
総合評価
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powered by ブクログ古典の中でもすらすら読めて、楽しめる作品。谷崎作品は高校生くらいの時期から読んでいますが細雪は、きらびやかな雰囲気がとてもよく、漢字の持つ力を充分に使い、理屈無く解りやすい。まあ、「風と共に去りぬ」を読む感じ、に近い。ただ、細雪の方が、日本人どうしの湿度が解る分勝ちかな?多分、部分だけ読んでも面白いのは、文体が好きなのでしょう。
0投稿日: 2013.10.08
powered by ブクログ高校生の頃に読んだ 一番苦労をしらない三女がその後 一番辛酸をなめる人生をおくる 末っ子の自分としては、やるせなかった
0投稿日: 2013.09.29
powered by ブクログくどい。谷崎さんてすごく女くさくて、友達にはなりたくないけど、でもだからすごい小説家なんだな。 会話じゃない台詞が完全に女ですごいと思った。 取り留めのない長編。当時の様子を知るにはいい資料。
0投稿日: 2013.08.06
powered by ブクログ谷崎の中で一番好きなのが「細雪」。何度も読み返してます。 なんと言っても会話がいいです。阪神地方の方言が独特の間合いを生んでいると思います。
0投稿日: 2013.07.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本屋でふと素敵な表紙を見つけた。細雪。そういえば読んでいなかったと思い、あらすじを読んでみる。面白そう! 昭和10年代の関西の上流階級がモデル。大阪船場のことは山崎豊子の作品で読んでいたが、思っていた以上にしきたりを重んじるということがこの小説で分かった。 お見合いをするのも大変。顔が青白いと言われれば健康診断書を提出したり、相手から目の下の傷を指摘されたり。今でも結婚するのは一苦労と言われるが、この時代の一苦労に比べれば大したことはないと思った。 しきたりを重んじる家庭に育ち、自ら意思表示をせず流されるままに生き、何かと決断を避けて通っているうちに30歳を過ぎてしまった雪子に、現代の読者はイライラするかもしれない。私は大変イライラした。 でも、あらすじによると、そんな雪子が幸せになるようなことが書かれていた。中巻も目が離せない。
0投稿日: 2013.07.11
powered by ブクログ末娘・妙子にだけどうしても感情移入できないのは長女の性か…。姉妹あるあるがたのしすぎて一気読みの予感。あと私は根が東の人間なので,関西に住みはじめてから読んでよかったと思う。
0投稿日: 2013.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文章が美しくてうっとりする。 上質な家族映画を見てるよう。 特に姉妹たちが京都に花見に出かける場面が美しい。 内気な性格の雪子とは年が近いため 勝手に親近感を抱いてしまう。 当人同士の気持ち以外の条件が結婚に優先されるのは、女性にとって生きづらいのか。それとも能動的に動かずとも持ち込まれる縁談の中から選ぶので今の時代より楽なのか。 どっちなんだろう。
0投稿日: 2013.01.28
powered by ブクログ初めて気持ちが通じ合う作家に出会った。それは谷崎である。 読んでいるうちに堪らなくなって、ついに全集を読み終わろうという欲望に駆けられる。 「細雪」は関西に住む美人3姉妹の話で、私にはなんとなく子供の頃に読んだ中国人作家の巴金を思わせる。 確かに彼の代表作の「家」も大家族のことを扱って、3姉妹の代わりに三兄弟を主人公に立たせた。 三姉妹のなか、外見から見て一番弱そうなのは雪子なのに、中身が一番しっかりしているのはもしかしたら彼女かも知れない。 婚期が遅れてても、当時の社会からの圧力に挫けず、自分の納得の行かないところには絶対嫁がない。 大した根性である。
0投稿日: 2013.01.07
powered by ブクログ日々の出来事が淡々とつづられているところが好き。そして今にも通ずる、少し昔の大阪商人の言葉づかいが好きです。
0投稿日: 2012.12.12
powered by ブクログ大阪の旧家、蒔岡家の四姉妹が織りなす叙情感たっぷりの小説絵巻。本家の長女鶴子の代わりに妹たちの世話を焼く次女の幸子が中心といえば中心に描かれている。幸子は、30歳を過ぎても引っ込み思案で縁談がまとまらない雪子や、由緒ある家柄に生まれながら一人破天荒な生活を送る四女の妙子に振り回されながらも、心優しく二人を見守る。 姉妹の物語もさることながら、昭和初期当時の関西の風俗や四季の様子がいっそう興味深い。私はユーハイムが神戸発であることを知らずに、つい2、3週間前に東京土産のつもりで兵庫の人にユーハイムのバームクーヘンを買って行った。あと少し早くこの本を読んでいれば…(泣)。
0投稿日: 2012.09.19
powered by ブクログ大好きな小説です。学生時代以来、何度も繰り返し読み返しています。この小説の何がこんなにも自分を魅了し続けるのか考えても、うまく説明ができないのですが… まず、言葉がいい。関東者には詳しいことは分かりませんが、「細雪」の関西弁は、はんなり柔らかで美しく、字面で見てもとても心地良い。それから、ヒロインの四姉妹がいい。鶴子、幸子、雪子、妙子には各々異なった魅力があり、でも大阪の裕福な商家のお嬢様育ちならではのワガママで純粋な美しさは共通している。 未婚の雪子と妙子の結婚話を軸に、洪水や戦況など実際の出来事が絡んで物語が進みます。雪子には処女性と純粋性と"受け身ゆえの傲慢さ”が、妙子には"生身の女”の奔放さとたくましさと脆さがあり、正反対の2人の性質が、相乗効果で魅力を増します。2人の結婚の結末も正反対ですが、結局どちらが幸せなのかということについては、いつも考えさせられます。 戦況が厳しくなるにつれ、時流に背く内容を描いたとして何度も発禁になったそうですが、そんな時代に、こんなに絢爛豪華な物語を描いた谷崎潤一郎の強さと執念に、痺れます。
0投稿日: 2012.09.04
powered by ブクログ昭和初期、大阪は船場の旧家の4姉妹の話。 体裁やら習俗やらがなんとも優雅で鬱陶しいものですね。 退屈な筋を感じさせずスルスルっと読ませてしまうのは、やはりきれいで淀みのない文章のおかげなのでしょう。 さぁ中巻へ。
0投稿日: 2012.06.14
powered by ブクログ鶴子、幸子、雪子、妙子の四姉妹の物語 メインは幸子の視点 ヒューマンドラマ的 第二次世界大戦前の兵庫県芦屋市 幸子のいる蒔岡家の分家が主な舞台 分家の居候の雪子と妙子 見合いがうまくいかない大人しめの雪子 何とか相手を身繕おうと周りが奮闘 当の雪子は涼しい顔 快活で自立的な妙子 特に派手な事件もなくゆっくりと物語は進む 日本的な…? ひとつの文章がとても長いが読みにくい感じはナシ 《上》では人物紹介が終わったところ
0投稿日: 2012.06.12
powered by ブクログ大阪の良家の四姉妹たちの人間模様と生活を描く。 特に劇的な事件が起こるわけではないけれど、それでもなんやかんや起りながら過ぎていく日常を細やかな文章で描いていて、全く退屈しない。 結婚相手についての下調べだとか、本家への見栄だとか、当時の良家の常識というか、時代が出てるなあと思った。あと、登場人物たちの会話も上流っぽくいちいち長くてまわりくどい。けど、そういうのを読むのは好きなので、とても楽しめた。中・下につづく。
0投稿日: 2012.06.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
家柄の釣り合いを気にしたり、結婚相手を本家が徹底的に調査する様子など結婚というものに対して現在とは大きく違った認識であることがわかる また、年の順に結婚するべきだとか、相手は紹介によって決まるとか、現代のおいらたちの認識がいかに新しい考え方かということを見せつけられる 2女の幸子とその旦那貞之助が雪子のために尽力するも、空振りに終わり続ける。しかし恨み言など一切無く、気持ちのよい性格である とにかくおもしろい、明日は下巻を借りてこよう
0投稿日: 2012.05.10
powered by ブクログ韓流狂いの妻へ告ぐ 谷崎の描く女性は、当時トンデモであったはず。 今にしてみれば、魅力的でもあり普通にあり得る話で。 そう見ると、 谷崎って女性の姿を未来どっていたのかなぁ。 最後に雪子と妙子は、背を向けた人生を歩むのだが。 姉妹は、時代や人生の方向に関係なく 日本人の根に住みつき、張りめぐった美しい心を 失わず、未来へ進んで行ったと感じます。 谷崎は未来の女性に、失望するでなく称賛の意をこめて 「こいさん、たのむわ」と伝えたかったのかも。 歳の節目で、嫁をながめつつ再読したいと思います。
0投稿日: 2012.05.04
powered by ブクログ4月1冊目。今年の37冊目。今月はたくさん読みたい! 谷崎潤一郎の代表的な作品。といっても私はこれが初めての谷崎作品なのですが・・・。まぁたぶん有名なやつでしょ!裏表紙かなにかに書いてあったような気がする。 会話が全部関西弁という新しさ。ただ、今でもこんな感じで関西弁を使うかは不明。そして大阪と東京の違いの演出。あとは中巻と下巻がまだあるので、感想的なものはほとんど言えません。 けど思ったことは、語彙の豊富さ。日本語ってこんなにたくさんいいろいろな表現があるんだーと思いました。まぁ現在使うか使わないかは別にしてね。それはともすれば難しいんだけど、日本語の表現力の豊かさを痛感しました。やっぱり文学を書く人は、1つの物事を多彩に描くことに関してはすごいと思いました。 ただ内容的にはまだ何とも言えない。
0投稿日: 2012.04.04
powered by ブクログ谷崎潤一郎という文豪が、「細雪」という文豪の代表作が、とか色々言われているが、小難しとか難解ということは全くなく、素直にオモシロい!たしかに「上」「中」「下」と長いが谷崎の美文ですらすら読める。 最初にとっとと四姉妹の名前さえ覚えてしまえばこちらのものだ!読める! あ、唯一、いかにもなお嬢様感(特に「雪子」の)が少しだけ鼻につくかも。それはそれでオモシロいけど。
1投稿日: 2012.03.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『細雪』は、谷崎潤一郎の長編小説である。 昭和の戦前~戦中にかけての、大阪の名家に生まれた四姉妹を中心とした人間模様が、美しく鮮やかな筆致で描かれている。 谷崎文学はしばしば「悪魔的」だと言われるが、この小説の中にもそういったエッセンスが多分に含まれており、女性の持つ可憐さと狡猾さが絶妙に織り込まれている。 谷崎文学の特徴として、内面描写もさることながら、外面の描写も見事だという点が挙げられる。姉妹が纏う着物などは、その華やかさが文字から浮かび上がってくるかのように描かれ、彼の「美」に対するこだわりが窺える。 会話文で用いられている大阪弁も生き生きとした印象を与える。『陰翳礼讃』で、彼は「大阪弁が日本で最も美しい方言」だと述べていたが、その彼の心意気が十分に発揮された小説となっている、と感じた。
0投稿日: 2012.02.24
powered by ブクログ関東以西に住んだことがないにもかかわらず、会社が大阪の会社ということで何かヒントになるだろうか、なんて思って読んでみた。 最初の30ページを読むのに10日くらい要したが、姉妹の会話が始まるとすらすらと読める。 時代背景と地理が理解できないこと、また谷崎独特の”。”がない文章には戸惑った。ただ、”。”なし文書は、たとえば幸子の心理描写などでは随所に見られる和の作法や佇まいと併存させると一層引き立つ。その点だけでもおつりがくるくらい十分味わいを感じた。 この本が書かれて60年以上が過ぎた。その間文化や風景は変われども、4姉妹の人間模様はいまだ心を打つ。人間の内面って変わらないのだなぁ、と改めて思った。
0投稿日: 2011.12.27
powered by ブクログ花見に行けるかどうかを数ページも延々と心配している。 国語の教科書に載っている古典をその時代の人が読んだら、こんな風に面白いのかなと思った。
0投稿日: 2011.12.07
powered by ブクログ◆物語の世界に誘われて◆ まず著者の文章の美しさに魅かれる作品です。主人公の4姉妹が蘆屋の上流階級という設定によるところも大きいでしょうが、ゆったりとした関西弁のやりとりの中に、自然と惹きこまれていきます。 映像化されたことも多い作品ですが、花見の場面など、是非自分でその世界を創造してみてください。
0投稿日: 2011.10.07
powered by ブクログ谷崎潤一郎の小説はまずハズレないね。鶴子、幸子、雪子、妙子、美しき四姉妹の家族ドラマ。関西を舞台に古き良き日本の情景に思いを馳せる文学作品。登場人物がみんないい!美しい!早く続きが読みたい。
0投稿日: 2011.09.15
powered by ブクログ昔の小説ですが、とても読みやすいと思います。まだ中下は読んでいませんがスラスラ読めるので、かなり厚いけれど楽しみです。 四姉妹が性格がよいのがいいのかもしれません。読んでいて、読み終わって気持ちいい小説です。 個人的には雪子がかわいくてお気に入りです。
0投稿日: 2011.08.13
powered by ブクログ大阪の言葉で優しく生き生きとした世界が広がっている。着物や関西の地域名がたくさん出てくるのでとても楽しく読めた。季節の移り変わりや心情を細やかに表現されている。何度もゆっくり読み直したい本。
0投稿日: 2011.07.08
powered by ブクログ大阪の旧家の四姉妹が繰り広げる、四季折々の物語絵巻。 この作品を読んだころ、私は「名作って、読まなきゃいけないのかなぁ」なんて考えていた。 というのは、高校の図書室の先生と仲良くなって、彼女に名作をもっと読むことを薦められていたからだ。 そこで漱石とか三島とか、ちょびっと読んでみたのだが、どうにものめり込めない。 怠け者の私は、「ああ、やっぱり私には早いんだ」と単純に考えて、名作からしばらく離れていた。 ところが、ちょっとした偶然から(?)私の敬愛する作家である恩田陸氏が「自分の中で面白い小説」とかいう本を3冊紹介しているのを読んで、その中にこの『細雪』が挙げられていた。 そんなわけで、名作素人の私はいきなり、上中下巻の大作の『細雪』を手に取ったわけである。 この本は私が今まで抱いていた「名作」のイメージとは、全く違う本だった。 まず、会話が全部関西弁というところからして驚きのはずなのだが、名作初心者の私はそんなことには全く気づかず、一文がとにかく長いことにびっくりした。 それまではなんとなく、名文と言うのは贅肉のない簡潔でストイックな文章のことだと思い込んでいたのだ。しかし、この本ではゆらゆらとしかし不思議にたおやかな文章が、取り留めなく語られている。それが不思議と心地よく、姉妹の会話がそのまま耳に聞こえてきそうで、面白かった。 また、人間の機微や心理描写など、じれったくなることを細々と書かない乾いた語り口にひかれた。私は基本的に、アンニュイな湿っぽい雰囲気が苦手なのである。 というわけで、この本は初めて「名作も面白いんだ」と思うことが出来た、私にとっての記念の本なのだ。 名作だからのめりこめなかった、というのではなく、新刊でも自分に合う合わないがあるのと同じように、名作にも相性があるだけなんだ、とこの本が気づかせてくれたのである。
6投稿日: 2011.07.03
powered by ブクログ日本の小説の中で優れた大長編(そこそこ量がある)、と言われて私が思い浮かぶのがこれ。なんとなく谷崎を敬遠していた時期もあったのだが、これ読んでみてすごい、と思い、他のものもどんどん読んでいった。 小説10冊選んでくれ、と言われたらこれ入れます。
0投稿日: 2011.05.29
powered by ブクログ昔の時代の4人姉妹のお話。お見合いやら家柄などと今よりもだいぶ面倒だったのだなぁと感じましたが、昔の言葉遣いがとても心地よく(難しい言葉もありましたが)、自分の知らない時代を端っこだけでも知れた気になりました。時間がまったりと流れていくのがとても心地よかったです桜をみんなで見に行くシーンが好きです。
0投稿日: 2011.03.05
powered by ブクログキンランドンスな大阪弁と、育ちの良いお嬢さんたちの、まったりだらだらモードが不思議と心地よい。しかし最後下痢ってのがなあ・・・。 幸子=わたし 雪子=しず 妙子=カト (2005.1読了)
0投稿日: 2011.02.17
powered by ブクログ水村美苗つながりで再読。最初に読んだのはもう20年以上前のことなので細かい内容は忘れているけれど、阪神間の有閑マダムみたいな話で、大好きだった記憶が。再読してもやっぱりすごくおもしろくて、なんてことはない家族や結婚の話が、なんだかジェーン・オースティンみたいだなーと思ったり。いかにも名作とか古典って感じではなく、大衆小説っぽい。そして文章がすごくするすると読みやすくて気持いいくらい。やっぱり大好き。ほかの谷崎の有名作品ってあんまり読む気がしないんだけど。
0投稿日: 2011.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろかったのですね~、これが。 「細雪」というのは国語の授業で名前だけは知っていました。 だけど昔の文学ってやつだし、読みづらくてきっとおもしろくないだろうと思って、今まで手に取ったこともありませんでした。 だけどいざ、手にとって読んでみると……。 おもしろい。 鶴子、幸子、雪子、妙子の4姉妹の話で、主に幸子と貞之助夫婦が、妹たちのことを心配したり世話をやいたり、という話なんだけどおもしろかったです。 なんか自分というものがないような雪子にイライラしたり、妙子はさすが末っ子だなぁと思ったり。 結婚するにも家柄が…とか家長の許しがないと…とか、昔の結婚は大変だ。 しかし谷崎潤一郎という人、この名前と「細雪」というタイトルの印象からもっと繊細っぽい人を想像してしまってましたが、写真は全然違いますね。 どうしても似た名前の谷川俊太郎さんを想像してしまうからか。
0投稿日: 2011.01.17
powered by ブクログ大阪の四姉妹の物語。 最近の小説は下手に伏線ばかりで、このような純粋な物語性に若干最初はなれなかったが、次第にどんどん引き込まれた。当時の様子や美徳がわかり面白い。 Nov 2010
0投稿日: 2010.11.13
powered by ブクログたとえば男一人、女三人でドライブに行くと想定しましょう。運転するのはもちろん男です。助手席はこいさん、後ろに幸子と雪子を乗せましょう。さあ出発。芦屋をでて、とりあえず西へ西へと走らせよう。女たちは始終おしゃべりです。中巻に、庭から蜂が飛んできてみなできゃッきゃするシーンがあります。ああいう感じで、うわさ話をし、ぐちをこぼし、人物批評をしたり、世相を語ったりします。男は、黙々。ときにつられて笑い、ときに聞かなかったことにしたり、基本は聞き流して、ハンドルに集中。。 こういう読書をさせてもらうことは、なかなかありません。その意味でも貴重な作品だと思います。また、四姉妹の物語として味わうのもいいですが、私は幸子と貞之助の、ある夫婦の物語として読んでしまいます。私は女ではないので、女たちの会話の中心にズカズカと入っていくわけにはいきません。貞之助が物語の説明をしはじめると、妙な安心をおぼえます。 上巻なのに中巻の例をだすのはおかしいですが、都合がいいので先ほどの蜂のはなしといきましょう。 「あ、来たで来たで」 わあッ、わあッっと云う声を挙げて、… 「何やねん、お母ちゃん」 五人は蜂と鬼ごっこでもしているように、… 「何やねん、あの騒ぎは」 「お春どん、何やねん」 「蜂に追いかけられてはるねん」 「何と云う派手な…」 五人が一とかたまりになって駆け足の練習でも しているように握り拳を両脇に附けながら走って~ さて、蒔岡三姉妹のドライバーに任命されたその男、はなしをふられるとどうももじもじしてしまう性質なのか、ついつい、「何やねん…」といってしまいます。そのくせ、このドライブをもっとも楽しんでいるのでありました。。
0投稿日: 2010.09.03
powered by ブクログ谷崎って女?女なの? なんでこんなに女のことわかってんの?姉妹とか女ばっかの家族の雰囲気とか! 上・中・下とあって長いから読むのめんどくさいなーと思いながら読み始めたんだけど、谷崎大先生の女描写に驚愕しながら、あっという間に読んだ気がする。 さっすが文豪はちげぇや!ってかんじ。 蛍狩りでの雑魚寝のエピソードがあったのですが、ほんと風流で美しくって、ちょっと汗ばみながら、ウウンやぁね、誰の腕よ・・ンもう!てなったりするのがね…イイよねー。ウン。 タイトルは細雪だけど細雪が降るようなシーンはありません。 でも細雪って雪がつく言葉の中で一番きれいな音だよね。 それから加山又造の絵の装丁も、すっごくイイ! 谷崎大先生はなんか美についてエッセイを出されていて、それを読んだ人たちはたいてい日本の美ってスバラシイ!私たちこんなすばらしい日本の美を忘れません!みたいな感想をもつんだけど、それはこっちよんで感じろや!!! あと、本読む前に日常で思うだろ! って、エッセイをよんだ人のレビュー読んだとき歯がゆく思った。 エッセイの300倍美しいっつーの!!!
0投稿日: 2010.08.29
powered by ブクログはじめの一文が群像めいていて、挫折する人があるならばきっとそこだろうとは思います。一文一文を線香花火のようにいつ終わるかもわからない細い調子でもってずるずる引っ張ることで、『ですますである、だ、過去形の〜た』のように文末が非常に単調になりがちとなる現代口語の致命的な弱点を見事に克服している細雪の文体は、僕にとり驚異であり、およそこれ以上はないと思わせる無二の作家はこの谷崎潤一郎をおいて他に考えられません。
0投稿日: 2010.06.08
powered by ブクログ1948年(昭和23年)。 しっとりとした日本情緒と、瀟洒な昭和モダンの雰囲気、双方が味わえる風雅な風俗小説。前者の象徴として雪子が、後者の象徴として妙子が配置されていて、その対比も面白い。それもステレオタイプに美化されているのではなく、内気な雪子が実は強情で口論となると舌鋒鋭かったり、怖いもの知らずにみえる妙子が案外意気地がなかったりと、人物造形がリアルで生き生きしている。世間体を気にする所や、金銭的にガッチリしている所も、関西人らしくて楽しい。幸子が桜に思いを馳せるくだりでは、日本人なら誰もが感じ入るところがあるのでは。
6投稿日: 2010.06.01
powered by ブクログ読んでいるときは、ただダラダラと4姉妹の暮らしを読むという感じ。退屈じゃん?みたいな。読み終わった後に凄さを感じる小説と思います。 美しい情景がずっと心に残るのです。 そして、皆が変化していくのです。 3女の雪子が一番残るような。 上中下と行くにつれて、☆が増えるわけです。
0投稿日: 2010.04.17
powered by ブクログ2010.03.02. 久しぶりに読みたくなって、書庫から3巻セットで出してもらった。こいさん、いとさん、御寮さん…流れるような大阪弁(関西弁)で、すっと世界に吸い込まれる。(もう没落したけど)上流階級4姉妹の生活というのは、読んでいてなんとものびやかな気持ちになる。「B足らん。」と言ってビタミンの注射をし合ったり、見合い話にやきもきしたり。当人たちは忙しいんだろうけど、傍から見てると羨ましい生活を送っている。4姉妹それぞれの個性もおもしろいし、当時のエエトコの暮らしが存分に楽しめる。
0投稿日: 2010.03.06
powered by ブクログ細雪。 谷崎作品の中で有名な作品と言えばこれかな。 毎晩、半身浴のお供でした。 ある家族の些細といえば些細な それでいてどこか普遍的な物語。 隣の家の噂話を耳にするような作品。 女性はスキかも。笑
0投稿日: 2010.02.12
powered by ブクログ読みごたえのある作品でした。 なかなか物語が進行しないのでペースが上がらず読みきるのに時間がかかってしまったが、昭和初期の上流階級の人の生活模様をうかがい知ることができるのみならず、歌舞伎座や、見合いといった今ではあまり目立っていない習慣、文化と古人がどのようにかかわってきたかを知ることできた。 雪子のような理想的な女性の美しさと生活の中で人々が織り成す何気ない美しさがかかれており、その点が作品をただの風俗小説から脱却させている。 『痴人の愛』ほど強烈な印象を受けなかったが勉強になった作品であった。 最後の雪子の縁談が決まるまでがあっという間で今までこんなにも苦労したのにあっけないなと感じてしまった。
0投稿日: 2010.01.09
powered by ブクログお見合いはいかにして場が設けられるか。 いかにしてお見合いは決裂するか。 なかなか結婚できない女性は、 周りからどう思われているか。 お見合いのシーンだらけです。
0投稿日: 2009.10.16
powered by ブクログ昭和初期の大阪で、名家蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子を巡る長編小説。 舞台版のCMを見て面白そうだな〜と思って読んでみました。 雪子役が檀れいさんなのですが、繊細で可憐な雪子像が 檀れいさんとぴったりです。 文字が非常に小さいので、最初は読みづらかったですが 面白かったのですぐに読めました。 中巻に期待です!!
0投稿日: 2009.09.28
powered by ブクログなんて上手い描写だ、などと意識する事もなく、ふとした折に流れる文章に驚嘆する、これが小説が優れているということではないか
1投稿日: 2009.07.21
powered by ブクログ図書館で借りました。 話の内容としては決して私の好きな系統ではないのだけれども、 読むことに全く抵抗がない。 素直に受け入れられる。 つまり文章が素晴らしく平凡なんだろう。 褒めてます。
0投稿日: 2009.06.01
powered by ブクログ谷崎は蓼喰う虫+陰翳礼賛がベストだとは思うけれど、このご時世なので婚活本としても読めるコレを。 手広く商売していた父親の事業が尻すぼみ→死去で、「いいとこのお嬢さん」として「いいとこ」に嫁ぐはずだった梯子を外されてしまった姉妹。 姉の雪子はあくまで受け身に見合い話をじっと吟味。いわば回転寿司方式。 妹の妙子は若い頃やんちゃしちゃったし〜…で、待ってても無理!と自活&身分とかかなぐり捨てて婚活。 明日はどっちだ…!
0投稿日: 2009.02.04
powered by ブクログこちらもかなり好きな作品。 映画化されたものも素敵。 女の美しさ、いやらしさ、醜さがよく描かれている。 男たちはただ翻弄されるだけ…
0投稿日: 2008.12.04
powered by ブクログ上巻読了。 この時点での印象は、「大阪(関西)弁わからない人にはキツいかもなー」。 似たような印象は川端の「古都」でも受けたけれど、この舞台、この話し言葉あってこその世界。それが、関西以外の土地の読者に文章で伝わるものかどうか…私自身、両作者同様、関西と縁のある人間であるので、こればかりは一寸判断しかねる。ただ、私はなんとなく好きな世界。(でもまだ上巻しか読んでないので星は三つで。) しかし当時の女性は大変だ〜シミ一つ出来ただけで、縁談に支障が出るなんて…!
0投稿日: 2008.10.27
powered by ブクログぐああ、やられた! まさに日本の美がここにあるのです。 文字のはずなのに、これは映像、いや情景なのです。 もっそい着物が着たくなって、思わず引っ張り出してしまった。 08.10.23
0投稿日: 2008.10.24
powered by ブクログ華麗な文体で綴られる美しい姉妹の物語。上から末娘まで順番に時代の流れが感じられる性格の陰影には思わず惚れてしまう。
0投稿日: 2008.09.21
powered by ブクログとにかく美しいです。やはり谷崎潤一郎は天才作家といえるでしょう(変態とも言うが…)。 三島由紀夫は谷崎に感化されたといいますが、谷崎の世界の美しさには及ぶべくもありません。 谷崎の作品は、美しいけれど狂気に満ちたものが多いですが、細雪は純粋に正統的に美しいですよ。
0投稿日: 2008.06.19
powered by ブクログ大学に入ってから、予備校の現代文の授業によって、 ちゃんとした日本文学作品が読みたくなり、大学の図書館を漁ってみたら、出会った一冊。というか三冊。 おおさかに住む姉妹を細やかに丹念に綴った作品。 母の実家が兵庫なだけあって、関西弁が心地よい。 それぞれ個性的な姉妹が年を追うごとに変わっていき、日常の中でいろいろな事件がおこる。 姉妹のきずな、女のそれぞれな生き方がしとしと書いてある。それがまた心地よいのだなあ。 私は好きです。この作品。
0投稿日: 2008.05.30
powered by ブクログわたしは関東の人間なので、関東の人間が書いた関西弁小説に関する違和感など感じずに読んじゃいました。 3姉妹物語。姉妹でもこうまでに違う人生を歩むものなのだなぁ。という感じです。
0投稿日: 2007.11.04
powered by ブクログ言わずと知れた谷崎の代表作ですが、『負け犬の遠吠え』の後に読むとちょっと違った楽しみ方ができます。子沢山で家計が苦しく、本家として旧家の体面を保つことに汲々としている鶴子。自由で裕福な奥様の幸子。対照的な性格の雪子と妙子はさしずめ昭和の負け犬か…? 谷崎は三女・雪子に彼の美意識の全てを注ぎ、究極の女性像を体現しています。今ではこんな女性はいないのでしょうが、ちょっと憧れてしまいます。
0投稿日: 2007.10.13
powered by ブクログ何か名作を読もう、と思って選んだのが細雪です。なんとなく。 読んでみると、日本語というより、私的には関西弁が美しいと思いました。つい声に出したくなるような。 京都のあちこちが出てきて、昔の京都を想像するのも楽しかったです。
0投稿日: 2007.10.08
powered by ブクログ良家はいろいろ大変そうだ。 早く続き読みたい。 神戸の知ってる地名が続々出現でちょっとうれしい・・
0投稿日: 2007.02.14
powered by ブクログ最も好きな作品の序章です。もう、これは小説なのに絵巻物! 素晴らしい! 美しい日本語で書かれていて、読んでいても居住まいが正される気がします。
0投稿日: 2007.02.06
powered by ブクログ私が育った世界がそのまま凝縮されている。蒔岡姉妹の価値観、話し方、生活様式、全てがおばあちゃんと同じで思わず笑ってしまう。
0投稿日: 2007.01.25
powered by ブクログようやく読めました!もちろん中と下も。なんか思ってたよりも読みやすくて驚きです。これから本格的に谷崎にはまっていきそう…
0投稿日: 2006.11.07
powered by ブクログ上中下三巻。男の作家が描く女性像は大抵気に入らないのだが、谷崎は別だ。打算的で人目が気になる、でも情の深い生きものとして描き出された女性像には、よく知ってんなあとほとほと感心するしかない。無口で強情なモテキャラ雪子よりも、時に妹を憎いと思いながらつい心配してしまう幸子の方が、正直で魅力的に映る。 日本人のあけすけさ、したたかさ、慎み深さが思い出されて、まんざら日本人も捨てたもんじゃないと思える。
1投稿日: 2006.09.18
powered by ブクログテレビドラマのような小説で読んでいて楽しいです。登場人物の息づかいがきこえてくるような瑞々しくて親しみ易いお話。人生の暗い面も描かれてはいますが、読むたびに姉妹っていいな、と思います。
0投稿日: 2006.05.28
powered by ブクログ関西っ子なので、この大阪弁が心地よく読める大好きな半身浴のお供本。昔の中流階級の生活がただ淡々と描かれているだけなのにいつのまにやら登場人物たちの日常に引き込まれてしまいます。 この時代、確実にあたしなら「不良娘」のレッテルでお嫁に行けないでしょう。
0投稿日: 2006.05.16
powered by ブクログ全3巻。大阪の四姉妹の日常です。古き良き日本、古き良き関西。長女の鶴子さんと、次女だけど長女っぽい幸子さんについつい感情移入…。
0投稿日: 2006.01.28
powered by ブクログ大阪の四姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子の日常が綴られる。 柔らかな関西弁がはんなりと目に心地いい。昭和初期に書かれたものだけれど、そこに描かれる女性の姿は決して古くない。留学を目指したり、文化的なものに触れて教養を高め、また、30を過ぎて独身で、なんて断片だけを見ると、近頃負け犬とカテゴライズされる女性像に通じるものがあるけれど、どこか違って、爽やかで清清しい。それは、彼女たちが決して「いい女」を目指していないからかなぁと思う。自分を商品化していない。日々を等身大で、丁寧に暮らしている。匂い立つような情景描写。日本が好きになる一冊。
0投稿日: 2005.11.26
powered by ブクログ中学の頃かな。日本語の一番正しい作家として紹介されました。着物とか、古き良き日本、そして関西弁がお好きなら、是非。
0投稿日: 2005.06.14
powered by ブクログ姉妹ものって好きになったのはきっとこの作品から。1つの物語でたくさんの事を味わえちゃうからいいですね。 この大阪雰囲気が好き。
0投稿日: 2005.06.04
powered by ブクログ小説 / 戦前の上方文化の素晴らしさが伝わってくる。緻密な描写に加えて、実在の地名や店名が出てくるので、読んでいると映像が浮かんでくる。生活、食事、旅行、…。美しく、そして贅沢。訳注が面白い。
0投稿日: 2005.04.04
powered by ブクログ私も3人姉妹なので、長女の幸子に感情移入して読んでしまいました。(鶴子はあんまり出てこないんで…) 特に、豪雨のときに末の妹の妙子が 帰ってきて泣くシーンね!超分かる〜って感じです。
0投稿日: 2004.10.26
powered by ブクログ力を抜いて読める本はないでしょうか?という私の問いに、本好きの友人が紹介してくれた本です。 まさに、力を抜いて読み始めたのですが、結構のめりこんで最後までよんでしまいました。 古きよき時代の関西の文化を中心に4姉妹の物語が進められていきます。
0投稿日: 2004.10.13
powered by ブクログ昭和初期の上流階級の生活が手に取るように伝わってくる名作。日本版(ちょっと歳をとった?)若草物語、といったところ
0投稿日: 2004.09.30
