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光媒の花
光媒の花
道尾秀介/集英社
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総合評価

278件)
3.6
38
102
91
16
4
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    道尾さんの描くこの世界観、好きだなぁ。  儚くも"生"を感じる。 「冬の蝶」「春の蝶」が特に好き。 道尾さんの植物や生物の描写は、物語をより美しくし、説得力を与えてるなぁと改めて思った。農学部出身というのを初めて知り、納得。 各章が見事に綺麗に繋がっていて、読後の余韻が心地良い作品でした。 ーーーーーーーーーー 「だから、夢は大きなほうがいいんだ」「大きければ大きいほど真っ直ぐに飛べる」 人はみんな、とてもよく似ている。似ているから、心配したり、憎んだり、助けたり、持てあますくらいの愛情を抱いたりする。

    5
    投稿日: 2026.01.17
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    自分が宙を舞う一匹の白い蝶になり、人間の光と翳その両方を俯瞰しながら登場人物の人生の一幕を観察することができる本作。前半は辛く重苦しいシーンが多いですが、後半は優しい光に導かれるかのように主人公が希望を持って前に進む心温かいシーンが多く、人生辛いことが多くともそれだけで埋め尽くされてる訳ではないことを知らせてくれました。 六つの短編が円環の如く繋がりあっている連作短編集で、道尾秀介さんの作品は毎回真新しいギミックが作中に盛り込まれているので読んでいて驚きと新鮮さがあって大好きです。 よく考えると人間何十億も存在しているので、自分の知らないところで蝶にしか見えない光の円環のような関係が存在するのかもしれません。その関係が光なのか翳なのかはわかりませんが…

    0
    投稿日: 2026.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読みやすい。 短編集だけど、それぞれの物語が繋がっていて楽しかった。子供がホームレスにイタズラされそうになったときはドキドキしたー 子供が犠牲になる話はつらいなー

    0
    投稿日: 2026.01.02
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    道尾先生の作品は意外と2作目。見ると集めてるけど全然読めてない! 読み終えたあと、題名に物凄く込み上げる思いがある。 道尾先生は読みやすいはずなのに、閉塞感や息苦しさで何故か思うようにスイスイ読めない不思議がある。 今回は、思ったより優しい雰囲気で、もっとどぎつくても好きかなって印象。

    19
    投稿日: 2025.12.20
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    6つの話が少しずつ繋がっていく連作短編。 こちらも道尾秀介といえばこの雰囲気、という感じ。しばらくは胸がズーンと沈むような展開が続きます。 こちらも道尾作品らしく子供が多く出てきますが、だからこそ辛い。しんどい境遇で子供たちがもがいているのが辛い。 笹の茂みや、河原、土手の風景…その空気も伝わってくるような風景の描写がよかったなぁ。 どこともなく現れる蝶。 少しずつ光を感じる展開になって、希望がもてる読後感。

    8
    投稿日: 2025.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2章まで読んだ。どちらも子どもがおとなを殺す話で後味が悪い。なぜ本を読んでこんな気持ちにならなくちゃいけないのか。何かの罰なのかと思った。もう読むのをやめた。

    0
    投稿日: 2025.08.26
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    ひとつひとつの話は短編で読みやすいが、雰囲気は終始暗め。 道尾作品だけにもっと繋がりや伏線回収を期待してしまった。

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    全六章にわたる連作群像劇、それぞれの話が少しずつのつながりを持ちながらもそれぞれの話に独特の空気感を帯びて話が展開されていく。描かれているのは人と人との関係、家族の繋がり。それぞれの章に少しずつの謎を描きながら、それが背景描写と相まって物悲しい雰囲気を根底に置きながらも光に向かって進んでいく展開であった。 一番最初の章はとても悲劇的で、そのような作品が続いていくのかなと思ったが章が進むにつれ段々と光が差し込んでくる。p284物語のラストシーン「光ったり翳ったりしながら進んでいるこの世界を、わたしたちもあの蝶のように、高い場所から見てみたい気がした。」という締めくくりもまさに我々に対しての希望、微かな光の中の希望を見つけられるように日々を大切に、そして前向きに過ごしていく大切さを感じた。我々もこの光があまり見えない世界に、それでもなお小さい時には感じていた光を今一度自分達の力と願いで見出していく姿が必要なのかもしれない。

    16
    投稿日: 2025.05.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【隠れ鬼】★★★★☆  中学男子と30歳の甘酸っぱい恋物語。結局最後まで「あの人」の名前を知れなかったのが切ない。  女の雰囲気が幽霊っぽくて、そっち系の話になるのかと思ったら違った。思春期の男の子に手出してモヤモヤさせて、再会したら冷たくするのは酷いでしょ。愛人の息子にイタズラするとか何考えてるか謎だった。  母親の認知描写は読んでて辛い。弁当のバランを食うシーンは、もし自分の母が将来こうなったら...と想像したら悲しくなる。 【虫送り】★★★★☆  かくれんぼで隠れてる間にみんなに帰られて残される陰鬱なスタート。まさか前作に登場したパッと出のキャラが主人公になるとは思わなんだ。妹も虐められてるらしく兄弟揃って境遇が可哀想。  コオロギが採れると嘘ついて、女の子にイタズラするホームレス怖い。まあよく考えたら拍手だけで大量のコオロギ捕獲できるわけないか。コオロギたちが虫かごに入ってくるの想像したら気持ち悪かった。  その後あらわれたホームレスの男も敵か味方か分からず、小学生たちが内心ビクビクしてるのが伝わり緊張感ある。 【冬の蝶】★★★★☆  ホームレス殺しの犯人は前作の兄弟ではないことに驚く。「この世に死んでいい人間なんていない」と言っておきながら、アンタが殺しちゃってるんかい笑  サチがミステリアスで魅力的なキャラで印象に残る。母の男に犯されながらも、平然と日常を送ってる彼女の精神力すごい。あの男が居なかったらピュアなラブストーリーになってたのに...。  強風吹いた時にサチが顔をしかめず、笑っていたのを見て惚れるシーン好き。紙を裏返して自分を内側に閉じ込める、というサチの発想が面白かった。 【春の蝶】★★★☆☆  悲惨な幼少期を過ごしたサチがまともな大人になってホッとした。後味悪い話が続く中で、今作の最後は希望を持てる話。誰が犯人か気になったが、由希の耳聞こえないふり、牧川の自作自演など思わぬ展開に。  今までの話と比べると、うまくまとまりすぎてて薄味な印象。後味悪い展開の方が好き。 【風媒花】★★☆☆☆  母を嫌う理由が結局よく分からなかった。デカい理由があるかと思いきや、父が死んで荒れたのが原因で拍子抜け。母がなにかやらかしたのが原因かと思ってたのに。しかも小さい頃から嫌いになって、大人になるまで引きずるのは長すぎ。お母さんが可哀想だよ...最後和解エンドに向かったのが救いか。 【遠い光】★★☆☆☆  少女が両親の離婚と向き合う話なのは分かったが、主人公の葛藤がよく見えず、結局何がいいたいかよく分からない作品だった。  これまでの気味悪い話と違って、風媒花とこの作品だけはハッピー寄りな話で浮いてる。最初から最後まで気味悪さを通して欲しかった。

    4
    投稿日: 2025.05.02
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    各章に、ささやかなトリックがあって、さすが道尾先生。 他の章の登場人物が出てきたのもとてもよかった。 自分の置かれた環境に幸せを感じることが難しい人たちの話。 面白かった!というよりかは、心に沁みる話。

    0
    投稿日: 2025.04.26
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    道尾秀介さんの連作短編。 最初は仄暗い話が続くけど、段々緩やかになっていく。 どの話も面白かったけど、特に『風媒花』が良かった。

    0
    投稿日: 2025.04.02
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    この後ミステリ的なところに集結していくのかな?と思いながら読みましたが、徐々に各短編の登場人物たちのこの先を祈るような気持ちになっていきました。「春の蝶」、「風媒花」が好きです。

    8
    投稿日: 2025.02.04
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    再読。 6篇の短編から成る連続群像劇。それぞれの登場人物が別の章にも脇役として登場して、また本編とは違った顔を見せてくれます。 6篇のお話の中には辛く悲しいものもありますが、全ての章を読み終えると救いがあるというか希望の光が差したので、随分安心できました。 前回読んだ時には「虫送り」「冬の蝶」が好きだった記憶がありますが、今回は「風媒花」が心に残りました。読むたびにその時の自分の感情や背景によって作品の印象が変わるのは読書の楽しみであり、再読の醍醐味ですね。

    4
    投稿日: 2025.01.24
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    各短編で、少しずつ繋がりがあります。鬱展開があり、短編ごとの読後感はイヤな感じが残ります。また、どうせ鬱展開になるのだろうと構えてしまい、肩透かしをくらう事も。 短編集としては纏まりがあって良いですが、鬱展開が合わなかったので。。。

    0
    投稿日: 2024.12.24
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    未成年の性犯罪が多く気が滅入る ストーリーの繋がりもあったりなかったり 遠い光に向かう?近くの人工的な光に向かう?惑わされないように生きていきたいと思った。

    1
    投稿日: 2024.11.19
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    Nを読んだ後にこちらを読了 一つの街に住むそれぞれの人間の物語が書かれていました。 最初3章までは少し闇を感じる内容で、そういうものなのかなと思っていましたが、残り3つは希望を感じるラストの配置なのも意味があるのなかと思ったり。 ただ、6章の物語が1章に繋がるので光と闇、それぞれの繰り返しが人生であるのかなとも思いました。

    0
    投稿日: 2024.10.08
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    個人的にトラウマが蘇る話やちょっと苦手な所があったから星2かな。 ストーリー自体は面白く、道尾秀介さんの雰囲気が出てて好きでした。

    0
    投稿日: 2024.10.06
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    2010年第23回山本周五郎賞 そして2010年直木賞候補作 その後2011年「月と蟹」で直木賞 連作短編6編 作品紹介では連作群像劇としている それぞれ犯罪に関わっていく者達だから群像劇でも良いのかな 道尾さんの作品には、子供の中の秘めやか憎悪を描いているものがあり、少年達の純真無垢だけでない心情を読むのは好きだ 第一章 隠れ鬼 認知症となった母を苦しめていた父親の自殺 息子が封印していた事件の真相 第ニ章 虫送り 毎夜両親不在の時間に川辺に虫取りに行く兄妹 許せなかったホームレスへの復讐とその真相 第三章 冬の蝶 貧困の少女が隠していた母の男の所為 少年は守りきれない 第四章 春の蝶 両親の不仲のストレスで聴力をなくした少女 家庭を守るための嘘 第五章 風媒体 姉の入院で母との確執を解いていく弟 第六章 遠い光 母親の再婚に不安を持つ少女 その不安の真意に寄り添う女性教師 蝶が光源をたどり物語を一つにまとめる といった趣向かな 好きな方の道尾さんだけど 罪に対する気持ちがあっさり というか本人達は納得済みという感じ がもの足りないかな

    78
    投稿日: 2024.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結構好きなタイプの道尾短編集。各話ちょっとずつ繋がり、円環になるような構成。残酷ながらも切なくて温かい話あり。好きなのは、「冬の蝶」、「春の蝶」、「風媒花」。サチは色々あったけど力強く生きている。「虫送り」の兄妹は真実が知れて良かったね。 蝶道って初めて聞いた(Nで言ってたっけ…?)。不思議…

    8
    投稿日: 2024.09.29
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    1から3章目の話が、衝撃的すぎました。 美しい情景の中であっさりとした筆致で グロテスクな内容が盛り込まれていてなんとも不思議な読み心地でした。 でも、グロさや残酷さの中にも人間の優しさが盛り込まれていてなぜか温かい気持ちにもなれるところが不思議で面白かったです。  少しずつつ物語の登場人物や出来事がつながっていましたが、つながりを忘れてしまい思い出せないところはみなさんの感想を頼りに 読み返し、おおお!となりまた楽しかったです。 最後の章は美しくまとまっているなと思いました。

    6
    投稿日: 2024.07.26
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    とても面白かったです 短編集と思いきやそれぞれの話の時間軸や登場人物などがつながっている。 途中で風媒花の説明シーンがある。 風媒花は風を媒介して受粉する花らしい。 光媒の花という作品名はまるで次の話次の話と読み進めることによって咲く花(本作)のようだ 解説にもあったが最初は短編のつながりに少し強引さを感じたこともあった しかし個人的には世の中のつながりは思ってるよりも身近にあってそれぞれが繋がっていてそれぞれに光があるんだというメッセージなのかなと思った

    0
    投稿日: 2024.07.21
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    哀しさと苦しさと辛さと、そして一筋の光が見えるような一冊だった。人生は一色ではなく、どのような色に彩られた人生だったかその最期に見えるだろうか。

    1
    投稿日: 2024.06.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    6つの短編集 ハンコ屋、橋のエピソードなど所々で繋がりがある。光ったり翳ったりしながら動いているこの世界を蝶を通して表現している。 第1章隠れ鬼 ハンコ屋さん、認知症の母。中学生の時の回顧、愛と憎悪は紙一重。 第2章虫送り 小学生の兄弟、橋のエピソード。良いホームレスと悪いホームレス。 第3章冬の蝶 2に出てきた良いホームレスさんの中学生の時の話。淡い青春、毒親。 第4章春の蝶 3に出てきた女の子が大人になってからの話。耳が聞こえなくなってしまった女の子、お爺さんの家に泥棒。 第5章風媒花 父をなくした家族の話。息子目線、姉の入院、母と仲直り 第6章 5で出てきた姉の小学生教師としての話。

    0
    投稿日: 2024.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    各作品が完成されているのに、全部どこか繋がっていて光はどんな時も見えるはずっていう最終章のメッセージが好きだった。 第一章の美の狂気みたいな気持ち悪い描写が最高においしかったです…

    1
    投稿日: 2024.05.23
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    光ったり翳ったりしながら動いているこの世界を、わたしもあの蝶のように、高い場所から見てみたい気がした。すべてが流れ、つながり合い、いつも新しいこの世界を。257ページ

    1
    投稿日: 2024.02.19
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    始めのうちは重いお話からなる6編。登場人物達は少しずつ時は進みながらも繋がっていて、幼少期の不幸さからは考えられないほど最後はホッコリした物語になっていて、良い気持ちで読了。

    1
    投稿日: 2024.02.18
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    どんでん返し系のミステリーでは無かったため、道尾秀介はこんな作品を書くのかと驚いた。短編同士の思いがけない繋がりが、この登場人物はこの後こうしたのか、こういう意図があるのか、と感傷的になったり個人的には1編目がいちばん良かった。

    1
    投稿日: 2024.02.18
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    各章で前章の登場人物が主人公となる構成となっており、6章から成る作品でありながら、繋がりある1つの世界観を感じることのできる連作短編集。 一言で説明すれば、前編3作は哀しいほどに純粋な衝動をテーマにしたイヤミスで、後編3作は家族愛を描いている。 個人的には4作目の「春の蝶」の温まるラストが好きだった。 道尾作品には、いつも主要登場人物の子供に心を持っていかれてしまう。

    12
    投稿日: 2024.02.02
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    この本の大きなテーマの一つには“人とのつながり“がある。不幸や憎悪を生むのは人間だが、絶望から救ってくれるのも、人間である。六章のうち前半3つで心に黒いものを負った人たちが、後半では人と繋がり合うことで光を持てた。 私は、自分の何気ない言葉、行動で、誰かが光を持てるような存在でありたいと思った。

    2
    投稿日: 2024.01.23
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    連作短編集。 最初の話でドキッとして、この手の話が続くのか〜と思っていたが、だんだんに穏やかな方へ流れていくように感じた。 玄侑宗久氏の解説も良く、なるほどと思い読み返してみたくなった。 実は秋の帰省時、新幹線の中での読書本として読み、短編集なのを良いことに途中のままになっていた。 今回、インフルエンザに罹りやっと続きを読み終えた次第。 やっぱり道尾秀介氏は面白い。

    0
    投稿日: 2024.01.06
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    第23回山本周五郎賞 6章の短編がそれぞれ少しずつ関わりがある構成はわりと一般的だし、共通して蝶が描かれる点は、『N』で同じ自然現象が描かれていたのと同じパターンだなと感じました。 しかし、それぞれが短い話の中で緊迫感があり、ハラハラしながら没頭して読めておもしろかったです。 胸が苦しくなるような各章の登場人物の日常が続きますが、後半になるにつれて穏やかな雰囲気になり、ハラハラも減っていくので、そのためかラストは物足りなく感じてしまいました。

    9
    投稿日: 2023.11.05
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    愛、怒り、恐怖、やりきれなさ……そんな人間の罪と葛藤、苦悩が描かれる前半3章。 それを浄化するように、未来への期待や希望を示してくれる後半3章の、計6章からなる短編集。 前の章で学生だった人物が次の章では大人になって登場したりと、各話はゆるやかながらリレー式に繋がっています。 胸がじくじく痛むような陰鬱な話から始まりつつも、魅力的な話の数々に吸い込まれていきます。 特に好きだった作品は第1章の『隠れ鬼』。ハード過ぎない官能的な表現が印象的で、終わり方もかなり好みでした。可愛さ余って憎さ百倍ではないですが、主人公の気持ちがわかってしまう人は多いのではないでしょうか。 時に光り、時に翳る。そんな美しくも残酷な世界を少ないページ数と短編形式で表現するのはさすがの一言。読み進めるごとに救いのある話に転じていくため、読了感は非常に爽やかなものでした。 道尾秀介先生をより好きになれた一冊でした。

    24
    投稿日: 2023.10.30
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    初めて道尾秀介さんの作品を読んだ。短編だったのもあるが、とても読みやすかった。それぞれの話や登場人物が少しずつ絡んでくるのもおもしろかった。情景が浮かんでくる描写が上手だな〜と感じた。

    4
    投稿日: 2023.09.18
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    道尾秀介さんの作品は、特別大好きという訳でもないのに、なぜか手に取ってしまうから不思議だ。これが道尾秀介さんワールドなのか。そんな感じで本作もセレクト。 最初の3話までは暗いというか重いというか、正直読み始めたことを後悔してしまったほど。暗く残酷な表現に、読んでいてズーンと落ち込んだ。だが4話目からは徐々に希望の光が見え始め、最終話の6話で完全に救われた。そんな感じの短編集だった。 そういう感じだったから、個人的には5話6話がホッとできて良かったかな。そして道尾秀介さんの描く「女の先生」はとても良い雰囲気だ。迷いながらも前を向く女性をうまく表現していたと思う。 本作に関してもバッチリ好みという訳でもなかったが、もう少し同作者の作品を読んでみたくなった。やはり不思議な魅力を持った作者だ。

    0
    投稿日: 2023.08.28
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    これは、どうジャンルわけしたら良いのか…。ミステリ?道尾秀作さんの作品は、これで3作目。でも、初めて「この作家好き!」、とはっきり思った。短いお話なのに、ちゃんとオチがあって、そのオチが怖い!急に意味がわかって、その途端ひゃっ!、と背筋が凍る感じ。しかも、ダラダラと説明もしない。「え!」、と不安になる読者を置き去りに、ストン、とお話は終わりを迎える。そんな短いお話がモザイクのようにつながって、一つの作品になる。見事としか言いようがない。

    2
    投稿日: 2023.08.22
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    静かな中にちょっとゾワッとする描写だったり、人の心の中の嫌な部分を切り開いて見せるような描写だったりがあって、とても引き込まれた。他の方の感想を見てると、ミステリー要素が少ないことが残念、というような記載があったから、この作者さんの本を読むのが初めてで何の先入観もなく読めて逆に良かったのかも。ミステリーとしてでなくただの連作の短編集だと思えばとても上質。

    1
    投稿日: 2023.07.01
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    短編集ですが各章登場人物や設定につながりがあったりして、各章だけではわからない事が後から理解できたりしてさすがの道尾作品でしたが、著者の他作品と比べると伏線回収などミステリー要素がやや少ないかなと感じました。

    5
    投稿日: 2023.05.03
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    美しい、儚い、のキーワードに惹かれて手に取ってみたけど、どの作品も私には合わなかった 二度と読み返すことはないし、この本を早く手放したい

    1
    投稿日: 2023.05.01
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    優しくて切ないミステリーの連作6話 目次を見たときは章立ての作りだったので、長編だと思って読み始めたら一章ごとに話が分かれていて、でも所々でつながっていて小さな世界の物語なんだと分かった 話自体が短いのもあるけど、とにかく読みやすかった (「貘の檻」で田舎の描写を読んでいくのに苦戦したので、一話目の森の中の話に少し構えた) 道尾さんの作品は、最後にその仕掛けに気付かされてぞっとするような話が多いイメージだったので、それを期待してはいたけれど、あたたかい気持ちで終われる話もいいなぁと思った 振り切ったコメディから重くて暗い因縁、かと思えば光が差すような優しい話 同じ人の書くミステリーとは思えない振り幅で、もっと色々と読んでみたいと思った

    0
    投稿日: 2023.04.12
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    物語は各編ごとに登場してた人物が次の編で主人公を務める連作群像短編集 前半の方は殺人が絡んでくるなどやや重めの内容が多く後半はヒューマンドラマに近い救われる内容がメインといった感じ この転調具合が絶妙 ラスト付近では前半主人公が顔を出す姿もあり 個人的なおすすめは風媒花 あんな感じで書かれると末期患者と思っちゃうよ

    0
    投稿日: 2023.03.26
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    陰鬱な雰囲気にぐっと吸い込まれそうでした。 重く、決して明るくはない話が、後半に向かって光が射してくるところがよかった。ラストの章、主人公の心の声に思わず目頭が熱くなる。 この世界は光ったり翳ったりしながら動き、高い場所から見てみれば、全てが流れ繋がり合い、いつも世界は新しいと。 ミステリー要素というより、物悲しい過去を持っていたり、今も心を閉ざしている登場人物の心情描写が繊細で美しく凄い。静謐さ、匂いまで沸き立つよう。 特に印象的だったのは、第1章、第2章、第4章。家族間の悲哀が表現され、そしてあたたかさを感じた。家族(血の繋がり)は困難に直面しても向上させる力がある…と、そう伝わりました。 第1章では、これほど妖しいお話がこんなにも綺麗に描かれることに心打たれました。 隠された真実に、生涯誰にも口を閉ざすことや、時が経ち解決したことが分かり救われることや、生きてれば色々あるなと。 全ての章にでてくる一匹の蝶が見た光景、 花、虫、白い光、花は光を媒体にして咲く。 違う世界に連れてゆかれたのに、最後には自分に返ってきたような物語だった。

    42
    投稿日: 2023.03.22
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    6章からなる短編が連作となっていて登場する人物が交差していくのは割と好きなので繋がりを確認しながら読了。明るい内容ではないけれど物語に説得力があり、著者の他の作品、長編も読んでみたくなった。

    2
    投稿日: 2023.02.18
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    ほの寂しくて、冷たい世界に静かにそっと一筋光が射す。そんな印象の一冊。 暗く、重い内容なのかと思っていたけど、読み進めていくうちにじんわり心の端っこの方から暖かくなる。 春の蝶、風媒花がお気に入り。 花や虫を喩えに使った表現がとても詩的で綺麗だった。 祖父と孫の短編の次の章で、ほんの少しだけ登場した彼が主人公になって、そこの繋がりか!と驚いた。 道尾さんにはいつも驚かされるなぁ。 友からのお勧め本。 自分ではきっと選ばなかった本だと思うので、お勧めして貰えて良かった。

    1
    投稿日: 2023.02.16
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    連作短編。前話で絡んだ人物や場面が次話の中心に。救いのない話かと思いきや、明るい未来につながる人物パートで終わるのでホッと肩の力が抜ける。

    2
    投稿日: 2023.01.30
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    一つ一つの短編が登場人物、物語をリレーのように繋いでいく。 各章で出てくる季節を感じさせる昆虫や植物の意味、人間関係の表現が詩的で読んでいて、とても気持ちよかったです。 特に、風媒花のお話はラストの落ちも含めて特におもしろく感じました。

    2
    投稿日: 2022.12.31
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    短編集なので期待してなかったのですが、6章のお話が少しづつ繋がり、1つの作品となっているので、読み応えがありました。 道尾さんの作品は切なくて静かなものが多く、派手な展開が起こりませんが、描かれる風景がとてもキレイで、ノスタルジーを感じます。この作品でも「隠れ鬼」「冬の蝶」が私は好きで。 映像化するのであれば、この風景の美しさを観てみたいですね。

    3
    投稿日: 2022.12.07
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    花鳥風月で満たされた世界観が美しい… 人との繋がりが心を浄化する連作短編ミステリー #光媒の花 悩み、苦しみ、かなわぬ夢。 人はいろんな軋轢によって苦労することが多いですが、それでも手助けしてくれるのはやっぱり人ですね。本書は花や虫といった自然界を丁寧に描写しながら、人間の絆の美しさを描いた連作短編集です。 登場人物は何処にでもいる人々で、それこそ老若男女で、様々な職業や生活環境で暮らしています。すごく身近で、きっと読者にも愛着がわくキャラクターばかり。そんな彼らの日常や葛藤の中、生き抜く姿を見ていくことで、心が洗われていく作品です。 ■隠れ鬼 人には墓場まで持っていく秘密というのがひとつくらいはあるものです。 思い出と現実の陰に潜む秘密があまりにも強烈に表現されていました。 ■虫送り 私が子どもの頃は、自分の都合がいいような嘘ばかりついてましたね。 大人になった今思うと、子どもの嘘なんて全部お見通し… 恥ずかしい記憶が懐かしいです。 ■冬の蝶 ただただ胸が痛む話でしたが、私は若き二人の未来を応援したいです。 ■春の蝶 親の都合を決して子供に押し付けてはいけない。 私も人の親ですが、あらためて教訓として胸に刻みました。 ■風媒花 家族の関係は本当に微妙で、少しのきかっけ、環境、年代ごとにも変わっていくものです。久しく話していない父に電話をかけようと思いました。 ■遠い光 人生を楽しく歩むことは何故こんなにも難しいのか。誰しもが一度は思い悩むことです。 しかしこの世界はひとりではない。 家族、親子、兄弟、友人、恋人、仕事仲間、師弟、お隣さん、それこそふと出会った人など、様々な人間関係から成り立っている。お互いに手を取り合えば、どんな悩みも多少なりとも浄化され、自然界の草木や虫たちと同じくらい純粋に生命を楽しむことができるのではないでしょうか。 とても読み心地がいい作品でした。 花が咲き始める春に、オープンカフェや河原で読んでみたいですね。

    77
    投稿日: 2022.12.05
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    切なさ暖かさ溢れる美しい小説でした。平凡な日常の中の忘れられないワンシーン…5編の短編の何処かに自分と接する世界があるんじゃないかと、帯のコメントのように錯覚しました。最後の話…自分が小4時の担任と雰囲気が被っていて、勝手に懐かしんでいました笑

    4
    投稿日: 2022.11.28
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    ちょっとずつ繋がった6つの短編。どれも良かった。面白かった。 何らかの不幸や不運を背景に、前半は暗い話で徐々に希望が見えてくる構成のよう。 全体的に読みやすく、叙情的な文章だと思った。 「虫送り」の兄妹が勘違いしたままじゃなくてホッとした。

    3
    投稿日: 2022.11.15
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    全6章の短編。円環になっていて、人はどこかで誰かと繋がっていることを教えてくれる不思議な世界でした。

    1
    投稿日: 2022.11.13
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    あまり本で泣くことはないのだが、道尾秀介作品は、涙脆くなる。 家族の話に弱い。 どの話も印象的で読みいってしまったが、特に『虫送り』はずっと心臓がバクバクしてたし、『風媒花』は泣いてしまった。最後の終わり方がよかった。 登場人物がリンクしていたり、その後がほんのりわかるのが楽しい。 また、自然や生き物が好きなので色んな知識を得られるのが嬉しい(道尾先生、自然がすきなんだろうなぁ)。調べながら読んでしまう。 道尾秀介ブームが来ているのでしばらく漁りたい。

    4
    投稿日: 2022.11.08
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    ひらり舞う蝶が人と人を繋ぐかのような連作短編集。この装丁が美しい。 移りゆく季節を感じさせる丁寧な描写。陽光、夕闇が登場人物達を映し出しているかのような表現。 胸が締め付けられるような寂しさや哀しみ、じわりと灯る優しさと温かさを感じて胸がいっぱいに満たされるお話。 前半、不穏と闇がある展開に沈殿しそうだったんですが、後半はまるで灰色の雲に覆われていた太陽が、光を差し込んで姿を見せるような晴れやかさ。ちょっぴりしんみりはあるんですが。 最後のお話でこれまでの登場人物が少しずつ出てくる繋がり方が何とも良い余韻。決して全てがハッピーエンドではないけれど、ほっと安堵の息が零れる素敵なお話でした。 季節を感じ、何かを思い耽る時、またふと読み返したくなると思います。凄く好き。手に取って良かった。

    1
    投稿日: 2022.11.08
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    「道尾秀介」の連作短編小説作品『光媒の花』を読みました。 『鬼の跫音』、『龍神の雨』、『球体の蛇』に続き「道尾秀介」作品です。 -----story------------- 第23回(2010年) 山本周五郎賞受賞 認知症の母と暮らす男の、遠い夏の秘密。 幼い兄妹が、小さな手で犯した罪。 心の奥に押し込めた、哀しみに満ちた風景を暖かな光が包み込んでいく。 儚く美しい全6章の連作群像劇。 ----------------------- 第23回山本周五郎賞受賞作、第143回直木三十五賞候補作だし、ちょっと前に読んだ短篇集『鬼の跫音』が面白かったので、期待して読みました、、、 収録されている6つの物語は、それぞれの物語(章)の登場人物が、直前の短編の端役から次の物語の主役に変わる形式で関連性のある連作となっており、最後の物語が最初の物語に繋がり円環をもって終わるという構成になっています。  ■第一章 隠れ鬼  ■第二章 虫送り  ■第三章 冬の蝶  ■第四章 春の蝶  ■第五章 風媒花  ■第六章 遠い光  ■解説 玄侑宗久 『第一章 隠れ鬼』は、40歳半ばにして独身の「遠沢印章店」二代目の「正文」が、5年前に認知症を発症した母と二人で暮らしの中で、30年前に起きた事件のことを回想する物語、、、 「正文」には忘れようにも忘れられない過去… それは、中学生の頃に家族で定期的に行っていた長野での別荘での体験だった。 「正文」はそこで東京出身のウッドクラフトの店をしている30歳の女性と出会う… 30年に1度花をつける笹の生茂る森での性体験と、憧れの女性と父と関係を知った衝撃、、、 そして、女性は別荘近くで殺害され、父は殺人の容疑者とされるが、その後、父は自殺する… それから30年後のある日、「正文」は認知症の母が色鉛筆で笹の花の絵と男女を描いているのを知って愕然とする。 母は真実を知っていたのか… ここで、女性を殺害したのは父ではなく、「正文」だったという事実が明かされるという衝撃の展開、、、 このオチには驚きましたね… 過去の罪を思い出しながら、窓の外で隠れ鬼をする少年を眺めている場面で物語は終わります。 『第二章 虫送り』は、「正文」が家から見ていた、児童公園で隠れ鬼をして遊んでいた子どものひとりが、この物語の主人公の兄妹の兄… 父親の会社が倒産し、母親が働きに出て、両親にかまってもらえない小学生の兄妹の哀しい体験を描いた物語、、、 母親の留守中、夜の川べりの土手で虫を採って遊んでいた兄妹は、ある夜、河原で生活しているホームレスの「田沢」に妹が悪戯されそうになり、危ういところで兄が助け出す… その後、兄妹は橋の上からブロック片を「田沢」が生活しているビニールシートで作ったテントに投げ落とし、翌日のニュースで「田沢」が死んだことを知る。 数日後、目撃者がいなかったかを確かめに行く兄妹は、別のホームレスのおじさんに出会い、おじさんは兄妹がしたことを見ていたことを知る… しかし、おじさんは警察に話すつもりはないこと、夢があれば叶えられることなどを諭され、罪を悔いながら家路につく。 哀しいけど、二人は、これからきっと前向きに生きていく… そんな予感のするエンディングでした。 『第三章 冬の蝶』は、前章の続きで、実は「田沢」を殺害したのは、過去の「田沢」の性犯罪を知っていたホームレスのおじさんだったという衝撃的な展開で始まり、彼が中学生の頃に経験した切ない体験を回想する物語、、、 20年以上前、中学生だった彼は、虫捕りの最中に偶然顔を合わせたクラスメイトの「サチ」と出会う… 二人は、放課後の河原でいつも会うようになるが、彼女の貧しく荒んだ生活が徐々に明らかになり、ある日、彼女の家を訪ねた彼は「サチ」が母親の付き合っている男の相手を無理やりさせられているのを偶然のぞき見してしまう。 貧しさゆえに、生きていくため、食べていくためには、それを許すしかなかったんですよね… うーん、たまらない、、、 胸がつぶれそうになるくらい切ない物語で、彼がクリスマスプレゼントの腕時計をサチに渡したあと、「サチ」が彼の家に贈り物を持ってきた場面は、ホントに泣けましたねぇ… 切ないです。 『第四章 春の蝶』は、前章で将来はどうなっちゃうんだろう… と気になっていた「幸(サチ)」が主人公として登場し、彼女のアパートの隣に住む老人「牧川」宅で発生した空き巣事件と、夫の浮気が原因で離婚し、「牧川」宅に同居し始めた「牧川」の娘と4歳の孫「由希」との交流を描いた物語、、、 「牧川」の娘は父親の財産目当てで同居を始めていたが、空き巣に1千万円以上を盗まれ、娘は父親に詰め寄っていた… 「由希」は、携帯電話で父親が浮気相手と話をしているとは知らず、何気なくその会話を聞いていたが、母親から、その会話内容を問い詰められ、待ち合わせ場所等を母親に話したことがきっかけで浮気が発覚し、その後、父親から「おまえが盗み聞きしたせいだ」と言われたことが原因で耳が聞こえなくなっていた。 しかし、「幸」は、「幸」の働くファミレスでの「由希」の言動をみて、既に耳は聞こえるようになっているが、本人がそれを隠していることに気付く… 「由希」がバックする運送会社のトラックに轢かれかけた際に、「幸」は「由希」に「もう聞こえないふりをしなくてもいい」と叫び、彼女を助け「牧川」に真実を告げる、、、 そして「牧川」からは知らされたのは、空き巣は娘を再教育するための狂言だったこと… 空き巣が入った際に、ひとり留守番をしていた「由希」は、そのことに気付いていたが、耳が聞こえないふりをしていたことから言い出せないでいたのだった。 真実が明るみになることにより、「牧川」一家の雰囲気が少し穏やかになり、将来に光が差してくる… という感じでしたね。 『第五章 風媒花』は、前章で「由希」を轢きかけてしまったトラック運転手で23歳の「亮」が主人公… 小学校の教師をしている3歳上の姉が体調を崩して入院したことがきっかけで、折り合いの悪かった母親と再会し、家族の在り方を見直していく物語、、、 姉は食道のポリープで切除すれば問題ないとのことだったが、体調はなかなか改善せず、父親が膵臓癌でなくなっていることから、「亮」は、姉は食道癌ではないかとの疑いをもつ… 「亮」と母親の折り合いが悪い様子を見て胸を痛めていた姉は、母と姉弟が仲の良かった頃に描いてもらった三人のスケッチとカタツムリを利用して、「亮」の気持ちを変えることに成功する。 家族が、それぞれの立場で思いやることの大切さを感じさせる作品でした。 『第六章 遠い光』は、前章で弟「亮」と母親の折り合いを改善させることに成功した姉が主人公… 彼女は小学校で4年生の担任をしており、そのクラスで心を閉ざしている少女「朝代」が飼い猫に石をぶつける事件を起こし、その顛末を通じて、心を通わして行く物語、、、 実の両親を交通事故で亡くし、叔母に育てられた「朝代」は、叔母が結婚することになり混乱しまっていた… 担任として、「朝代」と一緒に猫の飼い主に謝りに行くが、トラブルは解消されず、逆に飼い主を怒らせていまい、無気力感に苛まれ教師としての自信を失っていくが、「朝代」と一緒に逃げ出してしまった猫を探すうちに信頼回が芽生え、二人で訪れた印鑑屋(第一章の「遠沢印章店」)での出来事により、「朝代」の叔母の結婚に対する気持ちも変わっていく。 「遠沢印章店」での出来事は、「朝代」の勘違いもあったのですが… それは結果オーライですかね、、、 第二章に登場した兄妹の兄もチョイ役で登場して、兄妹の心の闇が晴れたことも示唆されており、明るい未来を予感させる最終章になっていました。 『第三章 冬の蝶』が最も印象に残りましたが、ミステリ的な要素の強い『第一章 隠れ鬼』、『第二章 虫送り』も面白かったですね、、、 「道尾秀介」って、まだまだ作家としては若手なのに、本当に巧いなぁ… と改めて感じた一冊でした。

    1
    投稿日: 2022.10.19
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    ドロっとした暗い沼地から、だんだんと光が射し込んでくるような一冊だった。 6話連作短篇集。 3話までは、とてもダークな道尾作品だと覚悟して読んでいたが、少しずつ光に導かれていった。 全ての話に出てくる白い蝶。蝶にしか見えない蝶道というものがあるらしく、ヒラヒラと明るい光の方へ舞っていく。 【春の蝶】【風媒花】が特に良かった。道尾秀介氏の文章は、情景を描いたり、比喩表現が本当に秀逸! 山本周五郎受賞作。

    16
    投稿日: 2022.09.30
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    短編だけど長編のような その話の登場人物が次の話では主人公になっている。 少しゾクっとする感じはあるが、とても綺麗な物語だと思った

    0
    投稿日: 2022.09.09
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    視点を変えれば、物事は繋がっている。誰しも気づかぬうちに知らない人の人生に少しだけ関わっている、のかもしれない。 重い観点からも読後感は悪くない。 こういうことを繰り返して日々過ごしてるのが常、なんだ、と思う一冊。読んで良かった。

    1
    投稿日: 2022.08.21
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    短編ではあるものの、出てくる人物が何かしらそれぞれの話に登場していて、内容は全く違うんだけど、繋がってる部分があるからかもの足りない感じはあまりなかった。

    0
    投稿日: 2022.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大好きな声優、斉藤壮馬さんとコラボということで、久しぶりに小説を買いました。 好みで判断しないように内容はほとんど把握しないまま、読み進める。 1章読んで… なにこれ…!!!怖い!!!!!!!!!!!!! 私はホラーが苦手です。 サスペンスやミステリーは、先に犯人や展開を確認し安心してから戻って続きを読むタイプです。 正直、怖すぎて1章読んでyoutube見て、寝かせていました……。(安定の最高壮馬さんでした…!!) ですが、いや、もったいない!頑張るぞ!!と一念発起し、今度はお昼時に読むことに!(1章は寝る前に読んで全然眠れなかった) 2章もやっぱり怖い…。。 3章…うおおおおおキツイ(エログロ←1章より更にリアル) 4章で…あ!!!!!ようやく!!!明るい感じに!!(歓喜) 以降、安心してして読めました。 本当3章までの雰囲気がずっと続いたらどうしようとハラハラしていたのですが、良かったです。 文章、とにかく綺麗だったな。 登場人物たちが絶妙にクロスオーバーしてるのもめちゃくちゃ好きな感じでした! 言い回しや漢字が難しいところも多くて勉強になりました!! 普段自分の好みだけでは絶対に手に取らない作品だったと思うので、とても良い出会いになったなと感じました。

    0
    投稿日: 2022.08.14
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    「N」を読み終え、10年前に道尾さんの『光媒の花』を読んで意外に好感触だったのを思い出した。読み直して読後の感想が今回の『N』とあまりにも似ていて驚きます。ストーリー展開より、文中で持ち入れてある著者の豊富な知識に惹きつけられているのかもしれません。 【2012.11.02 記】 前から気になっていた作家さんでしたが、書店で立ち読みしたり図書館で手に取ったりして読んだ限り、どうしようもなく悲痛な印象がぬぐえなくて止めていました。ところが2年前の山本周五郎賞受賞作品だったと知り食指が動きました。(直木賞 受賞作品とは相性が良いので)。 全部で6章から編まれていますが、全く違った話に登場人物が繋がっている短編連作集となっています。数日前、3章までの予想以上のどん暗い展開に耐えられず閉じてしまいました。これほどまで救いようがない主人公たちを書くのだろうかと後味の悪さに辟易しました。 でもストーリーに絡まる虫や植物の引用話が面白くて捨て置くことができなくて・・・。 読む本が手近になく、1章ごとだったらその暗さに耐えられそうだったので分けて読む事にして、4章「春の蝶」からまた読み始めました。すると少しづつ光が射し始めているではありませんか!ついつい5章「風媒花」、最終章の「遠い光」まで読み終えてしまいました。最終章で、2章で罪を幼い兄妹になすりつけていた男が自首してくれてほっとしました。虫の世界の素晴らしさを子供に教えた男は決して悪い男じゃなかったから・・・。 「風媒の花は綺麗な外見をしている必要がないの。わざわざ自分を飾って虫を集める必要がないでしょう?風はべつに綺麗な色とか目立つ形に惹かれて吹くわけじゃないんだから・・」3章で友恵がいった言葉に思い当たります。登山というより花を追いかけている私です。下山後に見慣れぬ高山植物の名前を調べるのも楽しみの一つなのですが、ある植物学の本に『花は生殖器の形をしている』と書かれていて白けてしまいましたから。3章で風媒花として取り上げられているカヤツリグサは蜻蛉草(とんぼぐさ)とか升草(ますぐさ)とも呼ばれている身近な花です。 本作品は2007年から2009年の2年間に渡り小説すばるに書かれていますから、著者の心境の変化もあるのでしょうか。”光媒”は辞書を引いてもありませんでした。”光媒”とは著者の造語であり、もしかすると「光媒の花」とは蝶のことかもしれないと思いながら読み終えました。

    17
    投稿日: 2022.06.06
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    恍惚の溜息。 読み終わった後の充足感。 とっておきの一冊に出会ってしまった。 空気の澄んだ中秋、少し肌寒くなった風に吹かれながら神社に参拝に来たかのような浄化された気持ちになるのは何故だろう。 参道の砂利道を一歩一歩進むように、ページを1ページずつ捲るごとに自分の中の余計なものが削ぎ落とされていく。 切なくて、儚くて、美しい。 細く絡み合った人間ドラマに頭の先まで浸かる。 「表現力」という点では個人的な好みとして伊坂幸太郎を上回る人はいないと思っている伊坂信者だけれども、道尾秀介の秀逸な描写はそれに匹敵する。と思う。 普通の人であれば見逃してしまうような、ほんの些細な人間の感情や表情の変化を、絶対に掬い溢すことなくこれでもかと鮮烈に描いてくる。 誰よりも細かい目のザルで"心"を振るい、純粋な気持ちだけを抽出したような純度の高い一文一文は、麗しく、乾いた心に水を与えてくれる。 これが浄化を促すのだろうか。 構成は6つのお話からなる短編集で、一見それぞれの人生を歩んでいるように見える主人公たちが、実は繋がっているというストーリー。 人間として生まれたことを誇りに思え、人間として生きていくことに勇気が持てて、人間も悪くないなと思える、そんなお話。 きっと著者自身が人間が好きで人間の可能性を信じているからこんな物語が書けるのだろう。 道尾秀介ブームの到来です。

    0
    投稿日: 2022.05.26
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    連作短編集。 登場人物や舞台となる場所が繋がってて面白かった。 ひとつの物語では明かされなかった真実が次の日物語で明かされたり…。 作者が男とは思えないくらいに女性目線も違和感なく面白かった。恋愛じゃないっていうのもあるかな?

    0
    投稿日: 2022.05.24
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    良くも悪くも綺麗な作品でした。 個人的には少し気分が悪くなるぐらい…あからさまな描写ではなく、現実的で想像しやすくて…。 感情が引き込まれるような文章でした。

    3
    投稿日: 2022.04.09
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    霧のかかったような、不思議な世界の雰囲気。同じ連作短編ということで、Nとにたような読後感だが、Nのほうが一層一話一話のストーリーが鋭角的だったように感じた。こちらもしばしば人死にの出るきつい話のわりには、古くから伝わる伝説を聞いているようなそんな印象。

    0
    投稿日: 2022.04.01
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    短編集だった。苦手。話がちょくちょく切れるから。 斉藤部長から勧められて読んだ本。 初めの3話は、性的描写と、(小さいこの)殺人が多すぎて気持ち悪くなった。 後半2話は、泣ける話もあった。 病院でポリープを取る姉と、それに寄り添う弟、母と喧嘩していたがカタツムリがきっかけで仲を取り戻す。まあまぁだったが、道尾秀介、次はないかな。

    0
    投稿日: 2022.02.16
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    1隠れ鬼/2虫送り/3冬の蝶 小説前半は少年少女が罪を犯してしまう暗い展開だが,4春の蝶/5風媒花から明るくて希望のもてる話で,救われた気持ちになる。儚く美しい,もう1度読みたいと思える小説。

    3
    投稿日: 2021.12.21
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    人間のダークな部分を、ダークのままできれいな文面にしてしまう魔法使い。 受け入れがたい状況のシーンでも、道尾マジックにかかると、すべて受け入れてしまえるんだからあら不思議 短編にして実はちょっとつながってる的な 読んでいても、既視感のある名前とか出てきて全く飽きない すべてにたくさんの伏線が散らかってる気がして これは絶対に今後何回も読むやつや…みたいな 道尾作品ひいきにし過ぎ…

    0
    投稿日: 2021.12.15
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    不穏さと温かさが混ざってて落ち着けない。 全体に美しさが際立つ。悲しくても優しくても美しい。 紙袋で、ビニールシートで、閉じ込めた世界のこと忘れられないな。

    0
    投稿日: 2021.11.11
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    悲しい数珠繋ぎ なんでこんな事に・・・ 繋がって繋がって 戻って行って 最後はちょっと救われたかな

    0
    投稿日: 2021.10.05
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    おもしろかった!読みやすい。 虫や花の話も興味深かった。そのおかげもあって情景が浮かんでくる話ばかり。

    0
    投稿日: 2021.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全部裏返しにして包んでしまうというのが、なんとも道尾さんらしいと感じた。 ブルーシートを裏返しにして、中に閉じこもる男の人がなんともやるせない。 助けてあげたいって気持ちだけじゃ、助けられなかった。 でも、どうすればよかったんだろうなぁ、、、 最後は温かなぬくもりのある光のように終わるのが救い。 全編を通じて、蝶がでてきているらしいのだが、まったく気が付かなかった。 ブクログを見ていたら、どうやら漫画にもなっているらしい。 今度読んでみよっと。

    0
    投稿日: 2021.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    隠れ鬼 虫送り 冬の蝶 春の蝶 風媒花 遠い光 隠れ鬼 ハンコ屋の男 中学生の頃、休日に別荘に行っていた 笹の葉の小径でもうすぐ30になる女の人に会う 性的な体験をした 笹の花が咲いた日、父親との逢瀬を目撃 楢の木に何度も顔を打ちつけて殺した 自分の犯行であると知ったであろう翌日父親は自殺 母親が笹の花と男女の絵を描いた 驚いたが、それは雨の日の七夕の絵だった 外で小学生が隠れ鬼をしていた 虫送り 隠れ鬼をする小学生の男の子 妹と虫捕りに河原へ通っていた 虫捕りを教えてくれるというホームレスのおじさんに、妹が性的被害に遭った コンクリートの破片を、橋の上からテントの上へ落とした ホームレスの男が死んだニュースを見て、河原の向かいにいた懐中電灯の持ち主に目撃されてないかを確認に行く 昆虫学者になりたかったというホームレスのおじさんに声をかけられる 前に、小学生の女の子への悪戯を知った 向かいの河原に子どもが来るのを見て、監視の意味を込めて河原で懐中電灯を照らしていた あの日、電池が切れたが、顛末は目撃した 夢は大きくないと、まっすぐに飛べないんだ 冬の蝶 向かいの河原のホームレスの男 中学生の頃、昆虫がすきだった 同級生の女の子サチと、毎日河原で話していた サチは6時に帰り、母親の彼氏に抱かれていた 目撃したことを母親に告げると 食わせてくれるのか、と聞かれた あなたが袋を破いた、といい親子3人の写真のペンダントを渡される 袋は裏返しになっていて、辛い現実を閉じ込めていたのだと知る 男を包丁で刺したサチは、警察に連れて行かれた 向かいの河原を目撃した男は、 ホームレスのおじさんの頭に、テントの近くに落ちていたコンクリートの破片を振り落とした サチに教えてもらった通り、テントは裏返しになっている 春の蝶 集合住宅に住む、ファミリーレストランで働くサチ 隣の部屋が泥棒に遭った 老人に、娘、孫の女の子ゆき 父親の電話の内容を母親に伝えたことで、浮気がバレた父親からの八つ当たりの言葉に、耳が聞こえなくなった キッズセット→傷、なかったよ 回復していた 泥棒のあった日、杖の音がした 娘にお金を惜しまず育てたことへのやり直しのため 盗まれたことにしようと思った老人の自作自演 風媒花 トラック運転手の弟と姉の話 (ゆきを轢きそうになったトラック運転手) 姉が入院 父親が癌で亡くなり、哀しさと寂しさから母親を嫌った 姉のために、母親と仲直り 暗い童謡、セリフ、イラストの母親の涙の跡など姉の仕業だった カタツムリは自分だった まんまと虫に運ばせた 遠い光 小学校教諭の姉 母親が結婚する生徒、朝代 犬に乳をもらう猫に石を投げた 新しい父親が来たら、子どもを作るだろう 血の繋がっていない自分のことを母親は嫌いになるだろう 姉弟 赤とんぼ 負ってあげればいい ハンコ屋 主人を呼ぶ声 自分も父親とああなれたらいいという朝代 先生といると光が見えた 光は昔からあった わからないことにあった 忘れてしまっていただけ おもしろかった 守るべき存在の子ども、 かつ 尊厳の殺人、は自分の中で1番の悪だなぁ、と思った 隠れ鬼も被害だけど話によって曖昧度が違う ぜんぶ隠れ鬼程度の描写ならよかったのにな、とおもった 頭の中で危険信号がなりまくる話ばかりだった 子どもの時の理解や認識が大人になると変わって 長い時間を経てやっと感情が追いつく、みたいなことがあった 物語の中だと陳腐なレベルで頻出してる 袋の中にとじこめる、がすき

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    投稿日: 2021.07.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    血が伴うお話もありましたが、生々しいのになぜか現実離れした美しさを感じ、不思議な気分になりました。 文体がそう思わせるのかなと思いました。

    0
    投稿日: 2021.05.08
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    道尾秀介さん「光媒の花」 静けさ ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 怖さ  ⭐️⭐️⭐️⭐️ 意外さ ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 1.道尾秀介さんとのあゆみ カラスの親指が初めての出会いです。 ここ2年くらい、ご無沙汰していました。 装丁がタイトルの通り光に溢れて美しいです。 2.読み進めながら、、、 意外性に⭐️5個です。 この装丁と内容に乖離があったためです。 決して明るくなく、逆に静けさ、そして怖さが迫ってきたからでした。 しかし、この意外性は、最後のページを閉じるときに、リセットされます。 そう、装丁と内容の理解が重なりあうのです。 6章目のラスト。 うっすらと光が差し込んできます。 3.読み終えて 人が住む世界だからこそ影も光も存在します。 物理的な影と光。 心理的な影と光。 人が立ち位置を変えることで陰影は必ず変わり続けます。 #道尾秀介さん #道尾秀介さんが好きな方と繋がりたい

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    投稿日: 2021.05.08
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    「風媒の花は、綺麗な外見をしてる必要がないの。だって、わざわざ自分を飾って虫を集める必要がないでしょう?風は、べつに綺麗な色とか目立つかたちに惹かれて吹くわけじゃないんだから」(198ページ) たくみに虫を誘う虫媒花とは違い、 誰にも気づかれない風媒花のような人たち。 置かれた境遇の中で、 自分の成せるだけの力で生きている人たちの物語り。 「人はみんな、とてもよく似ている。似ているから、心配したり、憎んだり、助けたり、持てあますくらいの愛情抱いたりする。」(171ページ)

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    投稿日: 2021.03.29
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    「作者買い」してしまう道尾秀介作品。第23回山本周五郎賞受賞作。 『隠れ鬼』 : 認知症を患った母が、突然“30年に一度しか咲かない笹の花”を描きだす。 その花を書くと言う事は、あの場所であのシーンを見たという事か? 父の、そして幼かった自分の過ちは母に知られていたのかどうか。。。 避暑地という現実離れした場所で、名も知らぬ妖艶な女の人との逢瀬を行うという これまた現実離れした思い出。これが何とも言えぬ「秘密」感を醸し出している良作。 実際に手を下した人物にもビックリ。★★★★ 『虫送り』 : 小学生の兄と妹は、夜な夜な河原へ虫捕りに行っている。 ある夜、ホームレスが“虫送り”という風習について兄妹に語り出す。 虫送りをすれば、この辺の虫達が一気に集まってくるという。 ホームレスは妹に虫送りの方法を教えるので、兄には集まった虫を捕える様にと指示し、 妹をテントへ連れて行くが。。。 途中で「これはヤバイ状況だ」と思って、やけにドキドキした作品。 そして実際に手を下した人物が判明した時は少しホッとした。★★★ 『冬の蝶』 : 前章に出てきたもう一人のホームレスの男の、中学生の頃の物語。 サチという少女との交流と、サチを取り巻く状況の悲惨さが哀しい。 最後に出した結論は、果たして本当に良かったものだったのか。 …少なくとも続けるよりは良かったのかもしれない。★★★ 『春の蝶』 : 前章のサチが大人になった時の物語。 マンションの隣室に住む老紳士とその孫娘との触れ合いが温かい。 孫娘は実は…の部分はある程度予想出来ていたが、 それがわかったからと言って、話の本質的な部分が霞む事は無い。★★★★ 『風媒花』 : 前章の孫娘があるシーンでトラックに轢かれそうになるが、 これはそのトラックを運転していた青年とその姉、母との物語。 姉は母と青年が口もきかない仲である事を気に病んで、 自分の入院中にある策を講じるが。。。 全部姉の狙い通りなのだとしたら、とんでもない策士である。★★★ 『遠い光』 : 前章に出てきた姉の物語。 彼女は小学校教師をしている。ある日担当クラスの一人の少女の苗字が変わる事になった。 母が再婚を決めた為である。 その少女が、地域で有名になっていた“犬に育てられている猫”に石をぶつけたという。 その対応の為に、その家に謝りに行くが。。。 まとめの章らしく、前向きな形で終わる。 最初の『隠れ鬼』にも繋がっていて、柔らかい優しさに包まれるイメージ。★★★★ 実は、連作短編集である事を知らずに読み始めてしまった為、 全部ひっくるめて長編の小説であるかと思っていた。 (広義的には間違ってはいないが) なので途中まで「最初の章の謎はいつ解けるのか。。。」と思っていたのだが、結局は解けず。 当然である。 作者が作者なので、ミスディレクションやミスリード、伏線の回収を期待してしまっていたのだが、 そういったモノは特に無く。(それぞれの章に少しずつあったが) 「道尾秀介の作品が読みたい!」と思って読むと若干肩透かしを食らう可能性があるが、 変な前提を持たずに普通に読めば、非常にじんわりと来る良作。

    0
    投稿日: 2021.03.14
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    今回の作品は「隠れ鬼」「虫送り」「冬の蝶」「春の蝶」「風媒花」「遠い光」の6篇が収録された連作集です。 それぞれの章が丁寧に人物描写も巧みに描かれていて、そして各章の登場人物が交差して面白い一つの作品となっています。 大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘 誰しも持ち合わせているであろう善と悪、光と影の部分が随所に散りばめられていて作者のメッセージの様な物もそこかしこに感じられました。

    0
    投稿日: 2021.01.24
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    六篇の連作短編集で、前半三章はいつも自分が道尾作品に期待している暗さがありとても良かった。 後半は救いのある終わり方で少し物足りなく感じたが、タイトル回収的な纏りがあり読後感は悪くなかった。

    0
    投稿日: 2021.01.21
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    6つのストーリーからなる連作短編集。 綴られる言葉が美しく 情景がありありと浮かんできて 世界にぐっと引き込まれた。 前半はストーリー展開が重めだが 後半は光に包まれていくような あたたかさも感じた。

    0
    投稿日: 2021.01.18
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    道尾作品は子供を題材とした小説が多く時として頭が切れすぎるというか現実味の無いようなこともあるがこの作品はとても良かった。 文章の細かな所までとても繊細に描かれてるし暗い中にも一筋の光というか希望・ぬくもりが描かれている。 やっぱり山本周五郎受賞作は良い作品が多いのかなあ。

    3
    投稿日: 2020.10.21
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    山本周五郎賞 受賞作品。 部分的にリンクする6つの章で構成された短編集。"カラスの親指"で見せたエンタメ的要素は一切無く、最初から暗さや悲しさが重くのしかかります。 すべての章を読むことで、登場人物の別の一面(光と影)が見えたり、全てが繋がり合って世界が動いているということがメッセージとして伝わってきます。 後半は温かいお話になり、救われる部分もありますが、如何せん、前半が重た過ぎて評価は分かれるかなという印象です。

    2
    投稿日: 2020.10.14
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    再読。白い蝶が繋ぐ連作短編は、ひとつひとつのお話で描かれる情景がとても美しくて、語られる人間模様はその一部でしかないという印象。お話よりも全体の雰囲気とか色とか…漠然としたイメージが浮かぶ不思議な読後感でした。 「虫送り」の兄妹は覚えていたけど、あとのお話はサッパリ忘れていて、二度楽しめましたw

    3
    投稿日: 2020.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    6編の短編集だが、繋がりがあり、最終話は1話にも繋がるという仕掛けが面白い。各話もミステリーあり、泣ける話ありで一気読み必至!

    0
    投稿日: 2020.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「向日葵の咲かない夏」「カラスの親指」に続き 3冊目として手にしてみました。 全6編からなる短編の連作。 すごく不思議な世界感を味わえました。 説明 内容紹介 認知症の母と暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した罪。心の奥に押し込めた、哀しみに満ちた風景を暖かな光が包み込んでいく。儚く美しい全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作 (解説/玄侑宗久) 内容(「BOOK」データベースより) 一匹の白い蝶がそっと見守るのは、光と影に満ちた人間の世界―。認知症の母とひっそり暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した闇夜の罪。心通わせた少女のため、少年が口にした淡い約束…。心の奥に押し込めた、冷たい哀しみの風景を、やがて暖かな光が包み込んでいく。すべてが繋がり合うような、儚くも美しい世界を描いた全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 道尾/秀介 1975年東京都出身。2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞、10年『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞、11年『月と蟹』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    7
    投稿日: 2020.07.08
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    言葉使いがとても綺麗な本でした。 夢を持つなら見失わないように大きな夢を持った方がいい。 なるほど!

    0
    投稿日: 2020.04.06
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    面白かった。 描き方の上手な作家さんは、半ページでもう本の世界に引き込む。もう2ページも読んだらわたしは本の住人になれる。そんな天才的な手腕を持つ作家っているんだよ。本当に。 ストーリーはめっちゃ面白いけどなかなか世界観に馴染めない作家もいる。 私は今まで、描き方、言葉の選び方だと思ってたけど、ラジオの周波数みたいにピタッとくるその時のわたしの周波に合う作家だとそうなるのかなー?と、思ってたけど、他人の解説を読んでたらそうではないのかもしれない。 途中で読み止めてトイレ行って戻って読み直しても、朝読んで、夜読み始めても半ページもすれば本の中に戻れる。 この体験したら本手放せないですよ。ホントに。 この本。まさにそれでした。うますぎるよ。世界に引き込むの。引きづりこまれたに近い。 ハリーポッターにハマって、2冊くらい連続で読んだとき、二週間くらいホグワーツから出られなかった私。 本当、本の世界にひきづりこまれた暁にはいつか戻って来れなくなる日がくるんじゃないかと、非現実的なことまで考えさせられるくらいに、作者の世界観に溺れます。 この体験。みんなにしてもらいたい。

    2
    投稿日: 2020.03.28
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    それぞれの話が微妙につながったりするような短編集。一気に読み進むとまではいかないが、読み終わって「読んでよかった」と思えるような、ほっとする本。

    0
    投稿日: 2020.02.16
  • ちょっと不思議な連作ミステリー

     作品情報にもあるとおり、短編連作集です。でも、そのツナギ方が独特でありました。この話は前の話とどう繋がっているのかな?と、話の内容もさることながら、そのツナギ方もミステリーでありました。  第一章の「隠れ鬼」は、ちょっと唐突な終わり方だったような気がします。森における美しき女性との出会いは、確かに中学3年生の男にとっては刺激でしたでしょう。その描写は作者の力量の面目躍如といったところ。でも、その相手が印鑑職人の親父と不倫していたというのは、少々飛躍しすぎな気もするし、その結末も、ちょっと唐突な気がしました。また、笹の花が30年に一度咲いて、枯れてしまうと出てきますけど、ちょっと間隔が短いですよね。我が家の庭のクマザサは、50年近く健在です。タケは100年に一度と覚えてましたけど、笹はどうなのかなと調べると60~120年に一度と出てきました。でも、小説の中では30年いうのがキーワードですからね。  第二章を連作短編ということをすっかり忘れて読み出しまして、その内に、あーそう繋がるのかぁ、と思わずひざを打ちました。うまいものです。引っかかったのは第一章だけで、それ以降は、どっぷり道尾秀介ワールドに浸りました。

    0
    投稿日: 2020.02.03
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    道尾秀介のファンだからどうしても贔屓目。 一つ一つの短編が 繋がり 前作の登場人物が次の主役になる 悲しいまでの、光 美しさを感じる 花や虫に対する造詣が深い。 人間の悲しさ、罪深さ 行きていくことの辛さいろいろ感じる。 一つ一つが繋がり そこに希望も湧いてくる とにかく美しい世界 眩しいばかりの光 日差しを作品から感じる 花シリーズかな 道尾作品はいろいろありすぎる。

    11
    投稿日: 2020.01.12
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    道尾さんの作品が好きなで順不同に買ってきて積んでいる。 期待して読んだ「光媒の花」は6章に別れて、それぞれの話は微妙につながっている。読み終えて、彼の本領はここにはなかったなと思った。 雑誌の中の月評で 道尾秀介は、ミステリーという土壌に咲いた大輪の花である。巧みな仕掛けに驚愕の結末、文章だって美しい。だが2年という歳月をかけて紡ぎ出された短編集「光媒の花」(集英社)を手に取れば、気づくだろう。その地に安住せず、より広い場所へと歩みを進める作家の姿に 「向日葵の咲かない夏」「鉤の爪」を読んでいたので、そう言う評があるのだからこの本も読んでみよう。 「光媒の花」は 6章に別れ、今まで感じていた作品とは傾向が違う、淡い哀しみの色彩を帯びた短編集になっている。それぞれは微妙につながっていて、東野圭吾の「新参者」のスタイルにも似ている。 だが、彼の本領はここにはなさそうだと思った。 静かな文芸作品のような香りのする文章はミステリを離れた読み物にいいかも知れない。 「向日葵の咲かない夏」は前に感想をメモした。 「鉤の爪」は仏像についての薀蓄が話に厚みを出していて面白かった。(もう既読山で風化したのか書評が見つからないけれど) どちらも異常な舞台設定の中で、ミステリアスな展開があり、犯行の動機もうまく考えられて楽しめたが、最終段階に入り多少密度が薄れていくようで残念だった。 多方面での受賞作を読んでいないので、もう少し評価の定まったものを読むのもいいかもしれない。 道尾さんいいなぁ これから楽しみが増えた。 「光媒」というのは初めて知ったので調べてみた。最近見る本物とまがうような観葉植物に使われているらしい。 分かりやすい「風媒花」というのは武田泰淳の同名の作品を読んだことがある、カメラに凝っていた頃、タンポポの綿毛の旅立ちを撮ろうと仲間で頑張ったが技術が少し進歩すると簡単に写せるようになった。名作には程遠いけれど。「 武田泰淳だと「ひかりごけ」のお再読もいいかなぁ。   読んでみようかな。 「向日葵の咲かない夏」「鉤の爪」を読んで面白い作家だと思っていたので、そう言う評があるのなら、と思った。 それが、静かな文芸作品のような香りのする文章がつづれられてはいるが、新しい試みは多少不満が残る。 ミステリを離れた秋の軽い読み物にはいいかも知れないと感じる面もあるが、彼の今までの印象とはすこし距離があった。 「向日葵の咲かない夏」は前に感想をメモした。 「鉤の爪」は仏像についての薀蓄が話に厚みを出していた。 どちらも異常な舞台設定の中で、ミステリアスな展開があり、犯行の動機もうまく考えられて楽しめたが、どちらも最終段階に入り多少密度が薄れていくようで残念だったが。 多方面での受賞作を読んでいないので、積んである中から、煮詰まったものを読むのもいいかもしれない。

    3
    投稿日: 2019.12.24
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    偏見かもだけど道尾秀介さんの本って話の軸はシビアで現実的な感じなのに犯罪(殺人)に対しての表現がすごくライトな気がする。日常に溶け込んでる身近な人が犯罪者(殺人)だったり、子供が勢いで暴力したり殺そうとしたりとか。なんか犯罪が日常に当たり前にあるみたいな感じがする。だからどっか現実離れしてるように見えたりするし、人間は弱くて壊れやすい生き物なんだって言われてる気がする。

    1
    投稿日: 2019.11.02
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    推理文学の名手、道尾秀介さんが書き上げた心を波立たせながらも最後に安らぎと平安をもたらせてくれる山本周五郎賞受賞作の6つの絶品連作短編集。「光媒」はありそうで実はない道尾さん一流の造語ですね。前半3つは忌まわしい殺人物語ですが後半3つは悩める人々の癒しと救いの物語になっていますね。一編毎に語り手を変えながら前人が次の話の何処かで顔を出す秀逸な構成が意味するのは、人は誰もみな目に見えない苦労を抱えて生きているのだというシンプルな事実でしょう。私は薄幸の女サチと昆虫学者志望の男との再会が叶う事を信じています。

    6
    投稿日: 2019.09.16
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    道尾秀介が描く人間模様って、重松清のような儚さと温かさと冷たさがあると感じた。すごく独りよがりだったかと思えば、人恋しくなって甘えた考えに至ったり、それでもやっぱり突き放してみたり。不器用なんだけど、自分勝手なだけ人間くさい。その人間模様が短編ごとに繋がっていくって、なんだか毎回前作のスピンオフを見ているようで、ちょっと得した感じがするよね。しないか。

    3
    投稿日: 2019.06.09
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    吃驚した。道尾さんと言えば、私の中では伏線職人さんだったのだが…。なんと哀しく儚く、それでいて輝く文章を連ねるのか。技巧云々を越えて昇華された感があります。満足しました

    2
    投稿日: 2019.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    評価は4. 内容(BOOKデーターベース) 一匹の白い蝶がそっと見守るのは、光と影に満ちた人間の世界―。認知症の母とひっそり暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した闇夜の罪。心通わせた少女のため、少年が口にした淡い約束…。心の奥に押し込めた、冷たい哀しみの風景を、やがて暖かな光が包み込んでいく。すべてが繋がり合うような、儚くも美しい世界を描いた全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作。 短編がそれぞれどこかでつながっている。そんな1冊だった。不幸だった主人公が、次の短編では幸せなその後を歩んでおり、ほっとした気持ちで読了できた。

    3
    投稿日: 2019.02.28
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    名前は存じてたが初作家。連作短編集。前半は結構エグイ話なのだけれど、モヤ~っとソフトフォーカスのかかったような雰囲気の文体で、幻想的な世界観で話を展開していく。草花や蝶、童謡などが本全体に彩りを添えている。正直、ドンピシャ好みの話ではないが、各章の人々の罪や悲しみを、それだけで終わらせないような余韻はよかった。同作者、他の本も読んでみようかどうか.....思案中。

    1
    投稿日: 2019.02.19
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    連作短編集。 全ての話は白い蝶が見ていた。 黒い話もあるけれど、希望の話もあり。 何しろタイトルが秀逸ではありませんか。 光を媒体として咲く花だなんて、想像しただけで美しい。 この作者さんは長編の人だと思っていたけれど、 短編も読みごたえありますね。

    2
    投稿日: 2018.11.19
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    短編の連作の作品でした ひとつひとつのお話が 秘密を抱えて 侵した罪を抱えて それでいて 切ないお話でした

    1
    投稿日: 2018.11.07
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    それぞれの話は面白かったし 少し関わりあってるのも面白かった でも短編よりも伏線を拾っていけるような長編のほうが 道尾さんには合ってる気がした。 救われない話も多く、読むと少しだけ病む

    1
    投稿日: 2018.08.30
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    一つ一つの作品は哀しくやるせないが、最後の二つの女教師のお話で明るい光が差してきたよう。これが光媒の花なのか。

    1
    投稿日: 2018.08.24
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    初めて読む作家だが、なんと表現して良いんだろう。 静謐な、幽玄な短編集でした。 バタフライエフェクトとか、因果応報とかそんなものが伺える。 小学生の兄妹が河原で夜半、虫捕りをしている。 そこにホームレスの男が近付き、そんなんじゃ捕れないよ、捕り方を教えてやると近づく。 妹だけが連れていかれ、兄はその場で虫籠を開けたまま虫を待つが、心配になり、男を追う。 橋梁下の男のブルーシート小屋の中に立ち尽くす妹。 悪戯されていた。 報復のため、兄妹は橋の上に行き、欄干からブルーシート目掛けてコンクリート片を落とす。 翌日、死亡ニュースを見る。バレはしまいかと現場が気になり見に行く。そこで、ある男に出会う。 全てを知った男に。 男は言う。 自分に人を裁く権利は持っていないが、死んで良い人間はいない、と。 小学生の兄妹はやがて... 誰かと誰かが出会うと、その誰かに出会った誰かは、また異なる誰かに出会う。 永い時間で俯瞰すると、人の人生は短編集のように一冊の物語のようでもある。 禍福は糾える縄の如し。行雲流水という言葉が似合う一冊でした。 中々興味深い作家さんでした。

    1
    投稿日: 2018.04.15