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黒田夏子/文藝春秋
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総合評価

125件)
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    芥川賞受賞の表題作は、新しい「かな文学」と言えなくもない。ちょっと古文を読んでいるときのような頭の使い方をする感じがあるので。内容はいかにも芥川賞という感じ。別に悪いことではないけれど。 併せて収録されている26歳の時のデビュー作もなかなかよい。「タミエの花」は、「abさんご」の文体を解説しているような作品に思えた。「虹」は少しやりすぎな気がする。 新旧どちらの作品にも、なんだかオンナの凄みを感じる

    1
    投稿日: 2013.02.22
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    改めて文学性とはなにかということについて考えさせれた作品であった。いい得がたい何かを「言語」というツールで断片的であっても表現しようとするものが文学であるのならば、本作品は成功しているものと考えられる。しかし、この作品から私が何を得られたかは論じることはできない。しかし、そもそも文学から何かを得なければいけないと考えることはそれに対する傲慢かつ冒涜的ば態度であるのかもしれない。 対比的とも言えるように本冊に併載されている「タミエ」3編は、絵画でいうなれば、文学の正統とも考えられる作品である。あえてこの作品群をのせたのか、それとも著者の半世紀という年月の経過を物語性を持たせてエンターテイメント化した出版社の意図であるのかは判じられない。 いずれにせよ、複雑な心が読後に広がってしまった。

    1
    投稿日: 2013.02.21
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    これがまさに「文芸」というものなのだろうと思った。 読んでいて誰かの夢の中をみているような感じ。 それがきっと記憶の中を泳いでいる感じなんだと思う。 ひとの記憶のでき方は、 具象からひとが感じた時点で抽象化していき、 それがどこかにとどまることで記憶となるが、 それを取り出す際にそのときのバイアスによってもさらなる抽象化が起こり、 そして記憶として残っていくことを繰り返しているように思う。 おとなになってから幼いころの記憶に身を投じていく中で、 この作品ではあるものの名称を用いずにいちいち抽象的な表現に抽象を重ねて表現していて、さらにひらがなという音のみの情報にすることで「ぼかし」続けているのだと思った。 とにかく読みにくく感じるが、それ故に読み耽ることになる。 おもしろいけど、疲れたというのが正直な感想。

    2
    投稿日: 2013.02.21
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    75歳で芥川賞を受賞された黒田夏子さんの作品。 書店でパラパラとめくって、横書きの受賞作と縦書きの26歳時に執筆した処女作で両表紙になっている構成と、ひらがなが多い不思議な文体、記号的な小項目やタイトルに惹かれて購入しました。 が、いざ読み始めてみると、いくら読んでもいくら読んでもその文章が何を意味しているのか全く頭に入って来ず、ただただ文字を追ってページをめくり続ける・・・という状況になってしまいました。 受賞作を途中であきらめて処女作も読み始めてみたのですが、こちらもそれほど面白いと感じられず、無理矢理読んでも仕方ないかなあと読むのをやめてしまいました。 「面白くない」というより、「わからない」という評価が正直なところなので、どなたかこの作品を解説してくださる方がいればぜひお願いしたいです。

    0
    投稿日: 2013.02.18
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    文章がほぼひらがななのでせっかちな私には辛い小説でした。 読んでる瞬間から内容がこぼれ落ち結局自分が何を読んだのかすら分からずじまい。 時間をかけじっくりと向き合うと素晴らしい小説なのかもしれませんがそこまで私は出来ませんでした……

    0
    投稿日: 2013.02.18
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    とても不思議な作品。 登場人物の名前がなく、ひどく曖昧な世界。 特に読み始めの部分がものと人すらの境界や輪郭が曖昧で、きっと幼児から見た世界を表現してるんだろうなと思いました。 読みにくく感じたが、するすると引き込まれる、不思議でした。 「毬」「タミエの花」「虹」は、卑屈で嘘つきな女の子が主役の三編。タミエの感じる劣等感に共感できるが、最後は衝撃でした。どんな大人に成長するのだろう?

    0
    投稿日: 2013.02.17
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    芥川賞受賞作品ということで購入して読みました。 横書き・ひらがなを多用等で、読みづらい 分かりにくい。さっぱり内容がわからないという かなり難解で難易度が高い作品です。 私には芥川賞作品のよさはわかりませんでした。

    0
    投稿日: 2013.02.17
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    ひらがなの多い文章を頭の中でかんじに変換しながら読む、何時ものペースより遅くストーリーが頭に残っていかない。リズム感がある文章だが、リズムに乗れない。何度か読み込む必要があるのかもしれない。ワープロで漢字に変換する作業をしてみみたい。意味が狭まってしまうかもしれない。

    1
    投稿日: 2013.02.16
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    テレビで受賞インタビューをみて とても知的でおかっぱも素敵! と思ったので図書館で借りてみました。 ところが。。。 ひらがなの多用が、とても読みにくいのです。 私の読解力と根気がないのでしょう! 黒田夏子さんの世界観っていうのが とっても不思議なものだというのはわかりました。 高年齢で小説を書いてらっしゃることをとても尊敬いたします。

    0
    投稿日: 2013.02.15
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    横書きの古典。読みにくいし、主格がいまいちはっきりとしない。試験などで取り上げられたら最悪な作品だと思った。短篇はきれい。

    0
    投稿日: 2013.02.15
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    めんどくさい心理描写が、一文よんだら一回帰って一文読んでやっと共感できる みたいにめんどくさいのだけど、状況は美しい切り絵のようなシーンばかり。好み分かれるかもやけど、私は好きな部類。

    0
    投稿日: 2013.02.13
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    ひらがなに慣れない。数行読んで、え⁈って読み返す。でも、すごくきれいな文章。なんともいえないセカイ。

    0
    投稿日: 2013.02.13
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    坂東市の図書館【蔵書紹介】第24回早稲田文学新人賞、第148回芥川賞受賞作品。この小説は横書で、固有名詞を一切使っていないので不思議な感触をもちます。一度は読んでみると話題にもなると思います。

    0
    投稿日: 2013.02.13
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    「abさんご」 語り部は「受像者」であり 送信者は、過去の瞬間瞬間に存在する無数の自分たち ようするにこれは「追憶」がたりである みんなひっくるめて自分であるから 一人称小説なのに「私」が存在しないという 奇妙なことになっている しかもこの受像マシンは歳のせいかぽんこつで(すいません…) そのくせ送信者とシンクロしてしまう癖があるらしく どうにもこうにもノイズだらけで 鮮明度も脈絡も情報の信頼性もまるで人にはオススメできないレベルだ だけどそのぶんアンティークな風格を持っているとも言える ある種のフェティシストにはおおいにそそられるところがあるやもしれん 「毬」「タミエの花」「虹」 不良幼女タミエの素行記録である おもしろい しかし内容が過激?であるぶんだけ、フェイク臭も出てしまっている

    0
    投稿日: 2013.02.11
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    ふんわり丸いサテン地の球の端をひっぱるとするするとほどけて1本のリボンに形を変えるような文章だ。 美しく心地よい。 初期作品のうち「タミエの花」に心惹かれた。

    1
    投稿日: 2013.02.09
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    黒田夏子 文藝春秋 (2013/1/20) まず、横書きなのにびっくり ワクワク読んだ すぐさま猛烈な睡魔が襲ってきた ちょっとありえないくらい やわらかいことばのうみでゆられているような 古文の原文を読んでいるような abはなんとか分かったけれど 「さんご」は? 音読したらものすごく美しい 「彼女は詩人だね」っていう人がいる まさにそうだね 淡々と固有名詞なしに語られる人生 行きつ戻りつ これはもう一度読むしかないな ≪ 家と親 昭和の記憶 あふれでて ≫

    1
    投稿日: 2013.02.08
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    <P48> 満月たち あるままをさらし、たちまちうばわれた、うかつな無防備と反射的なおもいきり、なりゆきのひきうけ、あるものでしのごうとするいさぎよさあるいはおろかさを、おろかさとわかりながらいつまでもきらいにはなれない者が、おなじおろかさをくりかえしつづけたまま死んだ一代まえの者にたむける,共感と苦笑の供花のようであった わからない。僕の言語感覚がまだまだうぶである事を思い知った。うちのめされた。 「横書き」と多用される「ひらがな」によって、刺さる表現を使わなくても感覚が鋭敏になるのがわかる。 ただ、一方で難解で散文的な内容は文学が過去に通った道であるように思うのです。芥川賞を定点観測として眺めている僕としては、文学の現在位置がこれであるとは思えないのです。この作品は、新しくて古い。 次が読みたい作家です。

    0
    投稿日: 2013.02.06
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    父と子との記憶をめぐる、冷たく、鋭く、やわらかい空気につつまれた物語。たぶん。 なぜ「たぶん」かというと、ご存知の通り、すっげーーー読みにくいから。ストーリーを万全に把握できたかどうか自信がないのです(笑)。横書き、特徴的なひらがな使い、オリジナルな呼称(固有名詞を使わないんでしたっけ)、そして独特の言い回し。第一章のあたりでは何も頭に入ってこなくてどうしようかと思った。しかし大丈夫、不思議と慣れる。そして、気づいたら黒田ワールドに魅入られている。 受験勉強で大量に解いた古文の問題に似ていると思った。いっぺん目を通すだけでは、するりとは理解できない。でも文章の間にただよう香りは非常に素晴らしくて、よく分からないながらもウットリする。そうして読み慣れていくうちに、大量のひらがなと少しの漢字が織りなすリズムや、筆者の視点を含ませた言葉づかいが面白くなるのだ。 たとえば<しるべ>の章。妻or母を亡くした父と子。時がたち、用いていた提灯がボロくなってきたのにつられて、毎年のお盆もいつしか止めてしまうというくだり。 「死者があってから十ばかりの夏がめぐったころ,物も疲れ人も疲れた.死者の配偶者と死者の子とは成熟の出ぐちと入りぐちとへそれぞれにいっそう近づきいっそう押しつめられてあわただしいあけくれになっていた.」 どうですか、この描写。すごくないですか。うまくいえないけど。 ストーリーはさほど目新しいものではない。いや結構衝撃なんだけど(あんな乗っ取りアリなのか?)、あまりに語り手が淡々としているので「あ、ああ…」って感じでこちらも受け入れてしまう。その諦念に近いクールさこそ、描かれた父と子の真髄である気もする。 正直に言うと、半分くらいまでは「これ、縦書きで普通に書いてくれないかな…そしたら結構好きだと思うんだけど…」と思ってた。しかし読み終わるころには、ぼうっとして気持ちのよい世界にいて、終わっちゃうのが寂しくなった。まあ、300枚読まされたらかなり苦痛だとは思うけど(笑)。読み返すたびに、新しいものが感じられる気がして、まだまだ楽しみ。

    0
    投稿日: 2013.02.04
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    この度(2012年)史上最高齢・75歳で芥川賞を受賞した黒田夏子のデビュー作。 この本には二つの作品からなっている。 50年前に書かれた「タミエ」の3部作(「毬」「タミエの花」「虹」)と、今回の「abさんご」。 本の後ろから(左開きで)読むのが全文横書きの「abさんご」で、縦書きの「毬」「タミエの花」「虹」は前の方から(右開きで)読む。 「abさんご」から読んだのだけど・・・、ブハァ〜と疲れた。夢野久作の「ドグラ・マグラ」を読んだ時くらい疲れた(まったくタイプの違う小説だけど)。 横書きで一文が異様に長く、固有名詞、括弧、カタカナが無いという文章。 時間と空間もハッキリとしないから、読むごとに今まで読んでいた文章が消えていくような感じ。抽象的にしかストーリィが伝わって来ない。いや、ストーリィってどうでもいいのかな。 「タミエ」の3部作は、少女タミエの精神的孤独を紡ぐような物語。 「虹」での衝撃の展開がに心が沈んだ。とともに、今までの「毬」「タミエの花」にあるタミエの性格が一気に説明されるようなエピソードであることに気がつき、さらに気が沈んだ。 「あとがき」は存在しないのだが、2作の(50年間の)間に「なかがき」として著者のことばが載せられている。 ・・・どこをとっても特殊な作品だ。 ---------------- 内容(amazonより) 史上最高齢・75歳で芥川賞を受賞した「新人女性作家」のデビュー作。蓮實重彦・東大元総長の絶賛を浴び、「早稲田文学新人賞」を受賞した表題作「abさんご」。全文横書き、かつ固有名詞を一切使わないという日本語の限界に挑んだ超実験小説ながら、その文章には、「昭和」の知的な家庭に生まれたひとりの幼な子が成長し、両親を見送るまでの美しくしなやかな物語が隠されています。ひらがなのやまと言葉を多用した文体には、著者の重ねてきた年輪と、深い国文学への造詣が詰まっています。 著者は、昭和34年に早稲田大学教育学部を卒業後、教員・校正者などとして働きながら、半世紀以上ひたむきに「文学」と向き合ってきました。昭和38年には丹羽文雄が選考委員を務める「読売短編小説賞」に入選します。本書には丹羽から「この作者には素質があるようだ」との選評を引き出した幻のデビュー作ほか2編も併録します。 しかもその部分は縦書きなので、前からも後ろからも読める「誰も見たことがない」装丁でお送りします。 はたして、著者の「50年かけた小説修行」とはどのようなものだったのでしょうか。その答えは、本書を読んだ読者にしかわかりません。文学の限りない可能性を示す、若々しく成熟した作品をお楽しみください。 ----------------

    0
    投稿日: 2013.02.01
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    じわりじわりと描かれ出されてゆく蜜月の崩壊に、まるでこの文体に酔っ払ってしまったような感覚で読了でした。 稚拙な印象にしたい為の平仮名多用ではなく、あわあわとした記憶のなかの風景を書き出す為の平仮名多用なのかなと。大変好み。 併録のデビュー作の終わり方がまた良かった。確かな下地を感じました。

    0
    投稿日: 2013.01.31
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     横書きで、平仮名ばかり、長過ぎる一文。まずはその実験的に見える文章に面食らう。読みにくく、なかなか意味が浮かんでこない。  しかし、不意にリズムに同調するや、語と情景が美しく浮き上がる。生から死を淡々と綴る75歳の「うたごころ」、身をよじるような感覚と霊妙さにじわじわ締め付けられるような感じで。  「家事がかり」「金銭配分人」など、ヒトを表す語が発する拒絶感もまたじわじわと冷え冷え。

    0
    投稿日: 2013.01.29
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    自分の読書力で挑むには攻略の難しい一冊だった。 ストーリーはシンプルだが、その世界観を描くには、丁寧に少しずつ読んではまた戻ってを繰り返す必要があった。 この集中力を要する作業は悪くなかった。 これほど言葉と向き合ったことは無かった。 全篇が横書きではなく、最後のページから読んでいく縦書きの篇と、その間に『まえがき』、『あとがき』ならぬ『なかがき』がある作り。 寝かせて、将来また読んでみたい。 それも踏まえて、☆評価は付けないでおこう。

    0
    投稿日: 2013.01.29
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    著者の黒田夏子さんは、1937年生まれです。25歳の時、「毬」で第63回読売短編小説賞を受賞し、75歳で『abさんご』により、第24回早稲田文学新人賞、第148回芥川賞のダブル受賞を果たしました。 さて、『abさんご』ですけれど、本の扉には、「記憶の断片で織りなされた、夢のように美しい世界」とあります。 蚊は「かゆみをもたらす小虫」、点滴は「血管にしずくをしたたらせつづける装置」等、ほとんどがこのような具合で表現され、ひらがなを多用し、固有名詞が徹底的に排除されている、実験的な作品です。 芸術性、純度の高い作品だと思います。これぞ純文学って感じ。25歳から75歳まで、本人の「なかがき」によりますと‘半世紀,ということになりますけれど、書ける環境になかったのか、それだけの歳月を経なければ書き得なかった作品なのか、執念を感じる冬でした。

    0
    投稿日: 2013.01.28
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    「abさんご」は、早稲田文学掲載のをちらりとみて、とっつきづらそうだと思ったのだけれど、これは期待よりずっと面白い小説だった。言葉、というより、文章ってこんな風に柔らかくて面白いものなんだと大きな刺激を受けた。確かにやや、読みづらさはあるかもしれないが、その読みざわりがかえってこの小説に素晴らしい効果を与えていると思う。 「毬」「タミエの花」「虹」のタミエ三編も、かなり面白いものだった。作者の根幹にある何かが透けて見えそうな。妙、としか言いようがないのが「タミエの花」の胸苦しさだろうか。あるいは、「虹」のハッとする心地。なかがきは、まるで、舞台が開けてふっと日常に戻るライトのようにさえ思った。前回に比べてとてもよい芥川賞作品と、作家だ。

    1
    投稿日: 2013.01.24
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    やはり最初に目を引くのは、横書きであることと、平仮名を多用したユニークな表現方法。テンポよくは進まないが、うねうねと流れる水のような印象を受ける文体は好み。 同時収録の3篇も、流石に今読むと多少の古さは感じるものの面白かった。

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    投稿日: 2013.01.19