
総合評価
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powered by ブクログなんだこれは!よくわからないけれど、何だか大変なものを読んだような気分。 言語をテーマにしたSFだけれど、読んでいるこちらの脳がハックされた気分。地球由来の異なる思考による言語によって中毒を起こしてしまったアリエカ人そのもの。ミエヴィルおそるべし。考えさせられたとか、これからの人生に役に立つとか、そういうこととは次元が違う。何を読んだのかよくわからないけどすごい感じは初めてだ。
8投稿日: 2023.07.04
powered by ブクログ初ミエヴィル。まず、アリエカ人と彼らの棲む都市(バイオリグと呼ばれる生物から生成した家や道具でいっぱい!)の異形さに圧倒される。異世界に踏み込んだ感がすごい。アリエカ人には口が二つあり、その二つの口から同時に発声し会話をする。人間の通常の会話はノイズとしか受け取られず、そのため「大使」と呼ばれるペアの人間を育成しコミュニケーションを図るが・・・。読み手にとってはとても長い導入部、しかし最後には読んで良かったと思える展開が。ちくしょう上手く言えないけど面白かったよ!
0投稿日: 2019.10.18
powered by ブクログ人類はは辺境の星で、「アリエカ人」と呼ばれる異星人と共存していた。 彼らの言語は特殊で意思疎通をするための「大使」と呼ばれるクローンを生成し、人類は平和に過ごしていたはずだった。 ところが、新任の「大使」エズ/ラーが登場したことにより、そのバランスが崩れ始める。エズ/ラーの言葉はアリエカ人にとって、麻薬に等しく、エズ/ラーもまたその事を知っていた。 そして徐々に、平和だった星が混乱に巻き込まれていく。 ほぼ逐語しか理解できない「アリエカ人」が暗喩を含んだ言語を獲得していくのはとても感動します。 ただ、理解しやすい話とは言えず、そこに至るまで読み通すのがわりと大変ですが・・・ 思考実験としての非常にSFらしいといえば、そうなんだろうか。
0投稿日: 2018.12.22
powered by ブクログわーい、すごいすごい! 想像力の幅と深さが桁外れ、著者はSF界の殿堂入りまちがいなしだな。 あまりネタバレしてしまうのもよろしくないので具体的なことは書かずに。 ゲンゴから言語へ。 たかが日本語文化と他言語文化だけでも理解しあうのは困難なのに、全く違った大系・概念・表現のコミュニケーション手段をとる生命体同士が、どうやってわかりあうのか、それともわかりあえないのか。 真実しか語らないゲンゴ、かぁ。すごいこと考えつくなー。 後ろのほう、ややパワー切れを感じたけれど、難解でチャレンジしがいがある。 読書好きならぜひ!
0投稿日: 2018.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今となっては経緯を忘れてしまったのだが、「ピダハン」と 同時に読みたい本にリストアップしていた言語都市をやっと やっつけることができた。 冒頭から前半は初めて見る単語や、慣れない用例などが 頻出する。SFではよくあることなのだが、最初はこれに 大苦戦した。久しくファンタジーばかり読んでいたので、 久しぶりにSF脳をフル回転させた感じ。大体捉えてからの 後半は加速度的に物語が進み、楽しい読書となった。SFも たまには読まないとだな。 基本的には異文化の接触というSFでは良くある話なのだが 「言語」を中心にすえることで希有な物語になっている。 あとはペダンティックとさえ言っていい綿密で細かい設定と 様々なギミックが何と言ってもこの作品の─いや、この作者 の特徴であり魅力なのだろうな。 基本的には面白かったし、素晴らしい作品だと思うのだが、 こちらが未熟なせいで読み取れなかったのか、もともと説明 されていないのか、気になる点がいくつかあったのも事実。 特に「麻薬」と「隠喩による治療・世界観の変化」のあたり のメカニズムが今一つわからなかったのがもどかしい感じ。 あと、アースルにはもう少し役割があってよかったのでは ないかな?(笑)。
0投稿日: 2017.09.10
powered by ブクログ言語学の教科書では、まず言語名称目録観の否定、なんてことが書いてある。言語は実際の事物の名前のカタログではないということである。言語と事物が一対一対応することはなく、言語は言語で独自のシステムを形成しており、言語と事物は恣意的に結びつけられている。〈林檎〉が「リンゴ」と呼ばれるのはまったく何の必然性もないということである。うんぬん。 つまり言語は記号であり象徴であるということなのだが、事物と一対一対応しているような言語があったらどうする、とミエヴィルは考えたのではないだろうか。 原題は『エンバシータウン』、強いて訳せば「大使町」。作品の舞台となる都市である。 宇宙のあちこちに人類が植民している時代。空間には恒常空間、イマーと、通常空間、マンヒマルがある。これはドイツ語の「常に」と「時に」から来ているが、イマーはワープ航法を可能とする超空間のようなもので、イマーの中で意識を保っていられる特殊な素質を持ったイマーサーが航海士となって、超光速航法が可能となっている。ところが、通常空間における距離と、イマーを介した距離はまったく一致しないので、通常空間においては比較的近い惑星でも、イマーにおいては極めて遠い場所というのがあり、舞台となる惑星アリエカはそういう意味での辺境である。 アリエカ人はエンバシータウンではホストと呼ばれているが、「昆虫と馬とサンゴと扇がごっちゃになったもの」といった姿をしており、2つの発声器官で同時に喋るという奇妙なゲンゴを持っている。ホストのゲンゴを解析し、コンピュータで真似てみてもホストはまったくそれを言葉と解さない。そこに語る主体が存在しない場合、ホストはそれを言語と認識できないのだ。そこで、エンバシータウンではクローンで作られた双子に訓練と薬物と技術的なリンクでもって、ひとつの精神を持った存在となるようにし、ゲンゴを習得させる。彼らが大使である。大使は何人もいて、ホストとの意志疎通を担う。ホストは大使だけを知的存在と見なし、ゲンゴを喋れない普通の人間の言葉を解することはない。 ホストのゲンゴは上述のように、何かを象徴したり、代表象したりするのではなく、実際の事物そのものを示すだけなのだ。そんな言語が存在可能なのか極めて疑問だが、そういう設定なのである。だからホストたちは嘘をつけない。嘘をつけないので、大使たちが嘘をついてみせる嘘祭が毎年開かれる。ホストたちにとって嘘とはまったく驚異的なことなのだ。 パースの記号論では、通常われわれが用いている言語は、われわれ、事物、記号という三者関係からなるシンボルである。「あれ」「これ」といった記号は記号と事物と二者関係にあるインデックスである。しかるに標識のように、その記号そのものが何かを示すような記号がアイコンである。ホストのゲンゴは恐らくアイコンの水準にある。 「わたし」、アヴィス・ベナー・チョウはエンバシータウンでかつてホストの「直喩」にされたことのある女性で、イマーサーとなって「アウト」を経巡った末に、言語学者の夫と共にエンバシータウンに戻ってきた。そこに赴任する新しい大使、エズ/ラー。エズとラーと二人だからエズ/ラー。彼(ら)はエンバシータウンの宗主国である惑星ブレーメンから赴任してきた、異色の大使。クローン双生児ではない大使というあり得ない存在だったのだ。赴任のパーティーでエズ/ラーがホストに話しかけると、ホストは異様な反応を示す。エズ/ラーの言葉はホストたちに麻薬のような影響を与えてしまう。アリエカ中のホストがみな麻薬中毒者になってしまうのだ。われわれの言語が無意識を介してわれわれに影響を与えることはフロイトが示した通りであるが、ゲンゴは直接、ホストに影響を与えてしまうのだ。 ホストは生態を機械のように調整するバイオリグという技術を持っており、彼らの町はバイオリグでできている、肉の町である。バイオリグもまた中毒になり、ホストの都市が崩壊していく。 というような話である。 ミエヴィルの作品のキーワードは「都市」と「二重性」ではないだろうか。『都市と都市』と『アンランダン』では都市自体が二重だった。エンバシータウンで二重なのはホストのゲンゴであり、大使という存在である。 ゲンゴがなぜ二重に発声されなければならないのかは、はっきりとした説明はない。われわれは言語の世界に入ることで二重化する。ゲンゴは恐らく最初から二重化しているのだろう。 また都市の崩壊というのも『『ペルディード・ストリート・ステーション』や『アンランダン』、あるいは短編の中でもよく出てくるイメージだ。辺境の閉塞した都市で、淡々と進む話は、崩壊する都市、崩壊する世界のイメージが侵食してくる。それをはねのけるかのように、ついにアヴィスが世界を救おうと戦う姿はペルディード・ストリート・ステーション』や『アンランダン』のように、心を熱くするものがある。 しかし、本書は恐るべき言語SF。主役はゲンゴなのである。
1投稿日: 2016.02.05
powered by ブクログ久々に読んだ骨太異星SF。 具象しか存在しないという独特の言語体系を持つ異星人(アリエカ人)が、直喩の学習から初めてついには隠喩という抽象概念を獲得した時に生じる精神構造上の劇的な変化、というSFにしかできない思考実験。 面白かった。ちょっと長いけど。
0投稿日: 2015.03.22
powered by ブクログゲンゴや狂う生体ウェアの怖さエグさなどSF的な設定は楽しかったが、文化が今と違うとはっきりさせたかったのか、出てくるテラ人がほぼ全員ゲス。主人公は優秀設定が霞むくらいほぼ傍観者のうえ傲慢で読んでていらいらした。アリエカ人だけがマトモでテラ人に振り回される悲しさに感情移入してしまい、それだけを支えに読んだ。訳がたまに天然で「ゲンゴ」化して読みづらかった。世界観に必要なテクノロジー用語(*ウェアとか)を本文前にまとめて説明した辞典があればもう少し読みやすくなると思う。
0投稿日: 2014.09.25
powered by ブクログ遙かな未来、人類は辺境の惑星アリエカに居留地“エンバシータウン”を建設し、謎めいた先住種族と共存していた。アリエカ人は、口に相当する二つの器官から同時に発話するという特殊な言語構造を持っている。そのため人類は、彼らと意思疎通できる能力を備えた“大使”をクローン生成し外交を行っていた。だが、平穏だったアリエカ社会は、ある日を境に大きな変化に見舞われる。新任大使エズ/ラーが赴任、異端の力を持つエズ/ラーの言葉は、あたかも麻薬のようにアリエカ人の間に浸透し、この星を動乱の渦に巻き込んでいった…。現代SFの旗手が描く新世代の異星SF。ローカス賞SF長篇部門受賞。
0投稿日: 2013.10.24
powered by ブクログこれぞSFか、世界観は綿密ですごい。しかし、読みづらい。世界観のすべては要らない気もする。主題とは関係ない設定が多く最初はとても読みづらい。 全体としてはなかなか面白い。
0投稿日: 2013.10.10言語は力を持っている
アエリカ人は2つの口を持ち、同時に発話することで「ゲンゴ」を理解する。人類は彼らと会話するため、二人一組の「大使」と呼ばれる通訳を作り出した。 最初は特殊な舞台設定になじめず、文字の上を目がすべって行くように、なかなかストーリーが頭の中に入って来ませんでした。けれども、問題の大使が登場し、エズ/ラーの言葉がアエリカ人たちを恐怖の底に陥れるあたりから、物語は急激に面白くなります。 エズ/ラーの言葉は麻薬になり、保たれていた秩序が崩壊していく様は伊藤計劃の『虐殺器官』を彷彿とさせます。 誰もが世界の終わりを予感し絶望の淵に追い込まれるなか、最後まで事態の収束に取り組んだ主人公の勇気と行動に拍手を送りたい。
1投稿日: 2013.10.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
哲学的なSF。遥かな未来、辺境の惑星アリエカ。先住種族アリエカ人は口に相当する二つの器官から同時に発話する特殊な言語構造を持つ。アリエカ人は現実に存在しないことを語ることができない。人類と平和に共存していたが、新任大使が来たことで動乱が起きる。 事象と表明、直喩と嘘、記号論など、言語を中心として物語が展開していく。前に読んだ『都市と都市』と同じく、今回も脳が揺さぶられる感じがして面白かった。ただ、登場人物が魅力的でないのが残念。
0投稿日: 2013.09.29
powered by ブクログ難解なSFでした。二つの口を持ち同時に発音して意思を伝えるゲンゴを話すアリエカ人、彼らは真実しか話すことができない。アリエカ人の星に居留する人類、アリエカ人と交流するためにクローンで二人一組で育てられた大使。この設定を理解するまでの序盤をクリアできるまでが辛い。 人類の大使がゲンゴを使ってコミュニケーションをとり、アリエカ人に影響を与え、やがて真実以外を伝える新しいゲンゴを持ちはじめたアリエカ人が現れ、いろいろ確執が生まれてきてからの展開は面白かった。
0投稿日: 2013.08.31
powered by ブクログちょっと記憶にないくらい久し振りに挫折。 120頁読んだけど物語に入っていけない。いつまでたっても面白くならない。哲学的なSFは苦手なのかな~? こんなに取っ付きの悪い小説も久し振り。 このシリーズ初めてのハズレ!でした。
0投稿日: 2013.08.27
powered by ブクログ遠い未来。人間とエンバシータウンで共生する、「ゲンゴ」を話す異星人たち。彼らと人間、そしてその両者を繋ぐ〈大使〉たちの間で起きる、「言語」を巡る物語。SFだけど哲学だ!
0投稿日: 2013.06.26
powered by ブクログ間違いなくSFだけど、哲学書のような趣。今年のバカロレアの哲学の試験問題に通じる「言語は単なる記号なのか?」という…
0投稿日: 2013.06.18
powered by ブクログこの星の先住民族であるらしいアリエカ人。 彼らは二つの口を持ち、言葉ではなく音に乗せた意識、 ゲンゴで意思の疎通を行なう。 地球人から進化したらしいテラ人は アリエカ人との意思の疎通を大使に委ねている。 大使は二人一組で特別に育てられゲンゴを使用することができる。 新たに赴任してきた大使は強大な力を持つブレーメンという 外の星から思惑を抱えてやってきたのだった。 ということを理解するまでに結構時間が掛かる、 歯応えのあるSFでした。 通常設定を理解すればその先は早く読めるのですが、 この作品では後の方で明らかになる設定が結構あったので 最後まで読むのが大変でした。 SFらしい作品。
0投稿日: 2013.06.14
powered by ブクログ色んなとこの書評で絶賛に近かったので楽しみにしてたが。 こんなもんかあ。 この設定でこの筋立てだったら、もっと面白く出来んじゃないのかな。 兎に角、色んなオリジナルの用語とか設定とかあるが、全く説明なくどかすか進んで行くのはきつい。この歳になると、登場人物の名前すら覚えられなくって、こいつ何やったんだっけと遡らないと判らない。 途中から面倒臭くなって、判らないなら判らないままで読飛ばしたが、それでも大体判ったような気がする。 てことは、そんなディテールはなくても良いんじゃないかと思った。 あらすじ読むのが一番面白そう。
0投稿日: 2013.05.18
powered by ブクログ面白かった。 最初は難解だったけど(今でも理解出来てない部分がいっぱいあるけど)読後感は面白かった!に尽きる。 これぞSFって感じ。 本の裏にあるあらすじから新しい大使が現れて不思議な力を悪用して星を乗っ取る話だと思っていた。大雑把に言えばそういえなくもないけど全然違った。
0投稿日: 2013.05.13
powered by ブクログ遥か未来、人類が先住種族アリエカ人と共存する惑星での物語。 アリエカ人の奇妙な言語構造、人類が彼らとコンタクトするために生み出した”大使”など、特殊な世界観に慣れるまではかなり難しかったが、新任大使エズ/ラーが登場して物語が動き始めてからはどんどん読み進んだ。 正直すべて理解できたとは言えないが、混乱した事態を収束させるための色々な方向性が面白かったし、終盤アエリカ人が主人公の助けを借りて自ら変わってゆく過程は感動的。何よりも言語と思考について考えさせられた。 久々にガツンとしたSFを読んだ気がする。頭が疲れたけど読後感は爽快。
0投稿日: 2013.04.26
powered by ブクログやや難解ではあるが、 とてもミエヴィルらしい都市の物語。 異形の世界に連れて行ってもらえる事が読書の醍醐味。 直喩の扱いがとても面白い。 メタファーのない日常は味気ないと思います。 2012 年 ローカス賞 SF 長篇部門受賞作品。
0投稿日: 2013.04.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2つの口から同時発話してそれ以外の音声は言語として認識できず、また構造上真実しか話すことができない…というアリエカ人。彼らに対する大使として派遣されてきた一組の地球人がアリエカ語=「ゲンゴ」を話すと、その言葉はアリエカ人には強力な麻薬として作用し、アリエカ人社会と地球人の植民都市「エンバシータウン」は大混乱に陥る。 …と、出来事を追っていくのは難しくないのだが、そうなる理屈を飲み込むのが難しい。というか、何とか読了してはみたが、きちんと飲み込めた自信がない。ソシュールとか言語学の知識があれば分かるのだろうか。 結末として、アリエカ人の「ゲンゴ」は使えなくなり、主人公ら地球人の影響を大きく受けた新しい言語が誕生するわけだが。外来者の進出によって旧来の言語文化が失われた…と捉えると、英語圏以外の読者にとっては(例えば日本語を使う私などのように)ちょっと残念な結果にも思えるのではないだろうか。宗教じみたところを除けば、主人公と対立したサイルに共感を覚えてしまうところもある。
0投稿日: 2013.04.04
powered by ブクログ題名から想像していたのと違っていた。微妙。 真実しか語れない言語には嘘という概念はない。それは手続きを記述する言語ならありうる
0投稿日: 2013.03.24
powered by ブクログ筋立て自体はシンプルながら、重層的な構造がミエヴィルらしい1冊。 序盤がやや説明不足かな? 都市の崩壊が始まってからは夢中で読んだ。 随所に現れる有機的な描写が『ペルディード・ストリート・ステーション』を思わせて、『ペルディード〜』好きには嬉しいw
0投稿日: 2013.03.03
