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レイモンド・チャンドラー、清水俊二/早川書房
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総合評価

32件)
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    レイモンド・チャンドラー『プレイバック』 (創元推理文庫)清水俊二訳から2024年、表紙も新たにアメリカの画家エドワード・ホッパー作品、田口俊樹訳で出版されている。残念ながら読んだのは1977年発行本になる。因みに『ロング・グッドバイ』は 2010年の村上春樹訳で読んでいるのだが...印象が薄く覚えが悪い。1976年には『長いお別れ』で清水俊二訳、更に2022年にホッパー表紙の 田口俊樹訳で発行、機会があれば読み比べをしてみたい。 『プレイバック』の私立探偵フィリップ・マーロウは相変わらず格好いい。薄汚れたコロンボ刑事やフケまみれの金田一耕助とは違い、いちいち立ち振る舞いが格好いいのだ。決め台詞は「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」人生で言ってみたい言葉NO.1~だがしかし、チャンドラー最後の作品『プレイバック』はなんやかんやで評価が分かれる作品らしい。

    9
    投稿日: 2025.11.21
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    「レイモンド・チャンドラー」の長篇ミステリー作品『プレイバック(原題:Playback)』を読みました。 『チャンドラー短編全集3 待っている』、『さらば愛しき女よ』に続き「レイモンド・チャンドラー」作品です。 -----story------------- 女の尾行を依頼された「マーロウ」は、ロサンジェルス駅に着いた列車の中にその女の姿を見つけた。 だが、駅構内で派手な服装の男と言葉を交すや女の態度は一変した。 明らかに女は脅迫されているらしい。 男は影のように女について回った… そして二人を追う「マーロウ」を待つ一つの死とは? 正統派ハードボイルドの伝統を築いた「レイモンド・チャンドラー」が、名作『長いお別れ』ののち、4年の沈黙を破って発表した問題の遺作。 ----------------------- 「レイモンド・チャンドラー」の私立探偵「フィリップ・マーロウ」を主人公とする長編シリーズ全7作品のうちの最終作品(1958年発表)… 「レイモンド・チャンドラー」にとって遺作となった作品で、これまでのシリーズとは異なる「マーロウ」の行動等があって、謎を秘めた作品とも呼ばれているようです、、、 また、作中で「マーロウ」が語る、 「しっかりしていなかったら、生きていられない。  やさしくなれなかったら、生きている資格がない」 "If I wasn't hard, I wouldn't be alive.  If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive." という印象的な科白が有名な作品でもありますね。 「マーロウ」は弁護士「クラウド・アムニー」からの依頼を受け、ユニオン駅で特急から降りた女「エレナー・キング」を尾行する… 彼女は駅で男と話した後、海辺の町エスメラルダへ行きホテルに宿泊した、、、 それを追ってホテルの隣室に泊まった「マーロウ」は、「エレナー」とユニオン駅で話していた男「ラリー・ミッチェル」の会話を盗み聞きし、「エレナー」が「ラリー」に恐喝されていることを知る… その後、「エレナー」は別なホテルに移るが、「マーロウ」は、別な私立探偵「ロス・ゴーブル」から尾行されたり、ヤクザ者「リチャード・ハヴェスト」に襲われたり、雇い主の「アムニー」と交渉したり、「アムニー」の秘書「ヘレン・ヴァーミリア」との関係を深めたりしつつ、「エレナー」との接触を試み、徐々に「エレナー」に近付いて行く。 そして、ある夜、「エレナー」が「マーロウ」の部屋を訪れ、彼女の部屋のベランダに「ミッチェル」の射殺死体があると言って助けを求める… しかし、「マーロウ」が部屋を訪ねてみると「ミッチェル」の死体は消えていた、、、 翌朝、ホテル側に確認すると、「ミッチェル」は夜中のうちに荷物をまとめて出発したという… しかし、「ミッチェル」の車に荷物を積みこんだと証言する車庫の夜警「セフィリノ・チャング」が死体となって発見されたことから、「マーロウ」は警察に事情を話し、協力体勢を取ることを決断する。 そして「ミッチェル」の車が無人の砂漠で発見される… その頃、エスメラルダの警察署に、「エレナー」の舅で「キンゾルヴィング」と名乗る老人が現れ、「エレナー」と結婚していた息子が「エレナー」に殺されたとして起訴していたことが判明、、、 無罪になったものの「エレナー」は、その土地を逃げ出し、どこか遠い土地で名前を変え、新しい人生を歩もうと西海岸へ逃げてきたのだった… 「マーロウ」は老人を追い返すとともに、「ミッチェル」が消えた謎を解き、真相を明らかにする。 レストラン経営者「クラーク・ブランドン」が「エレナー」を愛してしまい、彼女を守るためにミッチェルを殺して運び出し、砂漠に車だけ残して、死体をヘリで運んで海に捨てた… というのが真相でしたが、「マーロウ」は「エレナー」の幸せのため、「ブランドン」の犯行に見逃し、エスメラルダを後にする、、、 ロサンジェルスに戻った「マーロウ」に『長いお別れ』(未読ですが…)で登場した金持ちの未亡人「リンダ・ローリング」がパリから国際電話をかけてくる… 彼女の誘いを受け、「マーロウ」はパリへ飛ぶことにする というハッピーエンドっぽいエピソードで本作は締めくくられます。 「レイモンド・チャンドラー」の遺作となった作品なので、これはこれで良かったのかな… という感じですが、、、 古くからのファンには、ちょっと納得いかない展開とエンディングのようですね。 以下、主な登場人物です。 「フィリップ・マーロウ」  私立探偵 「クラウド・アムニー」  弁護士 「ヘレン・ヴァーミリア」  アムニーの秘書 「ベティ・メイフィールド(エレナー・キング)」  謎の婦人 「ヘンリー・キンゾルヴィング」  メイフィールドの義父 「クラーク・ブランドン」  <ランチョ・デスカンサド>の経営者 「ジャック」  <ランチョ・デスカンサド>のフロント係 「ルシル」  <ランチョ・デスカンサド>の交換手 「ラリー・ミッチェル」  ブランドンの友人。恐喝屋 「ロス・ゴーブル」  カンサス・シティの私立探偵 「ジョー・ハームズ」  タクシーの運転手 「ジャヴォーネン」  <西風荘>の探偵兼副支配人 「セフィリノ・チャング」  <西風荘>の車庫の夜警 「ヘンリー・クラレンドン」  <西風荘>に滞在している老人 「マーゴ・ウェスト」  <西風荘>に滞在している婦人 「リチャード・ハヴェスト」  やくざ者 「アレッサンドロ」  エスメラルダ警察の部長

    1
    投稿日: 2022.10.10
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    人生やり直しも楽しみ(プレイバック) 街の権力者は法でも金と権力で何とでもなると思い上がる。だが、違った街での自由気ままな発言と行動は許されない。よく政治社会に居る「思い上がり」は権力を振り翳し、街ぐるみで自分の思った通りに動かすが、現実に「長いものには巻かれろ」の如く、言われるままの地位を持った輩でさえも多いのは寂しい限りだ。真実は虚意の世の中に潜んでいる、と言うことだ。 「優しくなれ、さすれば生きていると言う証が見つかる」そんなミステリー小説。

    6
    投稿日: 2022.06.13
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    女の尾行を依頼されたマーロウはロサンゼルス駅についた列車の中にその女の姿を見つけた。だが、駅構内で派手な服装の男と言葉を交わすや、女の態度は一変した。明らかに女は男に脅迫されているらしい。男は影のようにその女について回った.....そして、二人を追うマーロウは? 正統派ハードボイルドの伝統を築いたチャンドラーが、名作「長いお別れ」ののち、4年の沈黙を破って発表した問題の遺作! ----- 今ひとつノリきれずに最後まで読んでしまった。とにかく今までの作品とは全然違うと感じていたら、訳者もあとがきで同様のことを書いていた。

    0
    投稿日: 2018.10.15
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    If I wasn't hard, I wouldn't be alive.If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive. 誰からも何も求めないかたくなな気持ち 娘はこの本を「葉っぱの絵本」と呼んで、筆ペンでたくさんの絵を描いて、そして私の膝の上に乗って、「読んで」って何度も言ってくれました。

    1
    投稿日: 2018.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私立探偵フィリップ・マーロウの七作目。 違和感。 マーロウはこんな男だったのか? 尾行した女について行った街だからなのか。 突然のヘリコプターの登場も、 最後のプロポーズも違和感しかない。 あの、有名なセリフを確認できたのは良かった。

    1
    投稿日: 2018.02.03
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    ミステリで最も印象的な文章は何?と訊かれた時に、真っ先に思いついたのはこの台詞、 「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている価値がない」 だった。フィリップ・マーロウの代名詞とも云えるこの台詞が出てくるのはチャンドラー最後の長編である本作なのだ。 マーロウは馴染みのない弁護士からある女性の尾行を頼まれる。弁護士が指示した駅に行くと確かにそこには女がいた。その女は男と会話したり、コーヒーを飲んだり、暇を潰していたが、やがて動き出した。付いた場所はサンディエゴのホテル。マーロウは彼女の部屋の隣に部屋を取り、盗聴する。やがて駅で話していた男が現れ、その女性ベティに無心する。マーロウはベティの部屋に入ってその男を殴るが、逆にベティに殴られてしまう。 その後ホテルを移ったと思われたベティがマーロウの部屋に現れ、無心をした男ミッチェルが移転先のホテルで死体になっているという。しかしマーロウが行ってみると死体はなかった。 長編の中でも一番短い本書はあまり事件も入り組んでいなくて理解しやすい。登場するキャラクターも立っているので十分満足できる。 ただシリーズの最後を飾る作品としては物足りなさ過ぎる。 逆に本作がマーロウシリーズの入門書としてもいいかもしれない。 この頃のチャンドラーはもう精神的にも肉体的にもボロボロだったらしい。『長いお別れ』を発表してからの5年間は愛妻の死、イギリス政府と泥仕合をすることになった国籍問題、そしてそれらが心を蝕んだ故にアルコールに溺れ、治療のための入院など、まさに人生としての終焉を迎えているかのようだ。そんな中で書いたのが本作。だからなんとなくマーロウも“らしくない”。そして本作発表の1年後、チャンドラーは没する。 そしてこの題名。これは全く内容と関係ない。“バック”と付いていることから前向きではなく、後ろ向きであることがうかがえる。これはもしかしたら既に自分の作家としての能力に限界を感じたチャンドラーが昔の全盛期をもう一度と望んだ心の叫びなのかもしれない。 舞台がロスでないなど、マーロウにこだわる読者の中では色々と不満があるようだが、個人的にはやはりあの台詞に出逢えた事がうれしく、十分満足できた。

    3
    投稿日: 2017.06.04
  • リンダとの結婚が気になる…

    マーロウは探偵業が嫌いで事件を解決する気などないのでは?と何度か考えた。 とにかくストーリーよりもマーロウの拘りやスタンスを回りくどく書き込んでいる。 そのうえミステリ要素と関係ない人物も登場して回り道が多い。 一人の老紳士が登場して「神は万能か」と大演説を行うシーンもある。海外文学に神と聖書は必要な要素であるがこの演説は唐突である。とはいえ実はこの演説はなかなか面白いので楽しませてもらった。 事件はその後あっけなく解決。

    0
    投稿日: 2017.03.30
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    フィリップマーロウという探偵が主人公のシリーズですが、普通の探偵小説とは趣が違っているこのシリーズ中でも、特に不思議な雰囲気漂う内容でした。小説内に出てくる話題も、脱線が激しく(それはそれで魅力的なのですが)、まるで話の主題はどうでも良いことのように、それ以外のいわば外野が、魅力たっぷりに勝手に主張している、そんな感覚で読ませていただきました。 全体的に暗い雰囲気が漂っています。主人公が謎を解決していくのですが、それが気力を削いでいくような気にさせられます。なんというか、嫌な予感というものが当たっていく、それも次々に、そういう感覚でした。しばらく余韻が残りますし、しばらく読み返す気がしませんが、あと何年かしたら再度読んでみたい、その時はどう感じるだろうか。

    1
    投稿日: 2017.03.27
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    弟が名言が気になって読んだけど、面白さがまるでわからなかったっていうから、私も読んだ。私もわからなかった。 最近読んだカズオイシグロの『充たされざる者』くらいわからなかった。

    1
    投稿日: 2016.03.18
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    とらえどころのないストーリー、挿入される思わせ振りな意味のないシーン、読み終わった瞬間は怒りに似た感情すら覚えたが、これがチャンドラーの中でも異作であるとの解説を読んで納得。文章は好きでも嫌いでもなかった。

    1
    投稿日: 2015.09.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    チャンドラーの遺作にしてマーロウ最後の作品。事件が終わった後にパリの女からプロポーズされるのが、プレイバックというより蛇足かも(笑)

    2
    投稿日: 2014.02.26
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    マーロウが落ち着ける安息の場所へと導くために、チャンドラーはこの本を書いた気がする。途中で本筋のストーリーとは関係ない人々が出て来て、寄り道のような会話のやり取りがあった。でもこの本の訳者の清水さんもその意図がいまいち把握できてなかったような感じが多分あって、翻訳にその?がにじみ出てしまってた。結果読み手としての自分も?マークだった。何かの信念が必要なんだよと言ってる気もしたのだが…。 村上春樹の翻訳で是非読んで見たいなぁ。着実に翻訳作品を増やしてるからでるかもね。

    1
    投稿日: 2013.08.19
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    レイモンド・チャンドラーの長篇作品のラストを飾る作品 マーロウのあの有名な台詞も出てくる 内容は、相変わらずダラダラ続く展開に間延び間を感じてしまうが、一貫してハードボイルドな雰囲気をかもし続けている ラストに、まさかの人物も出てくる マーロウの決断はいかに

    1
    投稿日: 2013.03.21
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    チャンドラーの小説は筋よりも文体、なんだけど、これはちょっとミステリとしては厳しい?あとマーロウ、好きな女がいるくせに他の女たちと寝すぎです。ところで「タフじゃなければ生きていられない、優しくなければ生きている資格がない」って有名なセリフ、この作品だったのね。

    1
    投稿日: 2013.01.03
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    チャンドラーの遺作。あの名セリフがマーロウのセリフだったとは…今作のマーロウは手が早くて今までとちょっと違うけど、やっぱりカッコいいです!

    1
    投稿日: 2012.10.12
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    『長いお別れ』に比べて、マーロウが色々な人に対して同情的(この言葉がぴったりとは思えないが)なように感じられた。 だが、やはり相変わらず「この人が現実にいたらいいのに」と思わされる。

    1
    投稿日: 2012.06.13
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    相変わらずマーロウはダンディですが、 ほかの作品よりも疲れていて孤独で自棄になっているような気がします。 ストーリーの核になる事件も、 気の毒な人たちが引き起こした気の毒な事件で、 その下らないかんじが、いっそうくたびれさせているみたい。 「しつかりしていなかつたら、生きていられない。 やさしくなれなかつたら、生きている資格がない」 マーロウにだって、 幸福になる権利はあるとおもうので、 この終わり方、わたしは好感がもてます。

    1
    投稿日: 2011.12.26
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    チャンドラー最後の作品にして、読了後も読み進めている間も、絶えず奇妙な感覚に包まれた作品でした。 ある一人の女性の尾行を依頼されたフィリップ・マーロウ。彼女が何者なのか、なぜ尾行しなければならないのか、マーロウには何も知らされないまま彼女の足取りとともに物語は進みます。 ベティ・メイフィールドと名乗る彼女は、ラリー・ミッチェルという派手な服装の男に脅迫されていたのですが、マーロウには、彼女を脅すネタが何なのかさえ知り得なかったのです。 物語が進むにつれてマーロウは、ベティの出所に隠されていた真相と、フィクサーとして背後に存在する途方もなく大きな人物に行き当たるのですが…。 本作の中には、物語の本筋には関係のないような描写がいくつか登場するとともに、これまでに描かれなかったマーロウの姿がいくつか見られます。 依頼人の秘書と寝たり、尾行対象のベティと一夜を共に過ごすシーンなどが、それに当たります。 物語の組み立て方にも、これまでのチャンドラー作品と比べると違和感を覚えます。ピカソやブラックに始まるキュビスムのように---物語の構成を基本的形態に分解し、改めて再構築していくような---一見すると分かりにくいような構成が、印象的でした。 そして、驚くべき…というか感慨深いシーンが、物語のラスト。『ロング・グッドバイ』のあの有名なセリフ---さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ---とマーロウが口にした相手、リンダ・ローリングの登場です。 果たして、マーロウはリンダと結婚する運びになるのでしょうか。 本作のタイトル『プレイバック』とは、こうしたマーロウの過去の繋がりに焦点を当てたものであったのでは…と思うと同時に、チャンドラーがマーロウを通して書いてきた過去の作品そのものとの繋がりにあったのではないでしょうか。 事実、本作の読了後には、これまでのチャンドラー作品を思い返さずにはいられなかったのですから。

    1
    投稿日: 2011.10.03
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    20111001読了。 フィリップ・マーロウシリーズの最終巻。 今まで読んだ「さよなら、愛しき女よ」「ロンググッドバイ」に比べると 内容的にはストーリーが雑に感じる。 描写もいささか少ないよう感じる上 マーロウのかっこよさや女性の魅力、プロットなど いずれも何か欠けているような感覚がする。 訳者の人も、巻末の解説にて この作品は何かが違うと感じている、と語っていたので自分だけの違和感じゃないのかも。

    1
    投稿日: 2011.10.02
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    女の尾行を依頼されたマーロウはロサンゼルス駅に着いた列車の中にその女ベティー・メイフィールドをみつける。ベティーがミッチェルと話している。彼女が彼のことを嫌がっていることは見ただけですぐに分かる。ベティーはミッチェルに恐喝されているのだ。 この作品はチャンドラーの遺作。マーロウがベティーに感情的になっている部分が多くて面白かった。

    1
    投稿日: 2011.08.16
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    これも何回も読み返している。疲れ切ったマーロウだけが印象に残る。だけどなにしろあの名セリフ「しっかりしていなかったら云々。やさしくなれなかったら云々」がでてくるやつだし。

    1
    投稿日: 2011.06.25
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    ハードボイルドの巨匠、レイモンド・チャンドラーの遺作。 この世の中は大体気に入らないことばかりだけど、自分の生き方にはつくづく嫌気が差すけど、それでもなんとか生きていくんだっていう、不条理で、でも不思議と前向きなんじゃないかと思う本。 最後の場面、主人公が絞り出す、 「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がない」 "If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive." って台詞は、ヤセ我慢としてのダンディズムの極致だと。 ヘミングウェイの何かの作品で「全ての優秀な人間は楽天的だ」って台詞があるんだけど、それと同じ意味と読んだ。

    1
    投稿日: 2010.12.19
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    面白かった。フィリップ・マーロウシリーズの最後の作品、というかチャンドラーさんの遺作らしい。 依頼主もわからぬままに、ある女性の尾行をすることになったマーロウが…みたいな話。 チャンドラーさんの本って、殺人事件が起こって、それをマーロウが解決していくっていう形なんだけど、極端な話、犯人なんかどうでもよくて、マーロウがどういうふうに様々な局面に向き合うのかが一番面白いと思う。 一番の謎はマーロウは一体何を考えているのか、ってことな気がするし。 この本で一番びっくりしたのは、紳士な警官が出てきたこと! 他のマーロウシリーズでは、警棒で事件を解決とか、タフぶり過ぎているとか、悲しいくらい頼りにならなかったりみたいな警官ばかりが出てきてたので驚いてしまった。 訳者あとがきによると、チャンドラーさんが実際に取材した警官がとても紳士だったので、そういうタイプの警官も書かねば、と思ったらしい。へえ。 あとは、ホテルの老紳士も印象に残っている。 訳者のひとも言っているように、なんでこんな人物が登場する必要があったのかは全然わからないけど、雰囲気を持った、心に残る人物だった。 わき役ではホテルの受付のジャックとルシルも好きだった。 ストーリーにはあんまり関係ないけど、やたらラブラブなホテルのフロント係。いい味出してたと思う。 あ、あとリンダ・ローリングが登場したのにもびっくりした。

    1
    投稿日: 2010.12.02
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    ロング・グッドバイを読んでから読むと、ちょっと肩すかしをくらう。 いちばん印象的だったのは、窓を懐中電灯でパッパッってやるところ(笑)。 さすがフィリップ・マーロウ。タフな男だ。

    1
    投稿日: 2010.11.16
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     本書には私のような読書かじったような人間でも知っているような台詞が出てきます。  しかし、訳し方は色々あるようです。  ちなみに私の読んだハヤカワ文庫では以下のようになっています。 「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」  これはしっくりこない。言葉にしてみても舌触りがよくないですし、おそらく聞いている方も腑に落ちないはずです。名言というのはスマートであるべきで、無駄な肉付けがされていると逆に陳腐で滑稽に聞こえるものです。もうちょっと訳者の方には頑張って欲しかった。  ハードボイルドというジャンルはどうも宙ぶらりんな印象を受けてしまいます。男のロマンが詰まっているらしいのですが、登場人物達の会話がしっくりこない。というよりも噛み合ってない。誰もが意味ありげに意味の無い会話をしているように見えてしまうわけです。それでいて、脈の無さそうな美人の女性があっさりと主人公とベッドに入ってしまう。正直、もう訳わからんのです。  それが魅力であるのでしょうが、だからこそ好き嫌いの分かれるジャンルなのでしょうね。

    0
    投稿日: 2010.10.28
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    フィリップ・マーロウ・シリーズ 怪しげな弁護士から女の尾行を依頼されたマーロウ。女をゆするミッッチェルという男の存在。消えたミッチェル。 「しっかりしなければ生きられない。優しくなければ生きる資格がない」  2009年10月30日読了

    0
    投稿日: 2009.10.30
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    かの名言が非常に映える、 静かに展開する大人の本。 この作品はマーロウの周りにかなりの 女が出入りし、そのうち何人かとは …な関係にまでなる、かなり色香漂う本です。 でもそれでいてムッツリでないところが 作家そのものの技量なんですね。 非常にいい感じでした。 決して派手な謎解き等、出てきません。 でも読ませてくれるのです。

    2
    投稿日: 2009.10.23
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    フィリップ・マーロウシリーズの中では一番好きな作品です。   あの有名な「強くないと、生きていられない。優しくなかったら、生きている資格がない。」(ただ、清水俊二さんは「しっかりしていないと…」と訳しておられますが)という言葉は、私の目指す生き方そのものとなりました。 男臭い世界かもしれませんが、男性だけではなく是非女性の皆さんにも呼んでいただきたい一冊です。

    1
    投稿日: 2009.07.14
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    http://blog.livedoor.jp/axis_anri/archives/1339668.html 「あなたのようにしっかりした男がどうしてそんなに優しくなれるの?」 「男はタフでなければ生きていけない。やさしくなければ生きていく資格がない」 ちなみに、うちの母親はチャンドラーの日本語訳された文体がよほど嫌いらしく、会うたびに文句をつけてくるので少々鬱陶しい。 煙草を巻くだけの描写に何行も使うところが気にくわないそうな。 私はそこがいいのでは?と思っているので、適当に流してきた。これまでに100回以上。 別にいいじゃありませんかね。

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    投稿日: 2009.05.06
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    カサブランカのハンフリー・ボガードを彷彿とさせる主人公。 一時期このシリーズにはまって全シリーズ読みました。 こういう男、恋するにはいいけど、一緒に生活はできないよね… 2008.11.30 シエナのNさんに譲渡

    1
    投稿日: 2008.12.03
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    『強くなければ生きて行けない。やさしくなければ生きる資格がない』 様々なところで取り上げられる、マーロウの最も有名なセリフを肌で感じることに出来る本作(この本の中での訳は前述のものとは少し違うけど)。 長編というよりも中編に位置するくらいの作品で、七つの長編の中でも異質であることは疑いようもない。マーロウはセックスしちゃいかんだろ。ただし、一番人間臭いマーロウと会える作品でもあることを付け加えておく。

    1
    投稿日: 2007.03.19