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黄金旅風
黄金旅風
飯嶋和一/小学館
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総合評価

57件)
3.6
7
28
12
9
0
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    日本が鎖国していたことは、歴史の授業で習った気がするが、この物語はそこに至る前の物語なのかなと思って読んでいた。 登場人物は魅力的なのだが、あっさりいなくなってしまうのが、なんとも悲しい。

    0
    投稿日: 2025.11.12
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    やっと読み終わった。末次平蔵の存在を知れた事は良かったのですが、、、 他の人はどうか判りませんが、私には合わなかったです。ただでさえ同じ様な名前で登場人物が判りにくいのに、必要なの?というエピソードにより、更に登場人物を増やして来るのが、たいした事なかったり、中途半端な終わり方だったりと感じました。もっと主人公にのみ絞った話で良いのではと。 無駄にページ数を多くしてる様にしか思えませんでしたので、評価はイマイチです。 本当に読むのが辛かった。

    0
    投稿日: 2025.05.13
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    長崎を基点とした海外貿易がもたらす富と権力がどれほど人の心を狂わせたのか、知識や技術、物品と共に渡来したキリスト教が当初は有り難がられたもののやがて弾圧へと舵を切った背景など、江戸時代の長崎の様子をここまで深く描いた作品に初めて出会いました。 しかも幕府の権力者の立場ではなく、地元の人間からの視点であるところが良い。 かなりのボリュームですが、それだけの価値があると思います。

    0
    投稿日: 2025.03.14
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    江戸初期の長崎にて、鎖国に至るまでの経緯を代官の家に生まれた平左衛門の視点を中心に描かれた物語 以下、公式のあらすじ ---------------------- 江戸寛永年間、栄華を誇った海外貿易都市・長崎に二人の大馬鹿者が生まれた。「金屋町の放蕩息子」「平戸町の悪童」と並び称されたこの二人こそ、後に史上最大の朱印船貿易家と呼ばれた末次平左衛門と、その親友、内町火消組惣頭・平尾才介だった。代官であった平左衛門の父・末次平蔵の死をきっかけに、新たな内外の脅威が長崎を襲い始める。そのとき、卓越した政治感覚と強靱な正義感を持つかつての「大馬鹿者」二人が立ち上がった。 ---------------------- 普段は時代物を読み慣れないというのもあって、読み終わる時間がかかった…… 歴史の知識として、後に鎖国と呼ばれるような閉鎖的な貿易形態になった事は知っていても その経緯や過渡期については知識がないので、その辺は興味深く読めた 遠藤周作の「沈黙」を読んではいたので、キリシタンへの迫害や、それに対する動きも何となくは知っていたわけで まったく知らないわけでもないのもある でもまぁ、これらだけでは不十分でしょうねぇ キリスト教の特にカトリックの布教の弊害は描かれていても それに伴う人攫いの横行に言及している作品は少ないなぁと感じる それにしても、才介ぇ……

    3
    投稿日: 2024.05.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2006年(第2回)。8位。 時代小説。江戸初期の長崎とキリシタン。長崎の民のためを考えた平左衛門。友の才三。家光が鎖国するまで。 と興味深い内容なのだが。。。。個人的に読みにくかったの。

    0
    投稿日: 2022.11.20
  • 現代の政治にもつながる群像

    江戸時代初期 鎖国直前の長崎を描いた作品である。登場人物たちに馴染みがないのでフィクションと史実の区別がつきづらいが、ある程度史実を下敷きにしているように思われる。この作家の他の時代物作品にも現れるような、政治 社会への怒りが底流として流れている。とは言うものの他の作品と比べて華やかさにかけているかな。

    0
    投稿日: 2022.07.24
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    「飯嶋和一にハズレなし」ーこのキャッチだいすき。正にその通り。面白いのはわかっているが、寡作なので、あえて取っておいて何年かに一回一作毎読んでる。 骨太、ダイナミックな歴史小説であり、魅力的でカッコ良過ぎる男たちが登場し(あっさり退場しちゃうのは歴史に沿ってるから?)、長崎の街、風景も魅力的に描かれている(長崎旅行に行きたくなった)。「出星前夜」も好きだがこちらも良い。

    8
    投稿日: 2022.05.29
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    私自身がこれまで読んできた時代小説とは一味違う小説だった。戦国時代や江戸の人情もの、幕末、と言った小説とは違い、鎖国前の長崎の短い一時代を描いた小説。 どの程度、史実に基づいているのかは、知識がないので分からないのだが、この時代に、これだけ広い視野と高い視座を持ち、正義感に溢れた人がいたのか、と熱い気持ちになるストーリーだった。 ただ、読み終わってのこの読後感(満足感)と矛盾するようなのだが、読むのにけっこう時間がかかってしまった。自分の歴史の知識が無さすぎることも一因なのだが、 漢字(にカナのルビ)の地名を現在のどこのあたりなのか変換するのに、一瞬頭の中でタイムラグがあったり、各国の事情・パワーバランス・事件の順番や経緯を把握するのに少し手間取ったりし、 本来のこの物語のメインであろう、魅力的な登場人物の思考や言動に入り込んで、ぐんぐん引き込まれていくのに、時間がかかってしまったのだ。 正直、エンジンがかかってきたのは、第4章に入ってから、と言う感じだった(苦笑) 著者の描く日本人像、特に権力者は、ある意味、現代にも通じるもので、著者の本音(と言うか嫌なタイプ)の権力者像であり、平左衛門には理想を託しているのかもしれないが、 私自身も共感してしまうところがいくつもあり。今の国の中心、官僚や政治家も、こんな感じだよなあと思うと、ため息が出てしまう。人間の本質と言うものは、数百年経っても、そう簡単に変わらないものなのかもしれないな、と。 『日本人は自分の縄張りや仲間内では偉く尊大でありながら、オランダ商館へ単独で来た時には別人のごとく卑屈なものだった。個人がどこにもなく、いったいそれは誰の考えなのか誰の意志なのか、いちいち確かめるのに苦労させられた。しかも返ってくる答えは「みんながそう思っている」などという訳のわからないものばかりだった』 『大げさな大義などというものを平左衛門は持ち合わせてはいない。むしろ平左衛門は、馬鹿げた大義には憎しみすら抱いている。大愚を行う者は必ず大義を振りかざし、結果最も弱き者が悲惨を見ることとなる』 「どうか上様の御政道におかれましては、打ち出されましたる御法は、その時勢のいかんにかかわらず、是非に厳正なるお運びをたまわりたく願う次第でございます。わたくしども下々におきましては、その時々に応じまして恣意的に御法を運ばれますことが、何よりも動揺と不安を招くものとなるのでございます」

    0
    投稿日: 2021.12.23
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    キリシタン弾圧が始まり、鎖国が本格化し始めた頃の長崎を舞台にした歴史小説。内容は面白かったし、よく調べてあるのだろうとは思うのだけど、正直読みにくかった。話がうまく流れてくれない感じ。それが残念。

    0
    投稿日: 2020.02.19
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    本書以降、飯嶋和一はキリスト教を物語の主要な要素として扱っているが、初期作品のような輝きが鈍くなったように感じる。虐げられた人々が存在するのは「悪い社会」である。つまりキリスト教を光として描けば日本社会は闇とならざるを得ない。私がすっきりしないのは東京裁判史観の臭いを嗅ぎ取ってしまうためだ。善の設定が弱者に傾きすぎていて、権力=悪という単純な左翼的構図が透けて見える。 https://sessendo.blogspot.jp/2018/04/blog-post_18.html

    0
    投稿日: 2018.04.18
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    重かったー。気分的にじっくり読みたいときには満足感も得られそうだけど、ちとそういう気分でなかったためにともかく重い。というわけで上っ面をなめてしまった感ありながら、正義の味方というものもなく、厳しい現実を突きつけられながら読んでいくという、ある種のストイックさを求められるのであった。歴史は厳しい。

    0
    投稿日: 2017.07.15
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    読み応えがあり過ぎでした。久しぶりにこんなに読了時間がかかった(苦笑)飯嶋和一初体験だったけど、情報量が半端ないす。大きなテーマは鎖国開始に翻弄される、日本の窓口たる長崎人。改行も少なめ、会話分も殆どなく紡がれる物語は、下手するとお腹いっぱいになるだけっていうリスクもあるけど、本作の場合は、惹き付けて離さないだけの文章力とか、物語構成の妙があって、良い意味でのくどさが満点でした。主たる漢が早々に姿を消したり、意外にサラッと人が死んでしまったりもあるけど、各人が魅力的に描かれているせいで、いちいち心に刺さる。月並みな感想ながら、偉大な自国の先人を見習って、自分も精進努力しなければ、です。

    0
    投稿日: 2016.01.12
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    2005年本屋大賞8位 寛永5年。鎖国直前の長崎を背景に朱印船貿易の利権を争う数年間を描いた歴史ドラマ… と一口に言えないほどは、たくさんの話が混在している。 オランダ東インド会社高山国(台湾)長官と対峙する浜田彌兵衛の話 東洋人を馬鹿にするオランダ人をバッサバッサ斬っていく人望の厚い才助の話 亜者である名鋳物師の真三郎が亡くなった子供たちの像を作製するキリシタン弾圧の話 などなど徳川家光時代の長崎がてんこ盛り。 初代末次平蔵時代までは非常に熱くて面白かったのですが、本筋であろう末次平左衛門と不正をはたらく竹中重義采女との対決は、歴史に弱い自分には複雑すぎて疲労困憊orz 日本史ちゃんと勉強していたらこの本もっと面白く読めたろうになぁ、と。

    0
    投稿日: 2015.06.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    竹中重義の陰謀から長崎を守った末次平左衛門の話。ルーツの中に隠れキリシタンの家系もいるので興味深く読んだ。ページ数が多くて読むのに1か月以上かかった。

    0
    投稿日: 2015.06.20
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    読むのに時間がかかりました。 歴史小説。そう、小説なんですけど、盛り上がりがないんです。 徳川秀忠から家光へ、将軍が変わり時代も変わろうとしているとき。 海外との交易の玄関口だった長崎を舞台に、締め付けを強めてくる幕府、私腹を肥やそうとする大名たち、キリシタン、南蛮人などを相手に、外町代官末次平左伊右衛門が町民の平和と安全を守る物語なのです。 ドラマチックに書けば、どこまでもドラマチックになり得る題材を、淡々と書き進めるのはいいのですが、個別のエピソードが本筋にからんでこないのが、つらいです。 一つ一つのエピソードには、人としての思いがあふれ、なにがしかのものを次世代につなごうとしているのですが、エピソードが終わればその思いがリセットされてしまうように見えます。 面白いのに。 面白いのに、今一つノレない。 登場人物に感情移入しながら読むタイプの私としては、かなり苦戦しました。 なので作戦変更です。 これは小説ではありません。 例えていえば、新聞の短期連載特集記事。 そう思うことにしました。 一つ一つの出来事は直接のかかわりが薄くても、同じ時代同じ場所で起こった出来事なんです。 関係ないわけがないんです。 淡々と書かれた事実を読む。事実を読む。事実を読む。 そうすることで見えてくるその世界の在り様。問題点。 この人がやった事だから、ではなく、名前のない人々が、それぞれの考えで積み重ねてきた出来事が歴史を動かす〈こともある〉。 事実を元にした小説ではありますが、私の勉強不足によりどこが事実でどこからがフィクションなのかはわかりません。 それでもその時代から日本は海外渡航をすることなく幕末まで、長い鎖国期間を迎えます。 加藤清正の嫡子、黒田長政の嫡子が次々に領地を没収される中、幕府の思惑や海外の勢力からどうやって長崎の町の安寧を守ったのか。 淡々と書かれていてもなお、熱いものを感じるのは確かです。 なかなかに手こずる読書ではありましたが、読み応えのある一冊でした。

    0
    投稿日: 2015.02.14
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    本屋大賞、2006年度8位。歴史小説だけど、教科書を読んでるみたいで、あんま盛り上がってこない。史実を忠実に再現してるのか、エピソードがぶつぶつ切れてるのと、説明が多すぎてるのとで、読むのに苦労した。

    0
    投稿日: 2015.01.23
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    江戸時代の長崎での南蛮貿易の話。 幕府や大名たちの私欲に翻弄されながらも、長崎住人を守り通そうと奮闘する、今で言う県知事を描いている。 切支丹と縁が強い長崎ゆえの事件だったり、唯一の海外との窓口ゆえの政治的駆け引きだったり、全てのエピソードがおもしろい。 また、主人公の人となりが魅力的で、その後をもっと知りたくなる。

    0
    投稿日: 2015.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やっと読み終わった…読みにくかったのは電子書籍だったからなのかあんまり好みの文体じゃなかったからなのか。悪い人の書き方も良い人の書き方もなんかあんまり好みじゃなかった。褒めるために他人を下げるから鼻につくというか。ガンガン死ぬくせに実は生きていた的なこともなかったのでそういう展開に慣らされた身としては全体的に拍子抜け。

    0
    投稿日: 2014.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    [ 内容 ] 江戸寛永年間、栄華を誇った海外貿易都市・長崎に、二人の大馬鹿者が生まれた。 「金屋町の放蕩息子」「平戸町の悪童」と並び称されたこの二人こそ、のちに史上最大の朱印船貿易家と呼ばれた末次平左衛門(二代目末次平蔵)とその親友、内町火消組頭・平尾才介である。 卓越した外交政治感覚と骨太の正義感で内外の脅威から長崎を守護し、人々に希望を与え続けた傑物たちの生涯を、三年の歳月をかけて、壮大なスケールで描いた熱き奔流のような一千枚!「飯嶋和一にハズレなし」と賞される歴史小説の巨人が描いた、一級の娯楽巨編。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

    0
    投稿日: 2014.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    実権が徳川秀忠から徳川家光に移る過渡期における長崎を舞台にした小説で、鎖国への道を歩んでいく貿易政策の変化と切支丹への取締の様子を描いている。 史実に基づいているのか、末次平蔵の変死とか、内町火消組の組頭・平尾才助の最期とか、いささか勿体ないような退場の模様である。長崎の民町を守る、その一点だけでぶれることなく凛とした末次平左衛門が魅力的だった。 “夢を見ているのか現のことなのかどこか判然としないまま右肩越しに平左衛門が振り返った時、蝶は再び高く上昇し、焼け野原となった町を軽々と飛び越えて見えなくなった。夢のなかに一人だけ置きざりにされた思いばかりが平左衛門の内に残った。”

    1
    投稿日: 2014.05.03
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    “放蕩息子”と言われた、実は広い視野を備えていて、正論を胸に秘めた、強い心を持つ男が代官に就任し、恐るべき陰謀を動かす敵役達と対峙…非常に痛快な物語だ!!未読の皆さんに御迷惑を掛けてしまうので仔細は綴らないが、何となく目頭が熱くなる場面も在り、夢中になる…他方で「政治とは何か?」、「“権力”とはどういう性質のものか?」というような普遍的なテーマを持ち、加えて「江戸時代とは何だったのか?」というようなテーマに関しても、キリシタン弾圧の経過や貿易制度の変遷という、平左衛門達の時代に実際に起こっていたことを交えながら、一定の回答例を示唆している…非常に充実した作品だ!!

    3
    投稿日: 2014.04.30
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    主役がころころ変わるので、誰に感情移入したらいいのかよくわからない。一応、メインの主人公は2代目末次平蔵って人なのですが、そいつの活躍が一番少ないので余計に気持ちよさが減っちゃいました。 あと、歴史小説はもちろん史実に作者の推測や創造が加わって成り立ってるものというのは分かってるのですが、露骨に超能力みたいなのを使えるキャラクターが出てくるのはどうなのでしょう…。

    0
    投稿日: 2014.04.14
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    「長崎」の歴史小説です。江戸時代初期、鎖国直前の「長崎」が主人公です。 そして、渋い小説でした。渋い。渋すぎる。 飯嶋和一さん、という、1952年生まれの小説家さんです。 とにかく、凄い描写力。筆力。説得力が高い、でも地味な、歴史小説好きな大人向けの小説ですね。 将軍様で言うと、三代家光の治世の、初期。 キリシタン弾圧から鎖国へと向かう、負の変動期とも言うべき時代。 そこで、悪行を振るう長崎奉行に立ち向かう、長崎代官・末次平左衛門さんを中心とした、群像劇風のお話です。 2004年に出版された小説です。 新刊当時に、たまたま版元の小学館の文芸担当の方、「黄金旅風」ご担当の方と話す機会があったんです。 そのときに、その方が営業トークを超えて、絶賛されてたんですね。 「大人の男性にとって、たまらない本格小説である」という感じで。 それを聞いて、当時、新刊で買ったんです。ハードカバーで。 なんですけど、どうにものめり込めなくて。 何しろ冒頭から、状況描写が執拗に多くて、なかなか心情的に寄り添える人物が出てこないんですね。 それで、もう、ほんとに冒頭部分くらいで、挫折。 断言しますが、少なくとも掴みは、良くありません。 それから9年くらい経って。 去年から、またちびちび、他の本と並行して読み始めたんです。当然冒頭から。 そしたらだんだん面白くなってきたんですね。 なんだけど、これは僕の趣味かも知れませんが。 「で、いったい、何の話?誰の話?」という軸がやっぱりふらふらしてて、よく判らない。 それで、多分全体の1割も行かずに、再びストップしてしまって。 今年に入って、つい先週くらいからか、なんとなく再び読み始め。 そしたら、感覚的に言うと、全体の1/4くらいまで行くと、俄然面白くなりまして。 「あ、つまり、悪人の長崎奉行に、善玉の長崎代官が、街の為に立ち向かう話なんだな」と。 そこから先は、割と止まらずに面白くなって、読了。10年越しでした。 ######## 基本的には、面白かったんです。読後感としては。 なんですが、初めに苦情から書いておくと(笑)。 とにかく、掴みが悪すぎる。 序盤、心情で寄り添える人物が前面に出てこない。 また、デティール描写が執拗で質が高いんだけど、なにしろ馴染の薄い、17世紀初頭の対外貿易船舶などの話なので、よくわからない。 だから、序盤は、ただたんに「俺知ってるもんね。俺勉強したもんね」というレポートを読んでいる気分になってしまう。 何しろ、末次平左衛門が出てきてしばらくしないと、「あ、この人を軸に話が進むのね」ということすら分からない。 序盤、暗闇の海を航行する心細さ。 まあ・・・あとは・・・平左衛門さんという主人公の信念が、 「長崎の町の人々を、守りたい」という、なかなか利他的な正義感なんですが。 そこのところが、ちょっとある種、月光仮面すぎるかなあ?・・・と思ったりしましたが。 行動は地味でリアルなんですけどね。心情的に。 ・・・と、いう苦情がありつつ、でも、かなり、面白かったんですね。 ●一回出てくれば、末次平左衛門さんは、主人公という魅力十分に君臨してくれます。  また、火消の頭の才介さんとの友情物語も、感情移入できます。  (ただ、その才介さんが半分くらいで死んじゃう。あれはどうなんだろう) ●状況描写、背景描写が執拗で、熱がある。客観性が高い。  知らず知らず、17世紀序盤の長崎の街に、読んでる側も降り立った気分になれます。  貿易の利、切支丹の弾圧、まだまだ完璧に盤石ではない徳川の支配。  ポルトガルとイスパニアとオランダの利害関係。  鎖国へと大きくゆるやかに舵を切っていく時代の圧力。 ●描写力とかぶりますが、「長崎」という町の魅力ですね。  南蛮文化が入り混じり、町人と経済の合理性、切支丹の平等主義が根にある。  一方で船乗りの街、船の町。海に生きる男たちの魅力。 ●「町」ということと通じますが、群像劇性ですね。 ①平左衛門②火消の才介、その弟③元切支丹の鋳物職人④その職人を連れてくる、商人⑤平左衛門配下の名船乗り・・・ などなど、その章その章に応じて様々な人が出てくる。一人一人、執拗な筆力で人柄が、輪郭がはっきりしている。 その多様性が長崎の魅力であり、それが全て悪奉行に迫害されていく。全てが平左衛門の戦いに収斂されていきます。このあたり、見事です。 ●ご都合なところがほとんどなく、全くない。  (末次さんが、長崎の奉行を告発した、というのは史実なんですね)  政治状況、経済状況を踏まえたリアリズムが盤石です。  なので、安易なヒロイズムや情緒的な盛り上げ場がある訳でもないのに、ぐいぐいと引き込まれます。  そのあたり、大人な娯楽性。渋いです。  一方で、どうしても痛快突破感の高い突き抜けたカタルシス、というのは無いんですが。 と、いう感じで、非常に完成度のある、重厚な読み物。 当然寡作な作家さんなんですが、また他のも読んでみたいな、と思います。 (序盤だけもっと上手く読ませて欲しいけど・・・) しかしこの、本格的で執拗な筆力と、外連を拝した渋み。感傷性にも恋愛にも頼らない。 よほどひねくれた?ベストセラーが嫌いな?・・・確信がある作家さんなんでしょうねえ。 あと、最後に。 長崎が好きな人、長崎を良く知っている人、長崎の歴史に関心がある人・・・。 そういう人には、タマラナイ小説だと思います。

    2
    投稿日: 2014.04.13
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    マイナーな歴史の1ページを大作に仕上げたものです。普通主人公がこれだけカッコよければもう少しハッピーエンドになりそうなものですが、歴史小説なのでいかんともしがたいですね

    0
    投稿日: 2013.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    色々な読書録等で、非常に評判の高かった作品。 詳細な下調べや資料を用意・検証して、物語にリアリティを与え 骨太の人物描写や文章で歴史を描く本格派の作家…という評判でした。 確かに入念に調べている感じはしますが、それが物語にプラスに作用 したようには思えませんでした。 せっかく調べたモノを生かして、なんとか当時のリアリティを再現させようとして、却って読んでいて窮屈に思えます。 そして肝心の主人公を含めた登場人物が、勧善懲悪のテンプレを地で いっており、私には人物の深みを感じられませんでしたし、物語としても人物造形がありきたりのせいか、全く共感できずに終わってしまいました。 骨太と称される文章も、ただ不器用な感じで、本人もそれで良しと思っている風で改善させる気がなさそうなのが残念です。 良い点としては、江戸初期の長崎を舞台にした作品は島原の乱以外 あまり無いので、とても興味深く読ませてもらえます。 世間の評判がとても良いので、私の感性の方に問題があるかも?と、疑わざるをえないとても悩ましい一冊です(笑)

    0
    投稿日: 2013.11.05
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    飯嶋和一氏の作品で、江戸に入り秀忠が没し家光が将軍になろうかという時代の長崎の貿易商人末次家の跡取り平左衛門の大活躍を描いた大河ドラマに取り上げられても面白いのではと思わせるくらい非常にスケールが大きく面白い物語。親との確執から、まだ基督教が禁止される前に寄宿学校に入れられていた時代のエピソード、そこで仲良くなったはぐれものとの武勇伝などなど、長崎に派遣された悪代官竹中家の首領の欲にかられて政事の本質を忘れた姿に怒り、長崎の民を守る為にその代官様を追い落とす策を練り、ついには切腹にまで追い落とすまでの大筋を飾るサイドストーリーが面白い。ページ数が多いが面白いので一気に読み進む事ができた。時代小説がだめな人でも楽しめるかも。おすすめです。

    0
    投稿日: 2013.10.26
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    僕ipodのプレイリストの題名いつも最近読んでよかった本のタイトルに変えてるんですが、黄金旅風だけは格好良すぎて数年変えてません。

    0
    投稿日: 2013.09.13
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    徳川秀忠~家光の鎖国直前の時代。 長崎の貿易商人の男たちの物語。 男気あふれる登場人物たちがすばらしく、航海や彫り物や国のために命をかける様子に心打たれる。 人間模様が描かれる部分は引き込まれるが、対国外の貿易についての説明が長くて少々くじけそうになる。 素敵な人物があっけなく死んでしまうのがちょっと残念だった。

    0
    投稿日: 2013.05.14
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    ドキュメンタリー映画をみているような臨場感。骨太で精緻。作者の私情は一切入らない筆致。カタルシスは若干物足りなく感じるが、濃厚な歴史小説を読みたい時にはBestな小説。感情移入したキャラが早々に亡くなり、ちょっと悲しい。

    0
    投稿日: 2013.05.04
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    少し詰め込み過ぎかな、という印象。 江戸時代初期、第二代将軍秀忠から第三代家光へ権力が移行する時代の徳川直轄領 長崎を舞台とした物語。海外貿易で富を築いてきた代官 末次家のあとを継いだ平左衛門が、長崎奉行として横暴の限りをつくす竹中を失脚に追い込む 胸のすく勧善懲悪の物語が芯となるが、火消しの親方で平左衛門の幼馴染 才助や末次家の船大将 彌兵衛、蠟型鋳物師などの挿話が盛り込まれている。 あの時代の長崎の様子が興味深い。これ程海外と貿易をしていたなんて知らなかったし、利権を巡って様々な国が入り乱れて小競り合いをしていたなんて、驚きだった。先に読んだ「出星前夜」との対比も面白かった。 ただ、一つ一つの挿話をもう少し整理した方が読みやすいのではないかと思った。船大将の話や鋳物師の話は、それだけで独立した短編・中編として成立すると思う。鋳物師がその後どうなったのかも気になった(あのまま果てたのか、果てるとき彼は何を思ったのか…)。 踏み潰されても逞しく生きる市井の人々の姿や心の勁さに、感銘を受けた。

    0
    投稿日: 2013.02.25
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    江戸時代の長崎が舞台。 オランダやポルトガルとの交易状況や 江戸時代の権力構造がよく分かる。 船大将“弥兵衛” 火消組“才介” 長崎代官“平左衛門” 魅力的に描かれている。

    0
    投稿日: 2013.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    家光の頃の長崎の地侍の奮闘を描いた物語。父親が暗殺されて、跡を継いだ主人公が、キリシタンを違法に迫害し、違法に蓄財に励み、違法にルソン遠征を試みようとする主人公にとどまらず、いろいろな登場人物から様々な視点で描かれたスケールの大きな物語。主人公の平左衛門が常に正しく、間違っておらず、常勝というのが気になったが、それでも楽しく読了できた。

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    投稿日: 2012.12.07
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    NHKの大河ドラマになりそうな感じの大スケールなお話。 江戸時代の海外貿易都市・長崎が舞台の小説。 佐世保にいたこともあって、なんとなくイメージ的に掴みやすかったし、「あの地で昔はこんなことがあったのか~」となんとなく感慨ふけりながら読みました。 長崎が、オランダやポルトガルと親交があったのは知ってたけど、 こんなにも海外との貿易がさかんな街だとは思ってもみなかった。 そして、その背景には切支丹弾圧という悲しい過去もあって、他の日本と比べると、まるで異国のような感じさえしたわ。 今も昔も同じで、外交の駆け引きや賄賂などいつの時代も何百年経っても変わらないのね~。ってある意味笑える。 でも、末次平左衛門の正義感、格好いい!! かなり、惚れるキャラだね~。 で、平左衛門と仲よかった平尾才介。早くに死んじゃって残念。彼はかなりタイプだったのに惜しいわ~。 この本は、色恋沙汰など全く出てこないんだけど、とても読みやすい内容の濃い歴史小説でした。 年末に相応しい本を読んで、なんの邪気もなく年が越せそうです。

    0
    投稿日: 2012.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    才介とともに神学校のいんちき牧師に「オイタ」をする若き日の「やんちゃな」平左衛門。そのころと変わらぬ無骨な正義感で人種に関係なく長崎に住むひとの生活を第一と考ええ、グローバルな地政学的観点で行動する外交・政治感覚を持つ長崎奉行としての平左衛門(二代目平蔵)。この主人公を軸に様々な人物が登場し絡み合う。この登場人物の多さを壮大とみるか、苦痛とみるかは意見の分かれるところか。自分にとっては少し苦痛だった。外堀を埋めながら竹中重蔵を追い詰めてゆくものの成就までいかず歯がゆさが残った。

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    投稿日: 2012.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

     先に読んだ『天地明察』のライトな感じにいささか不完全燃焼な感じを覚え、私としては珍しく続けて歴史モノをチョイス。高校日本史Bの教科書に名前が載っていた末次平蔵の息子・平左衛門(二代目末次平蔵)が主人公。  もはや小説なのか歴史書なのか、どこまでがフィクションでどこからが史実なのかわからんほどに書き込まれていて、しかも次々新しい人名が登場するため、一見不親切で難解に見える。けれど、重要な部分は繰り返し筆を費やしているため、いつの間にか気にならなくなってくる。さすが信頼の飯嶋和一クオリティ。  ついつい歴史的考察の深さにばかり目が行ってしまうけど、作者が創作したエピソードもすごく面白い。了介のもとに持ち込まれた連続失踪事件とか、真三郎の作る童の銅像の話とか。  非常に魅力的な人物が二人も死んでしまうので、そのたびに口が開いてしまった。そのうち後者のエピソードが、さほど本筋と絡んでこないのが少し残念ではあったが、竹中重義の悪政を描出するために彼は犠牲に供されたということなのだろう。アーメン。。。  この作品と『出星前夜』が繋がってるらしいので、そっちもぜひ読みたいです。

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    投稿日: 2012.06.20
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    再読。やっぱりいいです。好きです、平左衛門。淡々と事実を重ねていく文体なのに、熱さがにじみ出てきます。平左衛門の周りに魅力的な人が多くて、それもまた楽しいところ。かなり視点が平左衛門有利に寄っていて、勧善懲悪な印象はあります。最後、平左衛門は誰と話したのでしょうね。

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    投稿日: 2012.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    序盤はこれからどんな冒険活劇が繰り広げられるのかとワクワクするが、主人公が調整役タイプで政治色が強い内容にちょっと拍子抜け。

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    投稿日: 2011.08.16
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     江戸初期の貿易都市長崎を描いた作品だ。とにかくすごいの一言だ。  その一 鎖国が行われるかもしれない政治的閉塞感がすごい  その二 宗教政策から人種政策まで長崎の特殊と雰囲気がすごい  その三 人間がでっかいのがすごい  なんだか三言になっているが江戸初期のポルトガル、イギリス、オランダ、中国との交易から宗教問題がよく分かる。さらに国際都市としての長崎の複雑さ、幕府とのやり取りの煩雑さや派閥争いから来る命のやりとりが手を握るほど熱い。  一体誰の目を通して長崎が描かれているか?それがこの小説の主人公、末次平左衛門と平尾才介だ。自由奔放にして素晴らしい平衡感覚(政治、人種間など) 同時期に傑出した人物が二人同時に出る行幸たるやその後の暗雲を悟らせる。  本当に飯嶋作品は傑作だ。

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    投稿日: 2010.09.12
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    時代考証の深さに圧倒され、緻密な考察に唸りをあげる。 係わる人のエピソードまで掘り下げすぎる感は否めず、読んでて気持ちが分散してしまったが、読み応えは十分で、最後に「ふーっ」と身体に溜まった何かが押し出され充足感でいっぱいになる

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    投稿日: 2010.09.10
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    『始祖鳥』にはかなわないけど、これも痛快な小説だった。 ただ、長崎という土地柄、悲しい事件からは免れ得ない。だから、ひとくちに「痛快」とは呼べない。 いい小説には間違いないけど、「飯嶋和一にはずれなし!」の景気のいい帯の雰囲気とはすこし違うんじゃないかと思う。 親友の夢を語り、ベテラン船頭を口説くシーンには涙が出た。

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    投稿日: 2010.08.16
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    面白かった!舞台は鎖国前の長崎。南蛮貿易、火消し、切支丹といったテーマがものすごい詳細かつ迫力満点に描かれている。登場人物もすごい魅力的。平左衛門と才介格好良すぎ。

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    投稿日: 2010.07.31
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    すごく緻密で濃くて歴史というより物語として楽しめました。 すべてがめでたしとはいかない点もあってそこは歴史なのかなと… ぎっしり文字が詰まっててさらっとはいきませんが早く先が気になって仕方なかったです。何より平左衛門と才介がかっこいい。

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    投稿日: 2010.07.10
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    江戸時代初期の長崎が舞台。豪商・末次家の平左衛門(のちの平蔵茂貞)と火消組惣頭・平尾才介を中心に、長崎の人々の生き様を描いた、とにかくすんごい小説。 時代を表す描写(風景、出来事、人々の思い・考え方)がとても細かくて、まるで作家がその時代に本当に生きてたみたい。 何より、平左衛門にしろ才介にしろ、その度量の広さや賢さ、命を懸けても己の信念を貫き通す強さにすっかりほれ込んでしまいました。 すいーっと読める本ではありませんが、でもとてもおもしろかったし、勉強になりました。 時代小説ですが、「もう終わったこと」といった枯れた感じはなく、生き生きとして壮絶です。 (あんまり知らない人の話だった、ということもあるとは思いますが。) いやー、すごい。 社会の教科書より、これ読めばいいのに。 2010/07/05 読了

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    投稿日: 2010.07.05
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    長崎の船乗りたちが常用してきた馬尼刺湾までの航路は、長崎からまず西南に針路を取って男女群島の主島女島の沖に達し、そこから南南西に向かいレイシ島(石垣島)を目指す。そして真南に航路を取り、ヨナコ島(与那国島)と八重山島の間を抜け、そのまま南下を続けて高山国(台湾)とタハコ島(台湾東海上のボテル・トバコ島)の間を通過する。そこから南南西に進み、筆架山(フィリピン西北のバブヤン島)の西を通過し、五十里ほど南下を続けてカシャダウル崎ことボヘアドール岬の沖に出る。そのまま帆ん走すれば東に表岬(ボナリオ岬)を見ることになる。そこからまた一里ほど進めば番島、すなわち馬尼刺湾口のコレヒドール島に達することとなる。(p.269)

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    投稿日: 2010.06.29
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    面白かったです。 長崎の出島が何故出来たのか、台湾との関係。 諸外国の付き合いなど、いろいろ面白かったです。

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    投稿日: 2010.04.29
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    寡作の人、飯嶋和一。こんなに数年に一冊しか出さなくて食べていけるのかしらとこちらが余計な心配をしてしまう。 この本、2004年に単行本で読んでたのだけど、息子がずっと前に買ってきた文庫本が本棚に積まれてあったので、もう一回読んでみる。 寛永年間、多くの国籍の人が雑居し隠れキリシタンが多数散在する貿易都市・長崎を舞台に、その長崎を内外の脅威から守った末次平左衛門とその親友・平尾才介の物語。 キリスト教禁止令強化と一体となった貿易政策転換の狭間の時代に、利権に群がる貿易商と幕閣たち、そこに住まいする庶民の困窮と平和への希求。鎖国政策が開始される直前の時代を、いつもながらに重厚且つ精緻な構成で描ききる。加えていつもの強くて優しくて高潔で泰然とした主人公。 私は長崎に生まれたものの、小さい頃に離れたのでここに描かれる町の名前も記憶に残っていないのだけど、本書に積み重ねられたディテールの数々には、今でも残る町並みのこの時代はかくやと想起させる匂いが濃厚にある。

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    投稿日: 2010.03.22
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    江戸時代初期の長崎、 未だ時代が定まらず、鎖国からキリスト教禁止、大名の取り潰しまでこれから江戸時代の基礎が固まろうとしている不安定な時代を舞台に、当時の雰囲気を思わず想像してしまう素敵な時代小説 長崎に行きたくなりました。

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    投稿日: 2009.10.28
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    朱印船貿易を営む家の放蕩息子平左衛門と火消しの頭領才助は幼友達。放蕩息子が父親の死後、家を継いでからの変身ぶりは鮮やか。立ちはだかる権力から、長崎の人々を守るために奔走する。

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    投稿日: 2009.06.30
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    長崎は内、外、両方から圧迫されていたのですね。その上に長崎奉行のやりたい放題で、町民は逼迫していきます。不穏な空気が高まる中、町民のために奔走するのが主人公です。いろいろな町民のエピソードを丁寧に紡ぎ、奥行きの深い作品です。静かな流れの中に、町民の感情が伝わってきます。今までキリシタン弾圧はピンと来ませんでしたが、これを読んで納得出来ました。

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    投稿日: 2009.06.04
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    とても面白い。 色々な立場で色々な人がそれぞれの役割を果たして歴史になってます。その時代時代を生きることができなくても、こんな感じにダイジェストで覗き見できるなんてすばらしいことです。

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    投稿日: 2009.05.31
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    表現力豊かな簡潔な短い文章で多くを理解させる技量に感嘆する。 史実をもとに描かれているがストーリーも緻密で面白い。 歴史小説の醍醐味を堪能できる。

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    投稿日: 2009.04.26
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    江戸時代初期、2代将軍秀忠から家光に政権が移る頃、戦国時代から江戸幕府による中央集権が進んだ時ともいえる。外国との窓口になっていた自由都市・長崎に貿易家であり、長崎の代官でもある末次平左衛門と民衆の絶大な信頼を集める町火消し平尾才介。二人とも武士階級の人間ではない。民衆に支えられて力を持っているところが、自由都市長崎ゆえか。江戸幕府は将軍権力の絶対化のためにキリスト教の禁止、貿易の制限方針を出す。この江戸時代初期のうねりの中に長崎が巻き込まれていく。自由都市・長崎を守るために戦った英雄二人の物語と書けば、聞こえがいいんだけど、この作者は英雄譚を普通には読ませてくれない。時代小説と歴史書の間という感じ。司馬遼太郎とは違う視点と持った本格歴史小説。読んで損はないけど、ワクワク感を持って読むと失望すると思う。

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    投稿日: 2009.01.20
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    飯嶋 和一にはずれなしと言われているそうだ。初めてこの人の作品を読んだ。600ページのあまりの各ページにびっしり字が詰まっている。 一気にとは行かないまでも、それなりのスピードでは読めた。 鎖国前夜の長崎が舞台で、主人公の平左衛門は男らしい魅力ある人物に描かれている。あまり馴染みのない時代背景ではあるが、興味深く読んだ。ストーリー展開もまずまずだ。この作家の別の作品も読みたくなった。

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    投稿日: 2009.01.12
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    凄い物語でした、とにかく凄い! いろいろな謎が絡まりあって、最後の最後で一気に解ける! とっても面白かったです、これはもっともっと評価されるべき物語だと思いました。 でも大好きな火消しが一人、途中でなくなってしまったことは本当にショックで…。 声が出なかった職人が声が出るようになった最後の話もかなりお気に入りですね。 もう謎の絡み方が半端ありません、大好きです。

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    投稿日: 2009.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

     裏表紙によると平左衛門と才介の話だそうですが。  話の主題が見えない。いろんな小ネタが出てきて、なんだか史実の羅列みたいな印象。  才介ももっと活躍して欲しかったのに、あっさりと死んじゃうし。

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    投稿日: 2008.12.30
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    江戸時代初期、長崎を舞台に海外貿易商人の子として生まれた末次平左衛門の活躍を描く。列国と外交し、幕府や長崎奉行と渡り合う歴史長編。絶賛の一冊だったが、何故かあまり惹かれなかったなあ。

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    投稿日: 2008.12.09
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    人の上に立つ人間が、持つべきものを教えてくれる本。 自分の置かれている立場として何をもっとも大事にするか、そういうことを大きい広い遠くまでの視野にて考えることを学べたよう思います。

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    投稿日: 2008.08.02