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漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち
漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち
西田宗千佳/講談社
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総合評価

13件)
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    2021年7月17日読了。90年代、産業構造変化にともない苦戦するソニーを救った「プレイステーション」開発・販売を指揮した男・久夛良木氏の戦略を「半導体」に焦点を当てて語る本。プレイステーションがいかにゲーム機としてユニークでビジネスとして優れていたか?というこはよく聞く話だが、成功の鍵が、極限まで工夫をこらした高品質な半導体を一気に大量生産して量を確保することで「ムーアの法則」によるコストメリットを最大限に受けることだった、とは新しい観点だ。久夛良木氏は非常に優れたエンジニアで、そのエンジニア思考を経営に生かした成功例がプレステ1・2だったが、ソニー本体との軋轢の中で必ずしもうまくいかなかったのがPSPや3以降のプレステ、ということなのだな…。ソニーが大企業でなく、SMEに氏のような人がいればソニーがiPod・iPhoneを作り得たのかもしれない。協力なエンジン・半導体でゲーム業界をリードするソニーに対し、キネクトやタッチペンといった新しいUIと、ディベロッパー向け開発環境提供・新しい遊びの提案、というそれぞれの強みを生かして戦いを挑むマイクロソフトと任天堂、という図式は激烈に熱い。

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    投稿日: 2021.07.19
  • 久夛良木スゲー。

    プレイステーションの歴史を綴った本。 …というよりも「久夛良木健一代記」といった内容。 PS3発売当初の混乱での問題発言などが取り上げられ、毀誉褒貶の激しい人物ですが、 PS1、PS2立ち上げ時の先見性を見ると、スティーブ・ジョブズに勝るとも劣らない超一流のビジョナリーだと感じました。

    4
    投稿日: 2014.12.13
  • 典型的なソニー信者です

    "SONY"と銘が打ってあれば"購入対象!"と決め、あれやこれやと買い込んできました。PS1は体調不良で自宅療養している時にこっそり買いに行って寝たままプレイしていました。 めっちゃ楽しかった思い出です。 PS2,PS3,PS Vita何でもコイです。 そんなプレイステーション・シリーズがいかにこの世に出てきたのか裏話満載のドキドキ書籍ですよ、読みましょう!そしてS・O・N・Yの四文字が着いた商品を買いまくって個人消費を一緒に伸ばしましょう! (でも、今のソニーってなんか昔のワイルドさが無いですよね、平井さん頑張ってとんがった製品一杯出してく・だ・さ・い!!!!

    3
    投稿日: 2013.10.12
  • 将来を見通す本ではなく、過去を掘り下げる一冊

    西田氏はインタビューやレビュー等でユーザー目線を巧みに織り交ぜることができるジャーナリストであるが 特に某所でのPS関連のインタビューに関しては評価が高い。その西田氏がこれまでの取材を纏め振り返った一冊。 全体の構成としては以前出た同種の本の焼き直しだが、PS立ち上げの中心人物である久夛良木氏や丸山氏などが 現SCEから一線を退いたこともあり、より踏み込んだ発言を取れている。 我々はソニーというと統一された一つの会社として捉われがちだが、人間の集団であることに変わりなく、人間臭い社内政治的な さまざまな駆け引きがあったことが良く分かる。そういう意味でのドラマ性もある。 取材記としてはよく出来ているが、考察や将来の展望に関しては曖昧かつ非常に甘く、現SCE経営陣とのパイプも重視したい筆者の 意図を感じる。これだけ取材した作者ならば、本音はまた別にあるはずだ。

    1
    投稿日: 2013.10.01
  • プレステの栄華と失速

    ゲーム機市場におけるソニーの在り方を知りたくて購入しました。 ソニーとファミコンとの因縁、 カセットロムから光ディスクへの移行と商流の変革、 PlayStationにかける久夛良木氏の思い、 Wii・DSの成功とPS3の停滞など、 今までよく分からなかったゲーム機開発の舞台裏がよく分かる本でした。 企業モノのノンフィクションとしてもおもしろいので、 ゲーム好きの方以外にもお勧めです。

    2
    投稿日: 2013.09.27
  • ゲーム市場を席巻したPS2と,優位に立てなかったPS3

    大量生産によりゲーム機1台当たりのコストを下げるとともに一気に普及させる. すると良質なゲームソフトが数多く生み出されることとなり,さらにゲーム機の販売増につながる. これがゲーム市場における勝利の方程式. PS2ではこの勝利の方程式を使ってみごとに市場を席巻したソニーは,同じことをPS3で繰り返し, 一転こちらは苦戦することになる. 要因はいくつもあるのだろうが,そのうちいくつかを挙げるなら,高性能半導体セルの開発に莫大な投資をしたためゲーム機の価格が高くなり普及にはずみがつかなかったこと, 作れば作るほど赤字が膨らむ状態が3年以上も続いたこと, そして任天堂のWii,MicrosoftのXBOX360といったゲーム機だけでなくiPhoneという強力なライバルが出現したこと. 大成功のPS2と苦戦するPS3. 高性能であることに徹底的にこだわったプレイステーションの生みの親である久夛良木さんと,消費者に受け入れられることが大事だと考えた平井さん(現ソニーCEO). 周辺機器キネクトが大ブレイクしたXBOX360とそれほど振るわないPS3. 読み終えてみるとそれらの対比がとても印象に残ります. 今年の冬にはソニーからPS4が,MicrosoftからXBOX Oneが発売されます. これらの新しいゲーム機は,この先にどんなストーリーを描いてくれるのだろうと,今から楽しみです.

    3
    投稿日: 2013.09.27
  • sony好きにはたまらない。

    思わずPlaystation3が欲しくなってしまいました。そして購入してしまいました。そのすぐ後にPlaystation4の発表がありました。とても残念な気持ちになりましたが、面白い本です。

    4
    投稿日: 2013.09.25
  • 今さらだけど、読んでみても良いと思います。

    初代プレステの苦難の誕生から栄光期、そして昨今のPS3中期くらいまでの状況が描かれています。 やはり、世界を席巻していたころのPS2までの話は、読んでいて楽しくなります。 高度経済成長の頃の日本って、こんなんだったんだろうなぁと思います。 PS3は、ヒットはしていますが、大ヒットとは言えません。何かが惜しかった・・・ 本当にちょっとしたことだと思います。後半の内容は色々と考えさせられます。

    1
    投稿日: 2013.09.25
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    久夛良木という人の本という感じだろうか。 久夛良木がフェードアウトしても本の内容は続いたので久夛良木こそがソニーのDNAを象徴しているのだろう。 プレイステーションの繁栄と衰退が書かれていて歴史書としてもいいのではないか。

    0
    投稿日: 2013.08.31
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    久夛良木さんを中心に、ソニーの最近の20年がよくわかった。 技術的に細かいところまで記述してあり、著者の長年のリサーチがよくわかる。

    0
    投稿日: 2013.02.11
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    いまのsonyの苦境の原因がよく分かる。良くも悪くも久夛良木さんという、有能だけど強烈な技術者にsonyは振り回され、未だにそこから脱却できていないように思える。この本では対比的に書かれていないが、sonyがPS3にとり憑かれている時に、appleやgoogleは全く違う動き方をしている訳で、空気を読めないというか、ゲームという、ある種オタクの世界に埋没しているsonyの様子がよく分かる。もう思い切ってsonyはPSというキーワードを一切捨ててしまってはどうだろうか?PSvitaを見ても辻褄合わせに四苦八苦している訳だし、むしろPSがない方が、合理的に行動できるように見える。jobsに率いられたappleと、久夛良木さんに率いられたsonyの差、という事なのだろう。

    0
    投稿日: 2013.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    17 家庭用ゲーム機というプラットフォームビジネスの構造 普及したゲーム機にたくさんのソフトが集まり、そのなかから生まれた優秀なソフトがさらにゲーム機の普及を促す結果、市場は1社独占になりやすい 22 1991年ソニーと任天堂のプレーステーション計画頓挫でソニーが任天堂から学んだゲームビジネスのキモ ・パートナーであるゲームメーカーを大切にする ・ゲームソフトの流通をコントロールし、市場を常に活発なものにする ・魅力的なゲーム機を作る 69 ゲーム「嗜好品」で飽きが早いが生産に時間がかかる。機会損失を受け入れるか初回生産してリスクをとるか 72 抱き合わせ販売(人気作と不人気作を一緒に売る)ー不公正な取引として禁止されている 79 ゲーム機の製品寿命は5-6年 92 パソコン 1社1機種 10万台売れれば大ヒット 商品寿命1年   135 ブラウン管 プラズマ 有機EL パナソニック、シャープがプラズマを作る間、ソニーの存在感うすくなる 製品ジャンルが立ち上がる時期は重要 マニア層の獲得・単価が高い 2003年ソニーショック 146 家電の卸値 6-7割 ゲーム機 8-9割 151 2003年 サムスン とテレビ向けの大型液晶パネル製造設備 この時点で、久多良木は液晶パネルに付加価値を見出していなかった ソニーとサムスンの提携 量産化の製造技術であり、製品の特徴を決定するコア技術は門外不出 162 SCEは自社製品についてできるだけパーツを内製化している。 内製化率を高め、限界利益率を高め、市場が立ち上がったあとの利益率を確保するため 通常の家電は内製化率2割 当時のPSPは5割 202任天堂 「ゲーム」を変えないと市場は成長しない もしくは新しい要素を取り入れる ソニーはオールソニーの技術力を生かせるし、家電にも応用が可能 一方、任天堂は開発・製造コストを自社のゲーム事業からまかなわなくてはならない。だから枯れた技術を組み合わせる。技術競争から降りた。 293 ヒットゲームを生むには、まずハードを充実させねばならない 任天堂3DSの値下げは明日のため 303 iPhoneやアンドロイド携帯タブレットがゲーム機の代わりになっていく? 単語 LSI ゲームコンソール プラットフォームビジネス 全くゲームをしないので、よくわかんない単語がいっぱい。 半導体とかCDーROM、規格競争(東芝のHDとブルーレイ)の話もよくわkらず。

    0
    投稿日: 2012.11.24
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    任天堂とのゲーム戦争を追った「美学vs.実利」から4年。ソニーの苦境は日本のモノ作りが世界で直面する課題を象徴する。西田宗千佳さんの丹念な取材とそこから導き出される提言は唯一無二。

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    投稿日: 2012.09.11