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powered by ブクログ半藤一利さんと宮崎駿さん、対談していたのは以前何かのドキュメンタリーで知っていたけど、書籍は読んだことがなかった。 その時の宮崎駿さんが、まさに憧れの先輩に会えた感じで、本当に高揚してて嬉しそうだったのをよく覚えている。 対談は夏目漱石から昭和史、軍艦や飛行機に及ぶ。とにかくお二人の知識がすごい。 めちゃくちゃマニアック。 そして漱石は私も好きだけど、草枕はあんまり記憶がない…けど、お2人が熱心にあれが一番いいと言い合っているので、本棚から引っ張り出して読んでみようと思った。
0投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ2013年、宮崎アニメ『風立ちぬ』公開に合わせた対談。文庫オリジナル。 半藤83歳、宮崎72歳、ふたりは初対面。カーブミラーに映っているのが自分なのに、どこのジジイかと思ったという共通のエピソードで始まり、旧知の友のように、話はノスタルジックに展開する。 話題の中心はもちろん『風立ちぬ』。零戦の設計者堀越二郎の話から、戦闘機や軍艦をめぐって談義は白熱する。反戦平和を願うふたりなのに軍事オタク、そのギャップがおもしろい。 『風立ちぬ』にも登場した隅田川、その今昔にも触れている。半藤は学生時代はボート部で、練習場は隅田川。ボートから見える景色や、隅田川から運河を通って利根川の河口の銚子まで、数日かけて往復した話をしている。 漱石の話でも盛り上がる。宮崎は漱石フリーク。半藤は漱石の孫娘の夫で、漱石通。ふたりのベスト作品は『草枕』。半藤は『草枕』がアニメ化をできないかと宮崎に迫り、宮崎は登場人物を描くのが難し過ぎると応じる。そこをなんとかならぬかと頼む半藤、ならぬと答える宮崎。その繰り返しの問答が可笑しい。
0投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
少しずつ世の中良くなっていると信じたい 「30年も経てば世界には国境がなくなるのでは」の10年後北朝鮮は変わりなく、ウクライナ戦争は終わらず、イスラエルは無茶苦茶 歴史は見通せない
0投稿日: 2024.10.12
powered by ブクログ"歴史探偵"半藤一利とジブリの宮崎駿監督の対談本。"風立ちぬ"上映後の対談ということで、同作の舞台でもあった関東大震災~戦後すぐくらいの昭和初期の思いで語りが中心。お互い好きだという夏目漱石についての語りもあり。タイトルから連想されるような零戦・戦艦長門、日本海海戦の裏話あたりのミリタリーねたもあるけれど、それも昔語りの中の一つという感じかな。個人的には昔の東京下町の風景などお二人(&ご両親etc)を通してみる昭和の姿が興味深かった。東京大空襲で他人に助けられた半藤少年と、関東大震災で突き放された堀辰雄の対比も心に残る。 タイトルは半藤氏のコメントから。お二人の反戦・日本人観は共感できるところもあれば、それは老人の戯言・先を観ない理想論だよと思うところもあるけれど、少なくとも、日本人は自分のことを見つめなおして、変に偉ぶるでなく、地に足をつけて生きていくことを考えた方がいいのかなと個人的にも思う。
0投稿日: 2023.10.08
powered by ブクログ半藤さんと宮崎さんの対談となれば きっと面白いだろうと思いましたが やはり面白く読めました。 対談とかは苦手ですが このお二人の話題は面白く 退屈せずに読めました。 こういうのを読むと 半藤さんが亡くなったのは 本当に残念です。 日本の過去を知りそして未来を考える人が もっと沢山いて欲しいですね。 宮崎さんも 半藤さんのように 過去を調べて 考える人なので 半藤さんの 思いを引き継いでいって欲しいですね。
6投稿日: 2023.03.23
powered by ブクログ「半藤一利」と「宮崎駿」の対談を収録した作品『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』を読みました。 『風立ちぬ』を観て、『零戦 その誕生と栄光の記録』を読んで、零戦のことや「堀越二郎」のことを、もう少し知りたくなったんですよね。 -----story------------- 世界の「宮崎駿」×歴史探偵「半藤一利」が語り尽くす! 『崖の上のポニョ』ぶりの「宮崎駿」作品として話題を集める『風立ちぬ』の主人公は、ゼロ戦設計士「堀越二郎」がモデル。 世界の「宮崎駿」が書生となって、敬愛する「半藤一利」と語り下ろす。 「宮崎駿」監督が「かねてからお目にかかりたかった」という昭和の語り部「半藤一利」さん。 「漱石好き」という共通点からふたりはたちまち意気投合。 「宮崎」作品最新作『風立ちぬ』で描かれる昭和史をたどりつつ、持たざる国・日本の行く末を思料する―7時間余にわたってくり広げられた貴重な対談を完全収録した、オリジナル作品。 ----------------------- 初体面の「半藤一利」と「宮崎駿」が、大正~昭和初期の時代や、『風立ちぬ』について、自由気儘に語った対談を収録した作品です。 ■第1部 悪ガキたちの昭和史 共通点は漱石好き 隅田川の青春と朝鮮戦争 日露戦争と建艦競争 狙われた半藤少年と「宮崎飛行機」 他 ■第2部 映画『風立ちぬ』と日本の明日 3・11のあとで 気の強い母・遊び人の父 とっつきづらかった堀辰雄 遅れてきた軍国少年の涙 他 初体面とは思えないほど対談内容が盛り上がっており、読む立場でも愉しむことができました。 東京の下町で少年時代を過ごしたり、「夏目漱石」好きだったり、兵器(軍艦と戦闘機の違いはありますが… )好きだったりと、二人に共通点が多いことから、対談が始めって直ぐに打ち解けて、意気投合したようですね。 大正11年のワシントン軍縮会議で建艦競争が停止となったことから、工員や鉄が大量に余り、それが橋の博覧会とも言われる隅田川の立派な橋の数々になったことや、 ドイツは黄禍論の本場で、日清戦争での三国干渉主導や、日露戦争でロシアの味方だったこと、そして第一次大戦では日本とは敵国同士、第二次世界大戦では仲間だったはずのヒトラーが『我が闘争(マインカンプ)』では日本を卑下している… そのあたりの事実から、実はドイツ人は親日家ではないということ、、、 等々、なかなか印象深い対談内容でしたね。 『零戦 その誕生と栄光の記録』の読後に感じた、『風立ちぬ』に登場する「堀越二郎」と、『零戦 その誕生と栄光の記録』の「堀越二郎」に違いや違和感については、本書を読んで解決、、、 『風立ちぬ』の「堀越二郎」は、「宮崎駿」の創作人物で、「堀越二郎」と「堀辰雄」と「宮崎駿」の父親… 三人の要素が織り込まれて創られた人物だったようです。 タイトルの"腰ぬけ愛国談義"ですが、二人の対談の以下の部分からネーミングされたようですね。 ≪半藤≫ 「日本は脇役でいいんです。 小国主義でいいんです。 そう言うと、世には強い人がたくさんいましてね。 そういう情けないことを言うなと、私、怒られちゃうんですがね。」 ≪宮崎≫ 「ぼくは情けないほうが、勇ましくないほうがいいと思いますよ。」 ≪半藤≫ 「腰ぬけの愛国論だってあるのだッ と声だけはちょっと大きくして言い返すのですがね(笑)。 へっぴり腰で。」 ≪宮崎≫ 「ええ、ほんとにそう思います。 いいですね、腰ぬけ愛国論か…。」 これって本当に同感です。 勇ましくしようとして失敗したのが、第二次世界大戦までの歴史ですからねぇ… これからも腰ぬけで良いと思います。 この会話が印象的で、イチバン共感できる内容でしたね。
0投稿日: 2022.07.18
powered by ブクログ宮崎駿の対談なんて面白いに決まってる。一言一言がワクワクするし、聞き逃したくない。一瞬で購入を決めた。 駿が対談相手に選んだという半藤さん、私は存じ上げなかったのだけど、著者紹介に2021年1月永眠とあって、つい最近のことでなんだか悲しくなった。帯にも「追悼」とあるもんね。 この本を読んでいる途中、最近たまたま録画していた山本五十六の特別番組を見ていたら、半藤さんがVTR出演されていて驚いた。対談から受ける印象そのものの、お上品そうな?おじさんだった。 2人とも好奇心旺盛で中身が若く、謙遜して相槌を打っているように見せながら知識披露合戦を繰り広げている。 p25 2人とも漱石のファンらしく、『こころ』について半藤さんが「遺書が長い」と言っていて笑った。やっぱり思うよね、あれは遺書の文量ではない(笑) 実は志賀直哉のためだったとは。 『風立ちぬ』エピソードは興味深い。最近じっくり見て、大人向けのいい映画だなと思っていたから。 戦争の話にもなって、そういえば駿は飛行機が大好きだったの思い出した。 p40 「艦橋」って初めて知ったけど、そういえば軍艦て、よくわからないものがデコボコうず高く積まれているイメージ。あれがただ見栄を張りたいだけだったとしたら、相当アホらしい。係長がいっぱいいる町役場って例えがぴったり。 p54 「五機つくって南方に送っても、着くのは一機だけ」「五機同士でアメリカと日本の飛行機がすれ違うと日本は一機だけ残って、向こうは一機が薄い煙を吐くだけ」 戦時中でさえみんな日本は負けだと分かっていたのに、なんで戦い続けるんだろう。いやそもそも、開戦前から勝てると思ってたのだろうか… p66 日本は自分の国をそもそも守れないそうで、守れないとなったら攻撃するしかない、「攻撃こそ最大の防御」だということで侵略主義に…ということらしい。ところが資源もないのでどのみち負けなんだそう。 勝つ負けるの問題ではないけれど、負けると分かっていても侵略だの攻撃だのって、いつか報われるとか、頑張ればもしかしたら戦勝国となり得るとか考えていたのだろうか… 安直で、愚かで、頭の中お花畑だなと思う、今の日本も。 p71 「いまもそうですが、この国は責任者というものがわからないような仕組みになっているんです。」 それは責任者と言えるのか?むしろ部下に押し付けたり、丸投げだったり、放置したり。自分の方が給料も待遇も良いはずなのに、後輩や部下を助けようとしない。でもそういう人は自分で自覚しているはずで、自信もないし罪悪感を感じているはず。必ず、相応の罰が下る。 p77 お二人によると、この先日本が世界史の主役になることはなく、脇役でいいそうで、強い人からしたら情けなく、勇ましくないように見えるが、そういう「腰抜け愛国論」というものもあるのだと…それでタイトルの意味が分かった。 p82 ジブリがデジタルになった理由が、フィルムだとお金がかかるからだったなんて。現像所も少なくて、フィルムの質を保つのも難しいと…フィルムカメラとデジカメのようなものか。最近そういえばBlu-Rayで作品を販売していたのも、劣化防止がきっかけだったのかな。 クリエイティブな仕事をしている人は、高齢になっても常に時代に合わせて最先端を取り入れていかざるを得ないこともあるんだなぁ。 p90 半藤さんの父は、太平洋戦争が始まった日に日本は負けると予想していたらしい。それも大声で吹聴していたらしく、近隣住民に密告されていたとか。区議会議員だったからすぐに釈放されたものの、異なる意見を持つ者であれば自国民でさえ切り捨てるその考え方が恐ろしい。 p95 半藤さん、ハチ公の銅像と、まだ生きているハチ公を見る為に渋谷に行った思い出があるらしく、ハチ公を見た人が平成(令和)に存在していたと思うと不思議な気分。 p113 駿のおじいさんの機転がすごい。大地震の直後に真っ先にご飯を食べて、お金だけ持って逃げて材木を買い占め、それを売って震災復興で儲けるなんて。さらに世界恐慌を他国のヒット商品のまがい物を売ることで切り抜けて苦労知らず… 知恵があり生きる力が強い人なんだなと。さすが駿の一族! p128 最近のジブリが昔のようにファンタジーじゃなくなったのって、リーマン以来、世の中の情勢が変わったからなんだ。世界が不安な時に、ファンタジーは空想的でチグハグな感じがするからなのかな。 私はリーマンショックの影響をもろに受けた世代だけど、でもジブリでは昔みたいなファンタジーも見たいなぁ。空想の世界で癒やされたい。物語の世界では現実を直視したくない。 p160 堀辰雄は戦時中に既に、戦後はEUのような国家間の連合が希望になると考えていたようで、いつの時代でも先のことを考えられる、時代の一歩先をゆく人は存在していたのだなと感心する。 p193 「この国はあいつのおかげで滅んだ」ほらやっぱり、責任をなすりつけている。対立する意見を自分の主張で納得させられなかったならそれはもはやどっちが良かった悪かったとは言えないのでは。最終的にどちらも意見を譲らず中途半端な飛行機が出来上がったのは、紛れもなくどちらにも責任がある。これが決定権を持った人のやることなんだろうか。この人達は仕事をしていないも同然じゃないか? こういう有能でないオジイサンの為に、何人の若者が亡くなったんだろうと考えると本当に虚しい。しかもオジイサンは生きている。国民は軍に対してなぜ反撃しないのか?と思うのだけど、それは当時の様子を知らないから言えるのだろうか。 p211 『こころ』のお嬢さんが2人の好意に気付いていたかについて。私も絶対気付いてないと思ってた。文面からはそんな要素が一つも感じられない。Kとは仲良さそうな印象を受けたけど…だから先生が急にお嬢さんのお母さんに娘さんをくださいと言う場面、お嬢さんの意思も確認せずモノのように奪う感じがして、何か不愉快。 あと主人公と未亡人のお嬢さんが結婚はどう考えてもないでしょう。 p221 「民草は食うのに一生懸命」「ほとんどの人が刹那的」…では戦争以前は、戦中・戦後を想像できたのだろうか。どうやって戦争に突入していったんだろう。覚悟はあったのか。 よく思うのが、戦争中、南国の真っ青なスカイブルーの海を見て、戦争する気が起こるもんなのか、あんな美しい海の上で殺し合う気なんて起こるのかと思うけれど、命じているのは安全な場所にいる参謀本部なわけだから関係なかった。 令和の現代も、若者はお金もないし未来は不安だらけだし、一生安泰な職業なんてもはやない。国が不安定だと国民は刹那的に生きるしかなく、悠長に未来を考える間もなくなるのか。 p234 「エネルギーが石油に移行することをしっかり認識しておれば、次の戦争の主役は飛行機と戦車と潜水艦になるということがわかったはず」 p235 エネルギーの大転換は歴史の節目節目に必ずやって来るものだが、日本人はそのことに対して鈍い民族… 国家そのものが何事も後手に回る受け身だし、刹那的。他国の真似は得意だが、リーダーには向かず、非合理的で決断が遅い。結局、得意だったことも次々と外国に乗っ取られてしまう。 思考停止と無責任の集まり、それが日本…なんでしょうか。誰か否定できるならして欲しい。 p238 ソナーやレーダーの話、呆れて笑えるほど非合理的。駿に発想が役所で、バカとまで言われる海軍。上がポンコツだと下は失わなくて良い命が失われるんだなぁ。どうしてダメだと分かっていて、発言や改善ができないんだろう??日本人に限らずなのかもしれないが、本当に非合理的で、無駄に空気ばかり読む「動物」なんだなと思う。空気が何か解決してくれるんでしょうか。そして大して読めてもない。 p242 「歴史は四十年サイクルで盛衰して行く」という半藤さんの「四十年周期説」… 面白い。2013年の当時で「失われた20年」だとすると、1990年頃から確かにバブル崩壊の影響で不況が始まり、となると2030年代頃にはどん底を迎え、それ以降は上昇していくのだろうか…だったらいいな。 p243 私も年金のために子どもを産まなきゃいけないなんて馬鹿げていると思う。どうしてそんなに視野が狭くなるんだろう。目的は、子どもを増やすことじゃないでしょ。その考え方は中国のひとりっ子政策と一緒。人権がない。不自然。 それに今の若者は昔ほどお金や心に余裕がない。希望もない。生まれたときから不況なんだから。 だからこそ社会制度を変えるとか、あるでしょ。 皆が快適に暮らしたいという目的の為に、手段を間違ってはいけない。国民同士で揉めてどうする。そんなことより全世代、選挙に行った方がいい。 p245 確かに日本は着るものや食べ物など、自国で何も作ってない。そして国民は自覚していない。 私は水が奪い合いになるかも…という話は聞いたことがある。そうなったら地球が終わる、ぐらい恐ろしいことだなと思った。 p247 尖閣の問題、2人は棚上げしたほうが良いという意見なんだ。先送りではなく、堀辰雄が考えたように東アジアにEUのような制度を作って、未来に希望を見出す形で。個人的にはアジアは個性が強すぎてまだ難しいとは思うけど。 テレビで、戦争を起こさない為に地球全体を連合国のように考えて国境を無くすのはどうかという考えも聞いたことある。 もしかしたら、これからの人達には国境なんて見えなくなるのかもしれない。でも決して、戦争をしたらどうなるかは忘れてはいけない。戦争で解決なんてしようとしてはいけない。 p267 半藤さんのあとがきがまた素晴らしい。 「いまの日本の政治は期末利益優先の株式会社の論理で国家を運営している。わたくしにはそうとしか見えません。とにかく目先きの利益が大事であって、組織そのものの永続は目的ではない。自然資源や医療や教育や自活の方策など、国民再生産の重要課題などは後回しで、その日暮しで、国民の眼くらましとなる利益のあがる政策最優先です。」 「でも、「国家百年の計」という言葉があるように、百年スパンでことを考え構想し、それへ一歩踏み出すのが国家運営の責任をもつ人たちの仕事だと思うのです。」 先日、私の祖母が最近の政策を鑑みて今の若者はかわいそうという話をしていて、ハッとなった。 人口に対して高齢者が多い→票を得るために高齢者向けの政策ばかり作られる→高齢者向けの政策を作った政党に投票される→若者が不利… と考えていたけど、勝手に高齢者VS若者のような構図になっているけれど、若者や未来の日本のことを考えてくれる高齢者はいる。やっぱり社会問題を身近に捉えているし、それに対する見解も長年の経験や勘から的を射ている。 逆に若者の方がまだ人生経験も浅く、自分の未来に降りかかるであろう問題が見えていない、実感がない。けれどこれから苦労するのは明らかに若者だ。 だから、高齢者と若者と分けて対立させるのではなく、協力してお互いの良いところを掛け合わせる。高齢者には若者のアドバイザーやコンサル的な立場になってもらい、若者はその情報を元に未来への対策を構築し、実行する。 人間の一生はそんなに長くない。何の情報もなく無策で生きていると、要領を掴んだ頃には寿命を迎える。それは知能の高いはずの人間には勿体無いことではないか。 0から人生を始める必要はない。言葉や本やメディア等で先人の知恵をお借りして、目一杯利用する。 どうせなら自分が生きている間に、世の中が目まぐるしく発達し、より生きやすくなっていけば幸せじゃないか。 私達の世代は生まれた時から未来に希望が見えず、不安だらけで期待もしていなかったけれど、まだ諦めなくても良いのかもしれないと思える。 きっとこの対談の二人や私の祖母、その親世代が若者であった時代は生き残ることさえ難しかったと思う。 それでも生きて、今の若者世代を慮る人がいるということは、若者にとって非常に心強いことではないかと思う。 半藤さんも期待していたジブリの次回作、まだかな…。 20220508
8投稿日: 2022.05.08
powered by ブクログ読後、映画「風立ちぬ」を見ると、その背景が一層理解できる。 設計者として美しいものを作る。目先の利益ではなく、国家百年の計として未来を構想することが出来るか。 先が見えなくても、いや真っ暗でも意思の強さ、美しさ、悲しさを知ることができる。希望、理想を捨てるなかれ。 風立ちぬ、いざ生きめやも。 ヴァレリーや堀辰雄、漱石のメッセージもそうなのかもしれない。 しかし、映画は詰め込んだ感じで、一回では分からないでした。
0投稿日: 2021.10.10
powered by ブクログ好きな2人の対談。 宮崎監督が半藤さんとの対談を希望された様で、 終始半藤さんと会話出来るのが楽しくて仕方ないといった印象を文章からも受け、読んでいてこちらもワクワクする。 愛国談義とはあるけれど、直接的な政治発言は少なく、風立ちぬ公開あたりの対談なので、風立ちぬに関する話題がメイン。その中で戦争体験の話がチラチラと出てきて、お二人の反戦への想いが見え隠れする。 半藤さんが亡くなられたので、もう2度とこの対談を見る事は出来ないのかと思うと寂しい。
9投稿日: 2021.05.15
powered by ブクログ映画「風立ちぬ」公開に合わせて、公開前と公開後に実現した長時間座談の内容を記録したもの。半藤一利さんの追悼特集を読んで、やはりちょっとは読んでおきたいと思い手に取った。宮崎駿72歳、半藤一利83歳、8年前の対談である。 お二人とも軍事オタクだから、軍艦や飛行機の話になれば花が咲く。そのあい間にお二人の半生もちょこちょこ出てきて面白い。そしてやはり「風立ちぬ」の中身に突っ込んだ話が半分くらい占めて、私はあまり評価していなかったこの作品をも一度見直したくなった。 以下面白かった部分の要旨を箇条書き。 ・半藤一利「日本は、海岸線が長くて、資源が無くて、守れない、持てない国だ。それなのに、基本的には外交で守るしかない、とは誰も思わなかった。生命線とか愚かな思想が出てくる。現代は、長い海岸線に54基もの原発を無計画につくる。原発のひとつでも攻撃されたら、日本が滅ぶというのに。この国は武力による国防なんてどだい無理なんです。日本は脇役でいいんです。小国主義でいいんです。(66-69p) ・宮崎駿「アニメはこの50年でやり尽くした。あとは子供の人口が減って、どんどんジリ貧になる。大人の観客が増えて鈍化はしたけど、流れは止まらない。 ・宮崎駿「新河岸川の5分アニメを企画したことがある。郷土資料館で使ってもらえないかと。舟運の仕組み・歴史が一眼でわかる。でもついつい作ろうとすると30分ぐらいになっちゃう。 ・宮崎駿「堀越二郎のことを描かないと、かつてのこの国のおかしさは出てこない。(略)これを描くと子どもは土俵の外に置かれる、と言ったら誰かが「あとでわかる時が来るかもしれませんよ」と言って「そうかもしれない」と思ったのです。(略)あの時代を代表する二人は、自分にとって堀越二郎と堀辰雄だったんです。零戦だって、ぼくは描きたくないと思っていました。(略)終わりの草原はノモンハンのボロンバイル草原だよ、とスタッフに言っていた。(略)庵野は選びあぐねていた時に気が付いたんです。庵野秀明と出会ったのは、ぼくが43歳、彼が23歳、最初見た時は宇宙人がきたと思いましたよ。とうとうこういう人間が日本に現れたか、と。近頃ではいろいろなものを背負って歩いている。ギリギリのところで生きている。(略)やっぱり存在感が大事なんです。思い入れたっぷりに演技されるよりも、ボソッと喋ってくれた方がいいんです。 ・宮崎駿「堀越二郎は、真面目に一生懸命に仕事をしている。世界がいろいろ動いてもあまり関心を持っていない日本人。つまり、(宮崎駿の)親父です。(略)みんな刹那的でした。ドキュメンタリーをやってくれる人はいっぱいいますから、それはお任せしておいて、ぼくはやっぱり親父が生きた昭和を描かないといけないと思いました。 ・半藤「まだうまくいっていませんが、それでも東アジアが向かうべきはEUのような方向ですよ。 宮崎駿「ええ。それしかないですよね。 ←このことに関しては、私も全く「それしか無い」と思う!!
36投稿日: 2021.04.18
powered by ブクログ半藤氏の宮崎監督作『風立ちぬ』鑑賞を前後して対談しているため、前後の2部に分かれています。 自然と内容は『風立ちぬ』に巡るものが中心となっており、後半はとくに半藤氏が監督へのインタビューを務めたものとしても読めます。仮に他のインタビュアーであれば宮崎監督に恐る恐るお伺いを立てる形になっていたかもしれませんが、半藤氏が当たることで素朴な質問に宮崎監督が率直に答えていて、『風立ちぬ』の背景が理解しやすくなっています。上映に合わせたこの対談は、とても良いタイミングと人選で行われたと思えます。 映画も含めて、二人の共通するテーマとして軍艦や戦闘機、戦争前後の日本、夏目漱石についてとくに多く触れられます。このあたりの話題や『風立ちぬ』に興味を持っていない方にとっては、取っかかりがなく感じるかもしれません。
3投稿日: 2020.07.22
powered by ブクログ風立ちぬを観て、読売新聞のコラムを読んで急いで読む。昭和の歴史の理解を助けてくれる。部屋の隅の風とおしのよいところで大人しくしている、という表現がぴったり来る。本当に全力でよく生きていく必要が出てきた。
0投稿日: 2020.04.03
powered by ブクログ2020.3.23 26 職場で読了。2人とも好きなので面白かった。草枕読まなきゃ。 中国が崩壊する未来。蔓延る未来。どうなるだろう。 半藤さんの母親の死に様。100歳まで生きる。100歳の記念をもらった後、もうやめたと言って、物を食わず、100歳と3ヶ月で死ぬ。ハニートラップナチス。
0投稿日: 2020.03.23
powered by ブクログ風立ちぬ が大ヒット上映中!の時に買った積ん読本。最近金曜ロードショーで放送されたので読みたくなってやっと読めた。 昭和のお父さんたちが昔を懐かしんだりスパッと斬ったり、平成が終わろうとする今昭和に想いを馳せました。『風立ちぬ』もう一回見たくなります。
0投稿日: 2020.03.21
powered by ブクログ宮崎はもちろん飛行機マニアで最後の長篇として大人向け戦前日本が舞台『風立ちぬ-生きよう』を作った。アニメを五十年作ってきて「もう無理」「トトロ続篇は緑が昔と違うので描けない」300×180のセル画で零戦の独特なカーブを描くのは困難。でも出さない訳にもいかない。半藤は少年時代、米軍機から機銃掃射された体験があるので軍艦マニアだと言う。大正大震災で被服工場跡地から助かったとは。軍国主義と見られるのを警戒してか、表題の如く「司馬遼太郎の言うように日本は表座敷に上がろうというのは思い上がりだった」という。 戦前も日本は民主主義で議会で大陸利権に関する議論が行われた。今の北朝鮮のような先軍主義ではない。戦前日本を『軍国主義』と言うのは変な言葉で、東條英機など軍人は日米開戦は破滅とわかっていた。ただし政治家も国民も保護領を持つことを禁じられる(国家としての体面を失う)のには堪えきれなかったに違いない。核兵器時代になって アイゼンハワーは「先制攻撃は許されない」としたが、真珠湾攻撃の前にはアメリカから耐え難いほど挑発があった。隠忍自重できるのは余程腰抜けか、冷徹な独裁者だけだろう。
0投稿日: 2019.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・「太平洋戦争 日本航空戦記」の表紙を谷井健三という絵描きひ書いてもらった際に「どうしても描けない」と言った ・才能のない連中が戦争をしたがるのである→才能のないものが成り上がるための時代への皮肉
0投稿日: 2019.08.13
powered by ブクログ読んでるうち、「なんでェ、あれもこれもそれも、別段大した問題じゃねェんだな」と肩の力が抜けていく一冊。
0投稿日: 2018.01.08
powered by ブクログ半藤 一利さんという方は、知らないです。けど、三国志についての対談本が出ていたので買いました。 「バカの壁」の人との対談よりは、おもしろく読めました。 まあ、それでも宮崎 駿は、基本的に人の話聞いちゃいないんですけどね。 それでも、政治的な話が全面にでないで、自分のマニアな趣味とかが中心になっていた方が魅力的だし、素直で楽しいと思います。 心性としては、実は宮崎 駿って、百田 尚樹とそんなに変わらないと思います。
0投稿日: 2017.12.27
powered by ブクログ普段読まない類の本でしたが、「風立ちぬ」をみたのもあって、映画のシーンを思い出しながら楽しめました。また、この本を読んで、半藤さんの本、夏目漱石の本にも興味が湧き、読書の幅が広がる良いきっかけをいただきました。 実際、話が飛び飛びでいろんな話が繰り広げられるので、知識の乏しいわたしには辛かったですが、対談という形だったので、読み進めるのに苦痛はありませんでした。 おふたりのように、物事を深く捉え考えられる人になりたいです。 もう1度、「風立ちぬ」見たくなりました。
0投稿日: 2017.02.01
powered by ブクログビブリオバトルのお勧め本で、半藤一利と宮崎駿の対談本。 「風たちぬ」公開前後に行われ、昭和史とそれにまつわる自己体験を織り交ぜ、面白い対談となっている。 ・日本は海岸線が世界で6番目に長い。米や豪より長い。そして背骨のような山脈があり、人は殆ど海岸線に住んでいる。軍事力でこれを防衛するとなると強大な兵力が必要で、ここから攻撃が防御という発想が出てしまう。全国の海岸線に原発が54基もあり、これを攻撃されたら終わり。(半藤) ・昭和38年に鉄腕アトムが始まり、私はアニメの世界に入り50年が経った。もう昔のアニメも終わり。(宮崎)(ビートルズのデビューもこの年) ・日本は今後世界史の主役になることは無い。小国主義で行くべき(半藤) ・堀越二郎の声に庵野は当初苦労していたようだが、後にはもう堀越としか思えなくなった。(宮崎) ・旧海軍でソナーに抜群の力量を発揮したものが、成績が良いので大和とかに配属され、耳も勘も悪いものが潜水艦ソナー員になった。勝てるわけが無い。(半藤) ・バカですね、海軍省も本当に役人なんですね。(宮崎)
2投稿日: 2016.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「愛国談義」とタイトルにあるが、中身は夏目漱石の話から始まり、新作の「風立ちぬ」の話、そこから発展して関東大震災や太平洋戦争へと続いてゆくが、話はこれらのテーマを行きつ戻りつして、取り止めがない。あちらこちらに面白い話がちりばめられている。どれか興味がある話があれば、「なるほど、なるほど」と思って読めば良い、そういう気楽さのある本だけれども、中身は濃い。 半藤さんはあとがきでこのように書いている。 「いまの日本の政治は期末利益優先の株式会社の論理で国家を運営している。わたくしにはそうとしか見えません。とにかく目先の利益が大事であって、組織そのものの永続は目的ではない。自然環境や医療や教育や自活の方策など、国民再生産の重要課題などは後回しで、その日暮しで、国民の眼くらましとなる利益のあがる政策最優先です。」 本当にそうだと思う。今の日本は行先が定かではない、その不安を誤魔化すように毎日毎日景気動向の話で盛り上がっている。でも肝心の行き先は誰にもわからない、そのことを正視するがこわくて、『一億総活躍社会』なんて言葉が出てくるのだろう。 第2部の終わりの方に”「持たざる国」の将来のこと”という章で、宮崎さんが「健康で働く気があれば大丈夫。それしかないだろう」「不安がるのが流行っているけれど、流行に乗っても愚かなる大衆になるだけだからやめなさい」「不安なときは楽天的になって、みんなが楽天的なときは不安になれ」と言っているのが面白い。「「この生き方が正しい」なんて、そんなこと決めないで、いろいろでいい。困るときは、みんなで困るしかないんです。オタオタするなら、みんなで一緒にオタオタするしかない。」とにかく生きろ!と言われているようで、なんだかよくわからないけれど、ふっと笑ってしまう。そしてふっと肩の力が抜けたところで、さぁもう少し頑張ってみるか、と思える言葉だ。 ただ「今日本で着るものも食うものも自分ではつくっていませんね。そのことは、あんまり大丈夫じゃないなぁ」「しかもいまの日本人には、この国には資源がないという発想がない」ともいっている。「持たざる国」であるという発想がない。それではどうすればいいのか・・・?この後宮崎さん半藤さんなりの意見がもちろん書かれているが、それこそ「この生き方が正しい」なんて決めないで、それぞれがオタオタと生きればいい、そういうことなのだろう。
0投稿日: 2015.11.13
powered by ブクログふたりのおじいさんが好きな話題でしゃべり続ける、考え方の方向性はいろいろあっても愛国談義だ。 知識としてもっていない話題は分かりにくかったりするけど、ふたりの話しを横で聞いている気分だとすると、いろいろ興味もわいてくる。 じぶんたちがジジイになった時にこういうはなしができるかな…
0投稿日: 2015.04.23
powered by ブクログ(隅田川の環境は)昭和二十四年、二十五年、ぐらいまではよかったん 朝鮮戦争というのは、戦後日本をある意味では救ったのですが、いっぽう日本の自然をぶっ壊す最初のきっかけだったのではないかと思います。 つくづく思うのですが、この国は守れない国なんです。 海岸線が長い。世界で六番目に長い。アメリカよりもオーストラリアよりも長いん ライト兄弟がはじめて飛行に成功したのは一九〇三年
0投稿日: 2015.03.15
powered by ブクログ博覧強記のお二人なので話について行くのが大変。書き起こしも編集もそれなりの知識がないと話が繋がらなくなるので大変だったのでは…。 直接的な「愛国論」的なものは終章のほんの一節に登場します。 あとは行間と文脈で判断してください。
0投稿日: 2015.03.04
powered by ブクログ半藤さんと宮崎さんの対談 「風立ちぬ」試写会の前後で行われた 漱石、ゼロ戦、堀辰雄、堀越二郎など
0投稿日: 2014.12.07
powered by ブクログ83歳と72歳の対談。 この年頃の方のお話を聞くのが大好きな私にはたまらない一冊。「腰ぬけ愛国論」という発想も好き。
0投稿日: 2014.09.23
powered by ブクログ異色な組み合わせの対談。 果たしてどんな会話になるだろう?と全く想像がつかない組み合わせって、ついつい読んでみたくなる。 そのうち一人が半藤さんときたらもう読むしかない。 これまで、「昭和史」しか読んだことはないが、それがとても楽しい読書時間で。 戦争を生き抜いた人たちが語る戦争は、教科書で読むような話とまるで違う。お二人とも、様々なことを知っているため、その知識の幅広さに驚かされっぱなし。 こんな会話が、楽しめるような大人になれるといいな。 「風立ちぬ」見てみよう。「草枕」読んでみよう。「隅田川の向こう側」読んでみよう。
0投稿日: 2014.09.14
powered by ブクログ【世界の宮崎駿×歴史探偵・半藤一利が語り尽くす!】ゼロ戦設計士・堀越二郎をモデルに『風立ちぬ』を制作した宮崎駿が、敬愛する半藤一利のところへ話を聞きに行く! 完全オリジナル。
0投稿日: 2014.09.09
powered by ブクログ「未来少年コナン」や「ラピュタ」、「カリオストロの城」など宮﨑駿の描く廃墟が好きだ。その宮﨑氏が零戦とその設計者たちを主人公とする映画を制作した。平和を希求しながら廃墟を執拗なまでに美しく懐かしく描くのは何故だろう?どうして今回は戦闘機?と頭が混乱している。 同時期に公開された「永遠の0」の原作者とは歴史認識を巡って意見の対立があったようだ。でも「永遠の . .」はCGの一部しか見るべきところはないから。 それにしてもお二人の教養はすごい。
0投稿日: 2014.08.21骨太の愛国談義
映画「風立ちぬ」を見て、この本を読もうと思いました。 はっきり言って面白かった。2人の生々しい人間性が、対談という形を通して浮き上がって見えてくる感覚に、思わずのめり込み、引き込まれました。 2人ともにずいぶん年齢を重ねて来られたのに、若い頃、小さい頃の事をよく覚えておられて、私の知らない昭和史を分かりやすく、時に面白く語りかけてもらっているような感覚になりました。 この人たちはどうしてこんなにはっきりと当時の事を覚えていらっしゃるんだろう、と不思議に思いつつ読み進めていきました。人が記憶している事は人に伝えたい事でもあるのですよね。昭和のある一時期、日本は間違った方向に進んでしまった。二度とあんな過ちを繰り返してはいけない。そういう思いで、何があの時代にあったのか、私たち次の世代に伝えたくて、その事を記憶してこられたのでしょう。私たちの世代には、その記憶をできるだけ正確に理解し、また次の世代に伝えていく責務があります。 太平洋戦争を経験した人の話を聞くということを、その大切さを改めて痛感した本でもありました。
3投稿日: 2014.07.05
powered by ブクログ日本を愛する大先輩二人が楽しく話されているのを、こちらも楽しく読ませていただきました。 映画「風立ちぬ」をきっかけに次々と浮かび上がる昭和の記憶。 半藤さんはそれをこれまでの著作で残してきているし、宮崎監督も映画という形で自分なりに残しておきたかったんだなぁと改めて感じました。 半藤さんの聴き方の巧さといったら…さすがすぎる! いい年なのにいつもどこか不安がっている自分を励ましてくれた一冊です。
0投稿日: 2014.04.06
powered by ブクログ30年後にはアジアも共同体になると考えれば、領土問題は先送りでもいいのでは?というのはなるほどと思う。◆◆漱石の草枕が俳句小説なのか…◆堀辰雄はよまないといけないのかな。◆◆隅田川の橋が、ロンドン軍縮会議の余波で軍艦の材料だったとは。◆◆ドイツ人は日本人が嫌いであること。
0投稿日: 2014.03.29
powered by ブクログ作家 半藤一利と映画監督 宮崎駿の対談集。映画「風立ちぬ」を核に、二人の戦中戦後の思い出、漱石「草枕」、戦闘機、日本が失った自然や現代のこの国の問題点など、様々な視点を絡めた構成となっています。「風立ちぬ 」の背景にあるものを知ることができるのも中々興味深いです。
0投稿日: 2014.03.21
powered by ブクログ★2013年12月19日読了『腰抜け愛国談義』半藤一利 宮崎駿談 評価B 夏目漱石のファンである二人が草枕談義を手始めに、戦前 戦中の思い出と飛行機、戦艦への熱い想いを語る2日間の対談を収録した本 風立ちぬを含め、アニメ制作の時に思い入れを込めて200%描きこむ所と手を抜いて帳尻を合わせたところを宮崎は語る。 最終作の風立ちぬが公開されたときに、零戦のアニメと聞いて、いきり立った隣国のネット住人達が早合点のお馬鹿だったことは、この本で語られる宮崎の本音で理解出来る。 また、相当な気を使って今回の作品を誤解されないように制作していたことも彼の言葉から良く分かる。 正に腰抜けの愛国少年だった訳で、ただひたすらに飛行機が大好きなオヤジであり、子供が、日本が好きなおっさんなのだと知れる。 まあ立ち読み2時間で読めば十分な一冊ではある。
0投稿日: 2013.12.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画『風立ちぬ』の前説的な対談本。 半藤さんは、宮崎作品のうち『となりのトトロ』と『紅の豚』しか観てないそうだが、ぼく自身『カリオストロの城』と『もののけ姫』しか観ていない。ヒドイでしょ(笑) それが何でこの本を読んだかと言えば、半藤作品のファンだと言うことと、宮崎さんの発言に納得させられることがあるから(ホントは、タイトルに惹かれたのかもw)。 「漱石好き」という共通点からはじまった対談は、与太話も織り交ぜながら、近代日本史の話、軍艦や軍用機に関する「ヲタク」的話、映画『風立ちぬ』の内容の検証、これからの日本と世界などへと続いていく(文字起こしと構成は、とてもたいへんだったに違いない - 苦笑)。 映画『風立ちぬ』を観終わったあとに読むと、読後感がより深まるのかもしれないけれど、劇場では観ないと思うし、DVD化されても借りるかどうか……(ちょっと観たくなったのはたしかだけど)。 対談中、半藤さんに何度か「次回作を持つ」と言われた宮崎監督。果たして引退の撤回はあるかな? あとがきで半藤さんが「日本の政治の株式会社的運営」について触れているけど、最近内田樹もTwitterでそんな発言をしてて「あっ!」と思った。 「草枕」読まなくちゃ!
0投稿日: 2013.11.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
漱石の「草枕」が最高傑作だと言うことで2人の意見は一致し、談論風発。反戦主義者でありながら、軍艦そして零戦が好きだという2人の対談は、「風立ちぬ」の背景について非常に深い。また裏話が楽しい。2人とも隅田川と縁がある!2人の父・母などの話しに及び彼らを理解するためにも有益。半藤の父が開戦の日に「この戦争は負けるぞ、お前の人生も短かったなあ」と息子に語る言葉は凄味がある。「風立ちぬ」は堀、堀越、そして宮崎の父の3人が組み合わさったモデルだという秘密も明かされる。零戦の型式に煩い人もいるなど、絵に描く難しさは宮崎の言葉で初めて分かる。神西清が堀辰雄を「詩を散文で書く」と評した言葉は全く同感!話はあちこちに飛ぶがとにかく楽しい逸話の連続。
0投稿日: 2013.11.12
powered by ブクログswitchインタビューでもやってたけど本書の方が詳しい。「女の人は将来が不安であればこそ子どもを産んだほうがいいです」という意見が胸に響く。
0投稿日: 2013.10.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
付箋つけたとこ。 ・漱石「坊っちゃん」は中学校を下敷きにして大学を皮肉っている。 ・「こころ」の奥さん……女の人が思われていることに気づかないわけがない。 ・「草枕」のユートピアは俳句が下敷き。 ・零戦は描くのが難しい機体。 ・日本は守れない国。資源を持たざる国。だから原発を。 ・大和や武蔵は武力誇示宣伝に使えばよかったのに、あえて隠匿した。 ・腰ぬけ愛国論だってある。 ・ひとつのジャンルは50年。アニメも。鉄腕アトムがちょうど50年前。 ・実際に立っていた建物と、現代の観客がそれを無化の姿と思えるかどうか。 ・隅田川には空母の代わりに橋が建てられた。 ・芥川を主役にした探偵モノ。とぼけた推理の漱石。 ・堀越二郎と堀辰雄を宮崎監督の親父を重ねて描いた。 ・自分が一番美しかった時を、時代のせいで失ってしまった人たち。 ・神西清。「詩を散文で書ける人はあまりいない。¥: ・堀越は山師。本庄は生活人。 ・ジャン・カプローニ=ルネッサンスの人。 @@@@@ 2013年9月に初読。 2020年8月に再読。 付箋つけたとこ。 【第一部】半藤が映画を見る前。 ・駿は「草枕」好き。半藤、何でも則天去私と言う小宮豊隆はつまらない、一種のファンタジー、桃源郷だ。 ・漱石「坊っちゃん」は(松山時代の中学校を下敷きにして)東京大学を皮肉っている。 ・「こころ」の奥さん……女の人が思われていることに気づかないわけがない。 ・新聞の後続の志賀直哉が書けないというから、「こころ」は延ばした。 ・「草枕」のユートピアは俳句が下敷き。 ・駿、大和と武蔵がかっこいいと思う自分と戦ってきた。 ・零戦は描くのが難しい機体。 ・日本は守れない国。資源を持たざる国。だから原発を。 ・大和や武蔵は武力誇示宣伝に使えばよかったのに、あえて隠匿した。 ・腰ぬけ愛国論だってある。 ・ひとつのジャンルは50年。アニメも。鉄腕アトムがちょうど50年前。 ・デジタルにすると赤が強烈な蛍光色になってしまう。 ・実際に立っていた建物と、現代の観客がそれを昔の姿と思えるかどうか。 ・隅田川には空母の代わりに橋が建てられた。 ・関東大震災、祖父、これはダメだッ。すぐ飯を炊けッ。 ・芥川を主役にした探偵モノ。とぼけた推理の漱石。 【第二部】半藤が「風立ちぬ」を見た後。 ・駿、おやじは実は前妻があったが、病死している。 ・堀越二郎と堀辰雄と宮崎監督の親父(シティボーイ)、三人を重ねて描いた。……父を重ねていたと、他の関連書ではあまり言及していなかったはず。 ・母親の脊椎カリエス。胎教にうっかり「フランケンシュタイン」。 ・自分が一番美しかった時を、時代のせいで失ってしまった人たち。 ・神西清。「詩を散文で書ける人はあまりいない。優秀なのは堀辰雄だ」 ・堀田善衛は、堀辰雄に「文学者になるなら文学を生活しなさい」と言われた。 ・漱石は人生で三度万歳と言ったらしい、と芥川。上田敏がヨーロッパ外遊、そのお祝いの席で小さい声で言っていたとか。 ・零戦ではなく、堀越の生きた昭和史を描こう。 ・遅れて来た軍国少年。 ・ドイツは親日的ではないのに、海軍はドイツ好き。なんでも士官にドイツ女性をあてがわれていたから、とか。 ・堀越は山師。本庄は生活人。 ・声優よりは、存在感のありなし。 ・ジャン・カプローニは、ルネッサンスの人。 ・中島飛行機が牛で引っ張った道、あまりにも凸凹しているのでコンクリートで舗装、実はそこが「トトロ」のバス停。
0投稿日: 2013.09.21
powered by ブクログ宮崎駿と半藤一利の対談本である。宮崎駿の引退により、また、「風立ちぬ」の公開により、話題となっているものだ。「風立ちぬ」に関連した話題も多く出て来て、とても面白かった。昭和という時代の証人たちの言葉としても興味をそそられた。
0投稿日: 2013.09.14
powered by ブクログ風立ちぬは生きる事が困難な時代を描いたという。私は二十代で、その時代を良く知らない。戦前・戦中生まれの二人の対談で浮かび上がる当時の東京を、今と重ねながら読んだ。特に半藤さんの東京大空襲時の隅田川に飛び込む話は生々しかった。靴が無ければ歩き出す事すら出来ない。私も半藤さんに靴を差し出した方のように、風立ちぬの堀越二郎のように、そのとき、振る舞う事が出来るか。3.11の時、私は何も出来なかった。いつかまた事が起きた時のために、そんな自分は忘れたかのように、試みなければならない。
0投稿日: 2013.09.09
powered by ブクログブログに掲載しました。 http://boketen.seesaa.net/category/20284667-1.html 半藤の「腰抜けの愛国論」を国論にできないものか
0投稿日: 2013.09.03
powered by ブクログ少し難しかった^^; でも、少しは響いてくるものはあった。 木を植える、これは素晴らしいと思った。 前途多難の中、いざ、生きねば‼
0投稿日: 2013.09.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画「風立ちぬ」を通した日本の近代史をテーマに語り合う日本国論。宮崎駿がこの映画で描きたかったものは、決して堀越二郎という設計者でも、妻とのラブロマンスでもなかったようだ。更には戦争そのものでも無かったのかもしれない。むしろ失われていく風景、社会、時代といった、あの頃の空間を記録したかったのではないだろうか。なぜ日本は過ちを犯したのか、その反省が不十分なために、またぞろ同じような勇ましいことを言い始める人が増えてきた。どう考えてみても、また同じような失敗を繰り返すように思うのだが。日本人はこれほど「学べない」民族だったのか…。
1投稿日: 2013.09.01
powered by ブクログ戦中、戦後、同じ時代を生きた二人の対談。 映画「風立ちぬ」は宮崎駿のある意味でエゴを表現したもの。 その中に商業ベースのものは抜き去られている。 商業ベースを抜きに自己を表現できるところに真の芸術が生まれてくるのだと思った。新鮮。 映画「風立ちぬ」から、大きな問いかけを受けたような気がする。何を感じるべきか、ということを。ある意味ではとても難解な映画。 この本を読みながら、その解を少し探し出すことが出来たような気がする。 原風景、緑と水。美しい国の姿が残っていた昭和初期をこの映画では描こうとしたのだろうし、当時の人々が、こだわりを持って生きること、必死に生きることを、ごく自然としてきた時代なのかもしれない。 それを恒久的なものとしていこう、というメッセージなのだろうか。 二人とも夏目漱石ファンであることは嬉しい事実。 以下引用(あとがきから)~ 「風立ちぬ、いざ行きめやも」 お先真っ暗であっても、いや、真っ暗であることによって、人間はより生きる意志の強さや美しさや悲しさを知ることができる。若い人々よ、希望というもの、理想というものを捨てることなかれ、ということだと思います。 それはまた宮崎監督の最新作の映画「風立ちぬ」の主題でもあるのです。
0投稿日: 2013.08.28
powered by ブクログ2013/08/20-08/26 表紙にそそられて購入。 カプローニCa60型飛行艇の写真を見て世界には天才と言われる変なおじさんが多数いたことに驚愕。 半藤一利さんと宮崎駿さんのちょっぴり意外な関係。30年後のアジア連合加盟の為に今ある日本をどうするかが問われている。
0投稿日: 2013.08.28
powered by ブクログ宮崎アニメと風立ちぬに関するトリビアが楽しい。 あとは、滔々と流れる昔の話。楽しそうに話をするお2人を立ち聞きしてる感じで楽しい。思想的なこともチョコッと出てくるけど、殆どは楽しい話。 でも、そのなかに、宮崎監督の矛盾を垣間見る気が下する。兵器好きと戦争反対。中国好きと欧米への憧れ。ご両親への複雑な感情(もちらっと)。 それらの矛盾を抱え込んだままなのが凄いという気も。懐の深さ。衝突から生じる創造性?
0投稿日: 2013.08.27
powered by ブクログお気楽に読ませてもらいました。いい感じの対談です。 それにしても半藤一利、宮崎駿のお二人は色々知っておられるなーと。文学も資料も読んで調べて頭に入ってて、すぐアウトプットできるんだな、と。全然ボケてない。羨ましい限り。
0投稿日: 2013.08.25
powered by ブクログ宮崎監督と、昭和史の大家半藤氏の「腰抜け」対談集。 なんか、好々爺のお二人が茶飲み話をしているような雰囲気です。 「風立ちぬ」の映画を見たばっかりなので、その関係のネタも興味深かったです。 あと、飛行機関係も。
0投稿日: 2013.08.25
powered by ブクログアニメ『風立ちぬ』の裏話多数あり。 しかし本書の魅力はそこにあるのではなく、タイトルにある通りの”腰抜け愛国談義”そのものである。声高に他国を排斥することが愛国なのではない。「安っぽい民族主義は、国を誤らせるもと」(p.75)と言う半藤氏の言葉はけだし名言だと思う。
2投稿日: 2013.08.19
powered by ブクログ戦争に対するマニアックな視点に対してよりも,戦争を通じ,現在を如何に解釈し,将来をどのように考えているのか,の一端に触れることが出来る.二人とも言わんとしているところが,矢張り日本人に必要なのは情緒である,という点に収斂するのが興味深い.此の二人をして腰抜け,というならば,現状に目を向けない・向けることすら理解出来ない現役の我々は一体何なのか.
0投稿日: 2013.08.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世界のミヤザキと昭和の語り部がニッポンを語る。 宮崎作品最新作「風立ちぬ」で描かれる昭和史を たどりつつ、持たざる国・日本の行く末を思料す る7時間余にわたってくり広げられた貴重な対談 を完全収録した、オリジナル作品。 半藤一利と宮崎駿の対談と言われれば、内容に外 れは無いが、悪く言えば年寄りの繰り言であるし、 言いっ放しの域を出ない。何より対談のテープを 起こしただけに見え、工夫の無さを感じる。 解り難い語句の解説や人物の説明など注釈があっ ても良かったのではないか。 源田実はけしからんとか、堀越と本庄は仲が悪かっ たなど根拠の明示されない放言も困る。なまじ権威 のある方達の発言だけに、なぜそう思うのかという 部分を示す責任があると思う。 この対談の一部はNHKで放送され、雑誌文藝春秋に も掲載されいた。一粒で三度美味しいと思うが、 もう少し手間をかけても良かったのではないか。 本書を読むと、映画「風立ちぬ」は実在の人物を モデルにしてはいるがあくまで創作であることが 解る。(宮崎は出身地がわかっても調べに行かな いと決めて作ったといっている) 話半分、注意して読む必要はあるが、戦中のお二 人の体験談が聞けるのは貴重であるし、映画制作 の意図が窺えるのも面白い。次いでではあるが、 対談がどの様にテレビ番組になるのかという部分 も垣間見る事ができるのは興味深い。
1投稿日: 2013.08.13
powered by ブクログ対談者と題名に引かれ、興味を持って購入。 大上段に振りかざした愛国論より、こういった肩肘張らない国家、あるいは国についての話こそ、本当の意味での愛国論といえる。 「尖閣」を端緒とした、ある意味勇ましい国家論が幅を利かせている今日この頃であるが、それらが本当にこの日本のためになるのか、もう一度立ち止まって考えることが必要ではないか。 本書中、半藤氏が述べる「日本は脇役でいいんです。・・・世には強い人がたくさんいましてね。そういう情けないこと言うなと、私、怒られちゃうんですがね。」 それに対し、宮崎監督は「ぼくは情けないほうが、勇ましくないほうがいいと思いますよ。」と答える。 耳を傾けるべき、そしてうらやましき二人の対談である。
2投稿日: 2013.08.11
powered by ブクログ映画『風立ちぬ』を見るのに合わせて読みました。宮崎駿の対談というと養老孟司との「虫眼とアニ眼」を読んで、深い談義に感銘を受けたことがありまして。 内容は映画のことだけではなく、昭和史についてや、それぞれの昭和の記憶、そこから導かれる日本の未来についてなど、本作も広く深い対談を読むことができました。映画の副読本として読んでも、上質なものだと思います。 特に昭和初期の隅田川周辺の情景についての部分が印象的でした。
0投稿日: 2013.08.11
powered by ブクログ面白かった 古きよき日本 車の中でも気持ち悪くならずに読めた‥ ビックリ 草枕むかし読んで楽しかった記憶はあるけど全く覚えてないから読みたくなった
0投稿日: 2013.08.10
