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真昼の悪魔
真昼の悪魔
遠藤周作/新潮社
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総合評価

51件)
3.8
9
19
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    悪と言うのは比較的わかりやすい。では、悪魔とはなにか。自分は果たして罪悪感を感じるのか、ただ試してみたい悪魔も出てくる。これはむしろホラーでは。怖い

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    古くならない名作。田中麗奈のドラマが面白すぎて、原作を読んでみた。悪魔がいるとしたら見てわかるものではなく埃のようにそっと目立たなく積み重なっていくもの。人の心を持たない女医は、悪魔なのか。いや人間だ。次々と残酷で罪深いことをしていく。ただの暇つぶしに。それでも、美しいさ危うさに魅入られて結婚してしまう男性がいて、、。人の心にある悪魔は大なり小なり、埃のように自然にそこにいるんだろうか。

    0
    投稿日: 2025.08.16
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    ただの推理小説かと思って読んだが、読み終わったときには全く異なる印象を持った。最後まで犯人が明かされないという点ではミステリー小説と言えるが、それ以上に作者のメッセージ性が強かった。真犯人は人間の心に潜む悪魔であり人そのものでは無いかと思う。その悪魔が、何に対しても無感動で無関心な1人の女医を襲ったのか。江戸川乱歩の推理小説でも、世の中に無関心で殺人に興味が湧く話があったのを思い出したが、この女医は退屈凌ぎに悪を行っているわけではない点が異なるのだ。非道な行いを通して人間が本来もっているはずの良心の呵責を探し求めるという動機に戦慄が走った。 特に、入院している老婆を不要な人間としてみなすシーンは恐ろしかった。 加えて、善と悪は簡単にひっくり返るものだわかった。作中では、やってはならない実験をすることで、多くの人の命が助かった。つまり善と悪は繋がっており、オセロのようにすぐにひっくり返るものだと実感した。善と悪の区別がつかない混沌とした社会を表していると思った。

    0
    投稿日: 2025.03.13
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    ★4つ 四人の女医で思っていた犯人と違いました。 芳賀や武くん怖い。。 『エクソシスト』『悪霊』と呼んだ本、読みたい本と立て続けに出てくる。また寄り道の本が増えてしまった。 夜歩いてる時に道端で寝てしまってる人や通り過ぎる人達に、心のなかで「お幸せに」と祈りながら歩く事で小さな徳を積み続けようと思いました。 大久保の協会にも行きたいけど、聖イグナチオ協会も行ってみたい。

    0
    投稿日: 2024.10.20
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    犯人は、正解とは違った女医だと想定しながら、読み進めてしまった。読者が、誰を犯人と想定するかによって、女医ひとりひとりの行動の印象が異なるんだろうな。結末で犯人は特定されたけど、3人の女医すべてがあやしく思えた。 どの文学作品も罪悪感のために登場人物が苦しんでいることが多いのに、遠藤さんの作品は、良心の呵責をまったく持たないキャラがよく出て来る。 毎日がつまらないと思うのは、誰にでもあることのようで、それの解消の矛先が他人に向かうのは問題だけど、虚無感みたいなものは、共感できる部分がある。 他人のためにいいことをしたら虚無感から救われるという、神父のアドバイスについて、もっと詳しく知りたかった。

    1
    投稿日: 2024.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どうしてこんなに生々しく、罪悪感を持たない人間の心境を描けるのだろう 物語の構成も変わっていて、件の女医がどれなのか探りながら読み進めるのが楽しかった

    0
    投稿日: 2024.04.12
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    遠藤周作のミステリー?どんなものかとても興味があり手に取りました。 ある意味とても怖かった。正体のわからないものがひたひたと近づいてくるような不気味さ。 最後まで夢中で読みました。 最後まで答えを明かさないところがとても良かった。

    0
    投稿日: 2023.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一つ一つの事件をどう意味づけるか。意味づけさせるかによって人に認知は変わってくる。昔のエピソードを思い出した。煽る人、ここでは意図的だが、意図的でなくても、そういう存在が過分に影響する。結末が気になったが、好きな終わり方だった。

    0
    投稿日: 2023.08.21
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    関東女子医大の附属病院に務める女性医師の浅川は、人間らしい心をいだくことのできない本性をかくしながら患者たちのために日々の仕事をおこない、その一方で男たちを手玉にとって、暗い情念を満たそうとします。 そこへ、大学生の難波が、結核のために入院することになります。彼は、自分の前に入院していた加能という男が、この病院をひどく怖がって他の病院へ移ったことを知ります。さらに病院内で、子どもが池に突き落とされたり、入院患者の点滴薬がすり替えられたりといった奇妙な事件がつづきます。これらの事件の背後に何者かの悪意が存在していることを感じとった難波は、入院している父親を見舞うためにこの病院にやってきて芳賀と協力して、事件の犯人をさがし出そうとします。 基本的にはミステリの形式にそって、ライトな語り口で物語が進められていますが、ウッサン神父の悪魔についての考えと、彼が神を信じない浅川のために「祈る」という行為を選択したところに、クリスチャン作家としての著者の中核に存在しているものがかいま見られるように感じました。

    0
    投稿日: 2023.07.16
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    無関心から生じる理由のない悪の話。 他人の命を何とも思わず、罪の意識を持たない女医を中心に物語が進む。 神を信じる神父と、無感動・無道徳な女医が対照的に描かれる。神父は1人1人の命の重さを説くが、女医は命の重さを功利主義的に勘定し、老婆に無許可で新薬を投じてその有効性を確認する。 神父は彼女を人間愛が無いと批判する。彼女はなぜ自身が神から罰せられず、逆に自分の行為が多くの人を救うのか理解できない。 そんな無秩序が現代人の無関心・無信心に入り込み、何が善いのかわからなくさせ、悪を増長させるとまとめる。

    0
    投稿日: 2023.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    犯人がどんでん返しで新たにわかることを期待していた自分がいたがオチはそうではなかった。 最初から読者が考える女医が犯人であるまま進み、実際には人間の心に住み込む悪魔が行うといった内容だった。ミステリー小説と思って読んでいた分、モヤモヤ感は残るがこれはこれで良い作品だと感じた。

    0
    投稿日: 2022.12.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリーと銘打ってあるが、本格ミステリーを求めている人には物足りないか。だがしかし、それ以上に物語に引き込まれる力が強く面白いのでオススメだ。現代人の無感動な渇いた心をよく表していると思う。最後まで救いがないところに好感が持てる。

    0
    投稿日: 2022.05.21
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    いやーコワイ。敢えて名前を伏せた書き方とか、一応はミステリーになるんだろうけど、何というか犯人が誰とかはどうでもよくて、ただ怖いという不思議な話。キリスト色強くなく抵抗なく読めました。

    0
    投稿日: 2022.02.18
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    「心あたたかな病院」キャンペーンに携わっていた遠藤周作が、医者と患者との心の通い合いが乏しい、現代の医療現場への憂慮から筆をとった小説らしい。サラリと読める。しかしテーマは重い。そして恐ろしい。わたなべまさこの『聖ロザリンド』という漫画を思い出した。 簡潔で、いうなればあっけらかんとした文体で、様々な観念について考えさせる遠藤周作の作品。今回は善と悪について思いをめぐらした。善/悪は、きっかり二分できるものではないということだけはいえるよなぁ。だからこそ行いには「神がそういっているからだ」という審判が必要なんだよなぁ……って。

    12
    投稿日: 2022.02.13
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    後味悪かった…。 すごく現代的な話だなーと思ったけれど昭和に書かれたものだった。 後味が悪い。 けれど、彼女と同じような空虚感のようなものは味わったことがあるかもしれない。 ふと、なんのために生きているんだろう、と、何にも感動できないといった瞬間がある。 この本を手に取ったのは、何かしらの警告のような気もする。

    2
    投稿日: 2022.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    サイコパス女医の話。患者を洗脳したり、人体実験したり、バレそうになると精神科へ行くように仕組んだり。 最後には結婚式で、もっとサイコパスな男に殺されたのかな。

    0
    投稿日: 2022.02.11
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    めっちゃホラー、その一言につきる。『オーメン』を見てるようでゾクゾクする。夜中に読むべき本ではなかったと猛反省中。ハツカネズミの所は読んでて不快なり。救いが欲しい。

    0
    投稿日: 2021.11.09
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    ・女医が最後の結婚式まで名前を明かされない展開が良い ・女医に限らず女性はこういった冷静残酷な性格を持ち合わせていること、俗な男性とのやりとり描写は、さすが作家の洞察力 ・最後の崖のシーンは、女医が笑われている → ・誰かにとっては悪で、一方は善であることもある。両者がそれを認め合える、認めることができなくとも知ること、環境を、一人ひとりが作ろうとしていかなくてはいけない(あとがきの医療現場への活動より)

    0
    投稿日: 2020.12.06
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    初読み作家の作品。 以外と言うか予想以上の面白さだった。 人間の内面にある『悪』を題材にしたかなり昔の作品だが、全く古くささを感じなかった。 読み進めていく内に『悪』を否定してるのか肯定してるのか、何が狂ってるのか解らなくなる。 かまえるほど難解でもなく読みやすかった。 結局一番の悪は『美人』ではないかと思ってしまった事自体が悪魔に翻弄されてるのではないか(笑)とも感じた作品。

    0
    投稿日: 2020.10.22
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    狐狸庵先生に大いに親しんだ中学時代だったので、それ以降沈黙やら海と毒薬やらを読むことになった私は本気で「遠藤周作」という同姓同名の作家がいると思っていた。 狐狸庵先生じゃない遠藤周作はw特別好きかというわけではないのだけど、読むたびにぞわぞわと気持ちを落ち着かなくさせる。 この作品も女医が特定されないことで「誰でもおこりうる」ということを示し、ああいう終わりかたで「解決法はない」といっているような気がする。 、、、狐狸庵先生じゃない遠藤周作は怖い。

    0
    投稿日: 2020.04.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    遠藤周作は久しぶりだ。一年ぶりといった期間ではなく、十数年ぶりではないだろうか。本作を手にしたのは、紹介文に「医療ミステリー」という言葉があったからである。遠藤周作がミステリーを? そこに興味を惹かれた。 ミステリー小説と称されるだけに、文体は軽く読みやすい。一気に読める。「彼女」という代名詞で巧妙に隠匿された女医。女医は四人登場するが、「彼女」とは? というミステリー要素が、物語を牽引する。同時に、「彼女」なる女医は美しい美貌のうちに、およそ一般市民の想像の次元を超越する「悪意」を秘めている。この「悪意」を語る過程で、遠藤周作はキリスト教における悪魔観を巧みに織り込む。そして、(キリスト教における)悪魔とは何かを神父に語らせることで、女医の抱える悪意をも明らかにしようと試みているように思われる。この展開は、カトリック作家たる遠藤周作の面目躍如といえるだろう。 一方、「ミステリー小説」とは書かれているけれども、物語の中では「お約束」ともいえる殺人は起こらない。「彼女」という代名詞によって、たしかに犯人は隠蔽されて物語は進行するが、さりとて謎解き要素があるのかといえば、その点への期待は過大に持たない方がいい。あえていえば、「ミステリー風のエンターテインメント作品」ということになろう。自分にとっては、「ミステリー」なる言葉は、本作品を手にする契機となる惹句であり、結果としてはそれで十分だったといえる。想像の斜め上を行くほどの「悪意」。その悪意を抱いた人物が女医、つまり医療に携わる者であること。悪意の正体を、つまりは悪魔とは何かを説いてみせる神父。これらが織りなす物語は、エンターテインメントとして極上だったからである。 解説に、遠藤周作が医療現場の改善のために活動していたという記述があった。これを踏まえると、本作品で描かれる悪意は、それも「理由なき罪を犯す」ことによって「悪による心の痛みを感じてみたい」と切望する女医という凄惨ともいえる設定は、現代の医療現場に対して遠藤周作が抱えた葛藤の具現化のようにも思える。医療の場では、患者は医者に対して、神の前の羊の如くなすすべもない。「神」の次元に立つ者が悪意の塊であったら、という想像は背筋も凍るほど恐ろしい。その恐怖をエンターテインメントの領域に昇華させたのは、カトリックをバックグラウンドとして物語を描くことのできる遠藤周作の力量そのものであろう。 プロローグとエピローグとして語られる神父の言葉は、この悪意というテーマに彩られた作品の癒しであり、遠藤氏によるキリスト教に基づく世界観であり、本作品のタイトルである『真昼の悪魔』の真意でもある。

    7
    投稿日: 2020.03.27
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    作家の想像力は時代を先読みする。とはいえこの様な事象は普遍的なことがらでもあるのだろう。 ***** ある大病院で次々と起こる事件、患者の失踪、医療ミス、障害のある子供のいたずら。ひとりの大学生患者が経験する怖い思い。その背景には一人の美しい女医が見え隠れする。道徳を信じず、心は乾き、「障害者、老人、不治の病の人々を生きていても仕方がない」と抹殺しようとする心理。彼女は真昼の悪魔かもしれない。 ***** 誰の心にもしのぶ、悪魔の選択。冷酷な人間か?冷静な対応なのか? しかし、今ニュースで接する事柄をみてもこれは小説の中のことではないと悩ましい。30年以上前の小説ながら古びていない。

    2
    投稿日: 2019.11.10
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    面白かった。割と序盤の方から夢中になれて、一気に読破してしまった。 夢中になれた理由はまず、女医の正体がぼかされている点だ。そのミステリ的な要素が読者の感心を鷲掴みにする。 そして、極度までデフォルメされた悪意。世の中には悪意を持った人間がいて、その程度の差は様々。だけど、この女医ほどの人間にはお目にかかったことはない。自分のそれなりに恵まれた人間関係に感謝せざるを得ない…。 そんな純度の高い悪意を、宗教的な悪魔になぞらえるのはまさしく遠藤周作らしさなのかな。そして対極の存在として登場する牧師の頼もしさよ…。 結局悪意は解決されることは無いのだけど、それが強烈な余韻を残す。 冒頭と終盤で牧師の口から語られる悪魔観が、より一層味わい深さを演出している。 非常に分かりやすく読みやすいストーリーが、キリスト教的世界観で下支えされた名作だった。

    9
    投稿日: 2019.04.14
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    2019年2月16日、読み始め。 ウィキペディアによると、 『週刊新潮』に1980年2月から7月まで24回にわたって連載され、1980年12月に新潮社から単行本が刊行された。1984年12月24日には新潮文庫版が刊行された。 2017年2月、フジテレビ系でテレビドラマ化された。 とのこと。 著者は1923年生まれなので、著者が57歳位の時に書かれた作品である。 73頁まで読んで、図書館に返却。

    7
    投稿日: 2019.02.17
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    微妙な作品。 後半の曖昧さが結構不気味で、このテイストが全編に行き渡っていれば、、、という感が強い。女医に喋らせ過ぎかと思うんですよね、だから基本的には読むのはちょっとかったるい感じ。 遠藤周作に対する当方の勝手なイメージですが、出来不出来の落差が激しい作家で、本作はネガティブな方面に位置するではないかと思われ。

    0
    投稿日: 2018.08.23
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    久々の遠藤作品。 本書を読んで始終やまゆり園の事件のことを思い出していた。 この人は読者に答えの出ない難しい問題を投げかけてくるなぁ。

    0
    投稿日: 2017.11.25
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    ドラマ化されて注目浴びている本作。やはり原作はドラマとは全く趣が違う。テーマは「悪魔とは何か?」。これを医療サスペンスで彩りつつ読者に問いかけてくる。

    0
    投稿日: 2017.10.21
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    クリスチャンであり医学に造詣が深い作者ならではのキリストと悪魔に纏わる医療サスペンススです。 女医の悪魔的衝動に襲われる人々に危機があるものの大事には至らない。また、悪魔的思考の人たちの根絶もなく、それ故か何か物足りない感はある。病院は例え悪意が無くとも医師次第で悪事やミスが隠蔽されるのが恐ろしい。その舞台に悪魔が巣食う設定は人々を震撼させる。 悪魔が悪魔を生み出す、悪魔の心は人々に根づく。そんな考えは現実世界でも当たり前にある事をさい認識する。

    0
    投稿日: 2017.09.27
  • 悪魔は埃のように目立たずにそっと我々の心にすべりこんでくる。

    才色兼備の女医が自分の心の空虚さと無感動を持て余して良心の呵責を感じるために罪を重ねていく怖い話である。 劇薬入り点滴や人体実験など明らかな犯罪も怖いが犯罪とは言えない小さな残酷な悪意で周囲の人間を壊して行く怖さ。 ノンフィクションであれば狂気としか言いようのない出来事が遠藤周作という作家の筆力で文学として完成している。 さらに神父の「悪とは愛のないことだ」という言葉が遠藤ワールドへと誘い、異邦人、罪と罰、二十日鼠と人間の引用が雰囲気を盛り上げていく。 時として悪意は善きことのような外観をしていて常識的に見える。多くの場合現代人の虚無感は奥深く隠されていて表面的には普通に生活しているのだろう。... もっと見る

    0
    投稿日: 2017.06.05
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    人を傷つけても何も感じない女。 そんな悪魔のような女に翻弄される人々。 でも、何も感じない自分をおかしいかな、と思う彼女の心は全て悪魔に支配されているのでないのではないか?続きが読みたい。

    0
    投稿日: 2017.02.12
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    17年2月に田中麗奈主演でドラマ化されると云うので読んでみたが、どうも遠藤さんは私には合わないなあ・・・ 怖い話でした。

    0
    投稿日: 2017.02.04
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    怖すぎる。でも面白い小説。 今現実で不審死が相次ぐ病院のことが取り沙汰されているけれど、その事件を多少想起する部分があるような… 大学生の難波は、結核にかかり女医が多く勤務する病院に入院することになった。 そこでは患者の謎の失踪や寝たきり老人への劇薬入りの点滴など、奇怪な事件が続発していて、難波は疑いからやがて病院の内部事情を追求しはじめる。 背後には、無邪気な微笑の裏で陰湿な悪を求める女医の黒い影があった。 ミステリ小説としても読むことが出来る。次々起こる事件の実行犯は一人の女医だけど、その名前は終盤のある地点までいかないと明かされないから。 そして、著者がクリスチャンなので、キリスト教的な要素も。登場人物である神父が説く、“悪”と“悪魔”の違いは興味深かった。 元は善良な人間であっても、状況やタイミングによっては“悪”をはたらいてしまうことがある。それが犯罪であっても、情状酌量の余地があるものは、大抵それに当たる。それらには必ず、罪の意識というものがつきまとう。 だけど“悪魔”は、今で言ういわゆるサイコパスのようなもので、良心は痛まず罪の意識もなくむしろ面白がって悪事をはたらくことが出来てしまう、そういう種類の人間のこと。 この物語にも“悪魔”は出てくるけれど、非常に分かりにくく存在している。現実でももしかしたら、こんな風にして巧妙に隠れ人を騙しながら存在しているのかも、と思うととても恐ろしい。 (こないだ観た映画にもそういう形で“悪魔”が紛れていた、ということを思い出した) 女医は“悪魔”なのかというと、そうではないように思った。悪いことには違いないけれど。 本物の“悪魔”との違いを考察するのも読み方としてある小説。 病気になってしまった人間はその病院を信じて身を預けるしかないわけだから、病院の人間が恐ろしいことをしてしまったら、成す術もない。 自分の母親もかつて病院で酷い目に遭って命を落としかけたことがあるから、現実でも身近にないとは言い切れない。 人の“善”を信じるか“悪”を疑うかっていうのは本当に難しい問題。 そして遠藤周作の小説は本当に読みやすくて深くて面白い。

    0
    投稿日: 2016.10.06
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    遅ればせながら、初遠藤周作。非常に読みやすいことに驚いた。多少難読するだろうと予想していたが、題材も含めて、スラスラと頭に入っていく。善と悪の境目の考察。無感動の境地。人間の二面性、及び多面性。それを淡白なミステリーに仕上げているなと感じた。医療分野と人間の多面性が、陰鬱で素敵だ。考察が深く潜りすぎないことも、ある程度余裕をもってページを進める要因であろう。とてもバランスのいい作品だと感じた。悪魔は多分、いる。

    2
    投稿日: 2016.06.14
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    当時の現代人の、とも言い切れない 空虚感、心の渇き、それを満たす 多様化容認の名もとに、古い枠組みを超えた、 個人を社会とは別扱したがる新時代の価値、 個人尊重の風潮。 それは、構成員としての集団に対する責任感から 個人の欲望を無条件で解放し、 本来社会性を持つべき人間に対し 動物的快楽、欲望を追求することに 意味を持たせるだけの脳がひねり出した いいわけにも感じる。 帯・背表紙には「医療ミステリー」とあり 確かに「彼女」は何者かを追う部分があるが、 遠藤先生のエンターテインメント作品にして、 「悪魔」という言葉を用いているなか、 裏返して時代の中で相対的、絶対的「善」とは を問いかけたのではないか。 悪魔と悪魔が対峙するとき、彼女は彼に何を見た。

    2
    投稿日: 2015.10.29
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    怖い話。 書かれた時代より、更にそう言うタイプの人間が増加してるのではと思わせる時代を先取りしている感じがした。

    1
    投稿日: 2015.10.13
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    結核で難波が入院した病院で、前に入院していた患者が行方不明になっていた。 何となく気になった難波は、父親の付き添いをしている芳賀に調べてもらう。 その後も、少女が池に突き落とされたり、点滴の間違いがあったりし、女医の中のひとりを疑いはじめる。 それと同じ頃、ひとりの女医が教会で悪魔の話を聞く。女医は自分の中に罪悪感がないことに気づいており、周囲には隠しているが動機のないいやらしい悪を行いたいと思っていた。 遠藤周作らしくキリスト教に絡めた作品。 悪魔をテーマにしているが、悪魔というとどうしても映画などに出てくる悪魔っぽい風貌とか、首がグルグル回って緑の変なものを吐くといった見た目にインパクトのあるものを想像しがちだが、本作の悪魔はそういうものではない。 ひとの心にいつの間にか巣喰うようなもの。 理由なくひとを傷つけたり弄んだりする。 一見普通のひとの中に潜んでいる悪魔のほうがたちが悪いと言える。 悪魔となった女医の名前は最後になるまで明かされないため、ミステリーとも言えるが、犯人探しを楽しむというより、キリスト教のものの考え方や悪魔についてのことといったものを読む形になっている。 悪意とも違う悪魔。そんな悪魔の棲み着いた人間というのは意外にうじゃうじゃいるのかもしれない。 やさしそうに微笑みながら、誰かを獲物にすることを考える。 その誰かには恨みも憎しみもない、その誰かである理由など何もないのに。 何だか悪魔にでもなったのじゃないだろうかとも思える残忍な事件が目立つと、そう感じたりもする。 本作がこの時期に復刊された意図を感じざるを得ない。

    0
    投稿日: 2015.10.05
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    遠藤らしい。サスペンスのようなプロットでありながらも、もっと現代社会の深層に触れるような尖さがある。単純なサスペンスとして読んだら退屈だと思う。神父さん出しゃばりすぎ感がある。テーマは悪とは、悪魔とは。神父の言葉を借りれば、「悪は目に見えるけど悪魔は見えない。空気のように稀薄で、ホコリのように知らない間に心に積もって人間に悪を行わせる。悪魔は人間に、自分はいないと思わせたい。そんな非科学的な、非現実的なものは、と思わせたい。そして少しずつ心に積もる。」  悪魔か、と考えさせられる。現代人の無気力に積もると言っている。    

    0
    投稿日: 2012.06.24
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    遠藤周作さんの描く悪魔像が、とても怖かった記憶があります。本当にこんな人間っているんだろうか?もしいるのなら、彼らは救われないのだろうか…。普段神の存在など意識したことのない自分ですが、この時ばかりは神の存在について考えさせられました。

    0
    投稿日: 2012.04.15
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    高校の先生に紹介されて気になっていた本。 ミステリーっぽくとても読み易かった。 現代人の心の乾きというやつは随分昔から変わらないようだ。

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    投稿日: 2012.03.27
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    内容が好きか嫌いかといったら、好きではないながら、星は五つ。 とにかく怖かったです。。陰湿な悪を続ける女医。女優ばりの美人なのに、何にも無感動で、良心の呵責を感じるかどうかためすために様々な悪を働く。。 医療問題とも絡ませながらミステリー調に進むけれど、これはミステリー本だという感覚はなかったです。 また神父がでてきますが、彼がいてよかった。。 そして、私は無感動な人にならなくて本当によかった。。 やっぱり病院てこわいな。。最近不必要な手術繰り返していた病院があったけど、医療倫理はどうやったら良くなるのでしょうか。。 次は明るい本を読みたい笑 Jan 2011

    0
    投稿日: 2011.01.07
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    天使とか悪魔とか出てくる好きなパターン。 遠藤周作では、深い河に続くヒット。 久しぶりに一気に読んでしまった。

    0
    投稿日: 2011.01.03
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    何をやってもむなしい、次々と男と寝ても、精神薄弱の少年を操って動物虐待をさせても、何をやっても罪悪感を感じない。そんな女医にふりまわされ精神を病んだ入院患者と彼を助けようとする神父。 なんか暗い。ミステリーという触れ込みらしいけど、人間の暗部というか、人間のもう一つの側面って感じかな。こんな罪の意識を感じない人が最近は増えているのかもしれない。

    0
    投稿日: 2010.07.11
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    弁解のない「悪」の描写がむしろ心地よい。 ある種の女性の本質が描かれている。 フィクションだけど、こういう人って実は結構いるはず。

    0
    投稿日: 2010.06.08
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    久しぶりに没頭して読めた本。憶えのある感覚ではあったけど、結局こういう大人にはならなくて済んだかな。分岐点はどこで何なんだろう。でも「善を質ではなく量ではかっている」あたりのくだりでほっとしてしまった。そうだよなあ、そういうものじゃないよなあ。宗教に興味を持ったことはないけど、神父の存在がすごく心強いというか安心した。 時間を置いてもう一度読み返したい。 あと解説は医療小説って言ってたけど、あまりそうは思わなかった。時代が違うからかな。

    0
    投稿日: 2010.03.06
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    どうしてNO IMAGEなのでしょうか?表紙も作品のイメージにあった絵でとても好きです。 内容は素晴らしいの一言なのですけど、それではレビューにならないので 本当の悪とは?誰でも疑問に思うことを医師の目線と神父の視点で描かれています。 遠藤周作先生の本なので、キリスト教の観点が出てくるのですが 宗教観を除外しても興味深く読めます。 これは1984年に出版されている本ですれど 現代にも通じる問題が色々描かれています。 かなりタブーな問題ですが、障害児、植物状態の高齢者、新薬の開発、精神病の診断 主人公が医師なので、自然医療の問題が多くなるのですが 医療についての知識があまりなくても、それらの問題がとても分かりやすく 描写されていると思います。 一般に悪と言われる事をとにかく試してみる医師の何も感じない空虚な心 今は医療ドラマが多く放送されていますけど、この本の映像化は絶対無理と思います。 ので、是非たくさんの方に読んでもらいたい小説だと思います!

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    投稿日: 2009.10.03
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    遠藤周作氏らしいミステリー作品。 「いつの間にか埃が部屋に溜まるように悪魔はひそかに、目だたずに人間の心に入る」 悪魔からの誘いと気づくことなく、私達は日々を過ごしている。そしていつの間にか悪魔に心は占拠されて・・。寒くなる恐ろしい作品です。しかし私達はその現実を知らなくちゃいけないのでしょう。

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    投稿日: 2009.07.22
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    女医がどれが誰なのかよくわからんけどなかなかスリルある。芳賀の最後の言動はさすがに予測つかなかった。

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    投稿日: 2009.05.18
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    どんな悪を犯しても痛みを覚えぬ白けた虚ろな心をもつ女、を描く。「動機の無い犯罪」が現れ始めた頃に書かれたものなんだろうと思う。作者自身がキリスト教徒である点が、上手く作用している。

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    投稿日: 2006.06.30
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    「君が俗物のくせに俗物でないふりをしているからさ」このセリフがやけに心に残った。周作といったら『海と毒薬』が傑作かもしれないけれど個人的に好きなのは『死海のほとり』とこの作品です。

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    投稿日: 2006.01.26
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    ■説明 冒頭に神父さんが 「エクソシスト」を例にとって 悪魔は実在する と説く場面からこの物語は始まります。 主人公は美貌で愛らしい笑顔をもつ女医。  物語の中には なんとも殺伐とした事件が沢山でてきます。  ■感想 遠藤周作の本です。 ある意味感想が書きにくい本でした。 遠藤周作さんがクリスチャンだということを知っていたので、気になって余計に私の中でさらっと読めない部分があったのかもしれません。  私はほぼ無宗教。でも、その人がどういう宗教を信じているかというのは強引な勧誘など迷惑がかからない限り気にしません。 最近起こる理解不能な事件。まったくそれと同じような動機で、いえ、動機はないと言ったほうがよいかもしれない。そんな事件がどんどんと起こります。 そうして、それがなにひとつ解決しない。現代の苛立ち 理解できない不安感。焦燥感。それが最後まで続くというような読後感です。  たとえば、最近の不快感を覚える事件とは結局はどういうものだろうかと自問すると 「自分勝手」というキーワードがありそうに思います。 相手も自分と同等の人間としてみることなくただ、「自分が不快だから」「自分がうまくいかないから」「自分がやりたかったから」という理由であり、そこにはそれ以上の説明がつかないものが多いです。   それが、世間の人たちには理解不能であり、行動が予測できない恐ろしさを感じさせます。 「友達が欲しかったから監禁した」「自分の人生がうまくいかないからできるだけ金持ちの子供を殺害した」「借金をばらされそうだったから殺した」 そこには自分しかありません。いずれも相手を人間として見ていないという共通点があります。自分だけを見つめ自分だけが大事で 相手を都合の良い存在として認めることがあっても人間として見ない。    この本の主人公の女医もまさにそういう人です。自分が罪悪感を感じてみたい。こういう悪いことをしたら少しは罪悪感を感じて空虚な気持ちがなくなるのではないか というただそういう理由で表に出ない悪事を巧妙に行います。 そうして、この小説には 勧善懲悪もなく、また宗教の目に見えた救いも現れません。発生する事件、女医の口にする言葉どれも どこかで聞いたことのあるようなものです。 クリスチャンである遠藤周作はこの本で何を言いたかったのだろう。 宗教の不在を言いたかったのだろうか。 読み終わったときに遠藤周作という人を考えてすっかりと腕組みをしてしまった本でした。

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    投稿日: 2005.02.02
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    かなり吐き気をもよおしてしまう作品。それは誰にでも潜む心の悪が赤裸々に書かれてる。絶対読んだ方がいい!

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    投稿日: 2004.12.21