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田舎の紳士服店のモデルの妻
田舎の紳士服店のモデルの妻
宮下奈都/文藝春秋
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総合評価

114件)
3.4
12
37
46
11
3
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    とある誰でもない専業主婦の女性が、誰かになりたくてもがきながら、最終的に自分であることをゆっくり受け入れていく物語、ということになるんだと思う。虚栄心、嫉妬、見栄、優越感、劣等感、そういった感情とその日々が丁寧に描かれている。もしかすると子育てをしている多くの女性は、主人公の気持ちやシチュエーションに強く共感するのかもしれない。 俺はと言えば、性や役割の違いもあるとは思うけど、考え方として主人公はなかなかまっすぐに歪んでいて(これは物語の装置として拡大レンズを通して描かれているからだとは思うけど)、強い共感はあまり感じなかった。でも、あまり共感できない主人公なのに胸を打たれる場面がいくつもあって、日々に織り込まれる小さな喜びを描くのがとても上手い一冊だと思った。 それと、主人公がこれまで自分を縛っていた考えから、ふと自由になる瞬間がとても良く描かれていて印象に残った(もちろんその後すぐに考え直したり、揺れ戻したりもするのだけど)。途中で彼女は恋をするんだけど、そこで一線を越えさせない判断も、物語として主人公を汚さず、都合がいいと言えばそうなんだけど、プラトニックなのにとても切なくて、その匙加減が本当に上手いなと思った。 前向きになれる一冊かな。面白かった。

    0
    投稿日: 2025.12.22
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    宮下先生の作品は、最後の数ページにメッセージが込められていると思う。なので、単調な綴りかと思っていたら最後にガーンと衝撃、感動がはしる。途中途中、ブラフはあるが理解に乏しい私でも最後に書かれた数ページでようやくこの作品の奥深さに触れられた。 この作品はとある主婦が、旦那がウツになって田舎に引っ越した先での出来事を通しての「私」について、平凡に繊細に描かれている。誰もが自分を非凡と思いたいがそうではないと認める瞬間、「普通でいいさ」と言うが誰もがそれぞれ個性が違う中の普通とは何か、普段気づかないふりをしていた部分を優しく掘り返す、そんな宮下先生の素晴らしい作品だ。別の作品を読みたい。

    0
    投稿日: 2025.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ずっと積読してて期待値が低かったからか思いの外良かったのではないか…少ないページ数なのに物語の年月と同じ10年分の厚みがある気がする。30になったばかりの私には、「まさにこれ最近思ってたこと!」で、あと5年、10年たったらこんなことで悩んでたねって懐かしむ時が来るのかな。 主人公の梨々子が東京に居た時と田舎に移ってから、だんだんはっきりしていた輪郭がぼやけていき、考えが曖昧で加齢とともにきゅっとしていた身体も曖昧になっていくような、なんとか綺麗でいようと頑張るんだけど、頑張れば頑張るほど自分のことしか考えれてなくて、家族との関係も曖昧になっていく。 人生に意味なんてなくて、ただひたすらに生きるしかないのだ。だからそんなに力まず執着せず、もっと気軽にいてもいいのではないかとちょっと大人になった気がした本。

    0
    投稿日: 2025.12.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本作、ジャケット等見ずにタイトルだけで買いました。 なお私、タイトルを誤解しておりました。 モデルをやっている妻、ということではなく、男性服のモデルをやっている旦那さんの奥さん、の話、ということでした。 ・・・ 夫のうつ病がきっかけで、東京から福井の夫の実家へ移り住んだ梨々子。都会での華やかな生活から一転、慣れない田舎での暮らし、つかめない夫の心、子育ての不安など、さまざまな葛藤を抱えながら、妻として母として、そして「何者でもない自分」としての日々を生きる10年間を描く物語。 ・・・ 読んでいて色んな意味で辛く感じました。 一つは、なんで梨々子はこんなにいちいち皆と同じ価値観に縛られるのかという驚き。もう一つは、さりとて自分もその価値観から完全に脱しているわけではないなあという発見。 世の中の一般的な価値観にがんじがらめになり(会社、出世、駐在、この中学受験、キラキラ生活)、夫の鬱とともに家族で田舎に引っ込んでからの、自己の気持ちの整理を描く本作、完全に同じではないのですが、分かるところもちょくちょくあり、最終的には梨々子は頑張ったなあと思いました。 ・・・ あと、この夫さんの造形、そして彼に対する梨々子の反応は結構ぐっときました。 私も散々家内を振り回してしまいました。だけどうちの家内も梨々子のように、私のことを(一生)理解できない生き物と思い、自ら孤独の中に生きていると感じているのか? うちはもう少し仲は良いとは思いますし、家内とは100%分かり合えないと悟っていますが、それでも絶対的な信頼感みたいなのがあり、私は孤独は感じていないです(10-15年くらい前はもっと自信がありません。。。) ただ、私がどう感じていても、うちの家内が孤独を感じていたとするとこれは悲劇です。 すれ違いが妻を追い込まないように、腹を割った話し合いが必要だなあと感じました。特に旦那の効く耳が必要。私はかつては夫さんのような男であったと感じ、読中に自らの過去を反省しました。 ・・・ ということで宮下氏の作品、久しぶりに読みました。 辻村深月さんの解説が梨々子の心象について説明しており秀逸。ぐっときます。 なお梨々子にはこの前読んだ『生きるように働く』をすすめたくなりました。世の中のメインから外れてもいいじゃん。

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    NHKの朝ドラ「あんぱん」で主人公演じる今田美桜の「精一杯頑張ったつもりやったけれど、何者にもなれんかった」のセリフが頭に残った。それを考えさせられるような作品である。30歳の女性が夫と二人の子供と家族と田舎に引っ越してからの10年の変化を追った小説だが、著者らしく内面の葛藤や変化を見事に浮彫にしている。

    0
    投稿日: 2025.10.03
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    タイトルの読点を打ち間違えていたことに、 読み始めて少しして気がついた。 紳士服店のモデルが女性であるはずはないわね。 読点は紳士服店の、の下ではなく、 モデルの、の下でした。 勘違いに一人赤面。 学校でいちばん好きな時間 げこう うちの子、めっちゃ言いそう。 学校は好きじゃないけど毎日行ってるんだから頑張ってるじゃん。そりゃ学校が好きな方が楽だろうけど、好きじゃない人に好きになれ、とかストーカーとさして変わらない。 10年後の自分なんか想像出来ない。 何なら一日終わった時の自分がどうなってるかも分からない。気分良く起きたって子供の不機嫌に当てられたり、仕事でヘマをやったり、最悪な気分で逃げる様に寝てしまう羽目になったりする。最悪な気分で一日が始まっても、どうにかなってたりすることもあるし。 一週間を総括してみよう、とか、毎月今月のベスト3をブックリストにしてみよう、とから思った事もあったけど、決意なんてサラサラと溶けていく。 気がついたらここにいる。 それで悪くないんじゃないかと思ってる。 俵万智さんの短歌をちょっと思い出した。 「揺れながら前へ進まず子育ては おまえがくれた木馬の時間」

    2
    投稿日: 2025.05.23
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    心情描写がリアル過ぎて、読んでる間ずっと胸が痛かった。この旦那にはイライラしてしまうが、それも作者の思うツボなのだろう

    2
    投稿日: 2025.05.06
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    夫がうつ病になり、都会から田舎へと転居を余儀なくされた一家の話。都会に実体のない憧れを持っていた妻は田舎暮らしを重ねるにつれ、人生というものへの捉え方が変わっていく。 家族が居ても、友人が居ても、「私はひとりだ」と自覚してからの妻の言動には、果てしない強さを感じた。 悩み、傷つき、抱えた者にしか辿りつかない境地があるのだろうと読んでいて思った。 短期的には悲観すべき事象でも、10年スパンでみたりすると、案外悪くもなかった決断だったのかもしれないと思えたりすることがあるのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.02.24
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    「生きるのに意味などない。さびしいわけでもむなしいわけでもなく、ぱーんとそれが、わかる。竜胆梨々子が生きるのは、ほんの何人かの、梨々子がいなくなったら悲しむ人のためだけだ。」 「持ち時間が尽きるまで手ぶらでせっせと暇をつぶして過ごすのだ。」 梨々子が最後にたどり着く境地に、普通の主婦として共感。それだけでいい、と思うと、人生が気楽になる気がする。 普通に過ごす毎日に、ふいに「他に何もいらないと思える充実感」に包まれる、そんな幸せに辿り着けるなら、確かに人生他に何がいるだろう。 でも子育ての難しさは考えさせられた。子供が運動会の徒競走で1人だけ走らなかったり、学校で1番好きな時間は下校だと言ったり、給食を全く食べなかったりしたら、なんて言ったらいいか全然わからない。 夫と気持ちが通じ合わないのもつらいことだし、でも完璧に以心伝心の夫婦なんて存在しないし、と考えていくと、普通の楽な主婦なんてこの世にいない、当たり前のように難しいことを乗り越えて、みんな偉いとも思った。

    26
    投稿日: 2025.02.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    “宮下さん”ってだけで、購入。宮下さんの言葉のチョイスが好きだ。温かみと鋭い視点で、言葉にならなかったことが言葉として触れることができる。 最近なかなか読書できなかったが、読み始めたら隙間時間を使って読めた。読みたい欲で時間が作れたんだと思う。 これから、“母”になる人に読んでもらいたいな~。 “女”はどうしても出産を経て、“母”という役割を与えられる。仕事というと部長とか課長とか急になる感じだなぁ~と思う。急に責任のある役職にあてられたのに引継ぎがない。あっても役に立たない。なのに、上司はいないし、自分で試行錯誤を繰り返すしかない。最大のパートナーだと思っていた夫は、“父”になるまで時間がかかる。“母”という変化は、まったなしで、日々役割をこなしていかなければいけない、そんな人もいるだろう。というか、自分もそうだった。だから、この梨々子の気持ちがよくわかる!何者なのか、自分を見失いそうになる。日本人特有なんだろうな~。 P192 私は大丈夫、どこへ行ってもやっていける。案外こういう小さな言葉が支えになってくれることもあると思う。 実際、亡くなった梨々子の父が言ったかもしれないが、捏造かもしれない言葉だけど、こういうことってあるよね、と激しく同感! 宮下奈都さんのちょこちょこでてくる言葉、文章に、よくこんな風に表現できるな~と感心しながら読んだ。やっぱり宮下さん好きだわ~。

    1
    投稿日: 2025.02.06
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    個人的には終始何言ってんだって感じだった。 とにかく夫にイライラする。 主人公にも特に共感できない。 普通の人は1人もいないし、人間は1人では生きていけないってことを言いたかったのかな。 運動会は楽しそう。

    1
    投稿日: 2025.01.17
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    読んでよかった。いつか梨々子のこの10年をもう一度振り返って自分の人生を肯定したくなる時が来るんだと思う。でも苦しかった、残り50ページくらいまで。 梨々子の気持ちの描写が丁寧な分、やむをえず巻き込まれて誘われた土地で感じる戸惑いや嫌悪感も、都内のママ友への嫉妬や焦燥感も、全部全部形がはっきりとわかるほどに伝わってきて読んでいてかなり苦しい部分もあった。でも、それを苦しいと感じている自分がいることに気づくことができてよかった。まだまだ自分は幼くて他人に知られたくない部分がたくさんあって、わかってはいても目を背けていた事実がこの本を読んで顕になった。しんどいけど改めて自分を見つめ直せる機会をもらった感じ。 折り合いをつけて田舎を穏やかに受け入れていく主人公の姿を途中までは諦めだと思ってしまった。でも、実際そんな浅はかなことじゃなくて、どこで暮らすか何してるかなんて本当に瑣末なことなんだと最後の50ページ強でしっかり梨々子が体現してくれてるように感じた。将来まだまだ不安定で時折そこはかとなく怖くなるけど、この本に教えてもらったことを大切にしていきたい。

    1
    投稿日: 2025.01.02
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    その声があまりにもまっすぐで、梨々子の胸はじんわりと熱くなった。何かとてもいいものを聞いたような心持ちがした。

    7
    投稿日: 2024.12.15
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    登場人物の感情を表現する言葉の使い方が秀逸。主人公の梨々子が、深い沼に引き込まれる様なドロっとした悩みに陥った時、読者の自分も似た様な感覚になってしまっていた。普通とは?平凡とは?幸せとは?…コレ!という答えは無く、それぞれの人生で、それぞれ角度が違えど幸せなんだと思わせてくれるハッピーエンドとなる締めくくりだった。

    1
    投稿日: 2024.11.11
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    10年を通した梨々子の考え・気持ちをずーっと読むことができて、きっとこの先もいろいろあるけど生きていくんだって思える物語だった。

    0
    投稿日: 2024.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分も育休中で、子どもを育て始めたばかりです。今は子どもと向き合い、過ごすだけの毎日。仕事もせず、どこにも行かず、自分は一体何なのだろうと思っていました。 けれども、この本の中に答えのひとつが書いてあり、気持ちが少し軽くなり、自分のことも認めてもらえたようで気持ちも温かくなりました。 P.225 この町がどこにでもあるように、私もどこにでもいる。私にも替えが利く。もしも替えが利かないとしたら、あの子たちの母として、達郎の妻としての竜胆梨々子だけだ。

    8
    投稿日: 2024.10.28
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    いい過程の書き方だなー。 読む前は、たまたま良い出会いをした、自分のものごとの捉え方が変わった、みたいな、いやいや、それはまあ結局フィクションだからと言われればそうだけど、といったなんとなく良い話でまとめる作品だったりするのかな、と思っていたのですが、嬉しいことにそうではない作品だと感じました。 考えすぎないようにする強さも、そうでない強さもどちらも持ち合わせたいものです。

    1
    投稿日: 2024.09.20
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    今のわたしにぴったりな本。夫の鬱発覚、転職、義実家への引っ越し。自分が何者なのか分からなくなり、そうして(わたし)という承認欲求不満人間が出来上がった。主人公の梨々子は、共倒れせずよくやっていたと思う。女としてではなく、母として(子供からは勿論、夫からもそう思われているような)誰にも労わって貰えずひとりで生きる。胸をゾワゾワとさせてながら自分の事のように読んだ。余裕がない。誰よりも労られたい気持ちが強く、人を労われない。きっと相手もそうなのかもしれない。余裕のない時こそ、一番身近な家族を労わろう。労わりたいなと思う。ひとりだけど、ひとりぼっちじゃない。 優しい気持ちになる。と、帯の見出しにあった。期待して購入し、一気に読んだ。自分の事のように読めてしまい、正直、終始胸がザワザワとした。

    0
    投稿日: 2024.07.02
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    私は、わりと長いタイトルの本が気になる。それが、この本を手に取った理由。 理想的な人との結婚、出産からの夫のうつ発覚、辞職、田舎での新しい生活。思ってもみなかったことを受け入れて、頑張る梨々子。なんとか馴染もうと頑張るけれども、夫とは気持ちがすれ違う。子どもの成長で気になることがあっても、相談できる人がいない。隣人は愛想笑いもしない。以前のママ友からは自慢のメールが届く。そんななかで頑張る梨々子の心情が、2年ごとのできごととともに綴られていた。 梨々子は、時がたつにつれ、場所にも慣れ、人にも慣れ、見方が変わって受け入れられることが増えていく。普通ってなに?と思う気持ちは、私もいつも思うことだ。そんななかで、自分のことを思いどおりにされたくないのと同様、夫も子ども達もそうなんだということに気づいた。「私はひとりだ。夫もひとりだ。でも一瞬ぱちっとつながった。これでじゅうぶんだと思っている。」こんなふうに思えるようになった梨々子の考え方、いいなと思った。 ただ、途中で芸能人と親しくなるのは、ご愛敬かな。 人生は、本当にどうなるか誰にもわからない。そしてなんの保証もない。でもそれは仕方がないことで、なんとかやっていこうと誰もが頑張って生活していると思う。始めは苦手だと思う人と、話すうちに打ち解けたり、いつのまにか助けられたり。人のことを一瞬で判断するのは、もったいないことをしているのかもしれない。 夫の田舎の洋品店のモデルは、10年で卒業。物語もひとくぎり。欲を言えば、夫はどういう思いでこの10年を過ごしていたのかを、もっと知りたかった。

    24
    投稿日: 2024.07.01
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    自分が精神疾患持ち(パニ障)なので親近感を覚えて手に取った。何も励ましてはもらえないけど、それでもいいと思えた気がする。思い描くのは理想の私、こうじゃなかった私。でも私は今ここにいる。思い描いていた姿とは違うし、幸せかと言われたら言い淀むかもしれない。でも絶対に、不幸せではない。それだけは絶対にない。そんなことを思い出させてくれる本だった。

    2
    投稿日: 2024.06.17
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    東京から何もない夫の故郷に引っ越してきた妻の10年間の物語。宮下奈都さんの作品は、人の感情が本当に繊細に表現されている。 “回り道の一歩一歩が私の人生” 特別を期待する気持ちも、理想と折り合いをつける気持ちもわかる。

    2
    投稿日: 2024.05.11
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    2024年25冊目 宮下奈都さん/田舎の紳士服店のモデルの妻 容姿端麗な夫と2人の子どもと暮らす、主人公の梨々子。しかし夫がうつ病になり、故郷の田舎へ引っ越すことに。 慣れない土地での暮らしや子どもたちの問題と向き合いながら、進化していく梨々子がカッコいい

    1
    投稿日: 2024.04.13
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    竜胆梨々子は夫のうつ病を機に夫の実家のある田舎に引っ越します。 30歳から10年間の梨々子が描かれています。 慣れない田舎暮らしで戸惑ったり夫にがっかりしたり子どもたちのことで悩んだりしますが梨々子は諦めたり受け入れたりしながら変化していきます。 派手な展開はないけれど梨々子の感情が丁寧に描かれていて良かったです。

    25
    投稿日: 2024.02.26
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    タイトル買い。なんとなくタイトルから想像していた内容と一致していた。 東京生まれの彼女の視点の移り変わりが鮮やかで、梨々子さんは自分の芯を保つためにとても考えながら日々過ごしている情景がわかりやすく理解しやすかった。 段々強くなる、ならざるを得ない女性。小さなことであれ自分を、自分の生き方を、選択したものを肯定していくこと。それを「幸せ」「大丈夫」と言い聞かせることができるのが母という存在なのかな。と感じた。

    1
    投稿日: 2024.02.18
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    装丁買い。 梨々子同様に私自身も、妻として、母として、娘として、一人の人間として、属し、弾かれ、言語化できなさや辻褄の合わなさの中を生きている。その一切合切が詰まっているがゆえに、苦しくもあり救いもあり。 梨々子の10年日記のように、側に置いて、年に一度読み返したい一冊。きっと目に留まる心情は違うはず。それくらい、私(たち)の人生は揺らぐのだから。

    1
    投稿日: 2024.02.17
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    中途半端な田舎町暮らし中の私がいうのもなんだけど このまんまの日常に 包まれている。梨々子さんの揺らぐ気持ち 手に取るようにわかる。思い通りにならないことばかりだけど お茶をのむテーブルはある。ささいなことを肯定して納得して やりすごして 月日は重なっていくものだ。結局 自分は何者でもないんだけど どっこい生きている!それで十分だ。町の人が優しくて 羨ましい。読後、窓の外が 優しく見えた。

    11
    投稿日: 2024.02.13
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    この旦那…ため息でる でもこれが結婚出産の現実なのか… リリコちゃんを私が毎日褒めてあげたくなる そして人間は一人…この言葉沁みる

    10
    投稿日: 2024.01.29
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    おいおいおい47ページまでですでに最高素敵意地悪じゃないか大好き 「何もかも捨てて」お前の何もかも、になんの価値がある?ほんまそれ私のことすぎて終わった

    1
    投稿日: 2024.01.19
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    読む前はタイトルを見て、どんな作品かいまいち想像できなかったけど、読み終わってからはすごくしっくりくるタイトル。「イナツマ」ね。解説は辻村深月さんでびっくり。好きな作家さんの共演……! 主人公の梨々子は、子供2人と素敵な夫と暮らす、東京のキラキラ奥さんだったが、夫のうつ病をきっかけに田舎へ移住する。 「田舎」「何もない」など、物語の半分以上は雨が降りそうなどんよりした曇り空。 でも、最後には雲の隙間から光がさす。梨々子が「田舎の紳士服店のモデルの妻」と胸を張って名乗れるくらいにはどっしりして、どっこい生きている。 梨々子はなかなかおもしろい「普通」の女だ。

    20
    投稿日: 2023.09.01
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    独特のテンポと空気感、意外な物語の展開で、他にはない魅力を感じました。 劇的すぎる展開があったり、激昂したり、衝突したり、決定的なことが起こったり。 そういうことではなく、柔く強く適応してのびのびと生きる梨々子が良い。 こんな生き方もあるんだ、と見本を見せてもらえた気持ち。 田舎で暮らしたことなくて、良い噂を聞かない最近はあまりいいイメージがなかったけれど、気の持ちようとか飛び込んでみてやってみるとか、入ってみないとわからないものなのかもと思った。

    3
    投稿日: 2023.06.20
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    作家の宮下奈都さんは、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2016年本屋大賞」を取っている。 本屋大賞になった本って、けっこう面白いんだよね。 という事で、大賞を取った本(『羊と鋼の森』)ではないけど、同じ作家さんの作品を読んでみたいなと思って。 で、これは(私にとって)大当たり。 もちろん、好き嫌いは個人差があるので、これをつまらないと思う人もたくさんいると思う。 ストーリー展開が大きくある訳じゃなく、一人の女性の10年間を淡々とつづっているだけなので、ページをめくるのがワクワクしてたまらないという訳でもない。 何も無いのだが、私はこの主人公に凄く共感してしまった。 鬱になってしまった夫。 それがもとで、会社をやめ都会から田舎に引っ越すことになる。 その田舎の、洋服屋のチラシのモデルになる時もある夫。 すなわち、ある程度カッコいいわけだ。 息子二人も、人見知りでコミュニケーションが取れないとか、発達障害があるとか。 小学校に何度も呼び出されても、強い信念をもっている主人公。 最初は、なんで私がこんな田舎で生活しなければならないの? こんなハズじゃなかったとか、いろいろ揺れるんだけど、様々なちょっとした出来事の積み重ねでだんだんとその生活に溶け込んでいき、幸せを感じるようになる。 読了感が、なかなか良かったです。 この作家さんの作品は、他にも読んでみたいなと思いました。 なかなか、そういう作品に出合えないですけどね。

    5
    投稿日: 2023.03.30
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    突然田舎に引っ越した鬱を発症した夫と二児の母の10年の物語。淡々としていて、それでも悩んでいる心の葛藤、独白を読まされている感じ。矢理自己肯定しようとしてもがく気持ちが淡々綴られていて抑揚がない。読み手が主婦だと共感できるのだろうか。 読んでいて興味を惹かれる場面は少しはあったと思います。

    4
    投稿日: 2023.03.25
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    宮下奈都さんのファンですが、あんまり好きになれなかったかも…。日記が出てきたことで、「太陽のパスタ、豆のスープ」のドリフターズリストみたいに物語の主軸に絡むのではと期待しすぎてしまった。 初めは面白かったけど、全体的には響きませんでした。 自分が30歳になったらもう一度読んでみようと思いました。この本にうんうん、って思うには人生経験積まないとダメなのかも…。

    1
    投稿日: 2023.02.05
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    東京から北陸の何もないところへ移住した家族、妻目線の10年間の話 こどもたちへの期待や普通、 夫との関係、 私自身の悩みも重なって共感できた 長男がピアノが好きになってそのまま頑張ってくれたら嬉しい!! 運動会やボランティアを通じての人々の交流も温かい

    4
    投稿日: 2023.01.05
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    主人公の性格が好印象で、リズム良くどんどん読み進められた。最後いい終わり方でホッとした。途中冷めたような気づきある視点がいい。作者さんの他の本も読んでみたいと思うきっかけになった。

    1
    投稿日: 2022.09.21
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    小説にするには、少し地味な設定(タイトルからしてそうだが)だけど、主人公(タイトルに出てくる「妻」)の心理描写を丁寧に行う事ですごく読み応えがある内容になっている。日常、ふっと浮かんでくるちょっとした毒のような事も、隠さずに掬い取る。そこから見えてくるのは、1人の人間がどういう思いで生きていくのか、というストーリー。これで良かったのか。ここで良かったのか。そう自問自答しながら、それでも生きていく人間の、生き様。自分も、もう少し心の声に耳を傾けてみようと思った。

    2
    投稿日: 2022.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1. 羊と鋼の森が面白かった 2. ジャケット・タイトルに惹かれた そんなわけで読んだ。 前半は妻 梨々子の葛藤を描いた物語が淡々と続く。ここの部分が割と長く、ずっともどかしさを感じる。全然動いてくれず、妻の気持ちを理解しようとしない夫 達郎に、息子たちに理想像を当てはめようとする梨々子に。ようやく最後の方になり、報われ始める。そこのメッセージは宮下さんらしく、温かいものだった。幸せは自分が目を向けようとしないと見えない。過去にとらわれず、"どうありたいか"で行動を決めていく。若干前半が退屈だったが、これくらいどんよりしていた方が、最後心に響くものは大きいのかもしれない。

    0
    投稿日: 2022.07.31
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    主人公と一緒に、 環境に慣れないしんどさを感じたり、 周りの人にモヤモヤしたり、 その中で自分に起きる変化を感じたりしてた。 大人になっても人って変わるよなーと。 「人間の大まかなところは成人するまでに出来上がってしまうものだと思っていた。でも、そうでもないみたいだ。」ってところ、すごい共感した。 大人になったら、もう変わらないものだと思っていたけど、 自分の大きな軸みたいなものも、大人になってから変わっているのを感じる。 あーこんなふうに自分も変わっていったんだろうなって思った。 あと、人との接し方でハッとさせられた。 「塩原さんは笑わないことを気にしなくなったら、いつの間にか笑い合えるようになった。」 相手が自分に対してどう接するかばかり見ていると、それが相手にも伝わるんだ。 なんとなく、もっと楽にというか、素直に接したほうが楽しくなるのかなーと思った。

    2
    投稿日: 2022.07.21
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    気づいてしまった。すごく大事なものなんて、ほとんどない。結婚指輪。毎年撮っている家族写真。幼い頃からの子供たちの作文や絵を綴ったもの。アサヒとよく行った喫茶店のマッチ。若い頃に読者モデルとしてわりと大きめに載ったファッション誌。(P253)……最近まさにこのような考えに頭が支配されているので、この行を何度も行き来してしまいました。 大きな起伏はないけれど、ところどころに石ころが配置され、それにつまづいてページの途中でうなること数回。御油断はなりませぬ……でございます。

    0
    投稿日: 2022.06.13
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    羊と鋼は最高でした。 羊で提示された調律師という特殊な世界は、多いに僕の興味を惹きつけました。 翻ってこの物語では、普通の暮らしが割と淡々と描かれています。文章は魅力あるのですが、やはり羊は舞台設定がキモだったんだなと思ってしまいました。

    0
    投稿日: 2022.06.11
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    そのしんどさはよく覚えてる。 知らない街で子育てをし、頼れる人は思ったよりも頼りない。私は踏ん張らなくちゃ、頑張らなくちゃ。でなきゃ一気に崩れてしまう。この家から私がいなくなったら、きっと一気に崩れてしまうと思った。 解説の辻村深月さんの「普通の私の話」がよくわかります。少女漫画のような生活はありゃしない。普通だけど、日々の生活なんて普通ではない。精一杯努力しなくてはと、きっと誰でもなく、私は私自身を高く吊り上げて、そうやって危ういな精神状態にぎりぎり攻めてしまい、一気に崩れたのは家庭ではなく自分自身だった。 今は、もう大丈夫。 物語の終盤の主人公のように、幸せは誰かに評価されることではなく自分の肌で感じるものだと思いました。

    3
    投稿日: 2022.06.04
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    潤の東京でピアノ習いたいというシーン。親がとやかく考えることよりも潤のやりたいことを一番に優先する。親として当たり前に出来そうで出来ないことと思いつつ心打たれた。そうなんだよなと。 モデル最後の皆で観に行くというシーンが幸せで心暖まった。 2年刻みの展開も10年という経過を分かりやすくさせてくれたと感じた。 羊と鋼の森を読んで2作目です。 どちらも成長を感じられる作品だと思った。

    0
    投稿日: 2022.04.16
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    うーん。梨々子に共感できなさすぎて、読んでいて気分が悪くなった。若い頃の栄光を捨てきれないイタイおばさん。すぐ他人と自分を比べて他人を見下す嫌な人。だから夫も追い込まれるんじゃないの?あまりに気分が悪くて途中で読むのをやめた。

    0
    投稿日: 2022.03.05
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    十人並みの容姿を持つ梨々子。敏腕で容姿も端麗だった梨々子夫は、仕事で体調を崩し、実家の近くで働くことを決意した。それについて梨々子と幼い子供2人が向かった夫の郷里は垢抜けない、なにもないところで、秋になると町内の運動会に駆り出されるようなところだった…。 宮下奈都の作品はまだこれで2作目なので、どういうスタイルを得意としているのかわからないが『羊と鋼の森』とはまた、全く違うスタイルの作品である。夫の郷里へ引っ越す前の0年から、引っ越して2年、6年、8年と、その節ごとに生じる、転機とも言えない様々な出来事を、梨々子を描写することで描いた作品である。 なにか大きな出来事や目的でも有るのだろうと思って読みかけてみると、そうそう大きなこともなく、梨々子の田舎や夫に対する不満で家庭が壊れるわけでもなく、不思議なテンションで続くストーリーは、大したことが書かれていない割にはなかなか読み進まない。 かといって退屈というわけでもなく、それなりに事件らしきものも起こるが、誰もが爆発させるわけでもなくなんとなく過ごしていくのは、ある意味でリアルなところであろう。 田舎特有の、土地に済む人間以外には意思疎通がままならない閉塞感や、個人として心を許すことのできない他人との関係。そこに梨々子特有の言葉選びのままならなさなどが積み重なって、非常に危うい人間関係なのかな?と心配になるが、実際には特に何かが壊れるわけでもない。 結局、梨々子の自分探しというのがテーマになっているのであろう。わかるようなわからないような、でも難しくない作品である。 ところで、『羊と鋼の森』でも書いたのだが、どうにもこの作者、人をビジュアルで想像させるような表現をしない。梨々子、達郎、潤、歩人、顔も背格好も読んだあとに想像ができない。「モデルさんみたいだ」で、えっ?美人だったの?と不思議な感覚になる。なお、モデルは達郎である。 余談メモ(自分用)。 ジョージ・ハリスンの『クラウド・ナイン』が出てきたのが微笑ましかった。

    2
    投稿日: 2022.01.06
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    女性視点の夫婦の日常も描かれている。 夫は鬱病らしくふわふわしている。妻しっかりしてる。取り乱さない。 十年に渡っての話に大きな起伏はないけれど、じわじわくる。 やはり、いっぱい考える人のことは理解できない。こういうのを読むと心が重くなる。

    0
    投稿日: 2021.11.06
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    30歳から40歳までの10年間の話。 色んな事で思い悩んだり心が揺すぶられたりする様が丁寧に表現されている。 日常の小さな積み重なりで心が変化していく様とか、再読したくなる本。

    0
    投稿日: 2021.10.29
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    はじめ、主人公のキャラを理解するまで時間がかかってしまった。 普通よりだいぶ美人な梨々子さんは、私からしたら普通ではない気もするが、すごくいいお母さんだなあと読みながらずっと思っていた。

    0
    投稿日: 2021.10.07
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    10年は振り返ると短い 過ごしているときは長い 私はいつも振り返ってばかりで時々前を向く 私も一人だ 読んでも元気にはなれないけど何となく落ち着く本

    2
    投稿日: 2021.09.18
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    普通の定義は色々あるが、まあ普通じゃない。でも、この世界観は好きだなぁ...。夫や子の視点でのモノローグがもう少しあっても良かったか? 無いものねだりでしょうか...。加藤木麻莉さんのイラストも素敵です! 辻村さんの解説は、うん、流石だ!

    7
    投稿日: 2021.09.13
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    田舎に引っ越して不倫に走りそうになったけど留まった妻と紳士服のモデルになった旦那。これからもやっていこうと思った話

    0
    投稿日: 2021.07.18
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    これは、普通の主婦の、十年間の心の記録である。 夫のうつ病が原因で、家族四人で、東京から北陸の夫の田舎へ引っ越すことになった梨々子。 梨々子の心の動きが実に細かいところまで、淡々と描かれていた。 息子が通っていた幼稚園のママ友とも遠く離れ、社宅から田舎のマンション暮らしへ。 私は本当は東京で暮らしたかったの?王道って何なのか? 自問自答が延々と続いていく。 けれど、読んでいくうちに、年をとるにつれて次第に楽になっていく梨々子が感じられ、光が射し始める。 人生なんて、目的のない編み物。 私はひとりだ。私だけがひとりなんじゃない。みんなひとりなんだ。 不思議なほど勇気をもらえる、愛おしい物語だった。

    33
    投稿日: 2021.06.18
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    わたしってきれいだしそこそこがんばってきたし、 『何者かに見出されて』『何者かになれるんじゃん?!』みたいな普通の人が人生ってこんなもんやけどまあいいやん!って思えるまでの普通の人の人生の話

    0
    投稿日: 2021.03.09
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    東京から夫の故郷に移り住むことになった梨々子。田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、恋に胸を騒がせ、変わってゆく子供たちの成長に驚き―三十歳から四十歳、「何者でもない」等身大の女性の十年間を二年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。じんわりと胸にしみてゆく、いとおしい「普通の私」の物語。

    0
    投稿日: 2021.01.27
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    結婚し家庭を持ち、子どもが産まれたら… まっとうな人生を送っていると安心できるのか?と思っていた。疑問にも感じていた。 結婚しても子どもが産まれても、私は一人でしかなく、何者でもない。 家庭を持ち頑張っている人、未婚で頑張っている人、どちらの背中もそっと押してくれるような小説でした。

    5
    投稿日: 2021.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初のうちは、何を書きたい作品なんだろう?と思いながら読んでいた。出来事には山谷あっても、主人公の価値観やら処理力やらはとても普通だなぁと感じられたので。 最後まで読んで、どうやらその普通を受け入れる物語なのだなぁとわかった。 受け入れるというか、諦めるというか、納得するというか。 どうしてみんなで普通だとか平凡だとかいう言葉を使って、潤を下ろし、歩人を打とうとするのか 佑樹くんのおかあさんとしか呼ばれないのがさびしくなっちゃったのよ みんな自分のことをいちばんごまかしたいのよ。ほんとはこんな自分じゃないって自分を慰めたり励ましたりするの。

    0
    投稿日: 2020.11.04
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    見栄を張って「何者」かになろうとして生きづらさを感じていた主婦であり母であり娘である主人公梨々子。 夫のうつ病をきっかけに家族揃って田舎暮らしを始め、次第に見栄を張るよりもありのままの何者でもない自分や子供、夫を受け入れられるようになる。 私は何者でもない、私でしかない。それを受け入れられるようになれば、今よりもっと生きやすくなるのだと気づかせてくれる作品。 梨々子が人として寛容に成長していく様子にじんわり心が温められた。

    0
    投稿日: 2020.10.07
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    普通の女性のはなし。 妻として、母として、女として。 だれもが何者かになりたい、 でもじつは普通が幸せっていう。 宮下奈都さんはこういうリアルな女性の内面を描くのが上手なのかも。 そんなにつまらない訳でもないんだけど 読み切るのに時間かかった印象

    0
    投稿日: 2020.10.06
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    突然の田舎にお引越し。 普通に生きるってなんなのか? 子育ての普通ってなんなのか? 30~40歳までの子育て真っ只中の心を描いた 作品に共感。

    0
    投稿日: 2020.08.21
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    狭い世界で生きるしかないという心象から、顔の見える人の中でかけがえのない私を生きるという静かな気づきへの心の声の物語。変わっていく小声の独り言を聞いているような、流れる淡い景色をただ見ているような不思議な読後感。

    0
    投稿日: 2020.07.16
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    さて、いきなりですが、あなたに問題を出します。 クリックしていただいたこのレビューの書名からこの本の主人公の職業はなんだと思いますか? えっ?あんまりよく見なかったけど、確か『モデル』かなぁ?と思ったあなたに、ブッブーとハズレのブザーが鳴ります。 この作品のタイトルは、 「田舎『の』紳士服店『の』モデル『の』妻」 なのです。一見、『モデルが主人公の小説』と誤解してしまうこの作品。実は私も妻の『職業=モデル』という先入観で読みはじめてしまったため、途中まで、いつ彼女がモデルにスカウトされるのだろうと、かなり混乱してしまいました。 宮下さんは、どうして、こんなにくどくてピンとこない書名をつけたのか、と疑問に思わざるをえない分かりづらい書名のこの作品。宮下さんの作品の中でもかなり独特な立ち位置を占めていると感じました。宮下さんって、こんな攻めた書き方をする人なんだ、と驚くその展開。敢えて誤解を恐れずに書けば、宮下奈都が湊かなえになった、というくらいに人の心の闇をジワジワと描いていくのには驚きました。間違いなくこの作品は、異端の宮下作品ここにあり、的作品。『私の書いたものの中で最も好き嫌いの分かれる小説だ』と宮下さんも認識されているこの作品。でも不思議と他の作品のやさしい筆致に慣れ親しんだ私がハマってしまった、とても不思議な魅力を持ったそんな作品でした。 『竜胆(りんどう)達郎は結婚して四年になる、梨々子の夫だ。名前も顔も中身も四年前と同じはずなのに、何かがすっかり変わってしまった』と転出証明書を見ながら過去を振り返るのは主人公・竜胆梨々子。『あの晩』に、達郎が急に言い出した一言『会社、辞めてもいいかな』。『辞めてどうするの?』と問う梨々子に『帰ろうと思ってる。いなか』と答える達郎。『田舎に帰るという夫の言葉はとりあえず放置した』という梨々子。でも翌週『達郎がうつだと診断されて帰ってきた』という展開。『一緒に暮らしているのに気づいてあげられなかった負い目』に狼狽する梨々子。『田舎はどこかね』、梨々子が新卒で勤めた会社でたまたま販売担当の役員に聞かれた一言。『君の顔がなんだか懐かしいんだがね。きっとご両親のどちらかの出自が僕の田舎とつながってるんじゃないか』という役員から『後日、「田舎つながり」というタイトルの社内メールを受け取った』梨々子。『同郷の後輩を紹介したい』と紹介されたのが『海外営業部のホープ、竜胆達郎だった』、そして、『つきあいはじめて二年半で結婚の挨拶に出向いた』という『達郎の田舎は、北陸の一番目立たない県の県庁所在地だった』。そんな達郎の田舎に幼い子供二人と旅立つことになった梨々子。『社宅でなければ到底住めないような街に住んで、住んでいるだけで何かに選ばれているような気分になれて、評判のいい幼稚園に子供を通わせている』生活に別れを告げることに戸惑う梨々子。そんな時『お餞別。日記帳なの』と幼稚園のママ友から十年分書ける日記帳をもらった梨々子。『嫌なことがあったときは、書くとすっきりするから。ぜんぶ吐き出しちゃうといい』という言葉にどこか引っかかりを感じる梨々子。そんな梨々子が初めて書いた日記『いまいましいこと、この上なし。かすり』。『それ以上の説明はつけなかった。今、自分が泣くに泣けない乾いた場所にいることを一年後の自分に思い出されたくない』という、そんな梨々子の新しい生活が始まりました。 竜胆一家が新しい生活を初める段を起点に2年おきに10年先まで6つの章に分けて、梨々子の内面に焦点を当てながら展開するこの作品。第一章で4歳と1歳だった二人の息子の成長が各章で垣間見れるのに比して、専業主婦として、マンションの一室に篭りきりの平凡で鬱屈した日々を送る梨々子の内面の描写がこれでもかというように登場します。全体を通して梨々子がずっと第一人称であるために、その辛さ、苦しさが読者にまるで自身のことであるかのように伝わってくるとても息苦しい読書が続きました。それは、例えば、 『考えないようにしよう。今は何も考えないようにしよう。寝室から歩人の泣き出す声が聞こえた。つまらないことを考えるより、今はただ授乳する動物になろう』という考えることを先延ばしにしたい、今は何も考えたくない気持ちを表す表現。 『誰にも頼れず感謝もされず、子供たちを育て上げなければならない。これからもまだこんなしんどい日々が続くのなら、がんばる自信なんかない。私なんてなんにもできない母親だ。』 という子育てにも自信をなくし、それがずっと続いていく絶望感を表す表現。 『生きるのに意味などない。さびしいわけでもむなしいわけでもなく。竜胆梨々子が生きるのは、ほんの何人かの、梨々子がいなくなったら悲しむ人のためだけだ。』という自分が生きている世界の狭さと世の中から隔絶されている孤独感を表す表現など。 圧倒的な閉塞感、圧倒的な孤独感、そして圧倒的な絶望感が章が変わっても繰り返し繰り返し続いていく展開。この作品の結末に光が見えなかったら読者である自分自身の気持ちがとてももたないと感じさせる、宮下さんの流石の内面描写は、圧巻だと思いました。 一見、勘違いを生みそうになる書名の一方で、この作品の主人公はあくまで田舎に暮らす二児の母親・梨々子です。そう、『モデル「の」妻・梨々子』『歩人「の」ママ・梨々子』、誰かの付属物のように呼ばれて初めて認識される人格、主役になれない人格である梨々子。そんな立ち位置を表してのこの書名。そんな主役でない人物が主人公のこの作品。宮下さんの作品では何も起こらない日常を描いたものが多いですが、この作品で描かれる世界は、『東京に住む四人家族が夫の田舎に引っ越した後の十年間の日常を描きました。以上』という何ら変哲のないどこにでもいそうな平凡な家族の物語です。怪獣に襲われない一方で、ヒーローが助けてくれるわけでもない、どこにでもある平凡な日常。でもそんな変わらない日常の中でも10年という年月の中で子供たちは少しずつ成長していきます。梨々子もそんな彼らを毎日学校に送り出し、迎えるという日常を繰り返します。そして、梨々子は、かつて夢見た理想とする人生を諦め、現実の人生を受け入れていきます。その時、その瞬間にはゆるやかな変化であっても10年という時間が変えていく環境、そして人の心。『結局は、人だ。人と交わることで変わっていく私は、顔のある人との間に生きていく』と穏やかな気持ちになっていく梨々子。深く苦しい闇を彷徨った先、しあわせに続く未来が見える結末に、『がんばれよ』と声をかけてあげたくなりました。 宮下さんの作品はこの作品で12冊目ですが、他の作品のどれにも似ていない、とても異端な作品だと思いました。この作品が偶然にも初めての宮下さんという方の中には、自分とは合わないと判断される可能性があり、それが一番もったいない、と思います。逆にこの作品で宮下さんが好きになった方は、他の作品を読むとあまりの雰囲気感の違いに驚くとは思いますが、感情の揺れ、細やかな心の動きを丁寧に描いていく筆致は他の作品でも共通です。そんなこの作品を読まれた方の評価は恐らく中間の△が少なくて○か×のどちらかに割れるのではないかと思います。そんな読者の一人である私の評価は◎。宮下さんの作品の本流では決してないと思いますが、とても強いインパクトを受けた、読み応え十分の作品でした。

    45
    投稿日: 2020.06.15
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    30歳から40歳、何者でもない等身大の女性の10年間を2年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。じんわりと胸にしみてゆく、いとおしい「普通の私」の物語。 この作者の文章は素敵だと思う。さりげなく主人公の思いを描き出し、読者に差し出す。その時々揺れる思いの中で、精いっぱい生きていく主人公に感情移入してしまいそうだ。

    0
    投稿日: 2020.02.28
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    鬱の夫の出身の地方都市に引っ込んだ二人の子の母である主人公のくすんだ10年間の定点観測。 これで食ってけるなら、まあ、と言うしかない人生。

    0
    投稿日: 2019.12.26
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    結婚することで環境が変わり、思ってもみなかった方向に人生が進む点については共感できた。 ただ、なぜこの主人公は流されてしまうのだろう、と思った。夫とぶつかって自分の意見を伝えるより、穏やかにやり過ごすことの方が心地よかったんだろう。 でもその結果、思っていたのは違う人生に転がって不本意な時間を過ごしてる。誰かのせいにして。とはいえ最終的にその中で幸せを見つけているのだから、主人公にとっては幸せなのかもしれない。 楽な方に流されるより、主張して自分の行きたい方向にいくタイプのわたしには歯がゆかったけど、こういう幸せもあるのだ、というひとつの物語として読んだ。 自分の意見を抑えて周りにあわせるって、こんなに苦しいのだとも思いました。しんどかった。

    0
    投稿日: 2019.11.05
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    羊と鋼で文章に感銘を受けて読んだけど、正直かなり辛かった。性差もあるのかもしれないけど、こういうことは20歳以前に自分の中で決着してることだし、周りの人にそれを感じることはあっても、題材としてそれを拗らせて悩む母というのは痛ましく、ほとんど感じるものはなかった。読んで鬱陶しいだけだった。

    0
    投稿日: 2019.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日本中によくありがちな田舎で、特にこれと言ったこともなく普通に暮らしていくとは?の話。 普通ってなんだろう、私ってなんだろうと考えてしまう。 誰にでも、ああここ当てはまるかなと思うところがありそう。 でも主人公がいちいち考えすぎてしまうのが、大して毎日何も考えてない私には辛くて星三つ。

    0
    投稿日: 2019.07.15
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    江國香織さんの「赤い靴」に通じるところがあった気がする。主人公の内面を描いた作品。個人的にはこちらのほうが心情の変化をより感じられて好き。

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    投稿日: 2019.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    東京から夫の故郷に移り住むことになった梨々子。田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、恋に胸を騒がせ、変わってゆく子供たちの成長に驚きー三十歳から四十歳、「何者でもない」等身大の女性の十年間を二年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。 「豆のスープ」と同じく、カタルシスからの自分探しかと思いきや、探すことさえしない。 仕事をするわけでもなく、趣味に没頭するわけでもない。
不倫になりそうになるけど思い止まるし、ボランティアも続けてはいるけど、すごくやりがいを感じている風でもない。 なのに、最後には、そこに馴染んで、しあわせだと感じている。それはむしろ羨ましいような気さえした。
共感は…できないけど。 表面をなぞるような表現をしていて、見ないようにしてる部分がたくさんあるように見えた。そこ!もっと書いて!って思ったけど、それは私自身もフタをして横においてあるモノなのかも。

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    投稿日: 2019.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    都会から田舎へ引っ越すことになった妻が、形のないもやもやに悩まされ、田舎の距離感に動揺し、好きだった芸能人に振り回されながら日々をなるべく怠けずに過ごし、場所に馴染むまでのどこにでもいそうな人の話。 何かが解決するわけではないけど彼女の中で何となく方向がわかったような部分が最後に見えてよかったです。

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    投稿日: 2018.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ビジネス文書を書く際にやってはいけないこと、「の」を3回以上連続で使わない。 を、タイトルでやっているからには、絶対何かの仕掛けがあるに違いない、と思って読み進めたら、なるほど、このタイトルは上手いなぁと感じ入った。 主人公について、こういう風に表現できるわけか、やっぱ宮下さんはスゲー。 主人公の梨々子は、「イヤな奴」である。 色々苦手なとこがあるが、一例をあげると、自分のことを「ちょっと可愛いくらいしか取り柄がない」と自分に言い切ってしまえるタイプ。もうそれだけで「ウワーアカン」である。 そんなアカン主人公の10年を追いかける小説だから、描写にいちいち引っかかりがあって、前半はページ繰る手も滞りがちで進まなかった。 このまま「イヤ」気分を味わう系小説なのかもなぁ、と思っていたら、とある失恋をきっかけに、梨々子の中で何かが変わる。「わたしは一人だ」という覚醒。この覚醒で梨々子がどんどん強くなっていくのである。その変貌の描写がよい。 自分は一人、自分だけじゃなくみんな一人。いわゆる「かまってチャン」が言うのではなく、自分の中でこの意識を一つ持っておくだけで人間は強くなれると思う。それを梨々子は体現してみせる。 とはいえ、結局最後まで梨々子は「イヤな奴」から抜け出せなかったが、それでいいのである。エエ奴に変わるよりよほどハッピーエンドなのだ、この小説に関しては。

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    投稿日: 2018.11.10
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    夫のうつ病を契機に梨々子は、彼の故郷である田舎に移り住むことになる。妻として、母として、田舎に馴染めず、葛藤しながら暮らしていく。 わたしはひとりだ。という梨々子の気づきは深い。田舎に暮らし、地図と人々と全てが身体に染み込んでくるとき、当たり前に、普通の私に、じわじわと幸せを感じるようになる。 なんか良くわかるなぁ。

    0
    投稿日: 2018.08.14
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    表紙の絵の先入観で、タイトルをよく読んでおらず、"モデル妻"の話かと思って読み始めたらモデルは妻ではなく夫だった…。 どんなところでも大切な人さえいればいい。 場所じゃない、人なんだと感じた作品。

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    投稿日: 2018.01.09
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    解説が辻村深月さんというその一点で手に取った本。 普段解説読まないのに。 略して「イナツマ」。 7年前に解説で「10年後の自分を想像できない」と書いた辻村深月さんは今、どのような思いを胸に生きているのだろうか。 ーーー 東京から夫の故郷に移り住むことになった梨々子。田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、恋に胸を騒がせ、変わってゆく子供たちの成長に驚きーー三十歳から四十歳、「何者でもない」等身大の女性の十年間を二年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。じんわりと胸にしみてゆく、いとおしい「普通の私」の物語。解説・辻村深月

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    投稿日: 2017.12.22
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    ずいぶん回り道をしてしまった。滑って転んで道を踏み外した。回り道の一歩一歩が私の人生だと思う。出た結論は「手ぶら」

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    投稿日: 2017.08.20
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    主人公の梨々子は、東京八王子育ちのそこそろきれいで自分に自信がある人。 かっこよくて仕事もエースと言われるようなオットと結婚し、子供二人に恵まれたところから、夫が鬱で夫の田舎に帰るところからストーリーは始まる。 2年刻みで綴られる梨々子の日記には、生活、口調、考え方の変化が丁寧に描かれている。 梨々子の子供っぽさ、自己顕示欲に読んでいてイライラすることもあるが、知らない土地で、誰にも気軽に頼れない正解のない子育てをする大変さを考えると、同情してしまう。 最後は、梨々子の内面の変化を見ることができてよかった。

    0
    投稿日: 2017.07.04
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    一瞬、官能小説かと思ってしまいそうなタイトルですが、宮下奈都ですからちがいます(笑)。彼女が書く主人公はたいていが女性、学生とかOLとか。そして彼女の作品を読むといつもふんわりと幸せな気持ちになります。読後感の非常にいい作家さん。 今回の主人公は学生でもOLでもない、専業主婦・梨々子。昔から、学校一の美人ではないけれど、クラスで1番か2番。いつもにっこり穏やかであることを心がけ(計算し)、好かれる存在であると自負していた梨々子は、会社の役員にも気に入られます。その役員が梨々子に会わせようと連れてきたのは、海外営業部のホープ・達郎。一目惚れした梨々子は、あまりその気のなさそうな達郎に猛烈にアタック、落として結婚。潤と歩人という可愛い息子ふたりにも恵まれる。ところが達郎が鬱病に。会社を辞めた彼は、実家のある田舎に引っ越したいと言う。呆然としつつも達郎について行くしかなく、東京から田舎へと移る、その年が0(ゼロ)年。それから2年ごとに10年目まで、梨々子の目線で語られます。 一目惚れしたころとは変わり果て、15kgは太ったであろう夫なのに、田舎の紳士服店のチラシのモデルを頼まれたと嬉しそう。周囲からさんざんモデルみたいと言われてきた梨々子にはそんな話は来ず。悶々とする0年は、何をするのも馬鹿馬鹿しい。そんなそぶりは少しも見せずに微笑む梨々子ですが、隣りの住人には見透かされていたりもします。「自分が主役でありつづけたい人」だと。子育てに悩み、不倫に走りかけ、自治会の役員になり、最後には一人前の田舎の主婦になる梨々子。方言を見事に話せるようになった梨々子に、0年の彼女とはまったくちがう印象を受けます。これもやっぱり読後感のいい1冊。

    0
    投稿日: 2017.04.28
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    図書館で。 この作者さんの本を読むのがこの本が最初だったらほかの作品を読もうとは思わなかっただろうなぁ…。出会い方って大事だな。 ものすごい自己顕示欲が強いというか見栄っ張りなヒロインがグダグダと私悪くないし、私頑張ってるしと主張しているようなお話で疲れました。なんていうのか主婦の妄想小説みたいというか。特にアサヒ君の件あたりはもう、都合の良い妄想としか思えない。 鬱とは言え家事にも育児にも非協力的でしかも独りよがりに物事を決断しちゃうなんてひどい旦那だと思うけど…この本の語り部は奥さんだけだもんなぁ。旦那側から見たらまるで違う話になるのかもしれないな、なんてぼんやり思いました。 独身の自分には結婚して夫婦になって子供まで居るのにこの二人はここまで分かり合えないのか、それでも繋がっていたいのか、という驚きのような感想を持ちます。もちろん子供もいるし簡単に別れてしまえとかそういうことを言っているわけではなくなんでもっと腹を割って話し合わないんだろうと不思議に思うのです。夫婦なのに。 話し合っても分かり合えないと思ってるのであればもう仕方ないのでしょうが…。孤独だ、一人だというのはわかるしある程度その通りだと思うけれども、だからこそ人間は言葉を使って思いを伝え合うんじゃないのかなぁ。 しかも家族で夫婦なんだし。いや、世の夫婦なんてみんなそうだよ、分かり合ってないよと言われればまあそれまでなんでしょうが。でも分かり合いたくて、誰よりもつながりを持ちたくて結婚したのではないのか?そのあたりよくワカランというか。(そんなロマンチストな事言ってるから独身なんだって話もあるかもしれませんが) というわけであまり心に響かなかったです。

    0
    投稿日: 2017.04.18
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    学生時代はクラスの中でも美貌で注目され、恋も思うままにできた梨々子。 結婚し、二人の子供が生まれるが、子育ては期待通りにはいかない。 その上、かつては輝いて見えた夫、達郎は、鬱病に罹り、東京の暮らしから「脱落」する。 夫とは心が通じていないことにもがき、自分が「誰でもない者」だと突きつけられるつらさが、丁寧に描かれ、読んでいるこちらまで息詰まるようだった。 「ダロウェイ夫人」を引用しながら、主婦の飢餓感を描いた「巡り合う時間たち」のように。 その梨々子が、少しずつ変わっていく。 「自分は一人である」こと、「自分が誰でもない」ことを受け入れるようになっていくのだ。 それは、本当の意味で大人になったということだと、私は思った。 梨々子の二十代終わりから三十代終わりまでが描かれる。 地味な作品とも言えるけれど、実はかなり骨太な成長小説なのではないか、と思っている。

    5
    投稿日: 2017.04.07
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    かなり個性的なタイトルなので、先入観を持たないよう裏表紙の解説文すら見ずに読んでみた。 結果は、、、 う〜ん。梨々子のような自己顕示欲とプライドが高い女性の一人称作品はかなり苦手。知人や家族に対してすら上から目線としか思えない評価を下し、そして己の現状を他人の所為にして自己憐憫に耽る。 自分が男性だからなのか、または単なる好き嫌いなのか、読んで得るものがない一冊でした。

    0
    投稿日: 2017.02.12
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    人の感情を顕微鏡でみるような繊細な描写。人はひとりだけど、誰かのひとりでもある。その誰かとの関係のなかで、自分自身を見つけていくのかな。

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    投稿日: 2016.07.15
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    たんたんと語られる、梨々子の日常。 東京から、田舎へ行くことになり、母として、妻として、全然ちゃんとではなく、でも決して投げ出さず、日常をこなしていく感じ。 旦那はかつて一目惚れしたはずなのに、 でも、嫌いではない感じの あーー、そういうのあるかも…的な。

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    投稿日: 2016.06.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルと表紙に惹かれて 衝動買いしてみたら 2016年本屋大賞作家の本だった。 羊と鋼の森は文庫になったら 真っ先に買おうと思っている。 この本は 映像化されたら 真っ先に観に行きたい。 ほとんどの物語は梨々子の胸の中。 この映像化は難しそうだが 梨々子のつぶやきの一つ一つが 暮らす環境も性別も超えて こんなにもしっくりと肌に馴染むとは。 チクチクと編み続ける編み物を 誰もが編み続けているんだ。 もうその言葉だけで 幸せだとか生きがいだとかの 誰にもわからないものになど 目を向けなくてすみそうだ。 上質の小説でした。 宮下奈都さんの綴る梨々子の内面の 言葉たちは本当にすぐれもの。 私も使いこなせるようになりたいな。 こんな言葉 うちのあたりにもあるのかな。 「あ?」

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    投稿日: 2016.06.26
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    本屋大賞を取った作家のだったので買ってみた 途中はあんまりだったけど読み進めると面白かった じんわりとした面白さ

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    投稿日: 2016.06.01
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    梨々子さんのひとりの人間として、2人の子どもの母として、妻として、悩みながら生活しているお話。「普通」であることとか、「平凡」であることとか、自分が何者であるのか、何者かである必要があるのかをぐるぐる考える。何が光なのかがよくわからなくて、読み進めるのが苦しかった。きっと、私の中にも間違いなくある見たくない部分なのだろうな。

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    投稿日: 2016.05.04
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    母になって人との距離のとり方が変化していくの、よくわかる。 私は○○のお母さんって呼ばれるのが大好きだしママ友にも恵まれたから 喪失感やストレスとは無縁の育児時代だったけれど(笑) でも、お母さんでない自分、妻でない自分、について意識することはあるよね。 「お母さん」という名の役柄ではないけれど、こどもの前ではお母さんスイッチ入るし、母である自分はキライじゃない。 でも、そうでない自分の時間を大切にしたいと思う。 ちっぽけでも、ひとりよがりでも。 あらためて、そんな気持ちを再確認した作品。

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    投稿日: 2016.05.01
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    今、波が来ている作家らしいので、今までまったく知らなかったのだが、書店にて既刊をいくつかパラパラめくってみて、一番、宮下という作家の雰囲気がよく出ていそうな作品を読んでみた。 細やかでクールで理知的だけど、誰にでも共感できそうな等身大の女性の視点で、生きることの綾と感動が、落ち着いた絵のように、それがさざ波となって流れていくような感じ。

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    投稿日: 2016.04.18
  • 平凡であること

     特別な自分という幻想から引きはがされたとき,その後の人生をどんなふうに生きたらよいのか。それなりの美貌にも,将来性のある夫にも,いろんなものに恵まれていると想っていた人生が曲がり角を迎えてしまった。すごいドラマなんてない日常を迷いながらそしてもがきながら受け入れていく過程が描かれています。 これまでの作品とはトーンが異なるので少し戸惑うかも。

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    投稿日: 2016.04.10
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     梨々子さんは孤独だ。一人立っている。  主婦だというのに。  夫や子供2人と一緒に暮らしているのに。  夫の鬱病を期に、東京から田舎に引っ越し、そこで暮らす梨々子さん。  彼女はちょっと綺麗で愛想が良く、そして少しだけ我慢をするひと。  ここまで書いて全く面白くなさそうな小説が、どうしてここまで面白いのか。日常っていうのはこんなにきらきらしてるのか(生活は地味です)。  社会の中で、何かを達成しなければならないと感じる事が多いけれど、本当は、ただ生きていくというのは、エキサイティングなのかもしれない。

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    投稿日: 2015.09.29
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    妻として悟りを開くまでの記…みたいだ。 ××ちゃんのお母さん…と呼ばれたくない、みたいな話題はしばらく婦人雑誌をにぎわせた。 しかし、それを青臭いと言う、10年めの梨々子。 私も、それを“青臭い”とまでは思わなくても、自分という物があれば、呼び名なんかにこだわらなくてもいいじゃない、あるいは、それは、その付き合い関係における役名でしかない、と思う。 子供が給食を食べない、些細に思えることで親を呼びつける先生、妻の話なんか聞かない夫。 自分的にあるあるすぎて、いろいろ思い出す。 しかも、その描き方が秀逸だ。 過激な事件なんて何も起こらないのに、細やかに描きこまれた心情や日常だけで、読み応えがあり過ぎる。

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    投稿日: 2014.10.18
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    【ゆるやかに変わってゆく。私も家族も。】田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、子育てに迷い、恋に胸を騒がせる。じんわりと胸にしみてゆく、愛おしい「普通の私」の物語。

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    投稿日: 2014.09.09
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    すごく不思議なタイトルだ。でも読み進めると、このタイトルになった意味合いとその深さが分かってくる。 「スコーレNo.4」が希望に溢れるストーリーだったのに比べ、「イナツマ」(辻村深月解説より)は、諦めてしまった惰性の日々という感じである。 しかし、主人公・梨々子は気づく。10年かかったけど。そんな彼女を私たちは笑うことはできない。何故なら、まだ私たちは気づいていないかもしれないからだ。

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    投稿日: 2014.03.15
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    自分と重ね合わせて読んでいた。途中重ねすぎて、敗北感と未来絵図をみているようで読めなくなった… 梨々子は6年目頃から変わっていくんだけど、私はどうなんだろうか。

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    投稿日: 2014.03.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の揺れ動く感じがリアル。「自分は何者か」 今の私自身に響いた作品でした。 ただ、自分探しの過程の中で、お決まりのように不倫ストーリーが 出てくるのは嫌です… 他のレビュアーさんによると、この作品はかなりじめじめ度が高い ようなので、次はさっぱり系の宮下奈都さんを読んでみたいです。

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    投稿日: 2014.01.28
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    都会から夫の田舎に引っ越すことになった女の人の、家族やご近所とのお話。家庭生活のこと、妻であり母でありひとりの女性でもある人の、葛藤だったり幸せだったりについて。 2013/11/19

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    投稿日: 2013.11.19
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    紳士服店の話ではありません。 何者でもない、ある女性の30歳から10年間の物語です。 タイトルの意味は、読めばわかります。 主人公梨々子は、体裁をひどく気にしていて、それでいて、空っぽ。 そういった多くの人が隠そうとしている部分を、作中でリアルに描いています。 正直、梨々子が自分を受け入れた経緯がよくわからなかったのは、自分がまだその途中だからでしょうか。まだ、わたしは、何者でもないことを受け入れられません。他者との関係で自分というものができるとしても、まだ、他者に十分な敬意を払える度量もないのです。あと、何年かかるのでしょうか。 宮下作品は、こころの奥底にしまい込んだはずの感情に言葉を与えてくれます。だから、読む時は切なくなったり、かなしくなったり、気持ちをかみしめながらゆっくりと読むのです。 体験している全ての感情を、言葉にのせることは、非常に難しいことだと思うのですが、なぜか宮下作品は、ひとつの言葉に、どれくらいの喜びと幸せとあたたかさが、どれくらいの無念さや怒りや悲しみが、そこに込められているのか、ひしひしと伝わってきます。 2013.11.11

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    投稿日: 2013.11.11
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    都会から田舎へ引っ越した専業主婦の10年間。 うつ病の夫、ちょっと風変わりな子供達、妻として母として日々をこなすように過ごしていく。 自分は何なのか、自分探しをするような日々だったのだろうか。 最後、まだ続く途中だけど、着地点があるわけではなく、もがきながら生きていく、それが人生なんだと考えさせられる。

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    投稿日: 2013.11.07
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    再読です。一度目は普通の主婦の姿がこっぱずかしい感じで読んでましたが(自分がそうだから)、再び読んでみるといろんな言葉がじんじん胸に染みてきて何度もうるっと涙してしまいました(電車の中でやばかった・・・^^;) 歩人くんのマイペースぶりに、うちも長男のグレーゾーンぷりに悩んだことがあったのですごく共感しました。

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    投稿日: 2013.10.19
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    うつ病の夫と息子二人と東京から夫の田舎へ引っ越した妻、梨々子の成長物語でした。中盤まで鬱々としたジメっとした雰囲気が続き、もう読みすすめられないと思っていたら、終盤やっと梨々子に寄り添えたように感じた。私もこれから十年、あのように思い悩み悶え苦しむのだろうかと思うと、今からとても苦しい。

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    投稿日: 2013.09.21
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    主婦の心情が描かれていたが、読んでいると気分が重くなりました。 主婦の方は自信と重ね合わせられる部分もあるのかもしれませんが。

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    投稿日: 2013.09.10
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    旦那のうつ病による退職と予期せぬ福井へのUターンに困惑する嫁の10年。 Uターンは考えていなかったが嫁に読まして様子をみてみたい。 著者が福井の人。ひとつ下。学校かぶってたりするのかな?

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    投稿日: 2013.08.24
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    始めのうちは梨々子の気持ちに共感できず、イライラしてましたが・・・段々読み進めていくうちに、なんだかしみじみと共感してきた感じです。 特に前半は梨々子の思考がウジウジ・グダグダしてるので、結構 暗いのですが(^o^;) まぁ段々と何かが変わっていく感じがはっきりと分かるので、その暗さも必要なんだなって最後には思います。 最後は中々良かったです。 夫との関係・子供との関係、10年の間に積み上げてきたものが 輝いて見えるようなラスト。 そしてその余韻に浸りながらの、辻村深月さんの解説がまためっちゃよかったです!

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    投稿日: 2013.08.23