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六人目の少女
六人目の少女
ドナート・カッリージ、清水由貴子/早川書房
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総合評価

27件)
3.7
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8
7
2
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    イタリアの作家、脚本家、映画監督ドナート・カッリージの長篇ミステリ作品『六人目の少女(原題:Il suggeritore)』を読みました。 イタリアの作家のミステリ作品を読むのは初めてですね。 -----story------------- 森のなかで見つかった六本の左腕。 それは、世間を騒がせる連続少女誘拐事件の被害者たちのものだと判明する。 しかし、誘拐された少女は五人だった。 六人目の被害者は誰なのか。 失踪人捜索のエキスパートであるミーラ・ヴァスケス捜査官は、高名な犯罪学者ゴラン・ガヴィラとともに特別捜査班に加わることになる。 だが、警察の懸命の捜査を嘲笑うかのように、犯人は少女の遺体を次々と発見させて……。 バンカレッラ賞、フランス国鉄ミステリ大賞、マッサローザ文学賞、カマイオーレ推理小説賞、ベルギー推理小説賞など数々のミステリ賞に輝いた息もつかせぬ傑作サイコサスペンス! ----------------------- 2009年(平成21年)に刊行されたドナート・カッリージのデビュー作で、ミーラ・ヴァスケス捜査官シリーズの第1作にあたる作品です、、、 小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました。 森で見つかった6本の左腕……それは連続少女誘拐事件の被害者たちのものだった、、、 しかし、判明している被害者はデビー、アケネ、サビーネ、メリッサ、カロリーネの5名……6本目の腕は誰のものなのか?  子どもの失踪捜査を専門とするミーラ・ヴァスケス捜査官は、著名な犯罪学者ゴラン・ガヴィラとともにロシュ警部をリーダとする連邦警察行動科学部の特別捜査班に加わる。 だが、懸命の捜査にもかかわらず少女たちの無残な遺体が次々と発見される――フランス国鉄ミステリ大賞、バンカレッラ賞など多数の賞に輝く傑作サイコ・サスペンス。 イタリア国内でベストセラーになった作品で、イタリア本国の文学賞に加え、フランス国鉄ミステリ大賞も受賞している作品なので期待していたのですが……具体的な地名や国名は一切登場しない無国籍という舞台設定や登場人物の言動にリアリティを感じることができず、登場人物に感情移入できなかったことから、結果的に物語の表層を追うだけに終わってしまい、入り込むことができませんでしたね、、、 序盤は、これから面白くなるんじゃないかな……と期待できるような展開だっただけに残念でしたねー イタリア語で原文を読むことができれば、違った印象なのかもしれませんけどね。

    0
    投稿日: 2024.10.14
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    外国の作品もたまには読んでみようと思い、手に取ったのがこの本でした。 結構リアルな描写も多く、楽しく読めました。 ですが、最後の方は話がごちゃごちゃしていて何を言いたいのか理解できませんでした。

    0
    投稿日: 2024.04.08
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    森の中に埋められていた6人の少女の左腕。捜査が始まる中、遺体が次々に発見される。しかもそれは犯人からの何らかの信号ともいうべき指令があった。捜査をするのは、連邦警察行動科学部の部長、メンバー3人に、犯罪学者ゴラン、子供の失踪を専門とするミーラ。主人公はミーラなのだが、これが何やら過去にあった様子。自分の腿を傷つけて意気高揚をするのだ。その理由は最後の方で語られるが、この捜査とも無縁ではない。 残虐な死体、性格破綻な犯人像、そして犯人周縁の人たちもまた破綻している。残虐な描写は読むのに堪えないが、少し過ぎたあたりからどんどん筋に引き込まれる。ちょっと犯人関係者が多くて焦点が拡散している気も。 どこの町と特定しない書き方。 ミーラがかつて受けていた精神分析医の言葉 ミーラが他人に共感できないことに対して、 「心の痛みなど存在しない。ほかのあらゆる感情とおなじように。すべては化学の問題だ。愛というのは、ただのエンドルフィンにすぎない。全身麻酔を注射すれば、どんな感情的な要求も取り除くことができる。われわれは所詮動く肉体にすぎない」・・この言葉を聞いてミーラは心が軽くなった。 2009イタリア 2013.1.15発行 図書館

    6
    投稿日: 2023.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    霊媒師は要らなかったのでは。。 それがなくても盛り込みすぎ。 面白い展開もあって読めたけど最後はなんだかな。

    0
    投稿日: 2021.01.23
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    序盤〜中盤は、面白くて続きが気になって仕方なかった。 終盤〜ラストは…。勿体ないよ。 捜査チーム、好きになれないキャラが多すぎる。 主人公が一番よくわからない。

    0
    投稿日: 2019.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    出だしの設定から引きこまれたが、 後半は三文ミステリーとなってしまった。 途中から捜査班に犯人や犯罪関係者が居るのがみえみえだ。 読後感も悪い。

    0
    投稿日: 2015.07.17
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    久々に読み切った! 最近、なんだか入り込めず挫折する本が多かったけど、 この作品は一気にいけた。 でも、なんだか、最後がもやもやもや・・・・ 話がてんこ盛り過ぎて、消化し切れない、もったいない。

    0
    投稿日: 2014.11.21
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    これは凄い!! 「羊たちの沈黙」なんか比じゃない なのに、こんな装丁って・・・ ハードカバーであるべきです

    0
    投稿日: 2014.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    始まりはミステリーだったはずが、進むにつれてホラーに。 左腕が発見されたにもかかわらずその少女が生きているとか、 その親が警察内部の者で仲間の刑事を陥れることを強要されるとか、 少女のモノローグが主人公の過去だったとか、 独り言の録音を聞かせて殺人を暗示し実行させるとか、 いない子供を見た気にさせられたとか、 ミステリー要素はとても面白いのに、 霊能者の登場を差っ引いても、ホラー。 どうしても、ホラー。 最後のどんでん返しが強烈に怖いからかも。

    0
    投稿日: 2014.07.16
  • 失くした腕の痛み

    映画「羊たちの沈黙」の場面を彷彿とさせます。特に、主人公の女捜査官が、たった一人で、暗闇が蔓延る現場の建物の中に踏み込んで行くところなど…。この手のミステリーのご多分にもれず、登場人物たちは、それぞれトラウマを抱え、払拭できない懊悩と自省に駆られている様です。読後は、余りすっきりせず、もやもやしたものが残りますが、読み応えは十分にあります。ただ、切断された六人の少女の左腕という、余りにも阿鼻叫喚な事件の割には、解決までの行程が、期待外れだったように思います。

    1
    投稿日: 2014.07.08
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    FBI捜査官とレクター博士との緊張感溢れるやりとりが「羊たちの沈黙」の魅力だとすれば、本書は連続殺人犯の異常さと事件に対峙する犯罪捜査班内のインサイダー同志の葛藤が重層的に拡がりサスペンス感を絶やさない。二転三転する展開に戸惑いさえ覚えるが、進化したサイコスリラーを堪能できる。

    0
    投稿日: 2014.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    途中までは羊たちの沈黙ばりにおもしろかったけど 刑事達の実生活や過去にいろいろありすぎ,それが実際の事件と絡み合って複雑に。

    0
    投稿日: 2014.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とにかく濃厚な文章、スピーディな場面転換、さらには多彩な視点でぎっしりと物語が描きこまれている。ショッキングな冒頭から、シリアルキラーと戦う特捜班の知恵比べが始まる、薄皮を剥ぐように次々に意表を突く展開が待ち受けながら、少しずつ話が収束していく様は見事としか言いようがない。練られたプロットには驚くし、伏線が至る所に張り巡らされている。 生き残った少女がヒロインであり、彼女に捧げる犯罪?というのオチがスゴイ。結局犯人は捕まっていないわけだからこれは続編が望まれる。 それにしても、6本の腕、5人の行方不明の少女、謎の囚人、自傷癖の女刑事、息子を抱えた心理学者、パレイドリア(幻視)能力を持つ修道僧、催眠術による証拠探し、豪邸に閉じこもった富豪・・・さまざまなガジェットが少しずつ絡まって一つの物語を形作るさまは圧巻で、ハンニバル・レクターのような犯人像も鮮やか。ただ、なぜ心理学者が奥さん?子供?(そもそも誰を殺した?)を殺したのか、そしてどうやって操ったのか辺りは不明なのが残念。早くこの作家の次回作を読みたい。しかしこれは映画化間違いなし。

    0
    投稿日: 2014.05.01
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    シリアルキラー物。とんでもない本だ。 次々にアイデアが繰り出され、読み手を離さない。 ただやりすぎて現実離れしてしまったかな。 読んでいる途中で、ある真相が予想されてずばり的中する。そのうえで作者はそれを軽々とクリアするツイストを見せる。 もしかしたら真相がばれるのを前提にストーリーを構築したんじゃないかと思ってしまう。それほどの出来だ。 ネタバレでもなんでもないから書くが、作中で紹介される足首切り落としの話や日本人名のシリアルキラーの話から、作者は日本に関心を持っているんじゃないかと、かってに思っている。

    0
    投稿日: 2014.01.17
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    イタリアのミステリ、大学で法学を先行した気鋭の新人作家の力作。イタリア版「羊たちの沈黙」と評されるが、主人公が女性というところは同じでも、ストーリィはオリジナリティが強く、引き込まれる。精神異常者による連続殺人の心理を展開するのに目が行き過ぎて、物語の整合性の方は時々踏み外してしまって、うまく繋がっていないような気がする。

    0
    投稿日: 2013.12.14
  • ひたすら残忍で、沈黙させるほど不条理な物語

    はじめから著者は、リアリティなぞ目指してなどいない。 特定の地名はいっさい出てこないし、捜査陣は犯罪学者をリーダーに瞑想室でミーティング。 他者に共感できない主人公は、悲しみを分かち合うため自傷を繰り返し、瀕死の犯罪者からは霊能力者の手助けを借りて自供を得る。 その犯行が可能かどうか、犯罪の動機が理解可能かどうかではなく、悪の根源、もしくは我々の身近に存在している黒い穴が作品のテーマだろう。 平凡な人間であっても断ち切りがたい闇への誘惑。 ひたすら残忍で、沈黙させるほど不条理な物語だが、読み終えても考えさせられる。

    1
    投稿日: 2013.12.12
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    いやー、面白かった。 グイグイ引き込まれた。 ちょっとてんこ盛りすぎる気もするし、ひとつ二つ欠点というか、ソレにしちゃったのはもったいないという点もあったけど、夢中にさせてくれたので、とりあえずOKです。 あまり良くない頭でついていくのは大変でしたけど^^;

    0
    投稿日: 2013.11.27
  • B級作品

    サイコホラーかと思って読んだら、結構すごいB級作品だった。 しかも、狙ったB級ではなく、いたって真面目に書いたらB級になってしまった類の作品と思われる。 なんだか、不穏ですっきりしないラストも好みに合っていて、自分としては好みの作品だったが、 きっと合わない人は合わないと思う。特に霊媒師が出てきて結構重要な役割を割り振られているところとか。

    0
    投稿日: 2013.10.01
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     不思議なことに、国籍のない作品である。イタリア発の作品ではあるけれども、物語の舞台はどことも取れない。作者はいつの時代でもどこの国でも通用する時代や場所にとらわれない物語を書きたかったらしいのだ。いわば人類共通の物語というものを。  そうした思いを抱く作者にとっては幸いなことに、この作品は世界23ヶ国で翻訳出版され、バンカレッラ賞、フランス国鉄ミステリ大賞、マッサローザ文学賞、カマイオーレ推理小説賞、ベルギー推理小説賞、地中海推理小説およびノワール小説フェスティバル大賞などいくつもの多国籍に渡る賞を受賞している。イタリア版『羊たちの沈黙』とさえ語られ、ヨーロッパ各国でビッグヒットを飛ばし、ロシア、ブラジル、ヴェトナム、イスラエルでも出版された(日本はなんとこの動きにたっぷり遅れをとっているわけだ、なんという文学的更新国家なんだろう)大物小説である。  ある森の中で6組の少女の腕が発見されたことから、連続殺人の存在が明らかになり、物語は幕を開ける。捜査陣の代表は、失踪人搜索のエキスパートであるミーラ・ヴァスケスという過去のある美人刑事である。警察組織外から犯罪学者であるゴラン・ガヴィラという個性的な専門家が呼ばれる。ステルン、クラウス・ボリス、サラ・ローザと、一癖も二癖もある捜査官たちがチームを成す。  事件は一人一人被害者が明らかになってゆくが、六本目の腕の持ち主が判明しない。まだ生きているかもしれない被害者を探す時間的制約のある捜索の中で、いくつもの真相にたどり着くのだが、そこには別の犯罪者ばかりが残され、真の犯人は見えてこない。一つ一つの被害者を探すことで、次々と、意外な犯罪者の存在が浮き彫りになるという複雑な構造の中で、真犯人は警察を引きずり回してゆく。  どこを切っても面白さの切り口しか見えてこない、弛緩のないジェットコースター小説であり、それとともに謎解きの面白さ、人間同士のぶつかり合い、騙し合いなどが豊穣な物語の厚みを読者にもたらす。また、ヒロインであるミーラの過去の深みが印象的であり、この小説の極めつけの武器ともなっている。  刑務所内の報告書や、拉致被害者と思われる少女の独白などが、ストーリーの合間に挟まるが、それがどうメイン・ストーリーに絡み合ってゆくのかなかなか見えにくいままで思わせぶりに進んでゆくのだが、いずれももちろん周到な伏線である。ここまでツイストにツイストを重ねた物語はなかなか知らない。ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライム・シリーズに似た展開の面白さとスリル、『羊たちの沈黙』のサイコな展開、時効との戦いなどなど、およそミステリの持つ娯楽要素を満遍なく詰め込んだ圧巻の傑作小説である。

    0
    投稿日: 2013.09.26
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    原題は”ささやく者”、意味するところは”暗示者” イタリア版『羊たちの沈黙』と称されるだけの事はある。 物語は森の中で六人の少女の腕が発見されるところから始まる。犯罪学者ゴランと行方不明者捜索のスペシャリスト、ミーラが主役となって物語は展開していく。 次々に発見される少女の遺体、まるで「セブン」の様に猟奇的な展開、やがて発見場所に意味が有ることが判明、背景に全く別の殺人事件が有ることが捜査の過程で浮かび上がってくる。 3人目くらいまでは絶好調、この勢いが最後まで続けば凄い作品なんだがと思ったが、やっぱり少し多すぎた、4人くらいのほうが緊張感が持続したんじゃないかな。 捜査チーム内の葛藤が描かれ、ゴランとミーラの生い立ちも二人が親しんでいく中で徐々に明らかになっていくが、実は二人の生い立ちも事件に絡んでいる。凄い複雑なプロット、やや盛り込みすぎな感もあるが、伏線大好きな人には堪りません、最後まで息もつかせぬ面白さでした。 4人目以降が若干だれるが、それを除けば満点の出来。ラストの「そうじゃなくて・・・・・、フランキーって呼んでた」にはもう吃驚! 今年の「このミス海外部門」には必ず上位に入るでしょう!

    0
    投稿日: 2013.07.20
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    6人の少女の連続失踪事件。つまり細かく見れば6件の事件が起きているということで、その顛末がひとつずつ明らかになってゆく。 少しずつ事件が解明される過程には引き込まれるが、終盤に一気に謎が明らかになるタイプの物語ではないので爽快感はそれほどでもない。 作者は事件の舞台を「どこでもないところ」として書いたらしいが、 作中の食事の描写や警察がすぐ容疑者を射殺しようとするところなどは イタリア的だな~と思いながら読んだ。

    0
    投稿日: 2013.07.12
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    暗い!とにかく暗い。救われない…でも面白い。登場人物それぞれの個性もしっかり描きつつ、話が進んでいく過程は見事。肉太なミステリーだけど、読み終わった感想に爽快感はなく…ぜひ、映画化して欲しい。監督はフィンチャーで。

    0
    投稿日: 2013.05.19
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    本文512ページ。 なのにこの膨大な量を読み終わった心地よい疲れは何? 一冊の本の中に詰め込まれている驚きと深さと痛さ。 『登場人物』として挙げられているだけの人数ではなくしかも、誰も彼も 内に抱えているモノの鋭さが一行なんかではない。 ストーリーは一言で言うと5人の誘拐被害者の少女、 次々発見される痛ましい遺体。 発見されたのは6本の左腕。6人目の生死はいかに? 捜査官たちのプライベートな悩みもすべて呑み込んでゆく事件の深さ。 読み終わったときには背筋がゾワゾワしました。 また凄い本に出会ってしまった。

    3
    投稿日: 2013.05.11
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    イタリアのサイコミステリー。誘拐した少女たちの片腕を残すという方法も残忍な上に、さらに容赦なく残忍な方法で刑事たちを翻弄していく。  じわりじわりと犯人を追い詰めるミステリーかと思ったら。後半から、サイコ調に。ラストはほんとに怖かった。

    0
    投稿日: 2013.05.01
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    翻訳ミステリー大賞シンジケートの紹介記事( http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20130312/1363083813 )を読んで購入。 内容については何を言ってもネタバレになりそうだw 面白かった。

    0
    投稿日: 2013.03.20
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    とある森の中で、六本の切断された左腕が発見される。 行方不明人捜索のエキスパートであるミーラ・ヴァスケス捜査官は、犯罪学者ゴラン・ガヴィラがまとめる特別捜査班に加わり捜査にあたることになる。 腕の主は五人まで判明している。未だ明らかになっていない六人目の腕の主の捜索のために、ミーラが呼ばれたのだ。 高い知能で捜査班を翻弄する連続殺人犯“アルベルト”、忌まわしい過去と無共感性に悩むミーラ、深淵の縁に踏み止まりつつも妻を失った傷に苦しむゴラン。複雑怪奇な事件の展開に、個性的な登場人物の動きが絡んで物語は二転三転する。 海外ドラマ『クリミナル・マインド』のファンとしては非常に好きなジャンルであり、途中まで楽しく読者していた。 だが360ページでいきなり登場する人物の設定や、ミーラとゴランの突然の進展に驚かされた。遺体が発見されるにあたり関係する殺人犯の人生や動機も濃くて、目まぐるしいことこの上ない。結局よくわからない部分もあったりした(笑)。 だがこのつめこみぶりが、いかにもデビュー作という感じでもある。 オチは好みだが、主人公サイドが常に後手に回っているのが、読んでいる途中はもどかしかった。 捜査のエキスパート、と銘打たれているのに優秀さが伝わってきづらかった。……経験があるってだけで別に優秀設定ではなかったのかな?

    0
    投稿日: 2013.03.08
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    本書は著者のデビュー作。 訳者による後書きによれば、イタリアの書店が世界中の文学作品の中から選んだ作品に与える「バンカレッラ賞」を皮切りにフランス国鉄ミステリ大賞(ヨーロッパ部門)等、様々な賞を受賞した疾走感溢れるミステリーです。 あらすじは凄惨なもので、5人の少女が誘拐され、肩から切断された彼女達の左腕が発見された事件の捜査を行う特別捜査班と彼らに助力するために派遣された女性警官の姿が描かれています。 また、6人目の少女の左腕が発見され、しかも彼女に生存の可能性があることが判明したことにより、ただの犯罪捜査と言うだけでなく、救出作戦的な側面も描かれていました。 冒頭の「犯人が見つかったか?と思うと実は・・・」から始まるストーリーは先が見えず、上記の通り激しい展開が待ち受けています。 また、読んでいて当初、この小説はヨーロッパのどこかの国を舞台にしているのかと感じていたのが、途中でひょっとしてアメリカが舞台なのか?と言う印象も抱くようになり、この印象の変化に気付いて以降、この小説は一体どこが舞台なのかと言うことに気を付けて読んでみた所、どこにもそれを特定する記述がないことに気がつきました。 この時点で、もしかしてこれは著者が意図的に行ったものではないかと勘ぐったのですが、この”所在不明”により(元々小説は作り物ではありますが)まるでどこにも存在しない架空の国、社会を舞台にストーリーが進んでいくと言う不思議な感覚(”架空感”とでも言うべきでしょうか?)に包まれました。 上で触れた訳者の後書きによれば、これは著者の「場所を特定しないことにより、事件がどこか遠い国で起きたことではなく、自分の身近でも起こりうる事だと感じさせ、その事によって”悪”に臨場感を持たせる」と言う狙いに基づくものだとか。 登場人物達の名前が明らかに外国人のものだったので、著者の狙いは、少なくとも私に対しては外れたのですが、代わりに上記の通り架空感を味わうと言う、不思議な読書体験が出来ました。 本文中、GPS受信機の用語の使い方が気になった箇所があった事や、霊能力者が出てきた箇所が画竜点晴を欠いている感があり、その点が若干残念ではありましたが、読み出したらグイグイと一気読みしそうになる小説でした。 捜査官たちは真犯人に迫れるのか、あるいは・・・・ 最後までいつ起こるとも知れぬどんでん返しにハラハラしながら読了。 緊張感のあるサスペンスを読みたい方などにおすすめです。

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    投稿日: 2013.02.21