
総合評価
(308件)| 45 | ||
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powered by ブクログ石川、特に能登半島を舞台とした小説であり、文学紀行で朝日新聞で紹介された。あまりにも有名な小説でドラマや映画になっているので読んだはずであるがあまり記憶がない。敗戦直後の話であり、立川警察が出てくるので、多摩地域の学生は歴史的な事実を知るであろう。
0投稿日: 2025.12.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全体的な雰囲気は砂の器に似ているような感じがした。 けれども、砂の器よりスケールは小さいが、この作品の方が丁寧にストーリーを作っていたと思う。 特に、終盤での石川県のシーンは読み手をハラハラさせるように話を畳み掛けていたのは非常に良かった。 砂の器も良いが、ゼロの焦点も負けずに面白かった。
0投稿日: 2025.12.19
powered by ブクログよく分からないままとんでもない男と結婚しちゃった妻目線で進む。口封じのために次々と容易く殺されてばかり。戦後の日本と女性の様子が覗けて勉強になった。読み終えて改めて、そういうことね。。表紙を眺めました。
0投稿日: 2025.12.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「たった一人で、このような場所に佇んで、北の海を眺めている自分はいったいなんだろう。」 昭和の推理小説が読みたくなったので、久しぶりの松本清張。 現代じゃない時代設定の小説を読むと、登場人物の言葉遣いとか出てくるものが今とは違いすぎて、より没入感がある気がしてそれも楽しい。 この小説で一番すごいのは、禎子の行動力だと思う。まだほとんど他人の夫のために、作中ずーっと動き回ってる。フットワークが軽すぎる。 味方に警察も探偵もいないのにここまで調べられるのは、昭和ならではだなぁと思う。 憲一が失踪した原因は、現代ならあり得ないと思うけど、戦後の混乱期なら実際にこんなことが起こり得るんだろうか? 物語の始めから結末までずっと暗い雰囲気が漂っている。断崖絶壁なのもサスペンスという感じがしてよかった。 2025.11.22読了
0投稿日: 2025.11.29
powered by ブクログ映画化ドラマ化されている作品ですがやはり小説は面白ろかったです!真相を知った人たちが殺されていく…現代のサスペンスとは違って複雑な感じはなく読みやすかったです。
0投稿日: 2025.11.19
powered by ブクログ松本清張の著名作の一つということで手に取った。ストーリー展開や事件の起きる舞台そのものも悲しい雰囲気を誘う。私には少し重たかったかも。
0投稿日: 2025.11.02
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個人的な感想として面白くはないと思った。初めてのサスペンス小説だったが、明らかに予想がつくことを徐々に、そうだったのか!みたいな感じでポツポツ気づく描写が退屈だった。殺す動機も昔の痴態を気づかれたくなかったからというものであまりにも身勝手なものなのに、これは犯人も可哀想、殺してしまっても仕方がないという終局のさせ方に違和感があった。こんな昔の小説にも少しフェミニズムのような描写があることに少し驚いたと同時に昔からこんな感じだったのかと面白く感じた。
2投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ昭和の旅情と共に進んでいくミステリー。内容もさることながら文章も素晴らしくスラスラと読めました。さすが松本清張。最後は一気に逆転のトリック解明。様々な伏線を散りばめた至高の作品です。ただ、今の時代とはマッチしてませんので、違和感を感じる人はいるかもしれませんね。
8投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログサスペンス歴は、比較的浅い時に読んだ。昔の作品を読むとツッコミどころ沢山あったけど、読み応えがあったな。主人公が女性で、立ち振る舞い方が頭が良く思えたりした。
1投稿日: 2025.08.29
powered by ブクログ松本清張せんせの名作、舞台は石川県、相変わらず北陸地方を徹底的に寂しく悲しい場所としてディスっていますよねー。まあこれは日本海側あるあるですので我慢しましょうか。北陸はいいところですよーみなさん!夏は暑いし、冬はどんよりして日照時間少ないし、雪も滅茶苦茶降るし、なんせ湿気が多くて最高です! 私がミステリー小説で苦手というか、あまり面白さを感じないのが、素人なり関係者なりが警察を通さず勝手に個人で事件を解決するパターンですね。それとメガネをかけた少年が名探偵として大活躍する話、今回はまさに前者でした。個人で犯人を追うのはやめたまえ、危険ですって。 ま、小説だからいいんですが、どうしても現実離れしていて感情移入が出来ないんですよね。一人で崖へ行ってダメですって。 この小説の時代背景となる戦後の臭いがたっぷり残っている中、女性独りで生き抜くには過酷だったはずと、それが今回の連続殺人事件にと・・・銀座の寿司屋で手に取ったウニの軍艦巻き写真をアップされているキャバ界隈の皆様方、今の時代で本当に良かったですよねー。はよ食えって。 という事で、終戦直後の昭和感をたっぷり味わえる作品でした。奥さん、死んじゃだめだって。
9投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログ4.3/5.0 終戦直後の混乱が生んだ悲劇。 自分の過去が暴露されることを死よりも恐れた社長夫人の悲しすぎる動機。 時代を如実に内包した人間ドラマだった。
1投稿日: 2025.07.12
powered by ブクログ松本清張をこれまであまり読んでいたわけではなく長編は初めて読んだと思う。面白かった。断崖絶壁で繰り広げられる人間ドラマは、二時間サスペンスの源流はここにあるのか、と思ったり、昭和30年という時代を感じることも多々あってはっとした。例えば知りもしない人に個人情報をしゃべりすぎだろ、しかも医師が、とか、金沢から東京にいくには夜行しかない、とか。もちろんミステリーとしてのストーリーも面白い。意外な人が犯人であることが明らかになって、それもその時代ならではの悲しい背景があったりと王道なのかもしれないが楽しめた。
2投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログ小説では初の松本清張作品 といっても他は黒革の手帳くらいしか知らないけど、、でもさすがと言わざるを得ない 時代がちがってもおもしろいものはおもしろいのだなと関心した 少ししつこい感じはしたもののエンターテイメントとして楽しむには十分だった
7投稿日: 2025.05.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『砂の器』の時にも感じた、今の時代では使えない、当時だからこそのトリックに驚かされた。 結婚間もない夫の失踪、そのため夫の事情が何も分からない主人公、その中で少しずつ真相に近づいていく展開から目が離せなかった。 本多からの想いも、全く靡かないのが良かった。勝手なイメージだけれど、これが他の方が書いていると本多と道ならぬ恋…とかなっていそうだったので。身持ちの固い主人公だからこそ、まだ日の浅い夫のために駆けずり回る描写が違和感なく見られたのかなと。 ラストの沖に向かう船に乗った妻が崖の上の夫に手を振っていた、という描写がなんとも美しかった。死へ向かう残酷さが、その情景に言いしれない美しさを与えているように感じた。 なにかの後書きで、松本清張は難しい表現はあまり使わず、簡便な文体だからこそ輝く、といった意見を見たけれど、難しくない簡便な文体であそこまで美しく描写できるのは素晴らしいと思った。
1投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログ二桁年振りの松本清張、再読3冊目。 羽咋や和倉温泉が懐かしかった。相変わらずストーリーはほぼ忘れているので、とても新鮮でした。 ・・・そうですね、みなさん仰るように個人情報ダダ漏れですな。
0投稿日: 2025.03.17
powered by ブクログ昔は簡単に個人情報を知り得たのだなぁ。戦後、進駐軍のお相手をしていた事をバレるのを怖がり、ひとを殺めてしまう。読んでいてストーリーは分かってくるのだが、その時代の悲しい部分をみごとに表現する松本清張の小説は引き込まれる。
12投稿日: 2025.02.18
powered by ブクログ風景の描写がうまいので、読んでいてパッと頭の中で想像がつく場面が多い。戦後の生き方とか、戦争が女性の一生に与えた影響とか、勉強になる部分もあって面白かった。 個人的には、分かりやすいけれど説明が何度も重複していてちょっとくどい、と思ったので星3つ。
2投稿日: 2025.02.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
探偵ではない一般人が推理を進めるという話の流れは少しユニークだった。 昔の作品であるからなのか現代では考えられない情報のやり取り(見ず知らずの人間に個人情報を渡す)であったり主人公の禎子の価値観(見合い結婚で間もないのに一生懸命尽くした本多より鵜原を好意的に見ている)のせいで変に物語に入り込めなかった。
1投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時代は感じさせるもののぐいぐい読み進められた。さすが名作。禎子視点で推理が進み、状況証拠?が中心でやや心許ない気はしたが、その当時だと防犯カメラもないだろうし仕方ないかなとも思った。戦後の混乱は想像もつかないが、当時の女性がおかれた状況を思うと胸が苦しい。ラストはとても辛い。能登であることが一層辛さを増す気がする。この暗さは雪国が舞台だからこそかなぁ
0投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ見合いで結婚した夫が突然失踪してしまうところから物語が始まる。 広告代理店の営業職で、金沢と東京の二重生活をしていた夫。金沢に夫の失踪の秘密があると、禎子は金沢へ向かう。そこで彼女が知った真相とは… 1950年代、まだ戦後まもないこの時代に女性が生きて行くのは大変だった。時代に翻弄された可哀想な女性たちが物語の鍵になっていきます。 幸せな結婚生活のはずが、最初から夫の鵜原憲一にはどこか不穏な影があった…そんな不穏な雰囲気をじわじわと感じさせるのがなんて上手なんでしょう。 序盤からどんどん物語に引き込まれていきます。 夫の失踪を調べるうちに起きる第一、第二の殺人。 日本海の荒々しい海、寂しい漁村の風景が目に浮かびます。 憲一が残した2枚の家の写真。その写真の謎が明らかになっていくところが本当に面白い。 ゼロの焦点、というタイトルも秀逸ですよね。
3投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ北陸の実家で年越しに読む。 ちょうどラストは大晦日の話だった。 暗いし怖いけど、面白い。 新婚の夫が失踪、その義兄も殺される。 調べるうちにわかる夫の正体。 夫が謎の人だとわかる展開が怖い。 戦後13年はまだこんな社会だったのだなあ。 この当時の金沢、東京の雰囲気も同じくなんだかこわいんですよ。 自分(主人公=妻)との結婚が、夫にとっての崩壊の始まりだった、とうすうす気づいてしまうのが、なんとも苦い。はあー。 そんなわけで、今年の本はこれで終わりです。 来年もよろしくお願いします。 これからも、みなさまのもとに本の神様が微笑まれますように。
1投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この物語が評価されたのは謎そのものではなく、もはや戦後ではないと言われた時代の暗黙の了解を、闇に葬らないように、サスペンス仕立てで書き表したことにあると思う。 米兵の夜の相手を勤めた女性たちの哀しさ。まとわりつく侮蔑の目。どんなに拭い去りたくて、幸せになりたかったか。 殺人事件までは起こさなくてもこの思いが分かる人、または身近な人がそうなのではないかと思っている人、他人事ではなく我が事として受け止めていたからこそ多くの人に読まれたんだろう。 戦後の雰囲気を色濃く反映しているは任侠映画とかなのかなと思うが、そう言う派手なものばかりじゃなくて、沈黙されたものにも目を向けないといけないなと思う。 家の写真がヒントとなったところで『火車』を思い出し、オマージュだった事に気付いた。
3投稿日: 2024.12.30
powered by ブクログゼロの焦点 松本 清張 (著) --- ### あらすじ 自殺した夫には、妻も知らないもう一つの名があった──。 『点と線』と並び称される松本清張初期の代表作。 広告代理店に勤める鵜原憲一と結婚した禎子は、新婚旅行から帰って間もなく金沢に旅立った夫が戻らないことを不審に思い、自ら金沢へ向かう。そこで彼女は、夫の隠された過去と戦後の混乱が招いた悲劇に直面する。北陸の灰色の空の下で繰り広げられる心理描写と緊迫感あふれる展開が、読み手に深い余韻を残す。 --- ### 感想 松本清張さんの作品を初めて手に取りました。名前や代表作については以前から知っていましたが、原作を読むのはこれが初めてです。映像化された作品も見たことがなく、完全に予備知識ゼロで挑みました。 本作では戦後の社会的背景を色濃く反映しており、その時代特有の価値観や風景が描かれています。ただ、現代に生きる私には少ししっくりこない部分もありました。そのため、物語にのめり込むまでには時間がかかった印象です。一方で、松本清張さんの繊細な心理描写と、複雑に絡み合う人間関係の謎解きには、やはり「ミステリーの巨匠」と称される理由がうかがえます。 今作が自分にとって完全にフィットしたとは言えませんが、松本清張作品の奥深さに興味を持つきっかけにはなりました。次に読む時はもう少し時間を置き、気分が合ったタイミングで別の代表作に挑戦してみたいと思います。
15投稿日: 2024.12.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一気に読めてしまう没入感はあれど、読破の爽快感があまりなく肩透かしをくらった。 誰しも秘密にしたい事はあれど、最初から隠さず向き合っていたら誰も死なずに済んだのにとか思ってしまう。 特に本多の死がよくわからん。 こんな人もいるよねーってくらいで、好みではなかった。 でも途中でやめずに読める。 不思議。 だから星3つ。
0投稿日: 2024.12.18
powered by ブクログAudibleにて。 初読み松本清張。 交際期間ゼロ、お見合い結婚後すぐに夫が失踪してしまう。 実質数日間しか一緒にいない、まだよく素性も知らない夫のために妻はよくここまでやるなぁと思ってしまい、登場人物の誰にも感情移入できず。 昔の火曜サスペンスドラマを観ているような感じだった。断崖絶壁も出てくるし。 面白かったけど残念ながら自分の好きなタイプではなかった。
89投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログ松本清張作品は、終盤からラストまでの疾走感が凄いと思う。本作品もラスト一気読みした。スマホが無い時代ってこんなに情報収集に時間が掛かるんだ、と改めて現代の便利さを感じさせられる。戦後の女性観や背景も垣間見えて興味深く読んだ。
3投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログ禎子さん、新婚なのに夫が行方不明になって可哀想だな〜悲劇のヒロインか〜と思っていたら、まさかのそのまま探偵役。うぉ、かっけ〜!!! トリックどうこうというか、「松本清張、文章上手すぎ」と思いながら楽しく読んだ。 いやもうほんとに松本清張、文章上手すぎ。
0投稿日: 2024.12.12
powered by ブクログやはり松本清張の推理小説はリアリズムがあるので、サスペンスを楽しめる。オーディブルで聴いたのだが、大昔に読んだ記憶が蘇るのでとても良かった。北陸の裏寂しい情景を描くのが上手いと思う。
49投稿日: 2024.12.12
powered by ブクログラピュタの久我美子特集、そこで「ゼロの焦点」(1961)が上映される。 清張か。映画も未見だが、小説も未読。 上映までには、まだ間がある。 先に小説を読んでみるか。。。 ゼロの焦点 いやあ、初松本清張だ。 なんか、うれしい。 200頁くらいまでは、夫の失踪の話だけなので、いささか苦しい.... そのあとに、第一の殺人が起こる。 そこからは一気呵成に読ませる。 犯人、全然わからんね。そう、きたかー 清張って、1909年(明治42年)生まれ。 あの太宰治と同じ年の生まれ。 太宰はそこそこ読んだけれど、清張はまったく.... いい機会だ。清張作品、また読みたい。
0投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログ謎解きの要素にではなく、犯人の殺害動機に深い余韻を残す作品。そこに深みを出しているのは、まず時代背景であり、犯人としての語りは無く、冬の荒海に代弁させているところにこの作品の凄みを感じた。
2投稿日: 2024.09.19
powered by ブクログ終盤までは引き込まれてどんどん読めたが、終盤の推理が妄想かなと思うくらいに強引で失速。 この本の登場人物達の個人情報への意識がなさすぎて笑った。(執筆された時代もあるのだろうか)
1投稿日: 2024.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初松本清張作品。サスペンス小説の王道を行くような話でなかなか好き。同時に、かつて日本に存在したであろう終戦直後の混乱期を生きる人たちの息遣いが感じられたような気がした。終戦直後の様子は、もはや事象として断片的にしか知ることができないけれど、感情を持った人間として確かに生きた人がいたのだ、と考えさせられた。この頃の日本を知っている人だからこそリアルさを持って書けるのだな、などとも思った。
4投稿日: 2024.06.17
powered by ブクログ名作です。あっと驚くどんでん返しというより、主人公と一緒にじっくり推理していくような感じ。 歴史小説としての価値がある。
2投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログ戦後の混乱期に翻弄され、自分ではどうにもならなかった、その隠したい過去が事件の鍵となっていた。 そういう時期は、ある人にはあって、でも全てを曝け出さないでも生きていける社会がいいのだと思う。 時代派小説と言われている理由に納得。
1投稿日: 2024.05.11
powered by ブクログ戦後の日本の時代背景を抑えておくと、より理解が深まる作品かなと感じました。 過去のステータスを知られてしまう事が、いかに地位に関わるのか、暗い過去が何とも言えない気持ちにさせられました。 半世紀も前の作品なのに飽きがこず、スラスラ読めたし、北陸の寒々しい表現が読んでるこっちも寒くなる感じがしました。
1投稿日: 2024.05.01
powered by ブクログ古い小説だが、読みやすく、テンポが良い訳でもないのに飽きが来ない。面白く読んだ小説だった。 三分の一ほど読み進めた辺りから、ぐんぐんと謎が深まっていき、興味を唆られた。そこでようやく、ミステリとしての色が濃厚に醸し出され始めたように思う。 一点、推測を事実のように断定調で書くのは、釈然とせず、ミステリとしては、真実へ辿り着くてがかりが、多分に想像に負っている点が、個人的には好みではない。 上記した瑕疵とは異なるが、推理小説としてはやや不完全であるという点、また解決編とそれ以前とを明白に切り分けるのが難しい小説であるという点は、解説と意見を同じくする。この解説については、本編のあとにつけるにしては、やや手厳しく、書評的性格が強いように思えた。
1投稿日: 2024.03.02
powered by ブクログ初めての松本清張作品。 とても読みやすく、よくミステリーにある嫌なおどろおどろしさ、いやらしさもなくとても読みやすかった。エンディングも満足。 他の作品も読んでみようと思う。
1投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
凄い作品だったな。古い本ではあるが読みやすくとても面白かった。 舞台が金沢と能登半島とはかなりタイムリーに感じ、少し驚いた。まあそれは時事ネタの部分もあるが、たまたま手にした本が、まさか大地震の被災地が舞台だとはとても思わなかった。北陸の侘しさもあるだろうが、良い街なのだろう。復興して、元気な姿に戻れるよう自分も何かできることはしよう。そしていつか旅行にいこう。 さて、話をゼロの焦点の感想に戻そう。 ミステリーなので、細かく感想を書くとネタバレになってしまうが、最初から最後までとてもハラハラして読んでいた。そして、人が次々と死ぬことにも驚いた。ミステリーとはいえ、こんな人が死ぬのかと言うほど死んだ。それも大事な人が次々と。主人公の禎子はたまったものではないだろうな。 それにしても人間は他人のゴシップが好きだなと改めて実感する。ペラペラと人の秘密や裏話を次々に教えてくれる。まあ田舎では娯楽も少ないから、ゴシップ的なところが一つの娯楽という部分もあったのかもしれないが… 東野圭吾の白夜行とはまた違うが、どこか似た雰囲気を感じた。戦後のショックを引きずり、それでも逞しく生きる女性たち。本当に女性は凄いパワーを持っている。しかし、この当時は男尊女卑。そこに鬱憤が溜まっているのは当然の背景で、すぐ酒やタバコ、女に逃げる打たれ弱いのは男性、何があってもへこたれない打たれ強いのが女性というのは昔から変わらないな。 不幸から這い上がり、それを脅かすものは排除する。犯人はまるで、ジョジョの吉良吉影のようだった。ミステリー好きなら誰が読んでも満足できる作品だと思う。とても面白かった。
0投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ宮部みゆきの「火車」への影響を感じる。時代背景などをありありと感じる描写もよかった。でもそのウイスキーは飲んじゃいかんでしょ。
0投稿日: 2023.12.02
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主人公が東京と石川県を数度往復するが、石川の情景が目に浮かぶ様な描写であり、読んでいて石川県に旅行に行きたくなった。 最終的には誰も幸せになれないバッドエンドであり、そこに敗戦後の日本の様子が伺えて全体的に仄暗い雰囲気である。 1点不思議なのは、途中本多がウイスキーで毒殺されているが、本多はウイスキーで宗太郎を毒殺したのが久子であると疑っている状態で、その久子が出したウイスキーを飲むか?と言う事である。そこだけがモヤモヤした。
2投稿日: 2023.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冒頭で当時(1950年代後半?)のお見合い結婚の様子が描かれてて興味深い 昔の小説や映画はこうした当時の社会風俗や恋愛観などを知ることができてとてもおもしろい 的確で緻密な短い文章の積み重ねが北陸の冬の憂鬱さを人物に重ねてその心情を描写していく まるでモノクロ映画を観ているようだ 文体がいい 淡々というか冷徹というか余計なところのない 削ぎ落とされた文体 ストーリー以外に なんだろう 文章の細かい描写につかまれる 金沢 雪国 その寒さ 街並み そうした細かい描写の積み重ねが知らず知らずリアリティを感じさせる 最近のミステリはより難解(なトリック)に より刺激的な事件や内容に と過剰になっていく そうした作品からするといかにも地味であるかもしれない それは時代が違うからしかたがない でも逆に時代(の哀しみ)がにじみ出てくるようなミステリであると言える 松本清張は初めて読んだが なるほどこれは人気を博すわけだ このまま「点と線」に進むことにする 主人公の若妻の思考によってストーリーが進行 これ映像化むずかしくない? どうやって映画にしたんだろ? なぜ題名が「ゼロの焦点」なのかがわからん ラストシーン 沖合へと流されていく小舟 それを見つめるふたり やがて小舟に乗る人がいなくなる そういうこと?
3投稿日: 2023.10.24
powered by ブクログ時代背景が感じられる骨太なミステリー。 悪い人がいるわけではないが、どんどん深みに嵌って殺人を繰り返していく犯人。戦後の苦しい時代を背負って生きる人々のお話でした。
1投稿日: 2023.09.27
powered by ブクログお見合いで10歳年上の鵜原憲一と結婚した禎子。その憲一が新婚早々失踪し、禎子は夫の行方を追って夫が赴任していた石川県へと飛ぶ。現地での協力者である本多と地道な追跡を続け、夫である鵜原憲一の過去や事の顛末が徐々に明らかになっていく。 戦後の混乱期を生きた女性の悲しい物語だった。禎子は愛する夫の行方を探し求めて石川県をさ迷い歩くのですが、どこか一歩引いた第三者目線で物語を俯瞰しているようなところがあり、同じ時代を生きた女性として、犯人に同情的な気持ちを寄せているのが印象的だった。ラストシーンは冬の北陸の風景が目に浮かぶようでした。 やっぱり松本清張は面白いなぁ。
5投稿日: 2023.09.26
powered by ブクログお見合い結婚をして間もなく夫が失踪。 主人公の女性がその謎に迫る!という内容。 後半はひたすら彼女の推理が続き、 ふだん刺激的なミステリーを読みすぎているせいか、 少し平板な印象。
24投稿日: 2023.08.23
powered by ブクログ誰も彼も個人情報をばんばん漏らすあたり、時代が違うなぁと思ってしまう。古い小説なので当たり前ですが! 言葉遣いが綺麗で素敵。 謎解きにモヤモヤが残る部分はあるけれど、文学的な美しさが良いところ。
1投稿日: 2023.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
段々真実が分かってくる文章の読みやすさと日本の風景や当時の生活様式の描写がよかった。殺人事件だけど犯人に同情してしまう悲しい話だった。
1投稿日: 2023.08.14
powered by ブクログ30年ぶりの再読。 自殺に偽装された主人公の夫 鵜原憲一 = 曾根益三郎という二重生活のトリックと、推理小説の主人公たる名探偵や刑事が登場せず、夫の安否を気遣う新妻が真相を解いていくのがとても斬新・・・。 戦後、米兵を相手にしていた女性が抱えた暗い過去と、能登の寒々しい冬の風景に重なり、全編に渡り推理小説らしい重厚感があり、どっぷりと清張ワールドに浸かることが出しました。 また、ストーリーを忘れた頃に再読したいな〜。
2投稿日: 2023.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『ゼロの焦点』 2023年3月15日読了 はじめて読んだ松本清張。はまった。すごく面白かった。 社会派で暗く重いテーマを扱うイメージが多く、少し嫌煙していた節があった。 しかし今は、「もっと早く読んでおけば…」という気持ちも大きい。 文章運びが巧妙で「鵜原憲一はどうなったのか?」「一体あの女は誰なのか?」という本書の最大の問題が、最後になるまで全くわからなかった。 それだけに、まさしく点と点がつながる瞬間の驚き、そして納得感がすごいのだ。 また、日本の復興とともに忘れ去られてしまったであろう、身を売るしかなかった女たちの苦悩を、日本にも影の歴史があったという事実を、このような小説の中にとどめる意義は大きいように思う。 推理小説としても、日本社会を描いた作品としても、最高に面白い一冊でした。
0投稿日: 2023.03.29
powered by ブクログ映画版を観てからの原作。 違いがわかって面白かったです。 以下ネタバレ?アリマス =========== タイトルの意味は真逆!でした。映画版はゼロから発散のイメージでしたが、原作は逆にどんどんゼロへゼロへ焦点が定まっていく印象です。 これはある女性の、ゼロ=「心の荒廃」(p380)へ焦点をあてていった悲劇、かなと思いました。 * * 社会問題から悲劇が起こると我々は、じゃあ被害者はどうなるのか?同じように生きて犯罪を犯さなかった大多数の人たちの立場は?とすぐ考えます。でもこれは現代人の視点かも知れません。 被害者の妻、主人公禎子の驚くべき言葉があるのです。 「夫人が、自分の名誉を防衛して殺人を犯したとしても、誰が彼女のその動機を憎みきることができるであろう」(p381) えー(O.O;)(oo;)まさかの遺族が加害者擁護(@ ̄□ ̄@;)!! 当時誰も突っ込んでいない?のか、それともみんな納得だったのか…。 しかし、この発言があることで作品全体がよりゼロの焦点へ定まっていく…。そんな効果を上げていることも見逃せません。 映画版はさすがにこの辺りを〈現代風〉に脚色しておりましたが…。(ラストで佐知子の源氏名を叫ぶシーンが印象的でした) 小説版では、時刻表をもとに推理する場面があり清張さんらしくて個人的にツボでした。
10投稿日: 2023.03.12
powered by ブクログ松本清張の作品を読むのは三作目なのですが、現代の人間が資料を元に書くのではない、その時代を生きた人間の描写する、その時代の息遣いと空気感にいつも感動を覚えます。
0投稿日: 2023.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上野駅 甲府 湯村 昇仙峡の紅葉 諏訪湖 上諏訪 沼田、水上、大沢、六日町 直江津 高岡市 金沢 津幡 犀川 羽咋郡高浜町赤住 鶴来町
0投稿日: 2022.12.05
powered by ブクログ面白かった 当時の生活様式も今は逆に新鮮 松本清張の文章はとても読みやすいので他にも挑戦したい この頃の26歳前後の女性はこんなにも知性的だったのか?という違和感はあったが、謎解きについては筋が通っていた
0投稿日: 2022.10.23
powered by ブクログ新婚の夫・鵜原賢一が前任地・金沢への出張中に行方がわからなくなる。 妻・禎子は、夫の後任・本多とともに夫の賢一の行方を追う。 義兄・宗太郎も賢一の行方を探しに金沢にやってくるが、何者かに毒殺される。 徐々に明らかになる、自分の知らなかった夫の金沢での生活… 第2、第3の犠牲者が… 昭和30年代という時代背景。 今ならすぐに解決しそうだが… なかなか真相には辿りつかない… まさか… 人にとって、知られたくない過去は、人の生命を奪ってまでも守らなければならないのか… 本当に最後までわからなかった…
2投稿日: 2022.09.02
powered by ブクログ何年振りの再読になるのだろう。おそらく数十年振り。 その間TVドラマも放映されたが残念ながら観ていない。 「ゼロの焦点」といえば清張代表作にして傑作となるのだけれど、今回再読して感じたのは物語終盤の謎解きがほぼ解説調の種明かしのように作者が畳み掛けて来て、読者の入る隙間がないなあということでした。チョット残念。 終戦後の混沌とした社会での女性の生き方にはさまざまなファクターが関わっている。 夜の女、特に米兵相手の女として生きなければならなかった世の中というのはなんとも悲しい。 そして本作品中でも書かれていた、そして戦中派であった私の母やその周囲の人が口にしていた、敗戦後の日本の男のだらしなさというのが非常に辛い。 男がだらしないから女が前に出て生きていかねばならなかった。そういうファクターもある。 歳こそ違え、私も打ちのめされたらだらしなくなってしまうだろう男として申し訳ない。 戦後夜の女として生きて来た女性がたち直りながらも前身を秘匿するために犯した犯罪について 「いわばこれは敗戦によって日本の女性が受けた被害が、13年経った今日、少しもその傷痕が消えず、ふと、ある衝撃を受けて、再び、その古い傷から、いまわしい血が新しく吹き出したとは言えないだろうか。」 と本文に書かれていた。 たしかに。 お、タイトル「ゼロの焦点」の意味ですが、以前から次のように考えています。 作品の舞台は金沢、そして東京。この2つ。 ゼロは「0」という形で見ると楕円。 そして楕円という図形には焦点が2つあります。 それがこのタイトルの意味だと。 果たして著者の意図に合っているだろうか? 果たして著者の意図とあっているのだろうか?
5投稿日: 2022.08.19
powered by ブクログ石川県羽咋市出身の友人が居る。ゼロの焦点では、まだ羽咋郡。長い付き合いですが、知り合ったとき、「ゼロの焦点の⁉︎」と叫び、シツコくその風景を聞き続ける。その友人は三姉妹で、お母様含めて北陸美人だったわー。美人の名産地かも。 見合い結婚したばかりの夫が、前任地石川県に引越したまま、行方不明となる。新妻は、この不可解な失踪を、ほんのわずかな違和感から協力者を得て、夫の痕跡を追う。 長編推理小説。戦争直後の混乱期に、いわば時代の犠牲となった女性の息苦しい生き方。虚構を守るための殺意。もう時代物ってぐらいの松本清張。代表作のひとつで、北陸の冬が悲しいの。
46投稿日: 2022.07.12
powered by ブクログ本棚を整理していて唐突に再読して一気に読む。中学生の頃に初読、私が社会派ミステリーにハマるきっかけとなった一冊。
2投稿日: 2022.06.30
powered by ブクログ戦後の悲劇がもとになっている松本清張の代表作。 古い作品だから覚悟していたが、タバコの吸い方や女性軽視、個人情報だだ漏れに電話のやりとりなど、現代とあまりにも違う時代背景。 でも、時代が変わっても、変わらない面白さ。 これぞミステリー小説という一冊。
0投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログ松本清張の小説はいろいろ読んでいるが、このゼロの焦点は戦後の悲劇みたいといわれていたので読んでなかった。今回読んでみて、主人公禎子の夫鵜原憲一の新婚旅行帰ってから金沢に行って失踪してからのストーリーは、禎子の気持ちを通して 失踪した夫の過去の捜査から 次第に連続殺人に巻き込まれていく。犯人かなと思っていた人が死んでしまったり トリックも動機も最後に明らかにされるところはさすが清張です。何より何故殺さねばならなかったかという動機がしっかりしている。
0投稿日: 2022.05.27
powered by ブクログ「松本清張」の代表作で長篇推理小説の『ゼロの焦点』を読みました。 『共犯者―松本清張短編全集〈11〉 』に続いて「松本清張」作品です。 -----story------------- 前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫「鵜原憲一」のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く「禎子」。 ようやく手がかりを掴んだ時、“自殺”として処理されていた夫の姓は「曾根益三郎」であった! 夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。 戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、名作『点と線』と並び称される著者の代表作。 ----------------------- 1958年から1960年にかけて雑誌に連載された作品で、二度映画化されるとともに、何度もテレビドラマ化されている、「松本清張」を代表する作品です。 本籍不明で死亡届けの処理をする等、戦後の混乱期ならではの設定もありますが、、、 突然失踪した「鵜原憲一」の二重生活が徐々に明らかになり、他の登場人物の過去が明らかになるにつれて、少しずつ真相が明らかになる展開で、どんどん先を読みたくなり、愉しく読めました。 物語の舞台となる北陸って、現在、住んでいる山陰とイメージが重なるんですよねぇ… ○暗い空と海 ○日本海に突き出した半島 ○積雪 ○城下町 等々 それだけに、リアリティも感じられましたね。 探偵や刑事が事件の謎を解くのではなく、素人(新妻の「鵜原禎子」や同僚の「本多良雄」)が悩みながら真相を探る展開も、良かったですね。 (実際には難しいかもしれませんが) 他の「松本清張」作品にも通じるモノがありますが、、、 戦後の混乱期を生きるための辛くて厳しい現実… それが悲劇的な事件の背景になっているんですよね。 悲しいなぁ。 余韻が残り… 少しの間、この作品のことを考えていました。 余韻が残る作品って、イイですね。 映画も観たくなりましたね。(旧いほうがイイかな… ) 備忘用に登場人物を。(Wikipediaより) 鵜原禎子 本作品の主人公(旧姓板根)。 新婚後間もなく夫が失踪し、行方を追う。 鵜原憲一 禎子の夫。 広告代理店「A広告社」の北陸地方の出張所元主任。 引継ぎのために出張し、そのまま失踪。 本多良雄 憲一の同僚。 「A広告社」出張所主任(憲一の後任者)。 禎子に協力し、憲一の行方を追う。 鵜原宗太郎 憲一の兄。 鵜原の失踪後、京都出張のついでといって、金沢に立ち寄り、謎の毒死を遂げる。 室田儀作 地元名士で「室田耐火煉瓦株式会社」代表。 室田佐知子 室田儀作の後妻。 田沼久子 室田儀作の部下で元従業員の未亡人。 本社ビルの受付嬢をしており、ひどくくだけたアメリカ英語を話す。 曽根益三郎 田沼久子の内縁の夫。 謎の自殺を遂げる。
0投稿日: 2022.05.13
powered by ブクログ松本清張初めて読んだけど、古き良き推理小説といった感じで、とても良かった。 現代の洗練されたミステリーももちろん好きだけど、断崖絶壁の似合う、昔の2時間ドラマのような推理小説。とても好きだ。 そこまでこねくりまわされてる感じもしないのに、トリックや犯人がわからないのも素敵だ。
0投稿日: 2022.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
刊行当時読んだ人たちには面白かったんだろうな。 個人情報が保護され、デジタル化が進んでる今の社会を知ってるとどうしても昔っぽく感じてしまう。何度も脳内推理を反芻して書いてあるのも冗長に感じてしまった。最後に犯人から真相が語られることもなく推理だけで終わってしまったのも消化不良。
1投稿日: 2022.03.23
powered by ブクログ記憶を抹消してもう一度読みたい。 謎を追う感覚の没入感が素晴らしい。中盤から一気に読んでしまいます。
0投稿日: 2022.02.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
会社の後輩からこの本を紹介された。東京から福井への帰省中、電車に揺られ、晩秋の紅葉と古い家屋などを眺めながら静かに読んだ。 曇天の空の下に広がる能登の寒村、日本家屋が並ぶ金沢の町並みなど、風景描写が美しい。切ないストーリー展開と相乗効果で、寂しい風景の土地なのに何故か訪れたくなった。ドラマチックな最後、そしてラストに引用する詩も感動的で、鳥肌がたった。 私も単身赴任していたので、2枚の家の写真が出てきた時に、憲一の秘密は何となく予想できた。それを上回るスリルに引き込まれ、長編なのに手が止まらず読み続けることができた。禎子目線の細かい心理描写と推理が秀逸で、彼女の観察力と聡明さに驚かされた。 お見合い結婚が当たり前で、妾(愛人)が存在したり、身元を隠しやすかったり、女性の社会的地位が低い(身勝手な男性中心の社会)など、第二次大戦後10数年しか経過していない時代を強く感じた。 一方で、女性のバイタリティーや聡明さにスポットライトを読み方もできる。「良妻賢母」という日本的な古い価値観から解き放たれて、過去を隠してでも、新しい時代を自由奔放に生きたかった女性は多かったのではないだろうか? 作中に登場する男性よりも女性の方が、何らかの強い意思を持って必死で生きているように感じられ、同調できる。 秋~冬、北陸路の一人旅にはぴったり、年末に帰省する際は上着のポケットに入れておきたい珠玉の一冊。
9投稿日: 2021.11.14
powered by ブクログ時代背景が戦後ということもあり、所々、言葉が分からなくて詰まる。途中で読み飽きてしまいそうになったがなんとか読めた。
0投稿日: 2021.11.10
powered by ブクログ昭和33年頃という時代で、令和の現代とはかなり時代が違うな~と感じながら、真相は一体どこにあるのかと思い、引き込まれて読んでいました。 禎子の推理はとても洞察力があり細かいですが、ちょっと強引な感じが否めませんでした。 推理は推理として、犯人側の真実が語られるのを期待していましたが、それも無く。 禎子は、真相を確認することがなく、モヤモヤしていないのでしょうか。
1投稿日: 2021.09.29
powered by ブクログ昔の作品なのに、読みやすかったです。続きが気になる物語の設定ですね。 次はどうなる?どこまで引っ張るんだ?と思いながら、どんどんページをめくっていきました。 続きが気になって、早く読みたいという気持ちにさせてくれる作品は良い作品だと感じました。 それにしても、こんな話、書けるの、頭の中どうなっているんだ。すごすぎる
2投稿日: 2021.09.07
powered by ブクログ万人に読まれているだけあって、とても読みやすかった。 深緑野分さんがよく読んでいるとテレビで言っていたので。 映画も本も昔のものと思わず読んで見てみると、とても面白いものが多い。 ラストシーンがとても印象的で素晴らしい終わり方だった。
0投稿日: 2021.06.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
先に犬童一心版の映画は観ていました。 原作と映画と、禎子の印象が違うのが大きかったです。 こちらも動機は後ろメタファーの極みでしたが、禎子は佐知子の気持ちに同情する、と書かれてて、こちらの禎子の方が好きです。パンパン米語を知ってても彼女たちを軽蔑するでもなく、新婚の夫を殺した佐知子を憎みきれないでいて。 松本清張作品、まだあまり読めていないですが動機が「砂の器」に似ています。あれも自分の現在と未来を守るために、過去を知る人を殺してたな。。動機が理解できるというのも悲しい話だけれど。 憲一がダメなのは元々、本多さんが禎子に好意を持ってるというのも、何故この人こんなに親身なんだろう…って思ってたので腑に落ちました。それでも宗太郎と本多さんが死ぬ必要は無かったなぁ。 室田儀作も死なないし、こちらの方が結末も好きです。陰鬱さと限りない寂寥と。
5投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログ北陸の湿った空気、生々しい戦後の傷、翻弄される人々。すべてがリアルだった。線路は調べたら廃線になってたりするのがまた切ない。
2投稿日: 2021.03.08
powered by ブクログ犬童一心監督、広末涼子さん主演の映画版を2009年の公開当時に観て、「戦後の混乱期だからこその悲劇やなぁ」と感想を持ったことは覚えていたものの、おめでたいことにストーリーの細部はすっかりと言っていいほど忘却の彼方にあり、何が言いたいかと言うと、とっても楽しめました(笑) 先日、同著者の「点と線」のレビューで、「テレビで上質のサスペンスドラマを見ているような」と書きましたが、次々に謎を繰り出して息もつかせず引き込む展開に加え、北陸の冬の荒れた海と断崖という代名詞的な舞台設定に、本作でも同じ感想を持ちました。
0投稿日: 2021.02.09
powered by ブクログ新婚夫の失踪という導入から最後まで終始暗いムードで物語が進んでいくのですが、この暗さがなんとも魅力的で心地よいです。 ディティールがとてもしっかりしているので、当時の日本の状況がよくわかります。 推理小説としての粗はあるのでしょうが、その粗を凌駕する魅力的な世界観、引き込まれるストーリーです。 文句無しの傑作ですね。
2投稿日: 2020.12.15
powered by ブクログ時代を感じさせないおもしろさあり。 電車、電話、いろいろ発達しても、北陸の景色は今でも同じなんでしょう。
12投稿日: 2020.12.04
powered by ブクログ清張50歳、本書が刊行された1959(昭和34)年は『点と線』刊行の翌年に当たり、作家のキャリアの中では初期に属する。『点と線』に並ぶ作家の「推理小説の名作」とされるもので、評価が高い。この新潮文庫は令和2年7月10日付けで第136刷を数える。ロングセラーである。 主人公禎子が、ほとんどその過去も知らぬままに結婚したばかりの夫鵜原憲一が失踪し、その行方を探って金沢や能登半島を放浪する。 最初から謎に満ちた人物である鵜原憲一が<不在のシーニュ>そのものであり、その人物性が不可知のテクストである。小説は不可知のテクストを軸にして展開されるため、置いてけぼりの新妻である禎子は、始終彼女の視点で描かれる本作にあっても、その感情の描写は抑制されていて、寡黙ながら心理描写に冴えを見せる清張のふだんの筆致とは異なって、主人公はむしろ透明な容器であるかのような存在と化している。それは<不在のシーニュ>を志向するあまりに、自らは透明にならざるを得なかったかのようだ。 この透明な容器が先々で見る北国らしい光景、特に断崖の姿態が印象的に迫り、これらが本作のディスクールに色づける情動性の根幹となる。 <不在のシーニュ>鵜原憲一は、結局は、最後までその全貌を現すことはない。過去の行動のおおよそは最後に明らかとなるのだが、一個の人間としての全容は決して白日の下に現出することはない。 この点が、なんとなく物足りないような読後感をもたらすので、作品としての出来はそんなに良くないように思えてしまう。死によって決定的な<不在>となった一個人は、結局は当然不在のままであって、後に残された者はその不在を追いつつ空洞の主体を抱えざるを得ない、ということであろうか。 松本清張作品は、これまで読んできたところでは、やはり『黒い画集』所収のような短編小説の方がよりエモーショナルな強さがあり、「優れた文学」という気がしている。 推理小説というスタイルは、その優秀性をやや隠してしまうのではないかとさえ怪しんでしまう。
0投稿日: 2020.11.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Perfect!!松本清張2作品目。とても内容・文体の格式が高く、一気に引き寄せられました。途中で犯人は分かりましたが、最後の高浜では「えっ! そうなってしまったのか!!」と少し放心状態に。とてつもない最後。禎子はとても賢く魅力的な感じでした。古い時代背景でしたが、全く色褪せず情景のイメージを持ちながら最後まで読めました。宮部みゆき・火車のような、犯人を着実に1歩1歩詰め寄ってゆく。この詰将棋的構成はスリルというか、追われている側としてはホラーで、秀逸な落としどころ。でも最後の・・・言~わない!
21投稿日: 2020.09.26
powered by ブクログ初めて松本清張の作品を読みましたが、純粋に楽しめました。 自分なりに犯人を推理しながら読み進めましたが、最後まで分かりませんでした。 探偵や警察が事件を解明したのではなく、全てを繋げ合わせて犯人を特定した主人公の禎子の行動力・推理力は素人とは考え難く、そこが少し出来過ぎとも感じましたが、とにかく楽しめ、別の松本清張作品にも手を伸ばしたいと思いました。
7投稿日: 2020.08.05
powered by ブクログ金沢と東京を舞台に繰り広げられる、太平洋戦争直後に端を発する時代の傷痕が生んだ連続殺人事件を描く長編推理小説。 新婚旅行から10日後に姿を消した夫(鵜原憲一)の行方を追い、出張先である妻禎子。 金沢で夫を探す家庭で、隠された過去を知ることになる。 時代背景がわからなくとも、丁寧に説明を加えてあるので、比較的話がスッと入ってくるだろう。 何よりも登場人物が少ない割りに、しっかりとした謎を最後まで引っ張り、予想を外せるところに松本清張の深みを感じた。
0投稿日: 2020.06.13
powered by ブクログすごく面白かった。 憲一の失踪のゆくえを求めて小さな情報はあるんだけど、それが全然真相に近づかなくて、ホントにどこ行ったんだ?と、どんどん世界に引き込まれた。 雲を掴むそうな状況だったが、ある1つの手がかりから一気に解決に向かうかと思ったら関係者が消されていく。 もうダメかと思ったら名探偵禎子。 これまでの出来事がなぜ起きたのかを一人想像を働かせ、自問自答を繰り返し、見事、真実にたどり着く。マジかよ。 最初からの小さな伏線たちがキレイに回収されてスッキリ。 戦後、田舎の雰囲気も良い味を出している。
0投稿日: 2020.05.28
powered by ブクログこれも読ませる本だった。すごい、松本清張。 ミステリなんだから、どんどん引き込んで読ませるのは当たり前かもしれないけれど、いや、面白かった。 犯人というか、真相に私は全然ついていけなかった。 言われて、あ、そうなのか?と。 前回、「点と線」でも思ったけれど、松本清張、硬派に見えて、実は女の人の活躍ぶりがすごいのね。 時代は全然違うけれど、古びず、とても楽しめた。 これぞプロの仕事。 それにしても、戦後の混乱期を必死に生き延びてきた、どんな形でも生き凌いできた、ほかに方法もなかった、それがそんなに非難されなくちゃいけなかったことだなんて、かなしすぎる。殺人を犯してまで過去を隠さなくちゃならなくて、その結果、生きていけなくなるなんて、返す返すも戦争ってものはとてつもなく不毛。
7投稿日: 2020.05.15
powered by ブクログさすが名作なだけあって、設定がこんなに古くなっても読ませる、物語自体の面白さは損なわれてないと思いました
3投稿日: 2020.05.06
powered by ブクログ古臭い言い回しばっかりで読みにくいと思っていたが、案外いいける!どころかハマってしまい2日で読んでしまった。 伏線に無駄のなく、展開も早い。目星がついたと思えば、振り出しに戻る時代を感じさせないハラハラ感! 毛嫌いしていた自分が恥ずかしい。 他も読もうかな?
0投稿日: 2020.04.22
powered by ブクログプロットが面白くて、とにかく先が気になって読んだ。読み終わって、成る程な〜〜となるけど、やっぱりプロットの魅力にオチが及ばない感じ。主人公の禎子が頭良すぎる、というか勘の良さと推理力がすごくてちょっとあり得ない笑 確かに映画にしたら面白いだろうと思うし、映像にしやすそう。見てみたい。
0投稿日: 2020.04.19
powered by ブクログ「松本清張は今の社会派ミステリの潮流を作った巨人である」 一応、ミステリはそこそこ読んでるのでそんな認識はあったのですが、これまで松本清張は未読でした。なんか固い話ぽいし、時代も昭和が舞台で古くさそうだし、というのが主な理由なのですが……。いや、完全にバカやってしまってたわ……。 結婚直後の夫が失踪し、それを探す妻の話とあらすじは単純。文体も今の時代と比べると少し古さは感じます。話の展開も良く言えば地に足ついた、悪く言えば地味な展開が中盤まで続くし、古典だけあって仕掛けも、既視感のあるものが多いです。 しかし、全くそれが問題に感じられないのが、読んでいてスゴいと感じました。古風な文章が読んでいて全く苦にならないのは、話や文章のテンポがいいから、という単純なものとは思えません。 話の舞台となる北陸の冬という厳しく寒々しい景色。これがこの古風な文章と完全にマッチし、物語や時代の闇を、そこはかとなく伝えてくれるのです。これはもう社会派ミステリの枠を超えて、文学の領域に足を踏み入れていると思ってしまいます。 ミステリとしての展開の巧さにもうならされます。仕掛け自体は先に書いたように既視感はあるのですが、何かが分かりかければ、また新たな謎が生まれたり、事件が起こったりと、先へ先へと引きつける展開は見事の一言に尽きます。 ミステリに擦れてない子どもの頃に読んだら、たぶん清張作品はほぼ網羅する勢いで読み込んだのではないか、とも思います。まあ、もし小学生時代に読んだとしたら、北陸の景色や時代の暗さの描き方のスゴさに気づけなかったと思うので、それはそれでどうなんだ、とも思うのですが(苦笑) そして、本を読み終えたときに残る余韻も忘れ難い。『ゼロの焦点』ってカッコいいタイトルだなあ、とは思っていたのですが、作品を読み終える頃には、このタイトルの意味が物語の深みを改めて伝えてくれるのです。 この作品で犯人が直接描かれることはほぼありません。それでも読み終えたとき、犯人はどんな思いで犯行を続け、最後の決断に到ったのか、それを悶々と考えてしまいます。そしてこの感情は、宮部みゆきさんの『火車』を読んでいたときにも覚えたものだと思います。 『火車』の場合は失踪した女性を探す話なのですが、その女性は直接描かれず、周りの人間の証言と行動だけで彼女の思考や感情を浮かび上がらせます。おそらく直接描いていないのに、事件の中心人物に思い巡らせてしまう作品というところが、二つの共通点だと思います。 そして『ゼロの焦点』がスゴいのは、後半のいくつかの場面と主人公の推理だけで、犯人の人生や犯行時の思いにまで、読者の考えを到らせてしまうこと。これができたのは物語全体に文章や北陸の景色を通して、時代の闇をまとわせることができたからこそだと思います。(単に自分の妄想力が爆発しただけかもしれませんが……) 宮部さんは『火車』のことを「自分が書いたというより、時代の要請で書かれた小説」という風に話していたそうです。この『ゼロの焦点』も、ある意味では時代から生まれた小説なのではないかと思います。そして、そんな時代から生まれた小説は、きっと作中の時代と関係なく、未来に読み継がれる力を持った小説だとも思うのです。 ミステリとしても、昭和を描いた小説としても、文学としても読み応えのある作品でした。そして改めて古典作品のスゴさと、今でも読み継がれている意味を教えてくれる作品でもありました。やっぱり残る作品には意味があるんだなあ。
18投稿日: 2020.03.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラストが切なかった。もうどうにもならなくなったとは言え、室田夫人のあの選択は、私には絶対に出来ない…。 禎子の気持ちはどうなるんだろう。お見合い結婚とは言え、結婚したばかりの夫を殺されて…義姉とその子供もどうなるんだろう…。 事情を知っても、室田社長は夫人を愛しただろうし… 途中、鵜原憲一の失踪の謎に禎子が行き当たった時には、思わず「えっ!?」と言ってしまった。 まさかあの女性が…なんて思わなかったし、やっぱり松本清張作品は読み応えがある。 室田夫人の、過去を暴かれたら…と言う気持ちとその行動は、同作者の砂の器に出てくる、主人公の青年を思わせた。 他の方も書いてらしたけど、確かに「ん?」と思うことはある。設定に無理があることも…。 だけど、純粋に作品を楽しむという点においては、それは別にどうでもいいことだと思う。 ラストのあの切なさが、北陸の冬景色と相まって、何とも言えない気持ちになった。
3投稿日: 2020.01.19
powered by ブクログ再、再、再読。読むたびに再発見する楽しみがある。 導入部「ある夫」 ***** 板根禎子は、秋に、すすめる人があって鵜原憲一と結婚した。 禎子は二十六歳であった。相手の鵜原は三十六歳だった。年齢の組み合わせは適切だが、世間的にみると、多少おそい感じがした。 「三十六歳まで独身だというと、今まで何かあったんじゃないかねえ」 その縁談があったとき、禎子の母は一番、それを気にした。 それはあったかもしれない。・・・・・(後略) ***** こんなふうに始まるこの章はストーリーのかなめ「夫の失踪事件」を暗示しているのだが、この1章のストーリが秀逸だと思う。他人同士が「結婚ということ」をするとき、きっと誰にも大なり小なり起こりうることを絶妙に描いている。 『点と線』で大ベストセラー作家になる直前の文学色濃い作品であったと、あらためて実感した。 やはり映画やTVドラマに数多くなっているので有名だが、金沢、能登半島の冬の暗い風景の後ろにうごめく人間臭いもの、戦後史に翻弄される人々の描写が迫ってくる。 再読してみて新たに感じた事は、ミステリーとしては細部がやや甘いが、それがぶっ飛んでしまう清張の文のうまさ、構成のうまさである。 主人公の板根禎子(いたねていこ)は名前からして当時古~と思ったが、今にして考えればぴったりなのだ、現在活躍、活劇している(本の中で)女性探偵のはしりだもの。 でも禎子は結婚したばかりの夫が失踪したのでやむなく能登半島をさ迷って捜査する。夫の過去がわからない、その不安の描写がうまい。 この小説の時代は昭和32年ごろ、お見合い結婚が主流だ。おおかれすくなかれ男女が生活を共にしだすといろいろ問題になる。事件にならなくても取り返しのつかないその齟齬が尾をひく。うなずきながら読んだ女性は多かったと思う。 そんなところもおもしろかったが、やはり風景の描写は秀逸。列車の旅の描写もそそる。 是非とも 能登金剛の冬景色を見てみたいものだ。 ***** しかし、ごらん、空の乱れ 波が――騒めいている。 さながら塔がわずかに沈んで、 どんよりとした潮を押しやったかのよう―― あたかも塔の頂きが幕のような空に かすかに裂け目をつくったかのよう。 いまや波は赤く光る…… 時間は微かにひくく息づいている―― この世のものとも思われぬ呻吟のなかに。 海沿いの墓のなか 海ぎわの墓のなか―― ***** 作中に引用してある外国の詩。禎子が夫を想って涙を流す。そう、親しみの薄かった、あっという間に失踪してしまった新婚の夫を愛し初めて...。 清張さんはストーリのどこもかしこも手を抜いていないのだなあと。
10投稿日: 2019.11.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何度か挫折したのかしてないのかもよくわからない小説。 それなりに昔のものであるので、今とは時代背景も言葉も違うので、やっぱり読みにくい。 とりあえず、数年越しでようやく最後までたどり着きました。 時代背景を考えれば、とてもよくできた小説だと思います。 新婚一週間で夫が失踪してしまった禎子の話。 彼女は夫の行方を尋ねて北陸へ向かう……という話でした。 ぶ厚目の松本清張作品ですので、お好きな人はお好きだと思いますが、現代文に慣れすぎていると少々目が滑るというよりも、読むのに時間がかかりますのでお気をつけて……
2投稿日: 2019.10.01
powered by ブクログ森博嗣を読んでから推理小説に夢中になっている。今までなかったなあ。ホームズとかはやみねかおるとかちょいちょい読むくらいだった。この前まで歴史ものにはまってたのに。 わたしはどちらかというと、どうやってやったのかっていう謎に惹かれるのかもしれない。誰がなぜやったのか、ってのは考える糸口がなくてちょっともどかしい。黒革の手帖は、途中経過がはらはらして面白いけどね。とりあえず日本語が綺麗。ありがとうぞんじます、なんて今や古典落語でしか聞かないじゃないか。 ついでに、個人情報の管理がゆるい時代だったんだなって思いました。だから素人でもある程度情報が集まる。知らない人に戸籍みせるってすごい。 そんなことを考えながら読んでいたけれど、解説でも推理小説としては提示された事実から読者が推理するには情報が足りない、って書いてあった。やっぱそうだよねえ。なるほど!とはならないかな。そしてとりあえず崖の上ってサスペンス劇場の先駆けみたいだなって思いました。まる。 4/28/2019
2投稿日: 2019.09.22
powered by ブクログ結婚直後に失踪した夫。少しずつ明らかになる秘められた過去。その設定の面白さに、重い雰囲気と少し硬めの文章にも関わらず、どんどん読み進んだ。読み終わった後には、当時の社会情勢や時代に翻弄された人々の悲劇が心に残る。
2投稿日: 2019.08.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1.松本清張シリーズはずっと気になっていたので、ここに来て読む機会が作れたので購入しました。 2.主人公の禎子は憲一と見合い結婚をし、新たな人生が始まりました。金沢に配属されていた憲一は、東京へ異動となったため、引き継ぎをしに、金沢へ出張することになりました。しかし、音信不通となってしまい、禎子自身も金沢へ飛んだ。すると、憲一の関係者が禎子に協力をしてくれるのたが、次々と殺されていきます。憲一の過去に何が起きたのかを探りながら犯人を突き止めていくストーリーになっていくので、興味が深まっていく作品です。 3.初めて松本清張シリーズを読んだのですが、とても面白かったです。元々有名なミステリー作家ではあったのですが、なかなか読む気になれず、今の今まで引っ張ってきました。私の好きな「相棒」や「科捜研の女」といったドラマは基本的に刑事物なので、嫁が主人公の小説というのが新鮮で楽しかったです。
7投稿日: 2019.07.06
powered by ブクログ前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。ようやく手がかりを掴んだ時、“自殺として処理されていた夫の姓は曾根であった! 夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、名作『点と線』と並び称される著者の代表作。 "
0投稿日: 2019.06.18
powered by ブクログ「点と線」が面白かったので、古本屋でこの作品も購入して読んでみました。戦後の時代背景をベースにした事件。北陸地方への旅情もそそられる。面白かったです。次は「砂の器」かな。
2投稿日: 2019.05.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初は読者に心の準備をさせてくれるが、一度展開が転がりはじめるといい意味で不親切に。度肝を抜かれながら結末にたどり着く。トリックではなく人情の謎解き。午後のサスペンスの再放送好きにおすすめ。
2投稿日: 2019.03.09
powered by ブクログ初めて松本清張の作品を読みました。 ミステリーではありますが、トリックなどに重きを置いたタイプではなく、当時の時代背景を色濃く反映し、その人間模様が味わい深い作品です。北国の寒々しくも美しい描写が印象的でした。 時間が経つとまた読み直したくなる作品かもしれません。
7投稿日: 2018.11.18
powered by ブクログ犯人や、トリック云々よりも、北陸特有の曇天・吹きすさぶ湿った空気と戦後の暗い雰囲気、それが松本清張の作風とマッチングして気高いミステリーとなっている気がする。金沢に住んでいたこともあるので、時代は違えどあの風土は実感できる。 新婚早々、失踪してしまった夫。妻の禎子はそれを追うが、夫の謎は深まっていく....。この禎子、落ち着いていて理知的なナイスレディ。じっくりと事件に取り組む様子は、気の短い私からすると感心しきり。本全体の雰囲気は重いのだけれど、そこはかとなく気品が感じられる文体が好きな作品。
3投稿日: 2018.11.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
新婚1週間で失踪した夫、その夫は何故か別の姓で自殺していた…そして関係者の謎の連続死、という感じの裏表紙ネタバレが、半分読み進めるまで起こらなくてびっくり。 二重生活って大変なんだなあ。そして、過去の黒歴史(と本人が思っていること)の発覚を恐れて連続殺人に及ぶ犯人がかわいそうになった。 後半の怒涛の謎解きラッシュに、禎子の妄想力の高さを知って震えた。
2投稿日: 2018.09.28
powered by ブクログ松本清張氏の代表作を今更ながら読んでみました。 戦後まもなくの昭和30年代の東京、金沢を舞台とする推理小説。内容、文章はあまり古さを感じさせず、すらすら読める印象。最近のミステリーものに比べるとシンプルで少し物足りなさも感じたが、戦後の時代背景は興味深かった。
4投稿日: 2018.08.22
powered by ブクログ初の松本清張作品。450頁以上のボリュームなので、読了に時間が掛かるかと思いきや、場面の情景や空気感、登場人物の心情を的確に捉える圧倒的な描写力に引き込まれ、一気に読み終えてしまった。流石に前時代的古臭さは禁じ得ないが、最後の最後まで真相の明かされぬ展開は決して読者を飽きさせないし、敗戦の余波が色濃く反映された切実な犯行動機も胸を打つ。現代作品では馴染みのない溢れんばかりの旅情感も味があり、これは俄然他の作品にも興味が湧く。勝手に癖の強い文体をイメージしていたので、こんなに読み易い文体だとは思わなかった。
3投稿日: 2018.08.16
powered by ブクログ初の松本清張。代表作と言われるものを読んでみました。 新婚の夫が前任地の北陸で姿を消してしまう。その夫を追って、妻の禎子が行方を尋ね歩き、夫の過去と真相をつきとめるミステリー。 読み進めていく中で、何度か「え!」と思わず声を上げてしまう展開あり。事件を追っていく中で最初は頼りない感じだった禎子がどんどんしっかりしてくる。 戦後がまだ色濃かった時代の悲劇ともいえる結末でした。なんだか物悲しい気持ちになるエンディング。 やっぱり、サスペンス・ミステリーはそんなに好みではないのだけど、なるほどと思わせるストーリーでした。暗い海に続く断崖絶壁が心に残ります。
0投稿日: 2018.08.14
powered by ブクログ「1958年当時の」現代小説ゆえに正当な評価には為り得ていないのは自覚するが、禎子の名探偵への豹変ぶりや鵜原が久子より禎子を選んだ理由の薄弱さや駄々漏れな個人情報に印象が強く残ってしまった。松本清張氏が描きたかったのは戦後混乱期の悲劇であったろうが、度重なる禎子の推敲がミステリー部分のチープさをやや際立たせている。また、これは出版社のせいであるが文庫本裏表紙の内容紹介も重要な種明かしをしており興醒めだ。 いゆわる「火サス」系の地方回り後の絶壁ラストのフォーマットではあるし、作品としての面白さはあるのだが、名作の誉れ高き作品だっただけに些か期待外れだった感はあった。
0投稿日: 2018.05.07
powered by ブクログ謎解きが登場人物の独白の形はとってはいるが、説明調な点があまり好きになれなかった。ストーリーは面白い。ただし、半分は過去に埋もれてしまいつつある設定。そして、情景。夜行列車の窓が開いたりとか、車内喫煙が当たり前だった時代。懐かしいと思えるぎりぎり。
2投稿日: 2018.04.19
powered by ブクログ前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。ようやく手がかりを掴んだ時、“自殺”として処理されていた夫の姓は曾根であった!夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、名作『点と線』と並び称される著者の代表作。 延々と沈思黙考するのが刑事ではなく、主人公の禎子であるところが面白い。
2投稿日: 2018.04.14
