
総合評価
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powered by ブクログ考えているけど言葉にできないことを、山崎ナオコーラが語ってくれるから、僕だけじゃないって思う。助かっている。
0投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログ小市民の職場での会話や人間関係がとても愛しく、私は大好きな作品だった。 ・ジューシーってなんですか? 新聞のラテ欄を作る多忙な部署の人たちの話なのだけど、仕事のつらさよりも、その合間の何気ない会話や、ちょっとした息抜きなんかが中心に書かれている。 そんな中で、ふと浮かび上がる思考がぽこぽこと間に挟まる感じ。 職場ってこういうさりげなく優しい交友関係がいいんだよな、私もこういうのが楽しくて働いてるな、と思う。 「先に続く仕事や、実りのある恋だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。」という文章が作中にあり、とても素敵な言葉だと思った。 普通の人の小さな営みを肯定してくれるような。 ・ああ、懐かしの肌色クレヨン 主人公であるアルビノの鈴木さんの言動がとてもキュートなので、かわいいお話だなあと読み終わったものの、違和感はいろいろあったので2周目も読んでみる。 これ、もしかしたら今村夏子さん「ピクニック」と同じ構造…? 告白や精一杯の口説き文句を受け流されたり、美術館のチケットを自分の分だけ金券ショップで調達されたり、挙げ句の果てに館内では勝手にどこかに行かれちゃうの、おかしいよね…? 結局、主人公は、はっきりとはわからないくらいに、差別され、距離を置かれていたということなんだろうか。 そう考えると物語の印象が180度変わる。 とても面白い読書体験だった。
20投稿日: 2022.12.28
powered by ブクログ小説は特別な感情や出来事をテーマにするものが多いので、ここまでありきたりな会話や日常を小説にできることに驚き。ジューシーってなんですか?の台詞が出てくるタイミングが唐突で完璧。私のありきたり平凡な毎日にもこういう言葉が落ちてるのかな。
0投稿日: 2022.03.17
powered by ブクログサクサク読める ほとんどが職場の描写なので、登場人物の深いところまではわからない あー職場って感じ それぞれがいろんな思いを抱えながら、日々働く みんな、えらい
0投稿日: 2022.02.17
powered by ブクログ詩的な文章。スルスル読めて、心に残るとかそういうのではなく淡々とした職場小説ではあるが、また読みたくなる文章。解説が羽田圭介さんでこれも面白い。
0投稿日: 2021.12.18
powered by ブクログだいぶ前に読了したせいで、ほとんど内容を覚えていません← なので、読んでいた時に付けていたドッグイヤのセンテンスを以下に抜粋。 “世間の規範から外れた幸せが欲しい。 ひとりだけで、こっそり笑うような。” →自分だけの幸せが欲しい、って言えるなんて、なんて孤独で、だけどなんて美しいんだろう、って読んでる時も思った気がします。今も。 “先に続く仕事や、実りのある恋だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。” →そうだといいなあって思う時期だったんですな、多分(笑)。仕事に転機があったり、振られたりした6月前後に読んだんだったわ、そう言えば(笑)。
1投稿日: 2016.12.16
powered by ブクログ何か前によんであんまり覚えてない。よかったーというかんそうもないきがしたけど、もういっかいよんでみるか、でとりあえずの棚へ
0投稿日: 2016.08.02
powered by ブクログ人と関わりながら働いている人の多くは、きっと共感出来る部分のあるお話。 淡々とした(登場人物たちのキャラクターの所為もあるかも)人間関係の冷ややかさと、働くことに対する情熱やら誇りやらの熱さが相反していて、お互いにくどくなりすぎなくてちょうどいい。でも、関係性が親密にはなり過ぎない程度での思いやりや温かさもあって。 大変なのはみんな一緒。 明日からも仕事頑張ります!!ε- (´ー`*)
0投稿日: 2014.11.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ナオコーラさんの小説によく出てくる、新聞の校正をする会社の人たちの話し。 ジューシってなんですか、というタイトルと、 文庫本の表紙の組み合わせがとても本の内容とマッチしていると思う。 日常生活で、 ジューシーとかマッチとかエンジニアとか最適化とか よくわからない言葉をつい使ってしまう。 なんですか、それ。
0投稿日: 2014.10.04
powered by ブクログ山﨑ナオコーラってこういう感じの小説を書く人らしいので、この本もまさに「らしい」感じだった。 でも主人公の広田くんが好青年なので、やっぱり普通のお話のようにもっと掘り下げた内容の方が好きだな。 解説に、「職業小説」というよりは「職場小説」と書いてあったけどまさに。 正社員と契約社員の微妙な関係がムムムだった。
0投稿日: 2014.08.30
powered by ブクログ普通の職場が舞台の不思議な小説。行間の空き方がとてもオモシロい。短い小説なのに考え考え読んで時間がかかってしまった。
0投稿日: 2013.11.23苦手な人とも会話してみたくなる
山崎ナオコーラの名前を知ったのは彼女のデビュー作「人のセックスを笑うな」が出た頃。このペンネームにこのタイトル、なめてるだろ、って思った(だから読まなかった)。次に彼女と出会ったのは新聞の連載コラム。ここであっさり印象は覆る。真面目で不器用、でも前向き。好きなタイプ。 「『ジューシー』ってなんですか」では職場での日常が語られる。小さな事件はあっても大きな波乱はない。交わされるとりとめのない会話、その背後で抱える悩みや傷や哀しみや喜び。職場の苦手な人ともちょっと会話してみたくなる。 一緒に収録されている「ああ、懐かしの肌色クレヨン」は山田さんに恋をする鈴木さん(このネーミング、やっぱりなめてるだろw)のお話。おそらく身近にいれば不思議ちゃんとか天然とか言われそうな彼女もまた抱えているものがあるのだが、それ以上にまっすぐで一生懸命で強い。彼女を応援しながら心がほんのり温かくなる。
0投稿日: 2013.10.18
powered by ブクログなんかよんだことあるなと 書き直したものらしい 職場の事情と人間模様 じんせの大半を人は職場で過ごす
0投稿日: 2013.10.17
powered by ブクログごめんなさい、よく分からない。 まったり仕事している若者たちの日常と少しだけ一歩踏み出す感じの話? かつて同じ会社に勤めていたと聞いて手に取ったのですが 職場の内容が自分に近すぎて、客観的に読めませんでした。
0投稿日: 2013.10.01日常の仕事のリアル
ペンネームに抵抗を感じてずっと読んで無かった山崎ナオコーラ作品初体験。人も死なず、セックスもせず、事件らしい事件もほとんどおきない。多忙ながら淡々とした「日常の仕事」にたずさわる男女が、実に生き生きとリアルに描写されている。上手い。
0投稿日: 2013.09.25
powered by ブクログナオコーラさんの本は「人のセックスを~」、「指先からソーダ」に続いて3冊目。 ものすごくこの人っぽい小説。 短く詩的な文章をリズムよくつないでく。 内容もすごく良い。”職場小説”と書かれてたんだけど、まさにこれ。 特定の職業をテーマにした”職業小説”ではなくて、職場の小説。 どんな職場で働いている人にも共感できるものなのかはわからないけど、少なくとも東京でサラリーマンやってる20代の男子としては共感する部分も多かった。 仕事って、まぁ何かを成し遂げたり、向上していったりみたいなところが強調されることが多いというか、強調されるべきみたいなところもあるけれど、やっぱ現実問題として、起きてる時間の大半を過ごす「生活の場」である訳です。 そこは楽しいとか楽しくないとか、幸せだとかそうじゃないとか、 「どうなの?」って聞かれて「こうです」って 何か一言で括ってしまえるほど単純な場所ではなくて、 楽しかったり楽しくなかったりたまには幸せや充実も感じたりしながら辛いこともけっこうあったりしつつでも大半はなんてことなくて、みたいなごちゃ混ぜだよね。 っていうことを素敵なリズムで読ませてくれる小説。 そういうリズムや雰囲気であったり、ところどころに散りばめて登場人物に吐かせる日常の真理であったりがこの小説にとって大切なところだと思うんだけど、レビューを眺めてると、”何事も起こらない小説”として切り捨てられてることもけっこう多いのね。 大好きな吉田修一の小説もおんなじようにばっさり言われてるのをちょくちょく見かけるんだけど、いやもうそれはもうあなたにとっては価値の無い小説だった、でもこの言葉に救われる人だっているんですよ。「芸術は弱い人のためにある」ってこと。 ということでおそらく人を選ぶ小説です。 面白かったのでこれを読み終わった帰りに「カツラ美容室別室」も買ってみた。楽しみ。
1投稿日: 2013.09.17
powered by ブクログなんでこんなに素敵な言葉ばかりで職場をつづれるのだろう。 臆さず言い切るのに暑苦しくなく美しい言葉ばかりだ。
0投稿日: 2013.06.19
powered by ブクログ「問題が起きた時は、原因をつきつめるよりももっと大きいことを考えた方が解決し易い。傷ついたときは本を読め。音楽を聴け。絵を見ろ。芸術は弱い人のためにある。」のフレーズが印象的でした。
0投稿日: 2013.05.11
powered by ブクログ「ここに消えない会話がある」でした。タイトルが変わって、中身も修正を加えたものらしいです。 そして、前読んだときよりも、ぐっときました。 さらっとした職場の人間関係の中にも体温を感じました。 辞めれば途切れてしまう関係でも、人は人を想う。 岸がミスをしたときの出来事に、心がざわつきました。理不尽な組織の仕組み、でも優しい人もいて、だから少しがんばれる。とても大切な気がする。 広田の良さは、半年くらい働いてわかる、と書いてあるけど、小説でもほんとにじわじわときます。
0投稿日: 2013.04.28
powered by ブクログ山崎ナオコーラの文章って今一つつかみどころがない。とても淡々とお話が進んでいく。 でも一労働者として気持ちは理解できる、いい小説だと思う。
0投稿日: 2013.04.16
powered by ブクログすぐ、読み終わりました。所々に光る言葉あり。でも、よくわからない話だった気がする。それが、ナオコーラさんの意図だろうか♪
0投稿日: 2013.02.03
powered by ブクログ文字通り「投げ出したい」と生まれてはじめて思った小説。それは私がまだちゃんと働いたことがないからで、でも働くっていうことを、それなりのレベルでは知っているからだと思う。極端と極端の間の、中間の小説に、中間の自分がだぶって見えたからだと思う。
0投稿日: 2012.09.29
powered by ブクログ開始1ページにして携帯小説のような改行の使い方にイライラ。 今時、うまい人の二次創作のほうがよっぽど上手な文章書く。 確かにそういう文体なら等身大の自分、みたいな要素が出て、主人公に感情移入しやすいかもしれないけど私は嫌いだ。 帯にある「職場小説」という文にも疑問。取り立てて言うほど職場の雰囲気がうまく描けているわけでもない。
0投稿日: 2012.09.20
powered by ブクログまず題名が意味分からなくて不気味。読み始めてもどこにその言葉が出てくるのか怖かった。 でもそれを忘れるくらい面白かった。それぞれの登場人物が愛らしく、思わずガンバレ、と思ってしまった。途中途中に出てくる広田の独白に共感しまくったりして。 図書館で借りたのだけど、購入してまた読み返したいかも。(置いておくには表紙がなぁ)
0投稿日: 2012.09.15
powered by ブクログえ、主人公って広田だったの? と、思った。 同じくらい岸の目線でも書かれていたし、岸の話のほうがもっと真情の吐露であり、広田のそれは、彼の見た日常の記録に近いので、そう思ったんだろうか。 岸は~、広田は~とか固有名詞でその人物の目線から書かれる視線の切り替えが、時系列ではないので目は回らない。 ただ、すごくまったりしている日常の描写だったし、岸から見てくだらない!と憤る仕事内容が、あたしからするとよくあるんじゃん?としか思えなかったので、感情移入は出来なかった。 広田はあまり感情を述べずに事実だけを伝えるし、岸はすごく心情を語るけどその心情がわたしのそれにマッチしないので、なんとなくしゅわしゅわして、終わった感じ。 「職業小説は数あれど、本作ほど優れた職場小説はない」と、帯で羽田圭介が書いていたが、正直あまり意味がわからなかった。 ところどころ挟まれる、狙ったようなすこし外した表現が面白い(けど正直鼻につく)と思えた程度。 羽田圭介は17歳で黒冷水で文藝賞を受賞している。その彼だからこそもしかしたら、作者の狙いが読めたのかもしれない。 あたしには軽すぎて、なんか栄養にならないですよ?って思えちゃったな。残念でした!人には勧めん。
0投稿日: 2012.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラテ欄を作る会社のなかでも小さな班、「夕日テレビ班」に在籍する6人を描いた“職場小説”。 仕事もの、と思って手に取ったんだけど、自分の今のコンディションと相性があわなかったのか、思ったよりさらりと読み終えてしまった。淡々とした日常の合間に哲学的な表現が挟まるんだけど、さりげなく味わい深い表現を読み手がそれぞれ拾うというより、なんていうんだろう…「はい、ここアンダーライン」と差し出される感覚というか…。表4のあらすじに「仕事を詩的に描いた」とあったけど、そこが合わなかったということだろうか。 でも、「他の人に見られることがなくても、自分の仕事ぶりは、自分がみつめていたのだ。自分で自分を見るときの評価が下がってしまう。そのことを、嫌だ、と感じる。」(112ページ)には、ものすごく頷きました。
0投稿日: 2012.06.13
powered by ブクログ起承転結で言えば、起だけで終わるような作品。 相変わらず、大きな事件もなく、更に言えば何も完結しないお話。 いいね! やっぱりそこがいい! しかし、逐一名前を呼びながら挨拶するのには違和感。 そういう、微妙な空気感みたいなものを冒頭から感じさせたかったのかな? そして、ラテ欄を作る会社って、本当に存在してるのか・・・?
0投稿日: 2012.05.24
powered by ブクログはたらくひとの小説。 職場の風景と、そこでの会話、ひとりひとりの心情が微妙なバランスでかかれていて楽しい。 急に格言めいた言葉や、詩的な表現があらわれたりする。
0投稿日: 2012.03.31
powered by ブクログ話としては淡々と進んでいきますが、合間合間の登場人物の哲学(?)に共感を覚えました。好きな作品の一つです。
0投稿日: 2012.02.17
powered by ブクログある企業内での社員の心模様を描いた作品ですが。 なんですかはこっちのセリフですというくらい心に残らなかった…
0投稿日: 2012.02.08
powered by ブクログこれ何回も読んだことある!と思ったら『ここに消えない会話がある』の文庫版でタイトルが変わってた。ここに~でいいと思うけど。しかし心に留まることば、多数。 「生きるのに面倒なのは、不幸だからではなく、生半可な幸せと堪えられそうな不幸が交互に訪れるからではないだろうか。」 「世間の規範から外れた幸せが欲しい。 ひとりだけで、こっそり笑うような。」 「気まぐれで何が悪いのか? 真っ直ぐな道なんか歩きたくないよ。」
0投稿日: 2012.02.06
powered by ブクログタイトルと、ジャケに惹かれ。 職場を舞台とした話。さらりと読める。 もうひとつの短編には竹橋界隈が出てきます。
0投稿日: 2012.01.14
powered by ブクログhttp://john615hkt.blog.fc2.com/blog-entry-36.html 「『ジューシー』ってなんですか?」 山崎ナオコーラ 集英社文庫 187頁 山崎ナオコーラ、まずは名前を覚えて欲しいということでこのペンネームにしたそうだ。コーラが好きなため(特にダイエットコーラ)ペンネームにコーラが入っているのだろう。多くの小説は現実世界ではありえないような出来事が連発し、「小説」という異次元の空間に読者は誘われるが、彼女の小説はたんたんと現実世界が流れていく。それでも、どんどん先を読みたくなる力がある事が最大の魅力だ。 25歳と広田と岸、佐々木、26歳の別所、27歳の魚住と津留崎。6人は、大きな会社の中の小さな班「夕日テレビ班」で毎日深夜まで地味な仕事をしている(ちなみに非正社員が3名、正社員が3名)。恋人でも友達でもない、立場も微妙に違う、けれど同じ職場の同僚として会話を交わし笑いあう。仕事を詩的に描いた著者初の“職場小説”。平等とは何かを問う「ああ、懐かしの肌色クレヨン」も収録。 裏表紙より引用 私は働いたことがない。アルバイトしかしたことのない大学生だから“職場小説”とはどんなものかと思い、書店で思わず買ってしまった。職場関係のドロドロとした関係、嫌がらせをしてくる上司、変な噂を流そうとする同僚などなどドラマでありがちな話を想像していた。現実は一生懸命に新聞のラテ欄を作る6人、作らざるを得ない6人の姿を描いている。 働くことは根本的には嫌なことかもしれない。もし一生遊んで何もしないで生きていき得るお金があったらどうなるのだろうか。きっと無力感に襲われて何かしたいと思うだろう。どんなに嫌な仕事にも夢中になれたり、楽しくやれる時がある。そして仕事上の立場を離脱して、プライベートの生活、職場の同僚と“人間”としての関わりが出てくる。そういった誰にでも起こる職場としての一個人と、その人としての個人のつながりが描かれている気がする。 働き始めたらまた読んでみることにしよう。
0投稿日: 2012.01.09
powered by ブクログ成果の出やすい仕事に対するスタンスと成果の出にくい仕事に対するスタンスってものがあって、前者がいいに決まっていると思っていたけれど、それではすくいとれないしあわせや歓びというものがたしかにある。成果が出やすいかどうか、という物差し以外のしあわせの物差しを自分で見つけて、その上で成果ができる限りでるように働かないと一緒に仕事や生活をする人にハッピーをプレゼントできないのではないか。
0投稿日: 2012.01.01
powered by ブクログどちらも職場小説とのことで、それなりに気持ちは伝わるも、「書き散らす」感じが持ち味なのでしょうか、文を行きつ戻りつ。 特に「ああ懐かしの~」は二度読んでやっと解った気がした。
0投稿日: 2011.12.29
powered by ブクログ「人々の小さな営みは蛆虫のように温かい。」 こういう表現が出てきて少し首をかしげることになった。 『「ジューシー」ってなんですか?』という題を見た時に「ナオコーラさんのやつでこんなの出てたっけ? 文庫書き下ろし?」と思ったら、「ここに消えない会話がある」の改題のようだ。にしても表紙の男の人は何者なのか?一般人か? 日常をさりげなく綴っていく形。詩的と思える表現が適度に挟まれていきアクセントを与える。上の「蛆虫」の表現もその一つ。個人的にはもう少し言葉の密度が高いものが好みかもしれない。自分にはこの小説は言葉を削り過ぎているように思えた。ただ「職場」という雰囲気は十二分に出ている。先頭に登場人物の部屋の配置図があるせいもあるだろうが、小説内では描かれていないような職場のささいな備品のようなものまで想像できるところがあり、巧みだと思えた。 やはり何か持っている作家だという気はするので、今後も追いかけるだろう。
1投稿日: 2011.12.22
powered by ブクログ大きな会社の中の小さな班の職場小説。その班には正社員と契約社員がいて、それぞれ立場や生活は違うのだけれども、みんな働いている。思い思いに一生懸命に働いている。 納得いかないことの方が多いし、大変が当然。 でも仕事って内容が良いにこしたことはないと思うが、何より人間同士の付き合いが何より重要なのではないかと思う。 職場に好きな人たちがいる。尊重し合えたり、思いやりを持てたり、優しくしてもらったり。 きっと仕事の内容なんてそこが良ければ、どんなに面倒であろうが、地味な作業であろうが、頑張れるのではないだろうか。 社会ってそんなに居心地の悪い場所ではない。
0投稿日: 2011.12.14
powered by ブクログ何か大きな事件が起きるわけではない。 テレビ欄を作る仕事をしている人たちの日常を書いている。 会話の雰囲気や考えていることがなかなかリアルで好きです。 同時収録の「ああ、懐かしの肌色クレヨン」のストレートな好意を伝える表現や、それを聞いての淡々として脈のない相槌も悲しくなるほど現実的です。
0投稿日: 2011.11.22
