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虚空遍歴(上)
虚空遍歴(上)
山本周五郎/新潮社
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総合評価

8件)
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    2021.10.02予約。10.16受領。読み始めても頭に入ってこない。面白くない。もう読みたくない・・・最初の10Pで断念。山本周五郎でもこんなのがあったんだ。

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    投稿日: 2021.10.02
  • 周五郎長編3部作はどれもすばらしいですが、これはちょっと特別かも

    山本周五郎の代表的な長編3篇、「樅ノ木は残った」「ながい坂」「虚空遍歴」。その中でもこの作品はちょっと別格との感想です。人間なせばなるとがむしゃらに生き抜くのもアリですが、一度うまくいかなくなった人生を立て直すのは並大抵ではないです。そして自分で自分のことも分からなくなり、制御もできず、体力も衰え、かといってすっぱりあきらめることもできず。話は江戸時代の芸を極める者たちの姿を追っていますが、現代をもがき苦しみながら日々生きている我々にとって骨身にしみる傑作です。

    3
    投稿日: 2013.09.26
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    これもデミアン、海辺のカフカのようだ。 主人公の沖也、運命で結びつけられ、男女の仲というよりも 一体の片割れという存在であるおけい。 その共鳴を通じて、自分を探す旅を歩く。

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    投稿日: 2013.04.15
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    印象に残った台詞 冲也「若いとき人を殺し盗みをはたらき、悪事の限りをつくしながら、のちに名僧聖人と呼ばれるようになった人の例もある。どうやら人間は死ぬまで見ていないとわからないらしいからな」 洒竹「世間にゃあ表と裏がある、どんなにきれい事にみえる物だって、裏を返せばいやらしい仕掛のないもの稀だ、それが世間ていうもんだし、その世間で生きてゆく以上、眼をつぶるものには眼をつぶるくらいの、おとなの肚がなくちゃあならねぇ」 下巻が楽しみだ。

    0
    投稿日: 2012.11.01
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    山本周五郎の三大長編(樅の木は残った、ながい坂、本作)の中ではもっとも地味ではあるが主人公への共感度ではもっとも高い作品だと言える。武士の身分を捨てて浄瑠璃の世界へと身を投じる沖也。いろんな逆境を撥ね退けて成長していくのですが、なんといっても彼に想いを寄せるおけいの存在が圧巻。彼女の独白シーンは読者もとびきり胸を高まらせて読むことを余儀なくさせられます。本妻のお京が気の毒に思いながらも少しずつ体の具合が悪くなっていく主人公を自分自身に置き換えつつめくるページが止まらない読書となりました。

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    投稿日: 2012.10.01
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    最後の最後まで苦しみぬきながらも自分の夢、理想を目指して生き抜く主人公。 山本周五郎さんの「人は何をしたかでなく、何のためにしていたかが大事なんだ」をまさに表現した作品だと思う。 自分は動機はどうであれ「何かを成し遂げる」ことは評価しても良いと今は思っているが、やっぱり純粋な動機で、純粋にその目的にだけ向かってがむしゃらに生きることは理想の生き方だとも思う。 今現在の自分は日々を何のために生きているのか?自分自身の目的を持って生きているのだろうか?そんなことを考えさせて、励ましてくれる本。 上・下巻あり

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    投稿日: 2011.01.27
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    お客様におすすめされて読んでます。面白いです。 たんなる大衆受けではない上質な浄瑠璃を追究するものの、潔癖な性格が災いしてどんどん居場所をなくしていく冲也に、おけいさんでなくてもひやひやもんだぜ。 これから下巻読みます。ここまで堕ちたからにはカタルシスを期待せずにはおれない

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    投稿日: 2010.05.19
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    観客に純粋によいものとして認められるような作品を目指し、 浄瑠璃の曲の節つけに力を注ぐ沖也。 その純粋さゆえに悩みながら坂を転がっていく感じが なんとも切ない。 作者のまっすぐで「きれいごとを並べた」ような部分が 主人公に投影されていればなんとなくうれしい。 周りにいる人たちは(皆とは言わないけれど) 沖也のことを思って様々な助言や助けをよこしている。 そのやさしさや献身さが案外ぐっとくる。

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    投稿日: 2010.04.03