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総合評価

1717件)
4.0
545
545
381
77
8
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    嫌にリアルな作品だと思いつつ読んでいたが、太宰本人も近しい環境で生きていたことを後から知った。 かなり面食らってしまい、読了感の良い作品では無かったが、暴力的な程の表現力で、めまぐるしい生活の変化が生々しく描かれていてとても良かった。 長い間読書をしておらず、リハビリの第一歩として選んだ作品だったが、これが読めるなら大抵のものは読めるだろう、という自信に繋がる一冊となった。

    0
    投稿日: 2026.01.11
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    太宰治はひねくれ者なのかと思っていたが、それ以上に真っ直ぐすぎた、少しの矛盾を見過ごせなかったのではないかと思った。 「自分には、あざむき合っていながら、清く明るく朗らかに生きている、或いは生き得る自信を持っているみたいな人間が難解なのです。」 誰しも、人と接する時(建前)と1人でいるときの自分(本音)は違うだろう。そのズレに耐えられなかったのではないかと思った。だから、そのズレがない子どものシゲ子のことが好きだったのだと思う。 だから誰しもやっているであろう「道化」は人を騙しているような気になってしまったのだとも思う。そんな自分を許せなかったから「非合法」「罪人」でいることに安心したのだろう。 そして、皆がやっていることをできない自分を否定している。皆がおかしいのではなく、自分がおかしいと思っている自己肯定感の低さ。なぜそうなってしまったのか背景が気になる。 人間は日常的にみんな演じている。 この作品を踏まえて『走れメロス』を考えると面白い。『走れメロス』は太宰の信じたかった価値観。信じたいけど疑ってしまう自分と闘い続けて、祈るような気持ちで書いた小説だと思った。

    7
    投稿日: 2026.01.09
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    再読。 ブルジョワ的懊悩。 僕には彼の際限ない懊悩は理解できない。金もある美貌も持ち合わせている上流市民であることが、根源的な苦しみとなるなんてことは。 表面上、この懊悩を理解できると言って、でもまともな生活を送っている人はかなりナルシシズムに浸ってるのでは。 だけど、独白で積み上げられてきた自己欺瞞をあとがきのシークエンスで見事に転回させたことへの共感はあった。 自己が思う自己と、他人が見る自己の乖離は、生きる上での永続的なテーマだ。 本質の自己はどこにある?

    1
    投稿日: 2026.01.09
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    序盤の葉蔵の自己紹介には、自分にも多く該当する部分があった。 食欲や食への無関心、仮面の裏にある虚無感、そして仮面に貼り付けたお道化。 それらは決して誇張ではなく、どこか自分の内側をそのまま写し取ったように感じられた。 「ダニング=クルーガー効果」という言葉の使い方が正確かは分からないが、それに近い心理変化も垣間見える。 少年期には、自分は世を渡る術をすでに理解しており、他者を操作することすら可能だと過信している。 しかしやがて綻びが生じ、人を信用できなくなっていく。 抱えきれないほどの空虚、虚無、自身の存在意義への疑問。 父への恐怖、家族や世間一般からの疎外感。 特にこの途方もない空虚感は、必ずしも環境要因だけでは説明できないものだと感じた。 遺伝要因、つまり「生まれつき」であることを示すデータも存在している。 太宰や私、そしてこの感覚が分かる者たち——世間的にはマイノリティなのかもしれない——は、生まれてから死ぬまでこの空虚と共に歩むしかないのだろう。 それは「しょうがない」という、諦めに似た感情で自分を赦しながら、他者への羨望を抱え続ける人生なのかもしれない。 また、この種の気質を持つ者の特徴として、アルコールや大麻、LSDといった自己解放性のあるドラッグに触れて初めて、自身の空虚が薄れ、普通の人間のように感動を享受できたと感じることがある。 私自身も、大麻やアルコールに踏み込んで初めて、人間的な幸福感や解放感を味わった。 太宰もまた、作中でアブサンを欲する描写から、同様の特性を持っていたのではないかと感じる。 それらを踏まえたうえで、太宰が生涯の最後に唯一真理だと思えた言葉が 「いまは自分には、不幸も幸福もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます。」 なのだろう。 本作を読んで私が感じたのは、共感と諦観だった。 ただ一つ、羨ましさと希望を感じたのもこの一文である。 「不幸も幸福もありません。」 彼は死の間際、不幸ではなかったということになる。 私たちのような気質の人間の人生に、幸福がないことは半ば当然だとしても、彼は少なくとも不幸ではなかった。 劣等感、孤独、虚無、空虚——それらを内包しながらも、不幸ではない状態で死ねるのなら、我々のような存在も生きていてよいのかもしれない。 だが、この一文は本当に真実だったのだろうか。 不幸も幸福もない人生を、自ら終わらせたのだろうか。 かつて多くの人に仮面を被り続けてきた彼が、最後の最後に自分自身をも欺き、「不幸ではない人生だった」と思い込みたかった可能性はないだろうか。 四十年もの間、不幸だと感じ続けた人生を、そのまま不幸だと感じながら終えるのは、あまりにも物悲しい。 と、色々書いたが、私は太宰の作品をこれが初読であり、彼の生涯や生き方を深く知っているわけでもない。 本作に強烈な感銘を受けた、というほどでもない。 ただ、私のような気質の人間が、わびしく生きる際に抱える主な感情を、非常に丁寧に言語化した作品だとは思った。 感情描写があまりにも鮮明なため、考察の余地は少なく、どちらかといえばエッセイを読んでいるような印象を受けた。

    15
    投稿日: 2026.01.07
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    落ちるところまで落ちたなぁ。 人間失格と呼ぶに相応しい条件が揃ってしまった。 重いけど、つい読んでしまう。

    12
    投稿日: 2026.01.07
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    23にして恥ずかしながら初めての太宰治。彼のことを何も知らずに読み切ってしまったものだから、巻末に収録されている奥野健男氏による圧巻の解説に涙さえ流してしまいそうになった。太宰の決死の告白として必ずもう一度読み直したいと思う。

    2
    投稿日: 2026.01.04
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    初めて読んだ太宰作品。身も心もボロボロになりながら人間とはについて考え続ける執念深さを感じた。思っていたよりも重い内容ではなかったけど、自分だったら絶対に踏み入りたくない生活。 人を信じられないからこそ自分を偽り続ける人間の弱さを上手に描いている。1回では理解しきれていない部分もありそう、最初は文体に慣れなくて内容が入ってきませんでしたが、後半につれて気にならなくなりました。 あとがきのマダムの言葉があたたかかったです。

    11
    投稿日: 2026.01.04
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    いつか読もうと思っていて、きちんと読んだことはなかった気がする。35歳にして初めてちゃんと向き合った。 口調や書きぶりが魅力的でどんどん読んでしまった。 さすが太宰治。 冒頭のほうで、性的虐待への言及が1文だけあり、そこから先一切出てこないけれど、今の時代この部分はかなり根本的な要素なのではないかと思った。 そのわりに、人間失格について論じるときに出てこない気がする。 性的虐待による心的外傷がゆえに病んでしまった物語とも取れるのではないか。。太宰治自身はどうだったのだろう。 色々とyoutubeなどで評論を見ていたら、やはり海外からはそういう評価もあるらしいが、日本の文壇ではあまり論じられていないそうだ。 京大の浜崎先生が、皆若いころに太宰病にかかるのは、この本が現代人の孤独を描いていて、誰しもが共感する部分があるからだと言っていてなるほどなと思った。 他人の評論は置いておくとして、 女に溺れるタイプの行動原理にはあまり共感できなかったし、本当にそんなにモテたのか?と思ったりもしたが、やはり独特の文体で、語彙が豊富なのがやはり私は好みだった。 全く本心でないことも、相手の意図を汲んでやってしまうことは、私自身も少なからずある。そこに太宰ほど深く闇を感じれずに生きているけど、どちらかといえば私も悩む方だと思う。 太宰が書きたかったのはどういうことなのだろう。 最後、「神様みたいにいい子だった」と言われながら、自殺してしまう。結局闇を選択している。 結局、闇を見過ぎず、適度に悩みながら、これからもぼんやり生きていくんだろうな。 そういえば、世間とは個人なのではないか、というのも面白かった。世間が許さないのではなく、あなたが許さないのでしょう?というところは、これから意識してみたいところ。

    2
    投稿日: 2026.01.01
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    中学生の頃に読んだ時の衝撃は今でもハッキリ覚えているんです。なんていうか、心臓に電気ショックを与えられたような「痛み」でした。こうして何十年ぶりに読み返してみると、あの時の「痛み」は感じなくなりましたが、また違った感覚がしますね。やはり葉蔵は太宰治自身なのでしょうね。葉蔵の破滅の精神は大富豪の家の六男坊として育てられた太宰自身の余計者意識と重なります。偉大な父や礼儀正しい兄たち、所謂(いわゆる)「世間」とは生れながらにして一線を画す人生。太宰は葉蔵に自分自身を投影したんですね。

    2
    投稿日: 2026.01.01
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    面白かったと思うがあまり覚えてない。 斜陽の方が好きだったため、この評価に落ち着いた。 正直、太宰ブランドみたいなとこはあるかもしれない。 ただ、この暗い世界観と弱い主人公像が何故か惹かれる。

    2
    投稿日: 2025.12.26
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    解説まで読んで 太宰治を知ることができた気がする どうせ滅びるなら、こういう愚かしい男もいたのだということを書き遺しておきたい。 それを読んで、救われた気持ちになる読者もいるかもしれない と、遺書のように小説を書き始めたことは知らなかったし、 人間失格が3回にわけて連載されているその途中で太宰治が亡くなったこともここで初めて知った。 すごく暗ーーい話、と教えられた気がする作品だったけれど、 暗いというより、この人やばいなってちょっと笑えたし、それはつまり、太宰治が読者に感じてほしかったことなのでは?と思って面白く思えた。

    1
    投稿日: 2025.12.22
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    人間失格、太宰治をよく知らぬまま 友達に勧められ読み始めた。 上手い感想は書けないけど、偽善、卑しさが分かりやすく描かれていた。 太宰治を知りたくなった。

    2
    投稿日: 2025.12.22
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    上ではなく下を見るための小説。 面白いとは思わないけどこの作品を好きといえる大人になってしまったよ。

    1
    投稿日: 2025.12.21
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    中学生以来、十数年ぶりの再読。当時はすこしも良さがわからなかったけど、今読んでみるとスゲ〜面白い。これを「おとなになった」と言っていいのかはわからないけれど、でも、「失格」になることへの理解が、子どものころはできなかった気がする。たぶん潔癖だったんだなあ。言い方が悪いけど、このひねくれた文章さえも今はすきだと思えてくる不思議。

    2
    投稿日: 2025.12.19
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    おどけることで周りの人から可愛がられていた少年がどんどん堕落していく男の話しだった。自殺未遂したり、アル中になったり、薬物やったりとめちゃくちゃになっていく。何でこうなるかよくわからない。小難しいこと考えないで楽しく生きればいいのに。

    2
    投稿日: 2025.12.15
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    出口のない苦しみが循環しているような作品だった。根底にあるのは人間に対する原初的恐怖。救いを求めながらもそれらを破壊し自己欺瞞に走る葉蔵の姿が飾らない言葉で書かれていて余計に痛々しい。何を伝えたいのかは理屈では掴めなかったけれど、なんとなく心を鷲掴みにされる。罪深い作家。

    2
    投稿日: 2025.12.09
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    あまり本を読んでいるところを見たことのない母の鞄の中にあったので、自分も読んでみようと思った。 太宰治の自叙伝的な作品らしく、みんなを楽しませるためのものではなく、自分のために書いたもので、自分の内的事実を吐き出そうとしていると。 人の闇の部分や現実から逃げたくなってしまいそうな弱い部分は誰にもあると思うが、ここまで多いと、普通の人間と思われなくなってしまう。 読み始めた頃は、難しい表現や否定的な感情が多いし、文章が長くて、休憩する所がわからなくて馴染めなかったが、最後まで頑張って読み終えた。やっと解放されたような感覚。 妻や子供たちにも読んでもらい感想を聞きたい。 そして、忘れた頃に、もう一度読んでみようかと思ってきた。

    20
    投稿日: 2025.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間が当たり前に持っている感情や動機がなく、「世間」に溶け込もうと、自分にはないものを見つめようとするあまり、人間へ過度な恐怖心を抱いているように思う。自分と同じだと思った。解説にある通り、そう思わせるのが太宰の手腕なのかもしれない。

    2
    投稿日: 2025.12.07
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    中学生の時に初めて読んで、漢字が難しく調べながら読み進めるうちに賢くなったと思います。太宰の一生、色気のある人だったんだろうな。

    1
    投稿日: 2025.12.06
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    自分のようだと思った。 世間の人と感覚のズレがあって、色々迷惑をかけたりして最終的に廃人になる。 こういう人は一定数やはりいるんだと知れてよかった。

    1
    投稿日: 2025.12.04
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     人間の本性のうち負の一面が強く表現されており、純粋さ故に共感する所のある「奇妙な危うさ」に引き付けられました。  人間は良心を知らずに育つと失格した性格になってしまうのかもしれません。「人は鳥カゴ環境で育つとで破滅の道を歩むことになる」を強く意識させる作品でした。

    1
    投稿日: 2025.12.02
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    初めての太宰作品。 幼少期から自分を偽り、隔離して生きてきた主人公。人の顔色ばかりを伺いながら生きており、そんな性格ゆえに歪んだ人格が形成されてゆく。 他人を過剰に意識しながら生きる主人公と、純粋無垢なヨシ子の対比は極端であると感じた。 家族に見捨てられ、女、酒に溺れて廃人と化した主人公はまさに「人間失格」

    3
    投稿日: 2025.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やっと読み終わったというのが一番の感想。 昔の小説なのでわかってはいたが、句読点やら一文が長すぎるやらでとても読みにくい。 私自身の経験なのだが、小学生のころ「 世の中や世界のことがわからなくて自分がゲームの主人公のように1人だけ生きているんだ。」と錯覚していた。生きていくうちにそうではないことを学んでいき、みんな生きているんだなと思った。 こういったイメージのズレが他人に対して恐怖を抱くようになってしまったのだろう。その結果、世間とはかけはなれてしまい自ら人間失格の烙印を押すことになってしまった。逆説的にいうなら、生きていく上で本当の人間というもの(愛情、友情、嫉妬、結婚、自○未遂、離縁など)を知ったからこそ「人間失格」と言えたのではないのだろうか。

    2
    投稿日: 2025.11.27
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    人と違うことを考える主人公に対して、共感する部分が多々あった。 自分の中の幸せを1つ持てるようにしたい。

    1
    投稿日: 2025.11.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恥の多い生涯を送ってきました。 男は自分を偽り、人を欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。

    1
    投稿日: 2025.11.25
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    初めての太宰さん、初めての『人間失格』。 こんなに読みやすかったんだ! これについて多く語る必要があるのか?!ってのはあるけど、語れるだけ語らせていただきたい。(自分のために) 主人公には自分というものがなく、空腹もあまり感じず、食べ物を美味しいとも思えず、人間が怖いが故に、人にどう見られるかを気にするが故に、幼い時からずっと道化を演じて、何とか世渡りしてきたというところで、「これ、村田沙耶香さんの作品の主人公たちに通じるものがある!」とびっくりしました。 少しずつ違ってくるのは、『人間失格』の方の主人公は、画家になってやるって願望を抱いてみたり、人を愛したいと切望したり、人に図々しくなっていき迷惑をかけたりし始めてしまうところ。そして村田沙耶香さんの主人公たちは周りにいっさい迷惑をかけず、初めから終わりまで「無」を通そうとしているところで、違うんです。でも自分の殻に閉じこもって、外では人間を演じているというところがそっくりだし、自分の空の姿がバレてしまうのが怖いというところとかが本当によく似ているし、村田沙耶香の作品には『人間失格』の影響が何かしらあるのかなと思った。(勝手な素人の解釈) これが太宰治か…と胸が締め付けられるのは、色んなところに沢山ある、美しい文章。とにかく風情が深くて心に響く。「趣深い」とはこのことなんですよ! ちょっと付箋も貼らずにどんどん読んでしまったので、もっと他にも素晴らしい文があったと思うけど、とりあえず以下の文を書き留めておきたい。 ー「水底の岩に落ち附く枯葉」のように、わが身は、恐怖からも不安からも、離れる事が出来るのでした。ー この隠喩よ!!!「水底の岩に落ち附く枯葉」って!!!綺麗だし、寂しいし、胸がギュとなります。 ー背後の高い窓から夕焼けの空が見え、鴎が、「女」という時見たいな形で飛んでいました。ー 「女」から逃れたいのに、鴎が女になってるって。この描写よ。表されていることをどんどん深読みしたくなる。 155ページで、こんなにも、人の価値観とかを揺るがすような、人生に影響を与えるような作品を書けるなんて。新潮文庫で令和7年5月の時点で217刷になる意味が分かる。 そして解説も含め、読み応えがこんなにもあるのに400円の文庫。 やっぱり本ってなんて素晴らしいんだろうって、本が、小説が、さらにもっと大好きになりますね。この文庫はずっと手放しません!!!また読む!! 最後に、美術への関心もある私にとってはサプライズな一面を書いて終わにします。 この本の初めの方に、19世紀末の巨匠画家たち(ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、ルノアール)とかの名前と、彼らの動向の素晴らしい描写が出てきて、「え?!太宰治って美術史家なの?!なんでそんな上手く表現できるの?」とびっくり。『人間失格』にこんな美術に関する表現が出てくるとは思わず、早速美術も好きな私は引き込まれました。 ーああ、この一群の画家たちは、人間という化け物に傷めつけられ、おびやかされた揚句の果、ついに幻想を信じ、白昼の自然の中に、ありありと妖怪を見たのだ、しかも彼等は、それを道化などでごまかさず、見えたままの表現に努力したのだ、ー ー自分のそれまでの絵画に対する心構えが、まるで間違っていた事に気が附きました。美しいと感じたものを、そのまま美しく表現しようと努力する甘さ、おろかしさ。マイスターたちは、何でも無いものを、主観に依って美しく創造し、或いは醜いものに嘔吐をもよおしながらも、それに対する興味を隠さず、表現のよろこびにひたっている、つまり、人の思惑に少しもたよっていないらしいという、ー この表現ができるだけで、まずもう優勝なんですよ。太宰治さん、他の作品ももちろん読みます!!!大好きです!! まずはこの勢いに乗ってドスト氏(作中でそう呼ばれている)の『地下室の手記』を読みます!

    4
    投稿日: 2025.11.21
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    最後まで読めなかった、昔の作品だから仕方ないのかもしれないけど、文章から全く情景が浮かんでこない。 日本を代表する文豪にこんなこと言うのお門違いだろうけど、この表現簡潔にすればもっと伝わるのになって思ったところがたくさんあった。 話自体に興味はあったから、現代風に書き換えられてたら読めたと思う。

    2
    投稿日: 2025.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間、特に日本人が薄ら感じ、考えていることをここまで突き詰めているのは凄まじいと思った。道化を演じる、他人の素性への無関心、父親への懐かしみと恐怖など激しく共感できる部分があったが、大ベストセラー小説というのもあって、読んでいる時の自分の感情を少し冷めた目線で見てしまうところもあった。正直、科学がより身近になった現代で、この小説が悩みのための「お薬」になることはなかった。シンプルに体を鍛えようと思ってしまう。太宰治がこの小説を書く時どのような感情が強かったのだろう。虚栄心、羞恥心は容易に想像できるが、芸術や小説そのものを壊してやろうという気概はあったのだろうか。彼の人生観と密接にリンクしている作品であるため、多層的な魅力があるのだろうと感じた。

    1
    投稿日: 2025.11.18
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    二回目。一回目は確か中一?の頃に読んで、その時の衝撃が大きかったからもう一回読んでみたけど六年たっても変わらない衝撃 毎回読み終わったあとの後味が悪すぎる。(いい意味で) ただ一回目で理解できなかった描写を理解できて、シンプルに自分の語彙力の成長を感じた

    1
    投稿日: 2025.11.17
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    人と付き合う上で誰しもが少なからず道化を演じることがあると思うが突き詰めるとこうなるのかと感じることが出来た。 整った顔のおかげもあり次から次へと女と交わるが、忽然と姿を消したり共に心中を試みてはを繰り返す様は中々に酷いと感じた。 女性は魅力的な人物が多く登場したが、自分は純粋無垢なヨシ子の人物像が好きだった。 後半にかけては金が尽きては家内のものを質屋に入れ手に入れた金で酒を飲み、挙句の果てには薬にまで手を出した様子はまさに"人間失格"の様に感じた。 繊細に記された自身の堕落していく様子は先日読んだろまん燈籠と同じ作者のものとは思えずまた違う太宰の人間性を知ることが出来た。

    1
    投稿日: 2025.11.15
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    これまで何度かトライしたものの、途中で挫折して読了に至らなかった。今回、すっと読めたのは、歳を重ねて失格組の仲間入りができたからだろうか。

    2
    投稿日: 2025.11.13
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    意外と読みやすく、ユーモアがある文章に驚いた。 構成が面白い。 はしがきで登場する男に対し、語り手は嫌悪を剝き出しにしている。 その理由が、手記として描かれた男の人生を読み進めるうちに腑に落ちていく。 太宰治はどれほど自分を信じ、好きだったんだろう。 自己嫌悪は自己愛の裏返しだ。 太宰が友人だったら、何やってんの、ってこづきたい。 だけど、もう知らん、と言いながら、なんだかんだまた一緒に居酒屋でくだをまいたりしそうな気がする。 太宰はダメで、しょうもない。 しょうもなくて、情けなくて、まるで自分みたい。 どこか憎めなくて、みんな太宰を好きになるんだろう。

    1
    投稿日: 2025.11.12
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     読むのは3、4回目。  やっぱり面白い。内縁の妻が犯されて、主人公が感じたものが恐怖だったというのは太宰治のことをよく表していると思った

    2
    投稿日: 2025.11.08
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    太宰治が自身について書き綴った、とあとがきにあったんだけど、だとしたら1番最後の「神様みたいな人でした」はどう捉えたらいいんだろう

    2
    投稿日: 2025.11.07
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    初めて触れる太宰治作品 昔特有の読みにくさはあるものの、 序盤は、少し分かる部分も有り、 太宰に勝手にリンクしたような気になり、 書いてる姿すら想像して、 妙な楽しみ方が出来た。 中盤あたりから、 これ、主人公のクズが太宰の表現と 時折見せる鬼気迫る文章力で 名作にされてるだけでは?と 袋小路に入ってしまい、楽しめなくなった。 最後に主人公の年齢を見て、 「ええッ?」 解説を読んで、 太宰が主人公のモデルと知って 「マジか。。」 更に遺作と知って、 「・・・」

    23
    投稿日: 2025.11.07
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    生い立ちのせいで人の顔色を窺いすぎて、そのくせ人の言葉を真に受けすぎて、自意識過剰で自分を繕いすぎて、本来の自分など分からなくなってる。頭が良すぎるのかもしれない。暗くてそんなに好みではないはずが何度か読み返しているのは、共感してしまうところもあるし内心ではこの作品に魅力を感じているのだろう。

    34
    投稿日: 2025.11.04
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    中学生以来の再読。人の反応を気にしてノビノビできないというのは、少し分かる気がする。でも、妻が酷い目にあったというのに、自分の方が傷ついたようになってからは、理解不能になった。人生を人のせいにせず、自分の機嫌は自分で取らないと、こうなっちゃうよね、って話?(流石に違うと思うので、皆さんのレビューを読んで、読み深めてみます)

    2
    投稿日: 2025.11.02
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    自殺した後に続きが発表されるその渦中を生きた人になってみたかった。 死ぬかもしれなと予想して、死なないかもしれないと予想して、死んでしまったとき。 続きを読んだ時の興奮。 そういうものを味わってみたかった。 年々、葉蔵要素が強くなっていっている自分と向き合わなくてはならず辛かった。なんてあほなんだと思える人になりたいのに。

    5
    投稿日: 2025.10.31
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    中学生の頃読んで、これこれ俺じゃんとなりひどく影響されたが、25歳の今読むと、こいつ生きるの下手だなーと少し苛つきに似た感情が湧いた。

    1
    投稿日: 2025.10.25
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    彼にとって人間として生きるにはこの世は窮屈すぎたのかもしれない。目を瞑り心に蓋をして惰性で生きている人間にとって、内情の全てを露わにして書かれたこの作品は刺さるはず。 読み進んでいくにつれ主人公に重ねてしまい、胸の奥が苦しくなった。それと同時にその苦しみの言語化による快感もあり特別な読後感。私は好きな内容。

    2
    投稿日: 2025.10.20
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    正直に言って、自分を葉蔵に重ねてしまう。 見栄っ張りな性格であるため、自身の理想(完璧主義)と現実の自分とのギャップに打ちのめされ、勝手に落ち込むことがある。 これは、自戒しないといけない。

    3
    投稿日: 2025.10.17
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    自意識過剰で臆病、死にたがりな主人公なのに、ユニークな会話や思考がおもしろくて読みやすい。 彼の人生観、死生観が垣間見えて、彼とは違う生き方をしているはずなのに、時々共感したり気づかされたりする。

    43
    投稿日: 2025.10.15
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    読むのに時間がかかった。 昔の言葉遣いに慣れていないということもあるが、ものの言い回しがめちゃめちゃ遠回しで言ってくることにあると思う。長い時は半ページも言い回しに使っていたこともあった。後半は、それにも慣れてきてスイスイ読めたと思う。 内容については、はしがきとあとがきの使い方が上手だと感じた。物語の本編などにあまり関係しないものの上手く全てを包んでいる感じがした。本編は、葉蔵の最初は人間を真似ていたが、最後には人間でなくなってしまった。からのタイトル回収が気持ちよかった。ほとんどの葉蔵の気持は共感できなかったが、何事も個人なのだという部分には共感できた。 内容は難しくて、頭に入ってきづらかったが読んでおいて損はない本だと思う。 私は、分からない単語を途中から数えたのですが、36単語ほどもありました。昔の本ってムズカシッ!

    8
    投稿日: 2025.10.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    太宰治が自殺する前に書いた最後の小説。 死ぬことを決めて書いてたのか、書いてから決めたのか… お金もないのによく女の人が寄ってくるなあってちょっと不思議。 昔の人はあまりお金を気にしてなかったのかもしれない。 当時読んでた人は小説が終わる前に自殺のニュースを見たからどういう気持ちでこの小説を読んだろう。

    4
    投稿日: 2025.10.13
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    3回目の読了。やはり素晴らしい。最初に読んだのは大学1年の時だったが、あの時の頭を殴られたような衝撃は忘れられない。2回目に読んだのは去年、斜陽館に行く機会があり、復習、予習として読んだ。3回目の今回、名作はやはり何回読んでも素晴らしい。この読後感は他の作品では味わえない。 他者が怖く、拒否ができない葉蔵の人生。他者を極度に恐れ、それでいて他者と関わることを諦めきれず、道化に徹することでしか人と付き合えない不器用な人物。文章が何より切実で太宰はどうしてどれだけ自分に語りかけてきてくれているのか不思議に思う。 100ページからの世間というものに対する箴言は現代に通ずるものがある。「世間が許さない」という言葉の意味は「自分が許せない」という意味なのだ。そのことは最近SNSで肥大化した主語の投稿、文章を見ていて実感するものがある。 何回でも読みたい名作。太宰大好き。

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    投稿日: 2025.10.11
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    走れメロスを除いて、太宰治の作品は初めて読んだ。太宰治の自叙伝であり、おそらく自戒を込めた反省文でもあり、日記でもある。主人公は、いわゆる「世間」とは真には溶け込めず、ペルソナを被った道化を演じることでなんとか暮らしている。本音を殺し、世間が求める答えを感じ取る生活を続けることで自身を見失ってしまうことは誰にでも往々にしてあることだと思う。なんとなく主人公に共感するところもあった。自分を客観視して、誰でもない標準化された他人、つまり世間と比較して、違うところだけ目について嫌気がさすことは誰だって経験があると思う。誰であっても彼と同じ人生を歩む可能性は孕んでいると思う。

    6
    投稿日: 2025.10.06
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    人を信じれないからこそ自分を偽る主人公 人間の弱さだったり繊細さだったり上手くいかない人生だったり…人間失格といいながら、とても人間らしいなと思う。

    1
    投稿日: 2025.10.04
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    結構現代と同じような言い回しとか、 略語とかあって驚きだった いまのSNS社会でも通ずる言葉が節々にあった 太宰治の自叙伝的な感じなのかな 淡々としていて物語としては、抑揚がなかった印象だけど、読みやすかった

    1
    投稿日: 2025.10.03
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    自分は普通じゃないって言っているけど、とても人間っぽいなぁ。って思った。普通だよなぁ。 とても暗ーいかんじになるのに、嫌な気分にならなくて、でも沈む感覚がずっと心に沈澱していく感覚が、私にとって新しい感覚で、興味深い経験になった。不思議。私小説?というジャンルにも興味をもった!

    2
    投稿日: 2025.09.30
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    「恥の多い人生を送ってきました」という書き出しで有名な太宰治の半自叙伝的小説。彼は脆弱型ナルシシズム(vulnerable narcissism)に近い性質で自分を語ることに酔う傾向があり、本作も特権的孤独を演出している自己神話型の文学。とは、ChatGPTの辛辣すぎる感想ではあるけど… 仮にそのような感想を抱いた人であっても、本作と太宰治を紐解く奥野健男さんの「解説」を読んでみれば、異なる感想を持つ作品だと思う。 太宰治の文学を理解するうえで重要なものとは何か、新進作家として評価された当時の太宰治から彼が『人間失格』を書くに至るまで小説を読むだけでは浮かび上がらなかった姿、「弱さを一生持ち続ける強さ」のあった太宰治とは。 自分はことし、二十七になります。白髪がめっきりふえたので、たいていの人から、四十以上に見られます。 という作中最後の語りが、この読み応えありすぎる解説で、より深く心に刻まれました。奥野健男さんの作家論、素晴らしすぎる。

    3
    投稿日: 2025.09.29
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    人は十人十色じゃないけど、いろんな人がいる(性格だけでなく、容姿や雰囲気など)その中で関わる人によって人間形成に助長が加わるものだと感じた。また、周りの人の影響だけでなく自分自身の意思や思いになんかしらの筋がないと人はダメになりそうだと感じられる、今の自分を見つめ直す本になった。 自分は葉ちゃんに近しい存在になりかけていると気づけたかな

    2
    投稿日: 2025.09.29
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    この作品の凄みはどこからくるのか?人生の節々の何気ないやり取り、他愛のないイベント事を切り取り、人間を突き付けてくるところだと思う。自らを道化と語る葉蔵は、どこまでも正直で、誤魔化しがない。卑しさ、欺き、侮蔑、傲慢を自分の中に認め、開き直ったり苦悶したりするから、他者に対して外面も内面も誠実でないのに、人間として誠実であると感じてしまう。 世間は己だ。世間が許さないのではなく、己が許さないの言葉がグサリと胸に突き刺さる。世間の反応を恐れて当たり障りないことしか言えなくなったと言っても共感を得られそうな現代だが、世間とはまさに自分が作った虚像であることに気付かされる。思った以上に私達は、虚像の世間に縛られ、縛られていないものを許せない。 生き易しを選び、道化を演じても自分は誤魔化せないものだか、演じているうちに、考えないようにしているうちに、自分というものが鈍磨になり、蝕まれていく。

    1
    投稿日: 2025.09.28
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    大庭葉蔵が、父の機嫌を取るために東京土産に獅子舞が欲しいように振舞ったのは、私が祖父母から真珠のネックレスを買ってもらった時の感情を思い出した。 ちょっと考えすぎじゃないかとおもっていたけれど、途中葉蔵が小さなことを気にしすぎていたことに気づいていた。私も時折色んなことが不安になって、考えすぎてしまう時があるけど彼の場合はそれが通常だったんだと思う。

    6
    投稿日: 2025.09.28
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    有名作品なので読んでおくべきだと思い手に取った。小説としては面白くないが、感じるものはあった。太宰治が書いたからこそ評価された作品だと思う。

    1
    投稿日: 2025.09.26
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    タイトル回収が激アツ展開すぎた。 既に読んだ周囲の人が「病むで」って教えてくれて、長らく敬遠してたけど、はよ読めば良かった! 人間の本質というか、裏側、根底にある心情を言語化していて、なんか悔しいしグサグサ刺さるけど"共感"という言葉が結構似合う。

    2
    投稿日: 2025.09.26
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    3年ぶりとかに再読 申し訳ないけどやっぱり何言ってるか分からなかった。 由紀夫の仮面の告白と同じ類いの本だと思うんだけど、あっちはめっちゃ良かったんだよな。 根本的に人を馬鹿にしているエゴイストナルシスト紐男だとしか思えない 根暗すぎてまるで生気を感じない、なんか反骨心もない。 まあなんか世間=個人、罪の反義語は良かった。 そして女への偏見というか認識がヤバすぎて笑えた まあまたいつか読むか

    6
    投稿日: 2025.09.18
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    生きるの苦手な人の手記。少なからす、いや大いに共感する場面がある自分が怖い。人に恐怖する、故におどけるという所は、自分の小さい頃を言い当てられた気になった。 酒と女に溺れ、取り返しが付かなくなっていく男の生涯、それが必然というような描写、そうなるしかなかったような気がしてならない。

    2
    投稿日: 2025.09.17
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    言わずと知れた太宰治の怪作である。 もちろん小説としての創作であるにせよ、太宰自身の生涯とあまりに重なる部分が多く、半ば自叙伝とも言える作品だろう。 読む者によって心に残る箇所は異なるだろうが、この小説を手に取って何も感じない人間は、おそらくいないのではないか。 私にとって特に印象深いのは、葉蔵の「世間とは個人ではないか」という持論である。 これは現代のSNS社会にそのまま当てはまる言葉のようにも感じられる。 今や一人の「私はこう思う」が、あっという間に「世間はこうだ」へと変換されてしまう。 いわゆる「主語のでかさ」が氾濫する世界に生きていると、葉蔵の視点は予言のようであり、同時に皮肉でもある。 世間とは確かに個人の集合体だが、個人の言葉がそのまま世間を代表してしまう危うさを、私たちは日々目の当たりにしているのだ。 この作品は人の心を容赦なく抉る。 だからこそ読む価値があるのだが、精神が不安定な時に触れるのはあまり勧められない。 心が落ち着いている時にこそ向き合うべき一冊だと思う。

    2
    投稿日: 2025.09.17
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    今のようなダメな大人になってしまったのは「こんな少年期を送っていたから」と、大人になってから理由をあとづけして、秀才だった過去の自分に酔いたがっている。

    2
    投稿日: 2025.09.16
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    城山三郎と平岩外四との対談集『人生に二度読む本』に取り上げられている各作品を再読あるいは初読みしようと、まず本書を再読。 太宰には、『走れメロス』に代表されるポジティブな作品と、本書のような本人を吐露したネガティブな作品と2傾向があると言っていい。 特に本書は、太宰が最初から持っていた負の部分が集大成された作品だろう。 当時の文学青年にとっては、太宰治は特別な存在だったが、現代でも読み継がれている理由は、このあたりにあるのだろうか。

    13
    投稿日: 2025.09.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    内容が、、結構重いというか、具体的な、女性との関係や、会話などが出てきて、生々しいものを感じた。葉蔵は、私では、考えつかないほどの濃く、、穢れた?人生を送ったんだなと思いました。薬や、女性関係、心中、酒など正直なところ社会不適合というものを感じた気がします。道化師なところなど、私なら絶対、自ら命を絶ったり、外に出れなくなってしまいそうです。

    1
    投稿日: 2025.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    地元の読書会の課題本だったため購入。 なんというか、本来素人判断で病名をつけることはやってはいけないことだと思うけど、あえて「そういう気質がある」という意味で……主人公、パーソナリティ障害"っぽさ"がものすごい。あと愛着障害も。 堕落してる自分にちょっと酔ってます、という時に読んだら、そんな自分すら文学に昇華されうるよねという感じでバイブルになっちゃうかも。 一方切実に辛い時に読んだら、いや主人公こんな堕落してるけど実家太いしモテるしなんだかんだ恵まれてるジャーン!と、本投げつけるかもしれません。 ぐだぐだな感想でした。

    2
    投稿日: 2025.09.13
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    日本文学に残る傑作であることは間違いない。 特筆すべきは文字数の少なさと、誰でも鷲掴みにしてしまう共感力の高い文章。 一冊目としてこれ以上ない作品

    1
    投稿日: 2025.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恥の多い生涯を送ってきました、と冒頭に書かれていた。読み終わったあと、結局、葉蔵(太宰治)は、何が恥だったんだろうと思った。 毎日酒に溺れていたこと?生活がだらけていたこと?女に夢中になっていたこと?浮気されたこと?ピエロのように演じ続けたこと? 葉蔵は人生を通して、ありのままの自分を曝け出すことができなくて、ずっと演じ続けていた。 それは、現代でいう生きづらさに通ずるものがあると感じた。どこかしら共感している自分がいた。 太宰治に比べたらまだまだ人生捨てたもんじゃないと思ってしまった。 人間の弱さや本質を垣間見ることができる作品。

    2
    投稿日: 2025.09.12
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    なんだろう…。ものすごいものを読んでしまったというのが、率直な印象です。簡単に感想を書けないほど奥深く、著者がこの作品に人生を全振りしている、一種の覚悟のようなものを感じ取りました。 読んだあと、すぐに想起されたのは又吉直樹さんの『火花』でした。又吉さんが芥川賞を受賞された時に、当時話題になっていたので読んだと記憶しているので、もうかれこれ10年近く前に読んだものですが、どこかに『人間失格』との類似性を感じとり、頭に浮かんだのだと思います。調べると、又吉さんは『人間失格』を100回は読んでいるとか。「どおりで…。」となんだか勝手に納得してしまいました。 一回読んだだけでは、この作品の表層部分もわかっていないような気がするので、おそらく、私はこの本を何度か読み返すと思います。 また、又吉さんの作品も久々に読みたくなりました。

    16
    投稿日: 2025.09.11
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    思っていたよりも読みやすかった。これまで一世代以上前の作家の作品を手に取ったことがなく、言葉遣いや表現に強い違和感を覚えるのではと構えていたが、実際はすんなりと物語に入っていくことができた。分量もそれほど多くないため、初めて古い文学作品に挑戦するという意味でも良い一冊だったと思う。 全体を通して、小説というよりも太宰治の自叙伝を読んでいるかのようだった。主人公・葉蔵に自身の思いや精神状態を託し、内面を深く掘り下げて描いているように見える。葉蔵は外面では人当たりが良く、人を惹きつける振る舞いができる「世渡り上手」だが、内面では他者を恐れ、信じられず、精神的に未熟で不安定な存在に映った。ここまで極端な人物はなかなかいないが、外と内を偽って生きる姿は誰もが少なからず持つ部分であり、共感できる点も多い。 特に印象に残ったのは「それは世間が許さない。」「世間じゃない。あなたが許さないのでしょう」という一節だった。現代社会でも「世間」や「周囲」を持ち出して行動を制御するような場面は多く見られる。しかし結局のところ、その「世間」とは目の前の誰かであり、相手自身であることが多い。世間を盾に自分の意見を正当化する人は「内面世渡り上手」であり、それをまともに受け止めてしまう人は「内面世渡り下手」なのだろう。 なぜこの作品が名作と呼ばれるのかは、正直なところまだ十分に理解できたわけではないので、もう一度読み返すことで新たな発見や深みを感じられるのではないかという期待をする。

    1
    投稿日: 2025.09.10
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    名作を読んでみたくて購入。 自分を出せなかった主人公が徐々に壊れて行く話。 淡々とした語りで壮絶な人生を記述していた。 人間失格の烙印を自分自身で押してしまい、それに納得してしまった点が最後の分岐点だったと思う。 非常に考えさせられる本で、読むたびに解釈が変わりそう。

    18
    投稿日: 2025.09.10
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    新潮文庫プレミアムカバー2023版 何度読んでも堪らない。 これを書き上げてしまったら、そりゃぁ死んで仕舞えるだろうなと思った。 こんなにじっくり1文字1文字を噛み締めるように読み続ける本は、他には現れないだろう。 自分は葉蔵ほど人間を失格してはいないと自認しているが、それでも同様に思う所は多々ありそれは年々増えているようにも思えるので改めて危機感を感じた。 狂気を帯びた人間の書き物というのは、やはり何にも勝る奇妙な魅力を持っているように思う。

    1
    投稿日: 2025.09.10
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    葉蔵はずっと空っぽだったんだなと思う。 道化を演じることで、自分の中身を見透かされないように覆い隠し、生き続けていく。 ただ、そうして生きていくことの愚かさに途中で気づくのだけど、とはいえ自分の空っぽさが何かで埋められるわけでもなく、ただただその場その場の道楽・快楽に身を任せて、漂うように生き続ける狂人にしかなり得なかった。 フィクションではあるが、現代にもこういう人っているんじょないかなって思うし、この作品がずっと評価され続けているということは、私がいま生きている現代に限らず、どの時代でもずっとそうだったんだろうと思う。

    2
    投稿日: 2025.09.07
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    人間だれでも持っている、自分や周りに対する偽りを誇張したような物語。人間がすごく怖い葉蔵が初恋に落ちる瞬間、その初恋の相手と情死しようとして自分だけ生き残ってしまう瞬間は特に辛い。自分にはない、純粋な心を持つ人と結婚したのに、その期待を、純粋さゆえに裏切られる瞬間も心に残っている。

    2
    投稿日: 2025.09.03
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    解説にあった太宰の精神的自叙伝、という言葉がまさにその通りなんだろうな、と。 人間を理解できない人間が、この上なく人間らしく堕ちていく話。この主人公に嫌悪感を覚える部分が実は、自分にも心当たりのある部分だったりするのかも。若しくは一歩間違えればそうなりそうなところを必死に堪えている部分か。自分も醜い人間の1人なので。

    3
    投稿日: 2025.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    超有名作品だけど、なんだかんだ初めて読んだ。 どうせ死ぬのなら、こういう愚かしい男もいたものだと書き遺しておきたいと思い、遺書として書いた小説(手記)だということも知らなかった。読んでて共感というか、そういう思いをしたこともある、どうしようもないなそこまでいったら、と感じるところもまぁまぁあったが、それでも死ぬにも死にきれず生きてきた。頑張るかと思っても人生はそんなに思うようにいかない。この時から、人生ってそんなもんだったんだなと、なんか考えさせられる部分があった。 有名作であるが、解説を読むと太宰らしくないところもあるようだし、他の有名作も沢山あることを知った。もっと日本文学が読んでみたいと思った。 難しく感じるところもたくさんあったけど、いい読書体験ができてよかった。

    8
    投稿日: 2025.08.30
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    かしこまって書くならば、人間として生きるのが苦手な男がどうにか人間として生きていこうとするものの、結局いずれもうまくいくことはなく最終的に自らを人間失格と定義する___みたいな内容になるのかもしれないが、あまりにも葉蔵がクズすぎてそれ以上の感想が出てこない

    1
    投稿日: 2025.08.29
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    夏休み、名作文学を読むことで自己陶酔したかった。 はい終了。 自分を「人間失格」と書き残し、本当に人間でなくなった人の遺書では酔えません。 でも、どうしようもないお人なんて思いながら、太宰治像を考えさせられてしまってたのかもしれません。 さすが、巻末に年譜があります。「人間失格」な人が他にもこんなに書いているじゃありませんか。 本名ではない、なんてことも知りませんでした。 やっぱ太宰本人のことばかりになっちゃいますね。 でも次はそんなにすぐでなくても大丈夫かな。

    43
    投稿日: 2025.08.23
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    1番好きな本。 あらすじとして、幼少期に女からの性暴力を受けてる一方で、青年期、大人になってから主人公がとにかく女にモテることが皮肉で面白いと感じた。 主人公の繊細な感情や、他人の行動が極度に主人公の気持ちを左右させる事が文章を通してよく感じられ、共感共鳴できる部分が多かった。 様々なレビューを読んだが、病気や、暴力といった経験、今までこの主人公が経験してきたような辛い過去を持たない自分も共感できることが出来たので、今までもこのような辛い人生を歩んできた人だけでなく、平凡な毎日を送ってきた平凡な人間もこの本に共感し、苦しい感情になることが出来るのだと思う。その事がこの本が読み継がれてきた本当の理由ではないかと思う。 さいごに、友達にこの本を勧め、本を貸したがただの精神異常者の本にしか見えないと言っていたことが疑問だった。

    1
    投稿日: 2025.08.22
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    とりあえず名作を読んでみようと思い、太宰治をチョイス 面白いのこれ?なんの話? 延々と主人公のクズエピソードを聞いてるだけの小説にしか思えなかった

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    投稿日: 2025.08.21
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    中学生の頃読んだはずだが、全く内容を覚えてなかったので、かなり新鮮に読めた。ついこの前、新潮文庫で出てる太宰の『走れメロス』の短編集を読んで、「なんて暗いやつなんだ、メソメソしやがって」といくつかの短編にムカムカしながら読み、『人間失格』もこんなに暗い話だったっけ?とふと思ったのもあり、再読してみた。 読んでみると、さすがに太宰文学の真骨頂といわれるだけあり、語り手の暗い感じは短編で読んだ時と変わらないのだが、(それが太宰の良き作風であるのはもちろん承知しているが、)『人間失格』の方は、有無を言わせぬ凄みというか、暗い中にも迫力があったように感じる。2日ほどで、時間を忘れて没頭して読んでしまった。私小説風だったが、おそらく太宰の人生の重要点はなぞっていても、全てが対応するわけではないだろう。(例えば太宰が漫画を描いていたなんてちょっと信じられない) 最近ニーチェの本を読もうとすることが多かったのもあって、それに関連して、本の印象として思ったことがある。太宰はいわゆる「ニヒリズム」に完全に侵されており、何度も死のうとしたり、最終的に自ら死んでしまったことからも、自殺的ニヒリズムを克服できなかった人間だ。しかしその一方で、ニーチェの思想と被る部分も本書で見受けられ、流石に名だたる文豪と呼ばれるだけあり、それなりの思想家でもあり、自分と向き合ってきた人なんだろうなと思った。そう思うと、より一層、タイトルの『人間失格』という言葉の、太宰の盛大な自虐が、悲劇的にも聞こえた。 太宰のニヒリズムは、「自分はみんなとは違うんだ、人間とは違うんだ、人間というのは恐ろしい、何を考えてるかわからない」という、自らの異物感による疎外感からきているもので、さらに太宰の心の弱さと言うべきか、臆病さというようなものがそれに拍車をかけている。しかし、こういうニヒリズムは、ある意味で誰しもが共感できる部分でもあり、(とはいってもおそらく太宰ほど深刻に共感できる人はいないだろうし、いたとしたら太宰と同じ運命を辿りそうでちょっと不安な人だが、)だからこそ、どの時代でも刺さる人には刺さる名著となっているのだろう。 太宰はこの本で、普通の人と同じになれない自分という「人間とは違う異物感」を強く訴えているものの、その「異物感」こそが、ある意味で「最高の人間臭さ」を、そして「太宰という人間らしさ」までをも描きだしている。そして、このこと自体は、(たとえそれが明るいようなものではなく、ものすごく暗い側面のものであっても)人間の普遍的にもつ何かに触れている、と少なくとも言い切れるのではないか。

    2
    投稿日: 2025.08.20
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    過去10年以上前に読んだ記憶があるが、内容はなんとなく...記憶に残って無いので再度読んでみる事にした。 太宰治の人間失格を読んでみたが、私の心に響く事は無かった。何故文学的に優れているのかを読みながら考えて見ました。 私は共感出来なかったが、恐らく戦後の時代に書かれた作品であり、戦後復興の中で前向きに皆が頑張っている中で、ここまで弱さを剥き出しにした作品を書く事自体がタブーだったのかと思いました。 今で言うと、怒ったらパワハラだと叩かれますが、パワハラは正しいと表現できている作品かと? また、誰もが口に出せないが思っている事を言語化してくれた事がこの作品が評価されたポイントかと思います。 個人的には、もっと頑張れと応援出来る作品が好みですので、好みが分かれる作品かと思います。

    1
    投稿日: 2025.08.17
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    今更太宰読んだ 一部強烈に共感し、ついでに他人への憤りも募らせ、ようやくちゃんとした思春期に突入した感じある

    1
    投稿日: 2025.08.16
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    主人公は幼少期から人間を理解できなくて怖い故に自ら道化を演じることで他者を欺いてきました。 他者が理解できないと言いながらも主人公もまた他者を理解出来ておらず臆測で他者を論じています。 世間を怖がり世間とは個人と言ってますがそれは主人公も例外でなく主人公もまた個人の世間であり主人公の目で人を見てます。 堀木が何もかも主人公のことがお見通しだったことに気づいてないのがその証拠です。 言葉遊びの段で堀木が本当は主人公をどのように見ていたのかに気づいたならこれは堀木に感謝すべきことだと思いました。主人公を理解した上でそれ迄の永年の付き合いがあったわけですから。 結局最後主人公を理解してた堀木が主人公を助け出したように思います(堀木が主人公を病院に連れていったのは救済だとおもいます)。 最終的には主人公に希望がもたらされ主人公が穏やかに過ごせるようになっているので安堵しまし た。 【追記】 最後主人公に希望が出たと捉えてましたが......主人公が太宰治だとすると亡くなる1ヶ月前に書かれた作品とのことなので希望がもたらされたいたのか分からなくなりました。 この作品は太宰治を見抜いて助けてくれた方達への謝意と自分を り周りをくと不幸になることへの懺悔の気持ちを表した遺書のようなものなのかと思いました。 【追記】 主人公を見抜いて助けていた人としては……「竹一」「堀木」「ヒラメ」だと思いました(うろ覚えなので確認しましたが……間違っていたら申し訳ありません)

    3
    投稿日: 2025.08.16
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    デスノートの作者が表紙を描いたものが目に留まり読んだ。 読み終えた感想として吸い寄せられるような強烈な引力と疲労感を感じた。 葉蔵が道化を演じる様は読んでいて苦しくも私にも身に覚えがあり同情してしまった。 葉蔵は世間(自身)を信じられなかった。しかし、道化を演じることで人々に寄り添うことができた。そして、全く疑うことを知らない純粋な人物に会った。ところが、それも悪いように利用されてしまう。 「信じる」って何なんだろう。

    3
    投稿日: 2025.08.13
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    仮に主人公が近くにいたとしたら、救ってあげたいと思うだろうけど、私には救えないだろうとも思った。 主人公みたいに苦しんでる人は今もたくさんいると思う。救ってあげたいけど、救えない。本人も周りの人も辛いと思う。 生きている以上終わりなく苦しみが続くと感じ、それならいっそのこと死んで終止符を打ちたくなる気持ちはわかる。

    3
    投稿日: 2025.08.13
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    人間が信じられず恐れているという想いがすごく伝わってきて、自分は狂人でこの世界をこう残酷に思っているに違いないと共感させるのが上手い。弱いけど美しいそんな太宰治の遺書のような芸術のような文章の連続。初めてまた読みたいと思った本でした。

    2
    投稿日: 2025.08.06
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    初太宰治。 話の内容に全く共感はできないけど、何故か同情はしてしまうよく分からん感情になってる。 他の作品も読みたいと思った。

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    投稿日: 2025.08.03
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    とても良きニヒリズム。コンビニ人間の後に読んだが、それのおかげかスムーズに入れた。初太宰治だったので他の作品も読む予定です。

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    投稿日: 2025.08.03
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    初めての太宰治作品! 太宰治の一生を書いていると聞いて読みましたがとても面白かった! 読む前は暗い内容だと聞いて身構えていましたが読んでみると新しい価値観を知れました。馬鹿馬鹿しいなと思いつつも何処か読んでいる途中不安になったりと心揺さぶられる内容でした。

    1
    投稿日: 2025.08.02
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    すごい本だ。生きづらさを暴き、時折血を吐きながら言語化している。私たちは主人公が誠意を通わせることの叶わなかった「社会」の一員であり、一部は彼自身でもある。太宰が差し出した犠牲の上に救われ、正気を保てるみたいな感覚さえある。なんてこった。

    2
    投稿日: 2025.08.02
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    自分の身を守るために世の中に媚びようとしてしまう葉蔵の言動は、誰にでも多少は身につまされる部分があるのではないかと思った。 自分でなく他人主体で流れるように生きて、破滅しかけて、救いがあるかもと思ったら、結局破滅だった。 自己認識と他者からの評価との違いに気付けなかったのも、向き合うことを恐ろしく感じて出来なかった顛末なのかなと。 道化てしまう、怖くて向き合えない、流されてしまう、人間の弱さが凝縮されたような話だった。 面倒見てくれる太い実家があるのは普通に羨ましいけど。

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    投稿日: 2025.08.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    葉蔵さんは面白い人だな。声を上げて笑ってしまう話だとは思わなかった。 恥の多い人生といいながら、誰かにそれを否定して欲しいような、自分は人間生活が分からないと言いながら、もう片方では人を馬鹿だの白痴だのと見下すような、自分は死んだ方がいいなどといいながら、本当は愛されたい、そんな人と勝手にお見受けする。 太宰ってそんな人だったのかなぁ。 太宰はこれを書いた後で本当に亡くなっちゃう。 本当の自分を偽って生きるなんて普通のことじゃないのかな。生きづらさを感じない人っているのだろうか。この人が何か特別な人だとは思わない。 だからこそ、墜ちちゃう人がおかしく、可愛らしく、愛おしく感じるのかなあ。 しかしこの人のものの見方ってすごいな。読み返して太宰語録としてメモっておこう。

    1
    投稿日: 2025.07.27
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    2025.7.21読了 周囲からの自分に対する評価と自己認識にはズレが生じている。葉蔵は自身をえらく捻くれ者だと感じていたが、彼は本当は誰よりも純粋だったのだと思う。純粋に生きたからこそ、現実の醜さや人間への恐怖により、酒や薬に浸り「健全に」生きれなかったのではないか。 私はこの本の内容からしか葉蔵の内面を伺えないが、私には彼の自己認識こそに歪みがあったように感じる。 周囲からの評価と自己認識のギャップに苦しむことはよくある話だが、実は自己認識の方が誤っている可能性もあるということに思い至った。 作中にもあったようにもしかすると私たちは、互いに相手を何も分からない、まるっきり間違ってみていながら、無二の親友のつもりでいるのかもしれない。それほどに他者の心の奥底を理解するのは難解なことだ。しかしそれと同じくらい自己を正しく認識するのも難しいのではないか。人間は一面的ではなく多面性があり、そのどれもが自分であるというのも確かだと思うが、それでも一体私はどんな人間なの?だろうと考えてしまう。それこそ「正義と微笑」にあったように、「ああ誰かはっきり、僕を規定してくれまいか」である。 また世間とは個人じゃないか。という言葉が印象に残った。 「世間が」と言う主語で始まる言葉は実はその人自身の言葉なのだと思う。 そう考えると改めて、「世間」という言葉は当てにならないものだと思う。

    2
    投稿日: 2025.07.26
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    おそらく学生ぶり。タイトルほどの重さや暗さは感じなかったが、自分を隠し「道化」てみへる葉蔵の姿と自分を切り離して読むことは困難だった。 愛というものを掴み切れない葉蔵にとって、愛とは永遠の憧れのような存在だったことだろう。

    4
    投稿日: 2025.07.24
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    世間を恐れること。道化を演じること。罪に向かってしまうこと。その罪悪感。意外と共感できる部分があるというか、人間が限界まで自分に向き合えばこうなるのかなと思った。

    1
    投稿日: 2025.07.20
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     「恥の多い生涯を送って来ました。」というフレーズから始まる純文学で3つの手記で構成されていて、幼少の頃から自分を偽り人を欺いてきた男の人生に呆れながらもどこか共感してしまう部分があるのが厄介だった。面白いというより考えさせられた作品だった。

    2
    投稿日: 2025.07.19
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    初めて太宰治の小説を読んだ。好きな作家だと思った。人間誰しもが持っている要素を肥大化させたような人が主人公だから、刺さる人は多いだろうなと思う。

    1
    投稿日: 2025.07.19
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    他人の目を気にしすぎるあまり道化を演じるのに、どんどん不幸になっていくのが読んでると辛くなってくる... 主人公ほどではないにせよ、他人の目が気になる瞬間も自分にはあるので結構共感できる部分はある 一文一文は長めだけど、古典作品特有のテンポの良さで飽きることなく最後まで読んだ 古典作品をちゃんと読み切ったのはほとんど初めてかもしれない

    20
    投稿日: 2025.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何らかの特性持ちによる生きづらさに加えて幼少期のトラウマにより、他人の目の中でしか生きられなくなった。ストレスがすごそうなので、安易なドーパミンに頼りやすい人なんだろうなと。親元を離れた途端露呈されていく。

    1
    投稿日: 2025.07.12
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    本棚から掘り出して、24年ぶりの再読(三読目かもしれない)。「恥の多い生涯を送って来ました。」が冒頭の一文だと勘違いしていた。3つの手記をはしがきとあとがきでくるんでいる構成。太宰推しの人って『人間失格』の評価が高いイメージだけど、自分的には、分かる分かるって感じでもないし、たいして響かないんだよなあ。これは前回も思った気がする。一人で悩んで行動して女性となんだかんだあるのかなって思ってたので、堀木とつるんで行動しているのは意外だった。

    1
    投稿日: 2025.07.08
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    好きな作家が聖書のように読んでると聞いて読んでみた。 自分の感情より、この瞬間をどう立ち回ると円滑に流れるかということを考えて行動してしまう。 それが自分にとっての成功なんだけど、他人にとっての正解かはわからなくて、その場面の違和感に気づく人に、大きな恐怖心を抱くことに共感。 しかしどこかそのピエロに気づいて欲しい自分もいて、結局その人と大親友になってしまう。 ここまで経験したことがある。 一度汚されたものは、真っ白に戻すことはできない。汚した人、それに気づいた人、何もできなかった自分。それらの怒りを通り越して、真っ白だったこと自体に腹が立つ。 共感してしまうことが嫌だと思う感情で溢れてた だけどそんな失格な人ばかりなんだとも思う

    2
    投稿日: 2025.07.05
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    酒に溺れ、職につかず、女に養ってもらう生活を送る葉蔵。でもその正体は、人を信じることや愛することを恐れ、お道化ることでしか人と関われなかった臆病な独りの男。生への執着が感じられないこの危うさにみんな惹かれるんかな。 マダムが語った"神様みたいないい子でした"が印象的。葉ちゃんが周りからはどう見えてたのか知りたくなった。自分自身を愛してあげて欲しかった。

    3
    投稿日: 2025.07.04
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    主人公は本当にクズ人間だけど、魅力を感じるのはわかってしまう。彼の生き方には共感しないが、彼の考えには共感するところがあった。 例えば、 世間とは個人じゃないか(p101) とか、本当に共感したし、1人でずっと考えてる人なんだろうなって思った。 解説を読んで、これがほぼ実話に基づいてるって知って衝撃だった。

    6
    投稿日: 2025.07.03