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総合評価

149件)
4.2
56
52
19
3
1
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    図書館の本を読む▼ https://kguopac.kanto-gakuin.ac.jp/webopac/BB00614172 人間の愛と赦しをテーマにした大ベストセラー(出版社HPより) 三浦綾子 みうら-あやこ(1922-1999) 昭和後期-平成時代の小説家。 大正11年4月25日生まれ。小学校教師となる。 第二次大戦後肺結核の闘病生活をおくり,キリスト教に入信。昭和34年三浦光世と結婚。39年人間の原罪をえがいた「氷点」が朝日新聞1000万円懸賞小説に入選,映画・テレビドラマ化されて,人気作家となった。 みうら-あやこ【三浦綾子】,日本人名大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=5011071302940 , (参照 2025-10-30)

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の10ページほどが「えぇ!?」の連続だった…。 序盤は夏枝の事がどんどん嫌いになってしまって。あまりに身勝手だし、どうして息子の友達に色目を使うのかも分からないし。 けれど高木の告白で、夏枝も振り回され過ぎてて、でも皆が悪いのよ。陽子以外の大人が。 なんとも言えない気持ちになりました。 そこで終わるの!?という驚き。 続編があるようなので、読んでみようかな。 でもスッキリ出来るのかな…。

    0
    投稿日: 2025.11.08
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    うわー、ここで終わるのか。 もう分かりきったストーリーながら、この劇的な紆余曲折に本当に読まされてしまったなぁという感想。 陽子の健気さに泣けてくるが、恋愛に関しては、もっと積極的に誤解を解きなさいよ、としか思えない。 しかし、夏枝、そして啓造…! 反省しろー。 これがオチか。どうりで後半は高木が出てこないわけですね。 もっとみんな、コミュニケーションをちゃんと取りなさいよ。 啓造は教会通いを再開しなさい。 上巻にあった、むかし幼女に性的暴行をした件やら、陽子をやばい目つきで見ていることやら、気持ち悪すぎる。 ふだん、人格者ぽく描かれているのに、なんと人間って多面的なんだ。 そもそものキッカケも、全部啓造ではないのか。 夏枝はシンデレラばりの、子供じみた、いじわる養母。 頭の中のレベルも低くてイライラしてしまう。 正直言って、辰子はなぜ夏枝と友達なんだ? 最後まで読んでも、陽子の恋愛の行方は謎。進路も気になる。 これは続編を読むしかないわ。

    2
    投稿日: 2025.11.06
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    塩狩峠を読んだ際は「こんなにも他人に対して自己犠牲ができる人はいるのだろうか?このような善人は本当に存在するのか?」と感じたが、この本では「こんなにも人は自分勝手、自分本位になれるものか」と絶望し続けた。読んでいて本当につらかった。 ここまで人間の汚さや醜さが書き上げられているのは凄かった。

    11
    投稿日: 2025.10.26
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    下巻でも嫉妬の嵐が続き、夏枝は相手をいかに傷つけるかばかりを考えている。 客観的に見るとその思考には苛立ちを覚えるが、加害者の子どもという逃れられない事実を背負っていると思うと、まったく共感できないわけでもない。 陽子は生まれながらの潔癖な心を持ち、それが美徳であると同時に、氷点に達するほどの弱さでもある。 『続氷点』も非常に気になるが、皆がまた苦しみを抱えながら生きていくのかと思うと、私まで胸が痛む。 だから、続きは読まずここまでにしようと思う。

    17
    投稿日: 2025.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    会社の取引先の方に「氷点はぜひ人生で一度は読んだほうがよいよ」と言われた。 それから1年経った頃、ふと読書熱が高まり手に取った。 まあ何という本だろう。人間の心の機微を、こんなにも生々しく描写できるのかと驚いた。 辻口の夏枝に対する憎しみ、女として全てを手に入れてきた夏枝のいつまでも拭えない女としてのプライド、徹の陽子に対する恋慕、陽子の北原に対する恋心と葛藤。 読み進めながら、いつかは陽子も出生の秘密を知るのだろうとは思っていた。ただ、どこまでも気高く、純粋で、優しいそれまでの陽子の性格から、まさかこんな結末になるとは思っていなかった。 それほどまでに罪の意識を抱えてしまったのかとただただ驚いた。 良くも悪くも各々の登場人物の人間らしさが全開に出ていたと思う。そしてそれらが重なり合い、結果陽子を苦しめてしまった。何の罪もない彼女が、全ての罪を一身に背負い、自殺を決意し、綴った最後の手紙は、涙なしでは読めなかった。続・氷点でどういう物語が展開されるかわからないが、陽子の人生にただただ幸せがあってほしいと願うばかりである。 上手い感想が書けないが、この本はぜひ全ての人に手に取って一度は読んでもらいたいと思った。 読了日:2025年10月18日

    2
    投稿日: 2025.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とにかく夏枝が可哀想だとしか思えなかった。少し浮ついた気分を楽しんでいたけど彼女に不倫をする勇気はないですよね。 それよりロリコン夫の論理と性欲キモすぎです。 遺書にもあった通り娘を殺した男の娘を育てられるのは並大抵のことじゃないと思う。たまに男にちやほやされることでの憂さ晴らし位可愛いものだと思います。 辰子さんのわかってる風な寄り添い方も嫌でした。

    2
    投稿日: 2025.10.16
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    登場人物たちの嫉妬の行き交いが凄まじい。場面設定は思い切りが良すぎるが、この状況だからこその感情の描き方が秀逸すぎる。ストーリーは重いので読後感は良くないけど読み応えはかなりあって面白い。傑作。

    10
    投稿日: 2025.10.05
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    上下巻読み終えての感想。 最初は逆のことを思いながら、それを隠して人と接することに共感しつつ、読み進めていくうちに怖くなった。真実を伝えることが正義のような、隠し通すことも愛であるような、愛するから憎むのか、感情の裏と表が透けていてどちらが表なのか分からない、もどかしい気持ちで一気読み。

    1
    投稿日: 2025.10.01
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    読んでいたら、死んだ父が好きだった本だと母が教えてくれました。 ストーリー展開に引き込まれましたが、本のメッセージというか、原罪というテーマに対しては私はあまり感じる事がなかった。期待値が高すぎたのかな? 小説としては純粋に楽しめました。

    2
    投稿日: 2025.09.21
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    数十年ぶりの再読。以前読んだ時は「原罪がテーマ」の意味がよく分からないまま、ストーリーに惹かれて一気読みしたが、今回は「原罪」を考えながら読んだ。 舞台が戦後の昭和で、人々の感覚や暮らしぶり、言葉があまりにも現代とかけ離れていて、そういった表面的なところでは正直鼻白らむ所もあった。夏枝の幼稚さや意地悪さ、身勝手さ、見た目と中身の乖離にうんざりするし、啓造の細かな心の動きには共感する部分が多いものの、陽子を性的対象として見る描写にもちょっとうんざりした。そんな中で、辰子と高木のサッパリさに救われる。 一方で、時代を経ても本書のテーマである「原罪」を突きつけてくる迫力は色褪せないことに驚かされた。学生時代にキリスト教を信じる人から「人間は生まれながらにして罪深い」と聞かされ、全く意味が分からず自分と相入れないと感じたことがあったが、こういうことだったのかと今更ながら感じさせられた。 夏枝を除く登場人物の誰もが、自分に中にある罪に苦しむ。何も落ち度のない陽子すら、もっともそれに苦しみ、ついには命を絶つところまで自らを追い詰めてしまう。  私自身は「自分の中にも罪はあるのか」などと突き詰めて考えようとは思わないし、かなり現実的なところで生きる質だが、自分の中にある罪を見つめ、よりよく生きていこうとする姿には「そういうのもあるかもしれない」と思った。  続編も楽しみ。

    1
    投稿日: 2025.08.29
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    原罪とは何か、がテーマとなって1965年刊行当時にベストセラーになったらしい(1964年の朝日新聞連載らしい)けど、激重テーマすぎてこんなの皆読んでたの…と驚く。友達の勧めで読んだけど、自分では選ばないわ…。笑 とにかく皆が皆利己的というか、自分のことばっかりで、でもまぁ人間というのはそんなものなのでしょう。陽子ちゃん健気すぎて可哀想。自分の中の罪の可能性、と向き合って乗り越えてこそ生きていく本当の意味を見つけられる、という言葉のメッセージ。ラストは希望で終わってるけど、続氷点なるものがあるらしい。陽子ちゃんは一旦は乗り越えられなかったものとどうやって向き合うのか、どうやって話を繋げるのだろう…。

    1
    投稿日: 2025.08.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「夏枝ーー!そこまでするか!?」と、終始イライラしました。 自己愛と他責思考が強すぎます。 北原にまで色目を使って、陽子に嫉妬して仲を裂こうとするとか、呆れます。 啓造は、自分の罪深さと自己中心さを自覚した描写があり、少しこちらの気持ちがスッキリしました。 一方「自分の中の罪の可能性」を見出した陽子は、自殺を図ってしまいます。 そこからラストまで、怒涛の展開が続いて、ページをめくる手が止まりませんでした。 「原罪」がテーマだという本作。 自分の罪とは?考えさせられます。

    0
    投稿日: 2025.08.23
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    中学1年に読んで以来、30半ばになった今読んでみると陽子がかわいそうと思う気持ちと、分かりたくはないけども夏枝や哲三の気持ちもざわめきながらも感じるものがあった。誰が善で悪なのか決める事はできない、生きるとはその繰り返しなのかと思った。

    1
    投稿日: 2025.08.21
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    物語の戦争末期〜戦後という時代背景。執筆時が昭和39年頃ということを考えてもこの時代によくこのドラマ(小説とはあえていわず)が生まれたなあと思います。 娘を殺した犯人の娘「陽子」を引き取り育てていくセレブな辻口家の物語。主人啓造、妻夏枝、長男徹に囲まれて真っ当に育つ陽子。大人のさまざまなエゴ、思春期の少年少女の純真な生き様が読む側の心を揺さぶり続けました。出生の秘密を知り命を断とうとする陽子の遺書に息がつまり、出生の真実があかされるどんでん返しに少し安らげました。この本凄いと思います。

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    いやぁ…。 終盤の展開が凄まじかったです。 夏枝…この女…!!!!!!!!!!! 読み終わった今、感情がぐちゃぐちゃです。 夏枝っっっ!!!!

    1
    投稿日: 2025.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    遺書のところ、読み手としては精神的にエネルギーとても使った、感想がうまく言葉にできない...。 最後のオチで、それまでずっと「事実」だと思っていたことが事実ではなくて、「認識」だけでこんなことにまでなってしまうのかという恐ろしさを感じた。 恋って憎しみも生まれるから怖いわね... 陽子ちゃん、頑張ったね...。 不倫はダメだねやはり

    1
    投稿日: 2025.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    えええー!ここで終わるのかー!!! 読む手が止まらず、残りページがどんどん少なくなっていくのに、物語は終わらない!嫌な予感がどんどん募り、結局ここで終わるのかー!! という感じでした。 でも、続編があるとか???? 今すぐポチります。

    1
    投稿日: 2025.07.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あらすじには「人間存在の根源を問う不朽の名作」と銘打ってはいるが、本作はそんなたいそうな作品ではない。 どういう作品かというと「村井と不倫した夏枝のせいで佐石に殺されたルリ子への哀心と夏江への憎しみによって佐石の娘である陽子をもらい子として夏枝に育てさせた辻口、そしてそのことに気づいてからは辻口への憎しみと陽子への憎悪をもって接するようになった夏枝による幼稚な家庭内不和をただただ描いた作品」である。 宣教師だの「汝の敵を愛せ」だの宣っているが結局はルリ子の仇の娘であるから愛せなくて当然だ、この仕打ちはルリ子への弔いだなどとほざいて陽子いじめをするだけだ。 辻口と夏枝があまりにも幼稚で唾棄すべき存在なのにこの2人がほぼ主役であるがためにずっと描写されるのにも耐えられない。 辻口の実の息子である徹や当の陽子、辻口の友人である高木や辰子は立派な人格者であり、本作品の唯一の良心といえよう。 ともかく、こんな作品をかも崇高な作品ですみたいにとりなしている様が痛々しい。駄文である。

    2
    投稿日: 2025.07.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本の主題は「汝の敵を愛せ」るか?許せるか? 結局陽子はルリ子殺しの犯人の子ではなかったが、最後まで 夏江は敵を愛せなかった。 一番人間らしいのかもしれない。 神様 でなければ敵は愛せないよと思う。 敬三 も 不貞をはたらいたと思われる夏枝を許せなかった。 徹は陽子の父のこと知っても陽子を愛したが、兄弟という立場と親の夏枝の立場とは違いすぎるからだからだろう。 陽子が自殺をした後、他の人がどんなことがあっても陽子は自殺したんじゃないか言っていたが同感。 強い人って何かあったらポキッと折れてしまうから。柳のようにしなやかに生きたいもんだ。

    5
    投稿日: 2025.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    下巻は、夏枝の年齢を重ねても変わらない、精神的な幼さと、傲慢さによる言動に辟易してしまった。 陽子や徹、北原の若さ故の思い込みや一途な感情は、なんとなく理解できるのだが、啓造や夏枝、そして村井ら大人達が自分の欲望や嫉妬に突き動かされ、起こしてしまう行動や発してしまう言葉に、衝撃を受けた。 この罪の感情がこの作品のテーマ「原罪」という事なのだそうだ。 自己愛に支配された大人達のなかで、辰子さんが唯一の救い。 そしてラストは衝撃の真実が待っていた。

    3
    投稿日: 2025.06.13
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    下巻は展開が凄まじく、ラストは涙腺が緩む。 「原罪」というテーマを深く考えずにはいられない。 誰しも知らず知らずのうちに罪への傾向性を持っているのかも、と考えると人間は弱い者同士。 気になる終わり方なので続編も読んでみたい。 余談ですが、1963年朝日新聞の一千万円懸賞小説募集だったこと、当時としては破格の金額。 長寿番組「笑点」は『氷点」を捩って(もじって)付けられた名前で、旭川の近くで笑点の収録があった時、綾子さんに出演の依頼があったが辞退した。というエピソードを初代秘書さんが語られていてほっこりしました。

    30
    投稿日: 2025.05.24
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    自己愛と罪悪感と償い ひどく冷たく愚かな人間は人を愛せるのか 罪への自覚から愛を芽生えさせることはできるのか 私はいつか必ず死ぬ、という当たり前のことに 久しぶりに思い当たった 小さな頃から、おばあちゃんになったら 木造の平屋で猫を1匹膝にのせて 本に囲まれて死にたいと思ってた さて、そんな呑気なことを言ってる場合なのか? 今日から生活を変えねば、と思うほどに 氷点は私の心に深く根づいた ————————————————— p219 赤い花 正木が自殺しても、彼がいうところの、個人の存在価値はこの世において無に等しいと感じさせることの解決にはならない。社会が複雑になればなるほど、個人の人格も価値も無視される。その人間でなければならない分野はせばめられて行くだけなのだ。 (死は解決ではなく、問題提起といえるかも知れない。特に自殺はそういうことになる) ※中略※ (命をかけて問題提起をしたところで、周囲の人々も、社会もそれに答えることは少ないのだ)

    1
    投稿日: 2025.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夏枝さんに終始イラッとしつつも、自分の中にも見たくない夏枝さんがいる。 啓造の本音と建前だって、同じような状況になったら案外自然なことなんじゃないかな。 高木さんが啓造を買っていても、全信頼では対しないところ(悪意は全くないが保険をかける的な…)もビジネスの場では頻繁にあることと感じた。 陽子の氷点も、その年頃なら当然の帰結じゃないかと。 金持ちと貧乏、(現世でいう)罪人とその他の人、親と子、対立項は探せばいくらでも見つけられるけど、神(生死)の前には人は皆等しいと思いたい。 そして「自分は条件付きで他者によくしていることを忘れない。そして相手も自分もそれは相手の立場を思えば無理ないことかもしれない、だから話し合おう」の方向に持っていける人間になりたいと強く思わせてもらった。

    0
    投稿日: 2025.04.26
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    夏枝が自分と全く別の生物、未知なる生物(思考回路)すぎて「な、なつえ〜!!」ってなりながら読んだ。 一方で啓造の思考回路とか心情に共感できすぎて私は辻口啓造なのでは?ってなった。 (とか思って読んでたら序盤に啓造が17、8の時に幼女を膝の上に乗せたとかいう回想シーンきてキモ!!ってなった最悪) 啓造は基本は真面目で優しいし善良な人間なのだろうと思う。善く生きたいと願って生きている。 ドロドロした汚い感情を心の内に溜め込んでいるのに表には出せない。表面上崇高なことを言いつつ、嫉妬心や復讐心を抑えられない。 汝の敵を愛せよを実行したいとも思ってたんだろうなとも思う。高木に軽蔑されないような素晴らしい人間でいたいのに全然立派な人間じゃないところが人間らしくてよかった(好きではないが) 徹ぼっちゃん、途中うざいなって思ってたけど読み終わったら、結局徹ぼっちゃんが1番陽子のこと考えてくれてたなってちょっと株上がった。 というか村井が1番下衆では。 原罪って何なんだろうな。 殺人という分かりやすい罪を犯してなくとも、我ら人間は全て生まれながらにして罪を背負って生きているっていう考え、分かるようで分からない。 自分の中のその罪を思って苦しんだ陽子が潔癖で美くも感じるし、無意味で馬鹿なことのようにも思う。 キリスト教信者ではないから分からないって簡単に思う部分もあるし、でも何ともなく生きてるだけで罪、悪!っていう感覚も自分の中に確かにある気がする。 関係ないけど私の推しはクリスチャンなので、神を信じるってどういうことなんだろう?っていつも思う。クリスチャンである人を好きになるって自分の人生において初めてすぎて、お祈りしてる姿とか見ると不思議な気持ちになる。

    0
    投稿日: 2025.04.23
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    許すとはなんだろう。愛とはなんだろう。様々な問いが残った。誰が善で、誰が悪なのか、何が善で、何が悪なのかわからない。 文通でのやり取りといった昭和を感じる描写が描かれているけれど、読んでいると行動より感情に意識が向くので違和感なく読めた。人の感情や心の動き方は、昭和であれ令和であれ、変わらないのだろう。 あの時あぁしていれば…が積み重なって、取り返しがつかないことになる前に、信頼・嫉妬・思い込みに惑わられないように、真実は自分の目で確かめたい。

    22
    投稿日: 2025.04.01
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    キリスト教に基づいた"許し"がメインのテーマに降りてきた。 どこまで自分を、他人を許せるのか。或いは赦すべきなのか。

    1
    投稿日: 2025.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    原罪という難しいテーマだった。あまりに辛い展開で、読んでいて苦しかった。 啓造も夏枝も自分勝手で意地悪い人間に思われるが、嫌悪感を感じながらも、最後まで嫌いになれなかった。第三者として綺麗事を言うのは簡単だ。でも、自分が啓造や夏枝の立場だったら、どうだったろうか。自分はこの2人を馬鹿にできるほど、立派な人間であるだろうか。 この夫婦に対比して描かれる辰子や北原だって、一見よくできた人間のように思われるが、誰かの立場からしたら悪になり得るかもしれない。 何の穢れもなく描かれていたはずの陽子ですら、最後は「ゆるし」を求めて自殺を図ったのだから。 人にはそれぞれ氷点がある。啓造も夏枝も陽子も、その氷点に達してしまった。 妻の裏切りを許せないという、何ら特殊でもない誰の心にも生じ得る憎しみが、この悲劇を生んだのだと思うと、人が人と関わり合い生きることの難しさを、改めて感じられた。

    3
    投稿日: 2025.03.25
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    宮部みゆきさんがYouTubeの対談で「いつ読むのかによって、心のどこに刺さるのかが違うと思う」と紹介していて興味を持ったので読んだ。 1965年に刊行されたということで、陽子の言葉遣いに違和感を覚えつつも、60年前の本とは思えないくらいにあっという間に読破してしまった。愛と嫉妬と葛藤などと、様々な感情描写が立て続けに描かれて、その表現力に魅了されたからかもしれない。父親の立場としては、キリスト教の考え方も重きが置かれていて、その教えに忠実に生きる難しさ、苦悩がよく描かれている。何かしらの共感できない部分を各々抱えているが、全然ダメなやつと切り捨てることができるほど自分は立派なのか?と思えてくる。 今回が初読みなので、「若い頃に読んだ時との感想の比較」ができないことが残念ではある。星を眺めながら「何も知らない」ことに気づく陽子と、退院前の入院患者の苦悩の台詞が今回は特に響いた。60年前とは思えない問いや苦悩が嫌というほどに伝わってきた。 30年後にもう一度読むか。 ====== 陽子は空をながめた。星が空いっぱいに輝いている。陽子はこんなに沢山星があったのかとおどろいた。いつも林のそばで星をみていたせいであった。陽子はそれに気づくと何となくさびしくなった。 (空の半分しか見ていなかったなんて・・・・・) たしかに自分は何事もまだ半分以下しか見ていない。いや、半分も見ていない、何も知らない子供なのだと陽子は思った。 「陽子さん」 ふいに切迫したような、北原の声がした。あたりにはだれもいない。陽子は一歩退いた。(p.182) 「何をいってるんだね。病気は完全治癒だし、職場にはもどれるし、これからじゃないのかね」 「いいえ、先生。病気の間は治すという目的がありました。しかし治ったら一体何をしたらいいんですか」 正木は絶望的なまなざしをした。 「何をって、仕事が待っているじゃないか」 「仕事って、先生何ですか。ぼくは六年もの間、そろばんをはじいたり、金を数えたりして働いてきました。しかしそんなことは機械にだってできる事じゃありませんか。ぼくはこのごろゆううつで仕方がないんです。こうして自分が二年間休んだって、銀行はちっとも困りませんでした。そればかりじゃなく、ぼくの休んでいる間に市内にだけでも支店が二つもふえて繁盛しているんですからね。ぼくが休もうが休むまいが同じなんですよ。つまりぼくの存在価値はゼロなんです。そんな自分が職場に帰って何の喜びがあるものですか」(p.213)

    1
    投稿日: 2025.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文体も昭和の感じがして、内容も昼ドラのような話なのに、不思議と楽しめた。家族内の愛と憎しみの表現が素晴らしかった。

    0
    投稿日: 2025.03.10
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     環境によって人は左右されるとも思えたし、環境が変わったところで、結局自分は自分でしかなくて、どんな環境に置かれようと同じような結末を迎えるのかもしれないとも思えた。

    2
    投稿日: 2025.01.26
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    辻口家の養女 陽子が高校2年生になるまでの物語。小4で貰い子だと知ってしまい、今まで以上に真っ直ぐ育っていこうと決意したり、初めて恋をしたり、犯罪者の子だと知ってしまったり。  陽子が真面目で健やかに育てば育つほど気に食わない母の夏枝。実の娘を殺した犯人の娘が幸せに生きている事への苛立ちや、若く美しい女性へと成長している陽子への女としての嫉妬を抱え生きている。  辛かったけど、面白かったです。 昭和21年頃に生まれた女の子達の高校卒業後の進路とか、当時の生活とか。『氷点』ってタイトルの付け方も秀逸。

    9
    投稿日: 2025.01.18
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    あぁあぁ…。 救いようのない結末。 残るのは「悲しみ」と「人間の醜さ」。 上下巻ともに、登場人物の想いが揺れ動いて、あっちに行ったりこっちに行ったり…。 憎しみの感情に支配されたかと思いきや、ダラダラと普通の日常を過ごしてみたり。 途中で、同じような内容(心の動き)が続くから中弛みするような感覚に陥るけど、でも人間の気持ちって行ったり来たりするから、それはそれでリアリティがある気もした。 夏枝の精神年齢の低さにはイライラしたが。 解説にあった、原罪がベースにあることを知って、納得。 どんな人間でも清らかな人はいないと感じさせてくれる生々しい本だった。 陽子ですら実際に罪を犯していなくても、罪を背負っているような気持ちになる感覚を指す「原罪意識」も持っているのだ。 ★よそ目には、幸せそうな夫婦に見えていたかも知れないが・・・・・・。とにかく心の底をぶちまけていま得たものは、他人よりも遠い二人であったということだった

    1
    投稿日: 2025.01.08
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    夏江の女性であるがゆえの嫉妬心がとても剥き出しになった回だった。誰しも罪を持って生きている。遠い親戚をたどれば犯罪を犯した人がいるという文章が印象的だった。赦しとは何かと考えさせられた。

    1
    投稿日: 2024.12.15
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    忘れられない作品になった。 自分を貶めようとする母の存在に対する、真っ直ぐ生きようとする意地。それは自分の存在に曇りがないことを確証してこそのものだった。「陽子」が氷点を自覚した遺書が強烈だった。母を一切責めない陽子に、夏江は何を取っても勝てないのだと思った。

    2
    投稿日: 2024.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    妻が逢引きをしている間に3歳の愛娘を殺害された夫の啓造は、妻への復讐のために殺人犯の子供を養子として引き取り育てていく、、。啓造も夏枝も最低!!子供は自分の親を選ぶことが出来ないのに、娘の仇と言わんばかりに陽子を憎み、いじめ、真に愛すこともなく見放し、健やかに生きる邪魔をする。法を犯さなければ何をしても良いのか?自分が被害者家族だったら何の罪もない加害者家族に何をしても良いのか?散々いじめておいて被害者面するのもいい加減にしてほしい。啓造は成長した陽子に発情するし、夏枝は陽子の恋人に色目を使う。そんな2人を恨まずに育ててくれてありがとうと感謝する陽子を見習ってほしいくらい。最後は夏枝も謝ってたけど、陽子が犯人の娘でなかったと分かったから謝ってたのにモヤモヤする。たとえ犯人の娘だろうが娘じゃなかろうが両親が陽子に対して行っていた仕打ちは責められるべきだし謝らなきゃいけないことでしょ。巻き込まれた徹も北原も可哀想。どうか陽子が、徹が、北原が、穏やかに過ごせますように。

    1
    投稿日: 2024.11.22
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    辻口家に巻き込まれて、なんの罪もない陽子が苦しまなければいけないのは、読んでいて本当につらかった。 面白いという言葉だと軽すぎる気がしてしっくりはこないけど、人間の汚い部分が生々しく描かれていてすごく面白かった。

    3
    投稿日: 2024.11.09
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    なんとも言えない読後感 陽子はひたすらに純粋であり、周りの人物は自分本位の考え方で構築されていてある意味では純粋さがある こんなに、ヤキモキ・イライラしているのに読み進めてしまうのは小説としての面白さ そこにある、「自分の中にもある自己中心的で、他人に嫉妬する」気持ちに思い当たるからだろうと思う 目が離せないのだ、彼らの行く末に その彼らの行く末に、自分の未来を重ねてしまうから [読了短歌] 晒される 私の中の 醜さが せめてあなたの 心とければ

    11
    投稿日: 2024.10.28
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    下巻。 夏枝の陽子への陰湿な嫌がらせはエスカレートしていき、兄の徹は陽子を愛する思いを自制するために友人の北原を陽子に紹介する。やがて北原と陽子はお互い惹かれあうが、嫉妬に狂った夏枝がついに北原と陽子の前で、出生の秘密を明かしてしまう… 高木…お前ってやつは…!!!!(読了後の第一声) 下巻では夏枝がいよいよ醜怪な人物に思えて嫌悪感がすごかった。特に北原に色目を使って陽子から奪い取ろうとしたところにドン引きした。夏枝が陽子に冷たく当たるようになったのと反対に、父の啓造は陽子に優しくなってきた…と思ったら陽子の脚を見て欲情しててもうダメだこいつら……。辰子さんだけは最後まで気持ちのいい人物だったなぁ。 自分の罪を知り、死を選んだ陽子。続編があるってことは陽子は一命をとりとめるんだろうけど、陽子にとってそれは幸せなことなんだろうか…と思った。 とりあえず続編も読みたいと思います。

    9
    投稿日: 2024.09.23
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    氷点、というキーワードにハッとさせられた。 女であるからこそなのか、夏枝さんの気持ちがわかってしまうのが悔しかった。 男と女の感情がそれぞれ本当に綺麗に描かれていて、それぞれの人間らしさにリアリティがあって気持ち悪かった。いい意味で

    4
    投稿日: 2024.09.19
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    数年前に読書会で勧められ、ようやく読了。もう少し早く読みたかった。 取り敢えず夏枝さんは語る価値なしって位に嫌い。もはや舞台装置としての継母的な価値しかない。 陽子の評価が1番難しい。清廉潔白で一点の罪もないこと。強い人だと感じたけど、本当はとても弱い人で何かに縋り付いていた人だったんだろうな。 自分を振り返ると、邪悪でも清廉でない一般人だと思うけど、やはり打たれ弱いので陽子のような性質を持っているんだと思う。 一つの強さや拠り所じゃない、大雑把さや多面性みたいなものが必要なのかな?

    1
    投稿日: 2024.09.15
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    氷点ってそういう意味かぁと思った。 一番の被害者は陽子。諸悪の根源は夏枝かな。 陽子が死んだ方がより考えさせられたかも。

    3
    投稿日: 2024.08.24
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    母の夏枝が陽子を陰湿にイジメる事が非常に恐ろしく、自分だったら誰も頼る人が居ないと生きる気力を無くすだろう。 卒業式の答辞すり替えを、陽子は驚くほど立派に臨機応変した。夏枝に対しざまあみろと思った。 夏枝の人間性が腐ってると感じる巻だった。

    2
    投稿日: 2024.08.20
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    ベストセラーばかり読んでるのですが、小説はたいてい面白く、実用本はたいていためになるので、昔のベストセラーも読んでみたら面白いかもと時々読んでいます。 今回は60年前の小説。 どんな内容か知らず、(山の本が好きなので、氷点てことはひょっとして冬季登山なんかだったらラッキーと思ったが、全く違った笑)読んだら、昼ドラみたいだった。 悪い意味ではなく、人物の描写は秀逸で人間の複雑さ、いやらしさが存分に書かれていた。 当たり前だけど良いだけの人間なんていないし、一面で見えるだけの人間もいないし。 「清く正しく」が過剰なんじゃないかと感じる昨今、(特にネットで)正義をふりかざす人に読んでもらいたいと思った。

    2
    投稿日: 2024.07.31
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    550 みうらあやこ 1922年北海道旭川市生まれ。64年朝日新聞社の懸賞小説に『氷点』が入選。国民的ベストセラーに。人間の愛、祈り、原罪をテーマに書き続ける。99年77歳で逝去。 氷点(下) (角川文庫) by 三浦 綾子  啓造は、そう答えてから、いかにも村井の結婚を望む態度をとったことを悔いた。 「結婚なんて……」  そういって村井はニヤニヤした。 「いやな笑い方をするぜ。結婚なんて、どうせ、したところで、大ていの人間は後悔するさ。しかし、だから結婚しない方がいいということでもないんだ。人間というものは、どうせ何をしたところで、年中後悔したり、 愚痴 をいったりしているもんだ」 「世間一般からいうと、そういうことになるな。しかしだな、村井。おれが一人でいるのと、お前が一人でいるのと、一体どっちが目ざわりだと思う?」  啓造は思わず笑った。村井は、 「人ぎきの悪いことをいわないでくださいよ。何だか、ぼくが悪いことでもしているみたいじゃないですか」 若い陽子には、神という言葉が漠然としていた。神について考えたことはなかった。神を信じなければならないほど弱くはないと、陽子は思っていた。しかし、北原の手紙を読むと、「大いなるものの意志」という言葉に共感した。他人の書いたものならば、読みすごしたかも知れない言葉だった。 (わたしがこの家にもらわれてきたのも、大いなるものの意志であろうか)  陽子はだれが自分をこの家に連れてきたのかを知りたかった。 (生まれたばかりのわたしを、この家によこしたのはだれだろうか)  父、母のいずれだろうと陽子は思った。そして赤児の自分をみて、この家に連れてきたのは啓造か夏枝かを知りたかった。 徹が帰らないままに、クリスマスが近づいた。庭のナナカマドの真紅な実に、白い雪がつもると、教会のベルのような形になるのが陽子には楽しかった。陽子は 淋しさに 馴れて次第に独りいることの楽しさを知った。陽子は独りで、ギリシャ語の勉強をはじめたり、もともと好きな数学に没頭して、ユークリッドの幾何学を啓造の本棚から見つけだしたりするようになった。  しかし、ナナカマドの 紅い実の雪をかぶった姿をみあげながら、陽子はいつのまにか、 「でも自殺する人って、とにかくわがままですわ」 私の心は凍えてしまいました。陽子の氷点は、「お前は罪人の子だ」というところにあったのです。私はもう、人の前に顔を上げることができません。どんな小さな子供の前にも。この罪ある自分であるという事実に耐えて生きて行く時にこそ、ほんとうの生き方がわかるのだという気も致します。  私には、それができませんでした。残念に思いますけれども、私はもう生きる力がなくなりました。凍えてしまったのです。  おとうさん、おかあさん、どうかルリ子姉さんを殺した父をおゆるし下さい。  今、こう書いた瞬間、「ゆるし」という言葉にハッとするような思いでした。私は今まで、こんなに人にゆるしてほしいと思ったことはありませんでした。

    2
    投稿日: 2024.07.16
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    家族のボタンのかけ違いでバラバラになっていく。結末を知ってやっぱりとも思ったし、悲しすぎる。みんなが不幸になる方向に進んでしまった。

    2
    投稿日: 2024.07.09
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    三浦綾子作品、こんなに面白いなんて知らなかった。 愛憎ドロドロ劇だと知っていたらもっとはやく読んだのに。笑 昼ドラもびっくり、てんこもりの愛憎ドロドロ劇。 陽子ちゃんが健気で不憫で可愛くて、陽子ちゃんの幸せだけを願って読みました。 続き気になるけど、これはこれできれいなラストだなあ…

    3
    投稿日: 2024.05.09
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    北海道だなぁ。キリスト教であったり偉人の言葉であったり…古来から考えられてきた人間の悩みであることに触れながら細やかに描かれている。 ただ、続氷点を読むかは悩む。

    2
    投稿日: 2024.03.27
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    病院の院長さんだけど自分の人間としてのレベルの低さに葛藤するお父さん。 教授の娘で美貌が自慢で実は美貌だけの人なのに自分の人間としてのレベルの低さにすら気が付かない「純粋培養」のお母さん。 お父さんのお友達の高木さんやお母さんのお友達の辰子さんは光側の同じタイプ。 お父さんの病院の眼科医と失踪事務員は影側の同じタイプ。 陽子ちゃんや徹くん、北原くんは実はそれほど複雑には描かれていない「良い子」ちゃん。 陽子ちゃんは特にキリスト教的視点で見るべし。 お父さんとお母さんにそれ以外の人たちが関わってくるわけで、幼児が殺されたことも含めて彼らに起こった出来事におけるこの2人の心理を考察するだけでもかなりの人生勉強になりそうなお話でした。 キリスト教的視点が濃い作品なのかもしれないけれど、この分量でこれだけのお話を描いた作者さんの筆力に感服すると同時に旭川という街の凛とした魅力を感じた1冊でした。

    3
    投稿日: 2024.03.14
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    幼なくとも健気に気丈に生きてきた陽子が自分の存在を 悲しく思う切なさと従順さ。 夏枝の被害者意識に重なる自己愛の表現下手さ。 啓三の父親として挽回しようと改心がみれる行動。 透と北原の思春期をこえた愛。 各々が上手く調和できず、苦しい。 信頼できる安心の環境が早く整って欲しい。

    4
    投稿日: 2024.01.27
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    上を読んでどんな作品か理解してからは面白かった。 人間というのがどんなもんか書いてあるような、、 言葉って大事だな

    1
    投稿日: 2023.11.25
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    すごい、すごすぎる作品だった 自覚すらしなかったかもしれない心理のすべて 事件によって人間の内なる憎悪が具現化していく 罪の根源について問う哲学的な結末に驚愕した

    13
    投稿日: 2023.11.07
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    不朽の名作…なんだろうなぁ。 おっちゃん的には……言葉にしにくいね。 旦那もべっぴんな嫁さんも実の長男も、皆それぞれに欲やら煩悩の塊にしか見えない。 まぁ、設定がお医者のセンセの家の話だから、お金に不自由ないからこそ出来るお話ってやつかな。 そもそもルリ子が亡き者になってしまった後に、養女を抱えられる、しかも戦後まもなく位の時代にそんなことを考えつく時点で、エゴ全開ではないか?と思わざるを得ない。 しかし物語なんだから、野暮なツッコミはナンセンス…なんだけどね…。 ともあれ、ハラハラしながら読んでしまった以上、魅せられてしまった。結末も気になってしまった。 罪なき被害者“陽子”、この娘が幸せになるかどうかだけが気がかり。 続くらしいから、また見つけてみよう。

    6
    投稿日: 2023.11.07
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    展開する物語は、啓造、夏枝、徹、陽子と適宜視点を変えて綴られる。啓造が抱え込んだ重大な秘密、密かにそれを知ってしまった夏枝が互いに牽制し、やがてぶつかる様、仲良しの兄と妹という感情を踏み出したモノを陽子に感じる徹、両親や兄と実は血が繋がっていないということに少しずつ気付きながら成長する陽子と、各々の展開が周辺の人達も関わりながら交錯して物語は展開する。 上巻は事の起こり、陽子の登場とその成長を軸に、啓造や夏枝の複雑な想いが絡まる。「この一家?如何なって行く?」と気になる展開だ。 それを受けた下巻は、高校生になる陽子が明確に中心になる感だ。大学生となった徹の存在感も増し、その友人の北原も重要かもしれない。展開する物語の中、陽子は一家の中での重大な秘密にも直面して行くことになる。 多分「街の名士」というような、地域での社会的地位も在る、経済的にも豊かと見受けられる辻口啓造の一家は、何等の問題も無いように見えることであろう。しかしそういうように単純でもない。“妬心”、“憤怒”というようなモノに起源が在るらしい“攻撃性”の故に「重大な秘密」が生じ、それが家族を何らかの形で苦しめる。そしてそれが、事情を承知しているのでもなく、自力で如何こう出来るのでもない陽子に突き付けられて行く。そういう感じだ。 本作は表層的には、恵まれた家庭の夫人による浮気や不倫、継子をいじめてしまうような事柄、出生の秘密を知らずに育つヒロインの物語ということになるのかもしれない。が、もう少し深い層が在りそうだ。それは「秘めてしまっている悪意がもたらす何か」という人生模様というようなことを綴ろうとしているのかもしれない。「秘めてしまっている悪意」が、所謂「原罪」というような概念、「実は“罪”を追ってしまっているかもしれない人間」ということなのかもしれない。 作中では、辻口家の在る神楽や旭川の街の様子が美しく描写され、鮮やかに作中世界を思い浮かべることが出来る。作中の「辻口家」の近くという設定の“見本林”は旭川駅から然程遠くはないのだが、自身は偶々訪ねたことが無い。(余計なことだが、“見本林”に至る道に入り、途中で左折して日帰り入浴施設に行ったということは在った…)それでも作中の活き活きとした描写で様子が思い浮かべられる。「北国の林」という風情が非常に色濃く伝わる本作の描写は、辺りの様子に親しんだ作者ならではの描写であるとも思う。 加えて、全般的に「美しい林を望む典雅な邸宅で繰り広げられるドラマ」という様子で、何処となく「モスクワ辺りで観られる舞台演劇が醸し出すような作中世界」をも思い浮かべてしまった。初登場が1964(昭和39)年と半世紀以上も以前、「もう直ぐ“還暦”」という程度の旧さではある本作だが、作品は全く色褪せてはいないと思う。「今更…」ということでもなく、未読の方におかれては是非手にしてみて頂きたい。自身、頭の隅で「今更、物凄く以前のベストセラーを?」という引っ掛かりも禁じ得なかったが、手にして読んで、そういう引っ掛かりは雲散霧消した。御薦めだ。

    2
    投稿日: 2023.11.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ……なんて昼ドラだ!( ߹꒳​߹ ) 夏枝の美しさ故の高慢ちきぶりや性悪さには呆れるけど、まあ「娘を殺した子どもを育ててやってるんだから私はまだ偉い方」と自分を慰める気持ちは分からんでもない。 妻への復讐を果たしてのうのうと陽子を愛する(色んな意味で)啓造もなあ……。まあそもそも子どもの人生を復讐に使うなんて、人の一生をなんだと思ってんだって感じだけど。面白かったけど酷い話だった。啓造が陽子に手出したりしたらどうしようとヒヤヒヤしてたからそういうことにはならず良かったけど。啓造も夏枝もいつもなんとなく未遂で終わるね。 そして続きあんのか〜いと思った。もう、結構ぐったり来てるけど。忘れないうちに読まねばならぬ。

    1
    投稿日: 2023.10.27
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    全体的にじとっとした陰湿な雰囲気で、ドロドロした韓国ドラマを見ているよう。 夏枝にイライラしながら読んだ。 辰子だけが唯一まともな考えを持っている気がする。 続氷点もぜひ読みたいな。

    10
    投稿日: 2023.10.26
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    先月たまたま三浦綾子記念館近くに行った。今月も旭川に行く用事があるのでそれまでに氷点を読んでみようと思いたち読み始めた。内容的には昔の昼メロ的な雰囲気でスラスラと読め面白かった。現代であればここまで話もこじれない事が皆が内に秘め過ぎて皆で不幸になって行く。これも時代なのかな?敬造、夏枝夫婦のサイコパスぶりがなんともな小説でした、

    5
    投稿日: 2023.10.10
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    上巻を読んでいた時には父の啓造の夏枝に対する嫉妬心が強く、 陽子に対しては無関心で、母の夏枝は夫に対する猜疑心が強く残っていました。 けれど下巻を読み進めていくうちにこれが徐々に変わっていき、 父は少しずつ陽子に対して心を動かされるようになって 実の娘とはいかなくても海難事故に遭遇した経験から心を 改める様子が伺えたのが少し救いでした。 その反対に母は陽子の本当のことを知ってしまったことと、 北原と陽子の付き合い方を知るごと執拗な嫉妬心が 強まっていく様子が怖かったです。 そこまでして息子の友達を自分に振り向かせたいという気持ちが どうして湧き上がってくるのかと思ってしまいます。 ということは上巻の冒頭であったような出来事はやはり 夏枝は嫌いではなかったのだなと確信してしまいました。 薄々自分の出生を知っていた陽子ですが、 それにもめげずに健気で自分がこの世でかけがえのない存在になりたい と思いながら生きていき、そして最後には全ての事実を知ることとなってしまい いくら強い心を持っていた陽子であっても流石に心を打ちのめされてしまうなと 思うと無念でなりませんでした。 何も悪いことをしていないのに、何でこんなことをされなければいけないの だろうと思うばかりでした。 最後には「氷点」というタイトルになってことも分かり納得でした。 解説ではこの作品は「原罪」がテーマとなっていると書かれていました。 啓造の「汝の敵から罪を愛せよ」という言葉を受け入れながら、 それが誤った方向の夏枝への復讐心となり、 これが発端となってから母の夏枝、啓造の友達高木などと だいの大人が自己中心的な考えで行動していくことになって 純真無垢な陽子を苦しめてしまったという構図がよく分かりました。 ただこんな中でも兄の徹とその友達の北原、 そして叔母さんの辰子は陽子の生きる心の支えとなっていたので、 「続・氷点」では「ゆるす」がテーマとなっているので、引き続き読みたいと思います。 昭和という時代の今とは違った価値観の時代に描かれた 小説ですが、古さを感じることなく今の時代に読んでも 色褪せることに無い作品だと思いました。 むしろ今は物欲な時代となっているので、 この作品を読んで誰もが持っている嫉妬心、欲望、傲慢などを心の底から感じられる作品だと思いました。 ベストセラーというだけあって心を震わせる圧巻の読み応えでした。

    0
    投稿日: 2023.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    陽子を介して男女の性差が浮き彫りになってきて非常に良い。 啓蔵が今まで養子である陽子に対して、 「殺人犯の子であり我が子でない」消極的な思いを抱いていたにも関わらず、女になりつつある陽子に恋心や下心を抱き始める。 逆に幼少期の陽子を我が子のように手塩にかけて育て、溺愛していた夏江は、陽子の美貌・若さ・啓蔵を取られた愛が憎しみに変わりそれが行動に現れるところなど。

    0
    投稿日: 2023.09.17
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    息が詰まるような展開に、辰子さんの存在がほっとさせてくれる。 登場人物それぞれに、あぁ、なんとなくわかるなというところと嫌悪を感じるところがあるが、その中でも輝く陽子。彼女の感じる寂しさが切ない。 そこで「氷点」か!と思いました。 Audibleで聴了。

    0
    投稿日: 2023.07.13
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    昔、TVドラマで内藤洋子が陽子役で出演しており夢中になってみていた。とても感動し、今でも記憶にはっきりのこっている。 2回目となるが改めて改訂版を購入し読んでみた。 青臭いかもかもしれないが、陽子の真っ直ぐで、芯の強い生き方に感動もし教えられた気がした。 この本のテーマは原罪ということだそうだが、私にはよく分からなかった。

    4
    投稿日: 2023.06.27
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    上に続いて読み始めるのに気力が必要だけど、読み始めると止まらなくなる不思議ない本。途中途中、夏枝が歪んでるな、気持ち悪いなって思ってしまった。あんなに心が強いと思っていた陽子が”殺人犯の娘”というところでポキッと折れてしまうことに上でも感じた血のつながりを重さがしんどかった。続編もあるが読み始めるのに時間がかかりそう。

    1
    投稿日: 2023.06.21
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    美貌の医師の妻夏枝が他の男性に気を取られている合間に幼い娘ルリ子が殺されてしまう。 医師啓三は妻を憎むあまり娘を殺した殺人犯の娘と知りながら陽子を引取り育てる決意をする。 数名の登場人物像それぞれの主観で進んでいくストーリーは新鮮だった。 全体を通して暗い雰囲気の話で中盤読む手が止まりそうになったが後半の展開が面白く最後は一気読みしてしまった。 その後のストーリー、続氷点も読みたい。

    0
    投稿日: 2023.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻から、長い本だったが一気にスラスラと読めてしまった。 メイン登場人物の誰にも共感できず、こと村井やら夏枝にはイライラさせられっぱなしで陽子を応援する気持ちで読んでいたが、解説で本書のテーマが「原罪」であると知り、唸ってしまった。 陽子の父の罪(実際は異なる父だったが)のせいで陽子が自殺にまで追い込まれてしまうその機微が私には初見では分からなかったのだが、アダムとイヴを引用した「原罪」をイメージすると、自分の中にすっと入って納得ができた。 私はキリスト教含め宗教について詳しくはないが、人々はみな生まれながらにして罪を背負っており、死が与えられ、労働しなければならない(仏教的に言えば)現世で修行を積んでいると解釈しており、陽子はこの生まれながらにしての罪に対して無自覚でありそれ故に何事に対しても動じなかったが、自覚した途端それを受け入れることができなかったのかなと…。ここから先、陽子が目覚めたらこの修行が始まるのかなと続編も楽しみである。 登場人物の誰にも共感できないが、どこか憎めない部分もあり、人間の泥臭さがリアルだなと感じた。 最近は仏教の思想を学ぶ本を読む機会が多かったがキリスト教も読んでみたい。

    1
    投稿日: 2023.05.31
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    色欲、強欲、嫉妬、悲哀…または喜怒哀楽でしょうか。人間の持てる魅力と汚ない所全てがここにあると思います。 時間を忘れるぐらいにこの本に惹かれました。何も言うことなしのこの評価です。 みんな悪くないけど、みんな悪い。いい人なんてどこにもいなかったし、少なからずとも陽子の人生を少しずつみんなが狂わしたのかなって思う。

    1
    投稿日: 2023.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    後藤さんに勧められて読んだ。 冒頭と終わりは秀逸に感じたが、中盤は同じ展開を何度も繰り返し(啓造と夏枝のすれ違い)冗長のように感じた(デビュー作あるあるではあるけども) 原罪といったキリスト教的要素については既に先行論で述べられてるだろうから割愛。 北海道の描写は好きだった。情景として大きな役割を果たしていたように思う。 遺伝についてもメモしておきたい。戦後は精神異常が遺伝するというのが恐らく一般的であり、医師はそれを肯定する立場でだろう。当時の常識も踏まえると作者の与えようとした作品のインパクトが大きくなるかもしれない。

    1
    投稿日: 2023.05.15
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    原罪がテーマだとか、よくわからんかった… 原罪にあたるはずの焦点は、その周囲を取り巻くいろいろなことでぼやけていた気がする。 陽子の決断はどうしても、周囲の自己中心的で、それぞれの事情の上に仕方なくも滑稽に生きる人たちのことによって引き起こされた感が強い。 やはり初作品だからか、塩狩峠を好きな分すこし物足りない。 ただ、締めは欲求不満なものの、そこに至るまでのいろいろな事件にはいらいらと感情を掻き立てられた。とっても上手な物語運びだったと思う。だからこそ、最後に求めてた行き場が与えられず、拍子抜け感が少しあるのかもしれない。

    1
    投稿日: 2023.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夏枝が陽子に出生のことを話した場面から、急展開にストーリーが進んでいき、突然の陽子の遺書に唖然とした。 「氷点」の意味が陽子の遺書の中で始めて明かされたことにひどく感銘を受けた。何人もの人々の微かな恨みや憎しみの心が積み重なり悲劇を生むトリガーになってしまうのかな?と思った。 キリスト教の教理である「原罪」という問題を現代に表示し、問題の深さを投げかける作品。(解説抜粋)

    1
    投稿日: 2023.04.22
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    陽子がもらい子だとわかっての兄の徹の感情の起伏が感情移入してしまう。美しく育った陽子に嫉妬する継母の夏枝の凄まじい愛と憎しみ。陽子を女性として見てしまう継父 啓造。徹の友人 北原への陽子の恋などそれぞれの感情が入り乱れる。殺人犯の娘という秘密を知ったら、自分だったらと思うと考えてしまう。

    3
    投稿日: 2023.02.23
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    【原罪】 人間であれば誰もが持っている「罪への傾向性」 嫉妬、嘘、欲望、誤解、傲慢、罪 全ての人に備わっているスペックだと思ったら そんなに悪いことでもない様な気がした。 人間というものは自己中心である。P277

    13
    投稿日: 2023.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どういう終わり方になるか本当にどきどきしながら読んでいたけどなんかもう少しほしかった! 確かに面白かったし、どの人物にも感情移入してしまったけど最後もう少し欲しかった。 陽子の親バレの件も何かあっさり流れでどんどん色んなことがわかっていった感じがした。もっとそこを大事に扱ってほしかった。 陽子を思う徹と啓造がなかなかヴッてくるものがある笑近親てきなものは本でもなかなかくる笑 夏枝の感じはなかなか全ての女性に通づるものがあるんじゃないかなとおもった。全ての登場人物に対して、自らが嫌になる時の自分、自らを褒めたくなる時の自分、などが書かれていて全ての人に生きる存在の意味を他者同志が感じ人は完璧ではないと思わせる一冊だった。だからこそ『赦す』ということに関して常日頃から自分を顧みる時間も必要なんじゃないかなと感じた。

    3
    投稿日: 2022.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後、高木のさらっとした陽子の出自についての告白に、えーーー!と声をあげました。感情や思い込みが、相手の何もかもを決めている。恐ろしい話です。勝手に思い込んでいた私たちも同じですね。 また、陽子はこのことがなくても自殺していたという言葉、最初は首を傾げましたが、考えるとああそうだな、登場人物全員に全て違う業があるんだと納得しました。ぜひ読んでいただきたい本です。

    3
    投稿日: 2022.12.13
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    何回も映像化されるだけある。 Twitterで紹介されていたので、作家さんも作品も全く知らなくて手に取りました。 あらゆる登場人物の感情描写がすごい。さまざまな思いが交差するのに、全然読みにくくないです。 何年経っても、これは名作だと思います。

    5
    投稿日: 2022.12.04
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    妻の不貞の仕返しのため、娘を殺した犯人の娘を引き取り、その妻に育てさせる話。 話の大筋は昼のメロドラマっぽい。愛と憎しみが交差する人間関係。それぞれが秘密を持っているため率直に話ができない。そのため思い込みとすれ違いが起き、裏切られたという思いでさらに拗れて行く。 うーん、主要人物の夫婦の人間性にかなり問題ある。不貞の疑いがあるというだけで人間一人の将来に大きな影響を及ぼす仕掛けをほどこす夫。要するに欲求不満の妻が色々な男に魅かれて嫉妬したり恨んだり。 この夫婦でなければここまで拗れなかったような気はする。 この小説の大きな教訓は 「秘密を持つ人間は認知が歪む」ということだ。 自分が秘密を持っているから他者を見るスコープが狭く歪んだものになる。それを物語の中で表現していた。 認知が歪むと一つの現実に対して、各々がまったく別の解釈をする点も興味深かった。

    2
    投稿日: 2022.11.14
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    先が気になってすいすい読んだ。読み進めるほどに苦しい思いがするのに読んでしまう。自分勝手でひどいひと!と夏枝に思ったりするけど、でも、その気持ちが全くわからない訳ではない。旦那に対しても村井に対してもそう。人の抱える罪と呼ぶべきその感情の渦巻くお話だなと思いました。陽子の愚かしいほど真っ直ぐで潔癖な少女らしさも痛々しく思たり、登場人物が生々しくてすごかった。「生きていけなさ」の感情の頂点を氷点というのもとてもすき。

    3
    投稿日: 2022.10.22
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    読み進めるうちに、結末が見える。それでもどんどん読み勧めてしまう。やっぱりか、と思うはずなのに、ドキドキしている。 濃いキャラが引き起こすカオスな物語の中にある、「汝の敵を愛せよ」と言う言葉をどう捉えるか、と言うテーマ。実際に敵を愛すことはできるのか。そもそも敵とは一体何なのか。考えさせられる。

    1
    投稿日: 2022.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    出会い方:本好きの友人からの紹介。 この本は、1965年に刊行されており、この「氷点」は当時より話題作で、その後も何度か映像化までされているようですね。 今、大人になって色んな経験をしてきた、今の自分として読むことが出来てよかったなぁという思いです。それは、この物語の当時の日本の空気感や遠く離れた北海道という土地柄を昔よりは想像できるようになっているだろうし、何よりも今作のテーマでもある「『人間の罪』とは」、という点において今までの自分の生きてきた経験や知識を照らし合わせながら読むことが出来たように思います。 本作ではある意味直線的に物語が進んで行き、メインとなる「陽子」と、その周囲の人達がそれぞれ自分の中にある感情や正義感を、表と裏で接しながら暮らしていく姿を描いています。中心となる家族は裕福ではあるけれど「自分こそ不幸」だと思い、それぞれが抱える負の感情は自分の本心ではなく「そう思わせるあの人のせいなのだ」としてしまう。そして、善でありたいがために悪を作らなくてはいけないという、傍目にはねじれて見える部分こそが、人間臭く、誰にでもありえることとして読むことが出来たのです。 表題になる「氷点」ですが、陽子が最後に知り、感じることになる、『人としての不幸』とは生きていて不便だったり思うようにいかないという層の概念ではなく、「生きることが許されていない」と実感した時点が「氷点」という言葉として記されています。ここに文字の持つ温度感が、北海道という場所や吹雪の強い冬の季節とさらに相まって、痛いほどに冷たく感じるのです。彼女は、実は最も罪から遠い存在だったのですから。周りの人たちにとって最終章に至るまでは、目に見える現象だけが信じられる事実として、それぞれの行動をとっていました。しかし、事実はまったく違っていたのだと知ったとき、すべてを後悔し、失ってしまうような衝撃が起きるのです。読み手は陽子以外の誰かとして辛さを共感し、かすかな希望に強く祈るのではないでしょうか。 作者の三浦綾子さんの作る文章は時に詳細を避け、知りえない相手の心情を省くことで、よりリアルな人間の生き方を描いています。また、美しい冬の描写や、光と影の重なる森の景色が丁寧な日本語で作られていることでより、物語の切なさを際立たせているように思いました。

    4
    投稿日: 2022.04.25
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    昭和の小説だが、今読んでも全く色褪せない。 誰しもが持っている人間の欲望、罪、嫉妬などを巧みに表現している。 続・氷点も読まずして終われない。

    6
    投稿日: 2022.01.28
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    登場人物は少なめだけど、ともかく村井だろう。村井を語らずして氷点は語れず、である。 一言で言えば鬼畜である。勤務先の病院の医院長の奥さんに言い寄る。まぁこれくらいはあるかもしれん。医者も2,3人の小規模経営でも、鬼畜とまでは言えん。 次は奥さんをうまくたらしこめないから、看護婦の弱みに付け込んで犯す。これはなかなかであろう。しかも1回とかではなく、定期的に。作者の言葉を借りれば凌辱である。凌辱ですよ、奥さん。なかなか使いませんわ、この言葉は。 そしていい加減年貢の納め時ということで結婚することになって、良かったと結婚祝いに来た看護婦を再び犯す。むむむ。エロビデオの見過ぎではないか。 そして、この凌辱っぷりを、医院長と奥さんの前でぶちまける。いやー、ちょっとおかしいよね。 他にも父親は娘の下着姿で発情するわ、母親は息子の友達に発情するわ、いや北海道ヤバい。

    1
    投稿日: 2022.01.27
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    この先どんなに科学が発展しても人間の欲であったり、自分勝手な感情は消えないだろう。人と人との関わりではきちんと言葉に出さないと伝わらないのだとこの本を読んで改めて思った。 さまざまな感情が渦巻くこの物語の中で一番怖かったのは「誤解」。特に北原とその妹の写真を見て嫉妬する陽子に対しては焦ったく、もどかしい気持ちでいっぱいになった。確かになんでもかんでも言えば済むというわけではないし、伝え方も大切にしなければ新たな誤解を生んでしまう可能性もあるが、正直に言うことで解決することもあるということを心に留めておきたい。

    1
    投稿日: 2021.12.18
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    続氷点が、手元にあって、よかった。 直ぐに、読みたいと思います。 陽子が、どうなるのか、どんな生き方をするのか、まるで、想像できません。

    13
    投稿日: 2021.12.11
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    原罪とはなにか。生きるとはなにか。 大衆文学の読みやすさと純文学のテーマ性の両立。 感服。 はやく続氷点を読みたい。

    1
    投稿日: 2021.12.10
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    越谷支店 井芹さんお勧め本 あらすじ 昭和21年(1946年)、旭川市在住の医師辻口啓造は、妻の夏枝が村井靖夫と密会中に、佐石土雄によって3歳の娘ルリ子を殺される不幸に遭う。 ... ルリ子の代わりに女の子が欲しいとねだる夏枝に対し、啓造はそれとは知らせずに殺人犯佐石の娘とされる幼い女の子を引き取る。 感想 素晴らしい小説でした。

    3
    投稿日: 2021.12.09
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    三浦綾子さんの本は塩狩峠を中学生の頃読んで、これが二作品目。 昭和の北海道が舞台なので、お母さんのお墓が千島列島にある学生や、樺太から引き揚げてきた若い女性が登場する。物語の本筋ではないものの、北方領土問題の発端や引き揚げの話は遠い昔のように思うけど、それを自分ごととして経験したわたしと同じような年頃の若者がいたこと、そして彼らはそのことに囚われすぎずに、それぞれ恋をしたり、学問に励んでいたという強さにハッとした。 登場人物たちがそれぞれ、良心の呵責や他者への憎しみの中でどういう行動を取るか2択に迫られ、うち片方を選ぶことで、少しずつ後に引けない、取り返しのつかない状況に追い込まれ、そしてその取り返しのつかなさが雪だるま式に大きくなる様子が恐ろしかった。 啓造たちがそれぞれ相手に深い憎しみを感じる一方で、次の瞬間には同じ相手に同情や愛情を感じているところがリアルだった。あと、夏枝の身勝手なところ、本当は自分が悪いのに、本人も気づかず他人のせいにして怒るところがリアルだ。私たちも気づかずこういうことしてるんだろうか。 そして陽子のあの強さが自らの廉潔性への自負から来ているのは納得が行った。 また、啓造が感じていた、生きるとは何か、自分にしかできないことは何か、という問いは、普遍的というか、いつの時代にもある問いなんだなあ。 登場人物皆が孤独だった。

    0
    投稿日: 2021.11.25
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    上下と一気に読み進みました。難しくなく、昼の連続ドラマ的な感じかな。続氷点も近々読みたいと思ってます。

    0
    投稿日: 2021.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本作は原罪をテーマにした作品との事。 ラスト、娘の手紙によりタイトル名理由が判明。 Twitterネタでは本作に影響されて自殺した女の子がおり、そのため続編が作られたというが その続編のラストこそ理解しがたいとあったので 是非続編を読んでみたい。 Twitterネタにあった答辞シーンは、想像よりもパンチが効いていたなぁ。。 後、兄の友人が登場したが 妹はあまり親しい友人と遊んだりするシーンが無かったのが不思議。 上巻よりも下巻では一層、登場人物の内面について明記されている。 男性の性への葛藤(村井はモテているのに何故に事務員に行為を強いたのか。。。) 女性の美しくありたいという願望 (夏枝は息子の友人にすら女性として見てもらいたい、自分が一番で責任転換をするというナカナカな性格であった。。) でも始終冷酷ではなく、時に優しかったりと、ごまかしもあるかもだが、憎み続けるにしても、かつて愛情があったのなら、一貫した態度というのは 実に難しい事なのではないだろうか。。 表面上は立派で問題なく見えていても、まぁ人間なので色々あるわけだけども 各登場人物の思いの吐露シーンが興味深い。 息子徹の父親母親へのセリフがなるほど、と一番記憶に残った。 教師や両親が完璧な人間でないと誰もが気づく瞬間は訪れるけれど その瞬間がどんな言動によって思い知るかによって、子供への影響は大きそうだ。。 「おとうさん!きかれて大変なことをなぜしたんです。」 「おとうさんはわかってなんかいないよ。おとうさんだって悪いんだ。おかあさんに復讐したければしてもいいよ。だけど、そのために一人の人間の運命を不幸にするなんて、そんな、人間を大事にしない考え方にぼくは腹がたつんだ。」 「おとうさんとおかあさんが仲よくなって、めでたしめでたしではないんだよ、おとうさん。それで終わりじゃないんだよ。陽子はどうなるの。」 めっちゃネタバレ。 本当の佐石の娘はどんな人生を歩んだのだろう。。 七代まで祟る、とかあるけども ニュースで加害者も被害者も身内である時 この後どんな風に生き残った人は生きていくのだろう、としんどくなる時がある。

    0
    投稿日: 2021.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    続編があると聞いても読みたいと思わない。この物語はここで終わって欲しかったから、裏切られた気分になってしまった。 遺書での「氷点」という言葉にはゾッとさせられた。そんなものが自分に存在するのだろうかと考えてしまう。 登場人物が生きている人間のように感じられなくて好きになれなかった。夏枝は「原罪」なんて言うまでもなくただ性格が悪い。陽子は性格が良すぎて人間だと想像できない。全てのキャラクターが何かの象徴を強く持ち過ぎて、感情移入がしにくかった。その点が説教臭くもなる。 物語は初めから惹き込まれる。ただ、「人間の原罪」と惹かれて読み始めたから、こんな世俗的?な感じのドロドロは期待していなかった。大衆小説として書かれてると知っていたらもう少しマシだったかもしれないけど、無学なもので……(´・ω・`)

    0
    投稿日: 2021.10.20
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    昼ドラすぎる。時代もあるのかな。今のモラリティやジェンダー観で読むにはストーリーもキャラクター造形も厳しいなと思ってしまう。ここまでいくと共感しづらく、時代背景を感じる面白さより下世話すぎてしんどいの気持ちが勝ってしまった。ただそれでも読めてしまう筆力はあるし、なんだかんだ昼ドラ展開って気になってはしまうよね…。書きたいことはわかるしオチにはカタルシスもあるけど…まあいい時代になってんだな。しかし続きあんのか~~しんどいな~~。

    1
    投稿日: 2021.09.13
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    面白くてすぐに読んでしまった! 氷点の時代では勿論今よりも科学は発展していないわけで、その中で人の言ったことを信じるかどうかというのはその人自体を信頼しているかによるっていうのは少し羨ましいなと思いつつ、現代ならここまで問題は大きくなってなかっただろうなと思った。 啓造も夏枝も長い時間を過ごしているけれど大切なことは共有できてない気がしてひりひりした〜時間だけで全ては測れないっていうのは肝に銘じておきたい

    1
    投稿日: 2021.08.29
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    うまく言えないけど、、夏枝の、女に武器を全力で使うところ、陽 陽子がピュアで一生懸命で我慢強い所、 辻口の執着性のあるところ、 村井の医者あるあるなところ、 などなど全員人間らし人間だった 憎しみ、愛情、執着、正義、後悔、感情が入り混ざってた。 舞台や映画で見てみたい… 陽子は自殺しちゃったのね それでも育ての母を愛して感謝し続ける陽子ってどんだけいいやつなんだよ…

    0
    投稿日: 2021.06.21
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    子供にはなんの罪もないし犯人にも同情すべき点がある、ので「自分の子供を殺した犯人の子」を育てるのはそんなに難しいことなのか、と所々で思った。作中何回か出てきた「汝の敵を愛せよ」の言葉が印象的。啓造(旦那さん)には好感をもつが夏枝(奥さん)はどうしても好きになれなかった。

    0
    投稿日: 2021.05.13
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    登場人物はみんな何かしらひどい。 でも人間らしいというか 一定を超える怒り、苦悩に悩んだ時 どんな行動を取るかなんてわからんし。 それでもやっぱり夏枝は度を越してる。 自分が美しいからこそ、外見だけを気にして 自分と人の気持ちを深く考えることができないんか。 あーでも面白かった。 これはお勧めしたい本。

    0
    投稿日: 2021.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    陽子がルリ子を殺害した犯人の子だと知り、 夏枝は陽子に厳しく当たる。 陽子はバイト先の牛乳配達屋さんの主人のヒソヒソ話で 自分がもらい子だと知る。 兄の徹も啓造と夏枝の話を聞いて 陽子が殺人犯の子だと知ってしまうが、 自分が守ると心に決める。 ある日、徹の大学の先輩の北原が陽子の家に 遊びに来た。 陽子と北原は惹かれ合うが、夏枝も北原を 気に入り、2人の様子が気に入らない。 夏枝は陽子を陥れようと、北原と陽子に対して 陽子はルリ子の殺人犯の子であることを 暴露する。 陽子は事実を知り、自殺を図る。 -------------------------------------------------- 実に歪んだ家族である。 啓造はまず陽子を女として見ていることが めちゃくちゃ気持ち悪い。 夏枝の気持ちも分からなくはないが、 陽子に対しての虐めがひどすぎるし、 自分が娘として養女をもらった以上、 責任を持って大切に育てるべきだと思う。 徹が唯一まともだと思う。 報われない恋に悩みながらも、 陽子をただ一人守ってくれる兄。 切ないけどねー。 北原か徹か、どっちでもいいから 陽子を守ってあげて! 続氷点が気になります!

    3
    投稿日: 2021.05.01
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    平然と嘘をついていた高木さん怖いよ~((( ;゚Д゚))) 最初から犯人の子だなんて言わなきゃよかったじゃん! でも復讐してるときの啓造はちょっとイキイキしてたよね 目覚めた後の陽子は徹に思いを伝えるのか⁉️周りの大人は陽子にどう償うのか⁉️続編へ続く!って感じの終わりかたでしたが、ここまできたらあと2冊読みますよ✊

    0
    投稿日: 2021.04.02
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    思い込みが、こんなにも人生を狂わせるのか。人間の本質を見た気がする。 みんな、確認をすればよいのにと思う。けれど、それは客観的にみているからであって、実際にはその立場にならないとわからないのだろうと思う。 まさか、陽子が実は犯人の子供ではなかったなんて。犯人の子供だといった高木が、ひどいと思った。 しかし、もとはといえば、院長の辻口が、妻の夏枝に不貞があったのか問いたださなかったからなのだ。夏枝も、聞かれたときにそんなものはないと答えればよかったのだ。 ちょっとしたすれ違いが、こんなにも事態を大きくするのだと痛感した。小さなことが、だんだん積み重なっていくのだ。自戒をこめて。 神の巡り合わせのような出会いのシーンにも驚く。教会に辻口がいくと辰子と出会ったり、陽子が出かけるタイミングで北原がきたり。セレンディピティがよく描かれていた。 夏枝の自分のことしか考えない考え方も、すごくよく描かれていると思う。真実を伝えたらどうなるのか。そんなにばれないとよく思えるものだ。短絡的で、ネガティブケイパビリティがないのだ。でも、思考がせまくなってしまうと、そういうものなのかもしれない。私も同じであり、どうしようもない状況をじっと耐えうる力をつける必要があると思った。

    0
    投稿日: 2021.03.24
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    複雑化していく人間関係にも関わらず、どの立場の人間の心情も表現されており、読者がおいていかれることがない。これがこの小説の読みやすいところなんだろう。

    0
    投稿日: 2021.02.25
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    医師の夫。美貌の妻。全てが順風満帆のように思える家庭である日、娘のるり子が1人散歩中に殺される。その時、妻の夏枝は、医師の同僚の村井と部屋にいた。それを知った夫はひどく嫉妬し、そのせいでるり子は死んだのだと恨んだ。そこで復讐を考えた。女の子を養子にほしいという夏枝に対して、内緒でルリ子の殺人犯の子である娘をもらうことで。そこで育てていくうちにルリ子は信じられないほど良い子で天使のような子だった。啓造は陽子に対して優しくなれなかったけれど、夏枝はとても大事に育てた。しかしある時夏枝は啓造の手紙を見つけ、真実を知る。夏枝は啓造を恨み、陽子も恨んだ。また美しい美貌も恨んだ。そしてその嫉妬から、徹の友達の北原が結婚を望んだときにとうとう、陽子は殺人犯の子だということを言った それを聞いた陽子は自殺未遂してしまうが、その後、陽子は実は殺人犯の子ではなかったことがわかってしまう。 執念深い人は、その時になんともない風を装っていてもずっとねちねち覚えていて復讐を図るのだと怖くなった。私みたいなタイプ、、夏枝は男に対して貪欲で、また自分の美貌に対してすごく自慢に思っている。こんな女は嫌だ!前読んだ白夜行もそうだけど女っていうのは本当に狡猾で、ずる賢くて、怖いなって。周りに気づかれないように密かにいじめたり、陰湿ないじめが多いと感じる。 あとは、やっぱり誤解は全ての人間関係をズタボロに壊すということ。人から聞いた噂とか、自分の想像が一人歩きして、事実とは違うものを信じて進んでしまうことがどれほど恐ろしいか、わかった気がする。陽子はずっと自分は潔白で何一つ罪深いところはないと、どんなに辛いことがあってもそれを心の拠り所にして前を向いていつも笑顔で生きてきた。それでも自分が信じてきたものが裏切られると人の心はポキンと折れてしまうことがあるのだとわかった 汗と涙は人のために流しなさい 雲の上にはいつも太陽が光り輝いている この二つの言葉は私の心に響いた陽子ちゃんの大切にしている言葉。 陽子ちゃんの生き方には感服させられる。

    1
    投稿日: 2021.02.08
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    こうなってしまったのは何でなんだろう?と、ずっーと問われている感じだった。 素敵な陽子が、辻口夫妻と同じ「人間」だとは思いたくない。 しばらくしたら「続」を読んでみよう。

    6
    投稿日: 2021.01.18
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    「ゆるし」ってなぜこんなに難しいのでしょう。 頭ではゆるしたいのに、心がゆるせないと思うこと、どんな素晴らしい人にもあり、それを乗り越えられた人だけが、人を気にしない平穏な生活が送れるのでしょう。 乗り越えるには、自分も含めて誰にでも不完全なもの、罪深いものがあると、悟るしかないのでしょうね。

    4
    投稿日: 2021.01.08
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    読了後、人間の不完全さをここまで描写しきった作品があることに震えました。 この作品には、1つの家族とその周囲の人々という小さな舞台の中で、人間が自らの不完全性によって「自分や他者を苦しめる」様子がありありと描かれています。 ・頭で悪いと分かっていてもその行動を取ってしまう。 ・完全な善意から大きな嘘をついてしまう。 ・自分の言った内容を守れない。 ・本当のことを知らないので相手を誤解してしまう。 ・自分の行動を常に正当化してしまう。 ・単純に誤って行動してしまう。 ・自分の感情を理性で制御できない。 等々…… この物語から人間の不完全さの描写をいくつ拾えるのでしょうね? この感想を書きながら、友達に勧めるならなんと言ってこの本を勧めようか考えていました。 私はこう勧めます 「この本は自分の弱いところを写す鏡なので、一度読んで自分の身を振り返ったほうが良い」

    5
    投稿日: 2021.01.01