
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アニメ化されていない短編集(「連峰は晴れているか」だけはアニメ化された)ですが、脳内では各キャラクターがそのアニメの姿で登場し、各場面を思い描くことができました。特に挿絵もない本なのに、京アニさんのキャラデザはやはり素晴らしいですね。 奉太郎が省エネ主義になったいきさつも語られますが、姉の言葉を思い出したときに彼自身も「長い休日」が終わっていることに気づいたのではないでしょうか。 それゆえに、友の窮地をあれほど必死に助けようとしたのですね。 ☆一つ減らしたのは、あの終わり方はないよ!という抗議?です。 すっきり終わらせてくれ~。
0投稿日: 2025.11.09
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う〜ん、ここで終わりか。不完全燃焼。巻が進むごとにキャラクター達の心理に触れ、それらを読者に見せてきたのに、では、これから、がまだ描かれていないのが残念。モヤる。 ホータローの心情がわかった「長い休日」は面白かった。ホータローがどんどん素敵に成長しているのだから、その先を早く見せてほしい、そんな一冊だった。
1投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログこれまでより古典部のメンバーの内面に踏み込んでいくお話が多く、読んだあとはほろ苦さのを感じる。奉太郎の過去の話はなんだか不憫だけれど奉太郎らしいなとも思ったり。「連峰は晴れているか」「私たちの伝説の1冊」「いまさら翼といわれても」が同率で好き。思いがけず開けた未来を前に立ちすくんでしまった千反田のこの後が気になるのに、新作が出ずこの続きをもう6年待っている…。そろそろ古典部メンバーにまた会いたいなあ
2投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログ短編集。 漫研と摩耶花の関係がずっと気になってて今回でなんとか収まってよかった。今後のふたりの関係が楽しみでもあるんだけど…。 しかし続きは…続きはあるのでしょうか…。
10投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ<目次> 略 <目次> 古典部シリーズの最新作。語り手が伊原や福部など変わるのだが、最後の話はまた折木が語り手となる。この話で次の展開も想定できるが、10年近く新刊はない。千反田がどうなるのか?まだ2年生なので、もう少し話が続けられるよね…
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ古典部シリーズ⑥ 今回は短編集だった。 個人的に好きだったお話は一番最後の。 悩んでいる千反田にやさしく声をかけている 様子や、なめくじが移動しているのに 気づかないぐらい懸命にえるのことを思って 話していることから、ほーたろーの モットーの「やらなくてもいいことなら、やらない。 やらなければいけないことなら手短に」 の根っこのもう少し深部にある、友達へのやさしさ が読み取れる気がする。 千反田のお父さんには娘の進路相談も合わせて 話をしてほしかった。笑 今までは後を継ぐんだと言っていたのに、急に もう自由な道を進んでいいといわれても確かに困る。 経験したことはないけど、自分も親からそういわれていたら、 将来自分がやりたいことなどあまり考えず、 継ぐことに徹するだろうから、進路を自由に決めてよい と言われても自分が何をしたいのかわからず、すごく悩むと思う。 だから、千反田のお父さんには娘をカウンセリングするではないけど、 「どういうことに興味があるんだい」とか。 「知らない業界も多いだろうから、一緒に調べてみようよ」とか。 責任をもって、娘のやりたいこと見つけに付き合うべきだと思った。 最初の作品と比べても、今思えば、最初は起きた事柄や すでに分かっている事実から推理をしていたように 思うが、今回の作品では、 「あいつ(千反田)は責任感が強いやつだから、こうはしないだろう。」 とかのセリフから、これまでかかわってきて分かった 人物像から推理をしているような気がして 高校から一緒の千反田とほーたろーもそんな仲に なってきたんだなぁと感じた。 ここまで読んできて、ミステリーとしてではなく、単純に小説として面白い。 続編待ってます。
0投稿日: 2025.08.16
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久々の古典部シリーズ。 アニメも良かったね。原作も良いけど、結構アニメは成功した方に思える。漫画も買ったくらい。 氷菓の最後の締めは凄く印象に残っているなぁ。 今回の表題作の『いまさら翼といわれても』こちらもとても良かった。 凄く気持ちもわかったしなぁ。次の作品がとても楽しみ。 観光から結構年数経っているけれど、いつ出してくれるのだろう。 他の短編も折木の過去の話だったりと色々と盛り込まれていた楽しかった。
4投稿日: 2025.08.06
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それぞれのキャラクターの掘り下げが深く描かれていて良かった。 奉太郎は「鏡にはうつらない」「長い休日」で、過去の体験から今の奉太郎が作られたのだと知る。 摩耶花は「わたしたちの伝説の一冊」によって、これまで続いて来た漫研の諍いに決着を着けると共に前に歩みだすとても前向きな話だった。 里志はそこまで目立ってはいなかったかな。 千反田は表題作において、自分の将来を見つめる様がとても印象に残った。 一応既刊はここまでだが、最終刊と言っている訳ではないのでいつか続編が出ることを期待したい。
1投稿日: 2025.07.21
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わたしたちの伝説の一冊 最後の一文は前作の段階でそうなる事は分かっていたけれど、その文字に込められた意味合いが予想と正反対の熱いもので面食らった すごいな 中盤あたりまで苦々しい展開でどんな風に着地するんだろうと考えていたけど、その息苦しさを吹き飛ばす終盤のカタルシスがすごく良かった そんな前向きな決断だとは おもしれ〜 長い休日 この短編に今までの古典部における俸太郎の全てが詰まってて良い 最後の姉の言葉がじんわり染み入る 米澤穂信作品全般もそうだし"いまさら翼と言われても"にも強く感じるんだけど、どの作品も終わりの一文に深みがあって余韻が心地いい 遠回りする雛以降俸太郎と千反田がちょっと話してるだけでかわいいなと思う もっと見たい 続きが読みたいです…………
0投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログ──あんたはこれから、長い休日に入るのね。そうするといい。休みなさい。大丈夫、あんたが、休んでいるうちに心の底から変わってしまわなければ……。 ──きっと誰かが、あんたの休日を終わらせるはずだから。 とうとう読み終えてしまった〈古典部〉シリーズ。今作は全6篇の短編集からなる作品でしたが、どの作品も〈古典部〉のメンバーに焦点を当てた、いや、各メンバーのそれぞれを主人公として描いたような短編集だったように思います。 特に奉太郎の代名詞『やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に』の誕生秘話が描かれていた物語【長い休日】はかなり好きでした。 そして表題作【いまさら翼といわれても】は、【長い休日】からの流れが、仄かに伏線になっているのかなと考えてしまったり…。 本当に面白いシリーズだったな〈古典部〉シリーズは。これで終わりとも取れるけど、完結とは言われていないはずだから、次回作が出たら嬉しいなー。 ・ ・ ・ ・ ・ 「大人」になるため、挑まなければいけない謎。待望の〈古典部〉第六段。 神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。 夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘――折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?(表題作) 時間は進む、わかっているはずなのに。 奉太郎、える、里志、摩耶花――〈古典部〉4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇。
1投稿日: 2025.06.03
powered by ブクログ古典部シリーズの完結なのだろうか オーディブルで聴きました 再度、氷菓から聴き直してみると やっぱりこれは恋愛推理小説なのですね リアルな高校生ならもっといろんな事をするんだろうけど、ファンタジーとしての古典部シリーズなんですね アニメの2期もむずかしいんだろうな
0投稿日: 2025.05.26
powered by ブクログホータロー、千反田える、まやか、ふくちゃんの 四人のエピソード 古典部の面々を掘り下げるような丁寧な物語 ホータローが省エネのスタンスになった理由 まやかの漫研内での意見の対立からの葛藤と決断 ふくちゃんのストーリーはちと少なめか
15投稿日: 2025.05.16
powered by ブクログいわゆる「古典部シリーズ」の第6巻。このタイトルをここで使うのか!という正統派の伏線構成はさすが。変わらず愛すべきキャラたちの、少しほろ苦い青春劇にしてフェアなミステリ。「お前らもう付き合っちゃえよ!」と読むたび毎度言いたくなる距離感で、でも少しずつ変化しながら続いていくかけがえのない日常。氷菓いいですよね。
0投稿日: 2025.05.10
powered by ブクログ基本的には2年生になってからの短編集。表題作を含め6作。 摩耶花が奉太郎に辛辣だった理由がわかったり、摩耶花が漫研を退部するまでの話だったり、奉太郎が今のモットーになった理由を話したり。摩耶花は今後どんな漫画を描くんだろう。高校2年生の1年間で、どんな傑作を作り上げるのだろう。 そして奉太郎の過去。そんな経験があったら……というか、その事実に気付いてしまったら、こんなモットーになるのも仕方ない気もする。 アニメにもなった、奉太郎が「気になるんだ」と言い出す話も。この時の周りのリアクション、アニメで見た時面白かったなあ…… 来るはずのない奉太郎が来て動揺したえるが咄嗟にしたのが髪を整えることだったり、昔話を聞く中で奉太郎がペアを組んだ相手の性別を気にしてたり、えるもだいぶ意識してるでしょこれ…… で、表題作。合唱祭当日、行方を眩ませたえるの行方を推理する。えるが居なくなった話を聞いて、昼食を急いで食べるあたり、ほんとえるが絡むとやる気が違うな……前作と一緒だ。 この話のオチはタイトルが全て。そりゃあ、これまで自分の軸になっていたものが揺らいだら、どうしたらいいか分からなくなって、逃げ出したくもなる……そんな時に、何を言うでもなく、ただ寄り添ってくれる人がいるというのは素敵な事だと思う。 現時点では本作が最新作。果たして、ここからどういう話が描かれていくのか。最後まで見届けたいもので。
2投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログアニメから入った人で、勝手ながらアニメが成功した作品だと思っていて、10年以上原作を読んだことがなかったのですが、青春が戻ってきたような感覚で読み進めています。 どの物語も本当に面白くて、短い文章の中で考えさせられるところがある。 出会えたことに感謝がうまれる。
2投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ全6編面白かったですが、『鏡には映らない』と『わたしたちの伝説の一冊』と『長い休日』が良かったです。特に『長い休日』は感動しました。
1投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ古典部シリーズ6作目、小市民は昨年春夏秋冬20年を経て完結したが、古典部はまだまだ終わり見えず、すでに24年が経過しており主人公達は高校2年生である。そいいつつも完結まで追い続けていくことになるんだろう… 今作は伊原摩耶花回!と個人的に断ずる。6編あるうち2編が摩耶花主要人物であり、語り手、そして2編ともが作中でも白眉の出来栄えであった。 鏡には映らない 摩耶花がシリーズ最初から折木に対して辛辣であった理由が明かされる、中学時代の卒業製作にかかわる悪行を、己一人が泥をかぶることによって防いだ奉太郎と、それに協力した里志。この過去の秘密が、奉太郎をヒーローと崇める人物によって明かされる。摩耶花と奉太郎の和解となるラストはスカっとする。 わたしたちの伝説の一冊 漫画研究会の内紛に心身やつれていく摩弥花に、さらに強い痛手が襲い来る。しかしながらその顛末の先には、誰よりも強く自己実現を願って努力を怠らない摩耶花が、進むべき道がはっきりと示された、希望に満ちた終わり方であった。 いまさら翼といわれても 今作のタイトル作であるが、これは奉太郎と千反田えるとのイベント回であったと思う。このシリーズにおいて終幕の大きな要素は、奉太郎とえるの恋愛要素が果たしてどうなるのか?なのだが…これは如何とも予想しずらい。若い二人がハッピーエンドを迎えるか?米澤先生の恋愛要素ってなんだか思い描けない、そんな中で今作のえるの気持ちはなんとなく推し量れるが、世間じゃこういうのってありきたりの出来事なんじゃ?とも思える。そこへ奉太郎を押し込んでくるあたりに終幕へ向けて二人の関係性、気持ちの方向性を整えようとしてるのか?なんて思ったりする。 そろそろ完結して欲しい…
10投稿日: 2025.04.03
powered by ブクログ高校生の日常のきらめきが眩しい。「わたしたちの伝説の一冊」が心にストレートに響く。 長編の合間を縫う珠玉の物語の数々。 古典部のメンバーの行く末を、未来をもっと見たい。 携帯持たなくてもいい過渡期の最後の時代。趣ありよし。
10投稿日: 2025.03.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集といっても古典部部員の過去や内面が知れるとても重要な巻だった。一番好きなのは『私たちの伝説の一冊』。ふたりの距離の概算でさらっと書かれた事実にしっかりとした理由があって納得できた。河内先輩みたいな人にはついて行きたい気持ちになる。2人には是非傑作を作り上げてほしい。これで古典部シリーズも読み終わってしまった。続編に期待。
0投稿日: 2025.03.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
思ったよりかなりビターだった。 10代のほろ苦さすべて詰まってますという感じ。 大人になるとなかなかない感情だから、今読むとなんだか素直に心に残る。 表題作は、千反田さんつらいね。 だけど気持ちを理解してくれる仲間がいることが、これまでの千反田さんの過ごしてきた結果だし、この先もきっとうまくいく。 親なんて勝手だから自分が言ったことの責任なんてとってくれず、またそれに気付いてしまうのが10代後半~20代前半だよね。 まだまだ高校二年生だし、ここから自分の道を進んでほしい。 『わたしたちの伝説の一冊』は学校生活が全てではないと気付く、パーッとドアが開くようなそんな感じがすごく青春で、心にズドンときた。 このドアが開くかどうかって人によってタイミングが違うし、意外と開かないまま大人になっている人もいると思う。 外に目が向いた瞬間って、若さだなって思う。 他の作品も、古典部のみんなの性格や過去を知れて良かった。
1投稿日: 2025.03.10
powered by ブクログ古典部シリーズ第六弾。 古典部員のそれぞれの心理が描かれた、今までの集大成と言ってもいい作品。 全員の個性がしっかり爆発していて、今までシリーズを読んだ人なら間違いなく面白い作品だと思います。 表題作ではないですが「鏡には映らない」とにかく好きな物語でした。 まだまだ読み足りない、もっと読んでいたい、結末を先延ばしにしたい、と思えた作品です。
0投稿日: 2025.02.25
powered by ブクログテンポ良く進む短編集だが、中身は古典部のメンバーの過去や現在を容赦なく深堀りする内容だった。奉太郎の過去を描いた「長い休日」が特におもしろかった。
0投稿日: 2025.02.22
powered by ブクログ氷菓のアニメやってた当時、原作の小説もこの巻の前の巻までは読んでた。今巻も文庫版じゃないのが出た時に買おうか迷ったけど、前の巻までを文庫版で買ってたから、文庫版が出るのを待って、文庫版が出てからも積み本になったのを今年になってようやく読みました。 あらすじとか帯に短編集と書いてあるんだけど、それを読まずに読み始めたので、読み始めてちょっと思ってたのと違うなぁってなった。 短編だけどそれぞれの立ち位置とかに大きな変化があったりで、番外編的な巻ではな買ったと思う。
0投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『古典部シリーズ』の6つの短編集。 その中でも『長い休日』と『今さら翼といわれても』が特に好きだった。 『長い休日』では折木が省エネ主義になった理由について明かされており、長い休日とはそういうことかと思った。 『長い休日』では折木の心の雪解けを、『今さら翼といわれても』では千反田の自由への不安が描かれており、過去と未来で対照的な2編が印象的だった。 2人の距離がより近くなっているのを感じた。 他の短編もすごく面白かった。
0投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ里志が将来弁護士になるというのは案外良い案だと思った。 鷹栖亜美がしようとしたことは許されない。 奉太郎達が多くを語らなくても、こういう話は漏れていくものだと思う。 自分可哀想としか思ってなさそうだけど、後悔する時がくるだろうか。 理由を聞かれ、あの先生はヘリ好きだったなと思わないために、と話す奉太郎が好きだ。 読むだけ派とか描いてみたい派とか、なぜどっちもいちゃダメなのか。 思春期は傷つきやすく傷つけやすい。 「長い休日」は、「遠回りする雛」と同じくらい好きな話だ。 掃除しながら鼻歌を歌ってしまう奉太郎がかわいい。 小六の時の奉太郎の先生は嫌いだ。 奉太郎が気づいた事に気づいただろうに、せめて謝れ。 単行本の『いまさら翼といわれても』を読んでから七年。 続きを!
2投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログ摩耶花の奉太郎に対する妙に冷淡な評価の理由と、その裏にあったものが描かれた「鏡には映らない」が胸熱。 おなじく摩耶花視点の「わたしたちの伝説の一冊」も、『クドリャフカの順番』以来の漫画研究会モノで、ある意味しっかり決着まで描かれている。 「長い休日」は奉太郎の「やらなくてもいいことはやらない」の原点の物語。省エネ思想の裏にあった傷つきと、休日の終わり。 そして表題作「いまさら翼といわれても」は、「遠回りする雛」につらなる、千反田さんの物語。地方の旧家の娘であることの懊悩が描かれていて、よい。高校2年生なんだから「いまさら」なんていわないで羽ばたいてほしい。
2投稿日: 2024.12.10
powered by ブクログこれまでのシリーズ通してそうだったかもしれないが、今回は特に登場人物それぞれのパーソナリティに迫る内容だった。 みんなが何を大切にしているのか、主義というか考え方に個性を感じて、愛着が持てる作品でした。
0投稿日: 2024.11.12
powered by ブクログ鏡の話が特に良かった。 誰にも知られなくていい。 誤解されたままでも別に気にしないっていうのが特に。考えさせられた。 幼少期の奉太郎めちゃいい。 長い休日?だったかな。 めっちゃいい。 奉太郎さん、子どもの頃はぼく呼びだったんですね。 そしてめちゃめちゃ素直な子ではないですか。 摩耶香の視点の話もいい。 ふくちゃんそんな好きやったんや。 この巻をよんで、まだまだ続きが読みたくなる。 最新刊、期待します。
0投稿日: 2024.11.03
powered by ブクログ古典部シリーズ第6弾は、順不同の6つの短編が収録されており、謎解きはともかくとして、物語の素晴らしさはシリーズ一番なのではと思われた、それくらい心に残るものが強く、今回は折木奉太郎(ホータロー)だけではなく、千反田える、福部里志、伊原摩耶花、それぞれの新たなパーソナリティも知ることができた、ファン必読の作品。 「箱の中の欠落」 生徒会長選挙に於ける不正かもしれない謎を巡って浮かび上がる里志の、『物事がもっぱら道理に沿って進んでいるからこそ、自分がふざけていられるのだと言わんばかりに』、『不正義とか理不尽とかへの嫌悪感が人一倍強い』一面に、ホータローも感銘を受け事件解決に協力した友情は、それを二人だけの夜の散歩で考察する流れも合わさって、より思い出深いものになったのであろう、そうした感慨深さはホータローの始まりの文章からも実感できた。 「鏡には映らない」 かつての中学3年生のホータローの同級生たちは、何故か彼に対する印象が悪く、それはまた摩耶花も同様の思いであったのだが、その真相を知ったときの彼ともう一人の行いには、自分自身がどう思われるかというのは全く考えていなかったのであろう、それくらいの価値のある行動と繋がっていたのは、この年代ならではの陰湿さとでも言えばいいのだろうか、そうした感動的なものと不快なものとが共存した物語は、まさにタイトルとも呼応した、人の心は鏡に映らないから安易に扱いかねないが、だからこそ、それをいちばん大切にしなければならないのだと。 「連峰は晴れているか」 ホータローの『気になるんだ』と千反田の『気になります!』が初めて合わさったレアな物語は、たとえ二度と会わないかもしれない人であっても、その人の誤ったパーソナリティを簡単に他の人へと伝えることに躊躇いを感じる、そんなホータローの姿は後の物語とも重なることで、より印象深いものになるように思われた。 「わたしたちの伝説の一冊」 摩耶花のあの1件のいきさつが詳細に綴られた物語は始終重苦しく、しかも漫画で描かれた夢のある内容が現実の世界で起こってもただ鬱陶しいだけなんて、身も蓋もない生々しさも漂わせる中、『本って不思議ね。だれが書いてもいいなんて』という言葉もあることや、結末の吹っ切れ方に希望を見出せたことが、せめてもの救いだと思いたい。 それから「鏡には映らない」も含めて、摩耶花と「ふくちゃん」の仲の良さを、今回摩耶花主観の物語でようやく実感できたことが嬉しくて、中々、ホータロー主観だとそれが分からないからね。 「長い休日」 ホータローと千反田の距離がまた一歩、ささやかだけれども縮まるきっかけとなりそうな、ホータローの『やらなくてもいいことなら やらない』理由がついに明かされるが、そこには彼も他の人と同じ、傷つくことだってあるひとりの人間であることがよく分かり、こういうのってきっと罪名とかは無いのかもしれないけれども、その気持ちは私も痛いほどによく分かり、世の中には二種類の人がいるといった分けられ方の無いような世界こそ理想なんだろうが、人が人である限り、それは難しいのだろうなと悲しい気持ちに陥りそうな中、タイトルにも込められた姉弟愛の素晴らしさを実感できたことで、ホータローは救われた部分もきっとあるのだと思い、それが今の彼のパーソナリティへと繋がっていることにも、確かな説得力を感じられた。 「いまさら翼といわれても」 夏休み初日に開催される合唱祭のソロパートを担当する千反田が、当日になって突然行方不明になった理由を、ホータロー、里志、摩耶花がそれぞれに協力して突き止める展開には、おそらく初めて見る千反田のある一面が垣間見えたのだが、それに寄り添うホータローの優しさが、また他の人には真似できないような彼らしさで、これまで彼女にしか分からないものを背負ってきた千反田を慮り、人の心とはこれくらい繊細なものなんだということを、彼はきっと読み手にも教えてくれたのだと思う。 今のところ、物語としての古典部シリーズは本書が最新巻のようで、もう一冊「米澤穂信と古典部」というファン向けの本に、最新作が1編収録されているそうなので(しかも大日向が関わってる!?)、そちらも是非読みたいと思います。
58投稿日: 2024.11.03
powered by ブクログ古典部シリーズ第六弾 このシリーズ大好きでとうとう現在刊行されてるところまで来てしまったなという気持ちが大きいです。 相変わらずの面白さと読みやすさ。 米澤穂信先生の短編はさすがとしか言えないです。
1投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログここまで読み終わってしまった。読み終わりたくなかった〜!シリーズ通して読み切ると、古典部みんなのことが好きになってたんだなぁとわかる。箱の中の欠落の奉太郎と里志のやりとは大好きだし、鏡には映らない、わたしたちの伝説の一冊の摩耶花も好きだし、いまさら翼と言われてものちーちゃんも好きだな。特に好きだったのは、わたしたちの伝説の一冊かな。摩耶花というよりは、先輩の言葉に色々そうだよねえと頷くところも多かった。 古典部シリーズ、奉太郎が卒業するまで続く予定だって聞いたけど、ちゃんと完結するのかな。短編が収録されてる愛蔵版も買ってしまったからそっちを読んで待ってます。
1投稿日: 2024.09.18
powered by ブクログシリーズものとは知らずに図書館で手に取った本。「私たちの伝説の一冊」と表題作の「いまさら〜」が好きかな。氷菓からちゃんと読んでみたいと思った
0投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログここまで来て、古典部のみんなが好きになってる自分がいる。いつまでも続いてほしい。そして早くまた会いたい。 以下、収録6編の感想 箱の中の欠落 福部里志と折木奉太郎、この2人最強です。お互い言わずとも、動かずとも、ただそこに2人いるだけで、通じ合っているというか。 鏡には映らない 折木奉太郎、かっこよすぎる。。こんなスマートな中学生いないでしょ、、。心がイケメンすぎる。 連峰は晴れているか この二十数ページに凝縮される、折木奉太郎という人物とスッキリ回収される日常ミステリー(米澤ミステリー)。これよこれ。 私たちの伝説の一冊 伊原摩耶花という人物をより知ることができた。「才能に仕える」(←良い表現…)という覚悟を決める、ひとつ成長する摩耶花を見させてもらった。親身になるふくちゃんも、はっきりとものを言ってくれるライバルでもある先輩も素敵すぎる、いい人間関係の中にいるよね。 長い休日 なぜ、折木奉太郎が「やらなくても良いことをやらないのか」を知りより愛着が湧く。そして彼はまた成長している。 いまさら翼といわれても 折木奉太郎が千反田のために動く展開、エモい
1投稿日: 2024.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古典部シリーズ6作目。 それぞれの短編が、各古典部員の人生にとってのターニングポイントであるように感じられました。 奉太郎のモットーの原点や、伊原の漫研騒動など、衝撃の展開で驚いたところが多かったです。 個人的には、「わたしたちの伝説の一冊」が1番好きです。
3投稿日: 2024.08.08
powered by ブクログ登場人物が色んな呼ばれ方をしてて途中まで同一人物と気付けなかったり、誰かが変な行動をしても周囲は何も感じてないようだったり、何か変だなと思いながら読んでたのだけど、文中に「古典部」が何度か出てきてやっと記憶が繋がった。 アニメ『氷菓』でおなじみ、古典部シリーズだったのか。シリーズ物で、読者もある程度は登場人物やキャラクターのバックボーンの知識がある前提なのに、私が初見だから「何やこいつ」って思っただけでした。 ジャンルは、高校生の日常✕ちょっとしたミステリー。生徒会長選挙の票が生徒数より増えちゃったり、部活が内部分裂したり、卒業制作に秘密があったり、たまにほろ苦い思いをする所が青春だねぇ。 しかし、下手にアニメ『氷菓』を知ってるせいで、物語に没頭できず。私が米澤穂信の文章から思い浮かべるキャラクターとアニメのキャラクターとが全然違うせいで、そこをいちいち頭の中で修正しながら読むことになり、全然集中できなかったのが残念。 何も知らずに読めたら、きっと好きなシリーズになってたと思うんだけどな。
2投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログ古典部シリーズを一気読みして、とうとう最新作。 シリーズの中でも1番を争うくらい良かった。 個人的な事情で集中力欠けての読書だったものの面白く読めた。 古典部それぞれの魅力をさらに深く知れた一冊。
18投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログ登場人物が好き。物語も繋がりのある短編で読みやすく、ミステリ的な要素もあり面白い。他のシリーズもあればぜひ読みたい。
0投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログ古典部シリーズ 久しぶりにシリーズ物をしっかり最後まで読めた。 腑に落ちないところもあれど、私からしたらちょっと特別な彼らの普通の高校としての一面がみれて良かった
13投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログ「鏡には写らない」が特に好きだな。 優しさって、ただ他人に寛容なだけで、美点ではなくそれが良くも悪くもなる性質だと個人的に思ってる。 けど奉太郎は優しさってよりかはすごく人を思いやれる人に感じた。 真に他人の立場に立つことのできる人は、すごく憧れる。
1投稿日: 2024.04.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多分10年ぶりぐらいに古典部シリーズ読みましたが、すぐに「そうそうこんな感じだったな」と懐かしい気がしました。 古典部シリーズ全体にも通ずるものですが、今作はミステリよりも青春小説要素強めですね。 ・箱の中の欠落 箱の数が多いこと自体を見抜くのは難しい気はするけど、おおよその筋道ぐらいはなんとなく見当はつく気がします。 一見穴がない的な評価がされていましたが、この学校の選挙管理制度はむしろ杜撰すぎるのではと言う気がします笑 ・鏡には映らない これは真相を当てるのはかなり難しいと思いますが、この本に収録された話の中では一番面白かったです! そういや折木が井原に嫌われてる設定あったなと思い出しました笑 すっきりするオチでよかったです! ・連峰は晴れているか 小説だとかなりあっさりした分量ですが、アニメ化された中でもかなり好きな話です ミステリーとしての難易度はかなり低いんですが、折木の人柄が滲み出ていることもあって、なんとなく印象に残る話なんですよね。 ・わたしたちの伝説の一冊 ミステリ要素は薄かったですが、青春ものとして面白かったです。 まやかの退部にこんなドラマがあったとは… しかし漫研の人たち高校生にしても人間が出来て無さすぎではなかろうか笑 野球部の場合は団体競技なのでわかりますが、漫研なら別に誰が漫画描こうか誰が読むだけだろうがどうでもよくないですか?笑 ・長い休日 これまたミステリ要素は薄めの作品ですね ほうたろうがなぜほうたろうになったのか、的なエピソード0感のある話ですが、お姉さんの言い回しオシャレすぎです笑 ほうたろうの気持ちはまぁわからんでもないですが、あまりに極端な方向転換は不器用というか子供っぽいですね。 ・いまさら翼と言われても タイトルと冒頭部分で予想がついたとおりの内容でした。 千反田の気持ちがわかるかと言われると少し複雑です。 あぁ言われてどうしていいのかわからなくなるというと、本気で継ぐ気が合ったならそう言えばいいだけなので、これまで千反田家を継ぐと言っていたのも単なる思考放棄の賜物だったように思えますが、千反田の置かれていた境遇を考えるとそれも止むを得ないことなのかなぁとも思います。 私の如き下賤のものには高貴なる家の事情はわかりませんね。
3投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「鏡には映らない」、「長い休日」、「いまさら翼といわれても」が面白かった、というよりはド好みだった。 シリーズ6巻一気に読んで、奉太郎への好感度が爆上がってる。彼、いい子すぎやしないだろうか。そして何気に家事ができるのポイント高い、、、。 「いまさら翼といわれても」、思った以上に直接だった、タイトルがいい。ここで終わるか、、、!という感じがとてつもなかったけれど笑 続編出たら間違いなく読む。果たして「いまさら翼といわれても」の、あの続きがあるかはわからないけど。 米澤さんは、一作目の「氷菓」を昔読んだきりだったけど、一気に大好きな作家さんになった。 今後、他の作品も制覇したい!
2投稿日: 2024.02.12
powered by ブクログ2024.2.12 やっと読めた。タイトルの意味が分かって、「ふぉーん」となる。一番好きな話は「鏡には映らない」かも。古典部シリーズはアニメの印象が強くて、えるを中心に物語が展開していくイメージだったけど、今回えるはほとんど出てこない。摩耶花の方が出ずっぱりで、その摩耶花が語る章が読みやすくておもしろかった。 前に古典部シリーズを読んでから随分時間が経ってしまったので、ところどころ忘れていたりで…。もう一回読み直すか、せめてアニメで補完したい…。 ってか、ホータローってちゃちゃっと簡単に料理ができるタイプの人間なのか。冷やし中華のスープ?たれ?なんて、私はレシピがないと作れないんだけど。
0投稿日: 2024.02.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
奉太郎の過去の話はやっぱり少し辛い。 表題の話がやっぱり印象的。今まで描かれなかった千反田えるの苦悩が描かれて、苦しむ千反田への寄り添い方がすごく奉太郎らしくて。表題の表現がすとんと落ちてきた。
0投稿日: 2024.02.06
powered by ブクログ「箱の中の欠落」 あんまり、トリックも微妙で犯人・動機に関しては明記されない 「鏡には映らない」 奉太郎の過去話。奉太郎っぽさもあり、意外な一面も見れて良い。摩耶花視点なのも新鮮 「私たちの伝説の一冊」 つまらない、ミステリー要素もなくファン向け?
1投稿日: 2024.01.12
powered by ブクログほーたろーの省エネ主義なのに、他人をあたりまえに思いやれるところが好きだな。 省エネ主義になった理由とか、その経験から来る他人への気遣いゆえの千反田への行動とかがすごく綺麗に書かれてた。
1投稿日: 2023.12.28
powered by ブクログ漫研のしょうもないいざこざ以外はとても面白かった。実際の学校でもああゆう派閥争いってあるのかな? 井原と折木の関係って、どこかよそよそしい。 この2人の会話は扱いづらそうと、前作やアニメで何となく思っていた。 まさか、こんな過去があったなんて。 後付けかどうかは分からないけど、とてもスッキリ 最後の話も良かった 多分、歌詞が関係するんだろうなあ。でもたかが歌詞が原因で、あの千反田が約束をぶっちするのは、少しやりすぎかもなあ。 なんて思っていた。 だけど読み終わって今振り返ると、全く無理矢理感はない 「いまさら翼といわれても」 めちゃくちゃ良いタイトルだと思う。 何よりもまず、謎解きの知能レベルが自分とマッチしているのが良い。 大学で言うと、MARCHくらい。
1投稿日: 2023.12.22
powered by ブクログ古典部シリーズ第6弾! あっという間にここまできてしまいました。 ハウダニット?失踪人探し、米澤穂信さんって 正真正銘のミステリオタクだなを感じざるを得ない。 古典部4人の過去とこれからのお話でした。 めちゃくちゃ瑞々しい。若い、中学、高校のお話。 なのに読み応えはめちゃくちゃビター。 この塩梅が本当心地よくて抜け出せない……! まず摩耶花ちゃんの苦悩と選択。 サッとそばで見守り支えるふくちゃんの図。 そしてずっと気になっていた奉太郎の過去。 なにがあって、いまの奉太郎なのか。 小学生ながらにこれを突きつけられるのは辛いよ… まだランドセル背負う年頃なのによ…。 長い長い休日を経て、出会った千反田えるの救い! そしてえるたその責任と逃れ、、、 表題作はどうしても胸が痛く泣けてしまった ああああぁあぁぁ続きが読みたい。 どうしても読みたい!!!!!! 第7弾、いつまでもいつまでもお待ちしております!!!
0投稿日: 2023.11.28
powered by ブクログシリーズ6作目にして一番好みなやつがきた。 というか「読み続けたからこそのクリティカルヒット」という気がしないでもない。 いつもの4人のこれまで見せたことの無い顔が見られる短編集だった。 もうそのエピソードを思い出すだけで、胸が痛いやら騒がしいやらで平静を失ってしまいそうになる。 本一冊にここまで動揺させられるとは。 続編まだですか。
2投稿日: 2023.11.08
powered by ブクログ短編集ですごく読みやすかったです。 この本を読む前に原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」を読んでいて、選挙関係のお話の始まりだったのでちょっと読むのが憂鬱でしたが(これは自分が悪い)その後の章からはすらすら読む事ができました。 いまさら翼といわれても。確かにこの話は学生の人に多く当てはまる現象だなと思いました。自分の人生を振り返ってみると野球を小、中、高と続けていてその後に就職だ、進学だなど、何かやりたい事はないのか?などと聞かれるケースが多々あった。その時は今まで野球しかしてこなかったから、他の選択肢が何も見えなかった。千反田さんとは違う状況かもしれないが、これからも野球を続けていくんだという盲目的な心理に陥っていて、引退した後は「はい、今から君の好きな事、やりたい事、を選んで人生を決めなさい。」といわれても。何をしていいのかさえ分からなかった。 自分の人生のレールを引き過ぎて、特急列車にしかならないよりも、各駅停車でゆっくりと。いろんな路線に可能性を見出して走っていこう。 ってあの頃の自分に言いたい…
11投稿日: 2023.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
箱の中の欠落 なかなかに面白い。ラーメンと焼きそばが食べたくなった。今日の夜ご飯はラーメンにしよう。読んでいて急に切なくなった。どのシーンでだ?自分達が去っても学校は残り続ける、の件かな。いつか自分の存在も古典になる。名前なんかおそらく残らないけれど。それが今の僕には悲しいのだろう。 鏡には映らない 男どもの不器用さと女どものまっすぐさが光る作品。伊原の性格が掘り下げられてるから僕としてはかなり楽しい。奉太郎のことがいけすかないことは変わらないが、それはそれとして謝るべくところはまっすぐに謝る。そこが伊原の良いところ。原案者のプレートを作ったのは里志、というところで1つ気づいた。あれは里志なりのおしおきだったか。鏡の呪いに気づいたものは必ずT.Amiが誰なのかをプレートで気がつく。T.Asamiへの嫌悪を吐き出したはずの呪いはT.Amiに向けた呪いとして跳ね返ってくる。どこか里志らしいなぁと思う。読んでいて胸が苦しくなるけど、奉太郎や里志はもっと苦しかったんだろうな。 連峰は晴れているか ショートショートのような話だが少し気持ちが楽になる。省エネながらも奉太郎の優しさが伝わってくるっていうか。聖地巡礼したから図書館のシーンがひとしお。 わたしたちの伝説の一冊 今読む話じゃなかったかな。今の僕にはキツすぎる。才能がちょびっとでもある者がいるべき場所、そうでない場所。漫研のひび割れ方が妙にリアルで辛い。自由奔放に動きたいけど色々しがらみもある。僕は正しく行動できたのかな。駄目だ。今考えるとまた泣きたくなる。考えるな。考えるな。考えるな。 長い休日 これまた刺さる話だ。お人好しなところに漬け込まれてはいないか?気がつけば利用されていることが僕にもままある。僕の場合質が悪いのは相手がやらなければその相手に不満を持ってしまうことだ。きっと心のどこかに「良いように使いやがって」という気持ちがあるのだろう。僕は奉太郎みたいにはなれない。上手に引き際を考えていかなきゃいかないと思う。でも未だにその引き際は見つからない。 いまさら翼といわれても 古典部シリーズの中で過去最大級のパンチをくらった話。切ない。あまりにも切ない。タイトル回収作品としてもトップクラスに位置すると思う。今まで自分という生き方の軸になってたものをいらなかったことにされたら、困るよ。ああなるよ。それでも千反田は泣いてないんだよな。強いなぁ。奉太郎の不器用ながらも千反田に寄り添う姿もカッコいい。里志も伊原もいつの間にか千反田と奉太郎をセットにしてるところが何か良いよね。
0投稿日: 2023.10.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『いまさら翼といわれても』 2023年9月30日読了 古典部シリーズのもっとも新しい作品。 といっても10年ほど続編が出ておらず、ファンは心待ちにしていることだろう。 本作は短編集であり、いくつかの作品が盛り込まれている。 中にはアニメ版に含まれる作品もあり、 どちらが先に完成していたのか気になるところ…。 本作ではあまり語られてこなかった折木奉太郎の過去について、 断片的ではあるが取り上げられた作品があり興味深い。 中学卒業間近に起こったある事件とか、 奉太郎を「省エネ主義」たらしめたある出来事とか。 そんな充実した中身の濃い短編の中でも、 やはり標題にもある「いまさら翼といわれても」が一番心に残った。 高校時代、やりたいことがいっぱいあって、何にでもなれると思っていた。 でも、やりたいこと全部できるほど器用じゃないって自分が一番知っていた。 だからこそ、自分のやりたいことが決まっている同級生が輝いて見えていた、 そんな頃。 決まっているはずだった進路、そうするしかないと思っていた未来。 それが崩れたとき、今更ながら何にでもなれると告げられたとき、 私ならどうするだろうと考えてしまった。 自分に折り合いをつけていたはずなのに、 急に道が開けてしまったならば、混乱し、迷い、恐れるのかもしれない。 そんな過ぎ去ってしまったはずの悩みを、 思い出させてくれる短編でした。
0投稿日: 2023.10.05
powered by ブクログ〈古典部〉シリーズの6作目兼最新作読破しました! 今作は時系列はバラバラだけど、今までの話の補足や登場人物たちの人となりを読み解く上で大切なお話ばかりの短編集でした。 今回は伊原さんしてんの作品が2点ありました。そのうちの一つでは、前作でいつの間にか退部していた漫研を退部するまでが描かれており、謎が解けてスッキリしました。もう1つでは、シリーズでは初めて伊原さんが「探偵役」をしていて、いつもとは違うストーリーの進め方や視点が非常に面白かったです。 普段かなりドライに見える折木の小学校時代や中学時代の話では、読んだ後折木への印象が変わりました。 最終章『いまさら翼といわれても』では、あらすじ的にはまたいつもみたいな謎解きかなとも思ってたんですけど、謎解きのあとの千反田さんと折木の絡みが、千反田さんの人生における分岐点的な話且つその後がすごく気になる形で終わっていました。謎解きに埋もれがちではありますが、彼らもまだ高校生。この先の人生について考える機会の多い年頃で、自分の進路について悩んでいた過去を思い出しながら読みました。 最新作が益々気になる形で終わっており、発売が待ちきれません。
9投稿日: 2023.09.14
powered by ブクログ高校生らしくない高校生たちの青春ミステリシリーズ第?段。 ヒロインの状況急展開に切なさが込み上げる。短時間の出来事を深く深く掘り下げるこのシリーズの手法は、当初はイライラしたけど段々ハマりつつある。
0投稿日: 2023.09.10
powered by ブクログ学校でおきた小さな謎をホータローが解く。 生徒会長選挙でおきた投票数が合わない謎や卒業制作におきた事件など。 シリーズ物だったらしく登場人物の説明なくてなかなか分かりづらかった。
0投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログ〈古典部〉シリーズ第6弾は、古典部の4人それぞれが語り手となる短編集。 第1弾目の「氷菓」から彼ら4人の高校生活をずっと追ってきて、本書では彼らの今まで語られなかった一面を知ることができます。 「鏡には映らない」 中学の卒業制作の時にとったある行動によって、同級生に誤解されてしまった折木。 同じ中学だった伊原がその真相を解き明かす。 実は折木はヒーローだったなんて、かっこ良すぎます。 「わたしたちの伝説の一冊」 伊原が漫研をやめたその裏に、こんな凄まじい出来事があったなんて。 「長い休日」 奉太郎が省エネ主義になった理由は? 少しほろ苦く重めで、悩みを抱えた高校生の物語から、心に刺さるところや学ぶことがたくさんあります。 謎を解いたあとに残るさわやかさとか、必要以上に深入りしないところとか。 そして、作者の米澤穂信さんのあとがきがまたさり気なくて、いいです。
34投稿日: 2023.07.23
powered by ブクログ奉太郎の中学時代の話を筆頭にどの話も面白かった。京アニ側が2期は無いと公言したらしいけど、アニメ2期をやってくれるかも?という淡い期待を抱きながら新刊を待ちます。
0投稿日: 2023.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古典部シリーズを読み終えて、感慨深いものを感じる。元々アニメから出会った作品だが、読み進めるほどに作品の中のキャラクターの気持ちやその変化への理解が深まり、没入できたし思いを馳せることもあった。 さて、本作だが、遠回りする雛と同じように短編集となっていた。 シリーズ全体で奉太郎の気持ちは少しずつ変化していることは感じられたが、特に最後の話「いまさら翼といわれても」では奉太郎がえるのために進んで行動することがはっきりと文章として残っていた。 「きつい思いをした後に誰かが迎えに来てくれるのは嬉しいものだ。だったら行ってやるのは、あながち、やらなくてもいいこととは言えないだろう。」 また、奉太郎が省エネ主義になったきっかけについても書かれていて興味深かった。小学生の時は他人のために動くような人間だったが、不器用だった奉太郎には難しかった。他人にバカだと思われつけ込まれるのは嫌だと感じた。 シリーズを通して奉太郎からはめんどくさい対象に思われていた姉貴だが、その姉貴が奉太郎を楽にさせたのだと感じた。 「あんたはこれから、長い休日に入るのね。そうするといい。休みなさい。大丈夫、あんたが、休んでいるうちに心の底から変わってしまわなければ…」 「きっと誰かが、あんたの休日を終わらせるはずだから。」 また、奉太郎の中学時代を描いた「鏡には映らない」でも、奉太郎はさりげなく人を助けている。 そして、里志もこっそりと協力をする。 マヤカ視点で描いたこのストーリーは、彼女自身の芯の強さや優しさも感じるし、男二人からもそれを感じられた。 遠まわりする雛では、高校1年生を通した変化を描いていたが、 今作はもっと大きな過去からの人格形成を描いていて、物語にどっぷりと入り込めたと思う。 ファンブックに近い「米沢穂脳と古典部」もとても楽しみ
1投稿日: 2023.07.10
powered by ブクログ古典部シリーズ六作目。 一部摩耶花の語り口で進む作品もあり、改めて古典部メンバーの新しい側面を見る事が出来る作品集だ。 箱の中の欠落 新しい生徒会長を決める選挙において、総生徒数を上回る得票があり、選挙が無効になる事件。 1年生がミスの影響から選管委員長から犯人扱いされ、それが気に食わない里志がホータローに謎解きを依頼する。二人の関係は不思議なものだが、それぞれに信頼関係が見える。謎については目から鱗であり、読みながらトリックを考えていたがそこにいきつかなかった。 鏡には映らない 六作目まで読んでもまだまだ知らない事ばかりだ。今回は摩耶花が主人公になっているが、彼女がなぜホータローに冷たいのかという部分が明かされる。古典部シリーズではパーソナルな部分まで踏み込んだ逸話は少なかったと思うが、今作ではホータローの魅力が存分に明かされる。とても素敵な話だ。 連峰は晴れているか ホータローが中学時代の先生について気になる事が不思議だった。古典部メンバーと同じ判断だ。雷に3度打たれ、ヘリコプターが好きだと言った英語教師の小さな謎だ。 わたしたちの伝説の一冊 今回も摩耶花が主人公。漫研をめぐるトラブル、摩耶花が部活を辞めた理由。ある意味大きな決断ではあったが、これが最善だとも思えてしまう。摩耶花には少なからず才能があり、だけど才能が芽生える期間はとても短い(現実世界にも言える事だ) 長い休日 調子がいい日のホータローの休日。 彼のモットーの所以を知る事ができる。 小学生の頃はそんなこともあろうな。と俯瞰で見てしまった。少なからず似た様な経験がある様な気がする。 いまさら翼と言われても リドルストーリーになっており、読者に結末が委ねられている。次作があれば、おそらく明かされていくのだろう。えるの戸惑いや悲哀が感じられてしまう、寂しくもあり、家族にとっては彼女を大切に思うあまりの、そんな結末だ。 総じてメンバーの側面を補完する、そんな作品集だった。次作では各メンバーの更なる変化が見られそうだ。
1投稿日: 2023.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前々作に続く短編集。少しずつ関係が進んだり、深まったり。まさか摩耶花が先輩と組むとは。腹を割って話して、利害関係を考えて。好き嫌いの2択だけではいられないんだな。 「鏡には映らない」が好き。熱海に罪はないからね。 「長い休日」もいい。ホータローの省エネの秘話。そして、休憩を終わらせてくれる存在。何だかんだ言いつつ、自分の変化に気づいているはず。 「いまさら翼といわれても」、続きが気になって仕方ない。いつかホータローが口をつぐんだ、えるには不適の役割を担って、二人で考えてもいいんじゃないかな。
0投稿日: 2023.06.05
powered by ブクログ古典部シリーズ6作目 「遠回りする雛」以来の短編集 シリーズの中でも特にビターでほろ苦い話が多め。 古典部4人の心の変化や成長を感じると共にこの後どうなっていくのかわたし、気になります! ホータローのモットーの原点となった「長い休日」がマイベスト
14投稿日: 2023.05.24
powered by ブクログ将来への不安、自分の夢、同級生・部活の部員たちとの確執……。 高校生が抱える悩みは、大人たちと変わらない。 ただ、大人たちとの大きな違いは、大人は経験の差から、ある程度の悩みの解決方法を知っていることだ。 学生たちにはそれがない。 でも、だからこそ、突っ走っていくことができる。 それは大人になるにつれて失われていくものであり、だからこそ、悩みを抱えながらも前に進んでいく学生たちが眩しく見える。 本作の登場人物たちも、悩みを抱えながらも、前に突っ走っていく。主人公である折木奉太郎も、側からはそう見えなくても、自分の悩みと向き合いながら前に進んでいっている。 惜しむらくは、千反田えるの、その後だ。 きっと、彼女も、前に進むことができたのだろう。 叶うならば、その姿を見てみたいものである。
7投稿日: 2023.05.23
powered by ブクログシリーズを通して登場人物に愛着を持った今だからこそ、これまでで一番好きな短編集だった気がする。摩耶花の漫研での決着や、えるの将来への苦悩を見ることができて嬉しい。彼らの更なる未来が読みたい。米澤先生、どうかお願いします。
1投稿日: 2023.05.04
powered by ブクログ折木の過去、千反田の現在についての話のあまりスッキリしない感じの読後感が癖になります。 子供の頃、若い頃の心の揺らぎのようなものを思い出させてくれました。 あと、携帯電話を当たり前に持つまでいなかった不便さも懐かしかったです。
0投稿日: 2023.04.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集の面白さはダントツですね。 個人的には奉太郎の省エネ思考の由来がかなり驚きでした。走れメロスの解釈もそうですが、松尾芭蕉タイムトラベラー説は思わず吹き出してしまいました。 続刊待ってます!
0投稿日: 2023.02.22
powered by ブクログ6つの短編というか、エピソードを通じて、古典部の4人の大人の階段を登る姿が美しい。 生徒会長選挙の不正に対する里志、中学卒業制作物に纏わる奉太郎の言動、中学の英語教師とヘリコプターを巡る推理、漫画研究会の分裂と摩耶花の想い、えるの家の手伝いを手伝う奉太郎の心理、合唱祭のえる、それぞれに奉太郎が絡みながら、奉太郎のやらなくて良いことはやらない、やらなければいけないことは手短かにというモットーの謎に迫る。奉太郎の休日は誰かが終わらせてくれるという姉の言葉の意味もわかる。 もっと教養があれば、と奉太郎は言うが、高校2年にしては、それぞれが教養を身につけている。自分の高校時代と比較してもだ。奉太郎の感想文は稚拙さがありながらも自分自身の考えが表現されている。摩耶花の漫画も荒削りながら表現力がありそうである。里志の政治力も眼を見張る。えるは日本の文化に相当詳しい。私も高校時代にバンドをやったり、絵を描いたり、小説を書いたりしたが、どれも中途半端だった。 古典部の4人は、それぞれが強いと感じる。強い人というのは、人に優しい。表面的な優しさではない。そして他人を許せる度量がある人が強い人だと思うのである。そして信念を持っている。 そういう人でいたい。
9投稿日: 2023.01.21
powered by ブクログ流石氷菓シリーズ 走れメロスの解釈が独特で面白い 続きがとても気になる終わり方だった。 早く続編が読みたい
2投稿日: 2023.01.13
powered by ブクログ今回は2年生になった古典部の短編集。 6つのエピソードから成り、ホータローが省エネ主義になった理由やマヤカが漫研を辞めた時のエピソード等が明かされた。 個人的にはマヤカを主観に描いた「鏡には映らない」というエピソードが好きだった。
7投稿日: 2022.11.16
powered by ブクログ今後古典部が進んでいく道がとても気になる。 奉太郎が奉太郎である根源の一部が見られた気がした。これまでよりもさらに好きになった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「ちーちゃんの行きそうなところ、知らない?」夏休み初日、折木奉太郎にかかってきた“古典部”部員・伊原摩耶花からの電話。合唱祭の本番を前に、ソロパートを任されている千反田えるが姿を消したと言う。千反田はいま、どんな思いでどこにいるのか―会場に駆けつけた奉太郎は推理を開始する。千反田の知られざる苦悩が垣間見える表題作ほか、謎解きを通し“古典部”メンバーの新たな一面に出会う全6編。シリーズ第6弾!
1投稿日: 2022.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古典部シリーズ第6作。 本作も6編からなる短編集。 古典部の部員たちの心の揺れ動きなどが描かれており、また奉太郎のやらなくてもいいことならやらない、やらなければいけないことは手短にという省エネ主義も周りの面々に動かされて変わっていくところも描かれておりなんか心地よい。 さいごのいまさら翼といわれてもで千反田の将来についても描かれており、続編はあるのだろうがある種楽しみになった。
0投稿日: 2022.10.16
powered by ブクログ人気シリーズと知らずに購入 この方の本は最後にすごいどんでん返しがある印象でしたが、今回はそういったものはなく、淡々と終わった感じ でも読みやすいし展開は気になる
0投稿日: 2022.10.01
powered by ブクログ★折木さんの好奇心をくすぐるものがこの世に存在するなんて、それっていったい何なのか……。わたし、気になります!(p.133) 【感想】 ・このシリーズを読むといつもなにやら哀しみをおぼえてしまいます。おそらくは、奉太郎くんは今がもしかしたら人生でもっとも幸福な時期で遠からずそれは失われてしまうのだろうと予想されるからかもしれません。わりとクールなつながりとはいえ、いてもいいと思われる場がある。でもこれは期間限定。もし後に、万が一、彼とえるがくっつくことになったとしてもそれは場ではない。 ・『氷菓』のときから予測はしていた「いまさら翼といわれても」。えるの翼なのか、それとも奉太郎の翼なのか、両方なのか。二人とも翼を折りたたんで忘れようとしているので。今後、二人はぎこちなくも翼をひろげようとするのか? 【内容】 ・焼きそばと、生徒会長選挙で生徒数より投票数が多かったのはなぜ? ・中学の卒業制作で奉太郎のしでかした、うっかりしたら卒業生全員に恨まれているかもしれないこととは? そしてじつは彼らしくなかったと摩耶花が気づいたその行為はなんのためになされたのか? ・ヘリコプターを見た奉太郎がらしくなく他者に関心を示したのはなぜか? アニメを観たとき個人的事情ではありますが全編でもっとも印象に残った作品だったりします。 ・奉太郎が「走れメロス」について書いた読書感想文と、相変わらずゴタゴタしている漫研分裂の危機に摩耶花がとるべき行動は? ・冷やし中華と、行方不明になったえる。 【一行目】過ぎてしまったことをよく憶えている方ではない。 ▼古典部についての簡単なメモ 【アカペラ部】実力派。 【阿川佐知/あがわ・さち】一年下の下級生。大日向友子が気にしていた。 【浅沼/あさぬま】漫研で摩耶花と同学年。自分でも描きたい派。 【アニメ】アニメの「氷菓」は全部観ていてよくできてたなあと思ったがじつはほとんど覚えていない。覚えているのは最初の回で窓際の千反田えるが振り返るシーン、先輩(女性)と奉太郎が喫茶店らしき場所で話しているシーン、ヘリコプターが立山連峰っぽい山を背景に飛んでいるシーン。運動会かなにかのイベントのさなか料理をつくっているシーン。えるが祭りかなんかでお雛様みたいなかっこうをしてるシーン。それだけ。ストーリーはまったく記憶にないなあ。録画はしてるのでもいちど観ようかなあ。ま、シリーズ全部読んでからね。 【雨乞い】《折木奉太郎は今日、雨乞いはやらなくてもいいことだと悟ったのだ。》概算p.5 【生き雛】水梨神社の祭事。奉太郎は千反田えるが扮する雛に傘をさしかける役で参加させられるが皆から「似合わない」と言われる。こういう役は地味なタイプでないと似合わないのでおそらく奉太郎の外見はけっこうよくて、主役タイプなのだと思われる。本人や周囲の評価はともかくとして。 【池平/いけひら】摩耶花の中学時代の同級生。 【糸魚川養子/いといがわ・ようこ】司書教諭。 【伊原摩耶花/いばら・まやか】→摩耶花 【入須冬美/いりす・ふゆみ】冷厳さをかもしだす美貌の先輩。あだ名は「女帝」。「桁上がり」の四名家に並ぶ名家、恋合病院の経営者一族。「エンプレス」と言ったら「絶チル」の紫穂を思い出した。他者を操るタイプ。「必要な技術のない人間にはいい仕事はできない」愚者p.103。そらそうや。どうやら奉太郎の能力をそこそこ高く評価しているようだ。《誰でも自分を自覚するべきだ。でないと。》愚者p.183。生き雛の祭事では内裏役をこなす。 【印地中学/いんじちゅうがく】千反田えるの母校。 【映画】二年F組の体育会系部員が自分たちも文化祭に参加したいとつくった映画。仮称「ミステリー」。登場人物は海藤武雄、杉村二郎、山西みどり、瀬之内真美子、勝田竹男、鴻巣友里の六人と、名前は出ていないが撮影している誰かの計七人。 【江嶋椙堂/えじま・さんどう】神山市出身の作詞家。主に童謡。北原白秋、西條八十、野口雨情と並び童謡四天王と呼ばれた。と里志は言ったがたぶん彼の創作。というかこの人物自体米澤穂信さんの創作かなあ? 【える】千反田える。ヒロインの扱いだろう。最初の時点で隣クラス(一年A組と思われる)の生徒。外見は「楚々」とか「清楚」とかいう言葉を体現し観察力と記憶力にすぐれており家がとてつもない名家であり時折好奇心の申し子となり「わたし、気になります」が決め文句で大きな目のチカラが半端ではない普通の女子高生だ。背はけっこう高い。暑さに対する耐性が非人間的なほど高く日焼けもしないらしい。《パーツではなくシステムを知りたいんです》氷菓p.87。彼女の好奇心をクリアするために奉太郎は省エネを捨てねばならないが逃げようとするともっと多大なエネルギー消費が必要になってしまう。パーソナルスペースが狭いのでいつの間にかかなり近くに顔があったりして奉太郎はギクッとしたりする。 【江波倉子/えば・くらこ】入須冬美が寄越した案内役。 【大出/おおいで】古典部の顧問。 【大日向友子/おおひなた・ともこ】奉太郎たちの一年下。古典部に入る予定だったが…。奉太郎と同じ鏑矢中学出身。やりかけたことは終わらせるが信条。友だちを引き合いに出すのがクセ? えると奉太郎が新歓祭で製菓研の大きいカボチャのことを話していたのに興味を引かれた。《あたし、仲のいいひと見てるのが一番幸せなんです》概算p.78 【小木正清/おぎ・まさきよ】鏑矢中学の英語教諭、ヘリコプター好きで生涯に三度雷に当たっている。 【小幡春人/おばた・はると】陸山宗芳の次の生徒会長選挙に出馬するが破れる。 【尾道/おみち】厳格で鳴らす数学教師。竹の棒を指示棒のように振り回す。 【折木供恵/おれき・ともえ】奉太郎の姉。海外にいる。古典部のOGで奉太郎に古典部救済のため入部を命じた。特技は合気道と逮捕術。痛くするのは得意。なんでもわかってるように見える。リナ・インバースの姉みたいな絶対的な存在? 休日の朝《姉貴がどうしているかはわからない。家にいるかもしれないし、日本にいないかもしれない。》概算p.87 【折木奉太郎/おれき・ほうたろう】→奉太郎 【買いかぶり】《安く見られることは笑ってながせても、高く買われることは聞き捨てならない。》雛p.148 【勝てる気がしない】奉太郎にとってはまず姉の供恵。そして結果的に千反田えるかと。里志にとっては十文字かほ。田名部治朗。 【鏑矢中学】奉太郎たちが卒業した中学校。 【神山高校】奉太郎が入った高校で、主要な舞台となる。多彩な部活動を誇る。アニメでは立山連峰っぽい姿が描かれていたことがあるから富山県か岐阜県。祭事のときの町並みが高山っぽい感じやったんで場所的にはその辺かなと思う。生徒数は一千人。ウチは二千人弱やったんでこぢんまりしたイメージ。 【神山高校五十年の歩み】書籍。革張りで細密な装飾が施されており黒ぎりぎりの濃紺という色合いが重厚さを醸し出している校史。五人の二年生女子生徒が金曜日の昼休みに借り、その日の放課後に返却している。重しにでも使う必要があるのだろうか? 【カンヤ祭】神山高校の文化祭、通称「カンヤ祭」は有名でこの地域では若者文化の華といえるほど盛大。えるの発案で古典部はそれに向けて文集を出すことになった。教師は「カンヤ祭」とは呼ばない。 【期待】里志いわく《期待ってのは、諦めから出る言葉なんだよ》《時間的にとか資力的にとか、能力的にとか、及ばない諦めが期待になるんだよ。》p.347 【クイズ研究会】文化祭でかなりの集客をした部活。 【陸山宗芳/くがやま・むねよし】生徒会長。 【桁上がりの四名家】荒楠神社の十文字家、書肆百日紅家、豪農千反田家、山持ちの万人橋家。ちなみにえるは千反田家の一族。それに並ぶのは病院長入須家、教育界の重鎮遠垣内(とおがいと)家。ちなみに「桁上がり」というのは里志の造語。 【工作部】古典部のライバル。なんの? 【河内亜也子/こうち・あやこ】漫研の一年先輩。漫画は読むだけ派のリーダーだったがじつは描く実力も高い。 【巧文堂】駅前にある小さな文房具屋。 【郡山養子/こおりやま・ようこ】「氷菓」第二号で関谷先輩のことを書いていた、おそらくこの時点での古典部部長。養子という名は司書の糸魚川先生と同じなので同一人物だろう。えるの疑問は彼女に聞けばほぼ解決すると思われるが、たどり着けるか? まあ、ストーリー上たどり着くのだろう。 【こだわり】《こだわることをやめた。いや、違うな。こだわらないことにだけこだわるようになったんだ。》雛p.338 【古典部】新入部員がなく廃部のピンチだったが姉の命で奉太郎が籍を置くことになった。部室は地学講義室で特別棟四階、神山高校最辺境の地にある。何をする部活かよくわからないがとりあえず文集はつくっていたもよう。 【古典部員】奉太郎、える、里志、摩耶花が一年生のときに入部。なんとか存続。里志は手芸部と総務部と、摩耶花は漫研とかけもち。 【財前村】登山口と温泉で知られている。伊原摩耶花の親戚が民宿を営んでいる。どうやらモデルは平湯温泉だそうだ。小学生のとき乗鞍(ついでに上高地)へ登りに行くとき通ったような気がする。生まれて初めてそしてたった一度の車酔いをした記憶がある。奉太郎のように。 【里志/さとし】福部里志。最初の時点で一年D組。古典部、手芸部、総務委員をかけもちしている。概算では二年で総務部副委員長になっている。奉太郎の旧友にして仇敵。いつも微笑みを浮かべ背が低く遠目には女の子に見まがうルックスで、なんでも出てくる巾着袋をぶら下げ口が減らず不要な知識をいっぱい持っているデータベースと言える普通の男子高校生だ。奉太郎いわく似非粋人。楽しげなことを追求する。モットーは「ジョークは即興に限る、禍根を残せば嘘になる」氷菓p.24。興味を抱いたことは追求し、必要なことを二の次にできる肝のすわったヤツ。手芸部と掛け持ちで古典部に入った。スポーツはサイクリング一本。意外にも文章を書くのが苦手なようだ。シャーロキアンではなくホームジストに憧れているらしい。 【沢木口美崎】二年F組の映画の広報。撮影にはタッチしていない? 部活は天文部。「別にいいじゃない、鍵ぐらい」愚者p.168。ミステリ好きすべての敵という考え方。犯人はめちゃくちゃ脚が速かったとか、立ったまま十メートルジャンプできるとか、いたらすべてが無効になってしまう。というようなことをぼくもよく考える。このシリーズすごく細かいけど特殊能力持ってるヤツがいたら意味ないなーとか。 【柴崎】教頭のひとり。え!? いまは教頭って複数人いるの? 【清水紀子/しみず・のりこ】文化祭クイズ研究会のイベントで優勝した。 【十文字かほ】荒楠神社の娘。えると親しい。里志いわく「図書館の新しいヌシ」で一目置いている。クラスメートのようだ。碩学。占い部唯一の部員でもある。いずれ重要な役割になるかもね? 【手芸部】カンヤ祭では曼荼羅絨毯を縫う。なんか、凄いぞ。 【常光清一郎/じょうこう・せいいちろう】陸山宗芳の次の生徒会長になった。 【ショッキングピンク】里志の基本属性らしい。他の色に染まることはない。 【女帝】→入須冬美 【女郎蜘蛛の会】神山高校にあるかもしれない秘密の部活動。実体は不明。 【新歓祭】新入生歓迎週間のこと。生徒会や各部活の勧誘オリエンテーションが行われラストに校庭で大勧誘合戦が行われる。 【信条】奉太郎の信条は「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」。 【新聞部】神山高校には新聞が三つある。隔月発行で各教室に配られる「清流」が新聞部。不定期刊行の「神高生徒会新聞」が生徒会。八月と十二月を除く毎月昇降口前に貼られる「神高月報」が壁新聞部。壁新聞部には四十年の歴史がある。 【シンボル】入須冬美のあだ名が「女帝」だったのにつられて里志が考えた古典部メンバーのシンボルは、摩耶花が「正義」、里志が「魔術師」、えるが「愚者」、奉太郎は、里志は「力」だと言い、えるは「星」だと言う。うーん、星のほうが近い気はするけど? 【青山荘】伊原摩耶花の親戚が営んでいる民宿。財前村にある。 【制服】神山高校の制服は、女子はセーラー服、男子は詰襟。 【関谷純/せきたに・じゅん】千反田えるの伯父。母の兄。十年前マレーシアに渡航し七年前から行方不明。三十三年前「コテンブ」にいた。 【善名嘉代/ぜんな・かよ】青山荘の娘。伊原摩耶花の従姉妹? の妹の方。小学六年生。おどおどしている。 【善名梨枝/ぜんな・りえ】青山荘の娘。伊原摩耶花の従姉妹? の姉の方。中学生。外向的な性格のようだ。 【惣多/そうだ】奉太郎の中学時代の友人。ぼぉっとしていてサッカーが上手かった。 【田名辺治朗/たなべ・じろう】総務委員長。奉太郎たちが一年生のとき三年生。里志も一目置いている。 【谷惟之/たに・これゆき】クラスメート。囲碁部。なぜか里志をライバル視してる? 【頼みごと】女帝によると頼みごとには見返りがある頼みごとと見返りのない頼みごとがある。頼みごとがある場合は相手を信用せず余裕と予備が必要で、見返りのない頼みごとには精神的満足感を与える必要がある。 【多丸潤子/たまる・じゅんこ】ピアノ部唯一の部員。奉太郎一年のとき三年生。突き指でしばらくピアノを弾けなくなった。 【段林/だんばやし】江嶋合唱祭で奉太郎が出会った仕切り屋の女性。焦っていた。 【千反田える/ちたんだ・える】→える 【千反田庄之助】えるの祖父。農地改革で土地は手放したが近代化をすすめ収益で買い戻していった。 【チャットルーム】愚者では最初と最後にチャットがある。そこに登場するのは入須冬美、本郷真由、奉太郎の姉(たぶん)、千反田える、奉太郎。 【遠垣内/とおがいと】先輩。壁新聞部の部長。教育界の重鎮、遠垣内一族。部室は特別棟三階の生物講義室で数年前の古典部部室。 【得意】《俺は白いトレンチコートを羽織り、ストーブの前で生ける彫像と化す。俺が最も得意とする行動の一つだ。》雛p.362 【トラブル】里志いわく《乗り越えるべきトラブルがあるなんて、なんて素敵なことだろう!》クドリャフカp.17 【中城順哉】二年F組の映画の助監督。 【灰色】里志いわく奉太郎の基本属性らしい。他の色には染まらない。貶めて言っているのではない。 【パイナップルサンド】喫茶店。焦げ茶を基調とした色合いの静かな店内と酸味を利かせたキリマンジャロが奉太郎のお気に入り。ぼくは酸味のあるコーヒーはちょっと苦手、苦味の強いほうがいい。概算では移転して近所ではなくなってしまった。 【羽仁真紀/はに・まき】漫研部員。摩耶花と同じ二年C組でもある。漫画は読むだけ派のようだ。気弱そうに見えて気弱ではない。 【羽場智博/はば・ともひろ】二年F組の映画の小道具班のひとり。でしゃばりらしい。ミステリ好き。 【氷菓】古典部の文集の名前。作品名になっているくらいだから当然なんらかの意味が含まれているのだろう。カンヤ祭に向けて発行していたようだ。新たな氷菓の内容は、摩耶花がミューとかナンバーズとかが出てくる古典的マンガについて。おそらく「地球へ…」のことだろう。サトシはいるけどポケモンではないと思う。里志はゼノンのパラドックスについてのジョーク。まあ、それ自体ジョークみたいなもんで言った本人も茶化すつもりやったんやと思うし。。奉太郎は今回たどり着いたことについて書いたようだ。えるが何を書いたのかは不明。 【フロルベリチェリ・フロル】摩耶花が文化祭でコスプレしたキャラクタ。言われないとコスプレとわからんやろなあ。 【文化祭】→カンヤ祭 【ベナレス】葬式の街でひっきりなしに葬式が行われている。ここで死ぬと仙人と同格になれる。土地の言葉ではバナーラシーという感じなんだとか。 【福部里志/ふくべ・さとし】→里志 【福部里志の妹】一年下の下級生になった。奉太郎によるとちょっと変わったヤツらしい。 【奉太郎/ほうたろう】主人公で語り手。折木奉太郎。スタート時点で神山高校一年B組と思われる。姉の命で古典部員に。省エネを信条とし動くよりはまず考えようとしやらなくていいことはやらずにすませたい普通の男子高校生だ。ただし《回避は好きだし省略は大好きだ。しかし先延ばしは好きではない。》概算p.24。 【奉太郎のわらしべ長者】文化祭で奉太郎が交換したもの。姉からの壊れた万年筆→被服研の演し物の招待券(ワッペン)についていた安全ピン→園芸部の焼き芋の火を消す用の水鉄砲→製菓研の訪販からビスケット二袋と薄力粉→摩耶花がコスプレで使ったハート型のブローチ→姉に戻って『夕べには骸を』。 【星ヶ谷杯】神山高校の、はやいはなしがマラソン大会。かつて活躍した選手にちなんだ名称らしい。だいたい二十キロほど走る。運動部としては普段のトレーニングよりすこし増える程度だろうが一般生徒にとっては気の遠くなるような距離かも。記録では一度も雨が降ったことはない。《きっと星ヶ谷選手の加護があるのだろう。/ろくなやつじゃないに違いない。》概算p.8 【ボディトーク】摩耶花の推す二作品のひとつ。僅差で『夕べには骸を』が勝る。二頭身の猫が随所に登場する。タイプ的にはスラップスティック。 【本郷真由】二年F組の映画の脚本を書いたが途中で倒れてしまい結末がわからなくなった。 【招き猫】奉太郎んちのリビングには笑っているようにも見える招き猫があり小判には「吉」と書いてあり目からビームを放つ。 【摩耶花/まやか】伊原摩耶花。奉太郎とは小学校以来九年間同じクラスになった。つまりずっと同じクラスだった。が、交渉はない。ルックスはよく七色の毒舌も爽やかな普通の女子高生だ。「あれ、折木じゃない。久し振りね、会いたくなかったわ」p.49。ちなみに里志に求愛しつづけている奇特な女性でもある。漫画研究会所属だが里志を追っかけて古典部にも掛け持ちで入部。図書委員もやってるようだ。チーズが苦手。 【摩耶花のコスプレ】一年生の文化祭の漫研のイベントで摩耶花のしたコスプレは初日が「11人いる」、二日目が「エスパー魔美」、普通の服でコスプレと言い張れるタイプ、三日目が…ちょっとわからない。これまでのからするとけっこうメジャーなんやろうと思うけど? 【漫画研究会】摩耶花が古典部とともに入っている。河内先輩の周囲に集まる派閥は人数は多くないが発言力はある。摩耶花の周囲には河内先輩に違和感を感じている者たちが集まる。そして少数派の人畜無害な男子部員たちがいる。 【万年筆】奉太郎が姉からもらったおまもり? ペン先が割れて使えなくなっている。 【ミステリの原則】十戒とか九命題とか二十則とかあるらしい。 【水梨神社】生き雛が練り歩く祭はけっこう有名。奉太郎は知らなかったが。 【面倒】《何かを毎日やるよりも、何かをやる必要があるのか毎日判断する方が面倒》翼p.258 【森下】声が大きく竹刀を藻ったら似合いそうな教師。 【夕べには骸に】摩耶花が絶賛する漫画短編集。主人公たち入学の前年に文化祭でひっそりと売られていた。 【幽霊】《むしろ幽霊を幽霊のままにしておく方が、俺たちにとっては難しいかもしれない。》雛p.103 【湯浅尚子/ゆあさ・しょうこ】漫研部長。猫と縁側が似合うような人。おっとりしてるように見えてなかなかやるー。でも実作はできない。 【横手】江嶋合唱祭にえるといっしょに来たという老婦人。焦っていた段林をよそに落ち着いていた。 【吉野康邦/よしの・やすくに】放送部部長。
0投稿日: 2022.08.23
powered by ブクログシリーズ6作目。古典部メンバーの内面に深く切り込む短編集。部活の人間関係や進路など高校生らしい悩みを抱えた古典部の面々。難しい台詞回しに惑わされがちだけど、この子たちは神山高校が生活のほとんどを占める高校生なんだと実感した。切ないというかやりきれないというか、余韻が残る短編集だったな。
1投稿日: 2022.08.21
powered by ブクログ前作から通しで読んだ。 深く考える人は深く読めるし、さっぱりと読む人にはさっぱりと読める作品と感じた。
0投稿日: 2022.08.14
powered by ブクログ余韻の残し方、って言えばいいんでしょうかね、すごく心の奥の方にほんのちょっとだけ、自分たちにも覚えがあるような傷、をつける終わらせ方をするんですよねぇ…それが毎回毎回切なくて… ふと思ったのですが、ホータローくんのお母さんが出てきませんよね?これもきっと今後のための伏線なんでしょうねぇ…
0投稿日: 2022.08.11
powered by ブクログ読後は胸が締め付けられる思いになった。 アニメ化した時に私も高校生だったので、あの頃と同じような時間を奉太郎も過ごしたんだろうなと思う。 そんな自分の生きた時間を重ねて考えるとやはり胸が締め付けられる。 何故票はかさ増しされたのか、雷に3回うたれたその時の出来事の詳細、摩耶花の決断の理由など、多くの語られなかった部分が気になる。 その不確定な要素が、胸を締め付けるのだと思う。 里志の摩耶花への気持ち、奉太郎の真意、えるの悩みも、私の考えが及ばないところがある。 私はあの頃を脱して(思春期の渦巻く悩みから脱したのだ)大人になったけれど、その描写はこの作品の段階では描かれていない。 それが苦しいのだ。 続きが気になる。 早くあの頃を脱してほしいのだ。 どうか最後まで描いてほしい。
8投稿日: 2022.07.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「古典部」シリーズでは一番好きな一冊。というのは、自分はミステリーに疎いし、読み進めながら謎を推理できるほど頭の回る人間でもなく、むしろこのシリーズについては、登場人物たちのどこかほろ苦い青春の描かれ方により関心があるから。本作は彼らの、特に奉太郎を軸とする関係性が微妙に変化する短編が複数、収められている。描かれる謎としては一つ一つが小さなものであっても、高校生活という有限の時間の中を生きる「彼らの物語」を次のステップへと進めるための重要なエピソードがいくつもある。 購入前から特に楽しみにしていたのは、テレビアニメでも最も好きな一話だった「連峰は晴れているか」。謎解きの後、えるが放つ「うまく言えません」のひと言が、小説ではどのように描写されているのかが最大の関心事だった。テレビアニメではあの瞬間、奉太郎に対するえるの評価に一つの決定打が与えられたかのように描かれていたが、小説版では、果たして。 存外に、というかあまりにもあっさりとした描写ではあったが、逆に良かったのかもしれない。あくまで奉太郎視点の、つまり奉太郎の観察眼に基づく描写ならばこれぐらいが限界だろうし、ここに妙な力が入れば不自然になる。 むしろ感動したのは、京都アニメーションの制作陣がこの記述からあれだけの昂奮を呼ぶ表現にたどり着いたという、その読解力と演出の力に対してだった。本当にいい仕事をしてくれたと改めて称賛を送りたい。同時に、その制作にも携わったであろうスタッフも含めて大勢が犠牲となったあの放火殺人事件が、返す返すも忌々しくてたまらない気持ちになる。いつかテレビアニメの続編が制作されたら、自分がどれほど喜ぶか想像さえもつかない。 その他のエピソードも、折木奉太郎という人間がどのようにして形成され、これからどこに行こうとしているのか、一方の千反田えるはどうか。そういうことに思いを巡らせる上では避けて通れない短編の数々で、よくぞこれらを一冊にまとめてくれたものだと思う。まるで季節が過ぎ木々が色合いを変化させるように、この文庫本一冊の中には、彼らが時と共に様相を変貌させ、ただ根幹は変わらずにあり続ける、そういう人格的な成長(あえて成長と呼びたい)の機微が美しく描かれている。
1投稿日: 2022.06.13
powered by ブクログ古典部のみんなの普段より深い気持ちの部分まで迫っていて面白かった。 今作も見事に安楽椅子探偵が炸裂していた。 続編に期待。
0投稿日: 2022.05.29
powered by ブクログ古典部シリーズの登場人物達のことをどこか遠く感じていたが、今作で人間らしさが見られて解像度が深まった。
0投稿日: 2022.04.27
powered by ブクログ良いタイトルでした。 古典部シリーズの登場人物達はどこか理屈っぽいきらいがありますが、そんな彼らの成長 迷い 決断 色々な気持ちが見られる短編集でした。 打ち止めのような終わり方をする話が多いですが、この先に彼らの人生が続いていくのだなと感じられるものでした。 キャラが生きている、と感じました。
0投稿日: 2022.03.17
powered by ブクログ短編集。『鏡には映らない』が個人的に今まででトップクラスに面白かった。古典部の成長が少しずつ垣間見えていく様子が、物語の進行を感じさせてくれる。次のお話がいつになるかは分からないけれど、筆者は完結させると断言しておられるので、楽しみに待っていたい。
1投稿日: 2022.03.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古典部それぞれ目線の短編集。 遠まわりする雛で、奉太郎が自分の気持ちにふんわり気付いたからか、読んでるこっちが2人を意識してしまった。笑 本のタイトルにもなっている、最後の話は高校生なみんながどんな道を進んで行くのか知りたい気持ちが湧いた。 伯母さんは跡継ぎとしての千反田ちゃんを信じてくれていたけど、奉太郎がその重りを解いてあげて、真面目で責任感が強いえるちゃんが、えるちゃんとしての選択をしたのが良かった。 結局、合唱祭には行かなかったと解釈した!
0投稿日: 2022.03.11
powered by ブクログ今まで千反田えるを謎を運ぶ美少女だと思ってが、この本で見方が変わった。千反田えるは、将来が約束されていて豪農である千反田家を継ぐという覚悟を持って生きてきたのに、突然自由を言い渡されてしまった。これをタイトルが全て回収してくれる。 他にも折木奉太郎の省エネ主義の原点が書かれている。自分が都合のいい人間に成り下がらないために長い休暇に入った奉太郎。休日から解放してくれるのは誰だろう?「やらなくていいことならやらない。やらなければならないことは手短に。」という奉太郎のモットーに重みを加えてくれる話だった。
0投稿日: 2022.03.05
powered by ブクログ古典部員、それぞれが主人公とした短編集。 短編なのに、内容濃いめでガツンとした読み応えが好みでした。 表題作「いまさら翼といわれても」は、なかなか考えさせられるラスト。決めるれた人生から解き放たれるって幸せや解放感だけではすまない、なんて考えも及ばなかった。 決めるれた人生が幸せなのか不幸なのかは他人が決められることではない。
10投稿日: 2022.03.03
powered by ブクログ古典部シリーズ第6弾。 なかなか込み入った話になってきたなぁ。 「いまさら翼といわれても」 そうだよなぁ。第7弾では答えが出てるのかな?心配な終わり方だった。
0投稿日: 2022.02.23
powered by ブクログ直木賞受賞のニュース見てふと探した読んでなかった古典部シリーズ。このシリーズとか、同じくらいの世代で読んでたら感じ方全然違ったんだろうなーって言う読後感を毎度覚えてる気がする。
0投稿日: 2022.02.12
powered by ブクログ古典部シリーズ6作目 いつの間にか文庫化してたのを知らずに読んでなかった…… 6編を収録 ・箱の中の欠落 ・鏡には映らない ・連峰は晴れているか ・わたしたちの伝説の一冊 ・長い休日 ・いまさら翼といわれても 総じて、各キャラのこれまで見えなかった側面やバックグラウンドを深堀りするエピソードになっている 奉太郎が省エネ主義に反した行動をするときの理由は?そもそも、なぜ省エネ主義になったのか? 色々と手を出すけど責任者的な立場にはなりたくないはずの福ちゃんが選挙に首を突っ込んだり 高校入学当時、伊原摩耶花が奉太郎を嫌悪感を抱いていた背景 マンガ描きの行く末 責任感が強いはずの千反田さんが合唱で遅刻している理由 等など 「箱の中の欠落」、「鏡には映らない」で奉太郎が動いているのは義憤かな? 「勝手に判断するな」と「それくらい自分で考えろ」の両刀使いはマジ迷惑よね どこまでが自分で判断すべき事項なのか、事前に基準を明確にしてほしいものですが、この手の人間の問題はその基準は自分の中でもころころ変わるところなんですよねー 卒業制作のフレームはすべてわかってしまえばザマァ案件なわけで 人を呪わば穴二つとはよく言ったもので、その呪いが自分に返ってきてるのはウケる 「連峰は晴れているか」はまるまるエピソードを知ってる アニメでもマンガでも既出だけど、原作ではこんなところで登場するエピソードなんですね 省エネ主義の奉太郎が自ら率先して調べる姿とその動機は好感が持てる 奉太郎の読書感想文のエピソードって他にもなかったっけ? 中島敦の山月記の現実的な解釈とか、芥川龍之介の猿蟹合戦の法的な解釈とか それとは別のエピソードって事ですかね 冒頭でも言及した通り、各キャラの背景を深堀りする内容になっていて さらに将来の事まで描写しているわけで、続きが今までよりもっと気になります!w
0投稿日: 2022.01.27
powered by ブクログ日常の影にある見逃されそうなミステリーと、絡む人間模様が見事。 大人と子供の狭間で揺れる青春ならではの心情が、切なくて美しいと感じました。
0投稿日: 2022.01.19
powered by ブクログラノベのような文体だが嫌いじゃない。 古典部シリーズ6作目、だけどこの本から古典部シリーズ読み始めてしまった…でも短編集なので逆に読みやすかったかも。 「わたしたちの伝説の一冊」がよかった。文化部には文化部の青春があって、集団の理屈があって、でも各人の気持ちもあって… 摩耶花のこれからをただただ応援したい。
1投稿日: 2021.12.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
氷菓シリーズの短編集。本書のタイトルにもなった短編は、レールの上を歩く人生の覚悟や努力、困難さが読み取れる。 私のように何も背負うことのない人間は「自由に生きる、自分で道を選びとる」という言葉を安易に使いがちで、それをさも最善であるかのように思い込んでいる。しかしながら、多くの期待を背負って生きてきた人間のことを思うと、軽々しく言える言葉ではないと感じた。 次巻では今回明らかになった千反田の立ち位置に焦点を当てた内容になるのだろうか
0投稿日: 2021.10.08
powered by ブクログ読んだ後に、少し悲しくて甘酸っぱい気持ちになる。これからも時々この世界に浸りたくなると思うから、買って正解!
7投稿日: 2021.09.28
powered by ブクログ古典部シリーズでは連作短編ってあっただろうか?古典部それぞれを覗いたような短編集で面白かったし、ホータローのあの謎がわかって嬉しかった。 コレを読んでしまうとまた一作目から読みたくなるのが困ってしまう。
1投稿日: 2021.09.22
powered by ブクログ古典部シリーズ第六弾。 「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」がモットーの省エネ高校生・折木奉太郎が、今回も日常の謎に挑む。 米澤穂信さんの作品の中では一番好きなシリーズ。何といってもこの主人公のホータロー少年が良いんだよな。 今回は、6篇からなる短編集となっており、奉太郎と摩耶花が交互に語り手を務める。 「鏡には映らない」、「長い休日」、「いまさら翼といわれても」が良かったかな。 「鏡には映らない」では、奉太郎が中学生のときの卒業制作である事をしたおかげで、学年全体から疎まれることになってしまい、その過去の出来事を摩耶花が突き止めていく。謎を解いたら、意外な真実が隠れていた。奉太郎はやっぱりカッコイイなぁ。 「長い休日」は、えるが奉太郎に、なぜ省エネ人間となったのか尋ね、奉太郎が子供の頃の話を始める。 子供の頃、世の中の「理不尽」を目の当たりにして、以降合理的に生きる奉太郎だけど、やっぱり困っている人を見ると放っておけないところを見ると、一見飄々としているけどお人好しなところに好感を持ってしまう。 「いまさら翼といわれても」では、えるが合唱祭の本番直前に姿を消し、奉太郎が様々なヒントをたぐり寄せて、居場所を突き止める。 えるの抱える悩みがこれから奉太郎たちと過ごしていきながら、解決していくと良いな。 ミステリー好きだった私が、「日常の謎ミステリー」というジャンルの面白さと初めてであったのが、米澤穂信さんでした。 まだまだ続いて欲しいシリーズです。
3投稿日: 2021.09.21
powered by ブクログ何度目かの再読。古典部シリーズ短編集。今作はどの話もちょっとビターでほろ苦い。再読なのでどの話も覚えていたのだが何回読んでも毎回少し苦い気持ちになる。表題作である「いまさら翼といわれても」も勿論好きだが、一番好きなのは折木奉太郎という人間の根幹やら本質やらを何気なくも鋭く書いた「連峰は晴れているか」かな。
3投稿日: 2021.09.14
powered by ブクログ古典部シリーズ第6弾。短編ストーリーの多い今回は人の心情を読み解く面白い話が多かった。『鏡には映らない』では違った視点から見ないと見えないものがあると教えられてる気がしました。『長い休日』での折木奉太郎のモットーの原点を垣間見ることができたと思います。 次回作も楽しみにしたいと思います!
0投稿日: 2021.08.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古典部シリーズ最新作。 今までは千反田に苦悩と呼ばれるものが今までなかったので, 最後の章はとても驚き胸が苦しくなってしまった。 えると奉太郎が苦悩をどんな風に決着をつけるのだろうか…。
21投稿日: 2021.08.07
powered by ブクログ他の作品よりは読み進まなかったけど、こちらも十分に楽しめた。ホータローはただただ、いい奴だった。そしてお姉さんが素敵。 これで終わりなのでしょうか? まだまだみんなの話が読みたい。
1投稿日: 2021.08.06
powered by ブクログ古典部シリーズの楽しみ方は本格ミステリーから青春エピソードまで色々な要素があるけど、やっぱり奉太郎の成長を垣間見えるのが自分的には読んでいて一番嬉しい。 時には甘酸っぱく、時にはもどかしく、 考えるより先に行動してしまったり、たくさん悩んだり。 今作も多感な高校時代を思い出させてくれるとても良い作品でした。 次回作があるかは分からないけど、将来に向かって少しずつ動き出す4人のストーリーをもっともっと見ていたいな。
1投稿日: 2021.07.02
powered by ブクログ古典部シリーズの短編。 「連邦は晴れているか」はアニメになったね。 短編もいいけど、古典部の4人の話を長編でまた読みたい。
1投稿日: 2021.06.19
powered by ブクログ『古典部』シリーズ6作目 『いまさら翼といわれても』 4作目『遠回りする雛』以来の短編集。 それぞれの関係と未来が大きく変わり、 過去が少し垣間見える1冊。 今回もタイトルに深い意味が 込められています。 各話の謎を解きながら、古典部のメンバーの 未来を覗いてみてはいかがでしょうか。
0投稿日: 2021.06.16
powered by ブクログ古典部4人との歩みもついに6冊目。 キャラクターはそのままに、高校2年という、えも言われぬ時間を短編に描いている。 デビュー作の氷菓に比べて、質がとても上がっているし、もっと彼等と同じ時間を過ごしたい、と感じた。
0投稿日: 2021.05.29
