
総合評価
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powered by ブクログ今まであまり読んでこなかったミステリー小説に興味を持ち、現代作家が影響を受けたとして名を挙げる横溝正史の作品を読んでおきたいと思い、本書を手に取りました。ジャンルの特性から説明的な文が多いのですが、それらがとても分かりやすく書かれていてスラスラと読み進められます。また、このジャンルで"お約束"や"大前提"としてなおざりにされがちなことまで丁寧に書き切ってくれているので、モヤモヤすることなく物語に没入できます。言うのはおこがましいのですが、「さすが!」と思いました。
1投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ日本ミステリー史上最高傑作!! あのセリフ、道具立て、怪しい雰囲気、意外な犯人、最後の一撃…全てが完璧なミステリー! 毎年何度も読みたくなる作品。 金田一耕助の事件簿は全てが魅力! その中でも上位の難事件。 最近家族も読むことに…時代はかわっても傑作は色褪せない。 ぜひ〜
24投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログ横溝正史の代表作の一つ。久方ぶりの再読です。 瀬戸内の小島での連続殺人事件に探偵金田一耕助が挑む。 島の歴史・慣習にも根差した人間模様が事件究明に深く関わっており、虚をてらった犯罪トリックに頼らない構成は、古い作品でありながら色褪せない印象です。 また、昭和以前の作品に特徴的ですが、文章の美しさも読後の充足感に寄与しています。
1投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
戦後の小さな島を舞台にした小説。 犯人の動機は想像が付くが、犯人とその手法が掴みきれないむず痒さが面白い。 各登場人物の奇怪な部分と、連続殺人が起こっている最中とは感じられない雰囲気が不思議だったが納得のラスト。
0投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログ金田一の名は知っていても実際に読んだこともなく、これが初読みになります。ビブリア古書堂で読みたくなり読んでみました。 推理しようと思って読んでいないので、最後は怒涛の流れで話が進むのは面白かった。現代では差別用語と取られる言葉も多く、「当時の」小説として読まないと文句を言う人もいるでしょうね。
0投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ皆さんが言うほど面白くなかった。なんでこんな殺し方をするのか?どうゆう位置関係で建物や道があるのか?与三松どうなった?和尚=了然の表現の仕方とか?分単位の時間記載と、、、。 今ひとつ納得できずに読了。
10投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログ金田一耕助の個性が、確立した作品(あくまで、個人的な感想です。) 絶景の孤島で島を支配する綱元の遺言より始まる、殺人事件。横溝正史の作品らしさが盛り込まれた秀作。 金田一耕助の恋愛? チラッと見える。
0投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
わかるかこんなもん。 芝居の道具とか、発表当時の読者にはなじみだったんだろうか。言われてみればなるほどなぁと頷けるも、全く想定はできなかった。 ミステリとしてももちろん、キャラクターの造形もよい。
0投稿日: 2025.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「若い三姉妹が理不尽に命を奪われる連続殺人事件」だが、それと記号的な地名人名以外は呑気で牧歌的な方向に振れていて、映像化作品のおどろおどろしい世界とは良い意味で異質の、瀬戸の夕凪に漂う潮の香りのような素朴な明るさと温かみに魅力を感じる。晴れの国といわれる地域でしかも秋なのにやたら雨が多いのは不自然だったが(台風?)。流刑の囚人と海賊たちの子孫とは思えない陽気で人懐っこい人々、本当に一代の網元の統率力でここまで変わったとは驚きだが 、逆にここまで素直、素朴(でどちらかというと 小心者が多い?)でなければこんな事件にならずに済んだのかも(早苗さんが少々異質で浮いていて、野々宮珠代に連なるしっかり者の怜悧で謎めいた美女)。久保銀蔵さんがなぜ心配したのか拍子抜けするほど、性悪な人がいないというか、フェアプレイのためにわざわざ屏風を持ち出して探偵の部屋に置く実行犯(!)作者はクリスティの「そして誰もいなくなった」を読んで見立て殺人を書いたようだが、その割に見立ての出典登場が遅すぎでは?さらに悪筆で解読に時間かかったし。敵対する本家と分家と言っても犬神家の一族のようなギスギス感はほぼなく、一応分家が敵方設定ながら割に怖がりでビクビクしながらみんなに頼っていた小さな集落の結束力が微笑ましい。分家の主人の終盤の話ぶりを聞くに、地道な人格者でいい人やんか、と思ったが、権現様にたとえられる辺りが忍耐強く待って嵐が去ればきれいな形で島をまとめる、というこの人の意思も無意識的に働いたのかな?という余韻を残す。
1投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログ初めての横溝正史。 昔「八つ墓村」を挫折している為に心配だったけど、鍛えられていたお陰かあっという間だった。 田舎の閉鎖的で排他的な世界が大好きな自分にとってはなんとも美味でした。 最初から殺害動機のトリックが練られていたのには多少の感激があった。 古典的なミステリーが好きだから面白く読めたし、先に長谷川博己の金田一耕助役にてこのドラマを観たけど、原作もドラマも面白かったです。 脳内では古谷一行が金田一耕助でした。 これで恐れずに金田一耕助シリーズが読める…。
8投稿日: 2025.06.04
powered by ブクログ島ミステリー大好き。 狭いところにずっといると人間は狂っていくものなのかもしれない。 今もあるけど、昔の血筋への執着には常軌を逸するものがあると思う。
1投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『本陣殺人事件』以来のシリーズ長編で嬉しい。戦友の遺言で示唆された不穏な内容を未然に防ぐため、瀬戸内海の離島である「獄門島」を訪れた金田一耕助。しかし彼の努力虚しく、第一の被害者が木に吊るされた状態で発見される。犯人は?そして目撃者が発した「きちがいだが仕方がない」の真意とは…? 次々と発生する見立て殺人、京極夏彦の『鉄鼠の檻』みたいに坊主が犯人だろ〜と思っていたら違った、もっとヤバかった…。地方の閉鎖性故に可能になる事件をベースにした所謂「因習村」ものだが、例えどこであってもこんな殺人は起きんだろ…。そして一連の事件は男性優位な価値観が犯人を殺人に走らせるフェミサイドで、当時はこれが動機として成立し得たのか、と驚いてしまった。個人的には『本陣殺人事件』に続いて動機に納得がいかない作品だった。 それはそれとして「因習村」ものは大好きで消費してしまう。『屍鬼』然り『ゲゲゲの謎』然り『サマータイムレンダ』然り。自分の理解を超えた常識が通用している場で、それ故不可解な出来事が立て続けに発生するのであれば田舎でも村でも離島でなくても良いんだけど、そういった場所にしてしまうのが作者としては説明責任が免除される(「田舎だから」で済む)と思って楽なんだろうなぁ。
0投稿日: 2025.04.18
powered by ブクログ曰くつきの島、本家と分家の確執など独特の要素が散りばめられていて、横溝正史の作品の独特の不気味さ、世界観が味わえる作品。俳句の通りに殺人が行われる、"見立て殺人”も出てきて推理小説好きなら外せない作品なのでは。 ただ文章を読んでいるだけではトリックなど分かりにくいかな?ネットで調べると地図と家系図を解説してくれているサイトがあったので、それを参考に読むとわかりやすいです。
0投稿日: 2025.03.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
金田一耕助シリーズ2作目(角川文庫の金田一耕助ファイルとしては3作目) 何よりもまず昭和の雰囲気や前作同様和風の不気味さが秀逸です。 (島民の心理的にも)閉鎖的な孤島の描写が物語に緊張感を持たせ、読み進めるごとに 襲われるのか!?どうだ!?とドキドキさせられる(のがまた楽しい)。 犯人を予想しながら読んでいたのですが、しっかり驚かされました...。 昭和の因習恐るべし。 やるせない結末でしたね...心にずっしり来ました。
2投稿日: 2025.01.10
powered by ブクログ横溝正史の最高傑作とも呼ばれる今作を読んだ記憶がなかったので購読。金田一耕助シリーズに夢中になっていた中学時代を懐かしく思い出しました。
25投稿日: 2025.01.10
powered by ブクログ中山七里さんの本を手掛かりに初見の横溝正史さん。映画では有名な作品がズラリの作家さんですがかなり遅れての出会いになりました。 金田一耕助の名も頭をボリボリとかく様も映像では何人もの役者さんが演じていて最も簡単にイメージできました。時代が古いせいか場面場面の情景が既視感の薄い想像しかできませんでしたが、現場の雰囲気はよく伝わってきました。どの殺人も時間軸で想定すると見知らぬ何かが施したように思えました。しかし言葉の節々を細かく捉えるとなるほどの種明かしでした。 終盤の偶然な情報からするりと解ける疑問の絡まりは動機に注目が集まる。最後の最後まで緊縛した解きほぐしに追い打ちをかける衝撃の事実はよくできた造りでした。せっかくなので金田一耕助シリーズとはお近づきになりたいと思います。
19投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白いよーーーー あの一言はそういう意味だったのか!と。 アガサ・クリスティの『親指のうずき』を思い出した。 俳句の見立て殺人とはね。。。 そして、結局一さんは亡くなってたと。 ラストがほんとに良い
1投稿日: 2024.12.17
powered by ブクログ金田一シリーズの3作品目。 島という舞台特有な雰囲気とそこに住む個性的な面々が織りなす奇妙な世界観で起こる事件。 盲目的な島ルールみたいなのが昔は蔓延っていたのだろうなぁ。 この時代は証拠を集めるのも大変だったであろうし、証人が嘘をついていたら簡単に迷宮入り事件が多発していたのではないでしょうか。 探偵側が後手後手になっても仕方がないか。 作品時代とマッチしたドキドキできる作品でした。
16投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログこれが横溝正史の王道ミステリーなのね...! 歴史背景も登場人物も地形も複雑で、何度もページを遡りながら読み進めた。 誰しもに動機があるように見せる書き方で、最後の最後まで確信が持てないまま種明かしとなった。 普段読んでるミステリーは種明かしに近づけば近づくほど探偵の熱量があがっていくけれど、金田一はどんどん暗くなっていって、人間味があって面白いなぁと思った。
0投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ日本ミステリー小説の金字塔に相応しい作品です。 天晴れの一言! かなり古い作品ですが、今となっても遜色ないです。 古い作品だけに、少し読みづらさはありましたが、 日本ミステリー小説の最初にして、最高の作品だと思います。 今後も語り継がれる作品です。
0投稿日: 2024.09.24
powered by ブクログ異質な空気感が背景にある小説が好みなので、今回も面白かった。少し描写が回りくどいと感じたり、情報量が多すぎると感じるかも。でも、そういう部分があってこそ、より続きが気になっていく、物語に浸かる感覚を味わえました。金田一がある程度名の知られている探偵なんだなって認識があれば前作読んでなくても読めます。
0投稿日: 2024.09.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
難しい言葉と昔の言葉が多くて少し読みにくかったですが、トリックは面白かったです。 差別的表現が連発されて、それが鍵を握っていると言うのは面白いです。
1投稿日: 2024.09.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私が読み飛ばしてしまっただけかもしれないが、鐘のトリックの清水警官の証言描写(大きさ、小便)と、切られた布の断面が新しかったことの描写がなかったような気がする?加えて、金田一の推理には証拠がなく、和尚の自白が無ければ現代ミステリ的には完全論破解決とは言えない。いずれにしても、当時の時代背景を考えれば多少摩訶不思議な点はあるものの、名作であるので☆5。
1投稿日: 2024.08.26
powered by ブクログ「獄門島」と聞くとどうしてもTRICKの「黒門島」が思い出されます。こうして原典に触れたいま、あのドラマを見返したらもっと面白いだろうなぁ。 というわけで、『悪魔の手毬唄』に続き二作目の横溝作品。 出版年としてはこちらの方が古く、『悪魔の手毬唄』の金田一はかなり丸くなったんだなと思いました。 田舎の閉塞感も相当なものですが、外界から隔てられた島もまた、いや田舎以上に独特な世界が作られているものです。 現代ではおよそ口にできないような差別用語の連発には(時代だなぁ……)と思わざるを得ませんでしたが、それも相まって雰囲気は抜群。これも何度も映像化されていますが、映像で見るのはなんだか怖いですね……。 ラストのやるせなさと、島に残った人々の前向きさが印象的。「この島で生まれて、死んでいく」という覚悟が感じられます。 次は今作でも何度か言及されていた、『本陣殺人事件』を読む予定です。これまた金田一の印象が変わるのかしら。楽しみです。
14投稿日: 2024.08.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めての横溝正史作品! 昔の本だからなのか、そういう作風なのか、ちょっと文章が古めかしく読みづらいところもあったけど全体的に楽しく読めた!まあでもそんなにドキドキハラハラとかではないかも... 途中、金田一耕助が島の刑事さんに牢屋に入れられてて爆笑したwwwwwそんなことあるー?!ww
5投稿日: 2024.08.11
powered by ブクログ1947〜1948年に連載された金田一耕助シリーズの第2作。見立て殺人とミステリの醍醐味でもある種々のトリックが盛り込まれた作品。きちがい(原文まま)たちが登場するグロテスクな作風が、獄門島という曰く付きの島で醸成され、そこに洒落た叙述の仕掛けと名探偵が配置される。これで面白くないわけがない。
2投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログ八つ墓村や犬神家と並ぶ金田一耕助シリーズの代表作。 孤島で起きる連続殺人。見立て殺人や謎の逃亡犯など、推理小説の面白さが詰まっている。 読んでいた感じとしては漫画「金田一少年の事件簿」。 話の展開や物語性など、漫画の作者が影響を受けているのがわかる。 1947年の作品だが、今読んでも抜群に面白い。 ひとつ、作品中にキ○ガイという言葉が何度も出てくるのは時代だなと感じた。 しかしこのキ○ガイが鍵になってくるとは…
1投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ兎にも角にも翻弄された。 怪しいところが妖しすぎる。 ついつい気にしていると、大事なものを見逃してしまう。 高橋留美子の絵柄で脳内再生しつつ、 絢爛たる振袖が脳内に眩しかった。
15投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログ久しぶりの金田一耕助。 「獄門島」は、ずっと気になっていたから読めてよかった。 展開の意外性、横溝正史は天才だったんだな。 戦後直後の閉鎖的な島の雰囲気も味わえた。
4投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古谷一行版金田一耕助シリーズをスカパーで何回も見て、あらすじも犯人も知っていたけど原作は未読だったので読んでみた。 いわゆる差別用語バンバン出てくるし今は多分ドラマ化出来ないであろう作品。でもトリックは奇抜というか…いくら暗がりでも死体背負ってたらわかると思うけど…f^_^; それよりもいつも思うがとにかく人間関係が秀逸☆ 島のドン嘉右衞門さんや息子の与三松、その後妻のお小夜、分家のお志保さんや怪しいイケメンの鵜飼、雪月花の三姉妹等々、みんなオカシイ。 それが濃くてオドロオドロしくて好きな作品☆
6投稿日: 2024.05.25
powered by ブクログこの小説の初版が昭和46年という事実に衝撃です。何年経っても色褪せることの無い傑作がこの本だと思います。 今では、昔よりも面白いミステリー小説がたくさん登場しましたが、この小説はそれらに負けず、終戦後と獄門島の独特な雰囲気が唯一無二であると言えます。
2投稿日: 2024.04.29
powered by ブクログあの有名な探偵、金田一耕介の二作目。ミステリー小説の金字塔的作品で、古めのミステリーランキングでは一位をとっているような作品です。今読むと、トリックなどに古さは感じられますが、探偵金田一のキャラや作中の雰囲気は色褪せていない名作です。
1投稿日: 2024.04.28
powered by ブクログ南北朝時代は海賊の根城となり、江戸時代には流刑地となった獄門島。復員船で死んだ戦友に遺言を託され、金田一耕助はこの瀬戸内海の孤島へ向かう。 「三人の妹が殺される……おれの代わりに獄門島へ行ってくれ。」 そして、その言葉のとおり、異様な殺人事件が次々と起こる… 先に読んだ『本陣殺人事件』『八つ墓村』と同じく、因習が色濃く残る閉鎖的な地方が舞台になっているが、金田一耕助をはじめ、床屋の清吉や警官の清水などコミカルな人物が登場するためか、そこまでおどろおどろしくはなく、最後には寂しい余韻が残る。 また上記二作とは違い、金田一耕助の目線を中心に物語が進むため、全編にわたって活躍する姿が描かれている。
1投稿日: 2024.04.25
powered by ブクログ作者がアガサクリスティに影響を受けて書いた傑作。国産の「見立て殺人」の作品かつ横溝正史の作品としてはNo.1と言っていいくらいの作品。
1投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本鬼頭の人間がことごとく精神がおかしくなったことになんらかトリック(祈祷所らへんから火山ガスがでてるとか、毒盛られてるとか)があるのかなと期待してたけど特になかった。閉鎖的な村社会が人を変えてしまったのかな。 それで村長と猫はどこへ…w
1投稿日: 2024.01.29
powered by ブクログ何もコメントいらないくらい名作 俳句での見立て殺人も斬新、あの時代ならではといったところ 何回も読んでしまいます
2投稿日: 2024.01.24
powered by ブクログ前半やはり読むのがすこし億劫になるが、後半からおもしろくなる ただ、先に読んでいた八つ墓村に比べたらあまり人物に魅力を感じられず、動機やトリックも感心するほどではない
20投稿日: 2023.12.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人生で初めて『金田一』シリーズを読みました。 最初は古めかしい文体や語句が多くて読み進めるのに苦労したけど、それも気にならないくらいストーリーが面白くて、時間をかけてゆっくり楽しめました。 まず『獄門島』という名前がかっこいい! 流刑地だったとか海賊の子孫が多いとか名前も歴史も物々しくてワクワクが止まりませんでした。 何も起こらないはずがなく…という感じの舞台でこれぞミステリー!という胸の高鳴りを感じました。 (現代的な刑事ものも好きだけど、やっぱり『島』っていいですね) ミステリー読む時は犯人が誰か予想しながら読むのも一つの楽しみだけど、今回は全然見当もつかなかったし意外な人でした。 誰かのために殺人を犯したり… いや、誰かのためというより、これは脅迫めいた理由からなのか… でも遺言通りにしなかったら末代まで呪い祟るぞ!と言われてもフツー人殺しして挙句の果て自殺なんて… この辺は昔の人の感覚って感じでした。 いっくら三人娘がどうしようもない殺して惜しくもない人間だとしても、未来ある若い娘を、本家だの分家だの跡継ぎだの、くだらない理由(当人たちにとってはそれが全てだったわけだけど)で殺してしまうなんて。 閉鎖的な世界って怖いなぁ!と改めて思いました。 『気ちがいじゃが仕方ない』は意味がわからなくてずっと何だろう?と考えながら読んでいましたが、まさか『季節が違うが仕方ない』なんて意味だなんて……… 怖!!! 人殺しておいてなーに季語なんか気にしてるのよ! この謎が解けた時、牢に閉じ込められているキチガイより和尚の方がよっぽど『気ちがい』だと思い、リアルにドン引きしました。笑 とりあえず、自分が猫好きなので、最後の殺人で猫ちゃんが残念なことにならなくて良かったなぁ、とホットしました。笑 金田一シリーズハマった感あるので、次は一作目から読んでいこうかなぁと思いました。
2投稿日: 2023.10.02
powered by ブクログおおっと! これは想定外のラスト!!(๑°ㅁ°๑)✧ 戦友で、復員兵である鬼頭千万太が復員船で金田一耕助に遺言を託す。 瀬戸内海の小島『獄門島』へ行き、妹達が殺されるのを阻止してほしいと。 獄門島で起こった連続殺人事件には、共通点があった—。 金田一耕助シリーズ第3弾! 第3弾! …なのに、またやってしまった(-_-;) 『本陣殺人事件』を先に読む事をオススメする! 本陣持ってるのに、どうしても『獄門島』読みたい気分でした。笑 ただ、気にしなければストーリー自体は問題ないと思います。 瀬戸内海の名物は海賊—。 海賊の子孫といわれる土着の漁師と婚姻して子孫を残した…と言われる獄門島。 江戸時代は流刑の地だったそう。 島の名前もかっこいい(º﹃º ) 排他主義的な島であるという点も魅力的(〃´-`〃)♡ 島内皆家族傾向強し…。 なるほど… これが有名な獄門島… ミステリーの金字塔と紹介されているだけの事はある。 モヤっと感じる人間関係の設定がまたいい。 たいていお家騒動。 毎回思うのですが、横溝作品の1番好きな点は『派手な死体』♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝ 一目で発見者を驚愕させるその存在感が素敵.☆. 今回の名シーン。 遺体は着物姿の花子ちゃんが梅の木から宙吊りにされております…。(有名なシーンかな?) この派手さがとても好き! 美しや〜߹ㅁ߹)♡ 細かな真相が小出しなので後半になっても「これは犯人を当てるのは不可能なのでは?」……と思いましたが、金田一が犯人を確信した時点で材料は出揃っているハズなのかも…。 私は気付かなかったが笑 これは犯人わからん…(いつもわからんが…笑) やはり金田一耕助シリーズ面白い(´▽`)! この後、いつものように映画も観ようと思います。 あのシーンもあのシーンも映像で観るの楽しみ♡
25投稿日: 2023.08.21
powered by ブクログオチがなんとなく分かったので、どこかで一度読んでいたかも。ミステリにハマった最近ではないので、小中学生の時に読んだのだと思う。そう考えるとあまりにも有名な作品なのだなと。 この作品が名作中の名作と言われているのはすごく分かる気がするし、だからこそ本作を下書きにして膨らませていった後世の作家も多いと思う。 相変わらずおどろおどろしい雰囲気や、小さな島の限られた家族中心の人間関係などが克明に描かれている。トリックや動機も鮮やかで、まさにミステリにおける教科書的な美しさがある。 色褪せない名作、というのはまさにこのような作品のことを言うのだろう。
4投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログ映画を見ているので、なんとなくストーリーは覚えていたから、読みながら映像が浮かんだ。映画はよく本の内容を表現できていたな~と思った。文章の表現力で風景や人物の描写がよくわかり、思い描きやすい。暗い、ドロドロした、古臭い、タブー、因習などの言葉が似合う、日本の地方のほんとにあった怖い話的なストーリー。横溝正史の作品らしいエンタメ作品。いやいやおもしろかった。
3投稿日: 2023.06.11
powered by ブクログこの島の人々は全員海賊か流刑人の子孫、そういうインパクトある情報からはじまり、出会った島民は結構普通とおもったら気が狂ったからと父を座敷牢にいれてたりと、所々でウッとさせてくる。いい人に見えても島に毒されてたりと閉ざされた島の嫌らしさが所々で刺さって面白い 最近読んだ金田一耕助シリーズが結構偶然に頼ったものが多かったのでトリックもそういうものと思ったが真っ当なトリックで中々に楽しかった ただ読んでて作者の都合が透けて見える。金田一は事件の真相に何度も迫りながらも空振りする、地の文ですらそれを指摘する。誰が狙われているか金田一も島民すらもわかってるのに、なんとなくいう事情で金田一は信頼できる島外の警察すらにことを明かさずみすみす殺されてしまう 金田一が真相に気づくと物語が終わるが、全く気づかないのも不自然と空振りさせるしかないという風に見えてしまうし、事情を伝えないのも警察が護衛を付けたら話が進まないからというご都合主義に感じてしまう ここらへんをもっと巧みにやってくれたら物語に集中できたのにと惜しく思う
3投稿日: 2023.05.25
powered by ブクログ相当面白かった。 古い小説で今とは違う道徳感も面白い。 しっかりとした推理小説で、やっぱり今回も騙されて満足だ。 これは横溝正史もハマりそう、ブックオフに行かねば。
2投稿日: 2023.05.14
powered by ブクログ名言だけ覚えていて犯人を忘れてしまっていたことに気付いたので再読しました。 因習の残る村社会での連続殺人という「出てくる村人全員あやしい」事件に金田一が挑むわけですが、この手の舞台設定ではやはり読者は”分家筋”などの言葉が出てきた途端に「お家の相続に関わる殺人事件なのだろうな」とすぐに察することができるわけです。しかしそれに気づいたことで作品の魅力は全く損なわれず読む中で飽きもこない。なぜなのかというと、その相続争いの行方をぼやかしつつ犯人当ての楽しみを持続させる存在として、元兵士の鵜飼やビルマから復員中の一、復員兵上がりの海賊など戦争を裏テーマにすることで可能になったあやしいヤツらがこれでもかと投げられているためです。普通、ムラで生まれた者たちが皆ムラの外に出ていくなんて状況は基本発生し得ないわけで、終戦後すぐという時代設定がないと、こういう形での殺人劇にはならないし、ここまで悲劇として完成されたラストにはならなかったのでは、と思うのです。だからトリック以前の問題で、この舞台を作った時点で横溝正史の天才ぶりが際立っているなと、そう思いました。 ところで、金田一が殺人を未然に防止するような行動を取れなかったときに、語り手がすぐに「この時ああしてれば、悲劇は防げたのに」的な地の文を必ず入れるので、そこがちょっと可笑しかったです。「この人は助かるのかな…」という希望を一瞬たりとも抱かせない鬼畜ぶり。
2投稿日: 2023.05.09
powered by ブクログ「惨劇の夜は霧のふかい朝となって明けた」 相変わらず章の出だしが格好良い。 再々読だが、読みやすく、結末がわかっていても楽しめる。最初から伏線も散りばめられ、「そう、これこれ」とか頷きながら読む。途中で分かったとしてもこれはこれで良いのである。 「月影を砕いた波が、いぶし銀のように底光りしているなかに点々として黒い島影がちらばっている。夜霧にけぶった漁火が夢のようにまたたいていた。」とか、もう文章が最高。 頭の中の映像を楽しみながら、やっぱり横溝正史は最高と思うのである。 解説より「イムポシブル・クライムと意外な犯人、しかも一貫した理論性があって、その間に妖しき情緒が播曳している。そういう小説が書きたいのだけれど…」 その通りの作品になってます! 「…大きな野心を持ち、そして試みるべきではあるまいか」 …最高でした。 所有は昭和49年のもの。高校時代、古本屋を巡って集めてました。懐かしい…
20投稿日: 2023.05.04
powered by ブクログ瀬戸内海に浮かぶ獄門島で起こる殺人事件。俳句の見立て殺人の真相は衝撃的だった。読み終えた後、改めて、この作品は傑作だと感じた。
7投稿日: 2023.04.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
誰が犯人なのか最後まで分からなかったので、面白く読めた。最後は報われない感じだけど、上手くまとまった気がする。セリフ量が多いけど、それでも登場人物たちの切羽詰まった雰囲気や悲しさなどの感情がとても伝わる書き方でとても惹き込まれる。さすが先生。
2投稿日: 2023.04.25
powered by ブクログ読んだ本 獄門島 横溝正史 20230406 まずは、すごく読みやすい。 小学生の頃に、友達が「犬神家の一族」の文庫本を読んでいて、小さな字がいっぱいで難しそうだなと、ずっと思って今日まで来ました。しかも、映画の宣伝はおどろおどろしいし。ホラー映画が苦手だった僕には、縁遠いものでした。 だけど、まあ、市川崑の横溝正史シリーズの映画なんかは観れるようにもなり、むしろ大好きになって久しく、なんとなく気が向いて手に取ってみました。犬神家は何回も観てて覚えちゃってるので、うろ覚えの「獄門島」を。 読んでみると、確かに不気味な舞台、狂気を孕んだキャラクターの設定などはお馴染みの感がありますが、小説の表現としては、むしろそれを重く感じさせないような、軽い筆致でユーモラスであり、誰もが親しめる小説になってます。 むしろ、これをあの禍々しい映像美に仕立て上げた市川崑ってすごいなと。読んでる間中、市川崑風の極彩色な映像が頭に浮かんで支配されちゃってました。小説の読みやすさとのギャップを感じつつ。 ミステリーとしても古い感じはありませんね。これだけ陰惨な殺人が行われながら、全てが愛すべき人だということも魅力だな。 週末は、Amazonで獄門島観よ。
2投稿日: 2023.04.06
powered by ブクログ以前観た映像作品の記憶が残っていたので結末は分かっていましたが、私はそれでも十分に楽しめました。こんな動機や仕掛けが通用する当時の状況・・・ジトっとした雰囲気、閉鎖的なコミュニティ、島の闇夜などを想像するればするほどゾクゾクします。現代の日本ではもう体験できない世界におじゃました気分です。そして全体的に不穏な空気が流れる中、金田一と清水さんとのやり取りがいいアクセントになって好きでした。
2投稿日: 2023.03.05
powered by ブクログ金田一耕助シリーズはこれを初めて読んでしまったが、1作めの「本陣殺人事件」のネタバレはなかったので良かった。 古い文体が逆に心地よく話も面白く、他の作品も読みたくなった。
0投稿日: 2023.02.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
はじめての横溝作品 有名すぎて期待しすぎた ふんわりと島全員が絡んでるんでしょうねぇと思うし、そこまでいいなりになって罪なき若い娘3人も殺す?キチガイという設定にしてもつらい 会話劇やキャラにはそこまで面白みなく淡々としていて、ミステリー部分は名探偵アニメの劇場版な感じ たぶん、わたし、金田一耕助がすきじゃないかも
0投稿日: 2023.02.19
powered by ブクログ昭和23年の作品。 流石に古さがあって、見慣れない単語があるので、やや読みづらいが、現代の人が読んでも面白いと思う。 島の人は殆ど怪しくて、誰が犯人かは推理は難しいだろう。 ミステリー小説としては秀逸である。
3投稿日: 2023.02.10
powered by ブクログ#読了 ドラマで見たはずなのに、相変わらずちゃんと展開も結末も覚えてなかったシリーズ。いくつかのシーンは覚えてるんだけど、これがどう収束するのか気になって止まらなかった。 豪奢な振袖をまとった三姉妹が次々殺される現場の描写が美しい。薄暗ーい中の極彩色が目に浮かぶよう。
0投稿日: 2023.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大昔に読んだかもしれないが全て忘れているので、新鮮な気持ちで読んだけども面白くはなかった。探偵・金田一耕助シリーズの一番名作とされている作品を履修することができた以外の感慨はない。名作とはいえさすがに古いなという印象を持った。 昔の作品ではあるが文章は読みやすいのは良かった。 以下ネタバレ -- 本鬼頭家の娘3人が殺される。序盤は分鬼頭家の面々が怪しい。並行して、本鬼頭家の早苗さんが、復員した一かもしれないと勘違いして、偶然島に逃げ込んできた海賊を匿う。その海賊か、あるいは本鬼頭の気狂いの二代目あたりが犯人かと思わせて、真犯人は和尚、村長、村医者それぞれの個別犯行。先代の遺言を受けての犯行であったが、戻って本鬼頭の跡取りになるはずだった一も実は戦死しており、計画は成就しなかった。 なぜ私が楽しめなかったのかは以下: 読んでいて、まず殺された娘3人が終始頭悪そうなので殺されてもなんとも感じない。金田一耕助も、結局は事後に推理しているだけで事件は何も防げなかった。犯人の犯行も演劇じみていて、ストーリー内でも、俳諧好きの先代とその意志を継いだ3人の犯人の「見立て」演出のなせるわざだと説明されており、そういう趣向を金田一も「みんな気狂いだ」と論じているが、現代の私からするとリアリティがなさ過ぎて面白くない。 戦後時の話なので、文明の利器も当然少なく、ハリボテの釣鐘ぐらいしか装置的トリックもない。その他は「何時何分に誰々をどこどこで見かけたのでアリバイがある、うむむ、、」の積み重ねで構成されるため、現代の私が読むと物足りなさを感じるのはもちろんなことだとは思う。
1投稿日: 2023.01.06
powered by ブクログ梅の木に逆さ吊りにされた娘の死体、、、ショッキングな見立て殺人から物語は始まる。この殺し方の華麗さ、横溝先生の筆が冴える冴える。呪われた一族の血みどろな連続殺人に、金田一耕助のどこかのほほんとしたキャラがうまいぐあいにマッチして、なかなかに魅力的。
1投稿日: 2022.12.30
powered by ブクログこれは…!すっかり油断してた…! こんなに面白かったなんて。 島全体や島民に漂う不気味さ。終戦直後という時代背景。底なし沼にはまっていくかのような恐怖感と重苦しさ。それらを緩和してくれる金田一耕助という愛嬌と知性と人情性。 洗練されたバランス感覚に畏怖の念さえ覚える作品だった。 金田一耕助ファイルを全部読まなくちゃ!
1投稿日: 2022.11.24
powered by ブクログ横溝作品のなかでも有名な傑作ミステリ。 孤島で起きる見立て殺人、美人姉妹や、美少年、戦争の傷跡等、戦後の日本のその世間からも離れた場所で凄惨な事件が起きる。 読みづらいと感じることもあるかも。それでも読後は余韻に浸れる圧巻の読み応えだった。さすがミステリの古典。
1投稿日: 2022.09.01
powered by ブクログ登場人物の誰にも共感できなかったけど、文章は思ったより読みやすいし、文章を読んでいるだけで頭の中にぼんやりと獄門島らしき島の形が浮かんできます。
0投稿日: 2022.08.24
powered by ブクログ傑作と言われるだけある、凄い読み応えのある作品でした。 俳句による見立て殺人というのがもう斬新だし、何もかもが鮮明に思い浮かばれるおどろおどろしい表現力に圧倒されました。 ここまで「気ちがい」が連発するのも珍しい笑 時代だなあと感じました笑 終わり方があまりにも悲しすぎて…読後感の強い作品です。
2投稿日: 2022.08.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
余所者を寄せ付けない排他的な島というだけでワクワクしてしまう。それが海賊の子孫や流人の子孫で構成されているというのがまた曰く付きで、事件の背景としてぴったりだ。 美人だが倫理観のない3人姉妹や、縄張り争いに利用される美少年、座敷牢の狂人の登場にもワクワク。もう少し活躍して欲しかったが、嘉右衛門には誰も敵わなかったということだろう…… 俳句や芝居の見立て、安倍晴明の話も面白く読んだ。 本陣殺人事件から戦争を挟んでこの事件が起きたという時の流れがなんとも切なかった。大事な跡取りを戦争に送り出さなければならないこの時代の人々は身を切られるような思いだっただろう……戦後の混乱を生き抜くのも大変だったに違いないと想像させられた。
1投稿日: 2022.08.03
powered by ブクログ金田一耕助が活躍するものの中で最も人気がある作品の一つ。海賊と罪人の子孫が住まう閉鎖的な獄門島で、芭蕉などの俳句に見立てられて大家の娘が次々に殺害されていく。陰惨で病的な舞台が事件の様相に一層の恐ろしさを演出している。 ミステリとしては、犯人は誰かとか、どうやってアリバイを確保したかとか基本的なポイントは押さえているが、特に重要なのは、見立ての意味と殺人に及んだ動機だろう。いずれも真犯人の狂気を感じさせ、ゾッとさせられる。結局誰も救われなかった悲しい結末を迎え、耕助が島を去る際に合掌するシーンは切なく印象深い。 そのほか覚えているのは、耕助が牢屋に入れられるシーンだ。よそ者というだけでだまし討ちで牢屋に押し込むお巡りは酷いが、その中で呑気に食事したり寝たり、牢屋を出たあとも文句の一つも言わない耕助は、お巡りとは対象的にその器の大きさを感じさせて面白い。
2投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
出版順に読んでるから、二冊目は獄門島。 前評判がいい分期待値がめちゃくちゃ高かったんだけど、その通りだわ。納得。 殺人現場は陰惨さは、数多くのミステリーを読んできたのでそこまでとは思わず。 だけど醸し出す雰囲気がおどろおどろしくて、背筋を冷たい物が伝った。 それでも金田一が牢屋に捕まっちゃったりとかするコミカルなところは笑っちゃった。駐在さんの奥さんは賢くて優しいね(笑) あと私は座敷牢にいる男が実は娘のことを案じているっていう推理はまったくもって外れた。普通にキチガイだった。こええよ。 人間の狂っていく様、狂っている様、狂うのを隠している様が見事に描かれていて怖かった。 真相に関しては、運命の悪戯としか思えない…!! 私は和尚さんが好きだったよ。死体背負ってたって真実と、一年間見続けた結果三姉妹は盛りのついた雌猫だからこのまま生かすのもかわいそうだって一言にはぞっとしたけど。 金田一読んでるとさ、「これが〇〇を見た最後だった」「金田一は悔やんでも悔やみきれないだろう」って普通にネタバレする文章があるんだけど、それが一層話に不穏さを醸し出して面白い。 次は夜歩く!
0投稿日: 2022.07.04
powered by ブクログ文庫の帯にある綾辻行人の『「奇跡の一作」と讃えたくなる大傑作』の一言は全く大袈裟でなく、「悪魔の手毬唄」と並び、日本の推理、探偵小説の歴史に残る大傑作と言って過言ではないだろう。島民のほとんどがかつての海賊、流罪人の子孫とされる島が舞台。その島でおこる三姉妹の連続殺人。そして俳句に見立てた死体現場の演出。全てがまさに横溝ワールド。横溝ファンだけでなく、ミステリーファンは絶対に外せない一作だ。
0投稿日: 2022.06.21
powered by ブクログ初読み横溝正史さん。 舞台は岡山県笠岡にある島。 イマイチ金田一耕助を分かってないのかもしれないが、事件を未然に防ぐ人ではないのだね? 全て解決したあとまだあったオチがなんとも言えず最後まで楽しませる工夫。 しかしこの時代50前後の女性は老婆なのか。
6投稿日: 2022.04.23
powered by ブクログ『犬神家の一族』や『八つ墓村』と並ぶ、金田一耕助シリーズ作品の中でも特に有名な本作―――『獄門島』。何度も映像化されており、映像作品では観たことがあったが、原作には当たったことがなかったので、今回手に取ってみた。 「三人の妹たちが殺される」―――復員船の中で息を引き取った鬼頭千万太に遺言を託された金田一耕助は、瀬戸内海に浮かぶとある島に向かう。「獄門島」―――流刑民と海賊を系譜とする人々が住まうと言われる島。千万太の実家で、島の網元である本鬼頭を訪れた金田一はそこで、美しくもどこか気味の悪さを醸し出す、千万太の三人の妹たちと対面する。"太閤様"と慕われた先代当主・嘉右衛門の死、気が狂い座敷牢に閉じ込められている現当主・与三松、唯一の跡取り息子であった千万太の死、そして件の三人の妹たち・・・本鬼頭が抱える"危うさ"は、火を見るよりも明らかであった。そして、千万太の本葬が進められる中、三女・花子が姿を消してしまい―――。 『犬神家の一族』や『八つ墓村』等と同じく、やはりトリックを楽しむというよりは、事件が発生した原因となる、戦後の混乱期という時代背景や、村社会をベースとした人間模様を味わう作品。事件を解決するために集められた手掛かりは、全てこの事件の背景にある因業に深みを持たせ、彩るための画材である。読了後、事件の真相が分かった状態で読み直すと、"あの場面・あの人物・あの言動"の理由が心に沁み、なんとも言えない気持ちになる。これこそが金田一耕助シリーズの醍醐味。
0投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログ金田一耕助が瀬戸内の海を島に向かう冒頭からワクワクが止まらない。獄門島という舞台設定、登場人物たちのキャラクター、殺人の意匠、殺人の動機、全体のストーリーなどいずれも完成度が高い。金田一シリーズの中でも傑作と推す声が多いことに納得。
0投稿日: 2022.02.15
powered by ブクログ本陣殺人事件より戦争を挟み数年後の事件とのこと。 金田一耕助は戦争に行っていた。 亡くなった戦友に頼まれて、獄門島にやって来た金田一耕助は事件に巻き込まれていきます。 見立て殺人の物語でした。
1投稿日: 2022.02.01
powered by ブクログ戦争から復員した金田一耕助は、戦友の鬼頭千万太の遺言にしたがって、瀬戸内海に浮かぶ獄門島を訪れます。この島では、網元の本鬼頭と分鬼頭が大きな力をもっており、千万太は本鬼頭の跡取りとなることを期待されていました。彼は、月代、雪枝、花子という三人の妹が殺されるという予感をいだいており、金田一は彼の最期の願いを聞いて、この島へやってきたのでした。 島へ行く途中の船で金田一は、戦争中に供出した寺の釣り鐘を引きとりに来ていた了然和尚に出会い、彼の世話になって島に滞在します。しかし、金田一の懸念していた三姉妹の命は次々にうばわれてしまいます。 トリックそのものは多少強引なところも感じましたが、閉ざされた弧島に暮らす人びとの濃密な人間関係と、戦争が彼らの暮らしに落とした影などの設定に惹かれて、たのしんで読むことができました。
1投稿日: 2022.01.22
powered by ブクログあー、 金田一さんが石鹸で髪の毛洗ってもらってるー(読むたびに思ふ) あれは何なので良いのだが、お小夜さんの方、「へぼい伝統」ですらなく、徹頭徹尾蔑視されてゐる。 そして我らが金田一さんは、多分全員が首尾よくアレするまで、手を出せない。 しかも今回あれぢゃん。
4投稿日: 2021.11.19
powered by ブクログ映画やドラマは見たことあるので読んでみたいとは思っていたけど、少し古いしなかなか手をつけずにいた、金田一シリーズ。 角川文庫から新版も出ているし、表紙デザインもかっこいいので購入してみました。 読んだらもうびっくり。 昭和46年に出版されたとは思えないほど、古いとは思えない文章。 最初の獄門島の説明から引き込まれていきました。 もちろん、この話は戦後の話なので、携帯とかそういう文明の力はないけれど、そのころの様子がふと思い浮かぶ文章。 金田一シリーズ恒例の非残な死に方があるけれど、読んでて手にとるように伝わるから、すごい。 これを機にどんどん読みたくなりました。
0投稿日: 2021.11.15
powered by ブクログ昔の推理小説なので小難しいと考えがちですが、冒険小説の感覚で読めました。 ミスリードを誘う展開なので、なかなか一筋縄でいかないのがちょっと悔しいです。でも、そこが魅力でもあります。
2投稿日: 2021.11.03
powered by ブクログこれ、再読だと思う。 本のカバーは旧版の方が断然いい。 再読といっても話しは全然覚えてない。 横溝正史の作品に漂うなんとも言えぬ雰囲気が好きな私は、定期的に読みたくなるが、今回は「つけびの村」に触発されての再読でした。 横溝作品には人間の業が描かれている。 少し集中的に読んでみたいとも思う。
15投稿日: 2021.10.30
powered by ブクログちょうど時期が夏だったので。 そしてせっかくだから(世間的には有名だけど)話も犯人も知らないやつを。金田一耕助シリーズは父親も青春時代に夢中になっていたと聞いていたけど、莫大な量だからと敬遠していた。(あとはどことなく気味が悪かったから…) 推理物だから途中様々な角度から事件を整理したり犯行動機を推察したりと、読者もやむを得ず考えさせられる場面が多い。そのためか読後はえらいカロリーを消費したかのように疲れ切っていた。 まっさらな気持ちで島へと踏み出すと、早速入口からひんやりしていた。舞台の解説だってのに心が落ち着かず…とソワソワしていたが、それも束の間。見えざる何かに手を引かれるように気がつけば話の奥へと踏み込んでいた。 大抵の推理物でも言えるけど、得体の知れない怪談やオカルトに委ねることなく怪奇は人間が作り出すことをよく証明できている。 今回はお芝居にちなんだトリックやセリフが多く、凄惨な事件の数々に冷や汗をかきながらも案外楽しめた。 早苗さんのバックグラウンドについてもーちょい情報が欲しかったけれど、必要以上に首を突っ込まず事が終われば風と共に去るのが金田一耕助なのかなと納得するようにした。 次はいつどこでお会いできるのやら。
23投稿日: 2021.10.21
powered by ブクログ『ビブリア古書堂』から、横溝正史『獄門島』へ。 実は、初めて横溝正史読んだかも(汗)映像の方も何度もリメイクされてるみたい。それだけ人気ってことだね。また見てみたい。
0投稿日: 2021.10.16
powered by ブクログ思いの外読了に時間がかかってしまったが、今作も面白かった。事件の真相はそんなことあるのかと思うほど、まったく予想できず。動機が現代では想像もつかず、共感もできないので、純粋に本格ミステリをお腹いっぱい味わえて満足しきり。見立て殺人なんて久しぶりに見て、嬉しくてよだれが出そう。笑 もっと早く読んでいたたかったと何度も思うけれど、まだこのワクワクをたくさん味わえると思うと楽しみで仕方がない。最初は登場人物が多いうえに一気に出てきたので少々混乱したので、映像作品で入るとすっと頭に入りそう。映画化やドラマ化をたくさんされているので、いくつか観てみたい。
1投稿日: 2021.10.09
powered by ブクログもはや病みつきで、取り憑かれたように引き続き読んだ横溝正史5冊目。 1947(昭和22)年の作品で、金田一耕助デビュー作である『本陣殺人事件』の翌年。『本陣』は金田一が20代の頃で、戦前の話であったのが、本作では30代になっており、彼が戦争で徴兵されて戦地に赴いていたという意外な事実が記されている。物語的にも復員兵が故郷に帰るとか帰らないとかいうことが書かれている。 本作には、横溝正史の怪奇趣味はさほど現れていない。かなり純粋な本格推理小説だ。 先に読んだ『八つ墓村』(1949年)が事件の渦中に巻き込まれた第三者の独白体による冒険小説になっていて、金田一探偵はたまに顔を出す程度の遠景の人物であったのに対し、本作はほとんどが金田一耕助の視点で書かれている。だから推理の経過もある程度読者に晒されながら進むのだが、やはり結末部の直前に「あっそうか」と真相を掴む場面では、その推理の内容は書かれず、後回しにされる。 この「後回し」「事実記述の未来への延期」が、本格推理小説での決定的なエレメントなのであろう。そこに至るまでは、探偵自身が「勘違い」して間違った方向に推論を勧めたり、あるいは探偵の代わりのワトソン的な独白者が甘い推理で迷走する。この「延期されていること」という不安感はたぶん根源的な心理であって、得体の知れない怪異に襲われ、あやしい存在?の正体の解明が先送りされるホラー小説と重なる部分もあるように思う。もっとも、ホラーの場合だと「未来に延期された真相」の「未来」が永遠にやってこないままに終わる場合も多い。 事実、真犯人、霊現象の由来など、この「現在不在であるもの」へのノエシス、求心力が、小説を推進する原動力となる。またこの求心力は、フロイトの症例研究系の論文にも見られたことを思い出す。 本格推理小説では必ず用意されている結末での真相解明は、「不在」への読者の欲望を一気に満たすエクスタシーの瞬間であり、私の印象では、頭がほわっと白くなる感じである。 「なんだそうだったのか!」という快哉で終わる推理小説に対し、ホラー小説ではたとえば「なんだやっぱりダメか!」などと終わる場合など、何種類かタイプが分かれそうだ。「白くなる感じ」というエクスタシーを組織的にうまく構成してやることが、推理小説やホラー小説、あるいはそれ系の映画などの物語プロセスの定型であるように思う。 横溝正史はどうやらディクスン・カーあたりに熱中してきた人のようで、作家となる前身としてミステリ系の雑誌の編集などもやっており、とにかく古今の推理小説をたっぷりと浴びて自家薬籠中に蓄えているようだ。たとえば時期の重なる江戸川乱歩についてはどう思っていたのだろうか? そうした背景もちょっと気になる。
4投稿日: 2021.10.09
powered by ブクログ何十年ぶりの再読です。 見立て殺人の状況と犯人は覚えていましたが、横溝作品の一番大事な部分である「なぜ?」が完全に頭から抜け落ちていました。 当時、字面しかなぞっていなかったのが良く解りました。 「○○○○じゃが・・・・・」のセリフも、活字でこそのものだと感じました。 (おそらく、同じセリフでの制作は今後不可能でしょうけど。) 完全に錯覚させられました。 横溝先生、やはり素晴らしいです。 金田一耕助ファイル、全て読むしかないですね。
11投稿日: 2021.09.21
powered by ブクログ犬神家の一族、八つ墓村、悪魔の手毬唄の順で読んできて、他にも有名な作品を読みたいと思い、購入しました。ストーリー、トリック、キャラクター、どれをとっても上記の作品の中でも一番秀逸でした。ストーリーは、こいつが犯人だと思っていると、ひっくり返されます。キャラクターは、お志保さんが印象的でした。特に、道成寺を語りながら、少しずつ壊れかけていく場面が、映像として迫ってくる感覚がありました。ちなみに、私の好きなバンドである陰陽座が、道成寺蛇ノ獄というタイトルの曲を出しています。まさかこんなところで出てくるとは思わなかったので、嬉しい気持ちになりました。そして、他の作品と比べても、絶妙のタイミングで伏線が仕掛けられています。島田荘司の「読者に挑戦する」ではないですが、犯人を当ててみなさいと言われているような感じがして、楽しみながら読めました。
2投稿日: 2021.09.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夏なので幻想怪奇系積読を消化するぞのコーナーです。 横溝正史はミステリやけど、まあ半分ホラーみたいなもんやし、積読やないけど夏読書に選びました。 前に読んだ悪魔の手毬唄が面白かったので、岡山が舞台のはもっと読んでみようかなと思ってつい最近買った本。 悪魔の手毬唄にあったような不気味で怪しいホラー感はあんまりなかったな。ちょっとこわいミステリって感じ? 閉鎖的なド田舎ってそれだけでこわいよね。金田一くんももっと、よそもんは火であぶってしまえとか言われて追い回されたりするのを期待してしまったけどそこまで排他的ではなかった。 でも排他的で封建的なこんな島でしかないような事件で話は面白かったし、金田一くんが発句屏風を解読するとこなんかコミカルで、楽しいエンタメ読んだなあーと思ったよ。 あっそうそう、前半の清水さんがほんとに可哀想でさーー金田一くんはともかく、磯川さんはきちんとしっかり誠実に清水さんに謝るべきとこで、なんで清水くんの勘違いを笑うんや?おまえのせいだろうがよ。謝れ。 あとは了沢くんもすごくいいこだから幸せになってほしいな。
2投稿日: 2021.08.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ショックが隠せない... 「気ちがいじゎが仕方ない」という言葉の意味はまだマシだったが、釣鐘のトリックなどはどれも正直言って少しショボい。 坂の途中で和尚が一人になっていた時間があったり村長が見回りの際に「小便に行く」と言って一人になった時間があった、などの情報も完全な後出し。 それに結局"見立ての必要性"、"見立てた理由"に関してはほとんど説明されていない。 見立てが好きだからなんていう理由で納得できるわけないし... 雰囲気自体は悪くはないんだが、どう考えても東西ミステリーベスト2回連続1位に輝いた作品とは思えない。 期待がデカすぎた。
4投稿日: 2021.07.19
powered by ブクログ初の作家 1人の復員のウソで殺人が起きる。 金田一耕助が事件を解決。だけど殺すのを止めるのができないのは哀しい。 殺人を止めれなかったら解決しなければ幸せだったのに。
0投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログ初めての横溝正史。 なるほどな、と感心するところもあれば、そう来るの?というところもあり。読んでいて時代を感じさせる文体と舞台が魅力ではないだろうか。
0投稿日: 2021.04.21
powered by ブクログ「本陣殺人事件」は昭和12年のことで、金田一耕助は25歳くらいの青年だったが、その後は出兵していた。その部隊でいっしょだった鬼頭千万太が復員船の中で息を引き取ったときに言い残したことばをもとに獄門島へ向かっている場面から始まる。 それにしても金田一耕助の防御率の低さ…とはいえ、物語全体の耽美的雰囲気を完成させるためにはしかたないのかもしれない。場面ごとの絵が際立つので映像化したくなるのもわかる。
1投稿日: 2021.04.18
powered by ブクログ随分前に映像で観ただけで読むのは初めて 思った程難しい言葉もなくスラスラと読めやっぱり間違いなく面白かった
1投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
金田一耕助シリーズ3作目、実は1、2を飛ばして手に取ってしまったけど、知らなくても問題ない。なんだかんだ、横溝正史は初だったけど、おどろおどろしい雰囲気と犯人をそう簡単には明らかにしないストーリー展開はさすが。 復員やら、海賊やら、時代を感じるけど、むしろ当時の不安定さ、危うさが作品と相まって、さらに昇華されているように感じた。 この物語の犯人は犯人であって犯人ではない、金田一耕助はそれを殺人機械と表現したがこれがいやにしっくりくる。島の住人は誰しもが狂っている、もしかしたら、その世界ではそれが正常だったのかもしれない。 せっかくなので、金田一耕助シリーズを一通り読んでみよう。
1投稿日: 2021.01.04
powered by ブクログおそらく10年以上ぶりに読みましたが、最近軽めの小説を主に読んでいたせいか、読みごたえがありおもしろかったです。結末がわかってて読むと金田一耕助の言動がもどかしい!
1投稿日: 2020.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
★★★☆☆ 3.5 流刑人と海賊の子孫の島、本鬼頭と分鬼頭の両家の対立、金田一に託された友人からの言葉など不気味で不穏な材料が満載。作中のミスリードにまんまとひっかかってしまい、早苗さんと同じように考えちゃって、くぅ〜と唸った。最後に一発衝撃の事実(ある人にとってですが)まで用意されていて上手くできているなと。
1投稿日: 2020.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
3.4点 初横溝作品 ミスリードのオンパレードで読者を惑わす。 江戸川乱歩は読んでいたが、横溝正史はまだだったので今更ながら読んでみた。 古めかしい言い回しやお寺関係の言葉、俳句などの文化など教養が浅いため難しい面もあったが、物語が進展するシーンではハラハラとしつつ頁をめくった。
1投稿日: 2020.07.23
powered by ブクログ金田一が来なければ惨劇が起こらなかった可能性僅少 三十年ぶりに読んでも面白かった。本当に昭和は遠くなったなあ。 今ならスマホですぐ検索できるし、真っ暗な夜がある所も だいぶ減った。 犯人たち❓の、大人ぶった傲慢さが、叩きのめされるラストは、哀れというより様を見ろと言う感情が先に立つ。 美人もそれぞれ個性豊かで想像するのが楽しい。
0投稿日: 2020.03.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ヒントが少ないため、読者が推理しにくいという欠点はあるが、単純に面白いと思えるから良いと思う。 これを読んで面白く感じた人は、同シリーズの他作を読んでみれば如何でしょう。 おどろおどろしい死因や記述は少ない方だと思う。
0投稿日: 2019.08.14
powered by ブクログNHKスーパープレミアムで長谷川博己版を製作中と聞いて、なんとなく取り出してパラパラ見ていたつもりが、いつの間にか一冊読み切ってしまいました。横溝作品特有のおどろおどろしさはそのままですが、古典ミステリの分類になるはずなのにとても読みやすいです。再読なのですが、後半に畳みかけるように明らかになっていくこと等、ストーリーのいろいろな運びが美しく、圧倒されるように読み進めました。そして迎えたラストのやるせなさときたら…。現代でも評価が高いのが納得の一冊です。長谷川版の金田一耕助はどんなでしょう?楽しみです。
0投稿日: 2019.06.14
powered by ブクログ金第一耕助シリーズ最高傑作!! 週間文庫、「東西ミステリーベスト100」堂々の1位!! ミステリー小説の金字塔!! 天晴れの一言です。 かなり昔の作品ですが、今読んでも色褪せないお手本となるような作品です。 事件が起こる事を事前に知っていてもそれを防ぐ事が出来ない!次々と予言通りに殺されていく被害者たち!現在では到底出来ない殺人トリック、その時代(獄門島)ならではの風習、背景。そして真相! 最終章の怒涛の展開で何度唖然したか私自身も覚えていません。数あるミステリー小説を読んできましたが、この展開は初めてです。←当たり前か(笑) かなり昔の作品ですが、思ったよりも全然読みやすかったです。ただし、俳句の意味は分からなかったです。 それでも、絶対に読まなければならない一冊です。 未だ未読の方は是非ご覧になって下さい!
1投稿日: 2019.05.25
powered by ブクログ著者:横溝正史(1902-1981、神戸市、小説家) 解説:中島河太郎(1917-1999、鹿児島市、文芸評論家)
0投稿日: 2019.04.24
powered by ブクログNHKスーパープレミアム「獄門島」(主演:長谷川博己)が放送されるのを機に読んだ。 因習の深さ、大胆なトリック、最後に残る絶望感など、さすが名作と言われるだけのことはある。
1投稿日: 2019.03.02
powered by ブクログ島の閉鎖的な環境、一族のドラマチックな現状、詩情溢れる三人娘の名前。戦後間もない舞台でいかにも不穏な人間模様の描写がくどくど続くが、引き込まれる。 ミステリーものの登場人物は大抵疑わしく思わせぶりな態度を見せ、いかにも作者の思惑通りに動いている白々しさを感じる時がある。ここ獄門島では人はそう単純でなく、その人なりの事情なり思いなりとにかく多面的にちゃんと複雑にできている。その分文章がくどいものの、妙に現実味があり本物の事件を小説風に読んだ気になってゾッとする。 細かいところが気になりつつも、物語が綺麗に閉じる余韻の美しさに何もかも流される。読み出したら止まらなくなる逸品。
0投稿日: 2018.12.23
powered by ブクログ犯人は一体誰...と、気負って読んでみたものの え?何で?と、いまひとつ納得がいかねー。 ちょっと強引すぎるんじゃね。 映像より本のほうが面白いのかと読んでみたが、 映像のほうがいいかなー。
0投稿日: 2018.10.07
powered by ブクログ文句なしに面白い。閉ざされた島、凝り固まった人間関係、座敷牢に幽閉されるキチガイ、因縁や祟り…横溝正史作品のこの禍々しさ最高。そんな中で金田一耕助は朴訥としていて和むから大好き。それにしても、ちょっと頭がアレだったとはいえ、特に悪いこともしていないのに殺されてしまった被害者たちには同情を禁じ得ない。終戦直後の時代、色々な偶然が重なって起こってしまった、まさに悲劇。名作だなぁ。
5投稿日: 2018.07.08
powered by ブクログ怪奇的な連続殺人事件が起き、その謎を解く。うん、まあ今となっては普通の小説ですね。登場人物との心の触れ合いのようなものが少なく、それゆえ事件の解決にもあまり感慨が湧かなかった。それは島民の島国根性ならではのものだろうか。
0投稿日: 2017.12.11
powered by ブクログ芭蕉の俳句を「見立て殺人」の鍵として使っている。 この作品の後も「悪魔の手毬唄」でも同じように、古くから伝わる童歌を事件の鍵として物語を書いている。 文句なく面白い。 独特の雰囲気に加え、閉鎖的な島で起きる連続殺人。 陰惨な事件の背後に隠された、驚くべき犯人の動機・・・。 あまりにも有名になりすぎた伏線のひと言。 複雑に絡み合った人間関係を、金田一がひとつずつ読み解いていく。 運命に翻弄される人たちの哀しさが、事件の悲惨さと相まって余韻として残る。 この作品のおかげで芭蕉の句を覚えてしまった。 何回も映像化されたことでも知られているが、やはり小説として読んだほうが作品の良さを堪能できるような気がする。
2投稿日: 2017.02.28
powered by ブクログハセヒロさんのエキセントリック金田一耕助いいよいいよいいよ!有名らしい話をこのキャストで見られてよかった。
0投稿日: 2016.12.24
