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総合評価

217件)
4.0
67
70
45
6
1
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    はじめて読むタイプの文章だった。 子どもの頃の思い出を「こんなことがあったな〜懐かしいな〜」という目線で書くのではなく、その思い出を、そのときの自分の目で見たものや心の感じ方をそのまま美しい文章にしているような… 思い出を振り返ると必ず記憶が曖昧な部分が出てくると思うが、そういう言い訳のような文は一切出てこない。「この文章を書いている現在の自分」の存在を排除しているように感じる。 風景や人物描写も含めて、すべて実写映像ではなく、色鉛筆やクレヨンでスケッチブックに描いた絵のような印象というか…「現在の自分」は排除しているのに、文章から立ちあがるイメージが、子どもの頃こんなことあったな、という輪郭がぼやけたもので、一定の距離がある、という二面性が面白い。 『銀の匙』という繊細であたたかみのあるタイトルもすごくこの文章の雰囲気に合っている。 この著者は熱心に詩歌に取り組んでいたというのもうなずけて、たまにハッとするような言い回しも出てくる。 あとこういう近代日本文学の美しい女性の描写、儚げで美しくて大好き。 p.27 職人たちのなかに定さんは気だてのやさしい人で、削りものをしてるそばに立って鉋の凹みからくるくると巻き上がって地に落ちる鉋屑に見とれてるといつもきれいそうなのをよって拾ってくれた。杉や檜の血の出そうなのをしゃぶれば舌や頬がひきしめられるような味がする。おが屑をふっくらと両手にこぼすと指の又のこそばゆいのも嬉しい。定さんはいつも人よりか後に残りぱんぱんといい音のする柏手をうってお月様を拝んだ。私はいつまでも仕事場にうろついていてそれを見るのを楽しみにしていたが、ほかの職人さんたちは定さんに 変人 というあだ名をつけて、ああいう野郎はきっと若死にする なぞといっていた。 p.152 そのときの不愉快と不快……のうちに夕べの空にひとつふたつ輝きはじめる星、それは伯母さんが神様や仏様がいるところだと教えたその星を力に懐かしくみとれていれば兄は私のおくれるのに腹をたてて 「なにをぐずぐずしている」 という。はっと気がついて 「お星様をみてたんです」 というのをききもせず 「ばか。星っていえ」 と怒鳴りつける。あわれな人よ。何かの縁あって地獄の道づれとなったこの人を 兄さん と呼ぶように、子供の憧憬が空をめぐる冷たい石を お星さん と呼ぶのがそんなに悪いことであったろうか。 p.202 大きな丸髷に結っていた。まっ黒な髪だった。くっきりとした眉毛のしたにまっ黒な瞳が光っていた。すべての輪郭があんまり鮮明なためになんとなく馴れ親しみがたい感じがしてすこしうけ口な愛くるしい唇さえが海の底の冷たい珊瑚をきざんだかのように思われたが、その口もとが気もちよくひきあがって綺麗な歯があらわれたときに、涼しいほほえみが一切を和らげ、白い頬に血の気がさして、彫像はそのままひとりの美しいひとになった。

    0
    投稿日: 2026.01.27
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    橋本教諭ほど深く読めてはいないけど、自分の幼少期を思い出し、伯母を思い、私なりに愛されていたなぁと思いを馳せる。大人への成長を感じさせる後編は、ハッとさせられることもしばし。いつから素直に物を見聞きできなくなったんだろう…

    0
    投稿日: 2026.01.16
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    橋本武先生の銀の匙授業の本を読んでからこちらを読了。 いつもなら現代で使われていないかつ注釈にもないような表現があると途中で諦めてしまうことが多いのですが、今回は国語の授業のつもりで分からないところは一つ一つ調べて、鉛筆片手に書き込みながら読み進めていったのでこの本は世界に一つの私だけの銀の匙です。それだけで愛着が湧く笑 1章の長さが2〜3ページ程なのも読みやすくて良いです。 物語は作者の子ども時代の描写でしょうか。開かない引き出しから出てきた銀の匙から始まる物語。主要な人物には名前がないので自分の視点で読んでいるような感じ。 私は子どものときおばあちゃんと暮らしており、共働きの両親の代わりにおばあちゃんに面倒を見てもらっていたので、物語の伯母さんは私にとってのおばあちゃんのようでした。お国さんは隣に住んでた幼なじみの女の子ですね笑 そんな懐かしい気持ちになる小説でした。

    0
    投稿日: 2025.09.15
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    古い木箱から見つけた銀の匙をきっかけに、幼い頃の記憶が語られる。 子どものころの世界の見え方、考え方が、大人が思い出しながら話すそれとは違い、本当に子ども心に語られているよう。 前に読んだ『センス・オブ・ワンダー』に近い印象を持った。 子どものころには、子どもにしか感じられない世界がある。 周りのものに一々感動したり、悲しんだり、驚いたり。 大人になるにつれ、色々なものを知る中で、そうした感動は薄れていく。 私は息子と度々山登りをするが、いかに大人の私とは見ているものが違うかを実感する。 変わった形の枝、街では見かけない虫。 そうしたものに逐一足を止め、「パパ見て!」と呼ぶ。 大人であっても、そんな驚きや感動に満ちたこの世界の一端を、見逃さないように生きていきたいと思う一冊だった。

    12
    投稿日: 2025.07.29
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    風景描写がすごい。後編の十四の冒頭「地上の花を暖い夢につつんでとろとろとほほえましめる銀色の陽炎のなかにその夢の国の女王のごとく花にはここかしこに牡丹がさく」なんか、難しい単語は使ってないのにどうしたらこんなうつくしい文章が書けるんだ… ただ四三のお蕙さんと仲直りした場面の 「長いまつ毛が濡れて大きな眼が美しく染まっていた。そののち二人の友情は、いま咲くばかり薫をふくんでふくらんでる牡丹の蕾がこそぐるほどの蝶の羽風にさえほころびるように、ふたりの友情はやがてうちとけてむつびあうようになった」 とか、終盤の友達のお姉さんが出てくるとことか、女性が関わる場面の文章が他より甘い(?)気がしてなんかなあ〜〜なんて思ったり

    1
    投稿日: 2025.04.26
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    子供の頃病弱で小さい体に薬を飲ませるために用いられていたのが銀の匙で、ここから主人公の子供時代の物語が始まる。小学生低学年までは虚弱体質ですぐに泣き世話をしてくれた叔母さんについてまわっていた主人公だが成長するにつれて体も丈夫になり次第に独立して活動するようになる。大正時代の作品なので子供の遊びも現代とは異なっているがむしろその頃の遊びのほうが楽しそう。子供目線で子供時代を描かれていることが評価されているっぽくて確かに大人になってから子供の頃を思い出しても当時の感覚とか価値観とは変わってしまってるから読んでて子供の頃に戻ったような気分になった。

    1
    投稿日: 2025.04.12
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    著者の自伝的なお話だそうです。最初の方は少し退屈しましたが、だんだん面白くなってきました。いじめられっ子だったのが少しいい調子になった時には「あるある」と思いました。読んでいくうちに夏目漱石の「坊っちゃん」が好きな人は好きなのかなと思っていたら、巻末の解説で夏目漱石から絶賛された、とあり驚きました。

    0
    投稿日: 2024.10.22
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    読んでいる間、幸福な時間でした。 春夏秋冬の一場面を映し出す、芸術的な日本語。 息を飲む表現の数々に酔いしれました。 静かな空間、想像力と集中力を用意して読む本。 小説というより芸術作品、映像、絵画を見る感覚に近い。 唯一無二の日本文学、一番好きな本のひとつ。

    1
    投稿日: 2024.08.29
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    前篇で特におもしろかったのは「お蕙ちゃん」との顛末で、後篇では伯母との再会や、友人の「姉様」との経緯が心惹かれた。

    0
    投稿日: 2024.05.18
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    著者が幼少の頃の思い出が書き綴られている。本書はストーリー性、哀愁、教訓といったものを期待して読むものではなく、美しいものを鑑賞するように読むべきものである。 解説でも書かれているように、本書に描かれているのは著者が幼少の頃の視点の記憶でもなく、大人が想像した少年の視点でもない、少年の視点そのものである。子供がもつ目一杯に開かれた感受性が捉えた花鳥風月の描写が美しい。主人公の繊細な気質が相俟った子供の内面の描写も美しい。

    0
    投稿日: 2023.12.11
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    時代は全然ちがうのに そういう子居たなぁとか、そんなこと考えてたことあるなぁーとか、なんか懐かしい気持ちになった

    0
    投稿日: 2023.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    記憶力の化け物か感受性の化け物かその両方っていう本。 27歳の成人がこれだけ細かい描写で子供の心情を語れるというのが凄まじい。 p. 153あはれな人よ。なにかの縁あつて地獄の道づれとなつたこの人を 兄さん と呼ぶやうに、子供の憧憬が空をめぐる冷たい石を お星さん と呼ぶのがそんなに悪いことであつたらうか。

    0
    投稿日: 2023.10.02
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    おびのりさんのレビューで出会うことができました。ありがとうございます!図書館にあったのはこちらの岩波文庫でした。 解説より、前篇は信州野尻湖畔において書かれた作品でその時二十七歳。この作品の価値を最初に認めたのは夏目漱石で、漱石の推薦で新聞掲載されたらしい。後篇は夏叡山で書かれたとのこと。(解説和辻哲郎) 古い茶箪笥から見つけた銀の匙が小さい頃の思い出を象徴するように表題となっている。 前篇は、同世代とは馴染めなかった幼少期について、とても気のいいちょっと騙されやすい叔母からの愛情を受けての日常が生き生きと描かれている。駝鳥と人間の相撲という見世物の様子で観客は歓喜の声を上げる中、叔母は気の毒と涙する。叔母の計らいでご近所さんのお子さんと仲良くエピソード、学校に徐々に馴染んで学業にも少しずつ取り組む様子、毎日の家族や学校での健気な様子が眩しく微笑ましい。「ある晩私たちは肱かけ窓のところに並んで百日紅の葉ごしにさす月の光をあびながら歌をうたっていた。」 「ひーらいた ひーらいた、なんのはなひーらいた、れんげのはなひーらいた」 「うーさぎうさぎ、なにょみてはねる、十五夜お月さまみてはーねる。ぴょん、ぴょん、ぴょん」という謡、懐かしい。綾とり、にらめっこなどの遊び今は見かけない。 後篇は、キラキラした学童期から暗雲の兆し。担任の先生が急遽日清戦争に召集されて、「先生は戦争にでるのだから二度とあえないかもしれないが皆は今度の先生のいうところをよくきいて勉強して偉い人にならなければいけない」という言葉に涙をこぼしている。次の担任が「大和魂があります」と話す様子を抵抗して教師からの不信用と級友から軽蔑されてしまう。兄との仲たがい、姉への思慕なども織り交ぜて憂鬱な日々が続く。「晴れた夜など澄みわたる月の面をじっと見つめながら静な静な歌をうたうといつか涙が瞼にたまって月からちかちかと後光がさしはじめる」 成長して後叔母を訪ねる様子も切ない。「ほんによう来とくれた、まあ死ぬまで逢えんかしらんと思っとったに」と拝まないばかりにして叔母は涙をふく。最後の姉とのやり取りでも月が現れる。余韻に浸るため水蜜を味わいたくなった。

    24
    投稿日: 2023.05.30
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    自然の表現が分からない事も多いのに、どこか大事なこと、懐かしいこと、忘れたくない事が詰まってるようて、会津や白河のおばあちゃん家を思い出す本だった。2022年読了。

    0
    投稿日: 2023.02.20
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    やっとこさ読む事が出来た。 某進学校では3年間でこの本一冊を読む授業があったとか。 とにかく日本語の表現が独特。 嫌みのない表現と言えばいいのだろうか。 物語自体はどこか物悲しさを感じさせるラストではあるが、育ての親である叔母の優しさを事細かに、思い出すように描いている。

    0
    投稿日: 2022.09.12
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    大人になっても捨てられない銀の匙 虚弱な赤ん坊だった彼は それを用いて漢方薬を飲まされていた 母から聞いたその頃のエピソードをとっかかりに 幸福な少年時代が回想される 虚弱だったもんで伯母さんに甘やかされており 乱暴な男の子たちのことは憎んでいた それで、よその遊び相手といえば専ら女の子であった しかし成長するにつれ 虚弱なままでは女の子にも相手されないということに気づく それでだんだん活発な子供へと自分を変えていった 他の男の子と喧嘩もできるようになった ところが時は流れて奇妙なことに いつしか女性とまともに喋ることもできない若者となっていた そんな皮肉でこの話は終わる

    0
    投稿日: 2022.05.12
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     前篇が1911(明治44)年、後篇が1913(大正2)年の作。  当時夏目漱石がいたく賞賛した作品とのこと。確かに子どもの心、子どもの世界をよくとらえており、自分とは全く違う環境・違う経験のプロセスにいるのに、読んでいるとどこか懐かしい感じに囚われるのは、やはり「子ども」の普遍を掴んでいるからだろう。大人から見れば「ほほえましい」のかもしれないが、子どもは子どもで真剣に悩んだりしているものである。しかしその頃世界はまだ自分とつながっていて、全体はふんわりと包まれているような優しさだ。そんな幼年時代の、守られている幸福。  後篇でかつて長いこと可愛がってくれた叔母さんが亡くなるところが、悲しい。  文体はとても滋味があって良い。

    0
    投稿日: 2022.04.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    以前、北村薫さんの「詩歌の待ち伏せ1」を読みかけていた頃のこと、たまたま新聞の読書欄で、偶然にもその北村さんが私を待ち伏せしていた。 コラムのようなショートエッセイのような記事だったのだが、内容はこうである。 中勘助の「銀の匙」の大正十年の岩波書店版に、「夏目漱石と私」という文章が付されているそうだ。 教師時代の夏目漱石のエピソードを、漱石の教え子であった中勘助が書き留めたものだ。 「時の流れの中に確かにあった一瞬」だけれども、「中勘助という人がいなければ、確実に消え去っていた」一瞬でもあり、そうして「伝える者」がそこにいたからこそ生まれた、ということの素晴らしさや大切さを北村さんは書いておられた。 前置きが長くなったが、そんなわけで北村さんが私を待ち伏せして、ハイと手渡してくれたような気のするこの本を、再読することにしたのだった。 『銀の匙』 中勘助 (岩波文庫) 書棚の奥深くにひっそりと眠っていたこの本は、1990年の91刷版で、もうすでに古書扱いになっている。 こんなことでもない限り、たぶん私の人生の中ではもう二度と開くことはなかったであろう本だから、縁というのは不思議なものだなぁと思う。 この作品は、作者27歳のとき、大正元年から二年にかけて書かれたものだ。 ある日、茶箪笥のひきだしで「私」が見つけた小さな一本の銀製の匙。 それは病気がちだった幼い頃の自分が、薬を飲むために使っていた思い出の品であった。 これは、主人公の「私」が生まれた時から幼年時代、少年時代、青年時代へと続く思い出を綴った、中勘助の自伝的小説なのである。 難産で生まれ、虚弱で神経過敏だった幼少期の「私」を、親代わりとなって育ててくれた伯母さんの深い愛情。 伯母さんの背中に負ぶさって、お稲荷さんや大日様やお祭りやらに出かけたことや、お気に入りの玩具のこと、学校のことや友達のこと、いろいろな遊びのこと。 特に何の事件が起こるでもなく、まるで日記帳を1ページずつめくるように、ゆったりと丁寧に描かれる一人の子供の生命のきらめきが素晴らしい。 でも、彼はまあいわゆる良い子ではないんですよ。 家人にはわがままを言うし、我を通すし。 冷めた目で大人を見、長じては学校をさぼったり先生に口ごたえをしたりする。 しかし彼は、海の波の寄せる音に胸が迫って涙をこぼしたり、女性に淡い恋心を抱いたまま何も言えずに終わったりするナイーブで感受性の強い少年なのだ。 大人の目から見て良くできた子ではなく、当たり前の子供の成長が当たり前に描かれているところが、この時代の話にしては今っぽいというか、新しい感じがする。 年老いた伯母さんとの再会の場面や、その後まもなく伯母さんが亡くなったという事実も描かれるのだが、特別ドラマチックな脚色がされるでもなく、淡々とした語り口のまま最後まで同じトーンで書かれているのがすごい。 色がついていないからこその普遍性が静かな感動を呼び、この小説の魅力になっている。 またこれは、古い日本語の美しさを楽しめる小説でもある。 「倶梨迦羅紋紋(くりからもんもん)」「お賓頭蘆様(おびんずるさま)」なんて何とも味があっていいし、「でこでこ」(たぶんでこぼこした感じを表している)や、「ぽくぽくちりちり」という女の子のぽっくりの足音など、オノマトペが独特だ。 茶の木に咲く花のことを 「なんの奇もないながらかすかなさびのある茶の花は稚いおりの思い出にふさわしい花である。」 と書く。 なんかいいなぁ。 作者はもともと詩人だったので、文章が詩的で流れるように美しい。 短いセンテンスの中に映像が鮮やかに浮かぶ。 どことなくブラッドベリの文章に似ているなと思った。 昭和10年に書かれた和辻哲郎氏の解説によると、この作品の価値を最初に認めたのは夏目漱石だったそうだ。 漱石はこの作品の独創性(先人の影響を全く受けていない)を、高く評価した。 作者が亡くなったのは私が生まれた年だ。 もっと大昔の人かと思っていたので、意外に近い時代にいたことに驚いた。 文壇と距離を置き、特定の派閥にとらわれない孤高の文人中勘助。 地味だけれども味のある作家である。

    0
    投稿日: 2022.04.15
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    中勘助が、自身の幼少時代を振り返り、様々な出来事とその時々の心情を描いている。 解説を見るに、この作品が「大人の見た子供の世界」ではなく「子供の体験した子供の世界」として描かれていることに良さがあるとの記載があったが、私にはそこまでの良さは理解できなかった。 こういった話に少なからずでもオチを求めてしまうのは無粋なのかもしれないが、私にはあまり合わない作品であった。

    1
    投稿日: 2022.04.09
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    主人公と叔母の話 国語の教科書にのってそうな、綺麗な表現ってかんじ。ひらがなっていいなってなる。 内容はあんまり面白くなかったかなぁ、。 恋実らずずっと泣いてたしな

    0
    投稿日: 2022.03.11
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    導入で引き出しの中の銀の匙、というアイテムから子供時代の回想に入っていって、あとはもうひたすらに、子供時代が描かれていく。 描かれている時代に懷かしさを感じる、というわけではないのだけれど、 あぁ、こんな事に喜んでいたな、とか、ああ、こんな感じだったかもしれないな、と、自分の子供の時分にも思いを馳せる。 この鮮やかさはどこにいってしまったんだろうか。ノスタルジー。開けば出会える子供時代。

    2
    投稿日: 2022.03.03
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    著者の子供時代を描いた自伝的小説。書き口が可愛らしくて、思わず微笑んでしまう。「こう書けば可愛くなるんだろう」といった大人の打算は全く感じられず、子供の純粋な心がそのまま語られている。 巻末の解説に「描かれているのはなるほど子供の世界に過ぎないが、しかしその表現しているのは深い人生の神秘だと言わざるを得ない」とあるが、本当にその通りである。この作品はいくつものエピソードを通して、我々が子供の頃に確かに持っていた心を思い出させる。大人になった今、その心を認識し大切にすることで、人生は豊かになることと思う。

    0
    投稿日: 2022.01.29
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    伯母と私の物語。前編は伯母の主人公への優しさが溢れる。病気がちだったこともあり、自分の中に閉じこもりがちだった私を、上手く子供社会になじめるようにしたり、ぐずる主人公をあやす伯母の優しさがギュッと迫る。 後編は、伯母の元から離れて、別の人達と関わりをもつけれど伯母の影響がある もう一度読みたいです

    0
    投稿日: 2022.01.28
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    書斎の引き出しに昔からしまってある一つの小箱。子安貝や椿の実・・・こまごましたものがいっぱい詰めてあるが、そのうちに一つの珍しい形の銀の匙のあることを、かつて忘たことはない。 病弱で臆病だった幼少期から、多感な青年に成長する日常を、細やかに描写した自伝的小説。 創作ではあるのだろうが、かなり著者の人生が投影されている小説なのだろう。 とくに起伏もなく、この主人公、特に幼少期はぐずぐずと泣いてばかりだし、時代的なこともあるかもしれないが、青年期の女性への態度も自意識が高すぎて、どうも好きになれない。 でも、情景描写はとても微細で、特に『お恵ちゃん』との件などは面白く読めた。

    0
    投稿日: 2022.01.14
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    何が起こると言うわけでもなく、確かに変化していく少年の日々が描かれている。 流れる水を見ているようにぼんやり読んだ。

    0
    投稿日: 2022.01.10
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    読み始めると読み耽ってしまう幼少期の細かく綺麗な心理描写。 いま咲くばかり薫をふくんでふくらんでる牡丹の蕾がこそぐるほどの蝶の羽風にさえほころびるように、ふたりの友情はやがてうちとけてむつびあうようになった。 私はまた唱歌が大好きだった。これも兄のいる時には歌うことを許されなかったのでその留守のまをぬすんでは、ことに晴れた夜など澄みわたる月の面をじっと見つめながら静な静な歌をうたうといつか涙が瞼にたまって月からちかちかと後光がさしはじめる。

    9
    投稿日: 2021.09.12
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    子供の頃の思い出を子供そのままの瑞々しい感性で綴った私小説。病弱な幼少時代の前編と就学後の後編からなるが、いずれも人見知りで感受性豊かな筆者の体験は何処か懐かしい。毎年読み返すたびに「すべてのものはみな若く楽しくいきいきとして、憎むべきものはひとつもない。」そんな風景が当たり前であった過去を思い出し、大人になって失ったものの大きさを振り返る。

    2
    投稿日: 2021.08.28
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    子どもの公文国語に銀の匙が出題されていたことがきっかけで読んだ。橋本武先生が灘中で3年かけて教えたことは有名なエピソードであるが、それだけ深みのある作品なのだろう。幼少期の男の子の成長物語が明治の子供達の状況と合わせて丁寧に描写されている。美しく郷愁を誘う文体。主人公の男の子は、少し泣きすぎで、喝を入れるお兄さんの気持ちもわかる。伯母さんの最後は可哀想に思った。

    0
    投稿日: 2021.05.01
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    灘校で中学3年間をかけて『銀の匙』1冊を読みこむという授業 ということで読んだのだが正直よく分からなかった私には きれいな日本語ということだろうなのだろうけど 昔の日本の風景ということ以外入ってこなかった

    0
    投稿日: 2020.11.29
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    2020.7.22 体が弱いことからこの時代にしては甘やかされて(実際にしょっちゅうお菓子やらおもちゃやらを買ってもらえているのでそれなりにお金がある家と思われる)育ったのに、そんなに傲慢にならず感受性豊かに育った主人公の話。 前半は子どものころ面倒を見てくれた伯母とのやりとりがほとんどだが、文体が流麗で景色がありありと浮かぶ。現代語訳ではないけれど昔すぎないのでよく読めば意味は十分わかる。当時の流行り物やかけあいもおもしろく笑ってしまうところも多々あり、原文だからこそ伝わるものもあると思った。 日清戦争あたりの描写や「兄」に代表される、画一的でダイバーシティを良しとしない、「戦時下の日本」のような日常にたいして、男なのに星を見たりきれいな貝を拾ったり仏教的な慈しみに関心を示してしまう主人公。生まれた時代が遅すぎたか(平安時代だったら良かったのに)、または早すぎたか(2015年以降なら良かったのに)と思った。 とくに「あらすじ」はないけれど、読むとはまってしまいほろりとする、不思議な作品だった。

    0
    投稿日: 2020.07.22
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    中勘助の幼少期からの回顧録。物語を読めば分かるが、様々なことを経験し成長していく姿が美しい日本語で描かれている作品。

    3
    投稿日: 2020.07.19
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    私は平成生まれで、当然この物語で 描かれている時代については無知である。 しかし、懐かしい。 描かれる人々、風景、モノ、会話、その全てに 懐かしさを感じた。 おそらく、強く日本を感じるのであろうと 思われる。 自伝的な内容で、主人公の幼少から青年期までが 描かれている。 自分に重ね合わせながら、淡い心象描写や 美しい文体に惚れ惚れとする。 力強さはないが、日本文学の良いところ がありありと感じられる、素晴らしい本だと思う。 読むべき。

    0
    投稿日: 2020.05.10
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    1度途中で挫折したけど なんだか急に読みたくなって再読した。 伯母にずっとくっついていた事や、いくじがない性格が自分と似ていて共感する部分が多かった。 駄菓子を売っているじじばばが近所にいたり、 初めて学校に行く日の事を思い出し子供心を取り戻したような気持ちに。 ずっと手元に置いていたい一冊になった。

    0
    投稿日: 2020.04.27
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    著者の明治初期の幼少期から青年期にかけての思い出話なんかな。 時代は違えど、身の回りにあるもので何やかんやと趣向を凝らし遊ぶさまはどの時代もおんなし。 すごくちっちゃなもん、すごくおっきなもん、全然とどかへんもん、行ったことないとこ、子供はいろんな角度で世界を見つめ遊びを発掘するんやと、感心するし、自分もそうやったのに、どんだけ平べったくなってしもたんやとおちこむ。 ただまだ、ちょっとは感じれて、時々「ふふっ」と笑える。

    0
    投稿日: 2020.04.26
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    『伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力』を読んでから、ずっとずっと読まねば読まねばと思っていてやっと読んだ。子ども時代を回想して書かれているのだけれど、視点は子どもそのままに、描写は香ってくるように美しく、感情表現は淀みなくまっすぐ。時を経て場所を変えて印象的な人物との出逢い、会話、別れが淡々と綴られていくー。ただそれだけのことが、なんと愛おしい時間よ。これをほんとの「筆力」というのだろうな。こんな文章が書けたらずっとずっと書いていたくなるのだろうな。時代も性別もまったく異なる子どもが、すっかり住み着いてしまった。 この本で橋本先生の授業を受けた方々が心底うらやましい。

    1
    投稿日: 2020.03.24
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    少年を限りない愛情で包んだ伯母さんを、祖母と重ね合わせて読みました。 かぐや姫、桃太郎、さるかに合戦、一寸法師を寝る前に語り聞かせてくれたこと 毎日仏壇の前でお念仏を唱え、どうぞ家族をお守りくださいませと拝んでいたこと トランプ遊びを教えてくれたこと お人形の洋服を作ってくれたこと ガムの膨らまし方を教えてくれたこと バドミントンを一緒にやっては羽根が屋根に上がって、そのたびに脚立を使って取ってくれたこと 一緒に公園に行って私が滑り台をすべったらズボンのお尻が破けてしまって、隠してもらいながら家に帰ったこと 私の黄色いズボンを漂白剤を使って洗ってくれたため、所々の色が抜けて牛模様になったこと 私が格好つけようと思って切りっぱなしにしたジャージの裾を、綻びていると思ってすっかり縫い上げてくれたこと 私の鼻血が止まらなかった時、ずっと側にいてくれたこと、、、 今さらながら、私はおばあちゃん子だったんだなと思い返しています。 最期の2年間は、本当に安らかな時間でした。 認知症はあったけれど、それでもなお感じる優しさ、祖母らしいユニークさは、家族に安らぎと笑いを与えてくれていました。 何より、祖母がそこに居てくれるだけで、私は本当に救われていたし、元気になっていきました。 祖母との限りある時間を過ごす前に、居るだけで与えている、という眼差しを学べていたことは、祖母との時間を豊かに、しあわせなものにしてくれました。おばあちゃん大好き!もいっぱいいっぱい伝えることが出来ました。 おばあちゃんとの思い出を、ずっと全部覚えていたい!と思っても、ふとした時に、あぁ、こんなこともあったなぁ、と思い出す、、、つまり、いつの間にか忘れていたことに気づくのです。そんな時、少しさみしくもなります。でもそれは元気に過ごしている証なのかもしれません。 この本を読むと自然におばあちゃんのことを思い出します。祖母と私をつないでくれる大切な一冊になりました。

    0
    投稿日: 2020.03.05
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    伯母さんの愛情。 子供の頃を子供のままで描いた作品みたいだ。 ちょっと味わうには難しかったけど... 国語の授業の方も読もっと

    2
    投稿日: 2020.02.12
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    1935年、およそ100年くらい前に岩波文庫から出版された本です。どこでこの本の情報を手に入れたのか?もう定かではありませんが、1930年代のこの国の原風景をとても細やかに描写していて当時の日本の文化や空気に触れられた気がしました。 ちょっと繊細で弱虫な少年の幼少期の成長譚なんですが、読むほどに情景が浮かんでは消えて、泣き虫少年の胸の内に湧き出す喜怒哀楽がとても芳醇な描写や表現で綴られていて日本語自体の響きの柔らかさ、語彙の豊かさを感じます。 本作のように主人公が日常で感じる悲喜こもごもの心理描写を詳細に描いた物語って、読んでいてカズオイシグロ先生の「私を離さないで」を思い出しました。物語ではなく、少年期の日常エピソード集って作りです。読んでいて面白さもありますが、なんか「ほわっ」となる読後感です。

    6
    投稿日: 2020.02.04
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    これは自伝なのか小説なのか。 多分小説だな。 美しい言葉選びに昔ながらの情景を容易に想像できる。子供の純粋な心情を、格好つけることなく有りのままに綴る。夏目漱石も褒めたらしいですね。 少し癖に育ったように感じる主人公であるが、出会い別れを通して逞しく育っていく未来も感じる。 ケイちゃんが可愛らしかった。

    0
    投稿日: 2020.01.04
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    文章はそこらの小説よりもいいと思う。でも、同じような話ばかりで最後まで読む気がなくなってしまった。 少なくとも、僕とは相性の良くない小説だったと思う。

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    投稿日: 2019.12.09
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    著者:中勘助(1885-1965、千代田区、小説家) 解説:和辻哲郎(1889-1960、姫路市、哲学)

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    投稿日: 2019.11.13
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    "灘高で1年間かけて読み費やす授業" このフレーズだけにとらわれて読みました。 昔と呼べる時代の話で、背景・文化・言葉など現代とは大きく違うものの、少年の核なる心がしっかりと存在するままでの心情的変化と成長は、懐かしくも心苦しくもあった。 この作品を題材に1年間学ぶというのを素晴らしいと感じた。

    3
    投稿日: 2019.08.09
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    灘校の現国授業の教材としても知られる本書。中高の時期に3年かけて読み解き追体験する文学として確かに、多方面の取っ掛かりがある様に感じた。立場、環境とともに価値観がいかに移ろっていくものかというのがよく分かる。

    0
    投稿日: 2019.06.09
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    電子書籍で読んだので分からない単語を辞書引きしやすかった。 どこまでがノンフィクションなんだろう。近所の子供たちや学校での出来事は分かるにしても、それなりの頻度で挿し込まれる植物や景色の描写が細かく、それほど感性豊かな少年だったということなのか、それを示すための一表現なのか…あとは時代が違うから?自分の感性が幼少期時点で死んでいただけなのか… 後編の叔母さんのくだりはちょっと切なかった。

    0
    投稿日: 2019.02.12
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    一章ごとが短いのでとても読みやすい。 ただ、使われる表現や、内容が今と違うためストンと心に落ちにくい。 落ちにくいけど、スラスラと読める。そんな作品。 私にもう少し想像力があればもう少し楽しめたのかもしれない…残念…

    0
    投稿日: 2019.02.10
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    作者の少年時代(特に小学生)が描かれた話。 文字が小さくて読みきるには根気のいる作品に思えるが、読み始めると、近所の女の子と遊んでいる描写や担任の先生との会話や感情表現が具体的で面白く、明治時代にスッとタイムスリップできたような臨場感を味わえる。 自分が小学生の時に遊んだ "かごめかごめ"や"あやとり"でこの時代の子供も遊んでいたのだと思えるのも楽しい。 また、季節の移り変わりや、昼 夕 夜の表現がとても綺麗。 随所で 花 木 鳥 月の変化が書かれており、それがくどくなく自然と時の流れを感じられる。現代の喧騒とは離れ、静かで落ち着いた気持ちで読める作品。 一章ごとが短いのも読みやすさの一つ。 山手線一駅で一章読める程なので、ながら読書にもとてもおすすめ。

    0
    投稿日: 2019.02.04
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    少年時代の思い出が綴られた自伝小説。 淡々と読み進めれるが特にこれといった印象が残らなかった。 あとがきの解説で、この作品は子供心の細かい陰影の描写が素晴らしく評価されていることを知り、そのような視点でもう1度読むとまた印象が違った。 自分の感受性の無さを恥じた。

    0
    投稿日: 2018.12.28
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    特に前半の幼年期における周囲の描写がなるほど空前絶後にものすごい 明治の時代ものにしか現在からはみえないが 詩のような限られた言葉で幻想の姿をいいあらわす技術が徹底している 「坊ちゃん」のように「小説」でなくとも読まれる付けるだけの価値

    0
    投稿日: 2018.12.08
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    子供視点の世界の不思議さやそれに対する感受性とかの描写がものすごく細やか鮮やかに描写されている。 よつばととかリューシカの祖先とも言える作品だ

    0
    投稿日: 2018.11.24
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    移動中で読了 一人称の成長にあわせた変化をこうまで書けるものか これを高校の時期に3年間かけて読み込むというのは、確かにものすごいことだなー

    0
    投稿日: 2018.11.24
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    中勘助『銀の匙』岩波文庫 読了。抽匣から見つけた銀の匙をきっかけに始まる自叙伝風の作品。幼年時代の感受性のまま、大人の言葉で子供の心が事細かに描写される。間違いなく子供の視点で描かれているのだが、子供の表現とは思えず、だからといって大人の回想ではない。そんな不思議な印象を受ける。 2012/03/04

    0
    投稿日: 2018.11.06
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    四季折々の描写が美しくて心が洗われました。なんとなく、春はあけぼの…の枕草子を思い出した。子供の目を通して見る世界は色鮮やかで驚きに満ちていて、一日一日が輝いていた。もうほとんど忘れてしまったけど、確かに自分もこんな世界で生きていた…と、しみじみ読みました。 病弱で、あかんたれで、感受性豊かすぎる主人公を、優しく見守る叔母さんの愛情に心打たれた。また、お国さん、お蕙ちゃん、友達の姉様という3人の女の子たちに対する淡い恋心のような描写も微笑ましくてよかった。 特に何が起こるわけでもなく、少年の日を淡々とつづった物語ですが、日本語の美しさを堪能できる一冊でした。

    1
    投稿日: 2018.10.20
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    夏目漱石がその才覚を見出した中勘助。「銀の匙」は□□の17歳までの体験と内面を描いた小説である。題名でもある「銀の匙」が登場する棚の描写に代表される、心情の機微やきめ細かい描写が柔らかく美しい。純文学が持つ日本語の持つ品性や語感を楽しむ小説である。

    1
    投稿日: 2018.09.16
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    子ども時代のきらきらしたあれやこれやな内容を期待して読んだんやけど、冒頭のガラクタ箱のくだりが最高潮であった。 後半の最後の方も割と面白かった。情景描写はとても美しかったと思う。

    0
    投稿日: 2018.04.17
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    『君たちはどう生きるか』とはちがう、少年時代を詰め込んだすごい本。 表現の量とその美しさにびっくりしてしまった。これはすごい

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    投稿日: 2018.03.09
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    誰もが持っている記憶の中の少年時代を、美しい文章で蘇らせてくれる一冊。何度か読み返しているが、その度に、ある種の清涼感を心に与えてくれる。 銀の匙によって呼び起こされる情景は、波の音や、炎の揺らめきのような、気持ちを落ち着かせてくれる不思議な力を持っているように感じた。

    1
    投稿日: 2017.10.20
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    ある高校にはこの作品をテキストにして一年間国語の授業を行う教員がいたという話を聞いて読んでみた。 生徒が勝手に受験勉強していて授業なんてあってないようなもの、という高校だったのではないか。 解説に、作者の学生時代は詩歌を好んでいて、散文に触れることはあまりなかったというようなことが書かれていた。 確かに、詩歌ばかりに触れてきた人が散文を書いたらこんな作品になるだろうな、というものだった

    0
    投稿日: 2017.09.09
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    本書を読むきっかけは荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』であったが、全くもって共通項を見出せなかった。漱石が絶賛し、他の書評も美しい日本語で綴られているなど好評価なのだが、今一つ感動を覚えることはできなかった。主人公が同年代の女子と遊んでいる描写に、何となくエロティシズムに似た印象を受けた。解説の『大人が子供をしかる時などには、しばしば彼がいかに子供の心に対して無理解であるかを暴露している。』という言葉にグサッときた。

    0
    投稿日: 2017.09.03
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    解説にあったように、子供の視点そのままに子供時代を描いているゆえ、時に残酷で痛ましいけれど、そんな儚くもろい感情も魅力的だった。 美しかった。 特別な事件もなく、これといった特長のある話題でもないのかもしれないけど、なにか心に残る。そして、本好きの人には必ず勧めたくなる作品。 味わい深く、美しい。

    0
    投稿日: 2017.08.25
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    子どもの頃の何気ない経験は、大人になってから色々と意味を見出だすことが多いけれど、そんなことを思い出させてくれる一冊。 風景も心情もとにかく美しい本です。 心の洗濯をしたい方は、ぜひ。

    2
    投稿日: 2017.05.26
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    読んでよかったです 美しい文章とはこの本のようなことを言うのですね。 今は使ってはいけない言葉も出て来るのですが気にはなりませんでした。 それより□□になってる部分のほうが気になりました。

    0
    投稿日: 2017.04.25
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    不勉強で、中勘助を知らないままでいましたが、これは早く読むべき本だった。散文なのに、全編、これ「詩」というべき美しい表現がそこかしこに佇んでいる、そんな不思議な感じの自伝的小説。

    0
    投稿日: 2017.03.24
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    ◆きっかけ 岸本佐知子さんの小中学生時代の愛読書だと知り興味を持った。 ◆感想 人見知りの叔母さんっ子の目を通してみた子どもの世界、叔母さんの様子、町の様子、…。出てくる小物や食べ物も色々。物語にどんどん引き込まれるということら無かったが、出てくる物や描写を想像しながらそれをじっくり楽しむことができた。毎日少しずつ少しずつ読み進めた。2016/10/17

    0
    投稿日: 2016.05.23
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    かつて長編詩を著すことを志した作者ならではの詩のように美しい文章。 伯母の愛情と少年の感受性に心打たれた。 話の本筋以外における人物のやり取りや感情に至るまで、想像がかきたてられる。

    0
    投稿日: 2015.12.31
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    美しい文章。子供の頃を思い出したのではなく、子供の頃そのものの思いを書き連ねた一冊。 晩年のおばさんにも、泣ける。試しに音読してみたら、文章の美しさに感嘆した。

    0
    投稿日: 2015.12.30
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    不勉強でこの人の作品は読むの初めて。夏目漱石と同時代。独特の文廻しで、明治中期の東京近郊の子供の世界が美しく描かれる。この歳になっても出会いがあるのは良い。読むキッカケを作ってくれたひとの感性がまた良いのだ、感謝。本人は勧めた気はさらさら無いと思うけど。

    0
    投稿日: 2015.08.03
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    〈私は小暗い槙の木の陰に立って、静かに静かにくれてゆく遠山の色に見とれるのが好きであった〉 中勘助の自伝小説。おんなじタイトルのマンガがありますが、酪農は全然関係ない! 体が弱かった男の子が、自然豊かな町でたくましく成長していきます。ストーリーはなんてことはないのですが、自然の描写がとーーってもキレイです。 小学生時代のヒネくれたところに共感。ぼくも体が弱かったので、あー分かるなぁ、って笑 絵のような文学。

    0
    投稿日: 2015.07.17
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    函館から札幌までの電車の中で読みました。 灘中の国語の教材として使っていると聞いて興味が湧きました。(橋本武さん教師) やはり、独特な雰囲気を感じました。 繊細な少年の心の動き、考えを文章としてこんなにリアリティーに表現できるものかと感心しました。この教材を使いどんな授業か行なわれていたか知りたくなりましたね。

    0
    投稿日: 2015.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半、改行が少なくて読みにくい 作者が良く泣く 女の子と遊ぶ話多い 日清戦争、先生も「大和魂で勝つ」 作者は「日本負ける派」 脳弱の虚弱だけど、成長もする 作者は80歳まで生きて長生き 年表見ると、お兄さんが結構大変 医者だったが、脳溢血で失語症 自宅療養33年 妻の死後に自殺

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    投稿日: 2015.06.22
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    ふと気になり手に取りました。以前からタイトルは知っていましたが内容は知らず、作者の自伝的物語とあるので回想録のようなものかなと思ったのです。しかし読んでみると幼年期から少年期にいたる、その時その時の想いが瑞々しく表され、子ども故に抱える感情が真っ直ぐに胸に迫りました。 感受性が強く世界の全てに恐怖していた幼い日々。無償の愛を注いでくれる伯母さん。世界を開いてくれる友達。自尊心の高まりとともに現れる劣等感。他者と自己のバランス。それらが大人の解釈でなく、幼児の心、少年の心を通して描かれています。だから今から百年以上前の作品なのに、読みやすいのでしょう。

    0
    投稿日: 2015.05.12
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    残酷な「部分」がなければこういったものは書けないのではないかと、著者のどこか冷笑的な性質を鑑みて思いふける。

    0
    投稿日: 2015.04.05
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    この本をやっと手に取ることができた 大人が読んで新鮮な というよりは 私も子ども時代、中高生時代 こんな想いをもって生きていたこともあったな と、そんな自分の若いころの想い出も引き出してくれる 懐かしさがこの本に詰まっていました

    0
    投稿日: 2015.03.08
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     綺麗な日本語といえばこれ。心洗われたいときに読んでる。  読んでると色と風と味と人の温かさが見えてくる。

    1
    投稿日: 2015.03.01
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    子供の鋭い視線、質問には時々どきりとするけれど、まさにそのような子供視点の話。「だって先生も人間だって思うから」とか、好きな子にいつまでも素直になれないところ(!)に中勘助の繊細で心優しい人柄が伝わってくる。 謙遜しながらも周りから応援されたと聞くけれど、本当に人に恵まれていた方だったんだと思う。

    1
    投稿日: 2015.02.01
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    作者の当時の幼少期と自信のそれとは全く時期が異なるし,体験内容も違うのだけれども,幼き頃に感じた印象・思いというのはとても共感できた。 大人になった今では当たり前の景色でも,子供の頃はやたら不思議に映ってたなぁと妙な郷愁を感じてしまった。

    1
    投稿日: 2015.01.19
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    表現が美しい。 短く章立てされているので一つあたりの話に劇的な起承転結があるわけではないが、不思議と引き込まれる。 子供のころに見えていた世界を透明な水越しに覗き込んでいるような気分になる。景色もそうだが、心情もそうだ。 周囲と自分との差ーー例えば漢籍を知る主人公と知らない他の子供たちとの中国観の違いのようなーーを感じてしまう時、主人公は他の子供を見下しながらも孤独を覚える。 皆と同じであることは楽でしかも快感だ。しかし同調できない。協調性の有無ではなく、自分を裏切ることになる行為に諾と言えないのである。 だから、この小説は水鏡で世界を映したような美しさと悲しさを湛えている。

    1
    投稿日: 2014.12.08
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    夏目漱石が絶賛し、1913年、1915年に東京朝日新聞に掲載された中勘助の自伝的小説。主人公が子供の頃の生活を回想する形で書かれています。当然、作者が大人になってから書かれた作品ですが、感受性豊かな幼少期のことが生き生きと描かれています。読み始めた時は、独特の日本語の言い回しや使い方に少し苦労するのですが、慣れてくると突然目の前が開けたように様々な情景が目に浮かぶようになります。この本は、読む年齢や読まれる時代によって、ぜんぜん違った印象をあたえると思います。

    2
    投稿日: 2014.10.19
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    わたしが失ったものを、鮮やかに蘇らせる。これは・いったい・なんだ。そればかり考えていた。わたしにとっての銀の匙のようなものがきっとどこかにあって、わたしはそれをどこかにおいてきてしまったようだ。

    0
    投稿日: 2014.09.26
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    ★SIST読書マラソン2015推薦図書★ 【所在・貸出状況を見る】 http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=all&category-mgz=all&materialid=09930223 ☆展示:文庫本100年

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    投稿日: 2014.09.24
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    中勘助「銀の匙」(岩波文庫 緑51-1) 毎朝、一節(2〜4ページ)ずつ音読して読了しました。 また素晴らしい一冊と出会えました。 とにかく文章が美しい。読んでいて気持ちの良い作品でした。 また、大人の描く子供時代の心理描写ではなく、まるで子供時代に書いた日記のように生々しく、的確に心情を表現していて、不思議な心地でした。 内容は、ノンフィクションなので、非常にドラマティックな展開というわけではありませんが、全く飽きず、次々読みたい気持ちを押さえながら読みました。 引っ込み思案で人見知りな主人公にどこか親近感を覚え、少年の淡い恋心、別れ、死別…最近涙もろいせいか、思わず泣き出しそうな場面もありました。 あっという間に読める本です。 読んだことのない方は、是非一度読んでみてください^_^

    0
    投稿日: 2014.07.19
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    2014年6月26日読了。 子供の頃のできごと、子供の頃の世界がこうも鮮やかに描けるのは素晴らしい。

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    投稿日: 2014.06.27
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    日本語と言うのはこれほどまでに美しく優しいと認識させられる一冊。感傷的と言ってしまえばそれまでだが、幼少〜青年期の淡く儚く甘い思い出が書き綴られている。お盆の回り灯籠を眺めているような気分になる一冊。

    1
    投稿日: 2014.05.25
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    清らか、という言葉以外見つからない。とにかく混ざりっ気がなく、澄んだ文章というのはこういうのを言うのではないだろうか。

    0
    投稿日: 2014.05.08
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    時代は違うものの自分の子供時代にも、夢中になったことがあったと思い出させてくれる。今考えると、何がそんなに面白かったのかと思うんだよね。当時の子供の遊びで、今でも残っているものはあるんだろうか。凧揚げくらい?全編を通じて、伯母さんに感情移入して読んでいたので、最後が切なかったな。

    0
    投稿日: 2014.04.13
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    叔母との繋がりを主軸に置きながら 病弱だった少年の日々を追憶するではなく、 当時の感じた気持ちのまま回想している。 押しつけるようなメッセージはないまま 淡々と日々が流れていくさまが描かれているのですが、 1カ所だけ教訓めいたことが描かれている部分があったので引用します。 "蚕が老いて繭になり、繭がほどけて蝶になり、 蝶が卵を産むのをみて私の知識は完成した。 それはまことに不思議のなぞの環であった。 私は常にかような子供らしい驚嘆をもって自分の周囲をながめたいと思う。" それを実践した結果がこの銀の匙になったのだと思う。

    1
    投稿日: 2014.04.01
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    豊かで精緻な子ども時代の描写。 子どもの感じたことを、真実子どもの目で書くことのできる人は中々いないが、この人は本当に、日記に記していたのかと思いたくなるほどだ。

    0
    投稿日: 2014.03.28
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    2014年3冊目「銀の匙」読了。 灘中での授業も有名だったし、漫画「銀の匙」を読む前に、読んで見ようと思い手に取った一冊。 この小説を説明するのはとても難しい。何とも言えない独特の小説としか言いようがない。きっと同じような文章を書ける人はいないんだろうと思う。 何とも言えない感想しかかけない、何とも言えない作品だった。 # ちなみに漫画との繋がりはなかったです。これからあるのかもしれないけど…

    0
    投稿日: 2014.03.19
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    幼少のころの記憶をつづった小説。表現技法が巧みで、著者の幼少時代の記憶が懐かしみとともにきれいに表現されていると感じた。物語の内容自体にはそれほど感動するところはなかったように思われるが、言葉回しのうまさや情景描写が秀逸で、それらによって心を震わされるような場面が多かったように思われる。

    0
    投稿日: 2014.02.28
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    お姉ちゃんに「夏目漱石のこころみたいな、時代と雰囲気の小説教えて」と言ったら出てきました。 本当にありがとうございます。 癒されます。幼少期の2人が可愛いです。 ゆったりとしていて、特に目立った山場はありませんが、丁寧な心情の動きの描写がきれいです。 お兄さんとの話も結構好きです。 何故いままで読んだことがなかったのか、 何度も読みたい、本棚に置いときたい小説でした。

    1
    投稿日: 2014.02.18
  • 静寂で儚い調べ

     ガラクタと共に引き出しに入っていた銀製のスプーンにまつわる幼い頃の思い出を、青年になった主人公が語り進めるお話。 大人の言葉でよくぞここまでと思うほど、子供の情感が表現されていると感じました。 時代背景は明治、話し言葉も何もかも今とは違いますが覚えのある遊びや歌に懐かしさも覚えます。 文節が長く濁点なども少なく、流れになれるまで戸惑いましたが、読みすすめるにつれ何だかゆったりとした調べに包まれたようでした。 言葉は生き物といいますが、今は使われなくなった言葉が光って感じました。

    1
    投稿日: 2014.02.06
  • 小さな子供の世界

    特に大きい事件が起こるわけでもなく、描かれる日常。 大人になるとすっかり忘れてしまう気持ちが、しっかりと書き残してあります。 病弱で我儘な主人公は、読んでいて正直歯がゆい。 それでも最後まで読み切ってしまったので、魅力ある作品なのだと思います。

    0
    投稿日: 2014.02.01
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    話題になってたし、買ったまま読んでなかったし・・・でこの冬やっと読みまちた。 どうってことはない少年の回想で、『あすなろ物語』ってこんな感じだったかなあ…なんて思いながら。 描写の自然さは好ましい。 いじられすぎてないっていうのかなあ…ただ、これを一般に言われているように「名文」と評価できるほど自分は読んでないし、いかんせん語彙が古いから、古い小説を読みなれているつもりでも?マークの灯る言葉に結構出会って、己の未熟さを反省している次第です。 これを教材にするって、やっぱ勇気いる。 いや、あの方の年齢だからできたことなのかも。 とはいえ、たまに時代をさかのぼって読まなくちゃいかんですね…。反省至極。 というわけで積んであった『堕落論』に手を出しております。ふふ。

    0
    投稿日: 2014.01.08
  • 亡くなった祖母が大好きだった本

    この世に生まれて物心がついた子供の頃から、大人に一歩近づく青年になるまでの出来事を、情緒豊かにまとめた随筆集。著者の生きた時代は、現代の日本とは大分様変わりしてしまっているのに、どこか懐かしく自分の子供時代を思い起こさせます。 普通なら気にもとめないような日常の端々を切り取り、情景鮮やかに綴られる日本語の美しさは必見。 電子書籍版では省かれることの多い解説がしっかり収録されているのも◎。

    4
    投稿日: 2013.12.16
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    初めて読むような不思議な文章でした。 子どもの頃のことを綴っているんだけど、単なる思い出話ではないし、フィクションでもない。 解説にある「子供の体験した子供の世界」まさにそれ。 時代は古いけれど、同じように感じていた子ども時代の何とも言えない切ない気持ちを思い出させられます。

    0
    投稿日: 2013.11.04
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    少年時代にタイムスリップして、子供のときの自分をついさっき真横で見て来たかのような子細な描写! 俺も子供のころ、確かにこんなふうに感じてたかも……と古い記憶を呼び醒ましてくれるような。 後編で少し長じた主人公は、明晰かつ早熟、ちょっとヘッセの小説の主人公っぽい。

    0
    投稿日: 2013.10.29
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    幼い頃のあぶくのような記憶を、これでもかという程細密に綴った叙情あふれる一冊。小さな人の見る世界の、めくるめく感満載。読んでから20年以上たった今でも忘れられない本。

    0
    投稿日: 2013.10.19
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    子供の世界と大人の世界。人はそれぞれの都合からこれらをばっさりと切り分けてしまう。時代が進むほど、その溝は増々深くなっていくような気がしてならない。「銀の匙」はその間に横たわる深い溝に橋を掛けてくれる不思議な作品。

    0
    投稿日: 2013.10.05
  • 愛用書です。

    文章はいたってシンプルです。あとがきで和辻哲郎が言っているように”大人のなかに子どもが入っていって、書いたような文章”です。この作品を参考にしている作家さんは多いのではないでしょうか。阿刀田高氏が作品を書いていて、筆がのりすぎると、文章が乱れがちになる、そんなときに「銀の匙」をペラペラめくって数ページ読み、気持ちを落ち着かせて文章を整えると言っていました。

    4
    投稿日: 2013.09.27
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    惹きつけられて、どうしようもなくて、ただひたすらに、その文章の心地よさに浸っていたい。そんな気分にさせられた一冊。 なんて美しくて、繊細で、でも、溺れずにいられる、しかとした文章。 もうずっと、こんな世界を夢見ていた気がする。 壊したくない、けれど、留まるものなんて何もない。 変わってしまう中で、それでも変わることのできない自分もいる。 切なくて、でも、どこか普遍的でもある。 いつまでも、余韻が残る、一生に一度、心から出合えてよかったと思える、そんな作品。

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    投稿日: 2013.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ビー玉を覗いたような読後感。 これだから日本の純文学は…。こんなん物質社会の現代日本には酷なだけや!! いまどきの、これからの子はビー玉なんか覗くことはないだろう。 でも私は幼い頃、5~7歳くらいで覗いたことがある。これは優越感。 リキおじさん、ありがとう。

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    投稿日: 2013.09.21