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新・堕落論―我欲と天罰―(新潮新書)
新・堕落論―我欲と天罰―(新潮新書)
石原慎太郎/新潮社
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総合評価

102件)
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    都知事を辞め、暴走老人と言われながらも最後の国政に打って出ていた頃の石原さんが、インタビュー等で語っていた事をを凝縮した1冊。当時まだ若かった私にとって、石原慎太郎は怖い昭和の爺さん、との印象しかなく、人間が持つべき絶対的な価値観について語る石原さんのカッコ良さを感じることができなかった。 アラフォーとなった今、「人間の人間としての存在そのものに関わる価値、時代や文明文化を貫き超えて垂直に、いや鉛直に繋がる価値。」について自然と考えることも多く、それについて「人間(特に日本人)の堕落」を軸に時にくどくも切れ味鋭い言葉で語る石原さんの男らしさを感じた。 15年前に書かれたものであるが、三島由紀夫の予言のようにじわじわと迫るものを感じた。

    1
    投稿日: 2025.04.04
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    石原慎太郞(1932~2022年)は、一橋大法学部卒、作家・政治家。大学在学中にデビュー作『太陽の季節』で芥川賞を受賞し、「太陽族」が生まれる契機となったほか、弟の石原裕次郎は同作品の映画化によりデビューした。1968年から政界に転じ、参議院議員(1期)、衆議院議員(通算9期)、その間、環境庁長官、運輸大臣、日本維新の会代表、共同代表、次世代の党最高顧問を歴任。また、1999~2012年には東京都知事(当選4回)を務めた。2022年2月1日逝去(89歳)。 本書は、「日本堕落論 このままでは日本は沈む」(「文藝春秋」2010年12月号)と「仮想と虚妄の時代 援助交際と純愛」(同2005年5月号)に大幅加筆・改稿し、2011年7月に出版されたものである。 私は、本書の出版直後に入手し通読していたが、先日石原氏が死去したことから、今般書棚から引っ張り出し、(通読したときに線を引いた箇所を)飛ばし読みしてみた。 まず、石原氏は、2011年3月の東日本大震災直後に「天罰」と発言して批判を浴び、本書の序章でもそれについて触れ、「・・・一部の人々の誤解と顰蹙を買いましたが、その折りの発言は、ことの大きさにたじろぎ国家としてこれをどう受け止めるかを思ってのことでしたが。」、「直接の被害を受けた方々にとっては胸にも刺さる言葉と感じてお詫びしましたが、しかしなおあの言葉が表象するように・・・」と書いているのだが、何と弁解しようと、「天罰」という言葉を使う必然性は全くなく、到底受け入れることはできない。(根本的に反省していないことは、本書の副題に「天罰」という言葉を使っているのを見てもわかる) 本書の内容については、石原氏が語っているのは、第1章で日本及び日本人の真の自立の必要性(そのための、憲法の修正や核兵器の保有)、第2章で人間の真の関わりの重要性(IT技術の進歩等による人間関係の希薄化への危惧)であるが、私は、基本的には国際協調主義、多様性重視のスタンス(いわゆる「リベラル」)ながら、それでも、現実論として国益をどう守るか、また、テクノロジーの進歩(AIや生命工学等)と人間性の維持をいかにして両立させるのかなどには強い関心を持っており、そうした観点からは、同意できる部分もある。 どんな本にしても、(自然科学などを扱ったものでもなければ)著者の主張を自分の中で咀嚼すればよい(する必要がある)のだが、そのようなスタンスで向き合うなら、本書も一読する意味のある一冊と言えるだろう。 (2011年8月了)

    3
    投稿日: 2022.02.13
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    略歴を見て今さらですが、てっきり逗子生まれかと思いきや神戸生まれだったのですね。 本書は「センチメント」「~そうな」や「ありますまい」など慎太郎節全開です。作家でありながら、政治家でもあった「行動の人」ですが、弁が立つゆえにか、驕りからくる不用意な発言も多く、恰好のマスコミの餌食となっていました。とはいえ、国家のあるべき姿に拘泥し私利私欲から縁のない身ぎれいさは、政治家としてもっと評価されるべき人でしょう。 本書は、政界に入って世直しをするはずだった人間の奮闘記、もしくは敗北宣言的な側面も垣間見える「遺書的」内容となっています。ここで、批判されているのは、官僚、政治家、国民すべてです。国益をよりも省益を優先する役人根性に怒り、下野に降り反省したかと思いきや選挙に勝つと元の木阿弥の自民党のいい加減さを嘆き、戦後一方的に押し付けられた憲法議論さえ忌避する国民に呆れ、物欲・金銭欲・性欲に毒された世の中を憂える。そして今にして思えば、彼が政治家としても、自身の信念や信条を曲げず一匹狼として活躍できる類まれな人材だったことがよくわかる。 例えば、本書で指摘されている国家の会計制度が単式簿記のため、財務諸表がなく税金の使途が国民には開示されないという問題1つとってみても、なぜマスコミや野党が一致団結して複式簿記に変更させないのか不思議です。これなど結局、与野党馴れ合いで「国民によらしむべし、知らしむべからず」的な驕った政治の象徴でしょうに。(慎太郎節) 10年前発売の書ですが、現時点では年齢的にも本当に「遺書」になりかねない男の言葉に是非耳を傾けてください。 著者:1932年神戸市生まれ。一橋大学卒。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」で第1回文學界新人賞を、翌年芥川賞を受賞。『化石の森』(芸術選奨文部大臣賞受賞)、『生還』(平林たい子文学賞受賞)、ミリオンセラーとなった『弟』や2016年の年間ベストセラーランキングで総合第1位に輝いた『天才』、『法華経を生きる』『老いてこそ人生』『子供あっての親―息子たちと私―』『男の粋な生き方』『凶獣』『救急病院』『老いてこそ生き甲斐』『新解釈現代語訳 法華経』など著書多数。

    1
    投稿日: 2021.08.02
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    戦前・戦後にかけて活躍した無頼派のマルチ作家・坂口安吾の「堕落論」は、敗戦直後の混乱で途方に暮れた日本人に、迷うことなく「生きよ堕ちよ」と語りかけ、明日への希望を示した名著。そこでは日本人の勤勉性・道徳性が謳われているのだが、同じ作家でもある石原氏の「新・堕落論」は日本人の劣化を憂い、人間としてまっとうな物の考え方を取り戻せと呼びかけている。戦後ずっとアメリカに守られ続けているという「幻想」ですっかり平和の毒に侵された日本は、もはや一人前の独立国としての自覚も気概も失っていると警鐘を鳴らす。押し付け憲法を粛々と守り続け、一字一句も修正出来ぬ民族の資質とは一体何なのか? 仮に日本が核兵器を持っていたなら北朝鮮による拉致や、アメリカかが仕掛ける経済戦争、中国による領海・領土侵犯などは無かったという主張は一読に値する。「平和がラブコールだけで達成されるなら安いもの」という強烈な皮肉を、今の日本人は決して笑い飛ばすべきではない。

    0
    投稿日: 2020.12.12
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    石原さんは戦争体験、敗戦、復興、発展とその実感を味わう経験をしてきたが、後の世代にはそれがない。特に若い世代には。

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    投稿日: 2020.11.13
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    「新幹線によって旅する窓から眺める田植えをしているお百姓さんの手元は見えはしない。その代わりに我々は一体何を見ることができるのだろうか。そして人はその状況を文明の進歩と呼ぼうとする」

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    投稿日: 2020.05.17
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    石原氏が遺書?として書いたという、戦後戦勝国によりもたらされた秩序に拠る平和に安住してきた日本への憂国論。氏は右と言われるが外交に関する指摘は世界に目を向ければ珍しくない。震災時も東京都の対応は突出していたようにまだ活躍の場がある現実があるのでまだまだ現役を続けるんだろうな。遺書と言いつつ…。

    0
    投稿日: 2018.10.09
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    だいぶ前に読んだ石原慎太郎の文章。NOといえる日本から続く右派的意見に一部納得できたが、詳しい無いようはほとんど覚えていない。あまり読み返す価値もないか。

    0
    投稿日: 2018.01.12
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    報道では、極端な言説で有名な著者だけどキライな人でも耳を傾けられる本だと思います。やはり色々考えている人なんだなと。教育や政治、今の文明、文化への懐疑。問題を信念に照らし合わせて問題だという人が今、この国には少ないと思う。答えを出すところまで、この人任せではいけない。昨今の文明批判の部分なんか共感できたかな。国についてや今のライフスタイルについて今一度再構成する必要がやはりあるのだと思う。

    0
    投稿日: 2017.12.18
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    石原慎太郎 著「新・堕落論」2011.7発行、「2011.3.11」の後の著者の存念が書かれています。平和の毒、仮想と虚妄の2つの章立てです。ルース・ベネディクト「菊と刀」にある「恥を嫌い、清廉を好み、日本刀に表象される自己犠牲による献身を美徳として奉じた日本人の姿」は殆ど消滅したと書かれてますが、残っているし、また、残したいと思っています! 最近、築地の豊洲移転問題でまた政治の場・マスコミに登場の石原慎太郎氏、自ら、「菊と刀」の精神、恥ずかしくない態度で処していただきたいです。

    0
    投稿日: 2017.02.17
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    玉砕するする言うといて、あっさり降伏した日本のダサさ それに卑屈になることなく、開き直って生きようぜ ってのがまあ安吾の「堕落論」の要諦だが それを言うたら戦後日本の平和愛仰 平和のためならだまって殺されるもやむなしとすら思えるそれは まさしく現代の玉砕願望なんである そいつを断固否定する意志の力こそ、まったく現代の堕落論であろう ただし、石原慎太郎の「新堕落論」はそういう本ではまったくない 玉砕コンプレックスどころか アメリカからの自立心と、承認欲求が錯綜して ちょっとご都合主義にはまってすらいる 現実論としては、うなずける部分もありますけど

    0
    投稿日: 2016.06.03
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    石原慎太郎節が炸裂しまくり。 日本人の堕落は、我欲によりもたらされている。平和の毒とは、良く言ったものだ。 戦中には私欲を求めず、お国のためであったものが、戦後は日本復興というお題目を掲げて、資本主義という勝者と敗者が明確となるシステムに変わった。それが何時からか物欲、金銭欲、性欲の追求へと向かい、筆者の憂う日本の今の姿が構成された。 資本主義の本質は我欲である気がするが、それだけでは導く先に光はない。道徳と言う少しくすぐったい価値観こそが、国民性と言うかそれぞれの国を体現するものだと思う。きっと誰もが現状を良しとしないが、変革は望まない。それが今の日本であり他国も何ら変わりない。戦争を知る世代には、がむしゃらに走ってきた先にあった未来が、今日の姿であることが許せないのであろう。個々が自分の判断で動き、それが周りにも良い結果を招くようになるには。価値観は違えど、根幹は同じになるには?と考えながら今夜くらいは眠ってみよう。

    0
    投稿日: 2015.07.02
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    日本人はアメリカにあてがわれた平和の中で情報に埋もれて生への質感を麻痺させ、ぬくぬく暮らしている豚のようなものかもしれない。モノが溢れ返り技術の発達で生活の利便性が高まった現代において彼らの「我欲」は留まるところを知らず膨張し、政治がそのブーブーに応えなくてはならない現状。増税への反対然り。確かに「堕落」だと気付かされた。権利ばかり主張して体も張らずに毎日を無難にこなすことは真に「生きる」ということではないのだろう。個人個人がタフに、ストイックにならないといけない。そこからでないと国は変わっていかないのか

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    投稿日: 2015.05.25
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    その主張思想などの是非は別として、まずとてつもなく読みづらい。おなじみの「です・ます」「だ・である」さらには砕けた口語体のアトランダムな混在は言わずもがな、形容の重曹や論旨の飛躍は年を追う(老う)ごとに酷くなり、この書にて集体し極まった。かねてから「三島もそうなんだよな・・」と感じていたが、ついにあることに思い至った。石原慎太郎の三島由紀夫エピゴーネン願望説だ。文体が同じなのではなく、当初は文士としての憧憬であったものが、その文体、続きその主義思想までをもコピーしたとしたら。そう考えた瞬間石原の言説、行動が瞬時に理解できてしまった。たぶんに感覚的ではあるが、その物言いから漂うなんとなくのホモセクシャル感、その臭いもこの説の証左たりと確信してしまうほどに。

    0
    投稿日: 2015.02.14
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    著者の遺書的な書籍だそうだ。坂口安吾の同名書籍の新版ということか。ところどころ著者独特の名調子で語られていて期待通りだ。映画とか小説の引用が出てきて懐かしい感じだった。ちょっと中盤以降ダラけたが、ところどころいいことを言っているだけに気が抜けない。1回読んだらもういいかな。

    0
    投稿日: 2014.10.18
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    この書は3・11の際に著者が発した『この災害は天罰だ』との言葉の意味や背景を丁寧に説明したものとも読めるし、書名の通り、坂口安吾が終戦後間も無く発表した『堕落論』の続編とも読める。二つの著書に共通しているのは『歴史的敗戦』と『歴史的大災害』に直面した日本人が従来の生活感覚の大幅な変容を迫られている事を認識せよと訴えている点にあると思う。明らかに一種の文明論だろう。よって冒頭の『この災害は天罰だ』との言葉はこの現在の日本の文明状況に向かって発せられた言葉であり、3・11直後に言われたが為に顰蹙をかったが、本意は全く別のところにある事は本書によって良く分かった。ただその際に使われている人間の『堕落』と言う言葉の意味、内実は随分と違っている。坂口安吾は、戦前・戦中に謳われたうわべだけの『欲しがりません勝までは』『忠君愛国』『武士道精神』等に非人間性を見ていて、戦後の世相が簡単にその反対に流れてゆく様を見て、それを『堕落』と捉えるが、その堕落を正しく徹底的に堕落しきる事(うわべだけの道徳の仮面を剥ぎ取る事)によって却って、真の自分自身の『道徳』や『価値観』を獲得出来るであろうと見ている。世相は人間の表面的な現れでしかなく、人間の根本はそれ程変わるものではないと言う事で、敢て付け足せば、『人間の本質はそれ程ご立派なものではない』と言っているように思える。反対に石原は人間の本質-ご立派なものでもないかもしれない-が世相の変化などでは説明出来ない、本質的な劣化を来たしてしまっていると言う意味あいで『堕落』と言う言葉をこの書では使用している。この堕落の結果何が起きているか?『政治の体たらく』中でも『卑屈な外交』『米国への一方的な追従姿勢』、一般国民においては『物欲の肥大化』それから来る『家族の崩壊』『子供達への虐待』『子供自体の変質』等々の現状が詳しく述べられている。それではこの原因は何か?著者の以前からの主張である米国からの『おしきせ憲法』と『おしきせ教育』が根本原因で、それから派生する『平和ボケ』『エゴイズムの肥大化』、そして究極的な『価値の喪失感』が人間性の根本を腐敗させてしまっているとの認識である。ゆえに解決策として簡単に纏めると、政治的には『憲法改正』『本格的な道徳教育の推進』『核武装の議論開始』などをあげ、個人的には『我欲を抑えて忍耐すること』『真剣な恋愛をする事』等をあげ『個人として自立する』事の大切さを切々として訴えている。 核武装の議論開始が必要との主張にはもう少し丁寧な説明が必要だと思うが、そこを除くと石原氏の現状認識と処方箋について全面的に賛成したいと思った。

    0
    投稿日: 2014.04.13
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    『文芸春秋』2010年12月号の「日本堕落論 このままでは日本は沈む」と同2005年5月号「仮想と虚妄の時代 援助交際と純愛」を、大幅に加筆、改稿してまとめたものだそうだ。2011年7月の発行であるから、改稿時はおそらく震災後数ヶ月の民主党政権。 印象だけで嫌うのはバランスが悪かろうと借りて読んだ一冊。 日米関係における政府のふがいない対応への批判や、性犯罪の氾濫への嘆き節には肯けても、続く意見があまりにも極端すぎて、前の主張もそれらを正当化するためのツールのように見えてしまう。 終戦時の体験から培われた発想や考え方は、彼にとっては必然だったのかもしれないが、私は共感できない。ここに記されている物事への考え方、捉え方を見ると彼の知事時代の過激な発言も、まんざらスタンドプレーを狙っただけのものでもなかったように思える。 いろんなことが自由に言える社会であってほしいと思う。 たとえ、私から見て極論と思えるものであっても、である。 でも、ペンを以て劍を持てと説くような人に政治的な力を持ってほしいとは、私は思わない。彼についてはもう、今更、ではあるけれど、、、やっぱり、ちゃんと理解して選挙に行かないとネ。

    1
    投稿日: 2013.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日本の戦争、敗戦、その後の発展と昨今の不況。あらゆる日本を見てきた石原慎太郎氏が語る現代の日本とは? 戦後65年余り。その間に得た平和が日本人にもたらしたものとは?本書では今日本で見られる問題を氏独自の視点から指摘、問題提起している。日本を愛するからこそ書ける本ではないだろうか。 少し偏った意見もある気がして人によっては読みにくいかもしれません。

    0
    投稿日: 2013.01.31
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    世界から見た日本という国の独立性、税制を含めた制度のあり方については、同様の危機感を感じています。 普通の国会議員が躊躇する発言を堂々と書くあたりは真骨頂といったところです。 世代論については、残念ながら内容的にいまひとつ。 あなたも若い頃は、最近の若者はと言われた経験を忘れてしまっています。 課題認識はある程度理解、共感する方もいると思いますが、その実現の方法論については極論なので厳しいでしょう。 私個人としては、日本人は自分の置かれた状況を客観的に見つめ、 世界のどこに位置するのか? 自分たちが負担すべきものは何か? 一度、考えてみるきっかけになるのではと思います。

    0
    投稿日: 2013.01.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

     健全な精神は健全な肉体にこそ宿るというが、そこで培われた健全な精神こそが、さらに長じて後の人生において衰えた肉体を支えて守るのです。  これは大脳生理学での脳幹論の原理であって、脳で最重要部分とされる脳幹は充実した人生のために不可欠な怒り、悲しみ、恐怖、発奮努力、そしてその結果の充実感、歓喜といった感情の源泉に他なりません。これらの感情が自然に発露して初めて人間は人間としての平衡の取れた正常な人生を謳歌出来ますが、現代の若者、特に草食動物化したといわれる若者たちは文明の便宜が与える過大な情報を無制限に摂取し、その整理や分析までを情報に頼るという体たらくです。  それは決して真の教養とか知識ではありえない。そうした他律的な情報に頼り溺れるために青春の特質である思い込みや勘違いでの挫折、失敗を経験しえないのです。<119頁>                         *  当節の若者たちの特性の一つは思い違い、勘違いをしなくなったことだそうな。  彼等はパソコンなどの効用で多くの情報を体得してはいるが、それがかえって仇となって抱えている情報にがんじがらめとなり身動きが出来にくくなってしまっています。大学で教えている何人かの友人が同じ所感を述べていますが、抱えている情報の整理や分析、その評価も結局また情報に頼らざるを得ない。  ということは、それらの情報はただの情報でしかなく、身体性を欠いているから、つまりただ上っ面のもので、血肉化していないから彼等にとって真の教養とはなりきれない。  いや逆に身にそわぬ情報によって拘束され、自分が納得する人生を歩むことが出来にくくなる。<150頁>                         *

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    投稿日: 2012.09.06
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     頭ごなしに「若い世代」と「今の時代」を否定されるのは癇に障るけど、まあなんというか、色んなしがらみがあって普通のじいさんやおっさんが言えないことをズバズバ言うのは爽快ではある。イケダハヤトさんあたりと対談でもしてくれれば、本書の中でいうような「我欲の抑制」を社会的に流布できるんやろうに……。  共感、というとおこがましいかもしれないけど、妙に心に残ったのは「三つのスクリーン」に奪われた心身性とかいうくだり。日頃考えてることがこうも力強い文脈で活字に落とし込まれると、妬心さえ感じる。

    0
    投稿日: 2012.08.21
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    日本を強く思う心、他国に毅然と立ち向かう姿勢には、強い共感を抱きます。 石原氏の過去の実体験もかなり興味深いです。 賛否両論分かれる意見もあるかとは思いますが、そもそもここまで明確に意見を述べている政治家が少ないので、大変貴重な存在だと思います。 一つ難があるとすれば、文章がいちいち長くて難しいことでしょうか。 難しめの小説や論文などを読み慣れている人にとっては気にならないかもしれませんが、慣れていないと「あれ?この文章の主語って結局なんだっけ」となる場面がありそうです。※一つの「文」が半ページ続くことが多々ある。

    0
    投稿日: 2012.08.16
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    会社の先輩からお借りした、初めて石原新太郎の本を読んだ。 著者の確たる考え方・正義感がストレートに表現されており、歯に衣着せぬ一部、過激な内容もあり、刺激的で歯切れの良い内容。 各論には賛否両論あろうが、これくらいはっきり物事の良し悪しをいえる人はそうそういないだろうと思った。 著者の思考軸や評価軸がぶれない背景には、それなりのレベルに達するまでの知識や情報収集等の努力の積み重ねがあろうと垣間見れる。 それにしても、内容は過激で刺激的だが、文章がうまいというか表現が奇麗というか、さすが物書き。頭も良いんだろうし、感受性も高いんだろう。レベルの高い人って、難しいことを簡単に表現してくれる。 同著書もものすごく読みやすかった。石原さんという人に興味が出た。時間があったら同著者の小説などにもトライしてみたい。

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    投稿日: 2012.07.14
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    題名からして威嚇的。 内容もそれに違わず過激。読みながら叱られているような感覚。 でも、だからこそ読みながら色んな事を考えました。 そして口は悪いけど文体は本当に綺麗。 考えるための本として、素晴らしい一冊でした。 「確たる体系化には遠くとも、それぞれが己の強い実感に依って夢中で何かを模索していたと思います。つまり我々の世代の思考には、たどたどしくてもれっきとした体験と身体性があった。」 この文は仕事で実感してます。先輩方の身体性のある意思には、逆らい難いのに尊敬できる強さがあるなと。 やると決めて、しっかりやろう。

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    投稿日: 2012.07.04
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    この著作を読んで、益々、石原新太郎という人間が好きになった。3.11の震災を機に「我欲」という言葉で日本人全体に警鐘を鳴らすものの、言葉の意味を理解するにはこの著書なくして語れないと思う。 やはり戦争を境に日本人が日本人でなくなり、アメリカの妾同然の所業に鉄槌を喰らわせたいと思う同輩にとっては、何度でも読み返したいものである。 核保有については肯定的な持論を展開する石原氏、日本人への自我の目覚めを強く訴える石原氏。更に、本当の男女間の(命がけの)恋愛というものを説く石原氏。 この人亡き後の事を思うと、果たして誰がその思想と行動を継ぐ事ができるのだろうか?

    1
    投稿日: 2012.06.05
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    僕らのように「戦争は間違っていた」と教え込まれてきた世代は、戦前にプライドを持っていた石原慎太郎さんのような人間の意見は、本を読まない限りほとんど知ることができない。公共性の高いメディアでさえ、産経を除いて左に傾倒しているからだ。 自身で憲法を作ることをドイツは許されたけど、日本は許されなかった。黄色人種だったからだ。規制緩和の強要にも見られるように、いまだに日本はアメリカに指図されている。安保理。バカにされていることに気づいてすらいないのは、本当に悲しいことだと思う。 自制心とプライドを持とう。民家に絨毯爆撃してきた米軍機と戦った日本兵を、石原さんは目の当たりにした。

    1
    投稿日: 2012.05.27
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    著者の物欲を始めとする我欲が日本を間違った方向に持って行っているというのは間違ってはいないと思う。 ただ、我欲をコントロールすることも政治の一つの役割なはず。 今の日本は儲けることを是とせず、ある意味社会主義に限りなく近づいていることに停滞感を脱出できない理由があると思う。弱者と救う仕組みは必要だが、そこにばかり注力しては活力をなくすということを政治家は理解して欲しい。票に繋がらないから取り組まないのだろうけど。。。

    0
    投稿日: 2012.05.27
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    正論だ、共感もできる。賛否あろうが、処方箋も呈示されている。 でも、明日からこの国かわ変わるという感じもしない。

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    投稿日: 2012.05.23
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    小学生の国語の授業で作文を習いました。 語尾の「――です。」「――ます。」は統一しましょう、と習いました。 『「――ます。」だったら徹頭徹尾「――ます。」、「――だ。」だったらとことん「――だ。」なんだよ。先生、そうじゃないと読まないからね!』カマキリに似ていた先生の言葉は、私のなかに今も残っています。 そう云う教育を受けて育ったわたしには、段落の中に「――ます。」と「――だ。」が混在する文章はとても読みにくかったことを、先ずはじめに記しておきます。 それが良いか悪いかは知りませぬ。ただわたしには読みにくかったったと云うことです。  何せ著者は芥川受賞者ですから、間違ってたりはしてないことでしょう。 -*-*-*- 石原さんの発言の1/3~1/4ぐらいは、的を獲ていて、しかもそれが痛烈だったりしますので、新聞を読みながらウンウンと頷いていることがあったりはします。 しかし残りの部分で、何かしらキナクササの様なものを、こちらの本能が感じてしまうのです。 例えば・・ 【今さらこんな「朕思うに―」で始まるあの文章を復活するなどというのは時代錯誤でしかありませんが、しかしなお、「父母に孝に―、兄弟に友に夫婦に相和し―、朋友相信じ―、一旦緩急あれば義勇公に奉じ―、」といった文言は、いかなる時代においても誰にも否定できぬ人間社会の原理に他なるまい。】 ・・とあります。 少なくともわたしには、誰にも否定できぬ人間社会の原理に思えるのは「朋友~」までです。 「一旦義勇~」は何かしら含んでいる、それも大きく含んでいるような言葉に思え、キナクササなりウサンクササを感じます。 -*-*-*- 【そもそも占領軍がわずかな日数の内に即製して与えた憲法を拝領したまま、六十五年にわたって一行一句も修正せずにきた国家、民族の資質というのは一体何なのだろうか。】 読む者(国民)を煽るような書き出しで、憲法の改正にも触れておられます。 わたしは、一部で「筋金入りの反戦主義者」と言われている、山口瞳先生に心酔しています。 山口瞳先生が「筋金入りの反戦主義者」であったかどうかはどうでもいいのですが、 【日本国憲法が無効であるかどうかを考えようとは思わない。成立の過程なんかどうだっていいじゃないかと思う。結果がよければいい。】(卑怯者の弁~より)、わたしもそんな風に考えます。 -*-*-*- 核武装・軍備増強に就いても書かれてますが、こういう事を声高に仰る方と云うのは、「卑怯者の弁」の中で山口瞳先生がアヤをつけた清水幾太郎さん、楯の会の故・三島由紀夫さんなどを含め、どうしても【「すでに(清水幾太郎の)『スポットライトを浴びたがる』といった評は固定化している」(朝日新聞、六月十八日付)】(卑怯者の弁~より)といった感が拭えなく思えます。 石原さんはテッペンに立ちたい人なのだと思いました。 日本で総理大臣になっても、他国の大統領のように◯年△年といった或る意味での保証のよなものが得られません。 かと言ってまさか他国のテッペンに立つ訳にもいかず、国内で総理大臣の次のテッペンを探したら東京都だったのでしょう。 良し悪しは全く別の問題として・・、シリアとか北朝鮮とかのように、死ぬまでテッペンに居座れることができる(死んでも神格されて、尚世襲でもあって)、そんな居場所を求めているように思えてなりませぬ。 -*-*-*- 「筋金入りの反戦主義者」である山口瞳先生は、勿論、核武装だの軍備強化だの徴兵の復活だの(これには又別の意味でではあるが)とは、反対のところに立たれていました。 以下 【私の根本思想】 より後半部抜粋です。 我が国の防衛費が、GNPの一パーセント二兆九千四百三十七億円(昭和五十九年度)というのは、いったい、どういうことなのか。 専守防衛であるという。いったい、われわれは何を守るのか。守るべき祖国といったものの実体は何であるか。その祖国はわれわれに何をしてくれたか。税金を徴収するだけではないか。といったようなことを以前に書いた。ふたたび言う。いったい、どの国が、どうやって攻めてくるというのか。それを具体的に教えてもらいたい。攻めてくるのはソ連軍なのか、中国軍なのか。 いわゆるタカ派の金科玉条とするものは、相手が殴りかかってきたときに、お前は、じっと無抵抗でいるのか、というあたりにある。然り。オー、イエス。私一個は無抵抗で殴られているだろう。あるいは、逃げられるかぎりは逃げるだろう。 「○○軍が攻めこんできたら、家は焼かれ、男はキンタマを抜かれ、女たちは凌辱されるんだぞ」 いいえ、そんなことはありません。私の経験で言えば、そんなことはなかった。人類はそれほど馬鹿じゃない。 かりに、○○軍の兵士たちが、妻子を殺すために戸口まで来たとしよう。そうしたら、私は戦うだろう。書斎の隅に棒術の棒が置いてある。むこうは銃を持っているから、私は一発で殺されるだろう。それでいいじゃないか。 それでいいと言う人は一人もいない。だから二兆九千四百三十七億円という防衛費が計上されることになる。 私は、元来がケチだから、その二兆九千四百三十七億円が惜しくてならない。その防衛費をどうするか。かりに私が中曽根康弘なら、それを「飢えるアフリカ」に進呈する。そうすれば、自衛隊は演習ができなくなるから、人殺しの稽古のために誤って自分が死ぬという事態は起こらなくなる。それだって、十人やそこらの人命が助かることになる。 人は、私のような無抵抗主義は理想論だと言うだろう。その通り。私は女々しく卑怯未練の理想主義者である。 私は、日本という国は亡びてしまってもいいと思っている。皆殺しにされてもいいと思っている。かつて、歴史上に、人を傷つけたり殺したりすることが厭で、そのために亡びてしまった国家があったといったことで充分ではないか。そんなふうに考える人は一人もいないだろう。私は五十八歳になった。これが一戦中派の思いである。戦中派といったって様々な人がいるわけで、私は同じ考えの人に会ったことがない。 二兆九千四百三十七億円という防衛費を「飢えるアフリカ」に進呈する。専守防衛という名の軍隊を解散する。日本はマルハダカになる。こうなったとき、どの国が、どうやって攻めてくるか。その結果がどうなるか。 どの国が攻めてくるのか私は知らないが、もし、こういう国を攻め滅ぼそうとする国が存在するならば、そういう世界は生きるに価しないと考える。私の根本思想の芯の芯なるものはそういうことだ。 -*-*-*- この一冊をきっちりと読み終え、人物的には好感に近いものを抱きながら、なぜ今までこの人に投票することが出来なかったのかの、自分なりに納得した答えが得られたような気がします。 今日のニュースでは  http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120518-OYT1T01005.htm こんなものまで流れてきました。 わたしの払った印税で、眠気覚ましのコーヒーでも飲んでいただければ幸いです。 -*-*-*- 尚、山口瞳先生の「卑怯者の弁」は、日本ペンクラブのウェブサイト上で全文を読むことができます。  http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/guest/essay/yamaguchihitomi.html

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    投稿日: 2012.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    石原慎太郎の真髄がこの本を読めばわかる。我々日本人の我欲というものが、この国を滅ぼしかねないと痛切に感じた。 核保有など、あまりにも極端な話もあったが、これから、日本が軍事力を増強して外交面で力を発揮していかなくてはいけないことは一面的に見て正しいことだと思う。 正しいと思う。著者も言ってるが、遺書のつもりで書いた本作品、胸に刻みたい。

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    投稿日: 2012.05.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本書は、震災後、石原現東京都知事が東日本大震災を日本国民への「天罰」と称したように、現代の堕落した日本を憂う内容となっています。すなわち、 ・以下は、日本人という民族の本質的な堕落としか言えないものである。 -あてがわれた「平和の毒」に冒され、あてがい扶持の憲法による徒な権利の主張と国防を含めた責任の放棄、そして教育の歪みが、国民の自我(物欲、金銭欲、性欲)を野放図に育て、人間相互の絆を壊した。 -恥を嫌い、清廉を好み、自己犠牲による献身という日本人の美徳は消滅した。 -アメリカに現在まで間接統治された日本は、アメリカの「妾」であり、日本は日本自身の重要な決定を自らの判断で決めてこなかった。これは、国家の堕落であり、国家官僚と政治家の責任である。(その結果、横田基地は今に至るまで広い排他的飛行区域と共に戦勝記念品として存在しており、日本の先端技術も収奪されている) ・「核の傘」というのは幻であり、自衛のための核を保有する意思を持つべきである。さもなければ尖閣のような領土問題で日本は軍事的圧力に屈しざるを得ない。 ・ゆとり教育は間違いで、「父母に孝に」「兄弟に友に夫婦相和し」「朋友相信じ」「一旦緩急あれば義勇公に奉じ」といった基本道徳も含めた生きるための規範を「刷り込み教育」で覚えこませるべき。 ・高福祉低負担は幻想であり、現在の国家財政を見れば、増税だと何でも拒否する甘えた国民体質を正し、それにへつらう政治を変革し、消費税増税などの税制改革を断行すべき。 ・日本の経済再生施策として、多大に買い込んだアメリカ国債を担保に基金を作り、5%以上の利回りがあり得るプロジェクトに投資すべき(例:天然資源豊富なシベリアの開発)・ ・若者の無気力、弱劣化を克服すべく、高校卒業と同時に1年間軍役などの公的な義務に就かせるべき。 ・インターネット等の膨大な情報の氾濫に溺れることで、画一的な発想、行動しか出来ず、自分が納得する人生を歩むことが出来にくくなっている。本気の恋愛をすることも少なくなった(根源的情念なき恋愛)。ただただ欲望を増加させ、ヴァーチャル的な暴力や死に感覚を麻痺させる。 ⇒このような堕落からの脱却のためには、まずは行えばすぐにやってのけること(核保有に関する可能性を誇示するためのシミュレーション、若者を正すための労役の義務化、財政再建のための税制抜本改革など)で国民を啓発し、いたずらな我欲の抑制に繋げる。それが、震災復興と超克のための基本的な地盤作りに必要である。 【感想】:その意見に賛同するかどうかは別として、命を賭してもやりたいこと、やるべきことが中々見つからない今日において、世界、日本、そして日本人というものがどのような立ち位置に置かれているのか、その認識の下で何をどうすべきなのか、考え、公で大いに議論したらよいと思います。NHKの「坂の上の雲」や映画「山本五十六」を年始に見ましたが、そこで描かれているのは、戦争に一喜一憂する国民の姿でした。マスコミが戦争を煽る姿も別にありましたが、大事なことは国家の出来事、存亡に一人ひとりが思いを馳せるという姿勢であろうと思いました。

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    投稿日: 2012.05.14
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    尊敬する方からお借りしました。 初めて都知事の本ですが、すらすら拝読。 私は頭もよくないし、20代の若僧だけど、もっともっとたくさんの人に、友達に読んで欲しいと思ったので、自分でも購入しました。 確かに核保有論とか、極論だけど、 知っておかなくてはならない現実があること、今は誰も教えてくれなくなってしまった事実を理解するだけでも違うと思う。 海外との仕事をしているからこそ、思ってた日本人のアイデンティティ、自己意識の低さ。 私たち日本人は、誇れる民族だし、もっと堂々と外交をやっていかなくては。民間レベルでも、この血に恥じぬ生き方をしたいと強く思いました。

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    投稿日: 2012.05.09
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    戦後の我欲に満ちた日本。堕落した日本。読んでいて心地良いものではなかったが、受け入れるべき事実も確かにあったと思う。著者の痛切な思いが伝わってきた。今後の日本を担う若い世代は目を通す価値が十分ある。

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    投稿日: 2012.04.04
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    大学生の頃に読んだ坂口安吾の『堕落論』も再読。東日本大震災後の今、再読したことが意味深かった。『新・堕落論』とあるが、坂口安吾と石原慎太郎の”堕落”の意味と結果は違うものと思う。坂口安吾は堕落してしまう人間の弱さを認め、そこからの救いを模索する。石原慎太郎は、現代の節操の無い我欲の塊の堕落した日本人を嘆き、再生を願う。堕落、衰退、強欲、空虚を打ち払い、誇りと価値を取り戻すその責任を、本書が一番言いたい事だと思う。

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    投稿日: 2012.03.28
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    石原氏の本を初めて読みます。どうだろ? 前半は面白く「石原節」が出ていたが、後半は失速した感じ…。また石原さんの本を読みます。

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    投稿日: 2012.03.14
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    そもそも堕落論を読んだことがないので、踏まえるべきことが踏まえきれていないかもしれませんが。。。 内容はいろんなテーマについて、数ページづつ石原さんの思うところがつづられています。読みやすいといえば読みやすいが、深くは掘り下げていないので、聞いたことある話も多々。急いだ感が否めませんね。

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    投稿日: 2012.03.04
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    「日本人は幼稚になった」「肝要なことが見えていない」という言葉を最近よく聞くようになりました。 我欲の追求を肯定し、本質を見失い、日本人は骨抜きにされてしまった。東日本大震災は、「天罰だった」と東京都知事の石原慎太郎さんは言い切ります。 私は東日本大震災は、人と人との絆が再確認された非常に良いきっかけになると考えています。 人と人との繋がりを重視した共同体社会の構築こそが重要だと思います。

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    投稿日: 2012.02.29
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    東京都知事・石原慎太郎の新書。日本衰退の原因を考察。 読書量がそれほど多くない僕であるが(最近は頑張っている)、高校生大学生に読むべき本は?と問われたら、この一冊を推薦したい。なぜなら「核兵器所有」について真剣に考えるきっかけをもらえる(もちろん他にも学ぶべきことは本著ではたくさんある)からだ。平和平和と謳いながら、北朝鮮中国ロシアなどの核の脅威にさらされているにも関わらず、アメリカが「守ってくれる」という非現実的な考えで、ヒステリックに核を拒否し続けている日本国民。僕自身、これは果たしてどうなのだろうかと自分自身に問うきっかけをもらうことができた。本来ならば小さい頃から考えていかなければいけない問題だろうが、いまの若い人にはそれが欠けている。 石原氏の考えは最もだが、若い人にとっては「(話が固すぎて)かっこわるい、うざったい」となってしまうのかもしれない。総じて年配の方の発言はそういう風にとられがちなので、現役世代の方に仲介してもらう必要もあるかとは思う。だけど色々考えさせられるところはあった。星5つ。

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    投稿日: 2012.02.29
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    石原都知事の本は久しぶりです。 この内容を危険だ、右翼的だなどと言ってしまうのは簡単かもしれませんが、戦後からここまでを著者の視点で捉え、現状に警鐘を鳴らすという意味で、読んでよかったかなというところです。 個人的には、複数の連載を元に加筆した内容になっていますので大変読みにくかったと感じたことと、都知事という立場からもう少し具体的な政策や解決策、施策などを提案していただきたかったところがやや残念です。

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    投稿日: 2012.02.17
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    一章 平和の毒 二章 仮想と虚妄 の二部構成になっている。前半は主に戦後~現在の日本政治の堕落について、後半は携帯やテレビなどによって本質を欠いた人間性へ堕ちてしまった若者についての石原氏なりの分析と打開策が書かれている。 [一章]日米同盟に関する現状、核によって成り立つ各国の力関係が端的に書かれており、日本が如何に「国家」として危機的状況にあるかがひしひしと伝わってきた。核について、外交にとっては副次的なものでしかないと思っていたが、石原氏は核保有こそが国際社会で物を言うと強く主張している。マックス・ヴェーバー著「職業としての政治」を同時に読んでいて、ここでも「国家の定義づけは物理的暴力の行使があって初めて可能」と書いてあり、正直驚きつつも、認識を改めさせられた。 [二章]あいたたたたーという感じ。彼が危惧する若者の典型に自分もすっぽり当てはまってしまっている。自分の中に"芯"がないのがずっと悩みだが、本書での示唆は解決のヒントになるような気がした。是非もう一度読もうと思う。

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    投稿日: 2012.02.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでみて、納得できる部分と、わかってないなという部分と、極論すぎるだろという部分とがいろいろあり、まぁ、そういう本だし著者が著者だからそれはおいておく。 ただ、致命的なのが、どの世代がどの問題に対してどれだけ責任があり、問題を解決していかなければならないのかが書かれていないので、曖昧すぎるのだ。 私はいわゆる団塊ジュニア世代。大学入学時にはバブル景気は終わっていて、2000年代の就職氷河期なる言葉が出るまでは就職内定率が最低だった年に社会に出た。高度成長やバブル景気の美味しさは経験していないし、ITバブルによって若年起業家になるには年寄り過ぎた。 で、戦後の「堕落した世の中」にしたのは著者を始めたとした現在年金受給世代となっているであろう方々とその少し上の世代からであろうし、また、高度経済成長を一番堪能したのもその世代だろう働いていたはずだから。 団塊世代は学生運動していた世代になるのかな? 携帯を多用する若者といってもどれくらいから切っているのかもわからないし不明瞭。 世代批判するならターゲットを明確にしてほしいものだ。

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    投稿日: 2012.02.05
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    前半部分は日本の問題の根本に言及されていて、歴史認識を要因とする堕落という点が深く胸に刻まれた。長老様はやっぱはんぱねえ。 ただ、後半はじいさまの時代の羨望と今の時代への愚痴にしか読めなかった。 グローバルやITの時代への変化をただの否定としてしか見ないのではあまり役に立たない。 大事なのは自己認識に加えて、変化にどう対応していくかだと思う。そのへんはお前らが考えろってことか。 賛否両方ある本だけど読んで良かった。

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    投稿日: 2012.01.30
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    この人は、どんな人なら認めるのだろうか。アメリカ人は悪い、日本人は悪い、政治家は悪い、官僚は悪い、知識のない若者が悪いと。アメリカから我欲が持ち込まれた、アメリカは嫌だと。 自分の常識を若者に当てはめてこき下ろす。若者は未熟かもしれないが、逆のことだって起こりうるという想像ができないのだろうか。

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    投稿日: 2012.01.29
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    石原氏の本は実は初めて。 テレビでも会見やインタビューの一部しか拝見したことがないので何ともいえないのだが、嫌いではない。好きにもなれんかな・・・ 評価微妙です。 年配者が若者に「最近の若いもんは・・・」的な愚痴っぽい、あるいは説教っぽい本に思えるし、一方、共感できる部分も多々あった。 公立高校において近代史現代史を必須に。 これはいいね。全国の高校でそうするべきだ。

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    投稿日: 2012.01.23
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    @yonda4 僕は石原慎太郎は好きではない。 ズバズバと物言う姿は強いリーダーシップを感じるし、アメリカに対して「NOと言える日本」なんてのことを言えるのも他の政治家にはいない。 その強さがあるからか、時々見せる世間ズレがものすごい違和感を感じさせる。 例えば、東日本大震災の時の「天罰発言」。 これは氏が日本人の堕落に対して、常々思っていることから出た発言のよう。 この発言、氏が考えていることを垣間見るためにも本を読むことにした。 内容はと言うと、日本人がなぜ戦後、ここまで堕落してしまったのだろう? と言うもの。 大東亜戦争で米国に負けて、GHQによる占領。そして、他国により押し付けられた日本国憲法。 日本は米国の従属国だ。 確かに。この辺は僕も共感する部分が多い。 話は国防にも及び、以前に起きた「尖閣諸島問題」にも触れている。 日本で有事が起きた際に米国は日米安全保障条約を機能させるのか? 機能しません。 なんで日本のために米国が血を流さなければならないんだよ!って言うのが米軍の見解。 そりゃそうだ。 日本の周りには中国、北朝鮮、ロシアと油断できない相手が多い中、よく考えずに平和だー、と言って、自己の権利を主張するだけの日本人は堕落している! 目の前にある、金銭欲、物欲を追っかけて、一つの目的に向かう為に国民が一丸となる日本はどこに行ったんだ? こういう論調。 ただ、この堕落論、一貫性が全くない。 石原慎太郎が知事をする東京都は日本一、世界屈指の物欲、金銭欲が蠢いている都市。堕落し切った都市。 でも、仮にこの都市が堕落を止め出したら経済が間違いなく停滞するよね。 今日の日本の繁栄って言うのは堕落の上に成り立っている。 原発について。 氏は原発は必要と言っているけど、原発も堕落の一部ではないかと僕は考える。 原子力と言う、何万年にも負の遺産を残してしまうものを現代の人間のエゴのために稼働させるのは、どう考えても堕落だろ? 何千年後の人間が、何で何千年前の人間の核廃棄物を管理しなくちゃいけないんだ?そもそもできるの? 堕落、堕落ってなら原発廃止になるでしょ? それと東京五輪誘致も勝つ見込みがないのに何で頑なに誘致しようとしているんだろう? これは書かれていないけど。 そりゃ、身近で五輪が見られるのは嬉しいだろう。 でもまだ時期じゃないよね。 巨額の税金を投入してやることか? 何かの欲に取り憑かれてるんじゃない? と、これだけでも疑問が湧いてくる。 氏の主張には賛成しかねるところではある。 ただ、僕も含めて日本人は確かに堕落していると思う。 少しでも自分の行動を律することをしていかないと!

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    投稿日: 2012.01.22
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    私自身も昭和七年生まれのまさに後期高齢者の一人ですが、戦争の敗戦の記憶は未だにまざまざと体の内に収われています。警戒警報が鳴って下校の途中早くも到来した艦載機の機銃掃射に遭い、折から収穫期に近く背丈の伸びた麦畑の畝に飛び込んで逃れ、逃げまどう私たちがまだ背丈も伸びぬ子供と知りながら手軽な狩りのつもりで掃射してきた敵のパイロットは、怖々仰ぎ眺めればこれまた成年にも満たぬ若者でした。そして私の学友の一人は足に被弾し一生の不具ともなりました。 さらにその先、近くの森までたどりつこうと走る最中、また新しい爆音が迫り今度は芋畑の中で、身を隠すにも畝の浅い畑では覚悟して身を伏せながら機銃掃射を待ったが不思議に弾が来ない。恐る恐る顔を挙げて確かめれば頭上を褐色の胴体に白い縁取りの日の丸を描いた友軍機でした。 敵機を追う日本機を確かめた時の、ふるいつきたいような感動が忘れられない。あれは身にしみて感じ取った国家というものの実感でした。

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    投稿日: 2012.01.21
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    ちょっと流し読み、って感じでしたが・・・いいんです、この方の場合は我々の閉塞感に確実にヒットする不思議な力がありますから。一度、総理大臣をやってほしい(ほしかった?)人ですね、やっぱり。そもそも、太陽の季節とか、文学としてはどこがいいのかホントにわかりません。でも、好きですね。

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    投稿日: 2012.01.18
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    教科書には書かれない戦前以降の歴史と政治の一つの観点、として読んだ。 3.11以降に執筆を始めた(?)からか、随所に感情的な文字を見るがそれが作家・石原慎太郎としての一面なのだろうか。 現役都知事の意見として、テレビやインターネットで見かける政治論争を考える一助となった

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    投稿日: 2012.01.13
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    やや難解、論拠が独りよがりなところはあり、年寄りが若い人に説教しているように聞こえる。 ただ、普段メディアでの発言を聴いていると、それぞれの発言がこの本に書かれている根拠に基づいていることがわかり、「何でも好き勝手に言っている老人」ではないのだなあと思い、石原慎太郎という人物に対しやや好意的になった。 賛成できることもたくさんあり(特に外交)、口先だけでなく、また国政にうってでて暴れてほしいとも思うが、年齢的に難しいか?

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    投稿日: 2011.12.27
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    おもしろい。主張として一貫性がある。多少知識の押しつけのように感じられる部分もあるし。過激な主張もあるが石原慎太郎らしくて好感がもてる。国を憂いてる事が感じられる。

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    投稿日: 2011.12.23
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    ■ かの石原慎太郎による、堕落論。資本主義・民主主義の発達から導かれた際限のない個人主義・欲望に対する警鐘を鳴らしている。 ・坂口安吾著『堕落論』から「人間か変わったのではない。人間は元来そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ」。 ・自らの国家社会の近い過去の出来事について、教える側の一方的な価値判断でその存在すらを無視してすますのは無責任というよりも、罪と言われるものではないだろうか。 ・戦争時のアメリカ空軍司令官ルメイ「日本は薄汚い国だから、焼いて綺麗にするのだ」。その相手に航空自衛隊創設に功があったとして勲章を送っている。 ・マッカーサーは解任帰国後、アメリカ議会で、「日本が引き金をひいた太平洋戦争は、歴史的にあくまでも自衛の戦争だったということが分かった」と証言している。 ・千葉県のチバはアイヌの言葉で船の沢山集まる所という意味、別府温泉のベップとは、湯煙という意味。 ・湾岸戦争は、実はブッシュがイラクの石油利権獲得のため、裏から武器と金をフセインに供給しクェート侵攻をさせた結果であったとのちに暴露されている。 ・ルース・ベネティクト著日本人分析論『菊と刀』から「この国は貧しくはあるが、【貧困】はない」。 ・トインビー著『歴史の研究』から「いかなる大国も必ず衰微するし、滅亡もする。その要因はさまざまあるが、それに気づくことですみやかに対処すれば、多くの要因は克服され得る。しかし、もっともや厄介な、滅亡に繋がりかねぬ衰微の要因は、自ら関わる重要な事項について自らが決定できぬようになることだ」。 ・沖縄返還の前後に日本とドイツの当事者の間で両国の協力による核兵器開発の可能性について論じられていた。 ・日本の現在の実力ならば、本気になればわずか数ヶ月で核武装ができると言われている。 ・核の保有は、行使することはまず有り得ぬとしても、有効な外交の必要なインフラと言える。無駄といえば無駄な話だが、国家に必要な無駄である。 ・田中美知太郎「憲法に日本は平和を守ると謳えば、平和が達成され得るのであれば、毎年大きな被害をもたらす台風は日本に来てはならぬと憲法に宣言すれば、台風はこなくなるのか?」 ・福田和也「幼稚な人間とは、IQの数値が低いとか、多くの人が知っていることを知らない、などどいうことではない。何が肝心かということが分からない者、肝心なことについて考えようとしない者を幼稚というのだ」。 ・コンラッド・ローレンツはその動物行動学論の中で「幼い時期に肉体的苦痛を味わうことのなかった人間は長じて不幸な人間になる」と言っています。 ・三島由紀夫曰く「愚かな野党党首を暗殺して自ら自裁した山口二矢は神だ」「健全なテロルの無い社会に、健全な民主主義など育ち得ない」「恐ろしいものが無くなった社会ほど、恐ろしいものはない」。 ・日本人のDNAとしての自己主張の欠落は、今日では民族的な美徳どころか、己を損なう体質でしかありえない。 ・毛沢東著『矛盾論』の一節「目の前の矛盾、厄介事を解決しようとしたら、それそのものよりもその後ろに在るもっと大きな原因に気づいて手をつけなければ本当の解決には至らない。目の前の矛盾は従属矛盾であり、その背景に在る主要矛盾を解決しなくてはならない」。 ・勘違い、思い違いというのは人間が成長するうえで不可欠なことです。それをすることで、人間に思考は増幅され精密になる。 ・どうも今日では言葉え綴られた資料なるものは、最早情報としてあまりインパクトを持ち得ない。 ・ブラックホール理論で有名なホーキングの講演にて、この宇宙には地球ほどの文明を持つ惑星は二百万ほどあると答え、それに対して、何故我々はそれを目にすることがないのかとの質問に対し、彼は冷ややかに、現在の地球ほどの文明を保有してしまうと、そうした惑星は自ら正当な循環を狂わせ環境を破壊しつくし、内面的にも極めて不安定になり、彼らの惑星は宇宙の時間の総体に比べればほとんど瞬間的に自滅してしまう。 ・引きこもり症の権威である齋藤氏曰く、引きこもりの若い患者のほとんどが、徴兵制度が敷かれたらという質問に対して、自分は喜んでそれに応じると答えるという。 ・

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    投稿日: 2011.12.20
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    レビューを見てるとやはり受け止め方は人それぞれでだいぶ違うと感じた。どれだけ高尚な理念を抱いていても行動に表れていない政治家等はたくさんいるし、見ていてうんざりもする。そういった中で石原氏は自らの信条と発言が一致しているところが好きです。氏の考え方はプラス・マイナスがあるかもしれないが、相対的に見てプラスだと思う。 また昨今政治色の強かった氏だが、作家的な要素を垣間見れてよかったです。三島由紀夫好きの私としては、三島と仲が良かった氏から話題があがってこれまたよかったです。

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    投稿日: 2011.12.17
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    割と残念な感じがする。頭のあたりは面白かったが終盤は若いもの批判に終始している。氏が理解出来ないことを理解出来ないと結論するのは余りにも短絡すぎる。我欲を捨て去ることは大切だとは思う。だとしてもこの感じはなあ。

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    投稿日: 2011.12.15
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    政治家だけあって、国家を憂う気持ちが大変強い。人と人の結びつきについての主張は共鳴したが、文化の発展、若者の風俗の変遷については負の面のみを強調するあまり、年寄りの愚痴でしかない。読んでいて辛かったです。最後に福沢諭吉の言葉で結んでいるのがせめてもの救い。

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    投稿日: 2011.12.05
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    核保有にしても原発にしても、理想に偏りすぎる国民が多いのでは、と改めて思った。肯定、否定、いずれにもメリットとデメリットがあり、それらを把握したうえで主張しているのであればよいのだけれど。著者の主張は歯切れがよく、行動・裏付けも備わっている。もう少し若かったら、もう一度国政を担ってほしかった。

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    投稿日: 2011.12.03
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    前半の国家の衰運を立て直すには、戦争抑止力としての核保有、若者の労役の義務化、などなど公共放送ではとても取り上げられそうにないことを、いまだ都知事という公職にありながら平気で押し通してくれているところには、流石というかスカッとさせられるものがあった。 ただ後半の愛情がどうたらこうたらは、少々ノスタルジックに嵌りすぎて、一般読者に対しては少々滑っているの感・・・もあったが、「・・・論」なんだから、まぁいいか。 「国家の衰運の中で自分の人生を失うつもりは毛頭ない・・・我欲を堪えて抑制することで初めて、個々人の人生はしなやかでしたたかなものになっていくし、それが国家を支えるよすがにもなる」 それにしても我欲かぁ・・・なかなか手厳しいお言葉でした。 (2011/11/25)

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    投稿日: 2011.11.25
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    石原都知事自ら、遺書と称して書かれた本。 文中のこの一節に現在の日本の病巣が描かれている。 ”この現代を導いた近い先祖たちが為しえた近代化の歴史を、教育において子弟に一切教えぬという自己否定と、いたずらな権利の主張とそれに比べていちじるしく義務との均衡を欠いたいびつな憲法がそそのかし育んだ国民のエゴイズム。そしてそれはいかなる立場も超えて継承されるべき人間としての価値の基軸を阻害し、それに代わる価値としての物欲、金銭欲を助長し肉親家族にまで及ぶ人間同士の連帯を阻害してしまったのではないか。そしてその結果今日の日本人の多くから、自らが属する国家なるものへの意識は淘汰されつつあるのです。 いかなる国家、社会も人間同士の連帯なくしては成り立つものではない。それを欠いた国家はいかなる侵犯をも容易に許してしまう。神を含めて他者は、そうした者の在り方をこそ、「堕落」というのです。” 第二次世界大戦後、大国のパワーバランス下においてアメリカの管理の下、戦後教育の在り方により強烈な自虐史観を持つにいたり、アメリカ管理下の「平和」の在り方に慣れ、本来生存競争が繰り広げられている国家競争から隔絶され、危機を意識する必要のない、空想世界のような平和が日常と感じるようになってしまっている。 その結果、先人の努力、気概、心意気、気質、伝統といったメンタリティを喪失し始めている。 具体例は枚挙に暇がないが、モンスターペアレンツ、援助交際、均一的、享楽的なTV番組の氾濫等、日本人が自らの我欲を満たすことに汲々としている姿が思い至る。 こんなことを考えていると、三国志の劉備が呉の周瑜の計により呉に抑留され、様々な接待を受け続けることで骨抜きになりかけるというシーンが思い浮かんだ。まさにいまの日本人の姿がこの通りになっているのではないか? 日本人の一人一人が政治家・評論家のいうことを鵜呑みにするのではなく、考えなくてはいけない=覚醒しなくてはいいけない時期に来ていると思う。

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    投稿日: 2011.11.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

     一章の外交、安全保障に関する痛烈な批判は中々興味深かった。核武装論など過激な主張もあるが、政治家として実務に携わる者ならではの切り口の鋭い意見、裏話は傾聴に値する。  しかし、二章は老人の妄言だらけで、聞くに堪えない意見だらけで、失笑ものだった。なんだこの的外れな近頃の若者はけしからん論は。  若者の価値観が漂白化?若者の画一化?今の若い世代には聞いて気になるような主張が一向にうかがえない?馬鹿をいってはいけない。著者のほうが若者を画一的に色眼鏡をかけて眺めているから、著者には若者が画一的にしか見えないのだ。つまり、はなからそう決めつけて若者を眺めるから、そういう風にしか見えないのだ。著者は真摯に彼らの意見を聞こうとしたことがあるのか。数字や統計ばかりを眺めていないか。為政者として特殊なケースに目を触れる多くてそれが普通だと錯覚してはいないか。  どうもこの著者は物事を総括論的にみる傾向がある。確かにいちいち全てのものを個々に詳細に観察し、記憶していたら脳がパンクしてしまうだろう。だからといって最近の若い者といったレッテルを張って、画一的に物事を見ていたら、それこそ本質を見落とすことになるのではないか。若者から本質が欠落しているのではなく、著者が本質を見落としているのだと私は思う。せっかく首都のど真ん中に居るのだから、アルタ前あたりで素直な心で若者と直接論議をしてみたらどうだろう。画一化だの漂白化だのという虚妄から脱することができるから。  又、映画『チャンピオン』との比較での『ロッキー』批判もひどい。映画に対してリアリティ、リアリティってフィクションと現実の区別が付いていないんじゃないか。それこそ筆者自身が筆者の主張する現実と非現実を識別するための真の想像力が枯渇している証左ではないか。そもそも映画は道徳教育資料じゃない。エンターテイメンだ。大事なのは面白いか、否かだ。盛り上げるための多少の脚色や過剰演出はむしろあってしかるべきだろう。    色々批判したが、自分とはかなり考え方の異なる著者の本を読むのは、思いがけない視点との出会いの連続でとても有意義だった。それに時代や文明文化を貫き超えて鉛直につながる価値が愛であり、それを育む信頼という意見は素晴らしいと思う。

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    投稿日: 2011.11.19
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    我ながら節操のなさにあきれます。ちょっと前にエンゲルスの「空想より科学へ―社会主義の発展」を読んだかと思うと、今度は石原慎太郎。  石原氏の著作は初めてです。本書も「食わず嫌いを無くす」との心がけの一環として手にとってみたものです。実際読んでみて、様々な点で面白い刺激は受けましたね。ただ、本書のあちらこちらで垣間見られる「人は国家存続の手段である」かのような考え方には、私は到底賛成できませんが。

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    投稿日: 2011.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半は絶品。 後半が脱線の連続。 ですが、必読の一冊でしょう。 あんたは正しい。 http://uchidashin1.blog117.fc2.com/blog-entry-55.html

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    投稿日: 2011.11.17
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    前半が表題部分。後半は、全く別の文化論のようでした。 後半は僕には難解でしたのでレビューは差し控えます。 前半ですが、日本の戦後についての認識の補強になりました。 メディアを通じての石原さんしか接したことがなく、なるほど、論客に関しては、論文や書籍などで、接した方が論旨が分かるもんだと、まず知りました。 言われてみれば所感と合う部分多く、この社会で胸を張って生きて行くことの難しさを改めて感じました。怖い怖い。。。

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    投稿日: 2011.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現代に生きる者の一人として,何か突き刺さる思いがする一冊となった.変化の早い世であっても,“垂直に継承されるべき”価値の基軸があると.確かに.

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    投稿日: 2011.11.13
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    「平和の毒」という言葉には少しはっとさせられた。 U19の時に深澤HCはじめコーチ陣に「国際大会は戦争だ」とか「クリースは戦場だから死ぬ気で守れ」と何度も言われた事を思い出した。実際に相手と対峙するまでそれを具体的にイメージ出来なかったのは、今の日本の教育でなかなかそういう状況を想定出来ないからなのかもしれない(もちろん当時の自分の意識が低かったこともあるので、反省)

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    投稿日: 2011.10.31
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    嫌いな著者の本を読んでみようと、読んだ1冊。 著者いわく、今の日本は言いたい事も言わず、若者は物欲・性欲に溺れてどんどん衰弱していく。これを打開するには、我慢・禁欲をして、人間らしい精神を取り戻す必要があるとの事。 確かに、今の日本は周り気にしすぎる事で、損ばかりしている。若者も情報に溺れ過ぎていて何だかわからない事もする。だが、それも踏まえて受け入れてよくなる方向に導く必要があるのではと思った。そもそもこんな事になっているのは、著者世代の人間が導きにより成り立っている事を忘れてはならない。 だが、これから自分が生きていく上でもっと政治・世界の歴史などにも興味を持たなければとは思えただけでも収穫があった。

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    投稿日: 2011.10.24
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    72点。坂口安吾は『堕落論』を終戦直後に発表し、人間が変わったのではない。変わったのは世相の上皮だと言った。天皇を絶対化神格化してきた日本人の価値観の崩壊による困惑を是とし、戸惑う国民に狂気から目覚めることの正当性を説き多くの国民を勇気づけたと言われている。 そして震災後の今『堕落論』が広く読まれているらしい。既存の価値観や考え方失った被災者の生きるヒントとして読まれているのだと思う。一方で『新・堕落論』は169%いつもの石原節満載で震災を踏まえた発言ではなく、いつもの持論を展開する。反米論、核武装論、教育論など。震災を天罰と発言した石原先生は、本来堕落するのが人間だという人間の本質的な弱さに注目し現状を受け入れんとしたポジティブな安吾堕落論に対して、現代の日本人は平和ボケしてそれはそれは堕落してしまっているんだというネガティブな世代論的主張に至る。「立ち上がれ日本人」という強いリーダーシップは感じるけど面白くない。どうせなら作家・石原慎太郎として作品書いてくれないかな。

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    投稿日: 2011.10.22
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    「太陽の季節」以来の石原慎太郎の本。 古典とかの教養があるから格調がある文章。 遺言っぽいな、彼岸からのメッセージだなと 思いながら読んでたら途中でそんな文章もありました。 年長者だから見えるもの、見通せるもの、自分たちに 欠落しているとみえるものを真摯に受け止めるのが 先人への敬意でしょうね。

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    投稿日: 2011.10.21
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    日本改造にはこれくらいはっきりものを言う人が必要では?? さすが本職は小説家とあって、文章が素晴らしく、難解な部分も多かったですが、日本への「遺書」というくらい力の入った作品です。家族みんなで読んでいます。

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    投稿日: 2011.10.15
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    構成が二つに分かれていて明確なところがよかった。後章は具体的にかかなかったところが、太陽の季節の冒頭みたいだと思った。

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    投稿日: 2011.10.14
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    「石原慎太郎の遺書」として書かれた本(らしい)。 衰退しつづける日本国および日本人に対する問題提起が主に記されている。 内容を一言で言うと、日本人は自分たちの信念をもっと強く確立し、自国を外国の干渉から、また衰退から守っていくべきだと言っている(と思う)。 結構右寄りの思想なのかなと思ったが、個人的には嫌いじゃない。

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    投稿日: 2011.10.13
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    東日本大震災の後に刊行された本書。 敗戦直後を経験している石原氏の日本観を知る事が出来ます。 【1章 平和の毒】 敗戦から平和、史上まれに見る繁栄によって、毒のように犯された日本人の価値観(私なりに解釈した概要) 【2章 仮想と虚妄】 InterNetが加速した消費社会。物欲・金銭欲・性欲を無味簡素に消費する需要と供給のシステム(私なりに解釈した概要) 私としては、特に1章を楽しく読ませてもらいました。 57ページ付近にある 「横田基地の管制空域が、新潟まで及んでいる。航路の問題や過密ダイヤによる事故要因の原因となっている。」に代表されるような、アメリカとの関係において、政治と経済が密接に絡み合ってる様子を感じ取れました。 大量消費社会とInterNetが結びついた果てに顕在化している問題への危機感というか恐怖感を感じている石原氏。多くの人が程度の差はあれ、石原氏と同様の感想なのではないでしょうか?

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    投稿日: 2011.10.10
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    上から目線的な姿勢は好きではないが、キッパリと言い切るところが小気味よい。 表層的人間関係、若者論、復興論(具体的には「?」)等、自分の中のモヤモヤを少しすっきりさせた。 無力感はあるものの今は自分に問いかけるだけでも、何もしないで仕事だけの毎日よりはずっといい。

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    投稿日: 2011.10.06
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    現在日本で起きている数々の問題、その背後と原因に人々の性欲、物欲、金銭欲すなわち我欲がある。 戦後アメリカの駐在に始まって、憲法や教育を自らの手で築かなかったこの国の、それでいて平気であるというその徹底的な他力本願と堕落した国家への憂いのこもった石原慎太郎の言葉には、「右翼」と呼び捨て終えることのできないほどの国家への想いと愛を感じる。 特に戦争、敗戦、戦後とその歴史の舞台にいつも立っていた石原ならではの国家、国民への憂慮がにじみ出ている。 本書を通して、石原が接してきた数々の有権者、国内にとどまらない著名な人物たちと石原とのやり取りを通して、世界が日本をどう見ているか、歴史の中でこの現在日本を作っていった背後はどうであったかを、新聞やテレビといった媒介体を挟むことなく知ることができる。 果たして事実がどうであったかはひとまず置いておいて、現在日本の抱える問題の顕著な原因として、自我の喪失、それからくる徹底的な他人依存。そうした背景から生じる性犯罪、家庭内殺人を始め、信じることのできないような事件の数々が、暗く心を閉ざした一部の問題児が起こす事件ではなく、ごくありふれたものであるかのような、倫理の問題としてかける以前に何の考えもなく起こしてしまうという現代日本人の体たらくを、今一度考えるにおいては良い機会を提供する本である。

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    投稿日: 2011.10.03
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    石原慎太郎都知事の考える、日本の、そして日本国民が抱える問題点の指摘。 受け身で享受してきた平和の弊害や、個々が孤立することで生じた人間性の欠如を論じてた。 前半部分の、与えられた憲法、平和によって弱腰で何の主張も主義も持たない国に成り下がってしまった、っていういわゆる「右的」な議論は概ね納得できた。 ただ、それにしてもじゃあどういう国家観がいいのか、具体的にどういうアプローチで問題を解決するのかが見えてこなかったし、今の平和によって得られてる良い面をすべて切って捨てるのは如何なものか。 後半部分に至っては、「昔は良かった」論と、「最近の若いもんは」論に終始していた。 自分が書いた、性風俗的にひどい小説は「文章ならいろいろイメージできて、その背後にある主張や考えを汲み取れる」といいながら、いわゆるエロゲやエロ本は「ビジュアルに訴えかけて、ただただ性欲を満たすだけ」っていうのはあまりに勝手な理論だと思う。 ついでに、ケータイ、ネット、テレビに毒された若い世代が事件を起こす云々も、事件を起こしてる割合としては高齢者のほうが高くなってるという統計を無視した、主観に基づいた論理だと思う。 できれば、これからの日本をどうして行くべきかの指針や、バックボーンになる考え方にもっとページを割いて欲しかった。 主観的な論議を、客観的なデータに基づいて進めて欲しい。

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    投稿日: 2011.10.03
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    日本の抱える病巣を的確に指摘した名著と言って良いでしょう。 今の日本には石原氏のような国家観・歴史観・リーダーシップを持った人物が、他にいないことが心配でなりません。

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    投稿日: 2011.09.30
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    一見マトモそうにみえて、その実人を見下している事が文面ににじみ出ている。こんな奴に政治をやらせちゃダメよね。

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    投稿日: 2011.09.27
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    「天罰」の真意を確認したい方は目を通しておくべきだろう。横田空域の返還については大いに進めてもらいたい。なんとなく人命軽視のイメージが強い方だが、羽田の安全を確保するには不可欠であり、そのぐらい米国に強いスタンスで望める人はいないので。東京裁判史観で辻政信を腐していたのは苦笑。キャラ的にはアレだが選挙民が選んでいる以上尊重せざるを得ないという意味で、同じ立ち位置のように感じていたから。

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    投稿日: 2011.09.25
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    福沢諭吉の言葉を引用しながらの最後を読んで欲しい。祖国があなたに何をしてくれるかを尋ねてはなりません、あなたが祖国のために何をできるか考えて欲しい、というケネディ大統領の言葉を思い出した。 やっぱりこの人は好きだ。

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    投稿日: 2011.09.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これは、石原慎太郎氏が遺書として書いた本だ。石原氏が、時には世間に批判されるくらい過激な?発言のルーツ(根拠)が書かれている。氏は、自分の気分、権力関係etcつまり、”我欲"で行動する人々が近年の日本に多いことを憂いている。私は、この本を通して第二次大戦を通して日本のために命を懸けた先人、戦後の経済成長に寄与した先人たちが創ってきた日本を守り、よりよくしたいという筆者の意思表示であると感じた。 時間がかからないことが善であるというような風潮のせいか、人々(自分も含めて)の視点も現状だけしかみていることはないだろうか。そんなことを考えさせられた。

    2
    投稿日: 2011.09.22
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    自身も平和の毒にやられているなぁと感じる。 戦後世代の自分としては、幽かに残る昭和のプライドを見直してみることにする。

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    投稿日: 2011.09.20
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     国家の、そして個人が基礎とすべき部分が失われ、漂白された国家・個人が我欲にとりつかれた社会を生み、国家を衰退させていると説く。内容的には、そして筆者の主張がかなり強く出てい賛同できない部分もあるものの、社会を国家を構成する一人ひとりが暮らしをどうしていくのか、そして国をどうしていくのか、もっと真剣に考え、自分の利害だけで語らないという姿勢、何かに依存しない姿勢が必要ということを教えてくれる。引用されている福沢諭吉の言葉「立国は公にあらず。私ばり。独立の心なき者、国を思うこと、深切ならず。」に本書の主題が表わされている。さすがに文章が引き締まっており、読んでいて気持ちがよい。

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    投稿日: 2011.09.11
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    極端過ぎる発言・無茶苦茶な「こじつけ」もあるが、ここまではっきり物事が言える石原慎太郎は素晴らしい。

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    投稿日: 2011.09.09
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    自ら、「日本への「遺書」-」と題した著作。 戦争世代経験者である著者が見てきた、敗戦・戦後復興そして、 あてがい扶持の中で、堕落してきた日本人。 現代社会に起きる闇を嘆きつつも、これからの世代に向けたメッセージも あり、自分自身できることから行動せねば、そう感じさせられた渾身の一冊。

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    投稿日: 2011.09.09
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    ぜひ同世代の人には読んでもらいたいと感じます。 最後のエリート世代であるこの人たちから学べることは多い。この世代のすぐ下の世代はもはや柔軟性を失っているから、私達世代こそ、日本の現状を受け入れられるし、受け入れ変容していかなければならないと思う。 きっとこの本には知らないこと、アメリカがいかにして日本をずっと統治してきたか、日本はいかに隷属し、甘えてきたか、が多く書いてあると思います。 あ、でも後半は読まなくていいかも。 やっぱり偏ってるなぁと思います。若者のこと嘆きすぎだけど、万引きだって高齢者の犯行がとても増えてるのに。まずは自分たちの世代から正してほしいけど。まぁ未来がある若者にたいする期待のあらわれってことでしょうかね。あと、女性蔑視しすぎ。

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    投稿日: 2011.09.08
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    坂口安吾の堕落論が、カッコつけずに泥臭くてもいいから社会と正面から向き合って生きろ!というメッセージであったとするなら、著者からの新堕落論としてのメッセージは、ダラダラせずにもう一度節度を持って生きよ!ということだろうか。さすがに保守派の重鎮だけあって、歯に衣着せぬ、思い切った日本への、そして特に政治家と若者への忘欲と自律についての厳しい提言が満ちている。 ところで、東京都民はこんな著者の思想を知ってこれだけの長期間、知事を任せているのだろうか、とふと思った。だとすると、東京都民の社会に対する問題意識はかなり高いといえるだろうが、どうだろう。。

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    投稿日: 2011.09.03
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    石原都知事の文学作品自体は読んだ事は無いのだけれど、ずいぶん前に世間を騒がした「天罰発言」の時からその言葉尻をとらえる輩があまりに多かったので、改めて読んでみた。言ってる事は基本的に賛成。コレ読んでると日本の所謂自称保守が何を保守したいのかよくわかる。

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    投稿日: 2011.09.03
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    石原氏がかつて文学者だったことがよくわかる本です。文学の素養のない私にとって、理解不能な部分は数多くあり・・ そもそも、「太陽の季節」も読んでいないので・・ 日本人が堕落しているという議論は、現象面ではそうであるが、現代社会の病理だとすれば、復古的な教育や訓練を復活させたところで効果はないだろう。  石原氏はほぼ80歳で、私はほぼ50歳ということで1世代違うわけで、日本の現状について共感するところは多いが、この本が具体的なアクションプランを示しているとは全然思えない。現代の若者の問題は、若者が自分なりに解決するしか方法はないであろう。  それにしても文学者の文章は感覚的すぎてよみずらい。もっと論理構成をしっかりすべきだ。衒学的な文章もいただけない。

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    投稿日: 2011.09.01
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    石原氏が語った我欲とはなにか? 石原氏から感じられる怒りの所以とは? これらが知りたく、この本を手にした。  石原氏は戦前の生まれであり、終戦と呼ばれる敗戦を屈辱を持って迎えたようだ。実際、戦後日本を闊歩する米兵に負けじと闊歩しアイスキャンデーでぶん殴られた経験を語っている。第1章では、この戦後の米軍支配下で、自ら平和を勝ち取ることを忘れてしまったことの問題性を指摘していた。第2章では、PC、携帯電話、TVによってもたらされた情報過多によって、若者が勘違いする機会を失い、画一化してしまったと説く。そして、両章に共通の課題は、知識、体験の身体性が失われてしまったことへの指摘だった。  私としては、こうした若者の世界の変化は、主として育て親であり、また現社会を気づいてきた前世代、現世代の責任だろう、それを若者は、、と説くのは責任転嫁ではないかと思ってやまない。一方で、氏が説くように、生きて行くことの身体性は、時代とともに失われつつあるのは事実であり、人間の生きるという感覚が変わりつつあることも感じている。テクノロジーの進化は、情報化社会の進化が示すように、この身体性の限界を消し去る方向性で進んでおり、全人類が身体性を取り戻すには限界も感じる。そんな中で、将来に対してどのように生きたらよいのだろうか、と覚悟を感じさせる内容であった。  

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    投稿日: 2011.08.30
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    第1章が特に面白かった。アメリカのえげつなさがよく分かる。日本の保守って親米が殆どなんだけど、この人はそうじゃない。ある意味貴重な存在だと思った。第2章は、内容は是非はともかくとして、この人詩人だなぁって思った。

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    投稿日: 2011.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    石原慎太郎氏著書。2011年50冊目。 戦中・戦後を生きている人は、これほどまでに今の政治経済や若者に違和感を感じているのだと、痛烈に感じた。 ここまで物事を刺激的に述べる政治家は、石原慎太郎氏しかいないのではないか。また、ここまで「こうあるべき」と理想と方法論を語れるリーダーは、今の政治界にはいないのではないか。 石原さんが総理大臣になれば、堕落した日本に喝を入れられるんじゃないかと思ったりなんかして。

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    投稿日: 2011.08.28
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    平和の毒という1章のタイトルが様様なことの原因と思えるが、なぜ、いつから、日本人は都合の悪いことから目を背けるようになったのだろうか。そして、それを仕方のないことと思うようになったのだろうか。副題にある我欲について考えさせられる良書。

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    投稿日: 2011.08.28
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    まあ、石原氏思いのま語る、です。藤原正彦よりは具体的だが、やはり全体的に思ったことをつらつら書いてるだけな感はいなめない。でも、個人的に共感するとこは多々ありますな。

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    投稿日: 2011.08.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    同じような戦時・戦後体験をしてもその後の考え方って大きく違ってくるんだなと思わされる一冊。 太平洋戦争を「売られた喧嘩をやむなく買った」とし、戦時中、死を覚悟するほどの命の危険に晒されながら、日の丸のついた友軍機によって九死に一生を得たときの「ふるいつきたいような感動」が「身にしみて感じ取った国家というものの実感」であるという石原氏は、「平和というものはただ願っただけで得られるものでは決してない。(略)それは侵略に備える軍備であり、ある場合には戦争ともなる。」と述べている。 私にはこの主張の確からしさはわからないけど、「自らの遺書のつもりで書」いた、というこの一冊はその他もろもろ(青少年育成条例のこととか)、石原さんという人を理解する一助となるのではないでしょうか。

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    投稿日: 2011.08.18
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    戦後のアメリカ依存のためにもたらされた平和の毒(金銭欲、物欲、性欲といった我欲の氾濫)により日本人は人間そのものが堕落して変質してしまった。日本が復活するためには、アメリカ依存からの脱却や、個人一人一人が節約、我慢、禁欲、自己努力といった古くからある日本人の美徳を思い起こすことが肝要。

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    投稿日: 2011.08.18
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    立ち位置が異なる人間からの異論はあろうが、著者の考えが明確に示されている。自分は石原氏の考えに賛成する。

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    投稿日: 2011.08.18
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    作者は米国依存の日本の外交を、現実を知らないセンチメントな態度であると言い、日本の核保有にまで言及する。一方、人と人との関係にはセンチメントな関係を求める。小説という虚構の世界から、政治という現実の世界に転身した作者が、どう自分の中で統一性を保ってきたかという告白であると感じた。

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    投稿日: 2011.08.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前に読んだ「真の指導者とは」よりももっと慎太郎節が強く濃く炸裂。 前半は日本の平和ボケをこき下ろし、後半はバーチャル世界など技術革新によって失ったものを、敢えて言うと「年寄り」の視点からモノ申している。それが悪いとか古臭いとかじゃなくって、著者なりの時代経験と職業経験があるからこそここまで痛快に一刀両断出来るのだなあと思った。 文章だけ読めば何だかミもフタもないようにとれなくもないが、国を想うがゆえの遺言ともとれる一冊。言い過ぎか。

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    投稿日: 2011.08.16
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    保守政治家の気概と憂いが満載。思想、主義主張の如何に関わらず、日本人はここに書かれた事柄の意味を深く考えるべきでしょう。 現在の退廃を憂い、復活に向けた奮起を促す(しかし希望の光はなかなか見いだせない)という論調は、ローマ時代の歴史家タキトゥスを彷彿とさせる。

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    投稿日: 2011.08.16
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    石原都知事が今の日本の現状に対して苦言を呈している。憲法、核武装、性風俗、増税などについて書いている。日本が末期状態であるという危機感や国の在り方については共感できる部分が多かった。

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    投稿日: 2011.08.16
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    著書が伝えたいことは? 未曾有の大災害でわたしたち、日本人は、計上の及ばぬ被害の復元復興について思い計る作業に並行して、私たちは、もう一つ別の復元復興を志すことが必要である。 それは、65年前の敗戦の後今日まで続いてきた平和がもたらした、日本という国、日本人という民族の本質的な悪しき変化、堕落の克服と復興です。 それは、アメリカという間接的な支配者の元に甘んじ培われた安易な他力本願が培養した平和の毒ともいえる、いたずらな繁栄に隠された日本民族の無力化による衰退、価値観の堕落です。 福沢諭吉のことばとして、 『立国は、公にあらず。私なり。独立の心なき者、国を思うこと、深切ならず』 国が衰え傾くということは、私の、私たちの人生が衰え傾くということです。それを願わぬなら、国と表裏一体の己のためにこそ、国について想い、考えなくてはならないのです。国を変えていくためには、今自分がどう変わらなくてはならぬのかを。この国をここまで堕落させ衰えさせた自分の我欲を、どう統御し抑制し、己の人生の中で真に何を望んでいくべきかをそれぞれが、考えるべきなのです。 国家が荒廃して沈むということは、自分の人生が荒廃して沈むということに他ならない。一蓮托生というのはまさにその事です。国家があって、私があってこそ国家がある。

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    投稿日: 2011.08.15
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    状況が実感を伴い理解できた。普段、漠然と感じていることが、整理され頭に入る感じである。著者はタカ派、右派と考えられているが、ごぐ当たり前のことを述べているに過ぎないと思う。

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    投稿日: 2011.08.12