
総合評価
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powered by ブクログ死刑制度や冤罪について考える機会を与えてくれた一冊。死刑制度の存廃は国民的な議論にするべきとは思うが、議論できる前提まで国民の知識や知見が成熟しない限り、簡単に結論は出すべきでないと思う。
1投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログ題材は非常に興味深いんだけど・・・人が語りすぎるっていうか お芝居の台本みたいっていうか う~~ん もうチョット読者の分も残しておいて欲しかったかな
2投稿日: 2025.02.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冤罪と死刑についての話。被害者は加害者を罰する方法として死刑を望むが、殺しの動機・事件の発端となった別の事件など全貌が明らかになるほどに、冤罪となった加害者を守ろうとする側、逆に真犯人を守ろうとする側が存在して、その構造が『メロス(実行者)』と『ディオニス(首謀者)』が誰かを見極めることを極めて困難にしているという展開が魅力的。ディオニスが八木沼をおちょくることで、死刑廃止派の彼が激昂してディオニスへの殺意を漲らせる一方で、その状況こそがディオニスが「別のディオニス(=メロス)」を守るために必要なことになっている‥‥AとBの対立構造が実はCの中にあって、CとDが対立していて、という複雑な状況に見えながら実は事件の全貌は意外とシンプルだったりして、読んでいて止まらなかった。
1投稿日: 2025.02.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
途中で冤罪のために死刑が執行されたところで呆然としてしまった。 冤罪のために死刑になったところがあまりにもあっけなくて。
10投稿日: 2025.01.16
powered by ブクログ中盤でまさかの展開があって、結構衝撃だった。 とても良かったのだが、最後の最後で複雑さが増した。あの人とあの人の行動にはちょっと違和感がある。そこまでする?と感じてしまった。 JAMの歌詞出てきて、おぉってなった。
11投稿日: 2025.01.15
powered by ブクログ死刑制度の賛否、あり方をテーマにした推理小説。現代においても、冤罪や警察による証拠捏造まで実際にあることを考えると本当に恐ろしい。 死刑制度の何が問題なのか、根本から考えさせられる。 ただ、物語の展開が激しく、読み返しながら進まないとややわかりにくいのと、京都弁が読みにくく、話に入っていけなかったのは、残念。京都弁聞くのは好きなんだけどなぁ
2投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ「雪冤 無実の罪を晴らして、身の潔白を明らかにすること」 ちょうど「京アニ放火殺人」犯の死刑判決があった。彼は死刑になるために生かされた。 リーガルサスペンスの題材としては「冤罪」「死刑廃止問題」は王道。 今回は事件の被害者遺族と死刑確定も冤罪を主張する側の家族を、同時に描いていること。 いつも気になっていた。テレビで「冤罪」を叫ぶ家族と支援者のかげで被害者遺族はどんな気持ちだったのか。 少し真正直だけど、伏線の張り巡らしやスピード感、どんでん返しなど、楽しめた。
4投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ初読みの作家さんでした 題材は死刑制度と冤罪 扱うテーマは重く、簡単に答えの出せないもの そこを二転三転させながらエンターテイメントにしていった本作は凄いです 本作にも書かれていたように死刑制度に関して、私たちは真剣に向き合っている人は少ないかもしれません。結局執行するも、その判断をするのも全てが国がする事だから 制度そのものを認めることが、被害者遺族の心情に寄り添う本当の支援になるのか否か… 自分の手は下さないのに、執行を訴えることが本当に制度と向き合っていると言えるのか… 私の意見も本作を読んで揺れています ただ、考えるきっかけになった事は大きな事 ミステリーとしての側面と、一つの問題提起としての側面の二つの面のある良本でした [読了短歌] ミステリー その名を借りた 提案書 死刑と冤罪 皆考えよと
10投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログセリフがまさに演劇のように感じ、何度も読む気が削がれました。話の流れが掴みづらく、一旦読むのをおいて再び読むと、あれ?どんな話だっけ…となるくらいでした。 この作者さんの他の話が面白かったので読んでみたのですが、私には合いませんでした。それにしてもこの作者さんの犯人は死刑囚が多く、しかも死刑までの期間が早くないでしょうか。
1投稿日: 2023.10.24
powered by ブクログはじめて読む作家さん。 最初あまり入り込めなかったけど、中盤からは一気に読めた。 死刑と冤罪。 重いテーマだけど、読みやすかった。
3投稿日: 2023.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死刑制度の是非と冤罪問題を背景としたミステリーもの。息子が冤罪で死刑を執行される、こんなことが受け入れられるだろうか。また自分が死刑になってまで守りたいモノってあるのだろうか。最後にどんでん返し、面白かった。
10投稿日: 2023.08.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み応えある1冊だった。結末が見えたかと思うとどんでん返しがあったり最後の最後に思わぬ結末が待っていた。京都の地理に詳しかったり死刑制度、司法に興味あればより楽しめるだろう。『走れメロス』は実際ちゃんと読んだことがない自分にはその例え部分はよく分からなかったけど。かなり前にTVで映像化されていたようだけれど、事件の発端となっている置き石の部分は見たことがあるような気がした。
0投稿日: 2023.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。 死刑を扱う小説は幾つかあるが、大きく自己主張せずに賛否両面から書き上げている。 時折垣間見えるネットスラングを織り交ぜた若い文体。 これも時代なのだなぁと思った。 しかしそれを本筋へのささくれとする事なく骨太に力強く進んでいく。 とても読み応えがあった。 ただ、置石の唐突感。 私の読み込み、イマジネーション不足もあるのかな。 電車のダイヤ運行中にそれが可能なのかと。 もう一つ、恵美が死んでいるのを確認し、他殺に偽装するために刺したとあるが、その刺創に生活反応があるかどうかは解剖時に解るのではないかなと。 野暮と言えば野暮なのだが、死刑が争点になった事件、裁判だったはずなのだから。
0投稿日: 2023.05.16
powered by ブクログ主に加害者視点の死刑、冤罪もの。ホームレスやメディアも絡めてきたり、なかなか多彩な展開で単純にミステリとして面白い。訴えかけてくる部分も多いけど、重過ぎず読み易かった。この人の作品はバランスが良い。
4投稿日: 2023.01.15
powered by ブクログ素晴らしいの一言につきる。 予想を続け様に裏切られた。 心の描写をこんなに丁寧に拾い上げ 人とは、何なんだと改めて問われる 今後、益々 期待したい作家の一人だ。
1投稿日: 2022.09.22
powered by ブクログ久しぶりにミステリーが読みたくて、書店に平積みされていたこちらを発見。 正直あまり期待せずに買いましたが、なかなか面白かったです。 15年前に男女二人を殺した罪で逮捕され、死刑囚となった八木沼慎一。 慎一の父・悦史は息子の冤罪を信じているが、面会は拒絶されていた。 ある日、被害女性の妹・菜摘に真犯人を名乗る者から電話が入る。 また慎一は獄中から無実を訴えながらも死刑制度に賛成する主旨の手記を発表する。 悦史は弁護士や菜摘らと共に真犯人を探し始めるがー。 本作には死刑制度の是非や被害者感情と復讐心、冤罪について考えさせられるものがありました。 正解がない問題ですが、考えるのを止めてしまうことの恐ろしさを訴えかけてきます。 過去にも面白かった!と思った作品は、考えることの大切さをテーマとしたものが多いので多分私の好みなのだと思います。 ミステリーとしてもまずまず。 誰もが怪しく感じられるので途中からは一気に読んでしまいました。 ☆マイナス1つなのは真実がちょっと腑に落ちないから。 そんなことってあるかなぁ…という感じだったのが少し残念でした。 初めて読む作家さんでしたが、別の作品も読んでみたいと思いました。 2018年8冊目。
1投稿日: 2022.09.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初から最後までハラハラしっぱなしで、半ばで刑が執行された時は愕然とし、涙涙でした。 死刑制度について冤罪についても考えさせられました。 ただラストはうーんと唸ってしまった。 星5つの気持ちで夜更かししながら一気に読み進めていたところ、ラストでそれまでの評価が一気に下がってしまいました。 えぇ!死刑になって守りたいものが真犯人の名誉って…腑に落ちない結末でした。
0投稿日: 2022.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み始めの印象は重厚な社会派ミステリーであり、入り込むまでに若干時間を要した。死刑判決を受けた息子の無罪を信じ、冤罪を晴らすべく奔走する父親。このまま真犯人が見つかり解決といった単純な内容ではなく、中盤から怒涛の展開が待っている。息子の父への思いが分かってからは真犯人の正体はを知るべく一気に読み進めた。 個人的には終章で分かった真実よりもその1つ前で語られた展開の方が腑に落ちていただけにやや消化不良になってしまった。他の作品を読むかは悩むところ
0投稿日: 2022.06.19
powered by ブクログ話のすすみ方が早いのですぐに読み終りました。ただ、登場人物の関係性と時系列がとても複雑で混乱しました。殺人の動機も少し物足りなかったです。「走れメロス」のキャラクターになぞらえて推理?がすすんでいくので、メロス自体を読み返した方が話がスッと入ってきたかもしれません。
2投稿日: 2022.05.08
powered by ブクログ第29回横溝正史ミステリ大賞及びテレビ東京賞受賞作。死刑制度や冤罪をテーマとした社会派ミステリ。深く考えさせられる内容ですが、ミステリとしては詳細が荒っぽく、???と感じる部分がありました。
1投稿日: 2022.04.10
powered by ブクログ死刑囚となった息子の冤罪を主張する父の元に、メロスと名乗る謎の人物から時効寸前に自首をしたいと連絡が。真犯人は別にいるのか? 緊迫と衝撃のラスト、死刑制度と冤罪に真正面から挑んだ社会派推理。
1投稿日: 2022.02.08
powered by ブクログ東野圭吾ばりの人物描写!グイグイと惹きつけられ、一気読了間違いなし。また、読み返したくなるような珠玉の作品。是非にも手に取ってほしい。
1投稿日: 2022.01.26
powered by ブクログなんとも切ない話だった。ラスト数ページの流れから明るい未来を期待したい。 15年前の事件から、また死刑判決を受けた4年前から、慎一は真実を独り抱え、自身の意思を一貫して…。 持田や菜摘、石和、八木沼…尋常でない苦しみを飲み込むと、こんなものの考え方が出来るようになるのだろうか。 Soon-ah will be done がこの小説を読んでる間、ずっと頭の中で鳴っていた。小説と音楽のセットのようだった。
10投稿日: 2021.11.04
powered by ブクログ1.著者;大門氏は、小説家・推理作家で、代表作は「雪冤」「罪火」「確信犯」等です。氏が追求するのはリアリティですが、死刑などの現場を見るのは困難です。リアリティの弱さを経験で補う為に、電車での押し屋アルバイト、新聞配達、派遣労働者・・・を体験したと言います。本書にこれらの経験が生かされ、作品に現実味を持たせています。「色んな事に興味を持ち、人がやらない事にチャレンジ」をモットーにしているそうです。 2.本書;8章構成(序章;あおぞら合唱団~終章;歌声)で、死刑制度と冤罪という2つの重い問題を考えさせる社会派ミステリー小説です。概要は、京都で二人の男女が殺されるという、残虐な事件が発生。容疑者として逮捕された主人公の父親が冤罪を信じて活動したものの、死刑確定。事件の真実に向けて、ストーリーは緊迫感を増し、驚きの結末を迎えます。ちなみに、本書は横溝正史ミステリー大賞とテレビ東京賞をダブル受賞しました。 3.私の個別感想(気に留めた記述を3点に絞り込み、感想と共に記述); (1)『第一章;父と息子』より、「人は痛みがわからなければ相手を思いやる事はできません。苦しんでいるいるわけでないのに信仰心だけあるという方がおかしいんです。・・・本当に苦しんでいる人の為に役割を果たせなくては宗教の意味がありません(牧師)」 ●感想⇒私も“神様”にお祈りすることがあります。しかし、“神様”の存在は分かりません。誰にも精神的に弱い面があります。人間は「何かに縋りたい、救ってもらいたい」と思うものです。縋るものは“神様”だけではなくて、語弊を覚悟して言えば、自分が信じるもであれば、なんでもよいと考えます。もちろん宗教でも良いのですが、親族、友人、知人、書物・・・色々あります。私は人に相談できずに困った時、苦しんだ時には、ある作家の本を読んで勇気付けられ、問題解決の糸口を自問自答します。上手くいかない時もありますが、こうして切抜けてきました。死んだら、この愛書を私の棺に一緒に入れてもらうように家族に頼もうと思っています。 (2)『第五章;一億三千万の仇』より、「人が人を殺していい理屈は何か―国民一人一人がこの問いにどう答えるか? これが死刑制度を議論する上で一番大切なのです。私は正当防衛的状況にしか求める事はできない(主人公の父親)」 ●感想⇒死刑制度の是非は大変難しいテーマです。一般的には、“被害者側は死刑賛成、加害者側は死刑反対”でしょう。特に、冤罪での死刑は心情的にも悔しい限りです。裁判員制度を以てしても、事件の適正な判断は困難と思います。“疑わしきは罰せず”の真偽も定かでありません。現代は、誰もがこうした問題に直面する可能性があります。当事者になれば、重圧に押しつぶされるような難題で、簡単には答を出せません。 (3)『終章;歌声』より、「雪冤(無実の罪を晴らす事)⇒漢字にすればたった二文字のその言葉。だがそこには人々の色々な思いが重なり合っている。命に代えても冤罪を晴らそうとする者、それによって傷つく者、軽々しく使える言葉でないことだけは確かだ」 ●感想⇒世の中には、雪冤と向合っている人々がいると思います。私達なら、どのように処すればいいのでしょうか。真実が見えない限り、やり場のない無念さで悩むでしょう。冤罪は身近でも起こり得ます。私には「問題意識と自分としての熟慮した考えを持つ事」という言葉しか見つかりません。 4.まとめ;本書は先にも触れたように、日本の死刑制度を考えさせる作品です。前半は少し回りくどい感じがしました。後半になると結末を知りたくて、早く読みたいという衝動にかられます。結末を読んだ感想は、期待したよりもあっさりで、もうひとひねりあると良かったと思いました。また、作中の人物が色々な考えを主張していますが、混乱します。人物と主張を再整理し、筋道だった展開を望みます。読者に考えさせるというフィクションの限界かもしれません。 さて、裁判員制度が2009年5月から始まり、私達も裁判員として選ばれ、刑事裁判に参加しなければならなくなりました。裁判員に選ばれたら、死刑制度にも、係る事もあります。本書はこのような重圧なテーマに接するキッカケになるでしょう。最後に、解説を執筆した山田氏の言葉で締めます。「日本社会に死刑制度がある限り、その賛否に拘わらず、我々は思考を止めてはならない。勇気をもって考え続ける義務があるのだ」。 ( 以 上 )
46投稿日: 2021.10.09
powered by ブクログ横溝正史ミステリ大賞の傑作と書いてあったので買った一冊。 冤罪と死刑の話だった。 想像と全く違う内容だった。 しかも事件の真相は全く想像してない予想外の真相だった。 死刑についてちょっと知る事ができた。 死刑の存続か廃止かなんてそんなに考えた事なかったが、死刑の廃止派の意見はちょっとわかった。 冤罪と死刑 難しいテーマの小説でした。
7投稿日: 2021.10.08
powered by ブクログ冤罪なのに死刑執行されてしまった息子の雪冤を晴らすため、元弁護士の父親が過去の真相から真犯人に迫るというあらすじ。 最後の最後まで誰が真犯人か全く読めない!よく作り込まれてるわー! 死刑執行された息子が「Soon-Ah Will Be Done」を歌うシーンがあったんだけど、この曲って労働差別に苦しまされた黒人のレクイエムなんだね。「もうすぐ逝ける」という内容の。 中学の合唱コンクールでこれ歌ったんだけど、当時は全く意味わからずに「うぉーー」と勢いで歌ってたなぁ。意味わかると「あの時は滑稽だったなぁ」と恥ずかしくなってしまう笑 構成とかはかなり作り込まれてるので、ミステリーとしては素晴らしいと思うけど、若干文章にクセがあるのか、読みづらさがあったかも。
9投稿日: 2021.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
先が気になる感じの展開であっという間に読み終わった。 自分が死刑になってまで死んだ人間を庇うというのが正直わたしには分からない。 走れメロスを読んでみたくなった。 soon ah will be doneは心に沁みる曲だった。
0投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログ石和洋次 四条法律事務所弁護士 八木沼慎一 京大法学部生、好青年、死刑判決 やっさん ホームレス、石和にやさしい 八木沼悦史 慎一の父、元弁護士、61歳、息子の雪冤を 願う 八木沼咲枝 八木沼の妻、若くして他界 持田 ミュージシャン、フリーター 沢井恵美 15年前に殺害された、裸で15ヶ所以上刺傷 長尾靖之 15年前に殺害された、死傷は1ヶ所内臓出る 父は地元の大手企業、万引窃盗傷害の常習 沢井菜摘 恵美の妹、慎一に好意 長尾孝之 靖之の弟、菜摘に好意 傷害窃盗、婦女暴行 佐々木和幸 教会の牧師 メロス 真犯人と名乗る人物 ディオニス メロスの共犯者とされる人物 河西治彦 河西の長男、持田と名乗り八木沼に近づく 神谷実 八木沼が弁護、保釈後、河西を殺害 河西善治 河西鉄工所社長、神谷を雇用し殺害される 河西舞歌 河西の妹、11歳で神谷に拉致、凌辱後殺害 河西とう子 河西の妻 真中由布子 ジャーナリスト 住職 慎一の刑執行の間際に読経した 秋山鉄蔵 メロス、やっさんの本名。資産家 秋山梅蔵 鉄蔵の兄、ウメさん。轢死 大学教授 元刑事 八木沼、長尾、菜摘が悪戯に線路に置き石した為、秋山梅蔵が死亡した。悔恨から3人はホームレスと青空合唱団を作り活動していた。自宅で次の劇の打ち合わせをする際、長尾に言い寄られた菜摘は長尾を刺殺し、慎一への想いと別れをしたため自殺。菜摘を想う慎一は、菜摘を殺人犯にさせぬべく、長尾の返り血の付いた衣服を脱がし、自殺と分からないよう菜摘を複数箇所刺した。慎一は最後までその秘密を守り死刑となった。死に際、決して面会しなかった父に、会いたい、という歌を歌いながら...。 ナイフと衣類は慎一と共に現場に居合わせた秋山鉄蔵が保管。慎一との約束を守る一方、メロスとして苦しむ。 真実にたどり着いた石和は、八木沼悦史に対してディオニスを名乗る。だが本当のディオニスは菜摘が演じることになっていた、メロス撃の脚本にあった。
1投稿日: 2021.02.06
powered by ブクログ1/25読了。 死刑問題は難しい。真剣に向き合って考える人は実際に体験してしまった被害者遺族、加害者遺族がほとんどでまだまだ世の中には真剣にか考えている人は少ない。私もそのうちの1人。でも難しすぎるテーマやし素人の意見を容易く言うつもりはないけどちょっとずつでも考えていきたいとは思う。なぜか暗い気持ちになるし結局そうやって目を逸らしてしまう問題だとも思う。ほんと難しい。 ただ八木沼親子の執念にはただただ尊敬。
0投稿日: 2021.01.26
powered by ブクログ2020/12/11読了。 初めてこの作者の作品を読んだ。 最初から惹きつけられて、文体もストーリーも読みやすいので、どんどんページを捲るスピードが上がり、 死刑制度と冤罪にスポットを当てながら、誰が「事件」の本当の被害者で加害者なのか…掘り下げていく過程はハラハラして面白かったが… うーん。 登場人物に共感できない部分が多く、読後感はすっきりとしない。 テレビドラマなどにするには使いやすい話かもしれないが、少し現実味が足りないかもしれないなぁと。 他の作品はどうだろう。また挑戦してみたい。
2投稿日: 2020.12.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死刑になるほどの覚悟を持てるかは理解出来なかったですが、ミスリードさせられる文章に引き込まれて一気に読んでしまいました。
4投稿日: 2020.10.24
powered by ブクログ自分が死刑にされてまで、他人の罪を被るかねー。死刑制度、被害者家族について考えさせられた。あとマスコミの酷さには賛成する。
4投稿日: 2020.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死刑制度の是非を論じる作品としては、とても良いと思いました。 ですが、ミステリー部分がだいぶ雑かなと思いました。他の方も挙げていますが、やっさんがメロスの配役はまず不自然だし、わざわざ集まる予定があるのに、乱暴しようとするのも意味不明。そしてやっさんは沢井菜摘に見られていないというのも謎。あとは性格に難がある長尾(兄)が純粋そうな沢井恵美と八木沼慎一と仲がいいのが不可解。そして長尾(弟)が沢井菜摘に求婚した件も決着が付いていない…… 挙げれば正直キリがないです。ですが、死刑制度を論じる作品としての側面を評価し星2つです。
0投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作家買いをして、当たりだった作品。 序盤から一気に読ませる筆致は流石。 細かい伏線の回収も秀逸。 ただ、読み進めていくうちに。 湊かなえさんの『Nのために』が脳裏を過ぎった。 今後の作品も期待したい作家さん。
0投稿日: 2020.08.29
powered by ブクログ大どんでん返しにさらに衝撃のラスト。 面白かった。 死刑執行時の慎一の父親への思いには涙してしまった。 犯罪被害者家族、加害者家族、冤罪、死刑廃止論とテーマは重く難しかったけど、文章が読みやすくスルスルと読めた。 死刑。安易に「悪い奴はとっとと死刑にしろ!」「生かしておくのは税金の無駄遣い!」よく聞く意見。だけど、そんな上部だけの感情論では安易に語れない問題。本当に重厚なテーマでした。
0投稿日: 2020.08.14
powered by ブクログよくできていると思うし、結末が気になって早いペースで読んだ。しかし「引き込まれなかった」。なぜだろう。 読者の意表をつくための仕込み、伏線の貼り方、ミスリード... といった要素は素晴らしい。 八木沼悦史や沢井菜摘の苦悩も浮かんでくる。 死刑制度についての主張もいろいろな立場の登場人物に代弁させ、丁寧に扱われている。 しかし、謎を作った動機と行動の作り物感、嘘っぽさが最後まで拭えなかった。 そもそものきっかけになった過去の事件について、絵に描いたような上流家庭の子女がそういう行動に関わるかというところに無理があると思う。 事件の真相も、ない話ではないとはいえ、直感的には考えにくい(起こりにくい)ケースだと思う(だから謎なのだろうが)。 悪とされた人物との関わりもよくわからないし、八木沼慎一の行動もよくわからない(他にやりようはあったと思う)。 メロスとの関係も明かされるが、「そもそも配役でこの人物をメロスにする?」というところが腑に落ちない。 ... すべての疑問に説明はつけてあるのだが、何となく「まずトリックを考え、トリックを成立させるために登場人物の行動を『決めて』ストーリーを作り、矛盾が出ないように細部を検証した」感がした。 決して駄作ではない。受賞も納得できる。だがもやもやしてしまう。 スンダビを聴いてみた。よかった。be doneならスン「ビダ」じゃないかと思ったが違うらしい。気になる。
4投稿日: 2020.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
執拗な地名描写がちょっと気になった。そんなにいる?? あと、ト書きの文章がたまに中二病的な文章に感じた。 大ラスのどんでん返しはいらなかったんじゃないかな~
0投稿日: 2020.04.01
powered by ブクログ面白かった テーマは重く、死刑と冤罪 しかし、二転三転する展開が楽しめます。 ストーリとしては、15年前の殺人事件で死刑囚となっている慎一。その慎一の冤罪を信じ、活動を続ける元弁護士の父親悦史。路上で知り合い、その冤罪活動を手伝う持田。そして、慎一の弁護士の石和。殺された女性の妹の菜摘。 慎一は冤罪なのか? 15年前の殺人事件で殺された男子学生と女性の事件の真相は? いつ、死刑が執行されるかわからない中、真犯人の名乗る人物から菜摘に電話が.. さらに、その人物は時効後に自首をすると言い、その代償として五千万を悦史に要求。 真犯人は? 結局どうなるの? っていう展開です。 読み進めることで、真相が二転三転していきます。 そして、本書の目玉といえるその驚愕の展開と衝撃のラストへ。 確かにびっくり! 隠されていた真実には哀しい思いが、そして、そこまでして、守りたかったもの.. けど、動機が..ちょっと弱いかな。 その動機でこれだけのことをやるのかな... とはいうものの、このストーリ展開は楽しめました。 重いテーマながらもミステリエンターテイメントとして楽しめます。 お勧め
7投稿日: 2020.03.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
うううーーーーん、、、 騙された、見事に騙された。 けどなんか、会話ぽくないやりとり、表現のくどさが気になってしまい、、、 結末のとおりなら手記で大ボラを吹いて真犯人を見たとか言うのはどうかなあ、、、
2投稿日: 2020.02.10
powered by ブクログ推理小説として展開が面白い上に、メッセージ性が深く考えさせられた。 一度読んで、結末に驚き、 二度読んで、伏線の緻密さに感動する。 ごく自然な登場人物の台詞や仕草も、真実を知った後で読み返すと違う意味に気付いたり、後の展開へのスパイスになっている。 読んだ後は、本のメッセージが心に残る。 本当に最後まで楽しめた。 100人中99人が騙される!という帯が付いているが、 ぜひ読んで99%の人間になってほしい。
1投稿日: 2019.10.09
powered by ブクログ33 2日間で読み終えた。冤罪等のところは難しい。最後の方の急展開も面白かった。また、京都が舞台でsoon a will doneに学生時代を思い出した。
0投稿日: 2019.08.11
powered by ブクログ2019.6.13 読了 僕は「驚愕のラスト」「まさかの結末」「どんでん返し」などなどの言葉が大好きです 読後感が「あーそうなのね!」って言える小説は、作者と握手したいくらい感動を思える 本作品は冤罪をテーマであり、展開が色々変わり面白った。ただ後半三分の2くらい読み進めた時、犯人はコイツじゃねって予想がついて、変な靄が頭にあった。 予想は予想でニアピンであって、エピローグで「あーそうなのね」ってなれたのでよかったな 普通に読んで、二時間ドラマみたいって感覚があり、事実ドラマ化になったが、二転三転でも見事が終演でした 人間って他人のためになんだってできるんだなって考えさせる、たとえフィクション小説でも。 素晴らしい信念を見ました!
6投稿日: 2019.06.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ミステリの定番、ラストのどんでん返し連発 真犯人メロスとディオニソスの役割 本当の真相のとおりだとしたら、途中の五千万円のくだり 自首ができない理由が、モノガタリ独特の制約にすぎない 事件はかなり単純だが、必死の役割を果たす者たちに同乗 (同情でも良い)するもんだから読者はこんがらがる 死刑廃止の理屈はわかりづらい ヨーロッパでは廃止になる制度が残る野蛮国「ニッポン」 でもね、裁判にかけられる前に射殺されるのが白人達の人権意識なんだよね、フランスが人権を法律で強く訴える意味は「人権なんて個々人は持ちあわせていない」からだと思う 人権を憲法に、人権を訴える弁護士は利権にたかるクズにしか見えない 悪い事してはいけません 人を殺してはいけません プーチン・習近平に教えてあげてください
1投稿日: 2019.03.19
powered by ブクログ冤罪や死刑制度をテーマにした慟哭の社会派ミステリー。 15年前の京都。2人の男女を殺害したとして、1人の青年が逮捕された。 元弁護士の八木沼は、一人息子・慎一の無実を信じ、たった1人で活動していた。 そして、時効寸前、真犯人を名乗る人物・メロスから電話がかかる。自首の代償として、5千万円を要求する。 果たして、メロスの言葉は、真実なのか? 二転三転するストーリー、なかなか見えない真実。 そして、最後に明らかになるディオニソスの正体とは? ラスト数ページで、悲しい真実が明らかになる時、1人の青年の命を賭けた思いが、胸を打ちます。 まさしく、慟哭の社会派ミステリーと言える作品です。
7投稿日: 2019.03.10
powered by ブクログこれは簡単にレビューできない作品...。 冤罪、死刑制度というかなり重いテーマ。基本的には死刑制度廃止論者であるが、改めて考え続けなければならないと思わせる内容...。当事者性を鋭く抉る...。 終盤はちょっと突飛だが悪くはない。ヒロインのその後に言及しないのもいい。
2投稿日: 2019.01.27
powered by ブクログ冤罪についての重たい話。デビュー作ということもあって、冗長なところもあるが、フォローしていきたい作家である。
1投稿日: 2018.12.21
powered by ブクログ最初から結末は想像できたと思う。 でもその陳腐さを凌駕するストーリー性。 二時間ドラマや映画にぜひしてほしい。
3投稿日: 2018.11.07
powered by ブクログ死刑制度と冤罪という重いテーマを絡ませた、ミステリー感溢れるエンターテイメント。 息子の無実を信じて父親が、関係者を訪ね歩く。 真相はどうなのか、犯人はいったい誰なのか。 著者の巧みな術中に嵌まり、先へ先へと読まざるを得なくなる。 そして終盤にきての二転三転、さらに最後の結末には、エッと思わずにはいられなかった。 この作品で著者が掲げた死刑制度の是非と、冤罪の問題。 冤罪による死刑が存在するからといって、被害者感情を思えば廃止すべきものではないし、冤罪でなくとも死刑制度は国家による殺人だとの見方もあるし、生中な結論を出すわけにはいかない。 しかし、作中人物が言うように、「それでもずっと考えていきたい」。
9投稿日: 2018.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死刑についての話は興味深かった。 しかし引っ掛かるところが多すぎた。 京都に長年住んでいると思われる人間が京都の道案内下手とか引っ掛かる。 石和の庇い立てる動機がわからない。 事件現場に息子とやっさんが一緒にいた理由も弱い。彼女の家で話をするなら彼女にも話がいくしそれを強姦未遂魔にも伝えるよね。そんな状況で強姦しようとする? 自殺の傷と他人が刺した傷との違いって鑑識でわからないもの? どうしてやっさんは妹に目撃されていない? やっさんがお金を渡す理由もなんとなく弱い気がする。 どんでん返しがやりたかったのはわかるけれど色々と強引すぎないでしょうか。
3投稿日: 2018.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
単純なミステリーではなく、深く死刑制度までをも考えさせれた作品。2018年夏は、死刑執行が多数なされた時期でもあり、本当に自分自身も思考停止的に死刑制度を支持していたが、本当にそれでいいのか今もわからない状況にある。死刑制度反対する考え方も十分にあるんだなと思わせてくれた作品である。なかなか深いです。
1投稿日: 2018.09.02
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殺人犯として死刑判決を受けた息子。その父親は冤罪を晴らそうと、仕事を辞めて奔走。刑事上の時効15年を迎える直前、父親と被害者遺族、弁護士のもとへ真犯人を名乗る者から電話が。 横溝正史ミステリ大賞受賞作、舞台が京都で、なじみのある地名ばかりということもあり、面白く読み始めたのですが、なんぼ関西人でも初対面の人にこんな口利かんよという言葉遣いにまずひっかかり、中盤は盛り上がりを見せるも、どんでん返しのどんでん返しにドン引き。こうまでして他人の罪をかぶる人ばかりなのには無理があるような。いちばん酔えるのは正義だとしても、それって自己満足にはならないのかなぁ。
2投稿日: 2018.07.10
powered by ブクログ面白かったし、いいストーリーだった。ただそれだけに、美女役がゴリゴリの関西弁なので感情移入できず、帯の「衝撃の結末に100人中99人が騙される」の煽りを受けて予想しながら読んでたらすべてが案の定になってしまったのが残念。
1投稿日: 2018.07.03
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正直、登場人物がみんないい人すぎて違和感はある。 でもだからこそ、登場人物で唯一のクズが出てきた時に 「あ、察し…」ってなったのと同時に「本当に真犯人のことを愛していたから庇いたかった」という結末も期待していた。 冤罪や死刑制度以外にも「愛」もテーマにしてるっぽいもんね… 全体的に話が綺麗すぎるのといろいろテーマを盛り込みすぎてる感は拭えないけど、一気に読めたし面白かった。
1投稿日: 2018.06.21
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死刑制度、冤罪を軸に据えたミステリー 死刑判決された息子の無罪を信じ、世間からの誹謗中傷を受けながらも、なんとか冤罪を証明しようとする、元弁護士 八木沼。 ある日真犯人と名乗る人物が現れ… 二転三転する真犯人像は誰もが怪しく、まさに八木沼の疑心暗鬼がヒシヒシと伝わるようである。 息子はなぜ自分を拒絶するのか。 真犯人はなぜ自首しないのか。 登場人物達の不可解な行動も最後の最後のまで読めばちゃんと説明される。 最後まで気が抜けない作品。 このようにミステリーとしても完成度の高い作品であるが、根底あるのは死刑制度であり 被害者、被害者遺族、加害者、その家族。そして一般市民。それぞれの立場から展開される。 「死刑」賛成には再犯防止、抑止力、遺族感情と言う正義があり。 反対には倫理観、なにより冤罪と言う絶対的な正論が聳え立つ。 だが、死刑制度の是非は冤罪を理由に思考停止するのではなく、国民一人一人が真剣に考え導き出すべきと述べられている。 程度は違うが、今日のワイドショーで取り上げられる有名人のセクハラ、不当発言などを何日も取上げ無関係で無責任な有象無象が正義、正論を掲げ異常なまでに晒し、貶める現代の予感であり風刺のようにも思えた。
2投稿日: 2018.06.14
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著者の大門剛明さんは、京都の龍谷大学の文学部を卒業されておられるとのこと。この小説、京都が舞台の作品ですが、出てくる地名、通り名の細かさ、リアルさは、もうまさにリアルな生活感のある京都市内そのまんま。京都市内に住んでいる身としては、読んでいて「おお、そこの地名出てくるの!?」って感じで、リアリティーはビシバシ、親近感もビシバシで、なんだか得しちゃった気分でした。貴志祐介さんの「黒い家」を読んだ時も、舞台が京都市内だったので、滅茶苦茶リアリティー感じた記憶があります。やっぱ、住んでる(生活している)土地が読んでる小説の舞台になると、なんだか嬉しいですね。 龍谷大学に通っていたのならば、深草キャンパスだったと思うので、京都市内でゆうたら、伏見区辺りがホームグラウンドだったと思うのですが、この作品の舞台は、伏見区よりも更に市内より。ここら辺の描写がメインなのは、大門さん、学生時代は伏見区じゃなくて、もっと市内の中心部よりに住んでらしたんかなあ?市内の中心部が、飲みに行ったり遊んだりする日々の基盤だったんかなあ?とか、そんな事を考えちゃいました。 物語の、序盤~中盤に差し掛かる当たりの、八木沼父がメロスに「五千万円持って来い」って言われて、メロスと電話で話しながら、京都市内を移動する場面があるやないですか。あの時に、メロスが「烏丸と堀川はどっちが西側の通りなの?」とか「五条堀川って何処?」とか「上がる」と言わずに「上にいく」と言うとか、京都に住んでいる人ならすぐに分かるであろう生活常識的な知識を知らないふり?をしたのは、アレはどんな意味があったのだろうか?とか、思っちゃいました。「メロス」は、「やっさん」であり「秋山鉄蔵」であったはずなので、長年京都市内に住んでたはずなのに、敢えて地理に詳しくないフリをしたのは、、、なんでなんだ?犯人役を分からなくするために読者を惑わすための、作者の策略なのか?とか、うーむ、、、わからなかった、、、 あと、長尾孝之の、沢井菜摘へのプロポーズが、あまりに唐突にでてきて、ちょっとポカーンとしてしまいました。「え、、、?このエピソード、いるのか?」って。なんだか、好きになる背景が全然みえへんかったんで、うひゃあ、急だなあ!って。で、そっから特にその話、発展しなかったし。アレは、必要な場面だったんだろうか?どんな意味があったんだろうか、、、むう。謎だった。 あと、八木沼父が、秋山鉄蔵の実家に歩いて行くときに、二条城の近辺を通った時に、ウォーキングをしている人から「おはようございまーす」って声をかけられる場面の描写とかありますやんか。アレは上手いなあ、って思いました。朝の二条城周りを、八木沼父のような感じで歩いていたら、マジでリアルにこんな感じになると思います。ごくごくプチ京都あるある、と申しましょうか。 なんだか、本題、ホンマに重要な趣旨と全然関係ない話題ばっかりの感想で申し訳ありません、、、なのですが、大門さんの他の本も、機会があれば手に取ってみたいですね。相当に重厚にしてシリアスなテーマに挑んでおられる姿勢は、尊敬します。こうした問いを発し続ける人は、凄いなあ~と思うんですよね。
2投稿日: 2018.05.28
powered by ブクログ自分としては読み辛い作品かと思ったが読み始めると止まらない感じだった。 物語りが進む構図が上手いと思った。展開も良い。 結末も二転三転し面白かった。 ただ読み終わった後何となくスッキリしない気持ちがする。何故だろうと考えると良い人が多すぎるからだと思った。 動機や物事の判断が綺麗すぎる事がスッキリしない理由だと思う。 実際はそんな綺麗事では済まないのが人間だと思うが物語として理解する。
1投稿日: 2018.05.08
powered by ブクログうーん、ちょと理解できない…(笑) この登場人物の考え方が… 普通、誰かのためにそこまでできないでしょ だから最後にああなるってことも想像できない どんでん返しではあるけれど 私的にはいまいちかな 世の中そんなにセリヌンティウスはいないし メロスは帰って来ない(笑)
2投稿日: 2018.05.07
powered by ブクログ死刑制度の是非を問う社会派ミステリ ただミステリの方はややお粗末。二回、三回とどんでん返しが起こるのだが真相に迫るほどスケールが小さくなっていく。 また動機も弱くて納得できない。
1投稿日: 2018.05.01
powered by ブクログ冤罪をテーマにした小説。すぐに小説に引き込まれた。死刑判決を受けた八木沼慎一の父親の八木沼悦史は息子の無罪を信じて奔走する。自称犯人というメロスという人物から電話を受け、八木沼は必死の思いでメロスを探す。持田という青年と担当弁護士・石和と被害者の妹・沢井菜摘を交えて事件の真相に迫る。思わず涙がボロボロ出てしまった。とても感動する素晴らしい小説。
2投稿日: 2018.04.16
powered by ブクログ物語もクライマックスを迎える時、思わぬ展開。事態は二転三転、そして驚きの結末。今も問題になっている死刑制度、冤罪。考えさせられる一冊
1投稿日: 2018.03.21
powered by ブクログ死刑廃止論を冤罪を絡めて物語が展開していきます。それぞれが同じレベルで論じられる問題ではないにしろ、事件の背景があまりに悲劇すぎて読んでいて息苦しさを感じたほどです。登場人物の心情が語られるたび、どうしたら心の平和が得られるのか...救いを探してしまいました。
4投稿日: 2018.02.12
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201801/横溝ミステリ大賞の作品だけど、乱歩賞っぽい印象。やたら「衝撃の結末」とうたわれてるので、穿って読んでくと途中で真相気づくと思う。このテのでいつも思うが、そこまでして庇うってことが理解できないので、すっきりしない…。そして正確には冤罪ではないので、根本的にどうなんだ?という所もあるけど、テンポよく進むので一気読みで面白かった。合唱とかメロスとか色々な要素を盛り込みすぎてる感はあるし、菜摘のキャラはいまいちだけど、八木沼父・持田のキャラはよかった。序盤で出てくる「現実という太陽を直視すると目が潰れそうになる」というワードもイイ。
2投稿日: 2018.01.28
powered by ブクログ中盤からの展開はかなりワクワクしたけれど、ラストはやや微妙な感じ…。動機に納得感がなく。面白かったけど、満点評価には足らず。
1投稿日: 2017.12.14
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死刑制度や冤罪といった重たいテーマ、要素を孕んだ作品で、中盤まではそれに関する長尺のセリフや文章が多くてテンポが今ひとつに感じられました。 しかし、慎一の結末に意表を突かれ、そしてその後の起伏の激しい展開に結構引き込まれました。特にディオニスに関する真相は二転三転し、深夜になっても読むことを止められず、久々に夜更かしなどを…… 事件の真相を目にした時、慎一の命懸けの覚悟に悲しみとも呆然ともつかないため息が漏れました。非現実的にも感じられましたが、それでもその覚悟に少なからず感情を動かされたのだろうと思います。 テーマの重さと慎一の覚悟、父悦史が背負った悲しみ等がズシリと心に残り、重苦しい気持ちになりましたが、良い作品だったと思っています。
3投稿日: 2017.11.28
powered by ブクログ雪冤という言葉を初めて知る。 主たる動機が弱い気がした。思ったより普通の終わり方で 煽りすぎのオビ。 途中で出てくる、弁護士時代の父が解放してしまって 起こった犯罪の内容が酷い。そこがすごいショッキングだったため、最後の最後で、そんな理由で?となってしまいました。 死刑にまでなる意味がないように思いました。
2投稿日: 2017.10.22著者の熱が伝わってくる
死刑廃止派と肯定派の激しい議論が組み込まれた作品。元弁護士の八木沼は死刑囚となった息子・慎一の冤罪を信じ活動を続ける。刑罰について様々な角度から検証されていて死刑が凶悪犯人の再犯を防ぐ究極の社会防衛であることなども正面からぶつけている。感情論だけで語ることは危険だが被害者の感情を無視した議論も無意味である。 罪火、確信犯、雪冤と3作品続けて読んだ。デビュー作であるこの雪冤はやはりスゴイと感じた。 著者の熱が伝わってくる完成度の高い作品でありミステリーとしても楽しめる。 真っ直ぐで潔癖症で一途な慎一の姿から三浦綾子さんの「氷点」に出てくる陽子を思い出した。人はどこまで人を許すことができるのだろうか。
0投稿日: 2017.03.16
powered by ブクログ誰かによって犯行が行われる。 事件が発覚し、警察による捜査の結果犯人が逮捕される。 裁判が開かれ、罪が問われ、刑は確定する。 もしも冤罪だったとしても、有期刑ならば出所後に汚名をそそぐことも可能だろう。 実際に、出所後に真犯人があきらかになり冤罪が晴らされた例もある。 しかし、もし死刑判決のでた事件の犯人が冤罪だったとしたら。 刑が執行されてしまったら取り返しがつかない。 失われた命は二度と戻らないし、何よりも冤罪だったことを誰も認めないだろう。 冤罪が起きたときに犠牲になるのは、間違って罪に問われた人だけではない。 被害者遺族もまた、犠牲者だといえる。 犯人だと信じてきた人が無罪だったとしたら、いったい本当の犯人は誰でどこにいるというのだろう。 命をかけた固い決意を打ち砕いてしまうことになったとしても、真実は曲げるべきではない。 いちばん最初にしてしまったボタンの掛け違いは、どこかできっちりと正されるべきだったのだ。 遅すぎたことへの後悔も、何もしないままよりはいい。 細部にわたってまで練りあげられ、最後まできっちりと構築された物語だった。 掴みかけた事実。そのもっと奥に隠されていた命をかけて守り抜こうとした真実。 そして待ち受けていた衝撃のラスト。 読んでよかった!!と心から思えた作品だった。
4投稿日: 2017.02.28最後までドキドキはします
最後まで犯人が分からず、ドキドキさせられました。 が、読み終わって「そこまでするか?」と感情移入は出来ませんね。 こんな人いるのかな??? とは言え、先が気になって読み進めてしまったことは確かです。
0投稿日: 2015.01.25
powered by ブクログ太宰治の『走れメロス』をモチーフに死刑制度、冤罪を題材にした傑作社会派ミステリー。 15年前に発生した男子学生と19歳の女性の殺人事件。逮捕され、死刑囚となった息子の冤罪を信じる元弁護士の八木沼悦史は一人活動を続ける。果たして八木沼は息子の無実を証明出来るのか? 時効目前にして真犯人のメロスが登場し、八木沼に前代未聞の要求をする。ディオニスとは一体誰なのか… 最後の最後まで真犯人の正体は二転三転し、真実が終章で明かされる。 例えるなら薬丸岳の作品と加茂隆康の『死刑基準』を合わせたような作品。非常に面白い。
3投稿日: 2013.05.08
powered by ブクログ読了、65点。 ** 15年前の殺人事件の容疑で死刑囚となり執行を待つ息子の為に、 冤罪を主張する元弁護士の父親、彼の元に真犯人を名乗る人物から電話がかかる。 自首する代わりに5000万円用意しろと告げられ、父親はその通りにするが……。 その人物は真犯人なのか、また15年前の事件の真相とは……。 第29回(2009年) 横溝正史ミステリ大賞受賞 ** 地元を舞台にしていることもあり、地理を思い描くのは非常に楽でしたしその点でなかなか興味を駆り立てられる小説。 また死刑制度を冤罪の観点と罰であっても人を殺めることの是非、についても様々な意見が描かれている良く語られた小説でもある。 ただし序盤の展開は読んでいる最中は面白いが、物語を読み終えて俯瞰して見るとそこに必然性があったのかやや疑問。 また人物描写とその人物が行った行為との間にずれを感じることも大きい。 ラストのオチもじっくり考えると展開とそぐわないように感じてしまいます。
0投稿日: 2013.03.11
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真実が複雑に絡み合いすぎて・・・ 彼がそこまで守る必要があったのか、いまいち納得できませんでした。 被害者の背景をもっと調べれば、事件の真相はわかりそうな気がした。
0投稿日: 2013.02.18
powered by ブクログ傷付く人がいても真実は明らかにしなきゃいけないのかな。YouTubeで「スンダビ」を視聴した(o^・^o)
0投稿日: 2012.06.30
powered by ブクログ展開の仕方がすごくよく練られてて、二転三転するのが面白い。 ちょっと説教くさいというか、死刑制度に関する部分は台詞が白々しくなる印象はあったけど、 死刑に対する色んな視点を上手く織り交ぜて描いてると思う。 出てくる人物が多くてたまに混乱するのが難点か。
1投稿日: 2012.05.18
powered by ブクログ土地勘のある京都が舞台。「死刑」というと警察帽にネクタイいっちょの彼が頭によぎりますが、真逆のお話です。
1投稿日: 2012.02.28
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久しぶりに切ない本を読んだ。「悼む人」以来。 「雪冤」の意味がまず分からず、辞書で調べた。 自分の推理がことごとくハズレていく。 読み終わって、心が浄化された感じがした。
1投稿日: 2011.10.29
powered by ブクログ面白かったし、最後までどんでん返しがあって、やられたって感じがします。しかし、あまりにもロマンチックだし、あれではお父さんの立場がないかと思うのですが…。ドラマ版は結末が違ったそうですが、見てみたいですね。
1投稿日: 2011.06.12
