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総合評価

25件)
4.1
9
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6
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    天羽憲治が東京裁判のモニターを務めることで正義を貫こうとする反面、弟の忠がやさぐれで行く様子が痛ましかった。 置かれる環境は真反対だがどちらも2世として日本人としてもアメリカ人としても忠誠心を常に問われる厳しい立場におかれてやるせない。 二つの祖国(3)は東京裁判が描かれており、東京裁判について見識を深めるきっかけになった一方で読みこなすのはかなり難しかった。

    0
    投稿日: 2024.07.04
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    日系二世の主人公が日本とアメリカ、2つの祖国の間で悩みながら生きていく太平洋戦争末期〜戦後の物語。 3巻目の本作は引き続き日本での軍事裁判が続く。 愛する女性椰子と米国から日本にやってきたつまりエミーとの間で悩む日々も始まりいよいよ面白みが増してきた。結末が楽しみ。

    1
    投稿日: 2024.03.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読了に大分時間がかかってしまった。 本編の主人公の天羽賢治は極東国際軍事裁判のモニターとして、法廷に臨むが、戦勝国と敗戦国の不当な裁判に忸怩たる思いで臨む。 物語は裁判の描写と賢治の私生活面での描写を交互に綴っていく。 裁判描写では、読書中に眠くなった。 賢治の新聞社勤務時代のかつての同僚の椰子は両親と共に日本に戻り、原爆の被爆者となり、奇跡的に助かったが、両親を失った。 椰子の妹の広子はアメリカに残り、原爆の被害からは逃れた。 妹と両親の墓参りに行った椰子は広子から、アメリカが原爆調査機関を作り、被爆者を治療するのではなく、モルモット替りに調査しているという話を聞いて、人種的偏見も甚だしいと、怒りで体が震えた。 賢治は日本にいる間、椰子と深い仲に成っていく反面、妻のエミーとは心が離れて行く自分に煩悶する。 戦争が終わってからも、祖国日本とアメリカの間で苦しむ日系二世の賢治の心の葛藤は続く。 次巻の四巻目は後半の東京裁判へと続く。また、妻エミーとはどうなるのか? そして椰子とはどうなるのか? 闇市で稼ぎ、成金となった賢治の弟の忠は? 最終巻も気になる。

    3
    投稿日: 2023.12.23
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    3巻は、終戦からGHQの進駐、そして東京裁判を中心に物語が進行する。 主人公のかつての同僚で、密かに想いを寄せていた女性は原爆投下時、広島にいたが奇跡的に助かり、主人公と再開する。 そして、主人公は、東京裁判にモニター(通訳が合っているかどうかダブルチェックをする人)として立ち会う。 東京裁判では、勝者が敗者を一方的に裁くという一貫した進行に主人公は違和感を覚える。 日本は侵略戦争をしかけたと一方的に非難され、他方でアメリカの原爆投下については裁判上の記録から削除される。 そして、戦前戦時中は、あれだけ日本政府、軍部を称賛していた日本のマスコミは、掌を返したように日本批判、反日の報道を始める。 アメリカGHQの一員として、東京裁判に関わっている主人公は、アメリカと日本、二つの祖国の板挟みにあって、悩み苦しむ。 アメリカ人からは、ジャップと呼ばれ、日本人からは薄汚い裏切り者と言われる。 そんな主人公の苦悩を理解せず、日系二世にも関わらず反日思想の妻に、主人公は愛想が尽きて、かつての同僚の女性に心が惹かれ、2人は結ばれる。が、主人公は結局プライベートでも、どっちつかずの態度をとってしまう。

    0
    投稿日: 2023.06.24
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    東京裁判のモニターとして、法廷に臨む賢治。 裁判長、連合国側の検察官、日本人の被告、日本人の被告を弁護する弁護士。 太平洋戦争への様々な思惑がみえてくる。 アメリカ国籍を持ちながら、日系二世でもある自らの存在をもとに、限りなく公平にモニターとしての職務に徹しようとする賢治。 それが賢治を悩やませ、苦しませる… 日本兵が連合軍の捕虜や女性に行った残虐行為。アメリカが日本の敗戦がほぼ決まった中での広島、長崎での原爆投下。 どちらも許されない。 日本にだけ非があるとするのではなく、日本をそこまで追いやった側の非も追求する日本側弁護団の正義。 戦争、そこに至るまでの経緯… 一方だけに非があるわけではないのか… ロシアとウクライナ、どうなんだろう。 そんな中で想い悩む賢治… エミーとのすれ違いの中、椰子に安らぎを求めていく… エミーに椰子との関係を知られることとなり、エミーの身に起こった悲劇を知った賢治。 3人の関係はどうなるのか… ヤミ屋として、才覚を現す忠。 賢治と忠、分かり合える日は来るのか…

    6
    投稿日: 2023.05.13
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    東京裁判は戦争犯罪を裁く場ではなく、敗戦国の指導者に責任を取らせる裁判だった。 戦争は置かれた環境や所属によって意思とは関係なく相応の仕事を求められ巻き込まれるのだとつくづく思った。 親ガチャが取り沙汰されているが、私は国籍ガチャもあると思う。 ▼ヒトは区別分類することができるが、すなわち差別も生まれる。 人種差別が無くならないように戦争も無くならないなら、 ルールを決めた戦争を行なってもらいたいものだ。 例えば、戦闘予定地域への民間人完全退避の徹底、 民間人を巻き込まないプロの戦闘員による陣取り戦争。 ルールの上で戦争して人道違反を戦勝国、敗戦国を平等に評価する体系を作っていって欲しいと願う。

    2
    投稿日: 2022.09.22
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    戦勝国側だけでなく、敗戦国の弁論も確りと描かれている。 もどかしさとやるせなさが残る三巻目でした。

    1
    投稿日: 2022.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

     やっと読み終えた3巻。東京裁判の内容はやはり難解で、登場人物も多すぎて2割程度しか理解できていないような気がします。賢治と椰子のシーンが一抹の清涼剤のようでした。  戦争に関する裁判で裁かれるべきは一体何なのか(まず私はここが分かっていなかった)。根拠となる国際法に違反するのは、①民間人の殺傷、②民間物の攻撃・破壊、③不必要に残虐な兵器の使用、④捕虜の虐待 が国際法に違反する主な行為。第二次世界大戦以前は交戦権そのものは認められていた。したがって、東条英機などの個人をA級戦犯として裁くのは通常でなく、〝日本が敗戦国だから”、このような裁判が実施されたのだと知りました。  反対に国際法違反を問うべきなのは、前述の①~③を明らかに破り原爆を投下したアメリカやんけとツッコミたくなるが、原爆に関する議論は裁判所の権限で打ち切られ、まったく不問に付されてしまう…何やこの裁判は!戦争に負けるとはこういうことか、と忸怩たる思いでした。二世として戦勝国側に立ってモニターの職務に励みながら、原爆投下によって愛する人の家族の命が奪われた、複雑な立場に立つ賢治の絶望は計り知れません。  一方で、東京裁判では日本の捕虜に対する虐待が激しく問われます。確かに日本が行った行為は胸糞の悪いものですが、「捕虜になれば死ね」としか教えられていなかったから捕虜の扱いには無知であったという背景も一考に値するでしょう。  70年以上の時を経て、21世紀になってもなお侵略戦争が起きている。民間人が犠牲になり、民間物が破壊され、民間女性が兵士による性暴力によって尊厳を奪われている。この争いの行方をしっかり見届けなければと改めて心に誓いました。

    1
    投稿日: 2022.04.18
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    戦争とは本当に酷い事だと改めてこの本を読んで 思う。 東京裁判は、敗戦国日本にとても不利な 事ばかりで日本人としては腹立たしいばかりだ。 戦争に負けるという事は、不利益な立場 に追いやられ勝戦国に全て従わなければ国として 成り立って行かないと言う不条理だ。 原爆投下を東京裁判で削除された話は、戦争を経験していない自分でも腹が立つ。

    0
    投稿日: 2022.04.12
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    これまでの東京裁判に関する知識は中学歴史教科書レベルだった。こんな裏の事実があったのかと。なぜ日本は戦争に突入せざるを得なかったのか、考える機会になった。

    0
    投稿日: 2021.11.13
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    ついに始まった東京裁判。 言語モニターとして、裁判に参加する賢治。 父の見舞いでアメリカに一時戻った賢治は、リトルトウキョーの裏庭に埋めた日本刀を掘り返したことで、日本人としての血が騒ぎ出す。 東京裁判をまとめた巻、読む進めるのに苦労しました。 賢治と梛子のシーンが出てくるとホッとします。(笑) 梛子とエミーを比べたら、やっぱり梛子よね、と思いますが、エミーはホントに性格的に損をしてるなと…。 彼女に起こった不幸も本人が招いたことでもあり、結果賢治との仲も上手くいかなくなるなんて。 エミーの出方次第で修復するチャンスはあったはずなのにと思います。 いよいよ最終巻。 ドラマで結末は知ってはいるものの、やはり先が気になります。 このまま次巻に進みます。

    3
    投稿日: 2019.04.14
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    ついに始まった、東京裁判。 南京大虐殺や、真珠湾攻撃の真相が、徐々に明かされていく。 日本は、被害国なのか、加害国なのか。 だが、敗戦国なのは、間違いない。 敗戦国が裁かれる未来とは。 その中で、賢治も、己の未来と日本の未来に揺れ動く。

    1
    投稿日: 2019.03.20
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    3巻は東京裁判で通訳の適正をチェックするモニターとしての仕事と、東京裁判の審理が描かれている。まさに’’小説東京裁判’’というべき内容。

    0
    投稿日: 2019.03.01
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    山崎豊子『二つの祖国』新潮文庫 読了。太平洋戦争に翻弄される日系アメリカ人、二世たちの物語。主人公は両国を祖国とするアイデンティティを模索し、苦悩と葛藤を抱えながらも善く生きようとするが、その信念と良心ゆえか虚しい結末を迎える。克明に刻まれる東京裁判は本作の真髄のひとつだと思う。 2017/10/18

    0
    投稿日: 2018.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦争が終わり、戦争犯罪人たちを裁いた東京裁判が始まる。 東京裁判のモニター役を任された賢治は、その重圧と家庭や弟との不和から、次第に追い詰められていく。 今までは賢治たち二世の境遇がメインだったが、この巻からは東京裁判の描写にかなりの比重を置かれている。 漠然と「戦犯が国際法で裁かれたものだ」と記憶していたのだが、そんな簡単なものでは無いことを思い知った。 印象に残ったのは、日本側の被告を弁護するアメリカの弁護士である。 アメリカ人でありながら、日本の弁護に全力を尽くし、ともすれば祖国アメリカの正義にも臆せず疑問を呈す姿に感銘を受けた。

    0
    投稿日: 2018.06.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

     東京裁判前半。  著者の東京裁判史観は正直、どうでもいいが、評価の誤導はいただけない。  確かに、弁護側・検察側の夫々がそれぞれの立証命題を目指して尋問を重ねていくのだが、その立証命題が、公訴事実との関係でどのような意味合いを持っているのか、ここを正しく認識していないので、著者のおかしな評価になっていくのだ。  現実を見るに、返す返すも、交渉打ち切り通告文書の交付が遅れた点、その文面が戦争開始とすら読めない内容であった点が取り返しのつかない過誤ということが良く判る。

    0
    投稿日: 2017.02.05
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    4巻まで読み終えて、アメリカがしたことの酷さ。これをどうして歴史で伝えないのだろうか。人種差別。ナチスよりも酷い行為。無差別殺人が、原子爆弾投下ではなかったのか。日本人の両親から生まれて、アメリカで育ち、アメリカの考え方を受けた2世。両方が祖国。複雑な思い。どちらも大切な国なのに。

    0
    投稿日: 2016.08.21
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    やはりさすがという膨大な情報量。戦争を描写する上で偏向的でない表現は難しいのか、賢治の気持ちがあっち行ったりこっち行ったりするのが少し気になると言えば気になる。

    0
    投稿日: 2015.05.15
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    祖国とは何か、の前に、国家とは何か、個人とは何か、人間の尊厳とは何か、という問題に直面する。 国家が国家として秩序を保っている場合、即ち国民個人に利を供する場合に祖国のために報いるという考え方はごく自然であるけれども、そうでない場合にも国民が国家の犠牲となる必然性は理解できない。 かつては個人が何らかの拠り所欲しさから国家の形成と統制を望んだのだろうが、国民個人ではなく国家それ自体の利益や保身や意義すら画策し始めた時点で終わりが始まっている。 しからせば太平洋戦争が終わった時点で、否始まった時から、さらに辿れば近代国家が始まった時点から人類の一部での劣化が始まっている。 そんな深淵雄大な考えをもたらしてくれたことから不朽の名著である。 第四巻が待ち遠しくも名残惜しい。

    0
    投稿日: 2014.04.21
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    年明けから読み始めてようやく第3巻を読了。ついに、極東国際軍事裁判も佳境。思うことがありすぎてうまく言葉に残せないのだけれど、日本人として、この裁判のことさっぱりわかっていない自分が恥ずかしくなってしまった。ちょっと遅かったけれど、山崎豊子さんが、こういう形で残してくれた物語、きちんと手に取ることができてよかった。 さて、いよいよ第4巻。

    0
    投稿日: 2014.03.26
  • 第三巻~東京裁判 前

    2011/10/25読了。 今年度に入ってすぐに手に取った記憶があり、 ずいぶんと時間がかかってしまったように思う。 新装文庫版により全4巻。 トヨコさんの作品は、いつものごとく第一巻を読み終わるのに 時間がかかってしまう。 本作品においては、ざっくりと下記のように分かれるかと。   第一巻~日系アメリカ人強制収容所   第二巻~戦場における日系二世   第三巻~東京裁判 前   第四巻~東京裁判 後 第一巻では、戦争時下の日系人家族がどのような 処遇を受けたかを通して、小説構成上の舞台設定、 登場人物の心理スケッチを読みながら 彼らの人となりを理解する工程を踏むのだが その作業に時間を費やされてしまう。 第二巻以降は、戦場ないし裁判という局面において、 本作品のテーマでもある二つのアイデンティティの端境の中で 自分の果たすべき役割を見出しながらもそれに伴う苦悩に 悶える主人公にぐっと感情移入することができ、 夢中になって読み進めることができた。 また、第三巻以降では、東京裁判というあまり馴染みのない 話題に触れ、戦争指導者たちの証言から 全く知らなかった事実や、意外な思想・信条に 触れることができる。 個人的な一番の関心事は、天皇についての扱いについて。 法的理屈とは無関係に、日米ともに現実に即した 暗黙知の中でことが進んでいったのだと実感。 この点は日本人にとって絶対に譲れない聖域であり、 そこを侵さなかったGHQは懸命だと再確認。 この作品を読了できたので、最新の「運命の人」及び、 「ぼんち」「華麗なる一族」以外の 代表的な作品はほぼ網羅できたかな? 戦争三部作を完読して思うのは氏の描く女性像って なしてここまで男目線の理想像が描けるのかしらと 毎度のごとく感心してしまう。ナギコーーー。 Wikiで本作のモデルは誰だろうと調べると 思わぬネタバレに合ってしまったのが悔やまれるところ。 余談だが、「不毛地帯」の壹岐正のモデルである瀬島龍三が 後の作品の「沈まぬ太陽」だけでなく、本作にもちらっと登場。 まあ、東京裁判を扱えば必然ではあるけれど。 広田弘毅については、悲しいかな予備知識が足りず。 東条英機は割合良く描かれているが、さもありなんかなと。

    0
    投稿日: 2013.12.26
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    物語の舞台は極東軍事裁判へと移る。 モニターの仕事がここまでプレッシャーのかかるものとは・・・ 日本側の被告が実名ばかりなのは驚いた。

    0
    投稿日: 2013.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    20年以上前、この本を初めて読んだ時の衝撃はこの「東京裁判」のシーンでした。  戦後教育の中でこの東京裁判に関しては学校でほとんど学んだことがなく、端的に言ってしまえば「大戦後、アメリカの占領下の日本で戦犯を裁く『東京裁判』が行われ、A級戦犯とされた28名のうち7名が絞首刑に処せられた」ということぐらいしか知らなかった KiKi にとって、この物語で描かれた東京裁判のシーンは初めてその裁判がどんなものだったのかを考えるきっかけとなったものでした。 そして当時の KiKi は戦勝国が敗戦国を裁くということに潜むある種の「不公平感」を強く感じ、同時に「原発投下を人類がどう評価すべきか?という極めて重要な問題に関してうやむやにしてしまった残念な裁判」という感慨が強く心に残った物語でもありました。  でも、当時の KiKi はそこから更にこの裁判のことやらA級戦犯のこと、ひいては「戦争責任とは何ぞや?」という問いに関して深く追求してみようとまでは思わず、バブル景気に沸くあの時代の東京の浮かれ騒ぎの中にあっという間に埋没していってしまいました。 その後、再びこの裁判に関して KiKi の関心がクローズアップされたのは時の首相・中曽根さんが靖国神社を参拝したことを契機に「靖国問題」がマスコミで大々的に取り上げられた時でした。  でもその頃はペーペーのサラリーマンだったために正直なところ自分のことで手一杯で、歴史を振り返るような余裕はなく、やっぱりあんまり深くは考えることもなく時が過ぎていってしまいました。  ただ、いつかはこのことをしっかりと知り、自分なりの立ち位置を明確にできるぐらいに熟考してみる必要があるだろうというある種の義務感のようなものだけはしっかりと心の中に残ったように思います。 そうであればこそ、その後さらに月日が流れ、このDVD(↓)が発売されるとすぐに購入し、「いつか時間がある時にじっくり見よう」と KiKi の DVD Library に大切に保管することになったのだろうと思います。  購入直後にこれを見なかったのは偏にあまりに長すぎたこと。  と、同時に日中戦争及び太平洋戦争に関する自分自身の知識のなさがあまりにもひどすぎて、「見てもどうせわからない・・・・・」という諦めのようなものが働いていました。   東京裁判 監督:小林正樹  講談社 その後、小泉首相の靖国参拝に端を発したマスコミによる「靖国問題クローズアップ」の時代に入り、ようやく KiKi はこの長編映画を腰を落ち着けて観てみました。  この「2つの祖国」初読の頃からかなりの年月を経ての視聴でした。  その後、数回は観直しているのですが、その最終視聴日から今日で既に5年以上の月日が過ぎ去っています。 今回、この物語を読んでいてあのDVD視聴時に心に残った一場面一場面が明確に記憶に蘇り、山崎さんの筆致以上にあのモノクロ映像から醸し出されていた「東京裁判」の空気・・・・のようなものが感じられたような気がします。  と同時に「東京裁判」そのものは、全体としては「判決の方向性が予め予定されていたショーのようなもの」であったことはやはり否めなかった・・・・・と感じられました。  ただそんな中で、日本に敵意剥き出しの人あり、「法の正義」に準じようと努力する人ありという、極めて人間臭いドラマが確かにそこには存在したこともヒシヒシと伝わってきました。 かの大戦時には生を受けていなかった KiKi にしても、日本人だからなんでしょうか?  どうしてもブレイクニー及びスミス弁護士やパール判事には感謝・・・・と言うか、気持ちが寄り添い気味になるわけですが、彼らの立ち位置とウェッブ裁判長やキーナン首席検事の立ち位置の違いは個人的な思想の違いというだけではなく、当時の彼らが体現しようとしていたある種の「責務・職責・国益」みたいなものも見え隠れするだけに、良い・悪い、好き・嫌いは別として「所詮、裁く側も完璧ではない人間に過ぎないんだよなぁ・・・・・」と思わずにはいられません。 個人的にはこの巻に関しては主人公のケーン(天羽賢治)の抱える迷いやら何やら(特にプライベート部分)は、些末なことに感じられ(もちろん本人にとっては瑣末どころか、大問題なわけですが・・・・・ ^^;)、それよりは、あの東京裁判という席に彼が果たしたようなモニター(言語調整官)と呼ばれる人がいたことの重要性に気持ちが向いて読み進めた・・・・・そんな気がします。  特に KiKi 自身が外資系の会社でお仕事をしている際によく感じたことに、「英語が Native 並みに話せる人が必ずしもよい通訳者とは限らない(文化・思想といった背景部分を含め正しく伝達できることの条件とはなりえない)」ということがあったがゆえの感慨だったのかもしれません。   実際、KiKi はアメリカ人相手にきちんと理解してほしいことがある場合には、絶対に間に通訳(Native Speaker)を介さず、仮に若干の拙さがあろうとも自分の言葉で語り、相手の理解度をちゃんと確認するという動作が欠かせませんでした。  比較的シンプルなビジネス世界での会話であってさえもそうだったのですから、ましてそれが「世紀の裁判」という席であれば、そして当時の日米の価値観の違いの大きさを考えれば、本当に重要な役回りだっただろうと思います。 かのDVDを見るとさらに事は複雑で、時代が時代なだけに現在では使われていないような古語・漢語的な言い回しが出てくる場面あり、今の時代以上に地方出身者は方言とか独特のアクセントありで、活字で読めばスンナリと理解できることが、耳から入ってくる音だけでは同じ日本人である KiKi であってさえも「え??」と思うようなことがあったりもしたわけで(これは録画音声の問題もなきにしもあらず・・・・ではあるけれど)、そんな中での賢治の孤軍奮闘ぶりが痛々しいくらいです。 さて、まだまだ東京裁判の判決までには至っていない第3巻。  いよいよ最終巻に突入します。 (全文はブログにて)

    0
    投稿日: 2012.06.17
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    個人的には特に後半の裁判部分が楽しめました。で、あのオチは白い巨塔で無理くり続編かく羽目になってその反省が生かされたっていうことでいいんですかね?

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    投稿日: 2010.11.27
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    二世の人と聞けば、生まれながらに母国語が2つも出来るから羨ましいと単純に英語で苦労している私は思ってしまうのだが、その両国が戦火を交えることになったとき、どれほど苦しむだろうか。 主人公の天羽賢治には弟が二人いて、次弟は日本の大学に学んでいる間召集にあい、日本兵として出征する。一方アメリカに生まれ育ってそこから出たことのない末弟は、合衆国に対する当然の義務として米軍の志願兵となる。アメリカ市民としての義務を果たしたいと願う一方、両親の母国であり自分も10年間育った日本に対し、限りない愛着を持つ賢治は、その狭間で苦しむ。どれほど個人の能力が優れていたとしても、一介の市民に大きな歴史は容赦なく牙をむく。 日本が太平洋戦争でどれほど苦しんだかという話は数多いが、敵国の中で生きていかねばならなかった彼ら日系人を扱った小説はあまりないように思う。人種差別に思想の対立が折り重なった収容所で生きていた人々への鎮魂の書として、読み継がれていくべき作品だと思う。

    1
    投稿日: 2010.07.01