
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
異論があること大前提、あくまで俺の好みとしてなんだけど、朱川作品にホラーは求めていない。 夕暮れ時の赤い空、地面には曼殊沙華、泣きながら空を飛ぶカラス、日暮れまで15分とない時間なのに家に帰る道を忘れ迷子…サーカスの子飼いにさらわれそうな不安感 この程度の怖さがあれば、朱川ワールドは十分に広がってくれるはず。ほんまにTみたいな展開や、誘拐犯がででくる必要はないのだ。 この作品集は、ホラー感を極力排して、ノスタルジーとファンタジー感をしっかり味合わせてくれるのがよい。「夕暮れ時は寂しそう、とっても一人じゃいられない」こそが朱川小説の真骨頂だと、俺は勝手に思っている。
1投稿日: 2018.10.16
powered by ブクログどんなに幸せの絶頂にいても、先のことはわからないものだ。 一瞬で奪われてしまう人の命とは、なんて儚いものなんだろう。 それでも、幸せな記憶はずっと心に残っていく。 会ったことがない父親に、公園で会ったとうれしそうに話す娘。 自分もその場所にいたはずなのに、何も覚えていないことが切なくて哀しくて涙ぐむ母親。 この世の常識でははかれないことだってある。 こんな奇跡ならあってもいいじゃないか、と信じたくなってくる。 幸せに過ごした時間は戻らないけれど、大切に思える人がいた…その思いはきっと消えることはない。 ちょっと不思議な、だけどとてもあたたかで切ない物語。 おだやかな物語は、いつだって心を優しい気持ちで満たしてくれる。
0投稿日: 2017.03.19
powered by ブクログ心が温かくなるような、ちょっと切ない不思議な話を集めた短編集。ファンタジーではあるけど、このくらいの不思議なら起こるかもしれないと思えるので、仰々しくなく素直に受け取りやすいのかも。雨つぶ通信、カンカン軒怪異譚、花散ったあとが面白かった。でも他の話も面白かった。
0投稿日: 2017.02.10
powered by ブクログ全編ハズレ無しの短編集。読後感はとても良く優しい気持ちにさせてくれる。同じ時代背景では無く大阪万博の頃やバブル期等バラバラではあるが特に違和感は無い。『わくらば日記』の様なちょっと不思議な能力を持った人や不幸な生い立ちを持った子、グレて道を外しかけた子、魂持ったフライパンを煽る中華屋のおばちゃん等出てくるキャラもそれぞれ立っていて面白い。別れがテーマなのだが無償の愛情を分けてくれる人と出会う事により再生への1歩を踏み出せる。どれもラストはホロリとくる秀逸な作品ばかり。これはオススメだ。
0投稿日: 2016.04.20
powered by ブクログ「ツカサもチィちゃんも、よう覚えときや。この世にはな、死ぬほどのことは何もあらへん。辛いのも苦しいのも、時間がたったら忘れられるもんやで。だから何があっても、自分で命を捨てるようなことをしたらアカンのや。」 「弘美ちゃん・・・正しいと思ったことをする時は、変にためらっちゃダメだよ。人の命に関わるような時は、なおさらね」 きっと世の中には、自ら進んでのら犬になった犬はいない。ほんのわずかでも、愛されていること-自分が誰かに必要とされていることが実感できれば、踏み外しかけた道を戻ることもできるのではないかと思う。
1投稿日: 2016.02.24
powered by ブクログ昭和ファンタジーホラー。そんな勝手なジャンル分けをしております。どれも昭和ノスタルジア満載で、不思議な幽霊譚ばかりです。怖い話はありません。ほんのり悲しくて明るくて、心のひだにちゅぴちゅぴと温かい液体を垂らして貰っているような心地よさがあります。好きだな〜この作家さん。
1投稿日: 2016.01.26朱川氏の真骨頂
『あした咲く蕾』『湯呑の月』『雨つぶ通信』『虹とのら犬』が特に好き。朱川氏の真骨頂。哀しくてちょっとした微熱にうかされるかんじが心地いい。どれも中年になった主人公が幼少時を回顧して綴っているという形式で、昭和の、それも東京の下町の香りがたまらない。実在の事件や事故やTV番組などのはやりものが出てくるところがリアリティ。ほかに『カンカン軒怪異譚』『空のひと』『花、散ったあと』短編7編。満足度100%
1投稿日: 2016.01.08
powered by ブクログ63 素晴らしい。短編がめちゃやっぱいい。オチもいい。うら悲しいけれど、なんか明るい、そんな世界観。
0投稿日: 2015.07.18
powered by ブクログカンカン軒の話が個人的には面白かった。ただし、全体通してこれまでの氏の作品と比べると何か物足りなさを感じてしまった。
0投稿日: 2015.02.16
powered by ブクログ朱川さん、大好き。でもどれもノスタルジーあふれる内容で、ちょっと寂しくなった。表題作、「あした咲く蕾」、おばさん、本当手加減下手だったんだなぁ。猫又になっちゃったじゃないの・・・。
0投稿日: 2015.01.16人の気持ち を穏やかに描く短編集
ちょっと切なく,ほんのりと心温まるような短編集です。人の気持ち って難しいですけどね。 最近お気に入りの作家の一人です。
5投稿日: 2014.09.03
powered by ブクログ「カンカン軒怪異譚」という話が、一番心に響いた。 ハラ減ると、ロクなこと考えない。 おばちゃんの考え方に、確かにその通りだなと思った。 どんなにやりたいことや、諦めたくないことがあっても、お腹が空いたままだと、なんだかどうでもよくなってしまうというような、経験をしたことがある人は、結構いるんじゃないだろうか・・・。 でも、お腹がいっぱいになってみると、もう少し頑張ろう。生きてて良かったと思うのだから、不思議なものだ。 肉や魚だけじゃなく、野菜、山菜、貝・・・。 どんな食べ物にも命があって、その命をもらうことで、生かされている。 どんな悩みも抱えている時は、深刻に考えてしまうものだけど、いつか、笑い話に、いい経験になったと思える時が来るはず。 悩みに覆い尽くされそうになってしまった時は、食事をしよう。そこから、全てはやり直せる。そう考えさせられた小説でした。
0投稿日: 2014.07.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ちょっと不思議で、しんみりしたり、ほろりとしたり 雨が降る夜なんかにしっとりと読みたい短編でした。
0投稿日: 2014.04.05
powered by ブクログ阿刀田高の後継者候補かなと思う。 オチがあって、ブラックかホラーの短編が好きですけど、 本書は暖かい話が多かったです。 「雨つぶ通信」「虹とのら犬」が特に良くて涙が出そうでした。 この作者の本をもっと読もうと思う。
0投稿日: 2014.03.31
powered by ブクログ昭和の東京の下町を舞台にした、ちょっと不思議でいい話七編。 朱川さんは、こういうシチュエーションの物語を作ると本当に巧い。浪花節にならず、お涙頂戴でもないのに、ホロッときてクスッとくる。特に今回の作品はラストのスパイスに味わいがある。 お気に入りは表題作、「カンカン軒怪異譚」「花、散ったあと」。
0投稿日: 2013.09.25
powered by ブクログ命を分け与える力を持つ女性.雨の日だけ,人の想いが聞こえる少女.昭和の下町を舞台に,ちょっとだけ不思議で温かい7つの物語.朱川作品は初かも.とても読みやすく,面白かったです.一番好きなお話は「カンカン軒怪奇譚」.鍋を振る陽気な女主人がとても魅力的でした♪
0投稿日: 2013.08.13
powered by ブクログ上質、っと思います。上質な本、かなぁ。女性のものとは違う、きれいな文章。 カンカン軒が好きかな。わかりやすくて、読んだあと嬉しくなる感じが。 2012/12/11読了
0投稿日: 2012.12.16
powered by ブクログあした咲く蕾 / 初出 オール讀物 2007年8月号 雨つぶ通信 / 初出 オール讀物 2009年2月号 カンカン軒怪異譚 / 初出 オール讀物 2008年8月号 空の人 / 初出 オール讀物 2008年3月号 虹とのら犬 / 初出 オール讀物 2007年11月号 湯呑の月 / 初出 オール讀物 2008年11月号 花、散ったあと / 初出 オール讀物 2009年7月号 解説 (宇江佐真理) 『あした咲く蕾』 2009.8 文藝春秋刊 文庫化 イラスト 中島梨絵 デザイン 中川真吾 印刷 凸版印刷 製本 凸版印刷
0投稿日: 2012.09.16
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昭和の東京下町が舞台の少し不思議な短編集。「湯呑の月」でやるせない気分になった。まぁ、いいとこどりされてるような気分になるよね……。 そういえば、『わくらば日記』って続きまだかな。2冊目まで読んだけど。
0投稿日: 2012.09.14
powered by ブクログ小さな感動、小さな衝迫が優しさいっぱいに散りばめられた短編集。涙をもらったり元気をもらったり。いつもの朱川湊人だ。ちょこっとだけ異色なのが湯呑の月。微笑ましい中にも黒々とした人間の深層を見せてくれる。知ってるつもりが全然分かってない。そういうことって沢山あるんだろうなぁと今更ながら思わされる。
0投稿日: 2012.08.06
powered by ブクログ少し不思議に包まれた物語でした。 電車内で読み始めてしまったのですが、 表題作でおばさんを思う男の子と お姉さんの気持ちに重なってしまい、 半泣我きで我慢するはめになりました。 美味しい元気のでるチャーハンを食べたいし、 虹の香りも、嗅いでみたいです。
1投稿日: 2012.07.14
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いずれのお話も心に沁みるが、中でも「空のひと」には泣けた。会社の昼休みに読んでいたので、泪をこらえるのに苦心しました。(^^ゞ
0投稿日: 2012.05.11
powered by ブクログ不思議な話が入ってる。 短編。 朱川ワールドなんだろうけど。 でもそういうこともあるんだろうなっていう。
0投稿日: 2012.05.06
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夢中になって読みました 時代は昭和、語り部のそれぞれの主人公はほぼわたしと同年代 住んでいる場所は違えども、情景は手に取るようにわかるのも この小説にのめり込んだひとつの理由かもしれないです それぞれの短編の中の少し不思議な話が違和感なく 人の心のさびしさやむなしさ、やさしさが淡々と流れている感じ 朱川さんの小説は「かたみ歌」以来でしたが この小説の方がとっても好きです 短編それぞれが、いとおしくって大切に思われます いい本読んだなぁ
0投稿日: 2012.04.14
powered by ブクログ柔らかく、暖かく、そこにほんの少しのホラー。そして"昭和"のノスタルジー。 朱川さんという事で分類的にはホラーにしましたが、ホラーと言うより"不思議"と言うレベルです。 暗さを感じさせる短編は少なく、むしろ明るく軽やかです。別離や悲しみもあるのですが、全体に透明感があり、希望がぶら下がって居るからなのでしょうが。 表題作「あした咲く蕾」の美知恵叔母、「カンカン軒怪異譚」の女性料理人など特異なキャラも面白く。 なにかもう一味欲しい気もするのですが。。。
0投稿日: 2012.04.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『大阪万博』『仮面の忍者赤影』『公団住宅』『ワイルド7』『カルメン・マキ』そういった 時代背景に7つの短編が収録されている。 これらの物語には、わずかなものでもよく見ることができる、かすかな声でもよく聞くことができる、小さな幸せを、より感じることのできる心を持っている。そういった人たちが生活している。 読み終わったとき、温かな気持ちになる。
0投稿日: 2012.03.18
