
総合評価
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powered by ブクログ表題作『かわいそうだね?』クエスチョンマークがついているところが物語の本質で、かわいそう?本当にそうかなぁ?という気持ちが込められているようだ。また、一概に誰かをかわいそうと決め込むのは失礼に当たるのではないか?との迷いめいた気持ちが主人公を堂々巡りさせる。物語中盤までは客観的に見ればどう考えてもかわいそうなのは主人公の方だ。しかし自分にも「かわいそう」は違う!とダイナミックな方法で同情を破壊する主人公。あっけにとられる読者の気持ちを放り出すかのようなエンディングに共感ゼロだが、そこが作者の狙いでもあるような気がする。 同収録『亜美ちゃんは美人』は「さかきちゃんは美人。でも亜美ちゃんはもっと美人。」の書き出しが最高だ。どの段階の美人であっても満足できないなにかが存在する予感しかしない。想像通りに読み進めるほど痛みが増す。自分が美人かどうかはさておき、さかきちゃん、亜美ちゃん、どちらの立場も経験したことがあるから。そして、どちらの立場もしっくり来ないのだ。所詮、他人の評価からなる危ういだけの立ち位置だもの。亜美ちゃんがどう考えても彼女と不釣り合いな男性を愛し抜き、周囲の反対を押し切り結婚に至るのを、さかきちゃんはほぼ周囲と同意見ながら反対する気が起きない微妙な心の揺れがリアル。自分の幸せは他人の印象に迎合して作り上げてはいけないと警告された気がする作品だ。
0投稿日: 2024.07.14
powered by ブクログ「亜美ちゃんは美人」の心理描写の深さに鳥肌が立ちました。よくこんな言語化しにくいことを小説に落とし込めているなあ。でも自分は亜美ちゃんを応援できないわ。
0投稿日: 2024.07.05
powered by ブクログねぇ何でこんなにも私の気持ちがわかるの?と問いたくなるほどグサグサと刺さって1日で読んでしまった。可愛いこといるのほんとやなんだよな。でも向こうはすいてくるとか、かわいそうだから一緒にいてあげようとか、全部一回は経験したことのあることで怖かった。ニコチンは全部救ってくれる。裏切らないよな。 それにしてもしゃーない
0投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログ共感しかない!古い記憶のおりが浮かんできた 居心地悪く「女子」「いい人」を生きようと もがいてきた自分が解放されていく感じ あのときできなかった自分の代わりに 主人公がキレたり悟ったりしてくれてる気がした
28投稿日: 2024.06.13
powered by ブクログ『かわいそうだね?』『亜美ちゃんは美人』の2編が掲載。どちらも後半の入りからドカンと雲行きが変わって、激しくないはずの展開なのに気付いたらジェットコースターに乗せられていたような感覚に陥りました。、
1投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログ共感の嵐でした!自分にも似た経験がありすぎて共感超えて心が痛かったです。 主人公目線の表現がとても面白くて読むのが楽しかったです。 『かわいそうだね?』 「かわいそう」ってなんだろう、、 火垂るの墓に例えている場面は共感できる人も多いんじゃないかな?つい、自分を納得させようと堂々巡りな思考に陥って、わけわかんない思考で落ち着こうとする感じがもう私と同じすぎて驚きです。 私からしたら隆大もアキヨさんも最悪すぎるけど、まぁそう上手くはいかないよね、、 ラストすっごく好きです。 『亜美ちゃんは美人』 人間関係を築く中でどうしても関わってくる容姿の問題。さかきちゃんの気持ちが痛いほど伝わってきました。サークルのところあたりはリアルすぎる、、私の身の回りで毎日起こっている出来事ですね笑 美人なあの子にもあの子なりの苦労があるんだなと思いました、、
17投稿日: 2024.06.07
powered by ブクログかわいそうだからと相手に寄り添おうとする同情心の正体を、女性同士の探り合いや階級から覗くような作品で、同情は歪んだ解釈から発生するものなんだなと気付かされました。 庇護欲の掻き立ててくる人もとても美しい顔立ちの人も、何かに困っている。でも、普段は可視化されない苦悩を抱える姿がかわいそうだと思うが、実際かわいそうな人なんて一人もいないという着地がとても好きでした。少し救われたような気持ちにもなりました。
2投稿日: 2024.06.03
powered by ブクログ一気に読んでしまった。面白かった。2つの話があったけど、両方とも未来を見ていて好きな話だった。 頑張って、自分を騙そうとしてもダメ。結局は我慢できなくなる。 やりたいように、とことんやってみてもいいんじゃない?諦めがつく。
2投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログ綿矢りさが描く主人公がほんとうに好き。 第一話 彼氏が関西弁嫌いって知った段階で封印しちゃうような健気な女子だし、彼氏の家に元カノが住み始めるっていう意味分からない状況も一旦は飲み込んであげようとするお人好しな部分もある中で、辛いって気持ちに比例して仕事頑張れる強い人だし、我慢の限界!ってなったら彼氏の家に突撃して関西弁撒き散らしながら元カノとタイマン張れるパワフルな人でもある。 第二話 可愛い女の子の隣にいて、男子から残酷な扱いを度々受けるポジションで、復讐したくなっても結局はその可愛い子が困ってたら見捨てられないし、可愛いが故にこうあってほしいっていう周りからの期待に苦しんでたっていう背景まで見抜いて、最後は皆んなが大反対する変わった人との結婚を応援してあげる。嫉妬とか色んな感情を持ってても、心の底から悪にはなりきれない部分がすごく好き。 タイトルの「かわいそうだね?」、中々に強烈だな〜〜と。私も子供の頃、かわいそうって言葉は、その言葉を投げる相手と自分は全く違うところにいるって自分が認識してるから出てくる言葉で、見下したり自分事として捉えてなかったりするニュアンスがあるから、使うのはやめるように言われてた。 特に第一話で、主人公は元カノをかわいそうって思うことで何とか気持ちを保っていた部分もあったけど、元カノは見事に図太くて。元カノ、主人公の彼氏と一緒に東京来たのに振られるし、ニートだし、職は全然決まらないしって字面だけ見たらそれこそ「かわいそうだね?」なんだけど、絶対自分のことかわいそうって思ってない。 かわいそうって自分のことを思ったら負けな気がした。
2投稿日: 2024.04.27
powered by ブクログ同情は美しい? それとも卑しい? 「許せないなら別れる」恋人が元彼女を居候させると言い出した。表題作と女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」の二篇を収録 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「女って本当に厄介」という帯に惹かれて読了。 綿矢りささんらしい、直接的に表現はしないなかに、気持ち悪さを含ませる内容だった。「かわいそうだね?」の主人公の最後の行動にはスッキリしたり、居候している元彼女のしたたかさも女性ならでは。同情すべきか否か、それは結局自分の心で決めてよくて、正解なんてないことがよく分かった作品。 「亜美ちゃんは美人」は、現実ではありそうにないけど、実は突き詰めたらそういう関係もあるのかも、と思った1冊。女性ならではをうまく表現している。
0投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
隆大とアキヨにイラつきすぎてたから、最後じゅりえがガツンとぶちまけてくれて爽快だった。 私だったらメール見たときに暴れて殴りかかりそう笑 亜美ちゃんみたいな子結構いるし、二人の友情の形もわりとあるあるな気がする。
0投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ一話。虫酸が走る男 二話。なるほど、他人の男を一目でダメ男と決めつけるのはやめようと『色んな角度から物事を見る』を教えてもらった。
1投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログ1話目読了 あきよがかわいそうの対象だけど私からしたら全員かわいそう 愛を求めて奪い合い人を見下してでも女の敵は女だよね。悪いのは男でも
0投稿日: 2024.04.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
かわいそうだね? アキヨ本当に苦手だ… 一回でも彼氏と元カノが同棲するのを受け入れちゃう主人公には理解しかねる そして彼氏も総じてクソ 亜美ちゃんは美人 いろんな人に愛されて求められる故孤独で、つれない人を求めてしまう。 高校の同級生達はちんぴらの様な彼氏と亜美の結婚を阻止しようとしていたけど、結局は自分達が高校時代幻想を抱いて崇拝していたのもこの結婚に繋がっているじゃないか。人間って自分勝手な生き物だなぁ
1投稿日: 2024.03.29
powered by ブクログ好きな人の価値観を尊重することと、 自分自身を押し殺すことは全く別物。 混同してしまいがちだけど、 相手にも自分の価値観を認めてもらわなければ 愛は成立しない。
1投稿日: 2024.03.25
powered by ブクログかわいそう、ねえ。言われてないのに言外に表現されてるんじゃないかって気持ちになること、いまだにたくさんあるなあと思いながら読んで、気分悪くなった。笑
7投稿日: 2024.03.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
かわいそうだね? 「かわいそう」という言葉の意味を改めて考えた。誰かに「かわいそう」と言われると頑なに否定したくなるし、誰かに対して「かわいそうだな」と思う時は侮蔑的な意味合いが含まれていると思う。「かわいそう」という感情を超えて、樹里恵が最後まくし立てるシーンは痛快だった。 亜美ちゃんは美人 学生時代のさまざまな記憶が蘇った。 高校時代の学年のマドンナ的なかわいい子に関しては女子も男子も公然と「あの子は可愛いよね」と言うことができて、普通異性に「可愛い」と言ったら恋愛感情があるんだろと冷やかされたりするものだが、マドンナ的な子に対してはそれが適用されなかった。それを不条理に感じてモヤモヤしていたのが懐かしい。 また、大学のサークルの新歓コンパの描写に心抉られた。かわいい子が近くにいてチヤホヤされていると、無言のうちに自分はブスであると罵られているような被害妄想に陥ってしまうことはよくあった。 亜美ちゃんみたいな子はその子なりに悩んでいるし、自分の価値を他人に見出そうと必死なのだなと感じた。最後は素敵な友情の話で終わってよかった。
2投稿日: 2024.03.14
powered by ブクログテンポがよくて、おもしろくて一気読み。 2つのお話。 どちらも女性の心理やその動きを、すごくリアルに描いていて、心から共感してしまう! 恋人が元彼女を自分の家に居候させたいと言い出すことから始まる物語。 主人公がかつて大阪の地元にいたときに使っていた大阪弁ではなく、「吉本新喜劇のちんぴら役の男性が使う大阪弁」でキレまくる、という場面。 「こんな言語が自分にあらかじめ搭載されていたことを、私はいままでずっと知らなかった。」という主人公と同じく、吉本新喜劇が日常にあって育った神戸が地元の私も自分で驚いたことあります(息子相手に使用) なんだかスカッとしました!
1投稿日: 2024.03.10
powered by ブクログ一気読み。「かわいそう」の解釈に頷くばかり。同情でも偽善でもその先に助けたい、行動する、と繋がる。悪いことではないのに偽善臭が漂い扱いの難しい言葉であるのに同感する。ラスト爆発は読んでて清々しくてよかった。 亜美ちゃんは、いたいた!あるある!と共感。すごい可愛い子で、なぜそんな男?って結構あるあるだと思う。一方で相応のパターンもしかり。可愛いは正義、とまでは言わないけど、アドバンテージはあると思う。かなりの。
0投稿日: 2024.03.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
女の子の描写がリアル 見た目とか持ち物で分かるその人たちの印象と雰囲気 最後のブチギレシーンは気持ちよかった
1投稿日: 2024.02.28
powered by ブクログ面白かった。 「火垂るの墓」が重なる辺りも、なりたくないと思っていたキャラに成り下がったかもしれないと恐怖する描写も感心しきり。 綿矢りさ作品をもっと読みたいと思った。
1投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログこれは結構良かった。主人公の「かわいそう」という感情を火垂るの墓を例に出して、表していたのが本当に上手いなと思った。あとアメリカと日本の価値観の違いについても考えさせられた。 こういうどうしようもない最悪の状況をいかにダメージを受けずに乗り越えるか、という力は身につけなければなと感じた。その状況や不安を出来るだけ考えないようにしたり、見ないようにしたり。でも主人公を見てると、そうどんなに頑張っても中々難しいとも感じた。だって人間だからいつまでも仏のようには耐えられない。だから僕は、どんな人も何かしらの地獄を抱えながら、生きている。人間、時々壊れるのが普通なんだと思うようにして、生きている。 自分自身、去年事故にあって、思い描いていた人生プランが狂ってしまって、これからどうするかとかも、まっさらな状態で、不安もあるけど、今は立ち止まる期間だと思って、焦らず自分のペースでゆっくりと頑張って、何年後かには、夢を叶えれたらなと思う。 話がとても逸れたけど、主人公は自分も最悪で辛い状況なのに、相手も自分と同じかそれ以上に辛いんだと、慮って客観的になれていて、凄いなと思った。ただ、自分よりも相手の方が辛い状況にいて、かわいそうだなと思うと、少し気が楽になるのも事実。 映画「ファイトクラブ」で不眠症の主人公がガン患者の集まりに参加すると、その日は自分よりも不幸な人がいるんだと安心して眠れていたことを思い出した。要するに、他人へのかわいそうという憐れみの気持ちを向けることも、最悪の状況を耐える一つの方法なのかなと思う。みんな何かしら抱えているんだよ。
5投稿日: 2024.02.21
powered by ブクログ女同士の微妙な思惑にすごく共感した。 見た目が、その人の内面や他者からの評価に影響するところがリアルに描かれていて、何とも言えない心の動きが自分の中に起こった。
0投稿日: 2024.02.16
powered by ブクログ表題作 博愛主義は嫌いだ 自分の優しさだと思っているものは、他者を拒むことができない自分への甘えや逃げなのでは? 自分が優しくすることで誰かを助けることができるなんてとんだご都合主義の自惚か? 登場人物に対する負の感情により、ついつい言葉が強くなってしまう、、(⌒-⌒; ) それから、愛されるために形を変えた自分を愛してもらっても意味がない、虚しい 亜美ちゃんは美人 なるほど、両者の気持ちが細かく描かれていて、 知らない世界を教えてもらった と同時に、答え合わせができたような感覚もあった 人の幸せはわからないものですね、 みんな同じものをシアワセの正体だと信じて疑わないけれど、 実はまるっきり違った形をしている
1投稿日: 2024.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
かわいそうだね? 最後の爽快感がよかった。主人公が好きで元カノは嫌い。彼氏もはっきりさえやって感じ。大体の女性がそうじゃないかと思う。大阪出身なこともあり関西弁ってやっぱキッツイけどスッキリするなぁと思った。 亜美ちゃんは美人 個人的にはこっちの方が好み。自分を好きじゃない子を好きになるところとか、さかきちゃんがなんだかんだ言いつつずっと亜美ちゃんと関係が続いてる(苦手だと思いつつ拒否しない)ところとか、さかきちゃんの下の名前が蘭ちゃんなのにそれを全然呼ばれてないところとか、リアルで少しエグくて良い。
3投稿日: 2024.02.03
powered by ブクログどうしようもないけど愛しい、 そんな女性たちが描かれている。 他人をかわいそうと思って、 自分を押さえ込んでいた主人公が 自分の本音を爆発させて暴れて 『しゃーない』 と呟くところは圧巻。 色々やるせないこともあるけど 強く生きていこうと思える作品だった。
1投稿日: 2024.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
綿矢りささん初めて読んだ。女の子の心情の表し方が面白いなぁ。 2つのお話が載ってます。 「かわいそうだね?」 海外が長かったから、住む場所がないから、職が見つかるまでだから、、、って、元カレを頼って家に居候し続ける元カノ。いくら寄りを戻さないって言ってもそれはダメだろ…。 主人公のキレ方が面白いなぁ〜。 「亜美ちゃんは美人」 ずっとチヤホヤされる亜美ちゃんと、亜美ちゃんの『親友』である主人公。 ずっと引き立て役となり、時には悔しい思いをしたり、モヤモヤしてる話なんだけど、 美人は美人なりの欠点があるんだなー。
0投稿日: 2024.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2編構成の一冊、前々から気になっていたけどようやく読むことができた。 あとがきの方で「形のないカースト」なんて言葉が出てきたけど、個人的には少し違和感。側から見ればカースト上位のあの子も悩みを抱えているのだとしたら、誰にとっても苦しいだけで上下関係なんて無いのかもしれない。そんなものから解放されたらきっと楽だろうなあ。
0投稿日: 2024.01.11
powered by ブクログ表題作は「無職の元カノ(アキヨ)を暫く自分の家に居候させるけど、認められないなら別れて」と突拍子もないことを言い出した彼氏(隆大)をめぐる、ふたりの女性のもつれ話。いい歳をした男女が1LDKで同居するというのは、そこに何の関係性がなくても怪しい香りがしてしまうものなのに、それに元恋人という過去が追加されたのならば、尚更きな臭く感じてしまうのも無理はない。わたしも一女性として自身に置き換えれば普通に嫌な展開なので、樹里絵(主人公)が抱く嫌悪感は十分に理解できる。 そしてその元カノの背景も、家賃延滞で家を追い出されて行く場所がないと言うので、てっきり国内にもう身寄りがないのかと思えば、なんと長野に実家があるらしい。「なら帰れよ、長野に!」と主人公同様にツッコミが出てしまった。ただ、帰国してきた経緯が当時付き合っていた彼氏を追って……とのことだったので、隆大本人としては、職も友人も捨てて自分についてきた一途な元恋人を、自分の心変わり故に放り出してしまったというアキヨに対しての負い目があったのだろう。だからといって仕事が決まるまでは居候させる、それが認められないなら……なんて現カノに冷酷な選択を迫るのは、あまりにも男側にとって都合が良すぎる考えだと思うが。 しかも後々明かされることだが、彼氏の龍大はともかく、アキヨ(元カノ)の方は未練たらたら。居候の口実となった就活はほぼ片手間にやっているような様子で、とうの昔に終わったはずの色恋の燃え滓に火をつけようと必死になっていたのには思わず鼻で笑ってしまった。紐パンをわざわざリビングの目につくところに干すとか、あからさますぎるセックスアピールに辟易してしまう。アキヨ、必死すぎかよ。せめてもの幸いは、そうしたアキヨの粘着質なメスアピールに、当の隆大本人が無関心でいたことか。でも勝手に布団に転がり込んできた元カノを追い出さずに一晩頭を撫でながら添い寝したというのはもうそれ……やってなくてもほぼ浮気みたいなもんですよね……? アキヨの厄介モンスター女っぷりと、隆大のどっちつかずな態度に散々イライラやきもきさせられたからこその、ラストの樹里絵のブチ切れっぷりは痛快で気持ち良い。また、脳内でどっせい、どっせいと騒ぎ立てるおっさんの声が反響しはじめるという怒りの表現も斬新で面白い。「どないせえっちゅうねん!なにが部屋干しや!おまえなんて生乾きのパンティで十分やろ!」いいぞ、よく言った〜〜! 「(家も職もない)アキヨはかわいそうなんだから、しばらく(家も職もある)樹里絵は我慢してよ」と隆大は言うが、アキヨ自身は大好きなりゅうちん(隆大)と暮らせるこの生活は幸せそのものなので、実際は自分のことをかわいそうだとは思っていない。そしてもしかしたら隆大自身も、二人の女性に挟まれて精神的に磨耗していく自分のことを「かわいそう」だと思っているかもしれないが、アキヨや樹里絵、そして読者の我々にとってはかわいそうではなく、「アンタどっちを選ぶのかハッキリしてよ」と思われているだろう。主人公の樹里絵自身も、とんだ三角関係に巻き込まれたものの、関係者である隆大やアキヨに腹を立てることがあっても、自分のことをかわいそうだとは思っていない。読者からすると「なんて目に……かわいそうだ」と思われそうな状況であっても、だ。 もしかしたら、「かわいそう」とは、あくまで一方的で都合の良い言葉なのだろうか。人は、それが本人にとって本当に哀れまれるべき状況なのかはさておき、とりあえず「かわいそうだ」と理由をつけて、一旦自分の心や考えを納得させてしまう。それに対抗するには、樹里絵のように「なにがかわいそうなんだ!」と勝手に貼られたレッテルを盛大に跳ね除けること。それこそが、「かわいそう」という言葉の呪縛から解き放たれる唯一の方法かもしれない。 個人的には、日々ハイヒールで足を傷めながらも労働に勤しんでいる樹里絵の方が何倍もカッコよくて好きだ。彼女のような生真面目で努力家な女性は、隆大に限らずともきっと良いパートナーを見つかるとも思う。(それに恋愛ではなく結婚をする相手として考えたら、ほぼ依存的なアキヨよりもこういう精神的にも自立している女性の方が上手くいく気がする。)頑張れ、樹里絵さん! 同時収録の「亜美ちゃんは美人」は、高校時代という多感な時期の、教室という狭い世界で展開される女子のカースト世界が描かれていて、生々しくもあったが、個人的にこちらも好きな話だった。 生まれ持った容姿ゆえに誰からも愛され持て囃されるものの、自分の本質を見てもらえない孤独を長年味わっていた亜美ちゃん。大人になった亜美ちゃんがようやく見つけた運命の王子様は、ガラが悪いし職業も何が何だかわからない、はっきり言うと輩みたいなひと。だけども彼は亜美ちゃんの容姿ではなく、そしてどこかズレた感性や発言を好きだと言う。 天然な性格ゆえに、人の心がわからない。だから悪意ない発言や振る舞いで、人の気分を害してしまう事がある。それは亜美ちゃんの隣にいた親友のさかきちゃん、そして勝手に設立された亜美ちゃん同好会の亜美ちゃんオタクである小池だけが指摘していた、亜美ちゃんの内面であり、そこに浮き上がった欠点である。それを、出会って一年にも満たない輩の王子様は見事に見抜いていたのだ。しかもそれを彼女の好きなところだと溢すのだから、見た目ではない部分での相性の良さが窺える。彼との結婚生活は確かに順風満帆とはいかないかもしれない。だが亜美ちゃんの欠けたこころを埋められるのは、どんな美男子でもお金持ちでも白馬の王子様でもなくて、きっと世界で彼だけだ。あの輩の王子様こそが、亜美ちゃんだけの運命の相手なのだ。 前に、美人女優の結婚のニュースを見て、たまに「なんでこの相手が?」「顔のレベルが全然釣り合ってないでしょ(笑)」等という話をしたことがある。今思うと余計なお世話だっただろうな、と反省する。きっと彼女たちも亜美ちゃんと同じなのだ。際立つ容姿をもとに近づいてくる人間ではなく、自分の本質を見てくれて、お互いに分かり合える相手を探していたのだろう。 わたしもまた一読者として、亜美ちゃんの幸せを願いたいと思う。ご結婚、おめでとうございます。
0投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログアキヨみたいな女って結構いるから とてもイメージしやすくてしっかりイラついた笑 樹理恵には幸せになって欲しい。
1投稿日: 2024.01.01
powered by ブクログなんとなく男に嫌な雰囲気を感じていたけど、個人的に相手の背景を勝手に自分の想像で埋めて寄り添おうとした時点でその関係は破綻しているのかもしれない、と思った。 離れる強さがないから、離れなくて済むように自分の都合のいいようにストーリーを作りあげてしまうけれど。
0投稿日: 2023.12.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後が痛快だし、樹理恵の性格がいい。 結局突撃しちゃう樹理恵が好き。更には携帯チェックしてまた突撃しちゃうのも好き。 それにしても男が駄目すぎる。 最後は大暴れでしゃーないw 亜美ちゃんは美人は何か女同士の付き合いって大変なんやなぁって思った。
13投稿日: 2023.12.06
powered by ブクログ私たちは幼い頃から「弱いものいじめはしてはいけない」と教わる。実際それは間違っていないと思うし、かわいそうなものには慈悲を与えたくなる。だが、弱いことに胡座をかいて悠々自適に過ごしている奴らをみるとイライラしてくるのもまた事実だ。私たちだって何も苦労せずに生きているわけではない。それなのにただ弱いというだけで「私を守れ!」と主張してくる輩を見るとムカつくしブン殴りたくなるよなと改めて考えさせられる一冊だった。
1投稿日: 2023.12.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『亜美ちゃんは美人』が良かった。 さかきちゃんの怪談話がいつまでも印象に残るし、亜美ちゃんの好きになった相手が破茶滅茶だし、なんで?ってことが起こりまくって、面白かった。 美人に生まれた苦悩、理解できるようなできないような…。 自分が経験したことのない感情を教えてくれる本だった。
5投稿日: 2023.11.18
powered by ブクログ一人称小説だからどうしても主人公の気持ちに寄り添ってしまうけど、アキヨの気持ちを考えるとどうしても嫌いにはなれない。 しかし隆大、お前はアカン。
2投稿日: 2023.11.17
powered by ブクログ「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」 の2編 「亜美ちゃんは美人」は共感がある部分がありました。美人で目立つ友人の側にいていつも引き立て役になっている人、幼い頃からチヤホヤされてきた人との感情の違いが上手く表現されていました。 それぞれに苦悩があり、求めている物もそれぞれに違う。 物語のラストにはジーンときました。 二人とも幸せになって欲しいと願いました。 「かわいそうだね?」の方はラストが、 やっぱりそうだよね。それが人間らしい感情だよね。とスッキリと終わりました。
0投稿日: 2023.11.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
正規の彼女である樹理恵と、元カノでかわいそうなアキヨ、ふたりから隆大に届いてるメッセージがとても対照的かつ印象に残ります。そしてなによりも、それを受け取ってやり取りする隆大という男の気持ち悪さが際立ちます。 ふたりのメッセージをみて、当事者でもないのに「いい加減にしろこいつ。」と怒り、憐れみ、呆れました。 最後に樹理恵が自分を解放して一気に物語が収束していくのが痛快です。そして、最後の呟き。誰もが自分を納得させるために一度は使ったことのある言葉で締めくくられています。 でも決して後ろ向きに聞こえない感じがよかったです。
3投稿日: 2023.10.28
powered by ブクログ当方、30代半ばの女性。収録された2篇の登場人物と同じような経験をしたことがないのに、言い尽くせぬほど共感してしまった。美しさも、みすぼらしさも、あらゆる人物像の全てをありありと描ける綿矢氏のずば抜けた表現力あってこそのものだと思う。 なんの気無しに手に取った1冊だったが、ここ最近読んだ小説の中で一番楽しめた。 あまりに瑞々しい感動であったため、1.2年前に刊行されたのかと思ったら10年も前のものと知り重ねて驚いた。と同時に、10年前の20代の頃に出逢っていたらこんなに心が動くことはなかっただろうと確信した。
1投稿日: 2023.10.08
powered by ブクログ元カノを助けたいだけだから、同居を許してくれないのなら別れる…アメリカ帰りの彼氏に言われ、拒否出来ないまま同棲生活が始まってしまった。 アメリカ人のオープンマインドを持っている彼らなら、なんにもないかもしれないけど釈然としない気持ちがすごくわかる。 英会話教室の女性が、exなら話は別よ!絶対許さない!っと盛り上がっていたのが面白かった笑 なんとか自分を納得させる彼女は後半都合の悪い意見が聞こえなくなっていてかわいそうだった。 メールのやりとりぞっとしたー
1投稿日: 2023.10.04
powered by ブクログ表題作のほか「亜美ちゃんは美人」の2編を収録。 帰国子女の彼が困窮した元カノを一人暮らしの家に同居させるという。生まれ育った文化の違い、宗教の違い、あらゆる理由を探して彼の行動の正当性について自分を納得させようとするが、葛藤は続く。 主人公の苛立ち、嫉妬、自己嫌悪がストレートに伝わってきて引き込まれた。 「亜美ちゃんは美人」も、とびきりの容姿で人目をひく友人を持った主人公、という物語はままあるけれど、ちょっと違った視点で面白かった。 個人的には小池くんのキャラクターに大変興味を持ってしまった。
1投稿日: 2023.09.30
powered by ブクログ自分を偽ったり、誤魔化したり、時には友人の意見を投げ捨てたりしてまで自分の心を守りながら人を好きになるということは、苦しくて、一見間違っているように見えるけれど、それが人を愛するということなのかなとおもったり。胸が苦しくなって天を仰いでしまう描写ばかりで、綿矢先生の文章は簡単なようで繊細で鋭いのだと感じた。
1投稿日: 2023.09.29
powered by ブクログ自分が満たされると嫉妬しないんだ という台詞に私だけじゃないんだと腑に落ちるところがあった。 かわいそうだね。という言葉があまり好きではなかったから、(だって言われる本人は自分のこと可哀想と思っていないから。どうして他者が判断するのだろうといつも思っていた。)この本の題名を見て読んでみたいと思った。 私が思っていることは本に通じるところがあって、勝手に可哀想やなと思っていても、実は相手の方が策士やったりする。 久しぶりに本を読めて、熱中出来たのが楽しかった。
1投稿日: 2023.09.22
powered by ブクログ蹴りたい背中よりも先にこちらを読みました。 大江健三郎賞…成程。 防衛本能?自己弁護?自分を欺くことは自分を守ることと紙一重。他人から見ればどう見たっておかしいのに、当の本人たちは真剣なこの感じ、巧みです。 急激に血がのぼったとき“キレた”ではなくつながった、充電完了、という表現に膝を打ちました。ほんとそれ。 「亜美ちゃんは美人」もなんと巧みな。女同士の関係をこんなに分かりやすくエンタメにできるなんて。 恋愛も友情も良い悪いという理屈ではないんですよね。縁としか言いようがないかな。
8投稿日: 2023.09.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あらすじを読んで購入しました。どうなるのか見てみたくて…! じゅりあちゃんがめちゃめちゃ物分りの良い彼女をしていて不安だったけど、最後ブチギレてくれて安心した。そうよね、きついよね。。 元カノさんのメールが気持ち悪くて、それとやり取りしながらお家にとめてる彼氏さんが気持ち悪かった。 いや彼氏出ていくんかい!しかも出ていかないよ、って言ってた元カノも一緒に出ていくんかい!_(┐「ε:)_ズコー ほんと気持ち悪いふたりだぜ。。 あみちゃんは美人は途中まで何も起こらないような雰囲気を感じていたけれど、あみちゃんが初めて恋した彼氏を連れてきたところからおっかなびっくりで読み進めた。皮肉だけど彼氏が出てきたところから一気に面白くなった。 結婚式するんかーい!さかきちゃん行くんかーい!_(┐「ε:)_ズコー さかきちゃんの婚約者の経験の話、何かの伏線かと思ったけど読み解けなかったから、みなさんの感想読むのが楽しみ どちらも楽しく読めました!
2投稿日: 2023.09.16
powered by ブクログ最高すぎる。主人公とブチ切れながら読んだ。自分の関西人な部分全部出た。アキヨさんのメールの知能の低さを見た私、結局こういうのが好きなんかいって参っちゃった。
0投稿日: 2023.08.06
powered by ブクログ大阪弁でまくし立てるシーンですっごくうらやましくなった。彼女の中に眠っていた、彼女自身が使ってきたわけでもない荒めの言葉は、それでも澱みなく彼女から流れ出て昇華する。あれ、すっきりするだろうな! しゃーなし。も、どこかコミカルに深刻すぎず悲観しすぎず、冷静さを持って何かをそこに置いていける言葉のように響いた。 わたしもつぶやいてみよう!しゃーなし。
0投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログこちらも前々から気になっていた小説でした。 ぺらりと頁をめくる度、みるみると物語に引き込まれて2日で読了。 かわいそうだね? 胸糞悪い話やなあ~と眉間に皺を寄せながらも、主人公の女性の心理的描写に共感したり胸が苦しくなったりして、時には「もういいからそんな彼早く捨てちゃえば!?」ともどかしくなってきたり。対する元カノである女性に対しても、どこか辛いものが見えてくる。そして何より、彼女たちの中心にいる"彼"にも物凄く腹が立ったりして。一度読み進めるともうどうにも止まらない、一気に最後まで読まないと気が済まなくなるお話でした。読後感は「すっきり爽快!そして少し悲しくなる」です! 亜美ちゃんは美人、これまたムイムイ引き込まれていきました。一気に読んじゃった。小池くんがバーで発した言葉等が、妙に心をぶっ刺してきたので個人メモ的な感じでフレーズに残しとこ。
7投稿日: 2023.06.28
powered by ブクログ【かわいそうだね?】 一体、誰がかわいそうだったのだろう。 三人それぞれを俯瞰して見ていると、三人共、かわいそうだった。 誰かに読後の感想を聞くなら、かわいそう、だったよね?と聞くだろう。 発せられる言葉は、自分の価値観や人生観が基準となって出てくるもの。 かわいそう。そんなものは当人になってみない限り、分かるものではない。 ただ慮って出てくる想像の言葉。 今一度、考えさせられる。 かわいそう、という言葉の意味について。 何気なく使っているけれども、果たして使っていい言葉なんだろうか。 【亜美ちゃんは美人】 想いの重いに慣れてしまった人には、逆に新鮮な思いが芽生えるのかな。 分かる気がする。 例え錯覚だとしても、損得なく見てくれている、気がする。 サカキちゃんが涙した時、なるほどなと、思ってしまった。 二人の想いの重さを知った時、違う見え方になった。
2投稿日: 2023.06.21
powered by ブクログ女性が女性に抱くモヤモヤとした嫌悪と憎悪を、ややコミカルに、しかし現実的で共感度高く描かれた作品でした。 女性間の絶妙なやり取りが本当にリアルで、読んでいて「こういう人いるよね」「なにこの女、腹が立つ!」「男も男で一体何なの!」と、まるで友達の話を聞いているかのような相槌を打ちたくなりました。
2投稿日: 2023.06.13
powered by ブクログ2作とも抜群に面白かった。 どこかズレた人間を描き出すのが抜群に上手い綿矢りさの真骨頂を見た。見た目や言動の緻密な描写で変わった人物像がくっきり形作られていく凄さをひしひしと感じた。
0投稿日: 2023.06.11
powered by ブクログとても好きです。 まず装幀が良い。こんなに可愛くてポップで華やかなのに、よく見るとハイヒール真っ二つ。 ヒロイン視点の世界の中に呑み込まれていく感覚も堪らない。全然自分とは違うのに自然に自分以外の人になれる読書体験でこういうことだなと思う。とにかく描写や比喩がすんなり入ってくるんだよね。 登場人物はかなりの胸糞だけど、やっぱり自分の常識外のルールで生きてる人からは距離を置く以外の自衛はないと思う。 亜美ちゃんは美人も泣けました。 美人という因果は乗りこなせないと大変なんだろうなと思う。小池くんの分析通りただ生きているだけでは普通の人と同じスキルを得られない。人間には絶望や失敗からしか学べないことが確かにあるのだ。
4投稿日: 2023.06.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作「かわいそうだね?」に関して「スカッとした」というレビューを幾つも読んだが、しかしそうか?と思う。だってあの終わり方は、アキヨの思う壺じゃないか。アキヨはきっと、隆大と2人きりになるや否や、言うだろう。「樹里恵ちゃん、どうしちゃったんだろう……きっと私が悪いんだね、りゅーちんに甘えてばっかりで。やっぱり私、出て行ったほうがいいのかな?」。そしてもちろん、ヒーロー・隆大は苦渋の表情で言うのだ。「いや、アキヨは悪くない。俺が悪いんだ」。あー胸糞悪い。一生やってろ。 とはいえ、アキヨが勝ったというわけでもないのだろう。アキヨは明日の暮らしを心配しないで済む幸せを甘受しながら隆大に愛されない痛みを抱え、樹里恵は隆大を手放す結果になるも、アキヨを見下しつつ「かわいそう」という言葉で自分の心を偽ってきた苦しみから解放された。両者痛み分けといったところが何故か清々しささえ感じさせる。やっぱり私も「スカッとした」のかな? 割を食ったのはヒーローを気取っていた隆大ひとりなのだが、まあこれはざまあみろ、といったところで。 もう一編の「亜美ちゃんは美人」は、これまたドロドロした女同士の妬み嫉みの話と思わせて、心のどこかにある青春の残滓が疼くような切ない話。一筋縄ではいかない女の友情が、眩しくも愛おしかった。小池くんの人物像が秀逸。
3投稿日: 2023.05.25
powered by ブクログ綿矢りささん3冊目。 やっぱりこの方の文章おもしろい。 かわいそうだね 修羅場が爽快!私も大阪なのでブチギレた時の関西弁あるあるわかります。 さすがにあそこまで新喜劇寄りの切れ方をしている人を見たことはないが…。笑 「本気で人を愛したら、絶望の音に耳を塞ぐことなんてできない」 亜美ちゃんは美人 世の中見た目だけ見れば不釣り合いなカップルはたくさんいる。一部ではあるがその心理が見事に描かれていておもしろかった。
25投稿日: 2023.05.16
powered by ブクログやっぱり綿矢りささんの描く負の感情は、鮮明で強烈な色があるなあ。 表題の主人公の怒りはとにかくスカッとする。怒りの感情が溢れる瞬間を、今か今かとワクワクしながら待ってしまった。 『亜美は美人』も、可愛い子とその引き立て役の複雑な心理が生々しく描かれていた。
4投稿日: 2023.05.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『蹴りたい背中』ぶりの綿谷りさである。 テーマは三角関係や美人な親友への劣等感という日常的に起こりうる身近なものだが、人物・心情描写が秀逸。 アイロニーとユーモアを織り交ぜながら核心を突く表現に著者の力量を如何なく感じるし、重苦しくない空気感で紡がれる言葉のセンスの良さ。 「かわいそうだね?」は、積もり積もった鬱憤と自己抑制からの解放されるラストシーンが読み応え抜群。相手の全てを愛する覚悟があるということは、自分を曝け出してそれでも愛してくれることを期待してもいいんじゃないかなって思わせてくれる。 「亜実ちゃんは美人」は、世間話でたまに話題に上がる不釣り合いなカップルに関する金言が得られました。なんで容姿端麗でみんなから愛されているのに悩むことなんてあるのか、自分を褒め称えてくれる存在ではなく冷淡な相手に心奪われるのかといった点が、見事に推察されています。それでも、主人公2人の関係が最後は心からの友情に帰結しているように見受けられる。そこに一縷の救いがあるように感じる。 センセーショナルなデビューから確実にキャリアを積み重ねていて実力は折り紙つきと。今まで疎遠だったのが悔やまれるほどの作品でした。 蛇足ではあるが、最近だと同じような注目のされ方として宇佐見りんがいるが、こちらは内省的な心情の吐露が前面に表出していて重厚な趣がある。対して綿谷りさは外的な描写で人物像を表現することに秀でている。読むときの精神状態にもよるけど結局どちらも好き。
3投稿日: 2023.05.07
powered by ブクログ修羅場がめちゃくちゃよかった アミちゃんみたいな子、周りにもいてなんで?て思ってたけど理解できました 恵まれすぎてて孤独なんだね
2投稿日: 2023.05.05
powered by ブクログするする読める。 勝手にふるえてろも、私をくいとめても、(この二作は映画で観ただけだけど)表題のかわいそうだね?も、考えすぎてなんだか訳の分からない状況に陥ってしまった女性の心境と、彼女と深い関わりがある男性との関係性をユーモラスに描いている。 私もどちらかというと考えすぎるタチなので、彼女たちの心境は、私の「考えすぎ」の延長線上にあると感じる。 「亜美ちゃんは美人」は、美しい友人と、その友人と一緒にいることに居心地の悪さを感じる主人公、という設定が山田詠美の「蝶々の纏足」に似ているぞとドキドキしながら読んだ。 でもこちらは主人公が友人に抱いている友情に気づき、これからも二人の友情が続いていくという展開で安心した。 大学の飲み会のシーンは辛かったな、アラサーの私が突入して愛想笑いなんてしなくていいと言ってあげたくなった。 さかきちゃんが登山部という居心地のいい環境を見つけられてよかった。 (さかきちゃんが登山部という居場所を見つけられたからこそ、「蝶々の纏足」と異なるエンディングにたどり着けたんだとも思う) そしてさかきちゃんにも「蘭」という美しい名前があるんだなあ。これはさかきちゃんが引き立て役になってしまったからこそ、蘭ちゃんとは呼ばれなかった、という描写でもあると思うんだけど… でも個人的に苗字+ちゃん付けって心根の良い子に多いあだ名な気がしており、さかきちゃんと呼びたくなるようなある種の魅力がある子なんだろうなあと思う。 (なので私もたまに苗字+ちゃん付けで呼ばれるととてもほっこりした気持ちになる)
2投稿日: 2023.04.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初は鬱々としてるな、って感じだった。はっきりしなくてイライラして、めそめそしてる感じ。でも、温泉旅行でイヤなもの見つけた時から頭の中ではキレてて、その後の狂ったキレ方は笑えるくらい、いい気分だった。舐めすぎだろ、男!その一服は絶対おいしいよ。最後の一服の描写も最高だった。そうそう、それがいいんだよね。体に毒なんだけどね。もう一個の作品も良かったな。若干意味わかんなかったけど、私はそんな愛はやたけど。
1投稿日: 2023.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作である「かわいそうだね?」と、「亜美ちゃんは美人」の二編から成る本。どちらも面白かったけど、女の子の描写がこういう子いるよね~……としみじみしてしまう感じて、少しだけ毒っ気を感じました。胃もたれが……いやぁ、いるよなぁ、こういう子……いる…… 【かわいそうだね?】 >困っている人はいても、かわいそうな人なんて一人もいない。 主人公・樹理恵の恋人である隆大のアパートに、元彼女のアキヨが居候していて、樹理恵はそれが面白くないという話。 いやそりゃ面白くないだろ。泊まる方も泊まらせる方も頭沸いてんのか?モラルってご存知?な、話です。いやぁ、強烈だった! もう、アキヨの説明がいるいるこういうタイプの子って感じで見ていてぞわぞわしました。解説でもこのあたりが取り上げられていて、わかる、わかる、と深く頷く。 服装や行動、容姿、すべてにおいて「かよわいおんなのこ」をこれでもかというくらいにてんこ盛りにされていて、胸焼けを起こすかと思いました。隙ってこういうのなのかなぁ、いやぁ、や、やだな……アキヨ、本当に嫌な女という概念の擬人化で笑っちゃいました。勿論人それぞれ好みはあると思うので一概には言えないですけど、「男ウケ」っていうのを体現するとこうなるのかなと。本人にも自覚ありそうなのがまた。 樹理恵はおおらか、というか、隆大のことが好きだからズカズカと踏み込めない。嫌だと思うし、おかしいとも思うけど、別れるのは嫌だから問いただせない。 >「私を無視しないで。あなたと連絡が取れなくなるのが一番つらいの。」 いや健気すぎんか?かわいい。そんな男もう捨てろよ……おれが、おれがしあわせにするから……と何度も思ってしまったんですが、そうはいかないのが恋心なんだなぁ。大変だわ…… 誰が見ても大丈夫だと思う姉御肌の樹理恵と、風にでも飛ばされそうな儚げな雰囲気のアキヨ。人情的にそりゃ弱者に手を貸したくなるのはわかりますが、強い人間だってダメージはくらうし超合金ではない。せめて他人じゃなくて恋人や家族、身内は「強い子」とかそういうフィルターを通さず、助けてあげろよ。とくに隆大おまえ樹理恵のこと愛してるっつったよな?もうわたしは何年来の親友なんだくらい樹理恵のこと傷つけたバカどものこと許せないんですが……というくらい彼女に感情移入してしまいました。それもこれも、アキヨのデティールがリアルなせいだよ…… 旅行で隆大と樹理恵がのんびりして、そこでつかの間の休息。樹理恵が幸せそうでうれしいよ、と思ったら隆大の携帯のメールボックスから出るわ出るわアキヨからのとんでもメール。このシーン引いちゃったな。アキヨのメールが学生の女の子みたいなんだもん。 アキヨのメールと樹理恵のメールの対比がすごかったです。アキヨ、ほんとう、もう、おまえいくつなんだよ!となりました。恋人相手なら甘えるのもわかるけど、友達以上恋人未満とかでもわかるけど、彼女持ちの男にするのにはルール逸脱しすぎだろ。樹理恵のメールはなんだかほのぼの上品で、こっちのほうがいいだろが!と暴れてしまいました。 終盤は樹理恵も反撃にでて、「どないせっちゅうねん!」で思わず拍手がでました。よくいった!そうだよそうだよ!いけー!殴れ!!とはしゃいだんですが、まあものに当たりはしたもののそこそこ理性的な幕引き。ここ含めてリアルだなぁと思いました。樹理恵は大人だ…… メールだけじゃなくて、徹底的にアキヨと樹理恵は対極にあって面白かったです。 アメリカンかぶれ女なのに和風な名前のアキヨと純日本人なのに海外風な名前の樹理恵。 男ウケの塊みたいなアキヨと女ウケの塊みたいな樹理恵。 (自己申告ではあるものの)就活中のアキヨと生活が順風満帆な樹理恵。 元カノのアキヨと今カノの樹理恵。 それでも、最終的に「気が合うね、私たち」という感想を樹理恵が持ったのがなんだかじわじわきました。根っこが違うとかじゃなくて、自己プロデュースの仕方が違っただけ、過去にあったことだとか人からどう見られたいだとかそういうのが違っただけだよなぁと思います。良い悪いじゃなくて、いやこの件に関してはアキヨが100パー悪いけど、自分がどう見られたいかに良し悪しは無いので。なんか人間って大変、生きるのって大変、恋愛って大変。 まあ、でもあれですよね。 「しゃーない」 【亜美ちゃんは美人】 >亜美、たぶん私、あなたのことがきらいだよ。 ワー!となりました。なぜなら身に覚えがありすぎる。私は別に隣に亜美ちゃんみたいな子がいなければ美人だと称されるような女ではないけれど、それでも身に覚えがありすぎる。学生時代、小中高大と、わたしの隣には異性にモテる女の子がずっといたので。 主人公・さかきちゃんの視点で、まるでお人形さんのような完璧な美形である苦手な友人・亜美ちゃんとの青春の日々を描写されるお話です。軽い文体とテーマなのでさらっと読めるけれど、一定の人間には致命傷を与える話です。一定の人間の枠の中に入っているので、致命傷を食らいました。 わたし自身人からモテる子が好きなので、彼女ほどのポテンシャルはなかったけれどモテる子の一番の友達みたいなポジションになることが多い学生時代を送ってきました。わたしは別にそのポジションに不満はなかったんだけど、場の雰囲気や立ち回りを「お前はいじっても平気だよな」みたいな感じになるの本当胃が痛くなりました。現実世界では役割なんて決まってないから絶対にそういう扱いするのは良くないよ……それを思い出させられてオワァとなりました。まあ、学生時代なんて向こうも学生だししゃーない…… わりかしどろどろしたテーマなわりに、読後感は爽やかです。多分、主人公・さかきちゃんの気持ちが丁寧に描写されていること、文章が徹底してキャラクターを「亜美ちゃん」「さかきちゃん」と呼び柔らかいところが上手く作用しているのかな。さかきちゃんがまっすぐ前を向いている、今後の明るさを滲ませてくれているのもいいのかも。 すごく好きな話です。 両方とも「かわいそう」な子が出てくるお話で、生々しさを残しつつエンタメとしても楽しめる中編でとてもよかったです。通勤電車とか、昼休みとか、隙間時間にも楽しめるお話です。ぜひ。
1投稿日: 2023.02.23
powered by ブクログどーしよ、めっちゃ好きだよ。 綿矢りささんの作品てこれまで読んできたっけ? 文体も私にとってとても読みやすくてするする読めた。 いや〜。こりゃいい。 詳しい感想は後で。
0投稿日: 2023.02.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読めて良かったと、心から思った作品でした。 “嫉妬”の感情を物凄く上手に描いており、「かわいそうだね?」「亜美ちゃんは美人」のどちらものめり込んで読んでしまいました。 キャラクターの心の機微を繊細に描いているのに強い感情の迸りもあって、特に「かわいそうだね?」で彼氏の家に転がり込んだアキヨさんとのメールのやりとりが判明し、狂気となった主人公の心のうちの表現は震えました。 「亜美ちゃんは美人」の、どうして亜美ちゃんはサカキと崇司を好きだったのかの理由が判明した時も唸りました。 個人的には「亜美ちゃんは美人」の方がより好きです。小池くんのキャラが凄く良かった。 あとストーリーの端々に、人生勉強になるフレーズがありました。筆者はどんな風に人生を歩んできたのだろうと、表現の細かさに尊敬すら覚えます。 色々な意味で衝撃的な作品で、読めて良かったです。 面白かった!!
2投稿日: 2023.02.07
powered by ブクログ「かわいそうだね?」は今まで読んだ中で1番好きな綿矢りさ作品だった。「こういう女いる、わかる」と思いながらずっと読んでいた。いい意味でアキエの腹立たしさを書くのが本当にうまい。アキエと樹里恵の二人の対比は「男ウケ」と「女ウケ」という語の対比でも置き換えられる気がする。女性が共感して好きになるのは樹里恵の方だけど、男の人が好きなのはアキエの方なんだよな、としみじみ思った。「かわいそうな存在になる」=庇護の対象になる=相手から見て自分を誰かに守られないと生きていけないような格下の存在に置くことだと思う。そうやって自らを格下のポジションに置くことを生存戦略として選べる人はか弱い存在なんかでなく強かな存在なんだとも思うし、案の定それが当たっていてやっぱりな〜と思ってしまった。
3投稿日: 2023.01.28
powered by ブクログ綿谷りささんの作品を初めて読了。 元カノと同棲する彼氏、美人で天然な友達との友情のそれぞれを中心に2つの小説が書かれている。 どちらも読みながら心動かされるし、美しい顔や服装の描写がその人物像をありありとみせてくれてすごいと思った。
2投稿日: 2023.01.09
powered by ブクログ関西弁の爆発が最高。めちゃくちゃのめり込んで女を家にあげる(それどころじゃない!)男にイライラしながら読んでました。あきえの強かさは嫌いじゃないけどね。それだけにもうスカッとね。短編ドラマとかで見たいな。男にイライラしたらまた読みます。
1投稿日: 2023.01.07
powered by ブクログ「自転しながら公転する」の後に読んだ。 アラサーの恋愛、ストレス多し。男に我慢ならん、我慢ならんことをし続ければ、いつか必ず爆発するのは当たり前、切り替えていこう、しゃーない。 これで良い。
1投稿日: 2023.01.01
powered by ブクログ2編の物語。 どちらも女性が主人公。 もうおばさんになってしまった私が読んでも分かり味が強い(笑) 女性ってこういう生き物なんですよって言いたい。 ジェンダー平等、それはそれで良いと思うけれど、「違う生き物なんだ」と感じる瞬間は男女どちらの視点にもあると思う。 それもそれで良いと思う。 分からないから分かろうとするし、違うから面白いと思える(思いたい)から。
11投稿日: 2022.12.25
powered by ブクログかわいそうだね? の恋愛がぐずぐずすぎてなかなか読み進めなかったなぁ…なんだ、この恋愛。誰も幸せにならなそうって感じのまま終わったわ…販売員の戦闘っぷりとかOL目線では楽しめた。アラサーの頃の勢いもあるけどあーゆー着地が未定なよくわからん三角関係ってなかなか読み進めなかったわー 亜美ちゃんは美人 学生時代をとても思い出しなかなかリアルな感じだったなぁ結局同性の友人関係ってある程度距離あるよね
0投稿日: 2022.12.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
p38 余るくらい持っていたほうが安心なのに、いつもちょうど必要なだけ持って出ていく人のほうが、自信ありげでたくましそうに見えるのはなぜだろう。 p79 夕方"オウマガトキ" p108 ストーカーされるくらい愛されたい。つきまとってほしい、ずっと見つめてもらいたい。 p155 これから悲しいだろう。泣いたり後悔したりするだろう。でもそれはいまじゃない、遠い未来に起こること。 p156 しゃーない。 p210 おしゃれというより、芸術というより、 烙印。 p233 絶望的なまでに他人に興味を持てないところが、彼女が美を保つ秘訣だったのに。恋をしない方が、退屈なくらいの方が、女性は美しいんです
5投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログ女性同士の関係を描く中編2編。 「かわいそうだね?」は彼の家に居候している彼の元カノとの関係。 「亜美ちゃんは美人」は美しいけど中身が空っぽの親友との関係。 どちらもスリリングで深くてエグくて面白い!
68投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログやはり女性心理を描くことがうまいんだ。そして元来の言語化のうまさから登場人物の想いがしっかりと伝わり、さらに今作は感情の爆発が見られて読む手が止まらなかった。タイトルの秀逸さもさすが。この作品も映像化すると女優さんの良さが出る、何度も楽しめる作品だった。映像化してほしい…
1投稿日: 2022.10.22
powered by ブクログあみちゃんは美人ではA子さんの恋人のA太郎を思い出した。 かわいそうだね?は、けもなれを思い出した。
1投稿日: 2022.09.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どちらの作品も読み始めは主人公に感情移入してもやもやが止まらなかったけど、スカッとする楽しい話で満足だった。かわいそうだねの彼氏と元カノはまじで死ねって本気で思った。笑最後家に行って暴れた時はよくぞやってくれた、最高ってなった。 天然で鈍感な女は、女の子の嫉妬の対象になりやすいと思う。天然で鈍感な上に、自分の意志を持って行動したらどうしようもない。 ・よく二人の女をこうも鮮やかにさばけるな。驚異の体力だ。 ・でも自分の人生が狂ってるなんて絶対に認めない、どの人の人生も適度に狂っているけれど、狂っている部分なんて恥だから、みんな見せないようにしているだけ。だって人間だって元は動物なのだから、理性だけで毎日毎日毎日を統制するなんてできっこない。 ・なにかを失わないと、なにかを得られないなんて、人生の基本や
0投稿日: 2022.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作もさることながら、「亜美ちゃんは美人」がすごくよかった。全然本題じゃないですが、表題作は(ネタバレですが)最後に主人公が方言でブチ切れるところがあるが、方言を持たない私には、自分の気持ちをぶちまけられる母語があるのはすごく羨ましく感じた
0投稿日: 2022.09.24
powered by ブクログ表題作は彼氏が元カノと同居するという話。 冷静に意味がわからないし現実に起きそうには無いけど、その設定以外は実際あるな~と思った。こういう女っているし、優しさを履き違えている男もいる。どっちも最低。主人公が爆発するところが良い。 もうひとつは美人な友達「亜美ちゃん」の親友が主人公の話。 美人な人ほど、なぜ、、?っていう男と付き合ったりするけど、そういうことか、と納得した。人はないものねだりというかなんというか、、面白かった。
0投稿日: 2022.09.24
powered by ブクログ「かわいそう」な女の人たちの物語。 一人で我慢して、見えないところで泣いて苦しんで… 耐えて、ことが収まるという現実世界にありがち?な 結末でなかったのが救いに思う。 苦しくなったのは、私も「かわいそう」な女だからかな。 かわいそうってあくまで主観的で 客観的に見れば、きっと誰もがかわいそうなんだと気付けた、そんな話だった。
0投稿日: 2022.09.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作 「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」の 2本立て。 どちらの主人公も、かわいそうという表現が しっくりくる感じでしたね。 個人的には亜美ちゃんは美人が好きですね。 途中でなんで一人称じゃないんだろうと 思っていたら、 そういうことかと最後に回収してくれて、 物語の全てが繋がった感じがしました。
13投稿日: 2022.09.08
powered by ブクログ本当に本当にえぐられた、、久しぶりに本でこんなえぐられた気がする。(良い意味でもある) かわいそうだね?に出てくる主人公の考えとか全部似てて、つい過去の自分と重ねてしまった… (勝手に携帯を見たこととか。笑) いやーーー辛い。ってなった。状況は全然違うけど、あの血の気引く感じとか全部思い出された。笑 ただ主人公は本当に強い人だと思う。思ってること直接しっかり伝えるのって自分にとっては凄く難しいことだから、尊敬。 後半の亜美ちゃんは美人も、面白かった。
1投稿日: 2022.09.08
powered by ブクログ大江健三郎賞受賞の「かわいそうだね?」と「亜美ちゃんは美人」の二篇収録。表題作のハジけ方が作者の真骨頂。成熟なんかしないで、いつまでも尖っていてほしい。もう一篇も急旋回が爽快。良い!
2投稿日: 2022.08.22
powered by ブクログ『かわいそうだね?』 もう途中から勢いがすごくて読むのが止められない。終わり方が良い。爽快感すらある。
1投稿日: 2022.08.15
powered by ブクログ可愛い子がかわいそうなお話。 メインの話は自分の彼氏が元カノと同居している女の子の話 2つ目は可愛い女の子がどんどん可愛そうになっていく話。 この小説に出てくる可愛い子は可愛そうでそれがすごく刺さった(ひねくれてる?)
0投稿日: 2022.08.15
powered by ブクログ二篇からなる短編集。 かわいいそうだね? 樹里恵自身、嘘でも相手がかわいそうと思えたかったが、実は自身がかわいそうだった事。二股かけられてるが自分だと認めたくなし、葛藤してる女性は最後は強かった。恋には負けたが自身のプライドには勝った。 しゃーないな。 亜美ちゃんは美人 高校のスクールカーストで 可愛いく目立つ子が頂点だった亜美が結婚するまでの話。サカキちゃんが亜美ちゃんの取巻き的存在で誰もが亜美の結婚を反対する中、絶対に亜美が幸せなれないと、わかってるサカキちゃん。 賛成するか反対するか悩むが賛成側に。 サカキちゃんもサークルの先輩毅と結婚予定だか、もしかして亜美と毅が過去に性的な関係した事もあるかも知れない伏線を感じた。 実は亜美が大嫌いだけど、本当は幸せにもなって欲しい復讐したいが出来ないサカキちゃんがいました。
7投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログわからん。 今カノより元カノを優先する男も、 そんな彼氏を受け入れる女も、 今カノがいながら元カレに依存する女も、 全然わからん。 男も女もどっちもアホやろって思っちゃう…。 全員自分のことをかわいそう•救われるべきって信じてるから、そういう行動になるのかな? さかきちゃんは、亜美ちゃんのことをかわいそうって思えて最後許せたってこと?
0投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログ「かわいそうだね」 終始イライラし過ぎて泣きそうになった。常にきれいにしていて、仕事もちゃんとしている女性よりもちょっとみすぼらしくて隙がある女性の方がモテるっていうのがリアルだなあと思った。 30代でこの別れ方はきついよ涙 こんな男に引っかかる主人公も主人公だよね 頑張ろ 最後の解説であった、登場人物の描写を心情ではなく、視覚的に捉えて比較しているところがすごくリアルでわかりやすいなと思った。 「亜美ちゃんは美人」 容姿端麗の子は常に羨望の目に晒されてるから、友達でも恋人でも自分に興味が無い人に惹かれるっていうのがすごく腑に落ちた。容姿に優れている人こそ自覚して目標を持たないと周りに流されちゃうのかな このお話は主人公が幸せになってて良かった。
4投稿日: 2022.06.15
powered by ブクログ「みんなもっと深い慈愛を他人に求めているし、自分にも深い慈愛が芽生える可能性を信じている。」p153 なんだか想像以上に惹き込まれてしまった。日常のさりげない気持ちの機微とその積み重ね
0投稿日: 2022.05.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
audibleにて拝聴。 かわいそうだよね?は終盤のメール盗み見辺りからの修羅場から目が離せなくなって、そこから一気に聴いてしまった笑 大阪弁でまくし立ててるのはコントのようだった…笑 通っている英会話教室でアドバイスを求めるも、女性教師の英語を聴き取れずに「自分がそう言われたい」ことに勝手に脳内変換していたのが、ちょっと間抜けで…ジュリエは自立したカッコイイ女性だけど、自分の彼氏を信じるために何とか自分に都合いいように納得させようとしているのが、なんだかリアルで「こういう人居そう」と思わされた。 修羅場過ぎて絶対こんな状況に合いたくないけど、小説だと面白くて止まらなくなる笑 2作目の方は、「女の嫉妬」というのがなんだか…絶妙によくわかる… けど、サカキちゃんはアミちゃんを陥れようと、積もり積もった今までの肩身の狭さの復讐をしてやろうとするのでは無い。これから辛い道をいこうとしているアミちゃんをどこまでも支えていこうと決意して終わっているのが、なんだか悲しくて、尊くて良かった。 アミちゃんが、初めて心から恋をした理由や、サカキちゃんに執着している理由がわかった時、絶世の美女も大変なんだな…となった… なんだかんだで平凡で、かつとても平穏な幸せを手に入れているサカキちゃん。 「自分が満たされていると、嫉妬しなくなる」と気付いている姿を見て、そうなんだよな…と胸に刻んだ…
0投稿日: 2022.04.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
亜美ちゃんは美人 私だったらどうだろうって考えたけどあそこまで振り切れて好きで突っ走ってればそのまま見守るしかないよね。迷いも感じないし。どんなチンピラでも頭のおかしい人でも本人が選んだ道だから。 少しでも迷いがあったり愚痴があったら力一杯止めるけど!ヤバい匂いしかしないよ
0投稿日: 2022.04.06
powered by ブクログスラスラ読み進められるし、ストーリーの展開も大きな波があって面白いのに、所々で鋭い分析、意見のようなものが入っているところ、しかもそれを感じさせずさらっと書かれているところ、すごい。 女子のあるある、共感しかない箇所だらけ。アキヨさんみたいな女、よくいると思う。個人的には樹理恵さんかっこよくて憧れる。
0投稿日: 2022.03.31
powered by ブクログすごくリアルでまどろっこしい感じ。 どこか自分に似ている部分も感じるし、登場人物の不遇さや頼りなさに思わず同情してしまう。 2022/03/23
1投稿日: 2022.03.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルが妙に面白くて手に取った。 1つ目にお話はイライラしたけどなんとか読み進めた。 樹里恵の最後の破壊力素晴らしい。 爆発したところから読み進めるのが楽しかった。 2つ目のお話は、自分に理想を押し付けない人・ありのままの自分でいられる人を亜美ちゃんは選んだとわかった。 2022.2.4
0投稿日: 2022.02.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分の恋人と元彼女の関係に気を揉む毎日を送っている、樹理恵目線の『かわいそうだね?』と、美人の亜美ちゃんを友達に持つ、さかきちゃん目線の『亜美ちゃんは美人』の、二編からなる物語。 この表題作の『かわいそうだね?』は一言で言うと「三角関係」なお話なのですが、読んでみて思ったことは、女って、どうやっても二種類のタイプに分かれるんだよなー。ってこと。 いわゆる『僕が守ってあげなきゃ生きていけない君』って思わせるタイプの女と、『僕がいなくても君一人で生きていけるよね』って思われるタイプの女の二種類に。 でもね。 『僕が守ってあげなきゃ生きていけない君』っていうのうは、基本どの男からもそう思われてるわけで、『僕』が守ってあげなくったって、別の『僕』が守ってくれるので、結構のらりくらりと逞しく生きていけるんですよね。 方や『僕がいなくても君一人で生きていけるよね』って思われてしまう女の人は、基本どの男からもそう思われてるわけで、『僕』がいなくなっちゃうと、ほんとに一人になっちゃうんだよー。って、かなり恋愛問題に切実だったりするのに、その辺のアホウな男たちって、結局『僕が守ってあげなきゃ〜』的な女の見た目のか弱さにだまされちゃうんだよなー。 で、この物語でいうと、前者が元彼女のアキエで、後者が主人公の樹里恵。 明日さえ見えない生活をしながら、のらりくらりと人に寄りかかって生きているアキエより、私は自分の足で立ってしっかり前を向こうとしている樹里恵のほうが好き。断然好き。 でも、だからって決して本当に強いわけじゃなくて、強くなきゃいけないって、自分自身を奮い立たせてるような女の子の方が、実はすごく健気なんだよなー。うんうん。なんてことを思いながら読みました。 『亜美ちゃんは美人』もとてもよかったです。 だけど、いつの時代も女同士の人間関係って複雑なんだなー。って思いました。
4投稿日: 2022.02.16
powered by ブクログ女性2人の人間関係を描いた作品で、優しさや嫉妬、女性らしさの中で葛藤する人間模様がとてもリアルでどんどん引き込まれた。 私自身はあんまり経験をしてこなかったけれど、本を通してこの小説のような世界線に生まれていたらどんな感じだったのか想像してしまった…
0投稿日: 2022.02.12
powered by ブクログ世界は思ってるより優しいのかもしれないし、諦めてずる賢く強者に立とうとみっともなく虚勢を張り続けているように見える人たちだって、もしかしたらいろんな期待を抱いて優しくありたいと願ってるのかもしれない
1投稿日: 2022.02.05
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かわいそうだから〜という行動を『親切と激励』と捉える視点が好きだった。 表題作の「かわいそうだね?」では、自分には理解できない他者の行動を生活歴から理解しょうと努める姿は見習いたい。
0投稿日: 2022.01.22
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『亜美ちゃんは美人』 最後にようやく亜美ちゃんを深く理解したさかきちやんに感情移入してほろりと涙。その後の結婚式の描写でさらにほろり。 大切な友人の結婚式に出席したところを想像してじーんと来た。 『人を愛することはむずかしい、自分から見たら矛盾と思える部分まで受け入れていかなければいけない。』 『人は自分の職業で、自分が足りないと自覚してきた箇所を埋めようとするのかもしれない。』
0投稿日: 2022.01.21
powered by ブクログ「女には雑に扱われたい時期がある」、と以前女友達が言っていたのを思い出した。 「かわいそう」という言葉。 時には対象を下に見ている同情の言葉と捉えられることもあるけれど、もしかしたら下に見られる事で救われる何かがあるのかもしれない。
0投稿日: 2021.12.17
powered by ブクログかわいそうな登場人物が出てくるたびに、ああ私はこのかわいそうな人側だよなと思ってしまう。綿矢さんの作品を初めて読みました。
0投稿日: 2021.11.20
powered by ブクログ第1話。最初読み始めてから、あっ、私は二股かける話は好きじゃなかった、と思ったけど、綿矢さんの心理描写の見事さに引き込まれて、最後まで読んでしまいました。 読後感は良かったです。 でも、私だったら、彼氏がこんなこと言い出したら、直ちに別れます(`・ω・´)キリッ 第2話。亜美研究会幹事長の小池君の分析が面白かった。
0投稿日: 2021.11.05
powered by ブクログひとの気持ちが読めればいいのにね、切ないね。信じれないときあるよね。信じてもらえないときもあるしね。みんなみんな、かわいそう
2投稿日: 2021.09.21
powered by ブクログ“悩むのはやめなさい。あなたは若いから、これからまだまだ未来がある。それより周りを見回して。ほら、見渡すかぎりおまえの人生だよ。” 窮屈にならずに、自由におおらかに、あみの人生を生きてください。そしてあなたの人生の中に新しく加わったたかしさんと私を、これからもずっと、ひっくるめておいてください。ずっと友達でいてくれてありがとう。そして、おめでとう。あみをどうぞよろしくお願いします。
0投稿日: 2021.09.05
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個人的には何で別れないんだろーって思った、元カノと同棲はありえんでしょ。でも惚れてたら許しちゃうよねー我慢してたら結局爆発するからやっぱ女は少しワガママぐらいがちょうどいいかな、二つ目の話も面白かった。美人すぎて自分が追われるのが当たり前だから追いたいんだね。でもそんな人出会ったことない…美人は追ってくれる人の中で1番自分に合った人とうまく言ってるイメージ。
0投稿日: 2021.08.05
