Reader Store

総合評価

174件)
4.3
77
61
21
2
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    不器用だけど実直でどこまでも優しいさぶと、イケメンで器用で賢い栄二の友情物語です。 無実の罪で拘留され、罪人が住まう人足場に送られた栄二が、さぶをはじめ様々な人と関わることで成長し、立ち直る姿が丁寧に描かれていました。 いくら賢くても、人は一人では生きてゆけないのです。 とてもいい話でほっこりしたけれど、最後、栄二の無実の罪にかかわった真犯人には驚きました。 私だったら許せる、かなあ・・・ちょっと納得できないかも。なので☆は減らしてしまった。。 話の中心、というか主人公は栄二だけど、タイトルはさぶ。なんかわかるな。

    1
    投稿日: 2025.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    栄二とさぶの友情を描いた物語。 栄二視点でしか物語は展開しないし、さぶなんてそれこそサブキャラ的なくらい目立たない。それなのにタイトルがさぶの違和感。。だが最後に「さぶーーー」と叫びそうになるほど、さぶがさぶしてて好き。語彙力2 こんな小説があるから、読書ってやめられないんだよなーって思ったとても人間くさい作品。

    0
    投稿日: 2025.11.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    山本周五郎は初読。刺さった。 なんでタイトルが栄二ではないのか、解説を読んで少し納得。鈍臭いさぶではなく、日の当たるところにいた栄二が受難を克服し、人として成長していく物語であるからこそ読み応えがあった。 善良すぎるさぶにもいいことありますように。

    1
    投稿日: 2025.10.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みたかった本。最初、字ちっちゃい!って思い不安になったけど、すらすらと引き込まれていった。栄二の人間性の変化が様々な辛いことを経た事で起こり、大事なものに気づいていく。自分はなんでもこなせて自信に溢れていたが周りのものの支えがあったからこそ今の自分があることを気付かされ感謝できる人間になっていく。人間は成長によって本当に幸せを感じられる。成長していきたい,

    0
    投稿日: 2025.09.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    有名な雑誌の名前の元ネタと言われてる事から妙な先入観がありましたが、そんなイメージ吹き飛びました。 高校生の時に学校の催しでプロの劇団がさぶを公演して鑑賞もしましたが、今思うと意味を全く理解できてなかった。 最後のオチ?には驚きました。人間は自分が思うほど本当単純じゃない。 世の中には色んな人や考え方があって、どれが正しいとかは言えないし、単純じゃなくて自分の思うようにはなかなかいかない。 時代背景は違うけど、今にも通じる部分が沢山ありました。 栄ニは身よりもないし世間的には弱者と言えるかもしれないけど、芯の通った精神と言うか強さがあって、どんな境遇になっても自分で本質を読み取って行動していくところなんか憧れます。 個人的には、おのぶちゃんに一番幸せになってほしい。抱きしめてあげたいぐらいw

    1
    投稿日: 2025.07.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「図書館の神様」の作中に出てきたタイトルです。 読み終わった後タイトルを見て、ため息がでました。 この作者さんが何を伝えたかったのか 正確に伝わるように書かれています。 それは一つの感情をその時その時で表現を変えたり 本から声が聞こえてくるようでした。 本を読んでほしいから、内容については語りたくないですが少しだけ。 自分と似たような人間が後から寄り場に現れて 過去の自分を恥ずかしくなるのすごくわかります。 でも、恥ずかしいって思うのは自分自身の過去を受け止められたから 栄二は恥ずかしく感じる。 栄二らしく大人の対応を得ていく様は本当にかっこいい。 「寄場でのあしかけ3年は、しゃばでの10年よりためになった」 どんな月日も自分の糧と捉えられる栄二はカッコいいと思うし さぶがいるから、栄二は栄二でいられる素敵な関係だなぁと思います。

    10
    投稿日: 2025.05.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    題名は「さぶ」なのだが、ほとんどさぶという人物は中盤以降出てこない。 本当に物語の中のさぶは、後半実在したのだろうか? その後半に至っては、もしや英二の中の思い出の中の幻想のさぶではないか? きっと英二の憧れた人間像がさぶなのだとしたら、ある程度卒なく生きていく能力、持てる者の悲哀は確かにあるのかも、と何も持たないさぶの様なおじさんは思いました。

    1
    投稿日: 2025.05.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『樅ノ木は残った』で有名な著者(本名清水三十六)は、ペンネームを尋常西前小学校卒業後に徒弟として住み込んだ木挽町の山本周五郎商店から拝借した。『日本婦道記』が戦中昭和18年上期直木賞に推挙されたが固辞したが、今では自身の名の文学賞があるのは皮肉なものである。ちなみに同賞主催は新潮社、芥川賞直木賞の文藝春秋社のライバル。 さぶと栄二は表具と経師とで有名な芳古堂に住み込む同い年の職人、ひょんなことから出入りのお店から盗人扱いされ親方から暇を出される。得心がいかない栄二は店に酔った勢いで怒鳴り込み捕縛され人足場送りになる。恨みを晴らそうと自棄っぱちになるが、親友のさぶや結婚を誓ったおすえ、さぶが想いを寄せるが、栄二に恋心を抱くおのぶらは、栄二の島帰りを望んでいる。彼らの訪問や心付けも最初のうちは疎ましく思った栄二も、時が立つにつれ心持ちを変え受け入れ、人足場の囚人仲間とも打ち解けるようになる。仲間を大切にする栄二は嵐の夜皆を守って落石の下敷きになり足を骨折し、杖を着く生活を送る。さぶから経師の仕事を始めたことを聞かされ、栄二にも早く人足寄場から出ることをお願いされる。新しく入った囚人二人は役人には袖の下を掴ませ、周りを誘って博打を打ち、栄二を目の敵にし、もっこ仲間の雰囲気を悪くした。とうとうケンカになり二人を半殺しの目にあわせ、奉行所預かりになるが人足寄場の与力や同心の親心もあり、出所することになる。さぶと栄二はは二人で小さな店を借り商売を始める。栄二は、芳古堂や綿文、捕縛した目明しに多少は恨みが残っているものの、前を向いて働く決意を持ち続ける。二人の結末は、おすえとおのぶは?

    1
    投稿日: 2025.04.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    最初と最後で12年くらい経過してるんだけど、さぶが相変わらずで泣き笑い。表紙は最初の良いシーン、小雨の両国橋。この表紙もぐっとくるけど、私が読んだ文庫の表紙は(平成17年版)何と栄二がバーンと描かれてる。 検索してみて欲しい!タイトル「さぶ」なのに、栄二!もう栄二の話だし、表紙栄二やし、さぶはちょびちょびしか出てこないし(笑)でも題名が「さぶ」だからさぶが気になる。つっこみどころ満載のさぶ。途中、だまされたり、死んだりするんじゃないかとひやひやしながら読み終えた。 この栄二メインのカバー装画を担当した池上遼一さんは独断でさぶではなく栄二を描いたのだろうか。山本周五郎さんがOKしたのだとすると、それもすごい。 内容にもたくさん感想あるんだけど、長くなったのでこの辺で。

    5
    投稿日: 2025.03.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人を許すこと、無償で誰かのために何かすることについて考えさせられる。ここ数年、ニュースを聞いては勧善懲悪でない社会にがっかりすることが多かったが、この本を読んで「この世はそんなもんかも」と、いい意味で諦めて少し気楽になれた。 栄ニもかっこいいが、それを支えるさぶ、与平の「譲れる生き方」もすごい。日の当たっている人には必ずその陰の力となっている人の存在があるということ…人の先頭に立つ人は、それを分かっている人だったらいいな。 でもなあ…最後、栄ニ、それも許せちゃうの⁈ と思う私は、残りの人生、その境地に辿り着くまで間に合うだろうか。

    1
    投稿日: 2025.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ひとは一人では生きられない。 信じること、許すこと、受け入れること、支えること、頼ること、頼られること、心を開くこと。 そういうのって大事だよねと読みながら思った。

    0
    投稿日: 2024.12.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    さぶがタイトルなのに 栄二が主役かと思える書き出しだった 読み進むうちに 二人とも厳しい子ども時代を過ごし 丁稚奉公する身 さぶはのろまで仕事の覚えも悪く 皆から蔑まれている 栄二は顔立も良く仕事もできる 二人はいつか一緒に店を持ち 仕事をしようと約束するが 栄二は無実の罪をかけられ それを晴らそうと世話になった店に 乗り込み暴れたことで 石川島の人足置場に送られること三年 ここでいろんな経験をし 人の様を見 考えことで変わっていく この間にさぶは 懸命に尋ね歩き 栄二の居場所を突き止め 休みの日には生活用品の差し入れに 来る 時は過ぎ栄二は結婚し さぶと店を持ちいろんなことがあるが なんとか希望が持てる状況で終わる 若い頃は真っ直ぐで直上的だが 思索と経験は人を変える 巧みな展開

    0
    投稿日: 2024.09.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    同僚から、時代小説を初めて読むならということで、「さぶ」を紹介され読むことにした。時代小説は読んだことがなく、独特な表現等の意味を調べながらではあったので読み終えるまでに少し時間がかかったが、本当に読んで良かったと思うし、読んだことで心が豊かになるというか、他人に優しくなれるというか、独りじゃなくて必ず誰かがあなたを見ていてくれているということを伝えていたのかなと思う。栄二とさぶを中心とした物語のなかで、人生の浮き沈みを克明に表現しており、その物語を自分の人生に照らすと自分の心に何かささる感じがした。名作って素晴らしい。

    8
    投稿日: 2024.08.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    感想 自分が真ん中にいる。みんなそう。だがそれに気づいているかいないかが大人と子供の違い。本当の友情とはなんだろう。それは大人もわからない。

    2
    投稿日: 2024.08.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後の最後に判明する事の真相(事実かどうかは不明)が、単なる栄二とさぶの友情物語や成長物語とはまったく違う深淵な人間模様にしている。山本周五郎氏の人間に対する観方、性善説でも性悪説でもない、清濁併吞した存在として捉える視点が生きている。絶望のなかで見つけた絆、拭うことの出来ない人間の私欲、人を信じることの難しさ、それらを乗り越えた先にあるもの。物語の主体は栄二だが、全てを総括して示すラストの「おらだよ、ここをあけてくんな、さぶだよ」の姿と表情を思い浮かべれば、やはり作品名は「さぶ」だろう。

    3
    投稿日: 2024.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    栄二とさぶ 若い二人の友情と再生の物語 初めて読む山本周五郎作品 おびのりさんオススメの一冊 時代小説は不慣れな私だが、さっぱりした文章は読みやすく、すぐに物語の世界へ没入 男前で仕事もできる栄二 不器用で冴えないが誠実で真っ直ぐな、さぶ 友達と言いながら、さぶを見下しているような栄二の傲慢さにちょっとイラッとする さぶも自己肯定感が低く、自分のことをグズだという これでは対等な友人同士とは言えないじゃないか… しかし物語はここからだ ある日、栄二は身に覚えのない窃盗の罪を着せられ、人足寄場へ送られてしまう ここで過ごす足掛け三年の日々が、栄二を成長させていく 様々な人々と関わり、自問自答を繰り返し、自分自身と向き合っていく栄二 父親のような存在の与平の言葉は名言ばかりだ 「どんなに賢くっても、にんげん自分の背中を見ることはできないんだからね」 この三年間、さぶも栄二を励まし続ける とても、とても、忍耐強く… 理由などいらない 大切な友達だから そしてラスト! あの終わり方はずるい 涙が溢れてしまうよ あぁ、家族を大切にしよう

    60
    投稿日: 2024.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ある日、身に覚えのない罪で捕まったら... 想像しただけでも恐ろしい。もしそんなことが起きたら、人を信じられなくなるのは当然だと思う。 男前で器用な英二。彼には叶えたい夢があった。結婚を考えている相手がいた。そんな明るい未来が一瞬で奪われてしまった。 すべてを失いどん底に突き落とされた彼を、忍耐強く支え続けたのが、愚鈍だが誠実な"さぶ"という男である。彼は人足寄場にも何度も足を運び、英二を励まし続けた。 さぶの愛情にも似た深い友情が胸にジーンとくる。 人足寄場での経験を通して、英二の心にも少しずつ変化が見られるように。やがて、ひとりぼっちじゃないと気づく。 謙虚さとは、人に支えられて生きているということを知ることで身につくものなのだと、英二の成長をみて思った。 また、タイトルが主人公ではなくて『さぶ』というのがいいね。生きていく上で、さぶのような存在って必要だと思う。苦境に立たされたとき、道を踏み外しそうになったとき、自分を信じてくれる人の存在は大きいから。 私にとっての"さぶ"はやはり両親かな。何があっても自分の味方でいてくれる存在。実家を出た後もそれは変わらない。いつか私も娘や息子にとっての"さぶ"になれたらいいな。

    44
    投稿日: 2024.02.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    古い時代のお話だけれども、義理堅い人が多かったり、人間模様がとても興味深く描かれている。 物語の主人公は完全に「栄二」のほうなのに、なぜかタイトルが「さぶ」。 ライフイベントや環境が変わり、それに伴い変わる人間関係が多い世の中だけども、この2人の関係が全然変わらなくて。二人を取り巻く人たちとの関係も温かくて。自分はわりとドライになりがちだから、こんな人間関係なんだか羨ましくなった。 最後も謎が解けてすっきり。 私的な話ですが、2年間かけて、ついにこの本読了をもって、2021新潮文庫100読み切りました! 2021は本当に自分の人生の中でも大きな挫折を味わい、分岐点になった時期で、そんなな中何より本を読む楽しさに改めて気づいたときで。 今でも時々思い出しては心がきゅーっと辛くなることもあるけど、きっとあの選択は間違いじゃなかった!と思えるような人生をこれからも送っていきたい。 これからも純粋に楽しみながら本を読みたいと思う。

    2
    投稿日: 2023.12.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中学生の時に夏休みの課題図書として選んだ作品。 当時は宿題の提出などに追われて、じっくり読めなかったので数年経って再読しました。 男前でしっかりした栄二と愚図でのろまなさぶ。性格は正反対だけれどお互いがお互いを必要として、支え合って生きていく姿は素敵だと思いました。人足場に入った栄二は、面会に来るさぶを何度も拒むけれども、さぶはそれでも栄二に差し入れを持って会いにくる。そんなさぶの友達思いで純粋な姿も素敵です。さぶの優しさや人足場の仲間たちの栄二に対する優しさは「無償の愛」だと感じました。 また、人生において大切だなと感じる言葉とか、人と関わる上で大事なこととか、作品が描かれたのは昭和で舞台は江戸だけれど、令和に生きる現代人にもつながるものが多いなと思いました。特に所々にある、おのぶが栄二にかける言葉が私は好きです。おのぶのような強い女性に憧れます。男性に頼らずとも自分の力で生きてゆくのはとてもかっこいい。

    2
    投稿日: 2023.10.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    20年以上前、高校時代の模試のようなものの現代文-随筆問題の一説に登場した作品。 筆者は世界中を旅するバックパッカー。世界中に点在するユースホステルには当時、筆者のような日本人バックパッカーの為に以前に利用した同じ日本人バックパッカー達が置いて行った本があったとのこと。各々が日本から持ち込み、そして残される。そういった本を例え手にしたYHで読了できなくとも、旅の道すがら読みながら携行し、読み終わった地点のYHの本棚に収める。そうして筆者が出会った中の一冊が本作『さぶ』で、長い旅を続けていた筆者は、『さぶ』を読んで猛烈な郷愁に駆られたという随筆だった。 山本周五郎を素通りし続けながらも、ハマってしまう覚悟が出来ないまま20年以上が経ってしまった。 読んでみてその随筆の筆者の気持ち、猛烈な郷愁の要因がよくわかった。 語学を専攻していた当時、おぼろげに、欧米諸国でloveやdear、friendshipという言葉を大いに感受して旅を続けていた随筆の筆者は、『さぶ』を読んできっと『人情』という日本固有の感情の存在を思いだし『猛烈な郷愁』に駆られたのだろう、と考えたが、それを確信せざるを得ない『さぶ』という作品。 世界中で表現される感情についての言葉も去ることながら、自国の古い時代から続くこの言葉は、やはり日本人として時代は変われども心を揺さぶり、安堵さえさせてれてしまう事を痛感。 (そもそもの模試問題の随筆は未だ不明)

    1
    投稿日: 2023.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    江戸時代を舞台に、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶ。ままならない人生をふたりで乗り越えていくふたりの信頼関係が尊い!落ち込みもするけれど、決して折れず成長していく姿に感動です。出てくる台詞も今を生きる我々に刺さる、時代を問わない名作!

    1
    投稿日: 2023.09.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    高校の時の課題図書でした。10年近く経って再度読みました。物語序盤の英二の年齢(15歳)と物語終盤の英二の年齢(25歳)のひらきはちょうど私が初めて読んだ年代と今の年代で一致しています。昔読んだ時はは「こうも寄場での経験を経ると感情が変わるものなのか」と少し首をかしげていましたが、今では、命を失うかもしれない状況に一度陥ると、周りで支えてくれる皆に感謝する心が芽生える、という英二の境遇がなんとなく分かります。 分かりやすいハッピーエンドの物語を最近読んでいなかったので良かったです。

    1
    投稿日: 2023.05.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    五瓣の椿とこれは好きで何度も読み直しています。えーちゃんかっこいい。若くて青臭いところもまたいい。さぶは真面目で優しくて思いやりが深いところがいい。初読では最後のどんでん返しで驚きと感動を味わえます。ぜひ一度読んでみてください。

    1
    投稿日: 2023.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    栄二とさぶ:信頼し合いお互いを頼りにする人間関係、栄二とおすえ:好きなあまり栄二に罪を被せそれを一生かけて償おうとした夫婦関係、どちらも素晴らしいと思う。最後はハッピーエンドに終わるから良かった。職人根性、もう一人の自分との対話、濡れぎぬを着せられたときにそれを良い方向に捉える前向きな態度、人足寄せ場は為になった、身に覚えのないことをされたときの対処法、周りの人のことを考えよ、再生、復活、リーダーとフォロワー、問うちから等色々なことを教えられた気がする。

    1
    投稿日: 2023.01.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     不器用だけどどこまでも素直な「さぶ」と、さぶと同い年でさぶと仲の良い、でもさぶとは対照的に頭の回転は速く力もある「栄二」の2人の物語。でも後ろの解説にも書いてあったが、これの主人公は「栄二」の方で、むしろ栄二のもう1人の分身が「さぶ」なのではないか、というのは、目からウロコというか、なるほど、と思った。  それにしても栄二がカッコ良すぎる。もちろんさぶがいるから余計にそう見えるのだろうけど。これの舞台化、ドラマ化というのはこれまでにいくつもあったそうで、しかも今年にドラマも舞台もやっていたという。見たかったなあ。(22/11)

    1
    投稿日: 2022.12.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    秀作。 時代物だけど、現代にも通じる人間劇。 出来すぎた人のいいさぶ。こんな人はありえない。少し前の価値観を感じる。多様化する今、若い人が読んでも良いと思うだろうか。

    1
    投稿日: 2022.11.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎 著 「おら、周五郎さんのこの作品に出会えて、     読めて本当に良かったと思うよ。」 読んだ後の余韻が…心にひしひしと残っており、 ”さぶ”が取り憑いたままですm(._.)m 本当に良かった! この本を読めて本当によかったです。 瀬尾まいこさんの『図書館の神様』の 自身のレビューで少し触れていますが、 絶対、読みたいと思っていたこの作品。 「図書館の神様」の文中で主人公が中学生の図書部員に薦められて読んだ『さぶ』に甚く感動して、 夜中だというのに、その感動を朝まで待てずに、電話して”本当に良かった!感動した!”って伝える場面があった。  そう、まさにそういうことなのよ(^^) 本当に感動した!って読んだ直後にその気持ちを伝えたくなる。 この本を教えてくれて、ありがとう!って感謝したい気持ち。 改めて分かるなぁ〜って感じました。 「図書館の神様」その作品も良くて、知り合いにあげてしまったのだけど…(・・;) この本は手元に大切に置いておきたいって思いました。 この物語りを読んだ後、解説で山本周五郎さんについて略歴も含めて、詳しく書いてあるのを読みましたが、山本周五郎さん自身がこの『さ ぶ』という名作の中に生きていると感じられた。 山本周五郎賞を獲った作品で、読んだものはどの作品も好きだけど(山本周五郎さんが選考したものではないにしろ…(・・;)今後は本人の作品をもっと深く掘り下げ追って他の作品も読みたいと思った。 今更ながら…この本は読むべきものを読むべくして読めたって、そんな感動を与えてくれた作品だと思います。 私ね…、ずっと前に働いていた会社で、定年退職された方で人脈を得る為に嘱託って言うのかな?(前職の会社は違う)呼ばれて少しの間、席をおいてたご年配の方がいらして、 短い期間だけど、とてもよくしてくれて…流石に経験を積まれた人生に於ける大先輩と尊敬しており色んなことを教わった気がする。 仕事を辞めた後、その方から、もらった葉書に 『人間到る処青山あり』と書かれてあったのを、 この本を読んで、フト思い出した。 “どんなに賢くっても、にんげん自分の背中を  見ることは出来ないんだからね” — お前が気づかず、また興味がないにしても  この風には秋の爽やかな味がするし、  もくせいの花の香が匂っている。 どうなるのか?どうなってゆくのか?勘繰り、不安と心配が襲ってくるけれど… 文中にある言葉が、正念場を生きる人たちの人生に、そっと優しく寄り添ってくれた。 ラストは色んな思いが詰まっていたところに現れた声に、すべてのことが解き放たれ安堵した気持ち。 最後の最後に…胸が熱くなって、本当に泣かされましたよ。゚(゚´Д`゚)゚。

    39
    投稿日: 2022.11.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんだかんだ言いながら土瓶さんとみんみんが薦めてくる本は全部読んでるひまわりめろんです(仲良しか!) そしてこの『さぶ』は土瓶さんとみんみんが共に薦めてくれた本、略して「土みん本」です ですがこの『さぶ』を手に取ったのはなにも「土みん本」だからというだけではありません そうです、近頃この『さぶ』を手に取る人の10人中15人は「山本周五郎賞って良く聞くし、確かに受賞作は秀作揃いだけど、その山本周五郎さんてどんな小説書いてたの?」って理由だと思うんですよね まぁ読んで見極めてやろうって上から目線ですよね 赤いモビルスーツに乗ってる人の10人中23人は「見せてもらおうか山本周五郎の実力とやらを」って声に出して言ってると思うんです わたしもそうです(だって時代小説ってほとんど読んだことなかったんだよぅ) そして実際に『さぶ』を読んだ10人中27人は「これは山本周五郎賞できるわ」と思ったことでしょう わたしもそう思いました さすが連邦の白いやつ(違う) 前半は英二の頑固さに辟易して読むのが進みませんでしたが、周りの人々の支えによって恨みに凝り固まった英二の心が溶けていくのにつれて読みやすくなって行きました そして頑固さといえばさぶのほうも相当に頑固です 見方によってはさぶのほうが頑固かもしれない 頑固者の二人が奏でる物語の結末は驚きもありましたが、変わらないさぶの純真さによってさらなる幸せな未来を予想させるすんばらしいものでした さすが「土みん本」! さすが連邦の白いやつ!(だから違うって) 面白かった!!

    46
    投稿日: 2022.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    去年の夏、沖縄の書店で「山本周五郎賞があるのに山本周五郎の作品が面白くないはずがない。」という文句に惹かれ購入した。なかなか読む気になれず放置していたが、1年越しに私は強く同意したい。 江戸を舞台に、一人前の表具職人を目指す2人の男の子の成長を描いた作品だ。 1人は弱虫で何事にも消極的なさぶ、もう1人は常に勝ち気でやや傲慢さが目立つ英二だ。対照的な2人だが、それが2人の強く結びつけ、不可分の関係であった。 弱気なさぶを強気の英二が支え、共に成長していく王道ストーリーのよう構えてしまうが、実は正反対である。とある事件をきっかけに、英二はドン底まで落ちてしまい、何もかも自暴自棄になってしまう。 何事も優秀な人間がどのように自分を見つめ、成長していくのか。彼は社会の理不尽とどう戦っていくのか、周りの人とどう接していくのか。時代小説のようでとっつきにくいかもしれないが、時代は変わっても人や社会は変わらないことを強く感じさせてくれる一冊だ。

    1
    投稿日: 2022.07.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    瀬尾まいこさんの本の「図書館の神様」に出てきた本で気になったので読んでみることに。 きっと文面を見たら諦めていたかもしれないけど読み上げてもらえると風景が思い描けてすごく面白かった。古いお話なんて思わなかった。すごく新鮮な時代物の話だった。

    2
    投稿日: 2022.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    時代小説に苦手意識持ってたけど、読んでよかった。 栄ニタイプもさぶタイプも現代でも、生きてると損するのは、変わらずだな。 そしておすえタイプの女、昔からいたんだな。 栄ニとさぶの男の友情物語としては美しいけれども、そこに厄介な女が絡んでたんですね、という、そんな私の大敵みたいな女が絡んでて、おもしろかった。

    1
    投稿日: 2022.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み終えて一言。 『えええええぇぇぇーーーーー‼︎』 しばらく驚いた後、 驚きを通り越して、思わず笑ってしまった。 これだから小説は面白い‼︎ そしてこの最後の場面はどうして、こんな風に終わるんだろうと考えると… やっぱり最後の場面があるからこそ、主人公が過去の出来事を本当に乗り越え、怒り怨み復讐の気持ちを昇華できた事が、より伝わってくる気がする。 ブク友さんの感想を読むのがとっても好きだ♪ 読んでいると"いいね"を5個ぐらいつけたくなる感想に出会う事がある。 『さぶ』はそんな素敵な感想がきっかけで手に取った作品。 その感想を書いたのはブク友の"おびのり"さん。 感想がいつも自然体で文章が知的でなんだか格好良い! おびさんのイメージは、どんな難解な本にも果敢に向かっていく感じから、 "本の荒野"に立つ腕利きの女ガンマン!(←私の中の格好良いって意味です!) タイトルの『さぶ』は主人公ではなく 主人公、栄二の心の拠り所となる人物。 『頭のいい、おとこまえの、苦労知らず。』そんな栄二は身に覚えのない盗人の罪で人足寄場に送られる。怒り、怨み、絶望の中、心を固く閉ざし、復讐を誓う。 けれど徐々に、寄場の仲間との関係や命を落とすような危険な体験、 そして、さぶやおすえ、おのぶの変わらない思いが栄二を変えていく。 まるで人生の教科書を読んでいるような 感覚だった。 誰の人生にも突然起こり得る、裏切りや不幸の連続を栄二の人生を通して追体験しているよう。大切な言葉に全部蛍光ペンでマークしたい! 中盤から、色々な登場人物が繰り返し栄二に、一人ぼっちじゃないと伝える。 『もしも栄さんが、わたしたちの恩になったと思うなら、わたしたちだけじゃなく さぶちゃんや、おのぶさん、おすえちゃんのことを忘れちゃあだめだ。おまえさんは決して1人ぼっちじゃあなかったし、これから先も、1人ぼっちになることなんかあ決してないんだからね。』 『…自分ひとりだけじゃあなんにもできやしない、能のある1人の人間が、その能を生かす為には、能のない幾十人という人間が、目に見えない力をかしてるんだよ…』 たったひとりで生きてるんじゃないんだよね。 家族や大切な人への感謝、忘れないでいたいな(^^)

    30
    投稿日: 2022.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎の胸つまる時代小説。 女子高生時代からの久々の再読。(いつの話よ) 江戸下町の表具屋で、少年時代からの職人仲間の、栄ニとさぶ。栄ニは、利口で器用、さぶは、愚鈍だが誠実。お互いを支え合い生きていた。 栄二は盗みの濡れ衣をかけられて、仕事を失い自暴自棄となり、人足寄場での生活となってしまう。 栄二の頑なな態度と心を、取り巻く人々の人情が和らげていく。 「一人では生きていけない」悟った彼は、過去の遺恨をたち、さぶと新妻との生活を始めるー で、本当のラストは、読んで泣いてほしい。 ストーリーの主人公は「さぶ」ではない。だが、自身の能力・生い立ち全てを受け入れて誠実に愚直に生きるさぶが、心揺さぶる。 物語の流れが上手い。エピソードごと、の栄二の心情変化の積み重ねが読み止まらない。 初読の時、平日の就寝前、ちょっとだけと読み始め、明け方まで泣きながら読んでしまい、大変なことになった一冊。

    30
    投稿日: 2022.03.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎の名作。楽しく読了しました。タイトルは「さぶ」だが主人公として活躍するのは、さぶとは対照的なヒーローとしての英二である。不思議な演出だが、物語の進行に伴い、この二人は二人で一つの人間、どちらか一方でもダメだし、陰陽・光と暗のように、どんな人でも両面を持っている。また、親ほど歳の離れた人、妻、師匠のような存在など、さまざまな支援者がいることでようやく一人前になれるし、それで社会が成り立っていることがわかる。理不尽な運命も、人生の成長の糧になることを教えてくれる。山本節を長編で堪能できる一冊。

    2
    投稿日: 2022.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    またいい本に出会えた。 題名は「さぶ」であるが、内容は、盗みの罪を着せられ、怒りのあまり自暴自棄になり、人足寄場に流れ着く栄二の悪戦苦闘が主である。 人足寄場での命にも及ぶ大事故、大事件との遭遇、与平や岡安喜兵衛といった人物との出会いと交流を通して、栄二は人間的に大きく成長していく。さぶと栄二の友情もさることながら、栄二と岡安の語らいに心を惹かれた。 -おまえが気づかず、また興味がないにしても、この風には秋の爽やかな味がするし、もくせいの花の香が匂っている。 岡安が栄二に語った「風」と「花の香」との関係性は、「命」と「業」との関係性に似ているのではないかと感じた。 絶体絶命の危機を乗り越えた栄二の中に、「懺悔」とともに「報恩感謝」の心が芽生えた。 時にはさぶになり、時には栄二になり、時には岡安になりながら、この物語を読み終えた。

    2
    投稿日: 2022.02.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    そういえば……「山本周五郎賞」は良く聞くけど、山本周五郎さんの作品をちゃんと読んだことはなかったなー、と手に取る。 「赤ひげ~」の作者くらいにしか印象がありませんでした。 これもブグログでどなたかがお勧めされていた本。 紹介してくれた方々に感謝。 江戸時代。 一人前の職人になるために共に奉公をする英二とさぶ。 英二は男前で賢くて腕も度胸もあるが、対照的にさぶは見栄えも悪く愚鈍で小心で腕もパッとしない。 ある日、英二は得意先で盗人の濡れ衣を着せられ、怒りのあまりに暴れてしまい、人足寄場送りとなってしまう。そして……。 小難しく、説教臭い話なのかなと思いましたがそんなことはなく、とても読みやすくておもしろくて、ほとんど一気に読んでしまいました。 さすがは大衆文学。 最後は少し驚かされましたが、嫌な終わり方にならずに良かった。   タイトルは「さぶ」ですが本書の主人公は英二です。 英二の目を通して「さぶ」を表す、とかではなく、あくまで英二の物語であることに少々落胆しました。 なぜなら自分はどちらかと言えば「さぶ」側の人間だからです。 なぜタイトルを「さぶ」にしたんだろう? そこに意味があったのだろうか。 ここからレビューを追加します。 あの場面をもう一度読みたいな。あそこはどうだったろう。と、パラパラ再読しました。 やっぱり名著。惹き込まれます。あとをひきます。 かなりのネタバレにもなるので、未読の方は絶対に読まないでください。                   解説にもあるとおりこれは、主人公英二の受難と再生の物語。その過酷な過程を通じて再生をはたした彼は、人間として厚みを増すこととなります。   英二は長く「この首にかけても」と復讐を誓い、そのことだけにとりつかれてしまうが、時が癒していきます。 人足寄場送りになった人たちとの交流が癒していきます。 英二は自分の才覚で人足寄場で中心的な存在となり、多くの人に慕われるほどになります。 そこにさぶの存在はありません。 しかし、人足寄場で事故に遭い、死にかけたときに彼が呼んだのはさぶでした。 「助けてくれ、さぶ」と。 「さぶ、助けてくれ」と。 普通であれば「おっかあ、助けて」とでも言うところでしょう。 幼いころに家族を火事で亡くした彼が最後の最後に呼んだ者は、さぶでした。 うすのろで、あほうで、能無しで、気が弱くて、英二も心の中でよく罵倒しているさぶです。 英二に対して異常なまでの献身ぶりをみせるさぶ。 彼の心の中ではさぶは、絶対に揺るがない味方。一本の太い柱となっているのでしょう。 英二の再生の手助けとなるのは先に述べたとおり、時と人足寄場で出会った人々です。 しかし、さぶというしっかりした足場があったればこそ、だったのではないでしょうか。 いずれは再生したとしても、少なくともさぶの存在が英二のそれを早めたのは間違いないでしょう。   わからないのは英二の妻となるおすえのことです。 よくもまあ……。 最後の最後まで秘密にできたものです。 彼女はじぶんのせいで過酷な目に遭う英二をどう見ていたのでしょう。 それでも、と願う女心なのでしょうか。 愛しい男を得るために、愛しい男を奈落へと落とし、口をつぐむ。 もしもそれで英二が再生をはたせずに的外れな復讐にはしり、火付けや、人を殺めてしまったりしたなら。 彼女はどうしていたのだろう。 そうはならずにほんとうに良かった。

    26
    投稿日: 2022.01.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まるで人生訓の様な小説だなあ。 終始説教されている様な感じを受けたのは自分の生き方に後ろめたさがあるからなのか。 何故タイトルが「さぶ」なのだろう? ほぼ「栄ニ」の目を通した人間模様が描かれているのに。

    2
    投稿日: 2021.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても良かった。 無実の罪で人生転落してしまった栄二が度重なる受難に遭う姿は読んでいてとても胸が痛かったけど、人との関わり合いの中で大事な事に気づき立ち直り復活していく姿に心打たれます。 そして、どこまでも栄二を信じ尽くしてやまない愚図で優しいさぶと言う人物、その存在がかけがえのないものであると栄二が気づいていく事に感動し、タイトルが「栄二」ではなく「さぶ」である事に納得する。 寄場人足・与平の言葉は生きていく上で誰にでもいつの時代にも当てはまる事だけど、とかく自分の事で精一杯で忘れがちな事だけに、心にずっしりと残りました。 「ー生まれつきの能力を持っている人間でも、自分ひとりだけじゃあなんにもできやしない。能のある一人の人間が、その能を生かすためには、能のない幾十人という人間が、眼に見えない力をかしているんだよ、ここをよく考えておくれ、栄さん」 時代劇をあまり読んだことがないので、江戸の日本橋界隈の今も残る土地名などがたくさん出てくるのも楽しい。

    2
    投稿日: 2021.09.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    信じるということを身を以て教えてくれたさぶ。 人を信じたいと思ってもあんなに無下に扱われると もうあなたのことなんか、どうでもいいよ。 好き勝手すればいい。 と思ってしまう、私なら。 でも、さぶはちがう。 栄ちゃんのことをひたすらに信じて。 栄ちゃんのためにひたすらに動いて。 そんな風に人を信じられるのって簡単なことではない。 その人の基を知っているから信じられる。 栄二を信じて信じて疑わないさぶの心を私も持ちたい。 栄二の、心の変化も印象深く。 時を経て許す。 信じる。許す。 できるかな。 できますよ。

    0
    投稿日: 2021.08.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    才能に恵まれていても、人生は嵐のように突然風景が変わって全てを失ってしまうことがある。読者としたらここで踏みとどまってほしい、と思いながらも、矜持や信念から何を賭しても譲れないものがあるのだろう。 環境が激変して、様々な立場や境遇にある人々に出会っていく。時に自暴自棄になり心を閉ざし、それでも手元に残ったものや、人との関わりを通して、人生に光がさしていく様子が温かく希望が湧いてくる。尖っていた石が川の流れと共に丸くなるように、人もまた変われるのだと思う。 さぶの人柄に、救われたのは彼だけではないだろう。

    0
    投稿日: 2021.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    良い作品だった。 まじめに生きる若者達の姿に涙が出てしまう場面があったり、風景や季節が頭の中で再現できる表現があったり、読みどころがたくさんあった。 何年後かに再読したい。

    0
    投稿日: 2021.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     読書力養成読書、2冊目。  この作品、ある学校で行われた、定期試験に読書を組み込むプロジェクトの課題本の中に含まれているうえ、『読書力』巻末の、齋藤孝先生が選んだ「文庫百選」にもリストアップされている、おすすめ度の高い一冊です。  もともと時代小説が好きなのでこれを読むのは楽しみでしたが、実際読んでみるとイメージしていたものと違っていてちょっと驚き。仲良し二人組が活躍する楽しい話なのかと思っていたら、けっこうシリアスな文学作品でした。舞台化や映像化が何度もされている作品ですが私はどれも見たことがないので、『さぶ』ってこんな話だったのか! というのが正直な感想です。  江戸は小舟町にある表具屋「芳古堂」で奉公中の栄二が主人公。タイトルになっているさぶは、同じ芳古堂で奉公する同い年の親友です。ふたりが15歳のとき、おかみさんに怒られて店を泣いて飛び出したさぶを、雨の両国橋で栄二が引き止め、なぐさめるシーンで物語は始まります。この冒頭で、ふたりの性格も顔つき体つきも対照的であることがわかります。  ふたりが23歳のとき、事件は起こります。襖を張り替える仕事で出入りしていた両替商「綿文」で、小箪笥の抽出にしまわれていた高価な金襴の切が一枚なくなっており、それが栄二の道具袋の中から見つかったのです。もちろん栄二には身に覚えのないことですが、店の人たちからは完全に犯人扱いされてしまいます。納得のいかない栄二は話をしに店に行きますが、用心棒らしき男たちに追い払われ、ついには石川島の人足寄場に送られることに。しかしこの寄場での経験が、栄二を大きく成長させるのです。  あらすじを書いていたら、涙が滲んできました。栄二のつらすぎる経験が思い出されて……。ひとことで言えば、本書は栄二の成長物語です。ただその「成長」というのが、ひとことで言い表してしまうには濃密すぎるのでぜひ読んで、としか言いようがなくなるのです。  栄二を支えるのは、親友のさぶを筆頭に、小料理屋すみよしで働くおのぶ、綿文の中働きのおすえ、人足寄場の赤鬼松田権蔵、役所詰元締同心岡安喜兵衛、身内のように世話をしてくれる与平、心を許し合ったこぶの清七、といった多くの人々。この人たちの中で大人になっていく栄二の姿を見て、この小説を読む若者たちはともに学ぶことになるだろうし、大人たちはそれぞれの立場でいろいろと考えることになると思います。本書のおすすめ度が高い理由がわかりました。  さらに、タイトルがなぜ「さぶ」なのか、栄二に罪を着せた犯人は結局誰だったのか、この2点も本書の大きな読みどころです。ちょっとしたミステリ作品だと言ってもいいかもしれません。表現が的確かどうかわかりませんが、とてもおもしろかったです。  ちなみに、この作品が刊行されたのは昭和38年(1963年)なので、現在では差別用語として使われなくなった言葉がたくさん出てきます。が、そこは時代と言葉の勉強だと思って読めばよいのではと思います。  山本周五郎というのはペンネームだったんですね。数々の文学賞を辞退されていたというのも知らなかったです。巻末の、木村久邇典氏による「山本周五郎 人と作品」、河盛好蔵氏による「『さぶ』について」という2本の解説と、著者の年譜が詳しくて、いろいろと勉強になりました。  〈文学には純も不純もない、よりよい文学を最大多数の人びとへ〉という著者の言葉が心に残ります。

    0
    投稿日: 2021.04.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本は、栄二の心の変化がとても面白い。 昔の自分を見ているようでした。 本当に大切なことは、自分が厳しい場面、特に、命を落とすような場面に出逢わないと気づかないものです。平穏な生活のなかじゃ、今の自分が本当に正しいことをしているかどうかなどわかりません。 この本は1960年代に出されたということで、昔も今も人間の本質は変わらないということがわかります。 学生、社会人どちらにもおすすめできる小説です

    0
    投稿日: 2021.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表具、経師職人として働く栄二。ある日出入りしてる店で盗難という無実の罪を着せられ出禁になる。何年もの付き合いで人間関係も構築できていたはずなのに冷たい態度。説明を求めようにも相手にされず問題を起こし人足寄場へ飛ばされる。 人間をすっかり信じられなくなった栄二は寄場で誰とも喋らず一人を貫く。しかし時が経つにつれて今まで見えていなかった世界が見えるようになる… 栄二の物語だけどタイトルが友達の方の名前「さぶ」を使ってるのが味がある。 人間、生き方、生活…と教訓に満ちた話で良かった。人足寄場というシステムがあるのもこれで知った。画期的!

    3
    投稿日: 2021.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎と言えば、「山本周五郎賞の人」というイメージしか無かった。が、友人から「さぶ」を薦められて、良い機会だと思って読んでみた。 なんとこの物語の主人公は「さぶ」ではない。さぶの幼馴染の「栄二」だ。 しかも、江戸の暮らし的なシーンはあっさり終わってしまう。さぶと栄二は、職人見習いのようなカタチで働いていたが、栄二が無実の罪で追放されてしまう。という急展開。 栄二は人足寄場へ送られ、「様々」な人たちと共同生活を送ることになる。人足寄場での描写は胸に来るものがあった。外の世界では居場所がない人たちが、ここでは怯えずに生きられると言う。 それはノンフィクションの「刑務所しか居場所がない人たち」を思い出した。 いなくなった栄二を探すために駆けずり回ったさぶ、そして、栄二を想うおすえ。二人の優しさにも泣けるものがあった。 復讐に燃えていた栄二が、作業中の事故により死に瀕する。その時、無意識に「助けてくれ、さぶ…」と呟いたのが泣けて仕方なかった。(235ページ 個人的には、本作の中でのクライマックス。 物語の終盤に真相が明らかになるのは、ちょっと予定調和的というか。まぁ、うん、と言った感じ。悪くはないけど。 総評として悪くなかった。シンプルな時代の人々の直球な想いや、栄二の人間的な成長を丹念に描いたのはとても良かった。 (書評ブログもよろしくお願いします) https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%83%85_%E3%81%95%E3%81%B6_%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%91%A8%E4%BA%94%E9%83%8E

    15
    投稿日: 2021.02.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この小説を手に取ったのは30年くらい前だったのではないだろうか。文庫を買って持っていた記憶がある。それから時を経て、図書館で借りてやっと読み終えたのが今日だ。最近になって読むきっかけになったのは瀬尾まいこさんの「図書館の神様」で出てきて読みなくなったから。本当にいい話だった。最後は泣いていた。おそらく30年前の自分にはつまらなく、読み切れなかったのかもしれない。今だから沁みるのだと思う。

    0
    投稿日: 2021.01.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「この世で生きてゆくということは、損得勘定じゃあない。短い一生なんだ、自分の生きたいように生きるほうがいい。」 この言葉を知って心動かされ、それが小説の一節だと知り、この本を手に取りました。 人間強さや弱さ、そして優しさ、人生の厳しさ・・・。この小説で語られている人情というか「人間」そのものにすごく共感をおぼえた。 人間は弱いけど、人生は厳しいけど、だからこそ素敵なんだよと。 自分も強く優しくなりたいものです。

    0
    投稿日: 2020.12.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    栄二とさぶの物語。 とはいえ二人を取り巻く人々が魅力的で、個々の人物で小説となりそうな存在感がある。 人足寄場は世間の不条理に叩きのめされてきたような人々が集まる。そこで栄二が様々な事件を重ね、成長していく。一方、しゃばで力強く生き抜く市井の人々もさぶやおのぶを通して描かれる。 タイトルのさぶは、宮沢賢治の世界から出てきたような、朴訥で愚直な人間。どんな状況に置かれても損得勘定なしで訥々と生きる彼は、すでに完成された人間である。対して、周りに翻弄され我を失った栄二は、そこから人間としての成長が始まる。 群像劇、人情劇そして、誰が栄二を陥れたのかというサスペンスも味わえる、読み応えのある一冊だった。

    0
    投稿日: 2020.12.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    沢木耕太郎さんの「深夜特急」でバックパッカーが泣きそうになったというレビューを見て、読み始めた。 確かに「深夜特急」のが中にも登場してきて、このシーンかと思った。 実際は図書館になかったが、青空文庫にあることが分かり、初めて青空文庫で読むことになった。 空き時間に少しずつ読み進めたので、なかなか読み終えることが出来なかった。 どこかに書いてあったが、さぶが主人公ではないのに、なぜ題名が「さぶ」なのか読み終えて、改めて納得した。 愚直なまで、正直に生きるさぶ。 少しは見習いたいと思う。

    12
    投稿日: 2020.11.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    バックパッカーのバイブルと言える『深夜特急』の著者・沢木耕太郎氏が、その旅の途上同じく旅をしている邦人と本を交換し、手渡されたのが本著。日本語に飢えた旅人同士のこうしたやり取りは当たり前にあったそう。それを読んだ沢木氏は懐かしさに泣きそうになった、と。 わかる気がする。 奉公先で覚えのない罪を着せられ人足寄場に送られた栄二がそこでの生活で人情の何たるかを身を以て知る。奉公先への恨みも消え、ずっと近くで支え続けてくれた親友「さぶ」の真情も理解する。日本人の心の粋が表れた作品。 長い間日本を離れていた時に読んだら、泣くと思う。 沢木氏の挿話を読んだ時に一度読んだはずだけれど、例のごとく気持ちいいほど何もかも忘れていた。読友さん本の感想を読んで本著の存在を思い出し、手に取って正解。名作だった。 無宿者に住まいと仕事を与え更生・再生させる施設であった人足寄場。良い取り組みだと思う。そこで築き上げられる仲間同士の絆が羨ましいほど眩しく映った。

    6
    投稿日: 2020.08.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    複数の映像化などもある人気時代小説。メッセージ性が高く、登場人物が生き生きとしており、とても読み応えがあった。巻末の解説も興味深い内容で、とても勉強になった。

    1
    投稿日: 2020.02.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    学生時代に感動した本の約50年ぶりの再読となった。主人公は栄二であるが、題名が「さぶ」となっていることに、さぶの心優しさが、栄二に影響したことを示唆するかのような著者の温かさを感じる。さぶ、おすえ、おのぶたちとの心の交流、寄場で知り合った与平や万吉、役人の岡場や松田たちとの出会い。そして石川島の寄場に送り込まれた3年間が彼の人生にとっていかに意味深いものになったか!最後のどんでん返しの場面でそのことを語る彼の言葉が感動的である。

    0
    投稿日: 2020.02.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初周五郎。この著者の名を冠した作品はいくつか読んだけれど、本家は読んでないなということで前から気になっていて…漸くです。オススメいただきました(^^ 面白かったです!ここまで思い遣ってくれる友達がいるなんて、きっと素敵なことでしょうね…。最後、おすえに言った栄二の言葉は本心から出たものだと思います。紆余曲折あり、ヒトとして一回りも二回りも大きくなりましたな。>栄二は。さぶとの友情、そしと栄二の人間的成長を見た、大変良い作品でした。さすがに賞が創設されるだけのことはある作家でした!星四つ。

    2
    投稿日: 2019.11.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    江戸下町の表具屋で働く「さぶ」と「栄二」の友情、試練、人情を、情感ゆたかに描かれた【山本周五郎】の名作である。あの長谷川平蔵(火付け盗賊改め方)の考えで出来たという「石川島の人足寄場(にんそくよせば)」での印象深い会話。“人間誰しも考えることは自分中心ですからね。他人の痛みは三年でも辛抱するが、自分の痛みには我慢できないって、よく言うでしょう(与平)” ”役人というものも世間で考えるほど安定したものでない・・・世間にある忌まわしいことは、ここでも殆ど欠けてはいない(岡安喜兵衛)”

    0
    投稿日: 2019.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    p.353「どんな人間だって独りで生きるもんじゃあない(中略)世の中には賢い人間と賢くない人間がいる、けれども賢い人間ばかりでも、世の中は上手くいかないらしい、損得勘定にしても、損をする者がいればこそ、得をする者があるというもんだろう、もしも栄さんが、わたしたちの恩になったと思うなら、わたしたちだけじゃなく、さぶちゃんやおのぶさん、おすえちゃんのことを忘れちゃあだめだ、おまえさんは決して一人ぼっちじゃあなかったし、これから先も一人ぼっちになることなんかあ決してないんだからね」

    0
    投稿日: 2019.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    対照的な青年男性のさぶと栄二、二人の友情・信頼を通じて、栄二の精神的な成長を描いている。昭和38年の作品。初めて読んだ山本周五郎。 栄二は得意先の綿文での作業中に、盗難事件の犯人とされて、働いていた芳古堂を追い出されることに。無実の罪に怒り、綿文に押し掛けた挙げ句に、石川島の人足寄場に送られてしまう。そこは、刑務所ではないが、軽犯罪人が自立して暮らすところで、栄二は、大きな転機を経験する。この人足寄場という制度と営み、人々の暮らしなどが、とても興味深い。 さぶは最後まで純粋だった。

    0
    投稿日: 2019.05.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    勧められて読んだ山本周五郎2冊目。 栄二の生きづらさというか不器用さにやや唖然としながらも、さぶが本当に真っ直ぐで救われる。「何故これほどまでに自分のことを気にかけてくれるのか」という言葉や行動でなければ、どん底の栄二を救えなかっただろうし、信頼を得られなかったと思う。 自分も闘病して分かったが、どん底の時にも離れていかない友達が本当の友達なんだと。 さぶのような天性の思いやりが軽んじられることなく、評価される世の中にしていきたいし、そういう美点を見抜ける自分になりたいと思った。

    2
    投稿日: 2019.05.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    タイトルは、「さぶ」であるが、栄二を中心に語られている。 無実の罪を着せられて自暴自棄となり、自分の力では抗うことができない、世の中の仕組み、権力者からの圧力、自分の生い立ちなどを恨むが、「さぶ」や栄二を想う女性たちの無償の愛、人足寄場の人たちの損得勘定のない人情に支えられ、人間的な成長をしていく物語である。 最後に思わぬ人が自白し犯人がわかるが、最後まで変わらぬ「さぶ」の友情には心を打たれるものがあった。 ○お気に入りの箇所(P.353〜354) 「世の中には生れつき一流になるような能を備えた者がたくさんいるよ、けれどもねえ、そういう生れつきの能を持っている人間でも、自分ひとりだけじゃあなんにもできやしない、能のある一人の人間が、その能を生かすためには、能のない幾十人という人間が、眼に見えない力をかしているんだよ」

    0
    投稿日: 2019.03.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎の作品は読んだことがなく、どんなものか試しに読んでみたのですが、舞台は時代物でも文体は現代的で読みやすかったです。 男らしい栄二と優しいさぶの対照的なキャラクターの組み合わせがいいのと、栄二が濡れ衣を着せられて過ごすことになる人足寄場(収容所)でのドラマが壮絶です。

    0
    投稿日: 2019.01.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    友人から勧められて本書を手に取った。本書は、対照的な二人の青年の友情を描いた物語である。本書の面白いところは、タイトルにある『さぶ』より、彼の友人の『栄二』の人生に着目して物語が進んでいくところである。生一本な栄二が冤罪によって人足寄場で生活するようになってから、彼の考え方や人格が変わっていく様子は読んでいて楽しい。彼の心情の変化が常に他者の優しさに触れた時に起こるというのも、本書のテーマである無償の奉仕を色濃く表現していると思った。終始人に尽くすさぶの人柄を考えれば、本書のタイトルが栄二ではなく『さぶ』であることも納得できる。本書は全体を通して、深く考えさせられることが多く、また所々にスリルあふれる展開もあり読んでいて全く飽きない。最後の10ページでは栄二の妻からの驚きの告白もあり、読んでいて鳥肌が立った。読後には余韻が残り、友情というのは本当に美しいものであると再確認させられた。私も他者貢献の精神を磨き、友人とより深い絆を築いていきたいと思った。

    1
    投稿日: 2018.12.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    不器用だが、友を思い、友のために己を捧げる、栄二とさぶ。 持つべきものは友、とはよく言ったものである。 どんな時も支え合える親友がいるということは、心の支えになる。 それは、江戸時代でも現代でも同じではないだろうか。 1人でも、そんな親友がいることは幸せなことだと思う

    0
    投稿日: 2018.10.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    p221 人間の一生は、一枚の金襴の切などでめちゃめちゃにされてはならない。 人情味あふれる江戸時代の、青年2人の人生。人足寄場の人間関係。逆境を耐えてこそ見えてくる心持ちと人生観。 タイトルは「さぶ」だけども栄二の人生を追っていた。 でも頭が良くて仕事のできる男前であっても、あるからこそ、さぶのようなとろくて浮世離れした仏のような存在によって、栄二の浮き沈みする人生をかろうじてつなぎ留めてくれたのかもしれないなと思いました。それにしてもこんな苦節を経てふた回りも大きな人物になってそれで25歳とは。

    0
    投稿日: 2018.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    さぶというタイトルだが主人公は栄二。10年以上勤めたお店を無実の罪で解雇になる。自暴自棄になった結果、騒ぎを起こし、石川島人足寄場に送られる。そこでも、栄二は復讐に燃えていた。しかし、寄場での世間からはじき出された人たちとの触れ合いを通じて、徐々に復讐の心が和らぎ、仲間との友情が芽生え、未来を見ようとし始める。この物語の中で、理不尽なことがあってもそれを引きずるのではなく、家族、友人を大切にして自身は真心をもって生きていれば、必ず一筋の光明が当たるのではないかと勇気づけられた。

    0
    投稿日: 2018.09.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人は世の中と折り合いをつけるためにどのように生きていけばよいのか?そこに運命のようなものを感じたり、あるいは運不運を感じたり。そうではなく、目を開かせてくれるために人生がある、と気づく生き方もあるのではないか?山本周五郎の『さぶ』にはそんなことを考えさせられる力がある。 これまで、山本周五郎は歴史上の題材から創り上げられた小説のみ接してきた。今回、オリジナルストーリーに接してみて思ったことは、深い思索の先にある表現にオリジナルか歴史から題材を得ているかは関係ないということだ。当たり前といえば当たり前だが、原田甲斐がなぜ大老酒井雅樂頭忠清宅で殺傷事件を起こしたのか、についての思索を進める過程で、その目的が伊達家存続であったとの結論を得る。 同様に不確かな運命に翻弄される人生とは?という思索を進める過程で、どのように人生を受け入れ、生きていくのかといった結論を得て、それをさぶとその親友である栄二の人生に映して表現しているのだ。 理不尽だ、だから己も理不尽に過ごすのだという思い込みと、これまで何人もそのような人物を見てきた周囲の人の諦めない確かな支え、あるいは信頼が、固まっていた心を溶かし、結局受け入れる側に変わらせていく。そのような時間はかかるが確かな方策を丁寧に表現している。物語ではあるが、自己啓発書のような、でも上から目線ではない示唆に満ちた小説であった。 本書は勤務先の同僚から紹介してもらった書籍であるが、彼の根底にもこのような気持ちが流れているのではないかと思うことができた。

    0
    投稿日: 2018.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    自分は一つも悪くないのにいきなり転落人生送ることになっちゃった職人。 普通なら落ちるとこまで落ちて悲劇で終わるとこだけど、周りの人に恵まれて何とか立ち直る物語。 題名はあまりピンと来ないのだけど、彼の純真一途な人柄を拠り所にして更生する物語っていうところから来てるんだろうな。 それにしても主人公の妻は悪人じゃないけどその分タチが悪い。

    0
    投稿日: 2018.01.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「さぶ」ではなく、栄二が主人公のような物語だった。 後半は、この後どのようにして「さぶ」を表に出していくのかということにも気を取られながらの読了だったが、結局最後まで「さぶ」は一般的な主人公ではなかった。 解説を読んで腑に落ちた。「…栄二を克明に描くことによってさぶの姿をおのずから浮かび上がらせようとしたのであろう。」 「…ひどい目に遭うごとに彼(さぶ)の魂の美しさがいよいよ光ってゆくのは、作者の手腕であって、おそらくさぶは作者の最も愛好するタイプの人間に違いない。」 登場場面が栄二に比して極端に少ないさぶではあるが、数少ない登場場面ではいつも変わらず同じ態度で栄二にも周りの人たちにも接する姿に心が洗われる思いがした。 事件以降、栄二の壮絶な憎しみの感情に、栄二の周りにいる多くの人が真摯に付き合い続ける様子に深く感動した。また、それにこたえようとする栄二の不器用ながらもまじめで温かい気持ちも素晴らしかった。 人足寄場というところがあったことを初めて知った。気が弱く、とびぬけた才能もなく、善良であるだけでは、広い世間での生活は苦しい。それに加えて、世間から非情に扱われ、小突き回された人たちが二度と世間にでたくない、一生寄場で暮らしたいと言うという。周りの人が皆、心に大きな傷を持ち、自分の殻に閉じこもっている中で、時間をかけて少しずつ心を開き憎しみや怨恨を解いていく過程が、とても丁寧に表現されていた。 山本周五郎を知りたいと思って手にした一冊。本作は昭和38年に連載された作品だとのこと。もう一冊読もうと準備している。

    0
    投稿日: 2017.12.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    優秀とはなにか?持ってる人とはなにか?優秀な人をあつめればそれで良いのか?を考えることがある。 山本周五郎の視点でそのことについて強いメッセージ性とともにかいた作品が本作。 さぶは代表的なもってない人。 栄二は代表的なもってる人。 サブとエイジの対比の物語。 栄二は見た目もよく頭も良く腕も良い職人。 一方でさぶは兄弟子なのに年のわりには仕事のおぼえがわるくどんくさいだのアホといわれてはいつくばりながら建具に「ノリ」作りだけはがんばっている。 が、ある時、理不尽な出来事をきっかけにエイジが寄せ場におくられる。 そこでは社会の吹き溜まりのような人々が生息している。 最初、栄二は自分の理不尽さを持ち前の優秀な頭脳で徹底的に理詰めで考えて恨み復讐ばかりかんがえる。 そのため、まわりの、彼からするといわゆる無能な人とつるむつもりもまったくなく、つっぱっていてまったくまじわろうとしなかった。 が、あるとき、命を左右するような事故にあいそこで個性的な寄せ場の仲間から親切にしてもらったことをきかっけに心をひらきはじめる。 さぶは面会にくると、あいかわらず栄二にあこがれまくっていてその栄二は寄せ場でもリーダ担っていることを知り、「やっぱり栄ちゃんはどこえいっても人の上にたつようにできてるような人だな」という。 そして寄せ場で人間がもまれてきた栄二はそんなさぶにたいして 「人間には誰にも、自分では気づかない能があるらしい。おらあここへきて一年そこそこになるが、その間にいろいろな人間や出来事をみてきた。寄せ場はシャバとは違ってひとくちにいえば世間からはみでたものばかりだ。けれども一緒にくらしてみてよくみていると、うすのろとかぐずとか、手に負えない乱暴者とかいわれる人間がそれぞれよいところを持っている」 というようなことをいうくらい人がかわっていく。 栄二が寄せ場からでて無事におすえの祝言に寄せ場からかけつけた与平(栄二は親代りになってもらいたく将来は養いたいとまでいったことがある)は栄二にこういう。 「どんな人間だってひとりではいきていけない。世の中には賢い人間も賢くない人間がいる。けれども賢い人間ばかりでも、世の中はうまくいかないらしい。損得勘定にしても得をするものがいればこそ、損をするものがある。おまえさんは決してひとりぼっちじゃないしこれからもひとりぼっちになることは決してない。栄さんはきっと一流の職人になるだろうし、そういう人柄だからね。もっとも栄さんだけじゃねえ、うまれつき能をもっている人間でも、自分ひとりだけじゃあ何にもできやしない。能のある一人の人間がその能をいかすためんは、能のない幾十人という人間が、目に見えない力をかしているだよ。ここをよく考えてくれ」 もうひとりの苦労人、おのぶ(栄二にほれぬいているがおすえにかなわなかった小料理屋の娘)はこういう。 「世間からあにいとか親方とかって、人に立てられるいく者には、みんなさぶちゃんのような人が幾人もついているわ。ほんとよ。栄さん」 と。 いつか栄さんが店をもってその職人仕事を褒めてくれる人がいる。でもそれはサブのノリがあっての仕事。でも誰もノリがすごいとは褒めない。人は見に見えるものしかほめないからだ。 世間というものの複雑さ、もちつもたれつさ、持ってる人と言われる人は傲慢にはなっていはいけないということをせつせつとかいた内容であった。いわゆるエリート・勝ち組といわれる人にはぜひ読んでもらいたい一冊。 キャリアの上では栄二にようになりたいが、人としてはさぶのようになりたいものだ。 どことなくさぶは、「同じ月をみていたのドン」や、宮沢賢治にでてくる人々につながる感じがした。

    1
    投稿日: 2017.11.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ふと気付きました。名作と言われる「さぶ」が私の本棚に無い事を。 で、新しく購入して読むことに。(・・それにしてもどうにかなりませんかね、この劇画調の表紙は。周五郎が軽く見えちゃいます。) やっぱり、私にとって周五郎は短編作家のようです。確かに代表作の一つと言えるかも知れません。でも、何となく複数の短編をまとめた長編と言う気がするのです。その結果、良くなったかと言えばそうでもなくて、むしろ複数の短編に分けて仕上げた方が、もっと感動を呼ぶ作品になったんではないかと。。。

    0
    投稿日: 2017.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    タイトルにさぶとあるが、主役はむしろ、この「さぶ」ではなく、さぶの友人の栄二だろう。 栄二が、人間の波に揉まれ、闇を知って、自身もその闇の中に落ち込み、さぶや、おすえや、寄場の人間たちに手を差し伸べられて、生きることに対して柔軟性を身につけて、また元の明るい地へ戻って行く物語。 ところどころで、さぶがいい味を出している。 主役は栄二でも、世界には、さぶみたいな陽の当たらない脇役だって確かに必要だ。

    0
    投稿日: 2017.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎賞と言う、賞の名前は知ってるけれど、名前の元の作家の作品読んだことない問題にメスを入れるために選んだ一冊。 題名は「さぶ」だが、「栄二」にしていいのではないかと思えるほど、主人公がどちらなのか分からない。何をやってもヘマばかりのさぶ(自分は読書中、バカボンをイメージしていた)と、兄貴肌の栄二の友情を、世の理不尽さと絡めて物語が進む。 人が人を好きになるのに、人を助けたいと思うことに理由は要らないということが、ひしひしと伝わってくる。

    0
    投稿日: 2017.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎作品初読かと思いきや、「赤ひげ診療譚」が山本周五郎作品だったのですね。 「さぶ」とあるが、実際には殆どが栄二の物語。さぶは脇役。さぶの心の葛藤や、考え方などは、栄二の想像・認識を通して初めて読者に伝わる。 たとえ個人の力や能力によるものである様に見えたとしても、実際には、多くの人々によって支えられているのだというメッセージが、おのぶ、おすえの口を通して繰り返し語られる。 後半で、栄二・さぶの仕事に光明が見えて来た中で、暗雲が立ち込めてくる。 この小説の締め方については是非論が出てくるだろう。不条理に対してのやり場のない怒りを与える様な終わり方もあったのかもしれない。

    0
    投稿日: 2016.11.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『人の価値とはなにか』について考えさせられた。 さぶのような人間が他の多くの人間を生かしているのかもしれない。 なんか泣きそうになる。

    0
    投稿日: 2016.10.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    理不尽な冤罪で復讐を誓う栄二は、次第に、むしろそれを恵みだと捉えるようになる。 人が信じられない時、小さな罪で人生を誰かにめちゃくちゃにされる時というのが誰にでもあるだろう。 共感共感の嵐。 しかし、栄二は送られた寄せ場で人間の優しさを学ぶ。 運命とは不思議なものだ。

    0
    投稿日: 2016.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎の本デビューです。演劇は高校一年の時の観劇鑑賞です。大阪桜橋にあったサンケイホールで「さぶ」を見ました。初めての観劇鑑賞に感動した記憶が鮮明です。今回、原作を読んでみました。よかった。何度も涙が出ました。恥ずかしい感想ですが、友達って、人との繋がりって大事なんだと実感しました。

    1
    投稿日: 2016.06.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    栄二は細身の瘦せ型、男前で頭も切れるカリスマ性のある男。対してさぶはゆったりした体型で、善良さと臆病さが前面に出る男。そんな2人は何故か普通とは違う固い絆で結ばれている。 タイプの異なる人間同士が惹かれ合うというのはよく聞いたり読んだりするが、現実にはなかなかないように思える。それはやはり、自分と似たような人間と共にいた方が楽であり、違いを認めて相手の長所と短所、自分の長所と短所を考え、相互に歩み寄ることの難しさを表しているようにも思える。 一見ぐずでトンマでなかなか難しい仕事もさせてもらえないさぶは、仲間からは馬鹿にされる。しかし、栄二はそんなさぶの長所をしっかりと見抜いていた。「おめえはみんなからぐずと云われ、ぬけてるなどとも云われながら、辛抱強く、黙って、石についた苔みてえに、しっかりと自分の仕事にとりついてきた、おらあその姿を見るたびに、心の中で自分に云い聞かせたもんだ、_____これが本当の職人根性ってもんだ、ってな」 人間の、本当の価値を見抜く力を栄二は持っていた。それが彼のカリスマたる所以だろう。しかし、彼1人だったらおそらくこのあとやってくる困難に立ち向かえただろうか。 栄二はその後無実の罪で人足寄り合いに入ることになる。そのときの彼は怒りに燃え、ひたすら復讐のことのみを考えていた。しかし、寄り合いで出来た仲間との絆やさぶが足繁く通って来たこともあり、次第に心を開いていく。 さぶという人間が現実にいるならば、歴史にも名を残さず、多くの人の賞賛も得ることなく、数多いその他の人々ととして生涯を終えるのであろう。現実でとても多くの人がそうであるように。 ただ、どんなに馬鹿にされようと自分の出来ることを誠実に行い、友と誠実に向き合うその姿勢は一人の人間としての尊厳を保ち、まさしく彼自身が人生の主人公であることを証明しているのだ。

    1
    投稿日: 2016.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    始めた読んだのは高校一年生の夏。 山本周五郎作品がどれだけ人生の指針になってくれたとこか。 50歳を過ぎ、再読してまた新たな人生の教訓を得る事が出来た。 私にとって"さぶ"はやはりバイブルだ。

    0
    投稿日: 2016.03.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの登場人物も人間くさく素晴らしい。 山本周五郎作品初挑戦でしたが、読みやすくおもしろかった。 栄二の気持ちの変わり方というか、成長は自分にとって学べることもあった。 人情もの良いですね!

    0
    投稿日: 2016.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    L 非常に重く、それでいて粋。 のろまな「さぶ」と実直でカリスマ性もある「栄二」。 ストーリーの流れは栄二が冤罪からやけを起こして人足役場に送り込まれ、折れた人生をやり直す。という、まぁありがちと言い切れない流れ。にもかかわらず、やはり巨匠。深い。重い。 おのぶとさぶ、に拍手喝采。 おすえ、ひでーな。 そして栄二。あんたが一番やっぱり恵まれてるぞ。という感じ。

    0
    投稿日: 2015.11.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中学生のときに読んで以来、一番好きな小説。 これを機に山本周五郎作品はかなり読みましたが、これが断然好みです。 初めて読んでから20年以上経ちますが、たまに読み返したくなります。

    0
    投稿日: 2015.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    英二の心境の変化に心うたれます。 かれに寄り添い続けたさぶの一途さに、このような友がいるのはすばらしい、かけがえのない宝だとも思いました。

    0
    投稿日: 2015.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まず題名が面白い。「さぶ」が主人公かと思いきゃ、その友人の話。主人公はさぶと同僚だったが、見に覚えのない罪を着せられ、島流しに合ってしまう。復習心を燃やし、自分を見失ってしまうが、さぶや知人、同僚に支えられ再生していく物語。 嫁は学生の頃読書感想文を書いたことがあるが、さっぱり理解できなかったと言っていた。 ドン底の酷い気持ちになって自棄っぱちになる気持ちに共感しつつも、周りに助けられ立ち直っていく様は良いなと思うし、男だからよりわかる感覚なのかなとも思った。

    0
    投稿日: 2015.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    祖父が特別の思い入れを持っていた作家の、たぶん代表作、そして初挑戦の時代小説。というわけで身構えて読み始めたのだけど、キャラクターが魅力的で何より文章が良いのですっと読めた。主人公は栄二だけど、栄二の成長譚としてよりも、周りの人々とのひとつひとつのエピソードの積み重ねが心にじんと残る。次はどれを読もうかな。

    0
    投稿日: 2015.01.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    話の大半は、栄二の精神的な成長を、栄二の視点から描かれたものであるが、やはり最初から最後まで「さぶ」、タイトルどおりだった。「無償の愛」と「許す」ということを考えさせられた。読みやすくて読後も気持ち良いが、難しいテーマをあつかった作品だと思う。

    0
    投稿日: 2014.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この一冊の本の中には、英二を中心に様々な「人間」というものが描かれている。そして、一人前の人間になるためには「自分ひとり」という思い上がりが大きな障害であることを学んだ。優れた人間はその人が優れた資質をもっていることも重要であるが、その人を支える周囲に感謝できる存在でなければならない。

    0
    投稿日: 2014.10.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    中3の光村教科書の推薦図書。世代的にこういう昭和の大衆小説は読んでいなかった。映像化された作品は見ていたが。 (「さぶ」は未見。でも、「かぼちゃ」みたいなみっともない男、さぶが、妻夫木聡ってことはないだろう。人のいい感じはするけど。) もっと感動するかと思ったが、さほどでもなかった。 理由としては、栄二が濡れ衣を着せられた事件の犯人が、その事件の段階で見当がつき(つくよね、普通)最後の種明かしに驚きが全くないこと。 人足寄場のシーンが長く、栄二の復讐を誓うセリフに繰り返しが多いこと。 ここまでもっこ部屋のこと書きこんでいるわりに、「こぶ」や「与平」などが描き切れていないこと。 (娯楽的映像作品の原作らしいが)やたら立ちまわり(特に必要と思われないケンカのシーン)が多いこと。 などなど。 最初から結末は決まっていて、この長さや繰り返しの多さは、連載のため仕方なかったのかもしれないし、周五郎も多作だったから、書きなおしている時間はなかっただろう。まさかこの作品が50年も経って中学生の推薦図書になるとは思ってなかっただろうし。 わかってたら、もう少し端折ったりつけ足したりすたのではないかと思う。 まあ、青年の友情にちょっと恋がからむという点では中学生向きなのかもしれないが、今どきの展開の早いストーリーに慣れている若者には冗長な印象。 私なら、薦めないな。 こういう人情話に素直に感動していた、今は老人となっている昭和30~40年代の大人、現在の世の中にさぞや違和感を抱いていることだろうと気の毒になった。

    0
    投稿日: 2014.10.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     パン切れひとつ盗んだ罪で何十年もの牢獄生活を送ったジャン・ヴァルジャンの姿と、金襴の切れを盗んだとあらぬ疑いをかけられ、半殺しの目に遭わされ、人足寄場に送り込まれた栄二が重なる。   『レ・ミゼラブル』が長すぎて、現代の忙しい人が読むには要らないと思われる部分が多いのに比べて、『さぶ』はおいしいところだけ読むことができる分、こちらの方がいいかもしれない。  さぶというのは、愛称だ。ほんとうの名前は、三郎という。しかし、それは後半でたった一度でてくるだけだ。あとは、全部、「さぶ」だ。どうして、三郎ではなく、「さぶ」なのか。それは栄二にとって、「さぶ」は三郎なんていう堅くるしい呼び方で呼ぶ人ではなく、もう「さぶ」でしかないからだと思う。  さぶというのは、英語の sub という意味もあるのではないか。subというのは、①補欠②「補助的」、「次位の」などの意味をあらわす。つまり、mainに対するsubという意味だ。mainというのは、もちろん栄二だろう。  さぶは日陰者だ。何をやってもトロくて皆から馬鹿にされている、さぶ。  一方で、栄二は何をやっても上手で、かっこいい。女の子にもモテモテだ。けれども、栄二には さぶ が必要だ。彼は栄二の親友といっていい存在だし、栄二はさぶがいないと、やっていけない。小説は栄二の視点で描かれているが、タイトルが さぶ であるのは象徴的だ。  ラストのどんでん返しが気にくわないという感想が、少々ある。  つまり、金襴の切れをいれたのが、誰か、という犯人捜しの結末である。  しかし、これは、栄二の愛を得たいと考えたおんなごころである、ということで、いいと思うのだが。私には、むしろ、そのあとの、すべてを知ったうえで抱き合うふたりの姿の方に感動を覚えた。  この作品は、時代小説といえないのではないか、と思う。小難しくなく、すっと読める。江戸時代という設定を、全然感じさせない。下手な時代小説を読むと、セリフからして、小難しい言い回しを使っているものがありますが、これは全然、今の人の喋り方です。現実は、そうだったんじゃないかなあ、とも思います。読み書きだって、すんなりできない人もいたのに、そんなに小難しい喋り方はできないと思うし。  素晴らしい作品。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *   にゃんくの本『果てしなく暗い闇と黄金にかがやく満月の物語』より (あらすじ)  七歳になるリーベリの元に、或る日、継母のケイとその娘ミミがやって来ます。継母に虐められ、リーベリは学校にも通えず、幼い頃から働かされ、友達すらいなくなります。  リーベリの心の拠り所は、亡くなったママ・ジュリアが遺してくれた魔法の教科書だけ。リーベリは毎日魔法の勉強をし、早く大人になり自由な生活を送れる日が来ることを夢見る毎日です。  成長したリーベリの唯一の仲間はぬいぐるみやカラスだけです。  或る日、そんなリーベリは、海岸にひとり男が倒れているのを見つけますが……。 ↓ここから本を試し読みできます http://p.booklog.jp/users/nyanku

    1
    投稿日: 2014.09.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人や世の中のあり方に翻弄されながらも必死で生きる若者達を描いた傑作。ラストの展開には目頭が熱くなった。

    0
    投稿日: 2014.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    驚きの92刷のベストセラー. ともに表具屋で修行する栄二とさぶ.主人公は栄二なのだがタイトルは何故さぶなのか?は読んでのお楽しみだが,栄二もさぶも二人とも違った意味で純情で真っ直ぐである.真っ直ぐがあだとなって人生が暗転する栄二と,それを陰で支え続けるさぶの物語.赤ひげ診療譚と同じく,若者の成長物語で人情噺なのだが,話全体の構成はこちらの方が上か.

    0
    投稿日: 2014.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    物語は情緒ある江戸の両国橋、雨の夕暮れ時から始まる。冒頭でありながら、一番印象に残るシーンだ。 「さぶ」は江戸の表具・経師職人で、タイトルにもかかわらず主人公ではない。さぶの同級生「栄二」が中心に話は進む。不器用で愚鈍だが優しく、常に損な役どころのさぶと、男前で器用な栄二。こんなに差をつけて良いのか?と思うのだが、神様は常に平等だ。栄二は、傲慢な性格を持つがゆえに他人から誤解を招きやすく、結果、あらぬ疑いをかけられ無実の罪を着せられる。不条理な人生に復讐心をつのらせ、石川島の人足寄場へ懲役につく栄二。猜疑心にかられる栄二を必死に支えるさぶ。おのぶとおすえ、二人の女性がスパイシーに絡み、物語はクライマックスへと向かう。 個人的には人足寄場で様々な経験を積み、人として成長してゆく栄二の姿が読みどころだが、やはりさぶと栄二の友情の物語なのだと感じる。時代小説ながらとても読みやすい。余韻が半端ない一冊である。

    0
    投稿日: 2014.06.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    歴史の流れの中で生きなければいけない人間。時代に流されて生きる・刃向かって生きる・あきらめて生きる・利用して生きる。様々な生き方があるが、文学から学び、自身今を生きよう!

    0
    投稿日: 2014.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても読みやすい文章で時代物が苦手だったけどスラスラ読めた。大切な事が沢山書かれてて、何度も泣いてしまった。また読み返したい。 「さぶ」って納得の題。

    0
    投稿日: 2014.05.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎の名作。名前だけは聞いたことがあったけれど、読んだことはなかった。 主人公の栄二が二十歳前後の話で、成長していく話。 まっすぐな栄二が眩しい感じ。 私は『赤ひげ診療譚』のほうが面白かった。 『さぶ』は栄二がいろんな人から説教されすぎだし(筆者が説教したい?)、最後のおちとヒロインの女性がいまいち気に入らない。 でも、もちろん話は楽しめる。特に栄二がさぶと離れてから。

    0
    投稿日: 2014.03.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりに、じーんときた。読んで良かった。愚鈍だけど、まっすぐに生きるさぶと、男前で器用な栄二。 人を傷つけるのは人だけど、人を癒すのもまた人。

    0
    投稿日: 2014.03.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    山本周五郎作品を読むのは「樅の木は残った」以来の2作目。 栄二とさぶの友情、栄二が変わったこと、さぶが変わらないこと。「許す」ということ。 栄二の心の変化の描写がすごく良かった。 終わり方は唐突だけど、希望を感じさせるものなので読後感は悪くない。 文章は淡々としているが、ユーモアがあって面白かった!

    0
    投稿日: 2014.01.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて読んだ山本周五郎作品。時代ものはあまり読んだことがなかったが、どんどん読み進めた。結末はなんとなく予想できたが、それでもさぶのような人柄には惹かれる。他の山本周五郎作品も読んでみたくなった。

    0
    投稿日: 2013.11.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どちらかというとグズなさぶと、その周囲の人たちの物語。と書くとサブの物語だが、実はサブを通して別の人間の成長を描いている。最後の最後でちょっとドンデン返し的なところがあるが、それは呼んでのお楽しみ!

    0
    投稿日: 2013.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    新聞の記事で、誰だろ・・・?(作者わかったらメモします)薦めていて、読む タイトルを「さぶ」にするところが、著者の優しさなのだろう。 不器用でも生きること、人間味あふれる人柄が、相手の心を揺さぶる。 なんでも上手くたちまわることより、何倍も周囲をひきつけるとかんじた。

    2
    投稿日: 2013.09.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    薦めてくださった方は「感動する」と断言してらっしゃいましたが、私自身は単純に感動する、しないいう感じはありませんでした。 それよりも、私は、さぶのように、おのぶのように、友人を支えられる人間なのだろうかと、彼らの美しさに打たれたように思います。

    0
    投稿日: 2013.08.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山本周五郎作品、初めて読みました。 もっと若い頃に読んでいたら、きっと印象がもう一段、 良かったかもと思います。 読書もその時代の風に吹かれながらするものだと、 今さらながら考えてみたり。

    0
    投稿日: 2013.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人物と情景の描写が見事。タイトルは「さぶ」だが、主人公はあくまで栄二。さぶとは対照的な、粋を感じさせる彼の、無実の罪によって振り回される青春劇。読ませる力を感じさせる傑作だ。ただ、その無実の罪の謎解き(?)のオチがどうもしっくり来ない。まあ、それあってのラストのさぶのセリフなのだが…。名作である事は間違いない。高校生に勧めたい一冊。

    0
    投稿日: 2013.06.02