
総合評価
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powered by ブクログギリシャ神話について、親しみ深く、丁寧なエピソード紹介がなされており、読みやすくて楽しい文章だった。 若い頃の読書は、根本的な考え方に大きく影響を与えるという筆者の気づきも素敵。 たくさんの本を読んでいきたいという思いになった。 もう一度読みたい本
0投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログ小説やドラマなどの題材となることの多いギリシャ神話。 しかし、あまりどんなものがあるのか知らなかったので読みました。 この本を読むことで、ギリシャ神話の大枠をとらえることができましたが、登場する神様がみんなカタカナで誰の子どもかなど全てを把握するまで至りませんでした。 ワンピースのキャラクター名に使われている神もいたりして、ギリシャ神話をもっと知りたいと思いました。
9投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログ「知っていますか」シリーズの一冊目。 私にとっては、神曲、旧約聖書、新約聖書、をへて四冊目。 最初に書いたものなので後に出たもののほうがキレとコシがあるけど十分面白いです。 ギリシア神話をザッと知ることができましたが、これで分かった気になるには足らないかも。他にもう少し広く、でも読みやすいものがあれば手に取りたいなあ。 . . . ギリシア神話そのものよりも、ちょっと気になったのは「パンドラの壺」の章で著者が抱いた連想。 パンドラの壺の中には開け放ってはいけない、ありとあらゆる“悪”が。病気、悪意、戦争、嫉妬、災害、暴力など思いつく忌まわしいものが詰まっている。かろうじて壺の底に残ったのは“希望”だった。 『私は、このパンドラの壺のエピソードを読むたびに、いつも二つの連想を抱く。 (中略) もう一つ、パンドラの壺とともに私の心に昇って来るのはーーまことに突飛な連想にはちがいないのだがーー衆議院解散の風景だ。 議事堂の大会議場で解散が宣言され、金バッジの先生たちは、いっせいに全国の選挙区に飛び散る。 皮肉な見かたをすれば、あれこそ現代の“パンドラの壺”ではないのか。 選挙運動の最中に、幾多の密約が交わされ、利権のからんだ取引きが闇から聞へと飛ぶ。 諸悪の根源がばら撒かれ、私たち選挙民に残されるのは、かろうじて"少しはよくなるのじゃあるまいか”という希望だけ。違うだろうか。』(p.148〜150) 奇しくも、いま、令和7年7月には参議院選が行われる(衆参の違いはあれど)。 国民として、なるほどパンドラの壺ね。分かる分かると肯首しながら読んでいたのだけど。 んっ?これ、いつ書かれた作品なの?と見てみたら昭和56年9月とのこと。 なんと44年前でも、今と変わらず同じ思いを国民として選挙に託しているではないですか。 何とも彼とも。。
23投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログギリシア神話のエッセンスを抽出し、触りの部分しか知らない伝説への理解を深めてくれる。 何気ない日常にふと現れるギリシア神話の要素に、親近感をもたらしてくれそうだ。
0投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログ阿刀田高さんの古典をわかりやすくエッセイで読めるシリーズの一冊。旧約聖書・新約聖書に続いてギリシア神話。それなりに知っていたつもりでも語り口が違うとまた新鮮に楽しめました。Audibleで聴きました。
0投稿日: 2025.05.27
powered by ブクログ短編小説みたいにスラスラ読めました。 ギリシアの神々はほんとに人間的で神ってなんだっけ?って感じです。 にしてもゼウスは浮気性だなぁ。
0投稿日: 2025.02.12
powered by ブクログ夜空に輝く星座にはギリシャ神話の英雄や神々の物語が宿る。オリオン座の狩人やペルセウス座の冒険譚は人間の欲望や喜びを映し出し時代を超えて共感を呼ぶ。 一方日本神話の古事記にはアマテラスオオミカミやスサノオノミコトなど八百万の神々の物語が綴られ、また自然と人との調和が語られる。 異なる文化の神話だがどちらも作り話とせず人間の本質を見つめ直したり歴史として捉えることも大切だと思う。 古典を読み解き現代に新たな息吹を与える試みは私たちの生き方に問いを投げかける話しと捉えたい。
0投稿日: 2025.01.17
powered by ブクログAudible 大昔に読んだ本がオーディオブックに! 殆ど忘れていたが、覚えていた箇所もあり懐かしい。ギリシャ神話といえば裸。絵画のアンドロメダとかとにかく沢山あるがほぼ全裸。ペルセウスに至っては鎧姿もあるが兜とサンダルしか身につけていない絵も多い。ルネッサンス期の皆さんに古代ギリシャはどう思われていたんだ…古代ギリシャすごいナー 本書が昭和の親父のエロトークのノリなのも頷ける。 演劇、芸術、映画と話しがどんどん横道にそれながらもちゃんとギリシャ神話の解説になってるのはさすが。 そしてギリシャ神話の西洋に与えた影響に驚く。 シュリーマンの話しも良かったし、モリエール、ラシーヌの演劇やジャン・ジロドワの「アンフェトリオン38」などいつか観劇したい。
0投稿日: 2025.01.09
powered by ブクログ名画のモチーフには ギリシャ神話も多いため ギリシャ神話に関する本を読み イリアスやオデュッセイアの 面白さに夢中になったこともありました。 でも、 登場人物の名前は難しいし、 神様がたくさん出てくる上に 人間(神様?)関係が複雑。 いろいろ忘れてしまったので また読み返したいなと思っていました。 本屋でたまたま出会った この本で、 あらましを思い出すだけでなく 解説部分も楽しみながら 読むことができました。
5投稿日: 2024.05.02
powered by ブクログ軽快な阿刀田節でギリシア神話の中でも比較的有名だったり派手だったりする話を楽しみながら知ることができる。前半バラバラと進んでいき全体像が想像しにくいなと思っていたけど、まぁギリシア神話ってごちゃっとしてるし、後半まで進んでいくと不思議と登場した英雄たちや神々の性格や関係性がなんとなく頭の中に思い浮かぶようになっている。阿刀田高さんの古典シリーズ、次はどれにしようかなー
0投稿日: 2023.09.05
powered by ブクログ今年読みたい本のブックリストに登録した本書。 言ってしまえば、ギリシア神話の中でも読み応えがあって面白い話ばかりが集められている。 小説家 阿刀田氏のユーモアに溢れた脚色や考察も入ってはいるけど、入門書としては最高に面白いと書評にあっただけにビンゴだった。 ほぼ全ての自然現象は科学的に説明がつくのに、何故未だに神話が語り継がれ愛されるのか意味が分からなかった。(バリバリ文系なのに矛盾したことを言う…) 神々の領域に足を踏み入れたばかりで、正直のところ読後もまだ分かりきっていない。 ギリシア神話は様々な伝説の複合体として長い時間の中で成立したものだから、辻褄が合わなかったり中には「ノアの方舟」のような”よそ”の神話と酷似した話があったりする。その辺も含めて最終的に物語として楽しむ余裕が出ていたのは、まさしく本書のおかげとしか言いようがない。 更に科学が未発達の時代だからこそ絶対的なものへの想像力(あるいは妄想力?)がとことん豊かなので、シンプルに続きが気になる。それにあやかった著者の執筆力というか妄想力も達者で、我ながら久々に良い選書をしたと思った。 最高神ゼウスがとてつもない遊び人だったりと、ギリシア神話には「神のくせに…」と軽蔑したくなるような神々がわんさかいる。そのため本書の物語群もほとんど救いようがなく、読書中は著者のユーモアとバッドエンドのアップダウンを何度も喰らった。 『パンドラの壺』もその一つで、開けるまでの経緯(開けた後の結果だけは知っていた笑)や前・後日譚に至るまで、幸と不幸の間を行き来するハメに…。知恵者の兄プロメテウスがゼウスをおちょくったせいで、地上に壺を持った美女が弟エピメテウスの元に派遣される。幸い壺を開けても二人に不幸は訪れず無事子供も生まれたが、やがて当事者の兄にお咎めが下り、別の場所では災いの種が蒔かれて…。 …まぁ著者の思惑通り、こちらも読み応えがあって面白おかしく読ませていただきましたが笑 以前は神話をおとぎ話のように認識していたが、時折現実世界とリンクしていると錯覚する事実があるからたまらない。 牛頭人身の怪物ミノタウロスが閉じ込められていた迷宮や、英雄ペルセウスが石にした海獣によく似た岩塊が、当地に実在していたり。岩の件はともかく、ミノタウロスの迷宮は実在しないと近年アメリカの研究チームが結論づけていたが、きっと他にもどこかで繋がっていると半ば信じている。 最終章の「古代のぬくもり」でも伝説と思われていたトロイア遺跡を発掘したシュリーマンのエピソードが取り上げられている。そこに著者自身がギリシア神話への個人的体験を添えられているから、彼もまた少なからずロマンチストだったのかもしれない。 裏表紙の内容紹介にある「ギリシア神話通」には及ばなかったが、神話への通用門にはなったはず。神話の迷宮に飲み込まれそうな時は、またここに戻ってこよう。
59投稿日: 2023.03.22
powered by ブクログギリシア神話に詳しくないので、わからない部分もありましたが、それなりに楽しめました。 著者の身近な話からギリシア神話に繋げていく語り口がおもしろかったです。
2投稿日: 2023.02.18
powered by ブクログ著者、阿刀田高さんの作品、ブクログ登録は8冊目。 阿刀田高さん、どのような方か、再確認しておきます。 ウィキペディアには次のように書かれています。 ---引用開始 阿刀田 高(あとうだ たかし、1935年1月13日 -)は日本の作家、小説家。「奇妙な味」の短編で知られる。1993年から1997年まで日本推理作家協会会長、2007年から2011年まで日本ペンクラブ会長を務めた。文化功労者。山梨県立図書館名誉館長。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 聖書と並ぶ古典中の古典、ギリシア神話は、世界の思想、芸術、文芸に多大の影響を及ぼしている。本書では、多彩豊富な物語の膨大な枝葉を巧みに整理し、著名なエピソードを取りあげてわかりやすく解説する。エロス、オイディプス、パンドラ、アンドロメダ…… 神話中のヒーローとヒロインの運命を、作家的想像力で興味深く語ったこの一冊で、あなたはもう“ギリシア神話通"。 ---引用終了 この中で印象深かったのは、 アリアドネの糸、 パンドラの壺など。 ●2023年4月9日、追記。 超簡単な、一言メモ。 ・ゼウスは、「浮気者」。 ・アルクメネは、「貞淑」。 ●2023年5月30日、追記。 ゼウスは、白い牡牛に化けて、エウロペーを誘拐した。 1 ひときわ美しい乙女エウロペー 2 ゼウスは、白い牡牛に変身 3 「なんと優しそうな牡牛でしょう」 4 エウロペー、クレータ島の王家の母に
16投稿日: 2022.11.20
powered by ブクログ登場する人たちの名前が、ややこしすぎる・・ そういえば、出雲の神様たちのお名前も、ややこしかったなぁと思い出した。
1投稿日: 2022.09.28
powered by ブクログギリシャ神話をザックリ知りたくて読みました。 概要とまでは行かないけど、メジャーな部分に触れる事ができます。 ギリシャ神話の神々はとても人間らしいです。 神感があんまり無いです。
0投稿日: 2021.12.26
powered by ブクログパンドーラー(古希: Πανδώρα, Pandōrā)は、 ギリシア神話に登場する女性で、神々によって作られ人類の災いとして地上に送り込まれた。 人類最初の女性とされる、 パン(Παν)は「全てのもの」であり、 パンドーラーは「全ての贈り物」を意味する。
3投稿日: 2021.09.30
powered by ブクログ「やさしいダンテ」に続いて阿刀田氏 そもそもはこちらをずっと読みたいと思っていたのであった 「やさしいダンテ」同様大変読みやすくお気に入り 冗長的で退屈な部分を一切省いた「おいしいところどり」してある さて、「ギリシア神話を知っていますか?」… なんとなく知っているものもあるし、あれ?これってギリシャ神話の話なんだというものも 映画になっていたり、無意識に我々の世界に存在しているような気がする しかし腰を据えてきちんと知識を得たいと思っていたので、この本が丁度良い気がしたのだ (実際初心者には最高に丁度良かった) 阿刀田氏の分類によると、ギリシア神話は、以下の5つの分類される。 1.オリンポスの神々の伝説 (天地の生成から始まって神々誕生までの物語 またその神々のエピソード ゼウスの浮気っぷりにヘラのやきもちやきっぷり…みたいなやつです) 2.アルゴー丸遠征隊の伝説 (イオルコスの王子イアソンが黒海の果てまで金の羊毛皮を探しに行く冒険譚 悲劇のヒロインメディアが登場) 3.英雄ヘラクレスの伝説 (ゼウスの子であり、勇者であるヘラクレスの十二の冒険譚) 4.テーバイの伝説 (オイディプス王の悲劇から娘のアンティゴネの物語ら辺 ドラマティックな要素が多い) 5.トロイア戦争の伝説 (説明は不要ですね シュリーマンの大発見により新たな歴史が誕生した) 知識と小話 〇ギリシア神話とローマ神話とは、発生的にはまったく別個の神話であったが、ローマの文化はギリシア文化の多大な影響を受けて発展したため、 神話のほうも時代とともに混ざり合っていった ただし神々の名前にはギリシア名とローマ名が区別されている ギリシア名→ローマ名の順で(ゼウス→ジュピター、ヘラ→ジュノウ、アフロディテ→ヴィーナス、エロス→キューピィドウ…など) 〇アフロディテ及びヴィーナスは「愛」の女神であるが、名前から派生した言葉はすべて肉体的な愛(?)に関係する アフロディジア→性的興奮、アフロディジアック→催淫剤、ヴィーナス病→性病…など ヨーロッパ文化で愛とは肉体的なものが先という考え方(我々の感覚とは異なりますな あ、人によるか) 〇ゼウスの破廉恥行為により、妻が不貞を働いた場合の夫 相手がゼウスであればむしろ光栄に思うらしい どうやら神の不貞は許されるべきものであり、その寵愛を受けることは名誉に値する(えええ 理屈はそうかもしれないけど…本心で納得できるか⁉) 〇「迷宮入り」の語源 クレタ島の怪物ミノタウロスが住む「迷宮」からきているか(クノッソス王宮) それにしてもギリシア神話は面白い 日本の神話もなかなかであるがこちらの神様たちもひどい(笑) 日本の神話と似たやつをちょっと紹介 愛する妻エウリュディケが亡くなり、夫オルペウスが冥府へ赴き、再会の交渉をする 「けっして汝の妻の方へ振り返ってはいけない」という掟を破る… 日本の神話でもイザナギが黄泉の国で「見てはいけません」というイザナミの姿を見ちゃう あれですな 他にも… 操の堅い人妻が敵方や不本意な殿方のところへ嫁に入る 意外とその運命を受け入れ、それなりに暮らせてしまうある意味たくましい女性たち(あるある) 自分の犯した罪が、めぐりに巡って最後は自分へ(光源氏がまさに) 女神のストライキで大凶作になる(天照大神が天岩戸へ隠れるシーンを彷彿させる) しかしこれほど時代が違うのに似通うというのはなぜだろう 不思議である 人間の根本はやはり同じなのであろうか… そんなわけで大変親しみやすい ギリシア神話由来の言葉も改めてはたくさんことも再認識 (プロローグ、エピローグ、パンドラ、デモクラシー、オリンピック、マラソン、モルヒネ、ミルラ、スパルタ教育、サイレン、レズビアンなどなど) 知らず知らずのうちに我々は古代ギリシアとつながっている 神秘的だ 喜劇的なものから、救いのない悲劇、教訓めいたものから、輪廻転生、哲学がちりばめられていて興味深い 人間というのは善悪が混じって不安定でどうしようもない いや、神様たちだって人間以上に人間くさい上、なかなかひどい(笑) とこんな感じでギリシア神話の入門書としては最適ではなかろうか 1話ずつも短いうえ、阿刀田氏が親切丁寧に紐解いてくださる そしてちょいちょい脱線するのもご愛嬌 阿刀田節をちょっと紹介 トロイヤ戦争で有名なオデュッセウス 彼の妻ペネロペイアは美しく、そして内向的才色兼備型の女性であった オデュッセウスの帰還を20年も貞操を守り、待ち続ける 当然美しいペネロペイアの元へは、次々と若い貴族が入れ替わり立ち替わりやってきては求婚を迫る うまく立ち振る舞いながらも女、子供だけで切り盛りするのも、そろそろ限界に近いある日、オデュッセウスが帰ってくる しかしながらすでに自国にはオデュッセウスの地位さえも狙う者もおり、彼は乞食姿でこっそり帰還 それに気づいた身内が大喜びするものの、妻であるペネロペイアは夫婦しか知らない秘密を解き明かすまで夫と認めない… どんな時も冷静沈着な賢い女性である 最後は無事夫との再会を果たし、歓喜の渦へと展開するのであるが… そこで阿刀田氏のひとことが面白い ”しかし、こういう女は一緒に生活していると男は多いのほか疲れてしまうんですね… 「あたしは、二十年も貞操を守ったのよ」と恩着せがましく言われたのではオデュッセウスはつらいでしょうなぁ…” 妙に納得がいく(笑) というわけでギリシア神話が気になる!だけど、何から手を付けていいのかわからない… なんとなくわかっているけどちっともつながらない… という方々にはとてもおすすめである 但し、くれぐれもお子さんにはお見せしないことである(なんせ愛は肉体から…のため) さてこちらを足掛かりにホメロスにいつか挑戦したいものだ
35投稿日: 2021.06.25
powered by ブクログ2021年、9冊目は、昨年11月に隙間読書用に購入し、様々な紆余曲折を経て、約半年の超長期戦で読了したもの。 阿刀田高の『古事記』のヤツがなかなか良かったので、今回の『ギリシャ神話』を手に取る。 まづは、自分が片仮名名前、地名が覚えられないので、序盤かなり苦戦。元々、隙間読書用として購入したモノなので、読む間隔が空いてしまったりもしてしまった。中盤以後は、多少まとめて読むようにしたし、エピソードの広げ方にも慣れたし、多少なり馴染みのあるモノだったりしたし、それで、やっとノレた感じ。 『古事記』と同じ、★★★☆☆評価だが、個人的には、『古事記』の方が好み。入門編としても。読み物としても。
0投稿日: 2021.05.20
powered by ブクログかなり丁寧にゆっくり読みました ギリシア神話は色々と物語の前提となっていたりするので、勉強しておこうと思った次第です 神々の人物紹介的な最後の章の「古代へのぬくもり」を最初の章にしていないところに、 著者の、神話を物語として楽しんでほしいというような気持ちを感じました
9投稿日: 2021.01.10
powered by ブクログ洋画を結構見るのですが、ギリシア神話の素養がないと分からないことも多く、少しでも知識がつけばと手にとってみました。 エッセイ的な感じもあり、とても読みやすくて面白かったです! これを入門書として是非他の本も読んでみたい。 早速、(今更)見てたSATCの台詞にギリシア神話由来のものが出てきて、それが分かったのが嬉しかった!
2投稿日: 2021.01.03
powered by ブクログ著者の「知っていますか」シリーズの一つ。ギリシャの神は人間に近く、怪物が登場するところなぞ、日本の神話に似てるところもある。神の名は、ローマ系の読みとギリシャ系の読みがあり、聞いたことのある名前もあるが、覚えづらい。著者が言うように若いうちに齧っておいた方が良いみたい。2021.1.2
2投稿日: 2021.01.02
powered by ブクログギリシャ神話についてある程度の概要は掴めたけど、注釈を加える筆者の価値観が古い(当たり前)、やはり時代を感じる
1投稿日: 2020.08.29
powered by ブクログしばらく前に、よし、ひとつギリシア悲劇を読んでみよう、と思って手にとった『オイディプス王』。 ……ここだけの話、ちょっとピンと来なかったんですよね(笑)。 確かにオイディプスの行動の一つひとつが彼が望まない真実を裏付けていく有様は、迫力があったのですが。 オイディプスは何も悪いことをしたわけではないのに、あんまりじゃない? とか。 ところどころに登場するコーラス隊がちょっと唐突すぎじゃない? とか。 いきなり本丸を攻めるのはまだ早すぎたのかも、という反省から手にとったのが、この一冊です。 本書は、直木賞作家でもあり、国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続けた阿刀田高(あとうだたかし)による、ギリシア神話をめぐるエッセイ集。 「トロイアのカッサンドラ」「パンドラの壺」のように、ギリシア神話の代表的なエピソードをとりあげ、個々に解説を加えながらも、通読することで膨大なギリシア神話の全体像をわかりやすく伝えてくれています。 特に印象的だったのが、「闇のエウリュディケ」の中の、次の一節。 「もとよりギリシア神話はいつもなにか教訓的な示唆を私たちに与えようと意図してそこに存在しているわけではない。すべての神話と同様に自然に発生し、一つの物語として淘汰されて今日に伝えられたものだ。」 私なりに著者の意図をまとめると、ギリシア神話は諸民族の中で発生した膨大な伝説群が淘汰されて今に残ったもので。 その伝説自体がなにかメッセージを発出しているというよりは、時代をへて作家がどのように解釈し表現したか、が大切であると。 エスプレッソが、牛乳で割るとカフェラテになって、フォームミルクでで割るとカプチーノになり、はたまたアイスクリームにかけても美味しい……みたいな感じでしょうか、いや違うか。 恋愛をめぐるエピソードの一部分、特に著者の女性観については、うーんん、そうかなあ、と感じてしまう箇所もあったのですが。 そのこと自体、ギリシア神話は時代や受け手によって様々な解釈の余地があることの表れ、と思えば納得。 和田誠さんの挿画と地図(贅沢!)もあいまって、異国の地への憧れが膨らんだ一冊でした。
15投稿日: 2020.08.13
powered by ブクログアキレス腱、パンドラ、ミノタウロス、セイレーン、ハデス、日常用語もそうやし、ゲームに出てくるモンスターの名前やアイテムの名前は、ギリシア神話にちなんだものが相当多い。
0投稿日: 2020.08.09
powered by ブクログ数多の物語の“祖”とも言うべきギリシア神話の触り部分を垣間見、もっと深く内容を知りたくなった。 入門書としては良き。 登場人物が多く、複雑な点が多いが、物語自体は、実に人間臭い。
0投稿日: 2020.07.12
powered by ブクログギリシア神話は有名だがほんの少ししか知らないので、本書を手に取った。 この本は非常に読みやすい。神話の全てではなく、人気エピソードをいくつかピックアップしたものだ。 読んだ感想は、ゼウスは奔放だと聞いていたが、アポロンもクソ野郎が過ぎる。気に入った女性は人妻だろうが相手が嫌がっていようが、どうにかしてやろうとする。基本的に女性の立場が低いらしく、「ジュピテルと一つのもの(この場合妻)を共有するのは、不名誉ではない。」と表現されてもの扱いだ。パンドラも「すべての贈り物」という意味だし、全ての悪いものは女性が原因、とされるあたりも男性目線なのを感じる。 次にミュルラの話も興味深かった。ミュルラは実の父と悲恋をした王女が変身した樹、没薬の木の樹脂という意味。親子婚を辞さないエジプトでミルラ(没薬)が珍重される訳だ!と妙に納得。 他にはアキレウスの女装やヘラクレスが男色家なこと、イアソンの冒険など有名人の意外なところが知れたような喜びがあった。 パンドラの壺と衆議院解散を結びつける辺りは著者のセンスに唸ってしまった。プロメテウスとエピメテウスの「プロローグ・エピローグ」からの「先見の明と下衆の後知恵」も面白かった!
1投稿日: 2020.07.01
powered by ブクログ知的好奇心を十分にくすぐられる本であった。アニメ化した物があれば、カタカナの神々の名前ももっと覚えられそうに思う…
1投稿日: 2020.06.21
powered by ブクログ「ギリシア神話を知っていますか」読む。一度読んでいるのだが忘れてしもうた。聖書でも神話でも、神は好き勝手ばかりしていて面白い。 「ギリシア神話を知っていますか」読む。大体の有名所が網羅されているから、上質な入門書である。若い人ほど読んで関心を持って欲しい。載っていた映画「トロイのヘレン」を午後からは観ようかなぁ。アマプラにあるなぁ。
0投稿日: 2020.06.09
powered by ブクログギリシャ神話について、作者の思考や解説と共に 物語が紹介されている内容。 ギリシャ神話を知らなくても、解説もあるので 面白く読めます。 知っていれば、なお面白い? こうして読んでみれば、ゼウスのやり放題部分が 非常に浮き彫りに…。 案外、というか、きっちり考えられているというか。 神様が何でもやってしまったりする割には 制約があったり、それを守らねばならなかったり。 やりたい放題にしてはいけない、という事でしょうか?
0投稿日: 2020.06.05
powered by ブクログ子供の頃に家にあった『まんが星座事典』を繰り返し読んでいた筈なのに、ミノタウロスとメデューサぐらいしか憶えていなかった。 ゼウスは本当にろくでもない奴なのだが、様々な話をギリシャ神話として体系化する為にそうなってしまったとのことで、それならまぁしょうがないかなと思った。 いつかホメロスの叙事詩を読んでみようかな。
0投稿日: 2020.05.12
powered by ブクログすげー。正直ギリシア神話そのものの面白さ以上に、筆者の文才の方に感動してしまった。 この本を読んだだけでも伝わってくる程に複雑怪奇な神話を、体系的に整理しながら主要な物語を押さえて、端的に要約しながらも物語的な面白さを失わず軽妙洒脱に描ききる天稟よ。 それもただの神話の粗筋紹介に止まらずに、批評的観点から自身の経験や関連作品に結び付けて纏めるって何事。 このシリーズ他のやつも読みます。
5投稿日: 2020.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・感想、気づき ギリシャ神話は多くの文学や芸術に影響を与えている。 神々の話だが人間味の溢れる話が多く、文学として面白い。 女好きで浮気性のゼウスをはじめ、酒好きの神様がいたりもする。 ギリシャ神話は登場する神の年齢等、あまり細かいことを気にしない。 なんとなく聞いたことのあるエピソード(例えば迷宮ラビリンスに怪物ミノタウロスが閉じ込めてあり、倒しに行ったテセウスが退治した後アリアドネの糸を手繰って迷宮を脱出する等)はギリシャ神話の中の話ということが分かった。
0投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ平易な文章であり、作者独自の切り口でギリシア神話を紹介するエッセイ本。ギリシア神話に興味がなくとも、楽しめる一冊である。しかし男性目線でそうなってしまうのか、女性が蹂躙されている説話の取り上げ方か気になる。バッカスとアリアドネなんて、これではただただアリアドネが気の毒で、神話として残す理由が全く分からない。中野京子先生とは180度違う取り上げ方なので、しかも中野先生の方が運命的な恋という形だったので、気持ち悪さが増してしまった。少々気になるところもあるが、とても読みやすくてGOOD。
3投稿日: 2019.11.09
powered by ブクログ文学者である阿刀田さんがギリシア神話にまつわるエピソードを12章掲載した本。ギリシア神話の逸話を知らなかったので自分が理解できるか不安だったが、阿刀田さんの文章が面白すぎてサクッと読めました。 人間の想像力の恐ろしさを知ると共に、古代ギリシャの話が現代で通用するのが人間の不変性を物語っているよう。
0投稿日: 2019.08.25
powered by ブクログおもしろかったー。 解説にも書いてあったけど、アトーダ先生の経験から書かれているからとてもとっつきやすく、親しみやすい。
0投稿日: 2019.08.24
powered by ブクログギリシア神話の有名な話を紹介したエッセイ。読みやすい。ギリシャ神話に語源がある用語や、ギリシャ神話に題材をとった演劇など、雑学をからめていて飽きない。それにしても、オリンポスの神々は本当に人間くさいなあ。恋物語も多いし、とにかく美形が好きだよね。
1投稿日: 2019.07.29
powered by ブクログ10歳の次男が、ギリシア神話をモチーフにした児童文学「パーシージャクソンとオリンポスの神々」シリーズを学校で借りてきて今も読み進めている ギリシア神話について知りたいというので、子供にも分かりやすい本をいくつか借りてみたんだけど、せっかくなので私も読もうと阿刀田さんの知っていますかシリーズを。 なお、次男にもちょっと読ませてみたが「子供が読んじゃいけないことが書いてあった~~。(><)。」と言っていた(笑)まあゼウスが○○に変身して女性を妊娠させ~とか、戦争で負けた女性は敵国に連れ去られて…とかそういう描写は多いですからね。 西洋文学、映画、美術を読んだり観たりするに当たり、聖書やギリシア物語やシェイクスピアはある程度分かっていないと理解しづらい。 シェイクスピア悲劇が「人間個人が生み出した悲劇」だとすれば、ギリシア悲劇は「人間個人ではどうにもできない宿命としての悲劇」だとかいう考察を聞いたような。 たしかに「オイディプス王」なんて運命の所為というか、本人は(そんなに)悪くないだろう、とは思う。 ギリシア神話には、 神様だけの話 人間だけの話 人間と神様が混在した話 がある。 神様の騒動が人間に被害を及ぼすものだと「神様同士で話を付けてくれませんか?!」と思ってしまうんだが、 トロイ戦争のように実際の人間の歴史に神々をエピソードとして配置したものだと不謹慎ながらよくできているなとは思う。そして神様が絡む分まあ他人事と言うかソフトな印象にはなっているが、実際にはもっと凄愴だったのだろうとも思う…。 『トロイアのカッサンドラ』 トルコ領の北の端、海湾に位置するトロイアの町。小さいけれど地理的に好条件で、大国ギリシアとも渡り合えるくらいの力を持っていた。 時の王はプリアモス王。息子の一人にパリスがいた。国を破滅させると予言され、殺されるはずだったところを部下により密かに育てられたパリスは、家畜の世話をしながら気ままな日々を送っていた。 ある日三人の女神、大神ゼウスの妻ヘラ、知恵の女神アテネ、愛の女神アフロディテとの間の美女争いの審判を委ねられる。 パリスは交換条件として「世界一の美女」を約束したアフロディテを選ぶ。 ギリシア神話に置いて「産まれた時不吉な予言をされた子供が殺されるはずだったところを助かり…」というパターンでは、その予言は必ず実行される。 中国古典では預言された息子が父を説得し、ますます栄えたみたいな話になることもあるんですけどね。ギリシア悲劇は「本人ではどうしようもない根本的命運的悲劇」なのだからここは国が滅びないと。 この章のヒロインのカッサンドラは、プリアモス王の娘の一人。 カッサンドラは、アポロンから口説かれたときに予言の力を授かるが、それを得て逃げ出してしまったというある意味契約不履行に怒ったアポロンが「必ず当たるが誰にも信じてもらえない予言」となってしまう。ヤル事だけヤリたかったアポロンからか弱い娘さんが逃げ失せたんだから「よくやった!」といいたいが…神を怒らせて倍返しされてしまいましたね…。 さて。色々あって王子と認められたパリスは父プリアモス王の使いとしてギリシアに行くことになる。 そしてその強国ギリシアには絶世の美女ヘレネがいる。母のレダは、白鳥に化けた大神ゼウスにより身籠った。 このパリス、そしてその使いを果たさなかったばかりか、世界一の美女ヘレネを連れ去ってしまうんだから全くお気楽者だ。 こうして10年に及ぶトロイ戦争が起こった。 ギリシア悲劇が「個人ではどうしようもない悲劇」だとしても、このパリスはあくまでも「個人が悲劇を招いた」だろう…。 現代でも心理学用語で「カサンドラ症候群」という用語がある(医学用語ではない)。 「夫または妻(あるいはパートナー)と情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉」 「世間的には問題なく見えるアスペルガーの伴侶への不満を口にしても、人々から信じてもらえない。その葛藤から精神的、身体的苦痛が生じるという仮説」(wiki写しました) 人から信じてもらえない、正しい予言を繰り返したカッサンドラは、トロイ陥落に際し悲劇的最期を迎える…。 映画「トロイのヘレン」を見たことがあります。 トロイ敗戦後にヘレネがギリシアに連れ戻されるところで終わり。彼女はギリシアで居心地が良かったのか悪かったのか。 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16339 カサンドラは、最初はヘレネに対して不吉な予言をして警戒しますが、何かのきっかけで「悪い運気は消えた」とか言って和解していたような。彼女は燃え盛る神殿で敵兵に拉致される場面で出番は終わり。 さて。 トロイ戦争と言えば、トロイの木馬、アキレウスとヘクトルの闘い、なかなか帰れないオデゥッセウス、などなどの数多くのエピソードがあり、それぞれが別の物語を紡ぐ。 ギリシア神話は、神々の神話であると同時に、現代にも繋がる人間たちの辿った道のりでもある。 『嘆きのアンドロマケ』 十七世紀フランスの演劇ルールに「三・一致の法則」というのがあるそうな。 ・時の一致⇒一つの芝居が始まってから終わるまで、二十四時間以内の出来事であること ・場所の一致⇒芝居が始まってから終わるまで、場面は一つの場所でなければならない。 ・筋の一致⇒芝居が始まってから終わるまで、一つの筋を中心にして他のエピソードを交えてはならない。 ラシーヌが書いたギリシア古典「アンドロマク」はまさにこの三・一致を守っているということ。 そして私は劇団四季の「アンドロマク」を見たことがあったのでした。 トロイ戦争でアキレウスに殺されたトロイの王子で智将のヘクトルの妻アンドロマケは、トロイが滅びてギリシアに連れ去られる。 彼女を望んだのはアキレウスの息子のピュロス。だがピュロスには婚約者も同然のヘルミオネがいた。絶世の美女と言われトロイ戦争の引き金となったヘレネの娘であるヘルミオネは気位も高い。自分の物にならないなら愛するピュロスを殺そうとする。そしてヘルミオネに熱烈に想いを寄せる勇将オレステスにピュロスを殺害をさせる。 要するに誰も報われない四角関係。 ラストでは、ピュロスは死に、自分が望んだこととはいえ愛する男が死んだことを嘆くヘルミオネはオレステスを激しくなじり自害する。女心に振り回されたオレステスの嘆きで終幕。 劇団四季で観た感想は「命も望みも保ったアンドロマク、望みは叶ったが命を喪たピュロス、命も望みも失ったヘルミオネ、とりあえず命は助かったねのオレステス」という感じだった(笑) しかし実際のアンドロマケの幼い息子は殺されている。大殺戮の痕跡の残るトロイで、城壁から突き落とされる幼い息子と略奪されるアンドロマケ。 https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/91/Andromaque_Rochegrosse.jpg なお、オレステスの父は、トロイア戦争でも活躍したアガメムノンであり、こっちはこっちで別のエピソードにつながる。 ギリシア神話の中でも「人間の物語」である。 『貞淑なアルクメネ』 ヘラクレスの母となったアルクメネ。 父はゼウス。アレクメネの夫であるアンフィトリオンに変身してアルクメネと交わる。 アンフィトリオンは、妻の”浮気”を叱らずむしろ大神の子供ということでヘラクレスを喜んで育てたらしい。 ゼウスの浮気は大迷惑だが、女にとっては「だって夫に(または雨垂れに、白鳥に、雄牛に)変身されたんだからしょうがないじゃない」と言えるし、男にとっては「大神ゼウスの息子を我が子として授かったなら栄誉」だといえるし、人間にとっては案外都合が良かったのか。 この章ではこの後ヘラクレスの冒険の解説となり、そしてヘラクレスの死後も母アルクメネは生きていた、と語る。 『恋はエロスの戯れ』 エロスの母は美の女神アフロディテ。エロスの持つ矢で胸を付かれた者は、たちまち恋に落ちてしまう。 女神のアフロディテは美少年アドニスに、アポロンはうら若き乙女のダフネに…。 それは本人たちにとっては大変迷惑な話だが、恋とは無邪気で残酷だということを「永遠に年を取らない無邪気な幼い神の気紛れで弓を得られたのだから人間は恋に苦しむかない」ということで表現したのだろう。(と、阿刀田さんは解析する) 『オイディプスの血』 テーバイのライオス王は「長じて父を殺す」と予言を受け、産まれてきた男児殺害を命じる。 ギリシア悲劇ではこの予言が下された場合、その男児は密かに助けられ、長じてその予言を敢行することになる。まさにそれが「自分では避けようのない運命の悲劇」。 さらにこの章では、オイディプスが国を出た後のテーバイの状況、オイディプスが死んだあとの子供たちにも降れている。 この章の後半で語られてるのは国を出たオイディプスの世話をした娘のアンディゴネ。殺し合った兄弟を悼み葬ろうとしたことで罰せられる娘。芝居としての役割は、「現実的政治を行う姿勢者に対して、人間社会本質の矛盾を示唆する者」ということらしい。 オイディプス王の物語は相当有名で、心理学用語でも、父を憎んで母を愛する男性心理を「エディプスコンプレックス」と名付けられている。 ギリシア神話由来の「○○コンプレックス」は他にも多々ある。ギリシア神話は現代にも通じる人間心理の真相を描いている。 そいえば私は蜷川秀樹演出、野村萬斎主演のオイディプスを観たことがあった。 蜷川さん舞台は3作品しか見てないけれど、上からなにかがボタッと落ちてくる、出演者脱がせる、客席巻き込む、などなどなんかシュール。 私が観た舞台では全体的に白を基調としてちょっと現実離れした感じになっていました。 『闇のエウリュディケ』 竪琴の名手オルペウスが死んだ妻エウリュディケを求めて黄泉の国へと赴く。「決して振り向いてはいけない」という教えをあと一歩のところで破ったため、エウリュディケを永遠に失ってしまう…。 日本神話でも伊邪那岐の尊が伊邪那美の尊を求めて黄泉の国へ行くが叶わないという話がありますね。国が隔たっても人間の語る話の内容が似通うのは面白い。 オルペウスは芸術家で妻を愛する優男のように感じてしまうが、昔はアルゴー船にも乗船してヘラクレスやカストールとポルックスのような勇者たちと共に冒険に出ていたのだから、彼自身も勇敢で人付き合いもうまかったのだろう。アルゴー船乗組員たちは、船長イアソンも含めて悲劇的な最期を遂げる者が多い(まあ悲劇的な者たちだけが語りつがているんだろうけど)。 『アリアドネの糸』 クレタ島の迷宮には、牛頭人身の怪物ミノタウロスが住んでいた。アテネの王子テセウスは、人身御供としてささげられるアテネの少年少女たちに交じってミノタウロス退治を目論む。 テセウスを手助けしたのは、クレタの王女アリアドネ。テセウスに糸玉を渡し、それを辿り道標とさせた。 首尾よくミノタウロスを倒して手に手を取って逃げ出したテセウスとアリアドネ。しかし酒と収穫の神であり暴れ者のディオニュソスの支配する島に立ち寄ったところ、アリアドネはディオニュソスに差し出されてしまう…。 テセウスは一人アテネに帰った、そして別の姫を迎え、死んだ父の跡を継いだんだそうだ。 いい気なもんであるが、まあ成功者の成功物語ってこんなもんさ。 この話の枝別れの部分で、イカロスの失墜の物語がある。 『パンドラの壺』 知恵者のプロメテウスは、暗闇を恐れる人間に火を教えた。 神々は人間が力をつけすぎることを望まず、この挑発者プロメテウスのもとに蠱惑の美女パンドラを送り込む。 しかしパンドラと共に送り込まれた罠に嵌ったのは弟のエピメテウスの方だった。パンドラが持ってきた箱の中から飛び出したあらゆる不幸、しかしそれでも失われない希望。 プロメテウスはその後、岩にくくりつけられ鷲に肝臓をついばまれ続ける罰を受けるが…、その後神々と和解。晩年はオリンポスの神々の助言者として平穏に暮らしたそうな。”平穏”という言葉はギリシア神話では聞きなれない(笑) 『狂恋のメディア』 コルキス王アイエテスの娘メディアはある若者に目を奪われた。 青年はアルゴー船船長のイアソン。イオルコスの王位継承のために、コルキス王の所有する金色の羊の毛皮を獲らねばならなかった。 敵の若者に目を奪われる娘が、父を裏切り若者の手助けをしてそのまま駆け落ち…というパターンは多々あるが、このメディアの場合は狂想っぷりが桁違いだった。 彼女は父を裏切り弟を殺し、イアソンに王位を返そうとしないイオルコス王を謀殺する。さすがに彼女を怖れたイアソンが別の女性と親しくなるとその女性と父も殺す。 メディアのその後はイアソンとは離れ、別の国の王妃になったようだが、策を弄するのは相変わらずで、ミノタウロス殺しのテセウスも殺そうする。最期は不明だが、彼女が殺せなかったテセウスが自国の王になった以上穏やかに過ごせたとは思えない、ということ。 アルゴー船の冒険は、ギリシア神話の中でも英雄達の冒険談として有名ではあるが、関わった男も女も碌な死に方をしていない。 『幽愁のペネロペイア』 この章の冒頭では、男と女の恋愛観の違いなどを考察している。それは敵方に略奪された女性たちの心境を慮るためだ。 そしてこの章のヒロインのペネロペイアは、珍しくも敵方には決して略奪されずに済んだ女性。 夫はオデュッセウス。十年続いたトロイ戦争の勝利後、さらに十年間故郷に帰れなくなった。女性にとって夫がいないことは不安定だ。自分を狙う求愛者たちは好き勝手する、経済的にも困窮、このままでは息子のテレマコスの命も危うい。 オデュッセウスが帰ってきたのは、ペネロペイアがついに求愛者たちの中から再婚者を選ばざるを得なくなったその日だった。冒険譚の大団円として、勝手な求婚者たちはオデュッセウスにより皆殺しになる。 このエピソードがわざわざ残されるということは、女が夫を待ち続けるということが本当に難しかったのだろう。待ち続けた女の心と、略奪されつつ新しい暮らしに決して慣れようとしなかったり、または順応しようとした女たちの姿。 『星空とアンドロメダ』 星座の名前にはギリシア神話由来のものが多い。羊を飼いながら、海を旅しながら、星に物語を作ったのだろう。 生贄のアンドロメダを助けたペルセウスの話も英雄譚の一つで、メデューサの物語など有名エピソードを含んでいる。 ペルセウスとアンドロメダの物語が有名になった要因の一つとして、やはり星座になった人物が多いということもあるだろう。 アンドロメダの母であるカシオペアなど、エピソードとしては「姫の母」というだけだけれど、冬になると非常に探しやすい星座としてついつい探してしまいますからね。 『古代へのぬくもり』 阿刀田さんのギリシア神話語りと、古代を感じることについてでこの本を締めている。
14投稿日: 2019.07.11
powered by ブクログギリシア神話に興味を持ち、ネットで見つけた一冊。正直、期待していたのはアダムとイヴから始まる物語で、聖書とギリシア神話が別物であることには読みながら気が付いた(聖書の後半とギリシア神話が混濁しているらしいからやむなし)。でもこちらはこちらで面白かった。ゼウスにパンドラ、プロメテウスにイカロス、皆どこかで聞いた名前だけどよく知らない。の穴を埋めてくれる良著だった。個人的にギリシャ神話を要約するなら神々の色欲を集めた物語という感じで、欲望に忠実でパワフルな神々に御見それした。
1投稿日: 2019.04.30
powered by ブクログいつも、この手の本は、神話のあらすじが固くて、すんなりと入っていかないのだけど、これは違った。物語に、きちんとキャラがついていて、物語の動きがリアルだ。さすが、作家の書いた入門書だけある。 阿刀田さんは、ギリシャの神々は人間的だと言っていたが、まさしく、その通り。男女差別しているし、女の人をモノのように扱うのは、現代のおじさんたちのようで鼻についた。知らないことが、たくさんあり、これを読んで知り、再確認した。とても面白かった。 http://muto.doorblog.jp/
0投稿日: 2019.03.18
powered by ブクログ関西PFP、西川さんのレビューを拝読して私も読んでみました。 沢山読んだことがあるわけではないのですが、昔から阿刀田さんの文体は好きでした。んで、この作品も良かったです。 結構ややこしい内容を、さりげなく読ませてしまう筆力がいいですよね。
0投稿日: 2019.01.20とても面白い
作家の人生の転換期に、ギリシャ神話はあった。 最初は、青年の興味本位の挿し絵が発端。 ただ、やがて美や普遍的な精神の柱として 欧州人の根底をなすものとして。 絵画や音楽、劇に致までその背景を 理解するもののみ神髄を味わえる。 最後に、シュリーマンの話があるのも 良かった。
0投稿日: 2018.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
教養の本。 ギリシャ神話の大枠を理解できる。 大衆世俗に多く読まれるような サブカルチャーなどのあらゆる創作作品にも 多かれ少なかれなんらかの形で 聖書と並んで影響を与えている。
0投稿日: 2018.10.29
powered by ブクログギリシア神話から切り取った11の物語と最後に総括的な話を入れて纏められている。身近な出来事を導入部として、神話の物語が始まり、著者の話法で展開されていく。ギリシア神話の特徴である人間的な神々が、日常性を伴い、生き生きと面白可笑しく描写されている。昔懐かしい神話が距離感を縮めて眼前で展開されていく気楽な雰囲気に包まれている。
0投稿日: 2018.10.29
powered by ブクログオーディオブックで読了。 大変面白く、ゼウスはじめギリシャ神話の神々が どこか身近に感じられる様になります。
0投稿日: 2018.10.14
powered by ブクログ20180927読了。 新婚旅行でギリシアに行ったのでその関連で読んだ。 ギリシア神話と、古代神話の話(トロイ戦争やオデュッセイアあたり)は一通り読んではいたものの、記憶が薄くなってたのもあり、復習目的。 新しい知識は特になかったが、有名なエピソードを一通り扱っているので、初めて読むには良さそう。 ただ、書かれたのが1984年と少し古く表記が現在と少し違ったり、女性に対する著者の性的指向を感じる文章の書き方気になって落ち着いて読めないのがマイナス。
0投稿日: 2018.09.27
powered by ブクログギリシア神話…十分にエロティックであり十分にバイオレンス。そもそもギリシャ神話は教訓的な話ではないという所に驚く。大きな力を要した神々が己の欲望のままに行動したらそこには悲劇しか生まれないであろう。殺人あり暴力あり不倫ありレイプあり…誰もが羨むような美しい男性、美しい女が性が多く登場する。当然、話の先には悲劇が待ち受けている。全能の神ゼウスの浮気癖の悪さにも苦笑。全能の力を誇示して女性に近づくのかと思ったら白鳥に化けて女性に近づくなど意外と謙虚(?)で微笑ましい。聖書と類似した話あり興味深かった。
0投稿日: 2018.08.19
powered by ブクログ街中やゲームなどでよく見るギリシア神話の登場人物がどのような神話から出てきているかをわかりやすく書いてあり、世界が非常に広がった。意外と人間くさく、聖書などとは異質なところが興味深かった。
0投稿日: 2018.07.30
powered by ブクログ恥ずかしながらほとんど「知っていま『せん』」でしたので、氏のシリーズのいつもながら、楽しく読んで勉強になりました。 だいたい、美術館・博物館に行って西洋絵画や彫刻を見る機会があっても聖書とギリシア神話を知らないのでは作品を見ても主題がさっぱり分からない訳で…最低限のことくらいは今更ながら知っておこうと。
0投稿日: 2018.03.05
powered by ブクログ昭和59年に文庫化(単行本刊行は昭和56年)されてから、いまだに版を重ね続ける、絶版知らずのロングセラー。
0投稿日: 2018.01.08
powered by ブクログ最後の章から読んだ方が神々の繋がりが全体的に把握しやすいかもしれない。やはり、このシリーズは導入としてとても良い!
0投稿日: 2017.12.22
powered by ブクログ古い伝説や神話を紐解くとき、こういう本があるととても助かる。いきなり原書を手にすると大体、わかりにくく、要領を得ず、退屈してしまうことが多いからだ。その点、これはいい感じで全体の雰囲気や要点をわかりやすく愉しく書いてくれているので読んでいて親しみがわく。この親しみを携えていれば、おそらく原書もちがって見えてくると思う。ギリシャ神話へのブリッジとして良書。
0投稿日: 2017.12.18
powered by ブクログギリシャ神話はあまりなじみなく、フロイトが提唱したエディプスコンプレックスの元ネタの話は知ってるなってレベルだった。この本は、そんな自分のような超初心者の入門編としてつくられた本らしい。 そんな経緯があって、ギリシャ神話の内容自体は割とゆるめ。だけど、ゼウスやアポロンがストーカー気質(というかストーカーしてるし)の色男でちょっとドン引き。まあ……性的なところはフリーダムなところを考慮する必要もあるにせよ、「神なんだぜ?」って詰め寄ってくるのはチャラ男みたいでキモチワルイデスネ。 そして何よりも、神の言ったことは絶対パターンが多すぎる。みんな回避しようとしているんだけど、結局実行されちゃってる。これが運命なんですかね……。 設定とか人間関係図がごちゃごちゃしていて難しいなと思うところもあったけど、ギリシャ神話って意外に俗っぽいて思えたので、良かったのか知らん。
5投稿日: 2017.12.10
powered by ブクログ知ってますかシリーズ終わりました。 トロイアの話とか、パンドラの話とか、色々知れて良かったけど(そして、これは筆者のせいではないけどギリシャ神話の登場人物の名前は覚えづらすぎる!)、覚えられんわ、頭に残らん。
0投稿日: 2017.10.07
powered by ブクログ先日読了した『コーラン』がきっかけで再読。知っているようで知らないとは正にこのことで、幼い頃から現在に至るまでギリシア神話を断片的に耳目に触れていても、奥深くは触れることができなかったのだと感じた。日本と同じ人間味あふれる多神教の世界に広がる物語の数々の中から著者が選び抜いた作品だけでも十分に楽しめる。単語や慣用句に残るギリシア神話の蘊蓄を他の人に語るには再読を重ねに重ねないと無理かも。
0投稿日: 2017.08.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
魅力的だけど、読んでもいまいち頭に入ってこないギリシア神話。この本を読んでその理由がようやく分かった。神話は一人の著者が書いたものではなく、様々な伝聞が融合したであるから不自然だったり、冗長な部分がある。そこも真面目に読もうとして挫折してしまう。本書ではそういった退屈な部分はばっさりカットして面白いエピソードだけで構成されている。さらに著者の個人的な体験や近代、現代とのつながりなどを、読者の興味を引きながら紹介する構成力が光っている。このシリーズから敬遠していた他の古典作品も読んでみたい。
0投稿日: 2017.02.26
powered by ブクログ中学生の時、教室の本棚に置いてあったのを読んだのが最初。何だかエッチなな話だな、と感じた憶えがある。 後年、購入して読むと、こんなもんだったかな、と。
0投稿日: 2016.11.27
powered by ブクログ小学生の頃、図書館にあった挿絵の綺麗なギリシア神話の本に夢中になって読みふけったことがある。普段意識することは少ないが、ギリシア神話の伝承は案外私たちの身近にたくさん転がっていて、そこかしこで目にするカタカナ語には結構ギリシャ由来のものが多かったりするのだ。この本はただ伝承を紹介するのではなく、一見つながりの見えにくい伝承と伝承わかりやすく結び付けてくれたり、現代まで馴染みのある事象とのつながりを示してくれて、神話への親和性を高めてくれる(洒落じゃないよ)。面白かった。
0投稿日: 2016.11.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
同じ著者の『新約聖書を知っていますか』という本と同時期に購入し、初めて読んだのが大学時代。しばらく本棚に眠っていた本をふと手に取って再読。 ギリシア神話に登場する神々や英雄って、ゲームとの親和性が非常に高いんですよね。なので、神話を読むというよりも、ゲームに出てくるキャラの元ネタが知りたくてこの本を買ったのではないかと思います。 改めて読んでみると、ギリシア神話の世界体系がかなりしっかりと紹介されていたことに気づきました。ギリシア神話の入門書としてはかなり使いやすい部類に入るのではないかと思います。 もう一つ、つくづく思ったのが、ギリシア神話の神は本当に人間臭いということ。特に世界の最高神であるはずのゼウス。 トップクラスに君臨する神でありながら、嫉妬もするし、妻に隠れて人間の娘に浮気もするし、その娘に手を出して妊娠もさせるし、それがバレないように小細工もするし。普通に考えたらダメ男の筆頭のような感じですが、それを神様の世界の一番上に据えてしまうあたり、当時のギリシア人の肝の強さというか寛容さというか、そんな気質が見て取れます。 ゼウス以外にも、基本的に男神は美しい娘には滅法弱く、一方の女神も世紀の美少年に尽くしちゃったりするしで、ギリシア世界では神がなすことと人がなすこととは表裏一体にあり、神は敬うべきではあるが特別な存在であるとは思っていなかったのではないかと感じられます。 一方で、しっかり読むとギリシア神話は「きちんと辻褄が合う」ように話が構成されているということも分かります。 著者も書いてますが、ギリシア神話は当時、ギリシアの周辺世界に点在していた様々な神話をギリシアの神々の世界に統合して成立したものであるため、同じ神についてのエピソードなのに一見すると話が矛盾しているかのように読めてしまう部分もあります。 しかし、そこをうまく回避できるように特別な例外を設けたり、その神ならではの特質をうまく利用したりして、話に無理が出ないようにしているのは素晴らしい。誰か特定の一人の編纂者が神話体系をまとめあげたわけではないと思いますが、長きにわたって読み続けられる神話というのは、緻密な構成と世界観で成り立っているのだということが分かります。 それが分かる具体的なエピソードは本書に満載されてますが、それをいちいち列挙するのも書評としては面白くないので止めておきます。 世界有数の一大神話体系であるギリシア神話について、基本的なところを知りたい方は読んでみると良いかと思います。
0投稿日: 2016.10.10
powered by ブクログ2016年8月23日読了。ミステリ短篇の名手である著者による、軽妙なギリシア神話解説。退屈な学術講義ではなく、神話上の各国の地理関係・神話の中の「秩序だった体系」と「複数の神話が入り混じったことによる混沌」に着目したり、古今東西の絵画や演劇・言語にギリシア神話が広く与えた影響、さらには著者個人やその友人に局所的に与えた影響など、様々なことを語りながらも筋は神話からブレず、ストーリーや人物がすんなり頭に入る。小説家ってのはやはりすごいものだ。終盤の、トロイア遺跡を発掘したシュリーマンのエピソードも目頭が熱くなるものがある。神話には時代を超え、人間を動かす力があるものだ。
0投稿日: 2016.08.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ギリシア神話をものすごくわかりやすく解説した本。 恐らく興味を持たれやすい話題をピックアップしているのでしょうが、入門書として非常に良かった。 あとがき的な部分にギリシア新あわ大まかに次の5つの物語とあり、 覚えている範囲で内容を記載。 1 オリンポスの神々の伝説 -天地の精製から神々の誕生まで。カオスからガイアが生まれ… 2 アルゴー丸遠征隊の伝説 黄金の羊毛皮 3 英雄ヘラクレスの伝説 10行~12行の難行。最後はひゅどらの毒を着物に塗られて死。 4 テーバイの伝説 オイディプスが生まれ、統治し、追われた国。 5 トロイア戦争の伝説 -ハインリッヒが遺跡を発見。 本の内容に直接関係は無いですが、印象的だった一言。 脳みそをコンピュータに例えることが許されるならば、若いころの読書には、コンピュータの機種決定にかかわるなにかがあるおではないか。 いったん機種が決定してしまうと、そう飛躍のある演算はできない。 これはその通りですよね、読書、に限らないかもしれませんが若いころに考えたこと、入力された知識である種の文化精神がしみ込んでいると思います。
0投稿日: 2016.04.21
powered by ブクログギリシャ神話を噛み砕いて、興味を持つように親切に教えてくれる。荒唐無稽なファンタジーではなく、人間の性や歴史的背景もきちんと踏まえた物語だからこそ語り継がれる価値があるのだろう。ヨーロッパの美術館をめぐる前に読んでおきたかった。
0投稿日: 2015.09.15
powered by ブクログギリシャ旅行の予習のために再読。 旅行を控えているせいか、以前に読んだ時より楽しめた。 ちょうどNHK「100分で名著」でソフォクレスの「オイディプス王」を放送していて、それをチラ見していたのでそのお蔭もあるかも。
0投稿日: 2015.07.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
改めてギリシャ神話は音楽で言うところのスタンダードだと認識。黒いオルフェがギリシャ神話をベースにしてたなんて知らなかった。著者なりの解釈も加わったりして、あらすじだけでは分からない色んな読み方が楽しめた。
0投稿日: 2015.07.02
powered by ブクログ読書録「ギリシア神話を知っていますか」3 著者 阿刀田高 出版 新潮社 p47より引用 “彼は商業の神であり、またドロボウの守護 神でもあった。商売とドロボウは、どこか似 通ったところがあるのかもしれない。” 目次から抜粋引用 “トロイアのカッサンドラ 貞淑なアンドロマケ アリアドネの糸 バンドラの壺 古代へのぬくもり” 小説家である著者による、ギリシア神話の 主なエピソードを紹介する一冊。 トロイア戦争についてからシュリーマンの 発掘についてまで、今なお世界の創作に影響 を与え続ける神話を、小説家ならでわの描き 方で解説されています。 上記の引用は、オリンポスの神々の一人で あるヘルメスについて書かれた一節。 表示されている価格の通りの値打ちがあるか どうか、怪しい物が世の中にわんさかとある のは、神話の時代からの伝統なのかもしれま せんね。自分の時間と労力をわけあたえる値 打ちがあるかどうか、物を買う時にはしっか りと吟味したいと思います。 しかし、あまり考えすぎても、買い物の楽し みが損なわれるかもしれませんが。 こういったギリシア神話に関する本を読ん でいると、とにかく主神ゼウスの女癖が際 立って書かれています。ゼウスのこの性分の おかげで、人々が随分と振り回されているの を読んでいると、大きな権力者のわがままに は、振り回される以外にどうしようもないも のなのかもしれないなと、げんなりしてしま います。 ーーーーー
1投稿日: 2015.06.25
powered by ブクログ2015/6/1読了。 ギリシャ神話の知識をさらに深めるために購入。 事前に『面白いほど良くわかる〜』や『絵画の謎〜』を読んでいたため復習にもなって面白かった。既知の内容を新しい視点から眺めるという意味で興味深い。著者の文章が読みやすいというのもあるが
0投稿日: 2015.06.02
powered by ブクログ俺もゼウスになりたい。人間臭い奔放な神々に魅了されました。 ただ、肝心の名前が頭の中に入ってこない。高校生の時、それで世界史を諦めたが、益々、病状は進行している。年はとりたくない。
2投稿日: 2015.04.24
powered by ブクログむっちゃおもしろかった! 初ギリシャ神話。もっと掘って勉強していきたいところ。また近い内に読み返すと思うね。 ヒュプノスとタナトスの兄弟話が読みたかったんすけど、ここにはのってなかったね。かろうじてその親のニュクスの名前だけ出てきたぐらいでした。それはまた、探そう。
0投稿日: 2015.01.17
powered by ブクログ突然ギリシア神話に興味を持った僕が、簡単な入門書で神話の流れを把握した(つもりになった)後に読んだ本。 全体をとおして、ギリシア神話の面白いエピソードだけを紹介しちゃいます〜という感じの、緩いスタンスになっている。 ホメロスのイリアスやオデュッセイアを読んでみようか、それともハインリッヒ・シュリーマンの自伝を探してみようかな。 そんなふうにギリシア神話をもっと知りたいなぁと思わせてくれる、かけ橋のような本であると感じました。
1投稿日: 2014.11.23
powered by ブクログわがままで人間臭い神々と、苦労人の英雄、悲劇のヒロインたちの物語が寄り道話を交えて分かりやすくまとめられています。神話内の時間経過に沿った章立てではありませんが、それぞれの出来事同士の関連を理解しやすいです。 ただ酩酊児についての記述だけはあまり頂けないな…と思いました。
0投稿日: 2014.10.03
powered by ブクログAmazonのレビューも良かったのだが期待通り! 2巻が欲しいくらいです。 もっと他の神話についてもかいてほしい。 足りません。
0投稿日: 2014.01.10
powered by ブクログ多分これも再読なんだけど忘却の彼方だし、ギリシャ神話はちゃんと把握したいなーと勉強中なので。 うん面白い。阿刀田先生のツッコミが特に。 どうもヘラがそのへんにいるちっと綺麗で若作りで、でも亭主の浮気に悩む苦労性のおばちゃんに思えてきてヤバしw
0投稿日: 2013.09.30
powered by ブクログこちらもギリシャ神話を勉強するために読みました。 バベルの塔の話も出てきたりした。 作者も述べているが今の世界の状態に非常にあった結末にしあがっています。 おそらく後世が書いたからなのか、それとも本当にそうだったのか…。ロマンがありますね
0投稿日: 2013.07.28
powered by ブクログギリシア神話が面白おかしく書いてあり読みやすい。著者の語り口により文学的な感傷にも浸ることができる。 「星を見てもどれがどの星座だと実感できない」という経験は私にも身に覚えがあるが、それを「暇を持て余した囚人が壁をじっと見てると、壁の模様が人の顔や動物に見えてくるのと同じ」というのには考えさせられた。結局”文化”とは、何もしていないと死を待つだけである人間達が、考え出した単なる”暇つぶし”なのではないか、と。 何にせよ、ギリシア人達の想像力は人を惹きつける。文化が"暇つぶし"であるとすれば、最も"暇"だった時代に作られた物語とはどんなだったのか。その魅力のエッセンスを十分に絞り出してくれている一冊である。
0投稿日: 2013.05.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全12章。1章から抜群のダイジェスト。12章でまとめ。 ・オリンポスの神々の伝説 ・アルゴー丸遠征隊の伝説 ・英雄ヘラクレスの伝説 ・テーバイの伝説 ・トロイア戦争の伝説 の5つに大きく分類されるそう。なるほど。 次は辞書的に読めるものを。
0投稿日: 2013.04.18
powered by ブクログ読んで字の如く「ギリシア神話」を親しみやすく紹介した本。 彫刻にもなっているダフネーのはなし ―アポロンから迫られ逃げた妖精、月桂樹にされる― トロイの木馬のお話(これは有名) 浮気モノのゼウスと嫉妬深い妻ヘラの話 ナルシストの語源であるナルキッソスのお話 世界一の美女を決めるハメになる羊飼いに扮したパリスのお話 まぁ、俗世でも人気の有名どころのお話が並んでいます。 神話の世界は自由です。 だって、神様だもん。タブーなんてありゃしない。 浮気あり、のぞきあり、強姦あり、男色あり。 なーんだっておっけー!
0投稿日: 2013.03.25
powered by ブクログ敷居が高く感じるギリシア神話に関して、とても分かりやすい文体で噛み砕くように解説してくれている。 むしろ小説のような気分で軽く読めてしまう一冊だ。阿野田氏のシリーズはどれも重宝している。
0投稿日: 2013.02.05
powered by ブクログ★2012年SIST読書マラソン推薦図書★ ★図書館だよりNo.40浦田先生紹介図書★ 所在:展示架 資料ID:11130093 本を読んで読書マラソンに参加しよう! 開催期間10/27~12/7 (記録カードの提出締切12/13)
0投稿日: 2012.10.25
powered by ブクログすばらしいギリシア神話入門書。 これがあればどんな作品なのかは ざっとではありますがつかめるはず。 しかしながら神々は実に勝手! 特にゼウスの勝手ぶりはあきれ返ることでしょう。 でもゼウスもヘラもよくよく考えれば きちんと人間の男女を如実に表現している のですよね… 一番ときめいたのは やはりシュリーマンの出てくるところでしょう。 まさかトロイアの裏側には いろいろな事実があったとは…
1投稿日: 2012.10.23
powered by ブクログどこか暗く壮大なイメージのあるヨーロッパ系の神話。 ギリシア神話については ケルト神話などとともに 大昔に調べたことがありますが 本書を読んでもほとんど憶えていませんでした。 なによりまず名前が覚えられない。 特にこの本ではざっくりと 筋をなぞっているだけなので 人物の記憶の刷り込みが薄く、 序盤に登場した人物を 終盤に引き合いに出されて思い出せない; もはや憶える気がなかったとしか。。。 本自体はわかりやすくて面白かったですよ。 私は刹那的一瞬で中身を忘れてしまいましたけど。
0投稿日: 2012.09.27
powered by ブクログ阿刀田先生の古典作品解説の一つ。 チョイスがマイナーで渋い。 どちらかと言うと、神々の話よりもトロイア戦争の方が多いかなぁ。 個人的に阿刀田先生の古典解説は他のほうがオススメです。 もちろんこれも面白いですが!!
0投稿日: 2012.09.03
powered by ブクログギリシア神話ってゼウスやアポロンやアフロディテだけじゃなく、オイディプスやトロイア戦争なんかの話も含まれるのねぇ。知らなかった。 登場人物の関係性が混乱するので、この本に登場する人物限定で相関図を作ってみたんだけど、すっごい大変だった。何人出てくるんだ!しかも皆どこかで繋がっている。
0投稿日: 2012.08.15
powered by ブクログ長い間積ん読となっていたものに手を出す。 意外と知らなかったギリシャ神話についての著者の紹介方式。 ギリシャの神々って意外と人間臭くて親しみやすい。例えばゼウスとかは浮気しまくってたり。意外と近親相姦が多かったり。 想像してたより、面白かった。
0投稿日: 2012.04.12
powered by ブクログとにかく古代ギリシャは神々も人間も奔放だ。男好き、女好き、飲兵衛で乱暴、意地汚く、狡知に長け、人殺しもへっちゃら。しかし本邦の八百万の神も似たようなものである。そうでなけれぱ種は繁栄維持しないだろう。彼らの行いになんらかのためになる教訓を見出し得るのと同じくらい、世界も人生もはかなく悲しくどうしようもなく、無意味なものであると認識するのも勝手だ。古典とはそうして読み継がれ、また読み捨てられてゆくものだ。
0投稿日: 2012.02.28
powered by ブクログ欧米だけではなく、日本も含め世界中の文化に影響を与えているギリシャ神話。読んだことがある人も、ない人も、その魅力の一端に触れることができます。
0投稿日: 2012.01.17
powered by ブクログアポロンとダフネーの話が好き。ゼウスの女好き度ははんぱないよなぁっていつも思う。源氏物語といい人間の何かしら本質を明らかにしているんだろうなぁ。
0投稿日: 2011.12.06
powered by ブクログギリシア神話の最高の入門書です。 西洋文学の凄さにも触れたことのない私に、読み終わった後、衝撃をはしる。 「三国志」と並べる大作だと思います。
0投稿日: 2011.11.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ギリシャ神話を知りたいけれど、いきなり読み始めても飽きてしまいそうなわたしにはぴったりの本でした。なので、ギリシャ神話に詳しい方には物足りないのだろうなぁ。割と舞台などで知っているお話が多かったので入りこみやすかったです。こういった本は親子関係や親戚関係がこんがらがってくるのですがそういった面も分かりやすく書いてありました。 阿刀田さんは前にチェーホフについて書かれた本を読んだことがあったのですが、その時同様、原作や元の作品を読んでいたら私はきっと読みながらうつらうつらして最後まで読めないだろうなぁと思うものを綺麗にまとめて、かつ時折出てくる阿刀田論を読むのはとても面白かったです。このシリーズの別のものも読みたいなー
0投稿日: 2011.08.26
powered by ブクログギリシャ神話の大まかな流れくらい知っておかなくちゃね… という私にはぴったりでした。一度読んだだけでは頭に入らないけど、数回読むとなんとなくギリシャ神話が分かってきたような…。 今でもギリシャ神話を題材にした映画などを見る時に、教科書のように使ってます。
0投稿日: 2011.08.01
powered by ブクログギリシャ神話初心者にオススメとネットで書かれてたから読んでみたけど、期待通り面白かった!次に何にいけばいいんだろう、またネットで調べるかな。しかしギリシャ神話の何が挫折感を生むって、登場人物の名前が覚えづらいことだ。
0投稿日: 2011.07.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ギリシア神話って全体像が分からずに読み始めると、一体全体の中のどこにはまっていく話なのかとか、分からなくて戸惑うことがある。 その前にこの本を読んでおけば、まあ色々な系統の話がごちゃごちゃ入っているから気にしなくていいと、それが分かってから読み始めるのがいいと思う。
0投稿日: 2011.06.19
powered by ブクログギリシャ神話を簡単に紹介する本。1984年。ギリシャ神話のいくつかのエピソードを掻い摘んで説明してくれる。ゼウスやポセイドン、ケルベロスやカサンドラなど、名前だけは知っていて、確かギリシャ神話の中にでてくる名前だなぁ、と薄い記憶を持っている人にもってこいの一冊。心理学の○○コンプレックスのもとになっている、など現代使用される言葉にも影響している、といった豆知識もありがたい。お勧め。
0投稿日: 2011.04.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ギリシア神話を知っていますか読了。これ小学生の頃読んだ気がするなあ。あのときは小難しい本だなーって思ったけど、今読むとむしろキュートでエッセンスの拾い上げ方もやさしくて読みやすいね。ゼウス「あの女と一夜を共にしたい」ヘルメス「またですか」ゼウス「言うな」とかもう!キュート!
0投稿日: 2011.03.28
powered by ブクログギリシア神話を初めて読むのにはもってこいな一冊。 神話の中でも主要な話は抑えてあり、阿刀田さん独特の文章で面白くわかりやすくまとめてあります。 すでに知っている人も楽しんで読めるのでおすすめです。
0投稿日: 2011.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ギリシャ(ローマ)神話を現代風な小話を効かせつつ解説する一冊。 シリーズで聖書やイスラムの経典など、色々あるのでまとめて読みたい。
0投稿日: 2011.03.02
powered by ブクログギリシャ神話の解説。他の本で読まなかった話もあってそれは面白く読めたけれど、全体的にもう少し一話が短ければ良かった。 もっとキャラクターがたっている本を知ってるので比べてしまうといまいちかな。
0投稿日: 2011.02.19
powered by ブクログギリシャの神々のキャラクターを理解するのに、ちょうどによい。 脚色の仕方が面白く、例えが現代的。 ギリシャの神々の運命や性格は、現代の人間に通じる。 フロイトが持ち出すのも、よくわかる。
0投稿日: 2010.12.21
powered by ブクログ膨大な量となるギリシア神話をきわめてコンパクトに、異文化に暮らす我々日本人向けにまとめた秀作。 本書では神話を構成する主だった11のエピソードのあらすじを、小咄をはさみつつ紹介し、12番目の章で神話と考古学をつなげている。すべての記述が最小限にとどめられていることが、読む者にとっての敷居を低くし、神話への興味を駆り立てる助けになってくれる。 12番目の章で神話で語られる城の実在を証明したエピソードが語られることにより、読み手には神話と現実のリンクという事実が突き付けられ、否応なく冒険心・好奇心が掻き立てられる。神話への導入にこれほど適した構成があろうか。 著者には本書のみならず、主だった宗教書についての著作があり、おおむね好評であると聞く。そうした著作も引き続き読んでみたいと思っている。
0投稿日: 2010.12.21
powered by ブクログ断片的に知ってることはあっても実は良くわかってないけど興味のあったギリシア神話を、代表的なエピソードを例に、適度に背景や解説も交えながらカジュアルに語ってくれるありがた本でした。~~~を知っていますか、というシリーズになっているようです。
0投稿日: 2010.11.09
powered by ブクログ本書の特徴は批評家的視点で、数ある物語、伝説を取捨選択して、大きな矛盾をみせずに、しかも有名なものは網羅しつつ、ギリシア神話の輪郭をくっきりと映し出したこと、その間に自分の評論的なものをも忍び込ませたことである。「Ⅱ嘆きのアンドロマケ」の中の「三・一致の法則」についての解説、「Ⅴオイディプスの血」の中に出てくる一種のパロディ論、「Ⅹ幽愁のペネロペイア」の中の北原武夫論、「XII古代へのぬくもり」のシュリーマン紹介など、ギリシア神話と直接かかわりがないのに、それとは気づかせないうちにさらりと説いていて見事である。 ラシーヌの悲劇(Ⅱ嘆きのアンドロマケ)、ジロドウの悲劇(Ⅲ貞淑なアルクメネ)、ソポクレスの悲劇(Ⅴオイディプスの血)、カミュ監督の映画(VI闇のエウリュディケ)など文芸作品を素材にして神話を探ったことも著者の批評家的視点といえよう。 (解説より)
0投稿日: 2010.10.28
powered by ブクログ入門書にはいいんじゃないかと思う。 てか昔読んでると思ったんだけどなあ。 なんか文章に覚えがないので初読なのかも。 内容は私のように何冊も本を持っているマニアにはわかってる事柄ばかりだったんだけど、そこはやっぱり阿刀田高だから読まさせられてしまったー
0投稿日: 2010.09.16
