグイと攻めてゆく 男の人って…隆大のような男の人って そんな、頼ってくる女性(アキヨ)には、 自分が支えてやらなくっちゃって思うのかなぁ… いや、思うんだろう!      (今なら声を大にしていえる) 関係ないが、当時の彼に纏わりついて(笑)離れない彼女もそうであったように… 誰に対しても優しい彼は、意味なく?よく 「ごめんな。」って言ってた気がする 歳は違えど、シチュエーションがあまりに似過ぎて笑えてしまった( ̄∀ ̄) 結局、自分は若かった事もあり、酷く傷ついたが、逆に「私には、あの人しかいないんです!」って、ただの彼の友達と思ってた彼女から…言い放たれた時は、思わず引いてしまった(´⊙ω⊙`) そんな度胸も そこまで言い切る自信も私には、なかったのかもしれない。 隆大じゃないけど、当時、私はその時の彼を 誰にでも分け隔てなく、深く考えなくても、人に優しく出来る彼に、人間的に尊敬の念さえ抱いて好きだった。 作品の中では、後輩の綾羽に色々諭されてるみたいな樹里恵だったが、私の場合は、先輩に相談してると 先輩は、 「誰にでも優しいってことは、勿論、素敵なことだし、特別な人のように感じるけど…」 「感じるけど… ?」「けど…何ですか?」 「彼にとって、貴女はスペシャルじゃないっ  てことだよ!」 「え〜!そんな、、どーゆうことぉ⁉︎」  「人によって、優しさの意味は違うけど、  好きな人には、努力しても、多少無理して  も、優しくしたい、その人にだけは、  他の誰より特に思いやりを持って接したい  その人だけに持つ特別感って言うのかな」 「努力しなくても、自然に誰に対しても、  親切で優しく出来ることって本当の  優しさなんだろうか?」 「必死に、相手に気を遣って、優しい人間  でいたいって取り繕ろってでも  努力する優しさの方が本物じゃない?」 返す言葉がなかなか見つからなかった 努力しなくても誰にでも優しくできるって 彼だけの特殊な能力というか 彼に自然に身についてる ものなのか…、、 「私は、彼にとってのスペシャルじゃないんだ…」 何だろう 何か信じてたものが、揺らぐ気分 分かっていたのは、彼に対する彼女の気持ちは、スペシャルだったってこと どんなことをしても手に入れたいもの 「さめたふりをして 逃げごしはだめよ 欲しいものは欲しいと云った方が勝ち〜♪」 メロディはよく分からないが、突然  松任谷由美の歌詞が浮かんだ 結局、「しゃーぁない」そこに落ち着くのよね。 短編集でもあるこの作品の第二章というべき 「亜美ちゃんは美人」では 対比したような 見た目冴えないけど、したたかな女性から 一変して、あまりの美人ゆえの波乱の人生 いや、波乱なのはまわりか? 美人で誰からも愛され、一目置かれる亜美ちゃんの親友さかきちゃんの目線で描かれている…奇妙だけど、しっくりくる友情物語とでも言おうか…。 美人は美人で大変だ!(人ごとだけど…) 関係ないが…よく美人は3日で飽きるとか言われる言葉を、きくが、実際そんな事はない気がする。 私のまた、持論ではあるが、 美しい人はやっぱり、うっとり…目の保養になるのではないか⁉︎ ブスは実際には、慣れるとブスも愛嬌ってことになるんじゃないだろうか…ε-(´∀`; ) ま、何にしても、美人であろうが、個性的な容姿であろうが、人の好みは多種多様 好きずきだと思うし、美しいとか綺麗からいい!という基準じゃなく、好きな顔、苦手な顔って…人それぞれあるような気がする。 しかし、友達の話で、あまりの美人なその子の友達が、美人がゆえにストーカー紛いの被害にあったとか?街歩いてると度々、スカウトされるとかって、自分には関係ないような話を聞いたことがある。 美人でも、そういう苦労があるんだ  ま、スカウトされたことも、される予定もない私には関係ない悩みではあるが 光と闇ってどんな人の中にも存在する話かもしれない。 こんな作品も面白可笑しく、さらっと描けてる作家、綿矢さんって、凄いと思う。 リアルなのに物語性があって、どんどん読ませて納得させられてゆく  中毒性あり作家さんだ!

    25
    投稿日: 2021.01.17
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    彼氏と元カノが同居しているという事実を無理矢理受け止めようとする主人公。しかしアキヨのメールを見てそんな自分の虚しさ、滑稽さを感じる....わかる。つらい。 男ってほんましょーもない。ずるい女が得をする。 自分の信念を曲げてまで彼を信じたい、真っ当な恋愛をしたい主人公と自分を重ねて、バカバカしくなる。かわいそうなのはどっちだった?

    0
    投稿日: 2021.01.09
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    ああおもしろかった。完敗。 綿矢さんの作品は 好きなものとこれはちょっと、 っていうのが自分の中でハッキリ分かれるんだけど これはもう、めちゃくちゃにおもしろかった。 かわいそうだね?で描かれる アキヨさんの独特な隙のある感じ、 亜美ちゃんは美人にでてくる亜美ちゃんが最終的に手にする未来。 めっちゃ分かるし共感できるし いちいちリアルすぎる。最高。

    2
    投稿日: 2020.12.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2話収録。 どちらも恋愛のおはなしでしたが、恋愛のもっと先にある人間関係の根本のもやっとしたところを的確に言葉で表現してあり、読んでてとてもスッキリしました。 以下↓お気に入りの場面を抜粋(笑) 自分が生まれ育った場所の文化ばかり信仰して、新しく触れるものに拒否反応をしめすのは、感性のにぶっている田舎者だと思う。 憤慨は動揺の裏返し 疎外は怯えの裏返し 自慢ではなく、あっけらかんとただ事実を口にすることは、まるで本人の罪ではない。むしろその言動にいちいちかっときて、黒い嫉妬の念を心中にうずまかせる人間の方が、嫉妬深くてタチが悪い。 わがままで未熟だからこそ、守りたい部分もある。自分にしか価値の分からない指針を、人の迷惑も顧みずに大事にし続けるのって、ある意味究極の贅沢ですよね。

    0
    投稿日: 2020.10.15
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    お疲れ・ドンマイ・あっぱれ!って言いたい。百貨店で婦人服販売の仕事をする樹理恵。大好きな彼氏からある日「元カノと一緒に住むことになった」と告げられる。混乱する樹理恵。おかしな三角関係。とりあえず登場人物全員に「ちーがーうだろーー!」とぶちかましたくなるくらい面白かった。自分が樹理恵と同じ仕事をしていたせいか、感情移入しまくり。仕事のスタンスが私とほぼ同じだし、アパレル業界のあるある話も共感。文章自体が面白く楽しめた。それにしても彼氏のヒロイズムにウンザリ、元カノの鬱陶しさにゲンナリ。樹理恵に幸あれ。

    2
    投稿日: 2020.09.09
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    やっぱり綿矢りさ、読むのに体力使うのに手が止まらない、どんどん読みたくなる。引き込まれてく。表題の「かわいそうだね?」はなんかもうリアルすぎて温泉のメールの件はわたしも地震を体験したような気持ちになってしまった。個人的に刺さったのは2つめの「亜美ちゃんは美人」。びっくりするほど綺麗な女の子って、そういうとこある、でもなんだか愛おしく感じちゃうんだよな〜。綿矢さんの感情描写、好きだ。

    2
    投稿日: 2020.09.01
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    おもしろかった。 あー、こういう女いるいる!ってのが第一の感想。 かわいそうだね? 間違いなく、恋人の携帯見てもいいことない!! 元カノが彼氏の家に居候? あり得ない… アメリカン的なことなのかもだけど、逆の立場なら彼氏は許すのだろーな?? 亜美ちゃんは美人 可愛いくチヤホヤされてる子って、ほんとそーいう彼氏を選ぶんだよなぁ。

    14
    投稿日: 2020.08.20
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    2つ目の 亜美ちゃんは美人 が面白かったなぁ。 さかきちゃんや亜美ちゃん、出てくる人々は、いるいるこんな人な感じで、出てくるシーンも既視感があるんやけど、話の展開が思ってたのと違う。全く違うのではなく、なんとなく違うっていうのもにくい。 さかきちゃんのあみちゃんへの思いって書き方によってはえげつなくなりそうやけど、さかきちゃんのあかやさまに感情的にならないところと、亜美ちゃんの天才的に鈍い(いや、本当は鋭いのか!?)ところで、不思議とまろやかになり読んでる側も、ふむふむ、ほうほう、それでそれで、と嫌な感情なくページを進めていた。亜美ちゃんその後どうしてるかなー。

    3
    投稿日: 2020.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    かわいそうだね? インストール以来の綿谷りさ。 あっという間に読了。 女性の頭の中を文章化したような感じで女性としては、とても読みやすい。 特に元カノの描写はわかりやすい!こういう女いる!と思わせるのが上手い。 広げまくった風呂敷は最後に怒涛のように回収して終了。 ただ、英会話教室の英語の会話が本当は何を言っていたのか気になる…時間がある時調べよう。 亜美ちゃんは美人 こちらは一段と読みやすい。 最初はサカキちゃんの彼氏を亜美ちゃんに取られちゃう話かな?なんて思っていたけど、そんなことはなく。 昔の職場にいた美人の先輩を思い出した。なんでそんな人と付き合ってるの?っていうチンピラと付き合ってたな。そういうことか。 確かに彼女もみんなと仲良くしてたけど、誰とも親しくしてなかったかも。そういうことか。

    2
    投稿日: 2020.07.16
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    『あの人かわいそう…』 『かわいそう』。『あの人』の感情を無視して、それを言ったその人の価値観が『かわいそうな人』を目の前に作り上げるこの言葉。考えれば考えるほどに厄介とも言えるこの言葉。そして、その使い方ひとつでその人の人間性まで曝け出してしまう恐ろしいこの言葉。そんな風に感じていたこの言葉の最後に意味ありげに『?』がついたこの作品。『相手を憐んでから発動する同情心は、やはりどこか醜い』と主人公・樹理恵が感じる『かわいそう』という感情。この作品はそんな主人公・樹理恵が巻き込まれてしまった不思議な三角関係を、樹理恵のもどかしくも狂おしい心の動きがシニカルにリードしていく物語です。 『私は地震がこわい。街なかで、職場で、地下鉄のホームで、いまここで地震が起こったらどうしようとおびえている』という樹理恵。『1995年の阪神淡路大震災を経験しているせいだ』というそんな彼女は『私を助けてくれるヒーローの存在。彼さえいればもう安心、はだしで駆けつけてくれるヒーロー』、それが『恋人の隆大』であると、脳内地震妄想の中で思い浮かべます。しかし同時に『隆大は非常時には頼りにならないかもしれない』とも思う樹理恵。『大震災が起きれば、隆大は私じゃなくてアキヨを助けにいくかもしれない』と感じている樹理恵の頭の中では『ねえ、あなたはどっちの女を助けるの』という言葉が響きます。『おれがアキヨを助けるのをどうしても許せないのなら、申し訳ないけれど、おれは樹理恵と別れる』という隆大。『別れ話は死刑宣告と似て』いると感じる樹理恵。『あなたは本当に私よりアキヨさんを選ぶの』と聞き返す樹理恵に『アキヨはいまの部屋を追い出されたら、住む場所がどこにもない。だから、おれがアキヨといっしょに住むことを樹理恵がどうしても嫌なら、別れるしかない』ときっぱり返す隆大。『どうしてアキヨさんのために、私たちが別れなきゃならないの。彼女とは別れたんでしょ』という樹理恵。『いや、愛しているのはもちろん君だけ』という隆大に、樹理恵は『理由はどうであれ、私は元彼女を自分の家に居候させようとしている男性とは、これ以上付き合えない』と答えてしまいます。『わかった。短かったけれど、樹理恵と付き合えたのは本当に楽しかった』と終局を伝える隆大、最後に『ここでなんか食ってくか』という隆大に、『食欲はちょっと無いかな。コーヒーにする』と答える樹理恵。それは『食欲があることをばらして私があまり悩んでいないと思われたくなかった』という『私の、精いっぱいの反抗だった』樹理恵。そんな樹理恵は隆大との想い出を振り返っていきます。 『彼のアパートに元カノが同居している状況を思い悩む今カノ』。言ってみればこれだけのお話なのですが、今カノの妄想が全編に渡って炸裂しまくりな展開とその勢いにただただ圧倒されます。作品は冒頭の脳内地震妄想から始まりますが、興味深い台詞が次々に登場します。『いまの私は濡れた段ボール箱ほどの耐久性もない』と絶妙な例えを用いてすっかりしょげこんだ彼女の心境を表したかと思うと、『正月と同じくらいの巨大な行事に成長したクリスマスは、その年の通信簿を兼ねている』と一年をどう過ごしたかがクリスマスの日にその人がおかれる境遇として現れるという絶妙な例えを用いて、違う表現ながらやはりしょげこんだ彼女の心境を上手く表していきます。 もう一点。これは考え方の展開のさせ方がすごいと感じた部分なのですが、『なにか気分転換を』と考える樹理恵は『叫べばいい?髪を剃ればいい?』とまず自問します。ここでいきなり『髪を切ってさっぱりなんて言うと、穢れを祓ったようで聞こえはいいけれど、本当はただの自傷行為だ』という考えをまず提起します。それは『過去のしみついた自分をざっくり切り落として、新しい自分に生まれ変わりたいと強く願っている』ということだという樹理恵。髪を切るという行為自体『いままでの自分を全否定している訳で、髪を切るというのは日常的な行為に思えても、実は非常に大きな自己否定でもある』と指摘します。そして感情が高ぶり『変わりたいと強く願いそれを実行するのは、いままでの自分を殺してしまいたいという願望だ』と断じます。そして、それ故に『髪に血が通っていないことで助かっている女の子はいっぱいいる』と髪を切って気分転換をする女性をチクリと皮肉ります。そして『髪なんか切るものか』という樹理恵。訪れた美容院で『「セシルみたいな髪の色に」とつぶやいた』樹理恵は髪は切らないで色合いだけを変えます。『髪型に私は満足だった。だから絶対に切らない』と色だけ変わった髪を見る樹理恵。そしてそんな自分の姿を見た樹理恵は『私自身が守り通すと決めたことを、アキヨの出現によって変えてしまうことだけは許さない』という強い決意に繋げていきます。この一連の展開、『気分転換で髪を切る』という身近にある行為をこんな風に語れるものなのか、ととても新鮮に感じました。 『「かわいそう」という言葉は嫌われがちだ』と言う綿矢さん。『私たちの心には、この言葉に該当する感情が確実にあるのに、なかなか使いたがらないし、使われることも嫌う』と続けます。この言葉に潜在するどこか見下したような何かが使う場面を憚らせます。しかし、『困っている人を見かけたときに湧く、自然な同情の気持ちを”かわいそう”と呼ぶのは、間違っていないはず』という人の自然な感情の発露に目を向ける綿矢さん。『この気持ちがあってこそ、次の段階の”たすけたい”につながる。同情だろうが偽善だろうが、行動を起こすことで誰かが救われる』というその帰結点。偽善者と思われることは絶対に避けたいと思うのは人の自然な感情だと思います。一方で心の内には人が今まで生きてきた中での経験の積み重ねによって生まれた”かわいそう”という感情が誰にでも存在するはずです。大切なことはなんなのか、それは、その”かわいそう”という言葉を発することになる事ごとによっても違ってくるとは思います。でも、その一つの答えがここにあるように感じました。そして、最近自分自身の中で悶々としていた『かわいそう』という言葉についての思いの整理が、一歩前進したようにも感じました。 文章ってこんなにも面白いんだ、と綿矢さんの作品を読んで文章というものが持つ可能性について、改めて興味がわきました。人の醜い部分をコミカルにサラッと描いてしまう綿矢さん。それでいて、よくよく考えるととても重いことを言っていることに驚愕してしまうこの作品。切れ味鋭く、そしてテンポよく展開するその先に待つ、ある意味で日本語で最強と思われる一言でストンと有無を言わさず物語を締めてしまうこの大胆な結末!思わず、これ、すごいなぁと感じた作品でした。

    55
    投稿日: 2020.06.26
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    表題作は、恋に盲目的になって歪な三角関係を文化の違いと理解しようとする主人公の健気さがほろ苦くもこれぞ恋だなという感じでした。 「亜美ちゃんは美人」の女の嫉妬と小池くんの冷静な分析眼が暗くて恐ろしいけど、リアルで面白かった!

    0
    投稿日: 2020.05.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんだ?この題名は?というのが、手に取った、いの一番の理由でした。「かわいそうだね?」って。どういう意味合いで、その言葉を、使うの?という。一発でもってかれる題名だなあ、上手いなあ、って。 「かわいそうだね?」と発するその言葉。その言葉は。 ①ガチで文面そのままの意味で、ホンマに哀れで、悲しくて、悲惨で「うう、、、かわいそう、、、涙」という意味で言っているのか? ②皮肉に満ちた、悪意に満ちた、嘲笑の意味を込めまくって「ふふ、、、はあ、、、アホらし、、、かわいそうだねえ、、、?っは!」という意味で言っているのか? ③あんま、なんも考えんと、ただのなんとなくのあいづち的に、その場繋ぎなだけで「、、、え?うん?ああ、うん、かわいそうだねえ?」という意味で言っているのか? なんとなく、なんとなく、自分の最初の直感では、②のパターンの意味合いで使ってるんでは、なかろうか、、、なんだか、ちょっと、怖そうだなあ、うう、こわごわ。でも読んでみたいなあ、お見事な題名だなあ。 って、思いながら、読み始めました。 ちなみに、綿矢りさの作品は「インストール」「蹴りたい背中」を、かーなり昔に読んだことがある、ってくらいでして、ほぼほぼ、久方ぶりの初体験、みたいな、変な表現ですが、そんな読書機会。ちょっと楽しみでしたね。 で、読了。感想。うむむう。うむうむ。うーむ。 お見事です!!! という、大変にこう、素晴らしく、ありがとうございます!楽しかったです!という、感謝の読書。みたいな。めっちゃ、おもしろかった。 収録の二編「かわいそうだね?」「亜美ちゃんは美人」どちらも、相当に、こら、凄いね、って感じで。どっちかだけではなく、どちらもバンバンおもろい、って、ちょっと凄いっす。いやホンマ、どっちも、お見事!でした。 「かわいそうだね?」 この題名の言葉が、結局どんな意味でつかわれてるの?って、結局、あんまピンとこなかったのですが、いやでも、上手い。上手いなあ、この題名。おもろうて、やがてかなしき、みたいな。もののあはれ、みたいな。人生の機微、みたいな。悲喜劇たあ、この感じかな、みたいな。 女主人公の彼氏の家に、元カノが就活のために転がり込んできて同居して、んで、そんなんありえるの?アホか。あかんやん、そんなん!?でもだって、あいつ(元カノ)、住むとこ無くてかわいそうなんで、、、みたいな展開からスタートする謎の三角関係なんですが、いやあ、おもろい。話の途中の、周りの登場人物の会話も含めて、展開絶妙です。テンポが良い。小気味よい、とはこの事か、みたいなね。 樹里恵(じゅりえ。女主人公)が、恋に疲れてる時に、暫く通ってなかった英会話教室に、フラッと行くやないですか。で、外国人講師の男性&女性と、3人で、基本英会話レッスンの延長よ~みたいな雰囲気で、恋バナ始めるところとか、めちゃ上手いですね。おもろいっす。この所の文章、ホンマにお見事。 ちなみに、樹里恵の姉の名前が芽亜里(めあり)。父と母は清(きよし)と良美(よしみ)。って小ネタも、抜群に良い。今でいう、キラキラネームの走りか?おもろい。このネタを出す場面も、上手い。 あと、樹里恵が、旅行先で隆大(りゅうだい。彼氏。この名前「たかひろ」とも読めますよね)のケータイのメールを盗み見る、という決定的な境界を越えて、そしてアキヨ(隆大の元カノ)のホンマの正体みたり!のところからの怒涛の展開も、そら凄い。 あの、ケータイのメール盗み見て、真実を知った後の、樹里恵の心の動揺?を、なんとか文章で表現しようとしたあたりの文面の流れ、めちゃくちゃ、町田康っぽい。綿矢さん、多分絶対、町田さんの本、好きなはず。これ、バンバン影響受けていると見ましたね。あの、アパパな文章、ぜったい町田節だよ、って思いながら、読んでました。 あと、最終章での樹里恵の関西弁炸裂。途轍もなく痛快。これ、外国語に訳すの、すっげえ難しいと思う。方言だし。抑えに抑えて、冷静に冷静に標準語で喋っていた文体が、最後の最後で(「キレる」ではなく、「つながって」スイッチが入った、という表現も、無茶苦茶上手いな、って思いました)炸裂の関西弁。お見事すぎる。 まあ、アレだ。隆大。あんたが良いヤツすぎて逆にヘタレだ、って事は、よーく分かった。「みんなを大事にしたい!」という思いが、こんな悲喜劇へと繋がるとは。という意味では、隆大が、ある意味、この物語のMVPか。 「亜美ちゃんは美人」 これまた、抜群に面白いです。途轍もない美形の同性と、一応の親友的立場になる、ということが、どういう事なのか?ということを、とてもしっかりと描写しておるのではなかろうか、と思いました。 前の職場で、飲み屋だったんですけど、すっげえ男前の大学生の子がね、バイトでいたんですよ。ちょっと、笑っちゃうくらいの男前で。高良健吾に、かなり似てる子で。で、まあ、バイト仲間からも、お客さんからも「おっとこまえだねえ!!」って、普通に言われまくる子で。 で、その子、あまりにも普段から、そういう事言われ過ぎてるみたいで、全然こう、嬉しそうにしないし、嫌な感じもださないんですよ。淡々と、受け入れる。あ、俺、もう、そういうの、言われ慣れてるんです、って感じで、本当に淡々と、受け止めてたんですよね。あ、ホンマの男前なルックスな奴は、褒められたら、基本、こう対応するんだな、おもろいな。って感じたことを、この話の、超絶美人の亜美の佇まいと行動を見てて(というか読んでて)思いましたね。 で、この話も、悲劇なのか喜劇なのかハッピーに終わるのか不幸でドーン!で終わるのか、全然展開読めねえっす、ってドキドキしながら読んでたら、まさかのハッピー終わり。ちょい感動。いやもう、お見事でした。 「亜美研究会」の小池くん、キャラ的に最高ですね。凄く好きです。お見事すぎる。飄々として、朴訥として、淡々として、泰然として、観察しまくってて、ちゃんとキャラ作ってるんだけど、実際には、憧れまくってて、ホンマええヤツ、ってキャラ、好きだなあ。 大学生なのに腕時計で「デイトナ」(ROLEXの、ですよね?)してるって、どんだけ先見の明あるのよ、って、ビビったけど。親に買ってもらったんではなくて、自分で、ひたすらひたすらバイトしまくって、ネットで毎晩、楽天市場とかで美品の中古の掘り出し物探そう探そうって努力して、エイヤッ!で、清水の舞台から飛び降りる気持ちで買ったんだろうなあ。まさか正規品を定価で買ったんじゃあ、あるまいだろうに。 あと、小池君は、オーバーホールはちゃんと金かけるタイプだと思います。賢いキャラだと思います。高級機械式時計のクロノグラフのオーバーホール代は、ちょっと笑っちゃうほど、クソ高いです。でもホンマに必要な人には正当に払うべき必要のある金額、なんでしょうけどね。 でもアレだ。亜美は、言うならば、ビーチ・ボーイズの曲でいうならば「キャロライン・ノー」的キャラやないですか。あまりにも美しかった思い出が、無残に崩れる悲劇、かと思わせて、最後がハッピーなのは、こりゃちょっと凄いぞ、と、思うんですよ。綿矢りさ、おそるべし。物語の可能性を見せてもらいました。マジで凄いと思うんです、このラスト。

    0
    投稿日: 2020.04.29
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    インストール、蹴りたい背中、のイメージしかなく文章が荒々しいイメージだったけど今回はその勢いもありつつまとまっている印象。亜美ちゃんは美人、のが好きかなー

    0
    投稿日: 2020.02.21
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    とにかく表紙の色遣いといい、雰囲気といい 好みだったのでジャケ買いした一冊 かわいそうだね? 亜美ちゃんは美人 の二編 いやーーー、 書き方が上手すぎてイライラした 携帯盗み見てメール読んでる時なんか自分のことのように腹立たしかった でも最後がスッキリした結末ではあったんだけどすこーーしもやついたかな 正直もっとスッキリしたかった ってのは理想か。 実際の終わりってあんなもんなのか、、 ということでリアルな男女の話かもしれない 亜美ちゃんは美人はすごく読みやすかった! かわいそうだね?とは逆に最後畳み掛けるようにしてスッキリした 亜美ちゃんが婚約者や自分を親友に選んだ理由を、さかきちゃんがはっきりとわかったシーン。 とても良かったです!

    0
    投稿日: 2020.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    地震は自分の状況や環境、恋人に喩えられていたのかなと読み終わってから考えた。また、アキヨは樹理恵にとってどんな存在を揶揄していたのか、樹理恵は最終的にどんな人なのか、2度目読み返すとなるほどと思う表現が散りばめられている。

    0
    投稿日: 2019.12.29
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    綿矢りささんの作品を初めて読んだが、とても読みやすく、笑いもあり、女性が入り込みやすい作品だと思った。『かわいそうだね?』は、主人公・樹里絵に共感を持ちつつ、同時に彼氏と元カノのクズさにイライラ。女の感はやっぱり当たるもんだな〜と関心。最後はモヤッとした感じだけど、樹里絵の豹変っぷりにスカッともした。 『亜美ちゃんは美人』は、何やかんや優しいさかきちゃんに少し感動した。好きになれないけど親友的な友達...何かわからんことないな。仲良くしているのに、心の中では不幸になれと思ってるかもしれない自分に気づいた時、ゾッとするな....

    0
    投稿日: 2019.12.15
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    「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」の2話、いずれもなかなか深みある作品だった。綿矢さんの本は随分以前に読んだ「蹴りたい背中」以来だと思うけど相変わらずシャープな作風でこんなオジサンにも色々と感じるところが多々ありました♪ タイトルは軽いけど中身は深くて濃い作品。気に入りは「かわいそうだね?」の終盤での主人公の見事なまでの小気味良い卓袱台返し!「亜美ちゃん....」では最後の最後に亜美ちゃんと真から友達になろう!と決めた箇所だね。

    6
    投稿日: 2019.11.28
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    表題作の「かわいそうだね?」について。 樹理絵は交際している彼氏がいる。その彼から突然、元カノを自分の家にしばらく泊めたいと打ち明けられる。元カノは仕事が無く、家賃が払えない状況。実家には「帰りたくない」と言う。そんな彼女を助けてやりたいという彼は善意の人だった。 樹理絵は最初ショックを受けるものの、彼の優しさと元カノの不遇を想い、自分を納得させる。 樹理絵は地震が苦手だった。ハイヒールやブランド品で身を固めたイイ女だった。仕事仲間からは頼られる「泣けない女」だった。彼氏から大事にされたくてタバコを辞めて、関西弁を封印した。 物語で散りばめられた、樹理絵の属性の全てが伏線となる。物語は終局に向かいその加速度を上げていき、それまでの全てを吹き飛ばす。 構成、キャラクター、文章力、日常描写、文量すべてが素晴らしい。文句なしに星5つ。2019年に読んだ小説の中で、ピカイチに良かった。 (ネタバレ・各論・引用などは長くなってしまうので省略。書評ブログに書きましたのでそちらからどうぞ) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E6%B3%A3%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E5%A5%B3vs%E3%83%8A%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%BA%E5%BD%BC%E6%B0%8F_%E3%81%8B%E3%82%8F%E3%81%84%E3%81%9D%E3%81%86%E3%81%A0%E3%81%AD_%E7%B6%BF

    14
    投稿日: 2019.11.23
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    かわいそうだね? 関係ない話が多くて早く本題に入って欲しくてちょっとイライラしてしまった。 亜美ちゃんは美人 なるほど…。 さかきちゃんは賢い人だなぁ。 でもさかきちゃんのことをちゃんと見てくれる人の存在があったからこそだと思う。

    2
    投稿日: 2019.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    カフェで一気に読了。皆がよく口にする"かわいそう"への綿矢りさの独特の視点が、その言葉を耳にするたびに心の隅でくすぶるドロっとした感情を言語化してくれる。時計じかけのオレンジを思い出すよう。かわいそうだね?、そのハテナが主人公の最期の怒涛の関西弁語りを意味するんだろうなぁ。

    0
    投稿日: 2019.09.07
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    綿矢りささんの小説の終わり方って決して救われたり報われたりしている訳ではなく、どこか"諦め"に似た感情で、それでも清々しい終わり方をしているという印象で、読後感がとても好き。 なんだろ、例えるなら笑顔で中指立ててるような感じ。笑 今作は、表題作と亜美ちゃんは美人という二篇から成っていて、こちらも読み進めて終盤に「かわいそうだね?」と言いたくなる内容で、やっぱり幸せかと言われれば違うと思うけどスッとする終わり方。どちらも良しです。

    1
    投稿日: 2019.08.24
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    2つの話が入っていたけれど、どちらも生々しいリアルな人間の感情の話。 全然違うストーリーだけど、いずれも自分の本心が自分でもよくわからない、こうかなと思いつつ、確信が持てなくて良い方向に考えようとしたりする。 微妙な人間の感情や複雑な思い、嫉妬などをこんなにリアルに描いている作品には出会ったことがない。 話の展開が気になって一気に一晩で読んでしまった。 1つ目の話には特に感情移入しすぎて腹が立って自分ごとのように荒れ狂ってしまいそうだった。

    1
    投稿日: 2019.07.28
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    勢いがあって読んでいて楽しいけれど心には残らない。できるだけ最近の本作を選んでみたけれど、芥川賞をとったときの初々しく若々しい印象が15年経っても拭えない。 軽快に悩み果てる女の子の描写とても好きなんだけど…もうちょっと、あと一段階でいいから深さがあったらとおもってしまう。

    1
    投稿日: 2019.06.11
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    かわいそうだね?と、亜美ちゃんは美人の二部構成。 かわいそうだね?は、かなりいまいち。 亜美ちゃんは美人は、楽しくはあったけれど、 読んだあとは、なにしてんだろ、早く寝なきゃ... みたいな気分になった。

    0
    投稿日: 2018.12.15
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    「かわいそうだね?」は、最後の展開が痛快ですごくスッキリした。また、「可哀想」という言葉の意味考えさせられた。可哀想って客観的でしかなくて、可哀想な人なんていないんだよね。 「亜美ちゃんは美人」めちゃくちゃおもしろかった。女性特有の感情や行動を鋭く書いてて、さかきちゃんに共感したなんて言いたくないけれど、共感した。

    0
    投稿日: 2018.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『夢を与える』の直後に読んだため、「かわいそうだね?」の樹里恵は幹子の、亜美ちゃんはゆーちゃんのポジ版に思えた。どちらも救いのある読後感。主人公たちはなんせ自己分析が冷静で、達観したユーモアがあり、自分をだましたくてもだませない人たち。 表題作はとちゅうでイライラして読むのをやめそうになったけれど、最後のカタルシスがすごい、声を出して笑ってしまった。いやあなたはきっとこの先大丈夫!!なんかまたダメ男を捕まえそうな気がしなくもないけど、それでもきっと大丈夫! 自分に方言が搭載されていないことを非常に口惜しく思う。 「亜美ちゃんは美人」は、「超絶美人の友だちがいる、って設定の短編、なぜか最近立て続けに読んでいるような」と若干白々と読み進め、でも主人公のさかきちゃんもまた美人でありとても良い子なので、ありがちなテーマながら他作品とは全く違う、すがすがしい印象を持った。まさに小池くんのいうとおりで、さかきちゃんこそが非常に稀少な存在なんですね。さかきちゃんがいれば、亜美ちゃんもきっと大丈夫。たださかきちゃんの彼、毅くんのさかきちゃん以外の相手って…まさか亜美ちゃんではないよね? 

    0
    投稿日: 2018.09.10
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    このほんで綿矢りさがすきになったの覚えてる1ページ目を見て実家の近所のモスバーガーで読んだのもおぼえてる

    0
    投稿日: 2018.07.12
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    久しぶりの綿矢さん。相変わらず文章が的確。赤線を引きまくりたい衝動に耐えながらの読書。 中編二本。 『かわいそうだね?』 樹里恵は幼い頃の震災の影響で地震がとても恐ろしい。だからいつでも、どんな状況でも地震が起きたら、のシュミレーションを繰り返す。繰り返すけれど、いつもそれは生き残りに失敗したところで終わっていた。頼れるはずの彼の姿はその想像の中で現れない。何故なら彼は恋人の樹里恵がいるのにもかかわらず元恋人のアキヨさんを一緒に住まわせている。アメリカから恋人の隆大について日本へやってきた彼女は、しかし日本で隆大は彼女をあっさりと捨てる。別れる。彼女のことを“恋人”と見れなくなったから。そして樹里恵と付き合っている今、彼女が一番大切だけれど、自分について国を出てしまったアキヨさんが職にあぶれアパートを追い出されたことに同情し、突き放せないという。隆大と別れたくなくて、一時の避難と考えて、樹里恵はそれをオーケーしたのだがアキヨさんはまったく出ていく気配が見えない。後輩に相談したらさっさと別れるべきと言われ、英語の教師陣には彼氏は正しいと返され、アキヨに同情したり嫉妬したり共感したり。そして隆大との旅行で目にしたものに樹里恵は覚悟を決める。 彼女からマシンガンのようにあふれるラアトの大阪弁がなんとも力強い。そして最後の一行に、綿谷さんの人生への愛情が滲んで見えた気がした。 『亜美ちゃんは美人』 特出して美しい姿をしている亜美ちゃんが大好きなのは、そんな彼女の隣だと劣化版の烙印を押されてしまうさかきちゃんだ。さかきちゃんは亜美ちゃんが嫌いだ。それでも学生時代は彼女がそばにいるおかげでカースト上位の位置だった。それでも募る嫉妬心で大学は別のところを受けるさかきちゃん。そんな彼女にサークルだけでも一緒にという亜美ちゃん。そして見事に大学での立ち位置を亜美ちゃんの“マネージャー”にされたさかきちゃんは、部員の少ない、全く有名ではい山岳部に入る。くっついてはいった亜美ちゃんはそこでもお姫様だったが、さかきちゃんはマネージャーではなかった。夏の合宿では恋人もでき、卒業後は仕事に恋にさかきちゃんは忙しく、亜美ちゃんに会うこともへっていく。そんなある日亜美ちゃんから恋人を紹介したいと連絡がある。亜美ちゃんは彼に出会ってはじめて人を好きになったといった。そんな彼氏は怪しい会社に勤め、見かけも不健康なラッパーのようで、そしていつも無意味に人を馬鹿にしていた。印象最悪のその彼と、亜美ちゃんは結婚するという。周りは大反対するが、さかきちゃんはそれができない。それは彼女に復讐できる機会だからだろうと言われたりもするが、さかきちゃんは考える。果たして、けしてうまくいかないのが目に見えているその結婚は不幸なのか。亜美ちゃんに復讐がしたいのか。それはこんな形の復讐なのか。そして亜美ちゃんの結婚式のスピーチに、その答えの一片が、もしくはすべてが言葉になって彼女へと伝えられる。 泣くかと思った。さかきちゃんも樹里恵も自分に似ている、なんて思わない。けれど、分かる。置かれた状況、求められる役割。それに疲弊する、傷付く、それを笑われ消耗する。そして彼女たちが結、結局、と手の中に残したものはあまりにあっさりと手の中から落としかねないものだった。それを、“危ない、危ない”と握りなおす。私にはそんなお話だった。

    3
    投稿日: 2018.07.06
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    読み終えました。面白かった。いくえみ綾さんとかもそうだと思うんですけど、こういうエッセイに近いような、ありそうでなさそうな、感情に入り込みやすい恋愛モノが大好きなので、小説をあまり読まない私でも続きが気になってスラスラ読めました。目の付け所が細かい点で、自分に似ているところがあって、自分にはわかりやすかったです。タイプのお話でした。

    0
    投稿日: 2018.05.13
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    『かわいそうだね?』 『亜美ちゃんはかわいい』の2作品が収録。 書評に書いてあったのだが、"かわいい"とは元々は"可愛そう"から派生した言葉だということを思い出して、この2作品が束ねられたのにはそんな繋がりがあったのだなと気付かされた。 煽ったようなタイトルだったため、どんなきびしいストーリーが待ち受けているのだろうとびくびくしながら読み進めていたが、結果的にどちらも後味良く読み切ることができた。 それは作者の筆の力であったり、登場人物達から垣間伺える本心であったり... 私は買ってよかったです。

    0
    投稿日: 2018.02.23
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    読みやすかったです。2作ありましたがどちらも主人公の個性があり、人はこうやってストレスを貯めるもんなんだー!というのがよくわかります。 主人公と似た性格の人ならなおさら共感できて楽しめると思います!

    0
    投稿日: 2018.01.12
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    かわいそう。 自分を脅かさない存在に向けた言葉。 そんな言葉のない場所で戦いが待っていたとして。 元カノと住み始める彼氏。 どこ吹く風な元カノ。 それから私。 誰かの為に我慢するのか。 誰の為に生きてみるのか。 何の為に。 考える。 見わたすかぎりおまえの人生だよ。

    0
    投稿日: 2017.10.07
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    この小説と「勝手にふるえてろ」の二冊を購入。 久々に読む綿矢りさ。 高校生の時に初めて読んだ「蹴りたい背中」以来だ。 あの頃は普通の本サイズで読んだっけな。 今は文庫本サイズも登場していて、時の流れをいやという程に感じる。 それはさておき、こちらの小説から読みました。 勝手に~よりこっちの話の方が好きだな、「亜美ちゃんは美人」も。 勝手に~は前から知ってた小説ではあるけれど、自分に似ている部分を感じて冷静になれず(同族嫌悪というやつでしょうか)あまり好きになれなかったんでしょうか。 最近は同じ出版社の「しょうがの味は熱い」を買いました。 ほんとは「夢を与える」を読みたかったんだけど、本屋になかったので。

    0
    投稿日: 2017.07.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良かった。主人公のラストの爆発が痛快だけど、せつない。併録の話も共感できる話で、美人の友達への複雑な心境と、美人ゆえの孤独を理解する主人公がとてもよかった!

    0
    投稿日: 2017.07.12
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    表題作の「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」の2本収録。 個人的には後者のほうが印象に残ったというか、女性作家だから描けた世界観だ、と感じた。 表題作は、主人公・樹理恵の恋人・隆大が、求職中の元恋人・アキヨをアパートに居候させると言い出すところから始まる。 樹理恵は仕方なくそれを受け入れたものの、隆大を信じたい気持ちと疑ってしまう気持ちの狭間で揺れ動く。 樹理恵はごく普通の感覚を持っている、ときっと大抵の女性が感じるはず。彼氏が元カノと同居なんで有り得ないし、本当にやましいことがないとしても疑ってしまうのは当然のこと。 実際、隆大はボランティア精神溢れるただのお人好しなのだろうけど、あなどれないのは元カノのアキヨで、「本当に何もないですよ」と樹理恵に対しても友好的な態度を取りつつ、裏で何をしでかすか分からないタイプの怖い女。 「でも男はこういう女に騙されちゃうんだよねぇ、ほんと不思議」と、女性たちの間でしばしば話題に上るような。弱々しく見えて、ちょっとだらしない、そういう女のアキヨ。 女性からすると、しっかり者で常識的な樹理恵のほうがよほど素敵に見えるけれど、男の視点というのはよく分からない。(男の人の好みも人それぞれとは思うけど) もうこれは、「かわいそうだね」と言うしかない。そうしか生きられない女に対して。 それは樹理恵からアキヨへ、もそうだけど、その逆も然りなのかも。みんな自分の生き方が正しいと思っているから。 「亜美ちゃんは美人」は、幼いころからちやほやされ続けて生きてきた亜美ちゃんの親友・サカキちゃん視点の物語。 サカキちゃんもそこそこ綺麗なほうなのに、いつも隣に亜美ちゃんがいることでそれがかすんでしまい、いつも亜美ちゃんの引き立て役になってしまう。 天然美人の亜美ちゃんはそのことでサカキちゃんが傷ついていることに気付かず、彼女らを観察していたとある登場人物だけが2人の複雑な関係性に気付く。 ちやほやされ続けた美人と、引き立て役を引き受け続けてきたそこそこの美人。 最後に幸せになるのはどちらなのか、そして彼女らにとっての幸せとは一体どういうものなのか。 「美人は自然と愛されてしまうから、自分から愛することに飢えている」という、思わず納得してしまう、綿矢りさの観察眼があっぱれだった。

    2
    投稿日: 2017.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんだかレビューが書きづらいな…。 一気に読めたし、面白かったのは確かなんだけど。 表題作「かわいそうだね?」は、若干イライラしつつ読んだ。 主人公の恋人も、その元カノも、ほんと意味わかんない。つまるところ、ていのいい軽い二股状態だったんじゃないのってわたしは思った。 その思いもあったから、終盤のガチギレっぷりにはかなりスッとしたけどね笑 女って…しゃーない生き物だわ。

    0
    投稿日: 2017.06.04
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    「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」の2作品。 レビューが書きづらい、のはなんでだろう。 とても面白くて、一気に読めた、くらいしか言えなくて でもね、でもね、結構これ、 どっちも深いよ。 ホントに。と自分の語彙力のなさな情けない。 しかし、どっちもダメダメな男が登場。 「かわいそうだね?」の 主人公のラストの関西弁のまくし立てが最高。 もう、めっちゃ腹立つからキレたってん!!で感じで面白い。 使ったことなくてもDNAにインプットされてる感じもよくわかる。 ちょっと吉本新喜劇のやすえ姉さんみたいだった。 最後に煙草嫌いの彼の部屋で元カノの煙草を勝手に吸うところが面白かった。 そして、亜美ちゃん。美人でお金持ちのお家でずーっとモテモテだったのに 彼女が選んだ男はクズ。 ちゃんと残念な感じになっていくのかなぁ。 主人公にはどんなになっても 亜美ちゃんを見つめて続けてほしい。 「嫌い」が根拠であっても。

    6
    投稿日: 2017.05.20
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    女の面倒なところ、汚いところを抉るプロだと勝手に思っている綿矢りさの、個人的に一番好きな作品。 読んでいてイライラするのは、きっと私にも思い当たる節があるからだ。イライラするのに読むのはやめられない。我慢して読んでいると最後は爽快。

    2
    投稿日: 2017.03.19
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    若い女性ならではの小説。私自身はもっと単純に生きてきたけれど、読んでいて主人公の感覚や心理に共感できる。 ほんと、人間ってみんな色々考え、思い、感じながら生きてるんだよね。

    0
    投稿日: 2017.02.21
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    ほんと イラっとするストーリー でも 面白かったけど。 この人の本 初めて読んだ。 想像してたのと全く違った。 カレシのへんな男気も こんなカレシにビシッと言えない主人公も なにより厚かましい元カノに。いるよねぇ こういうオンナの厚かましさ満載のおんなのひと。苦手だなぁ。でもさ 結局こういうオンナが勝つのよー。 許せないなら別れると言われた時点でフラれていたのだってくだりは 全くその通り。

    5
    投稿日: 2017.01.17
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    「かわいそうだね?」、「亜美ちゃんは美人」共に綿矢りさ感溢れる話だった。「かわいそうだね?」は最後の最後に大どんでん返しがある。「亜美ちゃんは美人」は人の愛し方って色々あるんだなぁと感心した。綿矢りさの小説はやっぱり面白い。

    0
    投稿日: 2016.12.29
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    描写が独特で想像が楽しい。 「かわいそうだね?」は もームカムカムカムカするけど あの爆発的なラストの方は スカっとするし 読んでて感情がたくさん動いて楽しかった。 「亜美ちゃんは美人」 もおもしろかった。 すこぶる美人の愛し方は 切なかったです。

    0
    投稿日: 2016.12.26
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    併録の「亜美ちゃんは美人」も面白かった。 「友人を理解する」と言うことがどういうことか。 自分を理解してくれている友人がいると言うことの僥倖をあらためて感じた。

    0
    投稿日: 2016.11.22
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    正直、よくわからない。多くの人の感想でラストシーンが気持ちよかったと言われているが、私にはそのラストシーンがさっぱり理解できないし、むしろ胸くそ悪くなった。登場人物全員気持ちが悪い。ラストシーンキレるならキレるで思考破綻すればいいのに声に出す関西弁と思考の標準語にギャップがありすぎる。キレてる時にキレてる自分と冷静な自分がいるのは実際わかるけど、なんていうかそこの分離がかけ離れすぎてて二重人格並。しかもラスト数ページ前から突然文章読みづらくなる。全体的に言いたいのはこれ、何を言いたくて書いたの?ってこと。唯一アパレルでバイトしてるので仕事の描写があるあるすぎてすごいなって思った。

    0
    投稿日: 2016.11.15
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    大きく二つ「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」というお話に分かれています。 「かわいそうだね?」の主人公はあざとい元カノと、それに騙されている彼氏と対峙するバリバリ働く女性のお話。女って恋愛が絡むとどうしようもないなと思いつつも、共感してしまうところもあるような…。どんな理由があるにせよ、二股する男がクズのはずなのに、うま〜く誤魔化されている! 「亜美ちゃんは美人」は、誰もが振り向くような美人の亜美ちゃんの親友が主人公。亜美ちゃんは主人公のことが大好きで、そんな亜美ちゃんのおかげで、時にはせいで、いろんな思いをしてきた。そんな亜美ちゃんが自分から初めて好きになったのは、とっても胡散臭い男。亜美ちゃんの将来を思ったら、別れるように言わなきゃ。でも亜美ちゃん「自身」の気持ちも尊重したい。揺れ動く中には、今まで苦労一つしてこなかった亜美ちゃんを突き落としたい思いもあったのでは…。 あざとくて、計算高くて、大胆で、愚直で…みんなかわいそうだね?

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    投稿日: 2016.11.07
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    「許せないなら別れる」と言われた時点でふられていたのだ・・・ 全くもってその通り! 主人公が最後関西弁でまくし立てるところはスカッとします。

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    投稿日: 2016.10.15
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    似たような事例が身近にあり、やはり元カノが競り勝った。しかしこんな男を捕まえるのが勝ちと言えるのかどうか…。でもこれこそが女子力なんだろうな。この作品では主人公の最後の啖呵が痛快。亜美ちゃん~の方はこれまたありそうで、友人だったら必死で止めるだろうけど、本人はいたって幸せだったりして微妙という結末がよい。自分のことを好きじゃないから好きになる、と結論づけてますが、自分とかけ離れた(結果、自分に興味のない)、自分にないものを持っている人に惹かれる気持ちならわかるなあ。

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    投稿日: 2016.10.11
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    「かわいそうだね」 困ってる人はいても、かわいそうな人なんていない。破綻した後の突っ走る主人公がいい。しゃーない! 「亜美ちゃんは美人」 そういうことだったのか。面白い。 さかきちゃんは坂木蘭さん。 装丁:名久井直子さん

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    投稿日: 2016.10.09
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    「かわいそうだね?」「亜美ちゃんは美人」の二編を収録の本書。 どちらの短編も2人の女性が登場し、女主人公が破綻を含んだ女の出現により、まあ、ぐるぐると振り回されとります。 それぞれの人物描写が繊細かつ細やかであり、「かわいそうだね?」では主人公の百貨店アパレルスタッフである性格がよくでており、ファッション用語が文章に散りばめられてました。 中々その方面に疎いので、ちょくちょく検索しつつ読み進めます。 ミュールってどんなだろ?パンプス?などなど。 しかし、描写が的確であり文章から人物を浮き立たせるのには充分。写真を見ながらならば凄く想像しやすい。 ワニ革のえんじ色パンプスの「わりとメスっぽい感じ?」の表現がお気に入り。 そして、この物語の中一番の強烈キャラ、アキヨにも触れとかなくちゃなりません。 主人公の彼氏隆大のアメリカ生活時代の元カノであり、日本に戻ったさいに隆大にフラれてます。 アキヨを表現揶揄するなら、ぬるい毒(これは同名の小説があったような)甘い毒のような人物でしょうか、自分が弱い事を知り抜いており、その甘えに、じわりじわりと絡みつくような粘りっこさを感じます… 求職を理由に主人公の樹理恵の彼氏である、隆大の家に転がり込み、 これを隆大は樹理恵に、受け入れてくれないなら別れてくれという時点で物語の決着はついているような気もするが… なんとか別れたくない樹理恵は自分に折り合いをつけ承諾する。隆大くんも相当な優柔不断ですね。 しかし内容自体に昼ドラのようなイヤなドロドロさはありません。 文章の表現のコミカルさにより軽快に読み進めることができます。 最後は主人公のやっっっとの目覚めにより痛快痛切に物語を閉めちゃいます。主人公の暴れっぷりといったら! 最後の隆大宅の惨状は中々ニヤニヤできました。 ビフォーアフターどちらとも。 「亜美ちゃんは美人」では主人公さかきちゃんと天真爛漫で歩けば誰もが振り向くまさに美人、亜美ちゃんの話。 高校での出会いから皆の中心亜美ちゃんを親友のさかきちゃん目線で描かれた奇妙な友情物語でした。 始めの情景セピア色のイメージ。過ぎ去る学生生活のようにトントン拍子で物語は進んでいきます。高校での出会いから亜美ちゃんに何故か慕ってもらえているさかきちゃん、しかしどうしても、どこでも亜美ちゃんのオマケのように扱われてしまう事で、さかきちゃんを不満や嫉妬がいつの間にか蝕んでいく。 しかし、いつしか山岳同好会で出会った先輩と付き合い、仕事も順風満帆になり人並みの幸せを手に入れた頃。 反対に亜美ちゃんに紹介された彼氏は5次元と光の次元に移行する、怪しげなカタギに見えないバンドマン?崇志さん(20歳) 一目?というか一行でダメ感満載の男。 私も読んでてこいつはヤベえと憫笑を含む。 これまで亜美ちゃんが付き合っていた男性とは180度違うヤバげな男の登場に亜美ちゃんの輝かしき人生に影がさすのではないかと、周りは心配しますが。 さかきちゃんだけは気づいてしまいます。自分と崇志さんの類似点と孤高の美人ゆえの悲しいサガに… 最後の結婚式に1人友人代表として出席した坂木蘭はこれから、どう亜美ちゃんを支えていくのだろうか…一緒に沈んでしまいそうで先が気になりました。

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    投稿日: 2016.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『かわいそうだね?』と『亜美ちゃんは美人』の2つの作品が収録されています。 「かわいそうだね?」は百貨店に勤める主人公とその恋人と恋人の元カノの中で進んでいく物語。わりとありがちな展開と思いましたが、主人公の苦悩や葛藤の描写が緻密に描かれていて、「こういう体験はしたことないけれど、気持ちはわかるなぁ~」と素直に思いました。個人的に主人公はかっこいいと思います。最後もスカっといい気分で読み終えました。 「亜美ちゃんは美人」、こちらはとても面白かった!です。私は表題作よりも好きです。美人で誰からも好かれる亜美ちゃん。一見華々しい人生かと思いきや、彼女には彼女なりの苦悩があるようです。友達のさかきちゃんの視点から書かれていることもあり、美人な亜美ちゃんの謎を一緒に解く、そんな楽しさがありました。

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    投稿日: 2016.06.29
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    非常に面白かった! 何作か読んだことがあった綿矢作品の中で、これが一番! ・「かわいそうだね?」 女性が男性を好きになるときの"あるある"、嫉妬の"あるある"、はたまた嫉妬している自分を戒めようとする意識まで、「分かる…!」と強く共感してしまった。 そして何より、主人公・樹理恵が思いを放つシーンが面白すぎる‼︎ 悲しいのだけど、読んでいてたまらなくスカッとするから"しゃーない"。 読んでいてスカッとするということは、読者の私自身、物分りの良いのか女性でいようと嫉妬する心を押さえ込んでいた状況にもやもやしていたんだろうな。 ・「亜美ちゃんは美人」 こちらも共感なしでは読めない、女子のカーストが描かれている。なぜ亜美ちゃんがあんな男性を好きになったのか、そしてそれがサカキちゃんとの関係にもストン、と落ちるところが良い。

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    投稿日: 2016.05.10
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    恋人又は親友の関係で、耐える女を演じる女性の複雑な感情を描く表題作と「亜美ちゃんは美人」の中篇二作。 化粧やファッションだけでなく、女性を飾り立てるのは、自分の立ち位置だ。ポジションが決まれば、後はそれを演じるだけ。でも、そのストレスは男の想像を越えるものだろう。

    0
    投稿日: 2016.04.03
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    2016年3月14日読了。 なんともいえない読後感。もやっとしてる。「かわいそうだね?」「亜美ちゃんは美人」どちらも恋愛話というより女同士の愛憎を描いたもの。元カノと現カノのごたごたは私も似た経験があるので、いやな気持ちを思い出させてくれた。不思議なもので、全くしらない赤の他人だとライバルの女の登場はむかつくだけなのに、その女と仲良くしてしまったりすると、なぜか彼氏がどうでもよくなり彼女に執着し依存し、なぜかお互い励まし合ったりした後で息苦しくなってしまう、あの感じ。 そして美人の親友、勝ち組と思える親友との目に見えない上下関係に苛立ち、しかしながら愛しくも感じるという相反する感情は私も大学生時代に味わい、ずっと昔に封印した気持ちが掘り起こされてしまい、小説の感想のはずが自分語りになっててすみません。それだけ素晴らしい小説ということです。でも、もやっと感は消化不良。「ひらいて」はスカッとできたのですが。2編とも、ほんとにそれでいいの?と主人公に問いたくなってしまった。

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    投稿日: 2016.03.14
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    16/02/22 P39 “そうよ、女同士なら分かるでしょう。修羅場なの、察してよ。” 女なら共感して唸って笑える。ほんとおもしろくて可笑しかった。 ・「先輩もけなげですね。彼氏が煙草嫌いって知ったその日から、煙草断ちするなんて。努力はまあ、報われてないですけど」(P77) ・やっぱり彼女は隆大の思っているタイプの女ではなくて、同性の私から見たら随分あつかましい。そしてやり手だ。あの女は邪悪なあっぱらぴい、憎むべき天然ボケ。私だって負けてはいられない。(P136)

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    投稿日: 2016.02.24
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    表紙の鮮やかな色合いに惹かれて。彼が元カノと同居する「かわいそうたね?」と、美人な友人の横で複雑な感情を抱く「亜美ちゃんは美人」の2作。「かわいそう〜」は最後の修羅場、「亜美ちゃん〜」は朝5時のシーンが好きでした。人間って複雑、だから面白い。私だったらどうするかな。

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    投稿日: 2016.01.25
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    「かわいそう」という一言は助ける意味合いもあれば、大義名分で何をやってもいいという見方も出来る。「だって、かわいそうじゃん」そう言えば、誰だって否定はできない。 地震の描写から始まり、最後一変し地震のように砲撃していく主人公は爽快だった。 「かわいそうだから」なんて言葉こ大半は自分を守るために使う詭弁だ。 綿矢りささんは描写がきれいだ。人がありありと思い浮かべる。

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    投稿日: 2016.01.16
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    綿矢りさ初読了。綿矢ワールドすごい!妄想&暴走的独白とかちょっとはまりそう(笑)文章の勢いがぐいぐいだー! この人の観察眼はすごい。他の人が切り取らない部分を持ってきて怒涛の文章。他の作品も読んでみたいな〜 でも男子には勧められない(^^;;

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    投稿日: 2015.12.17
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    綿矢りさの非凡さが存分に発揮されている。 「かわいそうだね?」は非常に気持ちの良い小説。「亜美ちゃんは美人」も、余計な善悪を宙吊りにしたラストに満足。 どちらをも支えているのが綿矢りさの文体。気取ったところはないのにどこか面白おかしく、それでいて的を射ている。かつ、イマっぽい。よい読書体験。

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    投稿日: 2015.12.03
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    表題作の「かわいそうだね?」は主人公の設定が最後こんなふうに炸裂するのかぁ!となると思います。 じりじり我慢続きの果てに迎えるクライマックスは切ないけど痛快で、なにより最高に美しいです。 「亜美ちゃんは美人」も含めて、綿矢先生らしい鋭すぎて毒なくらいの観察眼と一周回ったような女の悟りが炸裂している、気持ちのいい小説だったと思います。

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    投稿日: 2015.12.02
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    これ、面白かったです。みんなが口を揃えるんだろうけど、やっぱ最後の関西弁捲し立てが圧巻で、そこに至るまでの主人公の猫かぶりが存分に活きている感じ。もう一編の方も、なるほど美人ってこういうもんだなぁ、ってつい思わされるくらい、現実味もあって惹き込まれる。最近の世相に対する鋭い洞察を、素晴らしい文章で堪能させてくれるという点で、本作者は抜群ですね、やっぱり。

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    投稿日: 2015.11.17
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    あんまり男女の違いを強調したくないけど、それでもこれは女性の観点から生まれてる作品ですなぁ、特に表題作で無い方は。 ちょっと言葉はあれですが、女性のつるみ方って男性(少なくとも当方)にはちょっと理解できない、それをこの作家は上手く扱ってると思うなぁ。言われてみればそうそうと膝を打つけど、多分男性には無理な描写じゃないかな。 それはさておき関西弁、もっと言えば地域で生きる言葉ってやっぱり文章に落とすことは難しいのかな?地元の作家でこれなんだから。本作は日本語の書き言葉と話し言葉のギャップも考えさせられますな。

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    投稿日: 2015.10.24
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    表題作と「亜美ちゃんは美人」の2編を収録した文庫版です。 女流作家のえがく「女性の世界」の小説なので、 オトコからすればある意味、「秘密のベールの内」をのぞくような 読書体験になるのですが、 しかし、そういう「女性世界のおもしろさ、新奇さ」で売る作品ではなく、 その内容・中身に価値があるので、人間学を深めているような、 それも女性学を深めているような感覚を持ちながら楽しめました。 綿矢さんは、初期の『インストール』や、 以前読んだ『勝手にふるえてろ』にくらべると、 完全に目が据わっている印象をうける小説家になられたようだ。 もうこれでいくしかないのだ、と腹をくくったように読めました。 そして、才能もあるんだけど、 才能で書くというのを乗り越えたような書き方にも見える。 表題作のほうは、いわゆる三角関係ですが、 そういうところよりもぼくはわりと構造のほうに目が行ってしまって、 挟まれる主人公・樹里恵の仕事のシーンのシークエンスが、 どうしてあそこまで軽く流さずに描写するのかが気になったのです。 最後まで読み終えると、やっぱりあのシークエンスがあったから クライマックスが映えたかなと思えるのです。 山と谷の部分でいえば、谷であり、ジャンプ台なんですよね、 そこで谷の部分でありながらも濃密さを高くしてる。 そういう筆力と計算が功を奏しているように読み受けました。 「亜美ちゃんは美人」のほうも面白かったです。 こちらも出し惜しみせずに、100ページくらいのなかに、 長編のために引き延ばせそうなパーツをちりばめているように読めた。 高校のシーンもそうだし、大学のシーンもそうだし、 もったいないくらい、おいしい部分をドンと使っています。 女子カーストしかり、美人の亜美ちゃんに怯えをみせたからこそ信用できた 山岳部の連中と彼らとの関わりしかり。 そして、そういうおいしいパーツを使いながら、 後半のバーでのやりとりや亜美ちゃんが部屋にくるところなどで、 著者は自らの腕っぷしをみせてくれるんです。 そういうところは力が入っていて深みと強さがあります。 おもしろい哲学が見えるんですよね。 そしてラストは堂々と盛り上がっています。 やるなぁって思う。 ぼくも短いのを三作品書いてみたことがありますが、 やっぱり作品の後半の部分はこの小説に限らず、 どんなものでもたいていは参考になりますし、 すごいな、そこなんだよな、って勉強になる。 アタマではちょっとわかってきている。 それはそれとして。 ぼくはさいきん、乃木坂46の生田絵梨花さんを、 びっくりするくらいほんとうにすきになったのですが、 「亜美ちゃんは美人」に照らして考えると、 美人のいくちゃん(生田さん)にたいして、苦い思いをしてしまう、という。 むやみに他人のこころを探るのはよくないんですが、 どうなんだろうと腕組みをしてしまいます。 それと、こんな名言的な一文もありました。 一部改変してありますが、こんなのです ________ 自分自身が満たされれば、友人への嫉妬もなくなるのだ。 ________ そうなんだよね、嫉妬があるとき、なくなるときって。

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    投稿日: 2015.10.05
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    誰もが目を向ける若さと美しさで、誰からも愛される女性。ちょっと遠くから眺めてる安心感と、周囲に陣取る「親衛隊」みたいな女友達をかき分けて近づくときの緊張感、なんだか、こどものころを思い出しました。 途中から予想できない展開に、読んでる方が緊張しました。

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    投稿日: 2015.10.02
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    隆大もアキヨも大っ嫌いなタイプ。樹里恵はデパートのアパレル店員で、着飾っていて、友達にはいないタイプたけど、なぜか好感を持てた。もっと隆大をなじっても良かったんじゃないかと思う。だって樹里恵は悪くない。関西弁で怒鳴り散らすのは、痛快だった。 亜美ちゃんは美人、のほうが好きかもしれない。 さかきちゃんの気持ちはよくわかる。人の気持ちがわからないのは罪だ。 ただ、毅の含みのある言動が気になる。もし、さかきちゃんと付き合う前に亜美ちゃんと何かしらの関係があったなら、それは確実にさかきちゃんを傷つける。 小池くんは、的確にさかきちゃんの心情を言い当てて、動揺させるけど、ある種の悟りを与えてくれる、貴重な存在だと思う。

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    投稿日: 2015.08.29
  • 予想していたとおりの「綿矢りさ」だった

    綿矢りさについては、芥川賞を受賞した時から、ずっと気になっていて、いつか作品を読みたいと思っていたんだけど、この作品が初めて読む作品となった。 読んだ正直な感想は、綿矢りさの作品ってこんな感じなんじゃないのかなぁと、予想していたとおりだったこと。 心理描写とか素晴らしいと思ったし、もちろん面白かったんだけど、2作品ともラストは、僕としては、あっけない感じがした。 多分、女性の方がより感情移入できるんだろうとは思う。 星も5段階評価なので4を付けたけど、正直3.5ぐらいな感じ。 といっても、3を付けるのは読後感から違和感があって、より近い4にした。(是非、10段階評価にしてほしい) 多分、この2作は軽快で「笑い」の要素が多いものをパッケージしたものなんだろうけど、もっと別の作品も読んだ方がいいのかなぁ。

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    投稿日: 2015.08.20
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    隆大にもアキヨさんにも本当にイライラして、樹理恵が最後爆発したのにはすっきりした。同収録の、亜美ちゃんは美人も、とてもおもしろかった。

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    投稿日: 2015.08.08
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    綿矢りさ『かわいそうだね?』読了。表題作「かわいそうだね?」はオシャレ女子が好きそうな話。私には縁遠い話だが、描き方はさらっとしてて良い。同録の「亜美ちゃんは美人」は、スクールカーストもの。スクールカーストの混沌とした感じが上手く描かれていた。 興味深かった。中学の時、19歳で芥川賞を取った綿矢りささんを見て、全てに於いて(美貌,才能,頭脳)完全敗北の同年代の綿矢さんに対して嫉妬して、「蹴りたい背中」以外読んでなかったのだよね(笑) でも色々読もうと思って面白そうだった本を購入。面白かった。食わず嫌いは良くないな(笑)まぁでも、「かわいそうだね?」も「亜美ちゃんは美人」もスクールカースト上位の人が書いた感じがするので、どことなく落ち着かない感じがするのだが(笑)綿矢りささん自身絶対カースト上位だったでしょ!どことなくお洒落で、カフェで読む感じ? 文章を自然に紡いでいる感じは流石な感じだな…。

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    投稿日: 2015.08.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作より、「亜美ちゃんは美人」の方が面白かった。やっぱり綿矢氏らしく、表現は秀逸だし読みやすいし、女性の同性に対する複雑な心境や、美人の心境も少しかいま見えた。表題作は解説、ちょっと褒め過ぎじゃない? と思ってしまった。ラスト、痛快と書いてあったけど、どうも描写が地味? だからかそこまでスカッとする感がなかったのが残念。あれだけ長いのをダラダラ読まされて、え、これがラスト? みたいな。関西人が切れた時、新喜劇のチンピラの口調になるわけないやん、私は関西弁を封印したことはないけど、きっとそのままの地が出ると思うんやけど? 冒頭とラストの地震の描写も必要だったのだろうか? 主人公にもタカヒロにも相手の女にも、誰にも共感できずにもどかしいままに何も解決せずに終わってしまって、私の中では救いようがなかった。

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    投稿日: 2015.06.24
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    何ともいえない陰鬱感を味わうだろうなって分かってるのに綿矢りさの本は毎回読んでしまう。 人に見せたくない醜い部分をぶちまけるような文章に引き寄せられるのは、内面的な自傷行為なのかも。

    0
    投稿日: 2015.06.21
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    「かわいそうだよね?」 樹理恵と隆大、そして元カノのアキヨ。へんな三角関係に疲れ、樹理恵がブチ切れ。最後はスカッとした。 「亜美ちゃんは美人」 美人の亜美ちゃんと友達のさかきちゃん。亜美ちゃんは同性からも異性からもチヤホヤされて、そんな周りの人を本当に好きになれない。小池くんの冷静な観察とさかきちゃんの心理が気になってどんどん読み進めた。

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    投稿日: 2015.05.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良い。 『かわいそうだね?』は、 洋服は高いもので着飾り、大好きな恋人のために自分を曲げる主人公・樹理恵と、その大好きな恋人・隆大とモトカノ・アキヨの三角関係の話。 かわいそう、だからという理由で、隆大はアキヨを自分の部屋に住まわせる。 なんやかんやいいつつもほだされて、「かわいそう」だから仕方ないよね、と納得した主人公。 しかしアキヨのしたたかさに気付いたとき、彼女はブチギレる。 アキヨのしたたかさに気付くまでとその後、そしてブチギレて関西人に戻るところ三つで読み応えが違う。 特に気付いた後。 流れるような樹理恵の思いに圧倒される。そして最後はすかっとする。 アキヨはあれだな、源氏物語の夕顔。 嫌いなタイプだ。 『亜美ちゃんは美人』も好き。 いるいる、こういう人、と納得した。 亜美ちゃんほど美人じゃないけど、 冷たくしているのにまとわりつかれること、多々あります。 私はサカキちゃんだったんだな。

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    投稿日: 2015.05.26
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    近年の綿矢りさは切れ味抜群と噂を聞いて興味を持って手に取りました。 うわあここまでとは。これはすごい。 女という生き物の生々しさと情念、いやらしい部分がこれでもかと畳み掛けるようにイキイキと描かれて迫力満点。 人の感情の生々しさと力強さにぐいぐい迫る畳み掛けるような描写にあらゆる意味で「うわああ」となりました。 好きか嫌いかと言われると判断に困りますがキレッキレで強烈なパンチ力溢れる作品でした。

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    投稿日: 2015.05.23
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    『かわいそうだね?』はたたみかけるようなテンポが素晴らしく『亜美ちゃんは美人』は同感の嵐。涙が溢れそうになりました。悲しいんじゃなくて、ふと浮き輪に乗って開けたところに出たような、あぁここに居場所があったというような安心感から生まれた涙です。久しぶりに読んだ。読んでよかった。

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    投稿日: 2015.05.14
  • 表題でない方の作品がおすすめ

     表題の作品も面白かったのですが,もう一つの方がおすすめです。 誰からも注目され期待されて生きることからの脱出。 決して世に言うだめんずではなく,かなり深い。 やはり力のある作家さんなんだなぁと改めて思いました。 関西在住なので,表題作も最後は納得。

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    投稿日: 2015.05.05
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    2014/3/23綿谷さんが江国さんの本の解説を書いていたときがあった。どうやら刺激を受けているようだった。この本の中に少し江国さんの書きそうな描写があった。でも基本的には若者言葉を使い、きっとおじいさんのような読者にとっては読みにくい親しみにくい本なのかもしれないと思った。女の世界は恋愛が絡むと本当に面倒くさい。 アキヨ見たいなキャラクターの女の人、いやだなあ。

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    投稿日: 2015.03.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どちらのお話も面白かった。「かわいそうだね?」のほうがとくに面白かった。「亜美ちゃんは美人」、私は美人ではないけれど亜美ちゃんのようにさかきちゃんのこわい話をいい話だと思ったのだった。

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    投稿日: 2015.03.09
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    なんだったの?!って突っ込みたくなる。ハッキリしないモヤモヤした展開。主人公の心情が描かれており、共感できる人はできるだろうけど、私にはイマイチ。

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    投稿日: 2015.03.02
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    綿谷作品はいつもドロドロしてるし、これもドロドロといったらその通りなんだけど、まだラストが爽快でよかった。 女の本性見抜けない男ってほんとバカ。 こんな女(元カノ)ばかりじゃないけど、こんなのに捕まる男っているんだろうなぁ。 でも、ラスト爽快ではあったけど、私的にはなんか不完全燃焼で終わってので厳しめ評価に。 表題作じゃない「亜美ちゃんは美人」の方が好きだったかな。

    0
    投稿日: 2015.02.08
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    10年前に読んだ「蹴りたい背中」以来の綿矢りさ。 主人公の感情が、独特の比喩で表現されていたのが印象的。 最後のキレっぷりにはスカッとした。 ただどちらかといえば「亜美ちゃんは美人」の方が面白かった。 愛と孤独という相反するはずの感情が両立してしまうなんて思いもよらなかった。 美人ならではの心理に、考えさせられた。

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    投稿日: 2015.02.07
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    恋人が元カノと一緒に暮らすと言い出した。恋人はそれが許せないなら別れると言い、樹理恵は渋々受け入れる事に・・・まず設定がすごいです。 そしてその状況に何かと理由をつけたりしながら悶々とする樹理恵の心理が良い。共感できます。もし私がこんな状況になったら、同じように考えるかも。 途中の共感度もいいのですが、何よりも最後樹理恵のキレっぷりが最高。まさかラストでこんなにスッキリできるとは思っていなかったのでめちゃくちゃ楽しくなりました。 タダの地味目な女だと思っていた元カノの本性もいいですね。そりゃブチ切れるわ。 そして「亜美ちゃんは美人」もすごく良かった!! ものすごく美人の亜美ちゃんと一緒に居て常に比較されるさかきちゃん。 さかきちゃんの亜美ちゃんに対する心情の変化が良かったなぁ。なんかホッとしました。 最後のさかきちゃんのスピーチは泣けた・・・

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    投稿日: 2015.01.09
  • タイトルの『?』とは !?

    素敵な表紙の本で、まず私は いわゆる『ジャケ買い』的に、 この本を購入しました。 また、タイトルの『かわいそうだね?』の、 『?』にも、何か読みたい!と、思いました。 緩やかな三角関係から、、、 やはり、『男1人、女2人』の関係を読んでみると、 「女って恐い!」が、正直な私(男)の感想です。 ただ、この作品が他の恋愛小説に比べ 作者、綿矢りさが書く『場所のイメージ』の 伝え方が誰よりも優れているところ。 小説ですので、もちろん挿絵などは ありませんが、思い描ける登場人物たち。更に、 部屋の隅々までも、色まで、顔の表情まで。 私は二股はしません(笑)! と、 肝に命じるようになりました。 男女問わず、読む価値あり! けどやっぱり女って恐いよなぁ~。

    1
    投稿日: 2015.01.06
  • わたしは、何をかわいそうと思っている?

    彼氏が元彼女を、自分の家に住まわせると彼女に申し出る。 彼はアメリカ滞在時から7年付き合い、帰国して振った元カノに申し訳がないという。 お願いを聞き入れないのは。かわいそうだという。 そんな彼の行動をどうしたって納得出来ないはずの彼女は、どこかで自分を納得させようとしていくのだが… かわいそうと思って、憐れみで移した行動は果たして正しい結果を自分にもたらすのか。 状況が仕方ないと判断をするのも、かわいそうと判断するのも常に自分である。 最後の驚きのカタストロフへ向けて、読者はストレスを貯めることになる。 それは何をかわいそうと思っているんだろうという、自分への質問になって返ってくるからかもしれない。 気持ちのいいラストへ向けて、一気に読んでみてほしい。

    5
    投稿日: 2014.12.31
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    重々しい読後感。女性の生々しい影の部分を覗いてしまった感じ。少なからず、自分にもこういう感情があるんだろうかと思うと少しゾッとした。 かわいそうってすごく難しいことばだとおもう。機からは成功してみえても、私ってかわいそう!って思ってる人もいれば、周りからかわいそうと思われていても、本人はしあわせだったりすることもあるのかな、となんとなく感じた。アキヨみたいな女の人とは出来ればお近づきになりたくない。 さかきちゃんみたいな子は、実は結構多いんじゃないかとおもった。 面白かったけど、落ち込んでるときに読むとさらに落ち込む。

    0
    投稿日: 2014.12.29
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    主人公の恋人が、元カノを自分の家に住まわせる。それを許そうと葛藤する様子がすごくうまくかかれてて、思わず笑ってしまう 最後ああなるなんてーーーー でもやっぱり、ぐっと堪えた女性が、最後には必ず選ばれるんだよね♥︎なんて話じゃなくてよかったかも! あみちゃんは美人、のほうの主人公は、できたひとだな〜器がでかいというか。 私はこんな風にはなれんなー

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    投稿日: 2014.12.06
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    綿矢さんの作品を読むのは『インストール』『蹴りたい背中』に続いて3作目。読むのを忘れていたようで、部屋で発見。綿矢さんの作品はいつもタイトルがいいんですよね。タイトルを編集者がつけていないのであればコピーライターのほうが向いてそう。なんて言うと綿矢ファンに怒られますね。自分と違う世代の感性なのだな…と思い、気が向いたら読んでみます。 表題作は「かわいそう」という気持ちは善か偽善か。その是非を問う物語。「かわいそう」って言うことは主観的で失礼だと教育されている人も多いですよね。自分は「かわいそう」という感情が芽生えた以上、それはかわいそう以外に形容するしかないと考えて「かわいそう」と発言しますが。 具体的には彼氏が同情心から元カノと同棲するという三角関係の物語。元カノは「かわいそう」な自分を武器に闘い、彼女も元カノの状況を「かわいそう」と思い込もうとして苦心し、最終的には破綻します。 すみません。ディテール描写とかあまり好きじゃなくて、読み飛ばしながら読みました。最後の関西弁、自分も激怒すると関西弁になるのでわかるのだけど、、、なぜだか好きじゃなくて、恥ずかしくて読みたくなかった。醜い感情に対面したくなかっただけなのか。それとも、文章的になんだか違うから恥ずかしかったのか。 とても美しいカバー写真は馬場わかなさん撮影(この写真好き)。装丁は和久井直子さん。へし折られたパールピンクのミュールは元カノ・アキヨのものですね。。 同時収録の『亜美ちゃんは美人』は美人の友だち亜美ちゃんと親友さかきちゃんの物語。こちらのほうがムダなく面白かったかな。学生時代の学校カーストとかは『桐島〜』的です。最終的に美人が「なぜこんな人を選ぶのか?」という結論を導きます。ネタバレしますと自分のことを嫌いな人を選ぶんですが、これって綿矢さんの実体験も入っているのかな?と思いました。(作者はめちゃくちゃ美人!というわけではないけど、若い頃からチヤホヤされただろうから。)道重さゆみさんでドラマ化するとよさそうです。

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    投稿日: 2014.11.25
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    恥ずかしながら初めての綿矢りさ。蹴りたい背中とか読みたいなと思っていながらまだ読んでないんだよね。でもこの本も面白かったし、近々読んでみよっと。やっぱり女の人の気持ちとか葛藤が丁寧に描写されててさらっと自分の中に入ってくるし感情移入しやすかったな。もし自分だったら気が狂っちゃう!というかもっと前に暴れてるだろうな笑

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    投稿日: 2014.11.13
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    女子のあまり見せたくないような心理がほんと上手に描かれてる。 同性だから妙に主人公とシンクロするすごい変な感覚。 ケータイのメールのくだりとかぞぞっとする。 なんていうか、錦矢りさは以前他の作品を読んでも思ったのだけど、なんていうか女子のなんともいえない心理をさらけ出すというか…。その描き方がねっとりしててなんともいえない。

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    投稿日: 2014.11.13
  • ラストが気持ちいい

    蹴りたい背中、勝手にふるえてろを読んでこの人天才だと思いました。 この作品の読み始めは「あれ?普通の作家になっちゃった??」と思ったのですが、読み進めていくうちに やっぱり天才だと再認識しました。 中編2編からなる作品ですが、どちらも綿矢さん独特の表現で、この感情をよく文章にできるなぁと感心します。複雑な心情がよ~くわかります。それだけに感情移入しやすい作風です。 特に女性は共感できる点が多いのではないでしょうか。 とても楽しめる一冊です。

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    投稿日: 2014.11.08
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    「かわいそうだね?」 「亜美ちゃんは美人」 どちらも新しい感覚でおもしろかった。 軽い感じで、テンポよく読めるけれど、女子の内面をうまく鋭く観察していると思った。 十人十色の人生だけど、女同士の苦悩の日々はこれからも続くのです。

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    投稿日: 2014.10.27
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    はらわたが煮えくり返りますね。男女の三角関係のお話です。リアルで、自分が主人公の立場だったらどうするかと考えると、涙が滲んできました。 一緒に収録されているもう一篇も、面白かったです。

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    投稿日: 2014.09.21