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細雪(上)
細雪(上)
谷崎潤一郎/新潮社
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総合評価

169件)
4.2
62
58
26
3
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    谷崎は敬遠しがちなんですが、みんな細雪面白いって言うから(?)、朝ドラみたいだよと言われたのを契機に手に取りました。朝ドラみたい…!面白い…!全然クセがなくて、これは好きかも笑。元祖「あの子は貴族」だと思った。 太平洋戦争中に執筆して批判されるのもわかるが、これは在りし日への懐古と、精一杯の軍国主義への抵抗だよなあとおもいつつ読みました。途中途中不穏な形で入る情勢も、実際にこんな感じでみんなおそるおそる、だったのだろうし。 自分はずっと関東にいて、親も標準語しか喋らないので、言葉がどれだけ古い感じ・お上品な感じがするのか肌感がなくて、悔しい〜〜〜 雪子の「ふん」という返答どういう感じか分からなくて、どういうかんじ?!てのが一番気になったこと笑。 京都出身の人に、どんなどんな?て聞いて実演してもらって笑、確かに彼が「うん」というとき、「うん」と「ふん」を足して2で割ったような感じだと思った。私はうん!って力強くう・ん、なんだけど、もっと柔らかい感じ。もっとこれから耳を澄ませて、「うん」というのを聞こう。 あと聞き忘れたので聞きたいのは、娘さん(とうさん)、こいさんの肌感! 雪子の目元のシミも気になる。。生理周期に合わせて色が濃くなったり薄くなったりするシミ。チャッピー曰く、「「結婚=妊娠・出産」によってホルモン環境が安定すれば症状が軽減するというのが、当時の医学的な考え方でした。」、「昭和初期の社会では、未婚女性の不調は「未婚のままでいること自体が身体や精神に悪い」とみなされることが多く、医者もその価値観を共有していました。」というのも納得。 京都にお花見行くシーン好きだった。着物も決めて、どこで何して、、ってまさに上流階級〜という感じで。 あとお花を描写するシーンも好きだったなあ。 「おや、何処かで丁子が匂うてる。ー」(p162) 沈丁花、いい匂いするよね…おりしも今は金木犀が良い匂いする季節に。 蘆屋の描写も素敵 …南側の方には、芝生と花壇があり、その向うにささやかな築山があって、白い細かい花をつけた小手毬が、岩組の間から懸崖になって水のない池に垂れかかり、右の方の汀には桜とライラックが咲いていた。…ライラックは今雪のように咲き満ちて、芳香を放っていた。そのライラックの木の西に、まだ目を出さない栴檀と青桐があり、栴檀の南に、仏蘭西語で「セレンガ」と云う灌木の一種があった。(p.170) 「悦子それ見てたら、その花の中に吸い込まれそうな気イするねん」「ほんに。ー」… ーいかにも、そう云われてみれば、この床の間の罌粟の花のせいが確かにある。…取り敢えずその花を下げたあとへ、水盤に燕子花と姫百合とを配して持って来たが…少し季節には早いけれども、香川景樹の嶺夕立、ー夕立は愛宕の峰にかかりけり清滝河ぞ今濁るらん、の懐紙を床に掛けて貰った(p.190)

    2
    投稿日: 2025.10.09
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    人間模様  久しぶりに面白い小説だったと云っては何だけれど、さう感じたのは正直な感想で、実際すぐ『細雪』が気に入ったのだった。  上巻は、雪子の縁談を軸に様々な出来事が起る。本家の鶴子を除けば、幸子、雪子、妙子の三姉妹の行動と心情がそばから目に見えてくるやうで、また大変愛ほしく、多幸感がしてくる。そしてこれは決して架空事ではなく八割方ほんとうの事であるのを知ってからは、佐伯一麦の『ノルゲ』を読んだ時と同じく、現実世界の柔和や人間模様が身に沁みた。こう御膳立てするのも今更可笑しいやうだけれども、名作の名に似つかはしいと思った。

    4
    投稿日: 2025.10.07
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    面白い。三女・雪子の縁談を軸に蒔岡家の人々の会話と心情がつらつらと描かれている。旧家ゆえか相手側の下調べは怠らず、及第点かと思いきや雪子と反りが合わずに破談。逆も然り。 これでは結婚など遠いぞと呆れるのだが、四姉妹(主に幸子・雪子・妙子の三人)の互いを思いやる故の躊躇いや気遣いを思うと、憎めない。この辺りは谷崎潤一郎一流の筆致ゆえか。 第二次世界大戦開戦の気配を漂わせながら上巻は終わり、雪子は東京に向かう。旧家の娘として、現代女性として、雪子は如何に自分の身を立てるのか。中・下巻が楽しみである。

    0
    投稿日: 2025.09.25
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    時代が違うとはいえ、人生について考えさせられる。雪子のお見合いでは、本人よりも家が重要視され、周りの配慮がすごいので、この時代に生きていたら生きにくかっただろうなと思う。兄弟姉妹は上から順に結婚していかないと、下が結婚できないという何とも言い難い境遇である。 阪神間を舞台に美しい関西弁でのやり取りは、情景がはっきりと浮かんでくる。

    21
    投稿日: 2025.08.27
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    大阪船場の名家だった蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子。 異なる性格の姉妹たちが織りなす人間模様。 昭和十年代の、関西の上流社会の生活が、四季折々に描き込まれながら、物語は進んでいきます。 三女の雪子は、姉妹のうちで一番の美人なのですが、縁談がまとまらず、三十歳をすぎてもいまだに独身。 次女の幸子夫婦は心配して奔走しますが、無口な雪子はどの男にも賛成しません。 宮廷文学のような作品です。

    0
    投稿日: 2025.05.27
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    名作の再読を始めようと思う。 「ふん」は「うん…」と読み替えなければいけないことくらいしか覚えていない笑 ものすごく新鮮。 あまりに前近代的で、インドのベンガル地方の話を読んでるような気がして眩暈がする。昔はそんなこと思わなかったから、受け入れてだんだろうなと思う。 大人になって読む戦前戦中の文豪の小説、クセになりそう。

    21
    投稿日: 2024.11.03
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    さて、次は谷崎潤一郎! ということで有名な細雪から。 なんと上中下巻の長篇だ。 読み続けられるかと思いきや、面白く読めてるよ。 こいさん、あんちゃんや大阪弁か船場言葉か分からんが良い感じだ。周りにいる関西人が話す言葉とは異質で品が良い。 次はどんな展開に成るのか楽しみ〜

    1
    投稿日: 2024.10.09
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    最初は飽食家庭の小さな悩みを読まされて苦痛だった。 時代背景が把握できてからは、戦争に移ろう生活感の変化に興味が湧いた。 最後の10ページからは、雪子の縁談がどうなるのか気になり勢いで読んだ。 医療、結婚、文化、生活、土地、全てが今とは異なるが、いつの時代も万人が雪子に情を持たずにはいられない。

    0
    投稿日: 2024.09.20
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    昭和初期の婚活事情を面白く読ませてもらいました! 谷崎潤一郎の他の作品に比べても非常に読みやすかったです!

    0
    投稿日: 2024.08.25
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    題名は知っているが、読んだことがない名作の代表。 だが、読まないのは勿体無い。 谷崎潤一郎が、「源氏物語」全現代語訳という大作業を行わなければ、決して生まれなかった作品。 現代に「源氏物語」の「もののあはれ」を甦らせる試みだ。 この大作に取り組んでいた最中に、太平洋戦争が勃発、谷崎は発表の場を失う。 しかし、彼は、発表する可能性があるかどうかもわからない作品を、戦時中、描き続けたのだ。 本作には、戦争の影は全く無い。 そこに、谷崎の矜持がある。 読んだ、という人に、本当に読んだかどうか確認する方法がある。 結末はどうだったかを尋ねることだ。 女主人公の一人、雪子が、華族と見合いをするために東京に向かうところで終わる、というのが普通の回答だ。 だが、それだけでは、あらすじを読んだだけという可能性もある。 確認すべきなのは、見合いを行うために、東京に向かう雪子の汽車の中での様子だ。 この大作の最後の一文は何だったか、ということだ。 現代に蘇った「源氏物語」ともいうべき、絢爛たる絵巻の最後は次の一文で終わっている。 「下痢は、とうとうその日も止まらず、汽車に乗ってからも未だ続いていた」! なんと、スカトロジー(糞尿譚)で終わっているのだ。 ここに、大谷崎の不適な笑いと、揺るぎない自信を感じざるを得ない。 その笑みに稲垣足穂の面影を思ってしまうのは気のせいだろうか。

    0
    投稿日: 2024.07.11
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    春になると読みたくなる 三姉妹の京都の桜見物が圧巻 あまりの華やかさに息がつまりそう その流麗な世界にいつまでもずっとこの本読んでいられる

    0
    投稿日: 2024.04.24
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    2023.12.29 読了。 大阪では名の知れた名家、蒔岡家の4姉妹が織り成す日常を綴った長編小説上巻。4人姉妹の三女の雪子の縁談がなかなかまとまらず次女の幸子夫婦は心配し色々と話を持ちかける。 谷崎潤一郎作品は「春琴抄」しか読んだことがなかったので、そちらに比べるとドタバタと様々なことも起こるが日々を描いた作品なので穏やかな気持ちで読めた。 作品の大部分は幸子目線で語られている。 この時代は結婚の順番さえも上からでなければならなかったり、四女の妙子がお金を稼ぐという行為も職業婦人は貧困な家庭のものがやることだったり、上流階級の家では現代と色々異なり大変そうだなぁと感じた。 現代でもニュースなどで未婚率や子どものいない家庭の多さを話題にするということは、細雪程は格式ばっていないが「結婚することがステイタス」という考え方は未だに続いているのだなと感じた。 幸子・貞之助夫婦は互いに思いやりがある夫婦で素敵だと感じた。

    0
    投稿日: 2023.12.29
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    雪子、気持ち分かるぞ…と思いながら読んだ。古典なのでずいぶん読みにくいかと覚悟して読み始めたがそんなことはなく、すらすらと読めてしまうくらいの文章の美しさだった。古典はやっぱり斜め上くらいから眺めて、人物達にああでもないこうでもないと感情移入しながら読むのがとても良いね。

    2
    投稿日: 2023.06.10
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    「若草物語」を読み終わったところで、そういやこれも四姉妹の話だったなと、本棚の奥にいたのを引っ張り出してきた。 意外にもさらさら読める。 何より東京生まれの谷崎が、ここまで関西人の、特に若い女性の趣味や性格を詳細に把握できていたことに驚いた。 松子夫人というモデルがあるにしても、まるで神の視点を持っているかのようにありありと描き出すのだから不思議だ。 新潮版は注釈も素晴らしく、昭和初期の感じをこまかく想像できて楽しい。

    0
    投稿日: 2023.06.09
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    初めての谷崎潤一郎。 昭和初期から第二次世界大戦勃発前まで、明治時代より続く上流階級の一族が衰退を辿りながらも、その生活様式や価値観を失わず生活する四姉妹の様子が、優雅で実に美しい。 四姉妹が京都で花見をする場面は、目の前に満開の桜が咲き誇る景色が見えるようで、その文章の美しさに浸ってしまい、文庫の紹介文に書かれていた小説絵巻とは良く言ったものだと感心してしまう。 結婚話がなかなか決まらない大和撫子を絵に描いたような三女雪子、自由奔放な四女妙子の行方が気になる中巻下巻。

    1
    投稿日: 2023.04.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    控えめに言ってこれは日本文学の最高傑作です。谷崎は痴人の愛から入り、春琴抄、鍵、刺青、秘密等の短編など、学生時代に読み漁ってきましたが、この細雪は長いことを理由にずっと見て見ぬ振りをしていました。が、幸いにも仕事上の都合で余暇時間が少しできたので、せっかくなら集中して谷崎の大長編に浸ろうとしたのであります。 上巻の半分ほどページを捲ったところでしょうか、その頃にはもう谷崎の世界にどっぷりと浸かっており、肝心の仕事が手につかないほど頭を支配されてしまっているのでした。これは文学作品を嗜んでいるとよくあることで、頭が作品世界に引き込まれてしまい、ひどく現実が生きづらいよう感じてしまう、そういう悪魔的な作品がたまにあるものです。この細雪も例に漏れず、ページを捲る手が止まらん、ふとした時には残りのページ数が少なくなっていることに気づき寂しさを覚える、そんな体験を通勤の電車に揺られながらしていたのであります。 ここからは少々話の中身にも触れてしまうのですが、上巻の半分ほど行ったところのシーンでしたでしょうか、本家の庭の描写をするところがあります。複雑な庭の構成物の細部の描写、隣家との関係等を、登場人物の雪子、幸子と絡めて説明するシーンですが、そこに谷崎の真骨頂を感じ、技術の素晴らしさに胸が締め付けられる思いをいたしました。 さて、まだ上巻しか読み終わっていないだけの感想文ですが、これからの中、下巻も谷崎の真骨頂であるストーリーの面白さを期待して読み進めていこうと思います。

    1
    投稿日: 2023.01.28
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    蒔岡家の四姉妹が生きた戦前の関西での日々。 なかなかまとまらない三女の縁談など、静穏な暮らしの中での出来事が流麗な文体で綴られる。

    1
    投稿日: 2022.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    校通信での連載「文学談議」用に再読し、あらすじをかきました。紙幅が限られているため、ほとんど感想は書けていませんが、常に雪子を応援しながら読みました。 短編、中編の中にもいろいろおもしろいものはあるのですが、もう谷崎は長編「細雪」を読めば十分でしょう。これがもう最高傑作だと思います。テレビの連続ホームドラマなんかが好きな人だったらきっと楽しめるでしょう。僕は電車の中で読みながら、何度も笑いをこらえるのが大変でした。もともと谷崎は東京で生まれ育ったのですが、関東大震災の後、関西に移り住み数々の作品を残しています。「細雪」を僕は新潮文庫の3巻本で読みました。全編心地良い関西弁で綴られています。昭和十年代、日中戦争が始まったころからのお話です。主要登場人物は鶴子、幸子、雪子、妙子の4姉妹。江戸時代から続く大阪は船場の大店(おおだな)の娘たち。つまり、いいとこのお嬢さんたちなのです。しかし、いまはもう、古き良き時代は終わってしまったという設定です。両親はすでに亡くなっていて、長女鶴子が婿養子を取って本家ということになっています。子どもが6人くらいいるようです。次女幸子は結婚して夫、娘の悦子と一緒に暮らしています。三女の雪子と末っ子の妙子はまだ結婚しておらず、本来は本家で一緒に暮らすところですが、居心地の良い幸子の家で過ごすことが多くなっています。悦子が雪子にとてもなついているということもあります。この悦ちゃんがとってもかわいいのです。雪子姉ちゃん(きあんちゃん)のお見合いの話をこっそり聞きつけて、いろいろおませなことを言うわけです。さて、上巻は雪子の見合いを中心に話が進んでいきます。  その一つ目。人物的には良いお相手で、雪子も「まあこの人やったらええかなあ」というくらいに感じていたのですが、本家がいろいろと実家の様子を調べたりしているうちに、お母さんが精神を患っているということを突きとめます。遺伝するかもしれないとかいろいろ言って、断ろうということになるのです。一昔前の結婚事情がよく分かります。本人同士が良ければいいというわけにはいかなかったのですね。  二つ目。これは相手の男性の写真を見た最初からうまくいかない話でした。先妻や子どもを亡くされて、独り者の男性なのですがかなり歳を取っていて、見た目も老(ふ)けています。雪子はもう30歳になるのでぜいたくは言えないのですが、なんぼなんでもかわいそうという感じです。でもわけあって見合いに行くことになります。鶴子の夫は銀行員をしているのですが、東京に転勤になったのです。それで、雪子もそちらに連れられて行きました。でも、幸子の住む芦屋の家に帰りたかったのです。それで、お見合いを口実にもどってきます。向こうはすごく乗り気で、初めて会ったお見合いの日の帰りに自分の家を見て来てくれと言います。仕方なしに、家の中に入るのですが、仏壇には亡き妻や子どもの写真が飾られています。後に雪子は言います。「やさしそうな人やし、姉ちゃんたちがすすめるなら、この人でもええかなあと思うてたけど、先妻の写真を見せられてあまりええ気はせえへんわなあ。あわてて隠そうとするわけでもなかったし。その様子を見ただけでも、とても女の繊細な心理など理解できる人ではないと思うた。」なるほどそうですね。このあたりで上巻が終わります。  中巻に入ってすぐに大事件が起きます。大雨が降って洪水になるのです。ちょうど妙子が出かけた先が大水で、もう家の中まで水が入って1階の屋根あたりまで上がってきます。テーブルやピアノの上に乗ってやっとのことで顔だけ外に出すという状態で、「もうこれで死ぬんだなあ」と思ったりしています。そこに写真家の板倉という男性が現れ、助け出してくれるのです。大雨が降り出してからの様子が50ページほど続くのですが、心配して家で泣いている幸子と助けに向かうその夫、となりに住むドイツ人、そして妙子といっしょにいた親子、いろいろな人の感情描写がもう胸に迫ってくるのです。これは実際にあった被害をもとに書かれているようですが、源氏物語にも明石の巻で同じような場面があり、それを谷崎は一場面として選んだのでしょう。谷崎は「源氏物語」の現代語訳もしていますから。さて、ここに登場した板倉が中巻では重要人物になります。四女の妙子(こいさん)は自分が危機一髪のところをこの男に助けてもらったことがきっかけで気持ちがぐっと傾いていきます。しかし家柄が違いすぎます。周りはみな反対するのです。さらには、また雪子に縁談の話が持ち上がるのですが、先方が家の事情を調べているうちに妙子がそういう男と付き合っていることが知られ断りの理由に挙げてきます。雪子には知らされないのですが、鶴子や幸子は妙子の身勝手さに困り果てていくのです。そんな折、板倉が耳の手術をするというのです。大した病気ではありません。ところが手術をしたのがやぶ医者。術後、毒が身体にまわり、足を切断することになります。それでも、結局は間に合わず、板倉は死んでしまいます。ここで、中巻は終了。ここで一言書き添えておくと、お隣のドイツ人家族との関係、それから妙子が知り合ったロシア人家族との関係など、戦争への緊張感が高まっている中、いろいろとおもしろい話が登場します。ロシア人に食事に招待されるのですが、午後7時を過ぎても何も出てこない。8時過ぎにやっと準備が始まると思ったら、一気にテーブルには食べきれないほどの料理が並ぶ。自分たちとの習慣の違いに驚く様子がとっても興味深いのです。お酒もむちゃくちゃ強いですしね。親子で激しい議論が繰り広げられたりもします。  下巻に入るとまた雪子の見合い話が始まります。今度は鶴子の夫の実家からの紹介です。医者の肩書を持っていますが、いまは薬の会社で専務をしています。先妻の娘が一人いるのですが、好人物のようです。周りはみな乗り気です。さて、その男性から雪子に電話があります。いっしょに食事でもどうかという誘いです。しかし、雪子はいたって電話が苦手。僕は本を読みながら、「もう、きあんちゃん、早く電話に出て、ちゃんと返事をして」とついつい声に出しそうになりました。まあ雪子にしてみると、男性と二人で出歩くというような状況がいままでになくどうしていいか分からなかったのでしょう。相手の男性は、「バカにしている」とか何とか言って結婚を断ってきます。まあ、この人には雪子の良さが分からなかったと思うほかないですね。  そして最後にもう一度見合いがあります。年齢は40歳を過ぎていますが、初婚で、人柄もとてもいい。ただ、過去には建築の仕事などもしていましたが、いまは無職。とは言え、実家は立派なお家柄。お金に不自由することもない。条件は悪くありません。ところがここでまた懸念材料が。妙子が妊娠しているのです。この妙子のドラマもいろいろとあるのですが、もうここで紹介するスペースがありません。まあ要するに、結婚もしていないのに妊娠している。そんなふしだらな妹がいるということが先方にばれたら、せっかくの縁談話がまたしてもこわれてしまう。そこで、いろいろな事情はかくして、末の妹は有馬温泉でこっそりと出産することになります。最終的には死産になるのですが。さて、雪子の気持ちがはっきりしないまま、結婚に向けて話は進んでいきます。時節柄派手なことはできないのですが、東京での式に向けて出発するあたりでドラマは幕引きとなります。雪子はここ数日下痢が止まらないままで汽車に乗りこみます。きあんちゃん、がんばれ!

    0
    投稿日: 2022.10.20
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    文庫版、上中下合わせて1000p超 ドラマの脚本の様な淡々とした筆致でここまで読ませられるのかと驚愕。 描写が美しい、言葉が美しい作家は巷に溢れているが、なにより本作は、というより谷崎は日本語が美しい。 特にこの『細雪』は谷崎の到達点だと感じる。

    4
    投稿日: 2022.10.19
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    大阪の旧名家だった、四姉妹の日常を描いた始まりの本。 鶴子(長女、本家、既婚)、幸子(次女、既婚)、雪子(三女、未婚)、妙子(四女、未婚)で、主に出てくるのは、次女〜四女。 事件といえば、雪子の縁談が破談になるくらいで、あとはお金持ちの旧家らしく、優雅な京阪神ライフが描かれてるのだけど、人情味ある話なので、飽きなく読ませてくれます。 文章が綺麗で、いつの間にか自分も四姉妹と一緒に昔の京阪神にいる気持ちになってしまう。

    0
    投稿日: 2022.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大阪の商家・蒔岡家の四姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子の人間模様を描いた小説。日中戦争勃発前後の時代ながら、時局の影もほとんど感じさせず、幸子は二人の妹の結婚に頭を悩ませつつも、のんびりとした日々を送っている。 長い小説ではあるが、なにかと事件が起きるので飽きずに読める。ときに可笑しく、ときに感傷的なホームドラマ。 また、(上流社会のものではあるが)当時の風習や価値観などがうかがえるのが興味深い。昔の人はのんびりしていたらしい。見合いの前に興信所に頼んでかなり詳しく相手方の身元を調べていたり、引っ越しの見送りに百人近く人が来ているのに驚いた。新潮文庫の注釈が詳しいのも良い。 「何しろ本家の連中は昔風で悠長だものですから。」(p.79) 上巻は雪子の見合いを中心に、妙子の弟子のロシア人家での食事会、京都への花見旅行、鶴子一家の東京転勤、幸子の流産など。

    0
    投稿日: 2022.09.03
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    若い頃、1ページで挫折しましたが、年をとってから読み通しました。先日読み直して、この作品が戦時下に書き進められたことが、このご時世だけに、胸に迫りました。

    0
    投稿日: 2022.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何気ない姉妹同士の雑談がリアルで生き生きとしてる。昭和初期のお見合いって相手の素性細かく調べたりするんだと驚いた。

    0
    投稿日: 2022.08.06
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    四姉妹の日常を覗き見ているようで面白かった。 姉妹とは今も昔もその在り方は変わらないのだろうか。自分たちと重なる場面も見受けられ、懐かしさを覚えた。

    0
    投稿日: 2022.02.22
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     上巻では物語にこれといった刺激がなく、ダラダラと話が進んでいく。しかし会話文に船場言葉を入れることで、間伸びした展開を優雅な落ち着きのあるものへと昇華させている。また、会話文以外の文体も明解かつリズミカルな、情緒的な構造となっており、読むにつれてどんどんと引き込まれていく。  上級国民のはんなりとした生活美に、期末レポートを書くことを忘れさせる、そんな作品。

    1
    投稿日: 2022.01.15
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    昭和天皇に献上され読まれたという大衆小説。 現代であれば芥川賞を受賞するタイプの作品。 そっくり百年間時計の針を戻したような、市中のとある旧家を描いた物語。 もったいつけたような表現が多いが、それが余計に登場人物の心情をようよう描いている。面白い。

    4
    投稿日: 2022.01.07
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    『刺青』、『痴人の愛』と並ぶ谷崎潤一郎の代表作にして、近代の日本文学史上の代表作としても上げられる長編小説。 本書は、上中下巻の3巻構成の上巻です。 1900年前半の大阪、神戸、いわゆる阪神間モダニズム時代、大阪の旧家を舞台に、四姉妹の日々が綴られた作品となっています。 大阪の上流階級の生活様式と、終盤には太平洋戦争開戦によりその文化が滅びゆく様が描かれます。 本作は『中央公論』に掲載されましたが、第一回、第二回掲載時、軍部から"内容が戦時にそぐわない"との理由により、以降の掲載をストップさせられます。 徳田秋声の『縮図』同様、戦時下の思想・言論統制の対象となってしまった作品です。 ただ、執筆は続けられ、上巻は私家版として書き上げられ、友人や知人に配られます。 正式には戦後、1946年に中央公論社から出版されますが、GHQによる検問の結果、改変された版になりました。 ただ、本作は出版後ベストセラーとなり、世界各国で翻訳され、谷崎潤一郎は数多くの賞を受賞、ノーベル文学賞の候補にも何度も名前を連ねることとなります。 大阪の上流階級の家"蒔岡家"が舞台です。 本家が大阪にあって、蒔岡家の長女「鶴子」は、婿養子で蒔岡家に入った夫の辰雄とその子どもたちと住んでいます。 分家が蘆屋にあり、次女の「幸子」と、こちらも婿養子で蒔岡姓である夫の貞之助、娘の悦子が住んでいます。 また、三女の「雪子」、四女の「妙子」がいて、この二人は未婚で、本家と分家を行き来しています。 上巻では、雪子のお見合いの話が主な縦軸として展開されているように読めました。 妙子の恋人であったり、本家の引っ越しであったり、蒔岡家に起きるドタバタが書かれていて、時にはユーモラスに感じる場面もありました。 色々なことがドラマティックに展開され、テンポが良く、昭和初期に書かれた文学ですが、一般文芸のように楽しんで読める作品だと思います。 大阪の上流階級の斜陽が描かれますが、深く考えずに娯楽作品として読んで問題ない内容だと思います。 また、谷崎潤一郎といえば、耽美的な作風の印象もあるのですが、本作は今の所そういった感じはなく、四姉妹の連続ドラマが繰り広げられる作品でした。 クセが無く、世界中で一般的に愛読されているというのもうなずける内容でした。 上巻ラストは元の木阿弥という感じで終わります。 中巻も引き続き楽しみです。

    1
    投稿日: 2021.10.06
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    俄然、おもしろい、うまい。ま、当たり前なんだけど。大作家谷崎潤一郎なればこその名作。 のっけから船場言葉「こいさん」だの「とうさん」だの「ふん、ふん」が頻発なのだが、そこは江戸っ子作家からみた関西なのでくみし易い。谷崎潤一郎は上方の生活文化を愛情込めて書き込んだ。 さて、あらすじ、没落はしたが船場育ち四人姉妹の三女雪子が30歳なのにお嫁にゆき遅れている。 昔よ(昭和12、3年ころ)、びっくり!だから最初から最後までお見合いの連続。 あいまに、物見遊山、観桜、蛍狩り、年中行事、食べ歩き。そして、大洪水の恐さ、大病、などの事件、大阪神戸と東京を行ったりきたりの変化、ほんとあきさせない。 でも、観桜のきらびやかさとか着物の派手さだけでは終わらないのがこの物語。 いろいろな読み方はあるだろうが、私は物語が進むにつれ明確になる四姉妹、鶴子(長女)幸子(次女)雪子(三女)妙子(四女)のキャラクターをことさら楽しんだ。特に主人公雪子のキャラは想像力を掻きたてられる。何を聞いても自分を出さずに「ふん、ふん」といっていてとらえどころがないようだが、芯が強い性格、でなければあの行動力はなんなんだということになる。意見だってことさら言わなくても通すしぶとさを持っているのだ。 阪神の土地勘を知るのもよし、意外や(といっては悪いが)当時の第二次世界大戦前夜のきな臭い感じ、庶民のせつなさも書き込まれているのでを味わうもよし。終わりまで完璧に引っ張っていかれる。 勿論、構築がきちんとした格調高い耽美派の名作ではある。堪能した。 うーん、山崎豊子の「女系家族」[華麗なる一族」の世界はきっとここから来たのね、とちょっとひらめいた。「女系家族」[華麗なる一族」も格別おもしろかったから。

    6
    投稿日: 2021.09.11
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    あらすじ 1936年(昭和11年)秋から1941年(昭和16年) 春までの大阪の旧家を舞台に、4姉妹の日常生活の悲喜こもごもを綴った作品。阪神間モダニズム時代の阪神間の生活文化を描いた作品としても知られ、全編の会話が船場言葉で書かれている。上流の大阪人の生活を描き絢爛でありながら、それゆえに第二次世界大戦前の崩壊寸前の滅びの美を内包し、挽歌的な切なさをも醸し出している。作品の主な舞台は職住分離が進んだため住居のある阪神間(職場は船場)であるが、大阪(船場)文化の崩壊過程を描いている。 感想 没落商家の四姉妹、ある人からフランス語で発行された本をよんで描写が良かったと言われ日本語版を読んでみた。時代背景が違いすぎるが今も昔も 姉妹は変わらないかなって思う。

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    投稿日: 2021.08.27
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    昭和初期大阪上流階級の4姉妹がテンポの良い関西弁で淀みなく喋る、喋る。読んでいて気持ち良くなるくらいよく喋る。

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    投稿日: 2021.07.03
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     まことさんのレビューを見て、読んでみました。  大阪船場の旧家、薪岡家の四姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子。両親は何年か前に亡くなり、長女鶴子夫妻が本家として一家を仕切っている。本家の旦那(婿養子)は、三女の雪子や四女の妙子に疎ましがられているので、雪子、妙子は本家よりも、芦屋の幸子夫婦の家に居着いている。  時代は昭和の初め、戦争前。雪子(30歳くらい)と妙子(25歳くらい?)はまだ独身。妙子には結婚を約束している恋人がいるが、姉の雪子を追い抜いて先に嫁ぐ訳にはいかない。雪子は美しく、年齢よりもかなり若く見えるが、何故か縁遠く、結婚がなかなか決まらない。良家のお嬢様であるので、条件が難しく、良い話があっても、本家の綿密な調査により何か相手に問題が見つかり、断ることになってしまうのだ。上流階級のお嬢様も大変だ。羨ましくもならないが、戦争前の喧騒を他所に、おっとりした優雅な美しい世界。長女は「姉ちゃん」、次女は「仲姉ちゃん(なかあんちゃん)」、三女は「雪姉ちゃん(きあんちゃん)」、末の娘は「こいさん」と呼ばれている。  毎年、幸子一家と雪子、妙子で京都へ花見へ行く恒例行事がある。その日のために彼女たちは選りすぐりの着物を用意して、平安神宮、嵐山、御室など、京都の桜の名所を巡る。桜は勿論美しいが彼女たちの姿も目を見張るくらい美しく、「写真を撮らせて下さい」という人が必ずいる。幸子は思う。来年もここでこうして、三姉妹で桜を見られるか?と。雪子と妙子が娘さん(とうさん)でいてくれる間はこのように三人揃って桜を見られるが、二人が嫁いだらこの行事はなくなってしまうと。二人の行く末(特に雪子の)を案じながらも、二人が娘さんでいてくれる時を惜しんでいる。  下巻の解説を読んでみたら、三島由紀夫が「谷崎潤一郎は戦争の影響を受けていない唯一の作家で、源氏物語の世界を現代に蘇らせた人」というようなことを言ったとか書いてあったが、なるほど、源氏物語の世界と同じで、滅びゆく上流社会の美しい世界を文学という形で残して下さったのだと思う。  感情が揺さぶられる類の小説でもないし、続きが気になるタイプの小説でもないと思いながら読んできたが、終盤になって少し続きが気になり出した。本家の旦那さんが東京に転勤になり、大阪の本拠地がなくなったのだ。東京に引っ越した本家。慌ただしく見つけた借家は手狭で、呼び寄せられた雪子の部屋もないほどであるが、丁度親の財産も尽きてきて、「蒔岡家」の名前も通っていない東京で上流家庭のプライドを通して暮らす必要もなく、世間並に節約し、中流家庭のような暮らしを始めるようになり、雪子たちのことにもうるさく言ってこなくなった。  雪子の縁談がまた破談になった。見合いを口実に神戸に帰ってこれた雪子もまた、東京本家に戻らねばならなくなった。時代の変わり目、この先、雪子は?蒔野家は?どうなるのだろう。 中巻に続く。

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    投稿日: 2021.05.03
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    カテゴリ:図書館企画展示 2020年度第3回図書館企画展示 「大学生に読んでほしい本」 第2弾!  本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。  川津誠教授(日本語日本文学科)からのおすすめ図書を展示しています。  展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

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    投稿日: 2021.04.02
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    随分前から積読してあった本です。 何度も途中で挫折してこれは大人になったら面白さがわかる本なのか(十分大人なんですが)と思ったら『世界は文学でできている』で楊逸さんが中高生にお薦めしていたので、慌てて読んでみました。 読んでいるうちに、だんだん面白くなってきて、読むスピードが上がっていきました。 『細雪』というタイトルですが、雪の降る場面はどこにもないそうです。 昭和十年代の大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子、そして幸子の娘の悦子の五人の女性の物語です。 大変雅やかな文章です。 三女の雪子は姉妹のうちで一番美人ですが、縁談がまとまらず、三十歳を過ぎ独身で、幸子夫婦の世話になって見合いを繰り返しています。 妙子も独身ですが、妙子は奔放で、若い頃駆け落ちのようなことをしたことがあります。 鶴子だけは東京に住んでいます。 京都での春のお花見の場面が美しくなんとも印象的でした。 p149より 「それはこの桜の樹の下に、幸子と悦子とがたたずみながら池の面に見入っている後姿を、さざ波立った水を背景に撮ったもので、何気なく眺めている母子の恍惚とした様子、悦子の友禅の袂の模様に散りかかる花の風情までが、逝く春を詠歎する心持を工まずに現わしていた。以来彼女たちは、花時になるときっとこの池のほとりへ来、この桜の樹の下に立って水の面をみつめることを忘れず、且つその姿を写真に撮ることを怠らないのであった」 P150より 「忽ち夕空にひろがっている紅の雲を仰ぎ見ると、皆が一様に、「あー」と、感歎の声を放った。この一瞬こそ、二日間の行事の頂点であり、この一瞬の喜びこそ、去年の春が暮れて以来一年に亘って待ちつづけていたものなのである。彼女たちは、ああ、これでよかった、これで今年もこの花の満開に行き合わせたと思って、何がなしにほっとすると同時に、来年の春も亦この花を見られますようにと願うのであるが、幸子一人は、来年自分が再びこの花の下に立つ頃には、恐らく雪子はもう嫁に行っているのではあるまいか。花の盛りは廻って来るけれども、雪子の盛りは今年が最後であるまいかと思い、自分としては淋しいけれども、雪子のためには何卒そうあってくれますようにと願う。正直のところ、彼女は去年の春も、去々年の春もこの花の下に立った時にそう云う感慨に浸ったのであり、そのつど、もう今度こそはこの妹と行を共にする最後であると思ったのに」 以下中巻に続く。

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    投稿日: 2021.02.23
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    海街diaryを読んで、姉妹の話ということでずっと気になってたこの本を手に取りました。 大学が休みの間、時間をかけて全巻読もうと思います。 雪子はPerfume のかしゆかでイメージしてます。

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    投稿日: 2021.02.07
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    上流の家系に生まれた4姉妹の物語。 上から鶴子、幸子、雪子、妙子で、主に次女の幸子視点で語られる。 三女の雪子が齢30にしていまだ未婚であり、家族のつてで縁談(お見合い?)を組んではいるものの、なかなかまとまらずにいる。 雪子は無事に嫁げるのか?が物語の主軸でしょうか? 雪子は家族や姪っ子とは快活に話せるのだが、一歩外へ出てしまうと、他人と話す時に必ずしどろもどろになってしまう。本文には買いてないけどコミュ障である。 自分の意見を積極的に言うタイプではなく本当はいやなのに我慢して何も言わない、と言うシーンが多かった(そのせいで家族との意思疎通にたまに齟齬がでる。) 自分は性別は違いますが、雪子のこのはっきりしない性格に近いものを感じ、危機感を覚えました。中巻、下巻も楽しみです。

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    投稿日: 2021.01.06
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    かつて富貴を誇っており、今は没落しつつある槙岡一家の美人三姉妹の生活を描いたもの。 本家にはもう一人長姉がいるけれど、今のところ影は薄い。 分家の長であり、槙岡家の次女の夫である貞之助が考えている通り、三姉妹には時間の感覚が希薄。 そのせいで周りがやきもきすることもあるけれど、その緩やかさによって雪子のお見合いという現実的な主題にも関わらず、平安文学を読んでいるような気にさせられる。 一文一文が長く、しかも優雅な言葉が遣われているのも、その感覚に寄与しているかも。 花見の描写は、近現代のものとは思えない美しさ。

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    投稿日: 2021.01.03
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    鶴子、幸子、雪子、妙子 の4姉妹の話 格式高い家柄だった蒔岡家が衰退していく中でのドタバタ劇 みたいな 雪子の子どもの頃まではある程度豪華な暮らしができていたけど妙子はその暮らしを知らないという背景がある 題名から雪子メインかなと思いきや、案外妙子が1番話題になっていたような あと、幸子の夫の貞之助視点で語られる場面が意外と多かった 印象に残る場面はたくさんあった ・ロシア人との食事で、ロシア人に呼ばれて行ったのに、家族全員で待っていないし、料理も出てこないのを蒔岡家の人達は日にちを間違えたと思う場面 ・幸子が流産して、その日を思い出して涙する場面 ・幸子と貞之助が2人で旅行に行った際のとてもロマンチックな描写 あと、最後は下痢で終わるんかいってツッコミたくなりました

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    投稿日: 2020.11.15
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    谷崎潤一郎の代表作。名家に暮らす4姉妹の物語。 厳格でテキパキとしている長女鶴子、常に妹達を温かく見守る次女幸子、縁談がまとまらないけれども、焦る様子のなくお淑やかな三女雪子、恋愛も私生活も行動派な四女妙子。 それぞれにチャーミングな部分があり、姉妹達の会話にはものすごく品があり、心の温かくなる一冊です

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    投稿日: 2020.11.07
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    「細雪」谷崎潤一郎 ホームドラマ小説。弁柄色。 B&Bフィクショネス文学の教室 課題図書。 通読。当時の上流階級の風俗が事細かに描写されているとともに、これが書かれたのがまさに戦時下であり、贅沢な文学を書くことで体制に反抗するということが感じられた。 ジャーナリズムにおいては「ペンは剣よりも強し」が(少なくとも戦局に陥る前は)求められていたところに対して、頑なに「文学性」を追求していることの意志があるように思う。 谷崎は、結局、上流であることや雅であることに終生憧れ続けたんだろうな。 同時期に、源氏物語の現代語訳で色恋ともののあはれを描き出しながら、対照的に、社会との間で翻弄され世間体の中で生きる家族を書くことで、自分自身の世俗さを赤裸々に反映していたのかもしれない。(4) 以下読書会のメモ ----- 人の話を聞くことの面倒くささの一歩手前の間合い → これが文章力か 「不要不急の美」、中身がないにもかかわらず評価される美しい文学 コロナ禍のもとで、状況と文学、や、体制と文学、という点において示唆に富む 直截的な反抗よりも、より図々しく、より美しく、より高度な成熟した反抗 ↓ 善悪を文学に持ち込むとその二律から逃れられなくなるのだ、即ち、中身のない物語という形式による反抗である

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    投稿日: 2020.09.28
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    昭和初期、大阪の上流家庭の四人姉妹の物語。三女雪子は、婚期をやや過ぎながらも、焦る様子がない。この頃は見合い結婚が主流で、知り合いの世話と互いの調査で結婚を進める。ああでもない、こうでもないとグチをこぼしながらも周りは結構楽しそうである。2&20.7.20

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    投稿日: 2020.07.20
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    初めて読んだ高校生時代、特に読書が好きでもなかった自分がかなりな長編にも関わらず夜更かしして読みふけった。数十年ぶりに読み返してみたけど、相変わらず魅了された。それぞれに個性の違う4人姉妹の一人一人をみずみずしく描いているところに、谷崎潤一郎の女性へ向ける愛情を感じる。また、庭の緑や天候など、身近な季節の移ろいの表現が素敵。京都への花見の場面で丹念に綴られる描写の中には現存する料理屋などもあり、それらを調べて想像にディテールを補う作業もひとつの楽しみでした。

    3
    投稿日: 2020.07.12
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    第二次世界大戦直前の暗くなっていく世相のなかにおける旧家の4姉妹の生活を綴る。谷崎文学特有の悪女は存在せず、一人一人個性の異なる4姉妹のある意味のほほんとした物語だ(他作品と相対して)。かと言って平凡な小説かといえばそうでもなく、全体から芳醇に漂っている良くも悪くも現代の庶民感覚とは遠いどこか王朝時代の貴族的な、華やかさ、美学を堪能できる作品である。 会話文では柔和な船場言葉が使われており、より一層作品の温かみ、丸みを演出できている

    4
    投稿日: 2020.05.22
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    日本の近代小説のなかでも有名な作品。一度は読まなくては思い手にとってみた。 現代とは違った結婚観をその時代のリアルなそのお見合いをしている姉妹たち、家族、周りの人間の感情を知れたようで面白く読めた。

    1
    投稿日: 2020.01.31
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    谷崎潤一郎と言えば、言わずとしれた文豪。 恥ずかしながら、28歳にして初めて読んだ。それがこの「細雪」だった。 最初こそ文章に少しだけ難解さを感じた。けれど同じ言い回しが頻出するので、慣れてくるとスラスラと読めてしまう。例えば「入ってくる」は「這入ってくる」と書かれるのだけど、読みすすめる内にルビ無しでも読めている自分がいた。 内容はと言えば、果たして、面白かった。 あらすじはこの通り。 > 大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。 なるほど。上流階級の4姉妹とのことで。高飛車な話かもしれないと気構えたいたのだけど、全くの杞憂だった。 それぞれに個性の違う4姉妹を愛しいと思えれば、この小説にはハマれると思う。自分の嗜好として、女たちがやいのやいのしているだけで好きなので、存分に楽しめた。 4姉妹に限らず、細雪で描かれる人々はとても可笑しくて愛くるしい。人間臭さが全開で、愛おしくて仕方なかった。谷崎潤一郎の人間への愛と、真っ直ぐな観察眼があってこその作風だと思わされた。 決して劇的にストーリーが展開されるわけではないけど、ゆっくりと流れる時間の中で、人間が愛おしくなるような小説だった。 谷崎潤一郎はこんな作家だったのかと。純文学にはこんな小説があったのかと。新鮮な発見をした想い。少しだけ自分の純文学嫌いが解消されたかもしれない。 細雪はなんと三部作。中巻と下巻を読むのが今から楽しみ。 (書評ブログの方もどうぞ、宜しくお願いします) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%8C%E6%84%9B%E3%81%8A%E3%81%97%E3%81%84%E3%81%A8%E6%80%9D%E3%81%88%E3%82%8B_%E7%B4%B0%E9%9B%AA%E4%B8%8A_%E8%B0%B7%E5%B4%8E%E6%BD%A4%E4%B8%80%E9%83%8E

    21
    投稿日: 2020.01.22
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    読もうと思っててずっと積読だった本。この本の雅さ、暖かさ、繊細さがわかるような年齢になって読めてよかった。 お見合いなど何につけても悠長で、直前になって慌てて。花見、舞、着物。亡父の全盛期を懐かしく偲びながらも時代に合わせつつ、優雅さを失わないで過ごす。私は東京なので上方の言葉の違いは分からないけど、この言葉が雰囲気を出すのにふさわしく感じます。

    0
    投稿日: 2019.07.02
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    大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。

    0
    投稿日: 2019.06.18
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    上中下の3冊で、中の途中で挫折しそうになったが、なんとか持ち直して最後まで読むことができた。 4人姉妹の主に次女の視点を中心に、三女の結婚への道のりと四女の恋愛と自立が季節の移り変わりとともに語られる。女の生活の色々(家庭のゴタゴタからお洒落、人付き合いその他)が女の視点からうまく語られているのだが、でも書いてるのは男なのだった・・・。それくらいリアルということなんだろうなと。 季節の移り変わりの中で出来事と会話と食べたものと着ているものを書いているだけ、長女と次女の結婚生活は平凡なもので、おとなしくて内気な三女は数人と見合いしてどうのこうの、四女は好き勝手にやりつつ手に職をつけて自立して・・・というある意味では何もすごいことが起こらない物語なのに、ここまで読ませるのはさすがとしか言いようがない。 最後、四女が嫁に行く日に「下痢が止まらない」と書いて終わるなんて、なんという小説だろうか。大騒ぎした見合い・結婚も、長い目で見たら女の一生の1つの通過点か・・・としみじみ思った。四女の恋人の表紙も娘の死産も三女の婚礼前の下痢も、そういうことなんだと。戦争があっても人生は続くんです。

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    投稿日: 2019.01.29
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    先般、小川洋子さんのエッセーで細雪への言及があった。果たしてこんなにぴったりのタイトルがあるものかという、小説における題名の大事さを語った項だったが、はたと自分が細雪を読んだことがないことに気づいて急いで読み始めた。いや急ぐまでもなく、面白くて上中下巻を一気に読んでしまった。姉妹それぞれの個性、家柄に縛られる悠長な家族間の腹の探りあい、大阪京都の風情…どの側面から切り取っても面白い。小川洋子さんは、あるいは当初もっと三女の雪子に焦点をあてるつもりで題名がついたのではと書いていたが、どうだろう。主人公はやはり本家の旧時代な姉と、行き遅れの妹たちの間で細やかに気遣う幸子であろう。そんな四姉妹の中が、例えどんな行き違いが起きようとも決して仲違いしない、現代の私たちや同時代の男たちにさえ理解しがたい不思議な絆で固く結ばれている、そんな静の関係を言い得た題名であるような気がした。

    0
    投稿日: 2019.01.18
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    関西の有産階級の家族を題材に、3女の見合いを中心に展開される物語。一読して平板な日常が展開する長編小説のように思えるも、感傷的に読み浸らせる何かがある。 傾きゆくこの家族の様子が、人生の後半戦にさしかかった自分のありようと重ね移しに感じるのだろうか、と思ったりもしたが、後書きを読んで腑に落ちる。 すなわち読者は雪子が早く縁付いて欲しいと願う反面、俗世間の穢れに染まらぬ"永遠の女性"のままでいてほしいと願う、エロティシズムに根ざした普遍的な二重構造をテーマにしている、と。

    2
    投稿日: 2018.12.09
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    言わずと知れた昭和の初めの四姉妹物語。四姉妹と言えば「若草物語」を意識せずにはいられない。 長女は生真面目で頑固、 三女は内気でおとなしく、 四女は明るく活動的。 そこまでは共通しているけれど、 次女の幸子はジョーのようにテキパキ快活ではない。どちらも姉妹の纏め役ではあるけれど、幸子ははんなりと悠長。 雪子の婚活を中心に、これと言った大きな事件もなく、日常が淡々と綴られているが、意外と読んでいて面白かった。

    3
    投稿日: 2018.11.14
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    最後のあたりの見合いで「め、めんどくせえ…」と声に出してしまった。 このお家柄と時代では嫌なら離婚したらいいからとりあえず結婚すれば、とは言えないもんな。

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    投稿日: 2018.10.29
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    大阪の上品な言葉遣いが初めてで、すてき、 かわいらしい。 前近代的な感じもおもしろい。 京都旅行の場面がうつくしい。

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    投稿日: 2018.10.05
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    時代は昭和十年代、舞台は大阪船場。蒔岡家の四姉妹の日常生活、それをとりまく人間模様を描く。 上巻は主に三女雪子の縁談話。 流れるような文体、柔らかい船場言葉が(私のような関西好きには)心地よい。人物の丁寧で細やかな描写で物語が作り上げられていく。 例えば、子供ながらに神経衰弱と診断された悦子の神経質ぶり。潔癖で、食事の間に汚れたかもしれないと思うと箸に熱湯をかけさせる(!)。 例えば、貞之助が、幸子が体調が悪いと知りながら気を使わない陣場夫婦に感じる不愉快さ、不満、当惑。共感して、読んでいるこちらも苛々してくる。 小さなエピソードで、登場人物の性格や癖や生活習慣などが浮き上がってきて、物語ができあがる。 次の巻へ続く。

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    投稿日: 2018.04.20
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     『春琴抄』『痴人の愛』に続き、同著者の小説もこれで3冊目。どれもこれも非常に魅力的だけど、いわゆるマゾヒズム的美しさ・妖しさがある前2作とはやや異なり、失われゆくものの美しさが上中下巻のいたるところに散りばめられている。溜息が出るような儚さと美しさを前に、何度も読む手を止めて感慨に耽った。  全体の感想は下巻にまとめ、上巻の感想をカンタンに。  いつの時代にもあるであろう旧世代と新世代の考え方の違い、大きな事件は起きないがありふれた喜劇と悲劇の交じった日常がこれでもかというほど美しくほっこりと描かれる。雪子がかわいい(「かわいい」風に描かれている、という感じもする。都合のいい、とでも言ったらいいだろうか)。  花は散りゆく故に美しい。燃え上がり、燃え尽きるまでの過程こそが美しい。そんな日本(海外にもありそうなもんだけど)の美学をひしひしと感じる小説だけど、自分の人生に置き換えたら散っては困るし燃え尽きても困る。細雪のような、手のひらに付いたそばから融けてしまう儚さ。それをどうして美しく感じてしまうのか。美しいって何なのか。

    4
    投稿日: 2018.01.21
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    ★評価は再読了後に。 いや何年振りかな、この本を手にしたのは。こんなに関西弁を流暢に使いこなしてたのね、いや、やっぱりしゃべり言葉とは微妙に違ってる。だからこそこの作家の文体は皆の気を惹くのかくもしれんです。 それにしても戦前のお話だったのか、うーん、勝手に戦後をメインにした話と思い込んでました。まぁ大手なら映画化したがる気持ちは分かりますな、この作品は。

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    投稿日: 2017.07.09
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    なんと上中下巻それぞれ108円で古本を見つけた。それが読むきっかけ。 こいさん?きあんちゃん?のっけから誰が誰なの???なスタートだったが、すぐになんてことなくなった。どちらかというと、上巻はのんびりしたテンポ。

    1
    投稿日: 2017.03.30
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    谷崎潤一郎の本は、10年ほど前に、痴人の愛を読んで以来。 結構敷居が高いと思っていたが、とても読みやすい! これからどうなるのか気になります。

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    投稿日: 2017.03.28
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    古さを感じさせない。聞きなれない関西言葉に戸惑ったが、次第に馴染んでくる。関西上流社会の話ではあるが、昭和初期の街の様子なども知れておもしろい。

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    投稿日: 2017.02.10
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    上より中、中より下の方がページ数が多くて「大丈夫やろか?」と心配していますが、上を読み終えた段階では、早く次が読みたい気持ちでおり、いい感じです。

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    投稿日: 2016.10.07
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    長編小説。雪子の見合い話が中心のお話。あまり喋らないし、「ふん」が口癖。後半ようやく面白くなる。 縁談の仲人夫妻は配慮がなくて、さらに相手方にも配慮がなかったりと落ち度が多い。さらにお見合いする前にはまず興信所で下調べするんですね。今も昔も変わらず配慮に関してはいろいろ考えねばなりませんね。中に続く。

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    投稿日: 2016.09.20
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    昔の有名な作家だから、と変な堅いイメージができてしまっていましたけど、やわらかくて読みやすいです。予備知識もなく読んだのと、名前がみんな「子」で終わるので最初は誰が何番目の姉妹なんだろう、と混乱しましたが、そんなのは物語に引き込まれ、すぐに慣れてしまいます。 この作品は四人姉妹の日常がさっぱりと、かつ愛おしげに描かれています。いまのところ個人的には2番目の幸子が好きです。旧家の女性らしさもあり、明るく可愛らしさもある魅力的なひとだと感じました。 祖父母の生まれる少し前の作品だと思うと感慨もより深くなります。私は好きな作品です。

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    投稿日: 2016.07.30
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    わたしが読んだことがなく、生きているうちに必ず読もうと思っている作品は三つある。「レ・ミゼラブル」「カラマーゾフの兄弟」そしてこの「細雪」。 谷崎潤一郎は美しい文章であるけれど、少し読みにくく感じた「春琴抄」があるため、読みたいけれど読むのを躊躇していた。それでも今読んでおかなければ、この先いつになったら読めるかどうかわからないため三冊まとめて購入。 読んでみたら、物凄く読みやすく面白い。 これに尽きる。 わたしにとってはなかなかの一大決心で読み始めた「細雪」だけれど、躊躇うことなど何も無かったのだ。 「こいさん、頼むわ。」 この書き出しから一気に関西の上流家庭である蒔岡家に引き込まれる。 船場の蒔岡家の四姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子。 美しい四姉妹の次女幸子を中心に三女雪子の縁談と、奔放な四女妙子の行く末を描く。 物語それ自体は難しいものではなく、四人の女性の心情や戦中の日本の世情などを描いたもので、文体も平易で美しい。 物語の中心である幸子家族の暮らす蘆屋、花見に出掛ける京都などの様子が描かれ、「細雪」を持って作中に出てくる場所を巡ってみたくなる。 読む手を止められないまま中巻へ。

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    投稿日: 2016.06.30
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    2・30年前に一気読み。しかも数年を経て再読。 今また再々読。 生涯、何度もページをめくる本ですね、きっと。 やっぱり、映画よりこちらのほうがいい。

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    投稿日: 2016.06.17
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    懐かしき昭和の生活、和風若草物語。 なんとなく、読んでいなかったので手に取る。谷崎はこれを戦時中に書いたという。彼が求めた日本の女性の美とは。しかし、美人だけど内気で無口な雪子が縁付かないのを焦る姉の幸子というのも、とても昭和だなあ、とか。そんなぼんやりした読み方になってしまった。 四姉妹なのでつい『若草物語』を思い出しますが、この三女は病気で亡くなりそうにはないですね。四女が奔放な印象なのは変わらないんだけど。そして、長女の影の薄さも。

    0
    投稿日: 2016.06.12
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    (旺文社文庫版) 谷崎さんは猫と正造と二人のおんなしか読んだことないんやけど、そのときとおんなしで関西弁のテンポのいい会話文に、一文は長めやのに無駄なくすーんと入ってくる地の文で、読みやすいです。知らなんだわ。 雪子の縁談話を軸にした分家の日常みたいな感じでぬるぬる話が進むので、気楽に読めるしむしろトイレにおいといてもいいかもしれん。ていうかそれでまだ上巻やけんか知らんけど雪子の話が進まんくて話の中心というか盛り上がりが捉えにくい、ってかもしかして中心は幸子さんとこ夫婦か。あのふたり仲良しで、やりとり読みよったらほっこりしてくる。上巻の終盤はかなり大変そうなんやけど。 ってか妙子さんは彼氏とどうなっとん

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    投稿日: 2016.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (2016.06.04読了)(2013.01.25購入)(2009.10.30・百十刷) 登場人物たちを整理しておきましょう。 中心となるのは、蒔岡家の四姉妹です。 鶴子 長女、本家、大坂上本町在住、37歳 辰雄 鶴子の夫、婿養子、銀行員 幸子 中姉ちゃん、次女、分家、芦屋川在住 貞之助 幸子の夫、計理士、商大卒、 悦子 貞之助・幸子夫妻の子供、10歳 雪子 雪姉ちゃん、きあんちゃん、三女、英文専修科卒、三十歳 妙子 こいさん、四女、二十歳の時駆け落ち事件、人形制作、夙川に作業場、二十五六歳 奥畑啓坊 貴金属商の倅、妙子さんの駆け落ち事件の相手 井谷 神戸の美容院の女主人 瀬越 MB化学工業勤務、41歳、雪子さんの見合い相手 雪子さんと妙子さんは、次女で分家の幸子さんのところにいます。 話は、幸子さんの家族と雪子さんを中心に進んでいます。雪子さんの役割は、幸子さんの子供である悦子さんのお相手ですね。 妙子さんは、人形製作の仕事をしています。夙川にアパートを借りてそこを仕事場にしています。仕事が忙しくなると、仕事場に泊まり込んだりしています。 二十歳の時に、駆け落ち事件を起こしていますが、駆け落ち相手との交際は今も続いており、姉の雪子さんが、結婚したら、結婚するつもりで、いわば順番待ち状態です。 雪子さんと瀬越さんの見合いは、順調のようだったのですが、瀬越さんの母親の病気が、精神病らしいということで破談となりました。 見合いの場合は、興信所を使ったり、お互いの身内のものが、相手のことや家族のことをしっかり調べたうえで結婚が妥当かどうか判断することになります。 健康面が疑われる場合は、診断書を提出します。 現在はどこまで行われているのでしょうね。 幸子さんの隣の家には、ドイツ人が住んでいて、子供たち同士で仲良くなっています。 妙子さんのお弟子さんには、ロシア人がいます。さすが神戸は、国際色が豊かです。まる 幸子さんの春のイベントは、京都の桜見物ということで、かなり丁寧に書いてあります。日帰りではなく、何泊かするんです。 本家の辰雄さんが、東京に転勤になり、一家で引っ越すことになりました。原則論に従い、雪子さんと妙子さんも、本家といっしょに東京に移ることになります。ただし、妙子さんは仕事の区切りがつき次第ということで、猶予がありました。 雪子さんが東京に引っ越したら、悦子さんの寝つきがうまくいかず、手こずっています。精神科医を紹介してもらい、薬を処方してもらっています。 雪子さんは、子供の扱いが上手なようで、東京の本家でも、子供の看病などで重宝されています。大阪に行きたくても、わがままを言える質ではないようなので、我慢しています。 幸子さんは、二度目の見合いを口実に、雪子さんを神戸に呼び寄せます。 二度目の相手は、四十代半ばの、妻に死別した人物です。 雪子さんの見合いが迫ったころ、幸子さんは、流産してしまいます。二人目がなかなかできなかったので、せっかくの二人目を残念なことをしてしまいました。 見合いの日取りを延ばし伸ばしにしたうえに、見合いの段取りも齟齬が重なり、破談となりました。 流産後の、体調不十分なまま無理をしてしまった幸子さんの今後の成り行きが心配です。 ●未年(26頁) 関西では、未年の女は運が悪い、縁遠いなどと云い、殊に町人の女房には忌んだ方がよいとされているらしく、「未年の女は門に立つな」という諺まであって、町人の多い大阪では昔から嫌う風がある ●本家の家族(184頁) 出立の日は、辰雄夫婦と、十四歳を頭に六人の子供と、雪子と、九人の家族が、女中一人と子守一人を連れ、総勢十一人で、大阪駅を午後八時半発の列車に乗り込むことになった。 ●暖房(210頁) 姉に云わせると、大阪の家庭で暖房ということがそろそろ普及し出したのは大正の末頃で、万事に贅沢であった父でさえも、居間に始めて瓦斯ストーブを引いたのは亡くなる前の年ぐらいであったが、それも、引いては見たものの上気せるといって実際にはあまり使わなかった。(平素は火鉢だけだった) ●個性(221頁) 東京と云うとこは、女がめいめい個性を貴んで、流行云うもんに囚われんと、何でも自分に似合うもんを着ると云う風やさかい、 ●家賃(222頁) 五十五円という家賃 ☆関連図書(既読) 「痴人の愛」谷崎潤一郎著、新潮文庫、1947.11.10 「鍵・瘋癲老人日記」谷崎潤一郎著、新潮文庫、1968.10.25 「源氏物語 巻一」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.06.10 「源氏物語 巻二」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.07.10 「源氏物語 巻三」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.08.10 「源氏物語 巻四」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.09.10 「源氏物語 巻五」紫式部著・谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.10.10 (2016年6月5日・記) 内容紹介(amazon) 大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。

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    投稿日: 2016.06.05
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    春琴抄がすごく良かったので読んでいるが、非常に長く、また、あまり楽しめていない。面倒くさい人間関係の描写や、当時の優雅な生活ぶりの描写などは面白くもあるのだが、かといってこの分量を読む気力を湧かせるほどのものでもない。一旦寝かせる。

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    投稿日: 2016.05.23
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    上中下買い揃えてあったのになぜか手付かずで放置していたのをようやく決心して読み始めた。 四姉妹の名前が覚えられず、ロシア小説を読み始めた気分になる。さらに話の展開がとてもゆっくりで、朝の連続テレビ小説を「見ている」よう。関西弁は慣れないし、読みにくいし、これは困った。何が言いたいのかなぁ、何が起きるのかなぁと数十ページが過ぎていくと突然、ストーリーにどっぷり引き込まれてる自分に気づいた。 とても魅力的な小説だ。 上巻は三女の雪子の結婚が話の中心となっている。 当時結婚がとても大げさなものだったことが随所に見られる。お家柄というものがとても大事だったようだ。「身元の詳細を調べる」という言葉にはロマンチックのかけらも見られない。 ふと着物が登場したり、四姉妹がひょいと口にした言葉であったり、描写には上流社会の豊かさがさりげなく垣間見られておもしろい。 もちろん着物は花見をする日のためだけに用意されたものだ。

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    投稿日: 2016.02.29
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    谷崎潤一郎の「細雪」を読了した。 彼の本は初めて。我ながらようやくと思うが、若い頃には漱石や太宰が気になったとしても、この年になると谷崎や泉鏡花を読みたくなる。その意味では、期待を込めて手にした一冊。 文学論として語られる谷崎には、滅びの美学なり、エロチシズムなりといった指向性があるという。ただ本書では、太宰のように早急なカタルシスに走ることなく、5年の歳月をかけて丁寧に描いていく。物語が始まるのは昭和11年。既に古き良き大正時代は過去のものになり、昭和モダニズムと呼ばれた新展開にも戦争の影が差し始めた頃、三姉妹の優美さも絶頂にさしかかっていた。当時の有閑階級の時間の流れも現代とは違いゆるやかで、家門の格を重んじ男女の繋がりには厳しい。流れるような谷崎の筆はその美しさを描いて余りない。 昭和17年に書き始めた頃は、モダニズムの美しさが目蓋に残っているうちに書き残したい気持ちだったのだろう。書いているうちに戦争が終わり、昭和23年にエンディングを書く頃には多くの上流階級は没落していた。姉妹の収まりどころを描きつつも、なんとなく中途半端なエンディングになったのはそういう時代背景もあるのだろか。

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    投稿日: 2016.02.22
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    日本語は美しい言葉だと、これほど実感させてくれる小説があるだろうか。ストーリーは特になにもない、日常生活の些細な出来事を淡々と書き綴っているだけなのだが、登場人物が立ってくるというか、設定である大正期の大阪の旧家の家の中に引き込まれてそばでこの家族をじっと見ているような感覚に陥らせる。永遠に読み続ける事が出来そうな流暢な上流階級の上方言葉。文章を人に読ませるためにどう書くかを徹底的に考えて分かりやすく仕上げている圧倒的な筆力を強く感じる上巻。このままなにも起こらなくとも、この日本語の波に飲み込まれていればそれで幸せであると思える本。ちなみに登場人物の4姉妹をどれだけ美しい人だと想像できるかも、この本に夢中になるための重要な要素だと思う。おれのなかで雪子は天使になっている。中巻、下巻とまだまだ楽しみである。

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    投稿日: 2016.02.16
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    初めて読んだのは高校生の時で、その時は上品で綺麗な大人の世界という感じでした。あれから何度も読み返してますが読むたびに新鮮な気持ちになります。上中下と合わせてとても長いお話なのでそのたびに新しい発見があります。美人四姉妹の個性や魅力がバラバラで、鶴子の気分になったり幸子になったり雪子や妙子になったり、飽きることのない作品です。 とりわけ今は雪子世代なのでアイタタターと苦い思いをすることが多いです。おまけにあたしは雪子と違って美人じゃないので絶望的だなと思ったり、いや彼女よりトーク力はあるはずだからそこでカバーするのだと決意を固めたりしています。 まわりの反応のリアルさが一番キツイなぁと思いつつ、そんな雪子を庇ったり同情したりする幸子にほっこりします。幸子はサザエさんタイプですね。お人好しでなんだか憎めない。 ちなみに上巻のお気に入りシーンは雪子が悦子の作文を添削するところです。慌てて「足で」を消す雪子が可愛い。こんなとこを全面に押し出していけば相手が身辺調査する気も起こらないくらいモテるんじゃないの。

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    投稿日: 2016.02.07
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    やはり谷崎の人の描き方は好きだ。注が割合しっかりしているので、当時の風俗を知るという意味では良い。 良くも悪くも神戸ローカルな地名が多々出てくるので、色々知っていたらもうちょっと楽しめたかもしれない。

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    投稿日: 2016.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    谷崎潤一郎に出会った高校生の頃からずっとずっと、「これは読まなきゃ!」と思って買ったのだけど、なかなか読み進められなくて。 30歳過ぎた今、「30歳なのに細雪読んだことないなんて…」と思って、本を開いてみたら、おお、読めた。 内容は簡単に言うと、四姉妹の三番目、30歳を前に結婚がなかなか決まらない雪子の嫁ぎ先を決めるお話。 たったそれだけ。 なんだけど、四姉妹の優雅な日常や季節のうつろい、四姉妹の心理状況とかが、美しい日本語で描かれている。 もうとにかく美しい。 これは声に出して読みたい。 子どもの言葉が乱れた時は、この本を音読させよう。 さて、雪子の結婚はどうなるのかしら。 ただ、私多分、雪子苦手だわ。

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    投稿日: 2016.01.16
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    最初のページを読み始めた途端に谷崎の世界に吸い込まれてしまう。読み進めるのが楽しいと同時に、ゆっくりと時間をかけて味わいたくなる本である。

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    投稿日: 2016.01.10
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    それぞれ似ているけど少しづつ違って、人目を惹く美人姉妹が目に浮かぶ。お互い仲良く読んでいて楽しい。幸子が二人目を流産したときの夫婦のやりとりが温かかった。夫は

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    投稿日: 2015.12.21
  • 憧れの時代。

    ふたつの大戦に挟まれた、近代日本史上もっともハイカラで華やかだった時代の物語。結婚をめぐる四姉妹のお話というとオースティンや若草物語を思い出すけど、日本にもこんな「娘さん文学」があったのですね。 大きな事件が起こるわけでもないけど、関西弁の会話でまったりはんなり綴られる当時のお嬢さんたちの日常や、昭和モダニズムの魅力的な文化の描写を眺めているだけで愉しくてどんどん読めちゃいます。祖父母の若者時代だと思うとそんなに遠い話でもなく、自分の幼い頃にはまだこんな空気が少し残っていたように思います。

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    投稿日: 2015.09.03
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    大阪の名家の四姉妹の内、分家辺りにいる三姉妹が中心で、その内で一番美人だけど性格的に割を食いがちな三女の雪子が中心の物語。時代的には戦前。 雪子をなんとか結婚させなければ!みたいな感じでみんな奔走するのだけれど、事件とまでいかないけども色々あって中々うまくいかない感じ。そこはかとなく面白い。 下巻はまだ読んでない。

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    投稿日: 2015.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。前回にはない面白さ発見。 優美な作風と言われているが、文章はかなり読みやすい。現代小説ぽいが、昭和初期の風俗がようくわかる。 旧家の四姉妹のうち、行き遅れの三女の婚活を中心とした人生模様。若草物語みたいなものか。 谷崎はお耽美で格式張った印象あるが、これはほとんど喜劇だと思う。B足らんとか、うさぎの作文の部分で大笑い。 女の人の悩みは、時代が変わってもさして変わらないんだな。あと女の考え方も。 戦時中に執筆して発禁処分を受けたので、私家版で出したらしい。

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    投稿日: 2015.06.25
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    昭和初期、かつて大阪・船場が商業の中心地であった頃の話。代々続く蒔岡の四姉妹は何不自由ない暮らしを送ります。悩みの種は、次女の雪子が30歳を前にして嫁ぎ先が決まらないこと。大大阪時代の空気感が存分に漂う中で物語は進んでいきます・・・

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    投稿日: 2015.06.19
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    舞台を見て、ストーリーの素晴らしさと、綺麗な関西言葉に感激。 でも、谷崎って生粋の江戸っ子なんですね! 舞台とは随分違う部分もあったけど、内容ももっと複雑で、あっという間に三冊読みました! 今まで読まず嫌いで申し訳なかったです。 小説の世界を堪能しました、

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    投稿日: 2015.05.06
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    上中下、読了 その時代の規律や習慣が描かれているが、古さを感じない小説。人生のほんの一コマではあるが、4姉妹のそれぞれ個性が描かれている。ときどき混ざる、ロシア人の家族の様子や近しい人たちの様子が自然に織り交ざり、飽くことなく読むことができる。

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    投稿日: 2015.04.23
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    ずっと読みたかった文豪・谷崎の代表作。なんと美しい作品だ。こんなにも日本語というものは美しいのかと。日本語の美しさ、日本文化の優美さがよく出ている。上流階級ならではの優雅な暮らし。これは素晴らしいな。マゾヒズムの谷崎がこんなのも書けるんだと。2012/615

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    投稿日: 2015.04.14
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    小説絵巻とはよく言ったもので、四人姉妹の日常、心理状況、季節のうつろいなど美しく描かれている。見合いがうまくいかない雪子の今後がとても気になる。

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    投稿日: 2015.03.24
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    姉妹の結婚などが描かれた話だが、上巻をよんだだけでは魅力を感じられなかった。中下巻を読むかどうか迷うところ。

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    投稿日: 2014.12.05
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    この時代だったら4姉妹でも少ない方だよなぁ~と思ったり。久々に谷崎作品を読みましたが、読み進めるにつれ実話としか思えない精緻な描写にびっくり。当時の日本の上流階級がよく勉強できました。優雅だなあ~。男は稼いで女は家庭、っていう当時の在り方がよくわかる。

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    投稿日: 2014.10.25
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    流れるような文章で細やかに描かれる四人姉妹の四季折々。美しい! 上巻は三女の雪子の縁談の話がメインだったけどこれからどうなるのかな

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    投稿日: 2014.10.05
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    恥ずかしながら初谷崎作品。 思っていたよりも読みやすく、この時代の上流階級の生活がわかりやすく面白い。雪子のお見合いの件は今の時代でも「それはないよね」と思う部分もあり面白かった。今後どうなるのか期待。

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    投稿日: 2014.10.02
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    兵庫のハイソな街・芦屋に暮らす美人4姉妹。 婿をとって家を継いだ長女・鶴子。 おそらく4姉妹で一番常識のある次女・幸子。 適齢期過ぎても結婚相手の見つからない三女・雪子。 自由奔放な末っ子・妙子。 それぞれ性格が違っていて、細かな心理描写がおもしろい。 幸子・貞之助夫妻の人との接し方(気遣い)はちょっと勉強になる。 上品な関西弁で綴られた会話文もリズムがよく心地よい。

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    投稿日: 2014.08.19
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    精緻な美意識によって編まれた、日本語の美学を心ゆくまで堪能しよう。あらすじとなる話も進むに進まず、時がこの美しさを閉じ込めようと自ら進むことを放棄したかのようだ。地の文と会話文、標準語と関西弁、男言葉と女言葉といった対比項もそれ自体が主張することなく、日本語の流れやリズムを整えるための適切な箇所に配置され、全てが美の一点に奉仕されてゆく文章が素晴らしい。斜陽の名家、戦争の気配といった不穏な気配は幾度も言及されるものの、この分家三姉妹の前ではそれすら色彩鮮やかな彼女らを引き立たせる為の背景に過ぎないのだ。

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    投稿日: 2014.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初のほう、雪子がお見合いをしてダメになったり、等の場面においては非常にいきいきと人物が動いた。 その後描写される日常はあまりに日常で(水害事件やら雪子、妙子が実家に戻る騒動やらあるものの)やや退屈感があった。 歴史に詳しければ面白く、当時の時代を理解できる絵巻物として面白いのだろうが、私にはつらい。 人物がアクティブに動き、状況がガンガン変わっていくほうが好みらしい。 しかし文章は美しく、緻密な描写が具体的な想像を掻き立てるのはさすが文豪作品の集大成といったところか。 ラストの雪子の結婚のためにすべてがお膳立てされた印象。 貴族出身、才能ある建築家であるが、御牧、ニートである。でも、仕事を東京に決めてくるあたり、やはり雪子に風が吹いている。 妙子がバーテンの子を突然妊娠したのもさすがに驚いた。そしてそれを言うタイミングにも驚いた。縁談がまとまりかけたときに…という。 しかし流産しても、しかしなんとかかんとか暮らしていく様子、その奔放さは妙子らしく、末娘らしい愛らしさを感じた。 やはり、ラストからして、主人公は幸子だろうと感じた。 下痢がとまらないで終わるのは…谷崎らしい。

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    投稿日: 2014.08.01
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    まだこれというほどの出来事もなく、鶴子を除く三姉妹の日々の暮らしぶりが描かれている。 昭和十年代で、関西で、上流社会という、全く私とは接点のない暮らしぶりが、目の前に広がるように描かれていて、それだけで楽しい。 とにかく読みやすくい文章で、旅行中でなかったなら音読したいくらいであった。 次巻以降が楽しみ。

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    投稿日: 2014.07.19
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    『文豪』ってだけで食わず嫌いだったけれど読んでみれば案外すんなりと入ってきて読みやすい。 四人姉妹の優雅な生活に少し憧れる。

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    投稿日: 2014.06.26
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    私が住んでいるところ、そして祖母の境遇にちかい話。 昔の女性には、年齢を理由にお見合いを断われなかったりと自由が少なく、読んでいて祖母と重ねてかわいそうに思う箇所が何度もあった。 主人公は4人の姉妹。 一番上の鶴子は、格調高く育てられたがために、世間への見栄を保とうとする傾向が高く、感情表現が稚拙で、少し兄弟からうとまれてしまう。 2番目の幸子が、この物語の主人公に近いが、優しく、他人の事を思いやるがゆえに、ときに傷つく。 3番目の雪子。。。この人が私は一番苦手。自分の意思をはっきり述べず、しかし周りの人にその気持ちを推測させるような行動をとり、周りの人に責任を押し付ける。一番友達になりたくない嫌なタイプ。 4番目は妙子。自由奔放に生き、でも今一歩幸せでない。 今の話は、雰囲気で押してくる作者が多いが、文豪と呼ばれる作者の話はやっぱり丁寧に綴られていて素晴らしい。個人が感じている感情を文字で表現するのは難しいことだと思うが、それをきっちりと描き出していて、やはり谷崎潤一郎は、ただのセクシュアルな作者ではないと思った。 東京出身の彼から、私の故郷神戸と関西を愛してくれている気配が感じられ、嬉しい。今も現存するお店や祖母が行っていたアラスカ、オリエンタルホテルなどの話も楽しい。 しかし、日本の相続税対策で、大きなかつてのお屋敷町がなくなり、マンションが林立しているのが非常に残念である。

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    投稿日: 2014.05.18
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    上巻は「滅びの美学」序章といったところ。蒔岡家は、物語が始まった時点で既に老舗を失い、本家の当主は銀行務め、分家の三姉妹は蘆屋暮らしだが、戦争の影は、まだ彼らには及んではいない。緩やかな川の流れがたゆたうような文体。今はもはや失われた船場言葉のリズムで語られる稀有な小説。東京生まれの谷崎の言語感覚は、さすがに天才的だ。また、随所に用いられる極微のといっていいくらいにリージョナルな地名が実に効果的。その微細な差異こそが、小説世界を構成する。近世期の黄表紙の「うがち」にも似た読み方を要請されているかのようだ。

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    投稿日: 2014.03.30
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    読みやすいです。 雪子さん…いまいちなに考えてるかわからないひとですが、この姉妹がこれからどうなってゆくのか、読み進めていきたいと思います。

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    投稿日: 2014.02.11
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    この時期の上流階級の日常が丁寧に綴られている。家族や近所との付き合いのなかでの繊細な心の描写が新鮮で、面白く読んだ。

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    投稿日: 2014.01.27
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    3年ぶり?再読。 当時の関西のゆっくりとした娘さんは美しかろうなぁと思いつつ読んでおります。 当たり前ですが綺麗な文章。

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    投稿日: 2014.01.09
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    それぞれ個性の異なる魅力的な姉妹たちのおだやかな日常。 とりたてて事件もなく、関西弁も心地よく、のんびりと世界に浸れます。

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    投稿日: 2013.11.23
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     文章が美しいので、どこからでも読むことができる。最初から最後まで一通り読んで、「ああ面白かった」で終わるような作品ではありません。小説ではありますが、詩に近いと思います。  日本的な美しさとは何か、この一冊を深く読めば理解できるのではないでしょうか。「年増美」という言葉を見るにつけ、年をとるのも悪くないなと思ったりします。  新潮文庫の上・中・下まで読んで、終わると寂しくなって、また上から、あるいは気に入ったところから読みはじめる。それを何度繰り返したことか。文学史に残る作品とはこういうものなのかと、しみじみ思う今日このごろ。

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    投稿日: 2013.11.10
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    女の子になりたい男の子、谷崎潤一郎。というコピーが浮かんだ。笑 どちらかといえば綺麗な女の人に絆されたい男だろうけども。 なんとまぁ昔の上流階層の関西人は回りくどいことに考えを巡らしているのだろうと思うけれど(事実はいざ知らず)、それは優しさであり気を利かせているといえば確かにそのとおり。 昭和10年代前半といえばモボ・モガなどが流行って戦中とは全く違う明るいものがあったと『魂の昭和史』で読んだ覚えがある。まさにその通りのような世界。 女姉妹の繋がりには縁もないのでこんなかんじかぁ、マー羨ましいデスワ、と距離を置いて読んでしまうけど、この後も楽しみ。時代と女の生き方について考察したくなりますね。

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    投稿日: 2013.10.26