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オール・クリア2
オール・クリア2
コニー・ウィリス、大森望/早川書房
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総合評価

41件)
4.5
21
13
3
0
0
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    ブラック・アウト、オール・クリア1に続き、 オール・クリア2読了!! 夢に出てきそう・・・ロンドン大空襲! エリザベス女王の国葬を前に、 戦禍のイギリスにタイムトラベルした気分。 しかし、長かったぁ~。 けど、オール・クリア2の後半は2度読みした。 史学生3人の中で共感できるのはアイリーン。 こういう人の心で、 苦難の時期を乗り越えて、今があると思う。 そして、かなりのインパクトがあった シェイクスピア俳優、サー・ゴドフリー・キングズマンの言葉は、必ず2度読みした。 シェイクスピアは、いい・・・改めて思い出した。 これだけの長編で、読者の感動を継続できるのは コニー・ウィリスはすごい。 8年がかりの超大作に大満足。 もう一度、読むかというと・・・。 次に行きたいかな。

    0
    投稿日: 2022.09.20
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    なんかすごい話だった…さすがウィリス 超長編で風呂敷広げまくって、きっちり畳んでくるのすごい… 先の2冊は読み終わるのに時間がかかったけど、最後の1冊は丑三つ時に一気読みしてしまった!しかも読み終わってから色々考えちゃって更に眠れなくなった… ぐるぐるぐる… しかし後悔はしていない! アイリーン、ポリー、マイク。 それぞれの結末がなんともね…。 あぁー! 主人公はポリーじゃなくアイリーンだったのかも知れない。 これはもう一回最初から拾い読みしたい。 (長すぎて全部読むのは辛い 笑)

    2
    投稿日: 2021.04.29
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    ついに、「オールクリア(警報解除)!」 それは今、世界中の人々が心待ちにしている言葉。 今年中に『ブラックアウト』『オールクリア 1』『オールクリア 2』約1750ページ二段を読み切ると決意し、本日読了。 まさしく題名の通りの「オールクリア」で終焉。 私たちは歴史を遡ることはできないけど、物語に登場した市井の人たちのように、コロナウイルスパンデミックの「オールクリア」まで、粘り強く今を生き抜く…。 「なぜ、そうなってしまったのか」を考えるより「いまよりのちに、希望を持って」 サー・ゴドフリーが舞台から叫ぶ! 「明けない夜はない! The night is long that never finds the day!」 (シェークスピア『マクベス』第4幕第3場)

    2
    投稿日: 2020.12.14
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    ブラックアウト、オールクリア1から続き、とうとう完結編!著者は本書の執筆に8年を費やしたとのことですが、さすがの物量と、それに負けない構成力。最終巻でどんどん伏線が回収され、物語が収れんしていく様子は圧巻でした。 正直、戦時中のロンドンの状況については全く知識がなかったですが、人々の生活の様子が活き活きと描かれており、タイムトラベル的な要素を横に置いても充分に楽しめる作品でした。そこに未来からやって来た史学生たちの人間ドラマが加わり、最後まで一気に読まずにはいられず、ラストは感動して何度も読み返してしまいました。 さすがに大作すぎて、ストーリーを追うのに必死で細かい描写をキャッチできていないので、ブラックアウトから読み直して、「あー、こんなところにこんな伏線が!!」って発見していきたい。けど、再読するのにもものすごく時間がかかるんだろうな(笑)

    0
    投稿日: 2020.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「ブラックアウト」の続編。 どうなるの!? というハラハラをずっと引きずるというか、ずっと盛り上げてくれたというか。 そして最後は、あー、いつもながら、コニー・ウィリスはさすがです。 しっかり全部終わらせて、微笑みと涙と温かさをもたらしてくれる。 とても内容が濃いので、はっきり言って半分もわかってないような気が。 改めて読み直さなければ。

    0
    投稿日: 2019.03.14
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    全部読んだ! 面白い。さすがだ。 この3人は、時を超えていろんなとこで出会っていた。 コリンの話を読まなきゃ。 史学部シリーズ全部読まなきゃ。

    0
    投稿日: 2018.04.06
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    「ブラックアウト」から「オールクリア1」と同2まででひとつの物語。とにかく長かった。面白かった。終盤に行くまでは少しダラダラとした感じはあるが、それらはすべてラストに向けた伏線である。最後にどんどん伏線が回収されていくのは見事。作者も苦労したと後書きにあるのだけど、特殊な時間の流れかたをする本作品においては、辻褄を合わせるだけでも大変な作業になるのは簡単に想像できる。これで意外というか、ある意味ロマンチックな結末まで用意するのだから、コニー・ウィリスはどんだけすごいんだと思わざるをえない。長くて読むのは大変だけど、読み終えた時の満足度は高い。読む価値はあった。

    1
    投稿日: 2016.06.04
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     このオックスフォード大学史学部シリーズ、タイム・パラドックスを起こす可能性がある時点には時間旅行できないという設定で、面倒くさいパラドックスは回避されている。それゆえ、過去から帰れなくなってしまったというほかは延々と戦時の生活が描かれるのだが、物語も最終局面に向かって、時間旅行の問題が前景化してくる。  1940年に閉じ込められた(本巻では41年に年が開ける)、マイク、アイリーンことメロピー、ポリーの3人は、2060年のオックスフォードにメッセージを送ろうと偽装した広告記事を新聞にのせたり、様々な努力をするのだが、そうした帰還のための努力が効を奏しているなら、すでに回収チームが来ているはずだというパラドックスに気づいて、不安に苛まれる。  もうひとつの問題は、同じ時代に2回いることはできない(同一人物が2人になってしまうから)というルールで、すでに1943年から終戦までロンドンに来ているポリーは、そのデッドラインまでに帰らないと命が危ない。  そんななか、マイクが戦火にまかれて死んでしまう。ここまで引っ張ってきてそれはないでしょう、と思う。これもウィリスの仕掛けたプロットの罠なのだが、様々な仕込みがここにきて炸裂する。  マイクの死にうちひしがれる2人の前に現れたのは、彼らを助けに来たのにやはり戻れなくなってしまったダンワージー先生。うちひしがれたダンワージー先生は絶望的な結論に達している。  体験的な時間は過去・現在・未来と連なっているものである。過去は既になく、未来はまだない。ところが、ここにタイムマシンを導入した途端、現在は時間軸の外(つまりタイムマシン内)に移動し、過去も未来も既にそこにあるという、事後性のモードにはいってしまう。過去も未来ももう決まっていて、歴史は変えられない。徹底的な運命論になってしまうのだ。それでは時間旅行そのものも不可能になってしまうので、時間旅行者の行動の結果は時空連続体に吸収されて後に影響を残さないといった妥協策をとられることが多く、本書もその路線。  他方、歴史変え放題で、歴史を変えるたびに新たな平行世界が生ずるという、多元宇宙的設定を取るSFもある。あるいは過去・現在・未来という時間軸のさらに上にメタ時間があって、メタ時間の経過とともに、過去・現在・未来も変化していくとか。  ダンワージー先生の現状分析は、時間旅行者の影響は最初のうちは時空連続体に吸収されていたが、ある閾値を超えるともはや修復不能となり、その時間線には「降下点」も開かなくなって、隔離されてしまうという、部分的平行世界解釈である。彼らに帰るすべはない。  先生も助けにならないとすると、あとは『ブラックアウト』の冒頭に登場するコリン・テンプラーに望みを託すしかない。コリンは前作で12歳にして時間旅行に密航して大活躍したらしい(何しろ評者はまだ読んでない)。それがいまや高校生となって、オックスフォード大学史学部をめざしつつ、ラボのあたりをうろうろしてダンワージー先生に閉め出されていたのだ。彼はポリーに恋していて、何かあったら絶対助けにいくと言っていたのだ。  戦争は歓迎されるものではないが、敵はヒトラーなので、勝つまで耐え忍ぶしかない。ここには反戦も厭戦もなく、むしろ降りかかってくるものを耐えながら、自分の分を果たしていくという、むしろ災害下に近い状況が描かれている。マイクは戦時の英雄的な行為を調べるために渡航したのだが、市井の人々の自分の分を果たすという英雄的な行為、ポリーやアイリーンの英雄的な行為を見る。自分も英雄であることには気づかないまま。  ポリーは時空連続体のふるまいについて、ダンワージー先生とは違った解釈に到達するが、それはやはり運命論的時間解釈である。人は運命から逃れることはできないのに、自分の愛する者のために何かすることは、運命に強いられた犠牲や代償ではなくなるのだ。そしてそれこそが英雄的な行為と呼ぶにふさわしい。そんなとき、人は幸せな顔をしている。マイクも、アイリーンも、コリンも、そしてポリーも。歴史という時間の捕囚である人間に自由はないのに、人間は運命を自分のものとすることができる。  コニー・ウィリスの言いたいのはそういうことだ。それをこの紙幅を費やして、細部を積み重ねて呈示することで、読者はまるで実体験からその考えに到達したかのように感ずることになる。  『ブラックアウト』を読んでいても、何でこれが3大SF賞総なめの作品なんだと疑問に思うのだが、まさにその感動に賞が与えられていることに納得することになる。

    0
    投稿日: 2016.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    相変わらずコニー・ウィリスはすばらしい.大好きだ. キャラは立つし,ストーリーテリングは完璧だし.この厚さをどっぷりと浸からせてもらえて,幸せな新年の三が日だった. 内容も第二次世界大戦のイギリス中を見て回っているようで,勉強になるし,面白いし. 閉じ込められた状況のなかで,先が見通せなくても最善を尽くそうとする史学生を,ロンドン大空襲の毎日を耐えたロンドン市民に重ねて. 散々やきもきして,散々フラストレーション貯めた後のコリンの登場は,空襲明けに響くオールクリアのサイレンか,V.Eデイの喜びか. 次はどのコニー・ウィリスを読もか,楽しみだ!

    0
    投稿日: 2016.01.18
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    点在していたポリー達の存在していた時空が繋がって流れの中に存在しているようになって行く。少しずつ希望が見えてきて安心して読めた。彼は残念だったけどそれぞれが悔いのない生き方をしていたと思える。

    0
    投稿日: 2015.10.26
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    ポリーは魅力的キャラで好きなんだけど、ちょっとイラっとする面もあって、何故だろうと考えたら、これはマイクやアイリーンも多かれ少なかれ共通するんだけど、先走りしすぎる傾向がある、事実を確認する以前に想像をたくましくしすぎる。これって歴史を専攻する者の資質としてどうなの?タイムトラベラーはそういう性向になりがちなのかな。このシリーズの長編は読破したので、残るは短編だな。ここでは結局つかまえられなかったジョン・バーソロミューさんの話が読みたい。

    0
    投稿日: 2015.08.19
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    空襲警報は解除され(オールクリア)、全ての謎が明らかになる。 第二次世界大戦下のロンドンで、それぞれの学問的課題を研究するために2060年のオックスフォードからやってきた3人の史学生。ポリー、アイリーン(メロピー)、マイク。 過去へのタイムトラベル。それは絶対に安全なはずであり、もしも危険なことが起こりそうになったら、または歴史を改ざんしてしまいそうになったら、すぐに2060年の世界へ戻されるはずだった。 だがしかし、何度も命を失いかねない危険な目に遭い、本当なら死んでいたのかもしれない人々の命を多数救ってしまう彼ら。 だからなのか? 2060年へ繋がるはずの降下点はどこもここも使用不可能であり、不具合があったときに現れる回収チームもやってこない。 誰かが歴史を変えてしまったのか? 20世紀の時代人としての生活を送りながら、なんとしても2060年の世界に戻るべく必死で手掛かりを求める3人。 ところが…!!! というところで前作の「オールクリア1」は終わる。 そして、えええ~!!! というところから「オールクリア2」は始まる。 1941年と1944年と1995年。 時間を変え、場所を変え、人を変えて入り乱れる数々の出来事の意味が、徐々にわかってくる。 そうするともう、読むことを止められない。 長い長い物語の中に張り巡らされていた伏線が次々に回収され、あるべき形に向かって収斂していく。 9.11をきっかけに、この物語を書くことにした作者。 どんなに絶望的な状況でも希望を失わないこと。 自分にできることの精一杯を尽くすこと。 本当に大切なもののためには自己犠牲を惜しまないこと。 別な長編作品「航路」の中で、何度も繰り返されるタイタニックの沈没を描くことにより、この覚悟のほどを書いた作者。 今回は、どうやっても脱出できない戦時下のロンドンという舞台を与えることで、登場人物たちの、極限状態の中でも失われることのない善き人間性というものを書いた。 イギリスの最終兵器といわれる、極悪なホドビン姉弟ですら、善き人間性を発揮するのだから。 何かひとつの出来事で、戦争に勝ったわけではない。 誰か一人の英雄の力で、戦争に勝ったわけではない。 歴史に名前の出てこない、一人一人の人たちの、毎日の精一杯の積み重ねが、歴史を作っていくのである。 ただ、そういった意味では、歴史の意味(?)、歴史の意志(?)、そこら辺の書き方に、ちょっと納得はいかなかったのだけど。 歴史が作られるのは時代と同時進行でも、歴史に意味を持たせるのはあとから人間がやっていることだと思うのね。 歴史自体はあくまで中立なんじゃないかと。私はそう思っているんです、ダンワージー先生。 イシカワ教授がタイムトラベルについて、どんな問題点を見つけ、どう解釈していたのか。それをもう少し書いてほしいと思った。 あまりに話が長くなりすぎて削った部分なのかもしれないけれど、今ひとつ、ずれの解釈がよくわからなかったので。 要所要所に出てくる、シェイクスピア劇の中の台詞。お芝居の台詞でありながら、生きた言葉として登場人物たちを支え、励まし、慰める。 そして何度も繰り返し出てくるアガサ・クリスティのミステリ。 彼女の作品の謎を解くのは容易なことではない。答えは最初から提示してあるのに、逆に解釈するように仕向けられる。答えはわかっているはずなのに、決して最後まで気づくことができない。 ポリーにとって、コリンは希望だった。コリンが希望だった。最初から。 う~わ~!!! なんてスケールの大きな物語! たくさんの、数え切れないほどたくさんの人たちの、抱えきれない思いの上に、今、私は生きているんだと思うと、世の中に無駄な行いというものは、何ひとつないと思うわ。 「ブラックアウト」「オールクリア1」「オールクリア2」 この、3冊合わせて1745ページの一連の作品の中で、特に気に入っているのが「ブラックアウト」に出てくる、空襲でショーウィンドウが粉々になてしまったデパートの貼り紙。 『散らかっていますが、遠慮なくどうぞ』 大人の国だよねえ。 それから作品とは関係ないんだけど、びっくりしたので覚書。 ポリーってメアリーの愛称なんですって。 ちなみにペギーはマーガレットの愛称とか。 どうしてMがPになるの?英語ってわからない。orz

    0
    投稿日: 2015.04.14
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     3冊合わせて1745ページ。ポケット判で750ページ以上もある「ブラックアウト」を読んだ時には、「これ、普通の作家なら200ページぐらいで書き終えるのでは」などと思ったが、全部読み終えてしまったら、タイムトラベルものの常でまたすぐに最初から読み直したくなる。  実際に読み返さなくても、あれはどうだったか、ここはどうなっていたかとページをめくって確認してしまうこと必定だ。それほど登場人物たちに魅せられ、この長い物語から離れたくなくなってしまう。大空襲下のロンドンに閉じ込められるポリー、アイリーン、マイクの史学生3人をはじめ、いたずらが過ぎて手に負えないビニーとアルフのホドビン姉弟、勝利を信じて懸命に生きる人々をコニー・ウィリスは生き生きと描き出す。  SFだなんだという前に、この小説には物語の魅力が詰まっている。

    1
    投稿日: 2014.10.04
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    長かっただけに感動もひとしお。ポリー、マイクル、メロピー三者三様の結末は正直、意外だった。 思えばこれまでの短長編の登場人物の出演・言及などサービスも有り、この終わり方。航時史学生シリーズは本作を持っておしまいなのかもしれない。犬は勘定のような大団円とは言えないかもしれないが、余韻のあるいい終わり方なのかも… でも、本心はもっとこのシリーズ読みたい!

    0
    投稿日: 2014.09.08
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    最後のほう、涙が止まりませんでした。思い出しても泣けてくる…。とても長いので、一気には読めませんが、一週間くらい睡眠不足になりました。 第二次大戦中のヨーロッパの知識がなく、ブラックアウトではよくわからない単語もありましたが、読み終わりにはすっかりイギリス人の気分になれました。 この長さで、はじめからの、すべてのパズルがカチカチはまっていく感じ、すごいです。ああ、そうだったのか〜。ばっかり思ってました。伏線ばっかりなんです。始めからもう一度読みたいです。

    0
    投稿日: 2014.03.02
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    ブラックアウトから毎日夜なべして一気に読みました。 レビューの長い、登場人物が複雑の声を 留めつつ読んでいたためそこまで 大変にはならず。 しかし、この大長編を全くそらさずに 引っ張り込み続ける展開凄い! オールクリア最後は泣いちゃってばっかりだったし。 素晴らしすぎます!

    0
    投稿日: 2014.02.12
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    全3冊読み終わったけれど、どうなんだろうな~?これは、時間ものと言えるのかな?評価しずらい作品と言える。

    0
    投稿日: 2014.01.20
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    私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない レビューは前編に

    0
    投稿日: 2014.01.11
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    ついに来ました~怒涛の完結編! 「オール・クリア1」は心折れそうになりましたが、我慢我慢。 読み進めれば‥ タイムトラベルで第二次世界大戦中のロンドンへ来たまま、戻れなくなったポリーとアイリーンとマイクの3人。 ポリーとの約束どおり、探し続けたコリンは‥ 劇場で働くポリーは、老いた名優サー・ゴドフリーとあまり深く関わって歴史を変えてはいけないと自戒するが、空襲のときは思わず助けに走る切なさ。 それぞれの知識と立場から事態の原因を推測し、自分のできることを選んでいく人々が感動的なのです。 もといた時代へ戻ることが出来なくなったその理由とは? どこにでも出没する悪童ホドビンズ姉弟の意外な役割とは。 そして、感動の‥ ああ‥ この本、後半は何度も読み返しちゃいました。 この本だけでもけっこう長いのに。 いや~ものすごく詳しく描かれていた前作、そしてこの展開。 それだけのことはあるんですよ! もともと、タイムトラベル物の初期の短編も第二次世界大戦のロンドン空襲が題材だったくらいだし、書きたい時代だったようです。 その後、9.11が起きたために、どうしても書きたい気持ちが募ったそう。 苦難の時代にあって自信を喪失しそうな人々を励まし、尊厳を伝えたいという意図なのでしょう。 ロンドンの空襲がここまで酷かったとは正直、詳しくは知らず実感がなかったこと。 逆に、東京大空襲のことなど、米英の今の若い人はほとんど知らないんでしょうね。 当時は日本は枢軸国側だったことを思うと、やや複雑な気持ちにも。 条約ではドイツと組んではいても、当時の日本人はヨーロッパ戦線には行ってないし、ナチスのことなんて何もわかっていなかったのでは。 今は体制としては米英と同じ自由主義、民主主義の側にいるけれど。 既に戦後70年!という歴史の移り変わりに、いささかめまいを覚えつつ、読了。 素晴らしい作品であることは間違いありません。

    11
    投稿日: 2014.01.09
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    「ブラックアウト」「オール・クリア1」「オール・クリア2」通しての感想。 厚い!紙で読んだのだが、1冊目を手にしたとき、あまりの厚さに読む前から心が折れそうに…。3冊で、400字換算3,500枚。当初もっと長かったものを、必死でこの長さに収めたらしい。どれだけ長いの、コニー・ウィリス。まさにこういった本こそ電子書籍向けではあるのだけれど、「新☆ハヤカワ・SF・シリーズ」の装丁も格調高く捨てがたい。 読み始めると、この分厚いページがみるみる減って楽しくなる。特に「ブラックアウト」終盤1/4はものすごい疾走感。物語に完全に入り込んでいるため、単語を見た瞬間に状況が理解できてしまう。プロットだけを考えるともっとコンパクトにできるはず、と冗長に感じるけれど、物語ピークでの加速感は、飽きるほどひたすら描き込まれた助走期間があればこそ。 舞台は、第二次世界大戦中のロンドン。タイムトラベルしてきた学生がトラブルに巻き込まれ…という物語。歴史や地理などの背景知識が全くなくても十二分に楽しめたが、知識があればもっと楽しめたのでは、と感じてしまったのは残念。 タイムトラベルSFでは「パラドックス」の処理が肝心。本書では、流行りの量子力学的に煙に巻くでもなく、「感覚的に理解できる」パラドックス解決法が提示されている。しかし登場人物はこの解決法に疑問を抱き、実は…。このテーマが、物語を構成する単なる「ギミック」にとどまらず、登場人物の心の動き、そこから紡ぎ出されるストーリーの根幹に影響を与えていく。この処理がお見事。 章構成も、短い章構成で時間・場所をシャッフルする中に、「叙述トリック」を紛れ込ませていく巧妙な構成。二転三転する登場人物の名前がトリックの要。一見誤植かと見逃しそうな中にヒントが埋め込まれており、本当は再読して解き明かしたいところ。ただこの長さでは…。 今だからこそ3冊連続して読むことができ、久々の濃い読書体験ができたのは幸せだった。

    1
    投稿日: 2013.12.23
  • コニー・ウィリス8年の集大成

    「ブラックアウト」「オール・クリア1」「オール・クリア2」通しての感想。 厚い!紙で読んだのだが、1冊目を手にしたとき、あまりの厚さに読む前から心が折れそうに…。3冊で、400字換算3,500枚。当初もっと長かったものを、必死でこの長さに収めたらしい。どれだけ長いの、コニー・ウィリス。まさにこういった本こそ電子書籍向けではあるのだけれど、「新☆ハヤカワ・SF・シリーズ」の装丁も格調高く捨てがたい。 読み始めると、この分厚いページがみるみる減って楽しくなる。特に「ブラックアウト」終盤1/4はものすごい疾走感。物語に完全に入り込んでいるため、単語を見た瞬間に状況が理解できてしまう。プロットだけを考えるともっとコンパクトにできるはず、と冗長に感じるけれど、物語ピークでの加速感は、飽きるほどひたすら描き込まれた助走期間があればこそ。 舞台は、第二次世界大戦中のロンドン。タイムトラベルしてきた学生がトラブルに巻き込まれ…という物語。歴史や地理などの背景知識が全くなくても十二分に楽しめたが、知識があればもっと楽しめたのでは、と感じてしまったのは残念。 タイムトラベルSFでは「パラドックス」の処理が肝心。本書では、流行りの量子力学的に煙に巻くでもなく、「感覚的に理解できる」パラドックス解決法が提示されている。しかし登場人物はこの解決法に疑問を抱き、実は…。このテーマが、物語を構成する単なる「ギミック」にとどまらず、登場人物の心の動き、そこから紡ぎ出されるストーリーの根幹に影響を与えていく。この処理がお見事。 章構成も、短い章構成で時間・場所をシャッフルする中に、「叙述トリック」を紛れ込ませていく巧妙な構成。二転三転する登場人物の名前がトリックの要。一見誤植かと見逃しそうな中にヒントが埋め込まれており、本当は再読して解き明かしたいところ。ただこの長さでは…。 今だからこそ3冊連続して読むことができ、久々の濃い読書体験ができたのは幸せだった。

    0
    投稿日: 2013.12.22
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    KL 2013.10.5-2013.10.14 これだけの長編を完成させたウィリスにまず感謝。 今までに読んだ本で最高に感動したのが「航路」だったのだけど、これはそれ以上かも。 読了。この作品に出会えて良かった。

    0
    投稿日: 2013.10.05
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    タイムトリップの話は、コニー・ウィリスが一番だと思う。 超長編作品である本作品は読み応えがあった。 1941年~1944年~2060年との行き来が描かれているのだが、第二次世界大戦の様子やその時代から生きて帰れるか帰れないかの瀬戸際のハラハラドキドキ感がよかった。 登場人物がたくさん出てきて、どの時代の誰だったか理解するのに大変だが、人物それぞれの個性や、戦争時代を生き抜く強さなどが表わされていてよかった。 結末もすがすがしい。

    0
    投稿日: 2013.09.26
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    タイムマシンが生み出す、パラドックスに対する意識が素朴すぎて、なかなかついていけない部分がある。 時間の複雑系が、タイムトラベルしてやってきた人間の歴史への影響を打ち消す働きをするという設定だが、その設定があまりに人間中心主義的。 後の歴史を変えるような歴史の転換点に関して、時間の複雑系が、歴史を変えさせないために様々な働きをする、ということになっているのだが、何が「後の歴史を大きく変えたことになるのか」の判断は、所詮、それぞれの価値観によって変わるし、そうした価値観のひとつとして、たとえばアリの視点などだって考えられるだろう。人間にとってはどうでもよいできごとでも、人間がやってきて踏まれるか踏まれないかというのは、アリにとってはとても大事なことで、そうした様々な観点を時間の複雑系が斟酌しているなどというのは、まさに(人間中心主義的な)「神」のような所業だ。 結局、信仰を持つ持たないということは、そうした自己中心的な見方を持つ持たないということと大きくかかわっているように思われる。アメリカ人に信仰を持つ者が多いということと、彼らの自己中心的な世界観とは密接に関わっているのだろうし、そのような意味で、信仰を持たないものがより多いヨーロッパや日本の人々は、アメリカ人に比べ、良くも悪くも(ピアジェの言う)より脱中心的な世界観を持つようにも思える。もっともベイトソンが強調したように、信仰によって見えてくるものがあるのかもしれないが。 この小説に関して、さらに言うなら、コニー・ウイリスが想像している時間の神は、人間どころか、連合軍が戦争に勝つことが正義だという観点で作動しているとも言ってよさそうだ。 この小説の時間観をさらに批判するなら、人間が自由に、あるいは偶然に行う行動の選択が、その未来を変えるという考え方と、過去は変えられないはずだという二つの考え方が、タイムトラベルによって、未来と過去が双方向的になった時、必然的に矛盾を生じさせるはずなのに、その点に関して、作者は、確固たる見方を持たずに、この長い長い小説を書いてしまったということなのだろう。 このような点に関して作者の設定があいまいなのに、登場人物が、その時間の仕組みに対して不安をいだき、ひたすら悶々としているのに違和感を感じた。 そのファンタジー世界にかんして、厳格な世界観のルールを定めた上で、そのルールの中で葛藤する人々を描いていこうとした、ル=グインや小野不由美などの域に、コニー・ウィリスがまだたどりついていないということをはからずも示してしまったように思われる。 この小説には、そうした世界観の問題とは別に、読んでいて誰が誰だかさっぱりわからない、ということも、その読みやすさを損なわせている。 各章は時間軸がばらばらになって、複数の登場人物がそれぞれ別々の場所で動いているというのに、さらにそれぞれが偽名を使っていて、本当のところ誰なのかわざわざわからないようにされている。読み進めるうちに、それが主要登場人物三人が、別々の時間にいるということがやっとわかっていくのだが、それまでがとにかく長い。主要登場人物のうち、二人が女性なのだが、彼女たちのキャラもあまりたっていないので区別もしにくく、感情移入もしにくい。 最後まで読み終われば、それなりに感動もあるのだが、上記のようにネガティヴな部分が多すぎる上に、内容の割に全体の長さも異様に長すぎて、楽しみの効率はかなり悪かったように思う。

    1
    投稿日: 2013.09.20
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    どうなるかなー、絶対まとまらないだろうなー、と思いながら読んでいましたが、 全ては収まるところに収まるのでした。 コニーウィリス恐ろしい。 泣きそう。

    0
    投稿日: 2013.08.30
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    延々と引っ張り続けられたストーリーを読んできただけに、 以前に読んだ場面を別視点からの正解編で、 次々とフラッシュバック的に畳み掛けられ昇天寸前です。 名作、傑作だわ、これ。 2010 年 ネビュラ賞長編小説部門受賞作品(ブラックアウト / オール・クリア)。 2011 年 ヒューゴー賞長編小説部門受賞作品(ブラックアウト / オール・クリア)。 2011 年 ローカス賞 SF 長篇部門受賞作品(ブラックアウト / オール・クリア)。

    1
    投稿日: 2013.08.30
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    SFで、第二次世界大戦の歴史ものだが、その世界を細部に至るまできっちりと描いていて、その中で登場人物が生き生きと動き回る。 「ブラックアウト」のみの登場人物と思っていた人が、こちらでもしっかりと活躍する。話に無駄がない。 コニー・ウィリスはホント長編向きの作者だ。 今、「オールクリア 2」の3/4くらいまで読み進んできたところ。だんだんと明らかになって来ているが、まだ結末がどうなるのかわからない。残りを読み終わるのが惜しいような気がしている。 「あ、あのときは実はこうだったのか」とタイムトラベルの醍醐味を味あわせてくれる。タイムトラベルものでは昔読んだ小松左京の「時の顔」が秀逸だったが、こちらの方が精緻に書き込んでいるので迫力がある。 読み終わって。 あれだけ広範囲に話を広げまくって、それをきっちりまとめるのだから恐ろしい人だ。 あーあ、もう読み終わってしまった。名残惜しい。 今回は、お盆休みということで、家族が旅行に出た静かな時間にじっくり楽しめた。 こういう小説は、骨折して入院したりしたときには救いの神だ。 「骨折って良かった」と思ってしまうかも。 年取って骨折してもこういう本を事前に用意しておけば、惚けずにすむかもね(目が丈夫だったらの条件付きなので当方は厳しそう)。

    1
    投稿日: 2013.08.18
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    これは・・・さすがウィリス。延々と続くエピソードがひとつもダレない。素晴らしい。いつまでも読んでいたいと久しぶりに思わされた。2部作全部★5つ。本を読む幸福を改め感じたよ。

    0
    投稿日: 2013.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前二巻からの袋小路状態が続いて「まとめられるのか?」と心配になったころに、話が一気に動きはじめる。最後はじんわり来る。しかし二巻でも良かったんじゃないか?長くて途中でくじけそうになったぞ。。 登場人物ではサー・ゴドフリーが渋くてかっこいい。『十二夜』を読んでみたくなった。

    0
    投稿日: 2013.08.03
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    1と2を一気に読了。大団円にむけてのしかけの鮮やかさに感動。そしてまた『ブラックアウト』に戻って、物語のおさらいを。タイムトラベル物は小説にしろ映画にしろ、繰り返し味わうことで「新たな発見」があるというのがわたしの持論。

    0
    投稿日: 2013.07.26
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    遂に読み終わってしまいました、怒涛の完結編。こんなに待ち焦がれた最終巻もありませんよ、ホンマに。 「オールクリア1」まで拡げるだけ拡げた風呂敷が次々に畳まれていく、しかも綺麗に丁寧に。 新たに1995年(帝国戦争博物館)が挿入され、これがまた涙を誘います。約束通りあきらめずに何年も(8年!)ポリーを探し続けたコリンの愛情と執念。そして、タイムパラドックス上止むを得ない事ながら苦渋の決断をしたアイリーンの使命感とホドビン姉弟への愛情。 「悪名高きホドビン姉弟、恐怖のホドビン姉弟、恐るべきホドビン姉弟」全編を通じて大迷惑の姉弟が、アイリーンの愛情に応えて最後は時を超えたメッセンジャー役を演じます。 そしてそして待ってました!満を時して回収チーム、コリンが登場、全員が帰れないのはちょっと悲しい、でも素晴らしいエンディングでした。新しい仕掛けは何も無い、タイムトラベルとタイムパラドックスだけでこれだけ読み応えのある大長編にしてしまう、コニーウィリス凄いです。 昨年10月に「ブラックアウト」を読んでから約9か月、1770ページ!(ページ数勘定したら卒倒しそうになります)読み応えありました。暫くは余韻に浸りたいと思います。

    2
    投稿日: 2013.07.25
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    確かに面白い。でも長過ぎ。長かったゆえに読み終えた時の達成感はあるが、それとこれとは別だろう。後半は飛ばし読み。それでも十分楽しめた。 ここから先はネタバレに近い。 この構成力には驚かされる。よく考え抜かれている、の一言で終わらせるのは失礼。素晴らしい。そこに感動する。 でもいわゆる叙述トリック。このトリックに気が付けば、面白さは半分。

    0
    投稿日: 2013.07.23
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    コニーちょっと書きすぎ. 第二次大戦下の英国が舞台のタイムトラベルSF. ヒューゴー、ネヴィル、ローカス三賞を総なめにした傑作大長編の完結編. 人物、場面があちこちに飛びまくるので、ついていくだけで精一杯. でもSFの枠に収まらない、不屈の人間ドラマは静かな余韻を、どこかに残していくのでした.

    0
    投稿日: 2013.07.21
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    ついに来ました完結編。溜まりに溜まったフラストレーションも怒涛の伏線回収で一気に解消。ちょっぴり切ないラストも素晴らしい。

    0
    投稿日: 2013.07.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    後半一気にきました! さすが女王!さすが大森訳! コリン良かったね!と思うも、ダーンワージ先生がなにか「ドゥームズディブック」の仕切りのよさの片鱗もなく・・・頑張って欲しいです。 都合3冊。面白かったー!

    0
    投稿日: 2013.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    待ちに待った完結編.怒濤の展開で土日の2日だけで読み終えてしまった.全てのエピソード(人物)がハッピーエンドを迎えるとは言いきれないが,でも,ねじくれたストーリーの全部にちゃんと落とし前つけて終わっているところはお見事.後半でポリーがたどり着く”連続体の理論”は,果たして正しいんだろうか? 分厚い3冊を読み通す価値はありますよ.

    0
    投稿日: 2013.06.23
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    やっと完結・・・。待ち遠しかった・・・。 長編は読みごたえがあってとてもうれしいのだけれど、待つのはつらかった!ブラックアウト、オールクリア1、と、もう、なんでここで終わる~~、というかんじだったので。 でも、待ったかいがありました。やっぱり面白かった! 読み始める時は、こんな長いの読めるだろうか・・・という不安があるのですが、読み始めるともう止まりません!! 後半は、これまでの謎がどんどんと明らかになってゆくので、ノンストップで一気読み! 「ドゥームズデイ・ブック」「犬は勘定に入れません」ときて、このシリーズの中では一番のめりこんだし、登場人物もみんな好きでした。楽しくて切なくて、読み終わった後、しばし余韻に浸っていました。長く待った分、余計にそう感じるのかな。並んで食べたラーメンがとってもおいしいように(?) 今度は、ブラックアウトからもう一回、通して読み返したいです。 細かい部分を忘れていて、たぶん面白さを100%味わえていないので。 さらにそのあとは、シリーズ全部読み返したいかも。ほかの方のレビューを見てさらに思いました。

    0
    投稿日: 2013.06.19
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    アイリーンちゃんが終わり間近でいうセリフで涙腺決壊。その前にもダダ漏れでしたが。 古典的解釈のタイムトラベルもののスペックをフルに使い切って書かれた物語。

    0
    投稿日: 2013.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

     『ブラックアウト』『オール・クリア1』まとめて。  途中、本筋にからまないドタバタ続きにちょっと飽きてしまっていたのだが、さすがに物語巧者、『オール・クリア2』では話のスピード感も緊迫感も増して、一気に読めた。ポリーとサー・ゴドフリーの別れのシーンや、アイリーンの決意にはつい涙腺が潤み、これまでの長い長いドタバタは、ラストで感情移入させるためにあったのか、と思ってしまったほど。  …というわけで、ポリー、アイリーン、マイクの「喜劇」には惜しみない拍手を送るのだが、話の背景となる戦争やロンドン空襲については、どうも皮肉な感想が出てしまう。空襲に耐えた人々を「戦争の被害者」ではなく「名も無き戦争の英雄」として描くのは、結局最後がVEデイで終わるからなんだろうな、とか。時空連続体からも「悪」として真っ向から否定されてしまっているドイツだけど、史学生がオックスフォードではなくミュンヘンとかベルリンの大学生だったら、どういうことになるんだろうかな、とか。

    0
    投稿日: 2013.06.11
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    最高です。もう夢中になって読みふけってしまった。こういう読書がいったいどれくらいできるものだろう。早くも今年度ベスト1に決定! まずは目次を見て、ああかこうかと推測する。一九九五年?帝国戦争博物館?なんだそりゃ? ラストが一九四一年のロンドンになってるよ? 二〇六〇年のオックスフォードに帰るんじゃないの? 頭に渦巻く疑問。でもでも、読み終わる何時間後かにはすべて明らかになってるんだ。これほど楽しい気分もそうそうない。なんてったってコニー・ウィリスだもの。 「ブラックアウト」「オール・クリア1」の二冊を横に置いて、む?と思ったらすぐ前のところを読み返しながら、ずんずん読み進む。なかなかお話が進まずもどかしかった「1」とは打って変わって、三人の運命はスピーディに展開していく。読者の予想を小気味よく裏切りながら、これまでの伏線がどんどん回収されていく後半は、お見事!の一言だ。 いったい三人はどうなるの?と息を詰めて見守りつつ、全体を貫く強いメッセージに何度も何度も心を揺さぶられた。それぞれの場でそれぞれの「分をつくす」名もない人たちの営為によってこの世界は成り立っている。自らの努力の成果を知ることなく、讃えられることもなく、死んでいった膨大な人たちに対する心からの敬意がここに込められていることを、ひしひしと感じた。 この物語には実にたくさんの人が登場するけれど、ストーリーのためだけに存在する人がいない。みんな、その人として生きている(こういうところも含め、宮部みゆきさんとの共通点をよく感じる)。セント・ポール大聖堂のミスター・ハンフリーズ、教区牧師のグッドさん、サー・ゴドフリー、ダリッジの看護部隊の面々…、忘れがたい人たちばかりだ。 ラストに近づくともう涙をこらえられない。いくつもの別れの場面に泣けて仕方がない。トラファルガー広場でアイリーンがポリーの後ろ姿につぶやく言葉「私たちこれから大親友になるのよ」には、タイムトラベルの切なさが詰まっている。 八年がかりで執筆されたというが、まったく複雑な構成で、しかもそれがわかりにくくないところがすごい。非常に綿密に組み立てられているからだろう。読み返したらいろいろ発見があるに違いない。これも楽しみだが、しばらくはこの余韻に浸っていたい気もする。いやあ満足しました。

    5
    投稿日: 2013.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半話がすすまなかったその伏線たちを全て拾って歩いて、急展開して何もかも一気に収束させる技術はさすがとしか云いようが無い。そして3賞総ナメで予想はしていたが、後半至る所で泣かせに来る。でも先生も意気消沈しちゃったし、危ないし、これでもう史学生ものは完結、ということなんだろうか。何が泣いたって、大人になったコリン。青春の全てを費やして先生とポリーを探すなんてね。でもアイリーンが未来の家族について一言も言及しないのは気になった。そして読み終えたらすかさず「ドゥームズデイ・ブック」を開いて確かめるべきことがあるので、やっぱり完結なのかなあ。このシリーズ大好きなのに。

    0
    投稿日: 2013.06.08