
総合評価
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powered by ブクログ第22回小説すばる新人賞受賞作。 高校生で読んでいたら、何か変わっていただろうか。きっとあの狭い世界で、同じように空気を読み、自分の物差しで客観視して立ち振る舞い、心では別のことを思いながら相槌を打っていただろう。それでも、そんな焦燥を、動いたら生まれていたかもしれない人間関係を、同年代の感性による言葉で感じられていたら。 部活を辞めた桐島は語らない。誰かが誰かに光と影を投げかける、その緻密な過程と連鎖が、鮮やか。
0投稿日: 2025.03.03
powered by ブクログ自分の中学時代高校時代のクラスメイトやあの頃自分が考えていたことを思い出して読みながらすごく苦しかった。学校っていろんな人がいて、その中で自然とカーストができて、明確にあなたは下だとかダサいとか言われなくても、何となく私は下だしあの子たちとは馴染めないんだなって思う その感覚を鮮明に思い出した 体育や部活で自分がミスした時、全世界から責められてるような、そういう気持ちとか、目立つ子たちに対する憧れや恐怖、目立たないけど何か夢中になっているものがある子をすごく眩しく感じる気持ち、色んな人がひとつの空間にいるから生まれる感情が、最悪で苦しくてだけどなんだか眩しくて 眩しいとも思えるようになったのは、きっと自分があの空間から抜け出したからで、学生時代の教室が世界の全てだという感覚から解放されたから 菊池が前田のこと、「ひかり」って思うのが、あまりにも好き、あの瞬間なんて表現したらいいかわからないけど、とにかく美しくて苦しくて良い場面すぎる
1投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログ朝井さんのエッセイを先に読んでしまったので、 若々しい描写にニヤニヤしてしまって本来の読み方ではなかった気がする、、、すみません フレッシュでよかったです
0投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログ高校生の日常と葛藤。表面的には取り繕っていても、心の中ではモヤモヤやイライラが。思春期ならではの感情。 各章の主人公が、自分にとって何が大切かを見いだすんだけど、余韻を持たせた感じが良かった。想像力を刺激されるね。 朝井さんのデビュー作ということだから当時は大学生だよね。この年齢だからこそ書けたフレッシュさ! ていうか、みなさん言ってるけど、エッセイの朝井さんと同一人物と思えないよね?小説だとすごく繊細なのにー。 表現がいちいちオシャレで、女性の作者っぽいなーと思った! で、肝心の桐島はどこにー?
13投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログ高校生を主人公にした青春小説。バレー部のキャプテン桐島が部活をやめたことはきっかけでバレー部、吹奏楽部、映画部、ソフト部、バドミントン部の部員たちの物語でした。映画部の話がおもしろかった。
4投稿日: 2025.02.01
powered by ブクログ桐島が部活を辞めたことで周りの人の人生が大きく動き出す、みたいな物語かと思ってたけど違った。 題名通り、やめるってよ。くらいの第三者にとって小さな出来事。しかしその出来事が大小関わらず他者に影響を与える。 そうした日常の中で、自分にとって大事なこと、弱さ、他人の優しさに気付き、登場人物達の中で小さな変化が起こる。 感情に焦点が当てられた話が好きな自分にとってはとても面白かったです!
1投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
運動ができるかできないか、可愛いがダサいか、制服をおしゃれに着こなせるか着こなせないか…。 クラスの中で目立ついわゆる1軍と呼ばれる人たち。 学校という狭い世界の中にいると分からなくなることが多いけど、一軍に選ばれるための明文化されていない基準・ルールってとても理不尽で極端。 こうやっていろんな視点から世界を覗くとそう痛感させられる。 映画部の涼也や武文は、運動部によくいる明るくて目立つ人たちが苦手で、教室ではできるだけ存在感を消していた。 そんな普段は目立たない彼らだが 、心から映画が大好きで映画の撮影を共に行っている時は自分の 劣等感とかはどうでも良くなり、ひたすら映画の世界に没入する。 さらに高校生映画コンクールの全国大会で特別賞を取るなど、実力も本物であった。 しかし、どんなにすごい賞を取っでも、運動ができない、見た目がパッとしない、そんな理由で他の同級生から「ダサい」と一蹴される、または扱いづらそうにされる。 『体育でチームメイトに迷惑をかけたとき、自分は世界で一番悪いことをしたと感じる。体育でチームメイトに落胆されたとき、自分は世界で一番みっともない存在だと感じる。』 運動ができて、常に堂々としていられて、青春という言葉がぴったりな恋愛もできる、そんな一軍の存在を毎日感じながら、なるべく関わらないようにと意識しながら、2人は日々を送っていた。 そんな2人から見たら1軍の真ん中にいる宏樹。 彼視点の物語が一番面白かった。 かっこいいし、練習しなくてもシュートは決められるし、彼女もいる、自分が目立つ存在であることを自覚している。 だけど、自分の限界を知るのが怖くて心のどこかで怯えていること、 地味だと決めつけていた映画部2人が映画を撮影する際レンズを覗く横顔が光そのものに見えたこと、彼女は可愛いけど多分ただそれだけだということ、うまく形容しきれないイライラを抱えながら悶々としていた。 パッとしない生活を送っていると、キラキラ輝いている人と自分を比較して落ち込んだり、嫉妬したりすることがあるけど、一見輝いてそうな人にも葛藤やまた別の辛さがある。 隣の芝生の青さにやきもきしているのはみんな同じなんだと思った。 狭い世界の中で周りからどう見られているのかを気にして偏った 勝ち負けや優劣をつけて自信がついたり落ち込んだり、そんな繰り返しの中にいるのかな自分も
29投稿日: 2025.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
すごく丁寧に書かれた文章 文系クラブ(映画部)のスポーツ系クラブ スクールカーストっぽい話 小説らしいのは血の繋がっていない母と娘の話くらい あとは高校生の日常 真木よう子全盛期?チルソクの夏は面白い? ジョゼと虎と魚たちも面白いかなぁ? 本作品はこのあと映画も見るつもり
0投稿日: 2025.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった 読んでる途中で朝井リョウさんが19歳の時に書いたと知って、さらにこの本にのめり込んでいった。 個人的には宏樹の章が一番面白かった。前田涼也という話したこともなかった存在に、自分には何もないんだということを気付かされる。 自分は宏樹のような「陽キャ」ではないけれど、涼也のことが「眩しい」と表現している宏樹に少し親近感のようなものを感じる。 この本を今読めて良かった。
0投稿日: 2025.01.06
powered by ブクログもう高校時代なんて10年くらい前だけど、あの時の空気感が読んでいるうちにぶわっと蘇ってきた。それぐらいこの小説は高校生活がぎゅっと詰まっていて、それは綺麗なものもあればちょっと苦しいのもあってほんとに全部詰まっているなと感じた。 私はあの3年間、別に何か大きなことは成し遂げてはいないけど、それぞれの章の子達みたいに悩んで悔やんで羨んでそして友達とキラキラしあって、きっと一つの章を作れるくらいには青春をしてきたかもなと振り返っていた。 あの時の青春を味わいたいなと思った人は読んだら楽しめると思います。良かった。
1投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログきらきらした青春だけじゃない、高校生のどろっとしたリアル感が出ていてひりひりしながら読んだ。なのに読後はさわやかな気持ちになるの、さすがだなあ〜。明るい部分だけじゃなく、悩みや葛藤もひっくるめて青春なんだろうなと思う、今の自分も含めて。
0投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログ高校生青春小説。 そういったなかでも、高校生という大人と子どものあいだに抱くような、不安や不満、また生徒間の鬱憤やスクールカーストがテーマかなぁ。 あと拝読する前に聞いていた「桐島が出てこない」が本当だった。 スクールカースト下位だった私には『そうそう!』な展開ありで変に共感できて楽しめました笑。
18投稿日: 2024.12.26
powered by ブクログこの前まで感じていたあのモヤモヤが全て詰まってた。 あと、ずっと感じていた疑問も少し。 わたしは所謂「陰キャ」と呼ばれるような類の人間(その境目が何処なのか分からないけど)だったので、ずっとフシギだった。陽キャ、と呼ばれる(つまり、わたしの認識では、委員長をやったり、教室で目立つような事をしている)人達がどういう思考でどういう気持ちで毎日を過ごしているのか。 少し、ほんの少しだけ、分かった気がした。 そりゃあ勿論、この本の中で登場した人達のような人ばかりでは無いけれど、少なくとも、そういう人が居る、ということは分かった。 正直、あの人たちは何も考えていないんじゃないか、と思うことがあって(今ではそんな事ないと分かるし、自分もさして考えられる人間では無い)、それは違うなと感じた。 何も考えてないんじゃなくて、考えてるからこそなのかなとも思ったりした。 でもやっぱりわたしはあの人たちみたいにカッコイイ人間にはなれないので、出来ることなら1度、頭の中を覗いてみたい。
1投稿日: 2024.12.24
powered by ブクログ朝井リョウの19歳でのデビュー作 さすが現役の若者!という感性の小説。しかし自分が19歳の時、若者の気持ちをこんなに客観的に俯瞰的に表現できたとは思えない。すごい。 映画化されて話題だったのでタイトルだけは知っていたが、タイトルから推測していたものとは全く違う印象。青春群像者ではあるが、桐島が部活を辞めたことから、さまざまな人物へ影響が波及していくのが面白い。 高校生ってクラスや部活でヒエラルキーがはっきりしているようで、実は幸福度はそれに比例していないことも多いのを思い出した。
0投稿日: 2024.12.11
powered by ブクログタイトルのインパクトによって手に取らざるをえなかった。読んでみて思ったが、桐島本人自体の深掘りはほとんどなく、あくまで出てくる登場人物の一例だった。 作品を通じて若さを感じた。ひかりの描写が多く、学生時代を想起させた。 宮部と菊池の回は面白かった。 群像劇でいろんな話が繋がるが、そこから生まれるシナジーはあまり感じなかった。あくまでそれぞれの心理描写をつなぎ合わせて状況を理解するくらいだった。 人間にはいろんなキャラクターがあるが、その実態は状況によって変化する。生きていく上でずっと同じキャラクターで生きていける人はあまりいない。 本作もいろんな人物のストーリーがあるが、何か一つは読者にとって刺さる回があるのではないか。 そういう意味では読む価値があると思う。 しかし、一つの小説としては物足りない感が残った。 著者のデビュー作というのもあるのだろうが。 いずれ直木賞を取ったという作品を手に取ってみるのも悪くないと感じた。 菊池回はどんぴしゃだった
0投稿日: 2024.11.28
powered by ブクログ高校生の頃、まだ本を読まず先に映画を見た記憶がある。しかし、その時意味がわからなかった。後に友達に話すと桐島は出ないと聞いて納得して終わっていた。最近昔わからなかったドラマを見ると面白いと気づき改めて読んでみたらすごく面白かった。解説でも書いてあったが、これを19歳で書いた朝井さんは天才だと思った。17歳青春真っ只中の時の感情を繊細に描いていた。あの時は夢も明確ではないし、自分の学校での立ち位置ばかり気にしていた気がする。人を馬鹿にしたりすることで自分が上であることを安心していた。今思うとすごくしょうもないことだがあの狭い世界ではそれが正義だと思っていた。学生時代に読んでいたら何か変わっていたと思うような、ここまで冷静に自分を見れないとも思う。17歳を経験した人全員、誰かの話には共感でき、懐かしく思え、あの時期をまた経験してみたいなと思える作品だと感じる。
1投稿日: 2024.11.28
powered by ブクログ短編小説だった。各々の高校生の繊細な感情を描いている。 僕の高校生活は部活、勉強、遊びでいっぱいいっぱいだった。そのためあまり「ヒエラルキーが上・下」だとか、「かっこいい・ダサい」とか周りの人間と比較して自分を立ち位置を分析する事はしなかった。 登場人物全体が卑屈のように感じた。そんな反発を出しながらもすんなり読めてしまう。それは高校生の複雑で繊細な気持ちを上手に表現しているからだと思った。
10投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログ2009年刊行。 「小説すばる新人賞」を受賞した、朝井リョウのデビュー作。 舞台はとある田舎の高校。そこそこの進学校。 バレー部のキャプテン、桐島が部活を辞めた。 その小さな出来事が、バレー部の補欠・風助、ブラスバンド部の部長・亜矢、映画部・涼也、ソフト部・実果、野球部の幽霊部員・宏樹、バドミントン部のかすみ、彼らの日常に小さな変化を与える。 本作は、彼らそれぞれの視点から見た短篇に分かれている。大きなイベントは起きず、ごく普段の高校生活、しかし大きくざわめく彼らの内景描写を軸にストーリーが綴られる。 桐島は登場しない。 彼が本当に部活を辞めたのか、どんな性格で何を考えているのかは深掘りされない。あくまでも、「桐島が部活を辞めたかもしれない」ということがストーリーの触媒として働くだけである。 この小説で描かれるのは、高校生の格差だ。 田舎の高校、一学年の人数は300人程度、みんなおなじ十七歳。この小さなコミュニティが、彼らにとっては世界そのものだ。 しかし、その中には当然、目立つ生徒もいれば目立たない生徒もいる。 ルックスが良くて運動が得意な男子と、ルックスが良くて化粧が上手くてファッション・センスがある女子はカーストの上に立てるが、そうでない生徒はそれぞれ下のカーストでグループを作る。 この、ある種残酷ではあるが自然な序列は、当人たちも当然の寄与のものとして受け入れ、そのカーストの中でどのように波風を立てずに過ごすかに関心が向けられる。 カーストそのものへの抵抗ではない。それは誰も試みない。この序列がひっくり返ることはなく、無意味だからだ。 この描写が非常に解像度が高く、生々しい。 ゆえに読んだ人を自身の高校時代へと連れ戻す。そこで喚起される記憶がエモーショナルを誘う。 十七歳、高二。 まだまだ子どもだけど、なんとなく早く大人になるように急かされるような気がする、そんな時期。 自分の半径500Mが世界のすべてで、無敵だと思いながらも、漠然とした不安がまとわりつく、そんな時期。 作中の宏樹の台詞、「この体育館には真っ白なキャンバスがとりあえず300以上あるけど、みんなそれに何か描く気はあるのだろうか。 同じような髪型をして、全員揃って何していいかわかんないって感じだ。真っ白なキャンバスでも、真っ暗闇の中で見れば真っ黒だ。」 この台詞が、彼らの葛藤をよく表している。 私自身も、彼らと同じような歳の頃、おなじような苛立ちを持っていたことを思い出した。 この小説は、ストーリーとして大きな動きがあるわけでも、上手い伏線や仕掛けがあるわけでもない。そこに物足りなさは感じる。 ただ、主人公たちの心の中の動きを丁寧に描写することで、魅力ある作品に仕上がっている。 この表現が上手くて、当時19歳、後にヒットを連発する朝井リョウの才能の片鱗を十分に感じさせる作品である。
16投稿日: 2024.11.07
powered by ブクログ集英社文庫 朝井リョウ先生 桐島、部活やめるってよ 読了。 自分が高校生の頃は、所謂カーストのようなものはなく、あえて言うなら中の上位くらいで学生生活を送ってました。 先の事も考えず、今しかできない事を精一杯楽しんでました。 この小説を19歳の頃に各個人を細部にまで繊細に描き切った朝井リョウ先生の才能には脱帽です。
0投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログ映画化されていた作品ということもあって、題名は知っていたが読んでみると面白かった。 部活や立場が違う5人をそれぞれの視点から描くことによってスクールカーストを感じながら、物語が進んでいて、良かった。 また桐島という謎めいた人物を上手くストーリーに絡めることによって、読者の興味関心をそそるようにしているとも感じた。
0投稿日: 2024.11.06
powered by ブクログ思春期ならではの生々しい諦念感と瑞々しさ。 自分の好きなものに真っ直ぐ向き合う尊さ、難しさを感じた。 自信が田舎の自称進学校出身なため感情移入を強く行えた。
0投稿日: 2024.11.05
powered by ブクログ期待以上に面白かった… 何が起きてどうなったかっていうストーリーの展開というか、一人一人の身の回りに起こる日常の中で普通ーーにありそうなこととそのときの心情の描写に、読んでるこっちも妙にドキドキそわそわしてしまって。 出てくる子たちの誰に似てるでもない学生生活だったけど、誰の気持ちにも共感してしまう部分があった。
0投稿日: 2024.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
朝井リョウ氏2009年(当時19歳)の作品。デビュー作。本作で第22回小説すばる新人賞受賞。 なお氏は2013年に『何者』で直木賞を受賞。 ・・・ はっきり言うと、あまりついていけなかった、というのが本音。 バレー部のキャプテン桐島が二年の半ばで部活をやめるという所から物語は始まります。 当の桐島は一切出てこず、その周囲のキャラからみた高校生活が描かれます。 野球部のユーレイ部員菊池、バレー部の補欠風助、ブラバンの主将亜矢、映画部の涼也、ソフト部の実果。いわゆる上位組、下位組などの見えない枠を意識しつつ、上位は上位でこのままでいいのだろうかと悩み、下位は下位で縮こまってしまった自己に嫌気がさす。 皆、充実しているように見えて、生きづらさを感じている、不完全燃焼感を感じている、上位には上位の鬱屈、下位には下位のやるせなさがある、そんな筆致でした。 ・・・ で、私は男子校に通っていたので、女子のいる生活というのが全く想像できません。共学というのは羨ましすぎる!って常に思っていました。 他方、本作で、女子の上位グループがあからさまに下位グループの男子をバカにしているシーンなどを見ると、「わし共学だったら完全に下位だわ。笑われるやつだ」って感じます。 そういう意味では、男子校で救われたかもって思います。 だし、埼玉県みたいな公立の別学が残っているのもそれはそれで多様でよいのではとも感じます。共学に生きづらさを感じるのであれば別学に行けばよろしい、と。 なんてことを考えていると、本作で描かれている生きづらさ・息苦しさみたいなのは、多くの共学で大小あろうも存在するのかもしれません。 実は当初、登場人物の幾つかに「皆さん感傷的やねえ」とやや斜めに構えていたのですが、解説で吉田大八氏(映画監督)が「美化された回想でもなく、現場からの荒々しいレポートでもなく、ギリギリの距離感で触れたか触れないか、そんな生々しさ」(P.242)と仰るところを見ると、きっと近年の高校生ってこんな感じなのでしょうね。 お疲れ様でございます。 ・・・ ということで朝井氏のデビュー作でした。 氏の作品は、特にエッセイが秀逸で高校生の娘が「電車でふいてもた」と申しておりました。確かに面白い。小説は読者の立ち位置で判断が分かれそうですね。 学校生活で悶々としている学生さん、教育実習に赴く前の大学生とかが読んだら少しは参考になるかもしれません。
0投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログ高校生の時のカーストばかり気にしていた自分に、世界は広いんだよ、と声をかけてあげたくなるけど、 でも一方で、そんなこと分かっててもあの時は必死だったんだよな、と、 そんなことを思い出さずにはいられない小説でした。
1投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ私が共感できること、できないことどちらもあった。しかし、高校生をよく捉えている。こういうことを考えている高校生は今もいる。 1番印象に残ったのは実果の話。私が実果だったら、お母さんに「私は実果!」と言ってしまうだろう。
0投稿日: 2024.10.12
powered by ブクログ先日、「資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか (NHK出版新書)」という本の感想をここに書いた時、「桐島、部活やめるってよ」を(読んだこともないのに!)引き合いに出してしまったので、今回読了。 僕は高校の時、ブラスバンド部男子(つまり負け組)だったので、映画部の人の目線でめちゃ感情移入した。 この作品は多分、ストーリーを云々語るものではなく(野球部の彼が最後は前向きになるであろうことは多くの人が予想しただろう)、色々な立場の高校生たちの心理描写の巧みさを楽しむものだろう。 読めば読むほど、青春のめんどくささとあの頃のムカつきを思い出させてくれる。 それはつまり、ホンモノの青春小説だということなのだろう。
4投稿日: 2024.10.04
powered by ブクログ#65奈良県立図書情報館ビブリオバトル「10年後にまた読みたい本」で紹介された本です。 サンジョルディの日にちなんで2部制の内の1部。 1部は通常のビブリオバトル、2部は奈良県内の書店員さんによるエキシビジョンマッチでした。 2016.4.16 https://m.facebook.com/events/1701471486762147?view=permalink&id=1715044465404849
0投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログ高校生の頃の自分がぐっと大きな手で引っ張り出されて日の目を浴びたような読書体験。 カースト制度を死ぬほど意識していたあの頃。自分は一軍だとか二軍だとかそういうことが常に頭の中を渦巻いていた。 体育が苦手だった気持ちが特に鮮明に思い出されて胸が苦しくなった。友達と過ごした何気ない日々も彼ができたあの日も高校生ってだけできらきらしていたのかもしれない。
46投稿日: 2024.09.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
再読。確か中学の時に初めて読んでぐさぐさ刺された記憶。今思えば私の場合中学のがカーストきつかったからなぁ。大人になった今また読んでみたいと思って入手。改めて当時の自分の体験を思い出して懐かしさや苦さを感じた。けど流石は朝井リョウ、希望の見える締め方なのが救い。 これを19歳の時に書いたというのだから本当にすごい。なんでこんなにいろいろなタイプの人の気持ちがわかるんだ。 当時は単行本を図書館かどこかで借りて読んだので、文庫本書き下ろしのかすみ中学生編は初読み。なんだかおまけをもらえたみたいで嬉しい。かすみの強さが垣間見える。(けど書き下ろしが1番最後にくるとラストの"ひかり"の印象が消えちゃうのが残念) タイトルからして桐島が主人公なのに、桐島本人は会話だけにでてくる謎の人物でありまったく登場しないという構図が本当に面白いと思う。みんながみんな主人公というのがまさに高校生の世界という感じ。 どうでもいいけどやっぱり高校生はメイクするの普通なんですか!?私が通ってた高校は程よい田舎にあって割と真面目な子がメインだったからか、帰宅部の数名はメイクしてたけど部活やってる子なんて日焼け止めしか塗ってなかったので...今時は部活やっててもメイクしてるんかな...それとも都会はメイクするんかな...(いやいや朝井リョウは私より歳上だし程よい田舎な岐阜出身だっつーの)
1投稿日: 2024.09.10
powered by ブクログスクールカーストとやらを身をもって体験してない世代なので、共感的な感情は湧かなかったが、登場人物それぞれの心理描写は見事だったし、こんなにドロドロした人間の内面を描いてきたのに(書き下ろし部分を含まない)ラストの数ページで爽やかな読後感に浸れたのには驚いた。 多様性が声高に叫ばれている現代の高校生は、また違ったものを抱えているのかな。
1投稿日: 2024.09.08
powered by ブクログ良くも悪くも高校生のリアルを濃縮した一冊。一体いつから高校生に「自由」「青春」「元気」というレッテルを貼り付けるようになったのか。かつて闘っていた自らの記憶を呼び起こす。そして思いを馳せるは今の高校生達。SNSの普及、仮初の意志尊重、痛みのない温室の中で彼ら彼女らは一体どんな思いで生きているのか。時代を超えてアップデートされていって欲しい1冊
0投稿日: 2024.09.05
powered by ブクログ大好きな朝井リョウさんの有名な作品!! 自分の予想に反して短編:長編が7:3のような作品だった。 内容はあらすじのまんまで、桐島が部活を辞めたことをきっかけに学校生活での出来事を6人の視点から描かれているところ。この作品の面白いところとして桐島が脇役のような立ち位置であることだと思う。タイトルにいるのに、桐島が中心にいることは無い。まずこの作りが面白かった。また、女子高校生の心情を描くのが本当に上手。ずっと男性として生きているはずなのになぜこんなにも女子の気持ちが分かっているのか不思議でたまらない。本当にこれに関するエピソードを聞きたい。そして菊池宏樹のエピソードが最高でした。自分は上のカーストにいる。でも自分というものを持っていない。そこで映画に一途な前田と出会って変わっていく姿に成長と青春を感じた。この絶妙なバランスで複雑な心を持つ高校生の心情を私より1つ下(19)の時に描ききったというのはもはや脱帽レベルである。 ただ、朝井リョウさんということで期待値も高まっていたこともあるし、ある意味では高校生の日常という枠のような印象を受けてしまい私的には合わなかったのでこの評価。ごめんなさい。
13投稿日: 2024.09.03
powered by ブクログ映画の方があまり好みじゃなかったので小説ならいけるかなと思って読んだ。こちらも映画と同様にただスクールカーストを描いただけの作品だだたので、あまり好みじゃなかった。そのせいで朝井リョウさん作品に対しても苦手意識が生まれてしまっている…。
5投稿日: 2024.08.24
powered by ブクログ生々しくて、眩しすぎた 学生の頃には、1ミリのズレを許せなかったり、思い悩んだり、喜んだり悲しんだり 大人になれば対応できるのか、諦められるのか、気にも留めないような誰かの変化によって、 あの頃の世界はごちゃごちゃにかき混ぜられていたな
0投稿日: 2024.08.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
青春のキラキラが眩しかった。桐島が一度も出てこないのに桐島を中心に話が進んでいるような不思議な感じがして面白かった。高校の頃は学校が世界の全てみたいな感覚で、カーストや他人の目を気にする登場人物たちにとても共感した。大学生の今は、自由が増えて、世界も広がって見えるけど、社会人になったらもっと広がるのかな〜。
0投稿日: 2024.08.22
powered by ブクログ高校生の心情を生々しく描いた青春群像劇 バレー部のキャプテン桐島が突然部活をやめることを聞いた高校生たちの心情の変化や成長を描く。生徒たちの生命力に満ち溢れ、瑞々しくも儚くて残酷で、叫びたくなるような青春の1ページ。大人にこそ刺さる1冊。
4投稿日: 2024.08.21
powered by ブクログ後書きを読んでより好きになった。 確かに、この作品を19歳の時に書いたとは思えない。 19歳だからこその生々しさと19歳らしからぬ冷静な語り口。 ただ、キラキラ女子の解像度が他の登場人物に比べて低いと感じた。仕方ないのかもしれない。
0投稿日: 2024.08.18
powered by ブクログ大人になることを「安全圏に逃げ込む」と表している解説の言葉がすべてだった。 安全圏に逃げ込んだ後に読んでよかった。まだ少ないダメージで済んだ。 高校生の時、リアルタイムで読んでいたら三日三晩寝込んでいただろう。
0投稿日: 2024.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
バレー部のキャプテン桐島が部活を辞めるという中で、その周辺にいる同じ高校の6人の話が語られる。桐島自身の話は語られない。6人の中には、桐島と同じ部の仲間もいれば、桐島とはほとんど接点のない者もいる。彼ら悩みや、高校の人間関係(かっこいい上のグループと冴えない下のグループに別れているとか)が描かれる。 著者が日経新聞に連載していた「イン・ザ・メガチャーチ」が面白かったので、ブックオフで本作を買って読んでみる。
0投稿日: 2024.08.13
powered by ブクログNetflixで映画が配信されていたので、見た上で再読。 なんで1回目読んだ時はそう思わなかったのかな、ってくらいに宏樹に感情移入するのと共に、羨ましくなった 未来だけはあって、でもそこに描く未来がなくて、自分が空っぽに思えて、俯瞰して冷笑して、自分に呆れて 高校生でそこまで見えてるなら大したもんですよ ラストとかあんな感じだったっけ? と思って見てたけど、結構改変はされてる でも映画は映画で、こちらに委ねてくれるものもあってすごい好きです 必要なのは少しの勇気
1投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログタイトルは昔からよく耳にしたし、「なんか面白いタイトルやな」と思っていた。朝井リョウ作品だから気になってはいたもののなかなか手に取ることはなかった。でも、最近ふとそろそろ読んでみるかなーといった具合に思って読んでみたらこれはなんちゅー作品なんやと正直思った。高校時代、青春時代、17歳、これらに関することの細かな描写がぎっしりつまっていた。高校生だった頃から何年と過ぎた今の自分。よくある読んだ後は「あの頃を思い出してなんかいい気分」的な感じはほとんどなくて、「あの頃は自分はこうだったよな…」と深く考え込んでいってしまうような読後感。この作品を作中にでてくる登場人物たちと同年齢の時に読んでいたらどう思っていたんだろう?と思った。高校生に本をプレゼントするとなればこの作品を自分は候補にしたい。
0投稿日: 2024.08.11
powered by ブクログ登場人物が多く、それぞれの心情や行動を追っている為呼び方が苗字だったり名前だったりで誰が誰だか分からない。それぞれの人物もガッツリ繋がっていたりそうでもなかったりの名前だけ出てくるパターンもあり難解。 高校生のこんなことあったよねー、皆んなそうだよねーみたいな話なので特に事件やアクシデントなく(抑揚がない)さらに人物がごちゃごちゃで読み進めるのが大変でした。 好みでは無い。
0投稿日: 2024.08.09
powered by ブクログバレー部のキャプテンの桐島が部活を辞めるということをきっかけにその周りの人たちがどのような心情で高校生活を送っているかを描いた作品。 高校内にあるヒエラルキーを意識しつつも誰もが何処かに気を遣いながら生活している様を描いている。 桐島が一度も登場しないところも新鮮。
1投稿日: 2024.07.30
powered by ブクログ中学生くらいの時に読んで、私の学生生活とはかけ離れすぎててあまり面白いと感じなかった。 大人になっても読んでみたらまた違う感情を持てるかもしれない
0投稿日: 2024.07.22
powered by ブクログ思っていたよりずっと素直ないい小説だった。朝井リョウさんと同世代なので、作中に出てくる映画や音楽のタイトルを懐かしく感じた。丁寧に選ばれた硬めの言葉たちに初々しい清潔感がある。女子の描写はちょっと甘くてどれが誰だか覚えられなかった。タイトルがとにかく秀逸。
0投稿日: 2024.07.20
powered by ブクログ高校生の時のイライラとかもやもやとか、人と比較したりしてしまったりとかの感情がすごい伝わってきて、懐かしくなった。
0投稿日: 2024.07.19
powered by ブクログ青春って感じのキラキラした話、やけど、高校生の時の、あのなんとも言えないモヤモヤとか、上とか下とか、そういう学生の時ならではの感覚がすごくリアルだった。美化されてないというか。 大人になって、楽しそうな学生を見かけるとたまに「楽しそうでうらやましいなぁ」「いいな」とか思う事もあるけど、 確かに私も学生だった頃は楽しいだけじゃなかったはずで、いろんな感情あったよなと、ふわっと思い出した。 たまに一瞬キラキラする時があったような気がするから、それがまぶしく感じるだけで、そういうイメージがついてしまう。実際はそれだけじゃないのにね、皆いろいろ。 私も学生やったんやなぁという事実を、思い出せる本やった。
12投稿日: 2024.07.13
powered by ブクログ日にち飛ばし飛ばしだったから、ズカンとくるのは難しかったけれどあまりにも19歳が書いた本とは思えない。あとがきにあったように、大人になってから(安全圏に逃げ切ってから)書くのとは訳が違う。作者の学生時代はどんなだっただろう。どんな友人とどんな時間をどんな風景を見て過ごしたのだろう。義務教育の過程で誰しもが感じる目に見えないカースト制度、懐かしくて、今の自分が学生になったらどんな過ごし方をするのだろうと想像して、ヒヤッとふふっとなる。
1投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログ内容はそれほど無かったけど、高校時代を思い出して戻りたいと思った。表現の仕方がとても良くて引き込まれる所が何度もあった。
0投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログずっと「桐島の話はよ」と思いながら読んでいたので、この本の醍醐味である高校生たちの学校社会でのうつろいを素直に楽しめなかった。 桐島の人物像が見えてくるような見えてこないような。急にいなくなって、そのままみんながそれを受け入れるってあんまり現実的でない気がした。
1投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログ大人になってから読むと、中高の6年間なんて、人生の微々たる時間だと思うから、なんかそんなに悩まなくてもと思ってしまう あんまり共感できなかったな そして、最後まで桐島出てこないんかいってなった
0投稿日: 2024.06.29
powered by ブクログいろいろな17歳をリアルに描写していて、自身の高校時代と重ね合わせながらあっという間に読んでしまいました。自分はクラスの「上」に入ろうと必死こいて面白いこと言ったり、前髪いじったりしてましたが、、、今思うと痛々しい。けどあの頃は、それが全てでそれが全世界だったなとむず痒く思い出しました。今も仕事で苦しくて折れそうですが、きっと小さな世界でもがいてるだけなんだろうなーと思うことで心をラクにします。
0投稿日: 2024.06.28
powered by ブクログ面白かったが、もう少し若い時に読んでいたらさらに響いたのだろうと思う。スクールカーストを感じ、いわゆる上にも下にも属さないように過ごした学生時代を思い出した。 青春時代の人間関係、本当に面倒くさい。面倒くさいけど、皆多感で尊いなと思う。
0投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログバレー部キャプテン・桐島の退部によって立場や日常に少しずつ影響をもたらされた5人の高校生の話。 各章で主人公が代わり、それぞれの視点やスクールカーストの立ち位置で教室内や人間関係の見え方が変わって面白い。 自分はこの教室内で『上』なのか『下』なのか、みんな言葉にせずとも察してまるで役割のようにその立ち位置を全うするあの空気感の生々しさがこの一冊の中にあった。 誰々が部活を辞めたらしい、なんて大人になった今となっては大した話でないように感じてしまうけれど、箱庭のような教室が世界のすべてであった学生の頃はこんな瑣末な問題が大ニュースになって、「上」も「下」もみんな少しずつ、僅かに微かに日常が揺らいでいくあの感じを思い出した。
2投稿日: 2024.06.20
powered by ブクログ1日で読んで映画も視聴。 スクールカースト作品の最高峰! 面白かったなぁ〜。 Youtubeでいろんな解説・考察を見たけど ほとんどで自身の学生時代と重ね合わせてた。 自分の学生時代を語りたくなるまさにそんな作品。 宏樹の部活への想いが自分に重なった。 私自身も、ずっとやってたサッカーは 高2で幽霊部員になって 自分から「辞めます」って言わないままだった。 今だに夢に見る。
0投稿日: 2024.06.15
powered by ブクログ遠い昔の学生時代を思い出しながら、あぁこんなだったと思いながら読んだ。 カースト制とか自然にできちゃう、あれ不思議。 「世界はこんなにも広いのに、僕らはこの高校を世界のように感じて過ごしている」その通り、そう思ってた。 広い世界に飛び出せ、17歳!!と今なら言ってあげたい。 いろいろな17歳5高校生の視点から書かれているけど、タイトルに出てくる桐島くんは直接は出てこないことにびっくりした。そこが面白い。
2投稿日: 2024.06.13
powered by ブクログ映画部の前田くんとバドミントン部のかすみさんが仲良くなり読んでいてほのぼのした。 映画の材料を先に撮影する方法ははじめて知りました。 私も進学校だったので、テストに追われて部活のブラバンの夏の合宿や、定期演奏会前の練習は、大変で、彼女を作る暇はありませんでした。 でも、何人かは、彼女がいました。 残念‼️
0投稿日: 2024.06.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結局桐島が、出てこない!という所が面白くしてるポイントだろうな、と思う。 学生特有のカースト制、お互いがお互いを羨ましく思うことがやっぱりあるんだなぁと思う。
0投稿日: 2024.06.02
powered by ブクログ17歳という特別な青春 イライラしたりドキドキしたり。 あ~こういうのあるある!なエピソードに自分の高校時代がどんどん思い出された。 実果ちゃんの話が泣けた。
8投稿日: 2024.06.01
powered by ブクログ第22回小説すばる新人賞受賞作。 なんともアオハルな感じが、随所に醸し出されていて。 なかなか入り込めなかったけど、熱中できる何かにひたすら青春を注ぐ事の素晴らしさは改めて感じた。 放送部コンビは周りにどう思われてようが、光を放っていた。 著者が19歳の時の作品。 19歳が17歳をここまで客観的に、時には主体的に?見事に描き切っていたのには驚きでした。 そして何より桐島本人のストーリーがないのに、このタイトル。 ネーミングセンスも脱帽。 芸人の大喜利に使われたり、政治家を揶揄ったり言葉に使われたり。 本を読まない人にも知れ渡ったタイトル。
1投稿日: 2024.05.18
powered by ブクログ『桐島が部活をやめるらしい』で繋がる同じ高校生のオムニバス。 恋愛、部活、家庭、友人関係の全部がリアル。 一度は考えたようなこと、見たことのある描写が多すぎて青春を感じた。 朝井リョウ本当にもっと読みたいです
0投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログ章ごとに主人公となる高校生が変わり、結局桐島出てこないのかい、となる作品。 高校生特有の甘酸っぱかったり、陰と陽があったり、青春の一言では片付けられない高校生活を丁寧に描写していてお見事でした。
1投稿日: 2024.05.02
powered by ブクログ************************************************ バレー部のキャプテン、桐島が部活を辞めた。 その些細なきっかけで、些細な変化が起きてゆく。 ************************************************ 前前前世のノリで、再再再読。くらい。多分。 当時現役大学生で二十歳の朝井リョウ処女作。 2012年映画化、神木隆之介が主演し話題作に。 そりゃまあもちろん、鑑賞済み(神木くん好き) 当時期待大で観たその映画の感想はといえば、 薄っすらな虚無が残っただけだった気がした。 その感じが別に嫌いとかではなかったけれど。 噛み砕きたくて原作読んだら全然違って驚いた。 まず神木くんフューチャーな作品ではなかった。 神木くん目当てで映画を観た自分を恥じた。恥。 原作は劇的な事件等が起こるわけではないので、 エンタメに昇華する為に脚色した部分もあって、 消化不良で意味不明という意見も多かったけど、 不穏な空気で進むのがなんとも学生らしいかと。 でも私は丁寧な心理描写のある原作が好きです。 常に周囲と自分を比べ、優位に立ったり蔑んだり、 (主に外見。時代的にも世代的にも外見至上主義か) どの立場でもフラストレーションが溜まっていく。 学校、クラスという極小な世界でのヒエラルキー、 無邪気で無自覚な馬鹿ほど残酷で上位にいる事実。 それが全てで、そこで形成される価値観。リアル。 自分は当時ここまで客観視出来てなかったと思う が、でも出来てると思ってた馬鹿だった、本当恥。 必要以上に卑屈になることも、焦ることもなくて、 ただ時間を垂れ流していただけに思う。本当、恥。 それにしても、若者の日常生活の描写が眩しくて、 これは歳を重ねる程に胸にくるものがあると思う。 あの頃には気付けなかった(私が愚か故になだけ?) その時だけ確かに存在していた、一見意味のない、 でもそこでしか感じられない特別な何かが眩しい。 もうね、学生、のいる風景てだけで泣けるから私。 部活、てワードだけで泣いちゃうよ(おばちゃん化) -----------✂︎-----------✂︎-----------✂︎-------- 「映画は神木隆之介が良過ぎて、良くない」 と言ってる人がいて、確かにな!と思った。笑 映画先に観た作品は、映画の話が多くなっちゃう… 高校時代、沙奈みたいな奴いたな〜 めちゃくちゃ馬鹿にしてた、けど、自分も大馬鹿。 -----------✂︎-----------✂︎-----------✂︎--------
6投稿日: 2024.05.02
powered by ブクログ気になっていた本を読んでいて、その一環だったけど、自分の若い頃の感情を深く掘り起こして。 あとがきにあるように、安全圏にいる今だからそんなこともあったって思う心を、自分が10代位の頃に読んでいたらどんな気持ちになってたんだろうか? 深く考えずも人生って生きれると気がついてから、それなりに楽に生きてきたけど、そんな状態にいられるのはありがたい話で。 ただ、見ようとすることをやめただけかもしれないけど、あの頃、自分を見つめるように、一つずつを言葉にして見つめ直していたら、何者かになろうとか、そんなことを改めて思ったのだろうか?その頃の自分は、それでも毎日何かに必死だったから何も変わらなかったかもしれないけど。 その光が眩しすぎて、胸焼けをおこしそうになる。
1投稿日: 2024.04.29
powered by ブクログあの年代特有のものとして描かれる感覚はわざわざ書くまでもない当たり前のものと感じられる部分が多いし、作中で言うところの「上」に対する「下」の視線が、「上」を知っている者が想像する「下」にとっての「上」でしかないような、そういういやらしさはあると思う。しかしそういったことを差し引いてもなお、すごい小説だった。なによりも印象的な場面を作るのがあまりにもうまい、わけても菊地が前田のひかりをとらえるところはすさまじく、よそから見れば完璧に見えるひとにも傷があり、除け者にされがちなひとにも輝くものがある、という、それまでに繰り返されてきた(嘘っぽいポジティブさではなく)どらちかといえばネガティブな視点が素描する前向きな着地が、個々の揺らぎがちな生に確かな肯定をもたらす輝きとして結実したかのような感があった。無論、現実はそうでないかもしれない。それでももしかしたらほんとにそうかもしれないし、そうであってほしいと素直に祈れるようなリアリティが、この小説にはあった。しかもそういったことたちを『桐島、部活やめるってよ』の題と構成で描いてみせただなんて、ほんと、とんでもないことだ。
1投稿日: 2024.04.28
powered by ブクログ書いたのが十代と知って驚き。 朝井リョウさんの作品は心が抉られるので(褒めてる)あまり好みではないのだけれど読んでしまう。ダメだと分かってるのにかさぶた剥がしてしまうような気持ち
0投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログクラスの空気感、陽キャと陰キャでグループが分かれている感じ、部活の雰囲気など自分の学生時代を思い出す要素が多く、懐かしい気持ちになった。 表紙と題名を見たとき、桐島が主人公なのだろうと思っていたが、この本に出てくるのは桐島が部活をやめたことと人伝の情報だけで桐島のセリフはない。桐島の周りの人からあまり関係なさそうな人までいろんな人にスポットが当たる。 汗や髪の毛など細かいところまで描写されているからありありと景色が浮かび、臨場感がある。特に宮部実果の話の時、複雑で毒づいたことを思ったり素直になったりする気持ちがすごくうまく表現されていて、男性の作者でもこんな風に書けるのかとびっくりした。
2投稿日: 2024.04.06
powered by ブクログ朝井リョウ氏のデビュー作品。状況の光景を表す文章と言葉がとても美しい所が多く、読む側の想像を膨らますのが上手な作家さんだなぁって思います。桐島君が在籍する高校の生徒をピックアップされてる内容。桐島君がいつ出てくるのかと読み進め、結局最後まで出てこずでこうゆう演出もあるのかと関心した。周りから弾かれないよう自分を繕い周りに合わせて行動することの息苦しさ、高校生もその社会の中で生き延びるために大変なのだという事を大人も分かってあげたい。
2投稿日: 2024.04.04
powered by ブクログ学生生活を送っていた当時は、それが世界の全部で、肩身の狭い思いをしていたり、空気を読んだり、色んなことが思い出された。 一気にその時代に引き戻された感覚がした。
1投稿日: 2024.04.04
powered by ブクログ昔、子どもが買ってた本。なんとなく読んでみた。 なんて高校時代の何気ない日が鮮やかに書かれているんだろう。 キラキラして楽しくて仕方ない感じも、モヤモヤしてイライラしてどうしようもない感じも。 教室で、部活で、恋愛で、家庭で、笑い転げる事も喉の奥に挟まったままの事も。 きっと読む人それぞれの経験が思い出されたりするんだろうなぁ。 そして、なんて高校時代の空気が鮮やかに書かれているんだろう。 体育館の床のなる音に、グラグラのバスケットゴールに、プルプルのリップに、ポッキーに、大きめの制服に、黒い生地の野球カバンに。 もうずいぶん時間が経ったけれど、自分が高校生の時にこの本を読んだら、しんどくて読みきれないかもと思ってしまった。 この本を買った時、高校生だった娘に、今更ながら感想を聞いてみると「まぁ普通に面白かったかな〜どうだったけ?」 そりゃあそうだ。子ども達は今が大切で忙しいよね。
64投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログ学生時代に映画化され、気になってはいたが映画も見ず、本も積読の山に紛れていた。正欲を読んで、朝井リョウさんの他の作品も読んでみたいと思い、手に取ることに。 この作者は普段感じていながらもみんなが言葉にしないようなことを文章で表現するのが本当に上手いと感じた。学生時代の自分の心の中を覗かれているようで、やはり読んでいて怖かった。この作者の他の作品も読んでいきたい。何者は映画を観たが、小説を読み直そう。
1投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ『正欲』が面白かったので、2冊目の朝井リョウさん。 インパクトのあるタイトルで当時からずっと気になっていた。 「○○、部活やめるってよ」は、誰もが学生時代に一度は聞いたことがあるフレーズで、それは学生にとっては一大ニュースだ。 自分も中学の時に部活をやめているので、当時の辛かった気持ちがよみがえってきた。 上手いタイトルだなぁ。 でも桐島は出てこない! そういうところ好きです。 もう忘れていた学生ならではの繊細な気持ちや女子中高生特有の友達との難しい関係などがとてもリアルで、一気に当時にタイムスリップしたかのように感じた。 放課後の遅くまで練習しているブラスバンド部のトランペットの音が、読みながら頭にずっと響いてきた。 当時のもやっとしてあまり深く考えないようにしていた気持ちを代弁してくれているようだった。 朝井リョウさんの本は、自分も小説の中に入れる感じが好きだ。 自分の学生時代の経験で感想も違ってくると思うので、皆さんの感想を読むのも楽しみ。 『正欲』のように○○目線で同じ事柄に対するそれぞれの感じ方の違いなどがもっと見たかった。
38投稿日: 2024.03.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
他の作品との兼ね合いや基準づくりのために 評価を星3にしたけどしっかり面白かった 主人公であろう桐島が作中に出てこないという新しい切り口だった 桐島の周りで起きる桐島以外の登場人物の心情の動きが見てとれた 他人をダサいダサくないで決めつけてバカにする描写は、実際に存在する人を考えながら読んでいた 朝井リョウさんの作品を読むと、私が今まで出会ってきた人や過去の経験を思い出すことができ、懐かしい思い半分、切ない気持ち半分になる また、過去の自分の気持ちを代弁してくれ、言語化してくれるので新たな自分に出会えて嬉しい
6投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログスクールカーストの描写に覚えがありすぎる。学校という世間から見れば小さい世界、だけど学生時代はそれが全てだった世界にクラス、部活、友達それぞれの場所で各々の立ち位置に縛られていたと思う。 光の描写が所々にあったのが印象的だった。 あと創作ダンスの話はやめてくれ。それは私に刺さる。
4投稿日: 2024.03.20
powered by ブクログ今でも覚えている。この本が発売され、本屋に平積みされていたのが丁度17歳の頃。こんなふざけた題名の本が面白いわけがないと食わず嫌いをした。 当たり前だけど、描かれている時代背景は自分の高校生時代そのもの。当時読まなかったのは損だったのかもしれない。非常に懐かしい気分となった。
3投稿日: 2024.03.18
powered by ブクログ桐島が部活をやめた。高校内で起こる小さな波紋を5人の視点から描く青春もの。 アリとキリギリス、対比と逆転の物語。 短文の連続、歯切れのよい文がいかにも若者っぽい。 スクールカーストの上と下 帰宅部と部活に打ち込む者 表彰される者とそれを嘲る者 そして、自力で進む者と他人に頼る者 物語は、ひとつの場面を複数人の視点を介して、対比しながら描き出していく。 「持っている者は持っていなくて、持っていない者が持っている」という事実は気持ち良い。そして、無知の知。持つ者の象徴「桐島」を失い、持っていないことに気づいた者。 彼らにも頑張ってほしいなあと思う。
7投稿日: 2024.03.16
powered by ブクログ最初はこんな感じかぁと思ったけど、いろんなエピソードがつながり始めて面白かった 実果の話は電車で泣いちゃった でもスクールカーストとか、女子の中のいざこざとか、めちゃくちゃリアルで中高校生にもどった気持ち
3投稿日: 2024.03.08
powered by ブクログコロナ世代が憧れていた高校生活が詰まった本! 制限がない練習試合、友達との放課後の買い食い、部室での団欒、黙食ではない賑やかな昼休み、文化祭、 全校集会、こんな高校生活を過ごしたかったなあと思いました。キラキラしていて眩しかったです。この時期ならではの人間関係もリアルに書かれていました。 今の高校生はこの本通りだと嬉しいな〜〜
1投稿日: 2024.03.07
powered by ブクログ周りを見て自分の立場を察したり、それに伴って行動が変わったり、うっすら感じていたことを思い出せた作品でした。 多感な時期の些細な感情の機微は、数年経てば大したことなかったなと済ませてしまいがちですが、当時の自分にとっていかに大事なことだったのか、ふとそんな風に考えさせられました。嫉妬や葛藤に悩みながらも、精一杯に自分を探すような高校生の繊細さが緻密に描かれていました。
1投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログ桐島が部活をやめたという一石が波紋となり、周りに多大なる影響を及ぼす。霧島自身がどうではなく霧島が辞めたという。その事実のみに影響が及ぼされることは世界における縮小図のようにも思える。 17歳という世代が、ことさら世の中では神秘化されているが、まさにその通りなんだなと思う。 17歳の彼ら彼女らが感じたことは世界の皆が感じうるものなのかもしれない。 良くも悪くも心にチクチクくることもある。少しだけ心構えして読むと良い。
3投稿日: 2024.03.03
powered by ブクログ高校生ならではの、脆さ、純粋さ、素直さ、瑞々しさが詰まった、珠玉の逸品。 とにかく眩しい。 眩しすぎて切ない。 要所要所で散りばめられる「光」のコントラストの描写が美しすぎて、懐かしいような甘酸っぱいような、苦しくて優しい感情で胸がいっぱいなる。 映画版も好きなので、もう一度観てみたくなった。
2投稿日: 2024.02.27
powered by ブクログ誰しもが共感できる内容。 17歳という繊細な時期に揺れ動く、感情の機微を上手く表現していると思う。 学校という小さな空間にも、確かに存在するヒエラルキーにもがく、上層と下層の苦悩や葛藤がリアル。
16投稿日: 2024.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
朝井リョウの別作品を読んで好きになり、やっとデビュー作品を読んだ。 小さい頃に映画を観てよくわからんなと思ったんだけど、「学校」という場で過ごした後に小説読んでみると共感の嵐だった。 高校時代、登場人物達みたいに色々考えていたわけではないから自分が共感していいのか申し訳ない気持ちになるけど、でもわかる。 特にクラス内の「カースト」の描き方がリアルだった。「カースト」なんて言い方したくないし、「陽キャ」「陰キャ」なんて分け方もしたくないんだけど、実際に色々な人がいるクラスにいれば嫌でもそんな風に人を分けてしまう。そんな中で、「カースト」が「ある」のに「ない」ようにふるまったり、「カースト」が違う人同士はギクシャクしたり、仲良くしたいのに周りを気にしてうまく関われなかったり...。 教室の居心地の悪さとか、何かに夢中になって失敗したときの怖さとか、自分とクラスメイトを比較して関係を位置付けたり、高校生というか学生時代の大変さが鮮明に描かれている。 自分的にはこの二文に共感した。 「ピンクが似合う女の子って、きっと、勝っている。すでに、何かに。」 「サッカーってなんでこうも、「上」と「下」をきれいに分けてしまうスポーツなんだろう。」 女子のカースト上位は「かわいさ」 男子のカースト上位は「球技」 ピンクが似合う女の子はただただかわいい。そんな女の子はやっぱり生きやすい。(嫉妬なんかで大変かもだけど)でも、ここで朝井りょうが面白いのはそういう女の子は「おもしろくない」ことをどの章でも強調してること。「おもしろくない」としても、「顔」がいい女子はそれだけで男女両方に好かれる。 男子はスポーツ、特に球技ができることが大切。自分は男子は淡白な感じでみんな仲良くするのかなとも思ってたけど、確かに運動苦手な子は体育とかも気まずそうだなと思う。日本の体育会気質はここに由来するんだろう。 「陰キャ」にとっての教室と「陽キャ」の裏の顔(みんなそれぞれ明るく見えて悩みがある)がかなり密に書かれていて読んでいて苦しくもあり、共感もあり、すぐに読んでしまった。
1投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ5人の目線で、高校生のリアルな感情を描いた作品です。いけてるグループ、いけてないグループが「上」、「下」と表現されているが、「上」「下」は確かに自然発生していたなと。存在を消したいと潜む「下」の前田に光を見出した「上」の菊池。自分にはなにがあるのか、なにができるのか、周りに同調しながらも、個を模索する高校生たちの姿は瑞々しい。 19歳でこの作品を執筆した朝井さん、すごいなぁ。
2投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログそれぞれに、それぞれの悩みがある。それを理解するにはまだ若すぎる少年たちと少女たち。 正直、桐島は触り程度しか出て来ず、物語には直接的に関係来てこないのだが、彼の不在からなる緩やかな変化、それを楽しく読めた。
2投稿日: 2024.02.09
powered by ブクログタイトルの桐島が部活やめるのは置いといて、 学生でもその先の大人になっても、マウント取る人って必ずいるけど、あんまり意味ないって、若干中高生にして気づいてしまう子らと、そんなの関係無いとまではいかないけど、確立した自分を持っている子らと。 青春小説ではなかった、ヒューマンドラマだった。今までこの本、タイトルで避けてた、自分がアホらしなった、深いところの話です。
2投稿日: 2024.02.07
powered by ブクログ作者の作品はいくつか読んでいるけど、この作品に関しては映画の完成度が高すぎて、原作の魅力を凌駕しちゃってるってのがある。 それぞれの抱える複雑な感情が迸る様子は小説ならではだけど、個人的には映像の衝撃を超えることがなかった。 原点として、読むべき一冊。
1投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログ少し前に読んで内容あんまり覚えてないシリーズ。 桐島が部活を辞めるという事実と、それに絡む人・絡まない人がいつつ、高校生が描かれていた。 桐島は出そうで出なかった。 んーーーーあんまり覚えてないからもう一度読もうかな。
1投稿日: 2024.02.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
17歳だなんて。思い出すのも億劫だけれど、人生をやり直すなら17歳がいい。でも、17歳に戻ってやり直したい人生だなんて結局、何度戻ったところでキリがないかもしれない。 17歳だった僕が持ち合わせていたのは真っ白なキャンバスなんかじゃなくて、小さな紙袋だった。将来は?だなんて、あれもこれもと小さな紙袋に詰め込んで、あっという間に膨らんでしまい、そのくせ拍子抜けしてしまうほど軽くて、つまり、その膨らみなど見せかけばかりで。僕の将来の?夢?目標?やりたいこと?やれること?そんな物事を、いくら詰め込んだところで紙袋の中身は空っぽで。紙袋のクチを握りつぶして捻って、叩き割って。破裂した紙袋など丸めて捨ててしまった。17歳の苛立ちは17歳で処分した。そんなだから17歳だった僕の将来は、つまり現在の僕は、成るべくして成っています。『おとぎ話はワナ。期待したってカボチャはカボチャ』ってことです。 高校の卒業アルバムを思い浮かべながら読みました。彼ら彼女らの“クラス分け”まざまざと思い出した。男子のサッカー。女子の創作ダンス。ああもう嫌になる。 僕もサッカーしましたね。体育の授業の。僕は適当にボールの反対側に走って逃げてたクチ。あるとき“おさるのナンチャラ”のキャラクターによく似てた野球部員に突然背後から押されて、さっきのお返し、みたいなことを言われた。でも僕は何をしたのかよく覚えてなくて、曖昧に誤魔化してしまったけれど、あれは一体なんだったのか。“クラス分け”的には彼は目立つほう、僕はその逆だったから、はじめから互いの接点などなかったのに。いまなら言えるかな。 なあ、“おさる”よ。おまえの勘違いじゃねえの? って。 僕の高校生時代も、この物語にも登場している人物たちの関係性と、まったく同じだった。互いの“クラス”で見て見ぬふり、卒業までやり過ごせたら、それでいい。当時のそれは、それなりに切実だったなあ、とか思い出しました。 「思ったことをそのまま言うことと、ぐっと我慢すること、どっちが大人なんだろう。こうやって、狭い世界の中で生きているとわからなくなる」 17歳でわからなかったことは、17歳からだいぶ経った今の僕でも、まだよくわからない。このままどんどん年齢ばかり重ねて、相変わらず狭い世界の中で、わからない、わからないを、僕は繰り返してゆくのだろう。 なんだったのかなあ。僕の17歳。 ほんとに戻りたいのか?戻りたくても戻ることができないからこそ僕は、戻りたいと思う。 この本も言うまでもなく松岡茉優案件。 映画は、まだ観ていません。
2投稿日: 2024.01.29
powered by ブクログ桐島が部活をやめる話。 でも桐島は出てこない。部活をやめた後の話。やめるかやめないかの葛藤とか、やめるまでの迷いとか、まーったく出てこない。 桐島ではない5人の高校生の、それぞれの物語。 その中で、桐島はまあまあ出てきたり、ちらりとしかでてこなかったり(誰だよ桐島、レベルの出方もあり) でも一回も直接は出てこない。出てきても回想。 桐島が部活をやめたことによって、全く世界が変わってしまった子、全然変わらない子、本人が桐島の退部の影響と気づかないレベルで少し変わった子。 桐島が出てこないからどんな子かはわからない。でも他の子たちの描き方からして、そして実際の高校生がそう感じているであろう、"高校生活だけが全世界"の中で、おそらく世界が変わる退部の道を選んだ桐島。でも桐島の世界が変わろうが変わるまいが、他の子たちは自分たちの世界の中で、自分たちの悩みや生きづらさや楽しみをもって生活していて、桐島が部活をやめたことなんか、微塵も関係ない(関係ある子ももちろんいるけど)。そんなことは当たり前だけど、当人たちは、チラリと出てくる桐島くんの世界に天変地異が起きていることなんて(ちょっと考えればわかるかもしれないけど)全く気づく余地もない(気づく必要もない、気づいても考える必要もない)くらい、自分たちの世界でいっぱいなんだろう。それは私たちにも当てはまることなんだろう。 桐島が部活をやめたことに、影響されまくってる子、全然されてない子、実はちょっとされてる子。桐島とは(大半が)関係のない、それぞれの、成長譚。
1投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログやっぱり朝井リョウさんの小説は好きだ。 特に印象に残ったフレーズをまとめる。 ・体育でチームメイトに迷惑をかけたとき、自分は世界で1番悪いことをしたと感じる。 体育でチームメイトに落胆されたとき、自分は世界で1番みっともない存在だと感じる。 ・一番怖かった。本気でやって、何もできない自分を知ることが。 最近の自分に特に響いたフレーズだった。 仕事でうまく行かなくて、ずっと落ち込んでて視野が狭くなっていた。だけど、私には仕事以外にも、友達や音楽や小説や趣味、心から世界が開かれる場所があるのに、それさえも忘れそうになるほどに、目の前の仕事が、職場が自分の世界のように感じられてしまう時がある。 この小説の中では、上と下をお互いが見合っているが、実は、お互いにないものねだりだったりするシーンも描かれている。 上だ、下だって判断基準なんていくらでもあるんだろうけど、自分が心から大切だって思うものは大切にしたいし、それを恥ずかしがる必要なんてないんだって改めて思った。 そして最終話が「〜14歳」ってなってるのが切なかった。高校生になって、かすみも、染まってしまったのだろうか…いや恐らく、ずっと葛藤してるんじゃないかな、なんて想像してみる。
3投稿日: 2024.01.26
powered by ブクログ桐島がバレーボール部を辞めてから、周りに少しづつ変化が。 色んな子の視点で書かれていて、共感出来る子もいれば出来ない子もいた。 書かれた時期が、自分の高校時代ドンピシャだったので懐かしかったです。
1投稿日: 2024.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分の高校時代に思いを馳せながら、いろいろな気持ちを思い出しながら読めて楽しかった。ブラスバンド部でグラウンドの好きな人を視界に入れながら練習をするなどは実際にあったので胸がぎゅっとした。 また、朝井リョウは文章がとにかく上手い。。ひとつひとつの仕草や目線の動きなどに、その場の空気感や人の心の動きが緻密に表現されていて、読んでいて感心してしまうことが多い。 自分はここまでの激しいスクールカーストは顕在化してない(と自分は少なくとも思っていた)高校時代だったが、よく考えたらあぁそういうこともあったかなと、デフォルメされ凝縮されたそれぞれの高校時代を味わうように読むことができた。 そう、私にとっては物語を楽しむというより、空気感、気付き、自分との織り重ね、を楽しむ小説だったなという印象。 物語としてオチがある訳ではないので、少し拍子抜けはしたが。
1投稿日: 2024.01.23
powered by ブクログ悩める高校生たちのリアルな描写に、自分もこんな時期あったな〜と懐かしくなる箇所もありました。 しかし、群を抜いて宮部実香さんが可哀想すぎて、いたたまれない。周りに自分の悩みを聞いてくれる人がいないと辛いよなぁと思いました。 登場人物が多い為か、読んでいて途中で迷子になり、若干疲れました。 あと、桐島は最後まで出そうで出ません笑
23投稿日: 2024.01.16
powered by ブクログ有名すぎて読んでいなかった本。 高校2年生の桐島と直接的にかかわる同級生、あるいはかなり間接的で遠い距離の同級生、それぞれが語る日常の何気ない光景と10代らしい心情。当の桐島くんが姿を見せない設定にただただ驚いた。これを大学在学中に書いたなんて、朝井リョウというひとは何者なんだ!と書いたところで「何者」という作品があることを思い出してしてやられた気分になる。すごいなぁ、朝井リョウさん。 高校生の男子、女子の心情描写にはひりひりするし、スクールカースト的な状況には気持ちがギュッと苦しくなるし、人物や景色を描写する美しい言葉たちには心洗われる。 映画は見ていないけれど、神木隆之介くんが主演ということだけは知っていて、神木くん=桐島だと信じ込んでいたのでした。映画も見てみたい。
4投稿日: 2024.01.09
powered by ブクログ多感な時期の学生の繊細な気持ちが、リアルに描かれている。 恋愛、友人関係、将来。 高校生にしか感じられないもどかしさが詰まっている。 なんとも言えない気持ちを描くのが本当にうまいなと思いました。
11投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログ学校には人がいて、色々なものさしで測れて、争いがあって、平和がある。 キラキラとしている中にも殺伐とした感情がある。 学生にとって学校は全てで、世界だと大人になって思う
1投稿日: 2024.01.04
powered by ブクログ校長先生が言う、真っ白なキャンパス。大人が今になって振り返る高校生は本当にそうであるのだけど、本人たちはそうだった、そうだったと思い出すようだった。 こういうイライラモヤモヤが苦手だった学生だったから大人になって本当に生きやすくなった。 それでも、高校生の時にしか感じられなかった、ひかり輝くものはあったと思う。 あの瑞々しさが、若さってことなのかな。 正欲を読んでデビュー作が以前話題になっていたこちらだということで読んだ。また朝井リョウさんの作品を読みたい。
5投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
10数年前の高校生活が目の前に思い出せるくらい、登場人物やその心情の描写が精緻で感動した。 桐島出てこんのかい、って最後突っ込んでしまった 他の感想にもあるように、 読んでいると絶対に自分が17歳だったころを思い出させられる。
1投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログ高校生活にあるカースト制。制度上の立場が「上」の生徒、「下」の生徒が高校生活で感じる心情をリアルに表現しているところが非常に面白かった。 高校生活を思い出したい時に読みたい一冊。
0投稿日: 2023.12.31
