
総合評価
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powered by ブクログ女医が主人公のミステリー。インターセックスというタイトルに引かれ何となく読み始めたがリアリティーのある記述に引き込まれあっという間に読み終えた。帚木蓬生さんという作者を知らなかったが東大仏文科卒業後、九大医学部を出た医者の方と知り納得。ミステリーとして良かったのはもちろんだがリアリティーのあるインターセックスに関する記載も多々あり性というものの微妙さ、難しさを改めて感じた。
7投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ今まで男女の二分でしか見てなかった世界が拡がりました。 どちらかに寄せる手術がよいのでは、と最初は考えてましたが、読み進むうち、そうでない選択もあり、それがよいのだと考えが変わりました。
1投稿日: 2025.01.17
powered by ブクログサンビーチ病院に勤務することになった翔子。そこでは性同一性障害やインターセックスの患者達への治療が行われていた。翔子は絶望の淵にいた患者達のために奔走するが、岸川院長の周辺に不可解な変死が続いていると気づき…。
0投稿日: 2023.11.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
題名の通りの本。 最後の方になるとミステリー要素が強くなってきて面白い。 そこまでは、インターセックスや性同一性障害の方についてとても勉強になるし、色々と考えさせられました。 ミステリーに関しては、殺人の動機が弱い、、??と少し思ったが面白かった。 翔子が岸川に呼び出されて部屋で話してる時、どんな結末になるのだろう、、とすごく胸が踊りました。 翔子の素性を最後に知って、驚きともに納得。 その後のサンビーチ病院の話を読んでみたい。
1投稿日: 2022.08.23
powered by ブクログエンブリオを読んでからのインターセックス。 エンブリオは岸川目線だったのが本作は翔子目線で物語が進む。 インターセックスについてとても興味深く読み進め、いろんな意味で勉強になった。 途中からサスペンス要素が強くなり、翔子が真相に近づくにつれドキドキが止まらない。 予想もしないラストにこれ以上のラストは無いと思った。 とにかく読み応え十分、おすすめです。
0投稿日: 2022.03.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
インターセックスというテーマは面白かったけれど、そのミステリー要素いるのか?と思ったしちょっと文章が読みづらく感じた。
0投稿日: 2021.10.04
powered by ブクログすごいなぁ。素晴らしい作品だった‼︎ 602ページ夢中で読み、今朝の電車で読み切ってしまいました。何度も胸が熱くなり涙が滲みました。ますます帚木蓬生作品、好きになりました。 人間性そのものへの探究と、事件性のミステリーとの両面、どちらも読み応えたっぷりです。 ちょっと大袈裟な言い方だけど…全人類が読めば良いのに…なんて思いました。 泌尿婦人科の医師、秋野翔子は、天才と評判の医師、岸川に誘われて、サンビーチ病院に転勤する。 医療技術や人材も、施設も充実した病院で、翔子の人柄と技量に魅了され、病院にも活気がでる。 そんな中、翔子は、岸川の周辺での奇妙な変死に気づき…! 両性具有という言葉は知っていたけれど、インターセックスというのは『性分化疾患』という医学用語も使われているそうです。ネット検索したら、 「体の性に関する様々な機能・形・発達が、一般的に『男』『女』とされる典型的な状態と一致しない部分がある」という状態。 (以下ネタバレあります) 染色体の区別だけではない、形や機能も、そして気持ちも…。 医学的な考え方で、早くどちらかに決めた方がいいと、赤ちゃんのうちから手術され、思春期にも周りに隠しながら、何人もの研修医たちに見られながら、手術を繰り返す。 それに対して、翔子は言う。 (注: 私の抜粋です、本文ではもっと詳しい) 「しばらくこのままでいい。形はどうあれ、赤ちゃん自身が元気なのに、白黒つけるための手術は…幼い頃から何度もメスを入れられ取り返しのつかない傷をつけられる。書類やしきたり上は、男か女か決めろと、世間の目もそうでしょう。でも、親や家族は真ん中も許されるのだという信念を持っておくべき。大人になって、18歳くらいになって、本人が決めれば良い。それまでの辛さをやわらげてあげるのが、両親、家族、そして医師です。 もちろん辛いこともあるでしょう。形以上に気持ちが揺れ動く。気持ちは外見で決まるものではない。 男、女ではなく「人間」として考えて接してあげる。家族の中ではタブーとせず、オープンに話し合う。もちろん私もずっと相談に乗ります。 自分の意思でしたことは耐えられます。意思に反してされることは、傷として心の中に残ります。」 この辺りの、悩む両親とのやり取りが…もう、翔子の素晴らしさに、当事者たちの苦悩に、涙が出ます。 ドイツでの自助グループのシーンも切なくて力強くて、素晴らしい。 この中でも、男と女だけでなく、その真ん中を3つに分けて5つの性として考えるといい!という話もあり、なるほど〜と感じました。 日本中に、世界中にそういう人たちが本当はたくさんいて…言えないからわからないだけなのだということ。 もちろんこの世には沢山の病気があり、難病、心の病、それは数限りないと思う。好きで病気になる人はいないのに…。 大っぴらに言えない、周りの目が嫌で、恥ずかしくて、何を言われるか差別が怖くて…そういう理由で人に言えない病気って多いと思う。(私自身も経験あります) 翔子の言葉にもあります。 「コソコソする必要なんてありません。何も悪いことをしてないのだから」そう!そうなのに…。 人間として生まれ、人間として生きることが大切。そんなことを、いろいろ考えながら読みました。 インターセックスに限らず、人に言えず悩んでる人、みんなに読んで欲しい傑作です。
2投稿日: 2021.09.06
powered by ブクログ読み応えのある長編。 当人とその家族にしかわからない大変な辛い想いや葛藤。 そういう人たちが実際にいるということは知っているべきである。 信頼できる優れた医師に出会えることはこのような患者にとっていかに大丈夫なことか。
0投稿日: 2021.09.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
当事者にしてみれば「興味深い」なんて言ってはいけないのかもしれないけど、世間であまり話題にされることのない、生まれつきの「インターセックス」を題材にした長編。 最近、性同一性障害などはわりとオープンになってきたけど、体そのものが男性器と女性器を両方兼ね備えていたり(ただしどちらも未発達のことが多い?)、または両方ともなかったりする「インターセックス」は、割合的には多く出産しているにも関わらず、当事者が声をあげることなくひっそりと生きているため、問題にされることが少ない。 主人公の女医は、赤ちゃんのうちに手術をしてどちらかの方に近づけるべき、という従来の考え方を転換させ、そんな体でもいいじゃないか、病気じゃない、そういう第三の性なのだ、ということを主張し、大人になってから自分は女性になりたいのか、男性になりたいのか、本人が決断を下す権利があるはずだという考えを貫こうとする。 それだけでも十分に重たいテーマなのに、臓器移植や不妊治療、病院の経営のありかたなどなど、いろんな問題が絡んできて、とっても読み応えのある1冊です。 病院長が本当は信頼に値する人物なのかどうかがなかなか分からなくて、それが小説全体に緊迫感をプラスしていて面白い。 でも、殺人動機がイマイチだったなぁ…。
2投稿日: 2021.05.30
powered by ブクログノンフィクションともとれる現代の日本のジェンダーや医療と倫理をテーマにした深い内容。ながらにして、ストーリーとしても面白く、ぐいぐいと引き込まれて読めました! 男と女の性差の前に、ひとりの人間ー、って今日現在に生きる私たちにとって、本当に重要な問いかけですよ。ちゃんと目の前や周りの人に興味を持って、人として幸せに出来てますか?って話。2020年末に読み終えて大変有意義でした。
0投稿日: 2020.12.31
powered by ブクログ『エンブリオ』の続編。 こっちの方が興味深かった。 今回は、あの岸川の経営するサンビーチ病院に転勤することになった秋野翔子が主役。 彼女は性染色体の異常により、男性でも女性でもない「インターセックス」と呼ばれる人たちへの治療を行っていた。 思いがけず、サンビーチ病院に転勤になった翔子だが、岸川の周辺に奇妙な点があることに気付く。 先が気になって、読むのがやめられなくなる。 2019.1.20
0投稿日: 2019.01.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2018/2/18 途中までハラハラドキドキおもしろかったのに… ミステリじゃなかった。 医学サスペンスって書いてあるものね。 サスペンスってミステリとは違うのかな。 …と調べたらこれはミステリじゃなくサスペンスで間違いなし。 これもう一捻りしてミステリに持っていけばストーリーに上手いこと作者の言いたいことが隠せた気もするのに、なんかもうひたすら「俺はこう思う!」って聞かされてるようで素直に聞けない。 ネタバレこの上ないけど最後の遺書は退屈で退屈でもう読むのやめよかなと思ったよ。 知らんがな。と。 しかも真相は飲み込んで燃やせと。 知ってか知らずか俺の子どもはいっぱいいるんだ。その子らのためにも闇に葬れと暗に脅し。 キモイ。 なんつー自己中で自己愛肥大なオッサンだ。 これ読んで翔子はどう思ったん? このキモイおっさんの位置づけはどこなん? それがイマイチわからず据わりが悪い。
0投稿日: 2018.02.18
powered by ブクログ母の書棚から『臓器農場』を取り出したのは、いったいいくつの頃だったろうか。ひさしぶり帚木蓬生さんでした。 2017_038【読了メモ】(171222)帚木蓬生『インターセックス』
0投稿日: 2017.12.21
powered by ブクログ医師としても経営者としても優れた岸川と、インターセックスや性同一性障害の患者に向き合う翔子。翔子の秘密については早期に予想はつくし、ラストも予想の範囲内だが、医療ものとしては分かりやすく、とても勉強になった。すべてのインターセックスの人が同じ考えを持つかは分からないが。薬の量にしても、誰を基準としているかなど考えたこともなかったので、なるほどと思えた。 岸川の魅力が強すぎて、翔子が霞んでいる気がするのが惜しい。
0投稿日: 2017.10.21
powered by ブクログこれは圧巻 小説を通じてインターセックスを初めて知った。 何歳になっても、新しく知るのは良い ――人間の性は原始の時代から、男と女の二つに分類されてきました。宗教の世界でもこの二分法は変わらず、旧約聖書ではアダムとイブから人間の歴史が始まっています。 しかし、男と女に二分する方法は、全くの観念的なもので、自然界の現実を反映していないのです。
0投稿日: 2017.09.13
powered by ブクログ2017.7.21完読 これ読むの結構時間かかったわー だけど、なんだか面白かった 岸川先生が本当はやってなくて 誰かに仕組まれたことだったら良かったのにー って本当に思う でも、何よりの一番の衝撃は、直子さんとデキてたこと
1投稿日: 2017.07.23
powered by ブクログ最初から最後までまっすぐな本で、とても勉強になった。人はつい、人にも物事にも白黒つけて、二者択一の選択をしがち。でも、人間って、想像しているよりももっと多種多様で、個性があって、だから良いんだなと、しみじみ思った。心の壁を持たずに、学びあったり、笑い合ったりして、みんなでまあるく生きていけたら、とてもステキだなと、希望を持てました。
0投稿日: 2017.05.14臓器農場、エンブリオに続く命への疑問
アフリカの瞳からずっとファンで、呼んでいますが、帚木蓬生先生の現代ネタの作品はちょいちょい連結しています。 この作品は、臓器農場・エンブリオの主人公が脇役になったサスペンス/ミステリー作品です。ただ、サスペンスやミステリーと言うのはあくまで描きたい題材を露見させるための手法であって、本当は性別とは人間とは生物とはを問いただす作品です。 この作品を読むと、既成概念にはめ込むだけの価値観がどれだけ浅はかなのか思い知らされます。是非万人に呼んでいただきたい本です。 ちなみに、アフリカの蹄・アフリカの瞳もシリーズものですが、ちょびーーっとだけ場面が被っています。
0投稿日: 2017.05.01
powered by ブクログこれは深いい本だった。両性具有は知ってたけど色んなインターセックス(半陰陽)のパターンがあるとは驚きだった。そもそもインターセックスという言葉も初めて知ったし。 その方たちは本にもあるように誰にも知られず、ヒッソリと生活しているのか?そもそも人間は白黒つけたがるし。個人的にはグレーもウェルカムだけど、その本人にとったら隠したいのも良く分かる。 ミステリーの方はおまけ的な感じ。インターセックスの勉強をする本だと思う。読んで良かった。 岸と名のつく苗字は前職の社長を思い出させるので、そこだけが何とも気持ち悪い感じだった。
0投稿日: 2017.04.05
powered by ブクログ帚木蓬生らしい、推理小説として抜群のミステリ要素に、医療に関わる人々の姿勢を半ば問題提起的に埋め込んでいる。どの立場の言い分も、正しいように聞こえる。誰もがそれぞれの正義を貫く中で、掘り起こされていく殺人事件の数々。それを紐解くことすらも、正義なのか問いかけてくるような、"らしさ"全開、読み応えたっぷりの作品だ。
0投稿日: 2017.03.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分が読んだ本を忘れている。何年か前に読んで衝撃を受けた内容なのにすっかり忘れてしまっている。 性が男と女という2分別に分かれるのではなく、もっとファージイなものである。生物は多様性を作り出そうとしているのかと思えるほど、変異で産まれる確率が多い。男でもない女でもない性が作られている。それを社会的に分類すれば無理だ生じる。この本はそんな人たちを描いている。自分の性を決定するのは自分であるという当たり前の権利を主張している。
0投稿日: 2017.02.28
powered by ブクログ男でもなく女でもない第3の性「インターセックス」 広義では100人に1.5人もいるという事実にびっくり。 学校でいえば、1学年に1人くらいはいるってことか・・・ マイノリティの苦悩 すごく勉強になった1冊 ミステリの部分は、まぁおまけ的な感じ(笑)
0投稿日: 2017.01.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
薦められて読んだ本。おもしろい、というより勉強になる本。普通に生きていたら知ることもない世界に対して、筆者の知ってほしいという感情が溢れている。「おそらく不意に襲ってきた不幸に対して、人は「どうしてよりによって」と反射的に考え、その解決策として原因探しをし、自分を責めるだろう。人間の遺伝子に組み込まれた知性がそうされるに違いない。 要するに人間の知性は<偶然>を受け入れられないのだ。すべてに因果関係を求めるこの傾向こそが、ヒトをその他の動物から抜きん出させた原因とさえ言える。」 蛇足だが岸川先生のような人材は罪に問われる必要は無いと思う。
0投稿日: 2017.01.21解説っぽいところも
総じて面白かったです。 タイトルにもなっている男性と女性の狭間がこれほどバラエティに富んでいることはまったく知りませんでした。 ただ,その解説っぽい中間部分がストーリーのリズムを失うことにもなり,少し残念でもあります。その部分をうまく読み流せれば,勉強にもなるし,推理小説的な部分もあるし,ある程度お勧めできます。
2投稿日: 2016.11.15
powered by ブクログこれは、続編なのですね。 知らずにこちらを読みました。 最初から読んだ読者さんは当然しっていることを、複線のように書くのは難しいんでしょうね。 それとも複線のようにするつもりもないのかも。 途中で話が読めてしまって、ミステリー側の方は、特に面白くなかったです。 でも、インターセックスの話は、事実の程度は知らないですが、引き込まれました。 それだけで書いたらもっと良かったのではないかと思ってしまいました。
0投稿日: 2016.09.26
powered by ブクログ両性具有という言葉は聞いたことがありましたが、それがインターセックス。未発達な二つの生殖器を持っていて、性同一性障害とは異なる。 専門用語が沢山使われていてチョット読みにくいうえ、前半 インターセックスの説明、患者さんの苦しみや生きづらさが長過ぎ、いやになります。 何処からサスペンスが始まるのだという感じでしたが、勉強になる作品でした!
0投稿日: 2016.01.26
powered by ブクログ男性でも女性でも無い性があると言う観点ではとても感心した話であった。 しかし、主人公の女医が完璧すぎてこれまた入り込めない。ほほえんだだけで周囲の男性が皆でれっとする・・そんな場面は必要か?
0投稿日: 2015.08.19
powered by ブクログ『エンブリオ』の続編。『エンブリオ』を読んで以来、読みたいと思っていた本がやっと読めました。 続編だけど、単体で読んでも違和感なく読めそうです。 maleかfemaleに無理矢理分類させようとしない、というのは眼からウロコでした。
0投稿日: 2015.05.17
powered by ブクログインターセックスという、世間からはひた隠しにされてきたマイノリティな性に焦点を当てた一冊。 マジョリティであるmale、female に分類される読者にはインターセックスとは何かという周知を図り、 マイノリティである読者にはインターセックスであるからと恥じる必要はない、性は二分化されるべきではないのだと声をかけている。 そういう意味で大きな意味を持つのではないかと思う。 エンブリオの続編、と知らずに読んで、エンブリオでの岸川と加代の話がやたら出てきて驚いた。 この小説に岸川の黒い部分はそこまで必要でなかったように感じる。
0投稿日: 2015.04.12
powered by ブクログインターセックスを扱った医療ミステリー。医師の翔子が、インターセックスに対する偏見と闘いながら、亡くなった親友の死の真相に迫る。 『エンブリオ』の続編となっているけれど、単体でも十分理解できる。 ミステリー部分については、犯人がほぼ分かっているので、物足りない気もするけれど、専門用語が多いのに分かりやすく、医療ものとしてはかなり楽しめる。 半陰陽、両性具有という言葉には馴染みがあったけれど、インターセックスは初めて聞いた。広義のインターセックスの新生児が、100人に1.5人の割合で生まれるということにビックリ。 性同一性障害はだいぶ認知されてきたけれど、それ以上にマイノリティな存在であるインターセックスの人たちが、声を上げることもできず、隠れるように生きている現状が淡々と描かれていて、読んでいて辛くなる。もっと世間に認知され、彼もしくは彼女たちが、自分らしく生きていける世の中になればいいと願う。 男か女かである前にひとりの人間であり、インターセックスは<第三の性>なのだという言葉が印象的。
0投稿日: 2015.03.23
powered by ブクログふぅ〜〜〜 と、読み終わった後に考えこんでしまう。 概念としては大学時代に勉強はしていたが、生物学的にこういうことがあるのは知らなかった。 知っても、自分に深く関係のある状態にならないとフラットに近づくのは難しい気がする。 未だに女性の社会進出なんてことを言ってる世の中で、性と言うものの概念をきちんと理解し、社会システムが形づくのはいつのことになるか。そもそも来るのか。 物語の作りは海堂尊っぽい(笑)
0投稿日: 2014.11.03
powered by ブクログ元医師であった帚木さんの作品。 外的に男でも女でもないインターセックスを題材に人としてのあり方を問う。サスペンスの謎解きも面白いが、無くても厚い内容。
0投稿日: 2014.10.07
powered by ブクログ「インターセックス」帚木蓬生◆インターセックス、生まれつき身体的に男女の区別をつけることが困難な人々。彼らのために全力を尽くす医師・翔子は、神の手をもつ岸川と出会うが…。医療サスペンスですが、ハラハラドキドキというよりももっとずっしり。それでいて読みにくくはなく、バランスが良い。
0投稿日: 2014.09.20
powered by ブクログさすが医師の作品。学部の産婦人科でもそれほど学ばない分野を克明に記述していた。医師としてもなかなか読み応えのあるものだった。
1投稿日: 2014.02.12知らない、ということ
正直、自分も半陰陽について、全く理解がなかった。これまでの生活のなかで、ファンタジーでしかなかった。ISというドラマを見て、興味を持ってこの本にたどり着いた。知らない、ということは、それ自体が差別を生んでいる。この本を、読むことができてよかった。
1投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログ前作『エンブリオ』の続編です。 サンビーチ病院ような病院ができ、世に知られるようになってこそ、本当の意味でやっと「性差別」の領域に踏み込めるような気がします。 しかし、この病院を作った岸川院長は、そのために多くの人間を犠牲にしました。それほど理想の病院を作ることは困難だという作者の警告のようにも感じとれます
0投稿日: 2013.08.10
powered by ブクログサスペンスとサイエンスミステリー。インターセックスやセクシャリティの問題を色々考えさせられた。LGBT活動をしている人にはぜひおすすめします♪
0投稿日: 2013.08.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本の背表紙のあらすじでは「~やがて彼女は岸川の周辺に奇妙な変死が続くことに気付き…」とがっつりサスペンス感があるけど、その話はたまーにチラチラ最後にポッと出てくるだけでほとんどがインターセックスやその当事者の事、主人公の考えなど。 インターセックスに興味があったので興味深い事だらけでよかった インターセックスに全く興味が無く、サスペンスを期待して読むとキツイかも むしろサスペンス要素は無しで、インターセックスや性差医療、男とか女とかじゃなくて人間として…的な内容だけで十分だったかも たまに難しそうな医学的用語や描写があるけどとても読みやすかったので、サスペンスは期待せず、インターセックスを知るために読んでもらいたい
0投稿日: 2013.07.18
powered by ブクログインターセックスの人たちの苦悩が感じられた。 秋野先生がいることで救われる人がたくさんいるだろう。
0投稿日: 2013.05.04
powered by ブクログそっかー、性同一性障害と半陰陽って、似ているようで全然違う、むしろ真逆の状態なのねー。サスペンス的要素がなくても、すごくおもしろい本ですよ。
0投稿日: 2013.05.02
powered by ブクログ全く知識のない分野だったので、インターセックスに関する現状や社会問題の部分を読めるだけでもおもしろかった。 女医さんかっこよすぎ。 前作も読んでみようかな。
0投稿日: 2013.02.04
powered by ブクログインターセックスと呼ばれる人達がいるという事が驚き。その人達の苦悩や考えを少しわかったことが収穫。そこにサスペンスも加味され物語としてもとても面白い。
0投稿日: 2013.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まず、前作「エンブリオ」と比べて題材的に個人的にはあんまり興味ないネタだった。次に全体的な流れもサイエンスしたいのかミステリーしたいのか社会問題やりたいのか、しかも前作を回りくどくつなげるもんでめんどくさい感じだった。全く別の作品にすればよかったんでは?だめ押しがクライマックスの流れ、想定内すぎる、前作にからむでもなく、うーん、書き飽きちゃったのかなみたいな感じだった。勝手な事ばかりすみませんすみません。
0投稿日: 2013.01.15
powered by ブクログ「神の手」と評判の若き院長、岸川に請われてサンビーチ病院に転勤した秋野翔子。そこでは性同一障害者への性転換手術や、性染色体の異常で性器が男でも女でもない、“インターセックス”と呼ばれる人たちへの治療が行われていた。「人は男女である前に人間だ」と主張し、患者のために奔走する翔子。やがて彼女は岸川の周辺に奇妙な変死が続くことに気づき…。命の尊厳を問う、医学サスペンス。 (BOOKデータベースより) *** 「閉鎖病棟」に続き、帚木作品2作目。 「エンブリオ」の続編のようですが、こちらから読んでしまいました。 十分楽しめましたが、エンブリオも読みたいと思います。 元々興味があったテーマでもあり、のめり込むように読んでしまいました。 これ程惹きつけられた作品は久しぶり。 最近本に入り込めてなかったので、まだまだ大丈夫だと安心しました。 ただ、岸川先生のキャラが安定しない印象で、そこだけが少し残念。 最初も最後もあっさり改心?しすぎかなー、と。 性自認やインターセックスについては、考えさせられました。 軽々しくどうこうとは言えない程に。
0投稿日: 2012.10.04
powered by ブクログ「エンブリオ」の続編としてのミステリー要素と、性分化疾患や性差医療を正面から取り上げるドキュメンタリー要素が交錯しあって、最後まで目が離せなかった。なんといっても圧巻なのは、IS当事者が誰にも言えずに悩み続けた挙句、それぞれがみつけ、つかんだ自分の生き方を語るシーン。語れるようになるまでに、どれだけの絶望と苦悩を越えてきたことか、安易に想像できるものではないけれど、それはあまりにもすがすがしい。 性分化疾患についてわずかなりとも知識を得られたこともよかったし、秋野先生の診療姿勢には非常に多く学ぶところがあった。秋野先生がいるサンビーチ病院は、医療技術だけではなく患者の心理的ケアの面でも素晴らしい病院になっていくと思う。 院長から業務の一環として読むことを義務づけられた本。時間をおいて再読したい。
0投稿日: 2012.08.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
聞いたこともない「インターセックス」を扱いながら ぐいぐい 物語にひきこまれていった サスペンスって感じではなかったのに 実は連続殺人だったのには 驚いた。 途中からなぜ主人公がここまでこの人たちに尽くすのか不思議だったが 最後で理由がわかった。 遺書は説明しすぎなかんじでした。 読む順序が反対らしいが 「エンブリオ」も読みたいです。
0投稿日: 2012.07.23
powered by ブクログ医師でもある箒木蓬生さんの医療小説は、緻密な事実の積上げと暖かなヒューマニズムにあふれていて、読後の爽快さを誘います。 目を背けがちな女でもなく男でもない中間の性という問題と正面から向き合い、サスペンス仕立ての展開で引き込まれました。サスペンスが苦手な私でも、この作品は読めました。
0投稿日: 2012.07.22
powered by ブクログかなり前に「エンブリオ」を読んでいてよかった。この作品は、その中に出てくるサンビーチ病院が舞台。っていうか、読んでおかないと繋がらない部分もあるかも… それでも冒頭の医療裁判からグイグイ、読んでいけます。おもしろい。 ミステリーでもあり、インターセックスを勉強することもでき、読んだ後にジェンダーについて考えさせられました。 影に隠れている医学。ISを語る人たちが苦しみや乗り越えていこうとする強さを告白するシーンには胸を打たれます。 精神科医の肩書きを持つ作者だからこそ、描けるんだろう。
1投稿日: 2012.07.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
知らなかった世界に目を向けることができて良かったなと思う ”違う”ことを嫌悪して排除するんじゃなくてただ認識して共存することが必要ってのは宗教然りインターセックス然りですねー ただ死んで決着ってのは個人的にあんま頂けないかなー
0投稿日: 2012.07.07
powered by ブクログサスペンスと並行して社会に中間性を問題提起するような作品。医学的専門的過ぎる描写を差し引いても、自分にとって新しい発見であった。 途中、間延びした感があった。 遺書は詳し過ぎ。もう少し余韻が残るように締めて欲しかった。
0投稿日: 2012.06.07
powered by ブクログちょっとマジメすぎるきらいはあるものの、非常に興味深く読み進んでいける。一般的には知られていない(そもそもがこの話題を誰もが避けて通りたがるような)題材を取り上げて、深く掘り下げている。読みやすい文章+ストーリーも面白かった。 患者にとって理想的すぎるほどに素晴らしい病院、その経営者も人格者であり、優秀な人材も揃っていて、まさに医師と患者の双方が理想とする楽園のような素晴らしい環境 そこへ請われて赴任する主人公、しかし… 最初は余りにも理想的すぎる立派な人物ばかりという描写に違和感を感じるものの、すぐに怪しさが発露し、それは徐々に… 題材にばかり注目がいきそうですが、キャラクターやサスペンス要素等も盛りだくさんの面白さを持っている。作者の他の作品がもっと読みたい(作中の重要人物が登場する別の作品もあるというし)という気にさせられる♪
0投稿日: 2012.06.06
powered by ブクログ性染色体の異常で性器が男でも女でもない、<インターセックス>とよばれる人たち。 性同一性障害については近年マスメディアに取り上げられることも多いけど、インターセックスについては全く知らなかった。出現頻度は百人にひとり半、日本で毎年千人弱は生まれているとは・・・ 舞台が(おそらく)福岡、冒頭部分はうちのご近所の裁判所あたり、著者は九州大学医学部卒、ということでさらに引き込まれた。 ”(解説より)二つのミステリーが交叉する物語である。一つは、通常のエンターテインメントとしての、犯罪と謎解きを意味するミステリー。もう一つは、人間の性、性別そのものを大きな謎ととらえて探求するミステリーである。” うん、前者のミステリー(医療サスペンス)は王道とっぽいいうか途中からそこそこ読めたけど、それだけじゃなく「性の多様性」について絡むことで圧巻だった。超分厚いけど一気読み!
1投稿日: 2012.03.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
難しい・・・・・・! 専門用語がバンバン出てきてそれにある事件が加わり難解。 只登場人物の患者さんの直向きに生きていくところは素直に感動!
0投稿日: 2012.03.22
powered by ブクログ先天的に性別がはっきりしない形で生まれてきた人たち(=インターセックス)を巡るサスペンス。 インターセックスにまつわる社会背景とかは、知らない世界で興味深かった。 ただ、手術シーンの描写がリアルすぎ(泣) しばらくは読まなくていいかなーというところ。
0投稿日: 2012.03.14
powered by ブクログ岸川に誘われて、先端医療を行うサンビーチ病院に転勤した翔子。 やりがいの中で、隠された秘密に気付く。 医学部卒である著者ならではの医療サスペンスではあったが、 真相は途中から分かってしまうこともあって、 600Pを超えるボリュームはやや冗長としてしまっている。 しかし、インターセックス(性分化疾患)を題材にした内容は、 読者に対してジェンダーに関する意識を高め、偏見も取り去ってくれる。 自分のジェンダーに関する見方を大きく変えてもくれた。
0投稿日: 2012.01.27
powered by ブクログ前作「エンブリオ」を読んでから読むほうが良いと思う。 インターセックスという言葉があるとは知らなかった。 世の中には遺伝子と外見が一致しない人々がいる。彼らをインターセックスというようだ。 性同一性障害は精神との乖離なのでインターセックスとは違う。 遺伝子は女なのに男性性器や精巣があったり遺伝子は男なのに女性性器や卵巣があったり、また両方あったり・・・程度の差こそあれ何かしらのインターセックスの人は1~2万人に1人はいるとのことなのでみじかな人の中にもいるのかもしれない。 話はそんなインターセックスの人々との関わり方をどうすればよいのか、どうするべきなのかを主人公の女医が本人、家族を交えて進んでいく・・・病院長の犯罪なんかもからんできて病院内サスペンスといったとこ。。 女医がなぜインターセックスの人々とこんなにも真剣になるのかといえば、実は彼女もインターセックスであり、何度も嫌な手術を繰り返してきていた。そんな実体験をもとに、インターセックスの人々につねに真剣にかかわる。 病院長の犯罪もこの女医が見抜き、結局院長は自殺。 最後は院長が、犯罪の告白、これからの病院長は女医に任せたいとの遺言書にて物語は終わる。 すごく勉強にもなったし、子供に対して実は親の身勝手な思いから子供本人に大変な苦痛を与えることもあるのだと考えさせられた。子供の自主性を尊重することも大事なのだと思った。
0投稿日: 2012.01.24
powered by ブクログ今帚木蓬生にはまっている。確実におもしろい。 さすが精神科医である。 精神を病む人を描く点では「閉鎖病棟」などと共通しているが、 この作品は染色体異常により「インターセックス」と呼ばれている男性でもない女性でもない人たちを専門用語を駆使して描いている。 作品的価値もさることなが、最近はわりに公にされてきたとは言え、社会的理解を得られない闇の部分もえがいてあり、感動した。 「人は男女である前に人間である」この一言にもまた感動した。
2投稿日: 2012.01.13
powered by ブクログ「エンブリオ」の続編。 岸川先生、いくら医療とはいえ ちょっとやりすぎだろーって思ってたから 最後は可哀想だけど、ちょっとすっきりした。 現在の産婦人科についての問題点を指摘している面や インターセックスについて知ることができて興味深かった。
0投稿日: 2012.01.03
powered by ブクログ「性って何だろう」という問題提起、また「エンブリオ」の続編として、二方向から興味深かった本。 ――インターセックスとは、文字どおり男性と女性の中間に位置する様々な性を意味します。人間の性は原始の時代から、男と女の二つに分類されてきました。宗教の世界でもこの二分法は変わらず、旧約聖書ではアダムとイヴから人間の歴史が始まっています。しかし、男と女に二分する方法は、全くの観念的なもので、自然界の現実を反映していないのです。 本文中で出てくる、このインターセックスの定義が、この本の内容を端的に表していると思う。 性同一性障害といえばドラマなどで取り上げられる機会も増え、自意識としての性の不一致は広く認知されるようになったけれど、外観や機能面での性の曖昧さについては知らないことばかりだった。 作者が現役の医師であるせいか、小説といってもとてもリアリティーがあったので、正直読んでいて苦しく感じることも多かった。でも、あたかも帚木さんの実体験であるかのように、出てくる人物の視線・心情に忠実に寄り沿った描かれ方をしているので、まずそこが感動だった。 また、インターセックスと絡めて、出生前診断や人工妊娠中絶の可否、産科の現状や医療費を含めた制度面の問題など、広い範囲で医療の問題提起がされていて内容もとても濃かった。 生物学的に見たヒトの多様性と、曖昧さをなくしてシンプルでなければならない制度は、どうしたら共存できるだろう。 男女といった二者択一で語れるほど人は単純ではないけれど、かといって、何から何まで多様性として片づけてしまえば社会は成り立たない気がする。 とても難しい。正しい答えはない問題のような気もする。 でも登場人物が、立場の違いはあっても、皆その問題に対して真摯で、何とかアクションを起こそうとする姿がとてもたくましく映る。 そのせいか、重い内容ではあるけれど、静かな感動が残った。 そして「エンブリオ」でも感じたけれど、セレブな場面の描写が素敵。
0投稿日: 2011.12.12
powered by ブクログ帚木蓬生さんの作品実ははじめて読みましたが、読みやすいです。 こちらも、あっという間に導入から引き込まれ読み進みました。 ミステリ仕立てだったようですが、実は知らずに読んでいたので、人間について書かれたものかと思っていたら、段々とそちらの方向へ。 しかし、そうであってもヒューマンドラマを書き込んでいる為、途中コンテンツが詰め込まれすぎ、話の本筋が見えなくなりますが、最後で駆け足に纏めています。 ちょっと導入が良かっただけに、途中膨らみすぎて、最後駆け足が残念かなとは思いますが、基本的にはお薦めの一冊です。
1投稿日: 2011.12.01
powered by ブクログ男性と女性の中間に位置するさまざまな性、「インターセックス」。 たとえば染色体がXYで男性なのに、身体的特徴などの外見は女性だったり、性器などがどちらも完全ではなかったり。。 広義のインターセックスを含むと、日本でも100人に一人、狭義だと毎年1000人弱は生まれているのだとか。。 それ以外にも、いま一般的に処方される薬は男性基準で、臓器の大きさが違う女性には多すぎるのだとか、知らなかった話がたくさん。 でもあくまでも小説なので、素敵な女医さんがインターセックスの人達と向き合っていくストーリーになっていて、読みやすいのです。 加えて、この作品には殺人事件も並行して描かれていて、またまた一気に読破してしまいました。 インターセックスの人が必ずしも不幸だとは言わないけど、 様々な辛い環境を乗り越えて生きているはず。 この世に五体満足で生まれてきた自分は恵まれているのだとつくづくそう思いました。
0投稿日: 2011.11.23
powered by ブクログミステリーとしては凡庸かも知れないが,あまり知られていない題材を掘り下げていて社会勉強になる小説。半陰陽という語はどこかで聞いたことがあったが,生殖器や染色体が男女どっちつかずの人たちが「インターセックス」と呼ばれていることは知らなかったし,彼ら彼女たちの生き方を想像してみることもなかった。 安易な二分法というのは往々にして批判されるものだが,男女の区分など,世の中にはあまりにも当たり前とされていて,見落とされていることが多い。ものごとに明確な境界はない,すべては連続的で,境界線は便宜のために恣意的に引くしかない。分けるとは分かること,と言うように,ものごとを理解するためには人為的な線引きが必要だけど,その線がどう引かれたのかを忘れてしまうのもまずい。男女って思ったほど違わないんだな…。 最近読んだシノドスジャーナルの記事,執筆者は,非営利団体インターセックス・イニシアティヴ代表の小山エミさんという方らしい。性同一性障碍に続いて,インターセックスもだんだんと社会的に認知されるようになってきてるのかも。 http://synodos.livedoor.biz/archives/1855845.html
0投稿日: 2011.11.15
powered by ブクログエンブリオの続編。ハハキギ作品は、読み終わった後に静かな感動が残るものが多い。固定観念や差別について考えさせられました。
0投稿日: 2011.11.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
帚木 蓬生さんの本だから、すごいんだろうとは思っていたけれど、この重いテーマで一気に読ませる力はすごいなあとあらためて感じた。主人公がてきぱきと仕事をこなす知的な女性であることと、一つ一つのトピックスが非常にきちんと論理的に流れていくこと、また一方で豪華な食事やパーティーがあるなど華やかな生活が書かれることで、物語にどっぷりとつかった。最後、ああーこれはどうなる!?このままでは終われないじゃないか…と思っていたら、翔子先生、そういうことだったのか、、、と納得。翔子と言う名前に改名したことも、序盤は「なぜに」と思っていたけれど非常に納得するし、優しさにも納得。結末も非常に納得できた。しかし、最後の手紙で「やっぱりこの人モンスターすぎ」と怖かった。「エンブリオ」は読んでいなかったので、まさか岸川先生がそういう人だったとは知らずに読んでいたので。自助グループの存在は知らなかったけれど、こういう会のおかげで人々が希望を取り戻せるというのは、自分も他のグループの会合に顔を出したことがあるのでよくわかる。大きい物語だった。
0投稿日: 2011.11.06
powered by ブクログ知らなかった世界がある感じ。医療は万能ではない。人間も機械のように万能ではない。さらに二つの性だけに分類可能なわけじゃない。知らなかったというより見ようとしなかったことが大きいかもしれないね。犯罪者は完全悪に分類できるのだろうか?
0投稿日: 2011.11.05
powered by ブクログ医療モノとしては興味深かったけど、正直話の本筋とは無関係のシーンや描写が多すぎて、なんだかたるんだ印象の小説。 最後の結末部分もご都合主義な感じ。しかも最初にあった謎(?)の部分、最後まで解明されないんですけど~??どういうこと!? 伏線を貼るだけ貼っておいて、まとまり切らないから適当に締めちゃった感がしてつまらなかった。 偏見を承知でもう一言書くなら、年配の作者が書いてる小説にはこういう傾向が多い気がする(あくまで私の感覚ではだけど)。
0投稿日: 2011.10.17
powered by ブクログちょっと前のドラマにISというのがありましたが、残念ながら不調だったようですね。 この本を読んでから見るとかなり印象も変わり 面白く視聴できたと思います。
0投稿日: 2011.10.15
powered by ブクログサスペンス物としては今ひとつだけど、 詳細な医療描画が素晴らしかった。 インターセックスに関する知識が身についた。
1投稿日: 2011.10.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
そうだったのか。。。と最後思った。 帚木さんの本は、医療ミステリーだけどジックリと読ませてもらえる。 主人公がシリーズ化しない感じが好きです。
0投稿日: 2011.10.05
powered by ブクログ久しぶりに手にした帚木さんです。 『エンブリオ』の続編ですが、それを読んだのが6年前ですから、内容はほとんど覚えてなくて、ただ天才医師・岸川とリゾートのようなサンビーチ病院だけは強く印象に残っていました。 帚木さんらしいヒューマニズムに溢れた作品ですが、やや冗長な感じがあります。それはこの物語に2つの軸を持たせた為だと思います。軸の一つが半陰陽(=インターセックス)に対する医学的偏見、もう一つは岸川と病院をめぐる連続殺人事件です。ただ、著者が描きたかったのは前者で、後者は物語の形を作る道具だてに過ぎない感じがします。 インターセックスを巡るエピソードは秀逸で心を揺るがせます。また、その関連で綴られる医療過誤問題も考えさせられます。 『エンブリオ』が有ったから、この『インターセックス』が書けた。しかし『エンブリオ』を引き継いだために、岸川の背徳にケリを着けなければならず、その為に焦点が絞り切れなくなった、そんな気がします。いっそ『エンブリオ』から離れ、別のストーリーで『インターセックス』を描けば。。。ちょっと残念な気がします。
0投稿日: 2011.10.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「男でも女でもない第三の性を持って生まれた者たちの魂の叫びを聞け」という帯が気になって読んでみました。学術書やドキュメンタリーではなく小説ではありますが、インターセックスに関する考えが小説全体の中で伝えらていて、ドキュメンタリーのような感じで読みました。 インターセックスというのは、身体的に男女のどちらかが分からなかったり(染色体は男だけど身体は女とか、染色体は女だけど身体は男とか)、性同一性障害(金八先生で上戸彩がやった役)など、帯にあるように単純に「男か女か」の二者択一できない性別のことです。 小説の中で「その人のアイデンティティが定まらないことを防ぐために、男か女のどちらかに近づける手術を子供のときにした方が良い」という意見があり、でも主人公の女医さんは「本人の意思もないまま手術をしてはいけない」と反論しました。「男か女であるかの前に、人間だ」というセリフは心に響きました。 将来、自分の子供がこういう状況になったときに、僕自身どういう反応や判断ができるかは分かりませんが、この本で描かれていることを知っておいただけでも良かったと思います。 気になった言葉は「性のグラデーション」という言葉。男でも女でもない、でも中間というわけでもない。人にはいろんな価値観があるように、性の問題でもいろんな位置がある。価値観のグラデーションというのは、性の問題に限らず、人種や人の考え方などにも関係している、良い言葉だと思いました。 この小説はなぜかミステリーも含まれていますが、不要だと思いました。最終的に感動できますが、もっと違った形にしてほしかったな。なので評価は★3つです(笑)
0投稿日: 2011.09.24
powered by ブクログもともと興味のあったインターセックスの問題を取り上げた作品。 ミステリーの方はあんまりおもしろくなかったけど(先が読めたし) インターセックスを知るにはいい本かなと思った。
0投稿日: 2011.09.23
powered by ブクログ帚木蓬生の本は今まで挫折してきたが、これは読んだ。勉強にはなったが、ちょっと思っていた展開とは違ったのが残念
0投稿日: 2011.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終わって、息を殆ど止めた状態で読んでいたことに気づいた。 無知な私には、医学の知識をそのまま鵜呑みにしてしまっていいのかはわからない。 でも、かなりの確率で第三の性を持って生まれてくる人達がいて、その大部分がひっそりと生きているのだろうことはわかった。 岸川院長の考え方にはハラハラさせられたが、遺書を読むと、もう何も言えない。 誰もが楽しめる本だとは思わないけど、読み応えのある作品に挑戦したい人にはお薦め。 『閉鎖病棟』とは違い、読み手に元気がなくても充分楽しめるのもよい。 --- 「神の手」と評判の若き院長、岸川に請われてサンビーチ病院に転勤した秋野翔子。そこでは性同一障碍者への性転換手術や、性染色体の異常で性器が男でも女でもない、〈インターセックス〉と呼ばれる人たちへの治療が行われていた。「人は男女である前に人間だ」と主張し、患者のために奔走する翔子。やがて彼女は岸川の周辺に奇妙な変死が続くことに気づき……。命の尊厳を問う、医学サスペンス。
0投稿日: 2011.09.14
powered by ブクログ男と女、その間の第3の性を持つ人々―インターセックス。 自らの、あるいは愛するわが子の曖昧な性に戸惑いながら必死に向き合う患者を全力で包み込む女医・翔子。ジェンダー分野で最先端の医療技術・設備をもつサンビーチ病院の院長岸川にヘッドハンティングを受けることから物語は始まる。数年前の不可解な親友の死と新たな赴任先であるサンビーチ病院との関わりに気づき、物語は進んでいく。 人類が誕生した時から何万人に一人とかの確立で出現していたであろう、この第3の性、現在日本国内にだって何100万人と存在するはづ。しかし全くといっていいほど無知であるということは、その大部分が自らの性をひたすらに隠しとおしてきたことに他ならない。 そして、受け入れられないことは、信じられないことや説明ができないことは、なかったことにしてきたってこと。 男と女、いい悪い、できるできない、好き嫌い そういう風にどちらかにしてしまうことはとても気持ちよくて分かりやすくて安心だから。 色々と考えてしまう、例えば将来自分の子どもがこの第3の性を持って生まれたら、あるいは出逢って愛した人がこの第3の性であったら、私はそのときどんな風なのかなって思う。 自分を自分として受け入れるというのは、とても難しいこと。 だからこそ、そう決めた人には誰も、コメントをしてはいけない。いいとか悪いとかでもなくて、そういうことだから。 毎日の通勤時間がとても貴重に感じるほどにトリップ感のある1冊。 謎解きの部分はシンプルだけど、医療行為の描写も緻密で読みごたえがすごい。
0投稿日: 2011.09.11
powered by ブクログ医療小説、って呼べるものを読むのは初めてかもしれない。 なんかさ、雑っぽそうやん、医療ものって。 現場もそんなしらんくせになんか適当にドラマつけてさ、しかも俗っぽいし。 と思っててんけど、意外といけるな、というか医療小説はそれはそれで読むべきやな。 たとえば医療小説に焦点をしぼって、実際の医療の発達と、小説の呼応をフォローしたらなかなかおもしろい社会学的研究にもなりそうやし。 あと、むかし憧れてた、ほんとうにその人を変え動かすもの、としての小説・文学のひとつの花形じゃないかと。 漠然とむかし文学に憧れをもっていたひとつの理由として、「ありとあらゆる自分ではどうしようもない社会問題とか個人の問題とか、そういうものに立ち向かうのに現実の医療とかカウンセリングとか論文とかって役に立たないけど、ほんまにええもん読んだらその人の考え方変わるし、みんなそうして変わったらめっちゃええ世の中になるんちゃうん!」っていう、安易な村上春樹論とユネスコを合わせたような考えがあって(いまはそこまで悲観的な考えではないけれど)、そうすると医療の代替としての小説、ってありちゃうん、と思ってたわけです。 で、そういう意味でも、特に例えばこの本だと、インターセックスの人が読む意義はあると思うんですよ。 で、それとは別の意味で、読んで良かったなと思うのは、やっぱ医療っておもしろいわ、と純粋に改めて思ったからで。 なんかサスペンスとして読むには中途半端やし、医療の根源に迫るって言う意味でもそりゃアカデミックな意見に比べたらだいぶ俗っぽいよ、でもそういうとっかかりとして、というかモチベーションとして、こういうのっていいね。
0投稿日: 2011.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
衝撃的だった。 まずインターセックスというものの存在を知らなかった。 この本を通してインターセックスの人たちの実情を知って、それに対しての衝撃を受けた。 またその患者らを診る秋野医師の環境ーサンビーチ病院の先進・理想の医療現場、ファームという恐ろしい実験場所にも圧倒された。 さらに、インターセックスの話が進行するのと並行して、秋野の親友・加代の死に始まる数々の不審死に関連する事件の全貌も徐々に明らかになっていき、ミステリーの要素も併せ持つ。 そしてやはり犯人は彼だったのかと。 またそれを読者に気づかせるタイミングも絶妙。 そして、秋野医師こそインターセックスだったという衝撃の事実が最後明らかになる。 全ての事実の辻褄が合い、物語が収束するこのスッキリとした読後感は最高。 個人的には、男性・女性とはっきり分けられないminorityの性が社会から迫害される世の中を改めて感じ、ひいては平等とは何かを自分の中で問う機会にもなった。
0投稿日: 2011.09.04
powered by ブクログ正直、自分の子供がインターセックスとして生まれたら、こんな風に思えるようになるのか疑問。だけど、全てを受け入れる人にはなりたいと思う。
0投稿日: 2011.08.31
powered by ブクログインターセックスについての著者からのメッセージは痛いほどに伝わる。でもあえてストーリーにする必要性が感じられない。論文でいいのでは、という印象。非医療従事者のための解説口調も、だったらそこまで書かなくても表現できるのではと思ってしまいました。ミステリーでもない。
1投稿日: 2011.08.21
