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楽園の泉
楽園の泉
アーサー・C・クラーク、山高昭/早川書房
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総合評価

37件)
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     SF界の巨匠アーサー・C・クラークによる軌道エレベーター建設を描いた作品。今日では軌道エレベーターを物語上のギミックとして取り入れる作品は数多存在するが、本作はその元祖として名高い。さらに言えば、軌道エレベーターを題材にした作品としては本作以外に知られている作品はほとんど知られていないわけだが、その理由は本作を読了して得心した。1979年の時点でここまで細密に軌道エレベーターについて考察し、実現可能性を追求したものが出てしまっていれば、後発にとってはお手上げであろう。しかも作者は、軌道エレベーターの科学技術的側面にとどまらず、その建設をめぐる政治的・社会的・宗教的影響についても巧みに描写しているのである。軌道エレベーター建設を題材にして本作を超える作品を生み出すことは至難の業であり、それゆえ本作は唯一無二の地位を獲得しているのである。  本作はさしずめ軌道エレベーターに関する科学論文の様相を呈しており、そうした観点から取り沙汰されることが多いが、物語としても非常に味わい深い。前半部分は科学技術の発展した世界では宗教・神とどのように向き合えばよいのか?ということがテーマと思われるが、読んでいると、物語の舞台に宗教的聖地をもってくる意味があるのか?という疑問も湧いた。しかし、その意味はクラーク流の巧みな仕掛けによって最後にはすべてが明らかになる。最終的に軌道エレベーターが建設可能となったいきさつに地球外知的生命体が絡んでくるところも面白い。全体としては、主人公モーガンが軌道エレベーターの建設を進めてゆくシンプルなストーリーなのだが、特に前半部分はたびたび挿入される舞台タプロバニーの歴史に関する描写によりやや複雑な構造にもなっている。淡々と進んでいく物語は、終盤に用意されたある出来事によって一気にスリリングになり、やはりクラークが一流のストーリーテラーであることを思い知らされた。主役モーガンはもちろんのこと、彼をとりまく他の登場人物たちのキャラクターも非常に魅力的で映画のような没入感を感じられた。  『ガンダムGのレコンギスタ』で軌道エレベーターを描いたアニメ監督の富野由悠季は、人類が宇宙に行くためには目的が必要であると述べているが、私自身、本作を読んでいて軌道エレベーター建設の目的に関する意図が明確に感じられない点は不満に思っていた。しかし、エピローグを読んでみて、むしろ最初から目的が設定されていない、そういう場合もあってよいのではないか?と思うようになった。ただ、そのように思わせてくれたのは、クラークの一流の手腕ゆえなのかもしれない。

    0
    投稿日: 2024.10.29
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    宇宙エレベーター(軌道エレベーター)建設の実現を目指す技術者の壮大なSFロマン。 21世紀に入って実現の可能性が高まっているらしい、軌道エレベーター建設を1979年に描いた小説。全体の構成としては「プロジェクトX」風とどなたかが書いていた通りの感じ。不可能を可能にしていく建設への積み重ねと、現地スリランカの架空歴史ロマンや、地球外知的生命体との接触もからめて物語は進んでいく。ハードSFとして技術的な話も多く、中盤まで起伏がやや緩やかな展開に感じたが、未知の事象に向かっていくセンス・オブ・ワンダーは健在。アクシデントが続く終盤のスリルと緊張感には映画のような迫力があってのめり込んだ。圧巻の結末にクラークの偉大さを再度思い知らされた。やっぱすげえ。

    1
    投稿日: 2021.08.06
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    宇宙エレベーター建設をめぐるハードSFでありながらも、宗教や異星人とのファーストコンタクト、架空歴史ものの要素も盛り込まれた作品。 宇宙エレベーターの建設への理想的な場所が、3000年の歴史を持つ寺院が建つ霊山の山頂。ここで描かれる宗教と科学の対立。思索的な部分や抽象的な話が多くて、前半はかなり苦戦しました。なんとなく読み進めていたらいつの間にか、具体的な建設の話に移ってしまっていた印象で、自分の読み込みが追い付けなかったのがもったいない…… 一方で宇宙エレベーターの描写や、異星人とのファーストコンタクトの歴史が語られる場面の壮大さがよかった。人間の技術では測れない異星人との出会いが人類にもたらした、宇宙への夢や憧れ、そして野望。また超技術を持った異星人が存在するとわかった時、人は宗教を、そして神をどうとらえ直すのか。壮大な思考実験を小説という形で、読者である自分にも突きつけられるような気がします。 そして徐々に実現が近づいてくる宇宙エレベーター。しかし、完成直前に大きなトラブルが起こり…… 科学が進んだ世界での宗教の立ち位置や在り方が前半のテーマなら、後半は打って変わって極限の困難に挑む、科学とそして人間の可能性を信じるドラマの部分がより強く打ち出されます。ここも理論がしっかりとしていたり、宇宙エレベーターを頭に描くSF的な想像力は必要とされますが、老齢の技術者がたった一人で困難に挑む姿と、宇宙の描写は分からないながらも壮大かつ、心躍らせ胸熱くするものがありました。 そしてエピローグで物語はさらなる時代を、宇宙を超えて紡がれる。科学と宗教、そして宇宙エレベーターという壮大なテーマを締めくくる、しみじみと残るものでした。 自分の理解が足りず読み逃しているポイントも多々あるとは思うのですが、それを補ってあまりある魅力のある作品だったと思います。

    5
    投稿日: 2021.04.18
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    大林組が宇宙エレベーター構想なんてものを掲示したりしているけど,実際に宇宙エレベーターが建設されるのはあとどのくらいかかるのだろうか。

    0
    投稿日: 2021.02.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「ユーリ・ガガーリンが、もっと100キロも高いところで感じたほどには、寂しくないわ。ヴァン、あなたはいままでにない新しいものを世界に持ちこんだのね。空はそれでも無慈悲かもしれない――でも、あなたはそれを服従させたのよ。こういう旅をする勇気のない人たちが、少し入るかもしれないわね。その人たちを心からお気の毒に思うわ」(p.248)

    0
    投稿日: 2020.04.28
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    軌道エレベータの完成を目指すエンジニアの奮闘記。 宗教と科学の対決、というハインライン先生お得意の重厚なテーマが一貫するのかと思いきや、中盤であっさり決着がついてしまう。 後半はハリウッド映画ばりの緊張感あるレスキュー劇。急に軽い話。 2,000年前の古代のエピソードに始まり、エンディングでは遥か遠い未来に飛ぶスケールの大きさはさすがです。

    0
    投稿日: 2020.02.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    このSF小説は、赤道上の静止衛星からケーブルをおろして「宇宙エレベーター」建設を夢見る技術部長と宗教との。

    0
    投稿日: 2019.04.08
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    軌道エレベータの話 スリランカには実際にタブロバニー?だっけ、信仰となっている山が存在する。 話自体はちょっと散漫な気がする。

    0
    投稿日: 2019.03.05
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    夢の扉+ 2011年9月11日の放送でみた 日本大学教授 工学博士 青木義男 さんのスペースシャトル後の宇宙開発 夢の技術 ・・・エレベーターで宇宙を目指せ! 「宇宙エレベーター」開発者の挑戦  ★ 宇宙エレベーター!? そんなことができるの?? 宇宙エレベーターの最初のアイデアは、SF作家アーサー・C. クラークの「楽園の泉」だそうです。 どんな奇想天外なアイデアがとび出すのか、読む前からワクワクしています。 独特の雰囲気をもつ登場人物、面白い話だけれど 途中まで。 また借りて続きを読みたい。 2011/9/13 予約  9/23 借りる。10/1 読み始める。10/10 途中で返却

    0
    投稿日: 2019.01.12
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    【由来】 ・もちろん、出た時から知ってるし宇宙エレベーターだし。ハヤカワの電子書籍50%オフと、それで購入したSF2000レビュー本がトリガー。 【期待したもの】 ・ 【要約】 ・ 【ノート】 ・面白かった。大体が一人の男が宇宙エレベーターをつくるのに打ち込むストーリーだが、最後が想像されるような大団円じゃない。ある意味、それを上回る未来讃歌。 ・宇宙エレベーターは銀河英雄伝説だったり最近はGのレコンギスタ辺りで出てくるが、SFとしては本書が最初。しかも実際は宇宙工学や物理学の世界で最初のアイディアは提唱されたらしい。それを自分のものにして、ここまでのストーリーをつくる。しかも、細部のディテールは時代を感じさせないどころか、今の時代に読んで、ますます説得力を増しているってのはすごい。

    0
    投稿日: 2018.10.28
  • 幼年期の終わりにと似たストーリーラインですが

    信仰と科学の進展の興味深い表現を追体験すると、往時のSFが持つ勢いと可能性を追体験できます。 もちろん、架空の設定にのめり込めずに技術的な不可能性に目をつぶれずに楽しめないこともあるでしょう。 でもSFというのはそういうものではないような気がするのです。 クラーク先生が見なかったインターネットとメディア環境の激変は信仰に対する二極化を見事に見せています。信仰とは、科学万能主義による迷信として嘲笑されるべきものか、あるいは科学は信仰にもともと予言されているという立場か。 この作品では、理解可能な宇宙人が登場することにより、クラーク先生のそういった未来に対する一種の予見も見て取れます。 科学は魔法ではないのです。我々は知らねばならず、我々は知るのです。 クラーク先生ほどの知的裏づけも無いにも関わらずSFを敬遠していませんか? 確かにSFは明らかな虚構です。その構成は魔法によって成り立っているともいえるでしょう。 ですが、今の社会の科学技術を魔法としての側面を持たずに理解している人間がどれほどいるでしょうか? そう思う時、SFの無限の創造性に誘惑されてしまうことがあります。 珠玉の黄金時代の作家の一作に! 星5つ。

    4
    投稿日: 2016.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    * 蛹がその本を引っ張り出してきたのは、明け方に蝶が死んだからだった。 テーブル上の虫籠の中に、ありふれたモンシロチョウが横たわっている。先週、葉月が庭先で捕まえて、置いていったものだ。   「どういう話でしたっけ、それ」 葉月は、そのプラスチック製の虫籠を覗き込みながら、問うた。 「科学者が、赤道上の山の上に軌道エレベーターを造るまでの話。色々な政治的な困難や事故はあるけれども、ともかくそれだけのシンプルな物語だ。その山には古い寺院があり、昔ながらの文化の中で暮らす人々がいて、そして、三千年前に想い破れた王とその軍団が、今も蝶となって山の麓を彷徨っている」 「ああ、思い出しました。軌道エレベーター実現のために駆けずり回る科学者と、三千年前の王様のお話が交互に描かれるやつですね。軌道エレベーターの方は、途中トラブルがあって、ものすごい暴風か何かに襲われて、それで――麓の蝶が、山頂まで吹き上げられる」 「そう、彼らが失った玉座まで。"その昆虫は、彼の掌の中に握りつぶされ、モーガンの見ている前で、束の間の最後の生命を終えていた――そしてその瞬間、これまで慣れ親しんできた宇宙が、自分のまわりで揺れ動き崩れさってゆくかのように思えた"」 蛹は、物語の一説を抜き出し、読み上げた。 そして、言った。 「フィクションが現実の先を歩いてこそSFは美しいのだし、それが遠い過去からの連続性を持っているからこそ、物語は物語としての意味を持つんじゃないのか、と。クラークの小説を読んでいると、そう思う」 「想い破れた王は、それで報われましたか」 「死者は死者だ。死者の心を動かすことは誰にもできないよ。動かせるのは、生きている人間の心だけだ」 「悲しいですね」 「うん。でも、それが物語だと思うし、だから、まあ、悲しいよね」 蝶の死骸は、蛹が庭先で焼いた。羽が壊れないように慎重に籠から出し、燐寸の火を白い羽に移した。 そして、葉月とふたり、燃え尽きるまで見守った。

    0
    投稿日: 2016.11.27
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    軌道エレベーターを作ろう!って話。何かでかく、バーン!!っていうのは無いけど、ゆっくり静かに話は進んでいって、堂々のフィナーレへ。それこそ意味通りの命をかけた大事業の話です。

    0
    投稿日: 2016.11.11
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    SF世界での、技術者のロマン。 闘うものは、素材と技術の限界、宗教、人びとの世論、そして気候と宇宙。諦めない主人公と、宇宙エレベーターという途方も無いスケールの建造物には心躍った。でもやっぱり幼年期の終わりの方が好きかな。

    0
    投稿日: 2016.04.08
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    心優しきクラークの物語 表紙   6点鶴田 一郎 展開   7点1979年著作 文章   7点 内容 750点 合計 770点

    0
    投稿日: 2016.03.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全長4万kmの巨大な「宇宙エレベーター」建設を夢見る技師モーガンが建設地の候補として選んだ南アジアの島国・タプロバニー。古代の伝説に彩られた美しい島に聳えるスリカンダ山の頂上がその候補地だったが、そこには長い歴史を持ち民衆からも愛される寺院が存在していた。寺院の説得に苦戦するモーガンが試行的に実施したケーブル実験の完成が迫る中、突然の嵐がやってくる。絶望の中にも希望を見いだそうとするモーガンの前で展開されるある奇跡。 宇宙エレベーター建設が始まってからも、ひとつまたひとつと様々な困難がモーガンの前に立ちはだかる。彼を支える仲間たちと共に、夢の実現に邁進するモーガンが、最後の最後に見た光景とは? 巨匠クラーク、後期の代表作。後期のクラークに特徴的な悠揚迫らざる筆致と淡々としたストーリー展開はこの作品でも顕著で、血湧き肉踊るドキドキわくわく感を期待するタイプのSFではありません。一人の技術者の挑戦を丹念に描いていく、大人のSFです。 ストーリーの中心は前半と後半とで大きく異なり、前半は古代から連綿と続くタプロバニー文化を背景に、スリカンダ山頂の利用権を巡るモーガンと寺院との策略合戦を描き出します。タプロバニーの歴史と宇宙エレベーター建設という未来技術、全く相容れないと思われた二つのものが、第三部のラストで魔術的な融合を果たして夢のような光景を現出させます。実験の失敗に打ち拉がれるモーガンの目の前に突如現れる、舞い狂う黄金の蝶の群れの何と言う美しさ!前半のストーリー展開の平坦さはちょっと忍耐を擁しますが、この第三部までは頑張って読み進めてください。SFには理系の知識だけでなく社会科学系の視点も入れると物語に深みが増す、ということがよくわかる、読み応えのある展開です。 後半は宇宙エレベーターの建設が本格化してからの話。クラーク流のハードSFが堪能できる、端正でサスペンスフルな展開です。ところどころに登場する詩的な情景描写も見所の一つ。 鴨的には、やっぱり前半部分の歴史と科学の見事な融合が印象的なだけに、後半のあるシーンでのセンチメンタリズムが鼻に付いたのとラストの尻切れトンボ感がかなり残念。たぶんクラークは、最後の一行を書きたいがために、このラストシーンを持ってきたんでしょうね。

    1
    投稿日: 2015.08.28
  • 読後感よし

    大雑把に言えば、赤道上にある島から大気圏外に至る巨大なエレベーターを建造するお話ですが 単純に波瀾万丈があるだけでなく、遙か古代の物語とも平行に話が進み、飽きさせない展開となっています。 そして、名著幼年期の終わりを思わせるエピローグもクラークファンを唸らせます。 地味ではありますが、私はアーサー・C・クラーク作品の中でも最も好きな一作です。

    2
    投稿日: 2014.10.04
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    軌道エレベータはガンダムにも登場するぐらい、SFではポピュラーなアイテムである。軌道エレベーターは1895年にコンスタンチン・ツィオルコフスキーと言う人が本の中に書いているらしい。SF小説ネタでもこの本が初見と言うことでも無さそうだが、軌道エレベータを描いた一番有名なSF小説ではありそうだ。今更アーサー.c.クラークでもないのだが、さすがにSF界の巨匠である。今読んでも全く古めかしい感じはしない。 軌道エレベーターの建設に人生をかける技術者を軸に軌道エレベーターの起点となるスリランカ(赤道直下にある設定)の山にまつわる古代の争い、火星の開発といったストーリーを絡め物語を大きく膨らませるのである。 この本のおかげで、最近またぞろSF小説を読み始めているのであります。

    0
    投稿日: 2014.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    野尻抱介『ふわふわの泉』から。 神話、宗教などの文化と人間の関係が扱われている。神話の矛盾を解析され、宗教の意味が少し変わったとしても、人類はそれらの文化から自由になるわけではない。結局は、地球の星から自由になるのではなく、地球との折り合いをつけながら行くしかない。病気からも自由になれないのなら、折り合いをつけるしかあるまい。

    0
    投稿日: 2014.03.23
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    軌道エレベーターでござい。こんなん1979年に書かれちゃうんだもんな。しかも太古の簒奪者の物語が2000年を超え円環をつくり、そこから1500年を超え地球に円環を造るに至る、文明賛歌の物語となる。 ディストピア志向のない作品ってたのしいよね。

    0
    投稿日: 2013.11.15
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    起動エレベータを造ろうとすると、技術的な問題もたくさんあるけど、政治的な問題もわんさかありますよという話。

    0
    投稿日: 2013.11.10
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    SF小説は、読み慣れていないので、読むのに苦労しました。が、総じて面白かったです。 宇宙への軌道エレベーター。本当にそれが完成する日がくるのだろうか。もし、完成したとしたら乗ってみたい。

    0
    投稿日: 2013.10.27
  • とても壮大な話

    リアリティー溢れる軌道エレベーター建設に関する描写はそれだけでも十分に楽しいのですが、それだけにはとどまらず、話は時間的・空間的に大変な広がりを見せていきます。ただ硬質なだけではない、優れたハードSFです。

    3
    投稿日: 2013.10.22
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    ハードSF長編。いわゆる「軌道エレベーター」の建造がメインのお話で、それに宗教的世界観と科学との対比が入ります。 現代になってようやく可能性が囁かれはじめた軌道エレベーターだけど、1970年代にこんなに緻密に描かれてたなんてびっくり。さすがの巨匠です。 読んでる時の感覚は技術系/歴史系ドキュメンタリーに近いんだけど、エピローグまで読み終えたらやっぱり見事なSF長編でした。素敵!

    1
    投稿日: 2013.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    SFファンとして必修であるところのアーサー・C・クラークの代表作。 …まぁこの人代表作ばっかりですが。 本作は特に、元祖軌道エレベータとしての誉れが高いですね。 後世に与えた影響の大きい事大きい事。色々大体こいつのせい。

    0
    投稿日: 2013.06.24
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    人類の歴史に名を刻む一大事業を成し遂げた男の物語。 宇宙エレベーターとスリランカの宗教の雰囲気が不思議とマッチしてる。 巨大建造物ってわくわくするな。個人的には宇宙エレベーターの建造をもっと詳細にやってほしかった。スタードライバーは結局なんだったんだ。

    0
    投稿日: 2012.11.01
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    宇宙へのエレベーターにすべてをかけた 科学者の記録。 決してそのエレベーターは 幸先のいいものではなく ひとつの幸運がなければなしえなかったこと… クラークの魅力は読みやすいところです。 ただし、少しこの本は哲学が 入りますので苦手な人は苦痛でしょう。 面白いのですがね。 そして、この計画は 似たものが少し前に出てきたのです。 その合致にちょっとびくっ、となりました。

    0
    投稿日: 2012.10.20
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    やっぱりクラークは良い。SFな部分だけでなく、登場人物とか思想的なものとか。 刺激的?快感?至福?まあとにかく読んでて気持ちよい。

    0
    投稿日: 2012.08.12
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    映画で見たい 地下ターミナルからパンして空に駆け上がり深淵の彼方に消えていく 軌道エレベーターの映像が見たい 前半はクラークの趣味の世界

    0
    投稿日: 2012.01.20
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    未来のプロジェクトX。科学者というより技術者の物語なのだが、これが書かれた時代はフォンブラウンやお茶の水博士など、科学者が製作や運用もやってしまうのが一般的だったんだろう。 宇宙エレベーターは次世代の技術として、是非実現させるべきである。これがないと、例の巨大な円形の宇宙ステーションなど、資材が重すぎて建設できないだろう。

    0
    投稿日: 2011.11.25
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    「軌道エレベーターはこの小説から始まった」 天国への階段、ジャックの豆の木などで古くから説話がある、人間の根源的な空・天・宇宙への憧れと、科学の想像力が結びついて<軌道エレベーター>という発想が生まれた。 この小説の物語構造は極めてシンプルなものである。ひとりの科学者が軌道エレベーターの建設を立案し、建設計画を主導し、完成させる。しかしこの物語の細部の描写はとてつもない情報量がある。軌道エレベーターの科学的説明は決して手を抜かれることはない(たとえば軌道エレベーターに使われるケーブルについての説明など)。またクラークは極端な科学原理主義ではなく、科学と宗教を簡単な対立項として描くことはしない。 そして同作者による『2001年宇宙の旅』に登場するHALのようなAIが太陽系の惑星以外で活躍している。このような多くの要素が絡み合い、怒涛のクライマックスが訪れる。 SF小説家として名高いアーサー・C・クラークが鋭利に描く近未来小説。

    0
    投稿日: 2010.11.11
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    クラークの作品を、初めて読んだ。 ハードSF って、ちょっと取っ付き難いのだけれど、 これは面白く読めた。 終盤は、少し緊張した。 カーボンナノチューブ、いけるのか? 1979 年ヒューゴー賞受賞作品。 1979 年ネビュラ賞受賞作品。

    0
    投稿日: 2009.12.20
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    今まで宇宙エレベータはロケットよりもダサいと思っていた。 その認識を心より恥じる。 宇宙エレベータから外をのぞくのは、どんなにかすばらしい景色だろう。 早くカーボンナノチューブが巨大化して実際に宇宙エレベータが出来ればいい。でも、解説にあったとおりどう考えてもNASAの従来型の宇宙戦略とは真っ向から対立するので難しいか。 この本では、そうした政治的な対立軸は「科学技術V.S.宗教」の形に落とし込まれているわけだけれども、その解決方法は荒唐無稽ながら神秘的なユートピアを感じさせて興奮した。 特に、前半部分におけるカーリダーサの記述は、エピローグの最後の一文と相まって泣きそうになるような、壮大な気分を引き立たせてくれている。物語の構造としては、純粋な「エンジニアが数々の困難を乗り越えて次世代の技術を確立する」ことに過ぎないのだけれども、その背後にラーマーヤナ的な永遠性を付加しているのが、ありきたりでは在るが突出した一人の古代の王であり、彼はその永遠性を想像することすら出来なかったのであろうことが、なんとも言えずに面白い。

    0
    投稿日: 2009.12.11
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    宇宙エレベータ協会から、宇宙エレベータに興味をもって楽園の泉を読みました。 クラークさんの作品はかつて散々読みましたが、たぶんこの本は最初の部分にメゲテ読み終らなかったのだと 思います。壮大な宇宙エレベータの構築はダムの建設や海底トンネルの建設と同じかそれ以上に事故と闘った 勝利として誕生するんだと思いました。 飛行機も危険な乗り物から一般人の乗り物になった様に、エレベータに乗れる日が来ることを楽しみにしたいと 思います。

    0
    投稿日: 2009.02.14
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    ウチュウエレベーター?! 宇宙にエレベーターをかけてしまう計画、壮大、というかそんな奇想天外な発想にびっくりです。

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    投稿日: 2007.08.15
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    なんというか素敵。 スターグライダーあたりが出てきたとことかから盛り上がりっぱなしです。 あと、王の軍団!!

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    投稿日: 2007.05.23
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    宇宙エレベーターから見るオーロラの描写が何年たっても色褪せることなく、鮮明に甦ってきます。クラークのこういった描写ってすごいなーって思った作品です。

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    投稿日: 2006.09.01