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日本農業への正しい絶望法(新潮新書)
日本農業への正しい絶望法(新潮新書)
神門善久/新潮社
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総合評価

57件)
3.6
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    日本の農業が「絶望的」と言われるのは、単なる生産性の問題ではなく、構造的な限界と制度的な歪みが複合的に絡んでいる。 日本の農業人口は激減し、平均年齢は70歳前後。農地の所有が複雑で新規参入が難しく、初期投資の大きさに対し、気候などで収益が安定しない。結果、農業は「地縁に縛られた高齢者の副業」的なままで産業として拡大再生産されていかない。 本書では特に、技能低下による堆肥づくりの劣化を指摘する。農業名人といわれる人たちは「土作り」の重要視する。現在の農業者の多くは、堆肥と肥料の区別もできていないと著者はいう。 他にも、日本は兼業農家が多く、耕作放棄地も増加してきていて、農地の細分化されてしまい、スケールメリットが生まれない。政府は「農地集約化」「法人化」「スマート農業」などを推進しているが、実際には地域の利害調整も難しい。効率的な規模経営が広がらず、「中途半端な家族経営」が残っているのが実情らしい。また、日本の農業は長らく保護政策の庇護のもと、産業的な競争力が育っていないまま、ここまで来てしまった。 JA(農業協同組合)は、農家の資材供給・販売の窓口や農産物の出荷、金融や保険事業を担っていたがそれは過去の話。農家が減り、機能が弱体化。JAが強かった時代には、JAが集落の秩序の番人の役割を果たし、無茶な農地利用(あるいは農外転用や耕作放棄)をしないよう、監視してきたが、いまや農地利用は歯止めのない無秩序化が進んでいる。 他方、有機農法などはコマーシャルに過ぎず、大した根拠もないのに、自分たちは品質や安全性を重視しており、自国産のものが世界で最高だと思い込む悪癖だと著者はいう。「有機栽培」などの能書きや顔写真などの宣伝・演出に頼るようになる風潮にはただのイメージ戦略だが、演出決第で良質なものと評価され、高値で売れたりするので、農業者は技能を磨くのが馬鹿馬鹿しくなっているらしい。 タイトルに“絶望“と書いている通り、とってもネガティブな本だ。目を背けず、読むべき話ではある。

    90
    投稿日: 2025.11.08
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    現代の日本農業について批判的な視点から書いている本でした。 植物工場や、企業の農業分野進出、国の担い手不足政策など、ネガティブな部分を切り取って著されています。 現代の日本農業に関して肯定的な意見が全くなかったため、ある種の視点として読めました。

    1
    投稿日: 2024.08.13
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    日本の農業のあり方、政策、世間での扱われ方に対する指摘。 視野が広がるとともに、大変勉強になりました。 手元に置いて繰り返し読みたいと思う本でした。

    1
    投稿日: 2024.01.28
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    自分は神門さんを支持する。P103の「技能こそが生き残る道」のように、本当にこんなに上手くいくのか、と思う箇所もあるけど、基本的にそのとおりだと思う。 土づくり、本当にしっかり取り組んでいる農業者ってどれくらいいるんだろう。 技能、確かに自分も農業には生産性が足りないなど、規模拡大が必要だなどと考えていた。それも今まで何十年と。反省する。もう遅いかも、この著書が出て10年が過ぎてる。

    0
    投稿日: 2022.11.06
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    読むにしては少し古い本だが… タイトルに惹かれたので。 農業に対する危機感を抱ける。作者の体験した話と親戚の農業に対する考え方が似ていることから、やはり色々問題があるのだなと実感できた。 これらの解決策はそもそも考えるのが難しいと思う。この本にもはっきりとは書いていない。 誰かに言われた通りではなく、これからどうするか自分たちが考えていかなければいけないことはたくさんある。 世界を知るのに良い。

    0
    投稿日: 2021.10.17
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    タイトルにあるような正しい絶望には確かに違い。ただ、農業技能に衰退する点以外の論拠が薄く、想定で書かれている点が散見されていて、残念。しかし、日本農業に対する憂慮する内容は伝わる

    0
    投稿日: 2019.06.12
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    ふだんあまり縁のないジャンルの本を読んでみようと思って手にした一冊。 「技術」と「技能」の違いを説明したうえで、日本農業の本来の強みは技能集約型農業であると説いているあたりはなるほどと思ったし、今の農業ブームを一次大戦後の満州ブームになぞらえるあたりも面白かった。 ただ、この本のかなりの部分が非難と批判で占められていて、読者を置き去りにしているのが残念。まえがきによると、相当な覚悟をしてこの本を記したようだが、少々独りよがりになっていて説得力を落としている。せっかくいい指摘をしているのに、何とももったいない。

    0
    投稿日: 2018.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2012年発行の、新書としては古いものです。 1つの考え方として、日本農業は本書の中で言う「技能型」が合っているということもわかるし、現代の「技能型」後退、メディアによる農業大型化路線への危惧もあるだろうと思います。著者の考え方は否定しません。 しかし、経済社会の中で職業としての農業の在り方は千差万別、そして消費者の在り方も同じ。その点を考慮しているのかわからないほど、否定的な文が時々垣間見えました。短い間隔で入ることも。 その点だけ、気になります。

    0
    投稿日: 2018.11.07
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    本のメッセージは、日本は大規模マニュアル型農業でなく、技能集約型農業を目指せというもの。また消費者は本物の舌を磨けと。ToBEの提示として間違っていない。 しかし、実際問題としてそこに至る道筋が見えない。これまでの分業型・マニュアル型農業は飛躍的に生産量・反収を増やして世界を飢えから救った。そこから脱却して真に質が高く、強靭な農業を作っていくためには、何か強烈な危機がなければ難しいように感じる。折しも植物工場や食用3Dプリンタ、培養肉のような危ない技術がもてはやされる昨今、真っ当な生き方をどう拡げていけばいいのだろうか?

    0
    投稿日: 2017.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんだかんだで絶望法なんだから対処はないよといわれてしまえばそこまでなのだけれど。高度に発達したスキルが失われる話って、いろんな分野であるんだな。土地につくものなのかな。人につくものを伝承するのはどうしたらいいのだろう。

    0
    投稿日: 2017.07.19
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    <目次> 第1章  日本農業の虚構 第2章  農業論議における三つの罠 第3章  技能こそが生き残る道 第4章  技能はなぜ崩壊したのか 第5章  むかし満州いま農業 第6章  農政改革の空騒ぎ 第7章  技能は蘇るか 終章   日本農業への遺言 <内容> 哀しい本である。2012年刊であるが、おそらく日本農業の瀕死状態はより進んでいるから。日本農業は、技能で集約的にやるのが生き残る道だが、土壌や農薬や一般の家の灯り(農地の転用により)など、もう手遅れだというのが著者の見立て。農政は愚策だし、輸出入も見通しは暗いし(これも政治だね)、ただただ哀しくなった。 逗子市立図書館

    0
    投稿日: 2017.05.21
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    南側の山がどんどん削られて平地に、新しい分譲か?と思ったら何と農地、ウルグアイラウンド対策事業だ。今は、外部の者立ち入り禁止の耕作放棄に近い状態。

    0
    投稿日: 2016.06.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく説得力のある文章と構成。実家で農家をやっている身からすれば最近のメディアが流す農業の姿と現実とのギャップは明らかだしそういった現実をも直視したうえで本当に良くしていくには(本書ではもう手遅れかもしれないとあるが)どうすればよいのか生産者、我々消費者、報道を行うもの、政治家、官僚といったあらゆるステークホルダーの立場に立って必要な行動をも示しているのが本書。ただ農業という点だけでなく日本の民主主義のとらえ方の問題など考える要素は多かった。

    0
    投稿日: 2015.11.02
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    日本農業の問題の本質は、農業者の耕作技能の衰退にあると主張し、その原因として、農地利用の無秩序化という「川上問題」と消費者の舌の愚鈍化という「川下問題」を指摘している。また、マスコミや「識者」は耕作技能の消失という問題の本質を直視せず、現実逃避的に日本農業を美化するばかりで、耕作技能の低下を助長していると批判している。「有機栽培」や顔写真を表示して売るといった農家の宣伝や演出、植物工場、企業の農業進出、6次産業化などにも批判的な目を向けている。そして、日本の農業の生き残る道は技能主役型農業だとしている。 本書は、全体的に、客観的なデータの裏付けに乏しく、著者の主観的な感想をだらだらと述べているだけという印象で、説得力をあまり感じなかった。耕作技能の低下、消費者の舌の愚鈍化と言われても、「ほんまかいな」という感じである。戦前は労働の「商品化」が農業に及んでいなかったので耕作技能が高かったというような話も書いてあったが、戦前の農産物の品質なんてどうやってわかるのかという疑問があり、非常に怪しい。様々な農政改革への批判も印象論にすぎないようなことが多いと感じた。 著者の主張について検討すると、耕作技能が、農業にとって大切な要素であることは確かだと思うが、それだけでは日本の農業が産業として存続するのに不十分であると思う。どれだけ美味しい農産物でも、それを消費者に知らせる努力をしなければ、誰にも知られないまま終わっていくだけだろう。その点で、著者が批判する農家の宣伝や演出などの営業努力は、今後の日本農業にとって必要なものだと思う。 一方で、農地利用の無秩序化は確かに大きな問題だと感じた。「担い手育成事業」と銘打った公共事業が逆に農地の転用を促すことにつながるというエピソードは心胆を寒からしめるものがあった。行政がもっと農地の適正利用に向けて本気になる必要があると感じた。

    0
    投稿日: 2015.07.30
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    農業に対する著者の熱い思いがほとばしり出ている好著だ.刺激的な語句が多い.名ばかり有機栽培、慣行栽培などなど.マニュアル依存型農業の流行に歯止めをかけ、技能集約型農業を目指すことが、日本の農業の生きる道だが、そうなってきていないことを嘆きながら、様々な提案をしている強かさに感動した.実際例を各所に織り込んでいることも良い.

    1
    投稿日: 2015.04.25
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    本書では、農業技術を「技能」と「技術」に分けて論じている。 「技能」と「技術」の違いを一口で言えば、「マニュアル化できるか」ということらしい。 譬えるならば、「専門店で板前が握る寿司」と「スーパーで売っているパート労働者が作るパック寿司」の違いということである。 また本書の中では、「名人」と呼ばれるような農家が持つ技術を「技能」と呼び、過去のデータからの分析や、農学等の科学的な手法、演出や宣伝といった小手先のマーケティングを「技術」と呼び、区別している。 本書で「どちらか一方が正しくて他方が間違っているなぞという極論をしようとしているのではない」とあるとおり、本来であれば農業には「技能」と「技術」の両方が必要なのであるが、率直な感想で言うと、本書の論調は「技能」に偏りすぎている感じがした。 「技能」は確かに「マニュアル化できない」ものなのであるが、「技能」と「技術」の切り分けができていないために、マニュアル化できる技術、マニュアル化すべき技術まで、マニュアル化できない「技能」であると分類してしまっているところにも問題があるのではないか。 「技能」と「技術」の問題は、農業だけではなく、製造業など他の業界でも同様の問題が起きている。 製造業ではまさに、技術伝承の放置が問題となっている。 製造業の現場の全てがオートメーション化されているというのは誤りで、実際には、特に設計・開発の工程や、鉄鋼やゴムなど素材産業の製造現場では、技術者の暗黙知に頼りきりになっている場合が多い。 本書でいう「技能集約型農業」が必要なのは分かるが、「専門店で板前が握る寿司」が滅多に食べられないのと同じように、「技能集約型農業」により作った作物を、一般家庭で毎日食べるのは現実的ではない気がする。 それよりも、「技能」のうちマニュアル化できるものはマニュアル化して、「スーパーで売っているパック寿司」を作る「パート労働者」の「技能」を高めて、「マニュアル依存型農業」の品質を高めていくことのほうが現実的な気がする。 批判する気持ちは分からなくはないが、批判の先に何があるのか。 絶望したとして、絶望の先に何があるのか。 何もなくてもよいが、少なくとも本書は「正しい」絶望法ではないのではないだろうか。 近年の農業について、「「大東亜共栄圏」だの「神国日本」だの「神風」だの、虚偽の繁栄論がマスコミと「識者」によって流布された」というのは、確かにあったのかもしれない。 過度な期待は持つべきではないが、過度に絶望する必要もない。 ほどほどに期待して、ほどほどに絶望するのが、日本農業に対する「正しい」態度なのではないだろうか。 TPPなど外部環境の変化もあり、農業に注目が集まる今だからこそ、過度な期待も絶望せずに、ありのままの中立的な視点で農業を見るために、読んでおくべき一冊。

    0
    投稿日: 2014.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み取れたこと 日本の農業の問題点は継承者不足や食料自給率など、しばし提起される”見かけ上の”問題にあるのではない。農地転用や技能の未継承などに表れているように、農業をやる環境がどこにもないことが問題だ。 感想 実例と数字がすくないのでちょっと薄い。

    0
    投稿日: 2014.05.11
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    今まで有機栽培に対しての懐疑や、生産者の顔写真についての疑問はあったが、基本的に企業の農業参入や農作物の増産については肯定的に見ていた。 しかし、この本を読んで効率化による増産や企業の参入ではどうにもならない日本農業の問題が理解できたと思う。 それは日本中どこへ言っても変わらない、無秩序な風景と繋がっている。 自分たちの住む地域をどうしたいのか?地域の土地をどう利用するか?という将来を見据えた計画を立てることを、していない事が農地の問題でより深刻に浮き彫りにされている気がする。 私有財産としての土地と地域社会という公共の財産としての土地の概念のすり合わせを、将来を見据えてしていくことが、農業に限らずこれからの日本にとって必要なことだと考えます。

    0
    投稿日: 2014.04.27
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    企業参入が進み、有機栽培がもてはやされ、農業は成長産業と言われているが、実際には技能をもった農業者が減り、マニュアル通りにしか作れない素人農業者が増えているため、日本の農業は衰退しているという話。農業も製造業と同様分業化・機械化が進んでいること、および消費者の舌が鈍化していることがその原因とのこと。内容には極めて同意。品質で勝負できなくなると、日本産の作物は、労働力の安いアジア地域産とどう差別化するのか。日本の売りは、農業・工業ともに技能だ。それは日本人の誇りだ。それが失われつつある。日本が生きていく術について本気で考えていかなくてはいけない。

    0
    投稿日: 2014.04.08
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    絶望することで、希望が生まれると哲学者が言った。そうだ、正しい絶望こそ、希望となるのだ。 ただ、この本を読んで、絶望と言っているのは、単なるボヤキでしかない。 ファーマーコンプレックスの自虐型学者先生のぼやき。そして、たわごとのオンパレード。 これだけぼやけるのも、清々しい。 神門善久先生は言う「いまの日本の農業は、よい農産物をつくるという魂を失い,宣伝と演出で誤摩化すハリポて農業になりつつある」 ふーむ。どうも、そこから、出発しているので,神門善久先生はその視点からしか見れないようだ。 視野狭窄という世界観の中でボヤいてみせる。 「よい農産物をつくるという魂を失った」ということと、「宣伝や演出」をする農業がなぜハリポテ?次元の違うレベルのことをくっつけ、ばっさりやって、どこに今の農業の進むべきを指し示すのだろう。 神門善久先生は「名人は宣伝や演出はしないものだ」という。 あほかないな。その単純な名人論。あきれてモノが言えない。今は情報化時代。何を古臭いことを。 名人にたいする神門善久先生の憧憬みたいなものでいろどられている。 農業の牧歌的なノスタルジアでしかないところがある。名人が物語として登場するがそれが現実の農業をどう打開するのかということは、神門善久先生もよくわからないのである。 実際農業を経験せず,農業政策を研究すると言うジレンマの中で神門善久先生は いわゆる「ファーマーコンプレックス」に陥っているにすぎない。 そして,神門善久先生は、マニュアル農業もしくはチェックリスト農業といって、批判して 農業技能が低下していると断じる。農業技能をどう培うかは よくわからないので,「耕作技能の回復は不可能ではないか」耕作技能の「崩壊のメカニズムを記しておくことだ」と言ってボヤく。 あれあれ、あんたはレポーターかい。 「日本の農業は,耕作技能を失い,マニュアルに依存するばかりのへたくそ農業に席巻されつつある」というのが、この本のいいたいことだったらしい。マニュアルで農業ができたら,ハッピイだ。 それにしても農業に意見を言う『識者』に反吐を吐きながら、自分がその『識者』にはいっていないのが実に奇妙でもある。神門善久先生の自覚症状がないのは困ったもんだ。 消費者の舌が衰え、味覚が鈍感になっていることに対しては鍛えるしかないという精神論でのりきろうとする。それも、けったないな話である。 堆肥作りについて語ろうとするが堆肥が、窒素過剰であると指摘しているが『堆肥の場合は窒素分が固定されていて窒素分の供給を目的としていない』といっているが、窒素分を固定するという意味が分かんない。おい。おい。何を言いたいのだ。 『堆肥もどき』とレッテルを貼るが、それは具体的にどんなことなのだ。堆肥は C/N比というのがあるのだが,そのことも述べられていない。窒素過剰は有機栽培だから慣行法だからではなく キチンと土壌分析をして対応すれば問題がないことだが。あくまでも科学的根拠がいる。 「尿素系の肥料は化学肥料に分類されているが、内容物は有機物だ」と言っているがめちゃめちゃ面白い。有機物ってなんだかわかっているのだろうか。 どちらにしても学者先生の上から目線で自分の経験を最大限の論証とし、主観的に日本の農業に絶望する様はあわれなファーマーコンプレックスの成れの果てと言えそうだ。 勝手に、絶望=ぼやいていろ。ファーマーコンプレックスの自虐型学者先生のぼやき。

    2
    投稿日: 2014.03.01
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    技術と伝統にの間にある「技能」 過去・現在・未来において試行錯誤し、われわれの好奇心をかき立ててきたものそのものが「技能」

    0
    投稿日: 2014.01.06
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    「野良」を見つめ続けた筆者による、農政の現場に立つ人ならではの細かい観察、展望が書かれている。 筆者の今後どうあるべきかの意見には賛同できないものの、日本の農業が今後どのようにダメになっていくか読んでいて納得する。TPP後の真の競争相手はアメリカ、オーストラリアではなく東南アジアにある。

    0
    投稿日: 2013.12.31
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    タイトルや論調は少し過激だが、日本農業の特色、現在の危機的状況がある意味分かりやすく書かれていたと思う。

    0
    投稿日: 2013.12.28
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    農業が身近ではない都会の人にとって、今の農業の現状が都会の人にとって、また農家の人にとってそれぞれ如何なるものであるかを丁寧に説明している。更にその上で政治家やメディアによる偏見問題やJAの役割不足などの問題を洗い出している。 中でも一般人による現状の農業への考え方が、WWⅡにおける満州への対応と非常に似ているという論は面白かった。 個人的には読めば読むほど農業での可能性が考えられるため、日本農業への正しい絶望法と銘を打っておきながら、どんどん希望がわくという不思議な本。

    0
    投稿日: 2013.12.12
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    日本農業の崩壊の一因に「味覚の劣化」をあげている点には非常な違和感を覚えるが、基本的には著者の悲憤慷慨と対策案については賛成。 「昔の野菜は美味しかった」とか「現代人は味覚が劣化している」とかは嘘だと思う。以前の日本で美味しい野菜を食べたり味覚を追求できるような食事をしていた人はほんの一握りだし、品種改良や冷蔵配送技術の向上で平均的な水準はあがり美味しい野菜と食事を楽しめてる人の絶対数は増えていると思う。ひと昔前の群馬や長野の食事なんて塩分過剰で現代人には食べられたものでは無いという話もあるし。ずいぶん上の水準か季節限定の旬の時期の農村の話じゃないかね。 あと技能向上が農業の肝だと言われても、実際問題として対策が難しい気がする。 農家の実質所得は都市住人と比べて高いという現実認識とWTOルールに則った補助金政策の転換、情報公開を活かした農地保全の転用規制が両輪な気がします。

    0
    投稿日: 2013.12.05
  • 日本の農業の実態とは?

     識者やマスコミが描く農業とは全く違う農業の実態が暴かれます。 有機栽培や日本の農業関係の法律などが暴かれていきます。人によってはショックを受けるかもしれません。農家の人=良い人みたいなイメージがありますが、これも崩れました。農業がこのような状態であるなど考えもしませんでした。TPPだけでなく、農業に関してはやるべきことが山積みなのは、危機感を覚えます。  個人的には、非常に共感が多かったです。特に「消費者の舌の劣化」が特に共感しました。野菜の味を楽しみたいのに、ドレッシングでべちゃべちゃなサラダが出て来ると、本書のこの項目の話が思い出されます。

    3
    投稿日: 2013.11.14
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    日本の農業のこれからの姿、とは?  食料自給率の維持向上のためには国内農業の振興が不可欠。しかし、今の日本農業はプロ農家が消滅しつつあり、美味しい作物を地味を守りながら作り続けるというやり方が風前のともしびに。  逆に増加しているのはマニュアル農業で土地に負担をかけ、食味の悪い、えぐみの残る野菜しかできない。  農地規制が実質しり抜けになっていること、農家をがっちり組織し指導してきたJAの力が急激に弱くなっていることなど日本の農業の今を浮き彫りにします。  「もう日本の農業を振興するのは不可能かもしれない」、と。

    0
    投稿日: 2013.08.29
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    農業経済学者神門善久氏の2012年9月発行の新刊。 日本農業の本来の強みは、技能集約型農業にあるが、農地利用の乱れという「川上問題」、消費者の舌の愚鈍化という「川下問題」そして放射能汚染問題の三つが原因となって、農業者が耕作技能の習熟に専念できず、肝心の耕作技能は消失の危機にある、というのが本書の骨格となる主張。 学校の先生に例えながら、よい農家になるためには、長年の独自の勉強・師事・経験が必要であること、農地総体のメッセージを聞き、分析を行いながら、臨機応変に対応しながら農業生産を行っている熟練農家の存在の重要性を説く。斉藤修氏の論考に依拠しながら、「技能集約型農業」「マニュアル依存型農業」という区分を農業に適用しており、スーパーのパック寿司と板前寿司の例えを用いて、双方が補完的な役割をも果たすことに触れながらも、技能集約型農業が瀕死の危機にあることを憂えている。 「たぶん、消費者は、自分の舌で農産物の良しあしを見分けられなくなったのだろう。だから、能書きや顔写真で、自分自身を納得させようとしているのだろう。」という消費者批判には、共感と危機意識とを覚えた。 農業論議における三つの罠として、識者の罠、ノスタルジーの罠、経済学の罠を挙げているのもわかりやすかった。 「農業=成長産業論」への批判、農業版「消えた年金問題」と、既刊「さよならニッポン農業」と重複する内容があったり、また第6章など本論と若干外れる制度批判、農協の弱体化を説く章もみられ、また、結局のところ技能伝承のための方策についての論考が甘いとも感じたが。 「さよならニッポン農業」と異なり、全国の農業者と交流をもつ筆者の姿や、マスコミ・識者批判、終章のおわりにあるように「人間社会の愚かさを、自分自身の嗚咽を搾り出すようにして書いた次第だ。」と感情的な表現も多い。

    0
    投稿日: 2013.07.19
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    スーパーに並んでいる商品は、美味しいものより安いもの、売りやすいものです。いつからこんな売り場になってしまったのでしょうか?食に携わっている者は必読です。

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    投稿日: 2013.06.30
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    著者の区分に従えば、”マニュアル依存型”とは”技術集約型”であって、必ずしも”技能集約型”に対して劣るものではない。恐らく著者は企業が大規模に参入している”技術集約型”の実態を全くご存じない。知らないなら偉そうなことを言わなきゃいいのに、イメージだけで語るから説得力がない。 高品質、高価格の技能集約型農産品の生産量が低価格のマニュアル農産品より少ないのは当たり前である。カローラよりベンツの販売数が多いなんてことは普通ありえない。名人の野菜が売れないのは消費者の舌が愚鈍化したのが原因ではなく、純粋に貧しくなった日本人には高くて買えないのだ。それなのにすべての野菜をベンツにせよという。あきれてものが言えない。

    0
    投稿日: 2013.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    正しい絶望法というタイトルの通り、生産から消費まで農業に関わる人達、つまり日本人全員を徹底的に批判してます。 根拠のない批判は読み辛い点がありました。消費者が舌で野菜の良し悪しが判断できなくなった、名人農家の作物を妻が調理すると美味しい、名人農家の玉ねぎは目が痛くならないしピーマンのえぐみがないなど、序盤から読んでいてうんざりします。 農地転用の問題の解決策は地域の監視の目だそうで、生活保護不正受給を密告しろっていう馬鹿げたガイドラインと同じことにならないかと感じた。それこそ、本文中で著者自身が批判していた「ムラ意識」なのでは?

    0
    投稿日: 2013.06.04
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    耕作技能の復権を中心に説く 改革派・保護派の双方を批判 まず土地のあり方(平成検地)から見直すべき、とする 新規就農者にやせた土地を貸し出し 地力が回復したところで追い出し、親族に耕作させるとか 形だけの大規模農家を作って補助金を受け取るとか 実際の農家は安い固定資産税に持ち家で、 普通の都会人より儲かっているとか 料理のうまい奥さん話とか、昔満州今農業とかは なんかなー、という部分もあるのがご愛嬌 18 耕作技能  24 堆肥もどき、EM菌?有用性乏しい微生物 27 スーパーの大根100円、農家には30円。直売所「ごみ箱」 32 えぐみ、硝酸態、過剰な窒素が取り込む 37 担い手育成で土木工事→後に宅地転用 39 土つくり 52 転用機会!!! 65 牛に成長ホルモン、去勢ホルスタイン 71 農家収入 95 日本の農家は自然保護と両立、欧州は自然破壊的 114 書類審査 129 農家の日本人バイト、すぐ辞めるのでダメ 136 重工業、市場を求め海外へ。大量生産で安くなる 153 農商工連携、補助金の受け皿 160 名ばかり大規模農家 164 JAの政治能力喪失 170 JA、農業共同利用施設で大赤字 177 限界集落より身近な高齢者を助けるべし 183 輸出補助金付きダンピング。発展途上国の農業大打撃 191 アスパラガス、K名人 202 マスコミが新規就農者をおだててダメにする 207 平成検地 222 技能のある農業者は花作りもうまい。 川上、農業生産者の技能低下 川下、消費者の舌の衰え 植物工場、投資額に見合う収益が上げられない 電力高いから、海外でやったほうがまだいいのでは 奇跡のりんご、文字通り奇跡的。 ただし粗放農業では現代社会を支えきれない 土作りと堆肥作り

    0
    投稿日: 2013.05.02
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     「日本の農業のレベルは高くない」「有機農法だから美味しいとは限らない」「野菜工場の事業化は困難」といった農業の固定観念を覆すようなことが記されている。そして著者は「技術」ではなく、マニュアル化できない「技能」集約型の農業こそが日本を農業を救うと主張する。  若干著者の価値観が反映され過ぎているような感じはするけど、その分インパクトは大きい。僕も有機農法=美味しくて環境に良い、と考えていたけど、どうも思考がストップしていたみたいだと気付かされた。

    2
    投稿日: 2013.04.13
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    そうなんだよ、忘れていました。 本書の指摘「美味いもの生産せよ」。 小難しくない根本的議論、皆忘れてたでしょ。 「絶望」という極論を投げるが、割合真っ当な問題提起。 論理展開は無理やり持っていった感一杯ですが。 議論の進展の全くない農業諸問題に辟易するなら この本に刺激を求める価値がある。

    0
    投稿日: 2013.04.02
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    以前に、日本の農業生産高が世界でも有数で素晴らしいという論調の本を読んだことがあります。その時は日本には少数の農業従事者で、高品質な農作物を生産していて素晴らしいという思いでしたが、この本では、それとほぼ反対の意見を述べています。 この本の著者である神門氏によれば、日本の農業では、農作物を作る技能が低下していているとのことです。それには美味しいものを見分けられなくなった消費者にも責任があるとしています。 改革方法も述べていますが、一番印象に残ったのは「平成検地」の重要性でした、日本では、地租改正(明治検地)、戦後の農地改革以降は行われていないようで、農地がどのように使われているか、税金もどのようにおさめられているかが見えなくなっているようです。以前に、歴代の統治者が検地を実施する難しさがなんとなく分かってきました。 以下は気になったポイントです。 ・日本の農業保護額は4.6兆円で、日本農業の付加価値額の 3.0兆円を上回っている(p19) ・処理が不適切な糞尿が農地に不用意に投入されると土壌が窒素過多になる(p23) ・流通マージンの大半は、実はスーパーでの小売値と仕入値の差額である、100円のうち65円程度(p27) ・担い手が現れるのを警戒している農家もいる、マスコミ集めの数年間限りの農業参入は歓迎するが、担い手としてムラに定着してもらいたくないというケースもある(p51) ・自ら農業を行う場合、もっとも好まれるのは稲作、機械化が進んでいて週末労働で充分に対応可能、JAなどの作業受託サービスも行き届いている(p53) ・2004年の改定により、文字通りの減反対策は終了した、30%程度の農家は生産調整に加入していない(p61) ・世帯員一人当たり所得で、農家は勤労者世帯よりも 15%程度高い状態が1980年以降続いている(p71) ・よい先生は子供を総体で把握するが、へぼな先生はチェックリストづくりに汲々とする(p117) ・第一次世界大戦後の日本のインフレを考慮すれば、当時の日本円の価値は下がっていたので、旧平価の半分くらいで評価するのが妥当だっはず、それを旧平価で金本位制に復帰したので、大幅な円の切り上げ なった(p138) ・耕作面積といっても、作業の受託・委託をどう扱うかで変わってくる(p160) ・JAの金融企業は2008年リーマンショックで国内では最大損失を出したと言われている、組合員農家の負担を強いる形で、1.9兆円の増資をした(p163) ・正組合員数は、407万戸で、農水省の農家戸数の253万戸を大きく上回る、また準組合員戸数は408万戸もいる(p169) ・2008年以降に豊作にもかかわらず世界の飢餓人口が増えたのは、リーマンショックによる世界不況で途上国の貧困層の収入が減ったから、食糧の絶対量の問題ではなく経済力の問題(p187) ・平成検地(農民基本台帳の洗い出し)、情報公開、人から土地への大転換が必要である(p211) 2013年3月17日作成

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    投稿日: 2013.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルにそぐわぬネガティブな観点で 日本農業の現状を分析しています。 若干タイトルに反したポジティブな内容を期待したのですが。 ネガティブな内容だったので レビューもなんとなくネガティブで。 日本農業の技能を残すことが鍵だと この本では主張されていると同時に、 日本人の舌が退化しているから 高い技能により育てられた高品質の農作物が 競い負けてしまうことについて嘆かれています。 味覚オンチの自分としては 「舌の能力の回復」の方法もわからず、 食べ物の味の正当な(定量的な)順位付けができないので、 本書におけるおいしい野菜を作る人々についての説明に対して 単なる筆者の「宣伝や演出」なのか否かの 判断がつきません。 満州ブームと農業ブームの類似性についての話は なんとなく蛇足だなと思いました。

    1
    投稿日: 2013.02.14
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     農地利用の乱れ,消費者の舌の愚昧化が日本農業衰退の張本人,という著者の主張の繰り返し。  有機農法,農工商連携の取り組みなど美談とりまぜてマスコミが作った「明るい農」のイメージはハリボテにすぎない。本当に日本農業が復活するには,本来の日本の強みである耕作技能を取り戻すしかないが,もはや手遅れか…。という内容。  著者の本何冊か読んだけど,だいぶ尖鋭的な人。自分でも異端認定してるし,なんかもう投げやりな感じ。バカな消費者が踊らされてるというような物言いは,そりゃ煙たがられるし,受け入れられないわなあ。

    0
    投稿日: 2013.02.12
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    挑発的なタイトル。日本の農業は、言われているほど安全でも安心でもないし、逆に言われているほど絶望的でもない。問題は、正しくない根拠に基づく楽観論、正しくない情報に基づく悲観論、その両方だという。 農業には、他の産業と同じように、マニュアルに従って作業だけしていればよい側面(やり方)と、状況に合わせて職人芸で対応していく側面(やり方)があり、後者が致命的に損なわれつつあるという。 うむ。確かにその警鐘の鐘の音は耳に届いた。 工芸や町工場の分野で職人の技が称賛をあびることはある。 同様に、農業にも職人的な技がある、というのは言われるまで気が付かなかった。 ただし、内容というよりは口調のせいで非常に聞きにくい。 具体的に指摘できないのがもどかしいが、隣接分野で言うと、田中淳夫氏の森林に関する書籍は同じように現在の日本の林業の問題を糾弾していても読みやすかった。 農業の衰退の原因の一つを「見る目のない消費者、舌のおかしい消費者のせいだ」というような時には、話す側に「言うこと」と「聞いてもらえること」の間に横たわる大きな溝を埋める努力が必要だ。 田中氏はそれを行っているが、本書の著者神門氏はそれを行っていないように感じた。

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    投稿日: 2013.02.04
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    誰向けに書かれた本なのだろう?農業に関わっていない人にとっては中身が少し分かりにくいような気も。でも「農業は尊い!成長産業だ!」とばかり言われる中で、こういう本の存在は大切だと思う。

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    投稿日: 2013.02.01
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    技能集約型農業が日本の農業が生き残る道というのが主旨。だが、もはや手遅れで、技能がどんどん失われて行っているという。本当に美味しい農作物を作ることが出来るには、この方法しかないのだろう。ただ、消費者自身もそれを認識できる味覚を持ち合わせていない。農家、農協、行政・官僚・政治家、消費者、マスコミなど様々な問題を指摘しているが、技能集約型農業の復活は絶望的のようだ。ならば、次善の手立てを考えて行くしかないのではないか。自分の手で耕している訳ではないが、これからも考えて行きたいテーマではある。

    0
    投稿日: 2013.01.27
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    農業の肝は技能であり、その技能は失われる一方で、そしておそらく復活しないだろう、という絶望に包まれた一冊。農政や農家、農協を攻めるばかりではない。生産者の顔が印刷してあればオマエラは満足か、とばかりに、消費者が、よい技能でつくられたおいしいものを判別できないことを嘆く。僕などは、おいしくない材料をおいしく調理する技能があればよいではないか、などとひねくれてもみるのだけど。 生命を育む技能、という点で農業を見ると、いろいろゲンナリすることがあるのは事実かもしれない。 農業に限らず、技能をもったプロの仕事は届きにくいし見つけにくい。絶望も嫌いじゃないけど、それを明るく訴えるしかないんじゃないかなあ、顔写真とか以外で。

    0
    投稿日: 2013.01.24
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    「技能集約型農業」を日本の農業の生き残る道とし、「マニュアル依存型大規模農業」である企業の農業参入や逆にノスタルジーに耽る風潮、マスコミを虚妄に満ちたものと非難する。「技能集約型農業」は現実には困難、というのも同感。残念ながら。

    0
    投稿日: 2013.01.15
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    農家はお金がなく善人。 嘘であるを はっきりだしている。 数字が少ないので、 裏ずけに乏しい。 やはり、半農半会社では農業は救えないことが分かった。 どうすれば、農業を救う手助けができるのかは、個人レベルでは不明だ。

    0
    投稿日: 2013.01.05
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    いやぁ、久しぶりにガツンときた1冊でした。 (終章より)本来、「人間社会の愚かさに詠嘆する」というのは、小説とか芸術の仕事だ。小説や芸術に、万人に共通する愚かさが描かれているとき、人々は感動する。その感動のメカニズムをこの新書でやりたいというのが私の意図だ。 ・・・(途中省略)・・・自分自身の嗚咽を搾り出すようにして書いた次第だ。 マスコミが伝えないハリボテ日本農業の実態!として、知らなかったお話がいっぱいあって、読んでいる途中には、これもあれもといっぱい付箋つけたのですが・・・最後には哀しみの世界にどっぷりでした。 (2012/12/30)

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    投稿日: 2013.01.02
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    日本農業への正しい絶望法 神門善久 新潮社 日本の農業の実態に詳しい筆者が、なにかにつけて農業農業と騒がれる割には状況が進展しない理由を明らかにした本です。マスコミや識者によって日本の農業について論じられるときの虚構を指摘し、その虚構に落ち込んでしまう罠を明らかにしています。 日本農業への遺言と題された終章から、本書を特徴的に述べている部分を抜粋します。 以下、終章より抜粋。 社会が現実逃避的になって架空の議論に盛り上がるというのは、75年前にまさに日本社会が経験したことだ。 自由なはずの今日の日本においても、不愉快な正論を大衆は抹殺しようとする。マスコミと識者が事実を捻じ曲げた論陣を張ることでそういう大衆に迎合する。本書では、農業という話題を使って、75年前も今も変わらない日本社会の体質を描いた。 抜粋ここまで。 この本との出会いは、別の本を買いに本屋に行った際に、たまたま目に止まったことにはじまります。帯に養老孟司氏のコメントがついていて「ちょっとでも食や農に興味がある人は読んでおいたほうがいい」とありました。 最近、特に強い関心を持っているテーマの1つに「無関心という状態から脱する方法」があります。食や農に高い関心を持っていたわけではありませんが、こうした背景があって「興味がある人は読んでおいたほうがいい」とついているコメントの意味するところが気になり手に取りました。

    0
    投稿日: 2012.12.26
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    著者は、博士(農学)だが、経済学部の先生で、 多少過激な表現が多いが、「本当の農家」には敬意を払っている。

    0
    投稿日: 2012.12.16
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    知らない知識も多く、なるほどな。 と思う部分もあった。 多少専門的な知識もいる気がする。 「日本農業は技能集約型農業が適する。」 まさにそうだと思う。 色んなネーミングを笠に着た農業ではなく、 本当の農業を求められる社会になればいいなーと思った。 歯車がまわりはじめた。

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    投稿日: 2012.12.13
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    12.12/12〜13.1/4 技能の喪失を大きな問題と捉え土地利用に関する問題、消費者の舌が正しい評価を出来ないことについて語ってる

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    投稿日: 2012.12.13
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    そうなのかもしれないし、そうでないかもしれない。でも、農業に関してのなんだか、しっくりこない部分を明確な立場で、未来や可能性に逃げることなく論じられている印象。農業に起こっていることは「伝統的なもの」が時間の経過の中でたどる過程とよく似ている。

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    投稿日: 2012.12.02
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    日本の農業の現実について書かれている。今までおれが抱いていた日本の農業に対する思い込み、例えば日本の農作物は質がいいだとか農家は生活苦しいとか、そうゆうのが間違ってたと知りました。統計では農家の人は他の同世代より15%も収入がいいらしい。 そして現代の日本の農業の問題点と復活のための方策、例えば技能型集約農業のこととか、計画的な土地の開発とかも書かれている。 あとがきに書いてるんだけど、農業だけでなく満洲を理想郷として宣伝してたことと今の農業に対する宣伝が似ていると指摘してたり、私権の主張ばかりで参加型民主主義が根付いていないことなど、日本の問題に触れてます。 ただこの人は自分の身をめっちゃ心配してるんだけど、そんなにこの世の中って恐ろしいのかな。

    0
    投稿日: 2012.12.02
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    農業で重要なのは農作業技能の向上ではないか?農政改革の方向性はおかしくないか?と鋭い問題提起には頷かされる点が多い。しかし、あれはダメ、これもダメと言いっぱなしで、著者の主張は、結局のところ、正しいことを主張する自分が正当に評価されない残念な世の中であるということだけのようだ。自分に酔って書いたとしか思えない。

    0
    投稿日: 2012.11.24
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    この本で言っていることに全く賛同はしないが、こういう問題提起は面白いと思った。 日本農業への筆者の渾身の一撃。終章が「遺言状」という気の入り具合。最初のうちはメディアの欺瞞を暴くようで頭にガンガンきながら筆者の主張を受け容れていたのですが、引用が赤旗や毎日新聞なこともあってああそういう人なのかなと思い始めました。筆者の主張をただ鵜呑みにするのではなく、批判的に読みました。 結局はこの本も農業をしない人が語る農業だということかもしれません。

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    投稿日: 2012.11.03
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    【お勉強】 神門善久『日本農業への正しい絶望法』 読了 農業ブーム批判は当たっていると思う。企業にいた私自身の実感からも。他の指摘も間違ってはいないのだろう。 ......ただ、「絶望」するとすれば、日本農業に、ではなく、都合の悪いことには蓋をして見て見ぬ振りと思考停止をしてしまう人間の愚と不誠実さに、だと思う。 賛否両論ある本をだと思う(あらゆる書籍がそうだろうけど)。でも、農業バブルに浮かれる「識者」や訳もわからず雰囲気にのまれて「意識の高い消費者」になっている人には(自戒も込めて)、農業に対する別の一面を知るという点で、とても有益な本だと思う。 農業に希望を抱くにしろ、絶望するにしろ、「現実」を知ることは大切。 そして「現実」はのぺ~っとした単一な一面じゃぁないし、切り取った部分しか知り得ないし、語り得ないからね。 世界はデジタルではなくアナログ、一色ではなく多色。静物ではなく「動」物。 …というのが今の感想。 明日のゼミでは私には思いもよらぬ話になるだろうね、楽しみです。

    0
    投稿日: 2012.10.26
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    20121011 この本を読んで問題がわかれば良いが。一時的になにを信じれば良いか分からなくなる。答えを出すには自分で探すしか無い。

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    投稿日: 2012.10.11
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    自分自身の嗚咽を搾り出すように書いた と終章にあったように感情や事実を隠すことなく書き出した感じ(故に刺すような文体) 「大半の有機栽培」は土を殺し、かつ味を上げることはなく付加価値をつけるためだけにやっている空虚なもので、そういったことも含めた技能の低下は農作物の栄養価を下げるという記述について 前者は衝撃的、後者は「最近の野菜は野菜の味がしない」という祖母や母の勘違いと見ていたことが事実であることを裏付けた その他にもマスコミの無能(無思考で数字にしか興味がないかの如き姿勢)、農政の無能やその裏で打算的にうごめく「なんちゃって農家」、「本物の農家」を残すための素人農家(研究や新技術開発と臨床という大学と一般病院の関係)という考えなど、事実を盛り込み過ぎたりして読みにくい部分もあったが、学びもある一冊

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    投稿日: 2012.10.08
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    有機栽培はまやかし、六次産業化は幻想、「奇跡のリンゴ」は欺瞞―。農業ブームを後押しする、これらのキーワードにことごとくノーを突きつける本書。 読む前に、農業がご専門のFB友達から「そういう見方もあるのだという程度にとどめた方がいい」と助言されたこともあり、いつにもまして冷静に読みました。 ただ、世間一般に流布する農業に対するイメージとはあまりにかけ離れていて、何度もある種の興奮を覚えました。 私は農業に関する知識が圧倒的に不足しているので、ここに書かれていることの大半について当否を判断できません。 それでも、首をひねる個所もあれば、なるほどと膝を打つ場面もありました。 膝を打ったのは、たとえば「日本人の舌は愚鈍化している」「マスコミや識者が農業ブームを過剰に演出している」など。ドキリとしました。 有機栽培だから安心、生産者の顔写真が貼ってあるから安心―。本当にそうでしょうか。自分の舌に自信がないから、こういう「能書き」に従順になってしまうのではないか。そんな著者の問題提起は、まっとうなものだと素人ながら感じました。「おいしいと感じるあなたの舌はまともなの?」と言われたら、多少なりともファーストフード文化に浴している私はぐうの音も出ません。 マスコミ等の問題については、こちらは関係者なので反省もしました。たとえば新規参入者であれば手放しで称賛し、その結果、つけあがらせて、当該の新規参入者の人生そのものを狂わせてしまう愚。肝心なのは、しっかりした農業技能を育むこと、その過程であるはずなのに、しばしばそうした本質を無視ないし軽視するのは、たしかに問題だと感じました。 本書を通じて、著者が何度も強調している「日本農業の本来の強みは技能集約型農業」との主張は、私を含め多くの方の賛同を呼ぶのではないでしょうか。 それにしても「技能不足で低品質で環境にも有害な農業が増えるくらいなら、『嵩』は少ない方がまし」とか、かなり辛辣な物言いが散見され、物議を醸すことでしょう。いろんな意味で刺激的な書です。

    1
    投稿日: 2012.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    就農、有機農業、粗放農法など、おそらく都市生活者の中で農業ブームが起きている。自分自身、農業には興味があって(それはたぶんブームにまさに乗せられているのだろう)いろいろ農に関する本を読んでいるのだが、本書はその希望を粉々に打ち砕く内容でもある。日本農業の置かれた状況は予想以上に深刻であり、まさに絶望的であるという。もっとも大きな問題は農業の技能伝承者がいないこと。もうすぐ技能が消えてしまうのだ。少しでも農業に興味がある人は、マスコミが報道する成功話には表れない、ほんとうの問題がまだまだ根深くあることを知る必要がある。まさにその通りなのだが、果たしてどうしたらいいのか...。重苦しい問題提起の書である。

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    投稿日: 2012.10.01