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おれのおばさん
おれのおばさん
佐川光晴/集英社
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総合評価

60件)
3.6
7
21
21
5
0
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    父親が横領で逮捕され、埼玉の家も処分するため、母の姉の住む北海道へ移住することになった陽介。母の姉の恵子は、寝たきりになった祖母の世話を行いながら、孤児や家庭に問題があって家から出た中高生たちの世話をしていた。親のいない家庭に問題のある少年少女たちと、厳しい恵子との生活の中で、様々な出会いをしていく。 タイトルから、ユーモア小説家と思いきや、親が逮捕されたところからスタート、虐待などで問題のある家庭の人々、離婚など、ちょっと盛り過ぎなんじゃないの?というレベルで色々あるため、割と重め。だが、ストーリーがそこそこ進んでいくため、息をつかせず読ませる。 一方で、時系列が突然戻ったり、会話の直後で主眼が移っていたりと、途中でだれがどうしたのかわかりにくい部分があり、時々引っかかるのが難点。薄い本なんだから、もうちょっと場面の移り変わりに説明があってもよいのではないか。 この作品は作者の文庫第一弾らしく、「おれの」シリーズで売っている模様。テーマも含めて宗田理っぽい。憧れなのかね。

    0
    投稿日: 2025.06.05
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    一気読み、文体も読みやすく楽しい時間だった。 過酷な状況下で少年が大人になっていく話。少年が賢すぎ逞しすぎるけど小説だしいいか。 なんせおばさんがパワフルでカッコ良いのに人間臭くて好き。続きが読みたい

    9
    投稿日: 2025.01.11
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    2024.12.23〜26 インスタのおすすめで見かけて。 主人公が、とても、勉強が出来るにしても、出来すぎている感じがした。それとも今の時代の子はこういうやつもの?と思ったら15年前の本だった。やっぱり、自分の事を客観的に見る事が出来すぎていると思う。 けど、おばさんのような人がいて、福祉を受ける人たちが幸せになれるといいし、問題になったクラスメイトたちのように、こういう人と触れてきっと何かを考える機会に出会える人がいる、っていうのはいいなぁ、と思った。 自由に生きてるように見えるおばさん。強い。 歳を取れば取るほど自由に生きるのが難しいと分かるし、若い頃よりは世間も分かって、やりたい事をするのが難しいと感じるけれど、おばさんのように生きられるのは幸せだと思った。 記録しようと検索したら、続きもあるみたいだから、読みたいな、と思う作品だった。

    4
    投稿日: 2024.12.26
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    佐川さんの文体はやっぱり好きだ。 人間は脆いけど、つながった人間は強い。 人生の巡り合わせ、自分らしく生きること、権利と義務、不遇の中での幸せなど、人生色々を疑似体験させてもらえるような作品。

    1
    投稿日: 2024.04.20
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    なかなかありそうにない設定ではあるが 主人公の「おれ」が 初めて会う「おばさん」を通して 成長していく姿に心揺さぶられた 親はなくても子は育つ どころか 親がない方が子は育つ のかもと思わせられた

    11
    投稿日: 2024.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    母に勧められた本。父親の犯罪により生活が変わってしまった中学生、陽介くんのお話。結構な生活の変化にも腐らず冷静に過ごしていく彼はすごい。理路整然と考えられる頭脳と諭してくれる友人、知人の存在は宝物だと思う。胸が苦しくなるような時も誰かがいると心強い。ハッピーエンドで安心した。 本棚登録のために検索したらシリーズになってたことを発見!やったー。続き読もう。

    1
    投稿日: 2023.10.06
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    おれのおばさんシリーズの第1弾。平穏に暮らしてた両親と、おれ陽介は、父が浮気と横領をし逮捕された事で叔母が営んでいる養護施設で暮らす事になる。読みやすい文章と軽快な表現ですぐ読み終えた。続きが気になるところ。

    1
    投稿日: 2023.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おばさんがかっこいい。児童養護施設は何かしら訳ありの子達がほとんどだが、主人公の葛藤と心の成長が微笑ましかった。 「人と人はお互いの何もかもを知らなくてもつきあっていけるのだし、だからこそいつか全てを知っても、それまでと変わりなくつきあい続けられるのだ」刺さる言葉でした。続編があるようなので読んでみたいです。

    1
    投稿日: 2023.07.21
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     佐川光晴さん初読でした。直前に読了した『世界地図の下書き』(浅井リョウさん)とともに、こちらも坪田譲治文学賞受賞作品。それも、児童養護施設が舞台である共通点も‥。  物語は、児童養護施設で過ごすことになった中学生・陽介の視点で描かれます。父親の単身赴任、浮気、横領に始まり、母と姉(伯母)の確執など、これは酷いなぁという読み手の思いを他所に、陽介には悲壮感が感じられず、冷静な印象です。地位や収入に関心を寄せ、「俺は俺」と周囲と一線を引き、拒絶する覚悟さえ感じます。やや違和感?  並行して綴られる伯母の他を圧倒する現実離れな遍歴、型破りな性格・行動が半端ないです。更に、施設に関わる大人たちの様々な苦しい事情、同居する他の子たちの生育歴や苦悩‥。これらを通じて、陽介は自分の生き方を自問していきます。  でも、早熟そうでいても中学生は中学生。多くの人と関わり、本音で話すことで、陽介は人の失敗の裏側を考えられるようになっていきます。自身のことも含めて、人・物事を客観視できるのは、立派な成長でしょう。  タイトルもあって、主は陽介? おばさん? と怪訝に思いますが、関わった多くの人たちで、好影響を与えた筆頭が〝おばさん〟であることに間違いはありません。名セリフも多いです。  シリーズ化で4作あるとのことですが、周囲の人との関わりや成長譚はどう展開するんでしょう?  題材は陰鬱になりがちなものにも関わらず、爽やかな読後感でした。

    44
    投稿日: 2023.05.09
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    父が横領事件で逮捕され、家族がバラバラになってしまった中学生、陽介の物語。 心揺れ動く時期に父親の裏側を知ってしまったことで、荒れてしまうのではないかと思っていたけれど、陽介の精神年齢は大人だった。 おばさんがやっている養護施設での生活やそこで出会った仲間たちとの関わり、経験が、陽介をより成長させていくものだと思う。 でも、このおばさんの存在が、何よりも陽介にとって大きな影響を与えるものなのだろうと思う。 中学生って、こんなにも色々なことを俯瞰して見ているのかな?とおもったところはあったけれど、大人が思うより、色々なことを考えているものなんだろうな。

    1
    投稿日: 2022.12.07
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    元気がもらえる物語! 現実味感は薄いけれど、この様な環境を子供達に与えられる様な自分になりたいという思いを強くさせてくれる。

    1
    投稿日: 2022.07.19
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    非常に読みやすい文だった。揺れ動く人の心(大人も子供も。)の描写がとてもリアルで、自分の身の振り方をこれから考えていかなければいけない今の私自身にもとても刺さった。 また、個人的には、自分の属する集団とは「自分と大体同じレベル」であることが多いと思う。お金持ちの子供が良い学校へ行き、いい企業に就職して、ずっとそれが続いていく。主人公の陽介はある意味ではそれを外れた場所に来た訳で、それこそ何事もなく生きてきたなら関わることの無い人達に囲まれて成長出来たことは良かったのではないか、と思った。

    1
    投稿日: 2022.03.08
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    #おれのおばさん #佐川光晴 #集英社文庫 #大吉堂 #YA #読了 大吉堂さんで購入。おばさんの生き様が超カッコいい。そして主人公、陽介の内言が多く感情移入しやすい。これから社会に出ていくんだということを理解し始める中学生の心理が描かれていてドキドキしました。 素晴らしい。続編も楽しみです。

    6
    投稿日: 2022.03.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良くありそうで、なさそうなお話。父親が横領で逮捕され、おばさんのもとに預けられることになった中2の陽介。おばさんは児童養護施設に訳あっていられなくなった中学生14人の暮らすグループホームを営んでおり、そこに暮らす卓也や健司、ありさ、奈津と共同生活を送ることになる。 まず感じたのは、陽介のおばさんの器の大きさ。中学生って自分の子どもでさえもてあますような、大変な思春期真っ只中なのに、14人も面倒を見る。いやいやすごい。大量の卵が割れてしまった時に、ホットケーキ大食い選手権をしたり、子どもが施設に入っている事情を教師がうっかり保護者に漏らした時には正面切って学校と対決したり、夏休みに子どもたちを奄美大島に行かせて色々な経験をさせたり、いやー、恵子おばさん、かっこいいわ。 でも一方で、大学中退、劇団の設立と解散、離婚、一人娘は別居、と苦労も多い人生。この話の最後に大きな決断をする恵子おばさん。陽介よりも恵子おばさんのその後のほうが気になるのはなぜだろう。

    2
    投稿日: 2021.08.07
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    時間をかけて、やっと読み終わった。 主人公が結構客観的に物事を捉えてたし、友達の卓也もすごく大人だな〜と思った。卓也カッコイイ。 それに対して、おばさんは奔放な人だな〜という印象。最後の下りとか、さすがにちょっと自由すぎるでしょ笑と思った。その突拍子のなさがおばさんの魅力ってことは分かるんだけど、身内にいたら多分嫌いになってる笑 最後の方はわりと畳み掛けるような展開だった。 続きも読むかな〜

    2
    投稿日: 2021.05.22
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    おばさんのような大人がそばに居てくれたら、子どもは安心だろうなぁと思う。こういう感じ好きだなぁと思う人と人との距離感が描かれていて、この感覚を子どもの頃に持てたら、大人になってからも生きるのが楽に、おおらかになるだろうなぁと思いました。こういうことを声を大にして言ってほしいよね、大人に。

    2
    投稿日: 2021.03.22
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    何かタイトルから、思春期の少年がきれいな叔母さんにあこがれるみたいな話かと思いきや、そういうおばさんじゃなかった。父親が会社の金を横領して捕まって一家離散状態になり、埼玉から札幌で児童養護施設をやってる母の姉に預けられた少年の話。 わりと冒頭で自分で自分のことを考えるときの一人称が「ぼく」から「おれ」になったって話が出ていて、「おれ」になったのは立ち向かわないといけない状態になったからみたいな主人公の思いが書かれていて、なるほどなと思った。 東大進学率も高い私立の進学校に通っていた主人公が、頭がいいだけでなくけっこういい人だった。思春期の頃ってもっと仏頂面だったり頑なだったりしそうだけど、わりと涙したり感動したり恋らしき思いに正直だったり、ちょっと意外な描かれ方でよかった。

    2
    投稿日: 2020.11.24
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    ぼくという呼称にふさわしい生活をしている主人公が父親の不祥事によりおれへと孵化するような話。 男の子から男になるのは、見た目や年齢的なものがあるが、『ぼく』『おれ』というのは、自らが選択し、それ相応になっていこうとする精神の成長の現れのような気がする。 おばさんという存在は、とてもたくましく本当にたくましいという表現がぴったりと思った。 しかしそのたくましいと誰もがおもうおばさんでさえ弱い部分が存在する、誰しも強くあろうとすれば強く強くなりうると感じた。 誰しも悩みをもちそれに打ち勝とうとする気持ち 自分だけが悩んでこの世の終わりと思うんではなく、そこからどうしていくか。自分がどうありたいかをとてもまっすぐに感じた。 短いし読みやすい。人の小さくても確かな成長をみれる本。

    2
    投稿日: 2020.09.04
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    ある日突然自分を取り巻く環境が変わる。 小公女ならずとも、むかしからよくあるテーマだけど、この主人公が平凡なようでいて、なかなかにスーパー中学生なので、そこがいい。 変に卑屈にならず、賢いので自分を取り巻く環境に自分をうまく適応させることができる。 タイトルの「おれのおばさん」もすごいけど、主人公の陽介くんもなかなかにすごくない?ってのが感想です。 面白かったー!

    1
    投稿日: 2020.04.18
  • ヒトの心は、結構しなやかて強いのだ!

     坪田譲治文学賞受賞作ということである。この賞は、大人も子供も共有できる優れた作品を選考するそうであるが、まさにそのような小説でありました。  小説の内容は、作品情報のとおり。もし自分が同じ境遇になったらどうなんだろうかと、誰もが考えてしまいますよね。まず、陽介のように、また陽介の母のように、父を許せるだろうか?愛人に貢ぐために横領だなんて、こっぱずかしくって世間に顔向けができないと、私なら考えてしまいます。  しかし陽介は、このような境遇にならなければ、おそらく一生出会うこともないような人々と触れあい、経験することもないような体験をしていく中で、たくましく成長していくわけです。ヒトは誰しも間違いを起こすもの、自分もそんな過ちを犯すかもしれない、そう思えば、間違いを寛容する心が芽生えるモノなのですね。  ちょっとだけ疑問だったのは、何故おばさんが、陽介の母親に対し、あそこまで上から目線だったのかな?ということでした。自分だって好き勝手に生きてきたんだから、そこまで強い態度をとらなくてもよいのではないかなぁ。「あんたも苦労してるんだ。」ってのがホントのところでしょう。  タイトルは、「おれのおばさん」となってますが、主人公は、陽介の方でしょう。彼の心情が実に活き活きと描かれてた感動作でした。文学賞受賞は、ダテではありませんよ。

    0
    投稿日: 2020.01.02
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    おばさんの運営する養護施設に住む羽目になってしまった中学生の話なのだが、周りの人々と交流しながら、前向きにたくましく成長して行く姿に引き込まれた。続編もすぐに読みたい。

    6
    投稿日: 2019.03.11
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    父が横領で逮捕され、名門中学二年の陽介は学校を変え母から離れ、伯母が運営する児童養護施設に預けられる。施設に深入りしない描写の為に陽介も共に旅行に行ったり暮らしたりする仲間たちとの日々もごく普通であるように感じられる。伯母にとっての芝居も描写はなくただ文があるだけで脇道だからかなという印象。爽やか。

    1
    投稿日: 2018.10.10
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    佐川光春さんの本は2冊目。 最初に読んだのが『おれのおばさん』に続く物語である『あたらしい家族』 どちらが先でも問題ないのだけれど、本作品を読んでからの方が、なるほど~、と思ったかも。 突然、父が逮捕されてしまった中学2年生の陽介。 母の姉が経営する児童養護施設で暮らすことになる。 様々な問題を抱えながら、中学生なりに前に進んでいく姿が気持ち良い。

    6
    投稿日: 2018.08.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夏休みの課題図書の候補として、同僚の司書からすすめられて読みました。 たしかに、主人公の陽介は中学2年生で、中学生の読書感想文という課題にはぴったりの設定ですし、なにより進学校に通っていた陽介が児童養護施設で暮らすようになり、新たな環境に適応しようとする様子は、生徒たちにとって想像しやすく感情移入も容易かもしれません。 主人公を中心とした児童養護施設ですごす子どもたちや、施設を運営する「恵子おばさん(陽介の叔母(母の姉)でもある)」の葛藤や成長も描かれています。 中学1年生が”これから自分たちが生きていくときの「方向性」を考えるきっかけとなる本”という、課題図書選定の基準を満たす本だと感じます。 ただ、個人的には納得のいかない、というか釈然としない読後感が残りました。(以下ネタバレの内容を含みます) おそらく、陽介が表立った(大きな)反抗をしなかったことに始まる、「物足りなさ」が根底にあるように思います。陽介は進学校に通っていましたし、転校先の学校でも勉強をしっかりとして大学では以前の「エリートコース」に戻ることを目指していましたから、不良息子になっている余裕がないことは理解できるのですが、それにしても聞き分けが良すぎるように感じました。 もう少し周囲と打ち解けるためのプロセスをしっかりと作りこんでもよかったのでは、と思いましたし、陽介たち施設の子どもをめぐるトラブルについても、学校が取った対応が非現実的すぎて、少し醒めてしまった部分もありました。さらに、「恵子おばさん」が胃潰瘍で入院したあと「もう一度芝居をやる」と決心してしまう場面などは、感動的(?)な場面を演出しようとしているような、著者の意図を感じるような気がします。 「人はお金や服装など、付属する要素で人間としての価値が決まるわけではない」ということや、「ありのままの相手を受け入れて接すること」といった生活を送るうえで必要なことを教えてくれる作品ではありますし、それらの要素に加えてどのような「読み」を中学生がしてくるのか、感想文を読むのは楽しみでもあります。

    1
    投稿日: 2018.07.04
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    大手銀行に勤める父親が、愛人へ貢ぐ資金の為に、顧客の金3,500万円を横領し、逮捕。 故に、主人公の中学二年生で勉学優秀な息子は東京から北海道の児童養護施設へ移住することに。 母は夫の失態を許し、また家族で暮らすため、自宅も売っ払い、一人住込みの仕事を始める。 児童養護施設の主である、主人公の叔母。 豪快。 本来ならシリアスになるであろう状況ではあるが、非常に明るく前向きな一冊。 青い春の真っ只中にいる思春期の少年が、「ぼく」から「おれ」に脱皮する青春物語。

    1
    投稿日: 2018.01.15
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    「人と人はお互いの何もかもを知らなくてもつきあっていけるのだし、だからこそ、いつかすべてを知っても、それまでと変わりなくつきあいつづけられるのだ。」 父の横領が発覚し、進学校を退学、一家は離散。この理不尽な状況を嘆くのではなく、自分を客観視し、すぐに行動にでる主人公。それは彼が置かれた環境が、児童養護施設であり、いろいろなものを抱えた子供が自分以外にいること、また見守ってくれている大人がいたことが大きかったからだと思う。お互いを気遣う優しい気持ちであふれた一冊。

    2
    投稿日: 2017.08.06
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    ある日突然父親が横領罪で逮捕され、苦労して入学した有名私立中学を退学。今まで付き合いが断然していた母親の姉が運営する児童擁護施設〝魴鮄舎〟に入ることになった陽介と、その叔母恵子と仲間たちとの触れ合いを描いた青春小説。 ブックオフで中江有里オビ宣伝を見て購入。 何かが起こるわけではないが、主人公たちの生活が淡々と描かれていて楽しく読めた。 後日談が読んでみたい。

    0
    投稿日: 2017.07.27
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    第26回坪田謙治文学賞受賞作。 名門中学に通ってた陽介の父親が横領で逮捕。 母のおばさんが営む児童養護施設で、暮らすように。 朝は基礎英語を聴き、種に交わらないようこつこつ勉強。 読みやすく人情味もあって好きな本だった。

    3
    投稿日: 2017.05.08
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    物語の舞台は札幌にある児童養護施設『魴鮄舎』 主人公は、父親が愛人に貢ぐために横領して逮捕されたせいで名門中学を退学し、母親とも別れて暮らさなければならなくなった陽介。 『魴鮄舎』は母親の姉ではあるが、パワフルすぎてアンタッチャブルで疎遠になっている恵子おばさんが経営してるのだった。。。じゃじゃーん。 母親とおばさんの生き方、考え方の違い、思いのすれ違い、でもそれぞれが自分の道を懸命に生きている。 フツーはこんな父親とはさっさと離婚、と思いきや、この陽介の母は離婚せず、家を手放し、息子を仲たがいしている姉に頭を下げて託し、住み込みで働きつつ、夫の刑罰軽減のために奔走し、借金返済の道を選ぶんですよねぇ・・・あ、ありえんっっ!!! しかも、陽介がまた幼い少年らしく泣いたりするわりには、賢さの賜物なのか、妙にしっかりといろんなことを考えたりするのだ。そのアンバランスさが中学生らしいというか・・・、なかなか興味深いものがある。 そして、自分や母親をこんな目に合わせた父親をどうしても憎めないのですねー。優しい父親らしいです。 そんな父親が単身赴任先では愛人にマンション買ってあげるために横領までしちゃうんだから、人間ってホントわからないですよねー。うわー、コワコワですぅ~ww とはいえ、人は逆境に陥ってこそ真価を発揮するもの。 困難にあったときこそ、成長する最大のチャンス! な~んて、まったく簡単なことではないけれど、そしてこんな理不尽な目には遭いたくもないけれど、順風満帆な人生なんて、ちょっとつまらないと思いません?w また『魴鮄舎』には、いろんな仲間がいる。問題も起きる。でも、仲間と、支援してくれる人と一緒に、それらをも受け入れ、時には立ち向かい、糧としていくのだ。 負けない、折れない。 でもそれは自分の力だけでなく、必ず誰かの助けがある。具体的な手でなくても、いつかの誰かの言葉だったり、いつかの誰かとの思い出だったり、読んだ本の中にあった言葉だったり。 そんなこんなでいろいろあるけど、ここはひとまず大団円・・・とはならない。おばさんはラストになってまたまた唐突な宣言をするw いくら頑張ってやってても、自分に嘘をついて生きているんじゃしょうがない! なーんて思ってはみても、なかなか実行には移せなかったりするものですが、このおばさんはあくまでもパワフル!一度きりの人生、体を張って生き抜くつもりのご様子、波乱万丈どんとこいっ!ってなもんですww あれ?前評判が高かったせいか、読んでる時は「それほどでも?」って感じでしたが、結構語っちゃってますねww 「おれのおばさん」には続きがあるみたい? とりあえず続けて読んでみよ~っと♪

    3
    投稿日: 2016.08.13
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    主人公、中2の陽介が、父親が横領で逮捕された為、突然の幸せな生活から、児童養護施設へ。母親は住込みで一人、働きに出る事に。それでも、グレずに力強く生きてゆく物語。ストーリーにドンドン引き込まれ、一気に読んだ。 色々あるけど、頑張れよ、、と応援したくなった。

    1
    投稿日: 2016.04.20
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    主人公の男の子が、まっすぐでかっこよかった。「夫婦であり、親であるということは、そんなにも難しいものなのか」。逮捕されたお父さんが弱い人間だから、そういう弱い人って人間関係が近い家庭というものは作れないのかもしれない。

    1
    投稿日: 2016.01.10
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    都内名門中学に通う主人公が、父親の不倫→横領→逮捕で叔母の児童養護施設に急遽預けられる所から物語が始まる。冒頭で自分を表す一人称の話が興味深い。本来''ぼく"であった主人公が"おれ"と言わなければならない程人生が変わってしまうが、色々な過去を持つパワフルな叔母や児童養護施設の仲間等と触れ合ううちに少しづつ成長していく様に心打たれる。身勝手な大人に振り回されても子供達は必死で生きているのだ。ラスト1行の叔母へのエールは成長した"本当のおれ"と言う意味で胸熱くなった。

    1
    投稿日: 2015.11.10
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    陽介は名門中学で勉強に勤しむ14才。過保護気味の母と銀行員の父と3人で破綻の無い人生を送っていたはずだった。 ある日父が業務上横領で逮捕される。3,500万円を着服し、愛人に1,000万円のマンションを購入。残った2,500万円を運用し穴埋めしようと画策するもリーマンショックの影響で全て水の泡と変わった。 陽介は母と犬猿の仲の叔母に預けられる。 叔母は北海道で児童養護施設の寮母をしている。 叔母は穏やかで上品な母と違い、とにかく豪快でユニーク。 寮生と野球拳をやろうとして止められたり、ミスで割れてしまった卵を使ってホットケーキ大食い大会を開催するなど豪放な人物。 かつては医大を中退し劇団を立ち上げたりと若いころからパワフルだったようだ。 陽介は自分を律して、施設暮らしとはいえ学力を下げない様に日々勉学に勤しむが、高飛車な所は無く、仲間たちと楽しく生活をする。 親友とも言うべき施設で暮らす卓也とも心を通じ合わせる。 さまざまな事件が勃発するが、皆、心優しい責任感のある大人の協力で乗り越えて行くので有った。 そんな中で芽生えた淡い恋、親へ反発、また感謝が彼を成長させていくのでありました。 この陽介君、秀才なのですがそれを鼻に掛けた所は無く、さりとて自分自身はしっかり持っているという素敵な男の子で。 さらに寂しさや不安で泣いてしまったり、好きになった女の子と一緒にいるだけで頭おかしくなってしまうくらいうれしくなってしまったりと母性本能もくすぐる要素が有ります。かわいいですね。 母は父親と離婚せず、父の更生を手助けし、金を一緒に返すという決断をするのですが、駄目おやじと30年会っていない私としてはそんな男見捨ててしまえ!と冷たい思いで見てしまいますが、人生いろいろですね。 続編有るみたいなので機会があったら読みたいです。

    2
    投稿日: 2015.09.21
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    普通この年頃で突然父親が逮捕してしまい母とも遠く離れて暮らすことになったら、 こんなに冷静にしていられるのだろうかと思ってしまいました。 いくら母の姉のおばさんが運営する児童養護施設に預けられたとしても 今までの環境とがらりと変わってしまうので、 多少自分の思い通りにならなくて窮屈に思うのに 困惑しながらも自分なりに道を開いていこうとしている姿が 大人にはない初々しさとはつらつさだと思いました。 児童養護施設を経営しているおばさんも波乱万丈な半生だったけれど、 それがあったからこそここに暮らしている子供達に体当たりで 接することができるのだと思いました。 その体当たりが子供達にも好かれる理由なのかもしれないと思いました。 陽介が初めは「ぼく」と自分の事を言っていたのが、 いつの間にか「おれ」ということになり これがここで成長した証だと思います。 児童養護施設だけの生活だけでなく、 北海道や奄美大島などでの大人がごく普通にしていることでも 子供にとっては厳しいことではあるけれど、 それが人間が成長する過程では必要なのだと思えました。 大人でも少しためらってしまうことでも乗り越えてしまうのが 子供のパワーだと思います。 陽介はこんな状況でも両親を憎むこともなく、 特に父親を憎むことがなかったというのが また好感を持てる少年だと思いました。 ストーリー全体が青春時代なのでその時代に戻ったような感じもし、 ラストも清々しく終わったので元気を貰えたような気がしました。 同じ中学生が読むのも良いと思いますが、 大人が読んでも懐かしさともう一度何かに頑張ってみようと思い出させられるのでお勧めかと思います。

    2
    投稿日: 2015.01.27
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    銀行員の父親が横領で逮捕され、母親とも離れ、母の姉が経営する札幌の養護施設に入ることになった中学生・陽介。元舞台女優のおばさんと施設の友人たちと暮らしていくなかで、大事なこと大切なものを知っていく。 何より、おかれた状況はドン底なのに、前向きな姿勢を失わない陽介に共感する。相手が善い人でもそうでない人、ましてや愛人に貢ぐために罪を犯した父親からも、何かを学ぼうとする気持ちが立派である。逞しく明るく生きていくという、出来そうでなかなか出来ないことだけど、今日から私も前を向いて歩いていこう。

    1
    投稿日: 2015.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学2年生の陽介がいいのです いい子ちゃんじゃないけど、根性あって 素直というか正直で、まさに青春真っ只中の男の子 こんなこと起こっちゃって、 でも、グレる暇もめげる暇もなく怒涛の展開で 一歩ずつ知らない間に成長している姿が 清々しくて、応援したくなりました

    1
    投稿日: 2015.01.02
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    父親が横領で逮捕され、名門中学退学を余儀なくされた陽介。 母の姉である児童養護施設を運営するおばさんに預けられる。 そこで出会った仲間たちに助けられながら、色々なこと学びながら、将来の夢も諦めない陽介はたくましい。 作中の『人と人はお互いの何もかもを知らなくてもつきあっていけるのだし、だからこそ、いつかすべてを知っても、それまでと変わりなくつきあいつづけられるのだ』という一節が心に残った。 ここでは言い切ってあるけど、これって意外と難しいことじゃないかなって気もする。 だけど、みんな頑張って生きているって感じられる作品って好きだなぁ。 続編も読みたい! 2014.12.21

    3
    投稿日: 2014.12.21
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    「本の雑誌」で北上次郎さんがシリーズ最新作を紹介していた。まったく未読の著者なので、ひとつ読んでみようかなということで、第一作を。 私は「本の雑誌」をこよなく愛し、かつ頼りにしているので、シーナ隊長とともに北上さんに対して大いに敬愛の念を抱いている。さりながら、どうも小説の好みが違うようで…。北上次郎激賞!というのを読んでは、うーん?ということがしばしばあって、本書もどうやらその一つ。 説明過多なんじゃないかなあ。語り手がいる小説だから、内心の吐露が多くなるのは当然だとは思うけど、それがするするなめらかすぎて、浅い印象を受けてしまう。次も読もう!という吸引力をもう一つ感じなかったのだった。

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    投稿日: 2014.10.02
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    養護施設『魴鮄舎』。そこは陽介の迫力ある個性的な叔母さんが仕切る場所。エリート一家が崩壊して、ここ北海道の叔母の施設に世話になることになった秀才陽介が、本当の賢さ優しさ逞しさを獲得していく様が小気味よい。本当に中学生?と思うことしばしばではあるけれど。人は困難にあったときが、成長する最大のチャンス。陽介と魴鮄舎のこれからの成長が楽しみですね。

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    投稿日: 2014.08.17
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    『ある日突然、父の逮捕を知らされた陽介。父が横領した金を返済するため、陽介は都内の名門中学を退学し、母の姉が運営する札幌の児童養護施設、魴鮄(ほうぼう)舎に入ることになる。急激な暮らしの変化に当惑しながらも、パワフルなおばさんと個性豊かな仲間に囲まれて、陽介は“生きる”ことの本質を学んでゆく。ときに繊細で、たくましい少年たちの成長を描いた青春小説。第26回坪田譲治文学賞受賞作。』 設定はすごく重たいのですが、読後感はとてもさわやかです。 母親の姉であるおばさんの世話になるのだが、おばさんとお母さんというのが仲の悪い姉妹で、ほとんど交流はなかった。 13人の中学生の面倒を見ているおばさん。 おばさんの周囲にいる、少し淋しくとても優しい大人たち。 抱えた事情を互いに詮索し合わないほうぼう舎の仲間たち。 陽介自身は冷静に事実を受け止め、いつかまた家族三人で暮らせるように、名門中学時代の学力を落とさないようにひとりコツコツ勉強をしながら、毎日を過ごしていた。 ほうぼう舎になじんできた頃、クラスメイトとのいざこざ。 夏休みの奄美大島旅行と、初恋。 母が過労で倒れたり、ほうぼう舎OBに振りまわされて、おばさんが胃潰瘍で倒れたり。 いろんなことを経験していく間に、陽介の心の鎧が消えてゆく。 かたくなにひとりの時間を作り、ひとりで勉強していた陽介だけど、ひとりで生きていけるほど大人ではないことは陽介自身が一番よく知っている。 パワフルで破天荒なおばさんは、やりたいように生きることによって人にパワーを与えられるような人。 お金はないけれど人脈が豊富なおばさんは、ひとりだけどひとりではない生き方を陽介に見せてくれたのではないかな。 おばさんとお母さんの仲たがいの理由とか、罪を犯してしまった父親への想いとか、過保護でうざかった母親への理解とか、そういうことがとても丁寧に書かれていて、中学生の陽介の目を通して大人もきちんと成長するのだ。 最後のおばさんの爆弾発言はいささか唐突ではあったけど、そこに至るまでのおばさんの心は陽介にはわからないことなのだから、これからきっと本音をぶつけ合って、なるようになるんだろうね。 カバー写真の真っ青な空のせいなのか、青春だからなのか、夏にぴったりの小説だと思う。

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    投稿日: 2014.08.11
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    冒頭から魅き込まれる筆力は安定しているし、多様な登場人物の設定も背景も生々しく生き生きと活写されている。中でも表題のおばさんのキャラとその経歴は強烈。主人公、陽介の視点から日々起こる様々な事件が報告され、同時におばさんの過去も少しずつ紐解かれていく展開も絶妙なバランス。ただそのせいか、全編が過去形、事後報告のような文体になってしまったのがもったいない。終盤で盛り上げるためにワザとそうしているのかとも思ったが、最後までそのままの調子で、臨場感も何も出ずに終わってしまったの。☆3

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    投稿日: 2014.06.03
  • 願いをこめて

    他の人から見ればどんなに破天荒な人生であっても、どんなに罪深い人生であっても、学ぶべき点は学ぶべき点として認める心と、自分も罪深く弱い人間である可能性を認める心を持つ、冷静でありながら、涙も流し、ひたすら前向きであろうとする主人公の中学生の心の有り様に「こうありたい」と願う作者の気持ちが反映されているように思えました。心に沁みる良作です。

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    投稿日: 2014.05.06
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    エリート社員の父親に、料理が得意で綺麗な母を持ち、名門の進学校に通う 主人公 陽介。 裕福に、育ってきたのに、父親の不祥事で、母親も、陽介も、居場所が無くなり、北海道に居る仲の悪かった母方の姉のおばさんの所に、預けられることになる。 そこは、児童養護施設。 今までに読んだことのない設定の物語であり、主人公が、中学生と言うのに、しっかりしている。 そして、登場する恵子おばさんのパワフルさが、とてもいい。 最後に、母親と、恵子おばさんが、長い間のわだかまりを解き、仲良く笑いあえるシーンは、ほっとする終わり方だった。

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    投稿日: 2014.04.07
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    主人公の陽介は私立の名門中学に通っていましたが父親が横領で逮捕され、母親は住み込みで働かなければならないため施設に預けられることに。その施設での日々をつづった物語です。おれのおばさんというタイトルは、施設をやっている母親の姉(つまりおばさん)から来ています。主人公の成長物語でもありますが、成長し変化するのは子どもだけではありません。大人だって、悩んでるし苦しんでる。でも精いっぱい生きているんだということが、強く深く伝わってきます。生きること、生きていること。その素晴しさをしみじみ噛みしめられる作品です。

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    投稿日: 2014.03.06
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    佐川さんは初読み。この作品はシリーズ化されているのですね。 確かに恵子おばさんのキャラは魅力的だし、脇も固まっています。また個人経営の児童養護施設という舞台も興味深く、少年の成長物語でもあり、シリーズ化には向いています。 でも続きを読むかといえば。。。 文章が固いのか、細かな心の動きが不足しているのか、どこか『肌触りの粗さ」を感じてしまうのです。 Amazonの書評を見ると『説明的」という表現がありましたが、その辺りかも知れません。

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    投稿日: 2014.02.22
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    父母と三人家族、それなりに裕福な家、受験をして希望の学校に進んだ… ところで、父の不祥事により、一家離散。 会ったことのなかったおばさん(母の姉)のもとへ。 そこで成長していく話。 読みやすく、主人公の成長に主眼があるので重すぎることはなかった。

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    投稿日: 2013.11.07
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    すいすい読める割に、広げた話がそれほど何かを巻き起こすでもなく、投げっぱなしでさわやかに終わるみたいな。 あれ?これでおわりって感じで肩透かしを食らう。

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    投稿日: 2013.10.29
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    ある日突然,父の逮捕を知らされた陽介.父が横領した金を返済するため,陽介は都内の名門中学を退学し,母の姉が運営する札幌の児童養護施設、ホウボウ舎に入ることになるが・・・.第26回坪田譲治文学賞受賞作.僕の出身,札幌が舞台ということもあって,妙に親近感を覚えた.心洗われる素敵な青春作品.おススメします.

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    投稿日: 2013.10.10
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    血のつながりの強さが面白い!みんな誰でも周りの人に支えられて生きている。少年から青年へのプロローグ。

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    投稿日: 2013.10.02
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    おばさんや主人公のかっこよさ、さわやかさが 心に残る。  ただ、実際に同じ境遇に立たされたら、もっと どろどろした気持ちになるのではないかと思った。

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    投稿日: 2013.09.23
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    おばさんのパワフルさと ほうぼうしゃで生活する子たちの 親子以上の関係性に 子育てや信頼関係とかがどぉいうものか考えさせられる

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    投稿日: 2013.08.28
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    中学生が大人になっていく過程の、成長物語、かなぁ。 あの事件が起こらないまま成長したら主人公はちょっと鼻持ちならない大人になっていてもおかしくないけど、周りの人たち(大人も子どもも)のいろんな事情を知って、たくましくなったんじゃないかな。

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    投稿日: 2013.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子どもから「大人の世界」を見たときに、どう見えるのか、それに対して何を考えるのか。主人公のおれは、とても柔軟な頭を持っていて、白とも黒ともつかない頭の中を、そのまま受け入れている。結論なんて出せない、それが人間のリアルな姿だと思う。

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    投稿日: 2013.08.07
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    児童養護施設からはじき出された中学生の受け入れ先として「おれのおばさん」こと恵子さんが経営している魴鮄舎に入ることになった陽介。さまざまな人との出会いを通して少年が成長する物語。

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    投稿日: 2013.08.02
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    まゆゆの課題図書。 主人公のひねくれっぷりが気持ちいい。 ここまで考えてる子なんておらんやろ,もしくは考えていても厨二病的なものだろうなぁ,ということをまじめーに考えている主人公なのです。 将来が全然楽しみじゃない(笑) ただ,この年代よりやや歳をとったときに読み返して,自分の内面のぐちゃぐちゃしたところや避けてきたところと向き合ういい機会にはなる作品だなぁとは感じました。

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    投稿日: 2013.07.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あらすじ・・・・ ある日突然、父の逮捕を知らされた陽介。 父が横領した金を返済するため、陽介は都内の名門中学を 退学し、母の姉が運営する札幌の児童養護施設に入ることになる。 急激な暮らしの変化に当惑しながらも、パワフルなおばさんと 個性豊かな仲間に囲まれて陽介は”生きる”ことの本質を 学んでゆく。時に繊細で、たくましい少年達の成長を描いた 青春小説。第26回坪田譲治文学賞受賞作。 初めて読んだ作者でした 中学生という時期に父親の逮捕で家族がバラバラになるんだけど 自分の信念をもって、施設でも自分のペースで頑張るところが凄い 施設を運営しているおばさんもパワフルでさっぱりしていて 読んでいて気持ちがよかったです 続編もあるみたいなので読んでみたいと思いました

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    投稿日: 2013.07.22
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    陽介はあんなに環境が変わってしまったのに、落ち着いているように見える。自分を俯瞰して、客観的に自分の置かれた立場を見ています。でも一方で精一杯でその気持ちが涙に、言葉に零れています。客観的に自分が見れるくらい落ち着いているのではなくて、そのくらいに大人に近づかなければならなかった、頭が良いということも時には複雑ですね。 それにしてもおばさんは生命力に満ち溢れているというか、人生を楽しんでてうらやましいです。陽介のお母さんとおばさんが姉妹でも正反対の性格と書かれていたけど、おばさんと陽介の方が正反対のように感じました。

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    投稿日: 2013.07.11
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    成績優秀で進学校に通っていた少年が父親の横領事件によって人生を変えられてしまう話です。 主人公は母方のおばさんの運営する養護施設に預けられ、そこで今までとはかなり違った人種と暮らすことになります。 最初はとまどい、抵抗するのですが、次第にみんなの魅力とおばさんのたくましさなどによって考え方を変えていきます。 若いからこそ順応し、いい方向に変えていく力があるんだろうなと思う。

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    投稿日: 2013.06.21
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    父親の逮捕により、急遽札幌の伯母さんに預けられることになった陽介。そこはおばさんが運営する児童養護施設でした。 薄い本だから、と一気に読んでしまったのが良くなかったのか…本質を見逃しているような気がします。陽介は中学二年生という年齢よりずっと大人びていて、泣くこともできるし、自分の気持ちを的確に言葉にすることもできる。もちろん札幌に来てから得た経験もあるんですが、成長というより、変化という方が近いように思います。「おれ」という鎧がはじめから馴染んでいて、気負っている感じがない。既に「いい男」なんです。これを大人になった陽介の視点で書かれていれば、年相応の大人が「当時は自覚していなかったけどこういうことだった」、「今思えばこうだった」という形をとれるので違和感はなかったと思うのですが。違和感というならば後半の展開も腑に落ちず。おばさんの決意にも、陽介の母親の登場にも、野月さんの行動にも、ハテナマークしか浮かんでこなくて、なんでそうなるのかついていけませんでした。 設定から劇的な波瀾万丈を想像してしまうのはそれこそ大人の偏見で、陽介と卓也の関係のように全体的にさらりとした小説になっています。その分、この小説のテーマを一言で表しているようなインパクトの強い言葉も出てきません。とても心地よく読める作品なんですが、本質が見えにくい。ゆっくり読めるときに再読したいです。

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    投稿日: 2013.05.14
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    突然一家が離散し、東京の名門私立中学校を退学して北海道へ移住、中学生だけを預かる児童養護施設で生活することになった陽介の物語。 施設を一人で切り盛りしているのは陽介の母親の姉。陽介はそのおばさんとはそれまで会ったこともなく、親からもほとんど話を聞かされていなかった。おばさんをはじめ、その仲間たち、そして、同じく施設へ預けられている仲間たちとの出会いが、陽介の心を強くしていく・・・。 大人であれ子供であれ、人には必ずそれぞれ今のその人たちを作り上げているものがあって、そういうものを理解し、尊重しながらお互いを大切にして付き合っている登場人物たちはステキでした。派手さはないけれど、静かに余韻の残るお話。 はじめはよそよそしかった仲間たちと打ち解けるプロセスや、おばあちゃんや波子さんのエピソードなど、もう少し掘り下げて描いてほしかったところもありましたが、続編に出てくるのかな。。

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    投稿日: 2013.03.22