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夜想曲集
夜想曲集
カズオ・イシグロ、土屋政雄/早川書房
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総合評価

139件)
3.7
21
48
42
6
0
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    短編集。カズオイシグロの「少し前に一世を風靡したのに今はもう若い世代の尊敬を受けられない初老の男」に対するこの執着はなんなんだ。日の名残も含めていろんな人種、いろんな職業を着せ替えては、若い頃から繰り返し「昔はすごかった男」の物語を描き続けていてcreepyでさえある。 2話目の音楽の趣味のいい英語教師の話がいちばん書き手自身が投影されていそうなのに、プロットはメチャクチャで笑ってしまった。

    0
    投稿日: 2026.01.24
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    カズオ・イシグロに触れたのはほんの数冊(その内一冊は二十年近く前に読んでよく分からなかったというオチまである)なので今作の軽やかで、時に切なく、時に楽しいバラエティに富んだ内容なのは驚かされた。 人生の出会いと別れ、それら一つ一つに悲しんでどうするのか。いつか必ず終わる一時のどんちゃん騒ぎ──そんな風に言われたようだった。 文体も優しく包み込むような雰囲気があり、静かにジャズをかけながら浸りたい。

    1
    投稿日: 2025.12.22
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    カズオ イシグロの短編集。男と女の惹かれ合う思いや言葉、外国のその地での情緒の他に、何よりも流れ出てくるメロディーの調べが心地よい。そしてくるりと笑ってしまう展開。これまで読んできたイシグロ氏の著作の中でこんなに面白みのある本、あったでしょうか。映像化されたら、どれもこれもまた違った楽しいものになるでしょうね。

    19
    投稿日: 2025.12.13
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    繊細な台詞と開かれた結末。読後、何日も心に残り続けるイメージが、まるで作品自体が語りかけてくるかのようだ。ただし、英語版で読んだほうがイタリアの情緒や登場人物の感情が’、より生々しく伝わったかも知れない。

    0
    投稿日: 2025.12.08
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    リベンジ2回目なんだけどいつも2話ぐらいは楽しく読めるんだけど、淡々と進む会話劇に疲れてしまってその後に進めない。

    2
    投稿日: 2025.11.08
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    老歌手からもうすでにいい。構成とキャラ設定、ストーリーの流れ、全部拍手喝采。行を追うのが止まらない。

    0
    投稿日: 2025.08.19
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    翻訳ものは誰が翻訳したかによっても評価が分かれると思いますが、とても読みやすかったです。訳されることを前提に書いていると知った時は驚きました。 音楽をテーマに5つの短編が収録されていますが、一つ一つ異なるテイストで楽しく、すぐに世界に引き込まれました。 余韻のある読後感も心地よい一冊だと思います。

    0
    投稿日: 2025.08.10
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    カズオ・イシグロを読むのは、「日の名残り」について2冊目。「日の名残り」が長編であったのに対して、本書は、「音楽と夕暮れをめぐる」5つの連作短編集である。いずれも、書下ろしとのこと。 5編の短編は、物語としてとても面白いものであった。 どれも面白いが、どれか1つを選べ、と言われれば、私であれば「老歌手」を選ぶ。老いた歌手は、まだ年老いたとは言えない妻に、ベネチアの運河でゴンドラに乗り、妻のいる運河沿いのコンドミニアムに向かって歌う。愛し合っていながら、別れを選択するという不思議な世界に生きる2人の、しみじみとした物語として、私は読んだ。

    19
    投稿日: 2025.07.14
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    好きな作家の短編集。もう少し音楽に造詣が深ければ (背景が分かれば) より味わえるのだろうが、分かったのはABBAのdancing queenだけというお粗末な自分には少々 (?) レベルが高かった。音楽と男女の関係をモチーフに、時の流れの残酷さ (過去も未来も) と共にどこか「日の名残り」を連想させるノスタルジックな雰囲気や人間関係の機微を感じさせられる。 全般読みやすい文章で、ハチャメチャなものから、コメディタッチなものまでテイストが違う作品も含めてサラッと楽しめるのは短編集ならでは。音楽に疎くても。

    1
    投稿日: 2025.04.20
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    音楽にまつわる短編が5編収録された作品 いずれの作品もとくに盛り上がりは感じませんでした それなりに楽しめた感じではあります 映像化しても楽しめるかもとも感じました

    21
    投稿日: 2025.03.31
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    全体的な曇り空がずっと続いているようなノスタルジックな雰囲気を纏っている短編集。本作はクスっと笑えるシーンも多くて、新鮮な気持ちになった。 個人的には「降っても晴れても」がお気に入り。 まず主人公があまりに不憫すぎる。やる事なす事想像の上をいってて面白かった。それと対比するように、出てくるジャズの選曲がどれも本当に最高で。この話を読んでジャズにハマった。ぜひサラ・ボーンの“April in Paris”を聴きながら読んでギャップを楽しんでほしい。 それにしても土屋さんの訳は何度読んでも素敵だなぁ。一節読むだけでカズオ・イシグロの世界にどっぷり浸かれる。さらに読みやすい。次作も期待したい!

    1
    投稿日: 2025.03.02
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    2024/6/9 初イシグロ 淡かった 五個?の短編 あのイギリス田舎の、ホテル勧める話が一番すき あと友達の家めちゃくちゃにする話もいいな 内容というより、ジャズ聞にながら時間を楽しむ本だわ

    0
    投稿日: 2025.02.08
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    5篇の短編からなる。 「夜想曲」などに出てくるリンディーガードナーはカズオ・イシグロのお気に入りキャラだろう。 天真爛漫なセレブに売り回されるミュージシャンたち。 5篇の短編はすべて音楽に関係のあるストーリーで、切なく、ときにクスッと笑える要素を含む。

    2
    投稿日: 2025.02.02
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    大人というかシニアの恋愛小説を読みたくて手に取った初めてのカズオイシグロ。叙情的で常に儚い雰囲気が漂っている、好みな作風。出てくる音楽、特にジャズにとてもハマってしまった。降っても晴れてもに出てくる音楽と、それに似つかわしくないドタバタ感のギャップが良い。 身体の関係の描写がないところも良かった。

    1
    投稿日: 2025.01.13
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    音楽と夕暮れという副題の通り、ミュージシャンや音楽に想いを馳せる人々が集う作品集。目に浮かぶような情景描写は、音楽をテーマにしても変わらず。登場人物たちがステージやレコードについて語るシーンがこんなに生き生きと書かれるとは! コメディライクな作品もありかなり読みやすい。 個人的には『夜想曲』がとても好みだった。テレビ映画くらいの長さで映像化してほしいくらい。

    0
    投稿日: 2025.01.03
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    副題のとおり音楽と夕暮れがテーマの短編集ですが、胸がジンとする話やクスッと笑える話まで幅広いお話が収録されています。 どのお話も主人公たちは現実的な悩みを抱えていて、それを主旋律として他の様々な登場人物や出来事が副旋律として重なり合い、複雑で厚みのある物語となっているように感じました。 個人的には「老歌手」・「降っても晴れても」が特に面白かったです。前者はしんみりジーン、後者はふふっわはは、的な感じです。

    4
    投稿日: 2024.10.20
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    カズオ・イシグロの短編集。 音楽と夕暮れって、本当によく付けたタイトルだと思う。いわゆる人生の黄昏時を表現してるんだけど、短編の主人公5人とも自分とはかすりもしない人生を歩んでいながら、もう節々に「その気持ち分かるわー」と感心する時がある。 カズオ・イシグロって、そういった誰の人生でも経験する言葉にし難い気持ちを文章に表現するのがすごく上手い。 正直ストーリー的にはそれほど引き込まれなかったんだけど、その絶妙な文章に出会いたいために、また他の作品も読みたくなってしまうんですよ。

    9
    投稿日: 2024.09.28
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    カズオ・イシグロ初の短編集。面白かった。 作者らしい上品な文章と雰囲気は、ドタバタな場面でも損なわれていなくて妙に感心した。 整形したサックス奏者の彼が、うまくいっているといいなと思う。 そして、訳者あとがきで印象に残ったのは、カズオイシグロが、自作を様々な言葉に翻訳されることに不安やプレッシャーを感じているということ。 「インタビュー症候群」と命名されていたけど、新作を書いて最長2年をかけて世界各国をまわり、膨大なインタビューを受ける。そのときに、翻訳された言葉について不安を感じる場面があったのだろうか。 それにしても1、2年もかけて世界中をプロモーションするなんてすごすぎる。村上春樹さんはこれを最初から断って批判されたそうだけど、たしかに途方もないことだものなぁ。 そうなると毎年のように作品を発表している有名英語圏作家は超人なのだな。

    0
    投稿日: 2024.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    カズオ・イシグロの作品を読むのはこれで三作目。 これまで読んだ二作の長編(「私を離さないで」と「遠い山なみの光」)と異なり、今回は短編集でした。これまた全く作風が異なり、エンタメ寄りの味わいのある作品集でした。器用な方なのですね。 ・・・ そんな短編集の中で私が一番気に入ったのは「降っても晴れても」ですかね。 英語教師としてフラフラしつつ?今はスペインで教えている主人公(50ちょいのおっさん)が、大学時代の仲間の元へ遊びに行く話。 この二人(夫婦)とも世間でしかるべく出世を果たした模様。ただし来てみると人柄も何となく変わり、どうにも不穏な空気。諸々聞くと、主人公氏は二人のこじれた仲を取り持つべく呼ばれた模様。彼は孤軍奮闘するさなかで、物事がうまく運ばないという不穏さを引きずりつつ、徐々にユーモラスなテイストが混じりつつ進行してゆく模様は技ありでありました。 ・・・ なお、それ以外の短編もなかなか良かったです。 因みに解説によると、夫婦仲というテーマが一つ。もう一つは音楽とのこと。特に前者では明言されない不穏な夫婦仲を描く様子がどれにも挿入されており良かったですね。お尻がむずむずしてくる感じ。 一応以下、簡単に。 「老歌手」・・・一発飛ばした歌手が、再ヒットを目指し愛する妻と別れるために用意した儀式とは。行き過ぎた資本主義ショービズ界と純朴な共産圏出身の若者とのギャップがスパイスに。 「モールバンヒルズ」・・・アーティストを目指す若者が田舎でカフェを営む姉夫婦の居所で過ごす日々。そこで出会うプロの演奏家夫婦とのふれあいを描く。 「夜想曲」・・・これも良かった。才能は十分、ルックスだけ欠けた男。妻に出ていかれ、その代わりに整形費用を出すという元妻。とうとう離婚も整形手術も承諾した男は、術後に一流ホテルで日々を過ごす。隣室にはご意見番的芸能人が手術後の安静のため過ごしており、彼女の勢いに次第に翻弄されてゆく。ドタバタ系。 「チェリスト」・・・決してチェロを弾かない「大家」が指導する、才能ある若手チェリストの話。若手チェリストの、師匠を見る目と揺れる心の具合。これもまたなかなか良かった。 ・・・ ということで、イシグロ作品、三作目を読了しました。 三作品読んで感じたのは、氏の「不穏」の表現の秀逸さです。Uneasinessとでも言いましょうか。嫁が普通のふりして怒っている時に似ています(似ていません)。 明示的ではなく、説明的でもなく、人物はしっかり描かれているのに、何だか尻が落ち着かんのです。 こういう「味の効かせ方」もあるのか、と感心した読書体験でした。他の作品も続けて読んでみたくなりました。

    0
    投稿日: 2024.03.01
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    なんかお洒落な感じの短編集だった。人生の黄昏的なところを描く人なのかな。ちょっと沁みるところもある。夫婦関係が悪化する様子とか。 若いとき読んだ「日の名残り」はものすごい退屈だったけど、今読んだら面白いのかな。クララ~は面白かったし。

    0
    投稿日: 2024.01.22
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    4冊目のカズオ・イシグロの作品である。 カメレオンのように作風を変えられる、“ひとり映画配給会社”と私は彼を呼んでいる。 そのイシグロは、実は音楽にも精通していて、シンガーソングライターを目指していたこともあったとか。そんなところから生まれているのがこの短編集で、5篇をひとつとして味わうように求められており、すべてミュージシャン(もしくは音楽愛好家)を題材としている。 今まで読んだ中で、最も読みやすい、ムード漂う作品集である。ドラマ性や落ちはなく、人生の一瞬を描く趣向となっている。長編小説とは全く異なる素顔のイシグロの感性が垣間見られた。 主人公は皆、才能はあるが認められておらず、たゆたゆと人生を彷徨っている。読み手も、物思いに耽りながら、カフェで頁をめくるのにうってつけの良書ではなかろうか。 私のお薦めは、コメディタッチの強い中盤3作品よりも、コリッとした読後感のほろ苦さ(これが著者の本領)がある「老歌手」、「チェリスト」。 ヘンな言い方だが、カズオ・イシグロって大家のように思って見てたけど、現代作家なんだよね。

    2
    投稿日: 2023.08.20
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    これもブックオフで買った。音楽家や音楽を愛する人の短編集。 間抜けだったり、見栄っ張りだったり、強欲だったり… あんまり良い奴は出てこないけど、他作品のように重苦しくはない。もの悲しくはあるけど。

    1
    投稿日: 2023.02.01
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    常に音楽が流れている短編集。 冷めきった関係を復元しようとする老歌手や、メジャーデビューのために整形手術を受けるミュージシャンとか、設定が微妙に現実離れしているところに面白さがあって、すぐ読めてしまいます。 面白くて品のある短編集です。

    0
    投稿日: 2022.12.02
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    カズオイシグロの短編集。タイトルにある「夕暮れ」とは、サンセットタイムだけではなく、人生の夕暮れ(中年から初老の世代)とか男女関係の夕暮れ(別れの予感がある状態)を指しているようだ。熟年離婚、旅先での喧嘩、不安を感じる結婚相手など、何かしら影を感じる設定である。 登場人物はいずれも「若さ」「付き合いたての頃」「才能」への憧れを持っており、やるせなさを織り交ぜながら切ないストーリーが展開する。それでも、コメディの要素が含まれる話も2話入っていて、ユーモアたっぷりの登場人物とぶっ飛んだ展開に驚かされ、思わずクスッと笑ってしまう場面もあった。切ないストーリーでテンションが下がった読み手としては救われる。

    9
    投稿日: 2022.11.23
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    音楽の才能と人生の折り返し。広い世間と身の回りとの違和感を、ユーモアを交えて描く。 同じ作者の短編集で、同じテーマを繰り返す。扱い方や描き方の相違点や共通点を眺めていく楽しみ。五つの短編全てが書き下ろされたということも納得の一冊でした。

    1
    投稿日: 2022.11.22
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    副題は「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」。 全盛期を過ぎた歌手が再起を目指して愛する妻と別れようとする「老歌手」。 音楽の趣味でつながった大学時代の友人夫妻との、今となっては埋めようもない価値観の溝をコミカルに描く「降っても晴れても」。 メジャーデビューに目指し作曲にいそしむ主人公が旅回りの音楽家の夫妻とのわずかな交流の中に、人生のままならなさを感じる「モーバンヒルズ」。 「夜想曲」は、「老歌手」で出てきたリンディが再び登場する。 風采の上がらないサックス奏者が整形手術を受けさせられ、術後を過ごすホテルの隣室に彼女がいる。 二人とも顔を包帯でぐるぐる巻きにされている中で、退屈しのぎに深夜の高級ホテルの中を歩き回る。 なんとなく『ローマの休日』のような、昔の映画にあるロマンチックコメディ風のドタバタ。 が、結末はちょっとほろ苦い。 最終話は、音楽院を出たものの、その後の演奏活動で行き詰っている若手のチェリスト、ティボールの物語。 広場で出会い、彼にレッスンをする謎の女性。 彼女はいったい何者なのか。 才能と教育の問題を考えさせられる。 どの話も、主人公は天才的な音楽家というわけではない。 音楽に関わりながら、時にままならぬ人生を生きる人々だ。 割とドライな筆致でありながら、どこかにこうした人々の哀感がにじんでくる。 すばらしい短編集だった。

    1
    投稿日: 2022.09.23
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    短編集。笑って、しみじみして、唸って、ため息ついてまた笑って。 一番好きなのは「降っても晴れても」。 どれもラストは僕好みだった。

    0
    投稿日: 2022.09.19
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    カズオ・イシグロ(1954-)は、『日の名残り』(1989年)で、イギリスで最も権威ある賞「ブッカー賞」を受賞した、世界的作家。長崎県長崎市で、日本人の両親の元に生まれましたが、5歳でイギリスに移住。成人までは日本国籍、その後、イギリスに帰化しています。2010年に映画化された『わたしを離さないで』で、また、2012年4月に、NHKで「カズオ・イシグロを探して」と題したドキュメンタリーが放送され、日本でもより知られるようになりました。 『夜想曲集』(2009年)は、「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」という副題が付いた、初の短編連作集。どの物語も、人生の後半や終盤にある人物が、自らの過去(=夕暮れ)を、ジャズ、クラシック、ポピュラーなどの音楽とともに振り返ります。 この連作短編集を読んで私は、自分が若い頃にこの本に出会ったならば、今とは違い、ストーリーの展開や場面設定の巧妙さにばかり感嘆しただろうと思います。しかし、人生も優に半ばを過ぎ、振り返る時間が堆積した今、私がこの短編集から読み得たのは、感情の渦に巻かれ、愚かしい選択を繰り返してきた人間の、それでも肯定する他ない人生への愛着でした。 いずれにせよ、これが私の人生だった。そしてこれからもそれは同じ――。作家と出身地を同じくする私は、身勝手にも、遠いイギリスからそんな激励をもらった気持ちなのです。(K) 紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2012年1月号掲載。

    0
    投稿日: 2022.09.05
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    短編集。‥‥の割に情報量が多い。一気に読むと疲れるかもしれない。ユーモアは感じたが、いつものすっとぼけたような趣きは感じられなかった。

    1
    投稿日: 2022.08.05
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    音楽と夕暮れをめぐる五つの短編集 相変わらず靴の中に小石が入ったような 微妙な違和感は相変わらず 音楽のオチがついてるのはそのうちの二編 長年連れ添った妻にヴェネツィアで唄を捧げる 『老歌手』、不思議な才能をもつ美女との レッスンを繰り返す『チェリスト』が好き

    2
    投稿日: 2022.06.05
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    チェロの師匠の話が衝撃で面白かった。 船と歌のシーンは、ロマンティックなムードの情景が頭に浮かび、印象に残っている。 素敵だった。

    0
    投稿日: 2022.06.02
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    夜想曲集(2009)の時代背景は、訳者後書きによるとイシグロの言葉では「ベルリンの壁の崩壊から9.11まで」を想定しているそうです。予定していたもうひとつの短編は、想定した時代がズレたため収載しなかったとの事で、時代設定はイシグロさんにとっては重要だったと分かります。 全ての作品が音楽と翳りのある男女のお話です。情景がどの作品でもリアルに感じられるので、私は彼らのすぐそば、ゴンドラの上、わざと散らかされた部屋、スイートルーム、モールバンヒルズ、、でやり取りを息を潜めて聞いているような感覚になりました。 素敵な恋愛小説だと思います。 しかし、イシグロさんの小説はどれをとっても同じのが無いですね。また違う作品も読みたい、読了後はイシグロロスになってしまい、中毒の様相を呈してきてます。 図書館にて。

    0
    投稿日: 2022.03.11
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    カズオ・イシグロ氏の初短編集。「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」は、どれも夫婦や男女の微妙な関係や人生における変化を音楽をキーワードに綴られた、個性と雰囲気あふれる作品ばかり。著者の「五篇を一つのものとして味わってほしい」という言葉にも納得、シングルカットではなく、アルバムとして美しく秀逸なCDを聴いたような読後感があった。それぞれに異なる都市の映像も目に浮かぶよう。個人的には冒頭の「老歌手」が印象深かった。ちなみにここに出てくる人物が他の一篇に出てきて「おっ!」と思うのも楽しかった。

    1
    投稿日: 2022.01.22
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    「日の名残り」「わたしを離さないで」のカズオ・イシグロによる、音楽をテーマにした5作の短編集。著者の言う通り、5作は個別の作品でありながらも根底に流れているテーマのようなものは繋がっている。 それは主人公らしき人物の描写に表れている。皆一様に招かざる人か、あるいは本人が望んでないのにこの場所にいる人である。さらに独り身であり、社会的立場が不安定で自分の才能に懐疑的である。 対して彼らが出会う人々の大半は夫婦であり、野心家で社会的に成功することに価値を置いている。しかもある程度自分の才能について確信がある。しかし成功に対するアプローチはバラバラで、それが基になって人間関係が不安定になっている。夫婦という本来安定した関係性が崩れることでその悲惨さがより鮮明になる。そして物語の最後に彼らは変化の瀬戸際に立たされる。この先上手くいくのか、いかないのかは明示されない。ただ彼らが変化するために主人公たちは存在した。そう考えると、主人公たちはただのキッカケだったとも言える。 カズオ・イシグロの作品はあらゆるところに引っ掛かる部分が用意してあり、素直に読ませてはくれない。時には語り手が本当のことを語ってないんじゃないかと疑う場面もある。それは短編になっても同じで、短編だからこそ気になった箇所を何度も読み返せる面白さがあった。 作中にある音楽についてたとえ知らなくても、サブスクですぐに調べて聞ける現代って良いね。

    1
    投稿日: 2022.01.12
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    来年度の連載を文学談議にしようと思っている。その中の1回にカズオ・イシグロを取り上げたい。しかし、まだ2つの作品しか読んでいない。それで、古本屋で少し安くなっていた3冊を買ってきた。その1冊目。カズオ・イシグロの名前はノーベル賞をとる前から知っていた。村上春樹が新作が出れば必ず読む作家だと言っていたから。「わたしを離さないで」は何かで話題になっていたのを見ていたので、だいたいのストーリーを知った状態で読んでしまった。その後にドラマも観た。そして、「忘れられた巨人」を読んだ。ずいぶんとテイストの違う2冊だが、どちらも徐々に徐々にひき込まれていった。本書は著者にとって初の短編集だという。しかし、それはあちこちで書きためたものを集めたというのではなく、1冊の本のために書き下ろしたのだそうだ。タイトルにもあるように「音楽」が5つの作品を通しての題材になっている。そして、「別れ」あるいはその「危機」が主題となっているようだ。唯一人2つの作品に登場するリンディという女性が言っている。「人生って、誰か一人を愛することよりずっと大きいんだと思う。」本当にそうだろうか。ちょっと気持ちが暗くなる。最も印象的なのは最初の作品。サンマルコ広場のテーブルとゴンドラの上でギターの伴奏に合わせて歌い上げる「老歌手」。2つの光景がいまも目に浮かぶ。いつかきっと行ってみたい。解説で中島京子さんが「笑い」をテーマにあげているが、僕はどうしてもどの作品にも「笑い」を見出すことができなかった。どれもこれも、深くて重いものを感じずにはいられない。

    0
    投稿日: 2022.01.03
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    文学ラジオ空飛び猫たち第63回。 音楽と才能、人生の夕暮れに直面した人々の姿、夫婦の危機といったことをユーモアたっぷりに描く大人な短編集です。副題は「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」。 この短編集でもカズオ・イシグロ作品に共通して言える、自分は何者かというアイデンティティの問題が含まれていて、短いながらも彼の作品の魅力を味わうことができます。 ラジオはこちらから→https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/63-e1ajupc

    2
    投稿日: 2021.12.31
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    音楽とすれ違う男女の仲をモチーフにした短編5編。 特にオチがあるわけでなく、各主人公の人生のうちの少しを覗く。 細かく計算し尽くされた描写が続く(描写の謎解きをしているサイトもいくつも)ので、自分的には読み取るのが苦手。 解説を読んで、また今度2回目読もうかな。

    0
    投稿日: 2021.08.07
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    ヨーロッパ・アメリカが舞台の話。 音楽をやっているというのは自分と同じ共通点だが、あまり自分が知らない世界感を覗かせていただいた。 後書きを書かれた作家さんも言っていたが、真面目な文章の中に、ユーモアな発言や行動が沢山散りばめられていたため、こんな素敵な情景が思い浮かぶ大人な話の中なのだけど、その中に楽しさがあった。 最後の「チェリスト」は、結果どうなったとか結論とかはっきりとしたものがないんだけど、その謎めいたものに全くイライラせずむしろしっくりきた。

    0
    投稿日: 2021.05.17
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    全体的に充たされざる者のようなシュールな雰囲気がある不思議な短編集。やっぱりカズオイシグロの小説は結末の曖昧さが良いですね。中では老歌手が一番好き。

    0
    投稿日: 2020.06.17
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    なんかこう切ない雰囲気がとても好き。 イシグロさんって、淡々と進む情景描写に、綺麗な色の哀愁を乗せるのがとても上手な作家なんだと思う。たぶん、情景と感情の絵をいつも思い描いている人。うまく色が溶け合わさせて、読者を癒してくれる。 この本はそれがすごく出てる。 サンマルコでいつかこんな音楽家に会えますように。

    1
    投稿日: 2020.03.28
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    個人的には、私を離さないでに続く2作目のカズオイシグロさん。なんだか突拍子もない背景やイベントの中で人間性を描くのが上手だな、という印象を抱いた。読んでいて間違いなく面白い。

    0
    投稿日: 2020.02.01
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    音楽をなりわいにする人達を題材にしたちょっと切ない5篇のお話。この作者は、どこかが噛み合わない違和感にも似た不穏な感覚と人情味溢れる哀愁を同時進行で、自然な文体の中で感じさせてくれる。マイナスな感情が溢れる中でも、あくまで柔らかな表情の中でスーっと受け入れられるような、そんな作品です。

    1
    投稿日: 2019.10.28
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    音楽とその才能、そして夫婦の危機という共通のキーワードを持つ作品集。会話などでの心の襞を納得感のある繊細な表現で描写してくれるところが好きです。 降っても晴れても、夜想曲は現実にはありえないようなとんでもない方向に展開していて、それでもその先に興味も持ち続けたまま読ませてくれます。老歌手と夜想曲は繋がりがあり、作者もこのキャラクターをもう少し描きたいと思うことがありそうだと考えながら楽しめました。 いずれも味わい深い短編、その先をもう少し読みたいと思うところで終わるところも余韻と想像力を掻き立てます。

    1
    投稿日: 2019.09.22
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    読みやすかったです。 イシグロもこんな短編集を書いていたんだなぁと。 チェリストという話が1番不思議だったけどどのお話も心地良い余韻が残っていてよかった。 一日の最後に枕元で読んでみてほしいです。

    0
    投稿日: 2019.08.19
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    音楽が出てくる小説が好きなので友人が貸してくれたが…なかなか手こずってしまった。外国の方の話はもともと苦手なのもあるけど…文章はそんなに難しくないし登場人物も少ない。なのに、息苦しい感じがして、読み進むのに時間がかかり、頭に入ってこなかった。残念ー。 他の本もこんな感じかな?長編にチャレンジしてみたい。

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    投稿日: 2019.05.04
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    老歌手 この短いテキストでこれほどに芳醇なストーリーが編めるのかと驚きます。まあ、この老歌手に共感できるようになってこそはじめて、一端の大人、なのかもしれません。 降っても晴れても この作家の作品をそれほどたくさん読んだことがあるわけではありませんが、こういうコメディタッチもありなんですね。小説というよりもドラマ脚本という感じがしますが、それでもどこかに詩的な雰囲気が漂っていて入り込めました。 モールバンヒルズ 人間というのはなかなかまっすぐに伸びていくことはできないものですね。節を作りながらそのたびに少しずつ曲がっていくので、それがその人のその人らしさを形づくっていくんですね。 夜想曲 ひょんなことから顔の整形手術を受けることになった男のコミカルなショートストーリーです。現状と未来との間にプライドがとぐろを巻いていて、あるセレブリティがそれを解きほぐすために突然目の前に現れる。シンプルな筋なのに、読み手側で色々な解釈ができるエンディングです。 チェリスト 他の作品とは少し違った趣があります。ある意味では、最も他の長編小説に近いものがあるような気もしました。コメディタッチは鳴りを潜め、どこか深刻な苦しさが表れているような気がしました。

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    投稿日: 2019.04.30
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    副題「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」 を描いた短編集。 物語によってしんみりしたりクスッとできたり なかなか面白かったです。「降っても晴れても」の 主人公の友人たちのなかなか下衆さに呆れたり 「夜想曲」のホテル探検はいい歳した大人でも ハラハラドキドキしてしまいました。 なんとなく50~60歳になったときに また読みたい。

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    投稿日: 2019.01.31
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    うまいな、といった感じの短編集。ササッと読めてしまった。 「老歌手」 「まるで国語のテストの問題文みたいだ」という謎の感想がアタマをよぎった。なぜだ? オチはなんだか取って付けたみたいだが、実は後のほうの短編への伏線になっている。 「降っても晴れても」 まるでコメディ映画。テンポが良いね。 「モールバンヒルズ」 イシグロみたいな一人称の手法を指して「信用できない語り手」と呼ぶとどこかで読んだ。この短編集ではその手法が前面に出るではないが、やはり語り手が、ひねくれた自意識やコンプレックスを抱えていて素直には語っていない気がする。この短編ではクラウト夫妻も素直でない。 「夜想曲」 これもコメディ映画風。老歌手では脇に近かったリンディが前面に。 「チェリスト」 この短編は珍しく語り手が素直で存在感が薄い。その代わりか女がミステリアス。

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    投稿日: 2018.11.05
  • プロらしいプロ…

    作家としてのプロフェッショナルとは読者である市井の読み手に応えることだ、という著者の初期哲学に円熟と人生の冷熱を織り込んだ珠玉の短編です。 文学上の文学性の追求だけではなく、それを成し遂げながら面白さも追及している作家故に書けることがあるのだなあと感じます。ノーベル賞受賞は妥当でしょう。 …こういう評論をしてしまう側がカズオイシグロが敵視するプロらしきプロと言ったところなのでしょうが。 やはり、男が芸術に賭けるのはあまり健全ではない、ということでしょうか? それでも、芸術にのめり込んでしまうのは冷戦時代に見せつけられていた”スター”を偶像化してしまう側の苦しさであるのでしょうが…。 どこかしら村上春樹が描く人物像へのアンチテーゼも含まれているような気もします。 音楽を分かった気になりたい人や、一流の作家が音楽についてどう描くのか、一流作家の芸術観に触れてみたかったら買うべきでしょう。星5つ。

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    投稿日: 2018.09.13
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    副題のとおり、音楽と夕暮れがモチーフとなる5つの短編集。ぼく、として語られる主人公は音楽家だったり、音楽好きだったり。そして主人公に関係するカップルが登場するがどれも関係が危うくなっている。話の進行には音楽が介在し、物語は進む。5つの短編それぞれが一つの曲が流れるように、一つの曲を聴き終わるように、そんな読後感だ。 「老歌手」はベネチアでバンドを掛け持ちするギター弾きが、ある老歌手が妻のためにホテルの窓下の水路で歌う伴奏をする。なぜそういうシチュエーションが起きたのかがミソ。 「降っても晴れても」は、雲行きが怪しくなった、ロンドンに住む大学時代のクラスメイト夫婦の家に訪問した47歳の主人公の話。その妻と主人公とは音楽の好みで共通点があったが・・・ 「モールバンヒルズ」は、ひと夏、姉夫婦の営むイギリスのモールバンヒルのカフェで働くギターで身を立てようとする若い男性が、客として訪れた音楽家夫婦に自分の作った曲を聴いてもらうと・・。 「夜想曲」。これはなにかとんでもなく突飛な設定。売れないサックス吹きが、「整形をしたら売れるんじゃない?」というマネージャーの言に従い手術をしたが、その術後の部屋の隣に有名な女性スターがいて・・ 「チェリスト」。これもなんとも不思議な話。イタリアのアドリア海に面した町で、若いチェリストがやってきて町のバンドに在籍するが、天才チェリストと名乗る女性と出会い、自身の演奏を指導してもらうが、女性は決して自分では演奏して見せない。実は・・

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    投稿日: 2018.08.30
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    音楽が関わる5つの短話。それぞれの話の流れが個々の音楽を聴いているような印象を受けた。全体的に静かな感じで心地良く、時折アップテンポになる感じで飽きが来なくとても楽しめた。

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    投稿日: 2018.08.12
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    友人に「カズオ・イシグロの中で一番貴女向き」と言われて手に取った。タイトルから静かな人生の一時がBGMとともに続く作品かと想像していたら、どれも不協和音が聞こえるような話だった。5編中4編にどこかぎすぎすした夫婦(元を含む)がでており、作中に出てくる登場人物は流れる音楽に興味を持津人物とそうでない人物がはっきりしている。そしてドタバタ喜劇のような進行(モンティ・パイソンかよ!と突っ込み)。でもこれが実は最もカズオ・イシグロらしい一冊ではないかと思った。英国で育ち60年代に長髪でボブ・ディランを聞きロックスターに憧れていた青年が長じて書いた物語らしいと思う。若いのにどうしてこうも人生の黄昏を迎えた人たちを書くのだろうと思ったけど、著者55歳の作品だと思うと不思議ではない。イシグロ氏は1979年から小さな2冊のノートしかない」とNHKのインタビューで語っているが、小さなきっかけから様々な作品を生み出しているのだろう。ところで友人はなぜ私向きだと思ったのだろう?

    4
    投稿日: 2018.07.18
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    カズオ・イシグロの短編5編。 どの作品も印象的な音楽をバックに、夫婦の危機であったり男女の微妙な距離感を底辺に据えて、時にはユーモア全開に、あるいはポール・オースター風の不条理な謎かけで、あるいは哀愁あふれる物語であったりと、作者の自在な構想力を楽しめる作品集に仕上がっている。 中でも自分がいいなと思った作品は『老歌手』と『降っても晴れても』だったかな。 『老歌手』は東欧から来たしがないギター弾きがヴェネツィアの地で、昔、母が好きだった有名老歌手と出会い、彼のためにゴンドラからホテルの一室にいるその老歌手の妻に歌声を捧げるという企画に参加する物語。 物語全体に漂う哀愁とラストの愛情のすれ違いが何とも堪らない余韻を残す作品となっている。 『降っても晴れても』はいまや人生の成功者となっている学生時代の友人夫妻のもとを訪れた男の視線から、夫婦間の危機をドタバタに描き出すブラック・コメディー。 もともといろいろな作品で時折見せていたカズオ・イシグロ流のユーモアであったが、今回はタガを外したかのように全開で炸裂させていて、普段とは違う不条理なギャグセンスを見せてくれる作品。 『モールバンヒルズ』は音楽界の最前線から少し離れ、力を溜めこむために姉夫婦のいる田舎のカフェに転がり込んだギタリストの青年と、たまたまそのカフェを訪れたスイス人夫婦とが織りなす音楽を通じた対話の物語。 物語全体につんつんとした感じがあって、青年とスイス人夫婦とのその接触と距離感とを自然の雄大さと対照させており、そうしたヴィジュアル的にも面白い構図のまま迎えたラストが印象的であった。 『夜想曲』はこれまたポール・オースターを思わせるような不条理で謎に満ちた突拍子もない展開が魅力の物語。 何といっても顔面を整形手術して包帯でぐるぐると顔を覆い隠した男女二人が、深夜のホテルの中を歩きまわる姿が滑稽でもあり、さらには物哀しさも感じさせる微妙なバランスが面白かった。 『チェリスト』は東欧からきたチェリストが、自分を有名チェリストであると名乗る美女から日々チェロの特訓をすることになった話。 これも謎が先行する話だが、チェロの特訓を通じてお互いを理解できるようになった男女の物語でもあり、ラストの思いがけない別れは夢から覚めた昔話の感覚を思わせる。 全体として、男女の別れをテーマにしながらも、カズオ・イシグロのお茶目ぶりとチャレンジが味わえる短編集だったのではないか。 『夜想曲』や『チェリスト』はさらに後ろを広げて、長編にしても良かったかもしれない。

    27
    投稿日: 2018.06.18
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    カズオ・イシグロ氏の本を初めてよんだ。 英文学の翻訳と言うこともあると思うけれど、村上春樹から性的なところと狂気さを少なくした感じを受けた。 音楽に纏わる短編集であるこの作品は、とても良かった。 二話目の終わり方が好き。 また、社会主義経済圏出身の登場人物の描写が、興味深かった。

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    投稿日: 2018.05.29
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    短編集。 ガードナーさんが歌う 老歌手 ノートを見なかったことに。家が犬臭くなるレシピ 降っても晴れても リンディ ガードナーの隣の部屋のサックス奏者 夜想曲 などなど。 カズオイシグロさんを初めて読んで、なんだか好きだなぁと思い、何冊か買ってしまった。

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    投稿日: 2018.05.04
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    過ぎ去りし時代の音楽は知らない曲ばかり、YouTubeで探し聴きながら読んだ。格調高い文章は行間に時間の狭間が織り込まれる。情景を空想し登場人物に自分を重ね合わせて読む。すると今日一日疲れた体、心が癒される、不思議な文体である。

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    投稿日: 2018.04.15
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    「忘れられた巨人」と一緒に平積みになっていたのを買う。「巨人」も老夫婦の話だったが、本書も中年・老年の夫婦の話ばかり。著者のテーマなのだろうか。

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    投稿日: 2018.04.10
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    老歌手/降っても晴れても/モールバンヒルズ/ 夜想曲/チェリスト 音楽と親しい人たちが物語る。メロディーをバックに時々の想いを。知らない曲のほうが多くてちょっと残念。知ってる作曲家の時はちょっと嬉しい。

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    投稿日: 2018.03.26
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    寂しいとか、哀しいとか、そのような印象だけが読後感として強く残る。失礼ながら話の筋はあまり残らない。。印象だけを強く残すという、感覚を得た。 こういうのが芸術としての文学っていうのかな。 仮にこれの話の要旨をまとめても、この話を説明したことにはならない。全部読んでようやくこの話を味わったことになるという意味で芸術なのかもしれない。

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    投稿日: 2018.01.13
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    夜想曲集-音楽と夕暮れをめぐる5つの物語- カズオ・イシグロ 2009年6月発行 2017年12月31日読了 2017年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの短編集。 カズオ・イシグロは長編ものが多いそうですが本作品は短編集作品。 全部で5つの物語からなる。作者からは全5楽章からなるこの作品を1つのアルバムのように味わって欲しいとの想いがあるそうです。 ・老歌手 ・降っても晴れても ・モールバンヒルズ ・夜想曲 ・チェリスト どの作品にも「音楽」「夫婦間もしくは男女間の危機」が共通のテーマとしてあるということ、そして、どの作品も「ある人生の一瞬」を切り取った時間軸で短編集が構成されてます。 1つ1つ読み終わると、「えっ?」ここで終わりなの?というものが多いです。その続きは?どうなるの?という作品が多いです。 もう1つ、どの作品にも「哀愁」というか「寂しさ」を感じさせます。 老歌手 語り手(ギタリスト)はベネチアである老歌手夫婦間に出会う。かつてビッグネームだった歌手だが今はその輝きを失い、夫婦にも不協和音が。 その歌手に請われ妻のために一夜の伴奏を請け負うが… 他にもモールバンヒルズ、夜想曲。 のんびりしんみり読めました。

    0
    投稿日: 2017.12.31
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    音楽と夕暮れをめぐるとある通りの短篇集。適度に通底しながら5つの短編が楽しめる。何箇所か笑えたところがありしんみりもできた作品群だった。

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    投稿日: 2017.12.18
  • 黄昏に響く

    夜想曲の題名通り。”夜(黄昏)を迎えた夫婦”に”音楽”が巡る。もちろん音楽は夫婦仲をとりもつ万能薬ではない。でもなぜか切なくなるのは音楽魔力。 あれ?これは小説、文章なのになぜ音楽が聞こえてくるの? さすが!

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    投稿日: 2017.12.08
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    ヨーロッパのカフェや丘の情景が浮かぶ。 どんな作風なのか、と思って購読。 自分の事を見つめるのがやはり外国っぽいかも。 夜想曲のサックス奏者の話

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    投稿日: 2017.11.19
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    著者特有の、信用のできない語り手というか、変な雰囲気はよく維持されている。 反面、やはり短編集になってしまうと掘り下げが浅くなってしまう。イギリス文学は短編に向かないのではないか。どうでもいい日常を切り取ってよくわかんない余韻を残すような手法は、アメリカ文学の方が優れているような気がする。英文学はどっしりと構えた長編の方が面白いのではないな。 とはいえ楽しく読了した。ジャズマンの話が特に好きだった。整形手術で顔が包帯だらけという奇妙な状況、再起を夢見るスタートの邂逅、プライドの高いクソ野郎の主人公。。。いいねー。好きな要素が詰まってる。

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    投稿日: 2017.11.17
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    とてもロマンチックな内容でした。 夕暮れと音楽がテーマになっていますが、人情もののように感じました。 消化不良気味はきっと読み手の想像力を誘うんだろうなあ。 旅に出たくなり、次に読む時は、ジャズやクラシックを聴きながら読みたいです。 見知らぬ土地へ放浪する音楽家たちの、優しい物語です。

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    投稿日: 2017.11.12
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    サブタイトルに「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」と書かれている五つの短編集。夕暮れは、人生の華やかな時を終え、夫婦の睦まじき時を過ぎ、孤独の世界に入ろうとする作中の主人公たちを象徴しているように感じる。音楽はその孤独を強める。楽しい本ではなかった。年老いて、人生の真実を突きつけられたように感じる。心理描写がよく、自分の経験を繰り返している感じを受けた。訳も優れる。

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    投稿日: 2017.11.05
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    海外の翻訳本は殆ど読まないですが、 ノーベル文学賞を受賞されたというので 初めてイシグロさんの本を手に取りました。 五編の共通するところは音楽をテーマにして 夫婦のいざこざが描かれています。 どれも主人公が男性のうだつの上がらないミュージシャンです。 うだつが上がらないから妻と関係が上手くいかないのか、 それとも妻との関係も上手くいかないからうだつが上がらないのか。 と卵が先か鶏が先かと思ってしまいますが、 どちらかが上手くいかないと両方ダメになってしまう パターンがこの芸術家には多いようにも思えます。 男性がうだつが上がらない状態だと日本だけでなく、 他の国でも男性が切なく思えてしまうのは万国共通なようです。 ここに出てくる音楽は洋楽であまり知らない分野だったので、 詳しいことを書かれていても理解しにくく、 雰囲気などもしっかりと味わえない所が少し残念でした。 音楽に詳しい方だったら音楽の要素も味わいながら この作品も十分に味わえるかと思います。 解説ではユーモラスに描かれているとありますが、 ユーモラスというのが日本と海外では少し異なると思うので あまり笑えるという要素が低いかと思いましたが、 一番分かりやすくて面白かったのは「夜想曲」でした。 これは映像化にしたら凄く分かりやすくて面白いかと思います。 コメディ映画にでもなりそうな気がします。 この作品の中で 人生は、ほんとうに一人の人間を愛することより大きいのだろか。 という台詞が印象深かったです。 好みの作品は「老歌手」。 ベネチアという舞台からいっそう悲哀感が出ていて、 男性の女性に対する想いのいじらしさ、純粋さが出ていたようで 思わず頑張って欲しいとエールを送りたくなるような物語でした。 ラストの「チェリスト」だけは夫婦ではなく、 これから結婚して夫婦になる作品でしたが、 それまでが不思議な関係の物語でした。 これが音楽の才能、または感性や才能というものなのかとも思い それまでの物語のミュージシャンの才能というものを また振り返り考えさせられるものかと思いました。 どの作品もどこか大人の雰囲気があり、 セピア色のアルバムをめくっているような雰囲気を味わいました。 やはり風景、情景などが日本人とはまた違った表現方法なので 異国情緒がここかれも垣間見れました。 これぞ海外の大人の文学なのかなとも思わされました。 翻訳本にしては短編集のせいか割と読みやすい作品が多かったので、 また何かの機会があったら今度は長編を読んでみたいと思いました。 秋の夜長に音楽と共に読書をするには良い作品だと思います。

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    投稿日: 2017.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    音楽にまつわる5つの短編集。 ノーベル文学賞受賞ということで図書館から借りてみた。 たぶん感覚的に合わないだけかもしれない…。

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    投稿日: 2017.10.31
  • 至福の短編集

    音楽がいっぱい出てきた中に、自分のライブラリにもあるサラヴォーンとクリフォードブラウンのApril in Parisがあり、久々にじっくり聴いた(YouTubeにもあります)。まったりと充実した時間を満喫しました。

    1
    投稿日: 2017.10.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人生における寂しい現実に少しのユーモアを交えた、人生に疲れた大人達に捧げられた素敵な物語。 カズオ・イシグロがこんな気軽なコメディタッチの文章も描くとは…ちょっと得した気分。 洒落た音楽、人生における夕暮れ、男女間の危機、才能を巧みに絡めた五つの物語にクスッとなったり切なくなったり。 才能に関しては色々な想いが巡る。 時代に取り残された過去の栄光、才能があるのに生かしきれないジレンマ、特別な才能がなくてもチャンスをものにしようと奮闘する姿。 そんな良い意味での人間くささがしっとりと品良く描かれてあり好感が持てる短編集だった。 特に『夜想曲』の彼の包帯を外したその後がとても気になる。そしてメグ・ライアンのチェスセットが羨ましい。

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    投稿日: 2017.10.23
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    ■老歌手 ※往年の名歌手。老夫婦のそれぞれが愛し合っているにもかかわらず再起に賭けて別れる。 ■降っても晴れても ※親友夫婦の間をとりもつ滑稽でダメなぼく。 ■モールバンヒルズ ※夫婦のズレを目撃する、ミュージシャン志望の若者。 ■夜想曲 ※整形手術を受けたサックス奏者と、隣室で知り合ったセレブが、トロフィーをめぐりドタバタ劇。 ■チェリスト ※駆け出しのチェリストは、楽器を弾かない大家からレッスンを受ける。 音楽と(人生の)夕暮れ、という副題が美しいほどにぴったり。 最初から「書き下ろし短編集」として編まれた5題。 重、軽、 重、軽、重、という構成もよい。 ユーモアとペーソスをまぶされた、夫婦の黄昏れ。 才能と継続。諦念。郷愁。転機。芸術と世俗。シビアでもコミカルでもある人生というもの。 「愛し合っているのに……」「愛し合っているからこそ……」という男女の機微。 これらはすべて年を重ねたからこそ味わえる滋味だ。 長く生きれば必然として滓や澱のように溜まるものがある。 ドタバタコメディでもある「降っても晴れても」や「夜想曲」の背後にも、それらはもちろん。 解説で中島京子さん曰く「可笑しいんだか、悲しいんだか」。まさにこれ。

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    投稿日: 2017.10.21
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    2017年6月26日、再読。ケン・リュウ、テッド・チャンと続けて読んで、SF小説なので当たり前だが、どの話も必ずSFの形を取っていることに疲れを感じて、本棚をゴソゴソ探してきた。私の好きな音楽をテーマにしていることもあり、どの話も面白かった。プロどころか、今となってはアマチュア音楽家でもなくなってしまったが、それでもなお、まだ音楽に心をグッとつかまれて身悶えすることがある。それは私にとっては私だけの特別な感覚のような気がしていているのに、見事に言葉にしてしまう作者にすっと引き込まれてしまう。私にとって村上春樹と並んで特別な作家である。

    0
    投稿日: 2017.06.27
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    私は初めての作家を読む場合、短編から入るたちなので、この短編集も初めて読んだカズオ・イシグロ作品です。 話の内容とか面白さ云々よりも、カズオ・イシグロはなんて心地良い文章を書くのだろう!と感じた記憶があります。(翻訳者のセンス良さもあると思いますが) 中でも『老歌手』は雰囲気が良く、印象に残りましたし『夜想曲』は面白すぎで大笑いでした。

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    投稿日: 2016.10.24
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    著者初の短編集という事で期待していたが、不思議な味わいと独特の余韻はあるものの、面白いかというとそんなでもなかった。翻訳は良し。

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    投稿日: 2016.09.27
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    カズオイシグロの本を何冊か読んで気に入ったためこちらを手に取った。 音楽に詳しければもっと楽しめただろう。 どれも儚げな味わいがあり、ユーモアもある上質な短編集。短編なのでやや物足りない部分もあったが、それは致し方ない。個人的には夜想曲が面白くて好き。

    0
    投稿日: 2016.05.08
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    素晴らしい短編を読んでいる最中とその読後は、わたしはいつも上機嫌だ。 郷愁、旅情、人の生きる辛さやせつなさをそのままの言葉にせず、作家の言語で表している。

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    投稿日: 2016.03.10
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    愛の夕暮れは、音楽のように響く。 副題「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」とあるが、確かに、なんとなく、夕暮れの物語である。全体に漂うのは、寂しさ。どの短編にも愛の危機にある人々が出てくる。何か哀しみの予感がする。人生は甘いものばかりで出来ていない。カズオ・イシグロを読むと、いつもそう思う。

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    投稿日: 2015.11.22
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    ここに収められた五つの短編には、音楽における通奏低音のような一貫したテーマが読み取れるものとなっている。長い人生のある一点、そしてその一点が人生のターニングポイントとなるような瞬間を切り取る物語。

    0
    投稿日: 2015.09.23
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    以前から気になっていたカズオ・イシグロさん。 タイトルにも含まれているが、夜・夕暮れの雰囲気が漂う五編の短編集でした。 どの物語にも音楽が深く絡み、燻っている特別な才能の悶々とした感じと、評価されているようなされていないような有耶無耶な感じから侘しさと薄暗さが滲み出ていた。 特に好きだったのは「モールバンヒルズ」の夕方に丘の上のベンチで行われたコンサートの場面と、「夜想曲」のハラハラする夜中の探検(悪戯)の場面。 とんだユーモアというか、「降っても晴れても」の主人公には同情します。 今度は長編も読みたい。

    0
    投稿日: 2015.08.23
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    よくわからんかったです……。「私を離さないで」の印象が強かったのもある。少し不思議を期待してしまった。背表紙や解説にもある「ユーモア」も解せず。 音楽、才能、男と女。通じるテーマで描かれる連作はどこか気だるげで。夕暮れという言葉は素晴らしい。

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    投稿日: 2015.08.14
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    お久しぶりのカズオ・イシグロさん。 副題の「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」に惹かれて。 どれも淡々とした話なんだけど、ふと彼らはその後どうなったんだろうって考えてしまう。イシグロさんは人生の夕暮れを迎えた人たちを描くのがお上手だなと思った。

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    投稿日: 2015.06.09
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    是非、ジム・ジャームッシュ監督による映像化キボンヌ!な短編5つ。 日常が醸成する(多かれ少なかれの)狂気。これを伝え、あるいは理解させることに特化した言語が音楽だとしたら。 そんなテーマのもとに綴られる、どこか寂しい人たちの優しいストーリー。

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    投稿日: 2015.04.28
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    カズオ・イシグロの短編集。音楽をモチーフにした5つの短編。一番好きだったのは「老歌手」かな。独特の悲哀をユーモラスに描き出した短編集。個人的には短編より長編の方が好きかなぁ。2012/581

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    投稿日: 2015.04.16
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    日常に一瞬訪れる夢のような時間と、そこから現実に戻る時のほろ苦さがじんわりくる作品……と、一応書いてみたものの。 全然内容が心に残ってない。 印象の薄い一冊。

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    投稿日: 2015.03.01
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    20150213読了。 静かな余韻の残る短編集。 どれも音楽がメインに流れ、そしてそれに絡まる人間模様。 破綻に向かう夫婦関係の中を音楽が淡々と流れていく。 特にここという盛り上がりがあるわけでもないのだが、なぜか心に響いてくる。

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    投稿日: 2015.02.15
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    音楽と夫婦の危機をテーマにした5つの短編集。しんみりした物、コメディタッチの物と作風に変化はあったが、妻側がお金とか名声とか夫に求めるものが多く、それが叶わず上手く行かない…みたいなのが多かった。取り上げられている60年代の音楽に私自身が馴染みがなく、作品にどれ程の効果をあげているのか今一つ掴めなかったのと、どれにも落ちが無くて読後どう感じたものやら途方にくれた。その時の状況と心情を汲み取って味わうものなのでしょうか?

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    投稿日: 2014.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どれだけ輝いた時間も、夜の帳がゆっくりと必ず降りていく・・・。 切ないけれど、真っ暗になるその手前みたいな時間こそが、一番美しい時間なのかもしれない。 2017.10.5追記 ノーベル文学賞!おめでとうございます!

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    投稿日: 2014.12.13
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    雰囲気は独特のものがあります。この本の表紙だけ見ると、怪しい本に思えてしまいますが(苦笑)そんなことはありません。 短編集ですが、なんとなくもやっとしたものが多い。それぞれの登場人物たちが納得して道を選択しているのはわかるのだけれども、なんとなく「もっと他にいい方法がなかったのかなぁ」と思ってしまいます。よい意味で。面白いというわけではないけれど、夢の余韻のようにちょっと心の中に残っちゃう、みたいな雰囲気です。

    0
    投稿日: 2014.04.27
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    同じ著者の「日の名残り」「わたしを離さないで」が面白かったので購入に至る。 ストーリーに大きな山もなく、(この著者にしてはポップでギャグが多いのだが、)一般的にいえば恐らく些か静かな短編が5編収録されている。長編の習作ではない短編は初めてで、また短編集を出すこと自体も初とのこと。 普通に面白い作品ばかりだったが、「日の名残り」や「わたしを離さないで」に比べれば、少し型落ちするかなという印象。いずれも余韻を残した終わり方をする話ばかりで、それが僕にとっては「残しすぎ」と映ってしまった。面白いのはここからじゃないのかと。それでも僕は夢中になって一日で読み終えてしまったが。 登場するキャラクターのひとりひとりは皆、魅力的で、 会話やちょっとした設定なんかも面白く感じた。特にリンディは無邪気で気分屋でかわいらしい。 また、巻末の訳者あとがきが面白かった。欧米でも日本でも短編は人気が無いらしい。具体的にいえば、欧米の短編マーケットは、長編に比べて、1/4になるそうだ。自分の好みとは逆なので、非常に驚くとともに、面白いなと感じた。

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    投稿日: 2014.03.03
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    音楽をモチーフにした短編5作。売れない音楽家の哀感を描いたものが多い。余韻を残すためか、終わり方が中途半端なのがある。

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    投稿日: 2014.02.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やはり短編であってもカズオ・イシグロ氏の不思議な空気感や 味わいは健在です。 本書は「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」というサブタイトル通り それぞれ独立した5つの短編からなっています。 内容に関しては、そのほとんどが結末に余韻を残し、読者に委ねる ような形をとっています。 ですから、物語としてハッキリ白黒ついたのを読みたいという方には オススメはできません。 音楽や愛、夢、才能といったもの、または社会的な成功について 描かれていますが、サブタイトルの「夕暮れ」という言葉であらわ された数種の意味合いが、読み手の状況に合わせて様々な 思いを抱かせてくれています。 若い方よりもどちらかというと、人生も半ば過ぎの人の方が共感を 持てそうです。

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    投稿日: 2014.01.01
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    をーもしろい! 電車で読むと笑っちゃう。降っても晴れても 唐突に不穏な空気をかもしてくるとこがすき

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    投稿日: 2013.10.21
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    表題作の「夜想曲」が一番気に入った。ぎゅっとなるような、ほろ苦いお話ばかり。 イシグロの作品に触れたのはこれで3つ目ですが、今のところ感じていた彼の持ち味は、長編のほうが活きるのかもしれないと感じた。抑制された語りとか、緻密に張り巡らされたミステリとかが延々と続くのが巧みだな!と思っていたので。

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    投稿日: 2013.07.13
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    クラッシックに興味があったため、タイトルのノクターンにつられて手に取りました。内容はもちろん音楽が密接に関係していますが、印象が強かったのは男女の恋愛です。短編集なんですが、どれもが恋愛色が濃いですね。またそれが夫婦間ということもあり、まだ二十歳になったばかりの私には理解しかねる場面が多々ありました。正直に事を云うのではなく、フィーリングが大切なんですね(苦笑)。 それぞれの話は違った世界観があり、とても楽しめました。知らない単語もありましたが気にせずスラスラ読めましたね。あまりの大人な話になんだか自分がませたような気がしますよ(笑)。 著者のカズオさんは私と同じ長崎出身だそうで大変光栄です。私好みのお話ということもあり他の作品を読んでみたいです。

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    投稿日: 2013.03.29
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    昨日読了。 著者初の短編集。 タイトル通り、全ての作品に 音楽家(二篇目のみ音楽愛好家)が登場する。 各篇独立しながらも、 夫婦の危機、音楽家としてのアイデンティティといったテーマは、 全篇通底している。 その手法はどこか、 60~70年代の英国ロックバンド達が世に送り出した、 コンセプトアルバムを思わせる。 しかし、作者は作中の音楽愛好家に、 そのコンセプトアルバムについて、 「仰々しいだけのロックバンド」が奏でる音楽だと 語らせている。 そういった、皮肉のきいたユーモアが、 全篇に満ちている。 普通なんだけどどこか変・・。 くすくす笑っていたのになんだか切ない・・。 そういった読了感は、 イシグロ氏の長編小説のそれと共通するもの。

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    投稿日: 2012.12.24
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    イシグロの作品に、病みつきになっている。いつも、いつまでも手放したくない思いだ。この短編も良い。どれも確かな手応えがある。全てにこれからがあるというのが魅力なのだ。それも予測不能なのがよい。

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    投稿日: 2012.11.29
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    全編、短編らしい魅力があった。 イシグロらしい抑えた筆致が 淡い水彩画のようで好きだ。 「降っても晴れても」のどうしようもない 間の悪さ。 鮮やかに切り取ってみせる 一つのトラックみたいだ。

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    投稿日: 2012.09.21
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    物語として純粋に楽しめる。イギリスの作家だという事を忘れる程身近に感じられるお話。途中話し言葉の和訳が変で笑った。知らいでか!って使わない。

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    投稿日: 2012.07.09
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    友人が面白いと言っていたので図書館で借りて読もうと思っていたのですがいつも予約上位でなかなか借りられませんでした。発行後暫く立つのでようやく借りることが出来ました。 長編と短編で売れ行きがそれほど違うのか、と驚きましたがそう言われると自分も短編集ってそれほど読んでいないかも、と振り返って思いました。まあでも作家さんやジャンルによるかもしれないですが。 面白いと言っていいのか何となく悲しいと言っていいのか。悲しみの中にじんわりとしたおかしさがあり、反対もまた然り。人生って何となくコミカルですね。だけど振り返ってみるとさみしかったりもするよなあとそんなことを思いました。

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    投稿日: 2012.07.05
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    初の短編。一日の終わりに一編ずつ読んでいきました。短編であるから仕方のないことであるし、それが余韻や良い雰囲気を醸し出しているともいえるのですが、話の閉じ方が暗示的すぎるといいますか、悪くいえばすっきりしないものが多かったように感じました。「日の名残り」「わたしを離さないで」といった愛すべき作品のことを思うと、自分は、やっぱり彼の長編が好きなんだなって思いますね。とはいえ、満足の一冊。優しさと温もりに包まれた一日の最後のひと時。この本に触れるあの毎夜の喜びがこれでおしまいなんだと思うと、あぁ寂しいです。

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    投稿日: 2012.06.19