Reader Store
100歳詩集 逃げの一手
100歳詩集 逃げの一手
まど・みちお/小学館
作品詳細ページへ戻る

総合評価

6件)
4.5
3
3
0
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まどみちおさんの詩集ですね。 まどみちおさんの百歳の詩集です。  『山川草木、すべての中には、いのちがあります。木でも草でも何でもそうです。その中の、人間は一匹に過ぎないんです。私は、この中で「逃げの一手」を貫いてきたことになると思うんです。』と、あとがきに書かれています。     「なぜ」   なぜって   なぜいうんだろ   だからこそ   なぜなんだろ     「あかちゃん」  なんで こんなにうれしいのか  テレビのコマーシャルにでる  一しゅんの あかちゃんが  かわいい! とこえあげさせるが  一しゅんとはいえ なんどかみてると  なじんできて きやすいはずなのに  どうも まぶしい…  とおもって ハットきがついた  だっこされてるんだ かみさまに!  あかちゃんは どんなあかちゃんでも  なんのあかちゃんでも  ママにだっこされてても そのまま  かみさまに だっこされてるんだ!  どうながめても としよりとは  せいはんたいのあかちゃんだが  だからこそ としよりのわたしに  はっきりとわかって  あんなにかわいくまぶしいのだ      「水仙の花」    はや    今年も    春の香りの    水仙の花か………    中腰は辛いから    しゃがみこみ    目を つむれば    街の騒音(オト)も    雲雀も    天の高みで    のどか………    ため息までが    ナミダに変わり    のどから    ハモり出てくれる………    イビキ殿に    ご挨拶か       「いつものように」    オモウに    イヤ    オモワンでも    イマ    オレが一バンに    オセワに    ナッテルンは    メガネに    ルーペだが    ソレらは    みんな みんな    ジブンを    けして    ハタライて    くれてる    クッチャーネ    のこんな    グウタラ    ジジーのために    ありがた    すぎて    どうすりゃ    いいのか    ナミダだけが    アヤマッて    くれてる    いつものように    ワザワザ  2009年発行の詩集です。  (まどさんは1909年生まれです。2014年に亡くな  られました。)  「詩の中に逃げること、臆病な自分から逃げるということでもあります。」とも、語られています。  詩の中に、ご自分の想いを精いっぱい、幾つになられても表現されるエネルギーが、長寿の秘訣かも知れませんね♪

    51
    投稿日: 2024.12.02
  • 逃げることは悪いことか。

    「ぞうさん」などで知られる詩人まど・みちお。 2014年、104歳で亡くなったが、100歳を超えてなお作品を発表し続けていた。 まどの詩にはつねに発見がある。 奢って見失っていた世界の捉え方を思いださえてくれる。 とてもシンプルな言葉とユーモアをもって。 まどの詩は、つねに生きている存在を肯定する。 個人を認め、小さな存在を認め、唯一の命を大切にする。 『逃げの一手』というタイトルだけを聞けば、 情けないなぁと言ってしまいたくなるかもしれないが、 まどはその姿勢をこう言っている。 「山川草木、すべての中には、いのちがあります。その中の、人間は一匹に過ぎないんです。私はこの中で“逃げの一手”を貫いてきたことになると思うんです。詩の中に逃げること、臆病な自分から逃げるということでもあります。むしろ、大胆とも言えるかもしれません。逃げることによって、逆に生まれることにもなります。「逃げの一手」でここまで来たことに間違いはありません。それが私の生き方だったと思います」 弱さを肯定するということは、弱い人間にやさしくなれるということで、 どれだけ小さないのちでも大きな宇宙のなかで生かされる存在であると、気づくことでもある。 100歳で人は何を考え、言葉にしたのか。 自分が行き着けないかもしれない場所から届けられる言葉を噛みしめたい。

    0
    投稿日: 2016.09.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    少し疲れた時、いつも自然と、まどみちおさんの本を買う。今回も優しい気持ちになりました。何を焦ってるんだ自分。

    2
    投稿日: 2015.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まどさんは相変わらず謙虚。 読んでいると泣き笑いみたいな顔になってしまう。 先日偶然、あるブログでまどさんの息子さんが亡くなったということを知った。 昔、アルバイト先の出版社で隣の机に座っていた石田さん。62歳は若すぎる。 まどさんのように長く生きると、そういう悲しみも引き受けなくてはならないんだ~。

    3
    投稿日: 2014.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    http://sgk.me/eqo3tt 2009年11月16日に100歳を迎えた著者。 「ぞうさん」「一年生になったら」などで知られる、まど・みちおさんは、日本で唯一「国際アンデルセン賞作家賞」を受賞した詩人です。 ながく童謡・詩を発表してきた詩人が、時にはユーモアを交え、時には世界を鋭く斬りながら、老境の感慨をうたいあげました。

    0
    投稿日: 2012.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まどさんの詩はいつも日常のことを書いてるのに それに普通の人は気付いてなかったりする そんな日常に気付かせてくれる詩がいっぱい詰まってました。 100歳になって病気療養をしながらも 思ったことを言葉にする 絵にする 素敵です。 この詩が大好きだったので引用します あしは くつくつ わらう げたげた わらう あしは ごきげんなとき ぶらぶら あるく ふらふら あるく あしは たいくつなとき ぼかぼか けとばす バカバカ けとばす あしは はら たつとき ふふふふ えへらら このごろの アシなら ヨシだもんな 言葉のリズム が きれい まどさん全詩集ほしいなあ

    0
    投稿日: 2010.06.28